JP5878397B2 - 閾値マトリクス生成装置、画像記録装置および閾値マトリクス生成方法 - Google Patents

閾値マトリクス生成装置、画像記録装置および閾値マトリクス生成方法 Download PDF

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Description

本発明は、画像記録装置において多階調の元画像のハーフトーン化に利用される閾値マトリクスを生成する閾値マトリクス生成装置および閾値マトリクス生成方法、並びに、当該閾値マトリクス生成装置を備える画像記録装置に関する。
従来より、多階調(すなわち、連続階調)の元画像を閾値マトリクスを利用してハーフトーン化し、記録媒体に記録することが行われている。閾値マトリクスの生成方法としては、特許文献1に示されるように、先に点灯する画素からの距離や角度に基づいて各画素の閾値を逐次計算する方法や、特許文献2に示されるように、各濃度レベルにおける網点画像(ドットのON/OFFプロファイル)を仮作成し、所定の関数値を最小にするようなプロファイルを最適化により求める方法が知られている。
また、特許文献3には、閾値マトリクスにブルーノイズ特性やグリーンノイズ特性を持たせる方法や、人間の視覚特性を反映させる方法が開示されている。非特許文献1では、インクジェットプリンタにおけるインクの液滴の着弾時のドット径を考慮した閾値マトリクスが開示されている。これらの閾値マトリクスを利用することにより、記録媒体に記録された画像の粒状性をある程度低減することができる。
特開平7−170400号公報 特開2006−165930号公報 特開2008−6591号公報
ジェ・ホ・リーおよびジャンP.アラバーク(Je-Ho Lee and Jan P. Allebach)、「インクジェットプリンタのモデルベースハーフトーン化(Inkjet Printer Model-Based Halftone)」、(米国)、アイ・トリプル・イー トランザクションズ オンイメージ プロセシング(IEEE TRANSACTIONS ON IMAGE PROCESSING)、Vol. 14、No. 5、2005年5月、p.674−689
ところで、複数のノズルから記録媒体に向けてインクの微小液滴を吐出して画像を記録する画像記録装置では、記録媒体上に着弾した液滴間において張力が働き、後から着弾したインクの液滴が先に着弾した液滴に引き寄せられるという現象が生じる。このため、液滴の着弾位置の近傍に既に着弾している液滴が存在するか否かによって、液滴の着弾による着色領域(以下、単に「着弾位置」という。)が異なってしまうおそれがある。換言すれば、記録媒体上のドット密度が高いシャドウ領域と、ドット密度が低いハイライト領域とで、液滴の着弾位置が異なってしまうおそれがある。非特許文献1では、このような液滴の着弾位置のずれまでは考慮されていないため、ハイライトからシャドウまでの広い階調範囲において粒状性を低減することが可能な閾値マトリクスを提供することは困難である。
本発明は、上記課題に鑑みなされたものであり、広い階調範囲において粒状性を低減することが可能な閾値マトリクスを提供することを目的としている。
請求項1に記載の発明は、インクの液滴を記録媒体に吐出することにより画像を前記記録媒体に記録する画像記録装置において多階調の元画像のハーフトーン化に利用される閾値マトリクスを生成する閾値マトリクス生成装置であって、閾値マトリクス、高解像度マトリクスおよび複数のインク点付きマトリクス群を記憶する記憶部と、前記閾値マトリクスに含まれる複数の閾値マトリクス要素の閾値を決定する閾値決定部とを備え、前記高解像度マトリクスが、前記閾値マトリクスに対応する領域を高解像度にて示すマトリクスであり、各インク点付きマトリクス群に含まれる各インク点付きマトリクスが、前記高解像度マトリクスに対応する解像度にて、一の閾値マトリクス要素およびその周囲の閾値マトリクス要素を含む注目要素近傍領域を示すマトリクスであり、前記各インク点付きマトリクス群が、一の注目要素近傍領域に対応する各画素へのインクの吐出のON/OFFを変更した複数の状態における、インク点付きマトリクスの要素の着色/非着色を示し、前記閾値決定部が、前記複数のインク点付きマトリクス群を利用して、前記閾値マトリクスに対応する画像領域におけるON状態の画素の数および配置を変更しつつ、前記高解像度マトリクスにおける要素の着色/非着色の状態を示す複数のインク点付き状態を求め、前記複数のインク点付き状態に基づいて前記複数の閾値マトリクス要素の閾値を決定する。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の閾値マトリクス生成装置であって、前記閾値決定が、a1)前記閾値マトリクスに含まれる一の閾値マトリクス要素に最初の閾値を付与する工程と、a2)前記閾値マトリクスに対応する画像領域において、閾値が付与された閾値マトリクス要素に対応する画素をON状態とした場合の前記高解像度マトリクスにおけるインク点付き状態を前記インク点付きマトリクス群を利用して求める工程と、a3)前記高解像度マトリクスにおける一の非着色の要素を選択する工程と、a4)元画像の網点化時の前記閾値マトリクスの反復適用を考慮しつつ、前記一の非着色の要素と着色済みの各要素との間の距離に基づいて、前記一の非着色の要素を着色した場合の着色領域の偏りを示す評価値を求める工程と、a5)全ての非着色の要素について、前記a3)工程および前記a4)工程を繰り返して前記評価値を求める工程と、a6)前記a5)工程にて求められた評価値を参照して、前記着色領域の前記偏りが最も小さくなる一の非着色の要素を含む閾値マトリクス要素に次の閾値を付与する工程と、a7)前記複数の閾値マトリクス要素の全てに閾値が付与されるまで、前記a2)工程ないし前記a6)工程を繰り返す工程とを実行する。
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の閾値マトリクス生成装置であって、前記a4)工程において、第1方向に関する前記一の非着色の要素と着色済みの前記各要素との間の第1距離と、前記第1方向に垂直な第2方向に関する前記一の非着色の要素と着色済みの前記各要素との間の第2距離とに基づいて評価値要素が求められ、前記評価値要素の算出の際に、前記第1距離または前記第2距離に重み係数が乗算され、求められた評価値要素の合計が前記評価値として求められる。
請求項4に記載の発明は、請求項2に記載の閾値マトリクス生成装置であって、前記a4)工程において、前記評価値が、前記一の非着色の要素から着色済みの前記各要素へと向かう直線と所定の基準線との間の角度にも基づいて求められる。
請求項5に記載の発明は、請求項1に記載の閾値マトリクス生成装置であって、前記閾値決定が、a1)前記閾値マトリクスに含まれる一の閾値マトリクス要素に最初の閾値を付与する工程と、a2)前記閾値マトリクスに対応する画像領域において、閾値が付与された閾値マトリクス要素、および、閾値が付与されていない一の閾値マトリクス要素に対応する画素をON状態とした場合の前記高解像度マトリクスにおけるインク点付き状態を前記インク点付きマトリクス群を利用して求める工程と、a3)閾値が付与されていない前記一の閾値マトリクス要素を、閾値が付与されていない他の閾値マトリクス要素に変更しつつ前記a2)工程を繰り返す工程と、a4)前記a3)工程にて求められた複数のインク点付き状態における着色領域の偏りを示す評価値を求める工程と、a5)前記a4)工程にて求められた評価値を参照して、前記着色領域の前記偏りが最も小さいことを示すインク点付き状態に係る一の閾値マトリクス要素に次の閾値を付与する工程と、a6)前記複数の閾値マトリクス要素の全てに閾値が付与されるまで、前記a2)工程ないし前記a5)工程を繰り返す工程とを実行する。
請求項6に記載の発明は、請求項5に記載の閾値マトリクス生成装置であって、前記a4)工程において、前記複数のインク点付き状態について、各インク点付き状態を上下左右に繰り返したチント画像におけるムラの程度を、各インク点付き状態における前記評価値として求める。
請求項7に記載の発明は、請求項1に記載の閾値マトリクス生成装置であって、前記閾値決定が、a1)前記閾値マトリクスにおいて閾値が付与されていない一の閾値マトリクス要素群に閾値を仮付与する工程と、a2)前記閾値マトリクスに対応する画像領域において、閾値が付与された閾値マトリクス要素および前記一の閾値マトリクス要素群に対応する画素をON状態とした場合のインク点付き状態を求める工程と、a3)前記a2)工程にて求められたインク点付き状態における着色領域の偏りを示す第1評価値を求める工程と、a4)前記一の閾値マトリクス要素群から一の閾値マトリクス要素を外し、閾値が付与および仮付与されていない他の一の閾値マトリクス要素を前記一の閾値マトリクス要素群に含めて、前記a1)工程および前記a2)工程を実行することにより、インク点付き状態を求める工程と、a5)前記a4)工程にて求められたインク点付き状態における着色領域の偏りを示す第2評価値を求める工程と、a6)前記第1評価値が前記第2評価値よりも着色領域の小さい偏りを示す場合に、前記一の閾値マトリクス要素群を前記a1)工程の状態に戻し、前記第1評価値が前記第2評価値よりも着色領域の大きい偏りを示す場合に、前記第1評価値を前記第2評価値に等しい値に変更する工程と、a7)前記a4)工程において前記一の閾値マトリクス要素群に含められる閾値マトリクス要素を変更しつつ、前記a4)工程ないし前記a6)工程を、所定の終了条件が満たされるまで繰り返す工程と、a8)前記a7)工程の後における前記一の閾値マトリクス要素群に閾値を付与する工程と、a9)前記閾値マトリクスに含まれる全閾値マトリクス要素に閾値が付与されるまで、前記一の閾値マトリクス要素群を次の一の閾値マトリクス要素群に変更して、前記a1)工程ないし前記a8)工程を繰り返す工程とを実行する。
