JP2008205218A - 半導体基板 - Google Patents

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宏道 磯貝
Takeshi Senda
剛士 仙田
Eiji Toyoda
英二 豊田
Akiko Narita
明子 成田
Koji Sensai
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  • Metal-Oxide And Bipolar Metal-Oxide Semiconductor Integrated Circuits (AREA)

Abstract

【課題】 DSB構造を有する半導体基板において基板表面の凹凸形状を最適化することにより、基板上に形成されるLSIの高歩留まりを達成することを可能にする半導体基板を提供する。
【解決手段】 第1の半導体ウェーハと、この第1の半導体ウェーハよりも膜厚の薄い第2の半導体ウェーハとが、両ウェーハの間の界面酸化膜が1nm以下となるように接合されて形成されている半導体基板であって、第2の半導体ウェーハ側表面の周期100nm以上10μm以下の凹凸のみを抽出した場合に、抽出された凹凸形状の平均高さ(Rc)が2nm以上であることを特徴とする半導体基板。
【選択図】図1

Description

本発明は、半導体基板に関し、特に2枚のウェーハを直接接合することによって形成される半導体基板に関する。
現在の半導体製品の製造においては、一般に、表面が単一の結晶面方位を有するシリコンウェーハなどの半導体ウェーハが使用される。特に、金属酸化膜半導体電界効果トランジスタ(MOSFET:Metal Oxide Semiconductor Field Effect Transistor)で構成されるLSI(Large Scale Integrated circuit)においては、結晶面方位が(100)のシリコンウェーハを使用することが主流となっている。
シリコンウェーハにおいては、MOSFETのキャリアのうち、電子は(100)結晶面方位で、正孔は(110)結晶面方位で高い移動度を有することが知られている。すなわち、(100)結晶面方位での正孔移動度は、電子移動度にくらべて1/2〜1/4になる。このアンバランスを補うため、通常、正孔をキャリアとするpMOSFETのチャネル幅は、電子をキャリアとするnMOSFETに対し幅広くなるように設計されている。この設計により、nMOSFETとpMOSFETの駆動電流のバランスが保たれ、均一な回路動作が保障されている。もっとも、幅広のpMOSFETによりLSIのチップ面積が増大するという別の問題がある。
他方、(110)結晶面方位での正孔移動度は、(100)結晶面方位での正孔移動度に比べて約2倍になる。したがって、(110)面上に形成されたpMOSFETは、(100)面上に形成されたpMOSFETに比べて高い駆動電流を示す。しかし、残念ながら、(110)結晶面方位での電子移動度は、(100)結晶面方位に比べて大幅に劣化するためnMOSFETの駆動能力は劣化する。
このように、表面が(110)結晶面方位を有するシリコンウェーハは、正孔移動度に優れるためpMOSFETにとって最適であるが、電子移動度に劣るためnMOSFETには適していない。逆に、表面が(100)結晶面方位を有するシリコンウェーハは、電子移動度に優れるためnMOSFETにとって最適であるが、正孔移動度に劣るためpMOSFETには適していない。
そこで、2枚のシリコンウェーハの直接接合(貼り合わせ)によって、シリコンウェーハ表面に相異なる結晶面方位を有する領域を作成し、nMOSFETとpMOSFETをそれぞれ最適な結晶面方位の上に作成する様々な技術が提案されている。すなわち、例えば、シリコンウェーハ表面に(100)面と(110)面の領域を作成し、(100)面上にnMOSFETを、(110)面上にpMOSFETを形成することにより、高性能かつ高集積化されたLSIの実現を可能とする技術が提案されている。
その技術の一つとして、異なる結晶面方位を表面に有するシリコンウェーハ同士を直接接合したのち、シリコン等のイオン注入によって、上層のシリコン単結晶層を下層との接合界面までアモルファス化し、アニールで下層の結晶方位情報をもとに再結晶化することによって、シリコンウェーハ表面に相異なる結晶面方位を有する領域を作成する方法(ATR法:Amorphization/Templated Recrystalization法)が、例えば、特許文献1に開示されている。
なお、上述のように、2枚のシリコンウェーハを厚い酸化膜を介することなく直接張り合わせた構造は、DSB構造(Direct Silicon Bonding structure)と称される。
上記のように2枚のウェーハの接合によって、DSB構造を有する半導体基板を形成する場合、一方の基板を薄膜化する必要が生ずる。
この薄膜化の方法として、2枚のウェーハを接合したのち、一方を機械研削および機械研磨することによって薄膜化する方法がある。もっとも、この方法では、厚いウェーハを機械研削および機械研磨によって薄膜化するため、上層の半導体層の膜厚均一性が悪化するという問題が生ずる。
そこで、上層の半導体層の膜厚均一性を向上させるいくつかの手法が考えられている。
例えば、SOI(Silicon On Insulator)基板の製法として開発されたいわゆるスマートカット(Smart Cut)法(例えば、特許文献2)、ナノクリーブ(Nano Cleave)法(例えば、特許文献3)あるいはエルトラン(ELTRAN)法(例えば、特許文献4)をDSB構造に適用する方法である。
これらの方法は、あらかじめ、一方のウェーハに微小気泡層や多孔質層等の境界層を設けておき、2枚のウェーハの接合後に、この境界層で分割(割断)を行う方法である。そのため、厚いウェーハを機械研削および機械研磨によって薄膜化する必要がなくなるため、上層の半導体層の膜厚均一性が向上する。
もっとも、割断後のウェーハ表面は、デバイス形成を行う観点からは粗すぎるため、表面平坦化のための機械研磨あるいはウェットエッチング等が必要であり、この平坦化処理によって、上層の半導体層の表面平坦化を実現している。
しかしながら、機械研磨あるいはウェットエッチング工程が存在することによる膜厚均一性の低下を、完全に抑制することは困難であった。そこで、SOI基板の製造方法についてではあるが、分割(割断)後の平坦化処理として、機械研磨あるいはウェットエッチング等でなく、熱処理のみによってウェーハ表面を平坦化する方法も提案されている(特許文献5)。
US 7,060,585 B1 特開2000−124092号公報 特表2001−525991号公報 特開平5−217821号公報 特開平11−307472号公報
上記のように、様々な方法によって、形成されるDSB構造を有する半導体基板であるが、従来の半導体基板では、半導体基板上にLSIを高歩留まりで形成するために必要な表面形状を有していなかった。
すなわち、分割後の研磨工程を設けることによって、製造した半導体基板では、ウェーハ面上の周期100nm以上10μm以下程度の周期の凹凸がなくなり、これより長周期の凹凸が支配的になっている。このため、その後の平坦化熱処理で、平坦面が結晶面である段差構造を形成される場合に、段差の面内における偏在が生じる。したがって、半導体基板上に複数の同一パターンのLSIを形成する場合に、個々のLSI特性がばらつき、歩留まりの低下が生じるという問題があった。
