JP2008167685A - 風味付けされた油脂の製造法 - Google Patents
風味付けされた油脂の製造法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2008167685A JP2008167685A JP2007003536A JP2007003536A JP2008167685A JP 2008167685 A JP2008167685 A JP 2008167685A JP 2007003536 A JP2007003536 A JP 2007003536A JP 2007003536 A JP2007003536 A JP 2007003536A JP 2008167685 A JP2008167685 A JP 2008167685A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- acid
- oil
- fat
- flavored
- flavor
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Landscapes
- Edible Oils And Fats (AREA)
Abstract
本発明の目的は、風味油脂の雑味の低減化と有機酸又はその塩の溶解した油脂の有機酸風味の低減化を兼ね備えた風味付けされた油脂ならびにその製造法を提供することにある。
【解決手段】
本発明は、Aは油脂中にアスコルビン酸、エリソルビン酸、乳酸、酒石酸、クエン酸及びリンゴ酸、並びにそれらの塩からなる群から選ばれた少なくとも1種の有機酸またはその塩を水溶液の状態で添加し脱水処理する工程と、風味油脂を加える工程とを含むものであり、Bは風味油にアスコルビン酸、エリソルビン酸、乳酸、酒石酸、クエン酸及びリンゴ酸、並びにそれらの塩からなる群から選ばれた少なくとも1種の有機酸またはその塩を水溶液の状態で添加し脱水処理を施されたものを加える工程を含むものとした際に、AまたはBを有する事で、風味油脂の雑味の低減化と有機酸又はその塩の溶解した油脂の有機酸風味の低減化とコク味の付与が可能である。
【選択図】 なし
Description
このように熱酸化された油脂由来の劣化臭は油調した食品にとって望ましくなく、劣化臭を抑制する方法については様々な方法が検討されてきた。
以上のようにアスコルビン酸を油脂に含有させることは難しいものと認識され、アスコルビン酸パルミテートとすることによって油溶性に改善され、油脂の抗酸化剤として使用されるようになった。
ただ、有機酸を含有した油脂は過熱臭を抑制する効果はあるものの、油脂自体のコクの点で不十分であった。
(1)としては、AまたはBを有する風味付けされた油脂の製造法であって、Aは油脂中にアスコルビン酸、エリソルビン酸、乳酸、酒石酸、クエン酸及びリンゴ酸、並びにそれらの塩からなる群から選ばれた少なくとも1種の有機酸またはその塩を水溶液の状態で添加し脱水処理する工程と、風味油脂を加える工程とを含むものであり、Bは風味油にアスコルビン酸、エリソルビン酸、乳酸、酒石酸、クエン酸及びリンゴ酸、並びにそれらの塩からなる群から選ばれた少なくとも1種の有機酸またはその塩を水溶液の状態で添加し脱水処理を施されたものを加える工程を含むものである、風味付けされた油脂の製造法であり、(2)としては、脱水処理を50〜180℃、0.5〜100Torrの減圧条件下で行うことを特徴とする(1)記載の風味付けされた油脂の製造法であり、(3)としては、風味付けされた油脂中の有機酸又はその塩の量が2〜28ppmである(1)又は(2)記載の風味付けされた油脂の製造法であり、(4)としては、さらに、抗酸化物質を油脂中に10〜2000ppm含まれるように添加する、(1)乃至(3)の何れか1項に記載の風味付けされた油脂の製造法であり、(5)としては、風味油脂が焙煎原料を用いたものであるか、バージンオイルであるか、または胡麻、ナッツ、もしくは豚脂由来の油脂である(4)記載の風味付けされた油脂の製造法であり、(6)としては、風味油脂の焙煎原料として菜種、胡麻及び落花生から選ばれた少なくとも1種を用いるか、またはバージンオイルの原料としてオリーブを用いる(5)記載の風味付けされた油脂の製造法であり、(7)としては、油脂全体に対して風味油脂の割合が0.1〜20重量%であ(1)に記載の風味付けされた油脂の製造法であり、(8)としては、アスコルビン酸、エリソルビン酸、乳酸、酒石酸、クエン酸及びリンゴ酸、並びにそれらの塩からなる群から選ばれた少なくとも1種の有機酸またはその塩を、油脂中に分散した状態で含み、かつ、風味油脂を添加してなる、風味付けされた油脂であり、(9)としては、アスコルビン酸、エリソルビン酸、乳酸、酒石酸、クエン酸及びリンゴ酸、並びにそれらの塩からなる群から選ばれた少なくとも1種の有機酸またはその塩を、油脂中に分散した状態で含む風味油脂を添加してなる、風味付けされた油脂であり、(10)としては、油脂中にアスコルビン酸、エリソルビン酸、乳酸、酒石酸、クエン酸及びリンゴ酸、並びにそれらの塩からなる群から選ばれた少なくとも1種の有機酸またはその塩を分散した状態で含む、風味油脂を添加してなる、風味付けされた油脂である。
