JP2008179675A - ゴム組成物及びそれを用いた空気入りタイヤ - Google Patents

ゴム組成物及びそれを用いた空気入りタイヤ Download PDF

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靖王 福島
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Abstract

【課題】損失正接(tanδ)が著しく低いことに加え、作業性を大幅に向上させたゴム組成物を提供する。
【解決手段】天然ゴム及び合成ジエン系ゴムの内の少なくとも一種からなるゴム成分(A)に対して、セチルトリメチルアンモニウムブロマイド(CTAB)吸着比表面積が50〜250m2/gであり、式:Y < 5.00 + 0.47 × X[式中、Yは750℃で3時間加熱した時の質量減少%であり、Xは105℃で2時間加熱した時の質量減少%である]の関係を満たす含水ケイ酸(B)を配合し、更に、特定構造のシランカップリング剤(C)を前記含水ケイ酸(B)に対して1〜20質量%配合する。
【選択図】なし

Description

本発明は、ゴム組成物及び該ゴム組成物をトレッド部の少なくとも接地部分に用いた空気入りタイヤに関し、特に損失正接(tanδ)が低く、作業性を向上させたゴム組成物に関するものである。
近年、環境問題への関心の高まりに伴う世界的な二酸化炭素排出規制の動きに関連して、自動車の低燃費化に対する要求が強まりつつある。このような要求に対応するため、タイヤ性能についても転がり抵抗の低減が求められている。ここで、タイヤの転がり抵抗を減少させる手法としては、タイヤのトレッド部に適用するゴム組成物としてより損失正接(tanδ)が低い低発熱性のゴム組成物を用いることが有効である。そして、ゴム組成物を低発熱化する手法、即ち、損失正接を低下させる手法としては、ゴム用の補強性充填剤として汎用されているカーボンブラックに代えてシリカを配合する手法がよく知られている。
しかしながら、従来用いられているシリカは、主として湿式法により製造された含水ケイ酸であり、多くの市販品が流通しているが、その表面官能基であるシラノール基の水素結合により、粒子同士が凝集し易く、該含水ケイ酸を配合すると、ゴム組成物の混練時の粘度が高くなり、作業性が悪化するという問題があった。また、含水ケイ酸粒子の凝集によってゴム成分への含水ケイ酸粒子の分散性が不十分となるため、得られるゴム組成物のヒステリシスロスが悪化して、低発熱性が悪化する傾向があった。
これに対して、ゴム成分に対してシラノール基が少ない含水ケイ酸を配合してゴム組成物を調製することで、シラノール基による含水ケイ酸の凝集を抑制して、ゴム成分への含水ケイ酸の分散性を改良し、ゴム組成物の低発熱性及び耐破壊性を改善することができ、例えば、特開昭61−215633号及び特開昭61−215637号には、シリカを250℃から450℃で加熱して、表面シラノール基を減少させ、シリカ同士の水素結合を低減させる技術が開示されている。
特開昭61−215633号公報 特開昭61−215637号公報
上述のように、タイヤのトレッド部に適用するゴム組成物としては、損失正接(tanδ)が低いゴム組成物が好適であるが、ゴム組成物及びタイヤの生産性を考慮すると、更に、作業性が良好なゴム組成物が好適である。これに対し、本発明者らが検討したところ、上述のシラノール基が少ない含水ケイ酸を配合してゴム組成物を調製した場合、ゴム成分への含水ケイ酸の分散性が高く、損失正接(tanδ)が低下すると共に、作業性が改良されるものの、損失正接及び作業性の双方の点で依然として改良の余地があることが分かった。
そこで、本発明の目的は、上記従来技術の問題を解決し、損失正接(tanδ)が著しく低いことに加え、作業性を大幅に向上させたゴム組成物を提供することにある。また、本発明の他の目的は、かかるゴム組成物をトレッド部の少なくとも接地部分に用いた空気入りタイヤを提供することにある。
