JP2000517260A - 生物分解性包装用ラミネート、該包装用ラミネートを製造する方法及び該包装用ラミネートから製造された包装容器 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 液体食品用パッケージに向く、優れた液体バリヤー性と酸素気体バリヤー性を有し、含まれている全ての層が生物分解性である包装用ラミネート。この包装用ラミネートは、乳酸、グリコール酸、ラクチド、グリコリド、ヒドロキシ酪酸、ヒドロキシ吉草酸、ヒドロキシカプロン酸、バレロラクトン、ブチロラクトンおよびカプロラクトンからなる群から選ばれた単量体の単独重合体又は共重合体からなる少なくとも一つの液密性層（１１、１３）、およびエチレンビニルアルコール、ポリビニルアルコール、澱粉及び澱粉誘導体からなる酸素気体バリヤー層（１２）を含んでいる。これら層は直接に互いに積層されていてもよいし又は間に介在する接着剤層によって間接的に積層されていてもよい。この包装用ラミネートは更に、コアー層、例えば、紙又は厚紙、又は生体高分子の、を含んでいてもよい。本発明はまた、本発明の生物分解性包装用ラミネートを製造する方法を実現する。

Description

【発明の詳細な説明】 生物分解性包装用ラミネート、該包装用ラミネートを製造する方法 及び該包装用ラミネートから製造された包装容器 技術分野 本発明は少なくとも一つの液密性層と一つの酸素気体バリヤー層を含んでいる 包装用ラミネートに関する。本発明はまた、この包装用ラミネートを製造する方 法及びこの包装用ラミネートから製造され優れた酸素気体バリヤー性を有する液 密性包装容器に関する。 技術背景 包装産業では液状食品を包装し搬送するための１回使用型パッケージ（いわゆ る、１回使用の使い捨てパッケージ）が長い間使用されてきた。かかる１回使用 の使い捨てパッケージはしばしば、フォーミングとシーリングによって所期構造 の充填密封包装容器に転換又はリフォームされているフレキシブル材料から製造 される。 かかる１回使用の使い捨てパッケージのための包装用ラミネートの大きな一群 は液密性外層（例えば、ポリエチレンやポリプロピレンの）を含んでいる様々な タイプのプラスチックフィルム及びプラスチックバッグからなる。 かかる１回使用の使い捨てパッケージのための包装用ラミネートの更にもう一 つの主要な群は紙又は厚紙のコアー層を包含する。 かかる包装用ラミネートの組成はパック入り製品に対して最良の可能な製品保 護性を付与することを意図されていると同時に、パッケージを製造を容易にし且 つ取扱を容易にすることを意図されている。紙又は厚紙のコアー層はパッケージ に良好な機械的構造安定性を与えてパッケージを簡単な合理的仕方で分配し取り 扱うことができるようにする。外側の例えばポリエチレンの液密性被覆は、コア ー層を湿気や液体から保護する。 保存時間及びパックすべき製品のタイプに応じて、包装用ラミネートは更に光 又は気体（例えば酸素気体のような）に対するバリヤー性を有する様々な金属層 又はプラスチック層を含んでいてもよい。 かかる包装容器はしばしば、包装用ラミネートのウェブをウェブ長縁の相互接 合によってチューブに変えることによって製造され、チューブはその後、意図す る内容物を充填され、そして狭い横方向の相互に一定間隔離れたシーリングゾー ンに沿ってサーモシールされる。チューブのこうして互いに密封分離されそれら の意図した内容物を含有している部分はその後、シーリングゾーンにおける切り 込みによって残りのチューブから分離され、そしてシーリングジョイント又はシ ームがどう向いているかに依存して、恐らく折りたたむことによって、任意的な 幾何学的構造にリフォームされる。 一つの慣用の有効な酸素気体バリヤー材料は包装用ラミネートの中に箔（いわ ゆるアルミホイル）の形態で付与されるアルミニウムである。