以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。
図1は、本発明の一実施の形態に係る交通情報提供システム100の概略構成を示すブロック図である。
図1に示す交通情報提供システム100は、収集車載装置200、交通情報提供装置(交通情報生成装置)300及びナビゲーション装置400を有する。この交通情報提供システム100では、複数の収集車載装置200が交通情報を収集して交通情報提供装置300に送信し、交通情報提供装置300では、収集した交通情報を管理するとともに、ナビゲーション装置400に提供する交通情報を生成する。生成された交通情報は、ナビゲーション装置400においてドライバに提供される。
収集車載装置200は、走行して道路情報、交通情報を収集可能な収集車両に搭載され、交通情報提供装置300からナビゲーション装置400に提供される交通情報の情報を収集する。
収集車載装置200は、収集車両の位置及び時刻、車速等を検出する車両情報取得部210と、車両情報取得部210により検出された情報を交通情報提供装置300に送信させる通信部230と、各部210、230を制御する制御部240とを備えている。
車両情報取得部210は、車両の位置を測定する測位部であるGPS(Global Positioning System)受信機211を有し、更に、車両の回転角度を検出するジャイロなどの角度センサと、一定の走行距離毎にパルスを発生して車両の走行速度、走行距離を測るための車速センサなどを有してもよい。ここでは、車両情報取得部210は、車速検出部(車速センサともいう)212を備えている。なお、測位部であるGPS受信機211は、測位に際し、測位した際の時刻も取得する。
これら、車両情報取得部210では、測位部(GPS受信機)211、車速検出部(車速センサ)212等から得られる情報に基づいて、収集車両の軌跡を示す軌跡情報(車両の位置、位置情報を取得した時点の時刻)、車速情報等の情報を算出して、制御部240に出力する。
制御部240は、車両情報取得部210から入力された情報を関連づけて通信部230を介して交通情報提供装置300に送信する。
つまり、制御部240は、収集車載装置200を搭載する収集車が何時何処にどの様な状態でいるかの情報を、車両情報取得部210を介して収集している。制御部240は、自車位置を車両情報取得部210で測位し、走行軌跡をサンプリングしている。
なお、この収集車載装置200は複数の収集車にそれぞれ搭載され、それぞれの収集車において情報を収集し、交通情報提供装置300に送信される。また、収集車載装置200は、交通情報収集専用車両以外からの情報の提供を受けるナビゲーション装置400が搭載された車両に搭載されてもよい。また、収集車載装置200によって、交通情報提供装置300に送信される情報は、例えば所定時間おき、または所定定行距離おきに送信されるように制御部240により制御されていてもよい。
交通情報提供装置300は、収集車載装置200を搭載する複数の収集車から送信された車両の位置、時刻等の車車両の軌跡情報、車両の車速情報等の情報を受信し、この受信した情報を用いて、ナビゲーション装置400に提供する交通情報を生成する。
詳細には、交通情報提供装置300は、収集車載装置200との間で情報の送受信を行う通信部310と、地図データ記憶部320と、信号サイクル推定部340と、交通情報生成部350とを有する。
通信部310は、収集車載装置200により収集された情報を受信して、交通情報生成部350に出力する。なお、ナビゲーション装置400が、交通情報提供装置300により生成された交通情報を受信可能な通信部を有する場合、通信部310は、ナビゲーション装置400の通信部との間で送受信を行う。
地図データ記憶部320は、道路に関する情報(道路幅、車線数、道路の長さ等)や、道路に設置される信号機の情報、施設に関する情報(施設の種類、名称、位置、電話番号等)等を格納する地図データを記憶しており、交通情報生成部350により読み出される。なお、地図データは、例えば、道路に関する情報を、道路幅、車線数、道路の長さなどを元に表した数値として有する。
信号サイクル推定部340は、通信部310を介して受信した多数の収集車の位置、速度を統計処理することによって、交差点における信号サイクル時間を推定し、推定した信号サイクル時間を交通情報生成部350に出力する。交通情報生成部350では、この信号サイクル時間と、収集車載装置200から取得した他の情報とを用いて、交通情報、詳細には、所定の場所、ここでは所定の交差点にて右左折等を行う等して脱出する際の信号待ち時間、信号待ち回数、信号待ち回数変化位置を含む情報を生成する。なお、この信号サイクル推定部340の処理の詳細については後述する。
交通情報生成部350は、収集車載装置200から送信される情報と、地図データ記憶部320の地図データとに基づいて、地図データの道路に対応する各交通情報を生成する。具体的には、交通情報生成部350は、地図データに対応させて、各交差点の進行方向ごと、日種(曜日、休日か否か)、時間帯ごとに、右左折待ち時間及び、信号待ち回数、信号サイクル時間、対向車待ち時間、信号待ち回数変化地点交通情報を統計データとして生成する。
図2は、交通情報提供装置300における交通情報生成部350の要部構成の一例の説明に供する図である。
図2は、交通情報生成部350が交通情報を生成するにあたり、特徴的な交通情報である、車線毎において交差点を脱出するために必要な待ち時間及び信号待ち回数変化位置を生成する要素を示している。なお、信号待ち回数とは、交差点を直進、又は、右左折するために信号を待つ回数であり、青信号であるにも関わらず直進、又は右左折できなかった回数をいう。
