JP2008171858A - 圧電素子、圧電体の製造方法及び熱処理装置 - Google Patents

圧電素子、圧電体の製造方法及び熱処理装置 Download PDF

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Abstract

【課題】圧電素子に用いられる圧電体材料は主としてセラミックが用いられている。例えばチタン酸ジルコン酸鉛のヤング率は6×1010Pa程度の値を有しており、圧電素子としての圧電性能が圧電素子自体のヤング率の高さにより制限され、圧電性能の向上が困難になるという課題を有している。
【解決手段】圧電体内部に、圧電体前駆体の熱処理工程の温度を制御して、圧電体内部に分散された空孔を含ませる。圧電体内部に空孔を含ませることで物質の硬さの目安となるヤング率が低下する。そのため、圧電応力を発生させた場合に、ヤング率の低下の寄与分が支配的になり、圧電体を含む構成を有する圧電素子の圧電性能を空孔が少ない場合と比べ向上させることができる。
【選択図】図8

Description

本発明は、圧電素子、圧電体の製造方法及び熱処理装置に関する。
圧電素子は電圧印加により形状を変化させる特性を有する素子である。圧電素子は微細加工が可能であるため、インクジェットプリンタや、各種アクチュエータなどに用いられている。例えば特許文献1では、ゾルゲル法を用いる場合に強誘電体層前駆体に含まれる有機物質を、乾燥温度と乾燥時間とを設定し、熱処理することで圧電体前駆体から蒸散させる技術が開示されている。
特開平6−333419号公報(6〜7頁)
圧電素子に用いられる圧電体材料は主としてセラミックが用いられている。例えばチタン酸ジルコン酸鉛のヤング率は6×1010Pa程度の値を有しており、圧電素子としての圧電性能が圧電素子自体のヤング率の高さにより制限され、圧電性能の向上が困難になるという課題を有している。
また、圧電素子を製造する工程で熱処理温度と熱処理時間とを規定して圧電体の熱処理を行う場合、例えばプロセスばらつきにより圧電体前駆体の状態が変動した場合、熱処理により蒸散されるべき有機物質が未蒸散のままで処理されたり、あるいは有機物質の蒸散速度が大きすぎて圧電体の内部構造に乱れが発生するなど、圧電体が有する特性の制御性が低下し、圧電素子の特性にばらつきが生じるという課題がある。
そこで、本発明ではこのような課題を解決し、圧電性能をより向上させた圧電素子、圧電体の製造方法及び熱処理装置を提供することを目的としている。
上記課題を解決するために、本発明に係る圧電素子は、圧電体を用いた圧電素子であって、前記圧電体内部に分散された空孔を含むことを特徴とする。
この構成によれば、この圧電素子は、圧電体内部に分散された空孔を含んでいる。圧電体内部に空孔を含むことで物質の硬さの目安となるヤング率が低下する。そのため、圧電応力を発生させた場合に、ヤング率の低下の寄与分が支配的になり、圧電体を含む構成を有する圧電素子の圧電性能を空孔が少ない場合と比べ向上させることができる。
また、本発明に係る圧電素子に関して、前記圧電体は、Pb:Ti:O(PT)、Pb:Zr:O(PZ)、Pb:(Zr:Ti):O、Pb:(Mg:Nb):O−Pb:Ti:O(PMN−PT)、Pb:Zn:Ti:Nb:O、Pb:(Ni:Nb):O−Pb:Ti:O(PNN−PT)、Pb:(In:Nb):O−Pb:Ti:O(PIN−PT)、Pb:(Sc:Ta):O−Pb:Ti:O(PST−PT)、Pb:(Sc:Nb):O−Pb:Ti:O(PSN−PT)、Bi:Sc:O−Pb:Ti:O(BS−PT)、Bi:Yb:O−Pb:Ti:O(BY−PT)、Sr:Sm:Bi:Ta:O(SSBT)、Ba:Pb:O、Ba:Ti:O(BT)、Sr:Bi:Nb:Ta:O(SBNT)、Ba:Sr:Ti(BST)、Bi:Ti:O(BIT)、Bi:La:Ti:O(BLT)、Sr:Ba:Ti:Nb(SBTN)の少なくとも1つを含むことを特徴とする。
この構成によれば、ヤング率が高いセラミックを用いた圧電体中に空孔を形成することでヤング率を低下させることができるため、これらの圧電体を含む構成を有する圧電素子の圧電性能を空孔が少ない場合と比べより効果的に向上させることができる。
