JP2008155385A - 食品貯蔵用容器及び積層フィルム - Google Patents

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Abstract

【課題】食品を適当期間変質させないで貯蔵でき、使用後に廃棄すると、大部分が自然に分解して無害なものとなるような食品貯蔵用容器を提供する。また、そのような容器を容易に成形できる積層フィルムを提供する。
【解決手段】メタキシリレンジアミンとアジピン酸とを重縮合させて得られたポリアミド樹脂フィルム、又はエチレンとビニルアルコールとの共重合体フィルムの両面に、不飽和カルボン酸とα−オレフィン又は環状オレフィンとの共重合体フィルムを介在させ、その上にポリ乳酸系フィルムを貼り合わせて積層フィルムとする。この積層フィルムを真空又は圧空成形して食品容器とする。
【選択図】図1

Description

この発明は、積層フィルムに関するものであり、またその積層フィルムを使用して作られた食品貯蔵用容器に関するものである。
食品は一般に吸湿性を持っており、また酸化して変質し易いものである。そこで、食品を変質させないで永く貯蔵するには、水分や酸素を通さない材料で作られた容器に入れて、保存する必要がある。このため、食品を貯蔵するための容器としては、水分や空気を全く通さない金属缶やガラス壜が用いられて来た。
ところが、金属缶は錆び易い上に、中に入れた食品を透視できないという欠点を持っている。また、ガラス壜は割れ易いという欠点を持っている。そこで、これに代わるものとしてプラスチックで容器を作ることが試みられた。
しかし、プラスチックは金属やガラスと違って、水分や空気の透過を絶無にすることができない。従って、プラスチック製の容器は、金属缶やガラス壜ほどに食品を長期にわたって貯蔵できるものとはなり得ない。ところが、プラスチックの中には色々な特性を持ったものがあり、或るものは酸素バリヤ性を持っていて、酸素ガスを殆ど通さないものとなり、また或るものは湿気バリヤ性を持っていて、水分を殆ど通さないものとなる。そこで、これらの特性を持ったプラスチックを選び、これらのフィルムを貼り合わせることにより、食品を相当期間貯蔵できる容器を作ろうとする試みがなされた。
例えば、特開昭60−105539号公報は、プラスチックフィルムを貼り合わせてバリヤ性、耐クリープ性、耐衝撃性、透明性を持った容器を作ることのできる積層構造体を記載している。その積層構造体は、耐クリープ性を持たせるためにエステル反覆単位を主体とする樹脂フィルムを用い、ガスバリヤ性を持たせるためにエチレンとビニルアルコールとの共重合体(以下、これをEVOHという)からなるフィルムを用い、これらのフィルムを接着樹脂フィルムで貼り合わせて作られている。エステル反覆単位を主体とする樹脂としてはポリエチレンテレフタレートやポリカーボネイトが用いられ、接着樹脂としては芳香族二塩基酸と脂肪族二塩基酸との共重合ポリエステルが用いられている。
また、特公平2−8899号公報は、酸素バリヤ性を持ったメタキシリレン基含有のポリアミド樹脂フィルムの両面に、特定の熱可塑性樹脂からなる接着層を介して、熱可塑性ポリエステル樹脂フィルムを接着して積層フィルムとし、この積層フィルムを成形して容器とすることを記載している。この容器は、とくに酸素バリヤ性にすぐれている、と説明されている。
また、特公平4−60829号公報は、食品を貯蔵するに適した容器を記載している。詳しく云えば、この公報は、メタキシリレンジアミンとアジピン酸とを重縮合して得られた酸素バリヤ性のポリアミド樹脂(以下、これをMX樹脂という)フィルムの両面に、エチレンと不飽和カルボン酸との共重合体フィルムを介在させ、その上に湿気バリヤ性を持ったオレフィン系樹脂フィルムを貼り合わせて積層フィルムとし、その際、各フィルムの厚みを特定の関係に維持することとして、得られた積層フィルムを成形して食品貯蔵用容器とすることを記載している。
また、特公平5−87391号公報は、上記の特公平4−60829号公報と同じように、酸素バリヤ性を持ったMX樹脂フィルムの両側に、エチレンと不飽和カルボン酸との共重合体フィルムを介在させ、その上にポリエステル樹脂フィルムを貼り合わせて積層フィルムとし、その際、各フィルムの厚みを特定の関係に維持して得られた積層フィルムを成形して食品貯蔵用容器とすることを記載している。