交通情報生成部350は、通信部310を介して取得した収集車載装置200から入力される所定場所における車両の位置情報と、車速情報と、信号サイクル推定部340により推定される信号サイクル推定時間と、地図データ記憶部320から読み出す地図データと、保存部360に格納した情報とを用いて交通情報を生成する。
図2に示す交通情報生成部350は、最後尾停車判定部351と、第1停車時間算出部352と、信号サイクル推定時間取得部(図では「信号サイクル時間取得部」で示す)353と、右左折完了判定部354と、第二停車時間算出部355と、第一停車位置算出部356と、信号待ち回数算出部357と、統計データ生成部358とを有する。なお、ここでは、各部351〜357における処理は、収集車載装置200を搭載した同一の収集車からの情報に基づいて行う処理として説明する。
最後尾停車判定部351は、所定場所、ここでは所定の交差点において収集された車両の位置情報、車速情報及び地図データを用いて、収集車が所定の交差点における車両の列の最後尾として停車したことを判定して第一停車時間算出部352に出力する。
第一停車時間算出部352は、最後尾停車判定部351からの最後尾停車判定結果、収集車載装置200により取得された所定場所、ここでは所定の交差点において収集された車両の位置情報と、車両の速度と、信号サイクル推定時間情報(「信号サイクル推定情報」ともいう)及び地図データとから、所定の交差点手前で最初に停車する第一停車時間(初回停車時間)を算出する。
具体的には、第一停車時間算出部352は、対象となる交差点において軌跡を示す車両の位置情報、この位置情報を取得した時刻情報、車速情報によって、最初に停車したときの時刻と、そのときから動き始めるまでの時刻との差を第一停車時間として算出する。なお、この第一停車時間は、最初に停車した位置を、時刻交差点において信号待ちを行う車両の後、あるいは車両の列の最後尾とし、停車してから信号が青に変わり移動するまでの時間としている。
第一停車時間算出部351により算出された第一停車時間は、交通情報データベース362に出力されて保存される。交通情報データベース362では、第一停車時間は、情報源となる収集車からの他の情報から算出した情報(信号サイクル情報、第二停車時間)とともに、同一の収集車の情報として纏めて車両走行情報(図2では、「車両a、b、i」で示す)として保存される。
信号サイクル推定時間取得部353は、入力される信号サイクル推定情報(信号が青、黄、赤に変化する1サイクル推定時間)を交通情報データベース362に出力する。
右左折完了判定部354は、交通情報生成部350に入力される情報を用いて、所定の交差点において収集車が右左折を完了したことを判定する。具体的には、右左折完了判定部354は、信号サイクル推定情報、地図データ、車両の位置情報及び車速情報から、所定の場所である交差点において、収集車の自車位置が脱出道路上に存在するか否かを判定して、第二停車時間算出部355に出力する。
第二停車時間算出部355は、車両の位置情報、車両の速度、信号サイクル推定情報、地図データ、右左折完了判定結果等を用いて、右左折直前に信号が青に変わってから右左折完了するまでの時間である第二停車時間を算出する。
第二停車時間は、車線毎において青信号に変わって所定の交差点を脱出する直前の停車時間であり、右左折直前の青信号に変わるまでの信号待ち時間と、右折時などに対向車が通過することにより右折できず、待つ必要がある対向車待ち時間とを含む。この対向車待ち時間には、右左折時に歩行者が横断歩道を渡ることによって待機する必要のある時間等も含めているため、左折時では進路上を歩行者が通過する時間を意味する。
このように第二停車時間算出部355において算出された右左折待ち時間は、交通情報データベース362に出力される。
これら最後尾停車判定部351、第一停車時間算出部352、信号サイクル推定時間取得部353、右左完了判定部354、第二停車時間算出部355を用いて、交通情報生成部350では、所定の場所、ここでは所定の交差点を脱出する際の待ち時間が算出される。
所定の交差点を脱出する際の待ち時間を「信号待ち時間」と称し、この信号待ち時間は交差点の手前に存在する車の列の最後尾に停車してから、交差点を脱出するまでの時間と定義する。
第一停車位置算出部356は、車両の位置情報、地図データ等を用いて、所定場所において最後尾停車した際の実際の位置である第一停車位置を算出して、交通情報データベース362に出力する。例えば、第一停車位置算出部356は、所定の交差点において、収集車が最後尾停車した位置を、交差点の中心からの距離で示し、第一停車位置とする。
信号待ち回数算出部357は、入力される車両の位置情報、車速情報、信号サイクル推定情報から、地図データを用いて、所定の交差点における車線を利用した際の交差点を脱出するのに必要な信号待ち時間を算出し、交通情報データベース362に出力する。
これら所定の交差点を脱出する際における第一停車位置及び信号待ち数を用いて交通情報生成部350は信号待ち回数変化位置を算出する。
なお、交通情報データベース362では、第一停車位置、信号待ち回数は、情報源となる収集車からの他の情報から算出した情報(第二停車時間、第一停車時間)、信号サイクル推定情報とともに、同一の収集車の情報として纏めて車両走行情報(図2では、「車両a、b、i」で示す)として保存される。なお、車両走行情報は、交通情報データベース362において収集情報記憶部363に格納される。
統計データ生成部358は、交通情報データベース362における車両走行情報「車両a」、「車両b」、「車両i」を用いて、ナビゲーション装置400に提供する交通情報として、各交差点の進行方向毎(車線毎)に、日種(曜日、休日か否か)、時間帯ごとに、右左折待ち時間、信号待ち回数、信号サイクル時間、対向車待ち時間を地図データにリンクした各種の統計データを生成する。
