JP2008180235A - 圧縮比給気可変高効率エンジン - Google Patents

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Abstract

【課題】エンジンの最大限よりも小さい出力要求において、従来よりも軽量小型の構成でより効率が高い原動機提供する。
【解決手段】可変的な圧縮比と、2つの燃焼室のうち一方に対する可変的な燃料供給とを用いた内燃機関が提供される。圧縮比の変更は、開放位置においてスプリング58で付勢された補助ピストン57により1つの燃焼室53の容積を変更することによって実現される。この変更と希薄燃焼とを組み合わせると、特に乗用車の用途で必要な低トルク出力において効率の高い原動機が得られる。圧縮比と燃料供給との関係はエンジンスピードとともに変化する。燃焼は2つの段階にわたって生じ、その結果、清浄な排気がもたらされる。本発明により、2サイクルエンジンの非常に効率的なスロットリングを実現することができる。
【選択図】図1

Description

本願は「圧縮比給気可変高効率エンジン(High efficiency engine with variable compression ratio and charge)(VCRCエンジン)」の名称でケン・コーワンズ(Ken Cowans)によって2000年11月29日に提出された仮出願第60/253.799号を参照している。
本発明は、容易に製造可能な構成によって効率の向上、出力対重量比の向上、および排出汚染物質の削減がなされるように設計された内燃機関に関する。本発明は自動車で使用されるエンジンに対する適用可能性が最も高い。
本発明の主要目的は、特にエンジンの最大限よりも小さい出力要求において、従来よりも軽量小型の構成でより効率が高い原動機、すなわち燃焼する燃料の熱エネルギーから機械的エネルギーを取り出すための装置を提供することにある。本発明の主要な用途は自動車の動力である。多くの場合、自動車のエンジンは通常毎分1,500ないし3,000回転の中程度の速度においてその最大出力のおよそ10%で運転されるので、この用途における第一の関心は中程度の速度における低エンジントルクでの効率である。
本明細書で使用される工学的な用語は、標準的な機械工学の慣例に従っている。三つの著作が工学に関する参考文献として用いられている。それらは、
非特許文献1(「マークス」として引用)、
非特許文献2(「リカード」として引用)、および、
非特許文献3(「スティーブンソン」として引用)である。
現在の自動車に関する慣例では通常、平均熱効率が約20%の火花点火エンジンが用いられる。すなわち、使用される燃料の熱エネルギーのうち約20%が機械的エネルギーに変換される。もしくは、低出力においてある程度高い効率が得られる圧縮点火エンジン、より一般的な呼称ではディーゼルエンジンが用いられる。乗用車においては、このディーゼルエンジンの付加効率は、一般に使用されるディーゼルエンジンの付加重量によって相殺される。ディーゼルエンジンを使用した通常の乗用車は、火花点火エンジンを使用した同等性能の車よりも決して効率的というわけではない。火花点火エンジンとディーゼルエンジンとの明らかな燃費差の対比は、ディーゼル燃料とガソリンとのエネルギー容量の差によって不明確になってしまう。ディーゼル燃料は所定の体積、リットルまたはガロンに対するエネルギーがガソリンよりも約18%高い。したがって、1リットル当たり17.006km(1ガロン当たり40マイル)のディーゼル車と1リットル当たり13.605km(1ガロン当たり32マイル)の火花エンジン駆動車とを精密に比較すれば、これら2台の車はほぼ正確に同じ量のエネルギーを使用することが分かる。これら2台の車の性能を考慮してさらに正確に比較すると、ディーゼル駆動車は同等の火花エンジン車よりも多くの場合効率が低いことが分かる。この議論は、トヨタとホンダがそれぞれ「プリウス」と「インサイト」に関して火花エンジンを選択したことから支持される。これら2種類の車は、最新の技術を用いて最高の燃費が得られるように設計されている。
上記の議論は、自動車の効率を高める上での問題を説明する糸口となる。原動機の最高効率を増大させても十分ではなく、低出力での効率とエンジンの重量とが同等に、またはそれ以上に重要となる。このシステム効率の増大を達成するためには、エンジン摩擦を減らし、エンジンの出力対重量比を増大させ、エンジンにおける詳細な燃焼過程の効率向上に焦点を合わせることが必要である。今日の環境においては、エンジンが環境を汚染しないようにすることも必要である。エンジンが本来的に清浄でない場合、今日必要とされている程度まで排気汚染物質を除去するために加えられた付属装置によって効率が直接的に低下しやすくなり、これら付属装置のために加わった重量により車の燃費が損なわれる。
今日までの諸提案は、この問題の複雑性を包括的に扱うことがほとんどできていない。内燃機関の効率を扱ういかなる対策も基本的な燃焼過程そのものを考慮する必要がある。超低出力で高い効率を得るためには、希薄燃焼の問題に対処する対策でなければならない。炭化水素燃料は、化学量論比でおよそ50〜60%以下の燃料空気比では自動車サイズのエンジンで使用するのに十分なほど急速には燃焼しない。最大出力の10%で超高効率の燃焼を実現するには、エンジンが毎分およそ2,000回転で30〜35度回転する時間内またはおよそ3ミリ秒以内に燃料と空気とを化学量論比でおよそ15〜20%の燃料空気比で効率的に組み合わせる必要がある。バルク混合気に対し何が行なわれようとも、運転可能なシステムにおいてこのことは実行可能になっていない。
ディーゼルエンジンは、燃料を精密に区分し高温空気環境中に噴射することによってこの問題を回避している。その結果としての燃焼は、ほぼ正確な化学量的燃料空気比によって各液滴の周囲で生じる。したがって、名目上は低燃料空気比による燃料と空気のバルク混合物である混合気は、実際にほぼ化学量論比による燃料と空気のミクロ領域の混合物となる。このアプローチに固有の不利益には、自動車サイズのエンジンに必要なおよそ20対1の圧縮比を用いることに伴う大きな摩擦という不利益と前記の付加重量とが含まれる。これは、前記の対策が機械的摩擦の問題にしっかりと対処するものでなければならないことを示している。
摩擦および、部分負荷効率に対するその影響は、現在提案されている自動車の原動機に関する対策ではほとんど無視されている。摩擦の影響は非常に複雑な要因である。現代の一般的な量産自動車エンジンは、精巧な弁および吸気系を用いて、ジャーナルベアリングがより高い圧力負荷に耐えられる中程度以上の速度においてのみ最大軸受荷重が発生するようにすることにより摩擦に対処している。これにより、これら同じジャーナルベアリングの設計を小型化することができ、それらベアリングがもたらす摩擦が小さくなってエンジンの性能が低下する。
摩擦の影響は、圧縮比と併せて考慮した場合に特に複雑である。内燃機関における圧縮比が高くなると、必ず付随的に熱効率が高まることになる。これには残念ながら摩擦の増大が付随することになるが、その理由は、圧縮比が高くなるほど付随して大きくなる荷重を支持するために必要となる大型のベアリングからの付加的な摩擦が付加的な圧縮比には必ず伴うからである。摩擦荷重は、自動車エンジンの標準的な機関能率である中速で低出力を出している際のエンジンにとってとりわけ影響がある。
従来のエンジンよりも所定の出力に対して非常に軽量小型のエンジンを実現することが大いに望ましい。路上走行自動車によって消費される燃料がその自動車の重量にほぼ比例することはよく知られている。効率の向上とエンジン重量の削減を組み合わせれば、車両システムの燃料効率が大きく向上する。これは、自動車技術におけるいわゆる重量伝搬の効果が考慮される場合に特に当てはまる。この用語は、車両システムの任意の構成要素の重量を変化させる効果を記述するものである。この構成要素は車両システムによって運搬されなければならず、かつこの構成要素の質量はこの車両のブレーキにより停止させなければならないので、この車両の構成要素のいずれかの重量を変化させることの必然的な効果は、さらに当初の重量変化の約70%の車両重量変化を伴う。したがって、エンジン重量の45.4kg(100ポンド)の減少は、重量伝搬の効果により合計で約77.1kg(170ポンド)の重量減少をもたらすことになる。
[内燃機関による汚染物質]
今日の環境において必要とされる本発明のもう1つの目的は、本来的に清浄な方式で燃料を燃焼させる原動機であって、その燃焼過程において内燃機関に関係する汚染物質が本来的にほとんど発生しない原動機を製作することである。そのようなエンジンでは、公共用途に供されるエンジンに対してますます厳しくなる要求を満たすために一緒に使用される触媒コンバータなどのより少ないかまたはより小さい浄化機構を必要とする。
内燃機関による汚染物質には大きく分けて2つの種類がある。すなわち、窒素酸化物と未燃または部分的に未燃の炭化水素(エンジンにおける一酸化炭素の発生は炭化水素燃料における炭素の部分的燃焼の結果であると考えることができる。)である。ディーゼルエンジン、すなわち圧縮点火エンジンは、圧縮点火エンジンにおける燃焼の特徴によって炭素および他の物質の微粒子、すなわち微細な小片を発生させる。一般的な火花点火エンジンで燃焼するような燃料および空気の均一な混合気を用いるよく設計されたエンジンでは、有意な量の微粒子を発生させる傾向はほとんどない。
窒素酸化物は、燃料と空気の混合気において発生するような非常に高い温度(およそ2,500℃以上)まで酸素と窒素とを一緒に加熱すると生成される。窒素酸化物の生成は、燃料と空気の混合気が化学量論比に近い場合に増大する。また窒素酸化物の生成は、燃料または空気のいずれかの量が過剰な混合気の燃焼において低減し、その混合気を再循環排気生成物(EGR)などの不活性ガスとともに燃焼させることによってさらに低減する。スティーブンソンは、非特許文献4からのデータを示している。ここでは、少量のEGRが存在し燃料または空気が化学量論比に対して40%過剰な雰囲気において燃料を燃焼させたところエンジンが極めて少量の窒素酸化物しか発生させなかったことが示された。これらのデータは図9にグラフとして示されている。
