JP2008143274A - 空調用レジスタ - Google Patents

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実 柴田
Nobuhiro Terai
伸弘 寺井
Shigenori Shibata
成徳 柴田
Masaki Otake
正起 大竹
Shohei Kinoshita
昇平 木之下
Yasuyo Asano
耕世 浅野
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Abstract

【課題】フィンの剛性を確保しつつ圧力損失を抑制することのできる空調用レジスタを提供する。
【解決手段】横長長方形状の開口91を下流端に有するリテーナ20内に下流側フィン群40及びシャットダンパ80を配置してなる空調用レジスタ15において、下流側フィン群40における両端の端フィン41,42を、リテーナ20の第2壁部28,29の近傍であって開口91よりも外側方(上方又は下方)に配置する。下流側フィン群40における中央の中間フィン43を、シャットダンパ80の最大厚みt2と略同一の厚みt1となるように形成する。さらに、中間フィン43及びシャットダンパ80がともに通風方向に平行にされたときに、開口91での通風方向に直交する投影面95についてシャットダンパ80と略同一の箇所に投影されるように中間フィン43を配置する。
【選択図】図3

Description

本発明は、空調装置から送られてきて室内に吹き出される空気の向きを変えたり、その空気の吹き出しを遮断したりする空調用レジスタに関するものである。
自動車等の車両では、ナビゲーションシステム等の機器の操作や機器状態の表示のため、インストルメントパネルのセンタークラスタにディスプレイ装置が設置される場合がある。この場合、図11において実線で示すように、ディスプレイ装置の表示部102(画面部分)は、運転者の視点移動を少なくする観点からセンタークラスタ101の上部に配置される。また、センタークラスタ101の上部には表示部102の他にも、空調装置の吹出口部分を構成する空調用レジスタ103を設ける必要があり、従来はこの空調用レジスタ103が、表示部102の両脇(車幅方向両側)に配置されている。
空調用レジスタ103は、図12及び図13に示すようにリテーナ110、複数枚の下流側フィン121、複数枚の上流側フィン131、シャットダンパ140等を備えて構成されている。リテーナ110は、両端を開口した筒状体からなり、その内部空間を通風路111としている。
複数枚の下流側フィン121は、リテーナ110内であってその下流側の開口112の近傍で車幅方向に延び、かつ略上下方向に互いに平行に離間した状態で配列されている。各下流側フィン121は、支軸122によりリテーナ110の側壁113に略上下方向への傾動可能に支持されている。各下流側フィン121は、リンク機構(図示略)により互いに機械的に連結されている。
複数枚の上流側フィン131は、リテーナ110内の上記下流側フィン121の上流近傍に配置されている。これらの上流側フィン131は、略上下方向に延び、かつ車幅方向(左右方向)に互いに平行に離間した状態で配列されている。各上流側フィン131は、支軸132によりリテーナ110の上壁114及び底壁115に左右方向への傾動可能に支持されている。各上流側フィン131は、リンク機構134により互いに機械的に連結されている。
上流側フィン131及び下流側フィン121の各傾きを手動により調整するために、特定の下流側フィン121上には、ラックギヤ123を有する操作ノブ124が車幅方向へのスライド可能に嵌合されている。また、特定の上流側フィン131にはピニオンギヤ133が設けられており、このピニオンギヤ133が上記ラックギヤ123に噛み合わされている。
シャットダンパ140は、通風路111を開閉するためのものであり、リテーナ110内の上流側フィン131よりも上流側に配置され、支軸141によりリテーナ110の側壁113に回動可能に支持されている。
上記構成の空調用レジスタ103によると、シャットダンパ140が通風方向に平行にされると、通風路111が全開状態となり、空気の流通が許容される(図13の実線参照)。これに対し、シャットダンパ140が傾斜状態にされて通風路23が閉塞されると、空気の流通が遮断される(図13の二点鎖線参照)。
また、操作ノブ124が車幅方向へ操作されると、特定の上流側フィン131が支軸132を支点として同方向へ傾動する。この上流側フィン131の動きは、リンク機構134を介して他の全ての上流側フィン131に伝達され、これらの上流側フィン131が上記特定の上流側フィン131に同期して傾動する。空気は、上記のように傾動した上流側フィン131に沿って流れ、向きを変えられる。
また、操作ノブ124が上方又は下方へ操作されると、特定の下流側フィン121が、支軸122を支点として同方向へ傾動する。この下流側フィン121の動きは、リンク機構を介して他の全ての下流側フィン121に伝達され、これらの下流側フィン121が上記特定の下流側フィン121に同期して傾動する。空気は、上記のように傾動した下流側フィン121に沿って流れ、向きを変えられる。
ところで、上記表示部102は、視認性向上のために図11において二点鎖線で示すように大型化の一途をたどっている。この場合、表示部102の両側の空調用レジスタ103についても、その位置が車幅方向外方へ変更される。
しかし、上記位置の変更に伴い右側の空調用レジスタ103がハンドル(ステアリングホイール)104に近づくことから、次の問題が新たに生ずる。その1つは、ハンドル(ステアリングホイール)104を把持する運転者の腕に、右側の空調用レジスタ103から吹き出た空気が直接当たって、運転者に煩わしさを感じさせるおそれがあることである。また、右側の空調用レジスタ103から吹き出た空気が運転者の腕によって妨げられると、その空気が車室内を循環しにくくなる問題もある。
これに対しては、空調用レジスタ103を、表示部102の両脇ではなく直上に配置することが考えられる。ところが、上記従来の空調用レジスタ103をそのままの形態で表示部102の直上に配置すると、それに伴ってセンタークラスタ101を含むインストルメントパネル100の高さが高くなる。その結果、開放感が得られにくくなり、逆に圧迫感や閉塞感を乗員に感じさせるおそれがある。