また、分割後、研磨工程を設けない方法をDSB構造に採用した場合は、平坦化のための熱処理の表面形状が十分制御されないため、最適な凹凸形状が得られていなかった。したがって、例えば、凹凸が大きすぎ、LSIを、リソグラフィーを用いてパターニングする際の、焦点ボケが生じることによる歩留まりの低下のおそれがある。
本発明は、上記事情を考慮してなされたもので、その目的とするところは、DSB構造を有する半導体基板において基板表面の凹凸形状を最適化することにより、基板上に形成されるLSIの高歩留まりを達成することを可能にする半導体基板を提供することにある。
本発明の一態様の半導体基板は、
第1の半導体ウェーハと、前記第1の半導体ウェーハよりも膜厚の薄い第2の半導体ウェーハとが、前記第1の半導体ウェーハと前記第2の半導体ウェーハとの間の界面酸化膜が1nm以下となるように接合されて形成されている半導体基板であって、
前記第2の半導体ウェーハ側表面の周期100nm以上10μm以下の凹凸のみを抽出した場合に、抽出された凹凸形状の平均高さ(Rc)が2nm以上であることを特徴とする。
ここで、前記周期が500nm以上10μm以下であることが望ましい。
また、前記平均高さ(Rc)が2nm以上5nm以下であることが望ましい。
また、前記第1の半導体ウェーハと前記第2の半導体ウェーハとがシリコンウェーハであって、前記第1の半導体ウェーハ表面の結晶面方位と前記第2の半導体ウェーハ表面の結晶面方位とのいずれか一方が、{100}面に対して0度以上5度以下の傾斜角(オフ角)を有する範囲にあり、他方の結晶面方位が{110}面に対して0度以上5度以下の傾斜角(オフ角)を有する範囲にあることとが望ましい。
また、前記第2の半導体ウェーハ表面の、{100}面に対する傾斜角(オフ角)が、0度以上0.1度以下であり、前記第2の半導体ウェーハ表面の、{100}面に対する傾斜方向の{100}面上の方位角が、<110>方向に対して±21度の範囲にあることが望ましい。
また、前記第2の半導体ウェーハ表面の、{110}面に対する傾斜角(オフ角)が、0度以上0.2度以下、または、前記第2の半導体ウェーハ表面の、{110}面に対する傾斜方向の{110}面上の方位角が、<100>方向に対して±26度の範囲にあることが望ましい。
そして、前記第2の半導体ウェーハ表面の、{110}面に対する傾斜方向の{110}面上の方位角が、<100>方向に対して±2度の範囲にあることが望ましい。
本発明によれば、DSB構造を有する半導体基板において基板表面の凹凸形状を最適化することにより、基板上に形成されるLSIの高歩留まりを達成することを可能にする半導体基板を提供することが可能になる。
以下、本発明に係る半導体基板についての実施の形態につき、添付図面に基づき説明する。
なお、実施の形態においては、半導体ウェーハとしてシリコンウェーハを用いる場合を例にして説明するが、本発明は必ずしもシリコンウェーハを用いた半導体基板の製造方法に限定されるわけではない。
また、本明細書中においては、(100)面、(110)面と結晶学的に等価な面を代表する表記として、それぞれ、{100}面、{110}面という表記を用いる。そして、〔100〕方向、〔110〕方向と結晶学的に等価な方向を代表する表記として、それぞれ<100>方向、<110>方向という表記を用いる。
〔第1の実施の形態〕
本発明の第1の実施の形態の半導体基板は、第1のシリコンウェーハと、前記第1のシリコンウェーハよりも膜厚の薄い第2のシリコンウェーハとがウェーハ間の界面酸化膜が1nm以下となるように接合されて形成されている半導体基板であって、前記第1のシリコンウェーハ表面の結晶面方位が、{100}面に対して0度以上5度以下の傾斜角(オフ角)を有する範囲にあり、前記第2のシリコンウェーハ表面の結晶面方位が、{110}面に対して0度以上5度以下の傾斜角(オフ角)を有し、前記第2のシリコンウェーハ側表面の任意の箇所を測定領域とした場合に、上記測定領域における周期100nm以上10μm以下の凹凸のみを抽出した場合に、抽出された凹凸形状の平均高さ(Rc)が2nm以上であることを特徴とする半導体基板である。
ここで、ウェーハ間の界面酸化膜が1nm以下とするのは、酸化膜がこの範囲より厚いと、後のLSI製造工程で、ATR法により、半導体基板表面に異なる面方位の結晶面を形成する際に、結晶欠陥の抑制された結晶面を形成する上で望ましいからである。
図1に、本実施の形態の半導体基板を説明する断面概念図を示す。図に示すように、ベースウェーハ(第1のシリコンウェーハ)102が、ボンドウェーハ(第2のシリコンウェーハ)104とシリコン酸化膜が1nm以下、望ましくはまったくない界面116で直接接合している。そして、ベースウェーハ102表面の結晶面方位が、{100}面に対して0度以上5度以下の傾斜角(オフ角)、例えば、1度の傾斜角を有し、ボンドウェーハ104表面の結晶面方位が、{110}面に対して0度以上5度以下の傾斜角(オフ角)、例えば、0.2度の傾斜角を有している。
さらに、半導体基板のボンドウェーハ104側表面の任意の箇所を測定領域とした場合に、円で囲った拡大図で示すような周期100nm未満の凹凸、および周期10μmより大きい凹凸を除き、すなわち、上記測定領域における周期100nm以上10μm以下の凹凸のみを抽出した場合に、平均高さ(Rc)が2nm以上であることを特徴とする。
ここで、所望の周期、ここでは周期100nm以上10μm以下の凹凸のみの抽出によって、この周期のみからなる凹凸形状を導出することは、例えば、AFM(Atomic Force Microscope:原子間力顕微鏡)での測定データにフィルタリング処理をすることによって可能である。より具体的には、例えば、測定データのフーリエ変換(FET)によって得られるスペクトルから、所望の周波数をバンドパスフィルタで抽出し、逆変換(iFET)することによって抽出される。
この場合、上記周期の凹凸を効果的に抽出するため、AFMにおいては30μm×30μm以上の領域を100nm以下の間隔で測定および評価することが望ましい。
また、本明細書中、平均高さ(Rc)とは、図1の(式1)に示すように、測定領域での輪郭曲線要素(ひとつの山と隣の谷、または、その逆)の高低差hiの平均値である。(式1)において、mは測定領域中の輪郭曲線要素の数を表す。
本実施の形態の半導体基板によれば、基板上に形成されるLSIのnMOSFETおよびpMOSFETの高性能化を実現すると共に、LSIの高歩留まりを達成することを可能にする。
すなわち、周期100nm以上10μm以下で、平均高さ(Rc)が2nm以上である凹凸を有することにより、LSI形成時に行われる表面再構成のための熱処理時に、半導体基板表面に形成される微小な凹凸の表面分布が平均化・均一化され、面内に多数形成されるLSIの特性ばらつきが抑制されることによりLSIの高歩留まりが実現可能となる。
