JP2008214664A - 焼結体の製造方法および焼結体 - Google Patents

焼結体の製造方法および焼結体 Download PDF

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Abstract

【課題】磁気特性に優れるとともに、靭性が高いため、例えば外部応力が加わる機械部品として用いることができるFe−Al−Si系合金の焼結体を容易に製造可能な焼結体の製造方法、および、かかる製造方法により製造された焼結体を提供すること。
【解決手段】Fe−Al−Si系合金で構成された複数のコア粒子1と、Ni基金属材料で構成された複数のNi基金属粒子2と、バインダとを混合するとともに造粒し、造粒粉末を得る造粒工程と、得られた造粒粉末を所定の形状に成形し、成形体を得る成形工程と、得られた成形体に脱脂処理を施し、脱脂体を得る脱脂工程と、得られた脱脂体を焼成し、焼結体30を得る焼成工程とを有する。このような方法によれば、複数のコア粒子1同士の間に、Ni基金属粒子2が分布してなる焼結体30が得られる。焼結体30では、脆いコア粒子1を、靭性の高いNi基金属粒子2が補強して、全体の靭性が高くなっている。
【選択図】図4

Description

本発明は、焼結体の製造法および焼結体に関するものである。
Fe−Al−Si系の合金材料は、高い透磁率と高い飽和磁束密度を示す軟磁性材料として知られている。このようなFe−Al−Si系合金材料は、磁気特性に優れていることから、各種コイルの磁心を構成する材料として用いられている。
また、Fe−Al−Si系合金材料は、耐摩耗性にも優れていることから、磁気テープと継続的に擦れ合う磁気ヘッドの構成材料としても用いられている。
一方、Fe−Al−Si系合金材料には、硬度が高いものの、非常に脆いという欠点がある。
例えば、特許文献1には、Fe−Al−Si系合金粉末に、バインダとして、ポリビニルアルコール、メチルセルロースおよびポリアクリルアミドのうちの1種または2種を0.1〜2.0wt%の割合で添加し、さらに水を加えて混練するとともに、この混練物からスプレードライヤー装置により、平均粒径20〜400μmの造粒粉末を製造し、この造粒粉末を用いて焼結合金を得ることを特徴とするFe−Al−Si系焼結合金の製造方法が開示されている。
特許文献1に記載の方法によれば、密度の高い焼結体が得られるものの、Fe−Al−Si系合金粉末の粒子同士が焼結して焼結体を構成しており、粒子自体の脆性はそのまま維持されている。このため、このような従来の方法で製造された焼結体は、外部応力が加わることで容易に破断してしまい、機械部品として用いることが困難である。
特開平8−67941号公報
本発明の目的は、磁気特性に優れるとともに、靭性が高いため、例えば外部応力が加わる機械部品として用いることができるFe−Al−Si系合金の焼結体を容易に製造可能な焼結体の製造方法、および、かかる製造方法により製造された焼結体を提供することにある。
上記目的は、下記の本発明により達成される。
本発明の焼結体の製造方法は、Fe−Al−Si系合金で構成された複数のコア粒子と、Ni基金属材料で構成された複数のNi基金属粒子と、バインダとを混合するとともに造粒し、造粒粒子を得る第1の工程と、
前記造粒粒子を所定の形状に成形し、成形体を得る第2の工程と、
前記成形体を焼成し、焼結体を得る第3の工程とを有することを特徴とする。
これにより、磁気特性に優れるとともに、靭性が高いため、例えば外部応力が加わる機械部品として用いることができるFe−Al−Si系合金の焼結体を容易に製造することができる。
本発明の焼結体の製造方法では、前記造粒粒子は、前記各コア粒子を覆うように、前記各Ni基金属粒子および前記バインダが位置してなるものであることが好ましい。
これにより、各コア粒子と各Ni基金属粒子とが均一に分散してなり、脆い各コア粒子を靭性の高い各Ni基金属粒子で効率よく補強してなる成形体が得られる。
本発明の焼結体の製造方法では、前記Fe−Al−Si系合金は、Feを主成分とし、Alの含有率が3〜8wt%であり、Siの含有率が5〜11wt%であることが好ましい。
これにより、高い透磁率と高い飽和磁束密度とを示す焼結体を得ることができる。
本発明の焼結体の製造方法では、前記Ni基金属材料は、Ni単体であることが好ましい。
Ni単体は、靭性が特に高いため、焼結体の靭性を特に高めることができる。
本発明の焼結体の製造方法では、前記造粒粒子の平均粒径は、40〜180μmであることが好ましい。
これにより、造粒粒子を成形型に充填して成形体を形成する際に、造粒粒子が、流動性および成形型への充填性に優れたものとなる。
本発明の焼結体の製造方法では、前記Ni基金属粒子の平均粒径は、前記コア粒子の平均粒径よりも小さいことが好ましい。
これにより、コア粒子とNi基金属粒子とが混ざり易くなるとともに、Ni基金属粒子がコア粒子を覆うように分布し易くなる。このため、コア粒子の表面や、複数のコア粒子同士の間隙に、Ni基金属粒子が分布してなる造粒粒子が容易に得られる。
本発明の焼結体の製造方法では、前記Ni基金属粒子の平均粒径は、前記コア粒子の平均粒径の5〜50%であることが好ましい。
これにより、コア粒子とNi基金属粒子とがより混ざり易くなる。
本発明の焼結体の製造方法では、前記コア粒子の平均粒径は、2〜20μmであることが好ましい。
これにより、焼結体中に形成されるFe−Al−Si系合金の結晶粒のサイズが、比較的小さいものとなる。このため、焼結体中の結晶組織内での破壊確率が低下し、焼結体の抗折強度や靭性等の機械的特性を高めることができる。
