JP2008168858A - 電動パワーステアリング装置 - Google Patents

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直樹 前田
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Abstract

【課題】据え切り状態と走行状態との移行期における操舵補助を適切に行う。
【解決手段】停車時対応アシスト制御部22は、車両の停車時に対応した停車時対応アシストトルク値Tαを設定する。走行時対応アシスト制御部23は、車両の走行時に対応した走行時対応アシストトルク値Tβを設定する。操舵角速度・車速比率演算部27は、車速に対する操舵角速度の比率|ω/V|を求める。ゲイン設定部28は、比率|ω/V|に応じて、停車時対応アシストトルク値Tαおよび走行時対応アシストトルク値Tβにそれぞれ対応する第1ゲインgαおよび第2ゲインgβを設定する。ゲイン設定部28によって設定された第1ゲインgαおよび第2ゲインgβを停車時対応アシストトルク値Tαおよび走行時対応アシスト制御値Tβにそれぞれ乗じて得られる値を加算して最終アシストトルク値Tが求められる。アシストトルク値Tに基づいて電動モータMが制御される。
【選択図】図1

Description

この発明は、電動モータを駆動源とした電動パワーステアリング装置に関する。
従来から、車両のステアリング機構に電動モータが発生するトルクを伝達することにより、操舵の補助を行う電動パワーステアリング装置が用いられている。
一般に、電動パワーステアリング装置は、ステアリングホイールに加えられる操舵トルクを検出するトルクセンサを備えている。そして、このトルクセンサによって検出される操舵トルクに応じて操舵補助力(アシスト量)を制御するアシスト制御が行われるようになっている。
しかし、トルクセンサを省いてコストダウンを図ったり、操舵フィーリングの向上を図ったりする目的のために、操舵トルク以外のパラメータに基づいてアシスト量を決定することも考えられる。
操舵トルク以外のパラメータに基づいてアシスト制御を行う構成の一例として、たとえば、下記特許文献1には、車速が所定の設定速度未満のときには、車速と操舵角とに基づいて電動モータの目標電流値を定め、車速が前記設定速度以上のときには、車速と操舵トルクとに基づいて電動モータの目標電流値を定めるようにした電動パワーステアリング装置が開示されている。
特開2004−314909号公報
車両の走行時には、ステアリングホイールに働く操舵反力は、車輪から伝達されるセルフアライニングトルクが支配的である。したがって、たとえば、絶対舵角(舵角中点からの舵角)に応じたアシスト力を電動モータからステアリング機構に付与するアシスト制御を行うことにより、適切な操舵補助が可能になる。一方、車両停止時に舵取り車輪を転舵させる据え切り時には、セルフアライニングトルクの影響はなく、タイヤと路面との摩擦、およびタイヤのねじれによるバネ成分が主な操舵反力となる。そのため、たとえば、切り出し開始位置からの相対舵角に応じたアシスト制御を行うことが適切である。したがって、走行時と据え切り時とに共通のアシスト制御を適用しても、必ずしも良好な操舵フィーリングを実現できない。
この問題は、走行時と据え切り時とでアシスト制御を切り換えることによって解決されると考えられるが、据え切り状態から低速で走行を始める過渡段階では、いずれのアシスト制御も適切であるとは限らず、操舵違和感を招くおそれがある。
そこで、この発明の目的は、据え切り状態と走行状態との移行期における操舵補助を良好に行うことができ、これにより、操舵フィーリングの改善を図った電動パワーステアリング装置を提供することである。