請求項8に記載の発明は、請求項7に記載の閾値マトリクス生成装置であって、前記a3)工程において、前記a2)工程にて求められたインク点付き状態を上下左右に繰り返したチント画像におけるムラの程度を前記第1評価値として求め、前記a5)工程において、前記a4)工程にて求められたインク点付き状態を上下左右に繰り返したチント画像におけるムラの程度を前記第2評価値として求める。
請求項9に記載の発明は、画像記録装置であって、記録媒体に向けてインクの微小液滴を吐出する吐出部と、前記記録媒体を前記吐出部に対して移動方向へと相対的に移動する移動機構と、請求項1ないし8のいずれかに記載の閾値マトリクス生成装置と、前記閾値マトリクス生成装置により生成された閾値マトリクスを利用し、多階調の元画像をハーフトーン化してハーフトーン画像を生成し、前記ハーフトーン画像に基づいて前記吐出部からのインクの吐出を制御する制御部とを備える。
請求項10に記載の発明は、請求項9に記載の画像記録装置であって、前記吐出部が、前記移動方向に配列された複数の吐出口列を備え、前記複数の吐出口列のそれぞれが、前記移動方向に対して交差する方向に配列される複数の吐出口を有し、前記複数の吐出口列のそれぞれにおいて、各吐出口に対応する閾値マトリクス要素を中心とする注目要素近傍領域のインク点付きマトリクス群が、同じマトリクス群である。
請求項11に記載の発明は、インクの液滴を記録媒体に吐出することにより画像を前記記録媒体に記録する画像記録装置において多階調の元画像のハーフトーン化に利用される閾値マトリクスを生成する閾値マトリクス生成方法であって、閾値マトリクス、高解像度マトリクスおよび複数のインク点付きマトリクス群を準備する工程と、前記閾値マトリクスに含まれる複数の閾値マトリクス要素の閾値を決定する工程とを備え、前記高解像度マトリクスが、前記閾値マトリクスに対応する領域を高解像度にて示すマトリクスであり、各インク点付きマトリクス群に含まれる各インク点付きマトリクスが、前記高解像度マトリクスに対応する解像度にて、一の閾値マトリクス要素およびその周囲の閾値マトリクス要素を含む注目要素近傍領域を示すマトリクスであり、前記各インク点付きマトリクス群が、一の注目要素近傍領域に対応する各画素へのインクの吐出のON/OFFを変更した複数の状態における、インク点付きマトリクスの要素の着色/非着色を示し、前記閾値を決定する前記工程において、前記複数のインク点付きマトリクス群を利用して、前記閾値マトリクスに対応する画像領域におけるON状態の画素の数および配置を変更しつつ、前記高解像度マトリクスにおける要素の着色/非着色の状態を示す複数のインク点付き状態を求め、前記複数のインク点付き状態に基づいて前記複数の閾値マトリクス要素の閾値を決定する。
請求項12に記載の発明は、請求項11に記載の閾値マトリクス生成方法であって、前記閾値を決定する前記工程が、a1)前記閾値マトリクスに含まれる一の閾値マトリクス要素に最初の閾値を付与する工程と、a2)前記閾値マトリクスに対応する画像領域において、閾値が付与された閾値マトリクス要素に対応する画素をON状態とした場合の前記高解像度マトリクスにおけるインク点付き状態を前記インク点付きマトリクス群を利用して求める工程と、a3)前記高解像度マトリクスにおける一の非着色の要素を選択する工程と、a4)元画像の網点化時の前記閾値マトリクスの反復適用を考慮しつつ、前記一の非着色の要素と着色済みの各要素との間の距離に基づいて、前記一の非着色の要素を着色した場合の着色領域の偏りを示す評価値を求める工程と、a5)全ての非着色の要素について、前記a3)工程および前記a4)工程を繰り返して前記評価値を求める工程と、a6)前記a5)工程にて求められた評価値を参照して、前記着色領域の前記偏りが最も小さくなる一の非着色の要素を含む閾値マトリクス要素に次の閾値を付与する工程と、a7)前記複数の閾値マトリクス要素の全てに閾値が付与されるまで、前記a2)工程ないし前記a6)工程を繰り返す工程とを備える。
請求項13に記載の発明は、請求項11に記載の閾値マトリクス生成方法であって、前記閾値を決定する前記工程が、a1)前記閾値マトリクスに含まれる一の閾値マトリクス要素に最初の閾値を付与する工程と、a2)前記閾値マトリクスに対応する画像領域において、閾値が付与された閾値マトリクス要素、および、閾値が付与されていない一の閾値マトリクス要素に対応する画素をON状態とした場合の前記高解像度マトリクスにおけるインク点付き状態を前記インク点付きマトリクス群を利用して求める工程と、a3)閾値が付与されていない前記一の閾値マトリクス要素を、閾値が付与されていない他の閾値マトリクス要素に変更しつつ前記a2)工程を繰り返す工程と、a4)前記a3)工程にて求められた複数のインク点付き状態における着色領域の偏りを示す評価値を求める工程と、a5)前記a4)工程にて求められた評価値を参照して、前記着色領域の前記偏りが最も小さいことを示すインク点付き状態に係る一の閾値マトリクス要素に次の閾値を付与する工程と、a6)前記複数の閾値マトリクス要素の全てに閾値が付与されるまで、前記a2)工程ないし前記a5)工程を繰り返す工程とを備える。
請求項14に記載の発明は、請求項11に記載の閾値マトリクス生成方法であって、前記閾値を決定する前記工程が、a1)前記閾値マトリクスにおいて閾値が付与されていない一の閾値マトリクス要素群に閾値を仮付与する工程と、a2)前記閾値マトリクスに対応する画像領域において、閾値が付与された閾値マトリクス要素および前記一の閾値マトリクス要素群に対応する画素をON状態とした場合のインク点付き状態を求める工程と、a3)前記a2)工程にて求められたインク点付き状態における着色領域の偏りを示す第1評価値を求める工程と、a4)前記一の閾値マトリクス要素群から一の閾値マトリクス要素を外し、閾値が付与および仮付与されていない他の一の閾値マトリクス要素を前記一の閾値マトリクス要素群に含めて、前記a1)工程および前記a2)工程を実行することにより、インク点付き状態を求める工程と、a5)前記a4)工程にて求められたインク点付き状態における着色領域の偏りを示す第2評価値を求める工程と、a6)前記第1評価値が前記第2評価値よりも着色領域の小さい偏りを示す場合に、前記一の閾値マトリクス要素群を前記a1)工程の状態に戻し、前記第1評価値が前記第2評価値よりも着色領域の大きい偏りを示す場合に、前記第1評価値を前記第2評価値に等しい値に変更する工程と、a7)前記a4)工程において前記一の閾値マトリクス要素群に含められる閾値マトリクス要素を変更しつつ、前記a4)工程ないし前記a6)工程を、所定の終了条件が満たされるまで繰り返す工程と、a8)前記a7)工程の後における前記一の閾値マトリクス要素群に閾値を付与する工程と、a9)前記閾値マトリクスに含まれる全閾値マトリクス要素に閾値が付与されるまで、前記一の閾値マトリクス要素群を次の一の閾値マトリクス要素群に変更して、前記a1)工程ないし前記a8)工程を繰り返す工程とを備える。
本発明では、広い階調範囲において粒状性を低減することが可能な閾値マトリクスを提供することができる。
第1の実施の形態に係る画像記録装置の構成を示す図である。 吐出ユニットを示す底面図である。 インクジェットヘッドを示す底面図である。 制御ユニットの機能を示すブロック図である。 元画像および閾値マトリクスを示す図である。 閾値マトリクスを示す図である。 高解像度マトリクスを示す図である。 インク点付きマトリクスを示す図である。 インク点付きマトリクスを示す図である。 インク点付きマトリクスを示す図である。 インク点付きマトリクスを示す図である。 インク点付きマトリクスを示す図である。 ドットの配置を示す図である。 ドットの配置を示す図である。 ドットの配置を示す図である。 閾値マトリクスの生成の流れを示す図である。 閾値マトリクスの生成の流れを示す図である。 閾値マトリクスを示す図である。 高解像度マトリクスを示す図である。 高解像度マトリクスを示す図である。 第2の実施の形態に係る画像記録装置における閾値マトリクスの生成の流れを示す図である。 高解像度マトリクスを示す図である。 第3の実施の形態に係る画像記録装置における閾値マトリクスの生成の流れを示す図である。 第3の実施の形態に係る画像記録装置における閾値マトリクスの生成の流れを示す図である。 閾値マトリクスを示す図である。 高解像度マトリクスを示す図である。
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る画像記録装置1の構成を示す図である。画像記録装置1は、印刷用紙である記録媒体9上にインクの微小液滴を吐出することにより、複数の記録媒体9上にカラー画像を順次記録する枚様式の印刷装置(いわゆる、インクジェットプリンタ)である。
図1に示すように、画像記録装置1は、複数の記録媒体9を図1中の(+Y)方向である移動方向に移動する移動機構2、移動機構2による搬送途上の記録媒体9に向けてインクの微小液滴を吐出する吐出ユニット3、移動機構2に記録媒体9を供給する供給部51、印刷終了後の記録媒体9を移動機構2から受け取る排出部52、並びに、これらの機構を制御する制御ユニット4を備える。吐出ユニット3は、移動機構2の上方((+Z)側)に配置され、図示省略のフレームに固定される。
移動機構2は、複数のステージ21と、環状のガイド22と、ベルト駆動機構23とを備える。複数のステージ21は、それぞれが1枚のシート状の記録媒体9を吸着保持する。ガイド22は、複数のステージ21が接続されたベルトを内部に備え、複数のステージ21を案内する。ベルト駆動機構23は、ガイド22内のベルトを図1中における反時計回りに移動させることにより、記録媒体9を保持するステージ21を吐出ユニット3の下方(すなわち、(−Z)側)において(+Y)方向に移動する。