また、本発明に係る圧電素子の製造方法は、(1)基板の第1面側に位置する、前記基板を含む全部材の露出部の少なくとも一部に、下部電極を形成する工程と、(2)前記基板の第1面側に位置する、前記基板を含む全部材の露出部の少なくとも一部に、有機溶媒と、有機系のアミノカルボン酸(キレート)剤、有機系の増粘剤、有機金属を含む圧電体溶液を塗布する工程と、(3)前記基板を前記圧電体溶液の膜から前記有機溶媒が除去される範囲で低温の熱処理を行い、前記圧電体溶液の膜を第1圧電体前駆体へと変換する工程と、(4)熱処理装置を用い、前記第1圧電体前駆体を前記第1圧電体前駆体由来の有機物が少なくとも一部は残留する範囲で高温の熱処理を行い、第2圧電体前駆体に改質する工程と、(5)前記第2圧電体前駆体を、結晶化が抑制される範囲で高温の熱処理を行い、第3圧電体前駆体に改質する工程と、(6)前記第3圧電体前駆体を熱処理して内部に分散された空孔を有する、結晶化された圧電体に改質する工程と、を含み、かつ前記(2)、前記(3)、前記(4)、前記(5)を含む工程を当該順に一回又は複数回行うことを特徴とする。
この製造方法によれば、第1圧電体前駆体の熱処理を第2圧電体前駆体に改質する場合に有機物が残留する温度範囲で高温の熱処理が施される。この熱処理により、有機物は第1圧電体前駆体中に組み込まれるよう再配置される。そのため、結晶化が抑制される程度の熱処理では第1圧電体前駆体中にこの有機物が残留する。そして、結晶化に用いる高温の熱処理によりこの有機物が飛散し、圧電体中に空孔を残す形で結晶化が行われ、圧電体内部に分散された空孔を含む構造を提供しうる製造工程を提供することができる。
また、本発明に係る圧電素子の製造方法は、(1)基板の第1面側に位置する、前記基板を含む全部材の露出部の少なくとも一部に、下部電極を形成する工程と、(2)前記基板の第1面側に位置する、前記基板を含む全部材の露出部の少なくとも一部に、有機溶媒と、有機系のアミノカルボン酸(キレート)剤、有機系の増粘剤、有機金属を含む圧電体溶液を塗布する工程と、(3)前記基板を前記圧電体溶液の膜から前記有機溶媒が除去される範囲で低温の熱処理を行い、前記圧電体溶液の膜を第1圧電体前駆体へと変換する工程と、(4)熱処理装置を用い、前記第1圧電体前駆体中の有機物が発泡揮発し、前記第1圧電体前駆体の内部に空孔が分散されて残される温度範囲で熱処理を行い、第2圧電体前駆体に改質する工程と、(5)前記第2圧電体前駆体を結晶化が抑制される範囲で高温の熱処理を行い、第3圧電体前駆体に改質する工程と、(6)前記第3圧電体前駆体を熱処理して、内部に分散される空孔を含む、結晶化された圧電体に改質する工程と、を含み、かつ前記(2)、前記(3)、前記(4)、前記(5)を含む工程を当該順に一回又は複数回行うことを特徴とする。
この製造方法によれば、第1圧電体前駆体中の有機物が発泡揮発する条件で熱処理を行うため、第2圧電体前駆体中に空孔が分散されて形成される。この空孔を残留させて結晶化を行うことで、圧電体内部に分散された空孔を含む構造を構築しうる製造工程を提供することができる。
また、本発明に係る圧電素子の製造方法は、(1)基板の第1面側に位置する、前記基板を含む全部材の露出部の少なくとも一部に、下部電極を形成する工程と、(2)前記基板の第1面側に位置する、前記基板を含む全部材の露出部の少なくとも一部に、有機溶媒と、有機系のアミノカルボン酸(キレート)剤、有機系の増粘剤、有機金属を含む圧電体溶液を塗布する工程と、(3)前記基板を前記圧電体溶液の膜から前記有機溶媒が除去される範囲で低温の熱処理を行い、前記圧電体溶液の膜を第1圧電体前駆体へと変換する工程と、(4)熱処理装置を用い、前記第1圧電体前駆体を前記キレート剤及び前記増粘剤が揮発除去され、かつ前記第1圧電体前駆体の内部の空孔発生が抑えられる温度範囲で熱処理を行い、第2圧電体前駆体に改質する工程と、(5)前記第2圧電体前駆体を結晶化が抑制される範囲で高温の熱処理を行い、第3圧電体前駆体に改質する工程と、(6)前記第3圧電体前駆体を熱処理して空孔発生を抑えて結晶化される圧電体に改質する工程と、を含み、かつ前記(2)、前記(3)、前記(4)、前記(5)を含む工程を当該順に一回又は複数回行うことを特徴とする。
この製造方法によれば、有機物の発泡揮発を抑えて結晶化までの熱処理が実行されるため、緻密な構造を有する圧電体を構築しうる製造工程を提供することができる。
また、本発明に係る圧電素子の製造方法は、前記有機金属は、Pb、Ti、Zr、Mg、Nb、In、Zn、Ni、Sc、Ta、Bi、Yb、Sr、Sm、Ba、Laの少なくとも1つを含むことを特徴とする。
この製造方法によれば、前述したセラミックを含む圧電体を構成し得る材料物質を提供することができる。