エンジンにおける燃料の完全燃焼は、少量の未燃炭化水素または一酸化炭素が前記の過程から生じる結果をもたらすものであるが、高温で化学量論比に対して空気を過剰にして燃焼させ、その後、触媒コンバータ内で酸化処理を行なうことによって最も完全に実現される。しかし、そのような希薄混合気の完全燃焼を実現することは容易ではない。均一に混合された希薄混合気はその燃焼があまりに緩慢すぎて、均一に混合されたバルク混合気内で燃焼が開始される場合に、毎分1,000ないし6,000回転の速度で使用されるように設計されたエンジンにおいては有用でない。
[内燃機関における効率]
内燃機関の効率は複雑な関係によって決定される。最適な効率を得るためには、多くの個別要因のバランスをとることが必要である。これらの要因はそれぞれその他の要因の効果を何らかの形で打ち消す傾向がある。設計において考慮が必要な主なパラメータは以下の通りである。
a 基礎的な熱効率
b エンジン運転時に発生する内部部品間の摩擦
c 混合気内の化学相互作用による非線形性
d 空気のエンジン流入時および排気生成物のエンジンからの排出時に発生する圧力降下
1.基礎的な熱効率
原動機の効率は、燃料燃焼から得られる熱エネルギーが有効な機械的エネルギーに変換される割合である。図示熱効率(indicated thermal efficiency)とは、エンジン内での摩擦やエンジンの運転に必要な補助機構を動作させるために使用されるエネルギーなどの要因によりエネルギーの一部分がエンジン外部で利用不可能だとしても、エンジン内で機械的エネルギーに変換される、燃料から得られるエネルギーの割合を記述するため用いられる用語である。ブレーキ熱効率とは、使用可能なエネルギーとしてエンジン外部で利用可能な燃料の熱エネルギーの割合によってエンジンの効率を記述するため用いられる用語である。エンジンプロセスから得られる基礎的な機械的エネルギーの一部分は、機械的エネルギーがエンジン外部に伝達される前に、摩擦によって熱に変換される。したがって、図示熱効率とブレーキ熱効率との差は、エンジン内を流れるガスが遭遇する圧力降下においてエンジンの内部摩擦に抗してエンジン部品を動かす際に使い果たされる熱エネルギーの割合と、エンジンの運転に不可欠なエンジン内の付属機構を駆動するために必要なエネルギーである。この最後の部類には燃料ポンプ、ウォータポンプおよび弁装置が含まれる。
2.エンジン部品の作動時に発生する内部部品の摩擦
上記のように、摩擦はエンジンの正味熱効率を低下させる。内燃機関における機械的摩擦は主としてクランクシャフトを支持する軸受、シリンダ壁に対するピストンの摩擦、およびバルブ機構における摩擦から生じる。軸受およびピストンの摩擦はエンジン内の荷重に左右される。この荷重はエンジンの細部の設計によって変化することになるが、常にエンジンの圧縮比の関数である。圧縮比が高くなると軸受およびピストンの荷重は大きくなる。マークスの第8節には、軸受の寸法とそれらの相対的な機械損失荷重とがそれら軸受にかかる荷重または力に比例することが示されている。またこのデータは、ジャーナルベアリングがベアリングシャフトの回転速度に比例した荷重を支持可能であることを示している。
大きな圧縮比を用いると、エンジンの図示熱効率が増大することになろう。しかし、内燃機関の圧縮比を増大させると、理論上の存在としてのエンジンとは対照的に、実際のエンジンでは摩擦の増大が必ず生じる。その結果、火花点火エンジンを自動車輸送に用いた場合には約8対1を上回る圧縮比において平均運転効率が低下する。これは内燃機関に関する基本的なテキストの一つであるリカードにおいて明確に示されている。この結論をもたらす関係は、特に旅客道路輸送のためのエンジン、一般的には事実上すべての原動機が、エンジンから得られる最大出力よりはるかに小さい出力で使用されることが多いという事実に見出される。したがって、圧縮比が10対1の出力全開において高い効率が得られるエンジンは、圧縮比が8対1の適切に設計されたエンジンと比べて、双方のエンジンを最大トルクの30%で運転した場合に乗用車用途全般において効率が低いであろう。このトルクレベルは旅客輸送のニーズにおいては一般的であり、また原動機の多くの用途をほぼ代表するものである。最適な圧縮比を採用したエンジンの効率が高い理由は、エンジンが耐えるエンジン内側の最大圧力に耐えられるようにエンジンの軸受および他の荷重支持部材を十分に大きく設計しなければならないからである。この結果、高い圧縮比を採用したエンジンでは摩擦損失が大きくなる。これら大きな摩擦損失は、最大トルク需要における高い図示熱効率により相殺されて余りあるが、エンジンの総体的な用途を分析すると、圧縮比がおよそ8対1のエンジンの平均効率は圧縮比が10対1のエンジンの平均効率よりも高くなるであろう。最大トルクのおよそ30%の一般的なトルクを出すエンジンが使用されるということは、この運転の間の効率のほうが、エンジンを最大トルクで使用する際にもたらされるエンジンの効率よりも平均効率にとって重要だということである。
3.混合気内の化学相互作用による非線形性
高い圧縮比は何らかの化学的損失をも招く。高い圧縮比の採用によって生じる効率の増大が得られるのは、圧縮比を大きくするにつれて高温となる燃料から熱が取り出されるからである。ヒートエンジンは、エンジンに熱が加えられる温度をエンジンから熱が排出される温度に対して引き上げるほど効率が高くなる。これは基本的なカルノー(Carnot)の教示によるものである。約2000℃を上回る温度においては、燃焼する有機燃料の基本的な生成物である二酸化炭素と水蒸気という燃料−空気生成物において解離と非線形比熱という2つの効果が生じる。これら2つの事象の効果は、エンジン内でエネルギーを発生させることができる熱の有効な量を低減することにある。したがって、エンジンがますます高い圧縮比を用いるように設計されるにつれて、理論上の効率からのずれが拡大し、前記の摩擦効果のため、また高い圧縮比から得られる付加的な効率のある部分を解離および可変的な比熱の効果が打ち消すという事実により、実際の効率が低下するようになっている。化学的損失は、エンジン内で空気の量が過剰な希薄混合気を使用することにより打ち消される。
4.空気のエンジン流入時および排気生成物のエンジンからの排出時に発生する圧力降下
ガスがコンジット状の管などを通過する際には、そのガスにおける圧力勾配は、コンジットを通過するガスの速度を維持するものであることが必要である。同じ論述はコンジットへのポート、すなわち入口またはそのような流路からの出口を通過するガスにも当てはまる。圧力、したがってエネルギーの損失は、ガスが有意の速度で輸送されるところではどこでも見られる。このエネルギーはエンジンによって与えられなければならないので効率の損失が生じる。摩擦に関する節で上記したように、これらの圧力降下は機械的摩擦の一形態と考えることができる。
アヴァロン(Avallone)およびバウマイスター(Baumeister)編「機械技術者のためのマークス標準ハンドブック第10版」、マグローヒル、1996年 リカード、ハリー・R(Ricardo,Harry R.)「高速内燃機関(第4版)」、ブラッキー・アンド・サン社(Blackie & Son, Ltd.)、1967年 スティーブンソン、R・ロアダ(Stephenson, R. Rhoada)「我々は新しいエンジンを手にすべきか?(Should We Have a New Engine?)」、ジェット推進研究所(Jet Propulsion Laboratory)、カリフォルニア技術研究所(California Institute of Technology)、1975年 ブルムバーグ(Blumberg,P.)およびクマー(Kummer,J.T.)「火花点火エンジンにおけるNO形成の予測―制御方法の分析("Predictions of NO Formation in Spark-Ignited Engines-An Analysis of Methods of Control")」、「燃焼の科学と技術」(Combustion Science and Technology)、第4巻、73−95頁
[内燃機関における高効率のための設計アプローチ]
上記パラメータのバランスをとることは単純な課題ではない。最適なエンジンは摩擦が無視できるほどわずかであり、圧縮比が高く、すべての移動流路においてガス速度が低いものであり、事実上常時希薄混合気内で燃料を燃焼させるものになるであろう。前記VCRCエンジンは、この理想に近いエンジンを得るために独自のアプローチを採用している。
VCRCの概念は、効率が最も高い原動機を作製するにあたって内燃原動機における損失を最適化および最小化する独自の方法に基づいている。この概念の詳細を実施して得られる内燃機関では、その燃焼により未燃炭化水素、一酸化炭素または窒素酸化物の汚染物質は本質的にほとんど生成されない。
[システムおよびサブシステム]
本発明によるエンジンは、エンジンに要求されるトルクがエンジンのスロットリングレンジ内で低下するにつれて圧縮比を大きくすることによって上記目的を達成する。圧縮比が高くなると同時に、エンジンは分離給気燃焼の方法を用いて、エンジン内に吸入される燃料のより希薄な燃焼を行なわせる。高い圧縮比と希薄燃焼とが組み合わさると、エンジンに要求されるトルクが最大より小さい状況においてエンジンの効率が向上する。原動機の実際上すべての用途は動作の大半をこれらの低トルク値において行なうので、この独創的な方法を用いたシステムの総合効率も同等に向上する。
この方法は多くの特徴を備えているが、本明細書では圧縮比給気可変(VCRC)として特徴づけられている。VCRCエンジンによって特に、2サイクルエンジンの効率的なスロットリングが実現可能になる。この効率は、2サイクルエンジンに適用可能な本発明のサブシステムによってさらに向上する。エンジン駆動ブロワと排気駆動ターボチャージャとの独特な配置によって、VCRCの2サイクルにおける効率のさらなる向上を実現することが可能である。
