JP6421743B2 - 空調用薄型レジスタ - Google Patents

空調用薄型レジスタ Download PDF

Info

Publication number
JP6421743B2
JP6421743B2 JP2015233174A JP2015233174A JP6421743B2 JP 6421743 B2 JP6421743 B2 JP 6421743B2 JP 2015233174 A JP2015233174 A JP 2015233174A JP 2015233174 A JP2015233174 A JP 2015233174A JP 6421743 B2 JP6421743 B2 JP 6421743B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
fin
air
upstream
barrel
shaft
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2015233174A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2017100494A (ja
Inventor
亜青 佐藤
亜青 佐藤
柴田 実
実 柴田
寺井 伸弘
伸弘 寺井
浅野 賢二
賢二 浅野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyoda Gosei Co Ltd
Original Assignee
Toyoda Gosei Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toyoda Gosei Co Ltd filed Critical Toyoda Gosei Co Ltd
Priority to JP2015233174A priority Critical patent/JP6421743B2/ja
Publication of JP2017100494A publication Critical patent/JP2017100494A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6421743B2 publication Critical patent/JP6421743B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Air-Flow Control Members (AREA)
  • Air-Conditioning For Vehicles (AREA)

Description

本発明は、空調装置から送られてきて長方形状の吹出口から吹出す空調用空気の向きを変更等する空調用薄型レジスタに関する。
車両のインストルメントパネルには、空調装置の送風ダクトから送られてきて車室内に吹出す空調用空気の向きを変更等するための空調用レジスタが組込まれている。この空調用レジスタの一形態として、上下方向及び左右方向で寸法が大きく異なるタイプ(以下「空調用薄型レジスタ」という)が従来から種々考えられている。この空調用薄型レジスタは、通風路が形成されたリテーナを備える。通風路は、空調用空気の流れ方向の下流端に吹出口を有する。吹出口は、一対の短辺部と、両短辺部に対し直交し、かつ両短辺部よりも長い一対の長辺部とからなる長方形状をなしている。
吹出口から吹出す空調用空気の上記短辺部に対しなす角度を変更するために、通風路の形状を変える機構が設けられている。
例えば、特許文献1に記載された機構は、通風路を構成する壁材として、吹出口に連結される吹出し側部と、送風ダクトに連結される送風ダクト側部と、それら両側部を連結する中間部とを備える。吹出し側部は、短辺部に沿う方向に離間した状態で互いに平行に配置された一対の板状部からなる。送風ダクト側部は、短辺部に沿う方向に離間した状態で互いに平行に配置された一対の板状部からなる。そして、吹出し側部が傾動されて短辺部に対しなす角度が変更されると、それに伴い、送風ダクト側部と中間部とが連動して通風路の形状が変化させられ、空調用空気の吹出し方向が変更される。
また、特許文献2に記載された機構は、通風路が、短辺部に沿う方向に互いに離間した状態で配置された一対のフィルム状の可撓性膜部材間に湾曲可能に形成されている。さらに、両可撓性膜部材の下流部は、短辺部に沿う方向に互いに離間した状態で配置された一対の支持板によって挟み込まれている。そして、両支持板が傾動されることで、両可撓性膜部材が短辺部に沿う方向へ湾曲させられ、空調用空気の吹出し方向が変更される。
特開2013−86518号公報 特開2013−86633号公報
上記特許文献1に記載された機構では、空調用空気の吹出し方向の変更に伴い通風路の流路断面積が大きく変化しないため、圧力損失を抑制することが可能である。しかし、吹出し側部の両板状部を平行に保持した状態で傾動させるとともに、送風ダクト側部の両板状部を平行に保持した状態で傾動させるために、機構の構造が複雑となる。
また、上記特許文献2に記載された機構では、空調用空気の風圧に抗して両可撓性膜部材を平行に保持した状態で湾曲させることが難しい。空調用空気の吹出し方向の変更に伴い両可撓性膜部材が変形し、通風路の流路断面積が変化し、圧力損失を抑制することができなくなるおそれがある。
本発明は、このような実情に鑑みてなされたものであって、その目的は、簡単な構造で圧力損失を抑制することのできる空調用薄型レジスタを提供することにある。
上記課題を解決する空調用薄型レジスタは、空調用空気の流れ方向の下流端に吹出口を有する通風路が形成されたリテーナを備え、前記吹出口は、一対の短辺部と、両短辺部に対し直交し、かつ両短辺部よりも長い一対の長辺部とからなる長方形状をなし、前記吹出口から吹出す空調用空気の前記短辺部に対しなす角度を変更する部材は、それぞれ前記長辺部に沿って延びる第1フィン、第2フィン及びバレルからなり、前記第1フィン及び前記第2フィンは、互いに平行な状態で各長辺部の上流に配置され、かつ自身の下流端のフィン軸により前記リテーナに支持され、前記バレルは、前記第1フィン及び前記第2フィンの上流でフィン軸により前記リテーナに支持され、かつ前記短辺部に沿う方向に互いに離間した一対の主フィンを備え、両主フィンの少なくとも下流部は、前記第1フィン及び第2フィンの間隔に近似した間隔で互いに平行に離間しており、前記空調用空気の吹出す前記角度を変更する際に操作される操作部材と、第1フィン、第2フィン及びバレルとの間には、同操作部材の操作に応じ、前記第1フィン及び前記第2フィンと前記バレルとを互いに反対方向へ傾動させる伝達機構が設けられている。
ここで、両主フィンの少なくとも下流部の間隔について、第1フィン及び第2フィンの間隔に近似した間隔とは、両フィンの間隔に対し、圧力損失の増大に影響を及ぼさない程度に近い間隔を意味する。
上記の構成によれば、操作部材が操作されると、その操作部材の動きが伝達機構によって第1フィン、第2フィン及びバレルのそれぞれに伝達される。この伝達により、第1フィン及び第2フィンが互いに平行な状態で、各フィンの下流端に設けられたフィン軸を支点として長辺部の上流で傾動される。また、上記伝達により、第1フィン及び第2フィンの上流のバレルが、フィン軸を支点として、両フィンとは反対方向へ傾動される。
空調用空気は、リテーナ内の通風路を流れる過程で、上記のように傾動されたバレルの両主フィン間を流れることで、第1フィンの上流端と、第2フィンの上流端との間に導かれる。空調用空気は、両フィン間を流れることで、流れる向きを変えられ、通風路の下流端の吹出口から吹出される。その結果、吹出口から吹出す空調用空気の短辺部に対しなす角度が変更される。
ここで、第1フィンと第2フィンとは互いに平行な状態で配置されている。また、両主フィンの少なくとも下流部は、両フィンの間隔に近似した間隔で互いに平行に離間している。両主フィンの少なくとも下流部間での通風路の流路断面積が、第1フィン及び第2フィンの間の流路断面積と同程度となる。そのため、空調用空気が両下流部間から両フィン間を経由して吹出口から吹出すまでに、通風路の流路断面積が大きく変化することがなく、圧力損失の増大が抑制される。
さらに、両主フィンはバレルの一部として形成されていて、バレルのフィン軸を支点とした傾動に伴い、両主フィンの下流部も平行な状態を維持しながら傾動される。また、バレルと第1フィン及び第2フィンとを直接連結する部材(特許文献1の中間部に相当する部材)が用いられていない。これらのことから、吹出口から吹出す空調用空気の短辺部に対しなす角度を変更する機構は、送風ダクト側部を構成する一対の板状部と、吹出し側部を構成する一対の板状部とを中間部に連結する特許文献1よりも簡単になる。
上記空調用薄型レジスタにおいて、前記バレルは、両主フィンの少なくとも下流部間に、同下流部に対し平行に配置された補助フィンを備えることが好ましい。
上記の構成によれば、バレルにおける主フィンの少なくとも下流部は互いに平行に離間しているところ、補助フィンは、両主フィン間において、上記下流部に対し平行に配置されている。そのため、空調用空気はバレル内では、両主フィンに加え補助フィンに沿っても流れる。従って、空調用空気は補助フィンが設けられない場合に比べ、第1フィンの上流端と、第2フィンの上流端との間に導かれやすくなる。空調用空気が両主フィンによって、流れる向きを充分変えられずに、第1フィンと第2フィンとの間に導かれ、両フィンによって充分に向きを変えられずに吹出口から吹出される(吹き抜ける)ことが抑制される。
上記空調用薄型レジスタにおいて、前記伝達機構は、前記操作部材の前記短辺部に沿う方向の傾動に伴い回動する駆動ギヤと、前記バレルの前記フィン軸に固定され、かつ前記駆動ギヤに噛み合わされた第1伝達ギヤと、前記バレルの前記フィン軸に固定された第2伝達ギヤと、前記第1フィン及び前記第2フィンの一方の前記フィン軸に固定され、かつ前記第2伝達ギヤに噛み合わされた従動ギヤとを備えることが好ましい。
上記の構成によれば、操作部材が吹出口の短辺部に沿う方向へ傾動されると、駆動ギヤが回動する。この回動は、駆動ギヤに噛み合わされた第1伝達ギヤを介してバレルのフィン軸に伝達される。第1伝達ギヤが回動されるとともに、バレルがフィン軸を支点として、操作部材の傾動方向とは反対方向へ傾動される。また、第1伝達ギヤの回動に伴い第2伝達ギヤが回動される。この第2伝達ギヤの回動は、同第2伝達ギヤに噛み合わされた従動ギヤを介して、第1フィン及び第2フィンのうちフィン軸に従動ギヤが固定されたフィンに伝達され、同フィンがフィン軸を支点として、バレルとは反対方向(操作部材と同一方向)へ傾動される。
上記空調用薄型レジスタにおいて、前記伝達機構は、前記第1フィン及び前記第2フィンを、それらのフィン軸とは異なる箇所で連結するロッドを備えることが好ましい。