本発明者らは、上記目的を達成するために鋭意検討した結果、補強性充填剤として、CTAB吸着比表面積が特定の範囲にあり、750℃で3時間加熱した時の質量減少%(灼熱減量)と105℃で2時間加熱した時の質量減少%(加熱減量)が特定の関係を満たす含水ケイ酸を配合した上で、特定構造のシランカップリン剤を配合することで、ゴム組成物の作業性を大幅に改良しつつ、損失正接(tanδ)を大幅に低減できることを見出し、本発明を完成させるに至った。
即ち、本発明のゴム組成物は、
天然ゴム及び合成ジエン系ゴムの内の少なくとも一種からなるゴム成分(A)に対して、
セチルトリメチルアンモニウムブロマイド(CTAB)吸着比表面積が50〜250m2/gであり、下記式(I):
Y < 5.00 + 0.47 × X ・・・ (I)
[式中、Yは750℃で3時間加熱した時の質量減少%であり、Xは105℃で2時間加熱した時の質量減少%である]の関係を満たす含水ケイ酸(B)を配合し、
更に、下記式(II):
1 x2 y3 zSi−R4−S−CO−R5 ・・・ (II)
[式中、R1は、R6O−、R6C(=O)O−、R67C=NO−、R67NO−、R67N−及び−(OSiR67)n(OSiR567)から選択され且つ炭素数が1〜18であり(但し、R6及びR7は、それぞれ独立してアルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、シクロアルケニル基及びアリール基から選択され且つ炭素数が1〜18であり、nは0〜10である);
2は、水素、又は炭素数1〜18のアルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、シクロアルケニル基及びアリール基から選択され;
3は、−[O(R8O)m]0.5−基(但し、R8は、アルキレン基及びシクロアルキレン基から選択され且つ炭素数が1〜18であり、mは1〜4である)であり;
x+y+2z=3、0≦x≦3、0≦y≦2、0≦z≦1であり;
4は、アルキレン基、シクロアルキレン基、シクロアルキルアルキレン基、アルケニレン基、アリーレン基及びアラルキレン基から選択され且つ炭素数が1〜18であり;
5は、アルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、シクロアルケニル基、アリール基及びアラルキル基から選択され且つ炭素数が1〜18である]で表されるシランカップリング剤(C)を前記含水ケイ酸(B)に対して1〜20質量%配合してなることを特徴とする。
本発明のゴム組成物の好適例においては、前記ゴム成分(A)の50質量%以上がスチレン−ブタジエン共重合体ゴムである。
本発明のゴム組成物の他の好適例においては、前記含水ケイ酸(B)の配合量が、前記ゴム成分(A)100質量部に対して30〜90質量部である。
また、本発明の空気入りタイヤは、上記ゴム組成物を、トレッド部の少なくとも接地部分に用いたことを特徴とする。
本発明によれば、上記含水ケイ酸(B)及びシランカップリング剤(C)が配合されており、作業性が非常に良好で、損失正接(tanδ)が大幅に低減されたゴム組成物を提供することができる。また、かかるゴム組成物をトレッド部の少なくとも接地部分に用いた、低燃費性に優れた空気入りタイヤを提供することができる。
以下に、本発明を詳細に説明する。本発明のゴム組成物は、天然ゴム及び合成ジエン系ゴムの内の少なくとも一種からなるゴム成分(A)に対して、セチルトリメチルアンモニウムブロマイド(CTAB)吸着比表面積が50〜250m2/gであり、上記式(I)の関係を満たす含水ケイ酸(B)を配合し、更に、上記式(II)で表されるシランカップリング剤(C)を前記含水ケイ酸(B)に対して1〜20質量%配合してなることを特徴とする。
本発明のゴム組成物に含まれる含水ケイ酸(B)は、シラノール基が通常のシリカよりも少なく、凝集し難く且つ分散性が高いため、ゴム組成物の未加硫粘度を低下させて、作業性を向上させる上、損失正接(tanδ)を低下させることができる。また、上記式(II)のシランカップリング剤(C)も、ゴム組成物の未加硫粘度を低下させて、作業性を向上させる上、損失正接(tanδ)を低下させることができる。そして、上記含水ケイ酸(B)とシランカップリング剤(C)とを組み合わせて使用することで、両者の相乗効果により、ゴム組成物の作業性が大幅に向上すると共に、損失正接(tanδ)を大幅に低下させることができる。なお、驚くべきことに、上記含水ケイ酸(B)とシランカップリング剤(C)とを組み合わせて使用することにより得られる作業性の改良効果及び損失正接(tanδ)の低減効果は、両者を別々に使用した場合に得られる効果の和を遥かに凌ぐものである。
