JP5170340B2 - 燃焼圧力制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は、燃焼圧力制御装置に関する。
内燃機関は、燃焼室に燃料および空気が供給されて、燃焼室にて燃料が燃焼することにより駆動力を出力する。燃焼室において燃料を燃焼させるときには、空気と燃料との混合気を圧縮した状態になる。内燃機関の圧縮比は、出力および燃料消費量に影響を与えることが知られている。圧縮比を高くすることにより出力トルクを大きくしたり、燃料消費量を少なくしたりすることができる。
特開2000−230439号公報には、燃焼室に圧力調整弁を介して通じる副室を設け、圧力調整弁は、弁体と弁体に接続されて燃焼室側に付勢された弁棒とを有する自着火式の内燃機関が開示されている。この自着火式の内燃機関は、過早着火等により燃焼圧が所定の許容圧値を超えた場合に、弾性体の圧力に抗して圧力調整弁を押し上げて副室に圧力を逃すことが開示されている。この公報には、過早着火等が生じる圧力よりも大きな圧力で圧力調整弁が動くことが開示されている。
特開2002−317702号公報においては、高負荷域において1つの気筒における爆発行程の前半の時期の燃焼ガスの一部を取り出し、これを他の気筒のうち、吸気行程または圧縮行程中の1つの気筒に導入するようにした直列多気筒の内燃機関が開示されている。この内燃機関は、各気筒における圧縮比を高い値に設定した場合に、高負荷域でノッキングなどの異常現象の発生を抑制することが開示されている。
特開2000−230439号公報 特開2002−317702号公報
火花点火式の内燃機関においては、燃焼室において燃料と空気の混合気が点火装置で着火されることにより、混合気が燃焼するとともにピストンが押し下げされる。このときに圧縮比を高くすることにより熱効率が向上する。ところが、圧縮比を高くすると異常燃焼が発生する場合がある。例えば、圧縮比が高くなることにより自着火現象が生じる場合がある。
異常燃焼の発生を防止するために、点火時期を遅らせることができる。しかしながら、点火時期を遅らせることにより、出力トルクが小さくなったり、燃料消費が悪化したりする。また、点火時期を遅らせることにより、排気ガスの温度が高くなる。このため、排気浄化装置の構成部品に高質な材料が必要になったり、排気ガスを冷却する装置が必要になったりする場合があった。更に、排気ガスの温度を下げるために、燃焼室で燃焼を行なうときの空燃比を理論空燃比未満にする場合がある。すなわち、燃焼時の空燃比をリッチにする場合がある。しかしながら、排気浄化装置として三元触媒が配置されている場合には、排気ガスの空燃比が理論空燃比から逸脱すると浄化能力が小さくなってしまい、排気ガスを十分に浄化することができなくなるという問題があった。
上記の特開2000−230439号公報に開示されている内燃機関においては、燃焼室に通じる空間をシリンダヘッドに形成して、この空間に機械ばねが配置されている。しかしながら、この内燃機関では、1つの燃焼室に対して1つの機械ばねが配置されており、構造が複雑になるという問題があった。また、シリンダヘッドに機械ばねを配置した場合には、機械ばねを大きくすることができずに、十分な押圧力を得ることができない虞があった。
本発明は、異常燃焼を抑制し、簡易な構成の燃焼圧力制御装置を提供することを目的とする。
本発明の燃焼圧力制御装置は、複数の燃焼室と、それぞれの燃焼室に連通する副室とを有する内燃機関の燃焼圧力制御装置であって、弾性を有し、一方の側が一つの燃焼室に連通する副室に接続され、他方の側が他の燃焼室に連通する副室に接続されているばね装置を備える。ばね装置は、燃焼室の圧力が予め定められた制御圧力に到達したときに、燃焼室の圧力変化を駆動源として縮むように形成されている。一つの燃焼室および他の燃焼室のうち少なくとも一方が、燃焼サイクルの圧縮行程から膨張行程の期間中に制御圧力に到達すると、ばね装置が縮むことにより、副室の容積が増大して燃焼室の圧力上昇を抑制する。
上記発明においては、ばね装置に接続される一つの燃焼室の圧力が制御圧力に到達している期間に、他の燃焼室の圧力が制御圧力未満であることが好ましい。
上記発明においては、ばね装置に接続される一つの燃焼室が圧縮行程であるときに、他の燃焼室が吸気行程または排気行程であることが好ましい。
上記発明においては、ばね装置は、圧縮性流体が内部に充填されている流体ばねを含むことができる。
上記発明においては、内燃機関の運転状態を検出する運転状態検出装置と、流体ばねの内部空間に接続され、流体を貯留する流体貯留部と、流体貯留部の体積を変化させる体積調整装置とを備え、内燃機関の運転状態を検出し、検出した運転状態に応じて燃焼室の最大圧力を選定し、選定した燃焼室の最大圧力に基づいて流体貯留部の体積を変化させることができる。
上記発明においては、体積調整装置は、運転状態に応じて選定された燃焼室の最大圧力が低いほど、流体貯留部の体積を増大させることができる。
上記発明においては、内燃機関の運転状態を検出する運転状態検出装置と、複数の流体ばねの内部空間同士を接続する接続装置とを備え、内燃機関の運転状態を検出し、検出した運転状態に応じて燃焼室の最大圧力を選定し、選定した燃焼室の最大圧力に基づいて互いに接続される流体ばねの数を変更することができる。
上記発明においては、接続装置は、選定された燃焼室の最大圧力が低いほど、互いに接続される流体ばねの数を多くすることができる。
上記発明においては、ばね装置は、一つの燃焼室の側に配置されている一方の移動部材と、他の燃焼室の側に配置されている他方の移動部材と、それぞれの移動部材の燃焼室に向かう移動を制限する係止部と、係止部および移動部材のうち少なくとも一方の表面に配置され、流体を封止するための封止部材とを含み、移動部材が係止部に到達して停止したときには、移動部材と係止部との間に封止部材が介在することが好ましい。
上記発明においては、ばね装置は、一つの燃焼室の側に配置されている一方の移動部材と、他の燃焼室の側に配置されている他方の移動部材と、それぞれの移動部材の燃焼室に向かう移動を制限する係止部とを含み、係止部は、移動部材と対向する領域に形成されている凹凸部を有し、移動部材は、係止部と対向する領域に形成されている凹凸部を有し、移動部材が係止部に到達して停止したときには、係止部に形成されている凹凸部と移動部材に形成されている凹凸部とが互いに嵌合して密着することが好ましい。
本発明によれば、異常燃焼を抑制し、簡易な構成の燃焼圧力制御装置を提供することができる。
実施の形態1における内燃機関の概略図である。 実施の形態1における第1の燃焼圧力制御装置を備える内燃機関の概略断面図である。 実施の形態1における第1の燃焼圧力制御装置のばね装置の概略断面図である。 実施の形態1の燃焼圧力制御装置における燃焼室の圧力と流体ばねの縮み量とを説明する図である。 比較例の内燃機関における点火時期と出力トルクとの関係を説明するグラフである。 比較例の内燃機関におけるクランク角度と燃焼室の圧力との関係を説明するグラフである。 比較例の内燃機関における負荷と燃焼室の最大圧力との関係を説明するグラフである。 実施の形態1の燃焼圧力制御装置を備える内燃機関において、燃焼室の圧力が制御圧力に到達したときのグラフの拡大図である。 実施の形態1における内燃機関および比較例の内燃機関の点火時期を説明するグラフである。 4気筒の内燃機関の燃焼サイクルを説明する概略図である。 実施の形態1における第2の燃焼圧力制御装置のばね装置の概略断面図である。 実施の形態1における第3の燃焼圧力制御装置のばね装置の拡大概略断面図である。 実施の形態1における第4の燃焼圧力制御装置を備える内燃機関の概略図である。 実施の形態2における第1の燃焼圧力制御装置を備える内燃機関の概略断面図である。 実施の形態2における第1の燃焼圧力制御装置のばね装置の拡大概略断面図である。 比較例における内燃機関の回転数とノッキング余裕点火時期との関係を説明するグラフである。 実施の形態2における内燃機関の回転数と燃焼室の最大圧力との関係を説明するグラフである。 比較例における燃料に含まれるアルコール濃度と遅角補正量との関係を説明するグラフである。 実施の形態2におけるアルコール濃度と燃焼室の最大圧力との関係を説明するグラフである。 実施の形態2における第2の燃焼圧力制御装置を備える内燃機関の概略断面図である。 実施の形態3における第1の燃焼圧力制御装置を備える内燃機関の概略断面図である。 実施の形態3における第2の燃焼圧力制御装置を備える内燃機関の概略断面図である。
実施の形態1
図1から図13を参照して、実施の形態1における内燃機関の燃焼圧力制御装置について説明する。本実施の形態においては、車両に配置されている内燃機関を例に取り上げて説明する。