また、本発明に係る熱処理装置は、圧電体の製造方法に用いられる熱処理装置であって、圧電体を製造する工程で発生する脱離ガスを分析し、前記脱離ガスの量及び/又は、前記脱離ガスの組成をもとに熱処理温度を調整する制御信号を得るための検出器を備えることを特徴とする。
この構成によれば、熱処理に伴う脱離ガスの種類や量を元に温度制御することが可能となるため、圧電体を製造する過程での脱離ガスによる発泡状況を制御し得る熱処理装置を提供することができる。
また、本発明に係る熱処理装置は、前記熱処理装置の検出器はTDS(昇温脱離分析)法、GC−MS(ガス・クロマトグラフ質量分析)法、TG−MS(熱重量−質量同時分析)法、FT−IR(フーリエ変換赤外分光分析)法、GC−IR(ガス・クロマトグラフ赤外分光)法、PL(フォトルミネッセンス)法、誘導結合プラズマ質量分析(ICP−MS)法、グロー発光測定法、に用いられる検出器を少なくとも1つ含むことを特徴とする。
この構成によれば、熱処理の雰囲気や圧電体からの脱離ガスの発生状況に合わせて検出器を選定することが可能となり、高精度で脱離ガスの発生状況を制御し得る熱処理装置を提供することができる。
(第1の実施形態)
以下、第1の実施形態として、熱処理装置について図面を用いて説明する。図1は本実施形態に係る熱処理装置の概略図である。本熱処理装置は、昇温に伴う脱離ガスの分析を行い、脱離ガスの量をフィードバックして、試料の加熱を調整するものである。そのため、特に脱ガス工程など、温度制御ではなくガス放出量を制御することが好適な熱処理を行う場合に有効な熱処理装置である。本実施形態では脱離ガスの分析をTDS(昇温脱離分析)法を用いて実施している。
熱処理装置100はゲートバルブ101により仕切られたロードロック機構を有している。ウェハ搬送ユニット105により大気雰囲気から搬入された単一又は複数枚の基板20はバルブ104、ターボ分子ポンプ102(TMP)、ドライポンプ103を適宜操作することで真空雰囲気で待機する。そして、熱処理を行う場合にはゲートバルブ101を開け、ウェハ搬送ユニット105を介して試料ステージ107に基板20が搬送される。
基板20の搬送を終えた後、ゲートバルブ101は閉じられ、TMP114とドライポンプ115を含む排気装置により熱処理室117の圧力は、四重極質量分析ヘッド(QMS)116の動作が可能となるよう、全圧が例えば1mPa以下に排気される。
熱処理室117の圧力が1mPa以下に下げられた後、コンピュータユニット112より温度コントローラ111に昇温信号が送られると、赤外線加熱ユニット110はこの信号を受けて加熱のための赤外線を、導光性赤外ロッド109を介して基板20に照射する。この場合、試料ステージ107上に置かれた基板20の温度情報は、熱電対108により検出され、コンピュータユニット112に伝達される。
同時に、当該温度における基板20からの脱離ガス情報はQMS116からコンピュータユニット112に伝達される。この脱離ガス情報を元に、コンピュータユニット112は温度コントローラ111に温度制御信号を出力し、脱離ガス量を一定に保つよう制御することができる。この場合、脱離ガス量を元に制御を行うため、当該脱離ガスにより空孔の形成状況を制御する(空孔を形成しない場合も含む)場合、温度制御による熱処理と比べ高い再現性と制御性をもって熱処理を行うことができる。この場合、熱処理温度が初期値と比べ急激に上昇してきた場合、定温度熱処理に切り替え、脱離ガス量が十分減少した状態で熱処理を打ち切るなどの処理を行っても良い。この場合、基板20中の脱離ガス源をほぼ完全に蒸散させきることができる。また、基板20の昇温工程での脱離ガス情報を元に脱離温度を抽出し、当該脱離温度を保つ熱処理を行う方法を用いることもできる。この方法では、例えば基板20からの脱離ガス量が多く、熱処理途中で脱離ガス成分が消耗され尽くして脱離ガスの発生が途絶えるプロセスに対して、脱離ガスの発生を促すために発生する異常な温度上昇を伴うことなく熱処理を行うことができ、熱履歴の再現性が高い熱処理を行うことができる。
本実施形態では脱離ガスの分析をTDS(昇温脱離分析)法を用いて分析しているが、これはTDS法に代えて、GC−MS(ガス・クロマトグラフ質量分析)法、TG−MS(熱重量−質量同時分析)法、FT−IR(フーリエ変換赤外分光分析)法、GC−IR(ガス・クロマトグラフ赤外分光)法、PL(フォトルミネッセンス)法、誘導結合プラズマ質量分析(ICP−MS)法、グロー発光測定法、などを用いることができる。
