JP2008167334A - 撮像装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】撮像装置を構成する部品の製造やその組立が容易であり、フォーカス調整及び撮像素子固定後のレンズユニットと撮像素子との位置調整を容易にする。
【解決手段】レンズユニット2のユニット外筒22の外周面とホルダ4の内周面にらせん溝23,43を設け、各らせん溝を噛み合わせて、レンズユニット2とホルダ4を同時に移動可能とする。また、ホルダ4の外周面に突起部41を設け、ハウジング5の内周面に突起部41と嵌合される溝部51を設ける。ホルダ4の移動に追随して突起部41が溝部51内を移動し、それによって、レンズユニット2を傾斜させることなく光軸方向にスムーズに移動可能にする。さらに、ホルダ4をハウジング5のストッパ52に当接させた初期位置において、レンズユニット2を回転させることによりレンズユニット2を光軸に平行な方向へ移動させ、レンズユニット2と撮像素子61の相対的な位置調節を可能にする。
【選択図】図1
【解決手段】レンズユニット2のユニット外筒22の外周面とホルダ4の内周面にらせん溝23,43を設け、各らせん溝を噛み合わせて、レンズユニット2とホルダ4を同時に移動可能とする。また、ホルダ4の外周面に突起部41を設け、ハウジング5の内周面に突起部41と嵌合される溝部51を設ける。ホルダ4の移動に追随して突起部41が溝部51内を移動し、それによって、レンズユニット2を傾斜させることなく光軸方向にスムーズに移動可能にする。さらに、ホルダ4をハウジング5のストッパ52に当接させた初期位置において、レンズユニット2を回転させることによりレンズユニット2を光軸に平行な方向へ移動させ、レンズユニット2と撮像素子61の相対的な位置調節を可能にする。
【選択図】図1
Description
本発明は、携帯電話機、携帯型情報端末、パーソナルコンピュータなどの各種電子機器に搭載される撮像装置に関する。
従来からレンズユニット及びCCD型イメージセンサやCMOS型イメージセンサなどの固体撮像素子を備えた撮像装置が、携帯電話機、携帯型情報端末、パーソナルコンピュータなどの各種電子機器に搭載されている。
上記のような電子機器に搭載される撮像装置では、固体撮像素子の小型高性能化に伴い、レンズユニットを光軸に平行な方向に移動させてフォーカス調整を行うことのできるものが多くなっている。従来、このような撮像装置では、撮像装置に駆動機構を接続し、レンズユニットを傾斜させることなく、スムーズに移動させるために、光軸に平行な方向に設けられたガイドピンなど各種の関連部品が使用されていた。そのため、撮像装置の構造が複雑となったり、撮像装置を構成する部品点数が多くなったりして、撮像装置の組立工程が多く、複雑になるという問題が生じていた。また、撮像装置組立において、撮像素子を固定した後、レンズユニットと撮像素子の相対的な位置調整を行うことが困難であり、製品の良品率が低下するという問題を有していた。さらに、ガイドピンが光軸方向に設けられているため、光軸方向における撮像装置の寸法を小さくすることが困難である。
上記問題点を解決するために、特許文献1に示された撮像装置は、レンズユニットの外周面上に設けたピンをフォーカス調整用押圧環の固定筒端部に設けられたカム面で押圧することにより、フォーカス調整を行うように構成されている。このような構成によれば、レンズユニット移動をサポートするガイドピンなどの部品が不要であり、従来技術に比べ、撮像装置の構造は単純化されている。しかしながら、フォーカス調整用押圧環の回転時のバランス変動がレンズユニット外周面のピンに直接影響を与え、正確なフォーカス調整が難しくなることがある。また、撮像素子固定後、レンズユニットと撮像素子の相対的な位置調整を行うことは困難である。