本発明の焼結体の製造方法では、前記Ni基金属粒子の平均粒径は、0.5〜10μmであることが好ましい。
これにより、造粒粒子中において、Ni基金属粒子がコア粒子の表面を覆うように分布したり、複数のコア粒子同士の間隙に入り込んだりすることが容易になる。したがって、このような状態の造粒粒子を用いて焼結体を製造することにより、例えコア粒子が非常に脆い粒子であっても、靭性の高い焼結体を得ることができる。
本発明の焼結体の製造方法では、前記造粒粒子における前記コア粒子と前記Ni基金属粒子との混合比は、重量比で99.5:0.5〜90:10であることが好ましい。
これにより、焼結体の磁気特性が著しく低下するのを防止しつつ、焼結体の靭性を高めることができる。
本発明の焼結体の製造方法では、前記第1の工程は、前記複数のコア粒子と、前記複数のNi基金属粒子とを混合して混合物を得る工程と、
前記バインダを溶媒に溶解してなるバインダ溶液を供給しつつ、前記混合物を造粒し、前記造粒粒子を得る工程とを有することが好ましい。
これにより、例えば、Ni基金属粒子の粒径が比較的大きいために、バインダ溶液中に均一に分散させ難い場合でも、コア粒子とNi基金属粒子とを均一に分散させることができる。
本発明の焼結体の製造方法では、前記第1の工程は、前記バインダを溶媒に溶解してなるバインダ溶液に前記複数のNi基金属粒子を分散させ、分散液を得る工程と、
該分散液を供給しつつ、前記複数のコア粒子を造粒し、前記造粒粒子を得る工程とを有することが好ましい。
これにより、Ni基金属粒子をバインダ溶液に乗せて効率よく拡散させることができる。このため、コア粒子とNi基金属粒子とをさらに均一に分散させることができる。
本発明の焼結体の製造方法では、前記第1の工程おいて、転動造粒法、転動流動造粒法または噴霧乾燥法により前記造粒を行うことが好ましい。
これにより、粒度分布の比較的狭い造粒粉末を効率よく製造することができる。
本発明の焼結体の製造方法では、前記第3の工程において、前記焼成の温度を1100〜1270℃とし、前記焼成の時間を0.5〜8時間とすることが好ましい。
これにより、コア粒子の溶融を防止しつつ、成形体を確実に焼結させることができる。
本発明の焼結体は、本発明の焼結体の製造方法により製造されたことを特徴とする。
これにより、磁気特性に優れるとともに、靭性が高いFe−Al−Si系合金の焼結体が得られる。
本発明の焼結体は、Fe−Al−Si系合金で構成された複数のコア粒子同士の間に、Ni基金属材料が分布してなることを特徴とする。
これにより、磁気特性に優れるとともに、靭性が高いFe−Al−Si系合金の焼結体が得られる。
本発明の焼結体では、抗折強度が680N/mm以上であることが好ましい。
これにより、得られるFe−Al−Si系合金の焼結体は、その優れた磁気特性を維持しつつ、機械的特性が特に高いものとなるため、例えば、機械部品等として好適に適用可能なものとなる。
本発明の焼結体では、空孔率が1〜10%であることが好ましい。
これにより、得られるFe−Al−Si系合金の焼結体は、その機械的特性が特に高くなるとともに、磁気特性もさらに高くなる。
以下、本発明の焼結体の製造方法および焼結体について、添付図面に示す好適な実施形態に基づいて説明する。
<第1実施形態>
まず、本発明の焼結体の製造方法および焼結体の第1実施形態について説明する。
図1は、本発明の焼結体の製造方法の第1実施形態を示す工程図、図2は、第1実施形態にかかる焼結体の製造方法で用いる造粒粉末の縦断面を模式的に示す図、図3は、第1実施形態にかかる焼結体の製造方法で得られた成形体の縦断面を模式的に示す図、図4は、本発明の焼結体の縦断面を模式的に示す図である。
本発明の焼結体の製造方法は、Fe−Si−Al系合金で構成された複数のコア粒子と、Ni基金属材料で構成された複数のNi基金属粒子とを用い、これらを原材料として、Fe−Si−Al系合金で構成された焼結体を製造する方法である。このようにして製造された焼結体は、磁気特性に優れるとともに、靭性が高いため、例えば外部応力が加わる機械部品として好適に用いることができる。
以下、本発明に用いられる前述のコア粒子と、前述のNi基金属粒子とについて説明する。
本実施形態では、まず、コア粒子となるFe−Si−Al系合金で構成された複数の粒子を含むFe−Si−Al系合金粉末と、Ni基金属粒子となるNi基金属材料で構成された複数の粒子を含むNi基金属粉末とを、混合して混合物を得る。
以下、本実施形態では、Fe−Si−Al系合金で構成された複数の粒子、すなわち複数のコア粒子を、「Fe−Si−Al系合金粉末」とも言う。また、Ni基金属材料で構成された複数の粒子、すなわち複数のNi基金属粒子を、「Ni基金属粉末」とも言う。さらに、複数の造粒粒子を、「造粒粉末」とも言う。
ここで、コア粒子は、前述したように、Fe−Al−Si系合金で構成されている。
一方、Ni基金属粒子は、前述したように、Ni基金属材料で構成されている。このNi基金属材料は、Niを主成分として含む金属材料である。
ところで、Fe−Al−Si系合金は、上記のように磁気特性には優れているものの、非常に脆いという欠点を抱えている。このため、従来は、Fe−Al−Si系合金を鍛造することができず、また、Fe−Al−Si系合金を鋳造して構造体を作製しても、得られた構造体の機械的特性が低いという問題があった。
一方、粉末冶金技術により、Fe−Al−Si系合金粉末とバインダとを混合・造粒して造粒粉末を得るとともに、この造粒粉末を用いて焼結体を得ることも行われてきた。しかしながら、Fe−Al−Si系合金粉末は、その各粒子自体の脆性が維持された状態で焼結体を構成しているため、焼結体の機械的特性が低いという問題があった。