図1は、本実施の形態における内燃機関の概略図である。本実施の形態における内燃機関は、火花点火式である。内燃機関は、機関本体1を備える。機関本体1は、シリンダブロック2とシリンダヘッド4とを含む。シリンダブロック2の内部には、ピストン3が配置されている。ピストン3は、シリンダブロック2の内部で往復運動する。本発明においては、ピストンが圧縮上死点に達したときにピストンの冠面とシリンダヘッドとに囲まれる空間および、任意の位置にあるピストンの冠面とシリンダヘッドとに囲まれる気筒内の空間を燃焼室と称する。燃焼室5は、それぞれの気筒ごとに形成される。燃焼室5には、機関吸気通路および機関排気通路が接続されている。機関吸気通路は、燃焼室5に空気または燃料と空気との混合気を供給するための通路である。機関排気通路は、燃焼室5における燃料の燃焼により生じた排気ガスを排出するための通路である。
シリンダヘッド4には、吸気ポート7および排気ポート9が形成されている。吸気弁6は吸気ポート7の端部に配置され、燃焼室5に連通する機関吸気通路を開閉可能に形成されている。排気弁8は、排気ポート9の端部に配置され、燃焼室5に連通する機関排気通路を開閉可能に形成されている。シリンダヘッド4には、点火装置としての点火プラグ10が固定されている。点火プラグ10は、燃焼室5にて燃料を点火するように形成されている。
本実施の形態における内燃機関は、燃焼室5に燃料を供給するための燃料噴射弁11を備える。本実施の形態における燃料噴射弁11は、吸気ポート7に燃料を噴射するように配置されている。燃料噴射弁11は、この形態に限られず、燃焼室5に燃料を供給できるように配置されていれば構わない。たとえば、燃料噴射弁は、燃焼室に直接的に燃料を噴射するように配置されていても構わない。
燃料噴射弁11は、電子制御式の吐出量可変な燃料ポンプ29を介して燃料タンク28に接続されている。燃料タンク28内に貯蔵されている燃料は、燃料ポンプ29によって燃料噴射弁11に供給される。燃料を供給する流路の途中には、燃料の性状を検出するための燃料性状検出装置として、燃料性状センサ77が配置されている。たとえば、アルコールを含む燃料を使用する内燃機関では、燃料性状センサ77としてアルコール濃度センサが配置される。燃料性状検出装置は、燃料タンクに配置されていても構わない。
各気筒の吸気ポート7は、対応する吸気枝管13を介してサージタンク14に連結されている。サージタンク14は、吸気ダクト15およびエアフローメータ16を介してエアクリーナ(図示せず)に連結されている。吸気ダクト15には、吸入空気量を検出するエアフローメータ16が配置されている。吸気ダクト15の内部には、ステップモータ17によって駆動されるスロットル弁18が配置されている。一方、各気筒の排気ポート9は、対応する排気枝管19に連結されている。排気枝管19は、触媒コンバータ21に連結されている。本実施の形態における触媒コンバータ21は、三元触媒20を含む。触媒コンバータ21は、排気管22に接続されている。機関排気通路には、排気ガスの温度を検出するための温度センサ78が配置されている。
本実施の形態における機関本体1は、排気ガス再循環(EGR)を行うための再循環通路を有する。本実施の形態においては、再循環通路としてEGRガス導管26が配置されている。EGRガス導管26は、排気枝管19とサージタンク14とを互いに連結している。EGRガス導管26には、EGR制御弁27が配置されている。EGR制御弁27は、再循環する排気ガスの流量が調整可能に形成されている。機関吸気通路、燃焼室、または機関排気通路に供給された排気ガスの空気および燃料(炭化水素)の比を排気ガスの空燃比(A/F)と称すると、触媒コンバータ21の上流側の機関排気通路内には、排気ガスの空燃比を検出するための空燃比センサ79が配置されている。
本実施の形態における内燃機関は、電子制御ユニット31を備える。本実施の形態における電子制御ユニット31は、デジタルコンピュータからなる。電子制御ユニット31は、双方向バス32を介して相互に接続されたRAM(ランダムアクセスメモリ)33、ROM(リードオンリメモリ)34、CPU(マイクロプロセッサ)35、入力ポート36および出力ポート37を含む。
エアフローメータ16は、燃焼室5に吸入される吸入空気量に比例した出力電圧を発生する。この出力電圧は、対応するAD変換器38を介して入力ポート36に入力される。アクセルペダル40には、負荷センサ41が接続されている。負荷センサ41は、アクセルペダル40の踏込量に比例した出力電圧を発生する。この出力電圧は、対応するAD変換器38を介して入力ポート36に入力される。また、クランク角センサ42は、クランクシャフトが、例えば30°回転する毎に出力パルスを発生し、この出力パルスは入力ポート36に入力される。クランク角センサ42の出力により、機関本体1の回転数を検出することができる。更に、電子制御ユニット31には、燃料性状センサ77、温度センサ78および空燃比センサ79等のセンサの信号が入力されている。
電子制御ユニット31の出力ポート37は、それぞれの対応する駆動回路39を介して燃料噴射弁11および点火プラグ10に接続されている。本実施の形態における電子制御ユニット31は、燃料噴射制御や点火制御を行うように形成されている。すなわち、燃料を噴射する時期および燃料の噴射量が電子制御ユニット31により制御される。更に点火プラグ10の点火時期が電子制御ユニット31により制御されている。また、出力ポート37は、対応する駆動回路39を介して、スロットル弁18を駆動するステップモータ17、燃料ポンプ29およびEGR制御弁27に接続されている。これらの機器は、電子制御ユニット31により制御されている。
図2に、本実施の形態における第1の燃焼圧力制御装置を備える機関本体の概略断面図を示す。図2は、複数の気筒が並ぶ方向に機関本体を切断したときの断面図である。
第1の燃焼圧力制御装置を備える内燃機関は、4気筒である。それぞれの気筒は、互いに隣り合って配置されている。それぞれの気筒には、燃焼室5a〜5dが形成されている。それぞれの気筒に配置されているピストン3は、コネクティングロッド51に接続されている。コネクティングロッド51は、クランクシャフト52に接続されている。クランクシャフト52は、回転可能なようにシリンダブロック2に支持されている。
本実施の形態における燃焼圧力制御装置は、それぞれの燃焼室5a〜5dに連通する副室61a〜61dを有する。本実施の形態における燃焼圧力制御装置は、副室61a〜61dの容積を変化させる容積可変装置を備える。容積可変装置は、弾性を有するばね装置を含む。
第1の燃焼圧力制御装置は、ばね装置として機能する流体ばねを含む。流体ばねは、内部に圧縮性流体を密閉することにより弾性を有するように形成されている。流体ばねは、内部に空気を封入する封入機構を有する。第1の燃焼圧力制御装置の封入機構は、流体封入部材63を含む。流体ばねは、一方の側が一つの燃焼室に連通する副室に接続され、他方の側が他の燃焼室に連通する副室に接続されている。本実施の形態における第1の流体ばねは、第1気筒の燃焼室5aに連通する副室61aと第2気筒の燃焼室5bに連通する副室61bとに接続されている。また、第2の流体ばねは、第3気筒の燃焼室5cに連通する副室61cと第4気筒の燃焼室5dに連通する副室61dとに接続されている。
図3に、本実施の形態におけるばね装置の拡大概略断面図を示す。図3は、第1気筒と第2気筒との間に配置されているばね装置の断面図である。第3気筒と第4気筒との間に配置されているばね装置も同様の構成を有する。
流体封入部材63は、内部に空洞が形成されている。本実施の形態における流体封入部材63は、外形が円柱状に形成されている。流体封入部材63は、蛇腹部63aを有する。流体封入部材63は、蛇腹部63aが変形することにより、伸縮可能に形成されている。流体封入部材63の内部には、加圧された流体が封入されている。本実施の形態においては、流体封入部材63の内部に空気が封入されている。
本実施の形態における流体ばねは、移動部材62a,62bを有する。移動部材62a,62bは、流体封入部材63の伸縮方向の両側に配置されている。本実施の形態における移動部材62a,62dは、板状に形成されている。移動部材62a,62bは、シリンダヘッド4に形成された空洞内で移動可能に形成されている。
シリンダヘッド4は、移動部材62a,62bの台座部69a,69bを有する。台座部69a,69bの先端には、突出部60a,60bが形成されている。移動部材62a,62bは、空洞の壁面59a,59bおよび突出部60a,60bにより、燃焼室5a,5bに向かう移動が制限されている。壁面59a,59bおよび突出部60a,60bは、移動部材62a,62bが停止する位置を定める係止部として機能する。移動部材の移動を制限する係止部としては、この形態に限られず、移動部材の移動を停止させる任意の構成を採用することができる。