本発明のゴム組成物のゴム成分(A)は、天然ゴム(NR)及び合成ジエン系ゴムの内の少なくとも一種からなり、ここで、合成ジエン系ゴムとしては、ポリイソプレンゴム(IR)、スチレン−ブタジエン共重合体ゴム(SBR)、ポリブタジエンゴム(BR)、エチレン−プロピレン−ジエンゴム(EPDM)、クロロプレンゴム(CR)、ハロゲン化ブチルゴム、アクリロニリトル−ブタジエンゴム(NBR)等が挙げられる。上記ゴム成分(A)は、その50質量%以上がスチレン−ブタジエン共重合体ゴムであることが好ましい。ゴム成分(A)の50質量%以上がスチレン−ブタジエン共重合体ゴムである場合、作業性の改良効果及び損失正接(tanδ)の低減効果が顕著となる。なお、上記ゴム成分(A)は、一種単独で用いてもよいし、二種以上をブレンドして用いてもよい。
本発明のゴム組成物に用いる含水ケイ酸(B)は、セチルトリメチルアンモニウムブロマイド(CTAB)吸着比表面積が50〜250m2/gであり、80〜240m2/gであることが好ましい。含水ケイ酸(B)のCTAB吸着比表面積が50m2/g未満では、ゴム組成物の貯蔵弾性率が低下し、一方、250m2/gを超えると、未加硫時のゴム組成物の粘度が上昇して、作業性が悪化する。また、上記含水ケイ酸(B)のCTAB吸着比表面積が80〜240m2/gの場合、ゴム組成物の作業性を更に改良しつつ、損失正接を更に低下させるることができる。
上記含水ケイ酸(B)は、下記式(I):
Y < 5.00 + 0.47 × X ・・・ (I)
[式中、Yは750℃で3時間加熱した時の質量減少%であり、Xは105℃で2時間加熱した時の質量減少%である]の関係を満たす。式(I)において、105℃で2時間加熱した時の質量減少は、含水ケイ酸(B)に物理吸着した水分の脱離に起因し、一方、750℃で3時間加熱した時の質量減少は、含水ケイ酸に(B)物理吸着した水分の脱離と含水ケイ酸(B)のシラノール基の消滅に起因する。そして、上記式(I)の関係を満たす含水ケイ酸(B)は、シラノール基が少ないため、通常のシリカよりも凝集し難く、ゴム組成物の作業性を改良しつつ、ゴム組成物の損失正接(tanδ)を低下させることができる。
上記含水ケイ酸(B)は、湿式法で含水ケイ酸を製造する際の諸条件を調整することで製造することができ、また、上記含水ケイ酸(B)としては、シリコーン処理を施した疎水シリカ、熱処理を施したシリカ等を使用することもできる。本発明のゴム組成物において、上記含水ケイ酸(B)の配合量は、特に限定されるものではないが、上記ゴム成分(A)100質量部に対して10〜150質量部の範囲が好ましく、15〜90質量部の範囲が更に好ましい。含水ケイ酸の配合量が10質量部未満では、ゴム組成物の補強性が不十分となる場合があり、一方、150質量部を超えると、ゴム組成物の作業性が悪化する場合がある。また、含水ケイ酸の配合量が15〜90質量部の範囲であれば、ゴム組成物の補強性及び作業性を向上させつつ、ゴム組成物の損失正接を大幅に低下させることができる。
本発明のゴム組成物に用いるシランカップリング剤(C)は、上記式(II)で表され、また、該シランカップリング剤(C)の配合量は、上記含水ケイ酸(B)の配合量の1〜20質量%の範囲である。シランカップリング剤(C)の配合量が含水ケイ酸(B)の配合量の1質量%未満では、ゴム組成物の作業性を改良する効果及び損失正接を低下させる効果が不十分であり、一方、20質量%を超えると、作業性を改良する効果及び損失正接を低下させる効果が飽和に達し、配合コストが上昇してしまう。