上記の構成によれば、操作部材の傾動に応じ、第1フィン及び第2フィンのうちフィン軸に従動ギヤが固定されたフィンが上記のように傾動されると、その傾動は、ロッドを介して、フィン軸に従動ギヤが固定されていないフィンに伝達される。その結果、フィン軸に従動ギヤが固定されていないフィンが、フィン軸に従動ギヤが固定されているフィンに対し平行な状態で、同フィン軸を支点として傾動される。このようにして、第1フィン及び第2フィンが互いに平行な状態で操作部材と同一方向(バレルと反対方向)へ傾動される。
上記空調用薄型レジスタにおいて、前記操作部材は、前記吹出口の外部に配置されていることが好ましい。
操作部材は、吹出口に配置された場合に通風抵抗となり、圧力損失の増大を招く。この点、上記の構成によるように操作部材が吹出口の外部に配置されることで、同操作部材による通風抵抗の増大、ひいては圧力損失の増大が抑制される。
上記空調用薄型レジスタにおいて、前記リテーナの前記バレルよりも上流では、前記短辺部に沿う方向の寸法が、同短辺部の長さに合致又は近似する寸法に設定されており、両主フィンのうち下流部のみが互いに平行に離間しており、両主フィンの上流部は、上流ほど互いの間隔が拡大するように前記下流部に対し傾斜していることが好ましい。
ここで、リテーナのバレルよりも上流での短辺部に沿う方向の寸法について、短辺部の長さに近似する寸法とは、同短辺部の長さに対し、圧力損失の増大に影響を及ぼさない程度に近い寸法を意味する。
また、仮に、バレルにおける両主フィンが、上流部でも下流部と同じ間隔で互いに平行に離間していると、バレルが傾動されて、両主フィンが吹出口における短辺部に対し傾斜したとき、主フィンの上流部が通風路内に突出し、空調用空気の流通抵抗となる。
この点、上記の構成によるように、両主フィンの上流部を上流ほど互いの間隔が拡大するように下流部に対し傾斜させることで、同上流部が通風路内に突出することが抑制され、通風抵抗となることが抑制される。
上記空調用薄型レジスタにおいて、前記バレル、前記第1伝達ギヤ及び前記第2伝達ギヤは単一の部材により構成され、前記第1フィン及び前記第2フィンのうちフィン軸に前記従動ギヤの固定されたものと、それらのフィン軸及び従動ギヤとは、単一の部材により構成されていることが好ましい。
上記の構成によれば、バレル、第1伝達ギヤ及び第2伝達ギヤが単一の部材によって構成される。そのため、これらが別々の部材によって構成された場合よりも部品点数が少なくなる。
また、第1フィン及び第2フィンのうちフィン軸に従動ギヤの固定されたものと、それらのフィン軸及び従動ギヤとが単一の部材によって構成される。そのため、これらが別々の部材によって構成された場合よりも部品点数が少なくなる。
上記空調用薄型レジスタによれば、簡単な構造で圧力損失を抑制することができる。
車両用の空調用薄型レジスタに具体化した一実施形態を示す図であり、操作部材が中立状態にされた同空調用薄型レジスタの全体を空調用空気の流れ方向の下流側から見た斜視図。 図1における空調用薄型レジスタの構成部品の一部を示す分解斜視図。 図1における空調用薄型レジスタの構成部品の一部を示す分解斜視図。 一実施形態における操作機構の一部を示す斜視図。 図1における空調用薄型レジスタの構成部品の一部を示す分解斜視図。 図1における空調用薄型レジスタの構成部品の一部を示す分解斜視図。 一実施形態における操作機構の構成部品の一部を分解して示す斜視図。 一実施形態における操作機構の構成部品の一部を分解して示す断面図であり、(a)は平断面図、(b)は側断面図。 図1の空調用薄型レジスタを空調用空気の流れ方向の下流側から見た正面図。 図9の10−10線断面図。 図9の11−11線部分断面図。 図9の12−12線断面図。 図9の13−13線断面図。 図9の14−14線断面図。 図11の15−15線部分断面図。 操作部材が中立状態にされたときの伝達機構の一部の構成部品を第2フィン及びバレルとともに抜き出して示す断面図。 操作部材が中立状態にされたときの伝達機構の一部の構成部品を第1フィン、第2フィン及びバレルとともに抜き出して示す断面図。 図12に対応する図であり、中立状態の操作部材が上方へ傾動されたときの操作機構の部分断面図。 図13に対応する図であり、中立状態の操作部材が上方へ傾動されたときの空調用薄型レジスタの部分断面図。 図16に対応する図であり、中立状態の操作部材が上方へ傾動されたときの伝達機構の一部の構成部品を第2フィン及びバレルとともに抜き出して示す断面図。 図17に対応する図であり、中立状態の操作部材が上方へ傾動されたときの伝達機構の一部の構成部品を第1フィン、第2フィン及びバレルとともに抜き出して示す断面図。 図12に対応する図であり、中立状態の操作部材が下方へ傾動されたときの操作機構の部分断面図。 図13に対応する図であり、中立状態の操作部材が下方へ傾動されたときの空調用薄型レジスタの部分断面図。 図16に対応する図であり、中立状態の操作部材が下方へ傾動されたときの伝達機構の一部の構成部品を第2フィン及びバレルとともに抜き出して示す断面図。 図17に対応する図であり、中立状態の操作部材が下方へ傾動されたときの伝達機構の一部の構成部品を第1フィン、第2フィン及びバレルとともに抜き出して示す断面図。 一実施形態において、中立状態の操作部材が右方へ傾動されたときの操作機構の一部を示す部分平断面図。 図10に対応する図であり、中立状態の操作部材が右方へ傾動されたときの操作機構の一部を、上流フィン及びロッドとともに示す平断面図。
以下、車両用の空調用薄型レジスタに具体化した一実施形態について、図面を参照して説明する。
なお、以下の記載においては、車両の進行方向(前進方向)を前方とし、後進方向を後方とし、高さ方向を上下方向として説明する。また、車幅方向(左右方向)については、車両を後方から見た場合を基準として方向を規定する。
車室内において、車両の前席(運転席及び助手席)の前方にはインストルメントパネルが設けられ、その左右方向(車幅方向)における中央部、側部等には空調用薄型レジスタが組込まれている。この空調用薄型レジスタの主な機能は、空調装置から送られてきて、長方形状の吹出口から車室内に吹出す空調用空気の向きを変更すること、同空調用空気の吹出し量を調整すること等である。
図1、図2及び図6に示すように、空調用薄型レジスタは、リテーナ10、下流フィン群、上流フィン群、シャットダンパ75、ダンパ可動範囲規定部77及び操作機構80を備えている。次に、空調用薄型レジスタを構成する各部の構成について説明する。
<リテーナ10>
リテーナ10は、空調装置の送風ダクト(図示略)と、インストルメントパネルに設けられた開口(図示略)とを繋ぐためのものであり、図2に示すように、上流リテーナ11、下流リテーナ31及びベゼル41を備えている。このリテーナ10の内部空間は、空調用空気A1の流路(以下「通風路35」という)を構成している(図11参照)。ここで、空調用空気A1の流れ方向に関し、空調装置に近い側を「上流」、「上流側」等といい、同空調装置から遠い側を「下流」、「下流側」等というものとする。
上流リテーナ11は、リテーナ10の最上流部分を構成する部材である。上流リテーナ11は、その上部を構成する上流リテーナ構成部12と、下部を構成する上流リテーナ構成部16とを備えている。
下側の上流リテーナ構成部16は、自身の左右の各側部に設けられた係止孔17において、上側の上流リテーナ構成部12の対応する箇所に設けられた係止突起13に係止されることにより、同上流リテーナ構成部12に連結されている。こうして形成された上流リテーナ11は、上流端と下流端とが開放され、かつ左右方向(車幅方向)の寸法が上下方向の寸法よりも大きな略四角筒状をなしている。
下流リテーナ31は、上流リテーナ11の下流側に配置されている。下流リテーナ31は、上流リテーナ11と同様に、上流端及び下流端が開放され、かつ左右方向(車幅方向)の寸法が上下方向の寸法よりも大きな略四角筒状をなしている。下流リテーナ31は、自身の上流端部に設けられた係止孔32において、上記上流リテーナ11の対応する箇所に設けられた係止突起28に係止されることにより、同上流リテーナ11に連結されている。
上記通風路35は、リテーナ10の4つの壁部によって取り囲まれている。これらの4つの壁部は、左右方向(車幅方向)に相対向する一対の側壁部36,37と、上下方向に相対向する上壁部38及び底壁部39とからなる。両側壁部36,37は互いに平行な状態又はそれに近い状態で対向している。
ベゼル41は、リテーナ10の最下流部分を構成する部材である。ベゼル41は、その複数箇所に設けられた係止孔42において、下流リテーナ31の対応する箇所に設けられた係止突起33に係止されることにより、同下流リテーナ31に連結されている。
ベゼル41において、通風路35の下流端となる箇所には、空調用空気A1が吹出される吹出口43が形成されている(図9参照)。ベゼル41の下流側の面であって、吹出口43の周りの部分は、空調用薄型レジスタの意匠面を構成している。
吹出口43は、一対の短辺部44と、各短辺部44よりも長い一対の長辺部45とからなる。両短辺部44は、互いに平行に離間した状態で略上下方向へ延びている。両長辺部45は、互いに平行に離間した状態で、両短辺部44に対し直交する方向である左右方向(車幅方向)へ延びている。こうした構成の吹出口43は、上下方向よりも左右方向(車幅方向)に細長い横長の長方形状をなしている。
図2及び図11に示すように、ベゼル41の右側部は、右側の側壁部37よりも右方へ突出しており、この突出部分には、円形状をなす孔からなる窓部46が、上記吹出口43から右方へ離間した状態で形成されている。
図6に示すように、上側の上流リテーナ構成部12の下流部には、上方へ向けて膨らむように湾曲した上湾曲部14が形成されている。同様に、下側の上流リテーナ構成部16の下流部には、下方へ向けて膨らむように湾曲した下湾曲部18が形成されている。上湾曲部14及び下湾曲部18は、後述する軸受部49を中心とする円弧に沿って湾曲している。
図13及び図14に示すように、上壁部38における上湾曲部14の上流端と、底壁部39における下湾曲部18の上流端との間隔D1は、吹出口43の短辺部44の長さL1に合致又は近似する間隔に設定されている。ここで、間隔D1について、短辺部44の長さL1に近似する間隔とは、同長さL1に対し、圧力損失の増大に影響を及ぼさない程度に近い間隔を意味する。
さらに、上壁部38の上湾曲部14よりも上流には、上方へ膨出する上膨出部15が形成されている。同様に、底壁部39の下湾曲部18よりも上流には、下方へ膨出する下膨出部19が形成されている。
底壁部39において、下湾曲部18と下膨出部19との間には、上面において開口し、かつ左右方向(車幅方向)に延びる溝部21が形成されている。