つまり、統計データ生成部358において、各算出部352、355〜357及び取得部353からの情報、具体的には、交通情報データベース362から取得する情報は、すべて日種、時間帯、車線毎に異なるものである。つまり、統計データ生成部358では、各交差点の進行方向毎(車線毎)に、日種(曜日、休日か否か)、時間帯(所定の時間帯毎)、待ち時間(直進及び右左折待ち時間)、信号待ち回数、信号サイクル推定時間、対向車待ち時間がそれぞれ平均化され、各種の統計データとして生成される。
この統計データ生成部358は、第一停車時間統計情報生成部3581と、信号サイクル統計情報生成部3582と、第二停車時間統計情報生成部3583と、第一停車位置統計情報生成部3584とを有する。
第一停車時間統計情報生成部3581は、収集車で収集した所定の場所である所定の交差点における第一停車時間を統計し平均化して、ナビゲーション装置400にて使用される第一停車時間統計情報を生成する。ここでは、第一停車時間統計情報生成部3581により生成された情報は統計情報記憶部364に出力されて格納されている。
信号サイクル統計情報生成部3582は、収集車で収集した所定の場所である所定の交差点における信号サイクル推定時間を統計し平均化して、ナビゲーション装置400にて使用される第一停車時間統計情報を生成する。ここでは、信号サイクル統計情報生成部3582により生成された情報は、統計情報記憶部364に出力されて格納される。
第二停車時間統計情報生成部3583は、収集車で収集した所定の場所である所定の交差点における第二停車時間を統計し平均化して、ナビゲーション装置400にて使用される第二停車時間統計情報を生成する。ここでは、第二停車時間統計情報生成部3583により生成された情報は統計情報記憶部364に出力されて格納される。
これら第一停車時間統計情報生成部3581、信号サイクル統計情報生成部3582及び第二停車時間統計情報生成部3583によって、ナビゲーション装置400で用いられる「信号待ち時間」が生成される。
第一停車位置統計情報生成部3584は、収集車で収集した所定の場所である所定の交差点における第一停車位置を統計し平均化して、交差点毎における、進行方向毎(車線毎)の、日種(曜日、休日か否か)、時間帯(所定の時間帯毎)毎にそれぞれ異なり、ナビゲーション装置400に提供される第一停車位置統計情報を生成する。
具体的には、第一停車位置統計情報生成部3584は、交通情報データベース362において格納された走行車両情報のうち、第一停車位置と、信号待ち回数とを用いて、信号待ち回数毎の第一停車位置を生成する。
信号待ち回数毎の第一停車位置は、交差点手前における信号待ち回数変化地点の統計情報であり、この信号待ち回数毎の第一停車位置の生成は、所定の場所毎において、進行方向毎に、日種、時間帯毎にそれぞれ対応して行なわれる。つまり、第一停車位置の統計情報は、所定の場所毎に、進行方向毎(車線毎)に、日種(曜日、休日か否か)、時間帯(所定の時間帯毎)に生成されるものである。なお、第一停車位置統計情報生成部3584により生成された情報は、統計情報記憶部364に出力されて格納される。
また、この統計データ生成部358は、生成した各情報についてナビゲーション装置400の表示装置480での表示パターンを生成してもよい。
統計データ生成部358により生成された情報を格納する統計情報記憶部364は、保存部360の交通情報データベース362に設けられている。なお、この保存部360は、ハードディスク等により構成して、 交通情報提供装置300内で用いられるものとして保存してもよいし。CD−ROM、DVD等のデータ記憶媒体(「記憶媒体」ともいう)441に書き込む書き込み装置を有する構成としてもよい。ここでは、データ記憶媒体441に書き込み記憶させる構成としている。
ナビゲーション装置400は、GPS受信機410、ジャイロ420、車速センサ430、読取装置440、操作スイッチ部450、制御装置460、外部メモリ470、表示装置480などから構成されている。
GPS受信機410は、人工衛星からの電波を受信して車両の現在地を示す信号を出力する。ジャイロ420は、車両の進行方位に応じた信号を出力し、車速センサ430は、車速に応じた信号を出力する。
読取装置440は、制御装置460により制御され、地図データに対応してなる交通情報提供装置300にて生成された各種の統計データ等を有する交通情報が記憶された記憶媒体441から交通情報を読み取り、制御装置460に出力する。
この読取装置440は、記憶装置442に備えられ、記憶媒体441から、交通情報提供装置300にて生成された地図データに対応してなる交通情報(各種の統計データ)、つまり統計情報記憶部364に記憶される情報を読み取る。
なお、記憶媒体441は、ここでは、CD−ROM、DVD等により構成され、交通情報提供装置300で交通情報の更新がある場合、更新された内容の記憶媒体に代えたリ、更新内容を追加保存することで容易に対応できるものとする。
これら読取装置440は、記憶媒体441とともに、記憶媒体441から、交通情報提供装置300にて生成された地図データに対応してなる交通情報を記憶する記憶装置442を構成している。
なお、この記憶装置442は、制御装置460からの地図データ及び統計データ読み取り指令に基づき、地図データ記憶媒体から地図データとともに統計データを読み取って制御装置460に出力するものであれば、どのように構成してもよい。例えば、HDD等の記憶媒体で構成し、交通情報提供装置300と通信可能な通信手段を介して取得した交通情報提供装置300の統計情報記憶部364に格納された情報、つまり、統計データ生成部358にて生成された交通情報を格納するようにしてもよい。なお、記憶装置442、ここでは、記憶媒体441に記憶されている地図データ(ここでは記憶装置442に格納した地図データ)には、目的地への経路の設定を行うに必要なデータが含まれている。