しかしながら、ア ルミホイルの使用は多数の欠点を必然的に伴う。その劣ったフレキシビリティの せいで、折り畳みで形成されたパッケージには折り畳み領域に曲げ及び引張の亀 裂が起こり、包装容器が透過酸素気体に対して気密でない結果をもたらす。加え て、アルミホイルは包装材料のリサイクル又は焼却において取扱が難しく、従っ て、消費された包装容器は環境上好ましくないであろう。 原料利用の経済管理に対して及び消費したパーケッジの回収と再利用の増進に 対して更に厳しい要求がなされているので、包装産業における材料の研究開発は パーケッジ自体の製品保護性及び取扱使用の簡便性に対する要求を無視すること なく生態系や環境にやさしくパーケッジを製造しリサイクル／回収することに従 来より大きく寄与する包装材料の製造及び開発にますます集中してきている。こ の開発傾向に一致して、関心は特に生物分解性の又は堆肥化可能な高分子、いわ ゆる生体高分子や、従来使用の石油系プラスチック例えはポリエチレンに代わる 代替材料として再生可能な原料源からの類似材料に集中してきている。 先に概説したアルミホイル固有の欠点を避けるために、代わりに、例えば、エ チレンビニルアルコール（ＥＶＯＨ）、ポリビニルアルコール（ＰＶＯＨ）、ポ リエチレンテレフタレート（ＰＥＴ）、又はポリアミドのような、高分子材料の 酸素気体バリヤーが使用されるかもしれない。 生物分解性を達成する試みにおいては、ＰＶＯＨ、ＥＶＯＨ、澱粉又は澱粉系 高分子は酸素気体バリヤー材として最も適している。しかしながら、これら材料 は包装用ラミネートの中の隣接層に対する劣った接着性及び高い感湿性の形をと った欠点に悩まされる。湿気又は液体の作用下では、例えばＰＶＯＨ又は澱粉の 層では酸素気体バリヤー性が著しく悪化し、そのために、包装用ラミネートの中 のこれら層は既知の技法に従って例えばポリエチレンの液密性層によって包囲さ れなければならない。 表現「生物分解性の」と「堆肥化可能な」は意味において均等であり、そして 自然界に自由に発生する微生物に曝された物質が環境上許容できない物質の生成 無しで且つ有害な化学物質の添加無しで容易にその生来生じる成分に分解（堆肥 化）されることを意味する。天然条件下でかかる物質がその生来生じる成分に、 少なくとも７０％、より好ましくは少なくとも８０〜９０％、そして最も好まし くは約１００％に相当する量、分解されることが望ましい。 しかしながら、液密性ばかりでなく酸素気密性に対する要求を満たしている包 装材料については、今までは、このような、少なくとも７０％、より好ましくは 少なくとも８０〜９０％、そして最も好ましくは約１００％のレベルの生物分解 性は達成できないことが証明されている。 例えば、ＥＰ５１４１３７及びスウェーデン特許出願第９５０１４８８−２に は、コアー層（例えば紙の）と生物分解性高分子の外層とを含んでいる様々な生 物分解性の包装用ラミネートが記載されている。しかしながら、これら包装用ラ ミネートは酸素気体バリヤー性を全く欠いている。 生体高分子層と他の層とからなる従来の包装用ラミネートに固有の更なる欠点 は、パッケージにおける包装用ラミネートの実用寿命中に包装用ラミネートが離 層すること又はそうでなくとも損傷することがないようにするために必要である ように、十分に合体した積層体構造の中の個々の材料層を信頼性をもって一体に 保つには、ラミネート層間の内部結合強さが不満足であり、そしてしばしば不十 分であるということである。 従って、今までは、包装用ラミネート構造の中の個々の材料層の間の優れた内 部結合強さを有する生物分解性の又は堆肥化可能な包装用ラミネートを製造する ことは従来技術では難しかった。