そこで、表示部102の直上に配置される空調用レジスタ103として上下方向に薄型のものを用いることにより、インストルメントパネル100の高さを低く抑えようとする試みがなされている(例えば、特許文献1参照)。
図12及び図13を用いて説明した上記空調用レジスタ103の場合、上記薄型化に伴い、リテーナ110として、横長長方形状の開口112を有するものが用いられる。各下流側フィン121として車幅方向に細長いものが用いられ、各上流側フィン131として高さの低いものが用いられる。この点、特許文献1に記載された空調用レジスタでも同様である。
特許第3572480号公報
上記薄型の空調用レジスタ(特許文献1に記載された空調用レジスタを含む)では、非薄型の空調用レジスタに比べて下流側フィン121として細長いものが用いられることから、剛性の不足が懸念される。この点については、剛性を確保するために下流側フィン121の厚みを大きくする対策が有効である。
一方、空調用レジスタ103の構成部品のうち、通風路111におけるシャットダンパ140、上流側フィン131、下流側フィン121等は通風抵抗となり、圧力損失の増大を招く。その結果、空調用レジスタ103から吹き出される風の強さが低下したり、風の到達距離が短くなったりする。
この通風抵抗の指標として実開口面積がある。実開口面積は、通風路111の開口112において通風方向に直交する面を投影面とした場合、その投影面において上記各種部品が投影されていない箇所の面積である。実開口面積が小さくなるに従い通風抵抗が増し、圧力損失が増大する。従って、こうした圧力損失の増大を抑えるうえでは、投影面において、上記各種部品が投影される箇所の面積を小さくすることが重要である。
しかしながら、上述したように下流側フィン121の厚みを大きくすると、剛性を高めることができる反面、投影面において下流側フィン121の投影される箇所の面積が増大して実開口面積が一層減少し、圧力損失が増大する。
本発明は、このような実情に鑑みてなされたものであって、その目的は、フィンの剛性を確保しつつ圧力損失を抑制することのできる空調用レジスタを提供することにある。
上記の目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、内部空間を通風路とし、かつ長方形状の開口を下流端に有する筒状体からなり、同筒状体について前記通風路周りの4つの壁部のうち前記開口の短辺に対応するものを第1壁部とし、長辺に対応するものを第2壁部としたリテーナと、前記リテーナ内で前記長辺に沿う方向に延びる3枚以上のフィンからなり、これらのフィンが前記短辺に沿う方向に互いに離間した状態で配列されて前記第1壁部に傾動可能に支持されたフィン群と、前記フィン群よりも上流側で前記通風路を開閉するシャットダンパとを備える空調用レジスタであって、前記フィン群のうち、配列方向の両端に位置するフィンを端フィンとして、前記第2壁部の近傍であって前記開口よりも外側方に配置するとともに、前記配列方向の中央に位置するフィンを中間フィンとして前記シャットダンパと略同一の厚みとなるように形成し、かつ前記開口での通風方向に直交する面を投影面とした場合に、前記中間フィン及び前記シャットダンパがともに前記通風方向に平行にされたときに、前記投影面について前記シャットダンパと略同一の箇所に投影されるように前記中間フィンを配置したことを要旨とする。
上記空調用レジスタでは、フィン群における中間フィンがシャットダンパと略同一の厚みを有しているため、同フィンの剛性は、フィンがシャットダンパよりも薄い場合に比べて高くなる。
また、通風路に配置された部品であるシャットダンパ及びフィンは通風抵抗となり、圧力損失の増大を招く。ここで、実開口面積(投影面においてシャットダンパ及びフィンが投影されていない箇所の面積)を通風抵抗の指標として用いた場合、通風路における上記シャットダンパ、フィン等の部品の存在により、実開口面積が小さくなるに従い通風抵抗が増し、圧力損失が増大する。従って、圧力損失の増大を抑えるうえでは、投影面において、上記シャットダンパ及びフィンが投影される箇所の面積を小さくすることが重要である。
この点、請求項1に記載の発明では、厚みの増大された中間フィンが、投影面についてシャットダンパと略同一の箇所に投影されるように配置されている。表現を変えると、投影面において中間フィンの投影される箇所の大部分は、シャットダンパの投影される箇所と重複する。そのため、投影面において、中間フィンが、シャットダンパの投影される箇所から大きく外れた箇所で投影される場合に比べ、投影面における上記両箇所の面積の合計が小さくなる。
さらに、フィン群における端フィンは、それぞれ第2壁部の近傍であって開口よりも外側方に配置されていることから、これらの端フィンが投影面において投影される箇所の面積は非常に小さい。
上記のようにして、請求項1に記載の発明では、投影面において、通風路中の部品(シャットダンパ、中間フィン及び端フィン)の投影される箇所の面積が小さくなる。その結果、上記部品に起因する実開口面積の減少が少なくなり、通風抵抗が小さくなって圧力損失が抑制される。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記フィン群は、一対の前記端フィン及び1枚の前記中間フィンのみからなることを要旨とする。
リテーナの下流端の開口が長方形状をなしていて、フィンの配列される空間がその配列方向に狭い。しかし、上記の構成によれば、フィンの数を風向き調整のために採り得る最小枚数である3枚としたことで、風向き調整機能を確保しつつ、隣り合うフィン間の間隔(流路)を効率よく大きくすることができる。
ここで、中間フィンの厚みをt1とし、シャットダンパの最大厚みをt2とした場合、請求項3に記載の発明によるように、前記厚みt1は、t2−0.5〔mm〕≦t1≦t2+0.5〔mm〕の関係を満たす値に設定されていることが望ましい。この設定により、投影面において中間フィンが投影される箇所の大部分は、シャットダンパが投影される箇所と重複する。そのため、中間フィンの厚みを増して剛性を高めることと、その厚みの増大が実開口面積の減少に及ぼす影響を小さくして圧力損失を抑制することの両立を確実に図ることができる。