有機酸の添加量は、風味付けされた油脂中に2〜28ppm含まれるように添加するのが良く、有機酸が2ppm未満では、期待する効果は得られない。
また、有機酸の含有量を28ppm超える量を油脂に添加させようとすると、有機酸の結晶が析出し油脂中に含有させることが難しくなる。
焙煎の熱源装置温度・時間によって、焙煎品の芳香に大きな変化をもたらす。たとえば、遠赤外線焙煎・炭焼焙煎などによる特別な焙煎や、その熱源を利用して焙煎操作をコントロールする事によってフレーバーを付加させる事も可能である。
本願における焙煎は特にその方法や温度、時間を限定するものではなく、一般に用いられている焙煎工程を適宜用いることができる。
風味油脂の焙煎原料としては菜種、胡麻及び落花生から選ばれた少なくとも1種を用いることが望ましい。特に原料として焙煎した菜種を用いたものを「菜種赤水」と称し、甘味・コクのある風味があることで知られている。
なお、胡麻は風味が強いため、焙煎をせず、またバージンオイルでなくとも強い風味を示すため、風味油脂として用いることができる。
風味油脂として用いられる油脂は特に限定はされないが、呈味閾値が5%以下であることが望ましい。ここで言うところの呈味閾値とは風味油脂を風味の極めて少ない油脂(一例としては精製大豆油)に添加した場合に、本発明の実施例で用いられているコク風味の評価法で2点(好ましい風味がややあるを感じる)以上の評価が、過半数に達する最低濃度を指し、その呈味閾値が5%以下、好ましくは2%以下、更に好ましくは1%以下であるものを風味油脂として用いることが望ましい。
アスコルビン酸水溶液の濃度は、0.1〜22%で行うことができ、1〜10%が好ましい。
下限未満の場合は、油脂に対する水の量が多くなり効率の悪いものになってしまう。
上限を超えると、アスコルビン酸の結晶が析出して油脂への含有が難しくなる。
温度は50〜180℃で行うことができ、下限未満の場合は、脱水に要する時間が長くかかり効率の悪いものになってしまう。
また、上限を超えるとアスコルビン酸が分解してその効果が乏しくなる。
有機酸またはその塩の含有は風味油脂の雑味の低減効果は、抽出トコフェロール、アスコルビン酸パルミテート、カテキン等の他の酸化防止剤と併用することにより高められる。
これらの酸化防止剤は単純に油脂に添加するだけで容易に油脂中に含有させることができる。
即ち有機酸を2〜28ppm及び抽出トコフェロール、アスコルビン酸パルミテート、カテキン、のうち少なくとも1種以上を10〜2000ppm含有させるのが良い。
なお、例中、%及び部は重量基準を意味する。
以下において、アスコルビン酸含有油脂の作成法、アスコルビン酸定量法、フライテスト方法及び風味評価方法は次のように行った。
アスコルビン酸(和光純薬工業(株)製、商品名:L−アスコルビン酸、純度:99.5%)を水に加え、1%アスコルビン酸水溶液を作成する。次いで70℃に加温した菜種油100重量部に対し1%アスコルビン酸水溶液を0.2重量部加えて混合し、70℃、40Torrの減圧条件下で、攪拌しながら20分間脱水処理を行った。
しかる後、TOYO No.5C濾紙(1μm相当)にて濾過し、アスコルビン酸含有菜種油を得た。
アスコルビン酸(和光純薬工業(株)製、商品名:L−アスコルビン酸、純度:99.5%)を水に加え、1%アスコルビン酸水溶液を作成する。次いで70℃に加温した大豆油100重量部に対し1%アスコルビン酸水溶液を0.2重量部加えて混合し、70℃、40Torrの減圧条件下で、攪拌しながら20分間脱水処理を行った。
しかる後、TOYO No.5C濾紙(1μm相当)にて濾過し、アスコルビン酸含有大豆油を得た。
密閉可能な容器中に油脂を加え油脂と等量の5%メタリン酸水溶液と油脂2倍量のヘキサンを加え、振とう攪拌を行う。
静置後水相部の246nmの吸光度を測定する。
別途既知量のアスコルビン酸水溶液により246nmの吸光度を測定し検量線を作製し濃度未知試料の定量に使用する。