また、熱処理装置100の構成として、赤外線加熱に代えて炉加熱によるバッチ処理法を用いても良い。この場合、多量の基板20を一度に処理できるため、スループットの高い熱処理を行うことができる。また、基板20の第1面側(図2の工程2でSiO2層21が形成される面側)からエネルギー光を照射する、ランプアニール装置等を用いても良い。また、ロードロック機構は必須のものではなく、省略可能である。また、プロセスガスの導入機構と、排気装置として例えばドライポンプとスロットルバルブを備える低真空の試料室雰囲気を有する熱処理装置を用いても良い。また、減圧動作は必須ではなく、常圧で加熱する構成を用いても良い。また、雰囲気、処理圧力などに応じて分析手段を選択することでより精密な制御が可能となる。また、例えば常圧で加熱し、雰囲気の分析部を差動排気などの手段を用いて高真空化し、QMSを用いる分析手段を用いても良い。基本的には、脱離ガスを分析し、脱離ガスの量をパラメータとして温度を制御できる熱処理装置であれば用いることができる。
(第2の実施形態)
以下、第2の実施形態として内部に分散された空孔を有する圧電体の製造工程及びその特性について図面を用いて説明する。図2及び図3は、圧電体を形成するための工程断面図である。ここでは、焼結工程で空孔を形成する製造方法について説明する。物質としては一例として、チタン酸ジルコン酸鉛の製造方法を例に挙げて説明する。ここでは製造方法としてはMOD(Metal Oragnic Deposition)法を用いている。第2の実施形態としてのチタン酸ジルコン酸鉛の製造方法では、内部に空孔を形成し、チタン酸ジルコン酸鉛のヤング率を低減することで圧電性能(印加電圧に対する変位量)の高い圧電体を形成する製造方法について説明する。
まず、図2に示される工程1として、チタン酸ジルコン酸鉛溶液10を調整する。チタン酸ジルコン酸鉛溶液10は以下の組成と準備工程で調製される。ブチルセロソルブ:4.73mol,ジエタノールアミン(DEA):1.03mol,ポリエチレングリコール(PEG:重量平均分子量:400):0.13mol,酢酸鉛3水和物:0.581mol,ジルコニウムアセチルアセトナート:0.269mol,チタニウムテトライソプロポキシド:0.211mol。
このチタン酸ジルコン酸鉛溶液10を調製するため、ブチルセロソルブを主溶媒として、これにチタニウムテトライソプロポキシドを添加し、室温で30分間撹拌する。更に、キレート剤としてジエタノールアミンを加えて室温で更に30分間撹拌し、更に酢酸鉛3水和物を加え、80℃に加熱する。加熱した状態で60分間撹拌し、その後、120分間冷却する。その後、増粘剤としてポリエチレングリコール(重量平均分子量400)を添加し、室温で15分間撹拌する。これにより、25℃における表面張力が30mN/mであるPb1.21Zr0.56Ti0.443(1.06mol/l)のチタン酸ジルコン酸鉛溶液10が得られる。
次に、工程2として、シリコン基板を熱酸化して得られたSiO2層21を有する基板20の第1面側(SiO2層21がある面側)にPt(白金)/Ti(チタン)層をスパッタ法にて形成し、焼成炉中で600℃で30分間焼成し、Pt層中にTiを拡散させてその表面にTiOx層を有する下部電極22を形成する。
次に、工程3として、下部電極22上に、チタン酸ジルコン酸鉛溶液10をスピンコート法や液滴吐出法を用いて塗布し、第1圧電体前駆体31を形成する。
次に、工程4として、第1圧電体前駆体31を100℃程度に加熱する第1の熱処理により、揮発性の有機溶媒としてブチルセロソルブとイソプロパノール(チタニウムテトライソプロポキシド由来)を除去し、第2圧電体前駆体32に改質する。
次に、工程5として、例えば図1に示す熱処理装置100を用いて、熱処理に伴い第2圧電体前駆体32から発生する脱離ガスをQMS116により検出し、コンピュータユニット112を用いて分析し、チタン酸ジルコン酸鉛溶液10中のDEA及びPEGが脱離しない範囲で昇温し、保持する第2の熱処理を行う。この第2の熱処理により、第2圧電体前駆体32は第3圧電体前駆体33に改質される。この場合に用いられる温度は例えば160℃〜300℃程度の範囲に収められる。この処理では、脱離ガスを分析するQMS116とコンピュータユニット112を備えた熱処理装置を用いるのが好ましいが、モニタ用の基板20を用いて、脱離ガスと処理温度との関係を調べて熱処理温度を定めて、その温度に保持して処理する方法を用いても良い。この場合、分析装置を備えていない熱処理装置を用いることができるため、大量生産に適した製造方法が提供できる。また、第1の実施形態で開示したように基本的には脱離ガスを分析し、脱離ガスの量をパラメータとして温度を制御できる熱処理装置であれば本実施形態に対して使用可能である。