図2は吐出ユニット3を示す底面図である。吐出ユニット3はそれぞれが互いに異なる色のインクを吐出する複数(本実施の形態では、4個)の吐出部であるインクジェットヘッド31を備え、これらのインクジェットヘッド31は同様の構造を有する。複数のインクジェットヘッド31はY方向(すなわち、移動方向)に配列されて吐出ユニット3の取付部30に取り付けられる。
図2中の最も(−Y)側のインクジェットヘッド31はK(ブラック)の色のインクを吐出し、Kのインクジェットヘッド31の(+Y)側のインクジェットヘッド31はC(シアン)の色のインクを吐出し、Cのインクジェットヘッド31の(+Y)側のインクジェットヘッド31はM(マゼンタ)の色のインクを吐出し、最も(+Y)側のインクジェットヘッド31はY(イエロー)の色のインクを吐出する。なお、吐出ユニット3では、ライトシアン、ライトマゼンタ、ホワイト等の他の色用のインクジェットヘッド等も設けられてよい。
図3は、一のインクジェットヘッド31を示す底面図である。他のインクジェットヘッド31も、図3と同様の構造を有する。図3に示すように、インクジェットヘッド31は、Y方向に配列された複数(本実施の形態では、3つ)の吐出口列32を備える。複数の吐出口列32のそれぞれは、記録媒体9の移動方向であるY方向に垂直なX方向に配列される複数の吐出口33を有する。なお、複数の吐出口33は、必ずしもX方向に配列される必要はなく、Y方向に対して交差する方向に配列されていればよい。
画像記録装置1では、X方向に関し、各インクジェットヘッド31が記録媒体9上の記録領域の全体に亘って(本実施の形態では、記録媒体9のX方向の全体に亘って)設けられる。そして、制御ユニット4の本体制御部41(図4参照)により吐出ユニット3と移動機構2とが制御され、記録媒体9が、吐出ユニット3の複数のインクジェットヘッド31に対向する位置を1回だけ通過することにより(すなわち、記録媒体9が、吐出ユニット3に対して移動方向に1回だけ相対移動することにより)、記録媒体9への画像の記録が完了する。換言すれば、画像記録装置1では、記録媒体9に対するシングルパス印刷が行われる。
制御ユニット4は、各種演算処理を行うCPU、基本プログラムを記憶するROM、および、各種情報を記憶するRAMをバスラインに接続した一般的なコンピュータシステムの構成となっている。図4は、制御ユニット4の機能を示すブロック図である。図4では、制御ユニット4に接続される画像記録装置1の構成の一部を併せて示す。制御ユニット4は、制御部40と、閾値マトリクスを生成する閾値マトリクス生成部43とを備える。制御部40は、上述の本体制御部41と、各種演算を行う演算部42とを備える。
閾値マトリクス生成部43は、閾値マトリクス等を記憶する記憶部431と、閾値マトリクスに含まれる複数の閾値マトリクス要素の閾値を決定する閾値決定部432とを備える。閾値マトリクス生成部43は、多階調の元画像のハーフトーン化に利用される閾値マトリクスを生成する。閾値マトリクスの生成方法については後述する。
演算部42は、画像メモリ421と、複数のマトリクス記憶部422(SPM(Screen Pattern Memory)とも呼ばれる。)と、比較部である比較器423(ハーフトーン化回路)とを備える。画像メモリ421は、外部から入力されるカラーの元画像のデータ(以下、「元画像データ」という。)を記憶する。複数のマトリクス記憶部422は、複数の色成分について閾値マトリクス生成部43により生成された閾値マトリクスがそれぞれ格納されるモリである。比較器423は、元画像データと閾値マトリクスとを色成分毎に比較する比較部である。なお、当該比較部はソフトウェアにて実現されてもよい。
本体制御部41は、吐出制御部411と、移動制御部412とを備える。移動制御部412は、演算部42からの出力に基づいて、移動機構2による記録媒体9の吐出ユニット3に対する相対移動を制御する。吐出制御部411は、演算部42からの出力に基づいて、記録媒体9の相対移動に同期して吐出ユニット3の複数の吐出口33からのインクの吐出を制御する。
次に、画像記録装置1が画像を記録する動作の詳細について説明する。画像記録装置1では、外部のコンピュータから演算部42の画像メモリ421にカラーの元画像データが入力されて記憶される。
図5は、元画像70および閾値マトリクス81を抽象的に示す図である。元画像70および閾値マトリクス81のそれぞれでは、走査方向に対応する行方向(図5中にてy方向として示す。)、および、行方向に垂直な列方向(図5中にてx方向として示す。)に複数の画素または複数の要素が配列されている。以下の説明では、元画像70は0〜255までの階調範囲にて表現されるものとする。
元画像70を示す元画像データが画像メモリ421(図4参照)に記憶されると、元画像データを色成分毎に閾値マトリクス81と比較することにより、元画像データが示す多階調の画像を表現するためのカラーのハーフトーン画像データ(実際には、記録媒体9上に記録された場合にFMスクリーンにより表現される画像)が生成される。以下の説明では、元画像に基づいて当該元画像を表現するハーフトーン画像を記録媒体9上に記録する処理のみならず、元画像データからハーフトーン画像データを生成する処理もハーフトーン化と呼ぶ。
元画像のハーフトーン化の際には、図5に示すように元画像70が示す全体の領域を同一の大きさの多数の領域に分割してハーフトーン化の単位となる繰り返し領域71が設定される。各マトリクス記憶部422は1つの繰り返し領域71に相当する記憶領域を有し、この記憶領域の各アドレス(座標)に閾値が設定されることにより閾値マトリクス81を記憶している。そして、概念的には元画像70の各繰り返し領域71と各色成分の閾値マトリクス81とを重ね合わせ、繰り返し領域71の各画素の当該色成分の階調値(画素値)と閾値マトリクス81の対応する閾値とが比較されることにより、記録媒体9上のその画素の位置に記録(当該色のドットの形成)を行うか否かが決定される。
実際には、図4の比較器423が有するアドレス発生器からのアドレス信号に基づいて画像メモリ421から元画像データの1つの画素の階調値が色成分毎に読み出される。一方、アドレス発生器では元画像70中の当該画素に相当する繰り返し領域71中の位置を示すアドレス信号も生成され、各色成分の閾値マトリクス81における1つの閾値が特定されてマトリクス記憶部422から読み出される。そして、画像メモリ421からの階調値とマトリクス記憶部422からの閾値とが比較器423にて色成分毎に比較されることにより、各色成分の2値の出力画像データにおけるその画素の位置(アドレス)の階調値が決定される。したがって、一の色成分に着目した場合に、図5に示す多階調の元画像70において、階調値が閾値マトリクス81の対応する閾値よりも大きい位置には、例えば、階調値「1」が付与され(すなわち、ドットが置かれ)、残りの画素には階調値「0」が付与され(すなわち、ドットは置かれず)、2値の出力画像データが当該色成分のハーフトーン画像データとして生成される。
以上のように、図4に示す制御部40の演算部42は、入力された元画像データが有する複数の階調値と、閾値マトリクス81が有する複数の閾値とを、比較器423により互いに対応する画素位置(閾値マトリクス81では要素位置)において比較することにより、元画像データをハーフトーン化してハーフトーン画像データを生成する。換言すれば、演算部42は、閾値マトリクス生成部43により生成された閾値マトリクスを利用し、元画像をハーフトーン化してハーフトーン画像を生成するハーフトーン画像生成装置である。
図1の画像記録装置1では、本体制御部41の吐出制御部411により、ハーフトーン画像データに基づいて、吐出ユニット3の各インクジェットヘッド31からのインクの吐出が制御される。また、本体制御部41では、移動制御部412により、移動機構2による記録媒体9の移動速度や移動量等も制御される。
画像記録装置1では、元画像70において最初に記録される部分(例えば、最も(−y)側の複数の繰り返し領域71)のハーフトーン画像データ(の部分)が各色に対して生成されると、移動制御部412が移動機構2を駆動することにより記録媒体9の移動が開始される。そして、上記ハーフトーン化処理(ハーフトーン画像データの生成処理)と並行して、記録媒体9の吐出ユニット3に対する走査方向への相対移動に同期して各インクジェットヘッド31における複数の吐出口33からのインクの吐出が吐出制御部411により制御される。
ここで、ハーフトーン画像データは記録媒体9上に画像を記録するためのデータであるため、ハーフトーン画像データの複数の画素は記録媒体9上に配列して設定されていると捉えることができ、吐出制御部411では、ドット形成部である吐出ユニット3の記録媒体9に対する相対移動に同期して、各吐出口33の記録媒体9上の吐出位置(すなわち、ドットの形成位置)に対応するハーフトーン画像データの階調値が「1」である場合には当該吐出位置にドットが形成され、ハーフトーン画像データの階調値が「0」である場合には当該吐出位置にはドットは形成されない。
このようにして、ブラック、シアン、マゼンタ、イエローのそれぞれに関して、複数の吐出口33にそれぞれ対応する記録媒体9上の複数の吐出位置を記録媒体9に対して相対的に移動しつつ、複数の吐出位置における元画像70の階調値と、元画像をハーフトーン化するための閾値マトリクス81の対応する閾値との比較結果であるハーフトーン画像データに基づいて、各インクジェットヘッド31の複数の吐出口33からのインクの吐出が制御される(すなわち、各吐出口33からのインクの吐出量が決定される)。
画像記録装置1では、ブラック、シアン、マゼンタ、イエローに関して、ハーフトーン画像データを生成しつつ当該ハーフトーン画像データに従って画像を記録する動作が並行して行われ、記録媒体9上にカラーの元画像を表現するカラーのハーフトーン画像が記録される。