燃焼室5a,5bの内部の圧力が制御圧力未満の場合には、移動部材62a,62bは、流体封入部材63の内部の流体の圧力により、壁面59a,59bおよび突出部60a,60bに接触して停止している。流体封入部材63は、燃焼サイクルの圧縮行程から膨張行程において、燃焼室の圧力による押圧力が流体封入部材63の内部の圧力による反力より大きくなったときに縮む。移動部材62a,62bは、副室61a,61bが大きくなる向きに移動する。燃焼室5a,5bに連通する副室61a,61bの容積が大きくなるために、燃焼室5a,5bの圧力上昇を抑制することができる。この後に、燃焼室5a,5bの圧力による押圧力が、流体封入部材63の内部の圧力による反力よりも小さくなった場合には、流体封入部材63が伸びて元の大きさに戻る。
例えば、第1気筒の燃焼室5aの圧力が制御圧力以上になった場合には、移動部材62aは、矢印201に示すように、流体封入部材63を圧縮する向きに移動する。または、第2気筒の燃焼室5bが制御圧力以上になった場合には、移動部材62bが矢印202に示すように、流体封入部材63を圧縮する向きに移動する。
このように、それぞれの燃焼室5a〜5dが、制御圧力以上になったときには、それぞれの燃焼室5a〜5dに接続されている流体ばねの移動部材62a〜62dが移動することにより、副室61a〜61dの容積が大きくなる。それぞれの燃焼室5a〜5dが、制御圧力未満に戻ったときには、それぞれの移動部材62a〜62dが元の位置に向かって移動することにより、燃焼室5a〜5dに連通する副室61a〜61dの容積が小さくなる。
本実施の形態における燃焼圧力制御装置は、燃焼室の圧力が制御圧力に到達したときに、ばね装置が伸縮する。ばね装置は、燃焼室の圧力変化を駆動源として副室の容積が変化するように形成されている。
本発明における制御圧力は、ばね装置が変化し始めるときの燃焼室の圧力である。流体封入部材63の内部には、制御圧力に対応した圧力の流体が封入される。本実施の形態における燃焼圧力制御装置は、燃焼室5の圧力が異常燃焼の発生する圧力以上にならないように制御圧力を定めている。
本発明における異常燃焼は、たとえば、点火装置により混合気が点火し、点火した点から順次燃焼が伝搬する状態以外の燃焼を含む。異常燃焼は、たとえば、ノッキング現象、デトネーション現象およびプレイグニッション現象を含む。ノッキング現象は、スパークノック現象を含む。スパークノック現象は、点火装置において点火し、点火装置を中心に火炎が広がっているときに、点火装置から遠い位置にある未燃燃料を含む混合気が自着火する現象である。点火装置から遠い位置にある混合気は、点火装置の近傍の燃焼ガスにより圧縮されて高温高圧になって自着火する。混合気が自着火するときに衝撃波が発生する。
デトネーション現象は、高温高圧の混合気の中を衝撃波が通過することにより、混合気が着火する現象である。この衝撃波は、たとえば、スパークノック現象によって発生する。
プレイグニッション現象は、早期着火現象とも言われる。プレイグニッション現象は、点火プラグの先端の金属または燃焼室内に堆積するカーボンスラッジ等が加熱されて、所定の温度以上を維持した状態になり、この部分を火種として点火時期の前に燃料が着火して燃焼する現象である。
図4に、本実施の形態の内燃機関における燃焼室の圧力のグラフを示す。横軸がクランク角度であり、縦軸が燃焼室の圧力および流体ばねの縮み量である。図4には、燃焼サイクルのうち圧縮行程および膨張行程のグラフが示されている。流体ばねを構成する流体封入部材63の縮み量は、係止部としての壁面59a,59bおよび突出部60a,60bにより流体封入部材63の伸びる動作が停止しているときの値が零である。本実施の形態における燃焼圧力制御装置は、燃焼室5a〜5dのうち一つの燃焼室の圧力が制御圧力に到達した場合に、この燃焼室に接続されている移動部材62a〜62dが移動する。燃焼室に連通する副室の容積が増加し、圧力上昇が抑制される。
図3および図4を参照して、圧縮行程ではピストン3が上昇して、燃焼室5の圧力が上昇する。ここで、流体封入部材63には制御圧力に対応した圧力の流体が封入されているために、燃焼室5の圧力が制御圧力に到達するまでは、流体封入部材63の縮み量が零である。図4に示す例では、クランク角度が0°(TDC)より僅か後に点火される。点火されることにより燃焼室5の圧力が急激に上昇する。燃焼室5の圧力が制御圧力に達したときに、流体封入部材63が縮み始める。移動部材が移動し始める。混合気の燃焼が進むと、流体封入部材63の縮み量が大きくなる。このために、燃焼室の圧力の上昇が抑制される。図4に示す例では、燃焼室5の圧力がほぼ一定に保たれる。
燃焼室において、更に燃料の燃焼が進むと、流体封入部材63の縮み量は最大になった後に小さくなる。流体封入部材63の内部の圧力が元の圧力に向かって減少する。燃焼室の圧力が制御圧力になったときに、流体封入部材63の縮み量が零に戻る。燃焼室の圧力が制御圧力未満になった場合には、クランク角度の進行とともに燃焼室の圧力が減少する。
このように、本実施の形態における燃焼圧力制御装置は、燃焼室の圧力が制御圧力に到達したときに燃焼室の圧力上昇を抑制し、燃焼室の圧力が異常燃焼の発生する圧力以上にならないように制御することができる。
図5に、比較例の内燃機関における点火時期と出力トルクとの関係を説明するグラフを示す。比較例の内燃機関は、本実施の形態における燃焼圧力制御装置を有していない。すなわち、比較例の内燃機関は、ばね装置を有していない。図5のグラフは、所定の状態で比較例の内燃機関を運転しているときのグラフである。横軸は、点火するときのクランク角度(点火時期)を示している。
混合気に点火する時期によって内燃機関の性能が変化することが分かる。内燃機関は、出力トルクが最大になる点火時期(θmax)を有する。出力トルクが最大になる点火時期は、エンジン回転数、スロットル開度、空燃比、圧縮比などにより変化する。出力トルクが最大になる点火時期で点火することにより、燃焼室の圧力が高くなり熱効率が最良になる。また、出力トルクが大きくなり、燃料消費量を少なくすることができる。また、排出される二酸化炭素を減らすことができる。
ところが、点火時期を早くするとノッキング現象などの異常燃焼が発生する。特に高負荷になると、異常燃焼の発生する領域が大きくなる。比較例の内燃機関においては、異常燃焼を回避するために、出力トルクが最大になる点火時期(θmax)よりも遅らせて点火している。このように、異常燃焼が発生する領域を避けた点火時期を選定している。
図6に、比較例の内燃機関の燃焼室の圧力のグラフを示す。実線は、燃料の供給を停止(フュエルカット)して、かつスロットル弁の開度が全開(WOT)のときの燃焼室の圧力を示している。このときの燃焼室の圧力は、クランク角度が0°のとき、すなわち圧縮上死点において最大になる。この圧力は、燃料を供給しないときの燃焼室の最大圧力になる。
内燃機関においては、点火時期に依存して、燃焼室の圧力が変動する。破線で示されているグラフは、出力トルクが最大になる点火時期で点火したときのグラフである。破線は、異常燃焼が発生しないと仮定した場合のグラフを示している。図6に示す例においては、クランク角度が0°(TDC)よりもやや後の時期に点火を行なっている。出力トルクが最大になる点火時期で点火した場合においては、燃焼室の圧力が高くなる。しかしながら、実際の内燃機関では、燃焼室の最大圧力Pmaxが異常燃焼の発生する圧力よりも大きくなるために、点火時期を遅角させている。一点鎖線は、点火時期を遅角させたときのグラフである。点火時期を遅角させた場合には、出力トルクが最大になる点火時期で点火した場合よりも燃焼室の最大圧力が小さくなる。
図4を参照して、破線は、比較例の内燃機関において出力トルクが最大になる点火時期(θmax)で点火した場合のグラフを示している。前述のとおり、この点火時期で点火した場合には、異常燃焼が発生する。
これに対して、本実施の形態における内燃機関は、燃焼室の最大圧力を異常燃焼の発生圧力未満で燃焼を行なうことができる。点火時期を早くしても異常燃焼の発生を抑制することができる。特に、圧縮比が高いエンジンにおいても異常燃焼を抑制することができる。このため、図6に示す点火時期を遅らせた比較例の内燃機関に比較して、熱効率が改善され、出力トルクを大きくすることができる。または、燃料消費量を少なくすることができる。
図4を参照して、本実施の形態の内燃機関においては、熱効率が最も良くなる点火時期に点火している。本実施の形態の内燃機関は、比較例の内燃機関の出力トルクが最大になる点火時期にて点火することも可能である。しかしながら、本実施の形態における内燃機関は、点火時期を比較例における内燃機関の出力トルクが最大になる点火時期よりも早くしている。この構成により、より熱効率を改善することができ、より出力トルクを大きくすることができる。このように、本実施の形態における内燃機関は、異常燃焼を回避しながら熱効率が最も良くなる時期に点火することができる。