操作スイッチ部450は、ユーザーにより操作され、その操作に応じてナビゲーションに必要な各種操作信号を出力するもので、表示装置480の画面上で入力操作を行うことができるタッチパネル、および表示装置480の画面周辺に備えられたキー操作部などから構成されている。
制御装置460は、マイクロコンピュータ等のコンピュータ手段を含んで構成されており、上記したナビゲーション装置400における各構成要素からの信号に基づいて、ナビゲーションに必要な各種演算処理を実行する。
具体的には、制御装置460は、GPS受信機410からの信号およびジャイロ420、車速センサ430からの信号に基づいて車両の現在地を求め、また、記憶装置442に地図データ読み取り指令を出力し地図データを読み込み、地図を表示装置480に表示させる。
また、制御装置460は、待ち情報表示制御部462を有し、この待ち情報表示制御部により、記憶装置442に交通情報データ読み取り指令を出力し交通情報データを読み込み、所定の交差点における信号待ち回数、信号待ち時間、対向車待ち時間、右左折待ち時間などの交通情報を表示装置480に表示させる。
また、この制御装置460は、目的地が設定されると、目的地への経路を表示装置480に行わせて経路誘導を行う。なお、上記した演算処理に必要な各種プログラムおよびデータは、外部メモリ470に記憶されている。
表示装置480は、例えば、車両のインストルメントパネル部に設けられ、車両の現在地を含む道路地図を表示するとともに、経路案内時には上記した経路誘導表示を行う。この表示装置480としては、液晶表示装置、CRT表示装置などを用いることができる。なお、道路地図表示は、表示装置480により道路レイヤ、背景レイヤなどの複数のレイヤにより形成されてもよい。
また、表示装置480は、制御装置460の表示制御、特に待ち情報表示制御部462によって、任意の交差点、任意の進行方向に関する右左折待ち時間、右左折待ち時間、信号待ち回数、対向車待ち時間、信号待ち回数変化地点をドライバに表示する。
このように構成されるナビゲーション装置400では、ユーザーが経路誘導を行うために目的地を設定するなどの所定の操作を行うと、制御装置460はダイクストラ法等を用いた経路計算を行って出発地から目的地への経路を設定する。
その設定した経路は制御装置460により表示装置480に表示され、このとき、制御装置460は、表示装置480に、表示される経路に対応した交通情報を、記憶装置442から読み出して表示する。具体的には制御装置460は、交通情報として、表示装置480に、経路に対応した交差点を表示させた場合、交差点を通過するのに必要な信号待ち回数、信号待ち時間、右折時における対向車待ち時間などを表示させる。
次に、本実施の形態に係る交通情報提供システムにおける収集車載装置、交通情報提供装置、ナビゲーション装置について、交通情報を表示する動作を説明する。
収集車載装置200は、車両情報取得部210により収集した情報を、制御部240によって通信部230を介して、交通情報提供装置300に送信する。なお、収集車載装置200は、一台の収集車に搭載されたものとしてもよいが、本実施の形態では、複数の収集車に搭載され、それぞれの収集車載装置200から収集した情報を 交通情報提供装置300に送信している。これにより、交通情報提供装置300は短時間に大量の交通情報データを収集することができる。
交通情報提供装置300では、複数の収集車載装置200から車両の位置、速度等の情報を通信部310で受信して信号サイクル推定部340及び交通情報生成部350に出力する。
信号サイクル推定部340では、車両は信号サイクルに応じた挙動をすることを前提として、受信した多数の車両の位置情報、時刻情報、車速情報を統計処理することによって、交差点における信号サイクル時間を推定する。
ここで、信号サイクル推定部340における信号サイクル時間推定の処理について説明する。
図3及び図4は信号サイクル推定部340において信号サイクル時間を推定する処理を説明する図であり、ここでは、所定の交差点において右折する場合の信号サイクル時間を推定するものとして説明する。図3(a)は、所定の交差点において右折する車両の右折状態を示す概念図、図3(b)は、図3(a)における右折車の速度と時刻の関係を示す図である。
まず、信号サイクル推定部340における信号サイクル時間の推定処理の概念について説明する。
図3に示すように、例えば交差点で右折する右折車は、交差点手前で、先ず、P1地点で停車する。その後、所定時間の経過後、移動してP2地点で停車する。その後所定時間経過後、移動し、再びP3地点で停車した後、右折して交差点を脱出する。
このように交差点を右折する右折車の速度と時刻との関係は、図3(b)のように示される。
交差点を右折する場合、右折する直前の信号待ちの後、対向車を待つための対向車待ち時間が存在するものと考えられる。このため、この図3(b)に示した交差点を抜ける直前の停車時間T1を自車が実際に対向車待ちを行う対向車待ち停車時間と見なし、時刻を遡って存在する停車時間T2,T3,T4を順に、信号待ち時間、対向車待ち時間(交差点P3地点にある自車が並ぶ列の先頭に位置する車両の対向車待ち時間)、信号待ち時間とみなす。
停車時間T4は、入力される車両の位置情報によって交差点で最初に停車した地点P1から開始される停車時間と判別できる。このため、信号サイクル推定部340は、停車時間T4、T3、T2、T1を順に、一回目の信号待ち時間、一回目の対向車待ち時間、2回目の信号待ち時間、対向車待ち時間として推定する。なお、図3(b)には、実際の信号状態が、「信号:赤」、「信号:青、黄」で示されており、この図3(b)に示すように所定のサイクルで発生する車両の停止及び移動で示される挙動は、信号のサイクル時間に対応するものと推定される。