そこで、本発明では、Fe−Al−Si系合金粉末に、Ni基金属粉末およびバインダを混合するとともにこれらを造粒し、造粒粉末を得た後、この造粒粉末に対して、成形・焼成を施すことにより、焼結体を得ることとした。
すなわち、本実施形態にかかる焼結体の製造方法は、図1に示すように、Fe−Al−Si系合金で構成された複数のコア粒子(Fe−Al−Si系合金粉末)と、Ni基金属材料で構成された複数のNi基金属粒子(Ni基金属粉末)と、バインダとを混合するとともに造粒し、造粒粉末を得る造粒工程(第1の工程)[A]と、得られた造粒粉末を所定の形状に成形し、成形体を得る成形工程(第2の工程)[B]と、得られた成形体に脱脂処理を施し、脱脂体を得る脱脂工程[C]と、得られた脱脂体を焼成し、焼結体を得る焼成工程(第3の工程)[D]とを有する。
このような各工程を経て焼結体を製造することにより、磁気特性に優れるとともに、靭性が高い焼結体を得ることができる。
以下、前記各工程について順次説明する。
[A]造粒工程(第1の工程)
本実施形態では、この造粒工程において、まず、Fe−Al−Si系合金粉末(複数のコア粒子)と、Ni金属粉末(複数のNi基金属粒子)とを混合して混合物を得る工程と、バインダを溶媒に溶解して、バインダ溶液を調製する工程とを行い、次いで、調製したバインダ溶液を供給しつつ、得られた混合物を造粒する工程を行うことにより、造粒粉末(複数の造粒粒子)を得る。
まず、図2に示す、Fe−Al−Si系合金粉末1と、Ni基金属粉末2とを用意する。
このうち、Fe−Al−Si系合金粉末1を構成するFe−Al−Si系合金は、Fe、Al、Siの各元素がいかなる組成比で含まれた合金でもよいが、Feを主成分とする合金であるのが好ましい。
具体的には、Fe−Al−Si系合金は、Feを主成分とし、Alが3〜8wt%程度の含有率で、およびSiが5〜11wt%程度の含有率でそれぞれ含まれた合金であるのが好ましく、Feを主成分とし、Alが4〜7wt%程度の含有率で、およびSiが8〜11wt%の含有率でそれぞれ含まれた合金であるのがより好ましい。
このようなFe−Al−Si系合金材料は、高い透磁率と高い飽和磁束密度を示す磁気特性に優れた軟磁性材料である。このため、前述したような組成のFe−Al−Si系合金材料で構成されたコア粒子1を原材料として用いることにより、焼結体は、磁気特性に優れたものとなる。
また、Fe−Al−Si系合金は、さらに、Fe、Al、Si以外のその他の成分を含んでいてもよい。
その他の成分としては、Ni、Ti等が挙げられる。例えば、Niを0.5〜5wt%程度添加することにより、Fe−Al−Si系合金の軟磁性特性を維持しつつ、飽和磁束密度をより高めることができる。また、Tiを添加することによっても、磁気特性を高めることができる。
なお、その他の成分としては、さらに、製造過程で不可避的に混入するO(酸素)、C(炭素)、P(リン)、S(硫黄)等の元素が挙げられる。ただし、その他の成分の含有率の総和は、1wt%以下とするのが好ましい。その他の成分の含有率が前記範囲内であれば、Fe−Al−Si系合金の磁気特性が意図せず大きく変化するのを防止することができる。
このようなFe−Al−Si系合金粉末1の平均粒径(コア粒子1の平均粒径)は、特に限定されないが、2〜20μm程度であるのが好ましく、3〜10μm程度であるのがより好ましい。Fe−Al−Si系合金粉末1の平均粒径を前記範囲内とすることにより、最終的に得られる焼結体中に形成されるFe−Al−Si系合金の結晶粒のサイズが、比較的小さいものとなる。このため、焼結体中の結晶組織内での破壊確率が低下し、焼結体の抗折強度や靭性等の機械的特性を高めることができる。
また、Fe−Al−Si系合金粒子(コア粒子)1の形状は、特に限定されないが、球形に近い形状であるのが好ましい。これにより、後述する成形工程において、Fe−Al−Si系合金粒子1の成形型への充填率が高くなり、より高い密度の成形体および焼結体が得られる。さらに、コア粒子1の形状が球形に近いと、その形状作用により、より破壊し難くなるという利点もある。
なお、Fe−Al−Si系合金粉末1は、いかなる方法で製造されたものであってもよいが、例えば、アトマイズ法(例えば、水アトマイズ法、ガスアトマイズ法、高速回転水流アトマイズ法等)、還元法、カルボニル法、粉砕法等の粉末製造法により製造することができる。 このうち、Fe−Al−Si系合金粉末1は、アトマイズ法により製造されたものが好ましい。これにより、より真球に近いFe−Al−Si系合金粉末1を、効率よく製造することができる。
一方、Ni基金属粉末2を構成するNi基金属材料は、前述したように、Niを主成分として含む金属材料である。
このNi基金属材料におけるNiの含有率は、50〜100wt%程度であるのが好ましく、80〜100wt%程度であるのがより好ましい。これにより、Ni基金属粒子2の靭性をより高めることができる。その結果、最終的に得られるFe−Al−Si系合金の焼結体も、高い靭性を示すものとなる。
また、Ni基金属材料は、Ni単体であるのがより好ましい。Ni単体は靭性が特に高いため、焼結体の靭性を特に高めることができる。
このようなNi基金属粉末2の平均粒径(Ni基金属粒子2の平均粒径)は、特に限定されないが、0.5〜10μm程度であるのが好ましく、0.5〜5μm程度であるのがより好ましい。Ni基金属粉末2の平均粒径を前記範囲内とすることにより、後述する造粒粉末中において、Ni基金属粒子2が、コア粒子1の表面を覆うように分布したり、複数のコア粒子1同士の間隙に入り込んだりすることが容易になる。したがって、このような状態の造粒粉末を用いて焼結体を製造することにより、例えFe−Al−Si系合金粒子1が非常に脆い粒子であっても、靭性の高い焼結体を得ることができる。なお、この作用・効果については、後に詳述する。
