JP2008199154A - 閾値マトリクス生成方法、閾値マトリクス生成装置および閾値マトリクス - Google Patents

閾値マトリクス生成方法、閾値マトリクス生成装置および閾値マトリクス Download PDF

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Abstract

【課題】元画像をハーフトーン化した画像においてザラツキ感を少なくする。
【解決手段】ON要素721またはOFF要素722のみが2行2列に並ぶことを禁止しつつ複数種類の基本タイル731,732をマトリクス領域72内に配列することにより、50%の階調レベルにおけるドットの配置を示す要素マトリクス720が取得される。要素マトリクス720におけるON要素721の集合およびOFF要素722の集合のそれぞれにおいて1つの要素を特定した後、特定された要素から最遠の要素を特定する処理を繰り返すことによりハイライト側の階調レベルの増加に伴うドットの点灯順序、および、シャドウ側の階調レベルの減小に伴うドットの消灯順序が取得され、これらの順序に従って各要素の閾値が決定される。これにより、元画像をハーフトーン化した画像においてザラツキ感を少なくすることが可能な閾値マトリクスを生成することができる。
【選択図】図13

Description

本発明は、多階調の元画像をハーフトーン化する際に元画像と比較される閾値マトリクス、および、当該閾値マトリクスを生成する技術に関する。
多階調(すなわち、連続階調)の元画像から印刷用の画像であるハーフトーン画像を作成する際に、規則的に配列されたドットの大きさを変えることにより階調表現が実現されるAM(Amplitude Modulated)スクリーニングが従来より用いられており、モアレが生じやすい元画像に対しては、不規則に配置される一定の大きさのドットの個数を変更することにより階調表現が実現されるFM(Frequency Modulated)スクリーニングが用いられる。特に、インクジェット方式のプリンタではFMスクリーニングがよく用いられる。
また、元画像をハーフトーン化する際には、元画像と比較される閾値マトリクスが生成されて準備される。閾値マトリクスを生成する技術として、例えば、特許文献1の手法では、2つの黒ドットおよび2つの白ドットが2行2列に配列される複数種類の基本タイルを、基本タイル同士が所定の禁止配列を取ることを禁止しつつ閾値マトリクス領域内に配列することにより、50%の階調レベルにおける黒ドットおよび白ドットの配列を取得し、各基本タイルの2つの黒ドットにそれぞれ0および1の値が割り当てられ、2つの白ドットにそれぞれ2および3の値が割り当てられる。そして、閾値マトリクス領域を0ないし3の値がそれぞれ割り当てられる4個の分割領域に分割し、各分割領域を0ないし3の値を割り当てつつ4個の分割領域にさらに分割する処理を繰り返すことにより、閾値マトリクス領域内の各位置の閾値が決定される。また、特許文献2の手法では、一の階調レベルにおけるドットの配置を示す2値の点プロファイルに青色雑音特性フィルタを作用させた画像を生成し、この画像と元の点プロファイルとの差分画像における各画素の階調レベルに基づいて点プロファイル中のドットを追加する位置を特定することにより、一の階調レベルの次の階調レベルの点プロファイルが生成される。そして、上記処理を繰り返して各階調レベルの点プロファイルを取得することにより、青色雑音マスク(閾値マトリクス)が生成される。
なお、特許文献3では、最小トーンレベルに対応する初期状態とされたマトリクス内において、全てのオフの画素を候補画素として、各候補画素とオンの画素との間の半径距離および相対角度に基づくコスト値を求め、コスト値が最小となる候補画素をオンにすることにより、ディザマトリクス(閾値マトリクス)を生成する手法が開示されている。
特開平8−184958号公報 特許第2622429号公報 特開平7−170400号公報
ところで、元画像をハーフトーン化したハーフトーン画像では、ザラツキ感を少なくする(粒状性を低減する)ことが求められており、特許文献1の手法では、基本タイルの配列において黒ドットまたは白ドットのみが2行2列に並ぶことが禁止されるため、50%の階調レベルに対応するハーフトーン画像ではザラツキ感を少なくすることが実現されるが、他の階調レベル(特に、50%から離れた階調レベル)に対応するハーフトーン画像ではザラツキ感が生じる可能性がある。また、特許文献2の手法では、初期の点プロファイルである50%の階調レベルの点プロファイルの生成時に、初期条件として与える白色雑音パターンの分布によってはハーフトーン画像において粒状性が生じる場合があり、さらに、各階調レベルにおけるドットの配置を示す点プロファイルの生成においてドット間の距離が考慮されないため、特に、50%から離れた階調レベルにてザラツキ感が大きくなることも考えられる。
本発明は上記課題に鑑みなされたものであり、元画像をハーフトーン化したハーフトーン画像においてザラツキ感を少なくすることを目的としている。
請求項1に記載の発明は、多階調の元画像をハーフトーン化する際に前記元画像と比較される閾値マトリクスを生成する閾値マトリクス生成方法であって、a)ドットの存在を示す2つのON要素およびドットの不存在を示す2つのOFF要素から成る2行2列の要素配列である複数種類の基本タイルが準備され、ON要素またはOFF要素のみが2行2列に並ぶことを少なくとも禁止する禁止条件に従いつつ、それぞれが前記複数種類の基本タイルのいずれかである複数の基本タイルを閾値マトリクスが生成されるマトリクス領域内に配列することにより、50%の階調レベルにおけるドットの配置を示す要素マトリクスを取得する工程と、b)前記要素マトリクスにおけるON要素の集合であるハイライトドットパターン上において、任意の1つの要素にドットを配置する工程と、c)元画像のハーフトーン化時の前記閾値マトリクスの反復適用を考慮しつつ、前記ハイライトドットパターン上において、既存のドットから最も離れた要素に新たなドットを追加する処理を繰り返す、または、所定の条件に従いつつ前記処理を繰り返すことにより、ハイライト側の階調レベルの増加に伴ってドットを追加する要素の順序を示す点灯順序を決定する工程と、d)前記要素マトリクスにおけるOFF要素の集合であるシャドウドットパターン上において、任意の1つの要素を除く全ての要素にドットを配置する工程と、e)前記閾値マトリクスの前記反復適用を考慮しつつ、前記シャドウドットパターン上において、ドットが不存在の要素から最も離れた要素のドットを削除する処理を繰り返すことにより、シャドウ側の階調レベルの減小に伴ってドットを削除する要素の順序を示す消灯順序を決定する工程と、f)前記点灯順序および前記消灯順序に従って、前記マトリクス領域内の各要素の閾値を決定する工程とを備える。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の閾値マトリクス生成方法であって、前記複数種類の基本タイルが、前記2つのON要素および前記2つのOFF要素が対角に並ぶ2種類の配列である。
請求項3に記載の発明は、請求項1に記載の閾値マトリクス生成方法であって、前記複数種類の基本タイルのそれぞれにおいて、前記2つのON要素および前記2つのOFF要素が行方向または列方向に並ぶ。
請求項4に記載の発明は、請求項1ないし3のいずれかに記載の閾値マトリクス生成方法であって、前記a)工程が、a1)前記マトリクス領域において、任意の1つのタイル位置に一の種類の基本タイルを配置する工程と、a2)前記閾値マトリクスの前記反復適用を考慮しつつ、前記禁止条件に従うとともに既存の前記一の種類の基本タイルから最も離れたタイル位置に前記一の種類の新たな基本タイルを配置する工程と、a3)前記a2)工程を所定回数だけ繰り返す工程とを備える。
請求項5に記載の発明は、請求項4に記載の閾値マトリクス生成方法であって、前記a)工程が、a4)前記a3)工程の後、前記複数の基本タイルが配列された前記マトリクス領域において、前記任意の1つのタイル位置とは異なる1つのタイル位置の基本タイルの種類を変更する工程と、a5)前記閾値マトリクスの前記反復適用を考慮しつつ、前記禁止条件に従うとともに種類が変更された基本タイルから最も離れたタイル位置の基本タイルの種類を変更する工程と、a6)前記a5)工程を所定回数だけ繰り返す工程と、さらに備える。
請求項6に記載の発明は、請求項4または5に記載の閾値マトリクス生成方法であって、前記要素マトリクスにおいて行方向および列方向の少なくとも一方の要素数が、2のべき乗とは異なる値である。
請求項7に記載の発明は、請求項1ないし6のいずれかに記載の閾値マトリクス生成方法であって、前記マトリクスが一の色成分に対応しており、前記マトリクス領域とは異なる他の色成分のマトリクス領域において、前記a)工程ないし前記f)工程を実行することにより、前記一の色の閾値マトリクスとは異なるサイズの前記他の色成分の閾値マトリクスが生成される。
請求項8に記載の発明は、請求項1ないし7のいずれかに記載の閾値マトリクス生成方法であって、前記元画像をハーフトーン化したハーフトーン画像を対象物に記録する画像記録装置において、前記マトリクス領域の行方向および列方向にそれぞれ対応する2方向の解像度が異なっており、前記c)工程および前記e)工程のそれぞれにおいて、既存のドットから最も離れた要素、または、ドットが不存在の要素から最も離れた要素を特定する際に、前記行方向の距離成分と前記列方向の距離成分との重み付けを前記2方向の解像度に従って相違させる。
請求項9に記載の発明は、請求項1ないし7のいずれかに記載の閾値マトリクス生成方法であって、前記元画像をハーフトーン化したハーフトーン画像を対象物に記録する画像記録装置において、前記対象物上に複数サイズのドットの形成が可能とされ、前記閾値マトリクス生成方法が、前記マトリクス領域内の前記各要素の閾値からドットのサイズの決定に利用される複数のサブ閾値を生成する工程をさらに備える。
請求項10に記載の発明は、請求項1ないし7のいずれかに記載の閾値マトリクス生成方法であって、前記元画像をハーフトーン化したハーフトーン画像を対象物に記録する画像記録装置において、所定の配列方向に配列された複数の吐出口からインクの微小液滴を吐出することにより前記対象物上に前記ハーフトーン画像が記録され、前記要素マトリクスにおいて行方向および列方向のうち前記配列方向に対応する第1の方向の各位置にて他方の第2の方向に並ぶ要素群に前記ON要素が存在し、前記c)工程における前記所定の条件が、前記第1の方向の前記要素マトリクスの要素数をαとして、前記要素マトリクスの各要素群の1つの要素に、前記点灯順序における1ないしαの番号のいずれかを割り当てるものである。
請求項11に記載の発明は、多階調の元画像をハーフトーン化する際に前記元画像と比較される閾値マトリクスを生成する閾値マトリクス生成装置であって、ドットの存在を示す2つのON要素およびドットの不存在を示す2つのOFF要素から成る2行2列の要素配列である複数種類の基本タイルが準備され、ON要素またはOFF要素のみが2行2列に並ぶことを少なくとも禁止する禁止条件に従いつつ、それぞれが前記複数種類の基本タイルのいずれかである複数の基本タイルを閾値マトリクスが生成されるマトリクス領域内に配列することにより、50%の階調レベルにおけるドットの配置を示す要素マトリクスを取得する要素マトリクス取得部と、前記要素マトリクスにおけるON要素の集合であるハイライトドットパターン上において、任意の1つの要素にドットを配置した後、元画像のハーフトーン化時の前記閾値マトリクスの反復適用を考慮しつつ、既存のドットから最も離れた要素に新たなドットを追加する処理を繰り返す、または、所定の条件に従いつつ前記処理を繰り返すことにより、ハイライト側の階調レベルの増加に伴ってドットを追加する要素の順序を示す点灯順序を決定する点灯順序決定部と、前記要素マトリクスにおけるOFF要素の集合であるシャドウドットパターン上において、任意の1つの要素を除く全ての要素にドットを配置した後、前記閾値マトリクスの前記反復適用を考慮しつつ、ドットが不存在の要素から最も離れた要素のドットを削除する処理を繰り返すことにより、シャドウ側の階調レベルの減小に伴ってドットを削除する要素の順序を示す消灯順序を決定する消灯順序決定部と、前記点灯順序および前記消灯順序に従って、前記マトリクス領域内の各要素の閾値を決定する閾値決定部とを備える。