VCRCエンジンは、2つの過程で燃焼を行なう方法によって窒素酸化物および未燃炭化水素の双方の削減を達成するものである。まず、いくらかのEGRを含む均一に混合された多燃料環境において燃料が燃焼する。この燃焼モードにより、窒素酸化物の生成が最小限に抑えられる。この初期の燃焼の直後、燃料を完全燃焼させるのに必要な量と比較して空気の量が過剰な環境における燃焼過程が完了する。
このようにVCRCの内燃機関では、圧縮比と各発火サイクルの間に燃焼する燃料(「給気」)の量とは、エンジンに要求されるトルクに応じて同時に変化する。トルク需要の低下には、エンジンの圧縮比の増大と燃料流量の低下が伴う。圧縮比と供給される燃料との関係は、エンジンの燃焼過程におけるピーク圧力が所定の速度においてすべてのトルク需要に関してほぼ一定レベルに保たれるように変化する。また、圧縮比と燃料空気比という2つのパラメータの関係は、エンジンの速度が変化する際にエンジン速度の上昇とともに燃焼ピーク圧力を増大させるように変化する。
本発明によるエンジンは、基本的なエンジンの高効率での動作と現在一般に使用されているエンジンよりも小型軽量な設計とが可能になるようなサブシステムを含むものである。
このエンジンは、通路によって連結された2つのチャンバ内に燃焼容積を有するようエンジンを構成することにより、圧縮比と混合比とを同時に変化させる。これらチャンバのうち一方の容積は、独立したピストンサブシステムの機構により変化する。この可変容積チャンバが均一に混合された混合気で満たされた後、この可変容積チャンバ内で燃焼が開始される。この初期燃焼がもたらす圧力および温度の上昇により、混合気が可変容積外に押し出され、残りのエンジン容積と混和し、その容積内で燃焼が完了する。
可変容積燃焼室は、信頼性が高くかつ容易に制御可能なように構成されたピストン機構によって変化する。ある好適な実施形態では、エンジンサイクルごとに往復運動によって振動するように設計されたピストンとともに、油圧スナッバが用いられる。このような設計によって、ピストンは動作の間シリンダ内で確実に潤滑が保たれる。油圧スナッバにより、ピストンの運動が高精度かつ容易に制御される。
VCRCエンジンの燃焼方法には他の利点もある。燃料過多の環境における燃料および空気の大半の初期燃焼と、その後の高温少燃料混合気内での燃焼の完了との2つの過程に燃焼を分けることにより、デトネーションの問題はほぼ完全に解決する。デトネーション、すなわち口語的にノックと呼ばれるものは、バルク混合気の最後の5%以下による爆発である。混合気の初期燃焼がもたらす圧力の増大があまりに急激な場合、孤立した混合気を圧縮する圧力波が生じ、またこの孤立した混合気の付随的な温度上昇により爆発状態が生じ、その際、この混合気が自然に燃焼する結果、圧力および騒音の爆発的な増大が生じる。VCRCエンジンでは、「末端ガス(end gas)」(内燃機関工学におけるこの孤立した混合気の呼称)は空気だけからなっている。したがって、使用される燃料に関するオクタン価必要条件の概念は、本質的に取るに足りないほどエンジンの限界から程遠いものになる。VCRCエンジンの燃料は、低オクタン価の燃料油とオクタン価がより高いガソリンとの混合物であれば、ほぼ任意のものとすることができる。同様に、圧縮点火エンジンにおける円滑な燃焼に必要な高セタン価の必要性も重要ではない。
VCRCエンジンは本明細書では2サイクルエンジンとして例示される。本発明は2サイクルの構成に最も適しているが、それに限定されない。同じ原理にもとづく4サイクルによる構成も容易に実現が可能である。単独で2サイクルエンジンに適応可能ないくつかのサブシステムも本発明の一部分である。これらには、空気の輸送に関係する損失を最小化するように空気をエンジンに供給する独特な方法が含まれる。
VCRCの概念には、内燃機関で現在商業的に実現可能な効率よりも高い効率で、燃焼する混合気からエネルギーをとり出す独特な燃焼方法も含まれる。この燃焼方法は、現行のエンジン設計よりも生成される汚染物質を少なくしながら空気と燃料を化学的に組み合わせるという利点を有している。このVCRCの方法は、エンジン内の空気と混合気とを2つの区分された容積内に分離するものである。燃料の実質的にすべてと燃料過多の均一な混合気内での燃焼を維持するために用いられるだけの空気とを含む空気の一部分内で燃焼が開始される。VCRCエンジンは、同様に過度に希薄な均一混合気を供給するように設計することもできる。化学量論比と呼ばれる燃料と空気の間の完全なバランスは、この比率では窒素酸化物が過剰に生成されることから回避される。この燃焼プロセスは、初期燃焼した空気および燃料を残余の空気と組み合わせることによって完了する。この残余の空気は、燃焼室内のすべての燃料を酸化するのに十分な量を超えて燃焼室内に存在している。
この燃焼方法を上記可変容積とともに用いると、機械的摩擦が小さいエンジンアセンブリ内で高い圧縮比において希薄な混合気を燃焼させることができる。これにより、内部エンジン効率が以前可能と考えられていたよりも高くなる。
[層状給気対分離給気]
層状給気は、火花点火エンジンで希薄燃焼を得るための方法として長く用いられている。さまざまな類型が存在するが、そのほとんどが1つの一般的な実施態様を共通に有している。主燃焼室から分離された小容積に、燃料を多く含む燃料と空気の給気が供給される。この給気は火花により着火し、そこからの炎が、燃焼室の残余部内のはるかに希薄な給気を発火させる。このようにして、化学量論比のおよそ50〜60%の希薄な給気を発火させることが可能である。小さな分離された容積内でのみ生じる燃焼は多くの場合、最大値の約10%の非常に低いトルク値を支えるために利用される。およそ10%ないしおよそ40%の間では、通常の層状給気機関は不安定で、他の機構によりその機関のスロットルを適切に絞ることが必要である。また,層状給気による設計には効率に関するいくつかの問題もある。層状給気の方法の希薄限界付近では、主燃焼容積内の給気に運転のため十分急速に着火させるという困難が存在する。緩慢燃焼は給気の熱エネルギーのいくらかの損失を招くとともに、不完全燃焼をも引き起こす。
VCRCエンジンは、「分離給気(separated charge)」として最も適切に呼称できるものを用いている。燃焼させるべき燃料の全量が、燃焼プロセスによって還元される(reduced)べき空気のおよそ60%以下とともに、分離された可変容積内に導入される。このようにすると、層状給気燃焼の困難が生じない。燃料の大半は燃焼の初期段階において急速に燃焼する。その後、未燃焼の燃料と非常に高温の排気生成物との混合物が残余の空気と混合される際、その全量が十分な高温になっているので、燃焼プロセスを急速に完了させることができる。
「分離給気」として呼称可能なシステムは、圧縮点火(ディーゼル)エンジンに採用されている。リカードはこの変型のいくつかを示している。「予燃焼室の設計」および「コメット・マークIII(Comet Mark III)」はそれぞれ、「分離給気」として特徴づけが可能な燃焼方法を利用するものと見なすことができる。これらのエンジンの構成では、主シリンダ容積から短いガス流路によって分離された容積内に燃料が噴射される。この容積内では、噴射された燃料を従来の圧縮点火エンジンによる噴霧燃焼と見なせる方式で燃焼させることにより、エンジンが使用する空気全体の約50%が還元される。その後、燃料と燃焼生成物との高温の混合物がシリンダ容積の残りの中の残余の空気と組み合わされる。このプロセスにより、フルスロットルにおいて(コメット・マークIII内で)空気の90%までを燃焼させることができるが、これは、燃焼プロセスの初期段階において全燃料といくらかの空気とを多燃料の燃焼混合物内で混合する限り、このプロセスを用いてどのレベルの希薄度においても燃料を燃焼させられることを示している。
本発明は、添付の明細書を図面とともに参照することにより、より良く理解できる。
[エンジンの構造]
本発明によるエンジンの構造は、図1を参照することにより最もよく理解することができる。2サイクルエンジン51は容積が可変的な燃焼室52を備えている。エンジン内のガスはガス流路54を通って燃焼室52とシリンダ容積53との間を自由に往来することができる。点火プラグ55はガス流路54に配置されている。インジェクションノズル56はガス流路54においてエンジン内に燃料を噴射するように配置されている。インジェクションノズル56はおおむねシリンダ容積53に最も近いガス流路54の端部に向けて配置されており、点火プラグ55はおおむね可変的容積52に最も近い流路54の他端部に配置されている。燃焼室52の容積は補助ピストン57の移動に伴って変化させることができる。補助ピストン57は、スプリング58のはたらきによって他の力なしに可変的な燃焼室52の容積を最小化するように移動する。2サイクルエンジン51には、従来のエンジンの様式で連接棒60を介してクランクシャフト61に連結されたパワーピストン59が組み込まれている。クランクシャフトは図1の矢印62で示すように回転する。
図1およびその他の図面に示されているエンジンの種類は、ループ掃気式2サイクルエンジンとして特徴付けられる。他の種類の2サイクルエンジンもまったく同様に本発明を利用する基礎として機能するであろう。前記のように、代わりに4サイクルエンジンの設計を用いることもできる。
吸気ポート109はこのVCRCエンジンにおける空気の供給源に接続されている。排気ポート110はエンジンから排気生成物を排出するように接続されている。排気ポートはマルチシリンダエンジンでは排気マニホルドに接続され、そこから触媒コンバータ、ターボチャージャのタービンなどに接続されることになる。吸気ポートおよび排気ポートは双方ともシリンダ111内のパワーピストン59の移動によって開閉される。