また、Ni基金属粒子2の形状は、特に限定されないが、コア粒子1と同様に球形に近い形状であるのが好ましい。これにより、Ni基金属粒子2の流動性がより高くなり、複数のコア粒子1同士の間隙に、より入り込み易くなる。このため、後述する成形工程において、より充填率、すなわち密度の高い成形体が得られる。
なお、Ni基金属粉末2は、いかなる方法で製造されたものであってもよく、前述したFe−Al−Si系合金粉末1の製造方法と同様の方法により製造することができる。
次に、用意したFe−Al−Si系合金粉末1とNi基金属粉末2とを混合し、混合物を得る。
この混合は、特に限定されないが、V型混合機、ダルトン混合機、転動混合機等の各種混合機を用いて行うことができる。
本実施形態では、このように、Fe−Al−Si系合金粉末1とNi基金属粉末2とを、あらかじめ混合しているので、例えば、Ni基金属粉末2の粒径が比較的大きいために、バインダ溶液中に均一に分散させ難い場合でも、Fe−Al−Si系合金粉末1とNi基金属粉末2とを均一に分散させることができる。
次に、図2に示すバインダ3と、このバインダ3を溶解する溶媒とを用意する。そして、バインダ3を溶媒に溶解し、バインダ溶液を調製する。
バインダ3としては、例えば、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリビニルピロリドン(PVP)、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸リチウム、ステアリン酸カルシウム、エチレンビスステアロアミド、エチレンビニル共重合体、パラフィン、ワックス、アルギン酸ソーダ、寒天、アラビアゴム、レジン、しょ糖等が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
この中でも、ポリビニルアルコールまたはポリビニルピロリドンが好ましい。このようなバインダは、低価格で入手が容易であるにもかかわらず、結合力が強い。また、加熱によって容易に熱分解するため、意図しない成分が残留し難い、すなわち脱バインダ特性が高いという利点もある。
また、溶媒としては、バインダ3を溶解し得るものであれば特に限定されないが、例えば、水、二硫化炭素、四塩化炭素等の無機溶媒や、ケトン系溶媒、アルコール系溶媒、エーテル系溶媒、セロソルブ系溶媒、脂肪族炭化水素系溶媒、芳香族炭化水素系溶媒、芳香族複素環化合物系溶媒、アミド系溶媒、ハロゲン化合物系溶媒、エステル系溶媒、アミン系溶媒、ニトリル系溶媒、ニトロ系溶媒、アルデヒド系溶媒等の有機溶媒等が挙げられ、これらから選択される1種または2種以上を混合したものを用いることができる。
また、溶媒に溶解させるバインダ3の重量は、原料粉末(Fe−Al−Si系合金粉末1およびNi基金属粉末2)の合計重量1kg当たり0.5〜30g程度であるのが好ましく、1〜20g程度であるのがより好ましい。バインダ3の重量が前記範囲内になるように設定されることにより、コア粒子1の表面を十分な量のバインダで被覆するとともに、被覆に寄与しないバインダが多量に発生するのを防止することができる。その結果、後述する工程において、保形性および成形密度に優れた成形体を作製可能な造粒粉末が得られる。
また、バインダ3の溶解に用いる溶媒の重量は、バインダ1g当たり5〜100g程度であるのが好ましく、7〜70g程度であるのがより好ましい。溶媒の重量を前記範囲内に設定することにより、バインダ3を確実に溶解するとともに、溶媒の量が多くなり過ぎて、バインダ溶液の粘性が著しく低下し、後述する工程において作製させる成形体の保形性が低下するのを確実に防止することができる。
次に、Fe−Al−Si系合金粉末(コア粒子)1とNi基金属粉末(Ni基金属粒子)2との混合物を、造粒装置に投入し、この混合物に、調製したバインダ溶液を供給しつつ、混合物の造粒を行う。
この造粒は、例えば、転動流動造粒法、転動造粒法、噴霧乾燥法(スプレードライヤー)、撹拌混合造粒、押出造粒、破砕造粒、圧縮造粒等の各種造粒方法により行うことができるが、特に、転動流動造粒法、転動造粒法または噴霧乾燥法により行うのが好ましい。これらの方法によれば、粒度分布の比較的狭い造粒粉末を効率よく製造することができる。
このような造粒により、図2に示すような、造粒粉末10が得られる。造粒粉末10では、複数のコア粒子1と複数のNi基金属粒子2とが、バインダ3および溶媒の結着作用により、互いに結着して造粒粒子を構成している。
また、得られた造粒粉末10は、各コア粒子1を覆うように、各Ni基金属粒子2およびバインダ3が分布してなる造粒粒子を含んでいるのが好ましい(図2参照)。このような造粒粉末10は、成形型に充填されて成形される際に、コア粒子1とNi基金属粒子2とが均一に分散することができる。このため、かかる造粒粉末10を用いることにより、脆いコア粒子1を、靭性の高いNi基金属粒子2で効率よく補強してなる成形体を製造することができる。
ここで、図2に示す造粒粉末10では、Ni基金属粒子2の平均粒径が、コア粒子1の平均粒径よりも小さい。これにより、コア粒子1とNi基金属粒子2とが混ざり易くなるとともに、Ni基金属粒子2が、コア粒子1を覆うように分布し易くなる。このため、図2に示すような、コア粒子1の表面や、複数のコア粒子1同士の間隙に、Ni基金属粒子2が分布してなる造粒粉末10が容易に得られる。かかる造粒粉末10においては、コア粒子1とNi基金属粒子2とが、特に均一に分散している。