請求項4に記載の発明は、請求項1〜3のいずれか1つに記載の発明において、前記通風路について前記シャットダンパが設けられた箇所は、前記開口よりも大きな流路面積を有することを要旨とする。
一般に、通風路における空気の流速分布は、その通風路(リテーナ)の中心部分で流速が最大となり、中心部分から離れる(リテーナの内壁に近づく)に従い流速が減少する分布となる。これは、空気がリテーナの内壁から摩擦力を受けるからである。
基本的にはこうした流速分布となるところ、シャットダンパは空気の流速を低下(減衰)させる要因となる。その結果、上記流速分布もまた上記の傾向を維持しながら全体的に流速の低下した分布となる。
ここで、上記流速の低下度合い、ひいては流速分布の形は流路面積に応じて異なる。流路面積が大きくなるほど、流速の低下度合いが全体的に小さくなる(流速分布がなだらかになる)傾向にある。
この点、請求項4に記載の発明では、通風路についてシャットダンパが設けられた箇所は、開口よりも大きな流路面積を有している。そのため、流路面積の大きくなった分、流速の低下度合いを全体的に小さくし(なだらかな流速分布とし)、シャットダンパによる流速の減衰を少なくすることができる。
本発明の空調用レジスタによれば、中間フィンをシャットダンパと略同一の厚みに形成しているため、同フィンの剛性を高めることができる。また、端フィンを開口よりも外側方に配置するとともに、中間フィンを投影面についてシャットダンパと略同一の箇所に投影されるように配置しているため、投影面においてシャットダンパ及び中間フィンの投影される箇所の面積を小さくして実開口面積を確保し、圧力損失を抑制することができる。
以下、本発明を具体化した一実施形態について、図1〜図10を参照して説明する。なお、以下の記載においては、車両の進行方向(前進方向)を前方とし、後進方向を後方とし、高さ方向を上下方向として説明する。また、車幅方向(左右方向)については、車両を後方から見た場合を基準として左右方向を規定する。
図1に示すように、車両の運転席及び助手席の前方にはインストルメントパネル11が設けられ、その車幅方向中央部にはセンタークラスタ12が設けられている。センタークラスタ12の上部には、ナビゲーションシステムにおけるディスプレイ装置の表示部13が取り付けられている。表示部13は、操舵装置のハンドル(ステアリングホイール)14の斜め左前方に位置している。
センタークラスタ12の上部であって、表示部13の直上には、一対の空調用レジスタ15,15が車幅方向に並べられた状態で組み込まれている。これらの空調用レジスタ15,15は、空調装置から送られてきて車室内に吹き出される空気の向き(風向き)を調節したり、その空気の吹き出しを遮断したりするためのものである。
両空調用レジスタ15,15を上記箇所に配置したのは、仮に表示部13の両脇(車幅方向についての両側)に配置すると、次の不具合が生ずるからである。(i)ハンドル14を握る運転者の腕に右側の空調用レジスタ15から吹き出された空気が直接当たり、運転者に煩わしさを感じさせる。(ii)運転者の腕によって空気の流れが妨げられると、右側の空調用レジスタ15から吹き出される空気が車室内を循環しにくくなる。
そして、センタークラスタ12を含むインストルメントパネル11の高さを低く抑えるために、より詳細には、空調用レジスタ15の組み込みに伴い図1において二点鎖線で示すようにインストルメントパネル11の高さが高くなるのを抑制するために、同図1において実線で示すように、空調用レジスタ15として高さの低い薄型のものが用いられている。
空調用レジスタ15,15は略同一の構成を有している。図3に示すように各空調用レジスタ15は、リテーナ20、下流側フィン群40、上流側フィン群60、シャットダンパ80等を備えて構成されている。次に、これら各部の基本構成について説明する。
<リテーナ20>
図3及び図4の少なくとも一方に示すように、リテーナ20は、空調装置の通風ダクト(図示略)と、センタークラスタ12に設けられた開口12a(図3参照)とを繋ぐためのものであり、上流側部材21、下流側部材22及びカバー90を備えて構成されている。上流側部材21及び下流側部材22は、いずれも両端を開口してなる略方形の筒状体からなり、直列に配置されて相互に連結されている。これらの上流側部材21及び下流側部材22の内部空間は通風路23とされている。
上流側部材21における上流側の開口21aは、通風ダクトからの空気の導入口を構成している。この開口21aは、通風路23に直交する断面と同一の形状を有している。
これに対し、下流側部材22における下流側の開口22aは、通風路23と直交する断面よりも高さ方向に若干小さな形状を有している。詳しくは、下流側部材22の下流端における上部及び下部にはそれぞれ板状部24,25が形成されている。上側の板状部24は上側ほど運転席及び助手席から前方へ遠ざかるように傾斜している。また、下側の板状部25は略垂直状に配置されている。そして、これらの板状部24,25によって挟まれた箇所が上記開口22aとなっている。
カバー90はリテーナ20の意匠面を構成するものであり、下流側部材22の開口22aよりも小さな開口91を有している。この開口91は、空調用レジスタ15の実質的な吹出口を構成するものである。本実施形態では、この開口91の高さHが30mmに設定され、幅Wが120mmに設定されている(図2参照)。ここでの高さHは通風路23に直交する断面での高さである。
図5において二点鎖線で示すように、カバー90には、上流側(車両前側)へ突出する係止部92が設けられている。また、カバー90には取付け部(図示略)が設けられており、この取付け部においてカバー90が下流側部材22に対し下流側から装着されている。
図2及び図3の少なくとも一方に示すように、通風路23は、リテーナ20の4つの壁部によって取り囲まれている。これらの4つの壁部を区別するために、図2における開口91の短辺Aに対応するものを第1壁部26,27といい、長辺Bに対応するものを第2壁部28,29というものとする。通風路23に直交する断面が横長の長方形状をなす本実施形態では、車幅方向に相対向する壁部が第1壁部26,27となり、上下方向に相対向する壁部が第2壁部28,29となる。