よって、このように所定の交差点で右折する右折車の挙動を示すデータを収集して、図4に示すように統計する。ここでは、多数の車両が所定の交差点で右折する右折する場合の交差点待ち時間(図3(b)に示す停車時間T1〜T4)を収集し統計化する。この統計を、所定の交差点を右折で脱出する際の時間軸において、停車時間T1〜T4の発生確率を示す統計データとして図4(a)に示す。
また、多数の車両が所定の交差点で右折する場合の交差点における対向車待ち時間を収集し統計化する。この統計を、所定の交差点を右折で脱出する際の時間軸において、対向車待ち時間の発生確率との関係を収集した統計データとして図4(b)に示す。
これら図4(a)、(b)のそれぞれで示すピーク値の間隔を信号のサイクル時間と見なし、図4(a)、(b)におけるそれぞれのピーク間隔が大凡双方一致する間隔を信号のサイクル時間として推定する。
信号サイクル推定部340は、所定の場所において、i回目の停車のデフォルト設定機能、i回目停車時刻算出機能、i回目停車時刻算出判定機能、各色の信号サイクル算出機能、各色の信号サイクル更新機能、各色の信号サイクル判定機能を有する。
図5は、信号サイクル推定部340における信号サイクル時間を推定する処理の一例を説明するためのフローチャートである。
図5に示すステップS11では、信号サイクル推定部340は、デフォルト設定として、停車回数i=0を設定してステップS12に移行する。
ステップS12では、信号サイクル推定部340は、停車回数i=i+1を設定し、ステップS13に移行する。
ステップS13では、信号サイクル推定部340は、地図データ、収集車載装置200から入力される車速情報、位置情報及び時刻情報を用いて、所定の場所、ここでは交差点におけるi回目停車終了時刻の算出処理を行い、ステップS14に移行する。
ステップS14では、信号サイクル推定部340は、上記情報を用いて、i回目の停車終了時刻が算出できたか否かを判定し、算出できなれば、まだ停車しているものと見なし処理を終了し、算出できれば、ステップS15に移行する。
ステップS15では、信号サイクル推定部340は、停車回数iが1であるか否かを判定し、i=1でなければステップS16に移行し、i=1であればステップS17に移行する。
ステップS16では、信号サイクル推定部340は、信号が「赤」であるとして信号サイクル(赤)の算出処理を行い、ステップS18に移行する。
ステップS18では、信号サイクル推定部340は、算出した赤の信号サイクルが異常な値であるか否か、つまり、予め設定された赤の信号サイクル基準値に近似しているか否かを判定し、異常であれば処理を終了し、異常でなければステップS19に移行する。
ステップS19では、信号サイクル推定部340は、赤の信号サイクル(図5では信号サイクル(赤)で示す)の値を更新して、ステップS17に移行する。
ステップS17では、信号サイクル推定部340は、地図データ、収集車載装置200から入力される車速情報、位置情報及び時刻情報を用いて、所定の場所(ここでは交差点)におけるi回目の停車開始時刻の算出処理を行い、ステップS20に移行する。
ステップS20では、信号サイクル推定部340は、i回目の停車開始時刻が算出できたか否かを判定し、算出できなければ処理を終了し、算出できればステップS21に移行する。
ステップS21では、信号サイクル推定部340は、信号が「赤」以外の「青、黄」であるとして信号サイクル(青、黄)の算出処理を行い、ステップS22に移行する。
ステップS22では、信号サイクル推定部340は、算出した青、黄の信号サイクルが異常な値であるか否か、つまり、予め設定された青、黄の信号サイクル基準値に近似しているか否かを判定し、異常であれば処理を終了し、異常でなければステップS23に移行する。
ステップS23では、信号サイクル推定部340は、青、黄の信号サイクル(図5では信号サイクル(青、黄)で示す)の値を更新して、ステップS12に移行する。
このように信号サイクル推定部340は、通信部310を介して受信した多数の収集車から車両の位置、速度を用い、交差点における各色の信号サイクル時間を算出して統計処理することによって、信号サイクル時間を示す信号サイクル情報を推定し、交通情報生成部350に出力する。
すなわち、信号サイクル推定部340は、所定の場所(ここでは交差点の右折場所)を走行する多数の収集車から入力される車両の位置情報、車速情報から右折する車両の位置及び速度の変化を統計化し、推定条件に見合う一定のサイクルの有無を推定する。
具体的には、信号サイクル推定部340は、所定箇所において、収集車の停車回数と、停車してから動き出す時間(停車終了時刻)との複数の情報を統計する。そして、信号サイクル推定部340は、交差点脱出するに必要な停車時間(待ち時間)のピーク値の間隔と、交差点脱出直前の停車時間(具体的には、第二停車時間における対向車待ち時間)のピーク値の間隔と比較し、両者の間隔を満たす間隔を信号のサイクル時間として推定する。
これにより、信号サイクル推定部340は、信号待ちのための停車時間、対向車待ちのための停車時間、さらに、信号の1サイクル分の時間を推定する。
このように信号サイクル推定部340は、収集車載装置200からの車両の位置、時刻及び速度(車速)を示す情報のみを用いて、信号の1サイクル時間、つまり、信号状態(赤、青及び黄のそれぞれの継続時間、この継続時間の合計)を推定できる。
よって、交通情報提供装置300は、信号サイクル推定部340によって、従来と異なり、信号の時間情報を提供するための路側機、車々間又は路車間通信のための装置や車載カメラ等を必要とすることなく、コストの低廉化が図られた状態で、信号の状態変化の1サイクル時間を得ることができる。