制御圧力としては、燃料の供給を停止した場合における燃焼室の最大圧力より大きくすることができる。すなわち図6に示す実線のグラフの燃焼室の最大圧力より大きく設定することができる。また、制御圧力は、異常燃焼が発生する圧力未満に設定することができる。
比較例の内燃機関は、点火時期を遅角するために排気ガスの温度が高くなる。または、熱効率が低いために排気ガスの温度が高くなる。比較例の内燃機関においては、排気ガスの温度を下げるために、燃焼時の空燃比を理論空燃比より小さくする場合がある。ところが、排気浄化装置としての三元触媒は、排気ガスの空燃比が理論空燃比の近傍の場合に高い浄化能力を示す。三元触媒は、理論空燃比から外れると、浄化性能が極端に小さくなってしまう。このため、燃焼時の空燃比を理論空燃比よりも小さくすると、排気ガスの浄化能力が低下し、排気ガスに含まれる未燃燃料が多くなってしまう。また、比較例の内燃機関は、排気ガスの温度が高くなるために、排気浄化装置の耐熱性が要求されて高質の材料が必要になったり、排気ガスを冷却するための装置や排気ガスを冷却するための新たな構造が必要になったりする場合がある。
これに対して、本実施の形態における内燃機関は、熱効率が高いために排気ガスの温度が高くなることを回避することができる。本実施の形態における内燃機関は、排気ガスの温度を下げるために燃焼時の空燃比を小さくする必要性が小さく、排気浄化装置が三元触媒を含む場合に浄化性能を維持することができる。更に、排気ガスの温度が高くなることを回避できるために、排気浄化装置の部材の耐熱性の要求が低くなる。または、排気ガスの冷却を行なうための装置等を新たに追加しなくても装置を形成することができる。
また、図4を参照して、一般的に熱効率を向上させるために内燃機関の圧縮比を上昇させる場合には、燃焼室の最大圧力Pmaxが大きくなる。このために、内燃機関を構成する部材の強度を大きくする必要がある。しかしながら、本実施の形態における内燃機関は、燃焼室の最大圧力が大きくなることを回避できて、構成部材が大型になることを回避できる。たとえば、コネクティングロッドの径が大きくなることを回避できる。また、構成部材同士の摩擦が大きくなることを回避できて、燃料消費率の悪化を抑制することができる。
さらに、燃焼室の最大圧力が高い場合においては、燃焼室の径を大きくすることが困難であるという問題がある。燃焼室の径が大きくなると、それに伴ってピストンの支持部分等の構成部材の強度を大きくする必要が生じる。しかしながら、本実施の形態においては、燃焼室の最大圧力を低く維持できるために、構成部材の要求強度を低く抑えることができる。このため、燃焼室の径を容易に大きくすることができる。
次に、本実施の形態の内燃機関の燃焼圧力制御装置における制御圧力について説明する。
図7は、比較例における内燃機関の負荷と、燃焼室における最大圧力との関係を示すグラフである。内燃機関の負荷は、燃焼室における燃料の噴射量に対応する。異常燃焼が発生しない場合には、破線で示したように、負荷が増加するに従って燃焼室の最大圧力が増加する。所定の負荷よりも大きくなると異常燃焼が発生する。異常燃焼が発生するときの燃焼室の最大圧力は、負荷に依らずにほぼ一定であることが分かる。
本実施の形態の内燃機関においては、燃焼室の圧力が異常燃焼を発生する圧力に到達しないように制御圧力を設けている。制御圧力としては、燃料が燃焼したときの燃焼室の最大圧力が異常燃焼の発生圧力よりも小さくなる範囲のうち、大きな圧力であることが好ましい。制御圧力を異常燃焼が発生する圧力の近傍まで高くすることが好ましい。この構成により、異常燃焼を抑制しながら熱効率を大きくすることができる。
図8に、本実施の形態における内燃機関の燃焼室の圧力の他のグラフを示す。図2、図3および図8を参照して、本実施の形態の内燃機関は、燃焼室5a〜5dの圧力が制御圧力に到達することにより、移動部材62a〜62dが移動して流体封入部材63が縮む。このときに、流体封入部材63の内部の圧力が上昇する場合がある。このため、燃焼室5a〜5d内の圧力が、流体封入部材63の内部の圧力上昇に伴って上昇する場合がある。燃焼室5a〜5dの圧力のグラフは、上側に凸の形状になる。したがって、制御圧力を設定する場合には、燃焼室5a〜5dの最大圧力Pmaxが異常燃焼の発生圧力に到達しないように、流体封入部材63の内部の圧力の上昇分を見込んで低く設定することが好ましい。
次に、本実施の形態の内燃機関の点火時期について説明する。
図9に、本実施の形態および比較例における燃焼室の圧力のグラフを示す。実線は、本実施の形態の内燃機関において出力トルクが最大になる時期に点火したときのグラフを示す。一点鎖線は、比較例の内燃機関において点火時期を遅角させた場合のグラフを示す。
本実施の形態における内燃機関は、前述したように、内燃機関の熱効率が最大となる点火時期θmaxを選定することが好ましい。しかしながら、この点火時期での燃焼室の圧力は高くなる。たとえば、本実施の形態の点火時期における燃焼室の圧力は、比較例の点火時期における燃焼室の圧力よりも大きくなる。このために、内燃機関によっては、火花が飛ばせずに失火してしまう場合がある。特に、本実施の形態の内燃機関では、クランク角度が0°(TDC)の近傍において点火を行なっている。クランク角度が0°の近傍では、燃焼室の圧力が高いために火花が飛びにくい状態になっている。すなわち、空気密度が高いために放電が生じにくい状態になっている。
図1を参照して、燃焼室5において失火すると、未燃燃料が機関排気通路を通って排気浄化装置に流入する。本実施の形態においては、未燃燃料が排気ポート9を通って三元触媒20に流入する。この場合には、三元触媒20に流入する未燃燃料が多くなり、大気中に放出される排気ガスの性状が悪化する場合がある。または、三元触媒20において、未燃燃料が燃焼して三元触媒20が過温になる場合がある。
図9を参照して、このような失火する虞のある内燃機関では、点火時期を進角させることができる。すなわち、点火時期を早くすることができる。たとえば、点火時期を出力トルクが最大になる点火時期よりも更に進角させることができる。点火時期を早くすることにより、燃焼室の圧力が低い時に点火することができて失火を抑制することができる。
図10に、本実施の形態における内燃機関の燃焼サイクルのそれぞれの行程を説明する概略図を示す。それぞれの気筒の燃焼サイクルは、吸気行程、圧縮行程、膨張行程および排気行程を含む。本実施の形態の内燃機関においては、第1気筒、第3気筒、第4気筒および第2気筒が、この順に点火される。
本実施の形態における内燃機関では、それぞれの気筒において膨張行程の初期に点火されて圧力が上昇する。膨張行程の初期において燃焼室5a〜5dの圧力が制御圧力に到達する(図4参照)。本実施の形態においては、流体ばねに2つの気筒の副室が接続されている。すなわち1つの流体ばねが第1気筒の副室61aおよび第2気筒の副室61bに接続され、他の流体ばねが第3気筒の副室61cおよび第4気筒の副室61dに接続されている。
ところで、1つの流体ばねに接続されている2つの気筒の燃焼室が同時に制御圧力に到達すると、流体封入部材63は両側の端部から中央に向かって縮む。流体封入部材63の両側に配置されている2つの移動部材が共に移動する。このため、流体封入部材63の内部の圧力が大きく上昇し、その結果、燃焼室の最大圧力が大きくなる場合がある。または、流体封入部材63の一方の側の移動部材が移動している期間中に他方の移動部材が移動すると、流体封入部材63の内部の圧力変動が生じる。このため、一つの流体ばねに接続する複数の燃焼室においては、一つの燃焼室の圧力が制御圧力に到達する期間中に、他の燃焼室の圧力が制御圧力未満であることが好ましい。本実施の形態における内燃機関は、それぞれの気筒において、燃焼室の圧力が制御圧力に到達する期間が重ならないように形成されている。このため、流体封入部材の両側に配置されている2つの移動部材は、いずれかの一方のみが移動し、燃焼室の最大圧力が高くなることを効果的に抑制できる。
また、一つの流体ばねに接続される燃焼室としては、一方の燃焼室が膨張行程であるときに、他方の燃焼室が吸気行程または排気行程のいずれかの行程であることが好ましい。より好ましくは、一方の燃焼室が膨張行程であるときに、他方の燃焼室が吸気行程である。この構成により、同一の流体ばねに接続する複数の気筒の燃焼室の圧力が、同時に制御圧力に到達することを確実に回避できる。流体ばねの一方の移動部材が移動しているときに、他方の移動部材が動くことを回避できる。たとえば、図10を参照して、1つの流体ばねに第1気筒の副室および第4気筒の副室を接続して、他の流体ばねに第2気筒の副室および第3気筒の副室を接続することが好ましい。