以上のような、本実施の形態の半導体基板の有する作用・効果のうち、表面再構成の熱処理を行った場合の微小な凹凸(段差構造)の表面分布について、従来技術の場合と比較して説明する。還元性あるいは不活性雰囲気等の非酸化性雰囲気中で、高温、例えば、1200℃程度で、1時間程度の熱処理をシリコンウェーハに対して行うと、表面のシリコン原子が再構成され、平坦面が結晶面である段差構造が形成されることが、従来知られている。このような、平坦面が結晶面である段差構造によれば、例えば、トランジスタやキャパシタに用いられるゲート酸化膜とシリコン界面の平坦性が向上するため、トランジスタの移動度向上や、ゲート絶縁膜のリーク電流抑制が実現される。このため、LSI形成時のプロセス中で、例えば、トランジスタやキャパシタに用いられるゲート酸化膜形成の前に平坦化熱処理を加えることにより、先のプロセス等でウェーハ表面に生じた凹凸を解消し、シリコン原子の再構成により、平坦面が結晶面である段差構造を形成するプロセスを採ることが考えられる。
図2は、本実施の形態の半導体基板および従来技術の半導体基板に表面平坦化熱処理を加えた場合の効果を比較する図である。図2(a)は、本実施の形態の半導体基板に、LSI形成時に、表面平坦化のために行われる熱処理を加えた場合の表面構造を示す。本実施の形態の半導体基板においては、表面に周期100nm以上10μm以下で、平均高さ(Rc)が2nm以上の凹凸を有するため、2つのウェーハ上で離間した位置の拡大図で代表して示されるように、平坦面が結晶面である段差構造の分布が、平均化・均一化される。例えば、1個のトランジスタのゲート絶縁膜を横切る段差が多いとその段差に起因してキャリアの移動度の低下が生ずる。よって、段差構造の分布が、平均化・均一化されると、LSIの特性ばらつきが抑制されることになり、LSIの高歩留まりが実現可能となる。
これに対して、図2(b)は、従来技術の、凹凸の平均周期の比較的長い半導体基板に、LSI形成時に、表面平坦化のために行われる熱処理を加えた場合の表面構造を示す。この場合は、本実施の形態の場合と異なり、2つの拡大図で代表して示されるように、ある場所では、多数の段差が生じ、ある場所ではまったく段差が生じないなど、平坦面が結晶面である段差構造の分布のばらつきが大きくなる。よって、LSIの特性ばらつきが大きくなり、LSIの歩留まり低下を招くことになる。
なお、本実施の形態において、周期100nm以上10μm以下の範囲を抽出し、平均高さ(Rc)が2nm以上の凹凸と数値限定する理由は、周期がこの範囲を下回ると、平坦面が結晶面である段差構造の平坦面幅と凹凸周期がほぼ等しくなる、あるいは周期のほうが大きくなるため、段差構造の分布改善効果が期待しにくくなるためである。また、周期がこの範囲を上回ると、平坦面が結晶面である段差構造の分布のばらつきが従来技術のように大きくなり歩留まりの低下が顕著になるからである。
そして、平均高さがこの範囲を下回ると、やはり、平坦面が結晶面である段差構造の分布のばらつきが大きくなり歩留まりの低下が顕著になるためである。
ここで、周期500nm以上10μm以下の凹凸のみを抽出した場合に、平均高さ(Rc)が2nm以上となることがより望ましい。これは、例えば、(100)面を表面とするシリコンウェーハをアニールした場合、幅の広い平坦面の形成が可能となり、その幅が50nm〜300nm程度となり得るからである。したがって、このような場合には、周期が500nm以上ないと、平坦面が結晶面である段差構造の平坦面幅と周期がほぼ等しくなる、あるいは周期のほうが大きくなるため、段差構造の分布改善効果が期待できないためである。
また、平均高さは、2nm以上5nm以下であることが望ましい。この範囲を上回ると、1周期中の平坦面の数(段差数)が大きくなり、LSIの1素子を横切る段差数が多くなりすぎ、デバイス歩留まりの劣化の恐れが生ずるからである。また、平均高さがこの範囲を上回ると、LSIを、リソグラフィーを用いてパターニングする際に十分な焦点深度に対するマージンを確保することが困難になる。よって、焦点ボケ(デフォーカス)に起因する歩留まりの低下が顕著になるからである。
また、本実施の形態においては、第1および第2のシリコンウェーハについて傾斜角(オフ角)を0度以上5度以下とした。平坦面を結晶面とする段差構造を安定して形成するには、傾斜角が上記範囲にあることが望ましいが、本発明は、上記傾斜角を越える範囲を排除するものではない。
以下、本実施の形態の半導体基板の第1の製造方法についての実施の形態につき、添付図面に基づき説明する。
本実施の形態の半導体基板の第1の製造方法は、表面の結晶面方位が(100)面に対して0度以上5度以下の傾斜角(オフ角)を有する第1のシリコンウェーハと、表面の結晶面方位が(110)面に対して0度以上5度以下の傾斜角(オフ角)を有する第2のシリコンウェーハとを準備する工程と、前記第1のシリコンウェーハと前記第2のシリコンウェーハとをウェーハ間の界面酸化膜が10nm以下となるように接合する工程と、前記第1のシリコンウェーハに接合される前記第2のシリコンウェーハが300nm以下の厚さとなり、かつ、分割後の前記第2のシリコンウェーハ表面粗さのRMS(Root Mean Square:平均二乗根)が3.5nm以上6.5nm以下となるように前記第2のシリコンウェーハを分割し、前記第1のシリコンウェーハと前記第2のシリコンウェーハの一部(シリコン上側層)が接合されたシリコン基板を形成する工程と、前記分割後のウェーハ表面粗さが維持された前記シリコン基板を、1100℃以上1350℃以下の温度、還元性ガス、不活性ガス、または、還元性ガスと不活性ガスとの混合ガス雰囲気中で熱処理する工程を有するシリコン基板の製造方法であって、前記分割をいわゆるスマートカット法(水素イオン注入剥離法)を用いて行うシリコン基板の製造方法である。
本製造方法においては、界面酸化膜の膜厚、分割後の第2のシリコンウェーハの膜厚および第2のシリコンウェーハの表面粗さを限定することにより、本実施の形態の半導体基板の製造が可能となる。
以下、本製造方法について、図3の製造工程フロー図を参照しつつ、より具体的に記載する。
まず、図3(a)に示す工程で、例えば、チョクラルスキー法(CZ法)により引上げた結晶方位(100)のシリコン単結晶インゴットを、所定の角度、例えば、(100)面に対して0度以上5度以下、例えば、2度程度の傾斜角(オフ角)を有するようにスライスしてシリコンウェーハを作成する。続いて、このシリコンウェーハを、例えば、フッ化水素−硝酸での洗浄を行った後に、ミラー研磨する。そうすることによって、表面が(100)面に対して所定の傾斜角(オフ角)を有するベースウェーハ(第1の半導体ウェーハ)102を準備する。
次に、やはり、図3(a)に示す工程で、例えば、チョクラルスキー法(CZ法)により引上げた結晶方位(110)のシリコン単結晶インゴットを、所定の角度、例えば、(110)面に対して0度以上5度以下、例えば、2度程度の傾斜角(オフ角)を有するようにスライスしてシリコンウェーハを作成する。続いて、このシリコンウェーハを、例えば、フッ化水素−硝酸での洗浄を行った後に、ミラー研磨する。そうすることによって、表面が(110)面に対して所定の傾斜角(オフ角)を有するボンドウェーハ(第2の半導体ウェーハ)104を準備する。
