JP2008142958A - 両面印刷方法および両面印刷装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】制御手段129のCPU130は、排紙センサ150により計数された印刷枚数が所定の印刷枚数になるごとに、ROM131から所定の印刷枚数に対応した表・裏面天地移動補正値を読み出し、印刷中に、読み出された表面天地移動補正値に応じた表面天地移動補正を実行するように天地移動モータ259を制御するとともに、読み出された裏面天地移動補正値に応じた裏面天地移動補正を実行するようにソレノイド33を制御する。
【選択図】図10
Description
また、孔版両面印刷装置では、同一の分割製版済みマスタを用いて両面印刷を行っていると、表面印刷位置ずれおよび/または裏面印刷位置ずれが異なる原因によって徐々にずれてしまう場合がある。すなわち、版胴にクランプされていたマスタが印刷枚数の増加によって徐々に伸びてしまう、「マスタ伸び」と呼ばれる現象である。このマスタ伸びにより印刷位置ずれが起きた場合には、両面印刷をやり直していた。以下、表面印刷位置ずれおよび/または裏面印刷位置ずれを「両面印刷位置ずれ」ともいう。
初期タワミ分65Xに加え分割製版済みマスタ65単体での初期伸び分が吸収された時の状態は、図26(b)に示すように、初期タワミ分65Xより版胴12の回転方向上流側の分割製版済みマスタ65が版胴12の開口部から滲出したインキの粘着力により、分割製版済みマスタ65の後端部65Zを除き、版胴12外周面に貼り付いた状態になる。
図26(a)および図26(b)において、65Yは版胴12の外周面に巻装された分割製版済みマスタ65の後端を示す。図26(a)および図26(b)を含め、各実施形態で説明する図16、図18等において、図1において示されているインキ供給手段15等の図示を省略している。
このため、上述のマスタ位置ずれによって両面印刷位置ずれが起きた場合には、印刷をやり直していたことにより、繰り返し両面製版を行う必要やその両面製版されたマスタを用いて用紙に印刷を行うために、その時間と製版に用いるマスタや印刷に用いる用紙が無駄となっていた。
請求項1記載の発明は、回転方向に沿って第1の製版画像と第2の製版画像とが2面並んで形成された分割製版済みマスタを巻装する版胴と、前記版胴上の分割製版済みマスタにおける第1の製版画像および第2の製版画像の何れか一方から印刷媒体の表面へ転写される表面印刷画像の位置を該印刷媒体の搬送方向に移動する表面天地移動手段と、前記版胴上の分割製版済みマスタにおける第1の製版画像および第2の製版画像の何れか他方から印刷媒体の裏面へ転写される裏面印刷画像の位置を該印刷媒体の搬送方向に移動する裏面天地移動手段とを有する両面印刷装置を使用する両面印刷方法において、前記版胴の回転方向における分割製版済みマスタの位置ずれに影響を与える印刷枚数を含むパラメータに応じた表面天地移動補正値および裏面天地移動補正値を予め設定しておき、前記表面天地移動補正値に基づき、印刷中に、前記表面天地移動手段をして自動的に表面天地移動補正を実行させるとともに、前記裏面天地移動補正値に基づき、印刷中に、前記裏面天地移動手段をして自動的に裏面天地移動補正を実行させることを特徴とする。
「印刷中に」とは、同一の分割製版済みマスタを巻装した版胴を用いた状態で、印刷媒体に連続的に印刷画像を形成することを含む他、上記と同じ版胴上の分割製版済みマスタを用いた状態で、何らかの理由(例えばジャム処理)により印刷を一時的に中断した後、再度設定された印刷枚数の残りの印刷枚数分の印刷を行ったり、上記と同じ版胴を用いた状態で、新たに追加された印刷枚数分の印刷を行ったり、あるいは天地移動補正実行のために一時的に印刷を停止・中断したりすることも含む広い概念用語である(以下の請求項でも同様)。
「表面天地移動補正」とは、表面天地移動手段を作動させて表面印刷画像の位置を印刷媒体(もしくは被印刷媒体)の搬送方向に移動する表面印刷画像位置補正(もしくは表面印刷位置補正)のことを、「裏面天地移動補正」とは、裏面天地移動手段を作動させて裏面印刷画像の位置を印刷媒体の搬送方向に移動する裏面印刷画像位置補正(もしくは裏面印刷位置補正)のことをそれぞれ意味し、また「表面天地移動補正値」とは、表面印刷画像位置補正値(もしくは表面印刷位置補正値)のことを、「裏面天地移動補正値」とは、裏面印刷画像位置補正値(もしくは裏面印刷位置補正値)のことをそれぞれ意味する(以下の請求項でも同様)。
すなわち、請求項22記載の発明は、請求項21記載の両面印刷装置において、前記版胴上の分割製版済みマスタに印刷媒体を押し付ける押圧手段を有し、前記マスタ表示検知手段を、前記版胴と前記押圧手段との挟持部近傍に配置したことを特徴とする。
請求項23記載の発明は、請求項21記載の両面印刷装置において、前記版胴には、インキ通過性の開口部が設けられており、前記マスタ表示検知手段を、前記開口部における前記版胴幅方向の外側に配置したことを特徴とする。
請求項24記載の発明は、請求項21ないし23の何れか一つに記載の両面印刷装置において、印刷枚数を計数する印刷枚数計数手段を有し、前記制御手段は、前記印刷枚数計数手段により計数された印刷枚数が予め設定された所定の印刷枚数になるごとに、前記表面天地移動補正および前記裏面天地移動補正を実行させることを特徴とする。
請求項25記載の発明は、請求項21ないし24の何れか一つに記載の両面印刷装置において、前記制御手段は、印刷が一時中断した後であって印刷を再開し始める前に、前記版胴の回転ごとに、前記表面天地移動補正および前記裏面天地移動補正を実行させることを特徴とする。
請求項1記載の発明によれば、版胴の回転方向における分割製版済みマスタ位置ずれに影響を与える印刷枚数を含むパラメータに応じた表面天地移動補正値および裏面天地移動補正値を予め設定しておき、表面天地移動補正値に基づき、印刷中に、表面天地移動手段をして自動的に表面天地移動補正を実行させるとともに、裏面天地移動補正値に基づき、印刷中に、裏面天地移動手段をして自動的に裏面天地移動補正を実行させることにより、マスタ位置ずれが発生しても、両面印刷位置ずれが自動的に補正されるので、両面印刷位置ずれのない両面印刷物を得ることができ、マスタや印刷媒体の無駄遣いを無くすとともに作業時間の短縮、作業工数を減らすことができる。
図1は、本発明の第1の実施形態に係る両面印刷装置の一例としての孔版両面印刷装置1の全体構成を示している。まず、主として図1を参照して、孔版両面印刷装置1の全体構成を簡単に説明する。
孔版両面印刷装置1は、同図に示すように、回転方向に沿って第1の製版画像と第2の製版画像とが2面並んで形成された両面印刷用の分割製版済みマスタ65(図6参照)を巻装する版胴12および版胴12に対して相対的に接離自在かつ回転自在な押圧手段としてのプレスローラ13を有する印刷部2と、画像情報に応じてマスタ64を製版して、両面印刷用の分割製版済みマスタ65(図6参照)または片面印刷用の製版済みマスタ66(図7参照)を作製する製版手段としてのサーマルヘッド59、プラテンローラ58等のマスタ搬送手段および分割製版済みマスタ65または製版済みマスタ66を版胴12に給版する給版手段としての反転ローラ対63等を有する製版部3と、給紙台としての給紙トレイ67上に積載された印刷媒体の一例としての用紙Pを印刷部2に向けて給送する給紙部4と、版胴12上の使用済みマスタ64cを剥離し排版する排版部5と、印刷部2において印刷された印刷済み用紙PBを排紙台としての排紙トレイ86上に排出する排紙部6と、原稿の画像情報を読み取る画像読取部7と、印刷部2においてその表面に印刷画像を形成された表面印刷済み用紙PAを一時的に貯容する再給紙貯容手段としての補助トレイ8を備え、補助トレイ8に貯容された表面印刷済み用紙PAをプレスローラ13の回転で反転させて印刷部2に向けて再給紙する再給紙手段9と、印刷部2を通過した表面印刷済み用紙PAまたは印刷済み用紙PBを補助トレイ8または排紙部6に案内する切換手段としての切換部材10等とを具備している。同図において、11は上記各部・装置を搭載しその骨組みをなす装置本体を示す。