この場合、Ni基金属粒子2の平均粒径は、コア粒子1の平均粒径の5〜50%程度であるのが好ましく、5〜30%程度であるのがより好ましい。Ni基金属粒子2の平均粒径をこのような範囲に設定することにより、コア粒子1とNi基金属粒子2とがより混ざり易くなる。そして、コア粒子1とNi基金属粒子2とが、より均一に分散してなる造粒粉末10が得られる。
このような造粒粉末10は、後述する工程で成形され、さらに焼成されることにより、複数のコア粒子1の間隙を、Ni基金属粒子2が充填してなる焼結体を得ることができる。
かかる焼結体は、脆いコア粒子1を、靭性の高いNi基金属粒子2が補強することになる。これにより、仮に焼結体に大きな負荷が加わっても、靭性の高いNi基金属粒子2の原子配列が変化することによって、加わった負荷のエネルギーを吸収し、脆いコア粒子1に負荷が加わるのを抑制することができる。その結果、焼結体において、Ni基金属粒子の機械的特性が支配的となり、靭性の高い焼結体が得られる。
また、特に、転動流動造粒法または転動造粒法によれば、前述の混合物を転動させつつ造粒するので、転動する際に、コア粒子1の表面にNi基金属粒子2が付着し易い。このため、これらの造粒方法によれば、図2に示すような造粒粉末10を効率よく製造することができる。
このとき、バインダ溶液の供給速度は、特に限定されないが、原料粉末(Fe−Al−Si系合金粉末1およびNi基金属粉末2)の合計重量1kg当たり1〜40g/分程度であるのが好ましく、2〜32g/分程度であるのがより好ましく、4〜24g/分程度であるのがさらに好ましい。バインダ溶液の供給速度を前記範囲内に設定することにより、原料粉末の全体にわたってバインダ溶液をムラなく行き渡らせるとともに、得られる造粒粉末の粒度分布をより狭いものとすることができる。
これに対し、バインダ溶液の供給速度が前記下限値を下回ると、造粒ムラが発生するおそれがある。一方、バインダ溶液の供給速度が前記上限値を上回ると、原料粉末の一部で造粒が過度に進む可能性がある。このため、得られる造粒粉末の粒度分布が広がってしまうおそれがある。
また、造粒を行う時間は、特に限定されないが、30〜120分間程度であるのが好ましく、40〜100分間程度であるのがより好ましく、50〜90分間程度であるのがさらに好ましい。
なお、本実施形態では、コア粒子1の表面や、複数のコア粒子1の間隙に、Ni基金属粒子2が分布してなる造粒粉末10について説明したが、Ni基金属粒子2の分布状態は、図2に示す状態に限定されない。すなわち、複数のコア粒子1が集合していて、その集合物の周囲にNi基金属粒子2が分布していてもよい。
このようにして得られた造粒粉末10は、その平均粒径が、40〜180μm程度であるのが好ましく、45〜140μm程度であるのがより好ましく、50〜100μm程度であるのがさらに好ましい。造粒粉末10の平均粒径を前記範囲内に設定することにより、造粒粉末10を成形型に充填して成形体を形成する際に、造粒粉末10が、流動性および成形型への充填性に優れたものとなる。
なお、平均粒径が前記下限値を下回ると、造粒粉末10の流動性が安定せず、焼結体(成形体)の寸法バラツキが大きくなる可能性がある。一方、平均粒径が前記上限値を上回ると、特に小さい成形体を形成する際に、造粒粉末10の充填ムラが起こり易くなり、焼結体(成形体)の寸法バラツキが大きくなる可能性がある。
また、造粒粉末10におけるコア粒子1とNi基金属粒子2との混合比は、重量比で99.5:0.5〜90:10程度であるのが好ましく、99:1〜95:5程度であるのがより好ましい。コア粒子1とNi基金属粒子2との混合比を前記範囲内に設定すれば、焼結体の磁気特性が著しく低下するのを防止しつつ、焼結体の靭性を高めることができる。
なお、コア粒子1に対するNi基金属粒子2の割合が前記下限値を下回ると、Ni基金属粒子2を、複数のコア粒子1の間隙やコア粒子1の表面に十分に分布させることができず、コア粒子1を十分に補強することができないおそれがある。一方、コア粒子1に対するNi基金属粒子2の割合が前記上限値を上回ると、軟磁性に優れるコア粒子1の含有率が低下し、焼結体の磁気特性が低下するおそれがある。
なお、造粒粉末10は、その他の成分として、可塑剤、分散剤、界面活性剤、潤滑剤等の各種添加物を含んでいてもよい。このような各種添加物は、例えば、原料粉末やバインダ溶液等に含ませておけばよい。
[B]成形工程(第2の工程)
次に、得られた造粒粉末10を成形型に充填し、成形することにより成形体を得る。
このとき、成形方法としては、例えば、圧粉成形(圧縮成形)法、金属粉末射出成形(MIM:Metal Injection Molding)法、押出成形法等の各種成形法を用いることができる。
このうち、圧粉成形法の場合の成形条件は、用いる原料粉末の組成や粒径、バインダの組成、およびこれらの配合量等の諸条件によって異なるが、成形圧力が20〜1000MPa(2.0〜10t/cm)程度であるのが好ましい。
また、金属粉末射出成形法の場合の成形条件は、諸条件によって異なるものの、材料温度が80〜210℃程度、射出圧力が50〜500MPa(0.5〜5t/cm)程度であるのが好ましい。
また、押出成形法の場合の成形条件は、諸条件によって異なるものの、材料温度が80〜210℃程度、押出圧力が50〜500MPa(0.5〜5t/cm)程度であるのが好ましい。