図3及び図5の少なくとも一方に示すように、両第1壁部26,27の下流端縁30において、上記開口22aに対応する箇所は、上側ほど運転席及び助手席から前方へ遠ざかるように傾斜している。各第1壁部26,27において、上記のように傾斜した下流端縁30には、それぞれ3つの軸受凹部31がその傾斜方向に沿って等間隔毎に設けられている。
また、上側の第2壁部28には、複数の軸受部32が、上記長辺Bに沿う方向(車幅方向)に等間隔毎に設けられている。これに対応して、下側の第2壁部29にも、軸受部33が長辺Bに沿う方向に等間隔毎に設けられている。
<下流側フィン群40>
下流側フィン群40は、リテーナ20内の開口91の近傍で長辺Bに沿う方向(車幅方向)に延びる3枚の下流側フィンからなる。下流側フィン群40及び下流側フィンは、請求項におけるフィン群及びフィンにそれぞれ該当する。これらの下流側フィンは、いずれも通風路23に沿う方向に所定の幅を有する偏平細長状に形成されており、短辺Aに沿う方向(略上下方向)に互いに離間した状態で配列されている。
ここで、上記3枚の下流側フィンを区別するために、配列方向の両端に位置するものを端フィン41,42といい、中央に位置するものを中間フィン43というものとする。端フィン41,42は、対応する第2壁部28,29の近傍に配置されている。
図4及び図5の少なくとも一方に示すように、端フィン41,42及び中間フィン43の各々について、それらの長辺Bに沿う方向についての両端面にはそれぞれ支軸45が設けられている。そして、これらの支軸45が上述した軸受凹部31に回動可能に係合されている。各支軸45は、上記カバー90の係止部92によって軸受凹部31からの脱落不能に係止されている。上記係合により、各端フィン41,42及び中間フィン43は、それぞれ支軸45を支点として短辺Aに沿う方向(略上下方向)へ傾動可能である。
端フィン41,42及び中間フィン43の各々について、その少なくとも一方の支軸45は対応する第1壁部26よりも外側に突出している。これらの突出する支軸45の端部には、それぞれアーム46が一体に形成されている。各アーム46は、支軸45を起点として上流側へ真っ直ぐに延びており、その延出端に連結突部47を有している。
各アーム46は、略上下方向に細長い連結ロッド48によって連結されている。より詳しくは、連結ロッド48には、上記端フィン41,42及び中間フィン43の配置間隔と同間隔で孔49があけられており、これらの孔49に各アーム46の連結突部47が回動可能に係合されている。これらのアーム46、連結突部47、連結ロッド48等により、端フィン41,42及び中間フィン43を機械的に連結するリンク機構が構成されている。
<上流側フィン群60>
図2及び図3の少なくとも一方に示すように、上流側フィン群60は、リテーナ20内の上記下流側フィン群40の上流近傍であって、開口91の短辺Aに沿う方向(略上下方向)に延びる複数枚の上流側フィン61からなる。これらの上流側フィン61は、上記開口91の長辺Bに沿う方向(車幅方向)に互いに平行に離間した状態で配列されている。各上流側フィン61は、上側ほど運転席及び助手席から前方へ遠ざかるように傾斜する略平行四辺形の薄板状をなしている。
各上流側フィン61の短辺Aに沿う方向についての両端面には、支軸62,63がそれぞれ傾斜した状態で設けられている。そして、上側の支軸62が、上記第2壁部28の軸受部32に回動可能に係合されるとともに、下側の支軸63が上記第2壁部29の軸受部33に回動可能に係合されている。そのため、各上流側フィン61は、これらの支軸62,63を支点として開口91の長辺Bに沿う方向(車幅方向)へ傾動可能である。
上流側フィン61の各々について、その一方(ここでは上方)の支軸62は、対応する上側の第2壁部28よりも外側(上側)に突出している。これらの突出する支軸62の端部には、それぞれアーム64が形成されている。各アーム64は、支軸62を起点として下流側(車両後ろ側)へ延びており、その延出端に連結突部65を有している。
各アーム64は、車幅方向に細長い連結ロッド66によって連結されている。より詳しくは、連結ロッド66には、上記上流側フィン61の配置間隔と同間隔で孔67があけられており、これらの孔67に各アーム64の連結突部65が回動可能に係合されている。これらのアーム64、連結突部65、連結ロッド66等により、各上流側フィン61を機械的に連結するリンク機構が構成されている。
中間フィン43及び上流側フィン61の各傾きを手動によりそれぞれ調整可能とするために、中間フィン43上には、操作ノブ71が車幅方向へのスライド可能に外嵌されている。操作ノブ71の上流側の面にはラックギヤ72が形成されている。これに対応して、特定の上流側フィン61、例えば配列方向についての中央の上流側フィン61にはピニオンギヤ73が形成されている。そして、上記ラックギヤ72がこのピニオンギヤ73に噛み合わされている。
<シャットダンパ80>
シャットダンパ80は、通風路23を開閉するためのものであり、リテーナ20内の上流側フィン群60よりも上流側に配置されている。シャットダンパ80は、通風路23に直交する面に対応して横長の長方形板状をなすダンパプレート81を備えている。ダンパプレート81では、その外側縁部が、それ以外の箇所よりも厚く形成されている。ダンパプレート81の外側縁部にはその全周にわたって溝82が設けられており、この溝82にシール部材83が挿入係止されている。
ダンパプレート81は、支軸84により第1壁部26,27に支持されている。第1壁部26,27におけるダンパプレート81の支持位置は、短辺Aに沿う方向(上下方向)については、同方向についての中間である。ダンパプレート81は、第2壁部28,29に平行となってシール部材83が第2壁部28,29から大きく離間する位置(図3における実線参照)と、傾斜してシール部材83が第2壁部28,29に接触する位置(図3における二点鎖線参照)との間で回動可能である。
なお、空調用レジスタ15には、図示しないが、シャットダンパ80を回動させる際に操作されるダンパ操作部が設けられている。
上記の基本構造を有する空調用レジスタ15では、ダンパ操作部の操作を通じ、図3に示すように、支軸84を支点としてシャットダンパ80が回動される。この回動により、シャットダンパ80が通風方向(第2壁部28,29)に平行にされると、通風路23が全開状態となり、空気の流通が許容される。これに対し、シャットダンパ80が傾斜状態にされてシール部材83が第2壁部28,29に接触すると、通風路23が閉塞されて、空気の流通が遮断される。