特に、生物分解性の外層を良好な結合強さをも って中間層に結合させることは、それら層が互いに直接ラミネートされるか又は 生物分解性接着剤の結合層の仲介によってラミネートされるかにかかわらず、難 しいことが証明されている。 発明の目的 従って、本発明の一つの目的は、従来技術に密接に関連したタイプの固有問題 を生じない、本明細書の導入部に記載したタイプの新規な包装用ラミネートを実 現することでをる。 本発明の別の目的は、液体バリヤー性及び酸素気体バリヤー性に優れた包装用 ラミネートであって、その中に含まれている全成分が生物分解性であり従って堆 肥化可能であるものを実現することである。 本発明の更に別の目的は、酸素気体バリヤー層と液密性外層を含んでいる生物 分解性の包装用ラミネートであって、この包装用ラミネートの中に含まれている それら層の間の接着又は結合が改善されているものを実現することである。 本発明の更に別の目的は、改良された酸素気体バリヤー性を湿気及び液体の作 用上で維持する酸素気体バリヤー層を含んでいる生物分解性の包装用ラミネート を実現することである。 本発明の更に別の目的は、液体バリヤー性及び酸素気体バリヤー性に優れてお り、その上、熱硬化性に優れている、生物分解性の包装用ラミネートを実現する ことである。 本発明の更に別の目的は、優れた酸素気体バリヤー性を有する液密性で生物分 解性の本発明の包装用ラミネートを製造する方法を実現することである。 最後に、更に、本発明の別の目的は、本発明の包装用ラミネートから製造され た優れた酸素気体バリヤー性を有する液密性で生物分解性の包装容器を実現する ことである。 解決手段 これら及びその他の目的は請求項１に記載されているような特徴を有する積層 包装材料によって達成されるであろう。本発明の包装用ラミネートの好ましい態 様は従属請求項２〜１４から明らかである。 本発明の方法は独立請求項１５に記載されているような特徴を有する。本発明 の方法の変形及び変更は従属請求項１６〜１９から明らかである。 本発明の包装容器は請求項２０と２１にそれぞれ記載されているような特徴を 有する。 発明の概要 かかる包装用ラミネートは、乳酸、グリコール酸、ラクチド、グリコリド、ヒ ドロキシ酪酸、ヒドロキシ吉草酸、ヒドロキシカプロン酸、バレロラクトン、ブ チロラクトン及びカプロラクトンからなる群から選ばれた単量体の単独重合体又 は共重合体から本質的になる群の中から選ばれた、優れた液体バリヤー性を有す る生物分解性でサーモシール性の重合体からなる少なくとも一つの外層を含んで いる。この外層はこれら重合体の混合物を含有してもよい。好ましくは、液体バ リヤー層は乳酸、ラクチド、グリコール酸、グリコリド、ポリヒドロキシブチレ ート、ポリヒドロキシバレレート、ヒドロキシカプロン酸又はカプロラクトンの 単独重合体又は共重合体、例えば、乳酸とカプロラクトンの共重合体、又は乳酸 とグリコール酸の共重合体を包含する。最も好ましい態様においては、液体バリ ヤー層は実質的にポリラクチド又はポリ乳酸（ポリ−Ｌ−乳酸とポリ−Ｄ−乳酸 の共重合体も包含される）からなる。 ポリラクチドは容易に入手できる物質であり、それは包装用ラミネートの中の 湿気バリヤー又は液体バリヤーとして十分に適する。自然界に自由に発生する微 生物の作用では、それは殆ど１００％生物分解可能であり、その上、サーモシー ル性であり、それはポリラクチドをして包装用ラミネートの外層の中の物質とし て、包装用ラミネートをパッケージにリフォームする際のサーモシーリングによ ってしっかりして機械的に強くかつ耐久性のシーリングジョイントを形成するた めには特に魅力的にさせている。 液体バリヤー層の中に含有される重合体に添加される当業者に既知の添加物、 例えば可塑剤は、それらがパック入り製品にマイナス影響を与えず且つそれらが 包装材料の生物分解を妨げない又は生物分解で環境上許容できない物質にならな い条件で、本発明に従って使用されてもよい。 