図2、図6に示すように、リテーナ10における左右の両側壁部36,37には、4種類の軸受部47,48,49,50がそれぞれ設けられている。
左右の各軸受部47は、下流リテーナ31の下流端部とベゼル41との間であって、上側の長辺部45の上流近傍に設けられている。左右の各軸受部48は、下流リテーナ31の下流端部とベゼル41との間であって、下側の長辺部45の上流近傍に設けられている。
左右の各軸受部49は、上湾曲部14と下湾曲部18との間に設けられている。左右の各軸受部49は、空調用空気A1の流れ方向については、上記左右の各軸受部47,48から上流へ離間した箇所であって、上下方向については、軸受部47と軸受部48との中間部分に位置している。
左右の各軸受部50は、上膨出部15と下膨出部19との間に設けられている。左右の各軸受部50は、左右の上記軸受部49よりも上流に位置している。
上壁部38及び底壁部39において、上記軸受部49よりも上流であって、左右方向(車幅方向)に互いに略等間隔毎に離間した複数箇所には、軸受部51がそれぞれ設けられている。本実施形態では、上壁部38の軸受部51は上湾曲部14の上流近傍に設けられ、底壁部39の軸受部51は下湾曲部18の上流近傍に設けられている(図14参照)。
下側の上流リテーナ構成部16の外部であって、右側の側壁部37に隣接する箇所には、延長部22が形成されている。延長部22において、溝部21の右側方となる箇所には、下面において開口し、かつ左右方向(車幅方向)に延びる溝部23が形成されている。
右側の側壁部37には、上記延長部22の溝部23と底壁部39の溝部21とを連通させる連通孔(図示略)が形成されている。
延長部22において、上記溝部23の下流近傍には、下方へ向けて突出する軸部24が形成されている(図12参照)。また、延長部22において、軸部24よりもさらに下流側へ離れた箇所には、下方へ向けて突出する軸部25が形成されている。
延長部22において上記溝部23の上流近傍には、軸受部52を有する支持壁部26が形成されている。支持壁部26は、左右方向(車幅方向)及び上下方向へ延びる板状をなしている。軸受部52は、支持壁部26を切り欠くことによって形成されている。
延長部22において、上記軸受部50の右側方へ離間した箇所には、軸受部53を有する支持壁部27が形成されている(図11参照)。支持壁部27は、空調用空気A1の流れ方向及び上下方向へ延びる板状をなしている。軸受部53は、支持壁部27を切り欠くことによって形成されている。
<下流フィン群>
図2、図3及び図19に示すように、下流フィン群は、吹出口43から吹出す空調用空気A1の短辺部44に対しなす角度αを変更する3つのフィンからなる。これらのフィンは、いずれも硬質の樹脂によって形成された第1フィン55、第2フィン61及びバレル65からなる。第1フィン55及び第2フィン61のそれぞれの主要部は、長辺部45に沿って左右方向(車幅方向)に延びる板状をなしている(図14参照)。
第1フィン55は、上側の長辺部45の上流近傍に配置されている。第1フィン55の下流端には、長辺部45に沿って左右方向(車幅方向)へ延びるフィン軸56が設けられている。フィン軸56は、上記軸受部47により両側壁部36,37に支持されている。第1フィン55の左右方向(車幅方向)に互いに離間した複数箇所には、同第1フィン55の剛性を高めることを目的として、補強リブ57が形成されている。
第2フィン61は、下側の長辺部45の上流近傍において、上記第1フィン55に対し平行な状態で配置されている。第2フィン61の下流端には、長辺部45に沿って左右方向(車幅方向)に延びるフィン軸62が設けられている。フィン軸62は、上記軸受部48により両側壁部36,37に支持されている。第2フィン61の左右方向(車幅方向)に互いに離間した複数箇所には、同第2フィン61の剛性を高めることを目的として、補強リブ63が形成されている。
従って、第1フィン55及び第2フィン61の下流端部間の間隔は、吹出口43における短辺部44の長さL1(図14参照)と同程度となる。
バレル65は、左右方向(車幅方向)に離間した状態で配置された円板状の側壁部66と、同方向へ延びて両側壁部66間に架け渡された一対の主フィン67と、両主フィン67間で同方向へ延びて両側壁部66間に架け渡された補助フィン68とを備えている。
各側壁部66の中心部には、フィン軸69が設けられている。各フィン軸69は、上記軸受部49により両側壁部36,37に支持されている。
両主フィン67は、吹出口43の短辺部44に沿う方向へ互いに離間している。両主フィン67の下流部67bは、互いに平行に離間している。両主フィン67の上流部67aは、上流ほど互いの間隔が拡大するように下流部67bに対し傾斜している。両下流部67b間の間隔D2は、吹出口43の短辺部44の長さL1に近似する間隔となるように配置されている(図14参照)。従って、間隔D2は、第1フィン55及び第2フィン61の間隔に近似している。ここで、間隔D2について、短辺部44の長さL1に近似する間隔とは、同長さL1に対し、圧力損失の増大に影響を及ぼさない程度に近い間隔を意味する。
補助フィン68は、両下流部67b間の中央部において、同下流部67bに平行な状態で配置されている。補助フィン68は、両フィン軸69から下流側へ離間した箇所に配置されている。補助フィン68の下流部は、両下流部67bの下流端よりも下流に位置している。
<上流フィン群>
図5、図11及び図14に示すように、上流フィン群は、吹出口43から吹出す空調用空気A1の長辺部45に対しなす角度βを変更するためのものである。上流フィン群は、通風路35内のバレル65の補助フィン68よりも上流に配置された複数の上流フィン71からなる。各上流フィン71は互いに同一の構成を有している。各上流フィン71は、それぞれ通風路35内で上下方向へ延びる板状体によって構成されている。複数の上流フィン71は、左右方向(車幅方向)には略等間隔で互いに略平行に離間した状態で配置されている。
各上流フィン71は上下方向へ延びるフィン軸72を備えている。各フィン軸72は、空調用空気A1の流れ方向における上流フィン71の略中央部に位置している。上流フィン71毎のフィン軸72は、上記軸受部51により上壁部38及び底壁部39に支持されている。
各上流フィン71の下端面であって、フィン軸72から上流へ離間した箇所からは連結ピン73が下方へ突出している。
<シャットダンパ75>
図6、図11及び図14に示すように、シャットダンパ75は、吹出口43からの空調用空気A1の吹出し量を調整するために、通風路35の上流フィン71よりも上流に配置されている。シャットダンパ75は、左右方向(車幅方向)に延びる板状をなしている。シャットダンパ75は、空調用空気A1の流れ方向に直交する方向のうち左右方向へ延びる一対のダンパ軸76を備えている。両ダンパ軸76は、空調用空気A1の流れ方向におけるシャットダンパ75の略中央部に位置している。各ダンパ軸76は、上記軸受部50により左右の両側壁部36,37に支持されるとともに、軸受部53により上記支持壁部27に支持されている。
<ダンパ可動範囲規定部77>
図11及び図15に示すように、ダンパ可動範囲規定部77は、ダンパ軸76の回動範囲(角度)を規定するためのものであり、右側の側壁部37において、軸受部50の周りに形成された円弧部78と、ダンパ軸76上に形成された突起部79とを備えている。突起部79は、ダンパ軸76の周方向については、その一部にのみ形成されている。突起部79は、左右方向(車幅方向)については、ダンパ軸76のうち円弧部78に対応する箇所に形成されている。円弧部78の周方向の両端部は、これに突起部79が当接することで、それ以上のダンパ軸76の回動を阻止するストッパ78aを構成している。従って、突起部79は円弧部78と同一円上であって、同円弧部78の形成されていない領域で移動(旋回)可能であり、この領域はダンパ軸76が回動を許容される領域である。
<操作機構80>
図1に示すように、操作機構80は、第1フィン55、第2フィン61、バレル65、上流フィン71及びシャットダンパ75を傾動させる際に操作される機構であり、操作部材81及び伝達機構TMを備えて構成されている。さらに、伝達機構TMは第1伝達機構部TM1、第2伝達機構部TM2及び第3伝達機構部TM3といった3つの伝達機構部を備えている。
操作部材81は、乗員によって操作される部材であり、球状をなすノブ81aと、そのノブ81aから上流側へ突出する軸部81bとを備えている。操作部材81は、吹出口43の外部において傾動可能かつ回動可能に配置されている。
より詳しくは、図4、図7及び図12に示すように、ベゼル41における窓部46の上流近傍には、上下方向及び左右方向(車幅方向)に延びる板状の基部82が配置されている。基部82は、ねじ83によりベゼル41の右側部に締結されている。
基部82の上下方向の中間部分には、略四角枠状の支持枠部84が形成されている。支持枠部84では、その上流端が上流壁部85により閉塞されているのに対し、下流端は開放されている。
上流壁部85には、空調用空気A1の流れ方向に貫通する挿通孔86があけられている。挿通孔86には、上記流れ方向に沿って延びるシャフト87の下流部が挿通されている。シャフト87は、その上流部において支持壁部26の軸受部52に回動可能に支持されている。シャフト87の下流端には、球状をなす係合部88が形成されている。係合部88には空調用空気A1の流れ方向に直交する方向へ突出する一対の突起89が形成されている。
支持枠部84の上部及びベゼル41の間と、同支持枠部84の下部及びベゼル41の間とには、それぞれ軸受部91が設けられている。また、支持枠部84の左右の各側部とベゼル41との間には、それぞれ軸受部92が設けられている。
基部82において支持枠部84の直下には、上記流れ方向に貫通する貫通孔93があけられている。貫通孔93は、左右方向(車幅方向)に細長い形状をなしている。
図7、図8(a),(b)及び図12に示すように、支持枠部84内には、半球殻状をなし、かつ上流部において開放された外殻部材94が配置されている。外殻部材94の内面には、球面の一部が形成されている。
外殻部材94は、第1フィン55、第2フィン61及びバレル65の各フィン軸56,62,69と同一方向である左右方向(車幅方向)へ延びる一対の支軸95を有している。両支軸95は、両軸受部92により支持枠部84に対し上下方向へ回動可能に支持されている。外殻部材94の下流部には、空調用空気A1の流れ方向に貫通し、かつ自身の両支軸95に沿って略左右方向(略車幅方向)に延びる長孔96が形成されている。