操作ノブ71が車幅方向へ操作されると、上流側フィン群60のうち、ピニオンギヤ73の設けられた特定の上流側フィン61が支軸62,63を支点として、同方向へ傾動する。この上流側フィン61の動きは、リンク機構の各構成部材であるアーム64、連結突部65及び連結ロッド66を介して他の全ての上流側フィン61に伝達される。この伝達により、全ての上流側フィン61が同期して傾動する。空気は上流側フィン群60を通過する際に、上記のように傾動した上流側フィン61に沿って流れ、向きを変えられる。
また、図3及び図4の少なくとも一方に示すように、操作ノブ71が略上下方向へ操作されると、中間フィン43が、その両端の支軸45を支点として同方向へ傾動する。この中間フィン43の動きは、リンク機構の構成部材であるアーム46、連結突部47及び連結ロッド48を介して端フィン41,42に伝達される。この伝達により、中間フィン43及び端フィン41,42が同期して傾動する。空気は、下流側フィン群40を通過する際に、上記のように傾動した中間フィン43及び端フィン41,42に沿って流れ、向きを変えられる。
次に、本実施形態の特徴部分(a)〜(f)について説明する。
(a)下流側フィン群40における端フィン41,42が第2壁部28,29の近傍であって開口91の外側方となる箇所に配置されている。より詳細には、図3及び図5の少なくとも一方に示すように、各第1壁部26,27の下流端縁30に3つの軸受凹部31が設けられている点については先述したが、これら3つの軸受凹部31のうち、最上部のものは板状部24の近傍であって、開口91の上縁よりも若干高い箇所に設けられている。また、最下部の軸受凹部31は板状部25の近傍であって、開口91の下縁よりも若干低い箇所に設けられている。そして、支軸45が最上段の軸受凹部31に係合されることで、端フィン41は開口91よりも若干高い箇所において第1壁部26,27に支持されている。また、支軸45が最下段の軸受凹部31に係合されることで、端フィン42は開口91よりも若干低い箇所において第1壁部26,27に支持されている。
(b)図3に示すように、端フィン41には、その上流側から屈曲して、近傍の第2壁部である第2壁部28側へ延びる延長部41bが一体に設けられている。同様に、端フィン42には、その上流側から屈曲して、近傍の第2壁部である下側の第2壁部29側へ延びる延長部42bが一体に設けられている。各端フィン41,42において、上記延長部41b,42bとそれ以外の平板状の箇所とを区別するために、後者の箇所をそれぞれ本体部41a,42aというものとする。各延長部41b,42bは開口91の長辺Bに沿う方向(車幅方向)について、各端フィン41,42の全長にわたって形成されている。また、各延長部41b,42bは、本体部41a,42aとの接続部分に加え、中間部分においても上流側へ突出するように屈曲されており、全体として、くの字状をなす断面形状を有している。
端フィン41における延長部41bは、本体部41aの上流側端部から上流側へ離れるほど第2壁部28との間隔が狭くなるように、すなわち上流側ほど高くなるように、本体部41aに対し所定の角度で傾斜している。また、端フィン42における延長部42bは、本体部42aの上流側端部から上流側へ離れるほど第2壁部29との間隔が狭くなるように、すなわち上流側ほど低くなるように、本体部42aに対し所定の角度で傾斜している。この延長部42bの傾きは上記延長部41bの傾きと逆の関係になる。
(c)第2壁部28と通風路23との間には傾動空間34が設けられている。傾動空間34は、端フィン41が第2壁部28から離れる側である下方へ最も大きく傾動したとき、上記延長部41bにより閉塞される(図8参照)空間である。また、傾動空間34は、上記端フィン41が前記とは「異なる傾き」となったときに延長部41bが入り込む空間である。「異なる傾き」には、端フィン41の本体部41aが第2壁部28に平行となったときの傾き(図3参照)や、同本体部41aが第2壁部28に近づく側である上方へ傾動したときの傾き(図9参照)も含まれる。上記傾動空間34の形成のために、本実施形態では第2壁部28の下流側の端部に、他の部分よりも通風路23の外方である上方へ膨出する膨出部93が設けられている。そして、この膨出部93の内部空間が上記傾動空間34となっている。
上記と同様に、第2壁部29と通風路23との間には傾動空間35が設けられている。傾動空間35は、端フィン42が第2壁部29から離れる側である上方へ最も大きく傾動したとき、上記延長部42bにより閉塞される(図9参照)空間である。また、傾動空間35は、上記端フィン42が前記とは「異なる傾き」となったときに延長部42bが入り込む空間である。「異なる傾き」には、端フィン42の本体部42aが第2壁部29に平行になったときの傾き(図3参照)や、同本体部42aが第2壁部29に近づく側である下方へ傾動したときの傾き(図8参照)も含まれる。上記傾動空間35の形成のために、本実施形態では第2壁部29の下流側の端部に、他の部分よりも通風路23の外方である下方へ膨出する膨出部94が設けられている。そして、この膨出部94の内部空間が上記傾動空間35となっている。
(d)図3に示すように、中間フィン43はシャットダンパ80と略同一の厚みとなるように形成されている。より詳しくは、中間フィン43の厚みをt1とし、シャットダンパ80の最大厚みをt2とする。厚みt1は最大厚みt2との関係において、次の条件を満たす値に設定されている。
t2−0.5〔mm〕≦t1≦t2+0.5〔mm〕
本実施形態では、シャットダンパ80が4.5mmの最大厚みt2を有するのに対し、中間フィン43の厚みt1が4.4mmに設定されている。なお、この厚みt1は、端フィン41,42の厚みよりも大きなものである。上記の設定により、中間フィン43は、シャットダンパ80よりも薄い場合に比べて高い剛性を有するようになる。
なお、厚みt1が上記範囲の下限値(t2−0.5〔mm〕)よりも小さいと、中間フィン43に起因する実開口面積Seの減少を抑制することができるものの、剛性を高める効果が充分に得られない。また、厚みt1が上記範囲の上限値(t2+0.5〔mm〕)よりも大きいと、中間フィン43の剛性は充分高まるものの、中間フィン43に起因する実開口面積Seの減少を抑制することが困難となる。