図4に示す閾値マトリクス生成部43の記憶部431には、閾値マトリクス、高解像度マトリクス、および、複数のインク点付きマトリクス群が記憶されている。各インク点付きマトリクス群は、複数のインク点付きマトリクスを含む。
図6は閾値マトリクス81を示す図である。閾値マトリクス81は、行方向および列方向に配列される複数の閾値マトリクス要素811を備える。閾値マトリクス81および各閾値マトリクス要素811は正方形である。図6では、閾値マトリクス81の角部近傍の閾値マトリクス要素811のみを描いている(図11および図17においても同様)。
図7は、高解像度マトリクス82を示す図である。高解像度マトリクス82は、閾値マトリクス81に対応する領域を高解像度にて示すマトリクスである。本実施の形態では、高解像度マトリクス82の行方向および列方向の解像度は、閾値マトリクス81の解像度の8倍である。高解像度マトリクス82は、行方向および列方向に配列される複数の高解像度マトリクス要素821を備える。高解像度マトリクス82および各高解像度マトリクス要素821は正方形である。図7では、高解像度マトリクス82の角部近傍の高解像度マトリクス要素821のみを描いており、また、各高解像度マトリクス要素821は細実線で示し、閾値マトリクス81の各閾値マトリクス要素811に対応する領域を実線で囲む(図12、図13、図15および図17においても同様)。
図8.Aないし図8.Eはそれぞれ、インク点付きマトリクス83を示す図である。各インク点付きマトリクス83は、注目要素である一の閾値マトリクス要素811、および、その周囲の複数の閾値マトリクス要素811を含む注目要素近傍領域に対応する領域(以下、「対応領域」という。)のインク点付き状態を示す。図8.Aないし図8.Eでは、閾値マトリクス要素811に対応する要素対応領域811aを太線にて囲んで示す。各要素対応領域811aは、記録媒体9上の対応領域の各画素に対応する。インク点付き状態とは、記録媒体9上の対応領域において、対応領域に含まれる画素にインクが付与された場合のインクの付着状態である。
各インク点付きマトリクス83の解像度は、図7に示す高解像度マトリクス82に対応する解像度である。本実施の形態では、インク点付きマトリクス83は、1辺が5個の要素対応領域811aにより構成される正方形であり、25個の要素対応領域811aを含む。また、各インク点付きマトリクス83の行方向および列方向の解像度は、閾値マトリクス81の解像度の8倍である。記録媒体9上の対応領域の各画素には、インクが付与される場合と付与されない場合とがあるため、各インク点付きマトリクス群には、2の25乗個のインク点付きマトリクス83が含まれる。
図9.Aないし図9.Cはそれぞれ、記録媒体9上の上記対応領域91におけるドット92の配置を示す図であり、図8.Aないし図8.Cに示すインク点付きマトリクス83に対応する。各ドット92の直径は、対応領域91の各画素911の幅よりも大きい。
図9.Aでは、左から3列目の中央のドット92(すなわち、注目要素である閾値マトリクス要素811に対応する画素上のドット)が最初に着弾し、次に左から1列目のドット92が着弾し、最後に左から2列目のドット92が着弾した場合のドット配置を示す。以下の説明では、「左からn列目」を単に「n列目」という。記録媒体9上に着弾したインクの液滴は、既に着弾している液滴が近くに存在すると、当該液滴に引き寄せられる。一方、液滴が他の液滴に引き寄せられるのは液滴間の張力によるため、着弾してからある程度時間が経過した(すなわち、ある程度乾燥した)液滴の近傍に新たな液滴が着弾しても、新たな液滴は引き寄せられない。このため、図9.Aでは、最後に着弾した2列目のドット92が直前に着弾した1列目のドットに引き寄せられる。
したがって、図8.Aのインク点付きマトリクス83では、3つのドット92に対応するインク点付きマトリクス83の複数の要素831(以下、「点付きマトリクス要素831」という。)が着色されるとともに、2列目のドット92と3列目のドット92との間の領域に対応する複数の点付きマトリクス要素831は非着色となっている。図8.Aでは、着色される点付きマトリクス要素831を塗りつぶして示す(図8.Bおよび図8.Cにおいても同様。)。
図9.Bでは、2列目のドット92、3列目のドット92、1列目のドット92の順で着弾した場合のドット配置を示す。図9.Bでは、3列目のドット92が2列目のドット92に引き寄せられる。一方、1列目のドット92は2列目のドット92に引き寄せられない。図9.Cでは、1列目のドット92、2列目のドット92、3列目のドット92の順で着弾した場合のドット配置を示す。図9.Cでは、2列目のドット92が1列目のドット92に引き寄せられ、3列目のドット92が2列目のドット92に引き寄せられる。
図8.Bおよび図8.Cは、図9.Bおよび図9.Cに示すように、対応領域91に3つのドット92が着弾した状態のインク点付きマトリクス83を示す。図8.Dおよび図8.Eはそれぞれ、図8.Aないし図8.Cとは異なるドット配置のインク点付きマトリクス83の例である。上述のように、インク点付きマトリクス群には、2の25乗個のインク点付きマトリクス83が含まれており、インク点付きマトリクス群は、注目要素近傍領域に対応する対応領域91の各画素へのインクの吐出のON/OFFを変更した複数の状態における、インク点付きマトリクス83の点付きマトリクス要素831の着色/非着色を示す。
画像記録装置1では、図3に示すインクジェットヘッド31において、(−Y)側の吐出口列32に含まれる複数の吐出口33から記録媒体9に向けてインクが吐出され、次に、中央の吐出口列32に含まれる複数の吐出口33からインクが吐出され、その後、(+Y)側の吐出口列32に含まれる複数の吐出口33からインクが吐出される。したがって、注目要素となる閾値マトリクス要素811が、どの吐出口列32の吐出口33に対応するかによって、注目要素近傍領域におけるインク点付き状態が異なる。このため、閾値マトリクス生成部43の記憶部431(図4参照)では、複数の吐出口列32にそれぞれ異なるインク点付きマトリクス群が対応付けられて記憶される。また、複数の吐出口列32のそれぞれにおいては、各吐出口33に対応する閾値マトリクス要素811を中心とする注目要素近傍領域のインク点付きマトリクス群が、同じインク点付きマトリクス群とされる。なお、着弾後の液滴の張力による移動は、必ずしも上述の図9.Aないし図9.Cに示したものには限定されず、実際には、周囲の液滴の直径や乾燥の程度等により様々な態様を示す。
次に、図10.Aおよび図10.Bを参照しつつ、閾値マトリクス生成部43による閾値マトリクスの生成、すなわち、閾値マトリクスにおける複数の閾値マトリクス要素の閾値の決定について説明する。画像記録装置1では、閾値決定部432が、複数のインク点付きマトリクス群を利用して、閾値マトリクス81に対応する画像領域におけるON状態の画素の数および配置を変更しつつ、高解像度マトリクス82における高解像度マトリクス要素821の着色/非着色の状態を示す複数のインク点付き状態を求め、当該複数のインク点付き状態に基づいて複数の閾値マトリクス要素811の閾値を決定する。
具体的には、まず、図11に示すように、閾値マトリクス81に含まれる複数の閾値マトリクス要素811のうち一の閾値マトリクス要素811に最初の閾値が付与される(ステップS11)。図11では、閾値が付与された閾値マトリクス要素811に平行斜線を付す。本実施の形態では、閾値マトリクス81の左上の角部の閾値マトリクス要素811に閾値が付与される。
続いて、閾値マトリクス81に対応する画像領域において、閾値が付与された閾値マトリクス要素811に対応する画素をON状態とした場合の高解像度マトリクス82のインク点付き状態を、図4に示す記憶部431に記憶されているインク点付きマトリクス群を利用して求める(ステップS12)。図12は、高解像度マトリクス82のインク点付き状態を示す図であり、着色済みの高解像度マトリクス要素821を塗りつぶして示す。
次に、図12の高解像度マトリクス82において非着色の高解像度マトリクス要素821が存在することが確認され(ステップS13)、高解像度マトリクス82から一の非着色の高解像度マトリクス要素821を選択する(ステップS14)。そして、選択された高解像度マトリクス要素821と着色済みの各高解像度マトリクス要素821との間の距離に基づいて、着色済みの各高解像度マトリクス要素821に係る評価値要素が求められる(ステップS15)。本実施の形態では、評価値要素は、非着色の高解像度マトリクス要素821と着色済みの高解像度マトリクス要素821との間の距離が大きくなるほど小さくなる。
実際には、元画像70において繰り返し領域71が上下左右に繰り返されることから、評価値要素の算出に際しては、元画像70の網点化時の閾値マトリクス81の反復適用を考慮し、9つの閾値マトリクス81を正方形状に並べた上で、中央の閾値マトリクス81の上記非着色の高解像度マトリクス要素821と、9つの閾値マトリクス81のそれぞれにおいて同位置に位置する9つの着色済みの高解像度マトリクス要素821との間のそれぞれの距離に基づいて評価値要素が求められる。具体的には、評価値要素は、非着色の高解像度マトリクス要素821と着色済みの高解像度マトリクス要素821との間の列方向の距離をdxiとし、行方向の距離をdyiとして、数1にて求められる。添え字のiは0〜8の整数であり、上述の9つの閾値マトリクス81を示す。
Figure 0005878397
全ての着色済みの高解像度マトリクス要素821に係る評価値要素が求められると、これらの評価値要素が合計されることにより、ステップS14において選択された一の非着色の高解像度マトリクス要素821に係る評価値が求められる(ステップS16)。評価値は、選択された非着色の高解像度マトリクス要素821が着色されたと仮定した場合の着色領域の分布の偏りを示す。