外殻部材94の内部には、半球殻状をなし、かつ上流部において開放された中間殻部材97が配置されている。中間殻部材97の内面及び外面には、それぞれ球面の一部が形成されている。中間殻部材97は、その外面を上記外殻部材94の内面に接触させた状態で同外殻部材94に対し摺動可能に係合されている。中間殻部材97は、上流フィン71の各フィン軸72と同一方向である上下方向へ延びる一対の支軸98を有している。両支軸98は、両軸受部91により支持枠部84に対し、左右方向(車幅方向)へ回動可能に支持されている。中間殻部材97の下流部には、空調用空気A1の流れ方向に貫通し、かつ自身の支軸98に沿って略上下方向に延びる長孔99が形成されている。
中間殻部材97の内部には、半球殻状をなし、かつ上流部において開放された内殻部材101が配置されている。内殻部材101の外面には、球面の一部が形成されている。内殻部材101は、その外面を上記中間殻部材97の内面に接触させた状態で同中間殻部材97に対し摺動可能に係合されている。
内殻部材101の内面には、球面の一部が形成されている。この内殻部材101の内面には、空調用空気A1の流れ方向に沿って延びる一対の係合溝102が形成されている。そして、シャフト87の係合部88が、自身の外面を内殻部材101の内面に接触させた状態で同内殻部材101に対し摺動可能に係合されるとともに、各突起89が対応する係合溝102に係入されている。このようにして、内殻部材101は、シャフト87に対し回動を伝達する態様で係合されている。
上記操作部材81の軸部81bは、上記両長孔96,99の交差した部分において外殻部材94及び中間殻部材97に挿通されている。軸部81bは内殻部材101の下流端部に嵌合された状態で固定されている。
上記外殻部材94、中間殻部材97及び内殻部材101は、自在継手(ユニバーサルジョイント)を構成する部材として用いられている。また、外殻部材94により第1伝達機構部TM1の一部が構成されている。第1伝達機構部TM1は、短辺部44に沿う方向(上下方向)の操作部材81の動きを、下流フィン群を構成するバレル65、第1フィン55及び第2フィン61に伝達して、次の動作を行なわせるための機構部である。その動作とは、操作部材81の操作に応じ、第1フィン55及び第2フィン61とバレル65とを互いに反対方向へ傾動させることである。
図3、図16及び図17に示すように、第1伝達機構部TM1は、上記外殻部材94のほかに、駆動ギヤ103、第1伝達ギヤ104、第2伝達ギヤ105、従動ギヤ106及びロッド109を備えている。
駆動ギヤ103は、側面扇状をなしており、外殻部材94の左側の支軸95に形成されている。駆動ギヤ103は、リテーナ10の側壁部37と支持枠部84との間に配置されている(図11参照)。駆動ギヤ103の各歯は、支軸95を中心とする円弧に沿って配列されている。
第1伝達ギヤ104は、側面扇状をなしており、バレル65の右側のフィン軸69に形成されている。第1伝達ギヤ104は、リテーナ10の側壁部37の外部に配置されている(図11参照)。第1伝達ギヤ104の各歯は、フィン軸69を中心とする円弧に沿って配列されている。そして、第1伝達ギヤ104が駆動ギヤ103に噛み合わされている。
第2伝達ギヤ105は、側面扇状をなしており、上記第1伝達ギヤ104に重なった状態でバレル65の右側のフィン軸69に形成されている。第2伝達ギヤ105の各歯は、フィン軸69を中心とする円弧に沿って配列されている。
従動ギヤ106は、側面扇状をなしており、第2フィン61の右側のフィン軸62に形成されている。従動ギヤ106は、側壁部37の外部に配置されている(図11参照)。従動ギヤ106の各歯は、フィン軸62を中心とする円弧に沿って配列されている。そして、従動ギヤ106が第2伝達ギヤ105に噛み合わされている。
第1フィン55の右側部において、フィン軸56よりも上流には連結ピン107が突設されている。また、第2フィン61の右側部において、フィン軸62よりも上流には連結ピン108が突設されている。両連結ピン107,108は、略上下方向へ延びるロッド109によって連結されている。そして、上記フィン軸56,62、連結ピン107,108及びロッド109によって、第1フィン55を第2フィン61に対し平行となるように同第2フィン61に同期した状態で傾動させる平行リンク機構が構成されている。
図5、図10及び図12に示すように、上記中間殻部材97により第2伝達機構部TM2の一部が構成されている。第2伝達機構部TM2は、長辺部45に沿う方向(左右方向、車幅方向)の操作部材81の動きを、複数の上流フィン71に伝達して、フィン軸72を支点として各上流フィン71を傾動させるための機構部である。
第2伝達機構部TM2は、上記中間殻部材97のほかに、駆動ギヤ111、伝達ギヤ114、従動ギヤ115及びロッド112を備えている。
駆動ギヤ111は平面扇状をなしており、中間殻部材97の下側の支軸98に形成されている。駆動ギヤ111は、上記基部82の貫通孔93に挿通されている。
上記底壁部39の溝部21と、延長部22の溝部23とには、左右方向(車幅方向)に延びるロッド112が、連通孔に通された状態で配置されている。このロッド112において、左右方向(車幅方向)に略等間隔で互いに離間した箇所には孔113があけられており、これらの孔113に各上流フィン71の連結ピン73が挿入されている。そして、上流フィン71毎のフィン軸72及び連結ピン73とロッド112とによって、全ての上流フィン71を互いに平行となるように同期した状態で傾動させる平行リンク機構が構成されている。
延長部22の軸部25には、全周に歯が形成された伝達ギヤ114が支持されており、この伝達ギヤ114が上記駆動ギヤ111に噛み合わされている。延長部22の軸部24には、全周に歯が形成された従動ギヤ115が支持されており、この従動ギヤ115が上記伝達ギヤ114に噛み合わされている。
さらに、従動ギヤ115において、軸部24から径方向外方へ離間した箇所には上方へ向けて突出する連結ピン116が形成されており、この連結ピン116が上記ロッド112の右端部に形成された孔117に挿通されている。
図6及び図11に示すように、上記内殻部材101により第3伝達機構部TM3の一部が構成されている。第3伝達機構部TM3は、操作部材81の回動を、シャフト87を介してシャットダンパ75に伝達するための機構部である。
第3伝達機構部TM3は、上記内殻部材101のほかに、上述したシャフト87及び傘歯車機構を備えている。傘歯車機構は、シャットダンパ75のダンパ軸76に対し直交するシャフト87の回動を、そのダンパ軸76に伝達するためのものである。傘歯車機構は、シャフト87の上流端に形成された駆動側の傘歯車118と、右側のダンパ軸76に形成され、かつ上記傘歯車118に噛み合わされた従動側の傘歯車119との組合わせからなる。
次に、上記のように構成された本実施形態の作用について説明する。
図11及び図12は、操作部材81が、上下方向の可動領域の中央部、かつ左右方向(車幅方向)の可動領域の中央部に位置し、回動方向の可動領域の一方の端に位置するときの、各部の状態を示している。このときの操作部材81の状態を「中立状態」というものとする。中立状態では、操作部材81の軸部81bがシャフト87と同一軸線上に位置している。このとき、ダンパ可動範囲規定部77では、図15において実線で示すように、突起部79が円弧部78の一方(左方)のストッパ78aに接触している。シャットダンパ75は、通風路35に導入される前の空調用空気A1の流れ方向に沿う姿勢(水平状態)、すなわち全開状態にされている(図13参照)。
図10に示すように、第2伝達機構部TM2では、従動ギヤ115の連結ピン116が軸部24の上流に位置している。また、各上流フィン71では、連結ピン73がフィン軸72の上流に位置している。その結果、図11において実線で示すように、各上流フィン71が通風路35に導入される前の空調用空気A1の流れ方向に沿う姿勢にされている。各上流フィン71は、リテーナ10の両側壁部36,37に対し略平行となっている。
図16及び図17に示すように、第1伝達機構部TM1では、駆動ギヤ103と第1伝達ギヤ104とが、それらの周方向の中央部分の歯において噛み合っている。バレル65における両下流部67bと補助フィン68とは、通風路35に導入される前の空調用空気A1の流れ方向に沿う姿勢(略水平状態)にされている。
また、第2伝達ギヤ105と従動ギヤ106とが、それらの周方向の中央部分の歯において噛み合っている。第2フィン61は、バレル65と同様に、通風路35に導入される前の空調用空気A1の流れ方向に沿う姿勢(略水平状態)にされている。ロッド109を介して第2フィン61に連結された第1フィン55についても同様である。しかも、第1フィン55及び第2フィン61は、両下流部67bと略同じ高さに位置している。
そのため、図11、図13及び図14に示すように、空調用薄型レジスタに流入した空調用空気A1は、最初にシャットダンパ75の上側と下側とに分かれて流れる。シャットダンパ75を通過した空調用空気A1は、隣り合う上流フィン71間や、左右方向(車幅方向)の両端の上流フィン71とリテーナ10の側壁部36,37との間を流れた後に、バレル65内に流入する。ここで、バレル65における両主フィン67の上流部67aは、下流部67bに対し傾斜している。主フィン67では、両上流部67aの間隔が上流ほど拡がっている。そのため、バレル65に流入した空調用空気A1は、両主フィン67の傾斜した上流部67aに沿って流れることで、両下流部67b間に集められる。そして、空調用空気A1は、下流部67bと補助フィン68との間を、それらの下流部67b及び補助フィン68に沿って流れる。その後、空調用空気A1は、第1フィン55及び第2フィン61の間を、それらのフィン55,61に沿って流れる。その結果、多くの量の空調用空気A1が、左右方向(車幅方向)にも上下方向にも流れる向きを変えられることなく、吹出口43から下流側へ真っ直ぐ吹出される。
上記中立状態の操作部材81のノブ81aが摘まれて、吹出口43の短辺部44に沿う方向(上下方向)のうち、上方へ向かう力が加えられると、その力は操作部材81の軸部81bに固定された内殻部材101に伝達される。内殻部材101は、その内面において、シャフト87の係合部88の外面に対し接触した状態で係合している。また、内殻部材101は、その外面において、中間殻部材97の内面に対し接触した状態で係合している。
また、操作部材81の軸部81bが挿通された外殻部材94の長孔96は左右方向(車幅方向)へ延びているところ、この方向は操作部材81の操作方向に直交する方向である。また、操作部材81の軸部81bが挿通された中間殻部材97の長孔99は、上下方向へ延びているところ、この方向は操作部材81の操作方向と同一方向である。そのため、操作部材81に加えられた上方へ向かう力は、左右方向(車幅方向)へ延びる長孔96の壁面を介して外殻部材94に伝達される。また、上方へ向かう上記力は、中間殻部材97には伝達されない。操作部材81の軸部81bが上下方向に延びる長孔99に沿って上方へ移動するからである。