版胴12は、インキ供給パイプを兼ねた支軸14に回転自在に支持された図示しない一対の端板と、各端板の外周面に巻着・固定された図示しない多孔性支持板と、図示しない多孔性支持板の外周面に巻着された図示しないメッシュスクリーンとから主に構成されている。版胴12は、複数の印刷速度に対応してその回転速度を変えることが可能なように図示しないモータ駆動回路を備えた版胴駆動手段121(図10参照、例えばDCモータ等からなるメインモータ)を含む駆動系を介して回転駆動される。版胴12は、後述するインキ供給手段15等と共に版胴ユニットを構成していて、装置本体11に対して着脱可能になっている。本実施形態において版胴12は、片面印刷時において最大でA3サイズの印刷物を得ることが可能な大きさを有している。
インキ溜まり18のインキがインキローラ16とドクターローラ17との所定の間隙を通過してインキローラ16の外周面に層状に供給される。インキローラ16の外周面に供給されたインキは、プレスローラ13によって版胴12の外周面が押圧された際に版胴12の内周面とインキローラ16とが圧接することにより版胴12の内周面に供給され、版胴12の開口部より滲出して給紙部4から給送されて来た用紙Pへと転移・転写される。インキとしては、例えばW/O型のエマルションインキが好ましく用いられる。
プレスローラ13は、金属製の芯部13aに、耐油性を有する弾性体である例えばニトリルゴム(NBR)等を巻成して構成されており、版胴12の軸方向に延在して設けられている。プレスローラ13の少なくとも上記ゴムの外周表面には、微細な凹凸状の表面処理を施されたフィルムとしての、例えばオフセット印刷機などで印刷物の汚れ防止等に用いられていると同様の例えばガラス質微粒子としてのガラスビーズが均一に被覆または接着されている。ガラス質微粒子に限らず、セラミック質微粒子であってもよい。これにより、版胴12の外周表面または該版胴12上の分割製版済みマスタ65や製版済みマスタ66と接触したときや、表面印刷済み用紙PAの印刷画像面側のインキと接触することによる膨潤およびインキ汚れが最小となるように構成されている。
プレスローラ13は、図2に示すように芯部13aの紙面の手前側および奥側の両端部を一対のアーム部材20(紙面の手前側は省略)によって回転自在に支持されている。略L字形状を呈する各アーム部材20は、その曲折部近傍の部位に取り付けられた揺動軸21によってそれぞれ一体化されている。揺動軸21は、装置本体11によって所定角度の範囲で回動自在に支持されている。一対のアーム部材20は、プレスローラ13を回転自在に支持し、かつ、プレスローラ13を版胴12に対して接離自在とすべく変位可能に構成されている。
上述した構成のうち、補助トレイ8、再給紙案内部材22、再給紙レジストローラ23、再給紙レジストローラ接離機構160、再給紙位置決め部材24、再給紙搬送ユニット25およびプレスローラ13によって、再給紙手段9が構成されている。
再給紙手段9は、図1および図3に示す用紙接触防止手段(用紙接触防止部材)としての用紙受け板40に代えて、例えば特開2004−26373号公報の図16および図17に示されている用紙受け板(141)およびその駆動機構を用いることが好ましい。また、特開2005−262730号公報の図1〜図9に示されている移動ガイド(81)および移動手段(87)を用いてもよい。
用紙ガイド板31は、プレスローラ13の外周面から各ローラ28,29,30の半径よりも小さな距離である所定距離だけ離れた位置に配設されており、その両端部を各アーム部材20に固着されている。用紙ガイド板31は芯部13aを中心とした曲面となるように形成されており、用紙ガイド板31には各ローラ28,29,30の周面をプレスローラ13の外周面に当接させるための図示しない複数の開口部が形成されている。
揺動アーム32の他端には、ピンを介してソレノイド33のプランジャ33aが取り付けられている。ソレノイド33は、図示しないブラケットを介して一方のアーム部材20に取り付け・固定されている。また、揺動アーム32の他端には、その一端を一方のアーム部材20に固着され支軸32aを中心に揺動アーム32に対して図2において反時計回り方向へ回転する付勢力を付与する引張ばね34の他端が取り付けられている。ソレノイド33は、再給紙レジストローラ23を所定のタイミングで圧接位置を占めるように変位させる圧接駆動手段および裏面天地移動駆動手段としての機能を有する。
上述した構成のとおり、再給紙レジストローラ23は、ソレノイド33が引張ばね34の付勢力に抗して作動される(オン作動)と、その外周面を所定の圧接力でプレスローラ13の外周面に圧接して圧接位置を占め、ソレノイド33の作動が解除される(オフ作動)と、引張ばね34の付勢力によってその外周面がプレスローラ13の外周面から離間して離間位置を占める。
搬送ユニット本体35は、その上面が開放され、その幅が各アーム部材20間の間隔よりも若干小さくなるように形成されていて、ほぼ筐体状をなす。搬送ユニット本体35は、その用紙搬送方向上流側および下流側の両側面に図示しない軸受を有しており、これらの軸受は、駆動軸36aおよび従動軸37aをそれぞれ回転自在に支持している。駆動軸36aは、その両端部が搬送部材本体35の両側面を貫通しており、この貫通した駆動軸36aの両端部は、装置本体11に設けられた図示しない軸受部材によって回転自在に支持されている。また、駆動軸36aの一端には、図示しない駆動ギヤが取り付けられており、駆動軸36aは、その駆動ギヤを介して連結された搬送ユニット駆動モータ122(図10参照)によって回転駆動される。搬送ユニット駆動モータ122は、装置本体11に固定して設けられている。従動軸37aは、その両端部が搬送ユニット本体35の両側面を貫通しないように構成されている。
駆動ローラ36は、複数のコロ状をなしていて、それぞれ駆動軸36aに一体的に取り付けられており、各駆動ローラ36間には、それぞれ所定の間隔が設けられている。従動ローラ37は、駆動ローラ36と同様に複数のコロ状をなしていて、各駆動ローラ36と同じ間隔でそれぞれ従動軸37aに一体的に取り付けられている。各駆動ローラ36とこれに対応した各従動ローラ37との間には、無端ベルト38が所定の張力でそれぞれ掛け渡されている。無端ベルト38は、摩擦抵抗部材からなり、搬送ユニット駆動モータ122によって駆動軸36aが回転駆動されることにより図2に矢印で示す方向に移動・回転される。
無端ベルト38は、補助トレイ8上に一時的に貯容された表面印刷済み用紙PAをプレスローラ13に向けて搬送する再給紙搬送手段としての機能を有する。
搬送ユニット駆動モータ122は、駆動ギヤ、駆動軸36aおよび駆動ローラ36を介して、再給紙搬送手段としての無端ベルト38を所定のタイミングで駆動する再給紙搬送駆動手段としての機能を有する。
カムフォロア41、印圧ばね42、多段カム43、図示しないプレスローラ係止手段、移動アーム48、段差カム49によってプレスローラ接離機構55が構成されており、このプレスローラ接離機構55の作動によって、プレスローラ13は、図2に示した離間位置(非印刷位置)と図5に示した圧接位置(印刷位置)とを選択的に占める。
切換部材10は、第1の位置を占めたときにその先端がプレスローラ13の外周面に近接すると共に版胴12上のクランパ19bと干渉しない位置に置かれ、第2の位置を占めたときにその先端が版胴12の周面に近接する位置に置かれる。版胴12とプレスローラ13との間を通過した表面印刷済み用紙PAは、切換部材10が第1の位置を占めたときに排紙部6へと案内され、切換部材10が第2の位置を占めたときにガイド板27と装置本体11に固着されたガイド板56との間を通って補助トレイ8へと案内される。
製版部3は、マスタ64に製版を行い、図6に示すような第1製版画像65Aと第2製版画像65Bとを版胴12の回転方向でもあるマスタ搬送方向にこの順に並んで有する分割製版済みマスタ65、あるいは図7に示すような第1製版画像65Aと第2製版画像65Bとの2面分の画像領域を有する第3製版画像66Aを有する製版済みマスタ66を作製する。第1製版画像65Aは、分割製版済みマスタ65が版胴12の外周面上に巻装されたときに図1に示す表面領域と対応する位置に形成され、第2製版画像65Bは裏面領域と対応する位置に形成される。