図1とともに図4を参照すると、油圧スナッバ64が補助ピストン57の運動を制限している。油圧スナッバ64は油圧調整シリンダ66内に取り付けられた油圧ピストン65により構成され、この油圧調整シリンダは固定された油圧ピストン67に摺動自在に取り付けられている。油圧シリンダ66は、調整レバー68に作用するエンジンの制御装置によって与えられる力により適切な位置に移動する。このスナッバの機能は当業者により了解されるような多くの機構によって実現可能であるが、図示のような油圧式機構が信頼性が高く実施が簡便であるという利点を有している。1回のエンジンサイクルの動作の間に、補助ピストン57は容積52がほとんどゼロであるその行程の一端から油圧スナッバ64の配置によって制限されるその行程の他端まで移動する。この周期的な運動によって、補助ピストン57と補助ピストンを囲むシリンダ壁との間の接触面は動作の間、潤滑され続ける。もし補助ピストン57が数サイクルにわたって静止したままになってしまうと、シリンダ117の表面が潤滑油膜を失って、それによりピストン57が部分的または全面的に固着して動かなくなるか動作が不安定になる可能性がある。
[システムの制御]
図2は前記圧縮比給気可変(Variable Compression Ratio and Charge)すなわちVCRCエンジンの制御リンクシステムによるさまざまなパラメータ制御の基本概念を示している。この図面は、圧縮比、燃料供給およびエンジンスピードという3つの機能がこのVCRC制御システムにおいて連関している様子を概略的に表している。スロットル制御ホイール77がエンジンの運転者によって反時計方向に回され、それによってトルクが増大する。この回転によってスロットル制御リンク機構78が操作され、圧縮比制御ホイール79が回転し、図4に示すような機構の動作を通じてエンジンの圧縮比が調整される。制御ホイール79がスロットル制御ホイール77およびスロットルリンク機構78の作用を受けて反時計方向に回転すると、エンジンの圧縮比は低下する。制御ホイール79は圧縮比リンクロッド80、補助リンクロッド81、速度調節リンクロッド82および燃料供給リンクロッド83を介して燃料供給制御ホイール84に連結されている。制御ホイール84が反時計方向に回転すると、各サイクルにおいてより多くの燃料がエンジンに供給される。このトルク制御システムの最大行程はスロットルストップ92によって制限される。圧縮比および燃料供給を制御するための具体的な機構は図2に示されていない。エンジン設計の当業者は前記の相互に関連した機能を実施するためのさまざまな機構を用いることができる。本発明における圧縮比制御の特別な方法はこれまで論じたように本発明に独特のものである。
速度調節スライダ85は、ジャーナルベアリングの耐荷重能力に対する速度の好影響を補正するために用いられる。スライダ85が図2において右へ移動すると、その効果として圧縮比制御ホイール79と燃料供給制御ホイール84との間の接続が長くなり、その結果、所定の値の圧縮比に対してより多くの燃料がシリンダに供給されるか、または別の見方をすれば、圧縮比がより高いという事実により速度が増大するにつれて所定の量の供給燃料に対するトルクがより高くなるであろう。トルクの必要量が一定に保持されている場合、速度が増大するにつれて各回転に対し供給される燃料が若干少なくなり、低速での同じトルクに対する設定と比較して圧縮比が増大することになる。
このシステムの概念による速度の補正は、摩擦の影響を幾分か打ち消すものである。前記のように潤滑油の粘度およびエンジンに出入りするガス速度の影響により速度が上がると摩擦が増大する。摩擦の影響による非効率性の増大は、圧縮比の高まりとより希薄な燃焼によってもたらされる付加的な熱効率のために部分的に相殺される。シャフトの回転速度が上がるにつれてジャーナルベアリングの荷重能力が高まるので、より高い圧縮比はエンジンの軸受によってより良好に支持することが可能である。
[エンジンの運転]
再び図1および図4を参照する。アイドリング時のVCRCエンジンは燃焼空間としてガス流路54のみを使用する。VCRCの運転におけるこの状態では、制御ロッド68の操作によってスライド65が移動し、その結果、補助ピストン57は燃焼室52を塞ぐ位置から名目上は移動することができなくなる。この位置において補助ピストン57は燃焼室52の空間を閉鎖し、それによって燃焼室の容積は名目上ゼロになる。アイドリングの間エンジンは、エンジンの付属装置および空調機やパワーステアリングポンプなど他の装置を動作させるために少量のトルクを必要とする。必要なエネルギーを支えるのに要する量の燃料は、細かく時間調節された方式によりインジェクタノズル56を介して供給される。燃料の流れの開始および停止の時間を調整することにより、圧縮行程の間空気流路54には燃料の多い空気と燃料のない空気との間に一時的な境界が存在する。燃料の多い空間は一端では補助ピストン57によって、他端では空気流路54内のある位置において境界が形成されることになる。点火プラグ55は空気流路54の補助ピストン57に近い端部に配置されており、点火プラグの発火と同時に混合気が燃焼するようになっている。アイドリングの間、スロットル制御は燃料噴射のタイミングで行なわれるだけであり、アイドリング状態の間の圧縮比はおおむね一定である。補助ピストン57はアイドリングの間、名目上は不動であるが、エンジンの作用容積内のガス圧に抗して補助ピストン57を保持するアセンブリにおけるすべての部品のコンプライアンスによって、ピストン57はピストン57とシリンダ117との間の表面の潤滑を保つ小さな振動運動を行なうことが可能になる。
アイドリングの間可変的な容積52を実質的にゼロに保つ利点は、燃焼する燃料からの熱伝達と関係している。輸送業務におけるエンジンの動作は通常25%以上である。このトルクの必要条件においては、可動ピストン57はその行程の端において壁部から離れており、容積可変の燃焼室内での燃焼は実質上抑えられないであろう。内包されたガス空間から失われる熱の割合は壁部間の間隔と強い相関関係にあるので、(アイドリング時の要件に代表される)最大の10ないし15%のトルク要件においては、ピストンヘッドと壁部とが相互に近接しすぎて、燃焼室内での炎燃焼ではその熱の多くの部分が壁部により失われることになる。この損失は一般に、周囲の壁部間のすきまの2乗または3乗の逆数に比例する。したがって、このVCRCエンジンの設計は、移動流路54内でのみ燃焼が起こるアイドリングの範囲内のトルク値を考慮に入れている。
エンジンが運転される間、エンジンの作用容積63内で圧力が発生するが、この作用容積はシリンダ容積53、可変的燃焼室52の容積、およびガス流路54内の容積の合計を含むものである。発生した圧力は補助ピストン57を動かすことができ、それによって可変的燃焼容積52の容積を増大させる。油圧式や電気式の機構などさまざまな種類のアクチュエータにより補助ピストン57を動かすことも可能である。
このエンジンシステムのスロットル制御装置にはレバー68が連結されている。レバー68は燃料噴射システムにも連結されている。スロットル、レバー68および燃料噴射システムの各要素間の連結は図1には示されていない。圧縮比制御装置、燃料供給制御装置および速度相互作用制御装置を連結する、ある実現可能な機構の概略図が図13に示されている。スロットル、圧縮比、速度および燃料供給の制御の関係は図2において説明されている。トルク必要量の増大に向かう制御装置の移動には、燃料流量増大とともに圧縮比低下のための制御が伴う。これら3つの命令の同時性およびそれらが内部で連関している構成により、輸送用途に用いられる大きさの原動機においてこれまで実現されたよりも機械的仕事への熱エネルギー変換効率が高くなる可能性を備える独創的概念を利用したエンジンが提供される。この方式の制御機構は、多くの方式による従来の装置を用いて実施するように変形することができる。
エンジンの作用容積内の圧力が燃焼室52を拡大するように補助ピストン57をエンジンから外向きに押しやる際に、前記スロットル機構は油圧シリンダ66を摺動させることによって補助ピストン57の多少の移動を許容するようになっている。このように、この機構を用いてエンジンが回転している間にエンジンの圧縮比は変化する。エンジンの圧縮比が変化するのと同時に、スロットルから燃料噴射システムへの連結部が動作して噴射される燃料の量を変化させる。その関係は以下の通りである。圧縮比が高くなると点火ごとに供給される燃料が少なくなり、その逆もまた同様である。このようにして所定の速度に対してエンジンサイクルにおけるピーク圧力がほぼ一定に保たれる。
2サイクルエンジンの動作は以下4つの反復する過程に分解することができる。
a. 掃気(図1参照)
b. 圧縮(図5参照)
c. 燃焼(図6参照)
d. 膨張(図7参照)
図1は掃気過程のVCRCエンジンを示している。この過程の間、排気ポートおよび吸気ポートは両方とも開かれている。VCRCエンジンでは、燃料を含まない空気が全体的に矢印108の方向で吸気ポートに入って排気ポートから出続けることによりエンジンを通過させられる。この空気はまずエンジンから排気生成物を追い出し、さらにシリンダ容積53、ガス流路54および可変容積52を含むエンジンの作用容積63内に新鮮な空気を導入する。掃気は完全ではなく、掃気段階が終了する時点で作用容積63内にはまだ一定量の排気生成物が残っている。図示のエンジンは一般にループ掃気式エンジンとして特徴付けられる。エンジンを通過する気流はシリンダ容積53を横切る際に図1の矢印108で示すように弧を描いた経路をたどる。2サイクルエンジンに関する他の方式のポーティングも同様に採用することができるが、ループ掃気式がもっとも一般的なので、ここでの議論はこの方式のエンジンに焦点を絞るものとする。掃気過程の大半において補助ピストン57は燃焼室52の容積を最小にするような位置にある。排気ポートは雰囲気に通じていてシリンダ容積53における圧力の不足は最低位にあるので、スプリング58が補助ピストンをこの位置まで押し出す。