特許文献2に示された撮像装置は、レンズユニットの外周面に設けられたらせん溝とレンズユニットの外側に配設されている回転体の内部に設けられたらせん溝とを噛み合わせ、レンズユニットを光軸と平行な方向に移動させるように構成されている。このような構成によれば、レンズユニットの移動をサポートするガイドピンなどの部品が不要であり、撮像装置の筐体構造は単純化されており、部品点数も少ない。しかしながら、フォーカス調整はレンズユニット自体を回転させて行うため、レンズユニットの位置決めを精度良く行うことは容易でない。位置決め精度が低い場合、光軸ずれ、画像の傾き、片ボケなどが発生することがある。また、撮像素子固定後、レンズユニットと撮像素子の相対的な位置調整を行うことは困難である。
特許文献3に示された撮像装置は、特定形状のカム部品を組み込み、そのカムの構造を利用してフォーカス調整を行い、高性能のCPUや特別のソフトウエアを用いることなく、フォーカス調整を可能としている。このような構成によれば、レンズユニットの移動をサポートするガイドピンなどの部品が不要であり、撮像装置の筐体構造は単純化されている。しかしながら、フォーカス調整はカムの特定形状を利用して行われるため、精密なフォーカス調整は困難である。また、レンズの性能が異なると、カムの形状を変える必要がある。さらに、撮像素子固定後、レンズユニットと撮像素子の相対的な位置調整を行うことは困難である。
本発明は上記従来例の問題点を解決するために成されたものであり、撮像装置を構成する部品の製造やその組立が容易であり、フォーカス調整及び撮像素子固定後のレンズユニットと撮像素子との位置調整を容易に行える撮像装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、請求項1の発明は、レンズユニットと、撮像素子と、前記レンズユニットを保持するホルダと、前記レンズユニットに固定され、駆動機構により前記レンズユニットを光軸に平行な方向に駆動される駆動リングと、前記撮像素子を所定の位置に保持するハウシングを備えた撮像装置であって、
前記レンズユニットと前記ホルダとは同時に移動されるように結合されており、
前記ホルダの外周面と前記ハウジングの内周面いずれか一方に光軸に対して直交する方向に突出した突起部が設けられ、他方には前記突起部と嵌合される溝部が設けられており、前記ホルダの移動に追随して、前記突起部が前記溝部内を移動し、それによって、前記レンズユニットを傾斜させることなく光軸方向にスムーズに移動可能にしたことを特徴とする。
前記レンズユニットと前記ホルダとは同時に移動されるように結合されており、
前記ホルダの外周面と前記ハウジングの内周面いずれか一方に光軸に対して直交する方向に突出した突起部が設けられ、他方には前記突起部と嵌合される溝部が設けられており、前記ホルダの移動に追随して、前記突起部が前記溝部内を移動し、それによって、前記レンズユニットを傾斜させることなく光軸方向にスムーズに移動可能にしたことを特徴とする。
また、請求項2の発明は、請求項1に記載の撮像装置において、前記レンズユニットのユニット外筒の外周面と前記ホルダの内周面にそれぞれらせん溝が設けられており、両方のらせん溝を噛み合わせ、前記レンズユニットを回転させることにより前記レンズユニットを光軸に平行な方向へ移動させ、それによって、初期位置における前記レンズユニットと前記撮像素子の相対的な位置調節を可能にしたことを特徴とする。
請求項1の発明によれば、光軸に平行な方向におけるレンズユニットの移動をサポートするために、ホルダの外周面とハウジングの内周面いずれか一方に光軸に対して直交する方向に突出した突起部を設け、他方には突起部と嵌合される溝部を設けているので、例えば樹脂成形によりホルダ又はハウジングと突起部を一体的に成形することができる。そのため、従来例のように光軸方向に突出する例えば金属製のガイドピンを別途用意する必要が無くなり、撮像装置を構成する部品の製造及び撮像装置の組み立てが容易になる。また、従来例と同様に、レンズユニットを光軸に平行な方向に移動させても、その移動が突起部及び溝部によりガイドされているため、レンズユニットが傾斜することはなく、スムーズなフォーカス調整が可能になると共に、フォーカス調整の精度を向上させることができる。