操作部材81は、これに一体になった内殻部材101がシャフト87の係合部88に対し上方へ摺動するとともに、軸部81bが長孔99に沿って上方へ移動することで、係合部88を支点として上方へ傾動される。長孔96において操作部材81の軸部81bを通じて上方へ向かう力を受けた外殻部材94は、中間殻部材97に対し上方へ摺動することで、支軸95を支点として図18に示すように時計回り方向へ回動する。これに伴い支軸95上に形成された駆動ギヤ103が図20の時計回り方向へ回動する。この回動は、同図20に示すように、駆動ギヤ103に噛み合わされた第1伝達ギヤ104を介してバレル65のフィン軸69に伝達される。第1伝達ギヤ104がバレル65及び第2伝達ギヤ105を伴って、駆動ギヤ103とは反対方向である反時計回り方向へ回動されることで、両下流部67b及び補助フィン68が、下流側ほど低くなるように傾斜する。
また、上記第2伝達ギヤ105の回動は、同第2伝達ギヤ105に噛み合わされた従動ギヤ106及びフィン軸62を介して第2フィン61に伝達され、同第2フィン61が上記フィン軸62を支点として、バレル65とは反対方向(操作部材81と同一方向)へ傾動される。
第2フィン61の上記傾動は、図21に示すようにロッド109、連結ピン108,107を介して第1フィン55にも伝達される。第1フィン55は、第2フィン61に対し平行な状態で、同第2フィン61に同期して、フィン軸56を支点として時計回り方向へ傾動する。このようにして、第1フィン55及び第2フィン61が、それぞれのフィン軸56,62を支点として、上記バレル65とは反対方向へ傾動する。第2フィン61及び第2フィン61は、上流側ほど低くなるように傾斜した状態となる。
従って、図19に示すように、上流フィン71を通過した後にバレル65に流入した空調用空気A1は、上記のように傾斜した両下流部67b間を流れるとともに底壁部39に沿って流れることで、第1フィン55の上流端と、第2フィン61の上流端との間に導かれる。
ここで、バレル65における両下流部67bは互いに平行に離間しているところ、補助フィン68は、両主フィン67間において、下流部67bに対し平行に配置されている。そのため、空調用空気A1はバレル65内を通過する際に、両下流部67bに加え補助フィン68に沿って流れる。従って、空調用空気A1は補助フィン68が設けられない場合に比べ、第1フィン55の上流端と第2フィン61の上流端との間に導かれやすい。
空調用空気A1は、第1フィン55及び第2フィン61の間を流れることで、流れる向きを変えられ、吹出口43から斜め上方へ向けて吹出される。このようにして、吹出口43から吹出す空調用空気A1の短辺部44に対しなす角度αが変更される。
なお、上記のように操作部材81に対し上方へ向かう力が加えられた場合、その力は中間殻部材97には伝達されない。中間殻部材97は支軸98を支点として回動せず、従って、上流フィン71は傾動しない。また、このときには、内殻部材101は操作部材81と一体となって、その操作部材81の傾動方向と同一方向である上方へ回動する。この際、内殻部材101は、シャフト87の係合部88に対し摺動し、係合溝102と突起89との係合状態(例えば位置関係)を変化させるにとどまり、操作部材81の傾動はシャフト87に伝達されにくい。シャフト87はほとんど回動せず、従って、シャットダンパ75の開度はほとんど変化しない。
上記中立状態から、上記とは逆に操作部材81のノブ81aが摘まれて、下方へ向かう力が加えられると、図22に示すように、同操作部材81は、内殻部材101がシャフト87の係合部88に対し下方へ摺動するとともに、軸部81bが長孔99に沿って下方へ移動することで、係合部88を支点として下方へ傾動される。操作部材81の軸部81bを通じて下方へ向かう力を受けた外殻部材94は、中間殻部材97に対し下方へ摺動することで、支軸95を支点として図24の反時計回り方向へ回動する。これに伴い支軸95上に形成された駆動ギヤ103が同方向へ回動する。この回動は、第1伝達ギヤ104を介してバレル65のフィン軸69に伝達される。第1伝達ギヤ104がバレル65及び第2伝達ギヤ105を伴って、操作部材81の傾動方向とは反対方向である時計回り方向へ傾動されることで、両下流部67b及び補助フィン68が、下流側ほど高くなるように傾斜する。
また、上記第2伝達ギヤ105の回動は、従動ギヤ106及びフィン軸62を介して第2フィン61に伝達され、同第2フィン61が上記フィン軸62を支点として、バレル65とは反対方向(操作部材81と同一方向)へ傾動される。
第2フィン61の上記傾動は、図25に示すように、ロッド109を介して第1フィン55にも伝達される。第1フィン55は、第2フィン61に対し平行な状態で、同第2フィン61に同期して、フィン軸56を支点として反時計回り方向へ傾動する。このようにして、第1フィン55及び第2フィン61が、それぞれのフィン軸56,62を支点として、上記バレル65の傾動方向とは反対方向へ傾動する。第2フィン61及び第2フィン61は、上流側ほど高くなるように傾斜した状態となる。
従って、図23に示すように、上流フィン71を通過した後にバレル65に流入した空調用空気A1は、上記のように傾斜した両下流部67b間を流れるとともに上壁部38に沿って流れることで、第1フィン55の上流端と、第2フィン61の上流端との間に導かれる。
この場合にも、空調用空気A1は両主フィン67間を通過する際に、両下流部67bに加え補助フィン68に沿って流れる。そのため、空調用空気A1は補助フィン68が設けられない場合に比べ、第1フィン55の上流端と、第2フィン61の上流端との間に導かれやすい。
空調用空気A1は、第1フィン55及び第2フィン61の間を流れることで、流れる向きを変えられ、吹出口43から斜め下方へ向けて吹出される。このようにして、吹出口43から吹出す空調用空気A1の短辺部44に対しなす角度αが変更される。
なお、上記のように操作部材81に対し下方へ向かう力が加えられた場合、その力は中間殻部材97には伝達されない。中間殻部材97は支軸98を支点として回動せず、従って上流フィン71は傾動しない。また、このときには、内殻部材101は操作部材81と一体となって、その操作部材81の傾動方向と同一方向である下方へ回動する。この際、内殻部材101は、シャフト87の係合部88に対し摺動し、係合溝102と突起89との係合状態(例えば位置関係)を変化させるにとどまり、操作部材81の傾動はシャフト87に伝達されにくい。シャフト87はほとんど回動せず、従って、シャットダンパ75の開度はほとんど変化しない。
ところで、両下流部67bは互いに平行に離間している。また、第1フィン55と第2フィン61とは互いに平行な状態で配置されている。そのため、上記のように操作部材81が上下方向へ傾動されても、空調用空気A1が通風路35のうち、両下流部67b間と、第1フィン55及び第2フィン61の間とを流れる際に流路断面積が大きく変化しない。
特に、本実施形態では、図14及び図19に示すように、フィン軸56が上側の長辺部45の上流近傍に位置し、かつフィン軸62が下側の長辺部45の上流近傍に位置していて、第1フィン55及び第2フィン61の間隔が吹出口43の短辺部44の長さL1に近似している。両下流部67b間の間隔D2が、上記短辺部44の長さL1に合致又は近似する間隔に設定されている。こうした設定により、両下流部67b間の流路断面積が、第1フィン55及び第2フィン61の間の流路断面積と同程度となる。そのため、空調用空気A1が両下流部67b間から第1フィン55及び第2フィン61の間を経由して吹出口43から吹出すまでに、流路断面積が大きく変化することがない。
また、本実施形態では、図13に示すように、リテーナ10のバレル65よりも上流では、短辺部44に沿う方向の寸法(間隔D1)が、同短辺部44の長さL1に合致又は近似する寸法に設定されている。そのため、仮に、バレル65における両主フィン67が、上流部67aでも下流部67bと同様に互いに平行に離間していると、バレル65が傾動されて、両下流部67bが短辺部44に対し傾斜したとき、上流部67aが通風路35内に突出し、空調用空気A1の流通抵抗となる。
この点、両上流部67aが上流ほど互いの間隔が拡大するように下流部67bに対し傾斜させられている本実施形態では、図19及び図23に示すように、同上流部67aが通風路35内に突出することが抑制され、通風抵抗となることが抑制される。
上記中立状態から、操作部材81のノブ81aが摘まれて、左右方向(車幅方向)のうち、例えば、同図11において右方へ向かう力が加えられると、その力は操作部材81の軸部81bに固定された内殻部材101に伝達される。
ここで、操作部材81の軸部81bが挿通された外殻部材94の長孔96は左右方向(車幅方向)へ延びているところ、この方向は操作部材81の操作方向と同一方向である。また、操作部材81の軸部81bが挿通された中間殻部材97の長孔99は、上下方向へ延びているところ、この方向は操作部材81の操作方向に直交する方向である。
そのため、操作部材81に加えられた右方へ向かう力は、上下方向へ延びる長孔99の壁面を介して中間殻部材97に伝達される。また、右方へ向かう上記の力は、外殻部材94には伝達されない。操作部材81の軸部81bが左右方向に延びる長孔96に沿って右方へ移動するからである。
従って、操作部材81は、図26に示すように、内殻部材101がシャフト87の係合部88に対し右方へ摺動するとともに、軸部81bが長孔96に沿って右方へ移動することで、係合部88を支点として右方へ傾動される。操作部材81の軸部81bを通じて右方へ向かう力を受けた中間殻部材97は、外殻部材94に対し右方へ摺動することで、支軸98を支点として反時計回り方向へ回動する。これに伴い、図27に示すように、支軸98上に形成された駆動ギヤ111が反時計回り方向へ回動する。この回動は、駆動ギヤ111に噛み合わされた伝達ギヤ114に伝達され、同伝達ギヤ114が駆動ギヤ111とは反対方向へ回動する。また、伝達ギヤ114の回動は、同伝達ギヤ114に噛み合わされた従動ギヤ115に伝達され、同従動ギヤ115が駆動ギヤ111と同一方向へ回動する。これに伴い、従動ギヤ115の連結ピン116が軸部24の周りを反時計回り方向へ旋回する。ロッド112に対し、連結ピン116を通じて左方へ向かう力が加えられ、同ロッド112が溝部21,23内を左方へ移動する。各上流フィン71の連結ピン73に対し、ロッド112を通じて左方へ向かう力が加えられる。各上流フィン71は、フィン軸72を支点として、互いに平行となるように同期した状態で反時計回り方向へ傾動する。各上流フィン71は、図11において二点鎖線で示すように、下流側ほど右方に位置するように傾斜した状態となる。