このように、本実施の形態における燃焼圧力制御装置は、1個のばね装置で複数の燃焼室の圧力を制御することができる。このため、本実施の形態における燃焼圧力制御装置は、簡易な構成で異常燃焼の発生を抑制できる。本実施の形態においては、互いに隣りあう気筒に対して流体ばねを接続しているが、この形態に限られず、互いに離れている気筒に対して流体ばねを接続しても構わない。この場合には、たとえば、シリンダヘッドの内部に延びる空気の流路を形成して、1つの燃焼室の副室から延びる流路と他の燃焼室の副室から延びる流路とのほぼ中間位置に流体ばねを配置することができる。
また、複数の気筒の副室に対して1つの流体ばねを接続することにより、接続した気筒における燃焼室の制御圧力をほぼ同じにすることができる。例えば、1つの燃焼室に対して1つのばね装置を配置することが可能である。しかしながら、この場合には、それぞれのばね装置の製造誤差や温度差等により、それぞれの燃焼室における最大圧力がばらつく場合がある。燃焼室の最大圧力がばらつくことにより出力トルクが変動する。すなわちトルク変動が生じる場合がある。しかしながら、1つのばね装置を複数の燃焼室に対して接続することにより、接続された複数の燃焼室の制御圧力をほぼ同じにすることができる。この結果、トルク変動を抑制することができる。
本実施の形態におけるばね装置は、圧縮性流体を有する流体ばねを含む。燃焼室の圧力は高圧になるために、ばね装置の弾性力を大きくする必要がある。ばね装置として流体ばねを採用することにより、内部に充填する流体圧力を高くことで、容易に弾性力を大きくすることができる。
図11に、本実施の形態における第2の燃焼圧力制御装置のばね装置の拡大概略断面図を示す。第2の燃焼圧力制御装置の流体ばねは、流体封入部材を有していない。流体ばねは、移動部材62aおよび移動部材62bを含む。移動部材62aおよび移動部材62b同士の間に圧縮性流体が封入されている。
第2の燃焼圧力制御装置の流体ばねは、流体としての空気を封入する封入機構を有する。流体の封入機構は、封止部材64,65を含む。封止部材64,65は、移動部材62a,62bと移動部材62a,62bの移動を制限する係止部とが対向する領域に配置されている。本実施の形態における封止部材64は、係止部としての空洞の壁面59a,59bの表面に配置されている。また、封止部材64は、係止部としての突出部60a,60bの表面に配置されている。また、封止部材65は、移動部材62a,62bの表面に配置されている。
本実施の形態における封止部材64,65は、平面形状が環状に形成されている。封止部材64および封止部材65は、互いに対向する領域に配置されている。封止部材64,65は、移動部材62a,62bが係止部に到達して停止したときに、移動部材62a,62bと係止部との間に介在する。封止部材64,65は、燃焼室5a,5bの圧力が制御圧力未満の場合に互いに接触する。本実施の形態における封止部材64,65は、互いに接触することにより流体の流通を抑制する材質で形成されている。本実施の形態における封止部材64,65は、Fb−Mo系焼結材により形成されている。封止部材64,65としては、この形態に限られず、流体の流通を抑制する任意の材質により形成することができる。
燃焼室5a,5b内の圧力が、制御圧力未満の場合には移動部材62a,62bが、それぞれの燃焼室5a,5bに向かって押圧される。封止部材64と封止部材65とが互いに接触することにより、封入された流体が副室61a,61bに漏れることを抑制できる。
燃焼室5a,5bの圧力が、制御圧力以上になると移動部材62a,62bが移動する。移動部材62a,62bは、移動部材62a,62bの表裏の圧力差を打ち消すように移動するために、封入された流体が副室61a,61bに漏れることを抑制できる。または、副室61a,61bの空気が移動部材62a,62b同士の間に侵入することを抑制できる。
このように、移動部材62a,62bと係止部との間に封止部材64,65を配置することにより、流体封入部材63を有さない場合においても、封入された流体が燃焼室に漏れることを抑制できる。または、燃焼室の空気が、流体ばねの内部に侵入することを抑制できる。
また、本実施の形態における封止部材65は、移動部材62a,62bの端面に配置されている。封止部材は、たとえば移動部材62a,62bの外周面に配置することができる。すなわち、封止部材は、移動部材62a,62bとシリンダヘッド4に形成された空洞との間に配置することができる。しかし、この場合には、封止部材と空洞との間の摩擦が大きくなる。移動部材62a,62bの端面に封止部材65を配置することにより、移動部材62a,62bが移動するときに生じる摩擦を軽減することができる。移動部材62a,62bを滑らかに移動させることができ、応答性に優れたばね装置を形成することができる。
本実施の形態におけるばね装置には、移動部材の表面および移動部材の移動を制限する係止部の表面の両方に封止部材が配置されているが、この形態に限られず、移動部材および係止部のうち少なくとも一方に封止部材が配置されていても構わない。
移動部材および係止部に形成される封入機構としては、上記の形態に限られず、任意の封入機構を採用することができる。たとえば、移動部材の表面粗さおよび移動部材に接触する係止部の表面粗さを小さくすることにより、流体の流通を抑制するように形成されていても構わない。
図12に、本実施の形態における第3の燃焼圧力制御装置のばね装置の拡大概略断面図を示す。図12は、移動部材の外周部と係止部との拡大概略断面図である。第3の燃焼圧力制御装置のばね装置は、シリンダヘッドと移動部材との間の伝熱を促進する伝熱機構を有する。伝熱機構は、移動部材62aの端面に配置されている凹凸部67を有する。また、伝熱機構は、シリンダヘッド4の壁面59aおよび台座部69aの突出部60aの表面に形成されている凹凸部66を有する。凹凸部66および凹凸部67は、互いに対向するように配置されている。凹凸部66は、凹凸部67と嵌合して密着するように形成されている。すなわち、凹凸部66の谷の部分が、凹凸部67の山の部分と接触するように形成されている。
凹凸部66と凹凸部67とが接触することにより、伝熱面積を大きくすることができる。このため、移動部材同士の内部に封入されている流体の温度が変化した場合においても、移動部材62a,62bを介して熱をシリンダヘッド4に逃がすことができる。このため、移動部材62a,62b同士の間に封入されている流体の温度が変化することを抑制できる。流体ばねの内部の圧縮性流体の温度が変化することを抑制できる。この結果、温度変化により燃焼室の最大圧力が変化することを抑制できる。
また、凹凸部66,67は、移動部材62a,62b同士の間に封入された流体の漏れを抑制する封入機構としても機能する。凹凸部66と凹凸部67とが互いに嵌合することにより、移動部材と係止部とが大きな接触面積で接触し、流体の流通を抑制する。または、凹凸部66と凹凸部67と間に部分的に隙間が生じる場合にも、ラビリンスシールを形成することができて、流体の流通を抑制する。このために、移動部材62aと移動部材62bとの間に封入されている流体が燃焼室に向かって漏れたり、燃焼室の空気が移動部材62aと移動部材62bとに挟まれる空間に侵入したりすることを抑制できる。
本実施の形態においては、凹凸部66,67は、それぞれが同心円状に形成されている。この構成により、移動部材62a,62bがシリンダヘッド4の空洞の内部で回転したとしても、凹凸部66と凹凸部67とを確実に嵌め合わせることができる。
本実施の形態においては、流体ばねに封入する流体として、気体を例に取り上げて説明をしているが、この形態に限られず、流体ばねの内部に封入する流体は、液体を含んでいても構わない。例えば、流体ばねの内部に封入する流体は、液体と気体との混合物であっても構わない。流体ばねの内部には圧縮性の流体が含まれていれば構わない。
上記の実施の形態における流体ばねは、移動部材を含むが、この形態に限られず、流体ばねは圧縮性流体を含み、所望の圧力にて伸縮可能に形成されていれば構わない。
図13に、本実施の形態における第4の燃焼圧力制御装置を備える内燃機関の概略図を示す。図13は、機関本体を平面視したときの概略図である。本実施の形態の第4の燃焼圧力制御装置を備える内燃機関は、8気筒である。第4の燃焼圧力制御装置は、互いに離れた複数の気筒の副室に接続されるばね装置を備える。
第4の燃焼圧力制御装置のばね装置は、第2気筒の副室と第3気筒の副室とを接続する通路71を有する。本実施の形態における通路71は、シリンダヘッドの内部に形成されている。通路71は、複数の気筒が配置されている領域を取り囲むように形成されている。