上記の目的を達成するための請求項1記載の発明は、電動モータ(M)が発生する駆動力を車両のステアリング機構(3)に操舵補助力として付与する電動パワーステアリング装置であって、操舵速度(ω)を求める操舵速度演算手段(21)と、前記車両の車速(V)を検出する車速検出手段(6)と、前記車両の停車時に対応した停車時対応アシスト制御値(Tα)を設定する停車時対応アシスト制御値設定手段(22)と、前記車両の走行時に対応した走行時対応アシスト制御値(Tβ)を設定する走行時対応アシスト制御値設定手段(23)と、前記車速検出手段によって検出される車速および前記操舵速度検出手段によって検出される操舵速度に基づいて、当該車速に対する当該操舵速度の比(|ω/V|)に応じて、前記停車時対応アシスト制御値および走行時対応アシスト制御値にそれぞれ対応する第1ゲイン(gα)および第2ゲイン(gβ)を設定するゲイン設定手段(28)と、このゲイン設定手段によって設定された第1ゲインおよび第2ゲインを前記停車時対応アシスト制御値および走行時対応アシスト制御値にそれぞれ乗じて得られる値を加算して最終アシスト制御値を求める手段(24,25,26)と、前記最終アシスト制御値に基づいて前記電動モータを駆動する手段(13,14,30,31,32,33)とを含む、電動パワーステアリング装置である。なお、括弧内の英数字は、後述の実施形態における対応構成要素等を表す。
この構成によれば、車速に対する操舵速度の比(操舵速度/車速)に基づいて、停車時対応アシスト制御値のための第1ゲインおよび走行時対応アシスト制御値のための第2ゲインが設定される。停車または極低速状態で操舵される状況(据え切り状態)では車速に対する操舵速度の比は大きく、車速がある程度大きい状態で操舵される状況(走行状態)では、車速に対する操舵速度の比は小さくなる。したがって、車速に対する操舵速度の比は、走行状態の度合いおよび据え切り状態の度合いを定量化した値であるということができ、これに基づいて定められる第1および第2ゲインは、据え切り状態の度合いおよび走行状態の度合いに応じた値となる。よって、これらの第1および第2ゲインを停車時対応アシスト制御値および走行時対応アシスト制御値にそれぞれ乗じ、その乗算結果を加算することによって求められる最終アシスト制御値は、停車時アシスト制御値と走行時アシスト制御値とを、車両の状況に応じて適切に融合させた値となる。したがって、この最終アシスト制御値を用いて電動モータを駆動することによって、停車時対応アシスト制御と走行時対応アシスト制御とを適切に融合させたアシスト制御を行うことができる。これにより、据え切り状態と走行状態との移行期における操舵補助を適切に行うことができ、その結果、操舵フィーリングを向上することができる。
以下では、この発明の実施の形態を、添付図面を参照して詳細に説明する。
図1は、この発明の一実施形態に係る電動パワーステアリング装置の電気的構成を示すブロック図である。操作手段としてのステアリングホイール1に加えられた操舵トルクは、ステアリングシャフト2を介して、ステアリング機構3に機械的に伝達される。ステアリング機構3には、電動モータMからの操舵補助力が、減速機構(図示せず)を介して、またはダイレクトドライブ方式によって、伝達されるようになっている。
ステアリングシャフト2に関連して、たとえば、ステアリングシャフト2の回転角を操舵角として検出する操舵角センサ5が設けられている。この操舵角センサ5の出力信号は、コントローラ10(ECU)に入力されている。
コントローラ10には、操舵角センサ5の出力信号のほかに、車速センサ6が出力する車速信号が入力されている。コントローラ10は、操舵角センサ5によって検出される操舵角および車速センサ6によって検出される車速に応じて、モータ駆動値としての電流指令値を定め、操舵角および車速に応じた操舵補助力(アシストトルク)がステアリング機構3に与えられるように、電動モータMを駆動制御する。
コントローラ10は、マイクロコンピュータ11と、モータ駆動回路13と、電動モータMに流れる電流値を検出するモータ電流検出回路14とを備えている。マイクロコンピュータ11は、操舵角センサ5によって検出される操舵角および車速センサ6によって検出される車速に基づいて、モータ駆動回路13にPWM(パルス幅変調)駆動信号を与える。モータ駆動回路13は、PWM駆動信号に応じた電流により電動モータMを駆動する。そして、電動モータMが発生する駆動力が、操舵補助力として、ステアリング機構3に伝達されることになる。
マイクロコンピュータ11は、CPU(中央処理装置)およびメモリを備えており、所定のプログラムを実行することによって、複数の機能処理部として機能する。この複数の機能処理部は、操舵角速度演算部21と、停車時対応アシスト制御部22と、走行時対応アシスト制御部23と、第1ゲイン調整部24と、第2ゲイン調整部25と、加算部26と、操舵角速度・車速比率演算部27と、ゲイン設定部28と、モータ電流目標値設定部30と、偏差演算部31と、PI(比例積分)制御部32と、PWM制御部33とを含む。