評価値が求められていない非着色の高解像度マトリクス要素821が存在する場合は(ステップS17)、ステップS14に戻り、一の非着色の高解像度マトリクス要素821の選択、着色済みの各高解像度マトリクス要素821に係る評価値要素の算出、および、評価値要素の合計である評価値の算出(ステップS14〜S16)が行われる。画像記録装置1では、全ての非着色の高解像度マトリクス要素821について、ステップS14〜S16が繰り返されて評価値が求められる(ステップS17)。
続いて、全ての非着色の高解像度マトリクス要素821について求められた評価値を参照して、評価値が最も小さい一の非着色の高解像度マトリクス要素821が、図13に丸印で囲んで示すように特定される。換言すれば、全ての非着色の高解像度マトリクス要素821のうち、着色されたと仮定した場合の着色領域の分布の偏りが最も小さくなる一の非着色の高解像度マトリクス要素821が特定される。そして、特定された高解像度マトリクス要素821を含む閾値マトリクス要素811に次の閾値が付与される(ステップS18)。図13では、閾値が付与された閾値マトリクス要素811に平行斜線を付す。
閾値が付与されていない閾値マトリクス要素811が存在する場合は(ステップS19)、ステップS12に戻り、閾値マトリクス81に対応する画像領域において、閾値が付与された閾値マトリクス要素811に対応する画素をON状態とした場合の高解像度マトリクス82のインク点付き状態をインク点付きマトリクス群を利用して求める(ステップS12)。次に、高解像度マトリクス82に非着色の高解像度マトリクス要素821が存在することが確認される(ステップS13)。非着色の高解像度マトリクス要素821が存在する場合、全ての非着色の高解像度マトリクス要素821について評価値が求められ(ステップS14〜S17)、評価値が最も小さい一の非着色の高解像度マトリクス要素821を含む閾値マトリクス要素811に次の閾値が付与される(ステップS18)。画像記録装置1では、閾値マトリクス81の複数の閾値マトリクス要素811の全てに閾値が付与されるまで、ステップS12〜S19が繰り返される。
一方、ステップS12にてインク点付き状態が求められた高解像度マトリクス82において、非着色の高解像度マトリクス要素821が存在しない場合(ステップS13)、閾値が付与されていない全ての閾値マトリクス要素811に最大閾値が付与されて、閾値マトリクス要素811に対する閾値の付与が終了する(ステップS20)。最大閾値とは、元画像70の画素の階調値の最大値に対応する閾値であり、最大閾値を付与された閾値マトリクス要素811に対応する画素は、元画像70の階調値に関わらずON状態とはされない。換言すれば、最大閾値を付与された閾値マトリクス要素811に対応する画素には、元画像70の階調値に関わらずインクの吐出は行われない。
実際には、ステップS11〜S20にて各閾値マトリクス要素811に付与された閾値は、正規化前の仮閾値であり、これらの仮閾値を記録媒体9に記録される画像の階調数に基づいて正規化することにより最終的な閾値が取得され、当該閾値が各閾値マトリクス要素811に付与される。
以上に説明したように、画像記録装置1では、複数のインク点付きマトリクス群がそれぞれ、注目要素近傍領域に対応する各画素へのインクの吐出のON/OFFを変更した複数の状態における、インク点付きマトリクス83の点付きマトリクス要素831の着色/非着色を示す。そして、閾値決定部432により、複数のインク点付きマトリクス群を利用して、閾値マトリクス81に対応する画像領域におけるON状態の画素の数および配置を変更しつつ、高解像度マトリクス82における高解像度マトリクス要素821の着色/非着色の状態を示す複数のインク点付き状態が求められ、当該複数のインク点付き状態に基づいて複数の閾値マトリクス要素811の閾値が決定される。
これにより、記録媒体9上に着弾したインクの液滴が、既に着弾している液滴に引き寄せられて着弾位置がずれることを考慮しつつ、元画像の階調値の増大に従って閾値マトリクス81に対応する画像領域において画素をON状態にする順番、すなわち、インクの吐出する順序を決定することができる。その結果、記録媒体9上のドット密度にかかわらず、インクの液滴が引き寄せあって大きな塊になってしまうことを抑制することができる。すなわち、画像記録装置1では、広い階調範囲において画像の粒状性を低減することが可能な閾値マトリクスを提供することができる。
また、画像記録装置1では、上述のように、閾値決定部432による閾値決定において、閾値が付与された閾値マトリクス要素811に対応する画素をON状態とした場合の高解像度マトリクス82におけるインク点付き状態が、インク点付きマトリクス群を利用して求められる。続いて、上記インク点付き状態において、各高解像度マトリクス要素821が着色されたと仮定した場合の着色領域の分布の偏りを示す評価値が求められ、着色領域の分布の偏りが最も小さくなる高解像度マトリクス要素821を含む閾値マトリクス要素811に次の閾値が付与される。そして、当該工程を繰り返すことにより、全ての閾値マトリクス要素811に閾値が順次付与される。これにより、広い階調範囲において、着色領域の分布の偏りを抑制して画像の粒状性を低減することが可能な閾値マトリクスを容易に提供することができる。
上述のステップS15では、行方向に関する一の非着色の高解像度マトリクス要素821と着色済みの各高解像度マトリクス要素821との間の距離(以下、「第1距離」という。)と、列方向に関する一の非着色の高解像度マトリクス要素821と着色済みの各高解像度マトリクス要素821との間の距離(以下、「第2距離」という。)とに基づいて評価値要素が求められる。画像記録装置1では、当該評価値要素の算出の際に、第1距離または第2距離に重み係数が乗算されてもよい。
例えば、画像記録装置1により記録媒体9に記録される画像の走査方向の解像度Ryが、走査方向に垂直な幅方向の解像度Rxよりも低い場合、評価値要素は、上述の数1に代えて数2のように求められてもよい。
Figure 0005878397
数2では、第2距離の二乗であるdyiに、走査方向および幅方向の解像度に基づく重み係数(Rx/Ry)が乗算されている。これにより、ドット密度が低いハイライト領域において、走査方向におけるドットの間隔が幅方向におけるドットの間隔よりも大きくなってしまうことを抑制することができる。換言すれば、走査方向および幅方向の解像度の差異による画像の粒状性への影響を軽減することができる。なお、数2では、第1距離または第2距離の少なくとも一方に重み係数が乗算されていればよい。また、重み係数は、走査方向および幅方向の解像度に基づくもの以外の様々な係数であってもよい。
ステップS15では、一の非着色の高解像度マトリクス要素821と着色済みの各高解像度マトリクス要素821との間の距離D、および、一の非着色の高解像度マトリクス要素821から着色済みの各高解像度マトリクス要素821へと向かう直線と所定の基準線(例えば、行方向に延びる直線)との間の角度αに基づいて評価値要素が求められてもよい。例えば、距離Dが大きくなるに従って、また、角度αが45°に近づくに従って評価値要素が小さくなるように設定した場合、新たに閾値が付与される閾値マトリクス要素811は、既に閾値が付与されている閾値マトリクス要素811から離間し、かつ、斜め方向に位置するように選ばれる。
記録媒体9上の画像では、ドットが斜め方向(特に、走査方向および幅方向に対する角度が45°に近い方向)に配列されると粒状性が認識されにくくなる。このため、上述のように、評価値要素が角度αにも基づいて求められることにより、すなわち、評価値要素の算出において角度αによる重み付けが行われることにより、画像の粒状性が認識されにくい閾値マトリクスを提供することができる。
ステップS15において算出される評価値要素は、必ずしも、非着色の高解像度マトリクス要素821と着色済みの高解像度マトリクス要素821との間の距離Dが大きくなるに従って漸次減少する必要はない。例えば、評価値要素は、距離Dが所定の距離D0未満である場合には一定であり、距離Dが距離D0以上である場合、距離Dが大きくなるに従って漸次減少してもよい。
また、評価値要素は、距離Dが所定の距離D0未満である場合、距離Dが大きくなるに従って漸次増大し、距離Dが距離D0以上である場合、距離Dが大きくなるに従って漸次減少してもよい。これにより、ドットの密度が低いハイライト領域では、ドットを大きく離間させて配置し、ドットの密度が高くなるに従って、既に配置されているドットの近傍にもドットを適切に配置することができる。
次に、図14を参照しつつ、本発明の第2の実施の形態に係る画像記録装置における閾値マトリクスの生成について説明する。第2の実施の形態に係る画像記録装置の構成は、図1ないし図4に示す画像記録装置1と同様であり、以下の説明において対応する構成に同符号を付す。
第2の実施の形態に係る画像記録装置では、まず、第1の実施の形態と同様に、図11に示すように、閾値マトリクス81に含まれる複数の閾値マトリクス要素811のうち一の閾値マトリクス要素811に最初の閾値が付与される(ステップS31)。
続いて、閾値が付与されていない一の閾値マトリクス要素811が選択される。そして、閾値マトリクス81に対応する画像領域において、閾値が付与された閾値マトリクス要素811に対応する画素、および、閾値が付与されていない当該一の閾値マトリクス要素811に対応する画素をON状態とした場合の高解像度マトリクス82のインク点付き状態が、図4に示す記憶部431に記憶されているインク点付きマトリクス群を利用して求められる(ステップS32)。当該インク点付き状態は、上述の閾値が付与されていない一の閾値マトリクス要素811に関連づけて記憶される。以下、当該インク点付き状態を、「閾値マトリクス要素811に係るインク点付き状態」という。