第4の燃焼圧力制御装置のばね装置は、通路71の内部に配置されている機械ばねを含む。図13に示す例においては、コイルスプリング70が配置されている。ばね装置は、コイルスプリング70の両端に配置されている移動部材62a,62bを含む。ばね装置は、通路71の径が小さくなっている係止部としての壁面59a,59bを有する。コイルスプリング70は、矢印203に示すように、移動部材62aおよび移動部材62bのうち、少なくとも一方が押圧されることにより縮む。コイルスプリング70は、通路71に沿って伸縮する。移動部材62a,62bは、壁面59a,59bに接触することにより停止する。すなわち、壁面59a,59bは、移動部材の移動を制限する係止部として機能する。
図13に示す例においては、第4気筒の副室と第1気筒の副室とを接続する通路71、第6気筒の副室と第7気筒の副室とを接続する通路71、第8気筒の副室と第5気筒の副室とを接続する通路71が形成されている。それぞれの通路は、複数の気筒を取り囲むように形成されている。それぞれの通路71の内部には、コイルスプリングおよび移動部材が配置されている。
燃焼室は高圧になるために、移動部材が移動し始める燃焼室の圧力である制御圧力も高圧になる。ばね装置は、移動部材を大きな押圧力にて押圧する必要がある。ばね装置は、コイルスプリング70を含むことができる。ところが、大きな押圧力を発生させるためには、非常に長いコイルスプリング70が必要になる場合がある。本実施の形態の第4の燃焼圧力制御装置においては、コイルスプリング70を配置する通路を長くすることができて、ばね装置の弾性部材として、機械ばねを採用することができる。
本実施の形態における燃焼圧力制御装置は、1つのばね装置が2つの気筒の副室に接続されているが、この形態に限られず、1つのばね装置が3つ以上の気筒の副室に接続されていても構わない。また、本実施の形態においては、4気筒の内燃機関または8気筒の内燃機関を例に取り上げて説明したが、この形態に限られず、複数の気筒を備える内燃機関に本発明を適用することができる。
本実施の形態における燃焼圧力制御装置は、ばね装置に接続されている複数の副室のうち、一つの副室の容積を変化するように形成されているが、この形態に限られず、2つ以上の副室の容積を同時に変化させるように形成されていても構わない。すなわち、1つのばね装置に接続されている2つ以上の燃焼室が同時に制御圧力に到達する内燃機関に対しても、本発明を適用することができる。
実施の形態2
図14から図20を参照して、実施の形態2における燃焼圧力制御装置について説明する。本実施の形態においては、4気筒の内燃機関を例に取り上げて説明する。本実施の形態における燃焼圧力制御装置は、複数の流体ばねの内部の空間同士を接続する接続装置を備える。
図14に、本実施の形態における第1の燃焼圧力制御装置を備える内燃機関の概略断面図を示す。第1気筒の燃焼室5aと第2気筒の燃焼室5bとの間に、ばね装置が配置されている。また、第3気筒の燃焼室5cと第4気筒の燃焼室5dとの間に、ばね装置が配置されている。本実施の形態におけるばね装置は、流体ばねを含む。
図15に、本実施の形態の第1の燃焼圧力制御装置におけるばね装置の部分の拡大概略断面図を示す。図14および図15を参照して、本実施の形態における流体ばねは、中間部材68を含む。本実施の形態における中間部材68は、シリンダヘッド4に固定されている。中間部材68は、流体封入部材63が伸縮しても移動しないように形成されている。中間部材68は、例えば、副室61a,61b同士のほぼ中央に配置されている。本実施の形態における流体ばねは、移動部材62a〜62dを含む。
第1気筒の副室61aの側に配置されている移動部材62aと中間部材68との間には、流体封入部材63が配置されている。また、同様に移動部材62b〜62dと中間部材68との間には、流体封入部材63が配置されている。それぞれの流体封入部材63は、中間部材68と接触する面に開口部63bが形成されている。
中間部材68の内部には、流路68aが形成されている。流路68aは、それぞれの流体封入部材63の内部に連通するように形成されている。流路68aは、流体封入部材63の開口部63bと連通している。このように、流路68aと流体封入部材63の内部との間で空気が流通するように形成されている。シリンダヘッド4には、流路81が形成されている。流路81は、中間部材68の流路68aと連通している。
図14を参照して、第1気筒と第2気筒との間に配置された流体ばねに接続される流路81と、第3気筒と第4気筒との間に配置された流体ばねに接続される流路81とは、開閉弁82を介して、互いに接続されている。開閉弁82は、電子制御ユニット31に接続されている。開閉弁82は、電子制御ユニット31に制御される。開閉弁82を開状態にすることにより、それぞれの流体ばねの内部の空間同士を接続することができる。複数の流体ばねの内部の空間同士を接続することにより、流体を封入している空間を大きくすることができる。
図10を参照して、それぞれの燃焼室の圧力が制御圧力に到達している期間が、それぞれの気筒に対応する移動部材が移動している期間に相当する。本実施の形態の内燃機関では、いずれかの気筒に対応する移動部材が移動しているときには、他の気筒に対応する移動部材は停止している。このため、開閉弁82を開放することにより、伸縮する流体ばねに対して、伸縮していない流体ばねが接続される。この形態は、伸縮する流体ばねに対して、流体を貯留する流体貯留部を接続した装置と同等になる。
図8に示したように、燃焼室の到達する最大圧力は、流体が封入されている空間の体積に依存する。流体ばねの流体が封入されている空間の体積が小さくなることにより、流体ばねが縮むときの流体ばねの内部の圧力上昇が大きくなる。すなわち、燃焼室の最大圧力は大きくなる。流体が封入されている空間の体積が大きくなることにより、流体ばねが縮むときの流体ばねの内部の圧力上昇を小さくすることができる。または、燃焼室が到達する最大圧力を小さくすることができる。
本実施の形態における内燃機関の制御装置は、要求される燃焼室の最大圧力が低い場合には、流体が封入されている空間の体積を大きくする制御を行うことができる。また、要求される燃焼室の最大圧力が高い場合には、流体が封入されている空間の体積を小さくする制御を行うことができる。
図14を参照して、要求される燃焼室の最大圧力が低い場合には、開閉弁82を開く制御を行うことができる。要求される燃焼室の最大圧力が低い場合には、複数の流体ばねを接続することができる。たとえば、第1気筒の燃焼室5aにおいて点火が行なわれると、移動部材62aが移動して流体封入部材63が縮められる。このときに、移動部材62b,62c,62dは停止した状態である。移動部材62aが移動している期間中に開閉弁82を開いた状態にすることにより、流体が封入される空間を大きくすることができる。流体ばね内部の圧力上昇を抑制できる。このため、燃焼室における圧力上昇を抑制することができて、燃焼室の最大圧力を小さくすることができる。
ところで、本実施の形態における燃焼圧力制御装置は、内燃機関の運転状態を検出する運転状態検出装置を備える。本実施の形態における燃焼圧力制御装置は、検出した内燃機関の運転状態に基づいて燃焼室が到達する最大圧力を選定する。任意の時刻における運転状態に基づいて流体が封入されている空間の体積を変更する。
ここで、燃焼室の最大圧力を変更するための内燃機関の運転状態について、機関回転数を例に取り上げて説明する。図1を参照して、運転状態検出装置は、機関回転数を検出するためのクランク角センサ42を含む。
図16に、比較例の内燃機関の回転数と、ノッキング余裕点火時期との関係を説明するグラフを示す。比較例の内燃機関は、本実施の形態におけるばね装置を有していない内燃機関である。ノッキング余裕点火時期は、以下の式で表すことができる。
(ノッキング余裕点火時期)=(ノッキングが発生する点火時期)−(出力トルクが最大になる点火時期)
ノッキング余裕点火時期は、その値が小さいほど異常燃焼が発生し易くなる。それぞれの内燃機関の回転数により、ノッキングの発生しやすさが異なる。このため、本実施の形態の燃焼圧力制御装置においては、内燃機関の回転数に基づいて燃焼室の最大圧力を変更する。内燃機関は、概して、内燃機関の回転数が高くなると燃焼期間が短くなるために、異常燃焼が発生しにくくなる。
図17に、本実施の形態における燃焼圧力制御装置の内燃機関の回転数に対して燃焼室の最大圧力のグラフを示す。本実施の形態においては、内燃機関の回転数が高くなった場合に、燃焼室の最大圧力を高く設定している。図1を参照して、本実施の形態においては、内燃機関の回転数を関数にした燃焼室の最大圧力を、予め電子制御ユニット31のROM34に記憶させておく。電子制御ユニット31は、クランク角センサ42により内燃機関の回転数を検出し、回転数に応じた燃焼室の最大圧力を選定する。電子制御ユニット31は、流体が封入されている体積が、選定された燃焼室の最大圧力に対応するように開閉弁82を制御する。図17に示す例では、内燃機関の回転数が所定の値よりも大きくなったときに、開閉弁82を閉じる制御を行うことができる。