このようにして得られた成形体20は、図3に示すように、複数のコア粒子1の間隙に、複数のNi基金属粒子2およびバインダ3が分布した状態となる。
なお、作製される成形体20の形状寸法は、以降の脱脂工程および焼成工程における成形体20の収縮分等を見込んで決定される。
[C]脱脂工程
次に、得られた成形体20に脱脂処理(脱バインダ処理)を施し、脱脂体を得る。
この脱脂処理は、特に限定されないが、非酸化性雰囲気中、例えば真空または減圧状態下(例えば1×10−1〜1×10−6Torr(13.3〜1.33×10−4Pa))、または、窒素ガス、アルゴンガス、水素ガス、アンモニア分解ガス等のガス中で、熱処理を行うことによりなされる。
この場合、熱処理の条件は、バインダの分解開始温度等によって若干異なるが、好ましくは温度100〜750℃程度で0.5〜20時間程度、より好ましくは温度150〜700℃程度で1〜10時間程度とされる。
また、このような熱処理による脱脂は、種々の目的(例えば、脱脂時間の短縮等の目的)で、複数の工程(段階)に分けて行ってもよい。この場合、例えば、前半を低温で、後半を高温で脱脂するような方法や、低温と高温を繰り返し行う方法等が挙げられる。
なお、バインダは、脱脂処理によって完全に除去されなくてもよく、例えば、脱脂処理の完了時点で、その一部が残存していてもよい。
[D]焼成工程(第3の工程)
次に、得られた脱脂体を焼成する。この焼成により、造粒粉末を構成していた原料粉末が焼結され、焼結体となる。
このようにして得られた焼結体30では、図4に示すように、複数のコア粒子1同士の間隙を埋めるように、Ni基金属材料が隙間なく分布している。このため、脆いコア粒子1を、靭性の高いNi基金属粒子2が補強することになり、靭性の高い焼結体30が得られる。
また、Ni基金属粒子2中のNiは、Feを含む合金中への拡散係数が大きいため、コア粒子1の粒子間や粒界に容易に拡散する。このため、コア粒子1とNi基金属粒子2とが、この拡散に基づいて強固に結合することとなる。その結果、コア粒子1とNi基金属粒子2との間で粒界ズレ等が生じ難くなり、焼結体30の機械的特性のさらなる向上が図られている。
さらに、Niは、Fe−Al−Si系合金の主要な元素ではないため、Niが、Fe−Al−Si系合金中に拡散しても、Fe−Al−Si系合金の組成が著しく変化することがない。このため、前述のようなNiの拡散が生じても、Fe−Al−Si系合金の優れた磁気特性を維持することができる。
焼成温度は、原料粉末の組成や粒径等により若干異なるが、例えば、1100〜1270℃程度であるのが好ましく、1150〜1270℃程度であるのがより好ましく、1200〜1260℃程度であるのがさらに好ましい。また、焼成時間は、焼成温度によって若干異なるものの、0.5〜8時間程度であるのが好ましく、1〜5時間程度であるのがより好ましい。焼成温度および焼成時間をそれぞれ前記範囲内に設定することにより、コア粒子1の溶融を防止しつつ、脱脂体(成形体)を確実に焼結させることができる。
なお、焼成温度および焼成時間のいずれか一方が前記下限値を下回った場合、脱脂体を十分に焼結させることができないおそれがある。一方、焼成温度および焼成時間のいずれか一方が前記上限値を上回った場合、コア粒子1のほぼ全体が溶融してしまい、脱脂体の形状が変形してしまったり、コア粒子1中の特定の元素が偏析し、磁気特性が低下するおそれがある。
また、焼成雰囲気は、減圧(真空)下または非酸化性雰囲気とするのが好ましい。これにより、コア粒子1やNi基金属粒子2の酸化による特性劣化を防止することができる。
このうち、具体的な減圧(真空)下の焼成雰囲気としては、1Torr(133Pa)以下の減圧(真空)下であるのが好ましく、1×10−6〜1×10−2Torr(1.33×10−4〜1.33Pa)の減圧(真空)下であるのがより好ましい。
また、具体的な非酸化性雰囲気としては、窒素ガス、アルゴンガス等の不活性ガス雰囲気、水素ガス等の還元性ガス雰囲気であるのが好ましい。
なお、焼成工程を行う雰囲気は、工程の途中で変化してもよい。例えば、最初に減圧雰囲気とし、途中で不活性雰囲気に切り替えるようにしてもよい。
また、焼成工程は、2段階またはそれ以上に分けて行ってもよい。これにより、造粒粉末の焼結の効率が向上し、より短い焼結時間で焼結を行うことができる。
また、焼成工程は、前述の脱脂工程と連続して行うのが好ましい。これにより、脱脂工程は、焼結前工程を兼ねることができ、脱脂体に予熱を与えて、脱脂体をより確実に焼結させることができる。
以上のようにして、磁気特性に優れるとともに、靭性が高いため、例えば外部応力が加わる機械部品として用いることが可能なFe−Al−Si系合金の焼結体を容易に製造することができる。
このようにして得られたFe−Al−Si系合金の焼結体は、その抗折強度が680N/mm以上であるのが好ましく、700N/mm以上であるのがより好ましい。抗折強度が前記範囲内のように高いFe−Al−Si系合金の焼結体は、その優れた磁気特性を維持しつつ、機械的特性が特に高いものとなるため、例えば機械部品等として好適に適用可能である。また、本発明の焼結体の製造方法によれば、このような磁気特性と機械的特性の双方に優れた焼結体を容易に製造することができる。
また、上記のFe−Al−Si系合金の焼結体は、その空孔率が1〜10%程度であるのが好ましく、1〜8%程度であるのがより好ましい。空孔率が前記範囲内のように小さいFe−Al−Si系合金の焼結体は、その機械的特性が特に高くなるとともに、磁気特性もさらに高くなる。このため、このような焼結体を、例えば機械部品等として特に好適に用いることができる。