(e)図3、図6及び図7の少なくとも1つに示すように、開口91での通風方向に直交する面を投影面95とする。中間フィン43及びシャットダンパ80がともに通風方向に平行にされたときに、投影面95においてシャットダンパ80と略同一の箇所に投影されるように中間フィン43が配置されている。ここで、シャットダンパ80が、第1壁部26,27において開口91の短辺Aに沿う方向についての中央位置に支持されていることから、全開状態のシャットダンパ80が投影面95について投影される箇所96は、投影面95の上下方向についての中間である。この箇所96と略同一の箇所97で中間フィン43を投影させようとすると、同中間フィン43の投影される箇所97は、投影面95の上下方向についての中間となる。このことから、中間フィン43は、第1壁部26,27において開口91の短辺Aに沿う方向についての中央位置に配置されている。なお、図6では、説明の便宜上シャットダンパ80の投影された投影面95と、中間フィン43の投影された投影面95とが分けられて図示されている。これらの投影面95,95は、本来は図7に示すように同一の面からなる。
(f)図3に示すように、通風路23についてシャットダンパ80の設けられている箇所の流路面積Spは、開口91(吹出口)の開口面積Sよりも大きく設定されている(Sp>S)。この開口面積Sは、開口91での流路面積と同義である。この設定のために、同箇所における第2壁部28,29の間隔D(通風路23の高さと同義)が開口91の高さH(図2参照)よりも大きく設定されている。本実施形態では、開口91の高さHが上述したように30mmであるのに対し、間隔Dが46mmに設定されている。上側の第2壁部28は開口91よりも高い箇所に配置され、下側の第2壁部29は開口91よりも低い箇所に配置されている。
次に、上記特徴部分(a)〜(f)を中心に、本実施形態の薄型空調用レジスタ15の作用について説明する。
図3及び図4は、シャットダンパ80が全開状態にされ、かつ操作ノブ71の操作により、中間フィン43が通風方向(第2壁部28,29)に平行にされた状態を示している。通風路23において高さ方向についての中間部分を流れる空気は、シャットダンパ80及び上流側フィン群60を通過した後、中間フィン43に沿って流れ、開口91から真っ直ぐに吹き出す。
端フィン41における本体部41aは上記中間フィン43に対し平行となっている。また、延長部41bの上部が傾動空間34に入り込んでいて、膨出部93の内壁面に接近している。そのため、通風路23の上部を流れる空気は、シャットダンパ80及び上流側フィン群60を通過した後、傾動空間34にほとんど流入することなく、延長部41bによって斜め下方へ導かれた後、本体部41aに沿って流れ、開口91から真っ直ぐに吹き出す。
端フィン42における本体部42aも上記中間フィン43に対し平行となっている。また、延長部42bの下部が傾動空間35に入り込んでいて、膨出部94の内壁面に接近している。そのため、通風路23の下部を流れる空気は、シャットダンパ80及び上流側フィン群60を通過した後、傾動空間35にほとんど流入することなく、延長部42bによって斜め上方へ導かれた後、本体部42aに沿って流れ、開口91から真っ直ぐに吹き出す。
図8は、図3の状態から、操作ノブ71が上方へ操作されて、中間フィン43が支軸45を支点として図中反時計回り方向へ回動された状態を示している。この状態では、中間フィン43は、下流側ほど高くなるように傾斜している。そのため、通風路23において高さ方向についての中間部分を流れる空気は、シャットダンパ80及び上流側フィン群60を通過した後、中間フィン43に沿って流れ、開口91から斜め上方へ向けて吹き出す。
端フィン41における本体部41aは上記中間フィン43に対し平行となっている。また、延長部41bの上端部が傾動空間34の通風路23との境界部分に位置していて、同延長部41bによって傾動空間34が閉塞された状態となっている。そのため、通風路23の上部を流れる空気は、シャットダンパ80及び上流側フィン群60を通過した後、傾動空間34にほとんど流入することなく、延長部41bによって下方へ導かれた後、本体部41aに沿って流れ、開口91から斜め上方へ吹き出す。
端フィン42における本体部42aも上記中間フィン43に対し平行となっている。また、延長部42bの下端部が傾動空間35の内奥部まで入り込んでいる。そのため、通風路23の下部を流れる空気は、シャットダンパ80及び上流側フィン群60を通過した後、傾動空間35にほとんど流入することなく、延長部42b及び本体部42aに沿って流れ、開口91から斜め上方へ吹き出す。
図9は、図3の状態から、操作ノブ71が下方へ操作されて、中間フィン43が支軸45を支点として図中時計回り方向へ回動された状態を示している。この状態では、中間フィン43は、下流側ほど低くなるように傾斜している。そのため、通風路23において高さ方向についての中間部分を流れる空気は、シャットダンパ80及び上流側フィン群60を通過した後、中間フィン43に沿って流れ、開口91から斜め下方へ向けて吹き出す。
端フィン41における本体部41aは上記中間フィン43に対し平行となっている。また、延長部41bの上端部が傾動空間34の内奥部まで入り込んでいる。そのため、通風路23の上部を流れる空気は、シャットダンパ80及び上流側フィン群60を通過した後、傾動空間34にほとんど流入することなく、本体部41aに沿って流れ、開口91から斜め下方へ吹き出す。
端フィン42における本体部42aも上記中間フィン43に対し平行となっている。また、延長部42bの下端部が傾動空間35の通風路23との境界部分に位置していて、同延長部42bによって傾動空間35が閉塞された状態となっている。そのため、通風路23の下部を流れる空気は、シャットダンパ80及び上流側フィン群60を通過した後、傾動空間35にほとんど流入することなく、延長部42b及び本体部42aに沿って流れ、開口91から斜め下方へ吹き出す。