上記式(II)のシランカップリング剤(C)において、R1は、R6O−、R6C(=O)O−、R67C=NO−、R67NO−、R67N−及び−(OSiR67)n(OSiR567)から選択され且つ炭素数が1〜18であり(但し、R6及びR7は、それぞれ独立してアルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、シクロアルケニル基及びアリール基から選択され且つ炭素数が1〜18であり、nは0〜10である);R2は、水素、又は炭素数1〜18のアルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、シクロアルケニル基及びアリール基から選択され;R3は、−[O(R8O)m]0.5−基(但し、R8は、アルキレン基及びシクロアルキレン基から選択され且つ炭素数が1〜18であり、mは1〜4である)であり;x+y+2z=3、0≦x≦3、0≦y≦2、0≦z≦1であり;R4は、アルキレン基、シクロアルキレン基、シクロアルキルアルキレン基、アルケニレン基、アリーレン基及びアラルキレン基から選択され且つ炭素数が1〜18であり;R5は、アルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、シクロアルケニル基、アリール基及びアラルキル基から選択され且つ炭素数が1〜18である。
上記R2、R5、R6及びR7において、アルキル基は、直鎖状でも分岐状でもよく、該アルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基等が挙げられる。また、アルケニル基も、直鎖状でも分岐状でもよく、該アルケニル基としては、ビニル基、アリル基、メタニル基等が挙げられる。更に、シクロアルキル基としては、シクロヘキシル基、エチルシクロヘキシル基等が、シクロアルケニル基としては、シクロヘキセニル基、エチルシクロヘキセニル基等が、アリール基としては、フェニル基、トリル基等が挙げられる。また更に、R5において、アラルキル基としては、フェネチル基等が挙げられる。
上記R4及びR8において、アルキレン基は、直鎖状でも分岐状でもよく、該アルキレン基としては、メチレン基、エチレン基、トリメチレン基、プロピレン基等が挙げられる。また、シクロアルキレン基としては、シクロヘキシレン基等が挙げられる。また更に、R4において、アルケニレン基は、直鎖状でも分岐状でもよく、該アルケニレン基としては、ビニレン基、プロペニレン基等が挙げられる。また、シクロアルキルアルキレン基としては、シクロヘキシルメチレン基等が、アリーレン基としては、フェニレン基等が、アラルキレン基としては、キシリレン基等が挙げられる。
また、上記R3において、−[O(R8O)m]0.5−基は、1,2-エタンジオキシ基、1,3-プロパンジオキシ基、1,4-ブタンジオキシ基、1,5-ペンタンジオキシ基、1,6-ヘキサンジオキシ基等をさす。
上記式(II)のシランカップリング剤(C)は、特表2001−505225号に記載の方法で合成することができ、また、GEシリコーン製の商品名「NXTシラン」等の市販品を利用することもできる。
本発明のゴム組成物には、上記ゴム成分(A)、含水ケイ酸(B)、シランカップリング剤(C)の他に、ゴム工業界で通常使用される配合剤、例えば、カーボンブラック等の充填剤、軟化剤、ステアリン酸、老化防止剤、亜鉛華、加硫促進剤、加硫剤等を、本発明の目的を害しない範囲内で適宜選択して配合することができる。これら配合剤としては、市販品を好適に使用することができる。上記ゴム組成物は、ゴム成分(A)に、含水ケイ酸(B)及びシランカップリング剤(C)と、必要に応じて適宜選択した各種配合剤とを配合して、混練り、熱入れ、押出等することにより製造することができる。
本発明の空気入りタイヤは、上記ゴム組成物をトレッド部の少なくとも接地部分に用いたことを特徴とする。上記ゴム組成物をトレッド部の少なくとも接地部分に用いたタイヤは、低燃費性に優れる。なお、本発明の空気入りタイヤは、上述のゴム組成物をトレッド部の少なくとも接地部分に用いる以外特に制限は無く、常法に従って製造することができる。また、該タイヤに充填する気体としては、通常の或いは酸素分圧を調整した空気の他、窒素、アルゴン、ヘリウム等の不活性ガスを用いることができる。
以下に、実施例を挙げて本発明を更に詳しく説明するが、本発明は下記の実施例に何ら限定されるものではない。
<含水ケイ酸(B)の製造例1>