従って、シャットダンパ75を通過した空調用空気A1は、上記のように傾斜した上流フィン71間を流れることで、流れる向きを右方へ変えられる。
この空調用空気A1は、バレル65における両主フィン67間と、第1フィン55及び第2フィン61の間とを順に流れた後に、吹出口43から、上記上流フィン71によって変えられた方向(右方)へ向けて吹出される。このようにして、吹出口43から吹出す空調用空気A1の長辺部45に対しなす角度βが変更される。
ところで、上記のように操作部材81に対し右方へ向かう力が加えられた場合、その力は上述したように外殻部材94には伝達されない。外殻部材94は支軸95を支点として回動せず、従って、バレル65、第1フィン55及び第2フィン61は傾動しない。また、このときには、内殻部材101は操作部材81と一体となって、その操作部材81の傾動方向と同一方向である右方へ回動する。この際、内殻部材101は、シャフト87の係合部88に対し摺動し、係合溝102と突起89との係合状態(例えば位置関係)を変化させるにとどまり、操作部材81の傾動はシャフト87に伝達されにくい。シャフト87はほとんど回動せず、従って、シャットダンパ75の開度はほとんど変化しない。
なお、上記中立状態から、操作部材81に対し左方へ向かう力が加えられると、伝達機構TMの各部は、上述した操作部材81に対し右方へ向かう力を加えた場合とは逆の方向へ作動する。
上記中立状態から、操作部材81のノブ81aが摘まれて、周方向に向かう力が加えられると、その力は、操作部材81の軸部81bに固定された内殻部材101に伝達される。内殻部材101が操作部材81と一体となって回動する。この回動は、内殻部材101の内面の係合溝102を介して、シャフト87における係合部88の少なくとも一方の突起89に伝達される。この伝達により、空調用空気A1の流れ方向に延びるシャフト87が駆動側の傘歯車118を伴って回動する。その回動が従動側の傘歯車119を介して、上記流れ方向に直交するダンパ軸76に伝達される。この際、両傘歯車118,119は、伝達される回動の方向を変更する。シャットダンパ75がダンパ軸76を支点として傾動されることにより、同シャットダンパ75の開度が、操作部材81の回動量(角度)に応じた開度に変化する。通風路35においてシャットダンパ75を通過する空調用空気A1の量が調整され、吹出口43からの空調用空気A1の吹出し量が調整される。
なお、操作部材81が上記のように回動される際には、その回動は外殻部材94及び内殻部材101に伝達されない。操作部材81が、外殻部材94及び内殻部材101に挿通されているにすぎないからである。従って、バレル65も上流フィン71も傾動されない。
また、ダンパ軸76に形成された突起部79は、そのダンパ軸76の回動に伴い図15において二点鎖線の矢印で示すように旋回する。そして、図14において二点鎖線で示すように、シャットダンパ75が全閉状態となる角度まで傾動すると、突起部79が図15中右側のストッパ78aに接触し、シャットダンパ75のそれ以上の傾動が規制される。
ところで、本実施形態では、一対の主フィン67及び補助フィン68がバレル65の一部として形成されていて、バレル65のフィン軸69を支点とした傾動に伴い両主フィン67も平行な状態を維持しながら傾動される。また、バレル65と第1フィン55及び第2フィン61とを直接連結する部材(特許文献1の中間部に相当する部材)が用いられていない。そのため、吹出口43から吹出す空調用空気A1の短辺部44に対しなす角度αを変更する機構は、送風ダクト側部を構成する一対の板状部と、吹出し側部を構成する一対の板状部とを中間部に連結する特許文献1よりも簡単なものとなる。
以上詳述した本実施形態によれば、次の効果が得られる。
(1)リテーナ10の吹出口43が、一対の短辺部44と一対の長辺部45とからなる長方形状をなす(図1)。吹出口43から吹出す空調用空気A1の短辺部44に対しなす角度αを変更する部材として、互いに平行な状態で長辺部45の上流に配置され、かつフィン軸56,62によりリテーナ10に支持された第1フィン55及び第2フィン61と、両フィン55,61の上流でフィン軸69によりリテーナ10に支持されたバレル65とが用いられる。バレル65は、短辺部44に沿う方向に互いに離間した一対の主フィン67を有する(図19)。両主フィン67の下流部67bは、両フィン55,61の間隔に近似した間隔D2で互いに平行に離間している(図14)。操作部材81と、両フィン55,61及びバレル65との間には、操作部材81の操作に応じ、両フィン55,61とバレル65とを互いに反対方向へ傾動させる伝達機構TMが設けられている(図11)。
そのため、空調用空気A1が通風路35のうち、両主フィン67の下流部67b間から両フィン55,61間を経由して吹出口43から吹出すまでに、通風路35の流路断面積が大きく変化しないようにすることができ、圧力損失が増大するのを抑制することができる(図19)。
特に、両フィン55,61もバレル65も硬質の樹脂によって形成されていて、上記特許文献2に記載された一対の可撓性膜部材よりも強度が高い。そのため、両フィン55,61とバレル65とを互いに反対方向へ傾動させたときには空調用空気A1の高い風圧が、両下流部67bや両フィン55,61に作用するが、両下流部67bを平行な状態に保持し、両フィン55,61を平行な状態に保持することができる。空調用空気A1の吹出し方向の変更に伴い通風路35が変形して流路断面積が大きく変化するのを抑制し、圧力損失の増大を抑制することができる。
また、両主フィン67をバレル65の一部として形成していて、バレル65のフィン軸69を支点とした傾動に伴い両下流部67bも平行な状態で傾動させることができ、吹出口43から吹出す空調用空気A1の短辺部44に対しなす角度αを変更する機構を、特許文献1よりも簡単なものとすることができる。
(2)バレル65として、両下流部67b間に、同下流部67bに対し平行に配置された補助フィン68を備えるものが用いられている(図19、図23)。
そのため、両下流部67bが傾斜した状態となるようにバレル65が傾動されたとき、空調用空気A1が両主フィン67によって、流れる向きを充分変えられずに、第1フィン55と第2フィン61との間に導かれるのを抑制することができる。その結果、空調用空気A1が、両フィン55,61によって充分に向きを変えられずに吹出口43から吹出される(吹き抜ける)のを抑制することができる。
(3)伝達機構TMとして、駆動ギヤ103、第1伝達ギヤ104、第2伝達ギヤ105及び従動ギヤ106を備えるものが用いられている(図16)。
そのため、操作部材81が吹出口43の短辺部44に沿う方向へ傾動された場合に、バレル65を、操作部材81の傾動方向とは逆方向へ傾動させるとともに、第2フィン61をバレル65とは逆方向(操作部材81の傾動方向と同一方向)へ傾動させることができる。
(4)伝達機構TMとして、第1フィン55及び第2フィン61を、それらのフィン軸56,62とは異なる箇所で連結するロッド109を備えるものが用いられている(図17)。
そのため、第1フィン55を第2フィン61に対し平行な状態で傾動させることができる。
(5)操作部材81は吹出口43に配置された場合に通風抵抗となり、圧力損失の増大を招く。この点、上記実施形態では、操作部材81が吹出口43の外部に配置されている(図1、図11)。
そのため、操作部材81による通風抵抗の増大、ひいては圧力損失の増大を抑制することができる。
(6)リテーナ10のバレル65よりも上流では、短辺部44に沿う方向の寸法(上下両湾曲部14,18の間隔D1)が、同短辺部44の長さL1に合致又は近似する寸法に設定されている。両主フィン67の下流部67bが、互いに平行に離間しているのに対し、両主フィン67の上流部67aは、上流ほど互いの間隔が拡大するように下流部67bに対し傾斜している(図13)。
そのため、バレル65が傾動された場合(図19、図23)に、主フィン67の上流部67aが通風路35内に突出して通風抵抗となるのを抑制することができる。
(7)バレル65と、第1伝達ギヤ104及び第2伝達ギヤ105とが単一の部材により構成されている(図3)。
そのため、これらが別々の部材によって構成された場合よりも部品点数及び組付け工数を少なくすることができる。
(8)第2フィン61と、フィン軸62及び従動ギヤ106とが単一の部材により構成されている。
そのため、これらが別々の部材によって構成された場合よりも部品点数及び組付け工数を少なくすることができる。
なお、上記実施形態は、これを以下のように変更した変形例として実施することもできる。
・ベゼル41は、鉛直面に対し傾斜した状態で配置されてもよい。
・第1フィン55及び第2フィン61において、充分な剛性が得られる場合には、補強リブ57,63の数が減少されてもよいし、場合によっては割愛されてもよい。
・バレル65では、両主フィン67の下流部67bだけでなく上流部67aも互いに平行に形成されてもよい。
・両下流部67bの間隔によっては、すなわち上記間隔が、バレル65を傾動させたときに両下流部67b間を空調用空気A1が吹き抜けることのないほど小さければ、補助フィン68が省略されてもよい。
・第1伝達機構部TM1における従動ギヤ106は、第2フィン61のフィン軸62に代えて第1フィン55のフィン軸56に設けられて、第2伝達ギヤ105に噛み合わされてもよい。
・操作部材81は、リテーナ10において、吹出口43の外部であることを条件に、上記実施形態とは異なる箇所に設けられてもよい。
・上記空調用薄型レジスタは、車室内においてインストルメントパネルとは異なる箇所に設けられる空調用薄型レジスタにも適用可能である。
・上記空調用薄型レジスタは、空調装置から送られてきて室内に吹出す空調用空気A1の向きをフィンによって調整することのできるものであれば、車両に限らず広く適用可能である。
・上記空調用薄型レジスタは、吹出口43が縦長となるように配置されるタイプの空調用薄型レジスタにも適用可能である。この場合、第1フィン55、第2フィン61及びバレル65として、それぞれ上下方向へ延びるものが用いられ、これらが左右方向(車幅方向)に配列される。複数の上流フィン71としては、それぞれ左右方向(車幅方向)へ延びるものが用いられ、これらが互いに上下方向に離間した状態で配列される。
10…リテーナ、35…通風路、43…吹出口、44…短辺部、45…長辺部、55…第1フィン、56,62,69…フィン軸、61…第2フィン、65…バレル、67…主フィン、67a…上流部、67b…下流部、68…補助フィン、81…操作部材、103…駆動ギヤ、104…第1伝達ギヤ、105…第2伝達ギヤ、106…従動ギヤ、109…ロッド、A1…空調用空気、D1,D2…間隔、L1…長さ、α,β…角度、TM…伝達機構。