操舵角速度演算部21は、操舵角センサ5が出力する操舵角θを時間微分することによって、操舵角速度ωを演算する。
停車時対応アシスト制御部22は、操舵角速度演算部21によって演算された操舵角速度ωに対応した停車時対応アシストトルク値Tαを求める。アシストトルク値とは、電動モータMからステアリング機構3に与えるべき操舵補助力(アシストトルク)の値である。停車時対応アシストトルク値Tαとは、当該電動パワーステアリング装置が搭載される車両が停車している状態でステアリングホイール1の操作が行われた場合(すなわち、据え切り時)に、ステアリング機構3に与えるべきアシストトルクの値である。操舵角速度ωは、単位時間あたりの操舵角変化である。したがって、停車時対応アシストトルク値Tαは、相対舵角(操舵角変化)に応じて設定されるものということもできる。
走行時対応アシスト制御部23は、操舵角センサ5によって検出される操舵角θ(絶対舵角)および車速センサ6によって検出される車速Vに基づいて、走行時対応アシストトルク値Tβを求める。走行時対応アシストトルク値Tβとは、車両が走行している状態でステアリングホイール1の操作が行われた場合(走行時)に、ステアリング機構3に与えるべきアシストトルクの値である。走行時には、車輪からのセルフアライニングトルクは操舵角θおよび車速Vに依存する。したがって、走行時対応アシストトルク値Tβは、走行時には、セルフアライニングトルクに応じて設定されることになる。
第1ゲイン調整部24は、停車時対応アシストトルク値Tαに対してゲインgαを乗じるものである。ゲインgαは、ゲイン設定部28によって可変設定されるようになっている。
第2ゲイン調整部25は、走行時対応アシストトルク値Tβに対してゲインgβを乗じるものである。ゲインgβは、ゲイン設定部28によって可変設定されるようになっている。
加算部26は、第1ゲイン調整部24でゲイン調整された停車時対応アシストトルク値gα・Tαと、第2ゲイン調整部25でゲイン調整された走行時対応アシストトルク値gβ・Tβとを加算し、電動モータMからステアリング機構3に実際に与えるべきアシストトルク値(最終アシストトルク値)Tを求めるものである。
操舵角速度・車速比率演算部27は、車速Vに対する操舵角速度ωの比率|ω/V|を演算する。この演算された操舵角速度・車速比率|ω/V|は、ゲイン設定部28に与えられる。据え切り状態では、車速Vが小さいので、操舵角速度・車速比率|ω/V|は大きな値となる。これに対して、車両の走行中に操舵が行われるときには、操舵角速度・車速比率|ω/V|は比較的小さな値となる。したがって、適切な閾値を設けて、この閾値と操舵角速度・車速比率|ω/V|とを比較することによって、据え切り状態か、走行中に操舵が行われている状態か、またはその中間の移行状態(過渡状態)かを判定することができる。
ゲイン設定部28は、操舵角速度・車速比率|ω/V|に応じて、第1および第2ゲイン調整部24,25のゲインgα,gβを可変設定する。
モータ電流目標値設定部30は、加算部26が出力する値Tのアシストトルクを電動モータMから発生させるために必要なモータ電流目標値を求めて出力する。このモータ電流目標値は、偏差演算部31に与えられる。
偏差演算部31は、モータ電流目標値設定部30から与えられるモータ電流目標値とモータ電流検出回路14によって検出されてフィードバックされる実モータ電流との偏差を求め、この偏差をPI制御部32に与える。
PI制御部32は、偏差演算部31から与えられる偏差を零にするようにPI制御演算を行い、制御値を生成する。PWM制御部33は、PI制御部32が生成する制御値に対応したパルス幅のPWM駆動信号を発生し、モータ駆動回路13に出力する。
このような構成により、加算部26が生成するアシストトルク値Tのアシストトルクがステアリング機構3に付与されるように、電動モータMがフィードバック制御される。そして、アシストトルク値Tは、停車時対応アシストトルク値Tαと走行時対応アシストトルク値Tβとを、ゲインgα,gβによって定まる比率で混合して生成されるので、車両の停車時(据え切り時)および走行時だけでなく、停車状態(据え切り状態)から走行状態へと移行する極低速走行状態(過渡状態)に対しても妥当な値を有することができる。むろん、車両が停車していると見なせる状態(据え切り状態)のときは、ゲインgβを零としてゲインgαを有意値(たとえば、1)とし、車両の速度が十分に速く、セルフアライニングトルクが操舵反力の支配的な要因であると見なせる状態のときには、ゲインgαを零としてゲインgβを有意値(たとえば、1)とすればよい。