給紙トレイ67は、その上面に多数の用紙Pを積載可能な給紙台としての構成を有し、装置本体11に上下動自在に支持されていて、図示しない昇降手段としての昇降モータを含む給紙駆動手段125(図10参照)によって上下動される。給紙トレイ67は、孔版両面印刷装置1で使用される最大サイズの用紙PとしてA3サイズの用紙Pを縦置き可能であり、給紙トレイ67の上面には、図示しないレール部材によって用紙搬送方向と直交する用紙幅方向に移動自在に支持された一対のサイドフェンス72が設けられている。また、給紙トレイ67の自由端部側には、積載された用紙Pのサイズを検知する複数の用紙サイズ検知センサ73が設けられている。
給紙ローラ68の左方には、各表面にそれぞれ高摩擦抵抗部材を有する分離ローラ69と分離パッド70とが配設されている。分離ローラ69は、タイミングベルト69aを介して給紙ローラ68に駆動連結されており、給紙ローラ68の回転駆動時にこれと同期して同方向に回転駆動される。分離パッド70は、図示しないばね等の付勢手段の付勢力によって分離ローラ69に圧接されていて、分離ローラ69との協働作用により給紙ローラ68によって送り出された用紙Pを1枚ずつに分離して用紙搬送方向に給送する。
特に、ステッピングモータからなるレジストモータで、レジストローラ対71を回転駆動する場合には、版胴12とプレスローラ13との間へ用紙Pを給送するタイミングを比較的簡単な制御構成(後述するように、版胴12の回転角度、回転位置を検出する構成を含む)により実行できるので、版胴12を停止させずに、版胴12上の製版済みマスタ66や分割製版済みマスタ65の各製版画像に対する用紙Pの用紙搬送方向の位置調整、いわゆる表面印刷画像の表面天地移動調整を容易かつ確実に行うことができるという利点がある。
すなわち、排紙搬送ユニット85における複数の無端ベルト89間の下方開口近傍には、印刷部2で用紙Pに印刷された印刷枚数を計数する印刷枚数計数手段としての排紙センサ150が配設されている。排紙センサ150は、例えば反射型のフォトセンサからなり、版胴12への用紙Pの巻き上がり有無や排紙ミスを検知する排紙検知手段も兼ねている。
なお、印刷枚数計数手段は、排紙センサ150に限らず、給紙モータの回転カウントや、給紙部4の用紙搬送路に配設され用紙Pの先端等を検知することにより給紙された用紙Pの枚数をカウントする用紙センサ(周知の給紙センサやレジストセンサ等)や、印刷部2におけるプレスローラ13の揺動・昇降回数をカウントすること等で行ってもよい。
一方、図1および図10に示す版胴駆動手段121としての例えばDCモータからなるメインモータの出力軸には、多数のスリットを備えたエンコーダ板151が取り付けられている。このエンコーダ板151近傍の装置本体11には、エンコーダ板151を所定の間隔をもって挾み付けるフォトインタラプタ(透過型の光学センサ)からなる版胴回転角度センサ152が配設されている。版胴駆動手段121(上記メインモータ)の回転駆動によるエンコーダ板151の回転動作に協働して発生されたパルス数を版胴回転角度センサ152で検出することにより、版胴12の回転角度(回転量)や回転速度、すなわち印刷速度が検出されるようになっている。
印刷速度設定キー113は印刷動作に先立って印刷速度を設定する際に押下され、濃いめの画像を得たい場合あるいは雰囲気温度が低い場合等には印刷速度を遅く、薄めの画像を得たい場合あるいは雰囲気温度が高い場合等には印刷速度を速く設定する。印刷速度設定キー113は、印刷速度を遅い方に設定するための速度ダウンキー113aと印刷速度を速い方に設定するための速度アップキー113bとからなる。
印刷速度表示装置113Aは、プリントスピードと表示されている中央部の黒色塗色を施した「印刷速度:3速」は、通常使用される印刷速度に対応した標準印刷速度であって、速度ダウンキー113aまたは速度アップキー113bを押下しなかった場合に自動的に設定されるようになっている。例えば「おそく」と表示されている一番左側の「印刷速度:1速」は印刷速度が最低速の60枚/min:60rpmに、その右側にいくにつれて順に印刷速度:2速〜5速に対応して15枚/min:15rpmずつ速くなり、「はやく」と表示されている一番右側の「印刷速度:5速」は印刷速度が最高速の120枚/min:120rpmにそれぞれ対応して設定されている。
印刷速度表示装置113Aは、速度ダウンキー113aまたは速度アップキー113bの1回ごとの押下により、印刷速度を1から5までの5段階に切り換えられ設定された印刷速度を点灯表示する。
4方向キー214は、上キー214a、下キー214b、左キー214c、右キー214dを有しており、裏面画像編集時にその裏面画像位置を調整する場合あるいは各種設定時に数値や項目等を選択する場合等に押下される。ここで、左キー214cおよび右キー214dは、図6に示した分割製版済みマスタ65における第2製版画像65Bに対応して表面印刷済み用紙PAの裏面に転写される裏面印刷画像(以下、「裏面画像」ともいう)の位置の用紙搬送方向に沿った移動量の指示を行うための、すなわち裏面画像の天地移動量の指示を行う裏面画像位置操作手段および裏面画像位置調整キーとしての機能を有する。
さらに具体的には、例えば左キー114cを1回押すごとに、その表面画像を用紙搬送方向の下流側、すなわち用紙Pの天方向へ0.25mmずつ移動させることができ、これと反対に、右キー114dを1回押すごとに、その表面画像を用紙搬送方向の上流側、すなわち用紙Pの地方向へ0.25mmずつ移動させることができるようになっている。
4方向キー214c,214dも、上述したと同様に、例えば左キー214cを1回押すごとに、その裏面画像を用紙搬送方向の下流側、すなわち用紙Pの天方向へ0.25mmずつ移動させることができ、これと反対に、右キー214dを1回押すごとに、その裏面画像を用紙搬送方向の上流側、すなわち用紙Pの地方向へ0.25mmずつ移動させることができるようになっている。
図9の表示装置120に示されているA(標準)のマスタは、本実施形態で使用される所定のマスタ64であり、例えばポリエステル系の熱可塑性樹脂フィルムの厚みが1.0〜2.5μmであり、多孔質支持体の厚みが10〜20μmで、残りの厚みが和紙繊維層からなるトータル50μm以内の3層構成のものである。このマスタは、特開平10−147075号公報等で提案したものであり、例えばポリエチレンテレフタレート(PET)系の熱可塑性樹脂フィルムの一方の面上に樹脂からなる多孔性樹脂膜を有し、さらにその表面に繊維状物質からなる多孔性繊維膜を積層してなるマスタである。
A(標準)のマスタは、印刷枚数に応じたマスタ単体での伸び特性(伸び率)が、B(耐久)のマスタとC(コストダウン)のマスタとの中間に位置するものである。
なお、本実施形態では、後述のように所定の印刷条件に限定されるため、選択設定キー120a〜120dは必須の構成ではなく、無くてもよい。また、選択設定キー120a〜120dに代えて、それぞれ専用のキーおよびLED等を設けるとともにLED等の点灯により印刷条件の設定状況を確認可能に構成してもよい。
装置本体11の内部には、レジストローラ対71の駆動ローラ71aを回転駆動する扇形ギヤ249が配設されている。扇形ギヤ249は、そのほぼ中央部を支軸249aによって装置本体11に揺動自在に支持されており、ギヤ部249bとカムフォロア249cとを有している。ギヤ部249bは、駆動ローラ71aと同軸上に一体的に設けられたレジストギヤ71cと噛み合っている。
扇形ギヤ249の左方には、版胴駆動手段121(メインモータ)からの回転駆動力を扇形ギヤ249へと伝達する表面天地移動手段250が配設されている。表面天地移動手段250は、特開2006−192835号公報の図3に開示されている天地移動手段(50)と同様の構成である。すなわち、表面天地移動手段250は、駆動ギヤ251、従動ギヤ252、第1リンク253、第1ギヤ254、第2リンク255、第2ギヤ256、第3リンク257、レジストカム258および図示しない位相変位手段等を有している。