また、通風路23に配置された各種部品であるシャットダンパ80、上流側フィン群60及び下流側フィン群40等はいずれも通風抵抗となり、圧力損失の増大を招く。ここで、実開口面積Se(投影面95においてシャットダンパ80、上流側フィン群60及び下流側フィン群40等が投影されていない箇所の面積)を通風抵抗の指標として用いた場合、通風路23に配置された上記シャットダンパ80等の部品の存在により、実開口面積Seが小さくなるに従い通風抵抗が増し、圧力損失が増大する。従って、圧力損失の増大を抑えるうえでは、投影面95において、上記部品が投影される箇所の面積を小さくすることが重要である。
この点、本実施形態では、中間フィン43及びシャットダンパ80がともに通風方向に平行にされたときに、図6及び図7に示すように、投影面95について中間フィン43の投影される箇所97が、シャットダンパ80の投影される箇所96に重複する。そのため、投影面95において、中間フィン43が、シャットダンパ80の投影される箇所96から大きく外れた箇所で投影される場合に比べ、投影面95における箇所96の面積と箇所97の面積との合計が小さくなる。この合計は、シャットダンパ80による箇所96の面積と同程度となる。
こうした効果は、厚みt1として、上記のように、t2−0.5〔mm〕≦t1≦t2+0.5〔mm〕の関係を満たす値に設定されることで確実に得られる。この設定では、投影面95において中間フィン43の投影される箇所97の略全部が、シャットダンパ80の投影される箇所96に重複するからである(図7参照)。
さらに、下流側フィン群40における端フィン41,42は、第2壁部28,29の近傍であって開口91よりも外側方(上方又は下方)に配置されていることから、これらの端フィン41,42が投影面95において投影される箇所の面積は非常に小さい。
このように本実施形態では、投影面95において、通風路23中の上記部品(シャットダンパ80、中間フィン43、及び両端フィン41,42)の投影される箇所の面積が小さくされ、これらの部品に起因する実開口面積Seの減少が少なくなる。
ところで、図10(a)において二点鎖線で示すように、一般に、通風路23における空気の流速分布Dsは、リテーナ20の中心部分で流速が最大となり、中心部分から離れるに従い、すなわちリテーナ20の内壁(第2壁部28,29)に近づくに従い流速が減少する分布となる。これは、空気がリテーナ20の上記内壁から摩擦力を受けるためである。
基本的にはこうした流速分布Dsとなるところ、シャットダンパ80は、通風路23の全開時には、その通風路23の中心部分において通風方向と平行になって、空気の流速を減衰させる。その結果、同図10(a)において実線で示すように、上記流速分布Dsもまた上記の傾向を維持しながら全体的に流速の低下した分布となる。
ここで、上記流速の低下度合いΔD、ひいては流速分布Dsの形は流路面積Spに応じて異なる。流路面積Spが大きくなるほど、流速の低下度合いΔDが全体的に小さくなる(流速分布Dsがなだらかになる)傾向にある。
この点、本実施形態では、通風路23についてシャットダンパ80の設けられた箇所は、開口91の開口面積Sよりも大きな流路面積Spを有している(図3参照)。そのため、上記拡大分、流速の低下度合いΔDが全体的に小さくなる(流速分布Dsがなだらかになる)。なお、図10(b)は、図10(a)の比較例として、流路面積Spを開口91の開口面積Sと同程度にした場合の流速分布Dsを示している。この場合には、流路面積Spが小さく、シャットダンパ80に起因する空気の流速の低下度合いΔDが大きい。
以上詳述した本実施形態によれば、次の効果が得られる。
(1)図3に示すように、下流側フィン群40における両端の端フィン41,42を、第2壁部28,29の近傍に配置している。
そのため、リテーナ20が、下流側フィンの配列方向についてのサイズの小さな薄型であるものの、端フィン41,42が第2壁部28,29から大きく離間した箇所に配置される場合に比べ、隣り合う下流側フィン間の間隔を大きくし、下流側フィン間に空気の流路を容易に確保することができる。
特に、上下一対の端フィン41,42と、それら間に配置された1枚の中間フィン43といった3枚の下流側フィンのみによって下流側フィン群40を構成している。この枚数(3枚)は、風向き調整のために必要な最小枚数である。そのため、風向き調整機能を確保しつつ隣り合う下流側フィン間の間隔を効率よく大きくすることができる。
(2)上記(1)のように薄型の空調用レジスタ15を組み込むことにより、センタークラスタ12を含むインストルメントパネル11の高さを抑えることができる(図1の実線参照)。従って、図1において二点鎖線で示すように、インストルメントパネル11(センタークラスタ12)が高くなることによる不具合、すなわち、運転者に圧迫感や閉塞感を感じさせるといった不具合を解消できる。
(3)薄型の空調用レジスタ15では、非薄型の空調用レジスタに比べ、中間フィン43として長辺Bに沿う方向に細長いものが用いられることから、剛生が不足するおそれがある。この剛性不足は、特に操作ノブ71が設けられて操作される中間フィン43において問題となる。
この点、本実施形態では、中間フィン43をシャットダンパ80の最大厚みt2と略同一の厚みt1となるように形成している。そのため、中間フィン43がシャットダンパ80よりも薄い場合に比べて、同中間フィン43の剛性を高めることができる。操作ノブ71の上下方向への操作時や車幅方向への操作時に中間フィン43が弾性変形する現象(たとえば、撓む現象)を抑制することができる。
(4)中間フィン43及びシャットダンパ80がともに通風方向(第2壁部28,29)に平行にされたときに、投影面95についてシャットダンパ80と略同一の箇所97に投影されるように中間フィン43を配置している。そのため、投影面95において、中間フィン43が、シャットダンパ80の投影される箇所96から大きく外れた箇所で投影される場合に比べ、シャットダンパ80及び中間フィン43の投影される箇所96,97の面積(合計)を小さくすることができる。
この効果は、中間フィン43の厚みt1を、t2−0.5〔mm〕≦t1≦t2+0.5〔mm〕の関係を満たす値に設定することで、確実に得られる。
(5)下流側フィン群40における端フィン41,42を開口91よりも外側方に配置している。そのため、これらの端フィン41,42が投影面95において投影される箇所の面積を非常に小さくすることができる。