この第2の熱処理により、詳細については解明されていないが、第2圧電体前駆体32の内部でチタン酸ジルコン酸鉛を構成する物質が再配置され、強固な結合状態に改質されるものと推定されている。なお、これはあくまで推定であり、この推定結果により本実施形態について影響を受けるべきものではない。
次に、工程6として、第3圧電体前駆体33を370℃〜420℃、好ましくは400℃で第3の熱処理を行い、第3圧電体前駆体33を第4圧電体前駆体34に改質する。熱処理温度を370℃以上にすることで大部分の有機物質を除去することができる。また熱処理温度を420℃以下にすることで、寄生的な結晶化を防止することができる。
次に、工程7として第4圧電体前駆体34を700℃程度で第4の熱処理(焼結)を行い、圧電体36(図3参照)を形成する圧電体単位膜35を形成する。この熱処理により圧電体単位膜35中に空孔が分散された構造が形成される。
工程7で空孔が形成される機構の詳細については解明されていないが、第4の熱処理により重量が減ることや、第4の熱処理中にQMS116にCO2などの炭素を含む脱離ガスが検出されることが確認されている。この結果から、第3の熱処理工程で何らかの有機物が残留し、その有機物が第4の熱処理に伴い気化することで空孔が形成されるものと推定されている。なお、これはあくまで推定であり、この推定結果により本実施形態について影響を受けるべきものではない。
続けて、工程3〜工程7を繰り返し、所定の膜厚が得られるまで圧電体単位膜35を積み重ねる。本実施形態では、圧電体単位膜35の厚みが0.1μm程度であることから、例えば1μm程度の膜厚は工程3〜工程7を10回行うことで圧電体36を得ることができる。圧電体単位膜35を積層して圧電体36を形成した断面図を図3に示す。ここで、この実施形態では、膜剥れなどの発生を抑えるため工程3〜工程7を繰り返す方法を用いているが、これは工程3〜工程6を繰り返し、最後に工程7を一度行うようにしても良い。この場合、第4の熱処理が一度だけ行われることになるため、製造工程を短縮することができる。また、上層と下層の膜が、共に一度だけ第4の熱処理を受けるため、上層と下層の膜の特性を揃えることができ、熱履歴が近く均一性の高い圧電体36を形成することができる。そして、圧電体36を介して下層電極22を挟む位置に上層電極(図示せず)を設けることで圧電素子として機能する構造を得ることができる。
(第3の実施形態)
以下、第3の実施形態として内部に分散された空孔を有する圧電体の製造工程及びその特性について図面を用いて説明する。図4及び図5は、圧電体を形成するための工程断面図である。ここでは、改質工程中の熱処理で空孔を形成する製造方法について説明する。工程4までは第1の実施形態と同じ工程を用いるので再掲を防ぐため省略し、工程5から説明を行う。
図4に示す工程5として、例えば図1に示す熱処理装置100を用いて、熱処理に伴い第2圧電体前駆体32から発生する脱離ガスをQMS116により検出し、コンピュータユニット112を用いて分析する。この分析結果を元にフィードバックをかけ、第2圧電体前駆体32(図2参照)中のDEA及びPEGが脱離し、空孔が発生する温度でかつ結晶化が抑制される温度範囲に昇温し、保持する第2の熱処理を行う。この第2の熱処理により、第2圧電体前駆体32は空孔を含む第3圧電体前駆体43に改質される。この場合に用いられる温度は例えば160℃〜300℃程度の範囲に収められる。この処理では、脱離ガスを分析するQMS116を備えた熱処理装置を用いるのが好ましいが、モニタ用の基板20を用いて、脱離ガスと処理温度との関係を調べて熱処理温度を定めて、その温度に保持して処理する方法を用いても良い。この場合、分析装置を備えていない熱処理装置を用いることができるため、大量生産に適した製造方法が提供できる。また、第1の実施形態で開示したように基本的には脱離ガスを分析し、脱離ガスの量をパラメータとして温度を制御できる熱処理装置であれば本実施形態に対して応用可能である。
次に、工程6として、第3圧電体前駆体43を370℃〜420℃、好ましくは400℃で第3の熱処理を行い、第3圧電体前駆体43を第4圧電体前駆体44に改質する。熱処理温度を370℃以上にすることで有機物質を除去することができる。また熱処理温度を420℃以下にすることで、寄生的な結晶化を防止することができる。なお、第3の熱処理工程後でも空孔は保持されている。