上記<アスコルビン酸含有油脂の作成法>にて得られた油脂のアスコルビン酸含量は10.4ppmであった。
フライ鍋に、フライ用油脂を2kg計量。
油温を180±5℃に保つ。
冷凍コロッケを20分に1回1個4分揚げる。
18時間連続してこの操作を繰り返し、18時間後のコロッケの風味評価を行った。
(風味評価方法)風味パネラーに下記基準により各サンプル毎、評価してもらう。
アスコルビン酸含有菜種油99.9部に菜種赤水(太田油脂株式会社製、商品名:なたね油赤水)を0.1部添加してフライ用油脂を作成し、フライテストを実施した。フライ品のコロッケの風味評価を行ったところ、風味油脂の雑味の評価平均点は4.8点、酸風味は1.6点で、風味は風味油自体が少ないので雑味は少ないものの、コクのある風味自体もかすかであった。しかしながらアスコルビン酸由来の微妙な風味がやや低減されており、従来品に比べて効果が認められるものであった。
アスコルビン酸含有菜種油99.5部に菜種赤水を0.5部添加してフライ用油脂を作成し、フライテストを実施した。フライ品のコロッケの風味評価を行ったところ、風味油脂の雑味の評価平均点は4.6点、酸風味の評価平均点は2.8点で、実施例1同様に、風味は風味油自体が少ないので雑味は少ないものの、コクのある風味自体も実施例1よりやや強く感じられた。またアスコルビン酸由来の微妙な風味の低減効果も実施例1よりより強く、従来品に比べてさらに効果が認められるものであった。
アスコルビン酸含有菜種油99部に菜種赤水を1部添加してフライ用油脂を作成し、フライテストを実施した。フライ品のコロッケの風味評価を行ったところ、風味油脂の雑味の評価平均点は4.0点、酸風味の評価平均点は4.6点で、風味油由来の適度なコク味が本来アスコルビン酸含有菜種油に見られるコク味の低減を程よく補い、しかも風味油の雑味自体はアスコルビン酸により抑制され、さらにアスコルビン酸由来の微妙な風味も低減したものであった。
アスコルビン酸含有菜種油97部に菜種赤水を3部添加してフライ用油脂を作成し、フライテストを実施した。フライ品のコロッケの風味評価を行ったところ、風味油脂の雑味の評価平均点は2.2点、酸風味の評価平均点は4.9点で、風味油由来のコク味は本来アスコルビン酸含有菜種油に見られるコク味の低減を補ってはいるものの、風味油の雑味自体をアスコルビン酸により抑制効果ではややおさえきれなくなっており、やや雑味を感じるものであった。しかしアスコルビン酸由来の微妙な風味は低減したものであり、従来フライ用油脂に比べ十分に商品価値の高いものであった。
アスコルビン酸含有菜種油95部に菜種赤水を5部添加してフライ用油脂を作成し、フライテストを実施した。フライ品のコロッケの風味評価を行ったところ、風味油脂の雑味の評価平均点は1.4点、酸風味の評価平均点は4.8点で、実施例4に比べて、さらに風味油由来のコク味は強くなっている反面、風味油の雑味自体をアスコルビン酸により抑制効果ではおさえきれなくなっており、雑味を感じるものであった。しかしアスコルビン酸由来の微妙な風味は低減したものであり、従来フライ用油脂に比べ商品価値の高いものであった。
アスコルビン酸含有菜種油100部に菜種赤水を添加せずに、フライ用油脂を作成し、フライテストを実施した。フライ品のコロッケの風味評価を行ったところ、雑味の評価平均点は4.8点、酸風味の評価平均点は1.6点で、従来品であるアスコルビン酸含有菜種油程度の効果にとどまり、アスコルビン酸由来の微妙な風味がのこった。
アスコルビン酸を添加する操作を施さなかった菜種油95部に菜種赤水を1.0%添加してフライ用油脂を作成し、フライテストを実施した。フライ品のコロッケの風味評価を行ったところ、風味油脂の雑味の評価平均点は2.2点、酸風味の評価平均点は4.8点で風味油由来のコク味は感じられるが、油脂の劣化臭が抑えられておらず、油臭い風味が強く感じられた。
実施例1〜実施例5と比較例1・比較例2のフライ用油脂の配合と、フライ品の風味評価を表1に纏めた。
アスコルビン酸含有大豆油99部に太白ごま油(竹本油脂社製、商品名:太白ごま油)を1部添加してフライ用油脂を作成し、フライテストを実施した。フライ品のコロッケの風味評価を行ったところ、風味油脂の雑味の評価平均点は4.4点、酸風味は2.2点で、風味は風味油自体が少ないので雑味は少ないものの、コクも弱めであった。しかしながらアスコルビン酸由来の微妙な風味がやや低減されており、従来品に比べて効果が認められるものであった。