掃気過程はクランクシャフトの動作において通常約120°継続する。この過程は、通常はパワーピストン59がその下死点(BDC)の位置に来る約60°以前、言い換えれば、パワーピストン59がその行程において上下に移動する際にパワーピストン59がクランクシャフト61に最も近い位置であるクランクシャフト位置に来る60°以前に、パワーピストン59が吸気ポート109を開放する時に開始される。掃気過程はBDCの後約60°まで継続する。図1を検討すると明らかなように、ループ掃気式エンジンにおいて排気ポート60の開放および閉鎖はBDCに関して対称的に行なわれる。
図5は圧縮過程にあるVCRCエンジンを示している。この過程の間、パワーピストン59は、シリンダ容積53、トランスファポート54および可変的燃焼容積52を含む作用容積63内の空気を圧縮する。作用容積63内で上昇する圧力により、スプリング58が補助ピストン57に及ぼす力に抗して補助ピストン57が移動する。補助ピストン57の運動は、油圧、電気または望ましいものとして実証できるような他の力で駆動される機構によっても実現可能である。この補助ピストン57の移動は可変的燃焼室52の容積を増大させる。シリンダ容積53からガス流路54を通って可変的燃焼室52まで移動する空気はインジェクションノズル56の付近を通過する。圧縮過程のある部分または全部の間、ガス流路54を通って進む気流内にインジェクションノズル56を介して燃料が噴射される。
圧縮過程が継続するにつれて油圧スナッバポート112(図4)が油圧ピストン65によって覆われる。この動作により、油圧ピストン65、したがって補助ピストン57のさらなる移動が妨げられる。補助ピストン57のこの位置は、論じられているサイクルにおけるVCRCエンジンの作用容積63の最小容積、したがってこの特定のエンジンの回転における圧縮比を決定するものである。圧縮サイクルは、パワーピストン59がクランクシャフト61から最も遠い上死点(TDC)またはその付近に来るまで継続する。
図6は燃焼または発火の過程を示している。TDCの数度前、通常はおよそ30度以下で、点火プラグ55が発火し、この作用により点火プラグ55付近の混合気が点火される。クランクシャフト61による行程の次のおよそ10ないし30度において、可変的燃焼室52およびガス流路54の混合気内におけるすべての酸素が消費されることになる。この燃焼過程では混合気が大きく膨張し、最初の燃焼による排気生成物がシリンダ容積53内に拡散させられるようになっている。本開示の他の箇所で論じられるように、最初の燃焼で必要とされる混合気は多くの場合、燃料が過剰なものである。しかし、作用容積63に内包される混合気の総体は燃料が希薄であり、作用容積63内の燃料を燃焼させるのに必要なものよりも多くの空気、したがって酸素を含んでいる。発火過程の終端時点では、作用容積内にある燃料の実質的にすべてが酸素と化合している。
図7は膨張過程を示している。パワーピストン59がTDCの後数度進行した後、作用容積63はエンジン内部で排気生成物と空気との混合気を膨張させるので発火過程は膨張過程となる。エンジンから動力が得られるのは膨張過程の間である。VCRCエンジンの膨張過程は詳細すべてにおいて他のエンジンの同じ過程と同様である。この過程はTDCの後数度からパワーピストン59が排気ポート110を開放するまで継続する。この過程を通じて機構123は、可変容積52を容積52がその特定のサイクルの間に経験する最大値に維持するように動作する。
図8は運転における排気過程を示している。パワーピストン59は排気ポート110が開くようにTDCから十分遠くまで移動する。この排気ポートが開いた後、排気ガスは矢印161で示すようにエンジンの作用容積を出る。パワーピストン59が排気ポート110を開放する直前、作用容積63内の圧力は周囲環境の圧力の通常2ないし6倍である。排気過程はクランクシャフトの行程のほぼ10°ないし20°にわたって継続するので、作用容積63内の圧力はシリンダ容積のすぐ外側の環境に近いレベルまで低下する。この動作の大部分にわたって補助ピストン57はスプリング58に抗して押し込まれたままであり、それによって可変燃焼容積52は油圧ピストン65の位置によって決定される容積に対して開かれたままである。排気過程の終わりに、スプリング58が補助ピストン57を最小容積に向かって移動させる。これにより、排気生成物が容積52から押し出され、エンジンが掃気過程に入って上記手順を繰り返す準備がなされる。上記のように、補助ピストン57の移動は例えば油圧式または電気式のアクチュエータなど他の機構により駆動することも可能である。
[4サイクルエンジンの運転]
4サイクルエンジンの概略図が図16に示されている。エンジンのシリンダ壁における吸気ポート109および排気ポート110の代わりに、それらの機能は吸気ポート159を備えた吸気弁157および排気ポート158を備えた排気弁156によって果たされる。4サイクルVCRCエンジンの運転は、圧縮、燃焼および膨張の過程に関して2サイクル装置とまったく同様である。2サイクルエンジンの掃気過程は4サイクルピストンの2つの別個の行程によって置き換えられる。すなわちピストンが下死点(BDC)の周辺から排気弁156が開いている上死点(TDC)の付近まで移動する排気行程と、それに続いてピストンがTDCから吸気弁157が開いているBDCまで後退する吸気行程である。
[制御システムの機構的概略]
図13は、図2に示した制御システムを実施するための機構の概略を示している。ここでは、機能的なシステムが基本的な機械的構造によりどのように構成可能かが示されている。図示の機構は、図4に示す補助ピストン制御機構123、図14に示す燃料ポンプ制御装置135、および前記のように速度の効果を補正するためのサーボモータ132と組み合わせた組合せ歯車連結器制御装置162である。以下の段落では運転の説明を行なう。
スロットル制御は入力レバー128を動かすことによって実行される。これは実際のシステムでは通常、自動車のフットスロットルに連結されることになる。もしくはいわゆる「コントロール・バイ・ワイヤ(control-by-wire)」システムのサブシステムにおけるサーボモータによって駆動することも可能である。
レバー128の動きは、燃料ポンプ・燃料制御装置135の入力レバー136に連結された燃料制御アーム150を直接動かす。レバー136の移動により、孔を設けたシリンダ154も移動する。シリンダ154は、シリンダ155内で強制的に振動させられる燃料ポンプピストン137を取り巻いている。矢印141で示すよう回転するようにエンジン51のクランクシャフト61に連結されたカム138の影響のもとで、ピストン137は前後に移動するように駆動される。圧縮ばね140は、ピストンカム従動子139をカム138と接触させ続け、ピストン137による前記振動運動を補助する。エンジン51の運転に必要な量の燃料を供給するのに適した圧力まで加圧される燃料供給源に接続された管142を介して、シリンダ154の内部に燃料が供給される。
ピストン137がカム138に向かって移動すると、シリンダポート143を介してシリンダ154の内部に燃料が引き込まれる。ピストン137が動きを反転させてカム138から遠ざかると、ピストン137の移動によりポート143が覆われるまで管142を介して燃料が戻される。ピストン137のさらなる動きにより、図15に拡大した細部を示すスプリング逆止弁144を介してシリンダ154から燃料が押し出される。弁144のスプリングは、十分に大きな力を及ぼすものであり、その結果、シリンダ137内の燃料が弁144を介して流出できるよう十分にピストン145を持ち上げることによりシリンダ154内の燃料が弁144を開くためには、前記加圧された燃料供給源の圧力よりも相当大きな圧力を必要とする。燃料は弁144を通過した後、管162を通って燃料噴射ノズル56まで移動し、そこでガス流路54内に噴射される。カム138および、エンジンクランクシャフト61に連結されたカム駆動装置の連結は、前記のようにエンジンの圧縮過程を通じて空気がエンジンシリンダ容積63から可変燃焼容積52まで送られている間にガス流路54内への燃料の噴射を実行するように設計されている。
シリンダ154の位置によって、どの程度多くの燃料が噴射ノズル56に供給されるかが決定される。スロットルレバー128をカム138から遠ざけると、燃料ポート143も同様にカム138から遠ざかる。これによって、ピストン137がカム138から遠ざかる行程の端に対して燃料ポート143の位置が接近し、ピストン137がその往復移動における動きを逆転する前に弁144を通過するシリンダ154内の燃料の量が制限される。反対に、レバー128および燃料制御アーム150によって燃料ポート143の位置がカム138に近づくほど、多くの燃料がピストン137の運動によってポンプ注入されることになる。
レバー128の動きは、歯車連結器162の動作を通じて補助ピストン制御装置123内のポート112の位置に影響を与える。燃料ポート143が燃料の流れを制限するように移動すると、補助ピストンスナッバポート112(図4参照)が、レバー128に取り付けられたラック130、ラック130と当接した歯車129、ラック131および補助ピストン制御アーム151を経て移動する。制御アーム151は、摺動自在のシリンダ64に付属した調整レバー68を直接動かすものである。シリンダ64は、燃料ポンプ制御装置135のシリンダ154と同様の様態で補助ピストン制御装置123内で動作する。シリンダ64が移動して油圧ポート112の位置が補助ピストン57から遠ざかると、増大するガス圧の作用によってピストン57が移動する際、より長い経路を通って移動することができる。ラック130および131と歯車129との連結の特性により、シリンダ154が移動して燃料流量が増大すると、シリンダ64も移動して各サイクルの間の補助ピストン57の全行程も長くなる。したがって、より多くの燃料がエンジンに供給されると、補助ピストン57の行程が長くなるとともに、この後者の作用により可変容積燃焼室52の容積が増大してエンジンの圧縮比が小さくなる。