請求項12に記載の発明は、請求項1ないし10のいずれかに記載の閾値マトリクス生成方法にて生成されたものである。
本発明によれば、元画像をハーフトーン化したハーフトーン画像において、ザラツキ感を少なくすることができる。
また、請求項2の発明では、ハーフトーン画像においてザラツキ感をさらに少なくすることができ、請求項3の発明では、ハーフトーン画像を再現性よく印刷することができ、請求項4の発明では、ハーフトーン画像において特異点が発生することを抑制することができる。
また、請求項6の発明では、50%の階調レベルにおけるドットの配置を示す要素マトリクスにおいて一の種類の基本タイルが規則的に配列されることを防止することにより、ハーフトーン画像において元画像と閾値マトリクスとの干渉によるモアレが発生することを抑制することができ、請求項7の発明では、複数の色成分のハーフトーン画像の干渉によるモアレが発生することを抑制することができる。
また、請求項8の発明では、画像記録装置にて記録される画像において低解像度となる方向にドットの配置が間延びすることを抑制することができ、請求項9の発明では、複数サイズのドットを形成することが可能な画像記録装置にて記録される画像においてザラツキ感を少なくすることができ、請求項10の発明では、複数の吐出口からインクの微小液滴を吐出することにより画像を記録する画像記録装置において、印刷時に吐出口近傍のインクが硬化して吐出口が詰まることを抑制することができる。
図1は本発明の第1の実施の形態に係るインクジェット方式の印刷装置1の構成を示す図である。印刷装置1は、印刷用紙9上に複数の色成分の画像を重ねて記録する画像記録装置である。印刷装置1の本体12は、インクの微小液滴を印刷用紙9に向けて吐出するヘッド21、ヘッド21を図1中のX方向へと印刷用紙9に沿って移動するヘッド移動機構22、ヘッド21の下方にてX方向に垂直なY方向へと印刷用紙9を移動させる紙送り機構3、並びに、ヘッド21、ヘッド移動機構22および紙送り機構3に接続される本体制御部4を備え、本体制御部4には、各種演算処理を行うCPUや各種情報を記憶するメモリ等を有するコンピュータ11が接続される。印刷装置1では、本体12がコンピュータ11からの信号を受けて印刷用紙9上にハーフトーン画像(網点画像)を印刷する。なお、印刷装置1における印刷対象は、印刷用紙9以外にフィルム等であってもよい。
紙送り機構3は、図示省略のモータに接続された2つのベルトローラ31、および、2つのベルトローラ31の間に掛けられたベルト32を有する。印刷用紙9は(−Y)側のベルトローラ31の上方に設けられたローラ33を介してベルト32上へと導かれて保持され、ベルト32と共にヘッド21の下方を通過して(+Y)側へと移動する。
ヘッド移動機構22には、X方向に細長い環状に設けられたタイミングベルト222が設けられ、モータ221がタイミングベルト222を往復移動することにより、印刷用紙9の幅に対応するX方向にヘッド21が滑らかに移動する。
ヘッド21には、複数のモジュールがX方向に配列されており、各モジュールは複数の色のインクのうち一の色のインクが吐出可能とされる。図2に示すようにモジュールには、それぞれがインクの微小液滴を印刷用紙9に向けて(図1中の(−Z)方向に)吐出する複数の吐出口231が形成され、複数の吐出口231は印刷用紙9に平行な面(XY平面に平行な面)上においてY方向に一定のピッチにて配列される。印刷装置1における非印刷時には、ヘッド移動機構22によりヘッド21は所定の退避位置に配置され、退避位置において複数の吐出口231が蓋部材にて閉塞され、吐出口近傍のインクが乾燥して吐出口231が詰まることが防止される。本実施の形態では、説明の便宜上、ヘッド21がブラック、シアン、マゼンタおよびイエローのインクを吐出するものとするが、もちろん、印刷装置1はライトシアン等の他の色成分のインクも吐出するものであってよい。
実際の印刷時には、ヘッド21がインクを吐出しつつ(+X)方向に移動し、印刷用紙9の(+X)側へと到達した後に印刷用紙9が(+Y)側に所定距離だけ移動する。そして、ヘッド21がインクを吐出しつつ(−X)方向に移動し、印刷用紙9の(−X)側へと到達した後に印刷用紙9が(+Y)側に移動する。このように、印刷装置1ではヘッド21が印刷用紙9に対してX方向に相対的に主走査するとともに、主走査が完了する毎に、Y方向に相対的に副走査する。
コンピュータ11は、図3に示すように、各種演算処理を行うCPU101、基本プログラムを記憶するROM102および各種情報を記憶するRAM103をバスラインに接続した一般的なコンピュータシステムの構成となっている。バスラインにはさらに、ハーフトーン化(網点化)されるカラーの画像(すなわち、各画素が複数の色成分の画素値を有する画像であり、以下、「元画像」という。)のデータを記憶する画像メモリ104、情報記憶を行う固定ディスク105、各種情報の表示を行うディスプレイ106、操作者からの入力を受け付けるキーボード107aおよびマウス107b、光ディスク、磁気ディスク、光磁気ディスク等のコンピュータ読み取り可能な記録媒体91から情報の読み取りを行ったり記録媒体91に情報の書き込みを行う読取/書込装置108、並びに、本体制御部4と通信を行う通信部109が、適宜、インターフェイス(I/F)を介する等して接続される。
コンピュータ11には、事前に読取/書込装置108を介して記録媒体91からプログラム910が読み出され、固定ディスク105に記憶される。そして、プログラム910がRAM103にコピーされるとともにCPU101がRAM103内のプログラムに従って演算処理を実行することにより(すなわち、コンピュータがプログラムを実行することにより)、コンピュータ11が、元画像のハーフトーン化に用いられる後述の閾値マトリクス(SPM(Screen Pattern Memory)データとも呼ばれる。)710を色成分毎に生成する閾値マトリクス生成装置としての処理を行う。閾値マトリクス710および画像メモリ104に記憶されているカラーの元画像のデータは通信部109を介して本体制御部4に転送される。
図4は、印刷装置1の機能構成を示すブロック図であり、図4中の演算部5の要素マトリクス取得部51、点灯順序決定部52、消灯順序決定部53および閾値決定部54がコンピュータ11により実現される機能である。また、本体制御部4は、カラーの元画像のデータを記憶する画像メモリ41、演算部5にて生成される複数の色成分の閾値マトリクス710をそれぞれ記憶するメモリである複数のマトリクス記憶部42(SPM(Screen Pattern Memory)とも呼ばれる。)、元画像と閾値マトリクス710とを色成分毎に比較する比較器43(ハーフトーン化回路)、ヘッド21の印刷用紙9に対する相対移動を制御する移動制御部45、および、ヘッド21の相対移動に同期してヘッド21の複数の吐出口231からのインクの吐出を制御する吐出制御部44を備える。
次に、印刷装置1が画像を印刷する動作について説明する。なお、印刷装置1が印刷用紙9上に画像を印刷する際には、後述の閾値マトリクス生成処理により、予め閾値マトリクス710が色成分毎に生成されて、図4のマトリクス記憶部42に記憶されている。
印刷装置1では、まず、コンピュータ11から本体制御部4の画像メモリ41にカラーの元画像が入力されて記憶される。図5は、元画像70および閾値マトリクス710を抽象的に示す図である。元画像70および閾値マトリクス710のそれぞれでは、主走査方向に対応する行方向(図5中にてx方向として示す。)、および、副走査方向に対応する列方向(図5中にてy方向として示す。)に複数の画素または複数の要素が配列されている。以下の説明では、特に言及する場合を除き、元画像は0〜255までの階調レベルにて表現されるものとする。
元画像70が画像メモリ41にて記憶されると、元画像70を色成分毎に閾値マトリクス710と比較することにより、元画像70を表現するカラーのハーフトーン画像(実際には、FMスクリーンにより表現される画像)が生成される。ここで、元画像70のハーフトーン化について説明する。元画像70のハーフトーン化の際には、図5に示すように元画像70を同一の大きさの多数の領域に分割してハーフトーン化の単位となる繰り返し領域71が設定される。各マトリクス記憶部42は1つの繰り返し領域71に相当する記憶領域を有し、この記憶領域の各アドレス(座標)に閾値が設定されることにより閾値マトリクス710を記憶している。そして、概念的には元画像70の各繰り返し領域71と各色成分の閾値マトリクス710とを重ね合わせ、繰り返し領域71の各画素の当該色成分の画素値と閾値マトリクス710の対応する閾値とが比較されることにより、印刷用紙9上のその画素の位置に描画(当該色のドットの形成)を行うか否かが決定される。
実際には、図4の比較器43が有するアドレス発生器からのアドレス信号に基づいて画像メモリ41から元画像70の1つの画素の画素値が色成分毎に読み出される。一方、アドレス発生器では元画像70中の当該画素に相当する繰り返し領域71中の位置を示すアドレス信号も生成され、各色成分の閾値マトリクス710における1つの閾値が特定されてマトリクス記憶部42から読み出される。そして、画像メモリ41からの画素値とマトリクス記憶部42からの閾値とが比較器43にて色成分毎に比較されることにより、各色成分の2値の出力画像におけるその画素の位置(アドレス)の画素値が決定される。したがって、一の色成分に着目した場合に、図5に示す多階調の元画像70において、画素値が閾値マトリクス710の対応する閾値よりも大きい位置には、例えば、画素値「1」が付与され(すなわち、ドットが置かれ)、残りの画素には画素値「0」が付与され(すなわち、ドットは置かれず)、2値の出力画像が当該色成分のハーフトーン画像として生成される。
図1の印刷装置1では、元画像70において最初に印刷される部分(例えば、最も(+y)側の複数の繰り返し領域71)のハーフトーン画像(の部分)が各色に対して生成されると、移動制御部45が、ヘッド移動機構22および紙送り機構3を駆動することによりヘッド21の主走査、および、ヘッド21の間欠的な副走査が開始され、上記ハーフトーン化処理(ハーフトーン画像の生成処理)に並行して、ヘッド21の印刷用紙9に対する相対移動に同期しつつヘッド21の各モジュールに含まれる複数の吐出口231からのインクの吐出が吐出制御部44により制御される。
ここで、ハーフトーン画像は印刷用紙9上に印刷される画像であるため、ハーフトーン画像の複数の画素は印刷用紙9上に配列して設定されていると捉えることができ、吐出制御部44ではヘッド21の印刷用紙9に対する相対移動に同期して、各吐出口231の印刷用紙9上の吐出位置に対応するハーフトーン画像の画素値が「1」である場合には当該吐出位置にドットが形成され、ハーフトーン画像の画素値が「0」である場合には当該吐出位置にはドットは形成されない。このようにして、ブラック、シアン、マゼンタおよびイエローのそれぞれに関して、複数の吐出口231にそれぞれ対応する印刷用紙9上の複数の吐出位置を印刷用紙9に対して相対的に移動しつつ、複数の吐出口231の印刷用紙9上の吐出位置における元画像70の画素値と閾値マトリクス710の対応する閾値との比較結果に従って、複数の吐出口231からのインクの吐出が制御される。