図15は、高解像度マトリクス82のインク点付き状態を示す図であり、着色済みの高解像度マトリクス要素821を塗りつぶして示す。図15では、左上の閾値マトリクス要素811、および、左から2番目かつ上から2番目の閾値マトリクス要素811に対応する画素をON状態とした場合のインク点付き状態を示す。左から2番目かつ上から2番目の閾値マトリクス要素811に対応する画素のドットは、左上の閾値マトリクス要素811に対応する画素のドットに引き寄せられている。
インク点付き状態が求められると、閾値が付与されていない閾値マトリクス要素811の全てについてインク点付き状態が求められていないことが確認される(ステップS33)。そして、ステップS32に戻り、閾値が付与されていない次の閾値マトリクス要素811が選択され、当該閾値マトリクス要素811に係るインク点付き状態が求められる(ステップS32)。画像記録装置では、閾値が付与されていない閾値マトリクス要素811の全てについてインク点付き状態が求められるまで(ステップS33)、閾値が付与されていない一の閾値マトリクス要素811を、閾値が付与されていない他の閾値マトリクス要素811に変更しつつステップS32が繰り返される。
次に、ステップS32,S33にて求められた複数のインク点付き状態について、各インク点付き状態を上下左右に繰り返したチント画像におけるムラの程度が、各インク点付き状態における着色領域の分布の偏りを示す評価値として求められる(ステップS34)。具体的には、各インク点付き状態の高解像度マトリクス82にローパスフィルタを適用し、ローパスフィルタ適用後の高解像度マトリクス82における最大値と最小値との差を評価値とする。当該評価値は、ステップS32にて選択された閾値マトリクス要素811に対応する画素をON状態とした場合のインク点付き状態における着色領域の分布の偏りを示し、評価値が小さい(すなわち、フィルタ適用後の濃淡差が小さい)と、着色領域の分布の偏りも小さい。なお、ローパスフィルタは、少なくとも、閾値が付与された閾値マトリクス要素811、および、ステップS32で選択された閾値マトリクス要素811を含む大きさである。
そして、上記複数のインク点付き状態の評価値を参照して、評価値が最も小さいインク点付き状態、すなわち、着色領域の分布の偏りが最も小さくなるインク点付き状態に係る一の閾値マトリクス要素811に次の閾値が付与される(ステップS35)。
閾値が付与されていない閾値マトリクス要素811が存在する場合は(ステップS36)、ステップS32に戻り、閾値が付与されていない各閾値マトリクス要素811に係るインク点付き状態が求められる(ステップS32,S33)。そして、各インク点付き状態を上下左右に繰り返したチント画像におけるムラの程度が、各インク点付き状態における着色領域の分布の偏りを示す評価値として求められ、評価値が最も小さいインク点付き状態に係る一の閾値マトリクス要素811に次の閾値が付与される(ステップS34,S35)。画像記録装置では、閾値マトリクス81の複数の閾値マトリクス要素811の全てに閾値が付与されるまで、ステップS32〜S36が繰り返されて閾値マトリクス81の生成が終了する。
以上に説明したように、第2の実施の形態に係る画像記録装置では、第1の実施の形態と同様に、複数のインク点付きマトリクス群を利用して、閾値マトリクス81に対応する画像領域におけるON状態の画素の数および配置を変更しつつ、高解像度マトリクス82における高解像度マトリクス要素821の着色/非着色の状態を示す複数のインク点付き状態が求められ、当該複数のインク点付き状態に基づいて複数の閾値マトリクス要素811の閾値が決定される。これにより、広い階調範囲において画像の粒状性を低減することが可能な閾値マトリクスを提供することができる。
また、画像記録装置では、上述のように、閾値決定部432による閾値決定において、閾値が付与された閾値マトリクス要素811、および、閾値が付与されていない一の閾値マトリクス要素811に対応する画素をON状態とした場合の高解像度マトリクス82におけるインク点付き状態が、インク点付きマトリクス群を利用して求められる。そして、上記一の閾値マトリクス要素811を、閾値が付与されていない他の閾値マトリクス要素811に変更して、インク点付き状態の算出が繰り返される。その後、これらのインク点付き状態について、各インク点付き状態を上下左右に繰り返したチント画像におけるムラの程度を、着色領域の分布の偏りを示す評価値として求め、評価値が最も小さい一の閾値マトリクス要素811に次の閾値が付与される。そして、これらの工程を繰り返すことにより、全ての閾値マトリクス要素811に閾値が順次付与される。これにより、広い階調範囲において、着色領域の分布の偏りを抑制して画像の粒状性を低減することが可能な閾値マトリクスを容易に提供することができる。
ステップS34では、チント画像のムラの程度を示す評価値が、他の方法で求められてもよい。例えば、ステップS32,S33にて求められたインク点付き状態の高解像度マトリクス82をフーリエ変換してパワースペクトラムを算出し、当該パワースペクトラムに、ブルーノイズフィルタ、グリーンノイズフィルタ、または、人間の視覚特性を反映させた視覚特性フィルタを適用する。そして、フィルタ適用後のパワースペクトラムの総和が評価値とされてもよい。この場合も、ステップS35において、評価値が最も小さい、すなわち、着色領域の分布の偏りが最も小さくなる一の閾値マトリクス要素811に次の閾値が付与される。
次に、図16.Aおよび図16.Bを参照しつつ、本発明の第3の実施の形態に係る画像記録装置における閾値マトリクスの生成について説明する。第3の実施の形態に係る画像記録装置の構成は、図1ないし図4に示す画像記録装置1と同様であり、以下の説明において対応する構成に同符号を付す。
第3の実施の形態に係る画像記録装置では、まず、閾値マトリクス81に含まれる複数の閾値マトリクス要素811のうち、閾値が付与されていない一の閾値マトリクス要素群に閾値が仮付与される(ステップS41)。図17では、閾値が仮付与された閾値マトリクス要素群に含まれる複数の閾値マトリクス要素811に平行斜線を付す。閾値マトリクス要素群に含まれる閾値マトリクス要素811の個数は、閾値マトリクス81に含まれる全閾値マトリクス要素811の個数を、記録媒体9に記録される画像の階調数で除算して求められる。本実施の形態では、閾値マトリクス要素群は複数の閾値マトリクス要素811を含んでおり、当該複数の閾値マトリクス要素811は、閾値マトリクス81に含まれる全ての閾値マトリクス要素811から乱数を利用して選ばれる。なお、閾値マトリクス要素群は、閾値マトリクス要素811を1つのみ含む場合もある。また、閾値マトリクス要素群は、乱数を利用する以外の様々な方法により決定されてよい。
続いて、閾値マトリクス81に対応する画像領域において、閾値マトリクス要素群に対応する画素、および、閾値が付与された閾値マトリクス要素811に対応する画素をON状態とした場合の高解像度マトリクス82のインク点付き状態が、図4に示す記憶部431に記憶されているインク点付きマトリクス群を利用して求められる(ステップS42)。なお、最初に閾値マトリクス要素群に閾値が仮付与された状態では、閾値が既に付与された閾値マトリクス要素811は存在しないため、閾値マトリクス要素群に対応する画素のみをON状態とした場合のインク点付き状態が求められる。図18は、高解像度マトリクス82のインク点付き状態を示す図であり、着色済みの高解像度マトリクス要素821を塗りつぶして示す。
次に、ステップS42にて求められたインク点付き状態における着色領域の偏りを示す第1評価値が求められる(ステップS43)。本実施の形態では、第2の実施の形態のステップS34と同様に、インク点付き状態を上下左右に繰り返したチント画像におけるムラの程度が、着色領域の分布の偏りを示す第1評価値として求められる。
第1評価値が求められると、閾値マトリクス要素群から一の閾値マトリクス要素811が外され、閾値が付与されておらず、かつ、仮付与もされていない他の一の閾値マトリクス要素811が、閾値マトリクス要素群に含められる。換言すれば、閾値マトリクス要素群の一の閾値マトリクス要素811が、閾値が付与および仮付与されていない他の一の閾値マトリクス要素811と入れ替えられる(ステップS44)。
そして、ステップS41〜S43と同様に、閾値マトリクス要素群に閾値が仮付与され、高解像度マトリクス82のインク点付き状態がインク点付きマトリクス群を利用して求められ、当該インク点付き状態における着色領域の偏りを示す第2評価値が求められる(ステップS45〜S47)。
第2評価値が求められると、第1評価値と第2評価値とが比較され(ステップS48)、第1評価値が第2評価値よりも小さい場合、すなわち、第1評価値が第2評価値よりも着色領域の小さい偏りを示す場合、ステップS44にて入れ替えられた2つの閾値マトリクス要素811が再び入れ替えられ、閾値マトリクス要素群がステップS41の状態に戻される(ステップS49)。また、第1評価値が第2評価値よりも大きい場合、すなわち、第1評価値が第2評価値よりも着色領域の大きい偏りを示す場合、第1評価値が第2評価値に等しい値に変更される(ステップS50)。
その後、所定の終了条件が満たされたか否かが確認され(ステップS51)、終了条件が満たされていない場合は、ステップS44に戻る。そして、閾値マトリクス要素群に含められる閾値マトリクス要素811を変更しつつ、ステップS44〜S50が、終了条件が満たされるまで繰り返される(ステップS51)。終了条件とは、例えば、ステップS44〜S50の繰り返し回数が所定の回数に達することである。あるいは、第1評価値が所定の値以下、すなわち、第1評価値により示される着色領域の偏りが、所定の偏りの程度以下であることが、終了条件とされてもよい。