撹拌機を備えた180Lのジャケット付きステンレス反応槽に、水 93Lとケイ酸ナトリウム水溶液(SiO2 160g/L、SiO2/Na2Oモル比3.3)0.6Lを入れ、96℃に加熱した。生成した溶液中のNa2O濃度は0.005mol/Lであった。この溶液の温度を96℃に維持しながら、上記と同様のケイ酸ナトリウム水溶液を流量 540mL/分で、硫酸(18mol/L)を流量 24mL/分で同時に滴下した。流量を調整して、反応溶液中のNa2O濃度を0.00から0.01mol/Lの範囲に維持しながら中和反応を行った。反応途中から反応溶液は白濁をはじめ、47分目に粘度が上昇してゲル状溶液となった。更に、添加を続けて75分で反応を停止した。生成した溶液中のシリカ濃度は49g/Lであった。引き続き、上記と同様の硫酸を添加して、溶液のpHを3として酸性化を終了し、ケイ酸スラリーを得た。得られたケイ酸スラリーをフィルタープレスで濾過、水洗を行って湿潤ケーキを得、次いで、該湿潤ケーキを乳化装置を用いてスラリーとして、噴霧式乾燥機で乾燥して湿式法含水ケイ酸(B-1)を得た。
<含水ケイ酸の評価>
上記のようにして製造した含水ケイ酸(B-1)のCTAB吸着比表面積並びに加熱減量及び灼熱減量を下記の方法で評価した。また、比較として、東ソー・シリカ(株)社製の含水ケイ酸「Nipsil AQ」(商標名)についても評価した。結果を表1に示す。
(1)CTAB吸着比表面積の測定
ASTM D3765−92記載の方法に準拠して実施した。但し、ASTM D3765−92記載の方法は、カーボンブラックのCTABを測定する方法であるので、若干の改良を加えた方法とした。即ち、カーボンブラックの標準品であるIRB#3(83.0m2/g)を使用せず、別途セチルトリメチルアンモニウムブロマイド(CTAB)標準液を調製し、これによって含水ケイ酸OT(ジ-2-エチルヘキシルスルホコハク酸ナトリウム)溶液の標定を行い、含水ケイ酸表面に対するCTAB 1分子当たりの吸着断面積を0.35nm2としてCTABの吸着量から比表面積を算出した。これは、カーボンブラックと含水ケイ酸とでは表面が異なるので、同一表面積でもCTABの吸着量に違いがあると考えられるからである。
(2)加熱減量X及び灼熱減量Y
含水ケイ酸のサンプルを秤量し、加熱減量Xの場合はサンプルを105℃で2時間加熱し、灼熱減量Yの場合はサンプルを750℃で3時間加熱した後、サンプルの質量を測定し、加熱前のサンプル質量との差を質量減少%とした。
Figure 2008179675
次に、上記含水ケイ酸(B-1)又は「Nipsil AQ」を用いて、表2及び3に示す配合処方のゴム組成物を調製し、下記の方法で作業性及び損失正接(tanδ)を評価した。結果を表2〜3に示す。
(3)ゴム組成物の作業性
上記ゴム組成物に対して、130℃でムーニー粘度(ML1+4)を測定し、表2においては比較例1の値を100として指数表示し、表3においては比較例6の値を100として指数表示した。指数値が小さい程、ムーニー粘度が低く、作業性が良好であることを示す。
(4)損失正接(tanδ)
上記ゴム組成物を加硫して得た試験片に対し、TOYOSEIKI製スペクトロメータを用い、動的歪振幅1.0%、周波数15Hz、測定温度60℃で損失正接(tanδ)を測定し、表2においては比較例1のゴム組成物の損失正接を100として指数表示し、表3においては比較例6のゴム組成物の損失正接を100として指数表示した。指数値が小さい程、損失正接が低く、低発熱性に優れることを示す。
Figure 2008179675
Figure 2008179675
*1 JSR社製, #1500
*2 東海カーボン社製, 商標名「シーストKH」, N339
*3 東ソー・シリカ製, 「ニップシールAQ」
*4 上記製造例1で合成した含水ケイ酸(B-1)
*5 デグッサ社製, 商標名「Si75」
*6 MOMENTIVE PERFORMANCE MATERIALS社製, 商標名「NXTシラン」, (C25O)3Si−C36−S−CO−C715
*7 N-(1,3-ジメチルブチル)-N'-フェニル-p-フェニレンジアミン
*8 大内新興化学工業社製, 「ノクセラーD」
*9 大内新興化学工業社製, 「ノクセラーDM」
*10 大内新興化学工業社製, 「ノクセラーNS」