実際には、印刷装置1では、一回の主走査にて各吐出口231により(仮想的に)形成されるとともに主走査方向に一列に並ぶ複数のドットをドット列として、副走査方向に並ぶ複数のドット列において互いに隣接するドット列の間をヘッド21の他の主走査にて補間するインタレース印刷が行われる。なお、ヘッド21にて複数の吐出口231が副走査方向に密に配列される場合には、必ずしもインタレース印刷が行われる必要はない。
印刷装置1では、ブラック、シアン、マゼンタおよびイエローに関して、ハーフトーン画像を生成しつつ当該ハーフトーン画像を印刷用紙9上に記録する動作が並行して行われ、印刷用紙9上にカラーの元画像を表現するカラーのハーフトーン画像が印刷される。印刷用紙9上にハーフトーン画像の全体が印刷されると、ヘッド21の印刷用紙9に対する相対移動が停止し、印刷装置1における印刷動作が終了する。
次に、印刷装置1にて用いられる閾値マトリクスを生成する処理について図6.Aおよび図6.Bを参照しつつ説明する。ここでは、まず、一の色の閾値マトリクスの生成について説明し、その後、他の色の閾値マトリクスの生成について述べる。
演算部5の要素マトリクス取得部51では、まず、一の色の閾値マトリクスを記憶する領域であって、主走査方向に対応する行方向および副走査方向に対応する列方向にて規定されるマトリクス領域が設定されるとともに、マトリクス領域内に配置される基本タイルが準備される(ステップS11)。
図7.Aおよび図7.Bは、要素マトリクス取得部51にて準備される2種類の基本タイル731,732をそれぞれ示す図である。基本タイル731,732とは、マトリクス領域内においてその位置におけるドットの存在を示す2つのON要素721、および、ドットの不存在を示す2つのOFF要素722から成る2行2列の要素配列であり、図7.Aおよび図7.Bでは、ON要素721に平行斜線を付すことによりON要素721とOFF要素722とを区別して図示している(後述の図24.Aないし図24.Dにおいて同様)。図7.Aの基本タイル731では右上および左下の要素がON要素721とされ、左上および右下の要素がOFF要素722とされる。また、図7.Bの基本タイル732では左上および右下の要素がON要素721とされ、右上および左下の要素がOFF要素722とされる。このように、本実施の形態にて準備される基本タイル731,732は、2つのON要素721が対角に並ぶとともに、2つのOFF要素722が対角に並ぶ(すなわち、各対角成分が同一要素とされる)2種類の配列とされる。
続いて、図8に示すように、マトリクス領域72内にて一の種類の複数の基本タイル731が行方向(x方向)および列方向(y方向)に配列され、要素マトリクス720が構成される(ステップS12)。図8では、複数の基本タイル731が行方向および列方向に9行9列にて配列されて、18行18列にて要素が配列される要素マトリクス720が構成されている。なお、要素マトリクス720の大きさ(すなわち、ステップS12にて配列される基本タイル731の個数)は生成する予定の閾値マトリクスの大きさに応じて適宜変更されてよく、正方行列である必要もない。ただし、配列される基本タイル731の行方向の個数および列方向の個数のそれぞれは2のべき乗とは異なる値とされる(理由については後述する。)。以下の説明では、要素マトリクス720がK行L列の要素配列であるものとし、図8中の各基本タイル731の位置をタイル位置と呼ぶ。
マトリクス領域72内に図7.Aの基本タイル731が一様に配列されると、任意の1つのタイル位置の基本タイル731が他の種類の基本タイル732(以下、「置換基本タイル732」と呼ぶ。)に置き換えられる(ステップS13)。ここでは、図8中の左上の基本タイル731aが選択されて、図9中に太線の矩形にて囲んで示すように置換基本タイル732aに置き換えられる。
続いて、マトリクス領域72内の各タイル位置に対して後述の評価関数を用いて評価値が算出されることにより、既存の置換基本タイル732aから最も離れた1つのタイル位置が特定され、当該タイル位置の基本タイル731が置換基本タイル732に置き換えられる(ステップS14)。このとき、元画像70のハーフトーン化時には閾値マトリクス710が図5に示す繰り返し領域71に対応して上下左右に反復適用されることから、置換基本タイル732aは要素マトリクス720内に存在するもの以外に、図9中に太い破線にて示すように、要素マトリクス720(以下、「中央の要素マトリクス720」とも呼ぶ。)の8近傍に想定される要素マトリクス720(図9中に二点鎖線にて示す。)内にも繰り返し存在するものとされる。また、後述するように、ステップS14の処理は複数回繰り返されて複数の基本タイル731が置換基本タイル732に置き換えられる。したがって、n番目に置き換えられる基本タイル731のタイル位置を求める際におけるマトリクス領域72内の座標(xt,yt)の各タイル位置の評価値Et(xt,yt)は、中央の要素マトリクス720およびこの要素マトリクス720の8近傍に想定される要素マトリクス720の番号をrとし、r番目の要素マトリクス720内のm番目に置き換えられた置換基本タイル732のx方向およびy方向の位置をそれぞれxtmrおよびytmrとして、数1により求められる。
Figure 2008199154
実際には、数1の評価関数において、r番目の要素マトリクス720内のm番目に置き換えられた置換基本タイル732のx方向の位置xtmrは、中央の要素マトリクス720内における対応する置換基本タイル732のx方向の位置に、要素マトリクス720の番号に応じて(すなわち、中央の要素マトリクス720に対する相対位置に応じて)、要素マトリクス720のx方向の大きさを加算または減算することにより、もしくは、当該位置と同位置として求められ、y方向の位置ytmrは、中央の要素マトリクス720内における対応する置換基本タイル732のy方向の位置に、要素マトリクス720の番号に応じて要素マトリクス720のy方向の大きさを加算または減算することにより、もしくは、当該位置と同位置として求められる。
このようにして、マトリクス領域72内の各タイル位置に対して評価値が算出されると、評価値が最小となるタイル位置が特定される。例えば、図9の要素マトリクス720では図9中にて符号731bを付す基本タイルが特定され、この基本タイル731bが、図10中に太線の矩形にて囲んで示すように置換基本タイル732bに置き換えられる。ここで、数1の評価関数では、評価値として、中央の要素マトリクス720およびこの要素マトリクス720の8近傍に想定される要素マトリクス720における既存の置換基本タイル732と、中央の要素マトリクス720内の各タイル位置との間の距離の二乗の逆数の和が求められるため、評価値が最小となるタイル位置は、閾値マトリクス710の反復適用を前提として既存の置換基本タイル732から最も離れたものとなる。
要素マトリクス取得部51では、要素マトリクス720において各タイル位置に対して数1を用いて評価値を算出し、評価値が最小となるタイル位置の基本タイル731を置換基本タイル732に置き換える処理が、所定回数(例えば、要素マトリクス720内のタイル位置数の30〜70%に相当する回数)だけ繰り返される(ステップS15)。このとき、要素マトリクス取得部51では、図11.Aに示すように評価値が最小となるタイル位置の基本タイル731cを、図11.Bに示すように置換基本タイル732cに置き換えた際に、4行4列の要素配列において中央の2行2列の要素が全てON要素721となる場合や、図12.Aに示すように評価値が最小となるタイル位置の基本タイル731dを、図12.Bに示すように置換基本タイル732dに置き換えた際に、4行4列の要素配列において中央の2行2列の要素が全てOFF要素722となる場合には、基本タイル731c,731dの置換基本タイル732c,732dへの置き換えがキャンセルされ、評価値が次に小さいタイル位置の基本タイル731が置換基本タイル732に置き換えられる。
ところで、上記の基本タイル731を置換基本タイル732に置き換える処理は、単に置換基本タイル732を配置する処理と捉えることもでき、この場合、ステップS13の処理は任意の1つのタイル位置に置換基本タイル732を配置する処理となる。また、ステップS14の処理は閾値マトリクスの反復適用を考慮しつつ(すなわち、反復適用を前提としつつ)、ON要素721またはOFF要素722のみが2行2列に並ぶことを禁止する禁止条件に従うとともに、既存の置換基本タイル732から最も離れたタイル位置に新たな置換基本タイル732を配置する処理となり、ステップS15の処理によりステップS14の処理が所定回数だけ繰り返されることとなる。
その結果、図13に示すように、それぞれが複数種類の基本タイル731,732のいずれかである複数の基本タイルがマトリクス領域72内に配列された要素マトリクス720が取得される。演算部5では、図13の要素マトリクス720は50%の階調レベル(50%の網点面積率に対応する階調レベル)におけるドットの配置を示すものとして取り扱われる。要素マトリクス720では、同一種類の基本タイル731,732が不規則に分散しているため、ON要素721およびOFF要素722のそれぞれも不規則に配列されている。なお、図13では置き換えられた置換基本タイル732を太線の矩形にて囲んで示している。以下の説明では、50%の階調レベルにおけるドットの配置を示す要素マトリクス720を基本要素マトリクス720と呼ぶ。
点灯順序決定部52では、図13の基本要素マトリクス720において、全てのON要素721の集合をハイライトドットパターン741として、ハイライトドットパターン741上において任意の1つのON要素721が選択される。ここでは、最も(−x)側かつ最も(−y)側のON要素721aが選択されたものとし、図14にクロスハッチングを付す矩形にて示すように、このON要素721aにドットが配置される(ステップS16)。
続いて、ハイライトドットパターン741上において各ON要素721に対して所定の評価関数を用いて評価値が算出されることにより、既存のドットから最も離れた1つのON要素721が特定され、当該ON要素721に新たなドットが追加される(ステップS17)。このとき、ステップS14における基本タイルの置き換え処理と同様に、元画像70のハーフトーン化時の閾値マトリクスの反復適用が考慮されるとともに、後述するように、ステップS17の処理は複数回繰り返されて複数の新たなドットがハイライトドットパターン741上に追加される。n番目に新たなドットが配置されるON要素721を求める際におけるマトリクス領域72内の座標(xh,yh)の各ON要素721の評価値Eh(xh,yh)は、中央の要素マトリクス720およびこの要素マトリクス720の8近傍に想定される要素マトリクス720(図9参照)の番号をrとし、r番目の要素マトリクス720内のm番目に配置されたドットのx方向およびy方向の位置をそれぞれxhmrおよびyhmrとして、数2により求められる。
Figure 2008199154
実際には、数2の評価関数において、r番目の要素マトリクス720内のm番目に配置されたドットのx方向の位置xhmrは、中央の要素マトリクス720内における対応するドットのx方向の位置に、要素マトリクス720の番号に応じて(すなわち、中央の要素マトリクス720に対する相対位置に応じて)、要素マトリクス720のx方向の大きさを加算または減算することにより、もしくは、当該位置と同位置として求められ、y方向の位置yhmrは、中央の要素マトリクス720内における対応するドットのy方向の位置に、要素マトリクス720の番号に応じて要素マトリクス720のy方向の大きさを加算または減算することにより、もしくは、当該位置と同位置として求められる(後述の数3において同様)。