また、請求項2の発明によれば、レンズユニットのユニット外筒がホルダに対して光軸に平行な方向へ移動可能であるため、撮像素子をハウジングに固定した後、例えばホルダをハウジングのストッパに当接させた初期位置の状態でレンズユニットのユニット外筒を回転させることにより、例えば無限遠にある物体に対してレンズユニットと撮像素子の相対的な位置(焦点位置)を容易に調整することができる。
以下、本発明の一実施形態に係る撮像装置について、図面を参照しつつ説明する。なお、本発明の範囲は、図示された実施形態の範囲に限定されるものではない。図1は、本発明の一実施形態の撮像装置1の構成を示す平面図であり、図2は図1のA−A面の断面図である。
図1及び図2に示すように、撮像装置1は、複数(例えば3枚)の(部品としての)レンズ21で構成される光学系と、各レンズ21を保持するユニット外筒22等で構成されたレンズユニット2と、レンズユニット2、特にユニット外筒22に結合された駆動リング3と、レンズユニット2を保持するホルダ4と、ホルダ4を光軸に平行な方向に移動可能に保持するハウジング5と、撮像素子61が固定され、ハウジング5の底部に固定される撮像素子ユニット6と、ハウジング5の前面をカバーする蓋7などで構成されている。なお、ハウジング5と撮像素子ユニット6は撮像素子61の取り付け及び位置調整などを考慮して別部品に構成されているが、これに限定されるものではなく、ハウジング5と撮像素子ユニット6を一体としてハウジングを構成してもよい。
レンズユニット2は、物体などからの入射光を撮像素子61の表面(受光面)に集光させる機能を有する部品であり、上記のように複数のレンズ21とユニット外筒22で構成されている。ユニット外筒22の外周面上には、概略的に図示しているが、らせん溝23が設けられている。らせん溝23は、光軸に平行な方向において、1mm以上の長さを有することが好ましいが、これの限定されるものでない。このらせん溝23は、後述するホルダ4の内周面に設けられているらせん溝43と噛み合わされ、レンズユニット2を回転させることにより、レンズユニット2を光軸に平行な方向に移動させることができる。なお、レンズユニット2には、必要に応じて、絞り、遮光板、ガラス板(いずれも図示せず)などが使用されることがある。さらに、レンズ21はガラス製や樹脂製のものが使用される。レンズユニット2は、ユニット外筒22に所定特性のレンズ21を光学設計で得られた位置に配設し、接着剤などで固定することにより得られる。
図2に示した構成例では、複数のレンズ21の相対的な位置は固定され、複数のレンズ21で構成される光学系の焦点距離は変化しない(単焦点レンズ)。しかしながら、複数のレンズ21の相対的な位置を変化させ、複数のレンズ21で構成される光学系の焦点距離を可変とする場合(ズームレンズ)、各レンズ21を個別に移動させるための機構が必要となる。また、光学系の構成は図2に例示したものに限定されず、単レンズ又は2枚のレンズで構成されていてもよいし、あるいは4枚以上のレンズで構成されていてもよい。なお、レンズ21は、予めレンズ表面に反射防止や表面硬化などの表面処理が施されていることが好ましい。
レンズユニット2をユニット外筒22の外周部には、例えばステンレス系材料などの磁性を有する金属材料で形成された円筒状の駆動リング3が嵌合固定されている。駆動リング3は、撮像装置1の外部に設けられた駆動機構(図1及び図2において図示せず)により駆動され、レンズユニット2を光軸に平行な方向に移動させるためのものである。この場合、駆動機構としては、例えばソレノイドであって、ソレノイドに通電することにより磁界を発生させ、駆動リング3を光軸に平行な方向に移動させ、それによりレンズユニット2を光軸に平行な方向に移動させてフォーカス調整を行う。駆動リング3とユニット外筒22の固定方法は、例えば接着剤などを用いた化学的な方法でも良く、あるいはねじ止めやその他の公知の物理的な方法であっても良い。