交通情報生成部350は、これら情報から各交差点の進行方向ごと、日種(曜日、休日か否か)、時間帯ごとに、右左折待ち時間及び、信号待ち回数、信号サイクル時間、対向車待ち時間を統計して統計データを生成し、地図データに対応させて交通情報データベースを生成する。
生成される交通情報データベースは、地図データ記憶部320を記憶する記憶部に記憶してもよいが、保存部360をRAM、ハードディスク等の読み書き可能な記憶装置として保存し、通信部310を介してナビゲーション装置400に送信する構成としてもよい。
本実施の形態では、交通情報データベース362を、DVD−ROM等の記憶媒体に記憶し、ナビゲーション装置400に設けられるDVD−ROMドライブなどの読み取り装置に装着して読み出されることにより表示装置480に表示されるものとしている。なお、外部記憶媒体は、光ディスク(CD−R/W、DVD−RAM等)、着脱自在のハードディスク、半導体メモリカード等を用いた記憶装置等でもよい。
ここで、交通情報提供装置300の交通情報生成部350において所定の場所、ここでは、所定の交差点において信号待ち時間を含む交通情報を生成する処理について具体的に説明する。
図6は、交通情報生成部350で生成される交通情報の待ち時間を算出する際に用いられる車両情報の算出処理を説明するためのフローチャートである。
図6に示すように、交通情報生成部350では、ステップS31において、最後尾停車判定部351が、情報を収集する車両が所定の交差点を脱出する際の最後尾に停車したか否かを判定し、最後尾停車が判定された場合、ステップS32に移行する。
ステップS32では、第一停車時間算出部352が、最後尾の停車から信号が青になるまでの時間を算出し、ステップS33に移行する。
ステップS33では、信号サイクル時間取得部353が、信号サイクル推定部340から信号サイクル推定情報を取得して、収集車載装置200から入力された他の情報に対応する赤、青、黄と変化するサイクル時間を信号サイクル時間として交通情報データベース362に出力するととともに右左折完了判定部354に出力して、ステップS34に移行する。
ステップS34では、右左折完了判定部354が、信号サイクル推定情報、地図データ、車両の位置情報及び車速情報を用いて当該車両が所定の交差点で右左折を行うことにより、交差点から脱出したか否かを判定し、脱出していれば、ステップS35に移行する。
ステップS35では、第二停車時間算出部355は、右左折完了判定部354からの判定結果、信号サイクル推定時間、及びそれぞれ関連付けられた車両の位置情報、車両の速度、信号状態情報、地図データ等を用いて、交差点を脱出したときから逆算して、右左折直前に信号が青になってから右左折するまで、対向車待ち時間を含む第二停車時間を算出する。
このようにして、収集車毎に、第一停車時間、信号サイクル時間、第二停車時間が、車両走行情報(図2では、「車両a、b、i」で示す)として収集情報記憶部363に記憶される。この記憶された情報を用いて、統計データ生成部358は、第一停車時間、信号サイクル時間、第二停車時間のそれぞれの統計データを生成する。
そして、生成した統計データを用いて、交通情報生成部350は、信号待ち時間(第一停車時間+信号サイクル時間×N(サイクル回数)+対向車待ち時間を含む第二停車時間)を算出する。
また、交通情報生成部350では、待ち回数変化位置を算出する際の処理は、まず、第一停車位置算出部356で第一停車位置を算出した後で、第一停車位置を用いて信号待ち回数算出部357で、所定の交差点を脱出するまでの信号待ち回数を算出する。
第一停車位置算出部356及び信号待ち回数算出部357は、算出された第一停車位置と信号待ち回数を、交通情報データベース362の収集情報記憶部363に記憶する。この記憶された第一停車位置と信号待ち回数とを用いて第一停車位置統計情報生成部3584にて統計データとしての信号待ち回数毎の第一停車位置、つまり、待ち回数変化地点が生成される。
図7は、交通情報提供装置300において、生成される交差点の交通情報を説明するための概念図である。
この図で示す交差点の交通情報は、交通情報提供装置300において生成される交通情報は、交通情報生成部350の各判定部351,354、信号サイクル時間取得部(信号サイクル推定時間取得部)353、各算出部352,355〜357及び統計データ生成部358等により生成される。
図7に示すように、先ず、交通情報生成部350では、収集車載装置200から入力される走行車両情報(車両の位置情報、速度情報と、信号サイクル推定部340から入力される信号サイクル推定情報)を収集情報記憶部363から読み込み、読み込んだ収集車載装置200からの情報を、地図データ記憶部320から読み込んだ、収集車載装置200からの情報に対応する所定の交差点の地図データ上に展開する。
この図7に示すように、交通情報生成部350は、車両の位置情報、速度情報及び信号の1サイクル時間を示す信号サイクル推定情報から、所定の交差点における最初の停車位置、信号の待ち回数を算出する。なお、信号サイクル推定時間は、交通情報生成部350では、信号サイクル時間として用いる。
図7に示す交差点では、車両の位置、速度、信号状態情報を 交通情報提供装置300に送信した収集車は、移動距離を示す矢印A、B、Cで示すように、2回の信号待ちを経て交差点を脱出している。なお、図7では、車両Vが交差点Jを右折で通過するものとし、このとき、車両Vが最後尾に停止してから、矢印A分移動して停止し、次いで矢印B分移動して停止した後、矢印C分移動して交差点を右折で通過(脱出)する場合を示している。図4では、矢印A、B、C移動する際に対応して、検出又は算出した信号状態、車両の信号待ち時間、信号待ち時間A、B、信号サイクル時間等を示している。
交通情報提供装置300は、所定の進行方向における信号待ち時間を、初回の停車時間+信号サイクル時間×N(サイクル回数)+対向車待ち時間により算出する。