ハイライトドットパターン741内の各ON要素721に対して評価値が算出されると、評価値が最小となるON要素721が特定される。例えば、図14のハイライトドットパターン741では図14中にて符号721bを付すON要素が特定され、このON要素721に新たなドットが追加される。ここで、数2の評価関数では、評価値として、中央の要素マトリクス720およびこの要素マトリクス720の8近傍に想定される要素マトリクス720における既存のドットと、中央の要素マトリクス720内の各ON要素721との間の距離の二乗の逆数の和が求められるため、評価値が最小となるON要素721は、閾値マトリクス710の反復適用を前提として既存のドットから最も離れたものとなる(後述の数3において同様)。
このようにして、点灯順序決定部52では、ハイライトドットパターン741上の各ON要素721に対して数2を用いて評価値を算出し、評価値が最小となるON要素721に新たなドットを追加する処理が、数2におけるnが要素マトリクス720のx方向の要素数Lおよびy方向の要素数Kを用いて(K×L/2−1)となるまで繰り返される(ステップS18)。これにより、ハイライト側の階調レベルの増加(すなわち、50%の階調レベルに比べて平網画像におけるドットの個数が少ない階調レベル範囲において0%から50%に向かう階調レベルの変化)に伴ってドットを追加する要素の順序を示す点灯順序が決定される。
点灯順序が決定されると、消灯順序決定部53では、図14の基本要素マトリクス720において、全てのOFF要素722の集合をシャドウドットパターン742として、シャドウドットパターン742上において、任意の1つのOFF要素722が選択され、当該OFF要素722を除く全てのOFF要素722にドットが配置される(ステップS19)。
続いて、シャドウドットパターン742上において各OFF要素722に対して評価値が算出されることにより、ドットが不存在のOFF要素722から最も離れた1つのOFF要素722のドットが削除される(ステップS20)。このとき、ステップS14における基本タイル731の置き換え処理と同様に、元画像70のハーフトーン化時の閾値マトリクスの反復適用が考慮されるとともに、後述するように、ステップS20の処理は複数回繰り返されて複数のドットが削除される。また、シャドウドットパターン742上の各OFF要素722に対する評価値の算出は、点灯順序を決定する際に用いられる数2と同様の式が用いられる。具体的には、n番目にドットが削除されるOFF要素722を求める際におけるマトリクス領域72内の座標(xs,ys)の各OFF要素722の評価値Es(xs,ys)は、中央の要素マトリクス720およびこの要素マトリクス720の8近傍に想定される要素マトリクス720(図9参照)の番号をrとし、r番目の要素マトリクス720内のm番目にドットが削除されたOFF要素722のx方向およびy方向の位置をそれぞれxsmrおよびysmrとして、数3により求められる。
Figure 2008199154
シャドウドットパターン742上の各OFF要素722に対して評価値が算出されると、評価値が最小となるOFF要素722が特定され、このOFF要素722のドットが削除される。このようにして、消灯順序決定部53では、シャドウドットパターン742上の各OFF要素722に対して数3を用いて評価値を算出し、評価値が最小となるOFF要素722のドットを削除する処理が、数3におけるnが要素マトリクス720のx方向の要素数Lおよびy方向の要素数Kを用いて(K×L/2−1)となるまで繰り返される(ステップS21)。これにより、シャドウ側の階調レベルの減小(すなわち、50%の階調レベルに比べて平網画像におけるドットの個数が多い階調レベル範囲において100%から50%に向かう階調レベルの変化)に伴ってドットを削除する要素の順序を示す消灯順序が決定される。
以上のようにして点灯順序および消灯順序が決定されると、シャドウドットパターン742において消灯順序が大きい要素から順に、(K×L/2+1)から1ずつ増加する整数の番号が割り当てられ、これにより、要素マトリクス720の各要素に、元画像70の階調レベルの増加(全範囲に亘る増加)に従ってこの位置に対応するハーフトーン画像中の画素にドットを形成する順序が決定される。そして、元画像が0〜255までの256(8bit)階調にて表現される場合には、0〜254の範囲に変換された順番が閾値として各要素に割り当てられ(すなわち、255階調に圧縮され)、一の色の閾値マトリクス710が完成する(ステップS22)。
各要素の閾値が決定されて一の色の閾値マトリクス710が完成すると、図15に示すように、閾値マトリクス710およびこの閾値マトリクス710の8近傍に想定される8個の閾値マトリクス710(図15中にて二点鎖線にて示す。)が配置されたマトリクス領域72において、閾値マトリクス710の外形を示す矩形T1を、元の閾値マトリクス710の位置からx方向およびy方向に所定の距離だけシフトさせ、シフト後の矩形T1(図15中にて破線にて示す。)内に含まれる閾値の配列が抽出されて、他の色の閾値マトリクス710が取得される(ステップS23)。本実施の形態では、ブラック、シアン、マゼンタ、イエローの閾値マトリクス710が準備されるため、矩形T1のシフト量を互いに変更することにより、上記ステップS11〜S22の処理により生成される閾値マトリクス710以外の残りの3色の閾値マトリクス710が取得される。そして、各色成分の閾値マトリクス710は、コンピュータ11の通信部109を介して本体制御部4の対応するマトリクス記憶部42に記憶され、印刷装置1における元画像70の印刷に利用される。
なお、閾値マトリクス710のデータは、読取/書込装置108にて(コンピュータを含む)電子装置読み取り/書き込み可能な記録媒体92に記録され、記録媒体92が本体制御部4にて読み取られることによりマトリクス記憶部42に記憶されてもよく、さらに、他の装置にて記録媒体92を読み取ることにより、当該装置にて閾値マトリクス710を用いてハーフトーン画像が生成されてもよい。
図16.Aおよび図16.Bは、閾値マトリクス710を用いて10%および50%の階調レベルの一様な元画像をハーフトーン化した場合のハーフトーン画像(平網画像)をそれぞれ示す図である。図16.Aおよび図16.Bのハーフトーン画像では、ザラツキ感はほとんど生じていない。また、図16.Aおよび図16.Bのハーフトーン画像の空間周波数特性を2次元の周波数空間に表すと図17.Aおよび図17,Bに示すようになり、図16.Aおよび図16.Bのハーフトーン画像は方向性を有していることが判る。
以上に説明したように、コンピュータ11により実現される閾値マトリクス生成装置では、ON要素721またはOFF要素722のみが2行2列に並ぶことを禁止しつつ複数の基本タイル731,732をマトリクス領域72内に配列することにより、50%の階調レベルにおけるドットの配置を示す基本要素マトリクス720が取得される。そして、基本要素マトリクス720におけるON要素721の集合であるハイライトドットパターン741、および、OFF要素722の集合であるシャドウドットパターン742のそれぞれにおいて、任意の1つの要素を特定した後、特定された要素から最遠の要素を特定する処理を繰り返すことにより、ハイライト側の階調レベルの増加に伴ってドットを追加する要素の順序を示す点灯順序、および、シャドウ側の階調レベルの減小に伴ってドットを削除する要素の順序を示す消灯順序が取得され、点灯順序および消灯順序に従ってマトリクス領域72内の各要素の閾値が決定される。その結果、元画像をハーフトーン化したハーフトーン画像において、(特に、50%の階調レベルおよび50%から離れた階調レベルにて)ザラツキ感を少なくすることが可能な閾値マトリクス710を生成することができる。
ここで、マトリクス領域72内において、仮に複数の基本タイルをランダムに配置する場合には、50%の階調レベルに対応する基本要素マトリクスにおいて、部分的に同一種類の基本タイルが集まってしまう等の現象が生じて、ハーフトーン画像において局所的に好ましくないパターン(特異点)が発生する可能性がある。これに対し、要素マトリクス取得部51では、任意の1つのタイル位置に一の種類の基本タイルを配置した後、既存の同種の基本タイルから最遠のタイル位置に当該一の種類の新たな基本タイルを配置する処理を繰り返すことにより、50%の階調レベルに対応する基本要素マトリクスが決定論的に(乱数を用いることなく一意に)生成される。これにより、ハーフトーン画像において特異点が発生することを抑制することができる。
また、印刷装置1では色成分毎に異なる配列を有する閾値マトリクス710が用いられることにより、印刷画像において複数の色成分のハーフトーン画像の干渉によるモアレの発生を抑制することができる。
ところで、上記のステップS23の処理では、ステップS11〜S22の処理により生成される一の色成分の閾値マトリクス710から他の色成分の閾値マトリクス710が導かれるが、当該一の色成分の閾値マトリクス710とは異なる他の色成分のマトリクス領域において、異なるサイズ(すなわち、x方向の要素数および/またはy方向の要素数)の要素マトリクスを設定しつつ上記ステップS11〜S22の処理と同様の処理を実行することにより、当該一の色成分の閾値マトリクス710とは異なるサイズとなる当該他の色成分の閾値マトリクス710が生成されてもよい。この場合も、閾値の配列が色成分毎に異なることにより、印刷画像において複数の色成分のハーフトーン画像の干渉によるモアレの発生を抑制することができる。
次に、マトリクス領域72内に配列される基本タイルの行方向および列方向の個数が2のべき乗とは異なる値とされる理由について述べる。図18は、比較例の要素マトリクス920を示す図であり、2行2列の要素配列である基本タイル731,732を1つの矩形にて示している。また、図18では、要素マトリクス920のx方向の要素数およびy方向の要素数の双方が2のべき乗であるものとしている。
図18の要素マトリクス920では、図6.AのステップS12の処理にて複数の基本タイル731が配列された後、ステップS13の処理にて最も(−x)側かつ最も(−y)側の基本タイル731が置換基本タイル732e(図18では、置換基本タイル732に平行斜線を付している。図19において同様。)に置き換えられる。続いて、ステップS14の処理では、要素マトリクス920の右側((+x)側)、右下側((+x)側かつ(+y)側)および下側((+y)側)にそれぞれ想定される3個の要素マトリクス920内の置換基本タイル732e、並びに、中央の要素マトリクス920の置換基本タイル732eを四隅に配置させた矩形B1(図18中にて破線にて示し、以下、「置換タイル矩形B1」という。)の中央(厳密な中央)が既存の置換基本タイル732eから最も離れたタイル位置とされ、当該タイル位置の基本タイル731が置換基本タイル732fに置き換えられる。なお、置換タイル矩形B1のx方向およびy方向のそれぞれの要素数は、2のべき乗に2を足した値となる(既述のように、図18では2行2列の要素配列である基本タイル731,732を1つの矩形にて示している。)。
また、後続のステップS14の処理の繰り返しでは、置換基本タイル732eの正確に(+x)側かつ置換基本タイル732fの正確に(−y)側の基本タイル731、および、置換基本タイル732eの正確に(+y)側かつ置換基本タイル732fの正確に(−x)側の基本タイル731が、図18に示すようにそれぞれ置換基本タイル732g,732hに置き換えられる。これにより、置換タイル矩形B1内には、それぞれが置換基本タイル732e〜732hを四隅に配置させた4個の置換タイル矩形B2(ただし、4個の置換タイル矩形B2は部分的に重なっている。)が想定される。各置換タイル矩形B2のx方向およびy方向のそれぞれの要素数は、2のべき乗に2を足した値となる。