なお、得られたFe−Al−Si系合金の焼結体は、いかなる目的で用いられるものであってもよく、例えば、機械部品(電子機械部品、航空部品、自動車部品等)、磁心、磁気ヘッド等として用いることができる。
<第2実施形態>
次に、本発明の焼結体の製造方法の第2実施形態について説明する。
以下、第2実施形態について説明するが、前記第1実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項については、その説明を省略する。
本実施形態にかかる焼結体の製造方法は、造粒工程におけるNi基金属粒子の混合方法が異なる以外は、前記第1実施形態と同様である。
本実施形態では、造粒工程(第1の工程)において、まず、Fe−Al−Si系合金粉末(複数のコア粒子)を用意する工程と、バインダを溶媒に溶解してバインダ溶液を調製するとともに、このバインダ溶液中にNi基金属粉末(複数のNi基金属粒子)を添加する工程とを順次行い、次いで、Ni基金属粉末を添加したバインダ溶液を供給しつつ、Fe−Al−Si系合金粉末を造粒する工程を行うことにより、造粒粉末(複数の造粒粒子)を得る。
かかる方法によれば、Ni基金属粉末をバインダ溶液に乗せて効率よく拡散させることができる。このため、Fe−Al−Si系合金粉末とNi基金属粉末とをさらに均一に分散させることができる。
なお、本実施形態では、このように、Ni基金属粉末をバインダ溶液に分散させた状態で、Fe−Al−Si系合金粉末に供給されるため、例えば、Ni基金属粉末の粒径が比較的小さいために、Ni基金属粉末に凝集が起こり易い場合でも、Fe−Al−Si系合金粉末とNi基金属粉末とを均一に分散させることができる。
以上、本発明について、好適な実施形態に基づいて説明したが、本発明はこれらに限定されるものではない。
例えば、Fe−Al−Si系合金粉末とNi基金属粉末とバインダとの混合方法は、いかなる順序で混合されてもよい。
1.焼結体の製造
(実施例1)
<1>まず、原料粉末として、水アトマイズ法により製造された平均粒径8.2μmのFe−Al−Si系合金粉末と、平均粒径1μmのNi粉末とを用意した。ここで用いたFe−Al−Si系合金粉末は、Fe−5.5wt%Al−9.5wt%Siの粉末である。
次いで、Fe−Al−Si系合金粉末とNi粉末とをV型混合機により混合して、混合物を得た。なお、Fe−Al−Si系合金粉末とNi粉末との混合比は、重量比で99:1とした。
<2>一方、バインダとして、ポリビニルピロリドン(BASF(株)製)粉末を用意し、この粉末を水(溶媒)に溶解してバインダ溶液を調製した。
なお、バインダ溶液におけるバインダの量は、Fe−Al−Si系合金粉末とNi粉末との合計重量1kg当たり12gとした。
また、バインダ溶液における溶媒の量は、バインダ1gあたり50gとした。
<3>次に、Fe−Al−Si系合金粉末とNi粉末との混合物を、転動流動造粒装置((株)パウレック製、MP−01)の処理容器内に投入した。そして、処理容器内の混合物に向けて、スプレーノズルからバインダ溶液を噴霧しつつ、混合物を転動・造粒し、平均粒径75μmの造粒粉末を得た。
なお、バインダ溶液の供給速度は、Fe−Al−Si系合金粉末とNi粉末との合計重量1kg当たり10g/分とした。
また、造粒時間は、90分とした。
<4>次に、得られた造粒粉末を用い、以下の成形条件で成形し、成形体を得た。
<成形条件>
・成形方法 :圧粉成形
・成形圧力 :600MPa(6t/cm
<5>次に、この成形体を以下の脱脂条件で脱脂し、脱脂体を得た。
<脱脂条件>
・脱脂温度 :600℃
・脱脂時間 :1時間
・脱脂雰囲気:水素ガス雰囲気
<6>次に、得られた脱脂体を以下の焼成条件で焼成し、焼結体を得た。
<焼成条件>
・焼成温度 :1250℃
・焼成時間 :2時間
・焼成雰囲気:真空雰囲気
(実施例2〜4)
Fe−Al−Si系合金粉末とNi粉末との混合比、および、焼成温度を表1に示すように設定した以外は、前記実施例1と同様にして焼結体を得た。
(実施例5)
Ni粉末として、平均粒径3μmのものを用いた以外は、前記実施例3と同様にして焼結体を得た。
(実施例6)
以下のようにして造粒粉末を得るようにした以外は、前記実施例3と同様にして焼結体を得た。
まず、原料粉末として、水アトマイズ法により製造された平均粒径8.2μmのFe−Al−Si系合金粉末を用意した。ここで用いたFe−Al−Si系合金粉末は、Fe−5.5wt%Al−9.5wt%Siの粉末である。
次に、平均粒径1μmのNi粉末と、バインダとして、ポリビニルピロリドン(BASF(株)製)粉末を用意し、Ni粉末とポリビニルピロリドンの粉末とを水(溶媒)に分散または溶解させてバインダ溶液を調製した。なお、用意したNi粉末の量は、Fe−Al−Si系合金粉末とNi粉末との混合比が、重量比で98:2となる量とした。
また、バインダ溶液におけるバインダの量は、Fe−Al−Si系合金粉末とNi粉末との合計重量1kg当たり12gとし、溶媒の量は、バインダ1gあたり50gとした。
次に、Fe−Al−Si系合金粉末を、転動流動造粒装置((株)パウレック製、MP−01)の処理容器内に投入した。そして、処理容器内のFe−Al−Si系合金粉末に向けて、スプレーノズルからバインダ溶液を噴霧しつつ、Fe−Al−Si系合金粉末を転動・造粒し、平均粒径80μmの造粒粉末を得た。
なお、バインダ溶液の供給速度は、Fe−Al−Si系合金粉末とNi粉末との合計重量1kg当たり20g/分とした。
また、造粒時間は、50分とした。
(実施例7)
Fe−Al−Si系合金粉末として、Fe−4.0wt%Al−6.0wt%Si−3.2wt%Niの粉末を用いた以外は、前記実施例3と同様にして焼結体を得た。