支軸252aには、第2リンク255の一端部が回転自在に支持されており、第2リンク255の他端には、第2ギヤ256がその周面を従動ギヤ252の周面に噛合させる態様で回転自在に支持されている。これにより第2ギヤ256は、従動ギヤ252の周面上を第2リンク255により転動可能に支持されている。さらに、第1ギヤ254と第2ギヤ256とは、それぞれの周面を噛合させた状態で第3リンク257によってそれぞれ回転自在に支持されている。
本発明における表面天地移動手段は、上記したように版胴12の回転に同期して印刷部2に用紙Pを給送する給送手段としてのレジストローラ対71の回転開始・動作タイミング(給送タイミング)を変化させる「レジストローラ方式」が採用される。
上述の裏面天地移動は、再給紙搬送ユニット25に搬送した表面印刷済み用紙PAを再給紙位置決め部材24に突き当てて一時停止させて、再給紙レジストローラ23が上昇して、再給紙位置決め部材24に一時停止している表面印刷済み用紙PAがプレスローラ13の外周面に圧接するように、図5等に示した裏面天地駆動手段を兼ねる再給紙レジストローラ接離機構160のソレノイド33をオンする作動タイミングを調整することで行っている。
CPU130は、操作パネル103からの各種信号(起動や設定に係るオン・オフ信号やデータ信号)および装置本体11に設けられた上記各種センサからの検知信号およびROM131から呼び出された動作プログラムに基づいて、印刷部2、製版部3、給紙部4、排版部5、排紙部6、画像読取部7に設けられた各駆動手段、再給紙手段9に設けられたソレノイド33および搬送ユニット駆動モータ122、切換部材10を作動させるソレノイド123、表面天地移動手段250に設けられた天地移動モータ259、操作パネル103の各表示装置119,120の作動等を制御し、孔版両面印刷装置1全体の動作を制御する。
天地移動モータ259の作動は、操作パネル103上で設定された用紙搬送方向(天地方向)への設定量に基づいて行われる他、印刷中に自動的に実行される。裏面天地移動手段のソレノイド33の作動も、操作パネル103上で設定された用紙搬送方向(天地方向)への設定量に基づいて行われる他、印刷中に自動的に実行される。上記のとおり、ROM131は、所定の印刷枚数ごとに予め設定された表面天地移動補正値および裏面天地移動補正値を記憶した記憶手段としての機能を有する。
RAM132には、CPU130によってROM131から呼び出された動作プログラムが一時的に書き込まれ、この動作プログラムは操作パネル103からの入力によって書き換えられる。またRAM132には、排紙センサ150から送信されてくる印刷枚数がCPU130により加算されたトータルの印刷枚数が記憶される。RAM132は、CPU130の計算結果を一時的に記憶する機能、操作パネル103上の各種キーおよび各種センサから設定および入力されたデータ信号およびオン・オフ信号を随時記憶する機能等も有している。
制御手段129のCPU130(以下、単に「制御手段129」ともいう)は、ホームポジションセンサ135からの位相タイミング信号(ホームポジション信号)と、版胴12が一定角度回転するごとに発生する版胴回転角度センサ152からの回転パルス信号とに基づいて、版胴12の回転速度(印刷速度)を随時認識・把握すると共に、版胴12の回転位置(回転位相位置)をリアルタイムで認識・把握している。
上記課題の欄でも説明したが、図26(a)に示したように、本実施形態の孔版両面印刷装置1のように版胴12に設けられたクランパ19bによってその先端部がクランプ・保持されていた分割製版済みマスタ65は、マスタ巻装時の初期タワミ分65Xが僅かに存在する上、印刷時にプレスローラ13による印圧が掛かると版胴12の回転方向に分割製版済みマスタ65を引っ張ることにより、初期タワミ分65Xと分割製版済みマスタ65単体での初期伸び分とが吸収されるまでの間に、どうしてもマスタ位置ずれが発生して、その結果両面印刷位置ずれが起きてしまう。
分割製版済みマスタ65の初期タワミ分65Xが生じる位置は、版胴12におけるクランパ19b配置部周辺の非開口部であるために、初期タワミ分65Xの分割製版済みマスタ65はインキにより版胴12の外周面に貼り付いた状態になっていない。
初期タワミ分65Xに加え分割製版済みマスタ65単体での初期伸び分が吸収された時の状態は、図26(b)に示したように、初期タワミ分65Xより版胴12の回転方向の上流側の分割製版済みマスタ65が版胴12の開口部から滲出したインキの粘着力により、分割製版済みマスタ65の後端部65Zを除き、版胴12外周面に貼り付いた状態になる。
そこで、本実施形態では、実験により求めた印刷枚数とマスタ位置ずれとの関係から、図11(a)、(b)に示すように、横軸に示す所定の印刷枚数(1枚目、101枚目、501枚目、1001枚目、2001枚目…)と縦軸に示す表面天地移動補正値、裏面天地移動補正値(mm)との関係を表す各データテーブルとして設定し、これをROM131のプログラムに予め記憶しておくものである。表面天地移動補正値、裏面天地移動補正値(mm)の最大量としては、例えば上述した構成の孔版両面印刷装置1では概ね5mm程度である。
図11(a)に示した印刷枚数と表面天地移動補正値との関係を表すデータテーブル、および図11(b)に示した印刷枚数と裏面天地移動補正値との関係を表すデータテーブルは、本実施形態1のような印刷部2の構成では同図に示したような傾向になるものであるが、あくまでも一例であって、孔版両面印刷装置を含む両面印刷装置の主として印刷部の構成内容によっては特有の傾向を示すことがあり、そのような両面印刷装置にも本発明を適用できることを付記しておく。
オペレータは給紙トレイ67上に印刷に使用される用紙Pを積載し、圧板94を開放してコンタクトガラス93上に印刷すべき原稿を載置した後、再び圧板94を閉じる。その後、オペレータは操作パネル103上の各種キーによって製版条件を設定した後、両面印刷キー117を押下する。両面印刷モードであることをLED117aの点灯によって確認した後、製版スタートキー104が押下されると、用紙サイズ検知センサ73から用紙サイズ検知信号が、また原稿サイズ検知センサ102から原稿サイズ検知信号がそれぞれ制御手段129に送られ、信号を受けた制御手段129は各信号を比較する。このとき、用紙サイズと原稿サイズとが同じ場合は直ちに画像読取動作が行われ、用紙サイズと原稿サイズとが異なる場合には、制御手段129はその旨を表示装置120に表示してオペレータに注意を促す。
なお、本実施形態において、片面印刷モード時および両面印刷モード時における原稿の読取動作はオペレータが圧板94を開閉してコンタクトガラス93上に読み取られる原稿をセットする構成としたが、ADFを用いて自動的に原稿をコンタクトガラス93上に搬送する構成、あるいは原稿の読取動作を行うことなく例えばコンピュータ等の図示しない外部装置から画像データを取り込む構成としてもよい。また、両面印刷モード時において1枚の原稿を反転させて搬送し、その表面および裏面から2枚分の画像データを取得する構成としてもよい。
外周面上より使用済みマスタ64cが全て剥離された後も版胴12は回転を継続し、クランパ19bが右上方に位置する所定の給版待機位置まで回転して停止する。版胴12が給版待機位置で停止すると図示しない開閉手段が作動してクランパ19bが開放され、孔版両面印刷装置1は給版待機状態となる。
マスタ64は製版されつつ搬送されその先端部が反転ローラ対63に挟持されると、図示しない可動マスタガイド板が退避位置に移動されると共に反転ローラ対63の回転が停止される。反転ローラ対63の回転停止後もプラテンローラ58およびテンションローラ対62は回転を継続しており、サーマルヘッド59によって製版された分割製版済みマスタ65はマスタストック部61内に貯容される。反転ローラ対63の停止時において、マスタストック部61に設けられた図示しない吸引ファンが作動されており、分割製版済みマスタ65は図示しない吸引ファンに吸引されることによって良好にマスタストック部61内に貯容される。