比較例1と2、並びに比較例6と7の結果から、「ニップシールAQ」に代えて含水ケイ酸(B-1)を用いることで、ゴム組成物の損失正接(tanδ)が若干低下し、作業性も若干改良する。また、比較例1と3、並びに比較例6と8の結果から、「Si75」に代えて「NXTシラン」を用いることでも、ゴム組成物の損失正接(tanδ)が若干低下し、作業性も若干改良する。
一方、比較例1と実施例1及び2、並びに比較例6と実施例3及び4の結果から、「ニップシールAQ」に代えて含水ケイ酸(B-1)を用い、「Si75」に代えて「NXTシラン」を用いることで、ゴム組成物の損失正接(tanδ)が大幅に低下し、作業性も大幅に改良することが分かる。なお、比較例1〜3と実施例1及び2、並びに比較例6〜8と実施例3及び4の結果から、含水ケイ酸(B-1)を用い且つ「NXTシラン」を用いることにより得られる効果は、含水ケイ酸(B-1)を用いることにより得られる効果と、「NXTシラン」を用いることにより得られる効果との和を遥かに凌ぐことが分かる。
更に、比較例4及び9の結果から、本発明で規定するシランカップリング剤(C)の添加量が少なすぎると、効果が確認できず、また、比較例5及び10の結果から、本発明で規定するシランカップリング剤(C)の添加量が多すぎると、効果が頭打ちになることが分かる。このことから、本発明で規定するシランカップリング剤(C)の配合量は、本発明で規定する含水ケイ酸(B)の配合量の1〜20質量%の範囲である必要がることが分かる。

Claims (4)

  1. 天然ゴム及び合成ジエン系ゴムの内の少なくとも一種からなるゴム成分(A)に対して、
    セチルトリメチルアンモニウムブロマイド(CTAB)吸着比表面積が50〜250m2/gであり、下記式(I):
    Y < 5.00 + 0.47 × X ・・・ (I)
    [式中、Yは750℃で3時間加熱した時の質量減少%であり、Xは105℃で2時間加熱した時の質量減少%である]の関係を満たす含水ケイ酸(B)を配合し、
    更に、下記式(II):
    1 x2 y3 zSi−R4−S−CO−R5 ・・・ (II)
    [式中、R1は、R6O−、R6C(=O)O−、R67C=NO−、R67NO−、R67N−及び−(OSiR67)n(OSiR567)から選択され且つ炭素数が1〜18であり(但し、R6及びR7は、それぞれ独立してアルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、シクロアルケニル基及びアリール基から選択され且つ炭素数が1〜18であり、nは0〜10である);
    2は、水素、又は炭素数1〜18のアルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、シクロアルケニル基及びアリール基から選択され;
    3は、−[O(R8O)m]0.5−基(但し、R8は、アルキレン基及びシクロアルキレン基から選択され且つ炭素数が1〜18であり、mは1〜4である)であり;
    x+y+2z=3、0≦x≦3、0≦y≦2、0≦z≦1であり;
    4は、アルキレン基、シクロアルキレン基、シクロアルキルアルキレン基、アルケニレン基、アリーレン基及びアラルキレン基から選択され且つ炭素数が1〜18であり;
    5は、アルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、シクロアルケニル基、アリール基及びアラルキル基から選択され且つ炭素数が1〜18である]で表されるシランカップリング剤(C)を前記含水ケイ酸(B)に対して1〜20質量%配合してなるゴム組成物。
  2. 前記ゴム成分(A)の50質量%以上がスチレン−ブタジエン共重合体ゴムであることを特徴とする請求項1に記載のゴム組成物。
  3. 前記含水ケイ酸(B)の配合量が、前記ゴム成分(A)100質量部に対して30〜90質量部であることを特徴とする請求項1に記載のゴム組成物。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載のゴム組成物を、トレッド部の少なくとも接地部分に用いたことを特徴とする空気入りタイヤ。
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