特に、交通情報生成部350は、右左折待ち時間を、初回の停車時間、すなわち最初に最後尾に停車してから、信号が青になって移動を開始するまでの時間と、信号が青から黄色、赤となり再び青になるまでの1サイクルの信号サイクル時間のn倍(nは右左折中の信号待ち回数)と、対向車待ち時間、すなわち最後に信号が青になってから実際に交差点を脱出するまでの時間とを合計して算出する。
このように、交通情報提供装置は、対向車待ち時間を含む信号待ち時間を交差点において進行方向毎に算出する。また、これら信号待ち時間を、日種、時間帯毎に生成し、この信号待ち時間とともに、信号待ち回数変化地点を算出する。
このように、交通情報生成部350は、車両から得た情報のうち、車両の速度、信号サイクル推定時間の情報を用い、地図データを参照して、前記の初回の停車時間、信号待ち回数n、対向車待ち時間を生成する。なお、これら生成した情報は、収集情報記憶部363に、収集車載装置200が搭載された収集車毎の走行車両情報として格納する。
そして、交通情報生成部350は、収集情報記憶部363に格納された走行車両情報を用いて、第一停車時間、信号サイクル時間、第二停車時間及び第一停車位置を統計して平均化する。
これにより、交通情報生成部350は、地図データ上における各交差点に関する情報として、第一停車時間及び第二停車時間及び信号サイクル時間から交差点を脱出する際の信号待ち時間及び交差点手前の個々の地点において何回の信号待ち回数を必要とするかの情報を生成する。さらに、交通情報生成部350は、信号待ち回数毎の第一停車位置から、交差点手前での信号待ち回数変化地点を算出する。
このように生成された各種の統計データ、つまり、信号待ち時間を含む交通情報は、ナビゲーション装置400の読取装置440において読み取られる記憶媒体441に保存される。
なお、記憶媒体には、統計データとともに統計データにリンクする地図データが保存されている。
ナビゲーション装置400では、読み取り部に装着される記憶媒体に保存された情報は制御装置により読み取られ、表示装置480を介して、任意の交差点、任意の進行方向に関する右左折待ち時間、信号サイクル時間、信号待ち回数、対向車待ち時間、信号待ち回数変化地点をドライバに表示する。
図8は、ナビゲーション装置400の表示装置480に表示される交通情報の一例を示す図である。
図8に示す表示装置480の表示画面700では、制御装置460(図1参照)は、自車両の現在位置に対応する地図データを、読取装置440を介して記憶媒体441から読み出し、読み出した地図データ701に対応する交通情報720を地図(経路案内情報)とともに表示している。表示画面700における交通情報720は、制御装置460における待ち情報表示制御部462により表示制御される。
図8の表示画面700には、3車線の交差点が表示され、表示画面700は、表示している経路案内情報の地図に対応する交通情報(詳細には待ち情報)720として、進行方向ごとの信号待ち回数721、対向車待ち時間725をナビゲーション装置400の利用者であるドライバに表示している。
つまり、制御装置460の待ち情報表示制御部462(図1参照)は、表示画面700に交差点において車線毎に、車線上に信号待ち回数及び信号待ち時間を表示させる。なお、この表示は、通過する予定の交差点に進入する前、つまり、予定の交差点より所定距離前、例えば500m手前から表示されるように制御装置460により制御されている。
図8に示す表示画面700では、信号待ち時間721及び対向車待ち時間725からなる待ち情報720は、表示されている地図を含むナビゲーション画面(経路案内情報)上において、それぞれの車線上に、車線に対応する待ち時間として重畳表示されている。
待ち情報720である信号待ち時間721及び対向車待ち時間725は、表示画面700において、それぞれ対応する車線上に積層した状態で表示されている。待ち情報720としては、それぞれの車線において、一番下の層が1回目の信号待ち時間721a、その上の層が2回目の信号待ち時間721b、その上の層が対向車待ち時間725を示している。ここでは、信号の待ち時間の上に対向車待ち時間が表示されている。
交差点は、片道3車線を有し、進行方向左側の車線は、直進及び左折レーンであり、このレーンを走行して交差点を通過する際にかかる時間として1回目の信号待ち時間20秒が表示されている。
また、進行方向中央の車線は直進レーンであり、このレーンを走行して交差点を通過する際にかかる時間は20秒として表示されている。さらに、進行方向右側の車線は右折レーンであり、この右折レーンを走行して交差点を通過する際にかかる時間は、1回目の信号待ち時間30秒+2回目の信号待ち時間40秒+対向車待ち時間等の20秒として表示されている。
図8に示す交差点では、左折、直進でそれぞれ交差点を通過するのに、一回の信号待ちで20秒かかり、右折で通過する場合、1回目の信号待ち時間721aである30秒と、2回目の信号待ち時間721bと対向車待ち時間725を合わせた計1分30秒かかることを表示している。
図9は、図8の表示画面700において、右折して交差点を通過する際の表示と信号状態との関係を示す図である。
図9に示すように、図8に示す交差点を右折して通過、つまり脱出する際には、交差点において右折車線の最後尾に停車してから信号待ち時間として、90秒後に右折完了し、その間信号が赤に2回変わっている。
なお、これら表示装置480に表示される画面における信号待ち時間、対向車待ち時間は、時間の経過とともにカウントダウンし、その時点において実際に待つ時間を表示する。