また、駆動機構は、上記磁気的な駆動機構に限定されず、動力を直線運動に変換可能であれば、特に制約はない。具体例として、ステッピングモータ、ギヤードモータなどのモータ類、イオン電動アクチュエータ、圧電素子などをアクチュエータとした機械的な駆動機構であってもよい。その場合、駆動リング3の材料としては、金属材料の他、樹脂などを用いることも可能である。駆動リング3と駆動機構を連結するための駆動機構取付け面31は、例えば駆動リング3の外周面であり、他の部品の取付けなどに障害を与えなければ、その位置は特に制約はない。また、形状は、駆動機構の動力伝達部品を固定できる形状であれば、特に制約はない。駆動機構の動力伝達部品の固定は、接着剤などを用いた化学的な方法でも良く、磁石のような磁気的方法でも良く、あるいはねじ止めやその他の公知の物理的な方法であっても良い。
ホルダ4は略円筒形状であり、レンズユニット2のユニット外筒22と結合され、レンズユニット2と共に一体的に光軸に平行な方向に移動される。ホルダ4の内周面には、レンズユニット2のらせん溝23と噛み合うらせん溝43が設けられている。らせん溝43の長さや形状はレンズユニット2のらせん溝と対応している。レンズユニット2のユニット外筒22のらせん溝23とホルダ4のらせん溝43を噛み合わせた状態でレンズユニット2を回転させることにより、光軸に平行な方向におけるレンズユニット2とホルダ4の相対的な位置(距離)を変化させることができる。それにより、後述するように、初期位置におけるレンズユニット2と撮像素子61の相対的な位置調整を行うことができる。なお、ハウジング5と撮像素子ユニット6の間にスペーサを挿入するなど、その他の方法によりレンズユニット2と撮像素子61の相対的位置を調節する場合には、レンズユニット2のユニット外筒22のらせん溝23及びホルダ4のらせん溝43は不要であり、その場合はレンズユニット2のユニット外筒22とホルダ4を接着剤で固定しても良いし、あるいはユニット外筒22とホルダ4を一体的に形成しても良い。
ホルダ4の外周面には、光軸に直交する方向に突出する突起部41が形成されている。突起部41は、光軸に平行な方向に長く伸びた(縦長の)形状であり、ホルダ4の外周面上に2個以上設けることができる。好ましくは、2〜4個である。2個の場合は、光軸に対し、180°の回転対象に、3個の場合は120°の回転対象に、4個の場合は90℃の回転対象になるように配設されることが好ましいが、これに限定されるものでない。この突起部41は、突起部41に対応してハウジング5に設けられた溝部51に嵌合される。突起部41を設置する目的は、レンズユニット2をフォーカス調整のために光軸に平行な方向に移動させた場合や衝撃を受けた場合などに、レンズユニット2が光軸に対して傾斜しないよう、言いかえれば、レンズユニット2の光学特性を変化させないようにするためである。
光軸に直交する断面における突起部41の面の形状は、ハウジングの溝51に嵌合した状態で、レンズユニット2を移動させた時に、その移動によってもレンズユニット2を傾斜させることなく、また、光学特性に変化を起こさせない形状であれば、形状に制約はない。好ましい形状の例のいくつかを、図3(a)〜(d)に例示する。図3(a)は、突起部41及び溝部51の断面形状が共に略長方形である例を示す。図3(b)は、溝部51の断面形状が略長方形であり、突起部41の断面形状が所定間隔を隔てて設けられた2つの略正方形で構成されている例を示す。図3(c)は、溝部51の断面形状が略V形であり、突起部41の断面形状が略半円状である例を示す。図3(d)は、突起部41及び溝部51の断面形状が共に略V形である例を示す。