ここで、第1および第2のシリコンウェーハ双方または一方に、バッチ式縦型熱処理炉あるいは枚葉式のRTP(Rapid Thermal Processing)装置等の熱処理装置を用いて、熱処理を行っても構わない。この熱処理は、1025℃以上1250℃以下の温度、30秒以上2時間以下の時間、還元性ガス、不活性ガス、または、還元性ガスと不活性ガスとの混合ガス雰囲気中で行うことが好ましい。なぜなら、この熱処理によって、それぞれ、あるいは一方のシリコンウェーハ表面が平坦化され、2枚のウェーハの接合界面の平坦度が向上する。このため、接合後の界面における結晶欠陥の発生が抑制され、製造されたシリコン基板に対して、イオン注入によるアモルファス化と、アニールでの再結晶化(ATR法)により基板表面に異なる結晶面方位を有する領域を作成する場合に、接合界面の結晶欠陥に起因する結晶欠陥の発生を抑制することが可能になるからである。
なお、(100)面および(110)面に対する傾斜角を0度以上5度以下とするのは、この範囲を超えると、nMOSFET、pMOSFETそれぞれについて、キャリアの移動度の増大効果を十分に享受できなくなる可能性があるためである。また、この範囲を超えると、上記記載した接合前の平坦化熱処理を付加した場合に、ウェーハ表面の平坦面が結晶面となる段差構造の形成が困難となるため、ウェーハ表面の平坦性が劣化し、十分な結晶欠陥抑制効果を発揮できなくなるおそれがあるからである。
次に、図3(b)に示す工程で、ボンドウェーハ104の片面に対して水素イオンまたは希ガスイオン、ここでは水素イオンを3E16〜1E17atoms/cm程度注入し、イオンの平均進入深さにおいて、ウェーハ表面に平行な微小気泡層(封入層)106を形成する。
次に、図3(c)に示す工程で、水素イオンを注入したボンドウェーハ104の水素イオン注入面と、ベースウェーハ102を重ねて密着させる。密着前に、例えばRCA洗浄等の洗浄処理を行い、ウェーハ表面の付着物等を除去すると共に、1〜2nm程度の厚さの自然酸化膜(シリコン酸化膜)をそれぞれの表面に成長させる。この工程においては、常温の清浄な雰囲気下で2枚のウェーハの表面同士を接触させることにより、接着剤等を用いることなくシリコンウェーハを接合させることが可能となる。ただし、一定のシリコン酸化膜が界面に無い場合には、接合は困難である。
この工程において、界面酸化膜108の厚さが、10nm以下となるようにする。この界面酸化膜108の膜厚調整は、接合前の洗浄処理による自然酸化膜の形成および形成された自然酸化膜の希弗酸(HF)による除去等により行われる。例えば、自然酸化膜の希弗酸(HF)による除去後、大気中に放置したウェーハを3時間程度以内程度で貼りあわせることによって、10nm以下とすることが可能である。なお、ここで界面酸化膜108の厚さを10nm以下とするのは、これ以上厚くなると後の熱処理により、界面酸化膜を除去することが極めて困難となるためである。
次に、図3(d)に示す工程で、微小気泡層(封入層)106を境界として、剥離ウェーハ110と、シリコン基板114に分離する。シリコン基板114は、ボンドウェーハ104の一部であるシリコン基板上側層112と、ベースウェーハ102とが接合された基板である。そして、この工程においては、例えば、不活性ガス雰囲気中で、約500℃以上の温度で熱処理を加えることにより、シリコン原子の再配列と、水素気泡の凝集により、剥離ウェーハ110とシリコン基板114に分割される。
本製造方法においては、ボンドウェーハ104が分割された後の一部であるシリコン基板上側層112の膜厚が、300nm以下となるように制御する。この制御は、図1(b)の工程において、注入する水素イオンの加速エネルギーを制御することによって可能となる。
このように、膜厚を300nm以下とするのは、この範囲を超えると、後の平坦化・界面酸化膜除去熱処理により、界面酸化膜108を完全に除去することが困難となるからである。
そして、シリコン基板114表面のシリコン基板上側層112表面には、分割の際に生じた表面の凹凸、すなわち表面粗さが残存する。本実施の形態においては、この表面粗さのRMS(Root Mean Square:平均二乗根)が、3.5nm以上6.5nm以下となるように制御する。この制御は、例えば、図1(b)の工程において、微小気泡層(封入層)106を形成する際の、注入イオン種やイオン注入量、あるいは、図1(d)の工程の熱処理温度、熱処理プロファイル等を制御することによって可能となる。
なお、ここでRMSとは、表面粗さの指標であり、平均線から測定曲線までの偏差の二乗を平均した値の平方根で表される値である。シリコンウェーハの表面の粗さのRMSは、例えば、AFMを用いることによって、容易に測定することが可能である。
なお、本明細書中のウェーハ表面のRMSとは、AFMにより、ウェーハ表面の任意の3〜30μm程度の領域について測定した値をいうものとする。
このように、表面粗さのRMSを、3.5nm以上6.5nm以下と限定するのは、この範囲よりも表面の凹凸が大きくなると、シリコン基板表面の平坦化が困難になるためであり、この範囲よりも表面の凹凸が小さくなると、界面酸化膜の除去が困難になるためである。
次に、図3(e)の工程において、図3(d)の分割後のシリコン基板(ウェーハ)114のシリコン基板上側層112表面の表面粗さが維持された状態、すなわち、表面研磨等の積極的にウェーハ表面を平坦化する処理を行わない状態で、シリコン基板114を1100℃以上1350℃以下の温度、還元性ガス、不活性ガス、または、還元性ガスと不活性ガスとの混合ガス雰囲気中で熱処理する。この熱処理は、シリコン基板114表面の平坦化および界面酸化膜108の除去を一括して行うための熱処理である。この熱処理は、例えば、ヒーター加熱による縦型熱処理炉を用いて行う。
この平坦化・界面酸化膜除去熱処理により、図3(f)に示すように、表面が平坦化された結晶方位(110)のシリコン基板上側層112と、結晶方位(100)のベースウェーハ102が、シリコン酸化膜のない界面116で接合されたシリコン基板114が形成される。
そして、このシリコン基板は、シリコンウェーハ側表面の任意の箇所を測定領域とした場合に、上記測定領域における周期100nm以上10μm以下の凹凸のみを抽出した場合に、平均高さ(Rc)が2nm以上であることを最大の特徴とする。
なお、本製造方法においては、この平坦化・界面酸化膜除去熱処理が、ベースウェーハ102とシリコン基板上側層112との結合熱処理も兼ねている。シリコン基板114の製造工程を簡略化する観点からは、本実施の形態のように、結合熱処理を兼ねることが望ましいが、結合熱処理を別途平坦化・界面酸化膜除去熱処理の前に行うことによっても本実施の形態の半導体基板の製造は可能である。
以上、本製造方法によれば、2枚のウェーハの接合によりDSB構造を有するシリコン基板を製造する場合に、上層のシリコン層の膜厚均一性を高く保持したシリコン基板表面平坦化と、2枚のウェーハの界面のシリコン酸化膜除去を同一の熱処理で行うことが可能になった上で、基板上に形成されるLSIのnMOSFETおよびpMOSFETの高性能化を実現すると共に、LSIの高歩留まりを達成することを可能にするシリコン基板が製造可能である。
このような、上層のシリコン層の膜厚均一性を高く保持したシリコン基板表面平坦化と、2枚のウェーハの界面のシリコン酸化膜除去を同一の熱処理で行うことが可能になるという製造方法上の作用・効果が得られる理由および作用・効果の詳細について、以下記載する。
まず、平坦化・界面酸化膜除去熱処理において、ウェーハ分割後に残存する凹凸が平坦化されるのは、従来知られているように、熱エネルギーによりウェーハ表面のシリコン原子が再構成され、凹凸であるよりは表面エネルギーの小さくなる平坦面が構成されることによる。もっとも、酸化性雰囲気中では、ウェーハ表面が酸化されることによりシリコン原子の再構成が妨げられるため、熱処理は、還元性ガス、不活性ガス、または、還元性ガスと不活性ガスとの混合ガス雰囲気中で行われなければならない。
また、平坦化・界面酸化膜除去熱処理において、界面のシリコン酸化膜が除去されるのは、シリコン酸化膜中の酸素が、シリコン基板上側層112中を拡散し、シリコン基板上側層112表面から雰囲気中に外方拡散することによる。
図2に、半導体(シリコン)基板上側層の膜厚と、熱処理による界面酸化膜(シリコン酸化膜)の減少厚さの関係を、温度をパラメータとして計算した結果を示す。
計算は、下記、フィックの第1法則に基づいて行った。

J=−D(σC/σX)
=D(Cs−0)/t
J:酸素の流速
D:拡散係数
C:不純物濃度
Cs:酸素固溶限界
t:半導体基板上側層膜厚

ここでの計算において、σC/σX=Cs−0としたのは、酸化膜とシリコン酸化膜の酸素濃度を固溶限界とし、シリコン表面の酸素濃度を0と仮定したことによる。 なお、界面酸化膜の減少量を求める上で、熱処理時間は60分に固定した。図1から明らかなように、1100℃より低い温度では、界面酸化膜の除去効果が極めて小さいため、熱処理温度は1100℃以上であることが必要である。特に、1200℃以上では、界面酸化膜の除去効果が顕著になるため、熱処理温度は1200℃以上であることが望ましい。
また、高温熱処理による炉材の劣化や、処理ウェーハへの金属汚染を減少させる観点から熱処理温度は1350℃以下である必要があり、1300℃以下であることが望ましい。
そして、図4から明らかように、半導体基板上側層膜厚が300nmより厚くなると、界面酸化膜の除去効果が特に1100℃近傍では極めて低下するため、界面層酸化膜の除去を効率的に行うためには、半導体基板上側層膜厚は300nm以下である必要がある。
図5に、平坦化・界面酸化膜除去の熱処理温度と、熱処理による界面酸化膜の減少厚さを、半導体基板上側層の厚さをパラメータとして実験により調べた結果を示す。上記計算結果から導かれるのと同様に、熱処理温度は1100℃以上、半導体基板上側層膜厚は300nm以下であることが必要であり、特に、1200℃以上では、界面酸化膜の除去効果が顕著になるため、熱処理温度は1200℃以上であることが望ましいことが実験においても明らかとなった。
なお、この実験においては、熱処理前のRMSは0.3nm以下、熱処理時間は60分としている。
なお、SOI基板の表面を平坦化する熱処理の場合には、埋め込み酸化膜(BOX)が除去される条件下での熱処理は、SOI層と埋め込み酸化膜層の界面品質を劣化させるため好ましくない。したがって、平坦化を実現させるための、高温かつ還元性ガス、不活性ガス、または、還元性ガスと不活性ガスとの混合ガス雰囲気での熱処理は、SOI基板製造の観点からは、最低限にとどめることが望ましい。このため、ウェーハの分割後、平坦化熱処理前に、いったん、研磨やエッチング等の積極的にウェーハ表面を平坦化する工程を追加することが一般的である。
これに対し、本製造方法においては、SOI基板と異なり、界面酸化膜の除去という要請があるDSB構造を有するシリコン基板の製造において、平坦化と界面酸化膜の除去を同一の熱処理で行うという点に着目し、工程の簡略化を実現している点が一つの特徴である。
さらに、本製造方法においては、分割後のボンドウェーハ(第2の半導体ウェーハ)の表面粗さのRMS(Root Mean Square:平均二乗根)を3.5nm以上6.5nm以下に限定することにより、同一の熱処理でのウェーハ表面の平坦化・界面酸化膜の除去を効率的に実現している。
図6に、平坦化・界面酸化膜除去熱処理の熱処理温度と、熱処理後の表面粗さ(平坦度)との関係を熱処理前の表面粗さ(RMS)をパラメータとして、実験により調べた結果を示す。なお、熱処理は、アルゴン雰囲気中で60分行っている。
図6から明らかなように、熱処理前にRMSが6.5nm以下の領域であれば、1100℃の熱処理を行うことで、熱処理後にRMSが4nm以下、さらに、1200℃の熱処理を行うことによって、熱処理後にRMSが1nm以下という極めて平坦度の高い界面状態が実現できる。
図7には、熱処理前のシリコン基板表面粗さと熱処理による界面酸化膜の減少厚さの関係を示す。なお、熱処理は、アルゴン雰囲気中で60分行っている。
図から明らかなように、熱処理前の表面粗さが粗いほど、界面酸化膜の減少厚さが大きくなっている。これは、シリコン基板表面が粗くなることによって、ウェーハ表面積が増大し、界面酸化膜からの酸素が効率的に雰囲気中に外方拡散するためであると考えられる。したがって、図5より上記外方拡散増大効果が顕著に見え始める、RMSにして3.5nm以上の表面粗さを、熱処理前に有していることが酸化膜除去を効率よく行う上で必要である。
以上より、平坦化・酸化膜除去熱処理前、すなわち分割後のボンドウェーハ(第2の半導体ウェーハ)の表面粗さのRMS(Root Mean Square:平均二乗根)を、ウェーハ表面の平坦化および界面酸化膜除去を効率的に実現する観点から、3.5nm以上6.5nm以下に限定することが必要である。
そして、上記範囲の表面粗さの実現は、上述のように、例えば、図3(b)の工程において、微小気泡層(封入層)106を形成する際の、注入イオン種やイオン注入量、あるいは、図3(d)の工程の熱処理温度、熱処理プロファイル等を制御することによって可能である。
そして、上記表面粗さの範囲に限定したプロセスで、熱処理時間を長大化せずに、効率よく、かつ、再現性よく酸化膜除去を行うためには、界面酸化膜の膜厚が3nm以下であることが望ましい。
また、DSB接合を有するシリコン基板等の半導体基板の口径は300mm以上の口径が主流となる。したがって、還元性ガス雰囲気中での高温熱処理では、還元性ガスおよびウェーハ重量による、熱処理炉部材の劣化が大きくなる。よって、例えば、アルゴンガス等の不活性ガス雰囲気中で熱処理が行われることがより望ましい。
以上のよう製造方法によれば、従来、DSB構造のシリコン基板を形成する際、ウェーハ分割後の表面凹凸を除去するためおこなわれていた表面研磨工程を省略し、さらに、表面平坦化の熱処理と、界面酸化膜除去の熱処理を同一の熱処理で行うことにより、大幅な工程短縮化を実現している。また、表面研磨工程を省略することにより、上層の半導体層の膜厚均一性を高く保持することが可能になる。
さらに、単に表面研磨工程を省略しただけではなく、分割後に生ずるウェーハ表面の凹凸を、積極的に酸素外方拡散促進に利用して界面酸化膜除去効果をあげ、効率のよい平坦化・界面酸化膜除去熱処理を実現している。
そして、LSIの高歩留まりを実現する本実施の形態の半導体基板を製造することできる。
次に、本実施の形態の半導体基板の第2の製造方法について説明するが、第1の製造方法のスマートカット法(水素イオン注入剥離法)にかえて、いわゆるナノクリーブ(Nano Cleave)法を用いる以外は、第1の製造方法と同様であるので記述を省略する。
図8に、本実施の形態の第2の製造方法の製造工程フロー図を示す。
図8(a)のベースウェーハ(第1の半導体ウェーハ)102とボンドウェーハ(第2のシリコンウェーハ)104を準備する工程は第1の実施の形態と同様である。