次に、工程7として第4圧電体前駆体44を700℃程度で第4の熱処理(焼結)を行う。この熱処理により圧電体単位膜45中に空孔が分散された構造が形成される。
続けて、工程3〜工程7を繰り返し、所定の膜厚が得られるまで圧電体単位膜45を積み重ねる。本実施形態では、圧電体単位膜45の厚みが0.1μm程度であることから、例えば1μm程度の膜厚は工程3〜工程7を10回行うことで図5に示す圧電体46を得ることができる。ここで、この実施形態では、膜剥れなどの発生を抑えるため工程3〜工程7を繰り返す方法を用いているが、これは工程3〜工程6を繰り返し、最後に工程7を一度行うようにしても良い。この場合、第4の熱処理が一度だけ行われることになるため、製造工程を短縮することができる。また、上層と下層の膜が、共に一度だけ第4の熱処理を受けるため、上層と下層の膜の特性を揃えることができ、熱履歴が近く均一性の高い圧電体46を形成することができる。
(第4の実施形態)
以下、第4の実施形態として内部での空孔の発生を抑えることを可能とする圧電体の製造工程及びその特性について図面を用いて説明する。図6及び図7は、圧電体を形成するための工程断面図である。ここでは、改質工程中の熱処理で空孔を形成する製造方法について説明する。工程4までは第1の実施形態と同じ工程を用いるため、再掲を防ぐため省略し、工程5から説明を行う。
図6に示す工程5として、熱処理に伴い第2圧電体前駆体32から発生する脱離ガスを熱処理装置100に備えられたQMS116により検出し、コンピュータユニット112で解析し、第2圧電体前駆体32中の有機物が脱離し、かつ空孔の発生が抑えられる温度範囲で昇温し、保持する第2の熱処理を行う。この第2の熱処理により、第2圧電体前駆体32は第3圧電体前駆体53に改質される。この場合に用いられる温度は例えば160℃〜300℃程度の範囲に収められる。この処理では、脱離ガスを分析する検出器41を備えた熱処理装置を用いるのが好ましいが、モニタ用の基板20を用いて、脱離ガスと処理温度との関係を調べて熱処理温度を定めて、その温度に保持して処理する方法を用いても良い。この場合、分析装置を備えていない熱処理装置を用いることができるため、大量生産に適した製造方法が提供できる。
次に、工程6として、第3圧電体前駆体53を370℃〜420℃、好ましくは400℃で第3の熱処理を行い、第3圧電体前駆体53を第4圧電体前駆体54に改質する。熱処理温度を370℃以上にすることで有機物質をほぼ完全に除去することができる。また熱処理温度を420℃以下にすることで、寄生的な結晶化を防止することができる。
次に、工程7として第4圧電体前駆体54を700℃程度で第4の熱処理(焼結)を行い、空孔を保持した状態で圧電体56(図7参照)を形成する圧電体単位膜55を形成する。この熱処理により圧電体単位膜55中での空孔発生が抑制された構造が形成される。
第2の実施形態及び第4の実施形態は、ともに工程5より高温で同程度の温度を加える工程6を有している。このような熱処理を行いながら第2の実施形態では工程7で空孔が発生し、本(第4の)実施形態の工程7では空孔が発生しない機構については解明されていないが、本実施形態の工程5でなんらかの反応が起こり、第3圧電体前駆体53の有機物が揮発し易い化学構造に変換されていると推定している。そのため本実施形態の工程6では大部分の有機物が揮発し、工程7での空孔の形成が抑制されるものと推定される。なお、これはあくまで推定であり、この推定結果により本実施形態について影響を受けるべきものではない。
続けて、工程3〜工程7を繰り返し、所定の膜厚が得られるまで圧電体単位膜55を積み重ねる。本実施形態では、圧電体単位膜55の厚みが0.1μm程度であることから、例えば1μm程度の膜厚は工程3〜工程7を10回行うことで図7に示す圧電体56を得ることができる。ここで、この実施形態では、膜剥れなどの発生を抑えるため工程3〜工程7を繰り返す方法を用いているが、これは工程3〜工程6を繰り返し、最後に工程7を一度行うようにしても良い。この場合、第4の熱処理が一度だけ行われることになるため、製造工程を短縮することができる。また、上層と下層の膜が、共に一度だけ第4の熱処理を受けるため、上層と下層の膜の特性を揃えることができ、熱履歴が近く均一性の高い圧電体56を形成することができる。
(第5の実施形態)