歯車129の中心点160の位置によって、供給される燃料の量とエンジンの圧縮比との関係が変化することになる。中心点160が燃料ポンプ制御装置135から遠ざかるにつれて、エンジンに供給される所定の量の燃料に対して圧縮比がより低くなる。この作用のため適切に設計されたサーボモータ132が図13に示すように配置されている。サーボモータ132に対する信号により、圧縮比と供給される燃料との間の適切なバランスを実現するように中心点160が位置決めされる。速度が増大するにつれて、中心点160が燃料ポンプ制御装置135のより近くに位置決めされ、各エンジンサイクルに関して供給される所定の量の燃料に対してより高い圧縮比が実現されるようになっている。これにより、前記システムの制御に関する節において記述したように速度が増大すると効率も向上することになる。
図13の制御システムは、スロットルレバー128に対するスロットル命令によりもたらされる摺動運動からの入力に応答する。このレバーを図13において右へ動かすと、レバー128の摺動運動が可動式燃料噴射制御シリンダ133に同様の運動をもたらすので燃料流量が増大する。この運動により燃料弁ポート134は右へ移動する。このような運動は当該サイクルの間エンジンに供給される燃料の増大をもたらす。
[2サイクルVCRCエンジンにおける空気供給]
2サイクルエンジンには、この形態のエンジンは4サイクルの相当物と異なり直接エアポンプとしては機能しないので、ブロワを設けなければならない。4サイクルVCRCエンジンの運転に関する議論において上記したように、吸気行程および排気行程は周囲の環境から空気を導入するためのエアポンプとして機能する。2サイクルエンジンの低価格品では、このポンプ機能はピストンの下部によって実行される。適切な弁の使用によって、パワーピストンの下部が空気をまず外部環境からパワーピストンの下側のクランクケースに、さらに作用容積にポンプ吸入できるようになっている。これは簡潔性とそれに付随する低コストという利点を備えているが、その他に推奨すべき点はほとんどない。そのようにポンプ吸入された空気はクランクケースおよびピストンからの熱を吸収するとともに、オイル消費量を高めてしまう。
2サイクルエンジンに空気を効率的に供給することには基本的な問題が伴う。2サイクルエンジンは適正な程度の掃気を実行するため、同等出力の4サイクルエンジンよりも通常およそ40%多くの空気を必要とする。ポンプ作用によりエンジンに空気を通すのに必要な出力はエンジンを通過する空気量の3乗に比例して変化するので、2サイクルに関しては厳しい制約がある。リカードは、フルスロットルの2サイクルエンジンの効率が最高回転速度の約50%を下回る速度においてだけ4サイクルエンジンの効率と同程度になることを示している。通常のエンジンの慣行ではパートスロットルの場合と同量の空気がフルスロットルでも供給されるので、これは厳しい制約である。パートスロットルでの比較結果はさらに不都合なものになるであろう。以下で論じるサブシステムは、空気供給に関する摩擦を大きく低下させる方式でこの問題に対処するものである。
もっとも単純な2サイクルの形態によるVCRCエンジンは、エンジンの空気必要量を供給するためクランクシャフトによって直接駆動されるブロワを利用することができる。これには、大量の空気をエンジンに通すためのパワーがエンジン出力の余剰分を吸収してしまうという上記の短所がある。流路を通ってエンジンを出入りする空気および排気ガスの損失を直接的に扱い最小化する本発明の改善点は、2サイクルエンジンが必要とする空気のうち一部分だけをエンジン駆動のブロワによって供給させるというものである。高いトルクの要求のもとで燃焼する燃料を酸化するのに必要な残りの空気は、図3に概略的に示しているような排気駆動のターボブロワにより供給される。このシステムの利点は、エンジンの大部分の用途に関して、燃料の燃焼に必要な量よりわずかに多くの空気をエンジン駆動のブロワが供給することにある。圧力降下に関係する損失は、そのような損失により消費されるエネルギーが空気の流量の3乗、すなわち立方に比例するため非常に小さい。したがって、軸駆動のブロワが最大エアフローの半分以下しか供給しないようにエンジンが設計されているので、最大値の約半分以下のすべてのトルク需要における損失は、より慣例通りに設計されたエンジンが生じさせるものの8分の1以下になるであろう。ターボブロワを駆動する動力は、他の方法では無駄になってしまうエンジンの排気のエネルギーから得られるので、エンジンの出力を減じることはない。2サイクルにおける空気の損失は効率の損失をもたらすので、このシステムは従来の2サイクルエンジンにおいても同様に有用である。VCRCエンジンに存在する効率増大要因とともに、上記で開示された複合的ブロワシステムの付加的な効果により、原動機の潜在的な効率はこれまで達成されたものよりも高くなる。
図3はVCRC複合ブロワシステムを概略的に示している。2サイクルエンジン51はシャフト113を介してブロワ94のインペラ96を駆動する。ブロワ94は吸気ポート95に空気を取り入れ、矢印101で示すように吸気流路118を通して空気を送る。空気がインペラ96を通過する際、インペラ96の作用による圧力上昇が生じる。空気はブロワ94を出た後、吸気ポート109に連結された吸気マニホルド119を通って2サイクルエンジン51に向かう途中で弱いスプリング付きの逆止弁97を通過する。
エンジンがより多くのトルクを要求されると、燃料流量の増大と圧縮比の低下に起因する過剰な排気エネルギーとにより排気がより多くのエネルギーを有していてターボインペラ106に対しより大きな駆動力が与えられるため、排気駆動ブロワ99がより速い回転を強いられる。ターボブロワ99のインペラ106がより速く回転すると、より多くの空気が吸気ポート103を通して引き込まれることになる。ブロワ99によって与えられる付加的な圧力は、あるレベルの排気速度においてブロワ94の出力における圧力に打ち勝つであろう。矢印102で示すように空気がターボ駆動ブロワ99と吸気ポート121とを通って流れると、この過大圧力により、弱いスプリング付きの逆止弁98が押し開かれ、ブロワ99からの気流がエンジンに供給される。この同じ圧力がブロワ94によってもたらされる圧力を上回ると、逆止弁97が閉じられ、それによってブロワ94からの気流が効果的に阻止される。2つの運転モード、すなわち一方では低トルクにおいて必要なすべての空気をブロワ94が供給し、もう一方ではブロワ99が唯一の供給源である2つの運転モードが一方のモードから他方への移行中に重なり合うことになる。この移行過程の間は、エンジンの必要を満たすように両方のブロワが協働して空気を供給する。
このシステムを働かせるためには一定の機械的な細部構成が必要である。排気は矢印122で示すようにエンジン51、排気流路110から排気駆動タービンへと流れる。タービンを出た後、排気は排気マニホルド107を通りシステムから出て、図示しないマフラ、触媒コンバータ等へと向かう。回転シャフト104によりタービン105からブロワ99へ動力が伝達される。
ブロワ105、99および94が自動車用ターボブロワでは普通である遠心方式の場合、システムはより効果的になる。この方式のブロワの特徴は、図3に示すシステムに適している。遠心ブロワが非常に高いインピーダンスに抗して動作し、かつそのブロワを通過する気流がほとんどまたはまったく存在しない場合、ブロワのインペラを回転させる動力はごくわずかしか必要でない。これは軸流形ブロワの特徴とは反対である。軸流形ブロワは高落差の条件のもとでは最大限の動力を必要とし、高流量低圧力の条件のもとでは最小の動力しか必要としない。
エンジンが低トルクで動作している間、エンジン駆動のブロワ94によって実質的にすべての空気が供給される。タービン105は排気ガスによって駆動され、ブロワ99は全速力で回転するためにごくわずかの動力しか必要としない。この結果、ブロワ99が気流を送っていない間にもターボブロワはトルク需要の増大に対する準備ができている。動力の需要が小さいため、インペラ100はほぼ目標速度にあってわずかな速度の上昇によりブロワ94よりも高い圧力を送る用意ができている。したがって、エンジンによる大きなトルク発生を可能にするような流量の増大が求められる場合の時間遅延または「ターボラグ(turb lag)」は相対的に小さい。
トルク要求量が高くエンジンに必要な実質的にすべての空気がターボ駆動ブロワ99によって供給されている期間においては、逆止弁97はターボ駆動ブロワ99によりエンジンの吸気システムで発生した余剰の圧力によって実質的に閉じられる。上記のように、流量が低いかゼロである条件下では遠心ブロワはごくわずかしか動力を必要としないので、エンジンに対する抵抗は小さくなる。
図3に示すブロワサブシステムはVCRCエンジンの運転特性によってさらに効果的になる。上記のように、VCRCエンジンの高いトルクは、低下した圧縮比のもとで発生する。すなわち内燃ピストン機関における排気エネルギーはエンジンの圧縮比に反比例する。したがって付加的なトルクが求められる場合、ターボブロワにおける高エネルギーの必要には、付加的な燃料流量と調和する低下した圧縮比による排気エネルギーの大幅な増加が伴う。ターボブロワを用いる通常の内燃機関では、トルク需要の増大が要求される場合に、いわゆる「ターボラグ」ないしはターボ速度の増大における知覚可能な遅延が生じる場合がある。これは、従来型エンジンの排気におけるエネルギー増大は燃料流量の増加によってのみ実現されるからである。
[2サイクル火花点火エンジンのスロットリング]
2サイクル型エンジンが、より一般的な4サイクルエンジンよりも潜在的に非常に軽量かつ効率的であるということはよく認識されている。これは、4サイクルにおける各動力行程に対して2サイクルエンジンでは2つの動力行程が対応するからである。したがって前記エンジンの重量は同等の4サイクルエンジンの半分を大きく上回ることはない。前記エンジンは同じまたはより少数の部品を用いながら2倍の出力を発生させるので、2サイクルエンジンでは基本的に摩擦が少ない。
効率的な原動機としての2サイクルエンジンには2つの基本的な問題がある。もっとも基本的なものはスロットリングの問題である。2サイクル火花エンジンは、通常はガソリンと空気との気化されたバルク混合物が供給されるので、ほとんどの場合、投入される混合気を制限することによって調整される。この制限の効果は、シリンダ容積内に排気生成物を保持することにすぎない。したがって効率はフルスロットルにおいて良好となり、前記した空気の吸い込みの問題によってのみ制限される。しかしパートスロットルでは、4サイクルの同等物よりもはるかに効率が悪い。これは火花点火2サイクルエンジンの利用を制限してきた主要因の一つである。
VCRCの運転に関する記述を考慮すれば導き出せるように、スロットリングの過程はエンジンプロセスの効率を決して低下させない方式で実行される。実際、スロットリングの過程に関わるとともにスロットリングの基本的な一部分である圧縮比を大きくする可変容積の利用によって、スロットリングの過程はエンジン効率を大幅に高めるものになる。
[VCRCの効率の評価]
以下の分析はVCRCの概念の可能性を説明するために行なう。これは相当に単純化されたものであり、基本概念をより簡潔に示すために多くの仮定がなされている。より精密な分析によれば、特により高いレベルの指示平均実効圧力(indicated mean effective pressure)(IMEP)においてさらに良好な効率が実際に示されている。
図10は、エンジン内の空気に供給される燃料の量に対する火花点火エンジンの圧縮比とそのエンジンによりもたらされるIMEPとの関係を示している。図11は、同じ種類のエンジンによりもたらされるピーク圧力が圧縮比と供給燃料の比率との双方によってどのように変化するかを示している。図12は、基本的な図示効率が圧縮比と化学量論比に対する供給燃料の量とによってどのように変化するかを示している。これら3つの図面に示されている関係は、軽量エンジンにおいて最高の効率をもたらすようにVCRCエンジンの概念においてすべて操作されている。
図11は、4つの基準点を示している。図10および11からこれらの点に関連するデータを以下の表に表す。
Figure 2008180235
吸気による抵抗がほとんどない2サイクルエンジンが中程度の速度において経験するであろうおおよその値である約15psiの摩擦MEP当量に対して、これらの点のトルク値はそれぞれ100%、76%、44%、26%として特性を表すことができる。これらの基準点におけるエンジンの図示効率は図12において38%、46%、56%および60%として確認することができる。以下により機械効率として摩擦圧力を考慮する。
η = (IMEP−P)/IMEP
(式中、ηは機械効率、Pは摩擦圧力当量)
ηoa = η × η
(式中、ηoaは総合効率、ηは図12からの図示熱効率)
基準点の各々に関する効率は以下の通りである。
点124、100%トルク 35%
点125、76%トルク 41%
点126、44%トルク 47%
点127、26%トルク 50%
これらの計算は単なる概算であるが、従来の自動車エンジンに関する100%トルクでの効率28%から最大トルクの約30%での効率約20%までの同等の効率範囲とは著しい対照をなしている。VCRCエンジンは自動車用途における従来の4サイクルエンジンよりも十分に軽量なので、自動車システムの重量を4サイクルエンジンを用いた従来のシステムのおよそ80%ないし85%とすることができる。平均的速度において必要な一般的なトルクが約30%であることを考慮すると、総合的な燃費は従来のシステムの約3倍であると計算される。
VCRCの概念は、運転を行なうために用いられる多くの異なる従来式機構とともに機構として実施することが可能である。図1は、このシステムを説明するために選択される形態を示している。この図面およびその他の図面は説明のためある一つの方法を示しているが、多くの他の方法も利用することが可能である。圧縮比を変化させ燃料流量を調整する方法は、さまざまな用途を最適化するために多くの種類の機械式アクチュエータから容易に選択することができる。前記概念の実施を説明するため本明細書に示す機械的システムは、利用可能な無数の他のシステムのうちの一つである。
別の発明の特徴として速度補正も行なわれる。内燃機関内の軸受は必然的にジャーナル式のものになる。そのような軸受によって支持可能な荷重はそれらの回転速度と比例する。エンジンの回転速度が上昇すると、所定のトルク需要が上昇した速度でより高い圧縮比を生じさせるようにスロットルリンク機構が調節する。このトルク需要に見合うように供給される燃料が少なくなり、結果として、所定のレベルの出力に対して燃費経済性が向上する。これは上記で示した図2の説明において論じられている。
[VCRCの効率と既存のエンジンとの比較]
リカードは、「コメット・マークIII」燃焼室を用いた圧縮点火(ディーゼル)エンジンの効率を示している。このエンジンは、最大値の約26%のトルクレベルにおけるVCRCエンジンのおよその比率である15対1の圧縮比を用いている。同等のVCRCエンジンとリカードの例とを比較することが可能である。そのような比較はやや人為的なものである。無過給のリカードの例の最大正味平均有効圧力は約125psiである。最適に設計されたVCRCエンジンはそのターボブロワの能力を利用して最大正味平均有効圧力は約170psiになり、設計を適正にバランスのとれたものにすればさらに効率的になる。
リカードの例として示されたコメット・マークIIIエンジンは、最大値の約26%のトルクレベルにおける効率が約31%である。提示されたコメット・マークIIIエンジンの摩擦レベルは、リカードの説明によれば約25psiである。同サイズのVCRCエンジンの摩擦レベルは、リカードの示す同じデータによれば約9.5psiである。したがって同等のVCRCエンジンの効率はおよそ43%であり、12ポイントないしは1.38倍の効率増大になる。VCRCにおける、より燃料が希薄な混合気の効果を考慮すると、この比率は実際にはもっと高く、総合効率がコメット・マークIIIの総計して1.45倍の約45%になる。
ターボ過給VCRCエンジンの同等物の重さは、提示されたコメット・マークIII圧縮点火エンジンのわずか約3分の1になるが、その理由は、このVCRCエンジンは4サイクルではなく2サイクルであって一回転当たり2倍の出力が得られ、かつ最適化されたターボ過給VCRCの最大正味平均有効圧力は、リカードにおいて提示されたコメット・マークIIIの例における125に対して170psiになるからである。リカードのデータとの直接的比較に関して算出された45%の図示効率と本明細書の本体において算出された50%との相違は、エンジン内部の熱伝達の違いと、ターボ過給VCRCエンジンの利点により達成されるより良好なバランスとから生じる。すべての圧縮点火エンジンは、噴射された飛沫と過熱空気とを燃焼中に完全に混合するために高い程度の乱流をエンジン内に起こさなければならないが、その理由は、圧縮点火エンジンにおいてそのような混合を行なうためのクランクシャフトの行程が約10°にすぎないからである。この乱流の結果として、圧縮点火エンジン内のガスと燃焼室およびシリンダを囲む壁部との間に大量の熱伝達が生じる。このような熱伝達により、燃焼する燃料のエネルギーの一部分が無駄になってしまう。VCRCエンジンなどの火花点火エンジンでは、燃料と空気とを混合するためのクランクシャフトの行程がおよそ100°であるので、乱流の必要が小さい。結果として、火花点火エンジンでは無駄な熱伝達が少なくなる。その違いは、全体的に得られる効率の約10%である。
さまざまな構成および修正を上記で論じてきたが、本発明がそれらに限定されず、添付した特許請求の範囲に含まれるすべての形態および変型を包括するものであることは了解されよう。
図1は、動作の掃気過程における本発明を用いた2サイクルエンジンの一部を切り欠いた斜視図である。 図2は、エンジン速度との関係を変更するためのオーバライド制御によりエンジンのスロットル制御を圧縮比制御および燃料噴射調整と連係させるシステムに関する概略的な概念を示す。 図3は、VCRCエンジンの出力を制限することなくパートスロットル運転の間の流動損失を抑制する空気供給の装置構成をブロック図形式で示す。 図4は、図2に概念的に示す圧縮比制御を実施するために利用可能である1つの実現可能な機械式アセンブリの一部を切り欠いた部分図である。 図5は、圧縮行程の間における図1のエンジンの見取り図を示す。 図6は、燃焼過程の間における同じエンジンを示す。 図7は、膨張行程の間における同じエンジンを示す。 図8は、排気過程の間における同じエンジンを示す。 図9は、火花点火エンジンにおける窒素酸化物の生成を燃料空気比および排気再循環の関数として示すグラフである。 図10は、さまざまな圧縮比および、化学量論比に対する燃料空気比における内部火花点火エンジンの指示平均実効圧力(IMEP)を示すグラフである。図10、11および12のデータは上記で参照したリカードおよび機械工学の標準的なテキストに従っている。 図11は、さまざまな圧縮比および、化学量論比に対する燃料空気比における火花点火エンジンの理論的なピーク圧力のグラフである。 図12は、圧縮比と、化学量論比に対する燃料空気比とのさまざまな組み合わせにおける火花点火内燃機関の図示効率のグラフである。 図13は、図2で説明した制御相互作用を実施するためのシステムの機構的な概略を示す。 図14は、図2に概念的に示す制御システムを実現するために燃料噴射器に対する燃料のポンプ輸送および制御を実施するのに利用可能である1つの実現可能な機械式アセンブリの一部を切り欠いた部分図である。これは複合ポンプおよび調整の機構である。 図15は、図14に示す装置の詳細図である。 図16は、4サイクルの前記VCRCエンジンの断面図である。
符号の説明
51…2サイクルエンジン、52…燃焼室、53…シリンダ容積、54…ガス流路、55…点火プラグ、56…インジェクションノズル、57…補助ピストン、58…スプリング、59…パワーピストン、60…連接棒、61…クランクシャフト、109…吸気ポート、110…排気ポート、111…シリンダ。

Claims (22)