また、本実施の形態における燃焼圧力制御装置の運転状態検出装置は、燃焼室に供給される燃料の性状を検出する燃料性状検出装置を含む。検出した燃料の性状に基づいて、要求する燃焼室の最大圧力を変更する。内燃機関の燃料にアルコールが含まれる場合がある。本実施の形態においては、燃料の性状としてアルコール濃度を検出する内燃機関を例に取り上げて説明する。この内燃機関の運転時の特性は、アルコール濃度に依存する。
図18に、比較例の内燃機関における燃料に含まれるアルコール濃度と、遅角補正量との関係を説明するグラフを示す。比較例の内燃機関は、異常燃焼が生じる場合に点火時期を遅角させている。図18の横軸は、燃料に含まれるアルコール濃度を示し、縦軸は、異常燃焼が生じないように点火時期を遅角させるときの遅角補正量を示す。燃料に含まれるアルコール濃度が高くなるほど、遅角補正量が小さくなっている。このように、内燃機関は、アルコール濃度が高くなるほど異常燃焼が発生しにくくなる。このため、本実施の形態における燃焼圧力制御装置においては、燃料に含まれるアルコール濃度に基づいて燃焼室の最大圧力を変更する。
図19に、本実施の形態における燃焼圧力制御装置のアルコール濃度に対する燃焼室の最大圧力のグラフを示す。アルコール濃度が高くなると、燃焼室の最大圧力を高く設定している。本実施の形態における燃料性状検出装置は、燃料に含まれるアルコール濃度を検出するアルコール濃度センサを含む。図1を参照して、本実施の形態における内燃機関は、燃料供給流路に燃料性状センサ77としてアルコール濃度センサが配置されている。アルコール濃度を関数にした要求する燃焼室の最大圧力を、予め電子制御ユニット31のROM34に記憶させておく。電子制御ユニット31は、燃料に含まれるアルコール濃度を検出し、アルコール濃度に応じた燃焼室の最大圧力を選定する。電子制御ユニット31は、流体封入部材63内部の体積が、選定された制御圧力に対応するように開閉弁82を制御する。図19に示す例では、燃料に含まれるアルコール濃度が所定の値よりも大きくなったときに、開閉弁82を閉じる制御を行うことができる。
本実施の形態の燃焼圧力制御装置においては、流路81を介して2つの流体ばねを接続することにより、2段階の燃焼室の最大圧力を選定している。1つの開閉弁82の開閉の制御を行うことにより2段階の制御を行っている。本実施の形態における燃焼圧力制御装置は、より多くの気筒を備える内燃機関に適用することができる。たとえば、流体ばねを3つ以上備える内燃機関においては、複数の流体ばねの内部空間同士を連通する連通路を形成する。それぞれの流体ばねに連通している連通路に開閉弁を配置する。伸縮している流体ばねに接続する他の流体ばねの数を変更することにより、燃焼室の最大圧力を多段階で変更することができる。
内燃機関の運転状態としては、内燃機関の回転数および供給される燃料の性状の他に、吸気温度、内燃機関の冷却水温度、点火する直前における燃焼室の温度等を例示することができる。これらの温度が低いほど、燃焼室の最大圧力を高く設定することができる。たとえば、内燃機関は、点火する時の混合気の温度が低いほど異常燃焼が生じにくい。更に、内燃機関の圧縮比が可変の場合には、圧縮比が低いほど点火する時の温度が低くなる。このため、圧縮比が低いほど、燃焼室の最大圧力を高くすることができる。
燃料の性状としては、アルコール濃度の他に、ガソリンのオクタン価等の耐ノッキング性を示す指標を例示することができる。たとえば、オクタン価が高い燃料等の異常燃焼が生じにくい燃料が燃焼室に供給されたことを検出して、燃焼室の最大圧力を高くすることができる。
このように、内燃機関の運転状態に応じて燃焼室の最大圧力を変更することにより、異常燃焼の発生を抑制しながら、燃焼室の最大圧力を大きくすることができる。運転状態に応じて、異常燃焼の発生を抑制しながら、出力トルクを大きくしたり、燃料消費量を抑制したりすることができる。
本実施の形態の内燃機関では、たとえば、第1気筒の移動部材62aが移動して流体封入部材63が縮められときには、他の気筒の移動部材62b,62c,62dは停止した状態が維持される。一つの流体ばねの移動部材が移動している期間中に、他の流体ばねの移動部材が移動すると、内部に封入されている流体の圧力変動が生じる場合がある。または、内部に封入されている流体の圧力が大きくなって、燃焼室の最大圧力が大きくなる場合がある。このために、複数の流体ばねを互いに接続する場合には、一つの流体ばねの移動部材が移動している期間中に、他の流体ばねの移動部材が全て停止していることが好ましい。
また、本実施の形態の燃焼圧力制御装置は、流体ばねの内部の流体の温度変化等に起因する圧力変動を修正することができる。図14を参照して、本実施の形態における燃焼圧力制御装置は、流体ばねの内部の圧力を検出する圧力センサ91を備える。本実施の形態における圧力センサ91は、中間部材68と開閉弁82との間の流路81に配置されている。圧力センサ91は、電子制御ユニット31に接続されている。圧力センサ91の出力により、流体ばねの内部の圧力を検出することができる。
例えば、流体ばねの周りの温度が上昇し、流体ばねの内部の流体の温度が高くなった場合には、流体の圧力が上昇する。この結果、移動部材62a〜63dが動き始める燃焼室の圧力が高くなる。すなわち、制御圧力が高くなる。このような場合には、伸縮している1つの流体ばねに接続する他の流体ばねの数を多くすることにより、燃焼室において到達する最大圧力を抑制することができる。または、流体ばねの内部の圧力が下がるほど、1つの流体ばねに接続する他の流体ばねの数を少なくする制御を行うことができる。このように、温度変化等により流体ばねの内部の圧力が変化して、燃焼室が到達する最大圧力が変化することを抑制できる。目標とする燃焼室の最大圧力からのずれを小さくすることができる。
本実施の形態の燃焼圧力制御装置は、流体封入部材の内部の圧力を検出しているが、この形態に限られず、流体封入部材の内部の圧力を推定しても構わない。例えば、圧力センサの代わりに温度センサを配置して、温度を検出することにより、流体ばねの内部の圧力を推定しても構わない。流体ばねの内部の温度が高くなるほど、流体ばねの内部に封入されている流体の圧力が上昇する。このため、温度センサから検出される温度が高くなるほど、伸縮している流体ばねに対して接続する他の流体ばねの数を多くする制御を行うことができる。
図20に、本実施の形態における第2の燃焼圧力制御装置を備える内燃機関の概略断面図を示す。本実施の形態の第2の燃焼圧力制御装置においては、それぞれの気筒ごとに、ばね装置が配置されている。それぞれのばね装置は、流体ばねを含む。それぞれの流体ばねは、それぞれの燃焼室5a〜5dに連通する副室61a〜61dに接続されている。流体ばねは、流体封入部材63を有する。
それぞれの流体封入部材63は、流路81に接続されている。それぞれの気筒の流路81には開閉弁82a〜82dが配置されている。それぞれの流路81は、開閉弁82a〜82dを介して互いに接続されている。開閉弁82a〜82dは、電子制御ユニット31に接続されている。開閉弁82a〜82dは、電子制御ユニット31により制御されている。
本実施の形態の第2の燃焼圧力制御装置は、1つの流体ばねに接続可能な複数の流体ばねを備える。本実施の形態の第2の燃焼圧力制御装置は、本実施の形態における第1の燃焼圧力制御装置と同様に、内燃機関の運転状態を検出する運転状態検出装置を備え、検出される運転状態に応じて燃焼室の最大圧力が選定される。選定された燃焼室の最大圧力に応じて伸縮している流体ばねに接続する他の流体ばねの数を変更する。選定された燃焼室の最大圧力が高くなるほど、1つの流体ばねに対して、接続する流体ばねの数を少なくする制御を行うことができる。この構成により、選定された燃焼室の最大圧力に応じて、流体が封入される空間の体積を変更することができる。燃焼室が到達する最大圧力を調整することができる。
例えば、選定された燃焼室の最大圧力が低い場合には、第1気筒に配置されている移動部材62aが移動する期間中に、開閉弁82a〜82dの全てを開いた状態にすることにより、第1気筒の副室61aに接続されている流体封入部材63に対して、第2気筒の流体封入部材63、第3気筒の流体封入部材63、および第4気筒の流体封入部材63が接続される。流体が封入される空間を大きくすることができて、第1気筒の燃焼室5aが到達する最大圧力を低くすることができる。
また、本実施の形態における第1の燃焼圧力制御装置と同様に、流体ばねの内部の圧力を検出するための圧力センサ等を配置する。温度等により変化する流体ばねの内部の圧力に応じて、伸縮している流体ばねに接続する他の流体ばねの数を変更することができる。温度等により流体ばねの内部の圧力が変化して、燃焼室が到達する最大圧力が変化することを抑制できる。