その後、版胴12が図1において時計回り方向に間欠的に回転駆動され、分割製版済みマスタ65の版胴12への巻装動作が行われる。この時、反転ローラ対63は回転を停止しており、駆動ローラ63aは内部に設けられた図示しないワンウェイクラッチによって分割製版済みマスタ65の引き出しに伴い連れ回りする。そして、画像メモリ136から2枚分の画像データが全て送られ画像データ信号が途絶えるとサーマルヘッド59の作動が停止し、1版分の分割製版済みマスタ65が製版搬送されるとプラテンローラ58、テンションローラ対62、反転ローラ対63の回転がそれぞれ停止されると共に切断手段60が作動して分割製版済みマスタ65が切断される。切断された分割製版済みマスタ65は版胴12の回転によって製版部3より引き出され、版胴12の外周面上への1版分の分割製版済みマスタ65の巻き付けが完全になされた後、版胴12がホームポジションまで回転して停止することで、製版動作および給版動作が完了する。
その後、給紙ローラ68、分離ローラ69、各駆動ローラ36,87、各吸引ファン39,90がそれぞれ駆動されると共に、版胴12が低速で図1の時計回り方向に回転駆動され、給紙トレイ67上に積載された最上位の1枚目の用紙Pが給紙ローラ68により用紙搬送方向に送り出され、さらに分離ローラ69と分離パッド70との協働作用により1枚ずつに分離されてレジストローラ対71に向けて給送され、その用紙Pの先端をレジストローラ対71のニップ部に突き当てられて一時停留される(この状態の用紙が、図1に太い実線で示す用紙Pである)。そして、クランパ19bが切換部材10と対応する位置を通過するとソレノイド123が作動して切換部材10が第2の位置に位置決めされ、その後、版胴12に巻装された分割製版済みマスタ65の版胴回転方向における第1製版画像65Aの画像領域先端部がプレスローラ13との接触部に到達する所定のタイミングで図8に示したカムフォロア249cが凹部258aに嵌入・係合し、扇形ギヤ249が支軸249aを中心に図8において反時計回り方向に揺動され、レジストギヤ71cが回転駆動されることにより駆動ローラ71a(レジストローラ対71)が回転駆動され、用紙Pが版胴12とプレスローラ13との間に向けて給送される。
また、上述の動作とほぼ同時に給紙ローラ68および分離ローラ69が駆動され、給紙トレイ67上から2枚目の用紙Pが引き出されてその先端をレジストローラ対71に突き当て一時停留される。そして、上述と同様の所定のタイミングで駆動ローラ71aが回転駆動され、引き出された2枚目の用紙Pは版胴12とプレスローラ13との間に向けて給送される。
2枚目の用紙Pがレジストローラ対71によって給送される所定のタイミングにおいて、カム板43Aがその凸部をカムフォロア41から離脱させることによりプレスローラ13が印圧ばね42の付勢力によってその外周面を版胴12の外周面に圧接させる。これによりプレスローラ13と2枚目の用紙Pと分割製版済みマスタ65の第1製版画像65A形成部と版胴12とが圧接し、インキローラ16によって版胴12の内周面に供給されたインキが版胴12の開口部、図示しない多孔性支持板および図示しないメッシュスクリーン、第1製版画像65Aの穿孔部を介して2枚目の用紙Pに転写される。
また、レジストローラ対71によって2枚目の用紙Pが給送された後、分割製版済みマスタ65の版胴回転方向における第2製版画像65Bの画像領域先端部がプレスローラ13と対応する位置に到達するよりもやや早いタイミングである所定のタイミングでソレノイド33が作動され、揺動アーム32が支軸32aを中心に図5における時計回り方向に揺動される。これにより再給紙レジストローラ23が離間位置から圧接位置に揺動されることにより、その他端を再給紙位置決め部材24に当接させた状態で停留されていた表面印刷済み用紙PAが版胴12と圧接して従動回転しているプレスローラ13の外周面に当接される。
この時、プレスローラ13は版胴12の周速度と同じ周速度にて従動回転されているので、再給紙レジストローラ23によりプレスローラ13の外周面に当接された表面印刷済み用紙PAは、プレスローラ13の回転力によってその回転方向下流側へと搬送されていく。この際、表面印刷済み用紙PAは用紙ガイド板31および各ローラ28,29,30によってプレスローラ13の外周面に密着した状態で版胴12との印刷ニップ部に向けて搬送される。この時、表面印刷済み用紙PAの表面には第1製版画像65Aに応じた画像が印刷されているが、再給紙案内部材22の働きによって表面印刷済み用紙PAがプレスローラ13の外周面に密着されているので、一度プレスローラ13の外周面に接触した表面印刷済み用紙PAがずれることがなく、擦れ汚れあるいは画線の太りといった不具合の発生が防止される。そして、2枚目の用紙Pの後端および中間領域がプレスローラ13と対応する位置を通過した後、裏面領域の先端部がプレスローラ13と対応する位置に到達するタイミングで、表面印刷済み用紙PAが反転されて版胴12とプレスローラ13との印刷ニップ部に送り込まれる。
第1製版画像65Aに対応した画像を表面(下面)に、第2製版画像65Bに対応した画像を裏面(上面)にそれぞれ印刷され印刷済み用紙PBとなった1枚目の両面印刷済みの用紙Pは、第1の位置を占めた切換部材10によって排紙搬送ユニット85へと案内されると共に、剥離爪84によってその一端から版胴外周面上の分割製版済みマスタ65より剥離される。剥離された印刷済み用紙PBは下方へと落下して排紙搬送ユニット85へと送られ、吸引ファン90の吸引力によって無端ベルト89の上面に引きつけられつつ左方へと搬送されて排紙トレイ86上に排出される。その後、版胴12が再びホームポジションまで回転して停止し、版付け動作を終えて孔版両面印刷装置1は印刷待機状態となる。
レジストローラ対71によって2枚目の用紙Pが給送された後、設定された印刷速度に応じた所定のタイミングでソレノイド33が作動されて再給紙レジストローラ23が離間位置から圧接位置へと変位され、補助トレイ8上で一時停留されていた表面印刷済み用紙PAが回転しているプレスローラ13の外周面に当接される。表面印刷済み用紙PAはプレスローラ13の回転力によって搬送され、再給紙案内部材22によってプレスローラ13の外周面に密着した状態で印刷部2へと搬送される。
なお、印刷時の印刷枚数は、後述の「版替え」を含め、新しいマスタの製版時にクリアされて次回の製版までクリアされることなく、印刷ごとに加算されてRAM132に記憶される。追加印刷や、試し印刷時も加算することによって、両面印刷位置ずれの補正が正しく行えるようになる。分割製版済みマスタと同一の製版画像を形成された分割製版済みマスタを版胴12に巻装する「版替え」を行った場合には、印刷時の印刷枚数は当然クリアされる(以下、第1の実施形態の変形例等でも同様)。
移動量の入力後、印刷スタートキー105が押下されると、表面天地移動手段250において図示しない位相変位手段の天地移動モータ259が作動し、上述したように版胴12の位相に対するレジストローラ対71の動作タイミングの変更が行われ、設定された移動量に応じて表面印刷画像位置が調整される。
移動量の入力後、印刷スタートキー105が押下されると、表面印刷済み用紙PAに対する裏面画像位置の天地移動調整は、再給紙手段9におけるソレノイド33の作動タイミング、換言すれば再給紙レジストローラ23のプレスローラ13への圧接・オンタイミングが左キー214cまたは右キー214dによって設定された調整量に応じた分だけ変更されることで行われる。
例えば、表面印刷済み用紙PAに対して用紙搬送方向下流側(天方向)に裏面画像位置を移動したい場合、ソレノイド33の作動タイミング(オン・タイミング)を基準となるタイミングと比較して設定調整量に応じて遅くすればよく、これとは逆にソレノイド33の作動タイミングを基準となるタイミングと比較して設定調整量に応じて速くすれば、表面印刷済み用紙PAに対して用紙搬送方向上流側(地方向)に裏面画像位置を移動することができる。このように、裏面画像位置の移動量調整を行う際の操作は、従来の片面印刷機のそれと同様に、操作パネル103における表示装置120に表示される天地移動量を目視確認しながら、操作パネル103における左キー214cおよび右キー214dの何れか一方を適宜操作することによって簡単かつ容易に行うことができる。