  1. 主シリンダ(111)を有する少なくとも1つのピストン/シリンダ(59、111)の組合せと、流路(54)を介して前記主シリンダと連通する補助シリンダ(117)とを備えていて、
    前記補助シリンダ(117)と前記流路(54)とが副容積(52)を形成し、
    前記補助シリンダ(117)が、位置を変えることができる補助ピストン(57)と、前記副容積(52)内に燃料を供給する燃料噴射システム(56)と、前記燃料噴射システム(56)のための第1制御装置と、前記副容積を変化させるための第2制御装置(123)と、前記副容積(52)と連通する点火装置(55)とを備えている内燃機関(51)を操作する方法であって、
    a. 前記内燃機関に供給されるすべての空気を、主シリンダ容積(63)内および前記副容積(52)内の双方に導入するステップと、
    b. 前記副容積(52)内にすべての燃料を導入するステップと、
    c. 前記燃料と前記主シリンダ容積内の空気との燃焼を開始させるステップと、
    d. 前記燃料と前記主シリンダの容積内の空気との燃焼を完了させるステップと、
    e. 前記補助シリンダ(117)の容積を変化させて、前記シリンダ/ピストンの組合せの圧縮比を変えるステップとを含んでいて、
    f. 前記内燃機関が火花点火式エンジンであり、
    g. 前記燃料を、前記内燃機関の圧縮行程の全部又は一部において、前記流路(54)内を前記副容積(52)に向かって流れている空気と混合させることにより前記副容積(52)内に導入して、燃料の点火燃焼の前に、燃料と空気とが実質的に均一に混合された可燃性の混合物を前記副容積内に形成することを特徴とする方法。
  2. 前記燃料を、実質的に、前記流路(54)内を前記補助シリンダ(117)へ流れている前記空気にのみ噴射することを特徴とする、請求項1に記載の方法。
  3. 少なくとも化学量論比かそれより燃料が多い空燃比で燃料および空気を前記副容積(52)に供給するステップをさらに含んでいることを特徴とする、請求項2に記載の方法。
  4. 化学量論比よりも燃料が少なくとも40%多い空燃比で燃料および空気を前記副容積(52)に供給することを特徴とする、請求項3に記載の方法。
  5. 前記シリンダ/ピストンの組合せに対するトルク需要に応じて燃料供給量を変化させるとともに、前記トルク需要に応じて圧縮比を変化させるステップをさらに含んでいることを特徴とする、請求項2〜4のいずれか1つに記載の方法。
  6. 前記補助シリンダの容積の大きさを変化させる前記ステップが、該容積を、最小値と各燃焼手順に関する望ましい値との間で変化させる過程を含んでいることを特徴とする、請求項2〜5のいずれか1つに記載の方法。
  7. 前記補助シリンダの容積の大きさを変化させる前記ステップが、該容積を、前記内燃機関が最小圧力にある内燃機関サイクルの一部分の期間に、最小値と各燃焼手順に関する望ましい値との間で変化させる過程を含んでいること特徴とする、請求項2〜6のいずれか1つに記載の方法。
  8. 前記補助シリンダの容積の大きさの制御が前記内燃機関のスピードに応じて変化し、前記内燃機関のスピードに応じて圧縮比を変化させることを特徴とする、請求項2〜7のいずれか1つに記載の方法。
  9. 前記内燃機関が1サイクル・2ストロークエンジンであることを特徴とする、請求項2〜8のいずれか1つに記載の方法。
  10. 前記補助シリンダの容積の大きさを変化させる前記ステップが、該容積を、前記内燃機関が圧縮行程にある内燃機関サイクルの一部分の期間に、最小値と各燃焼手順に関する望ましい値との間で変化させる過程を含み、
    かつ、前記補助シリンダの容積を、前記内燃機関が最小圧力にある期間に最小容積に復帰させること特徴とする、請求項2〜6のいずれか1つに記載の方法。
  11. 前記内燃機関に供給される空気が再循環された排気ガスを含んでいること特徴とする、請求項2〜10のいずれか1つに記載の方法。
  12. 主シリンダ(111)を有する少なくとも1つのピストン/シリンダ(59、111)の組合せと、
    流路(54)を介して前記主シリンダと連通する補助シリンダ(117)であって、前記流路(54)とともに副容積を形成し、かつ、補助ピストン(57)により制御されてその容積を変化させて圧縮比を変えることができる補助シリンダ(117)と、
    前記副容積に燃料を供給する燃料噴射器を有する燃料噴射システム(56)と、
    前記燃料噴射器への燃料供給を制御する第1制御装置と、
    前記補助シリンダの容積を変化させるための第2制御装置(123)、および、前記副容積(52)と連通する点火装置(55)とを備えている内燃機関(51)であって、
    前記補助ピストン(57)のための前記第2制御装置(123)は、特定のエンジンサイクルの期間における該内燃機関の需要トルクを供給するのに必要な燃料の量に応じて、前記特定のエンジンサイクルの期間に前記補助シリンダ(117)の最大容積を変化させるように構成されていて、
    a. 前記第1制御装置は、該内燃機関の圧縮行程の全部又は一部において、前記副容積(52)に燃料を噴射して、燃料の点火燃焼の前に、燃料と空気とが実質的に均一に混合された可燃性の混合物を前記副容積内に形成するように構成され、
    b. 該内燃機関が火花点火式エンジンであることを特徴とする内燃機関。
  13. 前記燃料噴射システム(56)が、実質的に、前記流路(54)内を前記補助シリンダ(117)へ流れている前記空気にのみ噴射するように配置されていることを特徴とする、請求項12に記載の内燃機関。
  14. 前記補助ピストン(57)に接続された前記第2制御装置(123)が、前記第1制御装置によって供給される燃料の量に応じて圧縮比を制御することを特徴とする、請求項13に記載の内燃機関。
  15. 前記補助ピストン(57)に接続された前記第2制御装置(123)が、実質的に、該内燃機関内の圧力がエンジンサイクルの期間における最小値に接近したときにのみ前記補助ピストン(57)が移動するよう、前記補助ピストン(57)を制御又は操作することを特徴とする、請求項13又は14に記載の内燃機関。
  16. 前記第2制御装置(123)は、前記容積を、最小値と各燃焼手順に関する望ましい値との間で変化させることを特徴とする、請求項13〜15のいずれか1つに記載の内燃機関。
  17. 前記第2制御装置(123)は、該内燃機関のスピードに応じて圧縮比が変化するように、該内燃機関のスピードに応じて前記補助シリンダの容積の大きさを変化させることを特徴とする、請求項13〜16のいずれか1つに記載の内燃機関。
  18. 前記第2制御装置(123)は、内燃機関の圧縮行程の間に前記補助シリンダ(117)に供給された燃料・空気混合物の量に応じて前記補助シリンダの容積の大きさを変化させ、かつ、該内燃機関が最小圧力であるときに前記補助シリンダ(117)の容積を最小値に戻すことを特徴とする、請求項13〜17のいずれか1つに記載の内燃機関。
  19. 前記第2制御装置(123)は、前記補助ピストン(57)に力を作用させて、該内燃機関内の圧力が最小であるときに前記補助シリンダの容積が最小に維持されるように前記補助ピストンを付勢するように構成され、
    かつ、前記第2制御装置(123)は、該内燃機関の圧力の作用の下で前記補助ピストン(57)の周期的移動を案内および制限するように構成されていることを特徴とする、請求項13〜18のいずれか1つに記載の内燃機関。
  20. 前記第2制御装置(123)は、該内燃機関の圧力の作用の下で前記補助ピストン(57)の周期的移動を案内および制限するための液圧制動装置を備えていて、該液圧制動装置は、
    a. 前記補助ピストンに取り付けられ、前記補助ピストンと同時に移動するように強制される液圧ピストン(65)と、
    b. 前記液圧ピストン(65)の周囲に密接して嵌装され、実質的に圧縮不可能な流体が満たされる液圧コントロールシリンダ(66)と、
    c. 前記液圧コントロールシリンダ(66)における前記流体の流出・流入を許容する孔(112)と、
    d. 前記液圧ピストンのさまざまな位置において前記孔を閉じ、必要を越える前記液圧ピストンの運動を防止するようになっている、前記液圧制動装置内の補助バルブ機構(123、68、64)とを備えていることを特徴とする、請求項13〜19のいずれか1つに記載の内燃機関。
  21. 前記補助バルブ機構は、前記液圧ピストン(65)が該液圧ピストン(65)の所望の位置において前記孔を覆うときに、前記液圧コントロールシリンダ(66)からの前記液体の流動を阻止するように配置された前記液圧コントロールシリンダの壁部に配置されている前記孔で構成され、
    前記液圧コントロールシリンダ(66)は、前記液圧ピストン(65)の制動を制御するよう前記液圧コントロールシリンダ(66)を位置決めするように構成された機構により移動自在であり、これによって制動が望ましい位置に前記液圧ピストン(65)が位置するときに、前記孔を通る前記液体の流動が前記液圧ピストン(65)の外径によって実質的に阻止されるように前記孔を配置することを特徴とする、請求項20に記載の内燃機関。
  22. 前記補助バルブ機構は、前記液圧コントロールシリンダ(66)と直径が実質的に同一である、移動しない静止液圧ピストン(67)を備えていて、
    前記静止液圧ピストン(67)は、前記液圧コントロールシリンダ(66)に同軸に取り付けられ、
    かつ、前記静止液圧ピストン(67)は、前記液圧ピストン(65)とは反対側の端部において前記液圧コントロールシリンダ(66)内に配置され、
    前記液圧コントロールシリンダ(66)は、その両端部で開いていて、前記静止液圧ピストン(67)および前記液圧ピストン(65)と同軸方向に移動するように摺動自在に取り付けられていることを特徴とする、請求項20又は21に記載の内燃機関。
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