その他の構成、作用および効果については、実施の形態1と同様であるので、ここでは説明を繰り返さない。
実施の形態3
図21および図22を参照して、実施の形態3における燃焼圧力制御装置について説明する。本実施の形態における燃焼圧力制御装置は、それぞれの流体ばねに接続され、流体を貯留する流体貯留部と、流体貯留部の体積を変更する体積調整装置とを備える。
図21は、本実施の形態における第1の燃焼圧力制御装置を備える内燃機関の概略断面図である。本実施の形態においては、4気筒の内燃機関を例に取り上げて説明する。第1気筒と第2気筒との間にばね装置が配置されている。また、第3気筒と第4気筒との間にばね装置が配置されている。
本実施の形態におけるばね装置は、流体ばねを含む。流体ばねは、中間部材68を有する。中間部材68は、内部に流路68aを有する(図15参照)。それぞれの移動部材62a〜62dと中間部材68との間に流体封入部材63が配置されている。それぞれの流体封入部材63の内部は、中間部材68に形成されている流路68aを通って空気が流通する。
本実施の形態の燃焼圧力制御装置は、中間部材68に接続される流路81を含む。流路81には、流体貯留部としての流体タンク83が接続されている。本実施の形態においては、1つの流体ばねに対して、複数の流体タンク83が接続されている。それぞれの流体タンク83に通じる流路81の途中には、流路81を開閉する開閉弁82が配置されている。開閉弁82は、電子制御ユニット31に接続されている。それぞれの開閉弁82は、独立して電子制御ユニット31により制御される。
本実施の形態における燃焼圧力制御装置は、それぞれの開閉弁82の開閉状態を制御することにより、伸縮している流体ばねに接続される流体タンク83の数を変更することができる。接続されている流体タンクの数を変更することにより、流体貯留部の体積を変化させることができる。すなわち、流体が封入されている空間の体積を変化させることができる。
本実施の形態における燃焼圧力制御装置は、内燃機関の運転状態を検出する運転状態検出装置を備える。運転状態に応じて燃焼室の最大圧力が選定される。選定された燃焼室の最大圧力に応じて、流体が封入されている空間の体積を変更することができる。選定された燃焼室の最大圧力が低いほど、伸縮している流体ばねに接続される流体タンク83の数を多くする制御を行うことができる。
本実施の形態における燃焼圧力制御装置は、中間部材68に連通する流路81に、圧力センサ91が配置されている。圧力センサ91の出力により、それぞれの流体ばねの内部の圧力を検出することができる。本実施の形態における燃焼圧力制御装置は、流体ばねの内部の流体の圧力を検出し、流体の圧力に基づいて接続する流体タンク83の数を変更することができる。たとえば、流体封入部材63に封入されている流体の温度が上昇することにより、移動部材62a〜62dが移動し始めるときの圧力が上昇する。この結果、燃焼室が到達する最大圧力が上昇する。このような場合に、流体ばねに接続する流体タンク83の数を多くすることにより、燃焼室5の到達する最大圧力が大きくなることを抑制できる。この制御を行なうことにより、温度等により流体ばねの内部の圧力が変化して、燃焼室が到達する最大圧力が変化することを抑制できる。目標とする燃焼室の最大圧力からのずれを小さくすることができる。
また、流体ばねに対して複数の流体タンクを接続することにより、伸縮している流体ばねに接続する流体タンクの数を多段階で変更することができる。流体が封入される空間の体積を多段で変更することができる。この結果、より細かな制御を行うことができる。たとえば、内燃機関の運転状態に応じて、燃焼室が到達する最大圧力を多段階で制御することができる。または、目標とする燃焼室の最大圧力からのずれを小さくする場合にも、多段階で調整を行なうことができる。
図22に、本実施の形態における第2の燃焼圧力制御装置を備える内燃機関の概略断面図を示す。第2の燃焼圧力制御装置は、個々の燃焼室5a,5bごとにばね装置が接続されている。それぞれのばね装置は、流体ばねを含む。それぞれの流体ばねは、流路81を介して複数の流体タンク83に接続されている。それぞれの流体タンク83に通じる流路81には、流路81を開閉する開閉弁82が配置されている。それぞれの開閉弁82は、独立して電子制御ユニット31により制御される。
本実施の形態の第2の燃焼圧力制御装置においても、内燃機関の運転状態に応じて選定される燃焼室の最大圧力に応じて、流体ばねに接続する流体タンクの数を変更することができる。例えば、内燃機関の運転状態に応じて選定される燃焼室の最大圧力が低くなったときに、流体ばねに接続される流体タンクの数を多くすることができる。
また、流体ばねの内部の流体の圧力を検出し、検出した流体の圧力に基づいて接続する流体タンク83の数を変更することができる。流体ばねの内部の圧力が変化したときに、接続する流体タンクの数を変更することができる。例えば、温度上昇により流体ばねの内部の圧力が上昇したときに、接続する流体タンク83の数を多くすることができる。この制御を行なうことにより、目標とする燃焼室の最大圧力からのずれを小さくすることができる。
その他の構成、作用および効果については、実施の形態1または2と同様であるので、ここでは説明を繰り返さない。
上記の実施の形態は、適宜組み合わせることができる。上述のそれぞれの図において、同一または相当する部分には同一の符号を付している。なお、上記の実施の形態は例示であり発明を限定するものではない。また、実施の形態においては、請求の範囲に含まれる変更が意図されている。
1 機関本体
3 ピストン
4 シリンダヘッド
5,5a〜5d 燃焼室
31 電子制御ユニット
59a,59b 壁面
60a,60b 突出部
61a〜61d 副室
62a〜62d 移動部材
63 流体封入部材
64,65 封止部材
66,67 凹凸部
68 中間部材
69a,69b 台座部
70 コイルスプリング
71 通路
77 燃料性状センサ
81 流路
82 開閉弁
83 流体タンク
91 圧力センサ

Claims (8)

  1. 複数の燃焼室と、それぞれの燃焼室に連通する副室とを有する内燃機関の燃焼圧力制御装置であって、
    弾性を有して縮むように形成されており、縮む方向において一方の側が一つの燃焼室に連通する副室に接続され、縮む方向において一方の側と反対側の他方の側が他の燃焼室に連通する副室に接続されているばね装置を備え、
    ばね装置は、燃焼室の圧力が予め定められた制御圧力に到達したときに、燃焼室の圧力変化を駆動源として縮むように形成されており、
    一つの燃焼室および他の燃焼室のうち少なくとも一方が、燃焼サイクルの圧縮行程から膨張行程の期間中に制御圧力に到達すると、ばね装置が縮むことにより、副室の容積が増大して燃焼室の圧力上昇を抑制することを特徴とする、燃焼圧力制御装置。
  2. ばね装置に接続される一つの燃焼室の圧力が制御圧力に到達している期間に、他の燃焼室の圧力が制御圧力未満であることを特徴とする、請求項1に記載の燃焼圧力制御装置。
  3. ばね装置に接続される一つの燃焼室が圧縮行程であるときに、他の燃焼室が吸気行程または排気行程であることを特徴とする、請求項2に記載の燃焼圧力制御装置。
  4. ばね装置は、圧縮性流体が内部に充填されている流体ばねを含むことを特徴とする、請求項1に記載の燃焼圧力制御装置。
  5. 内燃機関の運転状態を検出する運転状態検出装置と、
    流体ばねの内部空間に接続され、流体を貯留する流体貯留部と、
    流体貯留部の体積を変化させる体積調整装置とを備え、
    内燃機関の運転状態を検出し、検出した運転状態に応じて燃焼室の最大圧力を選定し、選定した燃焼室の最大圧力に基づいて流体貯留部の体積を変化させることを特徴とする、請求項4に記載の燃焼圧力制御装置。
  6. 体積調整装置は、運転状態に応じて選定された燃焼室の最大圧力が低いほど、流体貯留部の体積を増大させることを特徴とする、請求項5に記載の燃焼圧力制御装置。
  7. 内燃機関の運転状態を検出する運転状態検出装置と、
    複数の流体ばねの内部空間同士を接続する接続装置とを備え、
    内燃機関の運転状態を検出し、検出した運転状態に応じて燃焼室の最大圧力を選定し、選定した燃焼室の最大圧力に基づいて互いに接続される流体ばねの数を変更することを特徴とする、請求項4に記載の燃焼圧力制御装置。
  8. 接続装置は、選定された燃焼室の最大圧力が低いほど、互いに接続される流体ばねの数を多くすることを特徴とする、請求項7に記載の燃焼圧力制御装置。
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