Claims (7)

  1. 空調用空気の流れ方向の下流端に吹出口を有する通風路が形成されたリテーナを備え、
    前記吹出口は、一対の短辺部と、両短辺部に対し直交し、かつ両短辺部よりも長い一対の長辺部とからなる長方形状をなし、
    前記吹出口から吹出す空調用空気の前記短辺部に対しなす角度を変更する部材は、それぞれ前記長辺部に沿って延びる第1フィン、第2フィン及びバレルからなり、
    前記第1フィン及び前記第2フィンは、互いに平行な状態で各長辺部の上流に配置され、かつ自身の下流端のフィン軸により前記リテーナに支持され、
    前記バレルは、前記第1フィン及び前記第2フィンの上流でフィン軸により前記リテーナに支持され、かつ前記短辺部に沿う方向に互いに離間した一対の主フィンを備え、
    両主フィンの少なくとも下流部は、前記第1フィン及び第2フィンの間隔に近似した間隔で互いに平行に離間しており、
    前記空調用空気の吹出す前記角度を変更する際に操作される操作部材と、第1フィン、第2フィン及びバレルとの間には、同操作部材の操作に応じ、前記第1フィン及び前記第2フィンと前記バレルとを互いに反対方向へ傾動させる伝達機構が設けられている空調用薄型レジスタ。
  2. 前記バレルは、両主フィンの少なくとも下流部間に、同下流部に対し平行に配置された補助フィンを備える請求項1に記載の空調用薄型レジスタ。
  3. 前記伝達機構は、
    前記操作部材の前記短辺部に沿う方向の傾動に伴い回動する駆動ギヤと、
    前記バレルの前記フィン軸に固定され、かつ前記駆動ギヤに噛み合わされた第1伝達ギヤと、
    前記バレルの前記フィン軸に固定された第2伝達ギヤと、
    前記第1フィン及び前記第2フィンの一方の前記フィン軸に固定され、かつ前記第2伝達ギヤに噛み合わされた従動ギヤと
    を備える請求項1又は2に記載の空調用薄型レジスタ。
  4. 前記伝達機構は、前記第1フィン及び前記第2フィンを、それらのフィン軸とは異なる箇所で連結するロッドを備える請求項3に記載の空調用薄型レジスタ。
  5. 前記操作部材は、前記吹出口の外部に配置されている請求項1〜4のいずれか1項に記載の空調用薄型レジスタ。
  6. 前記リテーナの前記バレルよりも上流では、前記短辺部に沿う方向の寸法が、同短辺部の長さに合致又は近似する寸法に設定されており、
    両主フィンのうち下流部のみが互いに平行に離間しており、
    両主フィンの上流部は、上流ほど互いの間隔が拡大するように前記下流部に対し傾斜している請求項1〜5のいずれか1項に記載の空調用薄型レジスタ。
  7. 前記バレル、前記第1伝達ギヤ及び前記第2伝達ギヤは単一の部材により構成され、
    前記第1フィン及び前記第2フィンのうちフィン軸に前記従動ギヤの固定されたものと、それらのフィン軸及び従動ギヤとは、単一の部材により構成されている請求項3又は4に記載の空調用薄型レジスタ。
JP2015233174A 2015-11-30 2015-11-30 空調用薄型レジスタ Expired - Fee Related JP6421743B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015233174A JP6421743B2 (ja) 2015-11-30 2015-11-30 空調用薄型レジスタ