次に、第1の製造方法同様、図8(b)に示す工程で、ボンドウェーハ104の片面に対して水素イオンまたは希ガスイオンを注入し、イオンの平均進入深さにおいて、ウェーハ表面に平行な微小気泡層(封入層)106を形成する。ただし、本実施の形態では、
例えば、水素イオンを1E17〜1E18atoms/cm程度と、第1の製造方法よりも高いドーズ量を注入する。これは、本製造方法のナノクリーブ法では、第1の実施の形態と異なり、加熱による発泡を利用するのではなく、物理的な、へき開動作によりウェーハを分割することからくる要請である。
次に、図8(c)に示す工程で、第1の製造方法同様、水素イオンを注入したボンドウェーハ104の水素イオン注入面と、ベースウェーハ102を重ねて密着させる。
次に、図8(d)に示す工程で、微小気泡層(封入層)106を境界として、剥離ウェーハ110と、シリコン基板114に分離する。この工程においては、第1の実施の形態のような熱処理ではなく、微小気泡層(封入層)106の側面から、加圧した、気体あるいは液体等の流体、ここでは窒素(N)ガスを噴射して、物理的な、へき開動作によりウェーハを分割する。
本製造方法においても、第1の製造方法同様、分割後の表面粗さのRMS(Root Mean Square:平均二乗根)が、3.5nm以上6.5nm以下となるように制御する。この制御は、例えば、図6(b)の工程において、微小気泡層(封入層)106を形成する際の、注入イオン種やイオン注入量、あるいは、図8(d)の工程で噴射する流体の種類、量、圧力等を制御することによって可能となる。
その後、第1の製造方法同様、図8(e)の平坦化・界面酸化膜除去熱処理工程を行い、図8(f)に示すように、表面が平坦化された結晶方位(110)のシリコン基板上側層112と、結晶方位(100)のベースウェーハ102が、シリコン酸化膜のない界面116で接合されたシリコン基板114が形成される。
以上、本製造方法によれば、第1の製造方法同様、2枚のウェーハの接合によりDSB構造を有するシリコン基板を製造する場合に、上層のシリコン層の膜厚均一性を高く保持したシリコン基板表面平坦化と、2枚のウェーハの界面のシリコン酸化膜除去を同一の熱処理で、効率よく行うことが可能になる。
そして、LSIの高歩留まりを実現する本実施の形態の半導体基板を製造することできる。
次に本実施の形態の半導体基板の第3の製造方法について説明するが、第1の製造方法のスマートカット法(水素イオン注入剥離法)にかえて、いわゆるエルトラン(ELTRAN)法を用いる以外は、第1の製造方法と同様であるので記述を省略する。
図9に、本製造方法の製造工程フロー図を示す。
図9(a)の工程において、ベースウェーハ(第1の半導体ウェーハ)102とボンドウェーハ(第2のシリコンウェーハ)104を準備する。ここで、ボンドウェーハの表面に弗酸を溶液とする陽極化成法(陽極酸化法)を用いて、多孔質シリコン層118を形成する。
次に、図9(b)に示す工程で、多孔質シリコン層118表面にエピタキシャル成長により薄膜単結晶シリコン層120を形成する。
次に、図9(c)に示す工程で、ボンドウェーハ104の薄膜単結晶シリコン層120面と、ベースウェーハ102を重ねて密着させる。
次に、図9(d)に示す工程で、多孔質シリコン層118を境界として、剥離ウェーハ110と、シリコン基板114に分離する。この工程においては、第1の実施の形態のような熱処理ではなく、単結晶シリコンに対して、多孔質シリコン層118のみを選択的にエッチングできる弗酸やバッファード弗酸を用いることによりウェーハを分割する。
本実施の形態においても、第1の製造方法同様、分割後の表面粗さのRMS(Root Mean Square:平均二乗根)が、3.5nm以上6.5nm以下となるように制御する。この制御は、例えば、図9(a)の工程において、陽極化成法の弗酸溶液濃度等の条件、あるいは、図9(d)の工程でのエッチング溶液濃度等を制御することによって可能となる。
その後、第1の製造方法同様、図9(e)の平坦化・界面酸化膜除去熱処理工程を行い、図9(f)に示すように、表面が平坦化された結晶方位(110)のシリコン基板上側層112と、結晶方位(100)のベースウェーハ102が、シリコン酸化膜のない界面116で接合されたシリコン基板114が形成される。
以上、本製造方法によれば、第1の製造方法同様、2枚のウェーハの接合によりDSB構造を有するシリコン基板を製造する場合に、上層のシリコン層の膜厚均一性を高く保持したシリコン基板表面平坦化と、2枚のウェーハの界面のシリコン酸化膜除去を同一の熱処理で、効率よく行うことが可能になる。
そして、LSIの高歩留まりを実現する本実施の形態の半導体基板を製造することできる。
(第1の実施の形態の変形例)
次に、本実施の形態の半導体基板の変形例ついて説明するが、第1のシリコンウェーハ表面の結晶面方位と第2のシリコンウェーハ表面の結晶面方位が、例えば、(100)面同士、あるいは、(110)面同士と、同一であること以外は第1の実施の形態の半導体基板と同様であるので記述を省略する。
本変形例によれば、MEMS(メムス、Micro Electro Machinary Systems)で用いられるような、同一面方位のウェーハをDSB接合したシリコン基板において、第1の実施の形態と同様の作用・効果を得ることが可能となる。
〔第2の実施の形態〕
本発明の第2の実施の形態の半導体基板は、第2のシリコンウェーハ表面の、{100}面に対する傾斜角(オフ角)が、0度以上0.1度以下であり、前記第2のシリコンウェーハ表面の、{100}面に対する傾斜方向の{100}面上の方位角が、<110>方向に対して±21度の範囲にあること以外は、第1の実施の形態と同様であるので記述を省略する。
ここで、{100}面に対する傾斜方向の{100}面上の方位角が、<110>方向に対して±21度の範囲にあるとは、言い換えれば、{100}面上での<110>方向と、同一の{100}面上に傾斜方向を投影した方向の間の角度が±21度の範囲にあるということである。
上記シリコン表面を有する半導体基板は、特に、結晶面で構成される平坦面の幅が広く、確保できるため、シリコン表面に形成されるシリコン酸化膜と界面との段差を少なくすることができる。
図10は、上記シリコン表面を有する半導体基板に、平坦化熱処理を施した場合の表面構造を模式的に示した説明図である。
このシリコンウェーハは、平坦面(以下、テラスともいう)が(100)の結晶面である段差(以下、ステップともいう)構造を有している。
このシリコンウェーハの特徴は、次の評価の結果によって特徴付けられる。すなわち、このシリコンウェーハの任意の3μm×3μmの領域を、原子間力顕微鏡(AFM:Atomic Force Microscopy)によって測定する。測定は、ステップに概ね垂直な方向の、概ね0.3μm間隔の10本の測線によって測定される。この場合に、図10のWで表示されるテラスの幅(以下、テラス幅ともいう)の測定値の90%以上が50nm以上である。また、図10のHで表されるステップの高さ(以下、ステップ高さ)の測定値の90%以上が1原子層分、すなわち、(100)面の場合は0.136μmである。
なお、ここで概ね垂直方向とは、段差に垂直な方向に対し、±20度の範囲をいい、概ね0.3μm間隔とは、0.25μm以上0.35μm以下の範囲をいう。