以下、第5の実施形態として第2、第3、第4の実施形態に示される製造方法で作られた、分散された空孔を有する圧電素子の穴面積と圧電性能との関係について図面を用いて説明する。図8は圧電体中にある穴の面積比を横軸にとり、電圧を印加した場合の圧電性能比を縦軸にとった場合のグラフである。なお、縦軸は用いた試料の中で最も高い圧電性能を有する試料の圧電性能で規格化している。そして、横軸は用いた試料の中で最も穴面積が高い試料の穴面積で規格化している。
図8に示されるように穴面積比が大きくなるにつれて、圧電性能比は向上する。また、第2、第3、第4の実施形態に示されるように、製造方法が各々異なる試料に対して穴面積比と圧電性能比とが相関関係を持っていることから、製造方法の違いによる現象ではなく、試料中の穴面積比に対して発生する事象と解釈することができる。この機構については明確にされていないが、穴面積比が大きくなることで圧電体のヤング率低下の影響が支配的になり、圧電性能比が向上しているものと推定される。なお、これはあくまで推定であり、この推定結果により本実施形態について影響を受けるべきものではない。
(変形例)
第2〜第4の実施形態ではキレート剤として、ジエタノールアミンを用いた例について説明したが、ジエタノールアミンに代えてヘプタフルロブタノイルピバロイルメタン(FOD)、ジピバロイルメタン(DPM)、トリフルオロアセチルアセトンなどのβ−ジケトンを配位子とするキレート剤を用いても良い。この場合、第2〜第4の実施形態で検出対象となる有機物は、ジエタノールアミン(DEA)に代えて上記した有機物を検出することで対応することができる。
また、同様に第2〜第4の実施形態では溶媒としてブチルセロソルブを用いた例について説明したが、ブチルセロソルブに代えてメトキシエタノール、ヘキサン、エタノールなどの有機溶媒を用いても良い。この場合、第2〜第4の実施形態で検出対象となる有機物は、ブチルセロソルブに代えて上記した有機物を検出することで対応することができる。また、検出対象となる有機物は、有機金属材料を構成する有機物が分解生成された有機物を検出しても良い。
熱処理装置の概略図。 第2の実施形態に示す圧電体を形成するための工程断面図。 第2の実施形態に示す圧電体を形成するための工程断面図。 第3の実施形態に示す圧電体を形成するための工程断面図。 第3の実施形態に示す圧電体を形成するための工程断面図。 第4の実施形態に示す圧電体を形成するための工程断面図。 第4の実施形態に示す圧電体を形成するための工程断面図。 穴面積比と圧電性能比との関係を示すグラフ。
符号の説明
10…チタン酸ジルコン酸鉛溶液、20…基板、21…SiO2層、22…下部電極、31…第1圧電体前駆体、32…第2圧電体前駆体、33…第3圧電体前駆体、34…第4圧電体前駆体、35…圧電体単位膜、36…圧電体、43…第3圧電体前駆体、44…第4圧電体前駆体、45…圧電体単位膜、46…圧電体、53…第3圧電体前駆体、54…第4圧電体前駆体、55…圧電体単位膜、56…圧電体、100…熱処理装置、101…ゲートバルブ、102…ターボ分子ポンプ、103…ドライポンプ、104…バルブ、105…ウェハ搬送ユニット、107…試料ステージ、108…熱電対、109…導光性赤外ロッド、110…赤外線加熱ユニット、111…温度コントローラ、112…コンピュータユニット、114…TMP、115…ドライポンプ、116…QMS、117…熱処理室。

Claims (8)

  1. 圧電体を用いた圧電素子であって、前記圧電体内部に分散された空孔を含むことを特徴とする圧電素子。
  2. 前記圧電体は、Pb:Ti:O(PT)、Pb:Zr:O(PZ)、Pb:(Zr:Ti):O、Pb:(Mg:Nb):O−Pb:Ti:O(PMN−PT)、Pb:Zn:Ti:Nb:O、Pb:(Ni:Nb):O−Pb:Ti:O(PNN−PT)、Pb:(In:Nb):O−Pb:Ti:O(PIN−PT)、Pb:(Sc:Ta):O−Pb:Ti:O(PST−PT)、Pb:(Sc:Nb):O−Pb:Ti:O(PSN−PT)、Bi:Sc:O−Pb:Ti:O(BS−PT)、Bi:Yb:O−Pb:Ti:O(BY−PT)、Sr:Sm:Bi:Ta:O(SSBT)、Ba:Pb:O、Ba:Ti:O(BT)、Sr:Bi:Nb:Ta:O(SBNT)、Ba:Sr:Ti(BST)、Bi:Ti:O(BIT)、Bi:La:Ti:O(BLT)、Sr:Ba:Ti:Nb(SBTN)の少なくとも1つを含むことを特徴とする請求項1に記載の圧電素子。
  3. (1)基板の第1面側に位置する、前記基板を含む全部材の露出部の少なくとも一部に、下部電極を形成する工程と、