このとき、信号の待ち時間も消費されていくため、1回目の信号待ちを終えると、最下層の1回目の信号待ち時間のアイコンが消える。この1回目の信号待ちアイコンが消えた後、1回目の信号待ちアイコンの上部にある2回目の信号待ちアイコンを先の1回目の信号待ち時間アイコンの表示位置に移動するように表示してもよい。なお、この表示制御は、待ち情報表示制御部462によって行われ、待ち情報表示制御部462は、統計データ生成部358にて生成された第一停車時間、第二停車時間及び第一停車位置に対応するアイコンを生成して表示装置480の表示画面に表示するものとする。
図10は、待ち情報表示制御部462による信号待ち回数変化地点の表示方法の一例を示している。図10は、ナビゲーション装置400における操作スイッチ部450の操作を介して、信号待ち回数変化地点表示の選択を行うことにより表示されるように制御されている。
図10に示す表示画面800では、進行方向ごとに、信号待ち時間(待ち情報)720に加えて、信号待ち時間720が表示されるナビゲーション画面領域750に隣接して、交差点までの残距離760とともに、信号待ち回数変化地点770が表示されるサブ表示領域780が配置され、ドライバに提供している。
交差点までの残距離760及び信号待ち回数変化地点770のサブ表示領域780では、自車位置790が、車線にける交差点の中心までの残距離表示760の上に重畳表示され、ナビゲーション装置400を備えた車両の移動に対応して残距離表示上を移動する。これにより、ドライバは、あと何回信号待ちをしなければならないかということを車両の移動毎に知ることができる。
この表示画面800における待ち情報720の信号待ち時間と、信号待ち回数及び残距離は同期しており、信号の待ち時間が減少する度に、信号待ち回数及び残距離も減少する。
図11は、待ち情報表示制御部462による信号待ち回数変化地点の表示方法の一例を示している。図11は、ナビゲーション装置400における操作スイッチ部450の操作を介して、信号待ち回数変化地点表示の選択を行うことによって表示されるように制御されている。
図11に示す表示画面800aでは、図10に示す表示画面800のサブ表示領域780において、信号回数変化地点770の表示に重畳して車線毎の渋滞状況を示す渋滞ライン765が表示されている。この渋滞ライン765の長さは、残距離760で示される交差点までの距離の表示に対応して表示されている。これにより、ドライバは、交差点手前で、渋滞ライン770を見るだけで車線毎の渋滞状況の長さを直感的に容易に確認できる。なお、表示画面800aに示すような渋滞ライン765は、車線毎の渋滞ラインの情報が含まれた交通情報を制御装置460が読み出して待ち情報表示制御部462により表示装置480に表示させる処理を行うことによって表示される。
このときの交通情報には、交通情報生成部350において、入力される収集車載装置200からの情報から生成された車線毎の渋滞ライン情報が含まれる。
このように本実施の形態によれば、交通情報を生成するための車両の軌跡情報(位置、、時刻)及び車速情報を収集車載装置200で収集し、交通情報提供装置300に送信する。これにより、交通情報提供装置300は、統計データに基づく交通情報を生成し、ナビゲーション装置400において活用している。
このため、交通情報提供装置300では、実際にその交差点手前を通過しなくても交差点を通過するための信号待ち回数の算出、進行する方向(脱出道路)以外の待ち時間の算出等を行うことができる。また、進行方向別にレーンが増加する場合でも正確な待ち回数を算出できる。さらに、待ち回数が変わる地点の算出、特に右折時に発生する進路上の歩行者通過を含む対向車通過のための待ち時間の算出ができる。
よって、交通情報提供システム100では、交通情報提供装置300において生成され、ナビゲーション装置400に表示される交通情報によって、ドライバに対して、任意の交差点の任意の進行方向に対して、対向車待ち時間を含む事前に正確な右左折待ち時間、信号待ち回数、信号待ち回数変化地点を提示できる。これにより、渋滞時のよりよい経路選択のサポートし、運転者の運転に余裕を持たせることで安全運転のサポートを行うことができる。
以上、本実施の形態の収集車載装置200は、車両の位置、速度、時刻を検出する車両情報取得部210と、これらの情報を交通情報提供装置300に送信する通信部230とを備えた構成を有する。
また、交通情報提供装置300は、多数の収集車から送信された車両の位置、速度等の情報を受信する通信部310と、これらの情報から所定箇所の信号の1サイクル時間(信号の赤、青、黄の状態変化にかかる1サイクルの時間)を推定する信号サイクル推定部340と、これらの情報から各交差点の進行方向ごと、日種(曜日、休日か否か)、時間帯ごとに、右左折待ち時間及び、信号待ち回数、信号サイクル時間、対向車待ち時間を統計データとして生成する交通情報生成部350と、交通情報を生成する際に参照する地図データを記憶する地図データ記憶部320とを備える。
また、ナビゲーション装置400は、交通情報提供装置300にて生成された各種の統計データをナビゲーション装置400内の記憶装置442に保存しておく手段と、任意の交差点、任意の進行方向に関する右左折待ち時間、右左折待ち時間、信号待ち回数、対向車待ち時間、信号待ち回数変化地点をドライバに表示する表示装置480とを備える。
上記構成により、本実施の形態においては、信号の時間情報を路側機や車載カメラを用いて取得することなく、多数の車両の位置、速度を統計処理することによって、信号待ち回数、対向車待ち時間、信号待ち回数変化地点を生成することができる。
したがって、ドライバに対して、任意の交差点の任意の進行方向に対して、事前に正確な右左折待ち時間、信号待ち回数、信号待ち回数変化地点を提示することで、渋滞時のよりよい経路選択のサポートし、運転者の運転に余裕を持たせることで安全運転のサポートをするにあたり、信号の状態、時間情報を取得するための路側機、車々間、路車間通信のための車載装置、車載カメラ等が不要となり、コストを低減することができる。