アスコルビン酸含有大豆油97部に太白ごま油を3部添加してフライ用油脂を作成し、フライテストを実施した。フライ品のコロッケの風味評価を行ったところ、風味油脂の雑味の評価平均点は4点、酸風味の評価平均点は3.2点で、実施例6同様に、風味は風味油自体が少ないので雑味は少ないものの、コク味は実施例6よりやや強く感じられた。またアスコルビン酸由来の微妙な風味の低減効果も実施例6よりやや強く、従来品に比べてさらに効果が認められるものであった。
アスコルビン酸含有大豆油95部に太白ごま油を5部添加してフライ用油脂を作成し、フライテストを実施した。フライ品のコロッケの風味評価を行ったところ、風味油脂の雑味の評価平均点は3.8点、酸風味の評価平均点は3.8点で、風味油由来の適度なコク味が本来アスコルビン酸含有大豆油に見られるコク味の低減を程よく補い、しかも風味油の雑味自体はアスコルビン酸により抑制され、さらにアスコルビン酸由来の微妙な風味も低減したものであった。
アスコルビン酸含有大豆油93部に太白ごま油を7部添加してフライ用油脂を作成し、フライテストを実施した。フライ品のコロッケの風味評価を行ったところ、風味油脂の雑味の評価平均点は2.8点、酸風味の評価平均点は4.4点で、風味油由来のコク味は本来アスコルビン酸含有大豆油に見られるコク味の低減を補ってはいるものの、風味油の雑味自体をアスコルビン酸により抑制効果ではややおさえきれなくなっており、やや雑味を感じるものであった。しかしアスコルビン酸由来の微妙な風味は低減したものであり、従来フライ用油脂に比べ商品価値の高いものであった。
アスコルビン酸含有大豆油90部に太白ごま油を10部添加してフライ用油脂を作成し、フライテストを実施した。フライ品のコロッケの風味評価を行ったところ、風味油脂の雑味の評価平均点は2.6点、酸風味の評価平均点は4.4点で、実施例9に比べて、さらに風味油由来のコク味は強くなっている反面、風味油の雑味自体をアスコルビン酸により抑制効果ではおさえきれなくなっており、雑味を感じるものであった。しかしアスコルビン酸由来の微妙な風味は低減したものであり、従来フライ用油脂に比べ商品価値の高いものであった。
アスコルビン酸含有大豆油100部に太白ごま油を添加せずに、フライ用油脂を作成し、フライテストを実施した。フライ品のコロッケの風味評価を行ったところ、雑味の評価平均点は4.8点、酸風味の評価平均点は1.6点で、従来品であるアスコルビン酸含有大豆油程度の効果にとどまり、アスコルビン酸由来の微妙な風味がのこった。
アスコルビン酸を添加する操作を施さなかった大豆油95部に太白ごま油を5部添加してフライ用油脂を作成し、フライテストを実施した。フライ品のコロッケの風味評価を行ったところ、風味油脂の雑味の評価平均点は1.8点、酸風味の評価平均点は4.8点で風味油由来のコク味は感じられるが、油脂の劣化臭が抑えられておらず、油臭い風味が強く感じられた。
実施例6〜実施例10と比較例3・比較例4のフライ用油脂の配合と、フライ品の風味評価を表4に纏めた。
エリソルビン酸(和光純薬工業(株)製、商品名:エリソルビン酸、純度:97.0%)を水に加え、1%エリソルビン酸水溶液を作成する。次いで70℃に加温した大豆油100重量部に対し1%エリソルビン酸水溶液を0.2重量部加えて混合し、70℃、40Torrの減圧条件下で、攪拌しながら20分間脱水処理を行った。
しかる後、TOYONo.5C濾紙(1μm相当)にて濾過し、エリソルビン酸含有大豆油を得た。
リンゴ酸(和光純薬工業(株)製、商品名:リンゴ酸、純度97.0%)を水に加え、1%リンゴ酸水溶液を作成する。次いで70℃に加温した大豆油100重量部に対し1%リンゴ酸水溶液を0.2重量部加えて混合し、70℃、40Torrの減圧条件下で、攪拌しながら20分間脱水処理を行った。
しかる後、TOYONo.5C濾紙(1μm相当)にて濾過し、リンゴ酸含有大豆油を得た。
エリソルビン酸含有大豆油99部に菜種赤水を1部添加してフライ用油脂を作成し、フライテストを実施した。フライ品のコロッケの風味評価を行ったところ、風味油脂の雑味の評価平均点は3.8点、酸風味の評価平均点は4.7点で、風味油由来の適度なコク味が本来エリソルビン酸含有大豆油に見られるコク味の低減を程よく補い、しかも風味油の雑味自体はエリソルビン酸により抑制され、さらにエリソルビン酸由来の微妙な風味も低減したものであった。
リンゴ酸含有大豆油99部に菜種赤水を1部添加してフライ用油脂を作成し、フライテストを実施した。フライ品のコロッケの風味評価を行ったところ、風味油脂の雑味の評価平均点は3.8点、酸風味の評価平均点は4.7点で、風味油由来の適度なコク味が本来リンゴ酸含有大豆油に見られるコク味の低減を程よく補い、しかも風味油の雑味自体はリンゴ酸により抑制され、さらにリンゴ酸由来の微妙な風味も低減したものであった。