終了条件が満たされると、終了条件が満たされた時点での閾値マトリクス要素群、すなわち、ステップS51の後における閾値マトリクス要素群の複数の閾値マトリクス要素811に閾値が付与される(ステップS52)。続いて、一の閾値マトリクス要素群が次の一の閾値マトリクス要素群に変更され(ステップS53,54)、ステップS41に戻り、当該閾値マトリクス要素群に対する閾値の仮付与が行われる(ステップS41)。
次に、当該閾値マトリクス要素群、および、ステップS52において閾値が付与された閾値マトリクス要素811に対応する画素をON状態とした場合のインク点付き状態が、インク点付きマトリクス群を利用して算出される(ステップS42)。その後、上述のステップS43〜S52が行われ、閾値マトリクス要素群に閾値が付与される。画像記録装置1では、閾値マトリクス81に含まれる全閾値マトリクス要素811に閾値が付与されるまで、ステップS41〜S54が繰り返される。
以上に説明したように、第3の実施の形態に係る画像記録装置では、第1の実施の形態と同様に、複数のインク点付きマトリクス群を利用して、閾値マトリクス81に対応する画像領域におけるON状態の画素の数および配置を変更しつつ、高解像度マトリクス82における高解像度マトリクス要素821の着色/非着色の状態を示す複数のインク点付き状態が求められ、当該複数のインク点付き状態に基づいて複数の閾値マトリクス要素811の閾値が決定される。これにより、広い階調範囲において画像の粒状性を低減することが可能な閾値マトリクスを提供することができる。
また、画像記録装置では、上述のように、閾値決定部432による閾値決定において、一の閾値マトリクス要素群の閾値マトリクス要素811を入れ替えつつ、当該閾値マトリクス要素群、および、既に閾値が付与されている閾値マトリクス要素811に対応する画素をON状態とした場合のインク点付き状態を求め、当該インク点付き状態における評価値が求められる。そして、所定の終了条件が満たされた時点での閾値マトリクス要素群の閾値マトリクス要素811に閾値が付与される。その後、これらの工程を繰り返すことにより、全ての閾値マトリクス要素811に閾値が付与される。これにより、広い階調範囲において、着色領域の分布の偏りを抑制して画像の粒状性を低減することが可能な閾値マトリクスを容易に提供することができる。
以上、本発明の実施の形態について説明してきたが、本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、様々な変更が可能である。
上述の画像記録装置では、複数の吐出口列32にそれぞれ異なるインク点付きマトリクス群が対応付けられ、各吐出口列32では、全吐出口33に同じインク点付きマトリクス群が対応付けられるが、例えば、インクジェットヘッド31に含まれる全吐出口33に個別のインク点付きマトリクス群が対応付けられてもよい。
第2の実施の形態に係る画像記録装置では、ステップS34において算出される評価値は、着色領域の偏りを示すものであれば、必ずしも、上述の方法にて求められる必要はなく、他の様々な方法にて求められてよい。また、第3の実施の形態に係る画像記録装置では、ステップS43において算出される第1評価値、および、ステップS47において算出される第2評価値は、着色領域の偏りを示すものであれば、必ずしも、上述の方法にて求められる必要はなく、他の様々な方法にて求められてよい。さらに、ステップS41,S54における閾値マトリクス要素群の選択や、ステップS44における閾値マトリクス要素811の入れ替えの際に、貪欲法、シミュレーティッドアニーリング、タブーサーチ等の手法が適用されてもよい。
上述の画像記録装置では、記録媒体9が吐出ユニット3に対してY方向に相対的に移動するのであれば、例えば、停止している記録媒体9の上方にて、吐出ユニット3が移動機構2によりY方向に移動してもよい。画像記録装置の構造は、例えば、インターレス印刷を行う画像記録装置に適用されてもよく、また、長尺状のロール紙に画像を記録する画像記録装置に適用されてもよい。
上述の閾値マトリクス生成部43を備えるコンピュータは、閾値マトリクス生成装置として独立して利用されてもよい。
上記実施の形態および各変形例における構成は、相互に矛盾しない限り適宜組み合わされてよい。
1 画像記録装置
2 移動機構
9 記録媒体
31 インクジェットヘッド
32 吐出口列
33 吐出口
40 制御部
43 閾値マトリクス生成部
70 元画像
81 閾値マトリクス
82 高解像度マトリクス
83 インク点付きマトリクス
431 記憶部
432 閾値決定部
811 閾値マトリクス要素
821 高解像度マトリクス要素
831 点付きマトリクス要素
S11〜S20,S31〜S36,S41〜54 ステップ

Claims (14)

  1. インクの液滴を記録媒体に吐出することにより画像を前記記録媒体に記録する画像記録装置において多階調の元画像のハーフトーン化に利用される閾値マトリクスを生成する閾値マトリクス生成装置であって、
    閾値マトリクス、高解像度マトリクスおよび複数のインク点付きマトリクス群を記憶する記憶部と、
    前記閾値マトリクスに含まれる複数の閾値マトリクス要素の閾値を決定する閾値決定部と、
    を備え、
    前記高解像度マトリクスが、前記閾値マトリクスに対応する領域を高解像度にて示すマトリクスであり、
    各インク点付きマトリクス群に含まれる各インク点付きマトリクスが、前記高解像度マトリクスに対応する解像度にて、一の閾値マトリクス要素およびその周囲の閾値マトリクス要素を含む注目要素近傍領域を示すマトリクスであり、
    前記各インク点付きマトリクス群が、一の注目要素近傍領域に対応する各画素へのインクの吐出のON/OFFを変更した複数の状態における、インク点付きマトリクスの要素の着色/非着色を示し、
    前記閾値決定部が、前記複数のインク点付きマトリクス群を利用して、前記閾値マトリクスに対応する画像領域におけるON状態の画素の数および配置を変更しつつ、前記高解像度マトリクスにおける要素の着色/非着色の状態を示す複数のインク点付き状態を求め、前記複数のインク点付き状態に基づいて前記複数の閾値マトリクス要素の閾値を決定することを特徴とする閾値マトリクス生成装置。
  2. 請求項1に記載の閾値マトリクス生成装置であって、
    前記閾値決定が、
    a1)前記閾値マトリクスに含まれる一の閾値マトリクス要素に最初の閾値を付与する工程と、
    a2)前記閾値マトリクスに対応する画像領域において、閾値が付与された閾値マトリクス要素に対応する画素をON状態とした場合の前記高解像度マトリクスにおけるインク点付き状態を前記インク点付きマトリクス群を利用して求める工程と、
    a3)前記高解像度マトリクスにおける一の非着色の要素を選択する工程と、
    a4)元画像の網点化時の前記閾値マトリクスの反復適用を考慮しつつ、前記一の非着色の要素と着色済みの各要素との間の距離に基づいて、前記一の非着色の要素を着色した場合の着色領域の偏りを示す評価値を求める工程と、
    a5)全ての非着色の要素について、前記a3)工程および前記a4)工程を繰り返して前記評価値を求める工程と、
    a6)前記a5)工程にて求められた評価値を参照して、前記着色領域の前記偏りが最も小さくなる一の非着色の要素を含む閾値マトリクス要素に次の閾値を付与する工程と、
    a7)前記複数の閾値マトリクス要素の全てに閾値が付与されるまで、前記a2)工程ないし前記a6)工程を繰り返す工程と、
    を実行することを特徴とする閾値マトリクス生成装置。
  3. 請求項2に記載の閾値マトリクス生成装置であって、
    前記a4)工程において、第1方向に関する前記一の非着色の要素と着色済みの前記各要素との間の第1距離と、前記第1方向に垂直な第2方向に関する前記一の非着色の要素と着色済みの前記各要素との間の第2距離とに基づいて評価値要素が求められ、
    前記評価値要素の算出の際に、前記第1距離または前記第2距離に重み係数が乗算され、
    求められた評価値要素の合計が前記評価値として求められることを特徴とする閾値マトリクス生成装置。
  4. 請求項2に記載の閾値マトリクス生成装置であって、
    前記a4)工程において、前記評価値が、前記一の非着色の要素から着色済みの前記各要素へと向かう直線と所定の基準線との間の角度にも基づいて求められることを特徴とする閾値マトリクス生成装置。
  5. 請求項1に記載の閾値マトリクス生成装置であって、
    前記閾値決定が、
    a1)前記閾値マトリクスに含まれる一の閾値マトリクス要素に最初の閾値を付与する工程と、
    a2)前記閾値マトリクスに対応する画像領域において、閾値が付与された閾値マトリクス要素、および、閾値が付与されていない一の閾値マトリクス要素に対応する画素をON状態とした場合の前記高解像度マトリクスにおけるインク点付き状態を前記インク点付きマトリクス群を利用して求める工程と、
    a3)閾値が付与されていない前記一の閾値マトリクス要素を、閾値が付与されていない他の閾値マトリクス要素に変更しつつ前記a2)工程を繰り返す工程と、
    a4)前記a3)工程にて求められた複数のインク点付き状態における着色領域の偏りを示す評価値を求める工程と、
    a5)前記a4)工程にて求められた評価値を参照して、前記着色領域の前記偏りが最も小さいことを示すインク点付き状態に係る一の閾値マトリクス要素に次の閾値を付与する工程と、
    a6)前記複数の閾値マトリクス要素の全てに閾値が付与されるまで、前記a2)工程ないし前記a5)工程を繰り返す工程と、
    を実行することを特徴とする閾値マトリクス生成装置。
  6. 請求項5に記載の閾値マトリクス生成装置であって、
    前記a4)工程において、前記複数のインク点付き状態について、各インク点付き状態を上下左右に繰り返したチント画像におけるムラの程度を、各インク点付き状態における前記評価値として求めることを特徴とする閾値マトリクス生成装置。