次に、上記光軸に直交する断面における突起部41とホルダ4の寸法関係について説明する。図4に示す突起部41の幅bは、ホルダ4の円周の長さの1/80〜1/20の長さであることが好ましく、また、高さaはホルダの円周の長さの1/200〜1/60の長さにあることが好ましい。なお、光軸に平行な方向における突起部41の長さは、ホルダ4の高さの1/10以上の長さがこのましいが、これに限定されるものではなく、レンズユニット2の光学特性に変化を起こさせない長さであれば、特に制約は無い。また、突起部41の撮像素子61側の面41aは、ホルダ4の撮像素子61側の面と同一面にあることが好ましい。この突起部41の撮像素子61側の面は、後述するハウジング5のストッパ52と当接する。この点が、光軸に平行な方向におけるレンズユニット2の移動の一方の停止点である。もう一方の停止点(図示せず)は、ハウジング5の上部に設けられている。両方のストッパにより、レンズユニット2の移動範囲が決定される。
ハウジング5は、例えば樹脂製の略正方形断面を有する箱形状であり、駆動リング3及びホルダ4の外側に配置されている。ハウジング5は、撮像素子61を内蔵する撮像素子ユニット6と固定されている。この固定は、接着剤などを用いた化学的な方法など公知の方法で行われる。
ハウジング5には、上記ホルダ4の突起部41に対応した溝部51が形成されている。図2に示すように、溝部51は、光軸に平行な方向において、ストッパ52よりも上方に形成されている。溝部51の長さは、突起部41の長さとレンズユニット2の最大移動長さとの和より長ければ良く、ハウジング5の上面に突き抜けていても良い。
溝部51の深さは突起部41の高さより長く、突起部41が自由に移動できる長さであれば良い。溝部51の断面形状は、図3(a)〜(d)に例示したように、突起部41の断面形状に対応した形状であればよい。溝部51と突起部41との間のすき間(嵌合公差)は、突起部41が溝部51に沿って自由に移動でき、かつレンズユニット2を傾斜させることなく移動させることができる間隔であればよい。なお、撮像装置1では、ホルダ4に突起部41が、ハウジング5に溝部51が設けられているが、逆にホルダ4に溝部が設けられ、ハウジング5に突起部が設けられていても良い。
撮像素子ユニット6は、例えばセラミックや樹脂で形成され、上面に開口部を有するケース62と、ケース62所定位置に固定されたCCD型イメージセンサやCMOS型イメージセンサなどの固体撮像素子である撮像素子61と、ケース62の開口部を覆う透明なガラス板63などで構成されている。ガラス板63は、撮像素子61への水分や塵芥の悪影響を防止するため、ケース62の開口部をカバーしている。また、透明なガラス板63として、IRカットフィルタやローパスフィルタの機能を有するものを使用してもよい。撮像素子ユニット6は、予めユニットとして別に組み立てられた後、ハウジング5の下部に固定される。撮像素子ユニット6とハウジング5の固定は、接着剤などを用いた化学的な方法や公知の物理的な方法で行われる。
ハウジング5の上面には、例えば金属や樹脂材料で形成され、一体化されたレンズユニット2、駆動リング3及びホルダ4がハウジング5から脱落するのを防止するための蓋7が固定されている。蓋7の固定は、接着剤などを用いた化学的な方法や公知の物理的な方法で行われる。なお、蓋7は、必ずしも必要ではなく、場合によっては使用されないこともある。
次に、初期位置におけるレンズユニット2と撮像素子61の相対的な位置調節について説明する。周知のように、各レンズ21、ユニット外筒22、ホルダ4、ハウジング5、ケース62などの構成部品は、それぞれ部品形成時における寸法公差を有している。また、レンズ21やガラス板63などの光学部品の屈折率も誤差を含んでいる。そのため、撮像装置1においては、その組み立て工程において、レンズユニット2と撮像素子61との位置関係を調節する必要がある。一般的には、無限遠にある物体の像を撮像素子上に結像させ、レンズユニット又は撮像素子のいずれかの位置を移動させつつ、最良の画像が得られるように、それらの相対的な位置を調節する。