実施例11・実施例12と実施例3のフライ用油脂の配合と、フライ品の風味評価を表5に纏めた。
Claims (10)
- AまたはBを有する風味付けされた油脂の製造法であって、Aは油脂中にアスコルビン酸、エリソルビン酸、乳酸、酒石酸、クエン酸及びリンゴ酸、並びにそれらの塩からなる群から選ばれた少なくとも1種の有機酸またはその塩を水溶液の状態で添加し脱水処理する工程と、風味油脂を加える工程とを含むものであり、Bは風味油にアスコルビン酸、エリソルビン酸、乳酸、酒石酸、クエン酸及びリンゴ酸、並びにそれらの塩からなる群から選ばれた少なくとも1種の有機酸またはその塩を水溶液の状態で添加し脱水処理を施されたものを加える工程を含むものである、風味付けされた油脂の製造法。
- 脱水処理を50〜180℃、0.5〜100Torrの減圧条件下で行うことを特徴とする請求項1記載の風味付けされた油脂の製造法。
- 風味付けされた油脂中の有機酸又はその塩の量が2〜28ppmである請求項1又は請求項2記載の風味付けされた油脂の製造法。
- さらに、抗酸化物質を油脂中に10〜2000ppm含まれるように添加する、請求項1乃至請求項3の何れか1項に記載の風味付けされた油脂の製造法。
- 風味油脂が焙煎原料を用いたものであるか、バージンオイルであるか、または胡麻、ナッツ、もしくは豚脂由来の油脂である請求項4記載の風味付けされた油脂の製造法。
- 風味油脂の焙煎原料として菜種、胡麻及び落花生から選ばれた少なくとも1種を用いるか、またはバージンオイルの原料としてオリーブを用いる請求項5記載の風味付けされた油脂の製造法。
- 油脂全体に対して風味油脂の割合が0.1〜20重量%である請求項1に記載の風味付けされた油脂の製造法。
- 油脂中にアスコルビン酸、エリソルビン酸、乳酸、酒石酸、クエン酸及びリンゴ酸、並びにそれらの塩からなる群から選ばれた少なくとも1種の有機酸またはその塩を分散した状態で含み、かつ、風味油脂を添加してなる、風味付けされた油脂。
- 風味油脂中にアスコルビン酸、エリソルビン酸、乳酸、酒石酸、クエン酸及びリンゴ酸、並びにそれらの塩からなる群から選ばれた少なくとも1種の有機酸またはその塩を分散した状態で含む、風味付けされた油脂。
- 油脂中にアスコルビン酸、エリソルビン酸、乳酸、酒石酸、クエン酸及びリンゴ酸、並びにそれらの塩からなる群から選ばれた少なくとも1種の有機酸またはその塩を分散した状態で含む、風味油脂を添加してなる、風味付けされた油脂。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2007003536A JP2008167685A (ja) | 2007-01-11 | 2007-01-11 | 風味付けされた油脂の製造法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2007003536A JP2008167685A (ja) | 2007-01-11 | 2007-01-11 | 風味付けされた油脂の製造法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2008167685A true JP2008167685A (ja) | 2008-07-24 |
Family
ID=39696369
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2007003536A Pending JP2008167685A (ja) | 2007-01-11 | 2007-01-11 | 風味付けされた油脂の製造法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2008167685A (ja) |
Cited By (10)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2009028483A1 (ja) * | 2007-08-31 | 2009-03-05 | The Nisshin Oillio Group, Ltd. | 油脂組成物 |
JP2010104308A (ja) * | 2008-10-31 | 2010-05-13 | Fuji Oil Co Ltd | 加熱調理用油脂 |
JP2011142904A (ja) * | 2009-12-16 | 2011-07-28 | Biochemical Laboratory Co Ltd | 抗酸化物質の製造方法 |