  7. 請求項1に記載の閾値マトリクス生成装置であって、
    前記閾値決定が、
    a1)前記閾値マトリクスにおいて閾値が付与されていない一の閾値マトリクス要素群に閾値を仮付与する工程と、
    a2)前記閾値マトリクスに対応する画像領域において、閾値が付与された閾値マトリクス要素および前記一の閾値マトリクス要素群に対応する画素をON状態とした場合のインク点付き状態を求める工程と、
    a3)前記a2)工程にて求められたインク点付き状態における着色領域の偏りを示す第1評価値を求める工程と、
    a4)前記一の閾値マトリクス要素群から一の閾値マトリクス要素を外し、閾値が付与および仮付与されていない他の一の閾値マトリクス要素を前記一の閾値マトリクス要素群に含めて、前記a1)工程および前記a2)工程を実行することにより、インク点付き状態を求める工程と、
    a5)前記a4)工程にて求められたインク点付き状態における着色領域の偏りを示す第2評価値を求める工程と、
    a6)前記第1評価値が前記第2評価値よりも着色領域の小さい偏りを示す場合に、前記一の閾値マトリクス要素群を前記a1)工程の状態に戻し、前記第1評価値が前記第2評価値よりも着色領域の大きい偏りを示す場合に、前記第1評価値を前記第2評価値に等しい値に変更する工程と、
    a7)前記a4)工程において前記一の閾値マトリクス要素群に含められる閾値マトリクス要素を変更しつつ、前記a4)工程ないし前記a6)工程を、所定の終了条件が満たされるまで繰り返す工程と、
    a8)前記a7)工程の後における前記一の閾値マトリクス要素群に閾値を付与する工程と、
    a9)前記閾値マトリクスに含まれる全閾値マトリクス要素に閾値が付与されるまで、前記一の閾値マトリクス要素群を次の一の閾値マトリクス要素群に変更して、前記a1)工程ないし前記a8)工程を繰り返す工程と、
    を実行することを特徴とする閾値マトリクス生成装置。
  8. 請求項7に記載の閾値マトリクス生成装置であって、
    前記a3)工程において、前記a2)工程にて求められたインク点付き状態を上下左右に繰り返したチント画像におけるムラの程度を前記第1評価値として求め、
    前記a5)工程において、前記a4)工程にて求められたインク点付き状態を上下左右に繰り返したチント画像におけるムラの程度を前記第2評価値として求めることを特徴とする閾値マトリクス生成装置。
  9. 画像記録装置であって、
    記録媒体に向けてインクの微小液滴を吐出する吐出部と、
    前記記録媒体を前記吐出部に対して移動方向へと相対的に移動する移動機構と、
    請求項1ないし8のいずれかに記載の閾値マトリクス生成装置と、
    前記閾値マトリクス生成装置により生成された閾値マトリクスを利用し、多階調の元画像をハーフトーン化してハーフトーン画像を生成し、前記ハーフトーン画像に基づいて前記吐出部からのインクの吐出を制御する制御部と、
    を備えることを特徴とする画像記録装置。
  10. 請求項9に記載の画像記録装置であって、
    前記吐出部が、前記移動方向に配列された複数の吐出口列を備え、
    前記複数の吐出口列のそれぞれが、前記移動方向に対して交差する方向に配列される複数の吐出口を有し、
    前記複数の吐出口列のそれぞれにおいて、各吐出口に対応する閾値マトリクス要素を中心とする注目要素近傍領域のインク点付きマトリクス群が、同じマトリクス群であることを特徴とする画像記録装置。
  11. インクの液滴を記録媒体に吐出することにより画像を前記記録媒体に記録する画像記録装置において多階調の元画像のハーフトーン化に利用される閾値マトリクスを生成する閾値マトリクス生成方法であって、
    閾値マトリクス、高解像度マトリクスおよび複数のインク点付きマトリクス群を準備する工程と、
    前記閾値マトリクスに含まれる複数の閾値マトリクス要素の閾値を決定する工程と、
    を備え、
    前記高解像度マトリクスが、前記閾値マトリクスに対応する領域を高解像度にて示すマトリクスであり、
    各インク点付きマトリクス群に含まれる各インク点付きマトリクスが、前記高解像度マトリクスに対応する解像度にて、一の閾値マトリクス要素およびその周囲の閾値マトリクス要素を含む注目要素近傍領域を示すマトリクスであり、
    前記各インク点付きマトリクス群が、一の注目要素近傍領域に対応する各画素へのインクの吐出のON/OFFを変更した複数の状態における、インク点付きマトリクスの要素の着色/非着色を示し、
    前記閾値を決定する前記工程において、前記複数のインク点付きマトリクス群を利用して、前記閾値マトリクスに対応する画像領域におけるON状態の画素の数および配置を変更しつつ、前記高解像度マトリクスにおける要素の着色/非着色の状態を示す複数のインク点付き状態を求め、前記複数のインク点付き状態に基づいて前記複数の閾値マトリクス要素の閾値を決定することを特徴とする閾値マトリクス生成方法。
  12. 請求項11に記載の閾値マトリクス生成方法であって、
    前記閾値を決定する前記工程が、
    a1)前記閾値マトリクスに含まれる一の閾値マトリクス要素に最初の閾値を付与する工程と、
    a2)前記閾値マトリクスに対応する画像領域において、閾値が付与された閾値マトリクス要素に対応する画素をON状態とした場合の前記高解像度マトリクスにおけるインク点付き状態を前記インク点付きマトリクス群を利用して求める工程と、
    a3)前記高解像度マトリクスにおける一の非着色の要素を選択する工程と、
    a4)元画像の網点化時の前記閾値マトリクスの反復適用を考慮しつつ、前記一の非着色の要素と着色済みの各要素との間の距離に基づいて、前記一の非着色の要素を着色した場合の着色領域の偏りを示す評価値を求める工程と、
    a5)全ての非着色の要素について、前記a3)工程および前記a4)工程を繰り返して前記評価値を求める工程と、
    a6)前記a5)工程にて求められた評価値を参照して、前記着色領域の前記偏りが最も小さくなる一の非着色の要素を含む閾値マトリクス要素に次の閾値を付与する工程と、
    a7)前記複数の閾値マトリクス要素の全てに閾値が付与されるまで、前記a2)工程ないし前記a6)工程を繰り返す工程と、
    を備えることを特徴とする閾値マトリクス生成方法。
  13. 請求項11に記載の閾値マトリクス生成方法であって、
    前記閾値を決定する前記工程が、
    a1)前記閾値マトリクスに含まれる一の閾値マトリクス要素に最初の閾値を付与する工程と、
    a2)前記閾値マトリクスに対応する画像領域において、閾値が付与された閾値マトリクス要素、および、閾値が付与されていない一の閾値マトリクス要素に対応する画素をON状態とした場合の前記高解像度マトリクスにおけるインク点付き状態を前記インク点付きマトリクス群を利用して求める工程と、
    a3)閾値が付与されていない前記一の閾値マトリクス要素を、閾値が付与されていない他の閾値マトリクス要素に変更しつつ前記a2)工程を繰り返す工程と、
    a4)前記a3)工程にて求められた複数のインク点付き状態における着色領域の偏りを示す評価値を求める工程と、
    a5)前記a4)工程にて求められた評価値を参照して、前記着色領域の前記偏りが最も小さいことを示すインク点付き状態に係る一の閾値マトリクス要素に次の閾値を付与する工程と、
    a6)前記複数の閾値マトリクス要素の全てに閾値が付与されるまで、前記a2)工程ないし前記a5)工程を繰り返す工程と、
    を備えることを特徴とする閾値マトリクス生成方法。
  14. 請求項11に記載の閾値マトリクス生成方法であって、
    前記閾値を決定する前記工程が、
    a1)前記閾値マトリクスにおいて閾値が付与されていない一の閾値マトリクス要素群に閾値を仮付与する工程と、
    a2)前記閾値マトリクスに対応する画像領域において、閾値が付与された閾値マトリクス要素および前記一の閾値マトリクス要素群に対応する画素をON状態とした場合のインク点付き状態を求める工程と、
    a3)前記a2)工程にて求められたインク点付き状態における着色領域の偏りを示す第1評価値を求める工程と、
    a4)前記一の閾値マトリクス要素群から一の閾値マトリクス要素を外し、閾値が付与および仮付与されていない他の一の閾値マトリクス要素を前記一の閾値マトリクス要素群に含めて、前記a1)工程および前記a2)工程を実行することにより、インク点付き状態を求める工程と、
    a5)前記a4)工程にて求められたインク点付き状態における着色領域の偏りを示す第2評価値を求める工程と、
    a6)前記第1評価値が前記第2評価値よりも着色領域の小さい偏りを示す場合に、前記一の閾値マトリクス要素群を前記a1)工程の状態に戻し、前記第1評価値が前記第2評価値よりも着色領域の大きい偏りを示す場合に、前記第1評価値を前記第2評価値に等しい値に変更する工程と、
    a7)前記a4)工程において前記一の閾値マトリクス要素群に含められる閾値マトリクス要素を変更しつつ、前記a4)工程ないし前記a6)工程を、所定の終了条件が満たされるまで繰り返す工程と、
    a8)前記a7)工程の後における前記一の閾値マトリクス要素群に閾値を付与する工程と、
    a9)前記閾値マトリクスに含まれる全閾値マトリクス要素に閾値が付与されるまで、前記一の閾値マトリクス要素群を次の一の閾値マトリクス要素群に変更して、前記a1)工程ないし前記a8)工程を繰り返す工程と、
    を備えることを特徴とする閾値マトリクス生成方法。
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