本実施形態によれば、レンズユニット2のユニット外筒22のらせん溝23とホルダ4のらせん溝43を利用して、レンズユニット2を光軸に平行な方向に移動させ、撮像装置1組立ての際、撮像素子61を固定した後、レンズユニット2と撮像素子61との相対的な位置関係を調整することができる。これは、最初の組立工程において、レンズユニット2と撮像素子61との位置関係に不具合があったとしても、簡単にレンズユニット2と撮像素子61との位置関係の修復が可能となり、撮像装置1組立における良品率を向上させることができ、本発明の特徴の一つである。
ハウジング5の底部に撮像素子ユニット6を固定した後、予めレンズユニット2のらせん溝23とホルダ4のらせん溝42を噛み合わせて一体的に組み立てられていたホルダ4を、突起部41が溝部51に嵌合されるように、ハウジング5に装着する。そして、ホルダ4の突起部41の撮像素子61側の面41aをハウジング5のストッパ52と当接させた状態で、すなわち、初期位置で、レンズユニット2をホルダ4に対して回転させ、レンズユニット2を光軸に平行な方向に移動させながら、レンズユニット2と撮像素子61との相対的な位置関係を調整する。レンズユニット2と撮像素子61との相対的な位置関係が好適に調節されると、次に、レンズユニット2のユニット外筒22に駆動リング3を嵌合させ、その状態で固定する。それにより、レンズユニット2はホルダ4に対して回転することができなくなり、初期位置におけるレンズユニット2と撮像素子61の相対的な位置関係が固定される。なお、レンズユニット2と駆動リング3との固定は、レンズユニット2のユニット外筒22の外周面と駆動リング3の内周面の間に接着剤8を塗布するなどの方法で行われる。
撮像装置1を構成する部品の多くは樹脂材料である。レンズ21に樹脂材料が使用される場合、特定の光線透過率や屈折率を有する樹脂材料が使用される。光線透過率の基準は、波長450〜600nmの範囲での光線透過率が80%以上、好ましくは85%以上であればよい。また、屈折率の基準はASTM D542法に準じて測定されたd線の屈折率が1.40〜1.70の範囲であればよい。
レンズ21に使用可能な樹脂材料の具体例としては、シクロ環や、その他の環状構造を有する非晶性のポリオレフィン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、アクリル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレンなどを構成成分とする透明性の高いポリエステル系樹脂、エポキシ系樹脂、シリコン系樹脂などが挙げられ、熱可塑性樹脂であっても、熱硬化性樹脂であっても良い。レンズ21の製造は、これら樹脂材料の中から光学設計に適応した屈折率、アッベ数を有するものが、適宜、選択され、射出成形、圧縮成形、注型成形、トランスファー成形など公知の成形加工法により製造することができる。
ユニット外筒22、ホルダ4、ハウジング5の材料も樹脂材料である。これら部品には、機械的強度、熱的性質や化学的性質などの諸性質が良好な樹脂材料が使用され、通常、エンジニアリングプラスチック、スーパーエンプラと総称される樹脂材料を使用することが好ましい。これらの具体例としては、ポリアミド、ポリアセタール、ポリカーボネート、ポリブチレンテレフタレート、ポリフェニレンオキシド、ポリフェニレンスルファイド、液晶ポリマー、ポリエーテルエーテルケトン、フェノール樹脂、エポキシ樹脂などの熱可塑性や熱硬化性の樹脂を挙げることができる。これらの中で、ポリカーボネート、液晶ポリマーなどが特に好ましい。撮像装置1の部品は、これらの樹脂材料を用い、射出成形、圧縮成形、注型成形、トランスファー成形など公知の成形加工法により製造することができる。
以上説明したように、本実施形態に係る撮像装置1を構成する部品の形状は、円筒形、箱型、平板、直方体と単純な形状である。また、部品の固定方法も、主に接着剤による方法など公知の技術的に確立された方法である。そのため、撮像装置1は、単純な形状の部品を公知の固定方法を用い、容易に組み立てることができると共に、組立工程の単純化を図ることが可能となる。また、光軸に平行な方向におけるレンズユニット2の移動をサポートするために、ホルダ4の外周面とハウジング5の内周面いずれか一方に光軸に対して直交する方向に突出した突起部41を設け、他方には突起部41と嵌合される溝部51を設けているので、例えば樹脂成形によりホルダ4又はハウジング5と突起部41を一体的に成形することができる。そのため、従来例のように光軸方向に突出する例えば金属製のガイドピンを別途用意する必要が無くなり、撮像装置1を構成する部品の製造及び撮像装置の組み立てが容易になる。また、従来例と同様に、レンズユニット2を光軸に平行な方向に移動させても、その移動が突起部41及び溝部51によりガイドされているため、レンズユニット2が傾斜することはなく、スムーズなフォーカス調整が可能になると共に、フォーカス調整の精度を向上させることができる。さらに、突起部41が光軸に直交する方向に突出するように形成されているので、従来例に比べて、光軸方向における撮像装置1の寸法を小さくすることが可能である。
さらに、レンズユニット2のユニット外筒22がホルダ4に対して光軸に平行な方向へ移動可能であるため、撮像素子61をハウジング5に固定した後、例えばホルダ4をハウジング5のストッパ52に当接させた初期位置の状態でレンズユニット2のユニット外筒22を回転させることにより、例えば無限遠にある物体に対してレンズユニット2と撮像素子61の相対的な位置(焦点位置)を容易に調整することができる。
1 撮像装置
2 レンズユニット
21 レンズ
22 ユニット外筒
23 ユニット外筒のらせん溝
3 駆動リング
31 駆動機構取付け面
4 ホルダ
41 突起部
43 ホルダ内面のらせん溝
5 ハウジング
51 溝部
52 ストッパ
6 撮像素子ユニット
61 撮像素子
62 ケース
62 透明ガラス板
7 蓋
8 接着剤
a 光軸に直交する断面における突起部の高さ
b 光軸に直交する断面における突起部の幅
2 レンズユニット
21 レンズ
22 ユニット外筒
23 ユニット外筒のらせん溝
3 駆動リング
31 駆動機構取付け面
4 ホルダ
41 突起部
43 ホルダ内面のらせん溝
5 ハウジング
51 溝部
52 ストッパ
6 撮像素子ユニット
61 撮像素子
62 ケース
62 透明ガラス板
7 蓋
8 接着剤
a 光軸に直交する断面における突起部の高さ
b 光軸に直交する断面における突起部の幅
Claims (2)
- レンズユニットと、撮像素子と、前記レンズユニットを保持するホルダと、前記レンズユニットに固定され、駆動機構により前記レンズユニットを光軸に平行な方向に駆動される駆動リングと、前記撮像素子を所定の位置に保持するハウシングを備えた撮像装置であって、
前記レンズユニットと前記ホルダとは同時に移動されるように結合されており、
前記ホルダの外周面と前記ハウジングの内周面いずれか一方に光軸に対して直交する方向に突出した突起部が設けられ、他方には前記突起部と嵌合される溝部が設けられており、前記ホルダの移動に追随して、前記突起部が前記溝部内を移動し、それによって、前記レンズユニットを傾斜させることなく光軸方向にスムーズに移動可能にしたことを特徴とする撮像装置。 - 前記レンズユニットのユニット外筒の外周面と前記ホルダの内周面にそれぞれらせん溝が設けられており、両方のらせん溝を噛み合わせた状態で前記レンズユニットを回転させることにより前記レンズユニットを光軸に平行な方向へ移動させ、それによって、初期位置における前記レンズユニットと前記撮像素子の相対的な位置調節を可能にしたことを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
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