図19は、図18中の左上の置換タイル矩形B2のみを示す図であり、図19では置換タイル矩形B2を破線にて示している。その後のステップS14の処理の繰り返しでは、各置換タイル矩形B2の中央のタイル位置が既存の置換基本タイル732から最も離れた位置とされ、当該位置の基本タイル731が、図19に示すように置換基本タイル732iに置き換えられる。そして、ステップS14の処理が繰り返されることにより、置換基本タイル732eの正確に(+x)側かつ置換基本タイル732iの正確に(−y)側の基本タイル731、置換基本タイル732eの正確に(+y)側かつ置換基本タイル732iの正確に(−x)側の基本タイル731、置換基本タイル732iの正確に(+x)側かつ置換基本タイル732fの正確に(−y)側の基本タイル731、並びに、置換基本タイル732iの正確に(+y)側かつ置換基本タイル732fの正確に(−x)側の基本タイル731が、それぞれ置換基本タイル732j,732k,732l,732mに置き換えられる。これにより、置換タイル矩形B2内には、それぞれが4個の置換基本タイル732を四隅に配置させた4個の置換タイル矩形B3(ただし、4個の置換タイル矩形B3は部分的に重なっている。)が想定され、各置換タイル矩形B3のx方向およびy方向のそれぞれの要素数は、2のべき乗に2を足した値となる。
他の置換タイル矩形B2においても、内部の置換基本タイル732の配置は図19に示すものと同様となるため、最終的に取得される基本要素マトリクスは、置換基本タイル732が規則的に配列されたものとなる。このように、要素マトリクス920のx方向の要素数およびy方向の要素数の双方が2のべき乗である場合には、50%の階調レベルの近傍でハーフトーン画像におけるドットの配置が規則的となってしまい、印刷対象の元画像70によっては、ハーフトーン画像においてモアレが生じる可能性がある。
ところで、以上の説明では、x方向およびy方向の双方の要素数が2のべき乗である場合について述べたが、一方の要素数が2のべき乗とは異なる場合には、ステップS14の繰り返しにおいて、置換タイル矩形の中央に置換基本タイル732を配置することができなくなり、規則性が乱れる。この規則性の乱れは、他の置換タイル矩形内における置換基本タイル732の配置にも影響するため、最終的な要素マトリクスは置換基本タイル732が規則的に配列されたものとはならない。したがって、ハーフトーン画像において元画像と閾値マトリクスとの干渉によるモアレが発生することを抑制するには、要素マトリクスにおいて行方向および列方向の少なくとも一方の要素数(好ましくは双方の要素数)が2のべき乗とは異なる値とされ、50%の階調レベルにおけるドットの配置を示す基本要素マトリクスにおいて一の種類の基本タイルが規則的に配列されることを防止する必要がある。
次に、閾値マトリクスを生成する他の処理例について説明する。図20は、閾値マトリクスを生成する処理の流れの一部を示す図であり、図6.A中のステップS15とステップS16との間にて行われる処理を示している。
本処理例においても、既述の処理例と同様に、図7.Aおよび図7.Bに示す2種類の基本タイル731,732が準備され(図6.A:ステップS11)、図21に示すように、一の種類の複数の基本タイル731がマトリクス領域72内に配列される(ステップS12)。また、最も(−x)側かつ最も(−y)側のタイル位置(図21中にて符号C1を付す太線の矩形にて示す位置であり、以下、「初期選択タイル位置」という。)の基本タイル731が置換基本タイル732に置き換えられる(ステップS13)。そして、ON要素721またはOFF要素722のみが2行2列に並ぶことを禁止する禁止条件に従いつつ既存の置換基本タイル732から最も離れたタイル位置の基本タイル731を置換基本タイル732に置き換える処理が所定回数だけ繰り返される(ステップS14,S15)。
続いて、初期選択タイル位置C1とは異なる他のタイル位置が選択される。例えば、図21中の初期選択タイル位置C1の(+y)側のタイル位置C2が選択され、当該タイル位置の基本タイルの種類が変更される(ステップS31)。図21では、一の種類の複数の基本タイル731がマトリクス領域72内に配列された直後の要素マトリクス720を示しているため、全ての基本タイルの種類が図7.Aの基本タイル731とされているが、実際のステップS31の処理では、タイル位置C2の基本タイルの種類が基本タイル731であるとは限らない。したがって、タイル位置C2に基本タイル731が配置されている場合にはタイル位置C2の基本タイルの種類が基本タイル732に変更され、タイル位置C2に基本タイル732が配置されている場合にはタイル位置C2の基本タイルの種類が基本タイル731に変更される。以下、ステップS31の処理にて選択されたタイル位置を、初期選択タイル位置C1と同様に初期選択タイル位置という。
要素マトリクス取得部51では、ステップS14,S15の処理と同様にして、閾値マトリクスの反復適用を考慮しつつ、ON要素721またはOFF要素722のみが2行2列に並ぶことを禁止する禁止条件に従うとともに、種類が変更された基本タイルから最も離れたタイル位置の基本タイルの種類を変更する処理が行われ(ステップS32)、ステップS32の処理は所定回数だけ繰り返される(ステップS33)。
その後、基本タイルの変更に係る処理を繰り返すことが確認されると(ステップS34)、例えば、初期選択タイル位置C2の(+y)側のタイル位置C3が選択されて当該タイル位置の基本タイルの種類が変更され(ステップS31)、閾値マトリクスの反復適用を考慮しつつ禁止条件に従うとともに、直前のステップS31の処理以降において種類が変更された基本タイルから最も離れたタイル位置の基本タイルの種類を変更する処理が繰り返される(ステップS32,S33)。このようにして、ステップS31〜S33の処理を1回のループ処理と捉えて、複数回のループ処理が繰り返される(ステップS34)。このとき、1回目のループ処理のステップS31の処理ではステップS13の処理にて選択された初期選択タイル位置C1とは異なる1つのタイル位置C2が選択され、2回目のループ処理のステップS31の処理では初期選択タイル位置C1,C2とは異なる1つのタイル位置C3が選択され、3回目のループ処理のステップS31の処理では初期選択タイル位置C1〜C3とは異なる1つのタイル位置C4が選択される。また、4回目のループ処理のステップS31の処理では初期選択タイル位置C1〜C4とは異なる1つのタイル位置C5が選択され、5回目のループ処理のステップS31の処理では初期選択タイル位置C1〜C5とは異なる1つのタイル位置C6が選択される。
所定回数のループ処理が完了して、50%の階調レベルにおけるドットの配置を示す最終的な要素マトリクス720(すなわち、基本要素マトリクス720)が取得されると(ステップS34)、既述の処理と同様にして、ハイライトドットパターン741上においてハイライト側の階調レベルの増加に伴ってドットを追加する要素の順序を示す点灯順序が決定され、シャドウドットパターン742上においてシャドウ側の階調レベルの減小に伴ってドットを削除する要素の順序を示す消灯順序が決定され、その後、点灯順序および消灯順序に従ってマトリクス領域72内の各要素の閾値が決定されることにより、閾値マトリクス710が完成する(図6.Aおよび図6.B:ステップS16〜S22)。
以上に説明したように、本処理例では、複数の基本タイル731,732が配列されたマトリクス領域72において、最初に種類が変更される基本タイルのタイル位置を相違させつつ、種類が変更された基本タイルから最も離れたタイル位置の基本タイルの種類を変更する処理を繰り返すことにより、基本要素マトリクス720における同一種類の基本タイルの配置の不規則性が増大される。これにより、ハーフトーン画像においてモアレの発生をさらに抑制することが可能な閾値マトリクス710を生成することができる。
次に、印刷装置1における印刷に係る機構に合わせて閾値マトリクスを生成する手法について述べる。演算部5では、まず、図6.AのステップS11〜S15の処理を行うことにより、50%の階調レベルに対応する基本要素マトリクス720が取得される。ここでは、ヘッド21における吐出口231の配列方向に対応する列方向(y方向)の要素マトリクス720の要素数がαであるものとする。また、図7.Aおよび図7.Bの基本タイル731,732が用いられるため、基本要素マトリクス720において行方向および列方向のそれぞれの各位置にはON要素721が必ず存在している。以下の説明では、基本要素マトリクス720において、吐出口231の配列方向に対応する列方向の各位置にて他方の行方向に並ぶ複数の要素を要素群と呼ぶ。
図6.AのステップS16の処理にて、ハイライトドットパターン741上の任意の1つのON要素721にドットが配置されると、ステップS17の1回目の処理では、ドットが既に配置されているON要素721とy方向の同位置に存在する複数のON要素721(すなわち、同一の要素群に含まれる複数のON要素721)がドットの追加対象から除外された上で、閾値マトリクス710の反復適用を考慮しつつ既存のドットから最も離れたON要素721に新たなドットが追加される。
また、ステップS17の2回目の処理では、ステップS16の処理にて選択されたON要素721、および、ステップS17の1回目の処理にて選択されたON要素721のそれぞれと同一の要素群に含まれる複数のON要素721がドットの追加対象から除外された上で、(閾値マトリクス710の反復適用を考慮しつつ)既存のドットから最も離れたON要素721に新たなドットが追加される。さらに、ステップS17の3回目の処理では、ステップS16の処理にて選択されたON要素721、並びに、ステップS17の1および2回目の処理にてそれぞれ選択されたON要素721と同一の要素群に含まれる複数のON要素721がドットの追加対象から除外された上で既存のドットから最も離れたON要素721に新たなドットが追加される。このように、ハイライトドットパターン741上において既存のドットと同一の要素群に含まれるON要素721をドットの追加対象から除外しつつ、既存のドットから最も離れたON要素721に新たなドットが追加される。したがって、ステップS17の(α−1)回目の処理が完了した際には、ハイライトドットパターン741上において各要素群がドットが配置された1つの要素を含むこととなる。そして、ステップS17のα回目の処理以降では、このような条件が取り除かれ、既存のドットから最も離れたON要素721に新たなドットが追加される。
ここで、インクジェット方式の一般的な印刷装置では、印刷時に(すなわち、退避位置から離れた状態で)各吐出口においてインクを吐出しない時間(すなわち、インクの吐出後、次のインクの吐出が行われるまでの時間)が長くなると、吐出口近傍のインクが硬化して吐出口が詰まる場合がある。特に、元画像においてハイライト側の階調レベルを有する画素が多く存在する場合には、インクを吐出しない時間が長くなりやすくなる。
これに対し、上記閾値マトリクス生成処理では、ハイライトドットパターン741上において、各要素群の1つの要素(ON要素721)に、点灯順序における1ないしαの番号のいずれかを割り当てる条件を設けた上で、当該条件に従いつつステップS17の処理を繰り返すことにより、ハイライト側の階調レベルにおける点灯順序が決定される。これにより、複数の吐出口231からインクの微小液滴を吐出することにより印刷用紙9上に画像を印刷する印刷装置1において、実際の印刷の際に各吐出口231がインクを吐出しない時間が長くなることが防止され、印刷時に吐出口231近傍のインクが硬化して吐出口231が詰まることを抑制することができる。