(6)上記(4),(5)のように、投影面95において、通風路23中の部品(シャットダンパ80、中間フィン43及び端フィン41,42)の投影される箇所の面積を小さくできることから、これらの部品に起因する実開口面積Seの減少を少なくすることができる。その結果、通風抵抗を小さくして圧力損失や騒音悪化を抑制することができる。
(7)通風路23についてシャットダンパ80が設けられた箇所の流路面積Spを、開口91における開口面積Sよりも大きく設定している。そのため、上記拡大分、流速の低下度合いを全体的に小さくし(流速分布Dsをなだらかにし)、シャットダンパ80による流速の減衰を少なくすることができる。
(8)上下の各端フィン41,42には、その本体部41a,42aの上流側端部から屈曲して近傍の第2壁部28,29側へ延びる延長部41b,42bを設けている。これに加え、上下の各第2壁部28,29と通風路23との間には、各端フィン41,42が第2壁部28,29から離れる側へ最も大きく傾動したときに延長部41b,42bにより閉塞され、かつ各端フィン41,42が前記とは異なる傾きとなったときに延長部41b,42bが入り込む傾動空間34,35を設けている。
そのため、第2壁部28,29に対し平行状態にある端フィン41,42の本体部41a,42aが第2壁部28,29から遠ざかる側へ傾動されたときに、同端フィン41,42と第2壁部28,29との間に空間が生じないようにし、同空間に起因する騒音の発生や圧力損失の増大を抑制することができる。
また、上記のように傾動空間34,35を設けたことで、端フィン41,42の本体部41a,42aが第2壁部28,29へ近づく側へ傾動されたときに延長部41b,42bが第2壁部28,29と接触する現象を回避することができる。
なお、本発明は次に示す別の実施形態に具体化することができる。
・本発明は、開口91(吹出口)が縦長となるように配置される空調用レジスタにも適用可能である。この場合、リテーナ20において、上下方向に相対向する壁部が第1壁部26,27となり、車幅方向に相対向する壁部が第2壁部28,29となる。下流側フィン(端フィン41,42及び中間フィン43)は車幅方向に配列され、上流側フィン61は上下方向に配列されることとなる。
・本発明は、下流側フィン群40が端フィン41,42及び中間フィン43と、それ以外の下流側フィンとによって構成される空調用レジスタにも適用可能である。
・中間フィン43の剛性を確保しつつ圧力損失を抑制するという効果については、上述した(3)〜(5)のみの構成によって得ることができる。従って、上記の効果を得るうえでは、シャットダンパ80近傍での流路面積Spについての上記(7)の要件を割愛することができる。
・上流側フィン61等、本発明の特徴部分とは直接関係のない部材、箇所等については、割愛したり、形状・数等を変更したりする等、適宜に変更してもよい。
本発明を具体化した一実施形態における空調用レジスタが組み込まれたセンタークラスタ及びその周辺箇所を示す部分正面図。 図1における空調用レジスタを拡大して示す正面図。 図2の3−3線に沿った断面構造を示す拡大断面図。 上記実施形態において、空調用レジスタからカバーが取り外された状態を示す側面図。 上記実施形態において、端フィン、中間フィン等をリテーナに取り付ける前の状態を示す部分側面図。 上記実施形態において、中間フィンのみが投影された投影面と、シャットダンパのみが投影された投影面とを別々に示す説明図。 上記実施形態において、中間フィン及びシャットダンパの両者が投影された投影面を示す説明図。 図3の状態から操作ノブが上方へ操作されたときの空調用レジスタの状態を示す部分断面図。 図3の状態から操作ノブが下方へ操作されたときの空調用レジスタの状態を示す部分断面図。 (a)は上記実施形態において、通風路内のシャットダンパ近傍における空気の流速分布を示す説明図、(b)は流速分布の比較例を示す説明図。 従来の空調用レジスタが組み込まれたセンタークラスタ及びその周辺箇所を示す部分正面図。 図11における空調用レジスタを拡大して示す正面図。 図12の13−13線に沿った断面構造示す断面図。
符号の説明
15…空調用レジスタ、20…リテーナ、23…通風路、26,27…第1壁部、28,29…第2壁部、40…下流側フィン群、41,42…端フィン、43…中間フィン、80…シャットダンパ、91…開口、95…投影面、96,97…箇所、A…短辺、B…長辺、S…開口面積、Sp…流路面積、t1,t2…厚み。

Claims (4)

  1. 内部空間を通風路とし、かつ長方形状の開口を下流端に有する筒状体からなり、同筒状体について前記通風路周りの4つの壁部のうち前記開口の短辺に対応するものを第1壁部とし、長辺に対応するものを第2壁部としたリテーナと、
    前記リテーナ内で前記長辺に沿う方向に延びる3枚以上のフィンからなり、これらのフィンが前記短辺に沿う方向に互いに離間した状態で配列されて前記第1壁部に傾動可能に支持されたフィン群と、
    前記フィン群よりも上流側で前記通風路を開閉するシャットダンパと
    を備える空調用レジスタであって、
    前記フィン群のうち、配列方向の両端に位置するフィンを端フィンとして、前記第2壁部の近傍であって前記開口よりも外側方に配置するとともに、
    前記配列方向の中央に位置するフィンを中間フィンとして前記シャットダンパと略同一の厚みとなるように形成し、かつ前記開口での通風方向に直交する面を投影面とした場合に、前記中間フィン及び前記シャットダンパがともに前記通風方向に平行にされたときに、前記投影面について前記シャットダンパと略同一の箇所に投影されるように前記中間フィンを配置したことを特徴とする空調用レジスタ。
  2. 前記フィン群は、一対の前記端フィン及び1枚の前記中間フィンのみからなる請求項1に記載の空調用レジスタ。
  3. 前記中間フィンの厚みをt1とし、前記シャットダンパの最大厚みをt2とした場合、前記厚みt1は、t2−0.5〔mm〕≦t1≦t2+0.5〔mm〕の関係を満たす値に設定されている請求項1又は2に記載の空調用レジスタ。
  4. 前記通風路について前記シャットダンパが設けられた箇所は、前記開口よりも大きな流路面積を有する請求項1〜3のいずれか1つに記載の空調用レジスタ。
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