    (2)前記基板の第1面側に位置する、前記基板を含む全部材の露出部の少なくとも一部に、有機溶媒と、有機系のアミノカルボン酸(キレート)剤、有機系の増粘剤、有機金属を含む圧電体溶液を塗布する工程と、
    (3)前記基板を前記圧電体溶液の膜から前記有機溶媒が除去される範囲で低温の熱処理を行い、前記圧電体溶液の膜を第1圧電体前駆体へと変換する工程と、
    (4)熱処理装置を用い、前記第1圧電体前駆体を前記第1圧電体前駆体由来の有機物が少なくとも一部は残留する範囲で高温の熱処理を行い、第2圧電体前駆体に改質する工程と、
    (5)前記第2圧電体前駆体を、結晶化が抑制される範囲で高温の熱処理を行い、第3圧電体前駆体に改質する工程と、
    (6)前記第3圧電体前駆体を熱処理して内部に分散された空孔を有する、結晶化された圧電体に改質する工程と、
    を含み、かつ前記(2)、前記(3)、前記(4)、前記(5)を含む工程を当該順に一回又は複数回行うことを特徴とする圧電体の製造方法。
  4. (1)基板の第1面側に位置する、前記基板を含む全部材の露出部の少なくとも一部に、下部電極を形成する工程と、
    (2)前記基板の第1面側に位置する、前記基板を含む全部材の露出部の少なくとも一部に、有機溶媒と、有機系のアミノカルボン酸(キレート)剤、有機系の増粘剤、有機金属を含む圧電体溶液を塗布する工程と、
    (3)前記基板を前記圧電体溶液の膜から前記有機溶媒が除去される範囲で低温の熱処理を行い、前記圧電体溶液の膜を第1圧電体前駆体へと変換する工程と、
    (4)熱処理装置を用い、前記第1圧電体前駆体中の有機物が発泡揮発し、前記第1圧電体前駆体の内部に空孔が分散されて残される温度範囲で熱処理を行い、第2圧電体前駆体に改質する工程と、
    (5)前記第2圧電体前駆体を結晶化が抑制される範囲で高温の熱処理を行い、第3圧電体前駆体に改質する工程と、
    (6)前記第3圧電体前駆体を熱処理して、内部に分散される空孔を含む、結晶化された圧電体に改質する工程と、
    を含み、かつ前記(2)、前記(3)、前記(4)、前記(5)を含む工程を当該順に一回又は複数回行うことを特徴とする圧電体の製造方法。
  5. (1)基板の第1面側に位置する、前記基板を含む全部材の露出部の少なくとも一部に、下部電極を形成する工程と、
    (2)前記基板の第1面側に位置する、前記基板を含む全部材の露出部の少なくとも一部に、有機溶媒と、有機系のアミノカルボン酸(キレート)剤、有機系の増粘剤、有機金属を含む圧電体溶液を塗布する工程と、
    (3)前記基板を前記圧電体溶液の膜から前記有機溶媒が除去される範囲で低温の熱処理を行い、前記圧電体溶液の膜を第1圧電体前駆体へと変換する工程と、
    (4)熱処理装置を用い、前記第1圧電体前駆体を前記キレート剤及び前記増粘剤が揮発除去され、かつ前記第1圧電体前駆体の内部の空孔発生が抑えられる温度範囲で熱処理を行い、第2圧電体前駆体に改質する工程と、
    (5)前記第2圧電体前駆体を結晶化が抑制される範囲で高温の熱処理を行い、第3圧電体前駆体に改質する工程と、
    (6)前記第3圧電体前駆体を熱処理して空孔発生を抑えて結晶化される圧電体に改質する工程と、
    を含み、かつ前記(2)、前記(3)、前記(4)、前記(5)を含む工程を当該順に一回又は複数回行うことを特徴とする圧電体の製造方法。
  6. 前記有機金属は、Pb、Ti、Zr、Mg、Nb、In、Zn、Ni、Sc、Ta、Bi、Yb、Sr、Sm、Ba、Laの少なくとも1つを含むことを特徴とする請求項3乃至5のいずれか一項に記載の圧電体の製造方法。
  7. 請求項3乃至5のいずれか一項に記載の圧電体の製造方法に用いられる熱処理装置であって、前記熱処理装置は、圧電体を製造する工程で発生する脱離ガスを分析し、前記脱離ガスの量及び/又は、前記脱離ガスの組成をもとに熱処理温度を調整する制御信号を得るための検出器を備えることを特徴とする熱処理装置。
  8. 前記熱処理装置の検出器はTDS(昇温脱離分析)法、GC−MS(ガス・クロマトグラフ質量分析)法、TG−MS(熱重量−質量同時分析)法、FT−IR(フーリエ変換赤外分光分析)法、GC−IR(ガス・クロマトグラフ赤外分光)法、PL(フォトルミネッセンス)法、誘導結合プラズマ質量分析(ICP−MS)法、グロー発光測定法、に用いられる検出器を少なくとも1つ含むことを特徴とする請求項7に記載の熱処理装置。
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