(比較例1)
Ni粉末の添加を省略した以外は、前記実施例2と同様にして焼結体を得た。
(比較例2)
Ni粉末の添加を省略した以外は、前記実施例3と同様にして焼結体を得た。
(比較例3)
Ni粉末の添加を省略した以外は、前記実施例7と同様にして焼結体を得た。
2.評価
2.1 焼結体の密度の評価
各実施例および各比較例で得られた焼結体について、それぞれ密度を測定した。なお、密度の測定は、アルキメデス法(JIS Z 2501に規定)に準じた方法により行った。
2.2 焼結体の抗折強度の評価
各実施例および各比較例で得られた焼結体について、それぞれ抗折強度を測定した。なお、抗折強度の測定は、金属材料の曲げ強さ試験方法(JIS Z 2248に規定)に準じた方法により行った。
2.3 焼結体の硬度の評価
各実施例および各比較例で得られた焼結体について、それぞれロックウェル硬度(HRC)を測定した。なお、ロックウェル硬度の測定は、ロックウェル硬さ試験方法(JIS Z 2245に規定)に準じた方法により行った。
以上、2.1〜2.3の評価結果について、表1に示す。
Figure 2008214664
表1から明らかなように、各実施例では、いずれも密度が十分に高い焼結体が得られた。
また、各実施例では、いずれも抗折強度およびロックウェル硬度が十分に高い焼結体が得られた。
一方、各比較例で得られた焼結体は、いずれも、抗折強度が低かった。また、密度やロックウェル硬度が特に低いものもあった。
なお、各実施例および各比較例で得られた焼結体の透磁率および飽和磁束密度を測定したところ、いずれも、ほぼ同等の磁気特性であった。
本発明の焼結体の製造方法の第1実施形態を示す工程図である。 第1実施形態にかかる焼結体の製造方法で用いる造粒粉末の縦断面を模式的に示す図である。 第1実施形態にかかる焼結体の製造方法で得られた成形体の縦断面を模式的に示す図である。 本発明の焼結体の縦断面を模式的に示す図である。
符号の説明
1……Fe−Al−Si系合金粉末(Fe−Al−Si系合金粒子、コア粒子) 2……Ni基金属粉末(Ni基金属粒子) 3……バインダ 10……造粒粉末 20……成形体 30……焼結体

Claims (18)

  1. Fe−Al−Si系合金で構成された複数のコア粒子と、Ni基金属材料で構成された複数のNi基金属粒子と、バインダとを混合するとともに造粒し、造粒粒子を得る第1の工程と、
    前記造粒粒子を所定の形状に成形し、成形体を得る第2の工程と、
    前記成形体を焼成し、焼結体を得る第3の工程とを有することを特徴とする焼結体の製造方法。
  2. 前記造粒粒子は、前記各コア粒子を覆うように、前記各Ni基金属粒子および前記バインダが位置してなるものである請求項1に記載の焼結体の製造方法。
  3. 前記Fe−Al−Si系合金は、Feを主成分とし、Alの含有率が3〜8wt%であり、Siの含有率が5〜11wt%である請求項1または2に記載の焼結体の製造方法。
  4. 前記Ni基金属材料は、Ni単体である請求項1ないし3のいずれかに記載の焼結体の製造方法。
  5. 前記造粒粒子の平均粒径は、40〜180μmである請求項1ないし4のいずれかに記載の焼結体の製造方法。
  6. 前記Ni基金属粒子の平均粒径は、前記コア粒子の平均粒径よりも小さい請求項1ないし5のいずれかに記載の焼結体の製造方法。
  7. 前記Ni基金属粒子の平均粒径は、前記コア粒子の平均粒径の5〜50%である請求項6に記載の焼結体の製造方法。
  8. 前記コア粒子の平均粒径は、2〜20μmである請求項1ないし7のいずれかに記載の焼結体の製造方法。
  9. 前記Ni基金属粒子の平均粒径は、0.5〜10μmである請求項1ないし8のいずれかに記載の焼結体の製造方法。
  10. 前記造粒粒子における前記コア粒子と前記Ni基金属粒子との混合比は、重量比で99.5:0.5〜90:10である請求項1ないし9のいずれかに記載の焼結体の製造方法。
  11. 前記第1の工程は、前記複数のコア粒子と、前記複数のNi基金属粒子とを混合して混合物を得る工程と、
    前記バインダを溶媒に溶解してなるバインダ溶液を供給しつつ、前記混合物を造粒し、前記造粒粒子を得る工程とを有する請求項1ないし10のいずれかに記載の焼結体の製造方法。
  12. 前記第1の工程は、前記バインダを溶媒に溶解してなるバインダ溶液に前記複数のNi基金属粒子を分散させ、分散液を得る工程と、
    該分散液を供給しつつ、前記複数のコア粒子を造粒し、前記造粒粒子を得る工程とを有する請求項1ないし10のいずれかに記載の焼結体の製造方法。
  13. 前記第1の工程おいて、転動造粒法、転動流動造粒法または噴霧乾燥法により前記造粒を行う請求項1ないし12のいずれかに記載の焼結体の製造方法。
  14. 前記第3の工程において、前記焼成の温度を1100〜1270℃とし、前記焼成の時間を0.5〜8時間とする請求項1ないし13のいずれかに記載の焼結体の製造方法。
  15. 請求項1ないし14のいずれかに記載の焼結体の製造方法により製造されたことを特徴とする焼結体。
  16. Fe−Al−Si系合金で構成された複数のコア粒子同士の間に、Ni基金属材料が分布してなることを特徴とする焼結体。
  17. 抗折強度が680N/mm以上である請求項15または16に記載の焼結体。
  18. 空孔率が1〜10%である請求項15ないし17のいずれかに記載の焼結体。
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