図11に、このシリコンウェーハのAFM像を示す。AFMとして、NanoScope IIIaを用い、測定は接触モードを用いている。図11のように、シリコン表面にステップ構造が鮮明にみてとれる。図10にも示したように、図11のAFM像に見られるテラスは(100)面である。そして、ステップには、フィジカル・レビュー・レターズ(Phsical Review Letters、1691頁、第59巻(1987年))におけるChadiの分類による2種類のステップ、すなわち、直線状のステップSaと波状のステップSbがある。そして、ステップSa上のテラスは、図10に示すように2原子(dimer)化した原子列の配列方向がステップに対して、垂直になっていることで特徴付けられる。また、ステップSb上のテラスは、2原子(dimer)化した原子列の配列方向がステップに対して、平行になっていることで特徴付けられる。
ここで、隣接する二つのステップSaの間隔W’(図10)は、理想的には(100)面に対する傾斜角(以下、オフ角ともいう)θ(図10)で支配されており、次の(式1)で表すことが出来る。
W’=2×(格子定数/4)/tanθ ・・・(式1)
例えば、(100)面の場合は、格子定数/4=0.136nmとなる。
本実施の形態において、傾斜角(オフ角)を0度以上0.1度以下とするのは、この範囲を超えると、テラス幅が50nmより狭くなる領域が増大し、1個のトランジスタ領域にかかる段差の数が複数になる確率があがるため、トランジスタ特性の劣化が顕著になりはじめるからである。
すなわち、上述のように、隣接する二つのステップSaの間隔W’(図10)は、傾斜角(オフ角)θで支配されており、次の(式1)で表すことが出来る。
W’=2×(格子定数/4)/tanθ ・・・(式1)
これをθ=0.1度のときについて見ると、W’=156nmとなる。W’は2テラス幅に相当するので、Sbが、2つのSaの中間に来るとすると、1テラス分のテラス幅は78nmである。もっとも、Sbは図10に示すように、波状となるため、50nm以上のテラス幅を、90%以上の領域で確実に保つためには、マージンを見て傾斜角は0.1度以下とすることが必要となる。
図12は、{100}面に対する傾斜角を0.0256度に固定した状態で、方位角=45度、20度、−20度のシリコンウェーハを水素ガス雰囲気、1200℃、1時間の条件で平坦化熱処理を行った場合のAFM像を示す図である。図のように、方位角=45度の条件ではステップおよびテラスが確認されなかった。これに対し、方位角=20度、−20度の条件は、同様に良好なステップ構造が確認された。
図13は、熱処理温度と、方位角を変化させて、良好なステップ構造が得られた方位角範囲を示す図である。図中の◎印は、シリコンウェーハ表面の任意の3μm×3μmの領域を、原子間力顕微鏡(AFM)の測定領域とした場合に、この測定領域において、段差に概ね垂直方向で、概ね0.3um間隔の10本の測線に沿って測定された前記平坦面の幅(テラス幅)の測定値の95%以上が50nm以上であり、かつ、この10本の測線に沿って測定された段差の高さ(ステップ高さ)の測定値の95%以上が1原子層分の高さである場合を示す。また、図中の○印は、同様の測定で、測定された平坦面の幅(テラス幅)の測定値の90%以上が50nm以上であり、かつ、この10本の測線に沿って測定された段差の高さ(ステップ高さ)の測定値の90%以上が1原子層分の高さである場合を示す。そして、図中×印は、測定値が上記範囲に該当しない場合を示す。この結果から、概ね方位角=±25度以下の範囲で、良好なステップ構造が形成されることがわかる。
このように、上記シリコン表面を有する半導体基板は、特に、還元性ガス、不活性ガスあるいはそれらの混合ガス雰囲気で熱処理後に、結晶面で構成される平坦面の幅が広く、確保できるため、シリコン表面に形成されるシリコン酸化膜と界面との段差を少なくすることができる。すなわち、周期100〜500nm以下の凹凸の段差が緩和されることになる。したがって、このシリコン酸化膜をゲート電極とするトランジスタのキャリア移動度や、このシリコン酸化膜をゲート電極とするキャパシタのリーク電流が第1の実施の形態に比べて、一層抑制される。よって、第1の実施の形態の半導体基板よりも、一層のLSI歩留まり向上が実現できる。
〔第3の実施の形態〕
本発明の第3の実施の形態の半導体基板は、後に半導体デバイスが形成される第2のシリコンウェーハ表面の、{110}面に対する傾斜角(オフ角)が、0度以上0.2度以下、または、前記第2のシリコンウェーハ表面の、{110}面に対する傾斜方向の{110}面上の方位角が、<100>方向に対して±26度の範囲にあること以外は、第1の実施の形態と同様であるので記述を省略する。
ここで、{110}面に対する傾斜方向の{110}面上の方位角が、<100>方向に対して±26度の範囲にあるとは、言い換えれば、{110}面上での<100>方向と、同一の{110}面上に傾斜方向を投影した方向の間の角度が±26度の範囲にあるということである。
上記シリコン表面を有する半導体基板は、特に、表面を、還元性ガス、不活性ガス、または、還元性ガスと不活性ガスとの混合ガス雰囲気中で熱処理を行った後のRMSを低減できる。
図14は、表面が(110)面を有するシリコンウェーハ表面の結晶方位を示す概念図である。(110)面上では、例えば、図のようにノッチ方向を<100>方向とすると、これに対して直交する方向は、<110>方向となる。したがって、(110)面上では、シリコン単結晶は図のZ軸で示す<110>方向に対して、2回対称となっている。
図15は、オフ角度を0度から8度まで2度きざみとした、表面が(110)面を有するシリコンウェーハについて、表面を鏡面研磨した後に熱処理し、RMSを測定した結果を示す図である。熱処理は、水素ガス雰囲気で、1200℃、1時間の条件で行われ、炉出しはアルゴンガス雰囲気とした。また、傾斜方向の(110)面上の方位角(傾斜方向方位)は、<100>および<110>とした場合を示している。また、黒塗りのシンボルは、AFMによるRMSの測定領域を3μm×3μmとした場合であり、白塗りのシンボルは、AFMによるRMSの測定領域を10μm×10μmとした場合である。
図15から明らかなように、(110)表面のRMSは、熱処理を加えることで、劣化する傾向がある。特に、傾斜方向方位を<110>とした場合には、傾斜角が2度から5度の範囲では、RMSが1nmを越えており、LSI等の半導体デバイスの歩留まりを確保するには望ましくない。すなわち、RMSが1nmを超えると、この表面に形成される酸化膜などの絶縁膜破壊耐圧や絶縁膜の信頼性が劣化するおそれがある。また、このような表面で終端するpnジャンクションでの接合リーク増加のおそれも高い。
したがって、デバイス形成領域となる第2のシリコンウェーハ表面は、{110}面に対する傾斜角(オフ角)が、0度以上0.2度以下、または、第2の半導体ウェーハ表面の、{110}面に対する傾斜方向の{110}面上の方位角が、<100>方向に対して±26度の範囲にあることが望ましい。
まず、傾斜角が0度以上0.2度以下であれば、傾斜方向方位にかかわらず、熱処理後もデバイス形成に望ましい1nm以下のRMSが実現可能である。また、結晶の連続的などの性質上、傾斜方向方位を<100>から<110>に変化させていった場合、RMSも連続的に劣化していくことが予想される。したがって、{110}面に対する傾斜方向の{110}面上の方位角が、<100>方向に対して±26度の範囲であれば、熱処理後もデバイス形成に望ましい1nm以下のRMSとなることが期待できる。
そして、第2の半導体ウェーハ表面の、{110}面に対する傾斜方向の{110}面上の方位角が、<100>方向に対して±2度の範囲にあることが、熱処理後もデバイス形成にとって望ましい1nm以下のRMSを確実に実現するうえではより好ましい。
以上のように、本実施の形態によれば、第1の実施の形態の作用・効果に加え、LSI等の半導体デバイスを形成する上で行われるシリコン表面の再構成による平坦化熱処理の際に、RMSの劣化を防止することにより歩留まりの向上を図ることが可能となるという作用・効果を得ることができる。すなわち、本実施の形態によれば、周期100〜500nm以下の凹凸の段差が緩和されることになる。したがって、このシリコン酸化膜をゲート電極とするトランジスタのキャリア移動度や、このシリコン酸化膜をゲート電極とするキャパシタのリーク電流が第1の実施の形態に比べて、一層抑制される。よって、第1の実施の形態の半導体基板よりも、一層のLSI歩留まり向上が実現できる。
なお、本実施の形態においては、シリコン表面の再構成による平坦化熱処理について、水素ガス雰囲気を例に説明したが、その他の還元ガスや不活性ガスあるいはそれらの混合ガスによっても、シリコン表面の再構成は生じるため、これらの雰囲気を排除するものではない。
以上、具体例を参照しつつ本発明の実施の形態について説明した。実施の形態の説明においては、半導体基板、半導体基板の製造方法等で、本発明の説明に直接必要としない部分等については記載を省略したが、必要とされる半導体基板、半導体基板の製造方法等に関わる要素を適宜選択して用いることができる。
例えば、第1のシリコンウェーハと第2のシリコンウェーハの結晶面方位が異なる場合、実施の形態に記載した{100}面と{110}面の組み合わせのみならず、その他の結晶面方位の組み合わせであってもかまわない。
また、例えば、上記実施の形態においては、第1の半導体ウェーハ、第2の半導体ウェーハともに半導体材料について、シリコン(Si)を材料とする場合について説明した。しかし、その他、SiC、SiGe、SiGeC、Ge、GaAs、InAs、InP、ならびにIII/V族またはII/VI族の複合半導体を含めた任意の半導体材料を選択することが可能である。
その他、本発明の要素を具備し、当業者が適宜設計変更しうる全ての半導体基板は、本発明の範囲に包含される。
第1の実施の形態の半導体基板を説明する断面概念図 第1の実施の形態の半導体基板および従来技術の半導体基板図に表面平坦化熱処理を加えた場合の効果を比較する図。 第1の実施の形態の第1の製造方法の製造工程フロー図。 第1の実施の形態の半導体(シリコン)基板上側層の膜厚と、熱処理による界面酸化膜(シリコン酸化膜)の減少厚さの関係を、温度をパラメータとして計算した結果を示す図。 第1の実施の形態の平坦化・界面酸化膜除去の熱処理温度と、熱処理による界面酸化膜の減少厚さを、半導体基板上側層の厚さをパラメータとして実験により調べた結果を示す図。 第1の実施の形態の平坦化・界面酸化膜除去熱処理の熱処理温度と、熱処理後の表面粗さ(平坦度)との関係を熱処理前の表面粗さ(RMS)をパラメータとして、実験により調べた結果を示す図。 第1の実施の形態の熱処理前のシリコン基板表面粗さと熱処理による界面酸化膜の減少厚さの関係を示す図。 第1の実施の形態の第2の製造方法の製造工程フロー図。 第1の実施の形態の第3の製造方法の製造工程フロー図。 第2の実施の形態のシリコン基板に平坦化熱処理を施した場合の表面構造を模式的に示した説明図。 第2の実施の形態のシリコンウェーハに平坦化熱処理を施した場合のAFM像。 第2の実施の形態において、方位角を変化させて平坦化熱処理を行った場合のAFM像。 第2の実施の形態において、良好なステップ構造が得られた方位角範囲を示す図。 第3の実施の形態の、表面が(110)面を有するシリコンウェーハ表面の結晶方位を示す概念図。 第3の実施の形態の、オフ角度を0度から8度まで2度きざみとした、表面が(110)面を有するシリコンウェーハについて、表面を鏡面研磨した後に熱処理し、RMSを測定した結果を示す図。
符号の説明
102 ベースウェーハ(第1の半導体ウェーハ)
104 ボンドウェーハ(第2の半導体ウェーハ)
106 微小気泡層(封入層)
108 界面酸化膜
110 剥離ウェーハ
112 シリコン基板上側層
114 シリコン基板
116 シリコン酸化膜のない界面
118 多孔質シリコン層
120 薄膜単結晶シリコン層

Claims (7)

  1. 第1の半導体ウェーハと、前記第1の半導体ウェーハよりも膜厚の薄い第2の半導体ウェーハとが、前記第1の半導体ウェーハと前記第2の半導体ウェーハとの間の界面酸化膜が1nm以下となるように接合されて形成されている半導体基板であって、
    前記第2の半導体ウェーハ側表面の周期100nm以上10μm以下の凹凸のみを抽出した場合に、抽出された凹凸形状の平均高さ(Rc)が2nm以上であることを特徴とする半導体基板。
  2. 前記周期が500nm以上10μm以下であることを特徴とする請求項1記載の半導体基板。
  3. 前記平均高さ(Rc)が2nm以上5nm以下であることを特徴とする請求項1または請求項2記載の半導体基板。
  4. 前記第1の半導体ウェーハと前記第2の半導体ウェーハとがシリコンウェーハであって、前記第1の半導体ウェーハ表面の結晶面方位と前記第2の半導体ウェーハ表面の結晶面方位とのいずれか一方が、{100}面に対して0度以上5度以下の傾斜角(オフ角)を有する範囲にあり、他方の結晶面方位が{110}面に対して0度以上5度以下の傾斜角(オフ角)を有する範囲にあることを特徴とする請求項1ないし請求項3記載の半導体基板。
  5. 前記第2の半導体ウェーハ表面の、{100}面に対する傾斜角(オフ角)が、0度以上0.1度以下であり、
    前記第2の半導体ウェーハ表面の、{100}面に対する傾斜方向の{100}面上の方位角が、<110>方向に対して±21度の範囲にあることを特徴とする請求項4記載の半導体基板。
  6. 前記第2の半導体ウェーハ表面の、{110}面に対する傾斜角(オフ角)が、0度以上0.2度以下、
    または、前記第2の半導体ウェーハ表面の、{110}面に対する傾斜方向の{110}面上の方位角が、<100>方向に対して±26度の範囲にあることを特徴とする請求項4記載の半導体基板。
  7. 前記第2の半導体ウェーハ表面の、{110}面に対する傾斜方向の{110}面上の方位角が、<100>方向に対して±2度の範囲にあることを特徴とする請求項6記載の半導体基板。
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JP2016222525A (ja) * 2015-05-28 2016-12-28 ソイテックSoitec 単結晶基板から層を移動させるための方法

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