図2は、停車時対応アシスト制御部22による停車時対応アシストトルク値Tαの設定例を示す特性図である。この例では、操舵角速度ωが0よりも大きい範囲(右側へ操舵した場合)には、停車時対応アシストトルク値Tαは、正の値をとり、かつ、操舵角速度ωの増加に伴ってリニアに増加するようになっている。また、操舵角速度ωが0よりも小さい範囲(左側へ操舵した場合)には、停車時対応アシストトルク値Tβは負の値をとり、しかも、その絶対値が操舵角速度ωの絶対値の増加に伴ってリニアに増加するようになっている。
停車時対応アシスト制御部22は、図2に示すようなアシスト特性を記憶したマップを含む構成としてもよいし、関数演算によって操舵角速度ωに対応した停車時対応アシストトルク値Tαを生成する構成としてもよい。
図3は、走行時対応アシスト制御部23による走行時対応アシストトルク値Tβの設定例を示す特性図である。この例では、操舵角θが0よりも大きい範囲(右側へ操舵した場合)には、走行時対応アシストトルク値Tβは、正の値をとり、かつ、操舵角θの増加に伴って単調に増加するようになっている。より具体的には、所定の操舵角閾値までは第1の勾配で操舵角θの増加に伴って走行時対応アシストトルク値Tβがリニアに増加し、当該操舵角閾値以上の範囲では前記第1の勾配よりも小さな第2の勾配で、操舵角θの増加に伴って走行時対応アシストトルク値Tβがリニアに増加するようになっている。また、操舵角θが0よりも小さい範囲(左側へ操舵した場合)には、走行時対応アシストトルク値Tβは、負の値をとり、かつ、操舵角θの減少(絶対値の増加)に伴って走行時対応アシストトルクTβが単調に減少(絶対値が単調に増加)するようになっている。より具体的には、所定の操舵角閾値までは第1の勾配で操舵角θの減少に伴って走行時対応アシストトルク値Tβがリニアに減少し、当該操舵角閾値以下の範囲では前記第1の勾配よりも小さな第2の勾配で、走行時対応アシストトルク値Tβが操舵角θに対してリニアに減少するようになっている。
図3に示されているアシスト特性は、特定の車速域に対応する一つのアシスト特性である。実際には、複数の車速域にそれぞれ対応した複数のアシスト特性が用いられる。この場合、車速が大きいほど走行時対応アシストトルク値Tβが小さくなるように各車速域のアシスト特性が定められる。これにより、高速走行時ほど操舵抵抗を大きくすることができる。
走行時対応アシスト制御部23は、図3に示すようなアシスト特性を記憶したマップを含む構成としてもよい。この場合、複数の車速域に対応した特性をマップに格納しておいてもよいし、基準車速域に対応したアシスト特性のみをマップに格納しておき、これに対して車速に応じた係数を乗じることで、他の車速域に対応した走行時対応アシストトルク値Tβを求める構成としてもよい。さらにまた、走行時対応アシスト制御部23は、関数演算によって操舵角θおよび車速Vに対応した走行時対応アシストトルク値Tβを生成する構成とすることもできる。
図4は、マイクロコンピュータ11が所定の制御周期毎に繰り返し実行する処理の要部を説明するためのフローチャートである。
停車時対応アシスト制御部22が操舵角速度ωに基づいて停車時対応アシストトルク値Tαを求め(ステップS1)、走行時対応アシスト制御部23が操舵角θおよび車速Vに基づいて走行時対応アシストトルク値Tβを求める(ステップS2)。そして、操舵角速度・車速比率演算部27が、車速Vが0km/hかどうかを判断する(ステップS3)。
車速Vが0km/hであり、したがって、停車中である場合には(ステップS3:YES)、ゲイン設定部28が、第1ゲイン調整部24のゲインgα(据え切りアシストゲイン)を1とし(ステップS5)、第2ゲイン調整部25のゲインgβ(走行時アシストゲイン)を零とする(ステップS6)。これにより、加算部26からは、アシストトルク値T(=gα・Tα+gβ・Tβ)として停車時対応アシストトルク値Tαが出力されることになり(ステップS13)、この停車時対応アシストトルク値Tαに基づいて電動モータMの電流フィードバック制御が行われる(ステップS14)。