このように食品貯蔵用容器は、これまで酸素バリヤ性を持ったMX樹脂又はEVOH樹脂フィルムと、ポリエチレンテレフタレート、ポリオレフィンまたはポリカーボネイトのような湿気バリヤ性を持った樹脂フィルムとを張り合わせることが必要とされた。
ところが、上述のような容器は、環境を汚染するという新たな問題を生じた。すなわち、これらの容器は、容易に腐食又は分解しない樹脂で作られているために、使用後にこれを廃棄すると、何時までも容器が原形をとどめ、ごみとなって環境を汚染する、という問題を生じた。これを防ぐために容器を焼却しようとすると、場合によってはダイオキシンなどの有害物を発生し、さらに人畜に大きな弊害をもたらすこととなった。そこで、地球環境を汚染しないように、食品貯蔵用容器を改良する必要が生じた。
この改良を達成するためには、これまで用いられて来た樹脂の代わりにポリ乳酸のような生分解性の樹脂で容器を作ればよい、と誰しも考える。ところが、ポリ乳酸は日光や風雨に曝されると、加水分解する特性を持っているから、当然湿気を透過させ易く、また自然に分解され易く、従ってポリ乳酸だけで作った容器は、それ自体が分解し易くまた食品を変質し易いので食品貯蔵用とするに適していない。
そこでポリ乳酸フィルムにバリヤ性を付与することが試みられた。例えば、特開2000−177072号公報は、ポリ乳酸フィルムの一面にポリビニルアルコールのコーティング層を形成して、包装材料とすることを提案している。しかし、ポリ乳酸フィルムが吸湿性のものである上に、ポリビニルアルコールもまた水溶性のものであるから、この包装材料は防湿性に乏しく、従って食品を貯蔵する容器とするには適していない。
また、特開2005−349750号公報は、ポリ乳酸の二軸延伸フィルムの一面に、生分解性樹脂とワックスとからなる防湿層を貼り合わせて、積層フィルムとすることを提案している。この積層フィルムは防湿性にすぐれているので、食品包装用に適していると説明されているが、酸素バリヤ性を持つものではないので、食品を酸化させ易く、従って矢張り食品貯蔵用容器とするには適していない。
特開昭60−105539号公報 特公平2−8899号公報 特公平4−60829号公報 特公平5−87391号公報 特開2000−177072号公報 特開2005−349750号公報
このように、これまでポリ乳酸フィルムにバリヤ性を付与するために、他のフィルムを貼り合わせて積層フィルムとし、この積層フィルムを包装材料として使用する試みがなされて来た。ところが、これまでの積層フィルムは、上述のように、これを食品貯蔵用容器とするには適していなかった。そこで、この発明は、ポリ乳酸フィルムに別のバリヤ性を持ったフィルムを貼り合わせて積層フィルムとし、これによって食品貯蔵用容器とするに適した積層フィルムを提供しようとするものである。また、この発明はそのような積層フィルムを成形して作られた食品貯蔵用容器を提供しようとするものである。
この発明者は、上述の積層フィルムを作るにあたって、表面層と裏面層とにポリ乳酸フィルムを用い、その中間にバリヤ層を挟むこととした。そのバリヤ層としては、従来用いられて来たMX樹脂フィルム又はEVOH樹脂フィルムを用いることとした。そして、バリヤ層を表面層又は裏面層と接着するための接着剤として、何が適しているかを検討の結果、接着剤としてα−オレフィンと不飽和カルボン酸との共重合体からなる接着フィルムが適していることを見出した。
こうして、この発明者はMX樹脂又はEVOH樹脂フィルムの両面にα−オレフィンと不飽和カルボン酸との共重合体からなるフィルムを介在させ、その上にポリ乳酸フィルムを張り合わせて積層フィルムを作った。
この積層フィルムを真空成形によって容器に成形し、こうして成形した容器にゼリーなどの食品を入れて密封し、時間の経過とともに食品がどのように変質するかを調べた。その結果、この容器は湿気バリヤ性に格別すぐれたフィルムが用いられていないのに、高温高湿度の下に数日間放置しても、食品を変質させないで、貯蔵できるものであることを見出した。また、上記の接着フィルムとしては、α−オレフィンと不飽和カルボン酸との共重合体の代わりに、環状オレフィンと不飽和カルボン酸との共重合体からなるフィルムを用いることができることを見出した。この発明は、このような知見に基いて完成されたものである。
この発明は、MX樹脂(メタキシリレンジアミンとアジピン酸とを重縮合させて得られたポリアミド樹脂)フィルム、又はEVOH(エチレンとビニルアルコールの共重合体)フィルムの両面に、不飽和カルボン酸とα−オレフィン又は環状オレフィンとの共重合体からなるフィルムを介在させ、その上にポリ乳酸系フィルムを貼り合わせて作られた容器形成用積層フィルムを提供するものである。
また、この発明は上記積層フィルムを容器状に成形して作られた易分解性の食品貯蔵用容器を提供するものである。
この発明に係る積層フィルムは、透明であって容器への成形が容易である、という利点を持っている。すなわち、この積層フィルムはすべて熱可塑性樹脂で作られており、しかもその熱可塑性樹脂は何れも加熱によって容易に軟化し、さらに加熱によっては分解し難く、加熱状態において大きく引き延ばすことができるものであるから、底の深い容器の形に容易に成形することができる。こうして成形された容器は、以下に述べるように、食品貯蔵用容器とするに適したものである。従って、この積層フィルムは食品貯蔵用容器の製造用のフィルムとして実用上の価値が大きいものである。
この発明に係る食品貯蔵用容器は、内面も外面もポリ乳酸系樹脂で構成されているから、無毒であり、従って食品を入れて貯蔵するに適している。また、この容器は、透明であって内部に入れた食品を外から見ることができるので、食品貯蔵用容器としては好都合である。
とくに、この発明に係る容器は、中間にMX樹脂フィルム又はEVOH樹脂フィルムを含んでおり、MX樹脂とEVOH樹脂とは何れもバリヤ性、とくに酸素バリヤ性が大きいので、この容器は酸素を透過し難い特性を持っている。従って、この容器は内部に収容している食品を酸化させにくく、従って食品を腐敗変質させにくく、食品を長期にわたって貯蔵することができる。このためには、容器内に食品を入れたあとで、容器の口を密封する必要があるが、この容器では積層フィルムを作るときに用いた接着性の共重合体フィルムを用いて、容易に密封することができる。従って、この容器は食品貯蔵用容器として実用上の価値が大きい。
その上に、この発明に係る容器は、環境にやさしいという特徴を持っている。それは、この容器が環境を全く汚染しないか、かりに汚染するとしても汚染の程度が少ないからである。すなわち、この容器は使用後に廃棄すると、表面と裏面とがポリ乳酸系樹脂で作られており、ポリ乳酸系樹脂は風雨に曝されると、容易に加水分解されて最終的には水と二酸化炭素とを残すだけとなるので、容器は接着フィルムを露出させることになる。接着フィルムは、厚みが小さい上に不飽和カルボン酸を含んでいるので、吸湿性を持ち分解され易い。接着フィルムが分解すると、容器は中間フィルムを残すだけとなるが、中間フィルムは厚みが小さい上に、とくにEVOHを材料としている場合には、水を吸収して分解し易い。このため、この容器は風雨に曝されると、大部分が分解するので環境に対してやさしいという特性を持っている。
この発明に係る積層フィルムは、図1に示したように、5層のフィルムを貼り合わせて一体としたものである。すなわち、真中に中間フィルム1を位置させ、その両側に接着樹脂フィルム2を位置させ、その上に表面及び裏面フィルム3を位置させ、貼り合わせて一体としたものである。中間フィルム1は、MX樹脂又はEVOH樹脂からなり、接着フィルム2は不飽和カルボン酸とオレフィンとの共重合体からなり、表面フィルム3はポリ乳酸系樹脂からなるものである。
積層フィルムは、約50〜2000ミクロンの全体厚みTを持つことが好ましい。そのうちの中間フィルム1は全体厚みTの約4〜14%を占め、各接着フィルム2は互いに等しい厚みを持ち、各厚みは全体厚みTの約1〜8%を占めている。また表面フィルムと裏面フィルム3は、互いに異なった厚みを持っていてもよいが、通常は互いに等しい厚みとされ、その各厚みは全体厚みTの約35〜45%を占めていることが好ましい。
上述の積層フィルムを作るには、各フィルムを別々に押出機又はカレンダーロールにより作っておいて、あとでこれらのフィルムを貼り合わせてもよいが、好ましいのは共押出法によって作ることである。共押出法とは、この場合3個の押出機を用いて、そのうちの1つの押出機にMX樹脂又はEVOH樹脂を供給し、他の1つの押出機に接着性樹脂を供給し、残る1つの押出機にポリ乳酸系樹脂を供給し、各押出機の先を1つの口金に接続して、1つの口金内でこれらの樹脂をフィルム状に成形するとともに、各フィルムを貼り合わせて一挙に積層フィルムとする方法である。
上述の場合の口金内での樹脂の流れについて説明すると、次のとおりである。まず、MX樹脂又はEVOH樹脂は、口金内で1枚のフィルム状に成形し、口金の中央部から1枚の中間フィルムとして押し出すこととする。次に、接着樹脂は上記中間フィルムを間に挟んで、中間フィルムの両側で中間フィルムと平行に延びるそれぞれ1枚のフィルムに成形して、合計2枚の接着フィルムとし、各接着フィルムを口金の押出端で中間フィルムと合流させて積層する。また、ポリ乳酸系樹脂は上記各接着フィルムの外側で、接着フィルムと平行に延びるそれぞれ1枚のフィルムに成形して、各フィルムを口金の押出端で接着フィルムと合流させて積層する。こうして1つの口金から積層フィルムとして取り出す。
この発明で用いられるMX樹脂は、メタキシリレンジアミンとアジピン酸とを重縮合反応させることによって得られた樹脂である。この樹脂は、化学式
Figure 2008155385
で表わされる結晶性の熱可塑性樹脂である。従来のポリアミド樹脂は、主として脂肪族の炭素鎖を含むものであったが、MX樹脂は主鎖中に芳香族環を含んでいる、という点で特異なものである。MX樹脂は、例えば三菱ガス化学(株)から、MXナイロン 6007の名称で市販されている。この発明では、この市販品をそのまま用いることができる。
この発明で用いられるEVOH樹脂は、エチレンとビニルアルコールとの共重合樹脂である。この共重合樹脂はエチレンと酢酸ビニルとを共重合させて、まずエチレン・酢酸ビニル共重合体を作り、次いでこの共重合体中の酢酸ビニルを加水分解して作られる。従って、この樹脂は共重合の割合と加水分解の割合によって色々なグレードのものが得られる。この発明ではエチレンが10〜30重量%を占め、残りの酢酸ビニルが90〜70重量%の割合で加水分解されてビニルアルコールとなっているものを用いるのが好ましい。このようなEVOHは例えば日本合成化学工業(株)からソアノール DT−2903という商品名で、また(株)クラレからエバール F−101という商品名で販売されている。この発明ではこれら市販のものを使用することができる。
この発明で用いられる接着樹脂は、不飽和カルボン酸とα−オレフィン又は環状オレフィンとの共重合体を用いる。その共重合体は50〜30重量%の不飽和カルボン酸と、10〜30重量%のエチレンとブテンとの共重合体と、40重量%以下のその他のα−オレフィン又はその他のオレフィンと酢酸ビニルとの共重合体を含んでいることが好ましい。
上述のような接着樹脂は、例えば三菱化学(株)からモディック F534Aという商品名で販売され、また三井化学(株)からアドマー SF730の名称で販売されている。この発明ではこれらの市販品を使用することができる。
この発明で用いるポリ乳酸系樹脂はポリ乳酸、すなわち乳酸の単独重合体であることが多いが、乳酸と他の水酸基含有脂肪族との共重合体であってもよい。乳酸は不斉炭素原子を含み、従って乳酸にはD−体、L−体、ラセミ体があるが、ここで用いるポリ乳酸はその何れの重合体であってもよい。重合方法には乳酸の重合又はラクチッドの縮合による方法があるが、その何れの方法によるものであってもよい。共重合体中の他の水酸基含有脂肪族としては、グリコール酸、3又は4−ヒドロキシ酪酸、3又は4−ヒドロキシ吉草酸などを用いることができるが、その含有量は50モル%以下とするのが適している。
用いるポリ乳酸系樹脂の重量平均分子量は約60,000から1,000,000の範囲内であることが好ましい。重量平均分子量が60,000以下ではフィルムとしての強度などの物性が悪くなり、逆に1,000,000以上では溶融粘度が高くなって成形し難くなるからである。
以下に実施例を挙げて、この発明に係る積層フィルムと食品貯蔵用容器の詳細を説明する。
この実施例では、まず図1に示したような中間フィルム1の両面に接着フィルム2を介在させ、その上に表面フィルム3を貼り合わせて積層フィルムを作った。中間フィルム1としては、(株)クラレからエバール F101Aの商品名で販売されているEVOH樹脂を用いて厚み50ミクロンに成形した。また接着フィルム2としては三菱化学(株)からモディック F534の商品名で販売されている樹脂を用い、厚み10ミクロンに成形した。また、表面フィルム3としては、三井化学(株)からレイシア H440の商品名で販売されているポリ乳酸系樹脂を用いて、厚み215ミクロンに成形した。
この積層フィルムを作るには共押出法を採用した。共押出法は図2に模型的に示したような方法で行った。図2において、第1押出機にEVOH樹脂を供給して口金10内で1枚の中間フィルム層11に成形し、第2押出機に接着樹脂を供給して口金10内で中間フィルム層11の両側にそれぞれ1枚の接着フィルム層12を成形し、第3押出機にポリ乳酸系樹脂を供給して口金10内で接着フィルム層11の両側にそれぞれ1枚の表面フィルム層13を成形し、これらのフィルムを合わせて積層フィルム20とした。
こうして作られた積層フィルムは接着フィルム2を介して中間フィルム1と表面フィルム3とが強固に接着されている。また、この積層シートは厚みが全体として500ミクロンであり、透明であって多少の可撓性を持った形状安定性のよいものであった。
この積層フィルムを真空成形によって図3に示すような容器状に成形した。図3の容器は、4個の窪みを連設したものであるがその各窪みは深さHが幅Wよりもやや大きくされた深絞りのものである。
この容器は各窪み内に水を一杯にいれても、全く形状を変えることがないほどの堅固なものである。また、この容器は透明であって、窪み内に入れた物品を外から明瞭に見ることができる美麗なものである。
この容器の窪み内にジャムを入れてのち、容器の開口をアルミニウムの蓋で密封した。蓋の密封には積層フィルムの製造に用いた接着樹脂を用いた。
こうしてジャムを入れた容器を温度40℃で相対湿度60%の雰囲気中に120時間保持して、ジャムの変色を調査した。その結果、ジャムは全く変色せず、そのほかの変質も全くないことを確認した。また、この容器をウエザオメーターに入れて、以下に記載する条件で容器の耐候性を調べた。ウエザオメーターでは光源としてカーボンアークランプを用いて紫外線を容器に照射し、照射時間120分中に18分間水を容器にふりかけるようにし、ブラックパネル温度63℃の状態で160時間放置した。その結果、ポリ乳酸系樹脂製表面フィルムは分解して粉末化し、接着樹脂層も劣化し、中間フィルムが僅かに原形をとどめるのみとなった。従って、この容器は環境にやさしいものであると認められた。
この実施例では、実施例1で用いたEVOH樹脂の代わりに三菱ガス化学(株)製のMXナイロン 6007を用いて中間フィルムを作った点が異なるだけで、その他は実施例1と全く同様にして、共押出法により厚みが500ミクロンの積層フィルムを作った。
この積層フィルムは、接着樹脂フィルムを介してMX樹脂製の中間フィルムとポリ乳酸系樹脂製の表面フィルムが強固に接着されており、透明であって形状安定性のよいものであった。
この積層フィルムを用いて実施例1を全く同様に真空成形して、図3に示した形状の容器を作った。この容器内にジャムを入れて相対湿度60%、温度40℃の雰囲気中に120時間放置して、容器の外観変化とジャム味の変質を調べた。外観と味には全く変質が認められなかった。
また、この容器をウエザオメーターに入れて実施例1と全く同様に容器の耐候性を試験したところ、160時間ののちポリ乳酸系樹脂からなる表面フィルムが分解して粉末化し、接着樹脂フィルムも劣化し、中間フィルムだけが元の形を保っていた。従って、この容器は環境にやさしいものであると認められた。
この実施例は、実施例1と殆ど同様に実施したが、ただ接着樹脂として実施例1のモディック F534の代わりに、三井化学(株)製のアドマー SF730を用いた点で異なるだけとして、共押出法により厚み500ミクロンの積層フィルムを作った。
この積層フィルムは、接着樹脂フィルムを介してEVOH樹脂製の中間フィルムと、ポリ乳酸系樹脂製の表面フィルムとが強固に接着されており、透明であって形状安定性のよいものであった。
この積層フィルムを用いて、実施例1と同様に真空成形して、図3に示した形状の容器を作った。この容器内にジャムを入れて相対湿度60%、温度40℃の雰囲気中に120時間放置して容器の外観変化とジャム味の変質を調べた。外観と味には全く変質が認められなかった。
また、この容器をウエザオメーターに入れて実施例1と全く同様にして耐候性試験をしたところ、160時間でポリ乳酸系樹脂からなる表面フィルムが劣化し、また接着樹脂フィルムも劣化しており、中間フィルムだけが僅かに原形をとどめるだけであった。従って、この容器は環境にやさしいものであると認められた。
この実施例は、実施例1と殆ど同じように実施したが、ただ接着樹脂としてモディックF534の代わりに三井化学(株)製のアドマー SF730を用い、また中間フィルム用の樹脂としてエバール F101Aの代わりに三菱ガス化学(株)製のMXナイロン 6007を用いた点が異なるだけとして、共押出法によって厚み500ミクロンの積層フィルムを作った。
この積層フィルムは、接着樹脂フィルムを介してMX樹脂製の中間フィルムとポリ乳酸系樹脂製の表面フィルムとが強固に接着されており、透明であって形状安定性のよいものであった。
この積層フィルムを用いて実施例1と同様に真空成形して図3に示した形状の容器を作った。この容器内にジャムを入れて、相対湿度60%、温度40℃の雰囲気中に120時間放置して、容器の外観変化とジャム味の変質を調べた。外観と味には全く変質を認めなかった。
また、この容器をウエザオメーターに入れて実施例1と全く同様にして耐候性試験をしたところ、7日間でポリ乳酸系樹脂からなる表面フィルムが劣化し、また接着樹脂フィルムも劣化しており、中間フィルムだけが僅かに原形をとどめていた。従って、この容器は環境にやさしいものと認められた。
この発明に係る積層フィルムの構成を示す説明図である。 この発明に係る積層フィルムの共押出法による製造過程を示す説明図である。 この発明に係る食品貯蔵用容器の斜視図である。
符号の説明
1 中間フィルム
2 接着フィルム
3 表面フィルム
11 中間フィルム層
12 接着フィルム層
13 表面フィルム層
20 積層フィルム

Claims (4)

  1. メタキシリレンジアミンとアジピン酸とを重縮合させて得られたポリアミド樹脂フィルム(A)、又はエチレンとビニルアルコールの共重合体フィルム(B)の両面に、不飽和カルボン酸とα−オレフィン又は環状オレフィンとの共重合体フィルム(C)を介在させ、その上にポリ乳酸系樹脂フィルム(D)を貼り合わせて作られた食品貯蔵用容器を成形するための積層フィルム。
  2. メタキシリレンジアミンとアジピン酸とを重縮合させて得られたポリアミド樹脂フィルム(A)、又はエチレンとビニルアルコールの共重合体フィルム(B)の両面に、不飽和カルボン酸とα−オレフィン又は環状オレフィンとの共重合体フィルム(C)を介在させ、その上にポリ乳酸系樹脂フィルム(D)を貼り合わせて作られた積層フィルムを容器状に成形してなる易分解性の食品貯蔵用容器。
  3. 前記ポリアミド樹脂フィルム(A)、又はエチレンとビニルアルコールとの共重合体フィルム(B)の厚みが積層フィルム全体の厚みTの4〜14%を占め、前記不飽和カルボン酸とα−オレフィン又は環状オレフィンとの共重合体の各フィルムが厚みTの1〜8%を占め、前記ポリ乳酸系樹脂の各フィルムが厚みTの35〜45%を占めている、請求項1に記載の積層フィルム又は請求項2に記載の食品貯蔵用容器。
  4. 前記不飽和カルボン酸とα−オレフィン又は環状オレフィンとの共重合体が、50〜30重量%の不飽和カルボン酸と10〜30重量%のエチレンとブテンとの共重合体と、40重量%以下のその他のオレフィン又はその他のオレフィンと酢酸ビニルとの共重合体を含んでいる請求項1〜3の何れか1つの項に記載の積層フィルム又は食品貯蔵用容器。
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