印刷スタートキー105が押下されると、版付け時および試し刷り時と同様にカム板43Bがカムフォロア41に対して当接可能となる位置にカム軸44が移動された後に設定された印刷速度で版胴12が回転駆動され、さらに版付け時および試し刷り時と同様に切換部材10が第2の位置に位置決めされる。版胴12の回転開始後に給紙部4から1枚目の用紙Pが給送され、給送された1枚目の用紙Pはレジストローラ対71で一時停留された後に試し刷り時と同じタイミングで給送される。1枚目の用紙Pはプレスローラ13によって分割製版済みマスタ65の第1製版画像65Aに圧接されることで、その表面に第1製版画像65Aに対応した画像を印刷されて1枚目の表面印刷済み用紙PAとなる。表面印刷済み用紙PAは第2の位置を占めた切換部材10によって剥離案内されて補助トレイ8上に搬送され、他端を再給紙位置決め部材24に当接させた状態で停留される。
すなわち、CPU130は、排紙センサ150により計数された印刷枚数が図11(a)、(b)に示した所定の印刷枚数(1枚目、101枚目、501枚目、1001枚目、2001枚目…)になるごとに、ROM131から上記所定の印刷枚数に対応した表面天地移動補正値および裏面天地移動補正値、すなわち正規の印刷開始後の印刷枚数1枚目から100枚目に対応して設定された表面天地移動補正値A1mmおよび裏面天地移動補正値A2mm、101枚目から500枚目に対応して設定された天地移動補正値B1mmおよび裏面天地移動補正値B2mm、501枚目から1000枚目に対応して設定された表面天地移動補正値C1mmおよび裏面天地移動補正値C2mm、1001枚目から2000枚目に対応して設定された表面天地移動補正値D1mmおよび裏面天地移動補正値D2mm、2001枚目から3000枚目に対応して設定された表面天地移動補正値E1mmおよび裏面天地移動補正値E2mmを読み出し、読み出された表面天地移動補正値に応じた表面天地移動補正を実行するように表面天地移動手段250の天地移動モータ259(以下、「天地移動モータ259」と表記する)を制御するとともに、読み出された裏面天地移動補正値に応じた裏面天地移動補正を実行するように再給紙手段9における再給紙レジストローラ接離機構160(裏面天地移動手段)のソレノイド33(以下、「ソレノイド33」と表記する)を制御することとなる。
以下、表面印刷画像および裏面印刷画像のことを「表・裏面印刷画像」と、表面天地移動補正および裏面天地移動補正のことを「表・裏面天地移動補正」と、表面天地移動補正値および裏面天地移動補正値のことを「表・裏面天地移動補正値」とそれぞれ記載することがある。
なお、本実施形態では、上記所定の印刷条件が後述する図15に示す選択パターンNに相当し、図11に示した表・裏面天地移動補正の具体的数値例としては表・裏面天地移動補正値A1,A2:0.25、表・裏面天地移動補正値B1,B2:0.50、表・裏面天地移動補正値C1,C2:1.00、表・裏面天地移動補正値D1,D2:1.25、表・裏面天地移動補正値E1,E2:1.50(mm)に設定されている。
第1の実施形態によれば、上述したとおり、制御手段129のCPU130は、排紙センサ150により計数された印刷枚数が所定の印刷枚数になるごとに、ROM131から所定の印刷枚数に対応した表・裏面天地移動補正値を読み出し、印刷中に、読み出された表面天地移動補正値に応じた表面天地移動補正を実行するように天地移動モータ259を制御するとともに、読み出された裏面天地移動補正値に応じた裏面天地移動補正を実行するようにソレノイド33を制御するので、印刷枚数に応じたマスタ位置ずれが発生しても、両面印刷位置ずれが自動的に補正されるので、両面印刷位置ずれのない両面印刷物を得ることができ、マスタや用紙の無駄遣いを無くすとともに作業時間の短縮、作業工数を減らすことができる。
図10および図11を参照して、第1の実施形態の変形例1を説明する。
変形例1は、第1の実施形態と比較して、図10に示した制御手段129が第1の実施形態の演算および制御機能に加え、次の演算機能を付加されていることのみ相違する。本変形例は、前記相違点以外は第1の実施形態と同様である。
すなわち、制御手段129は、第1の実施形態の演算および制御機能に加え、印刷枚数がROM131に記憶されている所定の印刷枚数範囲内の1枚ごとの印刷枚数として計数された排紙センサ150からの所定の印刷枚数に係る信号に基づいて、ROM131から所定の印刷枚数に対応した表・裏面天地移動補正値と次の所定の印刷枚数に対応した表・裏面天地移動補正値とから1枚ごとの印刷枚数に対応した所定の印刷枚数の表・裏面天地移動補正値を計算によって算出し、算出された表面天地移動補正値に応じた表面天地移動補正を実行するように天地移動モータ259を制御するとともに、算出された裏面天地移動補正値に応じた裏面天地移動補正を実行するようにソレノイド33を制御するものである。
上述のようなより木目細かな表・裏面天地移動補正を実行するように制御手段129を機能させるために、プログラム可能なPROMやEPROMを追加することにより、例えば操作パネル103に専用のキーを追加したり、あるいは各種キー(テンキー105、プログラムキー111、エンターキー110、選択設定キー120a,120b,120c,120dなど)を適宜組み合わせ用いて構成したりしてもよいし、あるいはROMチップを交換等することで対応してもよい。
従って、変形例1によれば、第1の実施形態よりも所定の印刷枚数囲内の1枚ごとの所定の印刷枚数に対応したより木目細かい表・裏面天地移動補正を実行することができる。
第1の実施形態で説明したように、初期タワミ分65Xと分割製版済みマスタ65単体での初期伸び分とが吸収されるまでの間に発生するマスタ位置ずれは、同一の印刷条件の下において、複数回の実験により、印刷枚数との間に密接な相関関係のあることが分かっている。しかしながら、実際には例えば使用するマスタ種類や用紙種類などが変わるごとに、印刷枚数とマスタ位置ずれとの関係により設定された表・裏面天地移動補正値が違ってくることが実験で確認されている。
そこで、本変形例では、マスタ位置ずれに密接な相関関係のある印刷条件としての印刷枚数(マスタ位置ずれ補正用の主パラメータ)の他に、6つの印刷条件(マスタ位置ずれ補正用の副パラメータ)に着目してより実機の印刷条件・環境に近いより精確な表・裏面天地移動補正値を得て自動的に表・裏面天地移動補正を実行することを目的としている。
変形例2は、第1の実施形態と比較して、制御手段129に代えて、図12に示す制御手段129Aを用いる点、マスタ位置ずれに影響を与えるマスタ位置ずれ補正用の主パラメータとしての印刷枚数の他に、図13に印刷条件(もしくは選択条件)として示す6つの副パラメータ、すなわち、インキ色、ドラム種類、印刷速度、用紙種類、インキ温度およびマスタ種類の副パラメータを組み合わせたパターン(図14参照)により調整・設定された表・裏面天地移動補正値(図15参照)を用いる点が主に相違する。本変形例は、前記相違点以外は第1の実施形態と同様である。以下、上記6つの副パラメータについて、順次説明する。
なお、本変形例では、説明の簡明化のため、上記6つの副パラメータ全ての組み合わせ・選択パターンに応じて予め実験で求めて設定した表・裏面天地移動補正値を用いているが、これに限らず、上記6つの副パラメータの少なくとも一つの組み合わせ・選択パターンごとに印刷枚数に応じて予め実験で求めて設定した表・裏面天地移動補正値を用いて表・裏面天地移動補正を行えることは無論である。
インキ色の違いによりマスタ位置ずれに影響を与える特性としては、インキ粘度の大小による粘着力の変化が挙げられる。すなわち、一般的に、インキ粘度が大きく粘着力が大きいインキ色ほどマスタ位置ずれ量が相対的に小さく、逆にインキ粘度が小さく粘着力が小さいインキ色ほどマスタ位置ずれ量が相対的に大きくなることに着目して、インキ色ごとに印刷枚数とマスタ位置ずれ量との関係を実験で求めておき、その調整値を反映した表・裏面天地移動補正値を最終的に決定する手がかりとする。