一方、車速Vが0km/hでなければ(ステップS3:NO)、操舵角速度・車速比率演算部27は、操舵角速度・車速比率|ω/V|を求める(ステップS4)。さらに、ゲイン設定部28は、操舵角速度・車速比率|ω/V|と所定の第1閾値K1とを比較する(ステップS7)。操舵角速度・車速比率|ω/V|が第1閾値K1よりも大きければ(ステップS7:YES)、据え切り状態であるとみなされて、ステップS5からの処理が行われ、停車時対応アシストトルク値Tαに基づいて電動モータMが駆動される。すなわち、車速Vが0km/hであるか、または、操舵角速度・車速比率|ω/V|が第1閾値K1よりも大きい場合には、停車時対応アシストトルク値Tαが、アシストトルク値Tとしてそのまま適用される。
操舵角速度・車速比率|ω/V|が第1閾値以下(ステップS7:NO)である場合には、ゲイン設定部28は、さらに、操舵角速度・車速比率|ω/V|を第2閾値K2(ただし、K2<K1)と比較する(ステップS8)。操舵角速度・車速比率|ω/V|が第2閾値K2未満であれば(ステップS8:YES)、車両が十分な速度で走行している状態で操舵が行われているものとみなされる。この場合、ゲイン設定部28は、第1ゲイン調整部24のゲインgα(据え切りアシストゲイン)を零とし(ステップS9)、第2ゲイン調整部25のゲインgβ(走行時アシストゲイン)を1とする(ステップS10)。これにより、加算部26からは、アシストトルク値T(=gα・Tα+gβ・Tβ)として走行時対応アシストトルク値Tβが出力されることになり(ステップS13)、この走行時対応アシストトルク値Tβに基づいて電動モータMの電流フィードバック制御が行われる(ステップS14)。
一方、操舵角速度・車速比率|ω/V|が第2閾値K2以上のとき(ステップS8:NO)、すなわち、K2≦|ω/V|≦K1のときには、据え切り状態から走行状態での操舵への過渡段階であるとみなされる。この場合には、ゲイン設定部28は、第1ゲイン調整部24のゲインgα(据え切りアシストゲイン)を下記(1)式により算出し(ステップS11)、第2ゲイン調整部25のゲインgβ(走行時アシストゲイン)を下記(2)式により算出する(ステップS12)。これにより、加算部26からは、アシストトルク値T(=gα・Tα+gβ・Tβ)として、停車時対応アシストトルク値Tαと走行時対応アシストトルク値Tβとを操舵角速度・車速比率|ω/V|に応じた比率で混合した値が出力されることになり(ステップS13)、このアシストトルク値Tに基づいて電動モータMの電流フィードバック制御が行われる(ステップS14)。
gα={(|ω/V|−K2)/(K1−K2)} ……(1)
gβ={(K1−|ω/V|)/(K1−K2)} ……(2)
図5は、操舵角速度・車速比率|ω/V|と、停車時対応アシスト制御および走行時対応アシスト制御の比率との関係を説明するための概念図である。据え切り状態では、操舵角速度・車速比率|ω/V|が大きく、この操舵角速度・車速比率|ω/V|が第1閾値K1を超える範囲では、停車時対応アシスト制御の比率が1となる。また、車速がある程度以上の状態で操舵が行われる状態では、操舵角速度・車速比率|ω/V|が小さく、この操舵角速度・車速比率|ω/V|が第2閾値K2未満の範囲では、走行時対応アシスト制御の比率が1となる。これらの中間的な状態では、K2≦|ω/V|≦K1となる。この範囲では、操舵角速度・車速比率|ω/V|の増加に伴って、停車時対応アシスト制御の比率が増加(図5の例ではリニアに増加)し、走行時対応アシスト制御の比率が減少(図5の例ではリニアに減少)する。したがって、操舵角速度・車速比率|ω/V|に応じて、停車時対応アシスト制御と走行時対応アシスト制御とが混合されることになる。
前述のとおり、操舵角速度・車速比率|ω/V|は、据え切り状態、走行時の操舵状態、およびその中間状態(過渡状態)を定量的に表す指標となる。したがって、この操舵角速度・車速比率|ω/V|に応じて停車時対応アシスト制御および走行時対応アシスト制御の比率を定め、これらを混合させることによって、前記中間状態におけるアシスト制御を適切に行うことができる。すなわち、停車時対応アシスト制御と走行時対応アシスト制御とを最適な割合で融合させることができ、操舵フィーリングを向上できる。また、据え切り状態から走行時の操舵状態へと滑らかに移行していくことができる結果、違和感のない操舵フィーリングを実現できる。