更に、この包装用ラミネートは、エチレンビニルアルコール（ＥＶＯＨ）共重 合体（エチレン比率約２０〜５０モル％）、ポリビニルアルコール（ＰＶＯＨ） 、 澱粉又は澱粉誘導体のような生物分解性重合体からなる酸素気体バリヤー層を含 有する。一つの好ましい態様によれば、酸素気体バリヤー層は少なくとも９０％ の加水分解度を有するＰＶＯＨを包含する。ＰＶＯＨは良好な生物分解性を示し 且つ極めて良好な酸素気体バリヤー性を有する重合体である。ＥＶＯＨに関連し て、ＰＶＯＨはより優れた生物分解性及び約１０倍優れた酸素気体バリヤー性を 示し、同時に、認められているように、より優れた結合性又は接着性が達成でき る。加えて、ＰＶＯＨはＥＶＯＨより経済的である。 ラミネートの中の外側の液体バリヤー層は中間にある酸素気体バリヤー層を、 さもなくば、その酸素気体バリヤー性にマイナスに影響する湿気及び液体から防 護する。湿気の攻撃に対する酸素気体バリヤー層の抵抗を更に増加させるために は、架橋剤が添加されてもよい。ＥＶＯＨ又はＰＶＯＨのための適する架橋剤は ジアルデヒド、例えば、グリオキサール又はグルタルアルデヒド、並びに酸無水 物である。多糖類例えばチトサンとジアルデヒド又は酸無水物とからなる組合せ もまた、デンマーク特許出願第１４５１／９５に記載されているようにＥＶＯＨ 又はＰＶＯＨの架橋を達成するために添加されてもよい。その他の適する架橋剤 は当業者に周知である。 架橋剤は酸素気体バリヤー層に、好ましくは約０．５〜２０モル％に相当する 量で、より好ましくは約０．５〜１０モル％に相当する量で添加される。 特に、上記の酸素気体バリヤー層を酸素気体バリヤー層中に含まれる重合体の 水性分散物の形態で生物分解性重合体の液体バリヤー層の上に適用することによ って、好ましくは分散物塗布プロセスとその後に所期水分に乾燥することによっ て、２つの層の間に予想外に良好な接着性が得られるであろう。また、前記方法 によって、酸素気体バリヤー重合体の、非常に薄いがなお均質であり均一分布さ れた層を適用できる。従って、優れた気体バリヤー性は１〜１０ｇ／ｍ²のよう な少量の気体バリヤー重合体をもってしても達成できる。 また、改良された接着性は酸素気体バリヤー層の中に接着剤を混入することに よつて又は層間に接着剤の中間層を適用することによって達成されてもよい。本 発明に従う適する生物分解性接着剤の例はエチレンビニルアセテート（ＥＶＡ） 又はポリビニルアセテート（ＰＶＡｃ）である。酸素気体バリヤー層の中に接着 剤を混入することは、好ましくは５０重量％までの量で、最も好ましくは２０〜 ３０重量％の量で行われる。間に介在する接着剤層は好ましくは水性分散物の形 態で、最も好ましくは分散物塗布過程とその後の乾燥によって適用される。 本発明による包装用ラミネートはまた、セルロース系繊維材料、例えば、紙又 は厚紙、又は生体高分子の、生物分解性の堆肥化可能なコアー層を包含してもよ い。用語「生体高分子」は液体バリヤー層に適する上記の生体分解性重合体を意 味するが、当業者に知られているその他の生物分解性重合体も意味する。かかる 生体高分子は脂肪族ポリエステル又は澱粉系物質であってもよい。コアー層に使 用される生体高分子は均質な又は発泡した又は膨張した構造体のものであっても よい。 図面の簡単な説明 本発明の上記特徴を図面を参照しながら更に詳細に説明する。 図１は本発明の包装用ラミネートの一つの態様例の断面の概略図である； 図２はコアー層を含む本発明の包装用ラミネートの一態様の概略図である；そ して 図３ａ及び図３ｂは、図１に示した本発明の態様の包装用ラミネートを製造す る２つの互いに代わりうる方法を概略的に図解している。 本発明は図に示された具体的態様を引用して下記に詳細に説明するが、当業者 には添付の請求の範囲に記載されている通りの本発明の概念から逸脱することな く様々な改変及び変形が可能であることが明らかであろう。 