印刷装置において吐出口231がX方向に配列される場合には、吐出口231の配列方向に対応する行方向の各位置にて列方向に並ぶ要素群にON要素721が存在する基本要素マトリクス720が生成された上で(ただし、行方向の要素数をβとする。)、ステップS17の処理の際に、ハイライトドットパターン741上において各要素群の1つの要素に、点灯順序における1ないしβの番号のいずれかを割り当てる条件が設定される。なお、ステップS17の処理の際に設定される条件は、他の条件であってもよい。
また、印刷装置1における主走査方向および副走査方向の解像度(すなわち、印刷用紙9上における単位長さ当たりのドット数)が異なる場合に(例えば、主走査方向の解像度が720dpi(dot per inch)、副走査方向の解像度が360dpiである場合等)、図6.AのステップS17の処理、および、図6.BのステップS20の処理のそれぞれにおいて用いられる評価関数が解像度の相違を考慮したものとされてもよい。具体的には、x方向に対応する主走査方向の解像度がResXであり、y方向に対応する主走査方向の解像度がResYである場合に、図6.AのステップS17の処理においてn番目に新たなドットが配置されるON要素721を求める際におけるマトリクス領域72内の座標(xh,yh)の各ON要素721の評価値Eh(xh,yh)は、中央の要素マトリクス720およびこの要素マトリクス720の8近傍に想定される要素マトリクス720(図9参照)の番号をrとし、r番目の要素マトリクス内のm番目に配置されたドットのx方向およびy方向の位置をそれぞれxhmrおよびyhmrとして、数4により求められる。
Figure 2008199154
数4では、Y方向の解像度がX方向の解像度よりも低い場合には、各ON要素721と既存のドットとの間のy方向の距離の評価値に対する影響がx方向の距離よりも高くなり、各ON要素721において、既存のドットとの間のy方向の距離が大きいものほど、点灯順序における番号が小さくなり易くなる。また、X方向の解像度がY方向の解像度よりも低い場合には、各ON要素721と既存のドットとの間のx方向の距離の評価値に対する影響がy方向の距離よりも高くなり、各ON要素721において、既存のドットとの間のx方向の距離が大きいものほど、点灯順序における番号が小さくなり易くなる。また、図6.BのステップS20の処理においてn番目にドットが削除されるOFF要素722を求める際も同様の評価関数が用いられる。
このように、図6.AのステップS17の処理、および、図6.BのステップS20の処理のそれぞれにおいて、既存のドットから最も離れた要素、または、ドットが不存在の要素から最も離れた要素を特定する際に、行方向の距離成分と列方向の距離成分との重み付けを主走査方向および副走査方向の解像度に従って相違させることにより、印刷装置1にて印刷される画像において低解像度となる方向にドットの配置が間延びすることを抑制することができ、好ましい印刷画像を印刷することができる。
図22は、数4の評価関数を用いて生成された閾値マトリクスを用いて10%の階調レベルの一様な元画像をハーフトーン化した場合のハーフトーン画像(平網画像)を示す図である。図22に示すように、上記処理例にて生成された閾値マトリクスを用いて元画像をハーフトーン化する場合であっても、ハーフトーン画像においてザラツキ感はほとんど生じていない。また、図22のハーフトーン画像の空間周波数特性を2次元の周波数空間に表すと図23に示すようになり、図22のハーフトーン画像は方向性を有していることが判る。
次に、本発明の第2の実施の形態に係る閾値マトリクスの生成処理について、図6.Aおよび図6.B並びに図20に準じて説明する。
要素マトリクス取得部51では、まず、図24.Aないし図24.Dに示すように、4種類の基本タイル733,734,735,736が準備される(図6.A:ステップS11)。図24.Aの基本タイル733では上段の2つの要素がON要素721とされ、下段の2つの要素がOFF要素722とされ、図24.Bの基本タイル734では左側の2つの要素がON要素721とされ、右側の2つの要素がOFF要素722とされ、図24.Cの基本タイル735では右側の2つの要素がON要素721とされ、左側の2つの要素がOFF要素722とされ、図24.Dの基本タイル736では下段の2つの要素がON要素721とされ、上段の2つの要素がOFF要素722とされる。このように、本実施の形態にて準備される基本タイル733〜736のそれぞれは、2つのON要素721および2つのOFF要素722のそれぞれが行方向または列方向に並ぶ(すなわち、各対角成分が異なる要素とされる)配列とされる。
続いて、マトリクス領域72内にて一の種類の複数の基本タイル733が行方向(x方向)および列方向(y方向)に配列され、要素マトリクス720が構成される(ステップS12)。マトリクス領域72内に複数の基本タイル733が配列されると、第1の実施の形態と同様に、任意の1つのタイル位置の基本タイル733が図24.Bの基本タイル734(以下、置き換えの対象となる基本タイルを「置換基本タイル」と呼ぶ。)に置き換えられ(ステップS13)、その後、閾値マトリクスの反復適用を考慮しつつ、ON要素721またはOFF要素722のみが2行2列に並ぶことを禁止する禁止条件に従うとともに、既存の置換基本タイル734から最も離れたタイル位置に新たな置換基本タイル734を配置する処理を所定回数(例えば、要素マトリクス720内のタイル位置数の10〜40%に相当する回数であり、好ましくは、タイル位置数を基本タイルの種類にて除した値近傍の回数。後述の基本タイル735,736を置換基本タイルとする処理において同様。)繰り返すことにより、図25に示す要素マトリクス720が取得される(ステップS14,S15)。
実際には、基本タイル733を置換基本タイル734に置き換える際に、ON要素721またはOFF要素722のみが2行2列に並ぶことはないが、後述の処理により、要素マトリクス720内には基本タイル735,736も配置されるため、ON要素721またはOFF要素722のみが2行2列に並ぶ場合(すなわち、禁止条件に該当する配列)として、図26.Aないし図26.Fに示す組合せが考えられる。
続いて、置換基本タイルが図24.Cの基本タイル735に変更され、ステップS13にて選択されたタイル位置(すなわち、初期選択タイル位置)とは異なる他のタイル位置の基本タイルが、置換基本タイル735に置き換えられる(すなわち、基本タイルの種類が置換基本タイル735に変更される。)(図20:ステップS31)。そして、閾値マトリクスの反復適用を考慮しつつ禁止条件に従うとともに、既存の置換基本タイル735から最も離れたタイル位置に新たな置換基本タイル735を配置する(すなわち、種類が変更された基本タイルから最も離れたタイル位置の基本タイルの種類を置換基本タイル735に変更する)処理を所定回数繰り返すことにより、図27に示す要素マトリクス720が取得される(ステップS32,S33)。
その後、基本タイルの変更に係る処理を繰り返すことが確認されると(ステップS34)、置換基本タイルが図24.Dの基本タイル736に変更され、ステップS13にて選択されたタイル位置、および、1回目のステップS31にて選択されたタイル位置とは異なる他のタイル位置の基本タイルが、置換基本タイル736に置き換えられる(ステップS31)。そして、閾値マトリクスの反復適用を考慮しつつ禁止条件に従うとともに、既存の置換基本タイル736から最も離れたタイル位置に新たな置換基本タイル736を配置する処理を所定回数繰り返すことにより、図28に示す要素マトリクス720が取得される(ステップS32,S33)。
以上のようにして、50%の階調レベルにおけるドットの配置を示す最終的な要素マトリクス720(すなわち、基本要素マトリクス720)が取得されると(ステップS34)、既述の処理と同様にして、ハイライトドットパターン741上においてハイライト側の階調レベルの増加に伴ってドットを追加する要素の順序を示す点灯順序が決定され、シャドウドットパターン742上においてシャドウ側の階調レベルの減小に伴ってドットを削除する要素の順序を示す消灯順序が決定され、その後、マトリクス領域72内の各要素の閾値が決定されることにより、閾値マトリクス710が完成する(図6.Aおよび図6.B:ステップS16〜S22)。
図29は、閾値マトリクス710を用いて50%の階調レベルの一様な元画像をハーフトーン化した場合のハーフトーン画像(平網画像)を示す図である。図29のハーフトーン画像では、ザラツキ感はほとんど生じていない。また、図29のハーフトーン画像の空間周波数特性を2次元の周波数空間に表すと図30に示すようになり、図29のハーフトーン画像は方向性を有していることが判る。
ここで、第1の実施の形態のように、2つのON要素721および2つのOFF要素722が対角に並ぶ基本タイル731,732のみを用いて要素マトリクス720を構成する場合には、各基本タイル731,732内における2つのON要素721間の距離が、ON要素721が行方向または列方向に並ぶ場合に比べて離れているため、ハーフトーン画像におけるドット間の距離が比較的長くなり(すなわち、ドットの境界線の長さの和が大きくなり)、仮に印刷装置1において一のドットの周囲に他のドットが形成されない場合の記録安定性が低い場合には、印刷画像におけるハーフトーン画像の再現性も低くなってしまう。
これに対し、2つのON要素721および2つのOFF要素722のそれぞれが行方向または列方向に並ぶ基本タイル733〜736のみを用いて要素マトリクス720を構成する場合には、各基本タイル733〜736内における2つのON要素721間の距離が基本タイル731,732に比べて短くなるため、ハーフトーン画像におけるドット間の距離も比較的短くなり、仮に、印刷装置1にて孤立したドットを形成する場合の記録安定性が低い場合であっても、ハーフトーン画像を再現性よく印刷することができる。ただし、対角成分が同一要素となる基本タイル731,732のみを用いる場合には、行方向および列方向のそれぞれに対して空間周波数が高くなるため、元画像70をハーフトーン化したハーフトーン画像においてザラツキ感をさらに少なくすることが可能である。
また、図7.Aおよび図7.Bの基本タイル731,732、並びに、図24.Aないし図24.Dの基本タイル733,734,735,736(すなわち、6種類の基本タイル)を用いて50%の階調レベルにおけるドットの配置を示す基本要素マトリクス720が取得されてもよい。
次に、本発明の第3の実施の形態に係る印刷装置1について説明する。本実施の形態に係る印刷装置1のヘッド21の各吐出口231は、異なる量の微小液滴を吐出して印刷用紙9上に複数サイズのドットの形成が可能とされ、ここでは、最も小さなSサイズのドット、Sサイズよりも大きなMサイズのドット、および、Mサイズよりも大きなLサイズのドットのいずれかが形成可能となっている。
第3の実施の形態に係る印刷装置1において実際の印刷に用いられる閾値マトリクスの各閾値は、Sサイズのドット形成の要否を決定するためのサブ閾値、Mサイズのドット形成の要否を決定するためのサブ閾値、および、Lサイズのドット形成の要否を決定するためのサブ閾値の集合とされる。ただし、図4のマトリクス記憶部42では、閾値マトリクスが、Sサイズ用のサブ閾値の2次元配列であるサブ閾値マトリクス、Mサイズ用のサブ閾値の2次元配列であるサブ閾値マトリクス、および、Lサイズ用のサブ閾値の2次元配列であるサブ閾値マトリクスに分解されて記憶されている。サブ閾値マトリクスにおいて互いに対応するサブ閾値はSサイズ用のサブ閾値マトリクスにて最も小さく、Lサイズ用のサブ閾値マトリクスにて最も大きくなっている。なお、サブ閾値マトリクスについては後述する。