以上、この発明の一実施形態について説明したが、この発明は、他の形態で実施することもできる。たとえば、前述の実施形態では、K2≦|ω/V|≦K1の範囲では、操舵角速度・車速比率|ω/V|に対してゲインgα,gβがリニアに変化するようになっているが、むろん、曲線状または折れ線状に変化させてもよい。また、前述の実施形態では、gα+gβ=1となるようにゲインgα,gβを定めているが、これらの合計が1になる必要はない。
また、前述の実施形態では、ステアリングホイール1に加えられる操舵トルクを検出するトルクセンサを設けていない構成について説明したが、トルクセンサを設けて操舵トルクを検出し、たとえば、走行時対応アシストトルク値Tβを操舵トルクおよび車速に応じて定める構成としてもよい。また、通常時には、操舵トルクおよび車速に応じて走行時アシストトルク値Tβを定める一方で、トルクセンサ信号に不具合(信号線の断線など)が生じた異常時には、操舵角θに基づいて走行時対応アシストトルク値Tβを定める構成としてもよい。
さらにまた、前述の実施形態では、停車時対応アシスト制御部22が操舵角速度に応じて停車時対応アシストトルク値Tαを設定する例について説明したが、据え切り時における切り始めからの相対舵角に応じて停車時対応アシストトルク値Tαを設定する構成としてもよい。
また、前述の実施形態では、操舵角センサ5によって検出される操舵角θを時間微分することによって操舵角速度ωを演算する構成としているが、モータ端子間電圧およびモータ電流からモータ角速度を推定し、これを操舵角速度ωに換算するようにしてもよい。
さらに、前述の実施形態では、アシスト制御値としてアシストトルク値を設定する例について説明したが、電動モータMの駆動目標値(電流目標値や電圧目標値)をアシスト制御値として設定する構成としてもよい。
その他、特許請求の範囲に記載された事項の範囲で種々の設計変更を施すことが可能である。
この発明の一実施形態に係る電動パワーステアリング装置の電気的構成を示すブロック図である。 停車時対応アシスト制御部による停車時対応アシストトルク値の設定例を示す特性図である。 走行時対応アシスト制御部による走行時対応アシストトルク値の設定例を示す特性図である。 マイクロコンピュータが所定の制御周期毎に繰り返し実行する処理の要部を説明するためのフローチャートである。 操舵角速度・車速比率と、停車時対応アシスト制御および走行時対応アシスト制御の比率との関係を説明するための概念図である。
符号の説明
5…操舵角センサ、10…コントローラ、11…マイクロコンピュータ、24…第1ゲイン調整部、25…第2ゲイン調整部、26…加算部

Claims (1)

  1. 電動モータが発生する駆動力を車両のステアリング機構に操舵補助力として付与する電動パワーステアリング装置であって、
    操舵速度を求める操舵速度演算手段と、
    前記車両の車速を検出する車速検出手段と、
    前記車両の停車時に対応した停車時対応アシスト制御値を設定する停車時対応アシスト制御値設定手段と、
    前記車両の走行時に対応した走行時対応アシスト制御値を設定する走行時対応アシスト制御値設定手段と、
    前記車速検出手段によって検出される車速および前記操舵速度検出手段によって検出される操舵速度に基づいて、当該車速に対する当該操舵速度の比に応じて、前記停車時対応アシスト制御値および走行時対応アシスト制御値にそれぞれ対応する第1ゲインおよび第2ゲインを設定するゲイン設定手段と、
    このゲイン設定手段によって設定された第1ゲインおよび第2ゲインを前記停車時対応アシスト制御値および走行時対応アシスト制御値にそれぞれ乗じて得られる値を加算して最終アシスト制御値を求める手段と、
    前記最終アシスト制御値に基づいて前記電動モータを駆動する手段とを含む、電動パワーステアリング装置。
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WO2020183838A1 (ja) * 2019-03-08 2020-09-17 日本精工株式会社 車両用操向装置

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WO2020183838A1 (ja) * 2019-03-08 2020-09-17 日本精工株式会社 車両用操向装置
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