なお、選択設定キー120bおよびインキ色検出手段302は、両方必要ではなく、何れか一方を有していればよい。両方有している高級機種にあっては、例えばマニュアルで設定する選択設定キー120bからの出力信号を有効とし、インキ色検出手段302からの出力信号を無効化する構成であってもよい。これは、後述の各種副パラメータ(印刷条件)設定手段および検出手段でも同様である。但し、印刷速度設定キー113および版胴回転角度センサ152は、両方共に必要である。
ドラム種類によりマスタ位置ずれに影響を与える特性としては、主としてマスタを巻き付ける長さ・開口面積の変化が挙げられる。すなわち、一般的に、マスタを巻き付ける長さ・開口面積が相対的に小さいA3ドラムほどマスタ位置ずれ量が相対的に小さく、逆にマスタを巻き付ける長さ・開口面積が大きいDLTドラムほどマスタ位置ずれ量が相対的に大きくなることに着目して、ドラム種類ごとに印刷枚数とマスタ位置ずれ量との関係を実験で求めておき、その調整値を反映した表・裏面天地移動補正値を最終的に決定する手がかりとする。
用紙種類により、マスタ位置ずれに影響を与える特性としては、主として厚みが挙げられる。すなわち、厚い用紙の場合には版胴12上の分割製版済みマスタ65に対する引っ張り方向の圧接力が相対的に大きくなるので、その結果マスタ位置ずれ量が多くなり、逆に薄い用紙の場合には上記圧接力が相対的に小さくなるので、その結果マスタ位置ずれ量が少なくなる。これに着目して、用紙種類ごとに印刷枚数とマスタ位置ずれ量との関係を実験で求めておき、その調整値を反映した表・裏面天地移動補正値を最終的に決定する手がかりとする。
マスタ種類については、そのマスタ単体の伸び度合い(伸び率)の違いにより、マスタ位置ずれに影響を与える。マスタ単体の伸び度合い(伸び率)は、B(耐久)、A(標準)、C(コストダウン)のこの順に大きくなり伸びやすくなるから、これに着目して、マスタ種類ごとに印刷枚数とマスタ位置ずれ量との関係を実験で求めておき、その調整値を反映した天地移動補正値を最終的に決定する手がかりとする。
マスタ種類検出手段300は、上述したものに限らず、上記公報の図19に示されているICタグ(144)と受信手段(145)とから構成されるものや、マスタロール23a側に共振タグ等を設けて検出するようにしてもよいし、あるいは静電容量を検出し、その値でマスタ種類を検出するようにしてもよい。
なお、選択パターンNは、第1の実施形態で説明した所定の印刷条件・パラメータを組み合わせたパターンを表している。
なお、ユーザの要望により、図15に示したデータテーブルの選択パターン1〜10,Nや、これに応じて所定の印刷枚数ごとに設定した表・裏面天地移動補正値を変更したい場合には、上記データテーブルの内容をプログラム可能なPROMなどに記憶させておいて、操作パネルの各種キーの組み合わせなどで上述したと同様に可変するように構成してもよい。
制御手段129AのCPU130Aは、上記したと同様の正規の印刷中において、選択設定キー120bまたはインキ色検出手段302からの出力信号に基づいて、および排紙センサ150により計数された印刷枚数が所定の印刷枚数になるごとに、ROM131Aに記憶されているデータテーブル(インキ色を考慮・加味した印刷枚数ごとの表・裏面天地移動補正値)と上記出力信号とを照合することで、インキ色が考慮・加味された上記所定の印刷枚数に対応した表・裏面天地移動補正値を読み出し、読み出された表面天地移動補正値に応じた表面天地移動補正を実行するように天地移動モータ259を制御するとともに、読み出された裏面天地移動補正値に応じた裏面天地移動補正を実行するようにソレノイド33を制御する機能を有するものであってもよい(第1の制御構成例)。
上記切替手段としては、例えば自動表・裏面天地移動補正の有無を初期設定としてプログラム化してROMまたはEPROMなどに入れておいて、操作パネルの各種キーの組み合わせで切り替えたり、あるいは専用キーを設けたりすることで、ユーザが切り替えできるようにする手段が挙げられる。
従って、上記例によれば、制御手段による表・裏面天地移動補正の必要有無をユーザが自分の好みや必要性に応じて切り替えることができ、孔版両面印刷装置の操作・利便性が向上する。
図16および図17に、第2の実施形態を示す。第2の実施形態は、図1〜図11に示した第1の実施形態と比較して、図16および図17に示すように、排紙センサ150に代えて、版胴12上の分割製版済みマスタ65の後端65Yの位置を検知するマスタ後端検知手段としてのマスタ後端センサ153を用いる点、および制御手段129に代えて、制御手段129Bを用いる点が主に相違する。この他の構成は、第1の実施形態の孔版両面印刷装置1と同様である。なお、図16に括弧を付して示す符号154,155は、説明の簡明化のために後述の第3および4の実施形態等で使用するものであり、この第2の実施形態のものではないことを付記しておく。
マスタ後端センサ153は、例えば反射型のフォトセンサからなる。図16に示すように、版胴12における回転方向の開口部の後端(上流端部)までは、分割製版済みマスタ65が開口部から浸出したインキの粘着力により版胴12外周面に貼り付いているが、版胴12の開口部の後端以降に位置する同分割製版済みマスタ65の後端部65Zは版胴12外周面に貼り付いておらず、版胴12外周面より浮き上がりフリーな状態となっている。マスタ後端センサ153は、版胴12上の分割製版済みマスタ65の後端65Yの位置(後端位置)を検知すべく、同分割製版済みマスタ65の後端65Yの位置近傍に位置する図示しないセンサブラケットを介して装置本体に取付け・固定されている。
CPU130Bがマスタ後端位置データから表・裏面天地移動補正値を計算によって算出するには、版胴回転角度センサ152から送信される印刷速度データおよび版胴12の直径から版胴12の周速度を計算した周速度値と、ホームポジションセンサ135から送信される分割製版済みマスタ65の先端の位置データおよびタイマ133から送信される計時時間データ(版胴12の1回転中における)、すなわちホームポジションセンサ135を起点とするマスタ65の先端位置からマスタ後端センサ153により検知されたマスタ後端位置までの計時時間データとに基づいて、版胴12上の分割製版済みマスタ65の先端位置から後端位置までの長さ(以下、「分割製版済みマスタ65の後端位置長さ」ともいう)を求めることができる。そして、CPU130Bが正規の印刷中において、版胴12の1回転(印刷枚数)ごとに上述の計算を行い、正規の印刷開始時から印刷中における前の印刷と現在の印刷における上記分割製版済みマスタ65の後端位置長さの差分、すなわち版胴12の1回転(印刷枚数)ごとのマスタ位置ずれ量を求め、このマスタ位置ずれ量がROM131Bに予め記憶されている表・裏面天地移動補正閾値(前の印刷における分割製版済みマスタ65の後端位置長さと現在の印刷における分割製版済みマスタ65の後端位置長さとの差分として例えば0.2mm)を超えた場合に、上記マスタ位置ずれ量を表・裏面天地移動補正値とみなして表・裏面天地移動補正値に応じた上述の表・裏面天地移動補正を実行させる。
また、第2の実施形態では、実機の実際の印刷条件が反映された結果としての版胴12上の分割製版済みマスタ65の後端位置の検知・計測からマスタ位置ずれ量を計算によって求めているため、印刷枚数ごとに応じた、またマスタ種類や用紙種類などのパラメータごとのマスタ位置ずれ量を得るために、第2の実施形態、変形例1および変形例2のように多くの工数を掛けて実験を行い、これによって得られた上記各種データをROM131やROM131Aに記憶させるという面倒な行為の必要性がなくなるという利点もある。それ故に、本実施形態においては、版胴12上の分割製版済みマスタ65の後端位置を正確に検知して計測できるように構成することが肝要である(後述の第3および第4の実施形態およびこれらの変形例等でも同様)。
版胴12上の分割製版済みマスタ65の後端65Yは、図16に示したように版胴12外周面に貼り付いておらず、版胴12外周面より浮き上がりフリーな状態となっていることにより、版胴12上の分割製版済みマスタ65の後端位置を正確に検知し測定することが難しい。そこで、第2の実施形態の変形例3を創作した。