印刷装置1において各色成分のハーフトーン画像を生成する際には、まず、元画像の各画素の画素値とSサイズ用のサブ閾値マトリクスの対応するサブ閾値とが比較される。実際には、1画素ずつ比較されるが、概念的には、元画像において、画素値がサブ閾値マトリクスの対応するサブ閾値よりも大きい位置の画素には、例えば、画素値「1」が付与され、残りの画素には画素値「0」が付与されて仮の出力画像が生成される。続いて、元画像の各画素の画素値とMサイズ用のサブ閾値マトリクスの対応するサブ閾値とが比較され、画素値がサブ閾値マトリクスの対応するサブ閾値よりも大きい位置の出力画像中の画素は、画素値が「2」に変更され、残りの画素の画素値はそのままとされて、仮の出力画像が更新される。そして、元画像の各画素の画素値とLサイズ用のサブ閾値マトリクスの対応するサブ閾値とが比較され、画素値がサブ閾値マトリクスの対応するサブ閾値よりも大きい位置の出力画像中の画素は、画素値が「3」に変更され、残りの画素の画素値はそのままとされて、元画像の画素値と閾値マトリクスの対応する閾値との比較結果である4値の出力画像がハーフトーン画像として取得される。後述するように、出力画像における画素値「1」、「2」、「3」は、対応する吐出口231により形成される印刷用紙9上のドットのサイズを示すものであるため、実質的には、当該ハーフトーン画像もドットの有無(および、ドットの大きさ)により表現されるハーフトーン画像となっている。
なお、既述のように、閾値マトリクスにおいて互いに対応するサブ閾値はSサイズ用のサブ閾値マトリクスにて最も小さく、Lサイズ用のサブ閾値マトリクスにて最も大きくなっている。したがって、元画像とSサイズ用のサブ閾値マトリクスとの比較において、画素値がサブ閾値マトリクスの対応するサブ閾値以下となる元画像の画素は、Mサイズ用のサブ閾値マトリクスおよびLサイズ用のサブ閾値マトリクスのそれぞれの対応するサブ閾値との比較においても必ず当該サブ閾値以下となり、画素値がMサイズ用のサブ閾値マトリクスの対応するサブ閾値以下となる元画像の画素は、Lサイズ用のサブ閾値マトリクスの対応するサブ閾値との比較においても必ず当該サブ閾値以下となるため、このような元画像中の画素については、他のサブ閾値マトリクスとの比較が省略されてもよい。
印刷装置1では、各色成分に関して、上記のようにしてハーフトーン画像を生成しつつ、ハーフトーン画像の生成された部分を印刷する処理が行われる。ハーフトーン画像を印刷する際には、吐出制御部44ではヘッド21の印刷用紙9に対する相対移動に同期して、各吐出口231の印刷用紙9上の吐出位置に対応するハーフトーン画像の画素値が「1」である場合には当該吐出位置にSサイズのドットが形成され、ハーフトーン画像の画素値が「2」である場合には当該吐出位置にMサイズのドットが形成され、ハーフトーン画像の画素値が「3」である場合には当該吐出位置にLサイズのドットが形成され、ハーフトーン画像の画素値が「0」である場合には当該吐出位置にはドットは形成されない。このようにして、ヘッド21の印刷用紙9に対する相対移動(すなわち、複数の吐出口231にそれぞれ対応する印刷用紙9上の複数の吐出位置の走査)に同期して、複数の吐出口231の印刷用紙9に対する吐出位置における元画像の画素値と閾値マトリクスの対応する閾値との比較結果に従って、複数の吐出口231からのインクの吐出が制御され、印刷用紙9上にハーフトーン画像が印刷される。
図31は、閾値マトリクスを生成する処理の流れの一部を示す図であり、図6.BのステップS23の後に行われる処理を示している。以下、サブ閾値マトリクスの生成手法について一の色成分に着目して説明する。なお、他の色成分のサブ閾値マトリクスも同様の処理により生成される。
閾値決定部54では、図6.Aおよび図6.BのステップS11〜S23の処理により各要素に閾値が付与されたマトリクス領域72において(もちろん、図20のステップS31〜S34の処理が行われたものであってもよい。)、要素の閾値を2で除した商をこの要素の新たな値(すなわち、サブ閾値)とするマトリクスがSサイズのドット形成用のサブ閾値マトリクスとして生成される。Sサイズのドット形成用のサブ閾値マトリクスでは、各要素の値は0ないし127のいずれかの値となる。続いて、Sサイズのドット形成用のサブ閾値マトリクスの各要素の値に元画像の256段階の階調レベルの25%の値64が加算されることにより、Mサイズのドット形成用のサブ閾値マトリクスが生成され、Sサイズのドット形成用のサブ閾値マトリクスの各要素の値に元画像の256段階の階調レベルの50%の値128が加算されることにより、Lサイズのドット形成用のサブ閾値マトリクスが生成される。Mサイズのドット形成用のサブ閾値マトリクスでは、各要素の値は64ないし191のいずれかとなり、Lサイズのドット形成用のサブ閾値マトリクスでは、各要素の値は128ないし255のいずれかとなる。このようにしてマトリクス領域72内の各要素の閾値を変換することにより、Sサイズのドット形成用のサブ閾値マトリクス、Mサイズのドット形成用のサブ閾値マトリクス、および、Lサイズのドット形成用のサブ閾値マトリクスにそれぞれ含まれる複数のサブ閾値が生成される(ステップS41)。
ここで、サブ閾値マトリクスの特徴について述べる。図32は、サブ閾値マトリクスの特徴を説明するための図である。図32では、仮に、各サイズのサブ閾値マトリクスのみを用いて一様な階調レベルの画像を印刷装置1にて印刷する場合に、印刷用紙9上に形成される当該サイズのドットの個数の全画素数に対する割合(以下、「ドット占有率」という。)を縦軸に示しており、この場合における画像の階調レベルを横軸に示している。また、図32ではSサイズのサブ閾値マトリクスのみを用いた場合のドット占有率を符号A1を付す破線にて示し、Mサイズのサブ閾値マトリクスのみを用いた場合のドット占有率を符号A2を付す一点鎖線にて示し、Lサイズのサブ閾値マトリクスのみを用いた場合のドット占有率を符号A3を付す実線にて示している。
図32に示すように、Sサイズのサブ閾値マトリクスのみを用いた場合には、画像の階調レベルが0から127まで増加するに従ってドット占有率は0%から100%まで線形に増加し、階調レベルが127以上ではドット占有率は100%のままとなる。Mサイズのサブ閾値マトリクスのみを用いた場合には、画像の階調レベルが64未満ではドット占有率は0%となり、階調レベルが64から191まで増加するに従ってドット占有率が0%から100%まで線形に増加し、階調レベルが191以上ではドット占有率は100%のままとなる。Lサイズのサブ閾値マトリクスのみを用いた場合には、画像の階調レベルが128未満ではドット占有率は0%となり、階調レベルが128から255まで増加するに従ってドット占有率が0%から100%まで線形に増加する。
例えば、階調レベル140に注目すると、図32に示すように、Lサイズのサブ閾値マトリクスにおけるドット占有率は9%となり、Mサイズのサブ閾値マトリクスにおけるドット占有率は84%となり、Sサイズのサブ閾値マトリクスにおけるドット占有率は100%となる。ここで、既述のように、実際の印刷では同じ位置に複数のサイズのドットは形成されず、より大きいサイズのドットが優先して形成される。また、Sサイズのサブ閾値マトリクス、Mサイズのサブ閾値マトリクス、および、Lサイズのサブ閾値マトリクスにおいて、同じ位置における値(サブ閾値)は、Lサイズのサブ閾値マトリクスで最も大きくなり、Sサイズのサブ閾値マトリクスで最も小さくなるため、上記のように、各サイズのサブ閾値マトリクスのみを用いて一様な階調レベルの画像を印刷する(すなわち、Sサイズのドットのみにて形成される画像、Mサイズのドットのみにて形成される画像、および、Lサイズのドットのみにて形成される画像を印刷する)という仮定の下では、一の階調レベルにおいて、Lサイズのドットのみにて形成される画像中のドットに対して、Sサイズのドットのみにて形成される画像、および、Mサイズのドットのみにて形成される画像のそれぞれにおける同位置にもドットが必ず形成されており、Mサイズのドットのみにて形成される画像中のドットに対して、Sサイズのドットのみにて形成される画像における同位置にもドットが必ず形成される。
したがって、仮にサブ閾値マトリクスの集合を用いて一様な階調レベル140の画像を印刷装置1にて印刷する場合には、Lサイズのドット占有率は9%となり、Mサイズのドット占有率は75%((84−9)にて求められる。)となり、Sサイズのドット占有率は16%((100−84)にて求められる。)となる。実際には、元画像は濃淡(すなわち、様々な階調レベルの部位)を有し、各画素値がサブ閾値マトリクスの対応する位置のサブ閾値と比較されるため、サブ閾値の集合を各閾値とする閾値マトリクスを用いることにより、図32のグラフに従ってSサイズ、MサイズおよびLサイズのドットが確率的に形成されて印刷が行われることとなる。
以上に説明したように、本実施の形態に係る閾値マトリクスの生成処理では、図6.Aおよび図6.BのステップS11〜S23の処理により閾値が付与されたマトリクス領域72において、各要素の閾値からドットのサイズの決定に利用される複数のサブ閾値が生成される。これにより、複数サイズのドットを形成することが可能な印刷装置1にて印刷される画像においてザラツキ感を少なくすることができる。
以上、本発明の実施の形態について説明してきたが、本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、様々な変形が可能である。
上記実施の形態では、最初に一の種類の複数の基本タイルがマトリクス領域72内に配列されて要素マトリクスが構成されるが、マトリクス領域72において、任意の1つのタイル位置に置換基本タイルを配置し、その後、閾値マトリクスの反復適用を考慮しつつ、ON要素721またはOFF要素722のみが2行2列に並ぶことを禁止する禁止条件に従うとともに、既存の置換基本タイルから最も離れたタイル位置に新たな置換基本タイルを配置する処理を繰り返し、その後、マトリクス領域72内の基本タイルが配置されていないタイル位置に他の種類の基本タイルが配置されて要素マトリクスが構成されてもよい。
また、図6.AのステップS13の処理では、置換基本タイルに置き換えられる(すなわち、置換基本タイルが配置される)1つのタイル位置が選択されるが、任意の1つのタイル位置として数個のタイル位置を選択することも可能であり、この場合、任意の1つのタイル位置は少なくとも1つのタイル位置と捉えることができる(図20のステップS31の処理において同様)。同様に、図6.AのステップS16の処理、および、図6.BのステップS19の処理のそれぞれにおいて、任意の1つの要素として数個の要素を選択することも可能であり、任意の1つの要素は少なくとも1つの要素と捉えることもできる。
要素マトリクス取得部51では、閾値マトリクスの反復適用を考慮しつつ既存の置換基本タイルと要素マトリクス内の各タイル位置との間の距離の二乗の逆数の和を求めることにより、既存の置換基本タイルから最も離れたタイル位置が特定されるが、例えば、要素マトリクス内の各タイル位置に対して最寄りの置換基本タイルとの間の距離を求め、当該距離が最大となるタイル位置が既存の置換基本タイルから最も離れたタイル位置として特定されてもよい。すなわち、既存の置換基本タイルから最も離れたタイル位置の特定は様々な手法にて実現することが可能である。
また、点灯順序決定部52でも同様に、ハイライトドットパターン741上の各要素に対して最寄りのドットとの間の距離を求め、当該距離が最大となる要素が既存のドットから最も離れた要素として特定されてもよい(消灯順序決定部53において同様)。
上記第2の実施の形態において、図33.Aおよび図33.Bに示すように、ON要素721またはOFF要素722のみが4行1列に並ぶことを禁止する禁止条件や、図33.Cおよび図33.Dに示すように、ON要素721またはOFF要素722のみが1行4列に並ぶことを禁止する禁止条件が採用されてもよい。ただし、ハーフトーン画像におけるザラツキ感を少なくするには、ON要素721またはOFF要素722のみが2行2列に並ぶことを少なくとも禁止する禁止条件が必要となる。
本手法により生成される閾値マトリクスは、インクジェット方式の印刷装置1以外に、電子写真方式の印刷装置やCTP(Computer To Plate)用の製版装置等、元画像をハーフトーン化したハーフトーン画像を対象物に記録する他の画像記録装置にて用いられてもよい。
印刷装置の構成を示す図である。 複数の吐出口を示す図である。 コンピュータの構成を示す図である。 印刷装置の機能構成を示すブロック図である。 元画像および閾値マトリクスを抽象的に示す図である。 閾値マトリクスを生成する処理の流れを示す図である。 閾値マトリクスを生成する処理の流れを示す図である。 基本タイルを示す図である。 基本タイルを示す図である。 要素マトリクスを示す図である。 置換基本タイルへの置き換えを説明するための図である。 置換基本タイルへの置き換えを説明するための図である。 禁止条件を説明するための図である。 禁止条件を説明するための図である。 禁止条件を説明するための図である。 禁止条件を説明するための図である。 基本要素マトリクスを示す図である。 点灯順序を決定する処理を説明するための図である。 他の色の閾値マトリクスを取得する処理を説明するための図である。 ハーフトーン画像を示す図である。 ハーフトーン画像を示す図である。 ハーフトーン画像の空間周波数特性を示す図である。 ハーフトーン画像の空間周波数特性を示す図である。 要素マトリクスを示す図である。 置換タイル矩形を示す図である。 閾値マトリクスを生成する処理の流れの一部を示す図である。 要素マトリクスの一部を示す図である。 ハーフトーン画像を示す図である。 ハーフトーン画像の空間周波数特性を示す図である。 基本タイルを示す図である。 基本タイルを示す図である。 基本タイルを示す図である。 基本タイルを示す図である。 基本要素マトリクスの生成を説明するための図である。 禁止条件に該当する配列を示す図である。 禁止条件に該当する配列を示す図である。 禁止条件に該当する配列を示す図である。 禁止条件に該当する配列を示す図である。 禁止条件に該当する配列を示す図である。 禁止条件に該当する配列を示す図である。 基本要素マトリクスの生成を説明するための図である。 基本要素マトリクスの生成を説明するための図である。 ハーフトーン画像を示す図である。 ハーフトーン画像の空間周波数特性を示す図である。 閾値マトリクスを生成する処理の流れの一部を示す図である。 サブ閾値マトリクスの特徴を説明するための図である。 禁止条件に該当する配列の他の例を示す図である。 禁止条件に該当する配列のさらに他の例を示す図である。 禁止条件に該当する配列のさらに他の例を示す図である。 禁止条件に該当する配列のさらに他の例を示す図である。
符号の説明
1 印刷装置
9 印刷用紙
11 コンピュータ
51 要素マトリクス取得部
52 点灯順序決定部
53 消灯順序決定部
54 閾値決定部
70 元画像
72 マトリクス領域
231 吐出口
710 閾値マトリクス
720 要素マトリクス
721,721a,721b ON要素
722 OFF要素
731〜736,731a〜731d,732a〜732m 基本タイル
741 ハイライトドットパターン
742 シャドウドットパターン
C1〜C6 タイル位置
S11〜S23,S31〜S33,S41 ステップ

Claims (12)

  1. 多階調の元画像をハーフトーン化する際に前記元画像と比較される閾値マトリクスを生成する閾値マトリクス生成方法であって、
    a)ドットの存在を示す2つのON要素およびドットの不存在を示す2つのOFF要素から成る2行2列の要素配列である複数種類の基本タイルが準備され、ON要素またはOFF要素のみが2行2列に並ぶことを少なくとも禁止する禁止条件に従いつつ、それぞれが前記複数種類の基本タイルのいずれかである複数の基本タイルを閾値マトリクスが生成されるマトリクス領域内に配列することにより、50%の階調レベルにおけるドットの配置を示す要素マトリクスを取得する工程と、
    b)前記要素マトリクスにおけるON要素の集合であるハイライトドットパターン上において、任意の1つの要素にドットを配置する工程と、
    c)元画像のハーフトーン化時の前記閾値マトリクスの反復適用を考慮しつつ、前記ハイライトドットパターン上において、既存のドットから最も離れた要素に新たなドットを追加する処理を繰り返す、または、所定の条件に従いつつ前記処理を繰り返すことにより、ハイライト側の階調レベルの増加に伴ってドットを追加する要素の順序を示す点灯順序を決定する工程と、
    d)前記要素マトリクスにおけるOFF要素の集合であるシャドウドットパターン上において、任意の1つの要素を除く全ての要素にドットを配置する工程と、
    e)前記閾値マトリクスの前記反復適用を考慮しつつ、前記シャドウドットパターン上において、ドットが不存在の要素から最も離れた要素のドットを削除する処理を繰り返すことにより、シャドウ側の階調レベルの減小に伴ってドットを削除する要素の順序を示す消灯順序を決定する工程と、
    f)前記点灯順序および前記消灯順序に従って、前記マトリクス領域内の各要素の閾値を決定する工程と、
    を備えることを特徴とする閾値マトリクス生成方法。
  2. 請求項1に記載の閾値マトリクス生成方法であって、
    前記複数種類の基本タイルが、前記2つのON要素および前記2つのOFF要素が対角に並ぶ2種類の配列であることを特徴とする閾値マトリクス生成方法。
  3. 請求項1に記載の閾値マトリクス生成方法であって、
    前記複数種類の基本タイルのそれぞれにおいて、前記2つのON要素および前記2つのOFF要素が行方向または列方向に並ぶことを特徴とする閾値マトリクス生成方法。
  4. 請求項1ないし3のいずれかに記載の閾値マトリクス生成方法であって、
    前記a)工程が、
    a1)前記マトリクス領域において、任意の1つのタイル位置に一の種類の基本タイルを配置する工程と、
    a2)前記閾値マトリクスの前記反復適用を考慮しつつ、前記禁止条件に従うとともに既存の前記一の種類の基本タイルから最も離れたタイル位置に前記一の種類の新たな基本タイルを配置する工程と、
    a3)前記a2)工程を所定回数だけ繰り返す工程と、
    を備えることを特徴とする閾値マトリクス生成方法。
  5. 請求項4に記載の閾値マトリクス生成方法であって、
    前記a)工程が、
    a4)前記a3)工程の後、前記複数の基本タイルが配列された前記マトリクス領域において、前記任意の1つのタイル位置とは異なる1つのタイル位置の基本タイルの種類を変更する工程と、
    a5)前記閾値マトリクスの前記反復適用を考慮しつつ、前記禁止条件に従うとともに種類が変更された基本タイルから最も離れたタイル位置の基本タイルの種類を変更する工程と、
    a6)前記a5)工程を所定回数だけ繰り返す工程と、
    さらに備えることを特徴とする閾値マトリクス生成方法。
  6. 請求項4または5に記載の閾値マトリクス生成方法であって、
    前記要素マトリクスにおいて行方向および列方向の少なくとも一方の要素数が、2のべき乗とは異なる値であることを特徴とする閾値マトリクス生成方法。
  7. 請求項1ないし6のいずれかに記載の閾値マトリクス生成方法であって、
    前記マトリクスが一の色成分に対応しており、前記マトリクス領域とは異なる他の色成分のマトリクス領域において、前記a)工程ないし前記f)工程を実行することにより、前記一の色の閾値マトリクスとは異なるサイズの前記他の色成分の閾値マトリクスが生成されることを特徴とする閾値マトリクス生成方法。
  8. 請求項1ないし7のいずれかに記載の閾値マトリクス生成方法であって、
    前記元画像をハーフトーン化したハーフトーン画像を対象物に記録する画像記録装置において、前記マトリクス領域の行方向および列方向にそれぞれ対応する2方向の解像度が異なっており、
    前記c)工程および前記e)工程のそれぞれにおいて、既存のドットから最も離れた要素、または、ドットが不存在の要素から最も離れた要素を特定する際に、前記行方向の距離成分と前記列方向の距離成分との重み付けを前記2方向の解像度に従って相違させることを特徴とする閾値マトリクス生成方法。
  9. 請求項1ないし7のいずれかに記載の閾値マトリクス生成方法であって、
    前記元画像をハーフトーン化したハーフトーン画像を対象物に記録する画像記録装置において、前記対象物上に複数サイズのドットの形成が可能とされ、
    前記閾値マトリクス生成方法が、
    前記マトリクス領域内の前記各要素の閾値からドットのサイズの決定に利用される複数のサブ閾値を生成する工程をさらに備えることを特徴とする閾値マトリクス生成方法。
  10. 請求項1ないし7のいずれかに記載の閾値マトリクス生成方法であって、
    前記元画像をハーフトーン化したハーフトーン画像を対象物に記録する画像記録装置において、所定の配列方向に配列された複数の吐出口からインクの微小液滴を吐出することにより前記対象物上に前記ハーフトーン画像が記録され、
    前記要素マトリクスにおいて行方向および列方向のうち前記配列方向に対応する第1の方向の各位置にて他方の第2の方向に並ぶ要素群に前記ON要素が存在し、
    前記c)工程における前記所定の条件が、前記第1の方向の前記要素マトリクスの要素数をαとして、前記要素マトリクスの各要素群の1つの要素に、前記点灯順序における1ないしαの番号のいずれかを割り当てるものであることを特徴とする閾値マトリクス生成方法。
  11. 多階調の元画像をハーフトーン化する際に前記元画像と比較される閾値マトリクスを生成する閾値マトリクス生成装置であって、
    ドットの存在を示す2つのON要素およびドットの不存在を示す2つのOFF要素から成る2行2列の要素配列である複数種類の基本タイルが準備され、ON要素またはOFF要素のみが2行2列に並ぶことを少なくとも禁止する禁止条件に従いつつ、それぞれが前記複数種類の基本タイルのいずれかである複数の基本タイルを閾値マトリクスが生成されるマトリクス領域内に配列することにより、50%の階調レベルにおけるドットの配置を示す要素マトリクスを取得する要素マトリクス取得部と、
    前記要素マトリクスにおけるON要素の集合であるハイライトドットパターン上において、任意の1つの要素にドットを配置した後、元画像のハーフトーン化時の前記閾値マトリクスの反復適用を考慮しつつ、既存のドットから最も離れた要素に新たなドットを追加する処理を繰り返す、または、所定の条件に従いつつ前記処理を繰り返すことにより、ハイライト側の階調レベルの増加に伴ってドットを追加する要素の順序を示す点灯順序を決定する点灯順序決定部と、
    前記要素マトリクスにおけるOFF要素の集合であるシャドウドットパターン上において、任意の1つの要素を除く全ての要素にドットを配置した後、前記閾値マトリクスの前記反復適用を考慮しつつ、ドットが不存在の要素から最も離れた要素のドットを削除する処理を繰り返すことにより、シャドウ側の階調レベルの減小に伴ってドットを削除する要素の順序を示す消灯順序を決定する消灯順序決定部と、
    前記点灯順序および前記消灯順序に従って、前記マトリクス領域内の各要素の閾値を決定する閾値決定部と、
    を備えることを特徴とする閾値マトリクス生成装置。
  12. 請求項1ないし10のいずれかに記載の閾値マトリクス生成方法にて生成されたことを特徴とする閾値マトリクス。
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