WO2011102477A1 (ja) * | 2010-02-18 | 2011-08-25 | 不二製油株式会社 | 呈味強化用油脂ならびに呈味含有含油食品の呈味を強化する方法 |
JP2011205924A (ja) * | 2010-03-29 | 2011-10-20 | J-Oil Mills Inc | 揚げ物用油脂組成物 |
JP2011217690A (ja) * | 2010-04-13 | 2011-11-04 | Adeka Corp | 油脂組成物 |
JP2012201771A (ja) * | 2011-03-25 | 2012-10-22 | Fuji Oil Co Ltd | 有機酸及び/又はその塩類を含有する油脂の製造方法 |
JP2013201989A (ja) * | 2012-03-29 | 2013-10-07 | Fuji Oil Co Ltd | 食用油脂及びそれを含有する食品 |
JP2018038433A (ja) * | 2017-12-15 | 2018-03-15 | 不二製油株式会社 | 食用油脂及びそれを含有する食品 |
CN113826708A (zh) * | 2020-12-02 | 2021-12-24 | 丰益(上海)生物技术研发中心有限公司 | 风味油脂及其制备方法 |
Citations (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH0734087A (ja) * | 1993-07-20 | 1995-02-03 | Yoshihara Seiyu Kk | 芳香油の製造方法 |
WO2001096506A1 (fr) * | 2000-06-12 | 2001-12-20 | Fuji Oil Company, Limited | Procede servant a produire de la graisse |
JP2005237313A (ja) * | 2004-02-27 | 2005-09-08 | Fuji Oil Co Ltd | フライ用油脂組成物 |
-
2007
- 2007-01-11 JP JP2007003536A patent/JP2008167685A/ja active Pending
Patent Citations (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH0734087A (ja) * | 1993-07-20 | 1995-02-03 | Yoshihara Seiyu Kk | 芳香油の製造方法 |
WO2001096506A1 (fr) * | 2000-06-12 | 2001-12-20 | Fuji Oil Company, Limited | Procede servant a produire de la graisse |
JP2005237313A (ja) * | 2004-02-27 | 2005-09-08 | Fuji Oil Co Ltd | フライ用油脂組成物 |
Cited By (13)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2009028483A1 (ja) * | 2007-08-31 | 2009-03-05 | The Nisshin Oillio Group, Ltd. | 油脂組成物 |
JP2010104308A (ja) * | 2008-10-31 | 2010-05-13 | Fuji Oil Co Ltd | 加熱調理用油脂 |
JP2011142904A (ja) * | 2009-12-16 | 2011-07-28 | Biochemical Laboratory Co Ltd | 抗酸化物質の製造方法 |
JP5884726B2 (ja) * | 2010-02-18 | 2016-03-15 | 不二製油株式会社 | 呈味強化用油脂ならびに呈味含有含油食品の呈味を強化する方法 |
JPWO2011102477A1 (ja) * | 2010-02-18 | 2013-06-17 | 不二製油株式会社 | 呈味強化用油脂ならびに呈味含有含油食品の呈味を強化する方法 |
WO2011102477A1 (ja) * | 2010-02-18 | 2011-08-25 | 不二製油株式会社 | 呈味強化用油脂ならびに呈味含有含油食品の呈味を強化する方法 |
JP2011205924A (ja) * | 2010-03-29 | 2011-10-20 | J-Oil Mills Inc | 揚げ物用油脂組成物 |
JP2011217690A (ja) * | 2010-04-13 | 2011-11-04 | Adeka Corp | 油脂組成物 |
JP2012201771A (ja) * | 2011-03-25 | 2012-10-22 | Fuji Oil Co Ltd | 有機酸及び/又はその塩類を含有する油脂の製造方法 |
JP2013201989A (ja) * | 2012-03-29 | 2013-10-07 | Fuji Oil Co Ltd | 食用油脂及びそれを含有する食品 |
JP2018038433A (ja) * | 2017-12-15 | 2018-03-15 | 不二製油株式会社 | 食用油脂及びそれを含有する食品 |
CN113826708A (zh) * | 2020-12-02 | 2021-12-24 | 丰益(上海)生物技术研发中心有限公司 | 风味油脂及其制备方法 |
CN113826708B (zh) * | 2020-12-02 | 2024-04-26 | 丰益(上海)生物技术研发中心有限公司 | 风味油脂及其制备方法 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP2008167685A (ja) | 風味付けされた油脂の製造法 | |
JP5439180B2 (ja) | 油脂組成物 | |
TWI511670B (zh) | 用於油炸食物之油脂組成物 | |
JP5168749B2 (ja) | 油脂の製造法 | |
JP6226089B2 (ja) | 長鎖多価不飽和脂肪酸含有油脂の製造方法 | |
SK8992001A3 (en) | Plant oil, method of fortification of food products and a food product | |
JP5828635B2 (ja) | 食用油及び当該食用油で製造した食品 | |
JPH01218549A (ja) | 風味油の製造法 | |
JPWO2019031035A1 (ja) | 加熱調理食品の油っぽさ低減剤及び加熱調理食品の油っぽさ低減方法 | |
JP5901136B2 (ja) | ルウ用油脂及びそれを用いたルウ | |
JPH08275728A (ja) | Dha油を主成分とする食用油 | |
JP3598281B2 (ja) | 食用油脂製造方法及び食用油脂脱臭方法 | |
WO2019031034A1 (ja) | 加熱調理用油脂組成物の加熱臭抑制剤、加熱調理用油脂組成物の加熱臭抑制方法、及び加熱調理用油脂組成物の製造方法 | |
JP5850647B2 (ja) | ルウ用油脂及びそれを用いたルウ | |
JPS61119138A (ja) | 食用調合油 | |
JP5143067B2 (ja) | 食用油脂の製造方法およびそれから得られる食用油脂 | |
JPH02131538A (ja) | 風味油およびその製造法 | |
JP2012201771A (ja) | 有機酸及び/又はその塩類を含有する油脂の製造方法 | |
JP2015101611A (ja) | 魚油の脱臭法 | |
WO2021172034A1 (ja) | 油っぽさ低減剤、食用油脂組成物、油っぽさ低減剤の製造方法及び食品の油っぽさ低減方法 | |
JPS6244598B2 (ja) | ||
JPH0453448A (ja) | 風味油の製造法 | |
WO2022230737A1 (ja) | 食用油脂組成物、異風味抑制方法、異風味抑制剤、及び揚げ物の製造方法 | |
JP7368079B2 (ja) | 加熱用油脂組成物、加熱用油脂組成物の製造方法、油脂組成物の加熱による劣化を抑制する方法 | |
JP6799834B2 (ja) | 食用鯨油組成物の製造方法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20091214 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20101116 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20101207 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20110207 |
|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20110607 |