好ましい態様の説明 従って、図を引用して説明すると、図１は本発明の包装用ラミネート１０の或 る態様の断面を示している。包装用ラミネート１０は外側の液体バリヤー層１１ および１３と、それらの間に適用されている酸素気体バリヤー層１２を含んでい る。 液体バリヤー層１１及び１３は好ましくは実質的にポリラクチドからなり、そ して層１１は好ましくは予め加工された商業的に入手可能なポリラクチド フィ ルムである。 酸素気体バリヤー層１２は、加水分解度が少なくとも９０％であるＰＶＯＨを 包含する。酸素気体バリヤー層の耐湿性を増加させるために、適用前のＰＶＯＨ にグリオキサール又はグルタルアルデヒドの形態の架橋剤が添加されている。 ＰＶＯＨの気体バリヤー重合体は澱粉又は澱粉誘導体の重合体によって置き換 えてもよい。 酸素気体バリヤー層は好ましくは１〜１０ｇ／ｍ²、より好ましくは３〜５ｇ ／ｍ²に相当する量で適用される。 酸素気体バリヤー層１２及び外側の液密性層１１及び１３はそれぞれ、互いに 直接に結合されてもよいし、又はそれぞれ接着剤の中間層１４、１５、例えば、 ＥＶＡ又はＰＶＡｃのような、によって間接的に結合されてもよい。かかる接着 剤の中間層は包装用ラミネートにおける接着性と強度を更に改良し、そして好ま しくは約０．５〜５ｇ／ｍ²に相当する量で適用される。代わりに、隣接層に対 するその接着能力を増大させるために、酸素気体バリヤー層の中に例えばＥＶＡ 又はＰＶＡｃのような接着剤を、好ましくは５０重量％迄の量で、より好ましく は２０〜３０重量％の量で混入させてもよい。 図２は本発明の包装用ラミネート２０の一態様の断面を示す。包装用ラミネー ト２０は、図１の中のそれぞれ層１１及び１２と同じ成分をもった、外側の液体 バリヤー層１１及び酸素気体バリヤー層２２を含んでいる。酸素気体バリヤー層 で被覆された液体バリヤー層は間に介在するＰＶＡｃ又はＥＶＡの接着剤層によ って紙又は厚紙のコアー層２３に積層されている。この接着剤層は被覆されたプ ラスチックフィルムと厚紙を互いに結合させるために約０．５〜５ｇ／ｍ²に相 当する量で適用されている。 図１における包装用ラミネート１０は、図３ａに又は代わりに図３ｂに概略的 に図解されている方法で本発明に従って製造できる。包装用ラミネートの構成と その製造との間の比較を容易にするために、図３においては図１におけると同じ 引用数字を用いており、それに第一又は第二の追加符号（’）又は（”）を付し てある。 生物分解性重合体、好ましくはポリラクチド、の予め加工されたフィルムのウ ェブ１１’をマガジンリールから繰り出し、そしてウェブに隣接して配置されて いるアプリケーター３１を通過させ、そのアプリケーターの助けによってウェブ は例えばＥＶＡ又はＰＶＡｃのような生物分解性接着剤の水性分散物の薄い連続 層で、好ましくは塗布によって、覆われる。水性分散物はウェブ１１’に０．５ 〜５．０ｇ／ｍ²に相当する量で適用され、この量は本発明によれば包装用ラミ ネートの中の層間の最良の可能な結合強さを達成するのに最適な量である。 接着剤分散物で被覆されたウェブはその後、この適用された接着剤層の水分が 適するレベルに設定されるように水を追い出す（蒸発させる）ためにウェブの処 理面に作用する乾燥装置３２、例えば、ＩＲ乾燥器（赤外照射）又は熱風ユニッ ト、によって乾燥される。 乾燥されたウェブ１４’は次いで、３３において、優れた酸素気体バリヤー性 を有する生物分解性重合体（例えばＰＶＯＨのような）の水性分散物で、好まし くは塗布プロセスにより、覆われる。水性分散物はウェブ１４’の上に１〜１０ ｇ／ｍ²、好ましくは３〜５ｇ／ｍ²、に相当する量で適用され、その後で、ウェ ブの処理面に作用する乾燥装置３４によって乾燥され、この装置は上記の乾燥装 置３２と同じタイプ又は任意の他の適するタイプであり、酸素気体バリヤー層１ ２の中の適切な水分を設定する。次いで、この酸素気体バリヤー層で被覆された ウェブ１２’は３５において、３１におけると同じようにＥＶＡ又はＰＶＡｃの 水性分散物によって、その後の３６において３２におけると同じ仕方で乾燥され るためには０．５〜５．０ｇ／ｍ²に相当する量で、被覆される（好ましくは塗 布によって）。 こうして得られたウェブ１５’は最後にポリラクチドの液体バリヤー層を実質 的に２つの互いに代わりうる方法でラミネートされる。 図３ａはどのようにしてウェブ１５’がベンディングローラー３７を経て加熱 ローラーニップ３８を通って導かれ、それと同時に、予め加工されたポリラクチ ドフィルム１３’のウェブと一体化されるかを示しており、２つのウェブ１５’ と１３’は包装用ラミネート１０’を形成するために加熱ローラー３８の間のニ ップを通過するときに熱と圧力の供給下で表面融着によって互いにサーモラミネ ートされ永久的に互いに結合される。 代わりに、図３ｂはどのようにして、酸素気体バリヤー層１２と接着剤層１４ 及び１５によって被覆されたウェブ１５’がベンディングローラー３７を経て加 熱ローラーニップ３９を通って導かれ、同時に、生物分解性の即ち堆肥化可能な 材料（好ましくはポリラクチド）の薄い連続層１３”が押出機４０によってウェ ブ１５’の上面に押し出されて十分に一体化したウェブ形状の包装用ラミネート １０”を形成するかを示している。 サーモラミネートされたウェブ１０’又は押し出し被覆されたウェブ１０”は それぞれに、その後、更なる搬送及び取扱のためにマガジンリール（図示されて いない）の上に巻き取られてもよいし、又はそのまま包装充填用マシンの中に導 かれてもよい。 本発明の包装用ラミネートは通常のチューブ又は折りたたみの形成によって包 装容器の状態に形づくられてもよい。更に、本発明の包装用ラミネートはサーモ フォーミングに十分適している。様々な折りたたみ形成、シーリング及びサーモ フォーミングのプロセスは当業者に知られており、そして既知の技法に従って本 発明の包装用ラミネートに適応される。 本発明による包装容器は使用して空になった後に、生物分解によって、環境上 許容できない分解生成物を生じることなく、環境上許容できる仕方で堆肥化する ことができる。本発明の包装容器の分解又は堆肥化を促進するためには、包装材 料への水分及び微生物の接近を促進するために細粉化又は他の手段によって分解 してもよい。 上記説明から明らかになったであろうように、設定された目的は本発明に従っ て優れた液体バリヤー性と酸素気体バリヤー性を有し含有成分の全てが生物分解 性である包装用ラミネートを製造するために入手容易な材料と存在する技法及び 装置を使用して容易かつ有効に達成できるであろう。この包装用ラミネートは含 まれている各層の間の良好な接着性、優れたサーモシーリング性、及び湿気や液 体の攻撃下でさえ維持される優れた酸素気体バリヤー性を示す。更に、本発明は 本発明に従う包装用ラミネートから製造された生物分解性の包装容器を製造する 方法を実現する。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 1. 少なくとも一つの液密性層（１１）と一つの酸素気体バリヤー層（１２） を含んでおり、包装用ラミネートの中に含まれる全ての層が生物分解性であるこ とを特徴とする、包装用ラミネート（１０；２０）。 2. 前記液密性層（１１、１３）が、乳酸、グリコール酸、ラクチド、グリコ リド、ヒドロキシ酪酸、ヒドロキシ吉草酸、ヒドロキシカプロン酸、バレロラク トン、ブチロラクトン及びカプロラクトンからなる群から選ばれた単量体の単独 重合体又は共重合体を含んでいることを特徴とする、請求項１の包装用ラミネー ト。 3. 前記液密性層（１１、１３）が、ポリラクチド単独重合体及びポリラクチ ド共重合体からなる群から選ばれた重合体を含んでいることを特徴とする、請求 項１又は２の包装用ラミネート。 4. 前記酸素気体バリヤー層（１２）が、ポリビニルアルコール、澱粉及び澱 粉誘導体からなる群から選ばれた重合体を含んでいることを特徴とする、請求項 １〜３のいずれか一項の包装用ラミネート。 5. 前記ポリビニルアルコールが少なくとも９０％の加水分解度を有すること を特徴とする、請求項４の包装用ラミネート。 6. 前記酸素気体バリヤー層（１２）がポリビニルアルコールを含み更に架橋 剤も含んでいることを特徴とする、請求項４又は５の包装用ラミネート。 7. 前記酸素気体バリヤー層（１２）が更に生物分解性接着剤を含んでいるこ とを特徴とする、請求項４〜６のいずれか一項の包装用ラミネート。 8. 前記酸素気体バリヤー層（１２）と前記液体バリヤー層（それぞれ１１、 １３）の間に生物分解性接着剤の層（それぞれ１４及び１５）が配置されている ことを特徴とする、請求項４〜７のいずれか一項の包装用ラミネート。 9. 前記接着剤がエチレンビニルアセテート及びポリビニルアセテートからな る群から選ばれることを特徴とする、請求項７又は８の包装用ラミネート。 10．前記酸素気体バリヤー層（１２）が分散物塗布によって適用されているこ とを特徴とする、先行請求項のいずれか一項の包装用ラミネート。 11．前記酸素気体バリヤー層（１２）が１〜１０ｇ／ｍ²の量で適用されてい ることを特徴とする、先行請求項のいずれか一項の包装用ラミネート。 12．前記液体バリヤー層（１１）及び酸素気体バリヤー層（１２）に加えて、 更に、生物分解性材料のコアー層（２３）を含んでいることを特徴とする、先行 請求項のいずれか一項の包装用ラミネート（２０）。 13．前記コアー層（２３）が紙又は厚紙からなることを特徴とする請求項１２ の包装用ラミネート。 14．前記コアー層（２３）が発泡又は膨張した生体高分子からなることを特徴 とする、請求項１２の包装用ラミネート。 15．請求項１〜１４項のいずれか一項の生物分解性の包装用ラミネートを製造 する方法であって、前記酸素気体バリヤー層（１２）が予め加工された生物分解 性の液体バリヤー層（１１）の上に塗布過程によって適用されることを特徴とす る、前記方法。 16．前記液体バリヤー層（１１）に結合した酸素気体バリヤー層（１２）が、 予め加工された第二の生物分解性の液体バリヤー層（１３）によってサーモラミ ネーションによって被覆されることを特徴とする、請求項１５の方法。 17．前記液体バリヤー層（１１）に結合した酸素気体バリヤー層（１２）が、 第二の生物分解性の液体バリヤー層（１３）で押出によって被覆されることを特 徴とする、請求項１５の方法。 18．前記の予め加工された生物分解性の液体バリヤー層（１１）の上に接着剤 の層（１４）が塗布によって適用され、そして乾燥されること；およびその後、 この接着剤で被覆された液体バリヤー層（１１／１４）の上に、酸素気体バリヤ ー層（１２）が塗布過程によって適用されることを特徴とする、請求項１５の方 法。 19．前記液体バリヤー層（１１）に結合した酸素気体バリヤー層（１２）の上 に接着剤の層（１５）が塗布によって適用され、そして乾燥されること；及びそ の後、前記接着剤層（１５）が前記第二液体バリヤー層（１３）で被覆されるこ とを特徴とする、請求項１６又は１７の方法。 20．請求項１〜１４のいずれか一項の包装用ラミネートから製造された、優れ た酸素気体バリヤー性を有する液密性で生物分解性の包装容器。 21．請求項１〜１４のいずれか一項の包装用ラミネートのサーモフォーミング によって製造された、優れた酸素気体バリヤー性を有する液密性で生物分解性の 包装容器。