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015233174A JP6421743B2 (ja) 2015-11-30 2015-11-30 空調用薄型レジスタ

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2017100494A JP2017100494A (ja) 2017-06-08
JP6421743B2 true JP6421743B2 (ja) 2018-11-14

Family

ID=59015884

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2015233174A Expired - Fee Related JP6421743B2 (ja) 2015-11-30 2015-11-30 空調用薄型レジスタ

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6421743B2 (ja)

Families Citing this family (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP6791066B2 (ja) * 2017-08-25 2020-11-25 豊田合成株式会社 空調用薄型レジスタ
KR102507011B1 (ko) * 2018-04-10 2023-03-06 현대자동차주식회사 자동차용 에어벤트 장치
CN109795290A (zh) * 2018-12-20 2019-05-24 宁波舜宇模具股份有限公司 一种隐藏式自动出风口结构
KR102611760B1 (ko) * 2019-06-28 2023-12-11 현대모비스 주식회사 차량용 에어벤트

Family Cites Families (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0720503Y2 (ja) * 1988-12-12 1995-05-15 小島プレス工業株式会社 レジスタ
JPH02143209U (ja) * 1989-04-28 1990-12-05
JPH03124904U (ja) * 1990-03-30 1991-12-18
JP3344171B2 (ja) * 1995-07-21 2002-11-11 三菱自動車工業株式会社 空気吹出しルーバ
JP5799734B2 (ja) * 2011-10-13 2015-10-28 トヨタ車体株式会社 乗用車の空調装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP2017100494A (ja) 2017-06-08

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6579002B2 (ja) 空調用レジスタ
JP5892127B2 (ja) 空調用レジスタ
JP6421743B2 (ja) 空調用薄型レジスタ
JP2008001151A (ja) 空調装置の吹出口構造
JP2016016786A (ja) 空調用薄型レジスタ
JP5724852B2 (ja) 空調用レジスタ
JP2008149830A (ja) 空調用薄型レジスタ
JP2019011009A (ja) レジスタ
JP2014024438A (ja) 風向調整装置
JP6500234B2 (ja) 空調用薄型レジスタ
JP6459935B2 (ja) 空調用レジスタの操作機構
WO2018030022A1 (ja) 空気吹出装置
JP2015163489A (ja) 送風装置
JP2013112256A (ja) 空調用レジスタ
JP5733203B2 (ja) 空調用レジスタ
JP2011156930A (ja) レジスタ
JP2015067188A (ja) 送風装置
JP6791066B2 (ja) 空調用薄型レジスタ
JP6229631B2 (ja) 空調用レジスタ
JP6463325B2 (ja) 車両用レジスタ装置
JP6500235B2 (ja) 空調用レジスタ
JP6817177B2 (ja) 空調用レジスタ
JP2019084854A (ja) レジスタ
JP5852710B2 (ja) 空調用レジスタ
JP5842787B2 (ja) 空調用レジスタ

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20171218

TRDD Decision of grant or rejection written
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20180912

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20180918

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20181001

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6421743

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees