JP2005128114A - 光学モジュール - Google Patents

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Abstract

【課題】 受光素子上に合焦位置を調整できるレンズの移動機構を有する光学モジュールを提供する。
【解決手段】 第1のレンズホルダ13,16と、これより対物側に位置する第2のレンズホルダ19と、第1のレンズホルダに外接し光軸方向に摺動自在に保持する鏡筒11と、その外周に配置され第1のレンズホルダの位置を変更する円筒カム15とを含む光学モジュール3である。第1のレンズホルダ13,16は側面から延在させた突起部材131,161を備える。鏡筒には突起部材の光軸方向LDでの移動を許容する貫通穴11A、11Bが形成され、円筒カムの内壁には突起部材を案内するカム面151が形成される。第2のレンズホルダは鏡筒の上端部に固定されると共に円筒カムを位置決めする摺動面を有する。円筒カムを第2のレンズホルダの摺動面へ向け付勢する弾性部材12が配置されている。
【選択図】 図1

Description

本発明は、CCD等の撮像素子を用いた小型カメラ等に含まれる光学モジュールに関する。
近年、微小なカメラを搭載した携帯電話やノート型パソコン等の電子機器が広く提供されるようになっている。これらの電子機器は小型化及び軽量化の要請が大きく、これらに内蔵するカメラをより小型軽量化することが求められる。よって、カメラの光学系部品である光学モジュールについてもより一層の小型軽量化を図る必要がある。
その一方で、小型化された光学モジュールで鮮明な画像を得るためには特に光軸方向での寸法精度が要求される。小型化された光学モジュールでは撮像素子の受光面とレンズ系の合焦位置(バックフォーカス)のずれが僅かでも有ると画像が劣化してしまう。また、最近では複数のレンズを内蔵して、小型であってもズーム機能を備えた小型の光学モジュールが提供されるようになっている。このような光学モジュールの場合、基板側に配置した撮像素子の光軸に対してレンズ側の光軸が僅かでも傾くと、撮影画像が劣化するのでレンズ側の光軸が傾くことがないように組付けることが重要となる。
複数のレンズを備えた小型カメラのレンズ駆動装置に関しては、例えば特許文献1に開示がある。この特許文献1では、図10に示すように、板カム310を用いることによりセンサ類や信号処理装置を削減して小型化および構成の簡素化を図ったレンズ駆動装置300を開示している。マクロ撮影やズーム撮影の際には光学モジュール内のレンズ位置が移動される。特許文献1で開示するレンズ駆動装置300の場合には、板カム310が回動軸311周り回動することでレンズ位置が変更される。具体的には、玉枠(レンズホルダ)305、306各々にはカムフォロアとしてのピン307、308が設けられている。これらのピン307、308は板カム310に形成した、カム溝312、313に係合している。この板カム310を回動することにより、レンズホルダ305、306を所定位置に設定できる。
特開2002−189165号 公報
上記のようにレンズを移動する際には、ピントや倍率も合わせる必要がある。図10で開示するレンズ駆動装置300ではこの点を考慮してカム溝312、313の形状(カム曲線)が規定される。このカム曲線により、レンズとCCDとが最適距離となるように調整されている。光学モジュールは所定の寸法精度を持って作製されている。しかしながら、実際の製造工程では基板上に配置する撮像素子の光軸方向での相対位置が微妙に変化する場合や、レンズ位置や姿勢が微妙に変化する場合がある。
このように撮像素子とレンズとの相対位置が予定位置からずれた場合には、バックフォーカスが一致するように位置調整を行う必要がある。しかし特許文献1で示す装置の様に板カムを用いていると、カム溝312、313のカム曲線を変更する、或いは回動軸311の位置を変更する等の対処が必要となる。実際の製造工程を考えると、回動軸を変更して対処するというのは現実的ではない。よって、カム曲線の異なる板カム310を複数準備しておき、板カムを適宜変更してピントを合わせる作業を行うことになる。しかし、このような作業は煩雑である。
また、特許文献1で開示するレンズ駆動装置300は、図10で示すように、レンズホルダ305、306の片側に板カム310が配置され、この板カム310を回動することによりこれらのレンズホルダが光軸方向に移動される。しかし、このような構造ではピン307、308を介してレンズホルダの側のみに負荷が掛かるので、レンズホルダの光軸がぶれてしまう。その結果、前述したようにレンズ側の光軸が傾くという事態になるので撮影画像が劣化するという問題を招来する。
本発明は、上記課題を解決し、光軸方向でのレンズホルダの位置ずれが無く精度良くバックフォーカスを設定できる光学モジュールを提供することを目的とする。また、レンズホルダを光軸方向に沿って確実に移動させる構造を備え、光軸の傾きを確実に抑制できる光学モジュールを提供することを目的とする。
上記目的は、第1のレンズホルダと、前記第1のレンズホルダより対物側に位置する第2のレンズホルダと、前記第1のレンズホルダに外接し、前記第1のレンズホルダを光軸方向に摺動自在に保持する鏡筒と、前記鏡筒の外周に配置され、前記第1のレンズホルダの位置を変更する円筒カムとを含む光学モジュールであって、前記第1のレンズホルダの側面から延在させた突起部材を備え、前記鏡筒には前記突起部材の光軸方向での移動を許容する貫通穴が形成され、前記円筒カムの内壁には、前記突起部材を所定位置に案内するカム面が形成され、前記第2のレンズホルダは、前記鏡筒の上端部に固定され、前記円筒カムを光軸方向に位置決めする摺動面を有し、前記円筒カムを前記第2のレンズホルダの前記摺動面へ向けて付勢する弾性部材が配置されている光学モジュールにより達成できる。
本発明によると、第1のレンズホルダを移動する円筒カムが弾性部材によって第2のレンズホルダへ当接される。第2レンズホルダは鏡筒の上部に固定されているので、円筒カムを光軸方向で所望位置に位置決めできる。よって、光学系に含むレンズを所望位置に配置できるのでバックフォーカスを精度良く設定できる。
そして、前記第2のレンズホルダは、前記鏡筒の上端部に対して前記光軸方向への移動が可能となるように螺合されている構造であることが好ましい。このような構造であれば、部品や組付けによって光軸方向での位置誤差が発生した場合でも、第2のレンズホルダを光軸方向に移動させて簡単にバックフォーカスを補正できる。
また、前記弾性部材は、前記円筒カムの下に配置したリング状の円錐コイルバネ又は竹の子バネを採用することができる。このようなバネを採用すると組み込みスペースを小さくできるので、光学モジュールの小型化を図ることができる。
また、前記第1のレンズホルダは、前記突起部材を複数備えていることが好ましい。第1のレンズホルダが円筒カムのカム溝に沿って移動するときに、このように複数の突起部材を備えていると基板側の光軸に対してレンズ側の光軸が傾くことを抑制できる。また、複数の突起部材によりレンズホルダを保持するので耐衝撃性にも優れた構造となる。なお、前記第1のレンズホルダは鏡筒内に複数設けることができる。
前記突起部材は互いに向きが異なるように、前記第1のレンズホルダの側面に配置されていることが望ましい。例えば、1つのレンズホルダが直線上で逆向きに2個の前記突起部材を備え、異なるレンズホルダ間では前記直線が交差するように前記突起部が配置されている構造を採用することができる。このような構造であれば、レンズ側の光軸が傾く事態をより確実に防止できる。そして、上述したような光学モジュールを含んだ携帯用電子機器は、小型で鮮明な画像を得ることができる。
本発明によると、レンズの移動機構を有する光学モジュールにおいて、受光素子の受光面にレンズの焦点を合わせる調整が容易に実施できる光学モジュールを提供できる。
以下、本発明に係る一実施形態を図面を参照して説明する。図1は、実施形態に係る光学モジュールの内部が確認できるように示した分解斜視図である。なお、図1では特徴的な構成が理解し易くなるように途中に介在するフィルタや絞り等を省略して示している。所定の配線パターンが形成された基板1上に撮像素子となるCCD2が固定されている。基板1としては、例えばフレキシブル配線基板(FPC基板)を採用することができる。この基板1に配置されたCCD2上に撮影画像が結像するように光学系ユニット3が配置される。なお、本明細書でいう光学モジュールとは、レンズ及びこれをCCDの光軸方向LDに駆動する光学系ユニット3であってもよいし、CCD2や基板1、更には後述されるレンズホルダを駆動するアクチュエータをも含んだ構造と理解してもよい。以下、光学系ユニットに含まれる構造、本光学系ユニットで採用するのに好ましい円筒カム、また光学モジュールを作製するのに好ましい位置決め構造を順に説明する。
(光学系ユニットの構造)
光学系ユニット3は、基板1側から、鏡筒11、弾性部材としてのリング状の円錐コイルバネ12、第3レンズホルダ13、第3レンズ14、円筒カム15、第2レンズホルダ16、第2レンズ17、第1レンズ18及び第1レンズホルダ19を含んでいる。
鏡筒11は、底部側に底板110を備えている。鏡筒11は略円筒形状を成し、基板1に固定されたCCD2を中心にして囲むように配置される。底板110にはCCD2の形状に対応した形状の開口(図示せず)が形成されている。基板1上に鏡筒11をセットしたときには、底板110の開口にCCD2が嵌合した状態となる。また、底板110は鏡筒11の本体筒状部分より大きな円盤状に形成され、その外周部分が外方へ突出してフランジ部115となっている。後述するようにこのフランジ部115上にコイルバネ12が載置される。
鏡筒11の側壁には複数のガイド溝11A〜11Hが形成されている。これらガイド溝中で4つのガイド溝11A、11B、11E及び11Fは、鏡筒11の側壁を一部切欠いて光軸方向LDに延びる長い溝部として形成されている。これら以外のガイド溝は側壁の内面に形成されている。これらガイド溝11A〜11Fについては後に詳述するが、4つのガイド溝11A、11C、11E、11Gは第3レンズホルダ13を案内するために形成され、他の4つのガイド溝11B、11D、11F、11Hは第2レンズホルダ16を案内するために形成されている。
コイルバネ12は、リング状で下部に向うに従って巻き半径を拡大させた円錐型となるように形成されている。このコイルバネ12は鏡筒11の本体円筒部分の外周に嵌められ、前述したようにフランジ部115上に載置される。先に課題として指摘したように、製造工程において基板1上に配置されるCCD2とレンズとの相対的な位置関係がずれるとレンズの合焦位置(バックフォーカス)がCCD2の受光面からずれるため鮮明な画像が得られなくなる。そこで、レンズ位置を調整して焦点位置がCCD2の受光面に合うように、本光学モジュールでは、レンズを案内する円筒カム15を第1レンズホルダ19に付勢し、しかも第1レンズホルダの位置を調整できる構造が採用されている。具体的には、円筒カム15の底部をコイルバネ12で支持して、上方に位置している第1レンズホルダ19へ向けて付勢する。このような構造とすることで、円筒カム15の光軸方向LDでのレンズ位置を安定化させている。
上記のように円筒カム15の上面を第1レンズホルダ19の下面に当接させ、レンズ位置を安定化させている構造についてより詳細に説明する。上記円筒カム15の上面は、図1に示すように平坦に形成されている。円筒カム15の上面が当接する第1のレンズホルダ19の下面も平坦に形成されている。なお、後述するように円筒カム15は回転するので、この円筒カム15の上面が当接する第1レンズホルダ19の下面は摺動面となる。一方、第1のレンズホルダ19は、本光学モジュールが組立てられたときには鏡筒11の上部に固定される。より具体的には、鏡筒11の上部外周に形成された雄螺子部117に螺合する雌螺子部(図示せず)が第1のレンズホルダ19の内壁に形成されている。
鏡筒11は基板1に設置される。この鏡筒11の頂部に第1レンズホルダ19が固定される。よって、第1レンズホルダ19の光軸方向LDの位置は、基板1から一定に保つことができる。この第1のレンズホルダ19に対して、コイルバネ12を用いて円筒カム15を押付けることで、その光軸方向LDでの円筒カム15の位置を安定化できる。後述するように、この円筒カム15にはレンズ14、17を保持するレンズホルダ13、16が係合しており、これらの移動を制御する。よって、円筒カム15の位置を安定に保つことで、複数のレンズ14、17の光軸方向での位置は円筒カム15を介して所期位置に保持される。
特に、本実施形態では第1レンズホルダ19を鏡筒11の上部にネジにより螺合しているので、第1のレンズホルダ19を回転することにより円筒カム15の高さ位置を簡単に変更できる。よって、仮にCCD2の基板への組付け誤差によりバックフォーカスがずれた場合でも、第1のレンズホルダ19を回転させることにより簡単にバックフォーカスを補正することができる。本光学系ユニット3では、鏡筒11上部の第1レンズホルダ19を回転することにより、部品や組付け時の誤差を簡単に解消できる。
上記のように、本光学モジュールは円筒カム15の下にコイルバネ12を配置するという簡単な工夫で、基準となる第1レンズホルダ19に対して精度良く位置決めを行い。これにより従来のようにカム曲線の変更等を行うことなく、基板に配置したCCD2上に確実に焦点が合うようにしたレンズ移動機構を実現できる。
また、上記コイルバネ12は円錐状に形成されていることで、円筒カム15の底部に広く接して上方へ付勢する。このコイルバネ12は円錐状であるので、コイル直下にコイルが存在しない配置構成となるため圧縮時の密着高さを低くすることができる。すなわち、コイルバネ12は狭いスペースでの配置が可能な形状となっている。そして、このコイルバネ12に負荷が加わったときに盛り上がり部分が下に沈んで平坦化するように変形するので、稼動時には更に低く変形させることができる。よって、このコイルバネ12は、小さい容積で比較的大きな荷重に耐えられるという特徴をもっている。なお、本実施形態では円錐状のコイルバネ12を採用しているが、板バネを螺旋状に巻いたいわゆる竹の子バネを同様に採用することができる。
上記円筒カム15は鏡筒11の外周を囲むように配置される。円筒カム15の内壁には複数のカム溝(カム面)151が形成されている。第3レンズホルダ13及び第2レンズホルダ16には、このカム溝151に係合する突起部材として係合ピンが設けられている。具体的には、第3レンズホルダ13は半径方向に突出する2つの係合ピン131−1、131−2を備え、同様に第2レンズホルダ16は半径方向に突出する係合ピン161−1、161−2を備えている。これら係合ピンをカムフォロアとして、所定軌跡で移動するようにカム溝151の形状が規定されている。円筒カム15のカム溝151と、係合ピン131−1、131−2及び係合ピン161−1、161−2との関係については後に詳しく説明する。
なお、円筒カム15の外周には符号159で示すラック部159が形成されている。このラック部159は、図1では図示していない駆動側のギアに噛合する。これにより円筒カム15が光軸方向LDを中心に回動する。この動作に基づいて、第3レンズホルダ13及び第2レンズホルダ16が光軸方向LDに沿って移動されることになる。
次に、光学系ユニット3に含まれるレンズ及びこれらを保持するレンズホルダについて説明する。第3レンズ14は基板1に最も近い位置に配置された補正系のレンズであり、第3レンズホルダ13により保持されている。第2レンズ17は中間に配置された変倍系のレンズであり、第2レンズホルダ16により保持されている。第1レンズ18は被写体側に位置する対物レンズであり、第1レンズホルダ19により保持されている。第3レンズホルダ13及び第2レンズ17は、鏡筒11内に収納された状態で円筒カム15の内壁に形成したカム溝151により光軸方向LD上の所望位置へ移動される。これにより、第3レンズ14と基板1との距離や各レンズ14,17,18間の距離が変更されるので、ワイド(WIDE)からテレ(TELE)まで焦点距離を変化させて撮像することが可能となる。
図2は、図1に示した第3レンズホルダ13及び第2レンズホルダ16を拡大して示した図である。この2つのレンズホルダは、図示するように互いに上下から接近して重なる状態で鏡筒11内にセットされる。第3レンズホルダ13から半径方向に突出する2つの係合ピン131−1、131−2は鏡筒11に形成したガイド溝(貫通穴)11A、11Eから外側に突出して円筒カム15のカム溝151と係合する。同様に、第2レンズホルダ16から半径方向に突出する2つの係合ピン161−1、161−2は鏡筒11に形成したガイド溝11C、11F(貫通穴)から外側に突出して円筒カム15のカム溝151と係合する。
図1も参照して図2に基づいて、第3レンズホルダ13及び第2レンズホルダ16を順に説明する。第3レンズホルダ13の周部には、4つのガイド棒132−1〜132−4がほぼ等間隔で形成されている。これらガイド棒132−1〜132−4は、鏡筒11の内部に形成したガイド溝11A、11C、11E、11Gと摺接するように形成されている。この内の2つのガイド棒132−1と132−3からは、前述した係合ピン131−1,131−2が半径方向に突出している。さらに、第3レンズホルダ13の周部には4つの受溝133−1〜133−4が、上記ガイド棒132の間に位置するように形成されている。これら受溝133−1〜133−4は、同様の構造を有する第2レンズホルダ16のガイド棒162−1〜162−4を受入れるように形成されている。
第2レンズホルダ16は、上記第3レンズホルダ13と同様の構造を有している。すなわち、第2レンズホルダ16の周部には、4つのガイド棒162−1〜162−4が形成されている。これらガイド棒162−1〜162−4は、鏡筒11の内部に形成した残りのガイド溝11B、11D、11F、11Hと摺接するように形成されている。この内の2つのガイド棒162−1、162−3からはピン161−1,161−2が半径方向に突出している。また、第2レンズホルダ16の周部には受溝163−1〜163−4が形成されている。これら受溝163−1〜163−4は、第3レンズホルダ13のガイド棒132−1〜132−4を受入れるように形成されている。
上記第3レンズホルダ13と第2レンズホルダ16とは、互いのガイド棒と受溝とを係合させることで、相互にスライド可能な状態を形成する。そして、この状態のレンズホルダ13、16の各ガイド棒(132と162)が、鏡筒11の内面に形成したガイド溝11A〜11Hに係合することで、摺動自在に収納される。すなわち、本光学モジュールでは、レンズホルダ13、16の各ガイド棒(132と162)が第1のガイド部材、鏡筒11の摺動面に形成したガイド溝11A〜11Hが第2のガイド部となり、これらレンズホルダ13、16を鏡筒11内で摺動自在に保持するガイド構造を実現する。よって、第2レンズホルダ16と第3レンズホルダ13とは、お互いに干渉することなく光軸方向への相対移動が可能である。
さらに、図2に示した第2レンズホルダ16及び第3レンズホルダ13の特徴的な構造について説明する。第2レンズホルダ16から突出する係合ピン161−1、161−2は直線16L上で反対向きに配置されている。まず、このように異なる向きとなる係合ピンを複数配置することで、第2レンズホルダ16の位置が光軸方向LDに対して傾くことが抑制されている。そして、この第2レンズホルダ16の下に配置した第3レンズホルダ13も同様の構造を備えている。第3レンズホルダ13からも係合ピン131−1、131−2が直線13L上で反対向きに配置されている。しかも、直線16Lと直線13Lとは互いに交差するように設定されている。
よって、第2レンズホルダ16及び第3レンズホルダ13は、互いにガイド棒と受溝とを係合させることで4点支持の状態を形成する。そのため、両レンズホルダで保持するレンズの光軸が、基板側の光軸方向LDに対し傾くことをより確実に抑制できる。また、上記のようにレンズホルダを複数の係合ピンで支持したので、応力を分散でき落下時の耐衝撃性を備えた構造となる。また、各レンズホルダ13、16にはガイド棒と受溝とが形成されているので、これらを互いに接近させることができる。また、一方のレンズホルダから延びるガイド棒に干渉しないので、ガイド棒を長めに設定することが可能である。
例えば、互いのガイド棒132、162の長さを、第2レンズホルダ16及び第3レンズホルダ13が移動する範囲に設定しておくことで、第2レンズホルダ16及び第3レンズホルダ13が光軸方向LDに対して傾くことがなくなる。また、ガイド棒132、162を長めに設定することで、鏡筒11側に設けたガイド溝(11A等)から鏡筒内に進入する光を遮光することができる。また、これらにより鏡筒11内へのチリの進入を防ぐ防塵性をも得ることができる。
図3は、図1で示した各部を組付けた状態の光学モジュールの断面構成を示した図である。この図3では光学系ユニット3の外周部を覆うカバー40が図示されている。このカバー40については後述する。この図3により、前述した円筒カム15を上方へ付勢した構造をより明確に確認できる。すなわち、鏡筒11の上部に形成した雄螺子部117と、これに噛合する第1レンズホルダ19の内壁に形成した雌螺子部197が示されている。このように最上部の第1レンズホルダ19が鏡筒11の上部に配置され、この第1レンズホルダ19に円筒カム15がコイルバネ12の付勢力によって当接されるので光軸方向LDのレンズ位置が決定する。よって、第3レンズ14の位置を第1レンズホルダ19の位置により設定できる。そして、第1レンズホルダ19を鏡筒11に対して回転させることで、バックフォーカス位置をCCD2の受光面に合わせるように位置決めできる。
また、この図3では、第3レンズホルダ13から半径方向に突出した係合ピン131及び第2レンズホルダ16から半径方向に突出した係合ピン161を確認できるよう示している。前述したように、各レンズホルダ13,16はそれぞれ2個ずつの係合ピンを有しているが、図3ではその1つずつを図示している。この図3によると、係合ピン131及び係合ピン161が鏡筒11の外側に配置した円筒カム15の内壁に形成したカム溝151に係合する様子が確認できる。この円筒カム15が下部に配置したコイルバネ12により上方へ付勢されているので、レンズホルダ13,16がこれに伴って移動し第1レンズホルダ19の位置を基準にして光軸方向LDでの位置が正確に定まる。なお、特許請求の範囲との関係では、上記第2レンズホルダ16及び第3レンズホルダ13が第1のレンズホルダに相当し、第1レンズホルダ19が第2のレンズホルダに相当する。
(円筒カム)
本実施形態で例示する光学系ユニット3で採用する円筒カム15は、その内壁に形成するカム溝が特徴的な構成を有している。更にこの点について説明する。上記図3では、円筒カム15のより詳細な構成が示されている。本光学系ユニット3に組み込まれている円筒カム15は、上カム15Uと下カム15Lとの2個のカム部品によって形成されている。光学モジュールが小型化されると、円筒カム15もより小型にする必要がある。しかし、この円筒カム15の内壁には上記のように、第3レンズホルダ13及び第2レンズホルダ16を光軸方向LDに精度良く案内するためのカム溝151を形成しなければならない。極めて微小な管状部材の内壁に、細い溝を精度良く形成することは極めて困難である。そこで、本光学系ユニット3では円筒カム15を分割したカム部品を組合せることにより作製している。
図4は、図3に示した円筒カム15を2つの構成部品、上カム15Uと下カム15Lとに分割した状態を示した拡大図である。円筒カム15は内壁に形成したカム溝151の部分で上下に分割されている。このカム溝151には、前述したように、第3レンズホルダ13の係合ピン131と第2レンズホルダ16の係合ピン161が係合する。これらの係合ピンを案内するカム曲線(プロファイル)に基づいて、カム溝151が形成されている。カム曲線の形状が端部に現れるように、上カム15Uと下カム15Lとの分割ライン152が設定されている。
よって、上下のカム15U,15Lが接続される部分にカム溝151が形成される。このような構成であれば、2つの金型を用いて上カム15U及び下カム15Lをそれぞれ作製し、これを合わせることで円筒カム15を作製できる。したがって、カム溝151が細い溝であっても円筒カム15を比較的容易に作製できる。このように本円筒カム15は、金型を用いたプラスチック射出成型等により、薄く、小型のものを作製できる。また、アンダーカット等の処理が不要となるので、簡単な金型構成とすることができる。
また、図3に示すように係合ピン131,161の頭部は、横断面が略三角形状であり、この部分がカムフォロアとなってカム溝151に係合する。カム溝151は、この係合ピンの形状に対応するように横断面が「V字」状に形成されている。このカム溝151の形状は図4でも確認できるように示され、中央部の短い垂直部153と、この上下に設けた傾斜部154とを含んでカム溝151が形成されている。
上記のように係合ピン131、161は頭部が、傾斜した傾斜カムとなっている。この係合ピンをカムフォロアとして案内するようにカム溝151が形成されている。このように係合ピンの頭部に傾斜カムを採用した場合には、円筒カム15の肉厚を確保しながら小径化を図ることができる。また、係合ピンの頭部に断面が矩形となる平面カムを採用してもよい。この場合にはズーム動作中の位置制度を高めることができる。
なお、上カム15Uの上面からカム溝151まで凹部158が形成されている。図4では上カム15Uの凹部158のみが確認できる。この凹部158は第2レンズホルダ16の係合ピン161を円筒カム内のカム溝151へ誘導するための案内溝である。係合ピン161は直線上で逆向きに配置されているので、2個の凹部158が上カム15Uに形成されている。ただし、第3レンズホルダ13及び第2レンズホルダ16を下カム15L上にセットしてから、上カム15Uを被せるようにして組付けを行う場合には、この凹部158を形成する必要はない。図4は、第2レンズホルダに対応するカム溝と第3レンズホルダに対応するカム溝は、レンズホルダを誘導する案内溝で連結されている。第3レンズホルダを凹部158から第2レンズホルダを案内するカム溝に誘導し、さらに連結されている案内溝を通過して第3レンズホルダを案内するカム溝に到達する。次に、第2レンズホルダを凹部158から誘導して対応するカム溝に設定する。
また、上カム15Uには下向きの凸部156が形成され、一方の下カム15Lにはこれを受ける受け部157が形成されている。これらの凹凸は反対位置にも同様に形成されている。円筒カム15は、これらの凹凸部156,157を基準位置にして上下カム15U、15Lが接続されて、作製される。よって、円筒カム15は精度良く組上げることができ、内面には位置精度よくカム溝を配置できる。上カム15U及び下カム15Lは、嵌合により一体に駆動可能な構造となっているが、接着剤あるいは、レーザ溶着等により一体に形成することも可能である。
図5は、円筒カム15の内壁に形成したカム溝151の形状を確認できるように示した展開図である。この図5によると、円筒カム15の内壁に形成したカム溝151の状態をより明確に確認できる。カム溝151は異なるカム曲線によって規定されるカム溝151−1とカム溝151−2とを含んでいる。カム溝151−1は、第2レンズホルダ16に対応した変倍系のレンズ動作を規定している。カム溝151−2は、第3レンズホルダ13に対応した補正系のレンズ動作を規定している。すなわち、第2レンズホルダ16の係合ピン161−1、161−2がカム溝151−1に係合する。第3レンズホルダ13の係合ピン131−1、131−2がカム溝151−2に係合する。
この図5により、上カム15Uと下カム15Lとの分割ライン152が、上記カム溝151−1、151−2に沿ってを分割するように設定されていることが確認できる。また、この図5によると、カム溝151の垂直部153と傾斜部154との関係も確認できる。また、分割ライン152には光軸方向LDと平行となる平行分割線部分152LDを含んでいる。このように分割ライン152を形成することで円筒カム15の周方向での無駄なスペースを抑制できる。ただし、周方向に幾分かの余裕がある場合には、この分割線部分152LDを斜めにしてもよい。
図6は、複数のカム部品により形成される円筒カム15の変形例を模式的に示した図である。図4,5で示した円筒カム15は上下2個のカム15U、15Lで構成されていたが、図6は構成部品を3個とした場合の例を示している。この円筒カム15は上カム15U、中間カム15M、下カム15Lの3個のカム部品から構成されている。上カム15Uと中間カム15Mとは分割ライン152−1により分離され、下カム15Lと中間カム15Mとは分割ライン152−2により分離される。
上記分割ライン152−1、分割ライン152−2は、異なるカム曲線に基づいて設定されている。これらの分割ラインも光軸方向LDと平行となる平行分割線部分152LDを含んで周方向での無駄なスペースを抑制している。分割ライン152−1では曲線部152−1CAが本来のカム曲線である。同様に分割ライン152−2では傾斜した直線部152−2CAが本来のカム曲線である。中間カム15Mは、上下のカム15U,15Lより肉薄に形成され、これらをセットすると中間カム15Mの上端と下端にカム面が形成される。この図6に示す円筒カム15の場合は、補正系のレンズホルダからの係合ピンが曲線部152−1CAに当接するように設定される。同様に変倍系のレンズホルダからの係合ピンが曲線部152−2CAに当接するよう設定される。
また、上カム面および下カム面も断面V字形状として、レンズホルダの突起部を誘導してカム面上にレンズホルダを配置することもできる。この場合には、カム15の光軸側端部にはレンズホルダを誘導する凹部(溝部)、他方のレンズホルダが配置されるカム面あるいは他方のレンズホルダを誘導するための凹部を経由して当該レンズホルダを誘導することも可能である。
図6で示した円筒カム15の場合には、高さ方向に重ねて異なるカム溝を形成できる。よって、図5で示した1つの円周上に異なる形状のカム溝を同時に配置していた場合と比較すると1種類のカム溝を余裕をもって周方向に配置することができる。よって、カムの回転角を大きく設定できるので、アクチュエータのトルクを小さくできる。この図6では3個のカム部品から円筒カムを構成する例を示したが、さらに多くの分割部品から構成するようにしてもよい。この図6に示した円筒カム15では、カム曲線を3組同一面上に配置したものであるので、レンズホルダの自由度が制限されるためレンズホルダの光軸方向に対する角度が安定する利点を有する。このためガイド溝の数を減らすことも可能である。
図7は、上記円筒カム15の内壁に形成するカム溝を規定するのに好ましいカム曲線(プロファイル)を示した図である。図7(A)は変倍系レンズ用のカム溝151−1を規定するカム曲線151−1CAを示している。同(B)は補正系レンズ用のカム溝151−2を規定するカム曲線151−2CAを示している。すなわち、カム曲線151−1CAに基づいて、第2レンズホルダ16が光軸方向に移動される。他方のカム曲線151−2CAに基づいて、第3レンズホルダ13が光軸方向に移動される。
より具体的に説明すると、第2レンズホルダ16の半径方向へ突出した係合ピン161−1、161−2が、カム曲線151−1CAによって規定されたカム溝151−1により光軸方向へ移動される。第3レンズホルダ13の半径方向へ突出した係合ピン131−1、131−2が、カム曲線151−2CAによって規定されたカム溝151−2により光軸方向へ移動される。なお、この図7ではズーム機能に加えて望遠側にマクロ機能を付加した場合のカム曲線を例示している。
本光学モジュールは携帯電話等にも搭載できるように小型化される。上記のようにズーム機能を備えた場合には、各レンズホルダを精度良く所期位置へ移動させることが重要である。そのために、従来においてレンズホルダが広角位置や望遠位置にあることを確認するための位置検出部材を配置するという手法が一般的に採用される。しかし、このように位置検出部材を別途に設けると、光学モジュールが大型化してしまうので小型化の要請に反することになる。また、携帯電話等に用いる光学モジュールは極めて小さく、円筒カムの円周角に対して周長が短い。よって、回転角度に対するレンズホルダの光軸方向の位置検出には高い精度が必要となる。しかし、位置検出部材を設けることが困難である。図7で示すカム曲線は、変倍系および補正系のカム曲線に平坦部を設けることで、広角端および望遠端において、位置検出なしで所望の特性を達成可能とする。
本光学系ユニット3では、円筒カム15の外周にはラック部159が固着されており、アクチュエータの駆動力はこのラック部159に噛合するギアにより伝達される。寸法精度の高いギアを採用してもバックラシュの影響を除くことは困難である。また、他部品や組付け誤差の影響もある。本光学ユニット3では、位置検出部材がないために、高い精度で回転カムの位置検出はできない。ズーム動作で円筒カム15を広角端と望遠端の間で回転したときに、所定角度分アクチュエータで回転させたにもかかわらず、初期位置のずれやバックラッシュの影響で、所望の広角端あるいは望遠端の位置に円筒カムが回転していないという可能性がある。
そこで、本実施形態では図7に示したように、レンズをズーム移動させる曲線部分(ズーム部)の両端、すなわち広角端(ワイド端)及び望遠端(テレ端)に、光軸方向LDに直交する所定長の平坦部を備えたカム曲線を採用する。すなわち、本実施形態では円筒カム15の変倍系および補正系のカム曲線として、このような平坦部を備えたカム曲線を採用する。これにより、位置検出部材で高精度の位置検出を行わなくても、平坦部にレンズホルダがあれば、広角端或いは望遠端の性能を達成することができる。レンズホルダの位置を考えると、広角端の平坦部にレンズホルダがあるときに、平坦部の距離を考慮してアクチュエータを駆動することで、結像距離がずれても望遠端の平坦部に移動させることで望遠端での性能を維持することができる。よって、バックラシュや組付け誤差等による影響を解消し、広角及び望遠位置で所定の性能を安定して達成することができる。
広角端から望遠端へ移動させる場合を例として説明する。本光学系では、初期位置を検出するために、広角端側に円筒カムを移動させて、円筒カムの回転限界で円筒カムが停止した位置から、所定のパルス数だけアクチュエータに駆動パルスを与えて望遠側に回転カムを戻した平坦部上の位置を初期位置と設定している。従って、初期位置は位置誤差を有していることが予想される。例えば、広角端から望遠端までの回転角度を500パルス、平坦部の回転角度を50パルスあるものとする。初期位置が広角端から25パルスの位置とする場合、望遠端に移動させるため、望遠端から25パルスの平坦部上の位置を目標として、550パルス駆動パルスを加えることとする。さすれば、目標値の前後25パルス以内に移動すれば、望遠端に円筒カムを回転駆動したこととなり、所望の移動は達成されたこととなる。
さらに、図7で例示するカム曲線は望遠側にマクロ撮影用の曲線と平坦部が付加されている。この場合も、望遠端の平坦部を経てからマクロ状態に入るので精度良く合焦する。さらに、平坦部で所定の機能を達成できるため、安定した動作が可能となる。
上記のようにカム曲線の所定位置に、所定長さの平坦部を付加するという改良で広角位置、望遠位置及びマクロ位置でのレンズ位置のずれを抑制できる。本構成では、広角位置、望遠位置及びマクロ位置にレンズがあることを確認するための位置検出部材を新たに設ける必要がない。よって、小型化及び低コスト化を図った簡単な構成で、広角及び望遠で安定してズーム機能またはマクロ機能を使った撮影が可能な光学モジュールを提供できる。なお、図7に示すように望遠側の平坦部に連続してマクロ用のカム曲線を形成すると、マクロ側についても円筒カムの位置ズレを吸収することにより安定してマクロ機能を利用できる。ただし、マクロ機能は本光学モジュールに必須のものではないので、マクロ用の曲線部分を含まないカム曲線としてもよい。
(位置決め構造)
更に、本光学モジュールは組付け構造に関しても優れた特徴を備えている。以下では、この点ついて説明する。本光学モジュールでは円筒カム15がアクチュエータにより駆動されて、第3レンズホルダ13と第2レンズホルダ16とが光軸方向に移動する。光学モジュールでは、基板上のCCD2に対して鏡筒11を精度良く位置決めしてからその外周に円筒カム15を配置すること、また、この円筒カム15に効率良く駆動力が伝達されるようにアクチュエータを配置することが必要となる。
アクチュエータの配置の仕方としては、図1に示した光学系ユニット3とアクチュエータとを個別に構成し、これを基板上で合体させて1個のモジュールに形成するという組付けの形態が考えられる。この形態を採用する場合は、アクチュエータを位置決めするため基板1側に位置決め用の穴やピンを設ける、或いは位置決め用のガイドピンを立設するという手法が取られる。
一方、光学系ユニット3については基板1に最初に固定される鏡筒11の位置が基準となる。鏡筒11はCCD2の光軸(光学中心)に対して位置決めされる。具体的には、基板上のCCD2に焦点が合うように鏡筒11が配置される。ところが、実際の組付け作業では、設計位置に対して、CCD2や鏡筒11の取付誤差が発生する。そして、この誤差が許容範囲を越えている場合には、CCD2の光学中心に合うように鏡筒11の位置を調整したり、CCD2の外形を基準に鏡筒11の位置決めをして誤差を解消することが必要である。
また、光学系ユニット3とアクチュエータとを個別に構成して基板に組付ける形態を採用した場合には、鏡筒11が基板1上の所定位置に配置されていることを前提として、基板上のアクチュエータの配置が決定されている。しかし、上記のように実際の組付時に鏡筒11の位置がずれてしまう場合が多い。このように鏡筒11の位置がずれると、その外周にセットされる円筒カム15の位置もずれる。円筒カムの位置がずれるとアクチュエータとの相対位置が設計した範囲から外れることになり、光学モジュールとしての所定の性能が維持できないという事態になる。
そこで、本光学モジュールでは光学系ユニット3を覆うカバーを介して、光学系ユニット3及びアクチュエータを位置決めする構成を採用する。このような構成を採用すると、鏡筒11の位置がずれた場合でも、これに伴ってアクチュエータの位置は鏡筒11との相対位置関係を維持して移動するので、駆動系に関して所期の性能を実現するために容易な構成となる。また、この構成を採用すると光学系ユニット3用のカバーとアクチュエータ用のカバーとを一体化できるので省スペース化を図ることもできる。
図8及び図9を参照して、本光学モジュールで採用しているカバー40を利用した位置決め構造を説明する。図8は、光学系ユニット3を駆動する駆動部及び光学系ユニット3の上にセットされるカバーについて示した図である。この図8は、前述した光学系ユニット3との関係が確認できるように上部に位置する第1レンズ18及び第1レンズホルダ19を示している。図9は、光学系ユニット3及びアクチュエータとしてのモータ30を組付けた完成状態の光学モジュールを断面構成が確認できるように示した図である。
本光学モジュールでは、モータ30によって円筒カム15が駆動される。図8ではモータ30の各要素を分解状態で示している。モータ30はカバー40と基板31を用いて組立てられ、このカバー40が光学系ユニット3の基板1上にセットされる。このモータ30は、1対のコイル32、ステータ33を備え、中央部にはロータ35を有している。
カバー40の所定位置に固定される軸41とロータ35用の軸とが同軸に配置され、軸41を中心としてロータ35が回転するように設定されている。軸41はカバー40に形成した穴51にセットされている。また、ロータ35と一体に回転するギア36が配設されている。また、カバー40の他の位置に軸42が固定されており、この軸42には前記ギア36と噛合するギア43及びこのギア43と一体に回転するギア44が設けられている。このギア44に円筒カム15の外周に形成したラック部159が噛合する。軸42はカバー40に形成した穴52にセットされる。
図8に示した各部が組付けられた状態を示したのが図9である。図9で示すように、第1レンズホルダ19はカバー40に形成した開口45に嵌合した状態となる。よって、第1レンズホルダ19を介して、カバー40に対して鏡筒11及び円筒カム15が位置決めされる。また、軸41,42はカバー40の所定位置に位置決めされている。図8に示したように、モータ30は軸41を基準に位置決めされる。この構造ではカバー40を介して、鏡筒11及び円筒カム15側とモータ30側との位置関係が確定されている。よって、仮に鏡筒11の設定位置がずれた場合でも、カバー40を介してモータ30側の位置も光学系ユニット3の位置に対応して移動する。つまり、円筒カム15とモータ30との相対位置関係は維持されズレが発生しない。
以上のように、本光学モジュールではカバー40を介して、光学系ユニット3側と駆動部側との位置決めを行うので、円筒カム15の外周に設けたラック部159とモータ30の駆動力を伝達するギア36、43,44との間に位置ずれが発生することがない。よって、本構造を採用したことでモータの駆動力を設計通り効率的に伝達できる本光学モジュールとなる。
以上本発明の好ましい一実施形態について詳述したが、本発明は係る特定の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。
実施形態に係る光学モジュールの内部が確認できるように示した分解斜視図である。 図1に示した第3レンズホルダ及び第2レンズホルダを拡大して示した図である。 図1で示した各部を組付けた状態の光学モジュールの断面構成を示した図である。 図3に示した円筒カムを2つの構成部品に分割した状態を示した拡大図である。 円筒カムの内壁に形成したカム溝をより明確に確認できるように示した展開図である。 複数のカム部品により形成される円筒カムの変形例を模式的に示した図である。 円筒カムの内壁に形成するカム溝を規定するのに好ましいカム曲線(プロファイル)を示した図である。 光学系ユニットを駆動する駆動部及び光学系ユニット上にセットされるカバーについて示した図である。 光学系ユニット及びモータを組付けた完成状態の光学モジュールを断面構成が確認できるように示した図である。 従来の小型カメラのレンズ駆動装置について示した図である。
符号の説明
1 基板
2 CCD
3 光学系ユニット
11 鏡筒
11A〜11H ガイド溝
11A、11E 貫通穴(第3レンズホルダ用)
11B、11F 貫通穴(第2レンズホルダ用)
12 コイルバネ
13 第3レンズホルダ
131 係合ピン
15 円筒カム
151 カム溝
16 第2レンズホルダ
161 係合ピン
19 第1レンズホルダ
LD 光軸方向

Claims (6)

  1. 第1のレンズホルダと、前記第1のレンズホルダより対物側に位置する第2のレンズホルダと、前記第1のレンズホルダに外接し、前記第1のレンズホルダを光軸方向に摺動自在に保持する鏡筒と、前記鏡筒の外周に配置され、前記第1のレンズホルダの位置を変更する円筒カムとを含む光学モジュールであって、
    前記第1のレンズホルダの側面から延在させた突起部材を備え、
    前記鏡筒には前記突起部材の光軸方向での移動を許容する貫通穴が形成され、
    前記円筒カムの内壁には、前記突起部材を所定位置に案内するカム面が形成され、
    前記第2のレンズホルダは、前記鏡筒の上端部に固定され、前記円筒カムを光軸方向に位置決めする摺動面を有し、
    前記円筒カムを前記第2のレンズホルダの前記摺動面へ向けて付勢する弾性部材が配置されていることを特徴とする光学モジュール。
  2. 前記第2のレンズホルダは、前記鏡筒の上端部に対して前記光軸方向への移動が可能となるように螺合されていることを特徴とする請求項1に記載の光学モジュール。
  3. 前記弾性部材は、前記円筒カムの下に配置したリング状の円錐コイルバネ又は竹の子バネであることを特徴とする請求項1または2に記載の光学モジュール。
  4. 前記第1のレンズホルダは、前記突起部材を複数備えていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の光学モジュール。
  5. 前記第1のレンズホルダは複数設けられていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の光学モジュール。
  6. 請求項1乃至5のいずれかに記載の光学モジュールを含むことを特徴とする携帯用電子機器。
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