図18に、第2の実施形態の変形例3を示す。変形例3は、図16および図17に示した第2の実施形態と比較して、図18に示すように、マスタ後端センサ153の配置位置を、版胴12とプレスローラ13とのニップ部(挟持部)近傍における版胴12外周面外側に変えたことのみ相違する。なお、図18に括弧を付して示す符号155は、説明の簡明化のために後述の第3および第4の実施形態の変形例で使用するものであり、この変形例3のものではないことを付記しておく。
従って、変形例3によれば、第2の実施形態の上記問題点を解消して、版胴12上の分割製版済みマスタ65の後端位置を第2の実施形態よりもより安定した状態で正確に検知・測定して計算できるようになるので、正確な表・裏面天地移動補正を実行することができる。
上述の変形例3において、版胴上の分割製版済みマスタ65の後端位置を正確に測定するために、図18に示したようにマスタ後端センサ153を版胴12とプレスローラ13とのニップ部(挟持部)近傍における版胴12外周面外側に配置すると、同図に示すように印刷時においてプレスローラ13が上昇・揺動して印圧をかける際に、分割製版済みマスタ65の後端65Yまで印圧をかけることになる。しかしながら、版胴12とプレスローラ13とが接するニップ部にマスタ後端センサ153を配置することは、レイアウト的にニップ位置の前後(ニップ部を挟んで用紙搬送方向の下流側または上流側)に配置することになり、用紙の搬送を考慮すると分割製版済みマスタ65の後端位置を正確に検知・測定するのが難しい。そこで、この問題点を解消すべく第2の実施形態の変形例4を創作した。
従って、変形例4によれば、変形例3の上記問題点を解消して、版胴12上の分割製版済みマスタ65の後端位置を変形例3よりもさらに正確に検知・測定して計算できるようになるので、より正確な表・裏面天地移動補正を実行することができる。なお、図19に括弧を付して示す符号154,155は、説明の簡明化のために後述の第3および第4の実施形態の変形例で使用するものであり、この変形例3のものではないことを付記しておく。
図20に、第2の実施形態の変形例5を示す。変形例5は、図16および図17に示した第2の実施形態と比較して、排紙センサ150からの印刷枚数に係る信号を使用する点、および制御手段129に代えて、制御手段129Cを用いる点のみ相違する。
本実施形態の制御手段129Cは、図20に示すように、図17に示した制御手段129Bと比較して、CPU130Bに代えたCPU130Cを用いる点、ROM131Bに代えたROM131Bを用いる点が主に相違する。
CPU130Cは、図17に示したCPU130Bに代えた機能、すなわち上記したと同様の正規の印刷中において、排紙センサ150からの印刷枚数に係る信号が予め設定された所定の印刷枚数になるごとに、マスタ後端センサ153からの版胴12上の分割製版済みマスタ65の後端位置に係るマスタ後端位置データ信号等から表・裏面天地移動補正値を計算によって算出し、算出された表面天地移動補正値に応じた表面天地移動補正を実行するように天地移動モータ259を制御するとともに、算出された裏面天地移動補正値に応じた裏面天地移動補正を実行するようにソレノイド33を制御する機能を有する。CPU130Cがマスタ後端位置データ等から表・裏面天地移動補正値を計算によって算出する内容は、図17に示したCPU130Bと同様である。
第2の実施形態の変形例6は、図1〜図11に示した第2の実施形態と比較して、図17に示した制御手段129Bに、以下の機能を付加したことのみ相違する。すなわち、制御手段129BのCPU77Bは、版胴12上の同一の分割製版済みマスタ65による印刷が一時中断した後であって印刷を再開し始める前に、版胴12の回転ごとに、上述した表・裏面天地移動補正を実行させる機能も有することである。
本変形例では、特に継続印刷からの両面印刷位置補正(表・裏面天地移動補正)を行う場合には、版胴12上の同一の分割製版済みマスタ65を用いての印刷継続時の印刷開始前の空回転時に、マスタ後端センサ153を用いて、版胴12上の分割製版済みマスタ65の後端位置を検知・測定し、上述したと同様に計算して得られた表・裏面天地移動補正値に基づき印刷開始後の用紙1枚目に表・裏面天地移動補正を実行する。用紙の2枚目以降は版胴12の回転ごとに検知して、印刷位置が補正されるので印刷位置がずれることがない。従って、継続印刷からの表・裏面天地移動補正(印刷位置補正)も行うことができるとともに、版胴の空回転時を利用して印刷位置補正を実行することができる。本変形例は、第2の実施形態の変形例3ないし5にも適用できることは無論である。
図16および図21に、第3の実施形態を示す。第3の実施形態は、図16および図17に示した第2の実施形態と比較して、図16に括弧を付して示すように、版胴12に巻き付ける1版のマスタ長さを検知するための表示の一例であるマーキング154(同図に破線で示す)が印刷された分割製版済みマスタ65をマスタロールとして用いる点、マスタ後端センサ153に代えて、版胴12上の分割製版済みマスタ65のマーキング154の位置を検知するマスタ表示検知手段としてのマーキング位置センサ155を用いる点、および制御手段129Bに代えて、制御手段129Dを用いる点が主に相違する。この他の構成は、第2の実施形態の孔版両面印刷装置1と同様である。
マーキング位置センサ155は、例えば反射型のフォトセンサからなる。図16に示すように、版胴12における回転方向の開口部の後端までは、分割製版済みマスタ65が開口部から浸出したインキの粘着力により版胴12外周面に貼り付いているが、版胴12の開口部の後端以降に位置する同分割製版済みマスタ65の後端部65Zは版胴12外周面に貼り付いておらず、版胴12外周面より浮き上がりフリーな状態となっている。マーキング位置センサ155は、版胴12上の分割製版済みマスタ65の後端65Yのマーキング154の位置を検知すべく、分割製版済みマスタ65のマーキング154の位置近傍に位置する図示しないセンサブラケットを介して装置本体に取付け・固定されている。
マスタ長さを検知するための表示は、上記のように印刷されたマーキング154に限らず、例えば矩形状や三角形のものでもよいし、あるいはインクジエットによりプリントされた表示等でもよく、要するにマスタ長さを精度良く確実に検知できる表示であればよい。マスタ表示検知手段は、上記マーキング位置センサ155に限らず、分割製版済みマスタ65に施された表示位置を精度良く確実に検知できる検知手段であれば何でもよい。マスタ表示検知手段の配置位置も同様である。
上記分割製版済みマスタ65を版胴12に巻装する際にも、当然、マーキング154の位置が分割製版済みマスタ65の後端65Yになるように給版し巻装する。マーキング位置センサ155は、版胴12上の分割製版済みマスタ65のマーキング位置を検知することで、版胴12上の分割製版済みマスタ65の長さを検知・測定できるように配置される。
また、第3の実施形態は、第2の実施形態のように版胴12上の分割製版済みマスタ65の後端65Yを検知・測定する場合と比べ、版胴12上の分割製版済みマスタ65のマーキング154の後端位置を検知・測定するので、その精度が向上しているとともにその分、表・裏面天地移動補正(印刷位置補正)の精度も向上している。
版胴12上の分割製版済みマスタ65のマーキング後端は、図16に示したように版胴12外周面に貼り付いておらず、版胴12外周面より浮き上がりフリーな状態となっていることにより、版胴12上の分割製版済みマスタ65の後端位置を正確に検知し測定することが難しい。そこで、第3の実施形態の変形例7を創作した。
図18に、変形例7を示す。変形例7は、図16および図21に示した第3の実施形態と比較して、図18に示すように、マーキング位置センサ155の配置位置を、版胴12とプレスローラ13とのニップ部(挟持部)近傍における版胴12外周面外側に変えたことのみ相違する。
従って、変形例7によれば、第3の実施形態の問題点を解消でき、版胴12上の分割製版済みマスタ65のマーキング154の位置を、第3の実施形態よりもより安定した状態で正確に検知・測定して計算できるようになるので、正確な表・裏面天地移動補正を実行することができる。
上述の変形例7において、版胴12上の分割製版済みマスタ65のマーキング154の位置を正確に測定するために、図18に示したようにマーキング位置センサ155を版胴12とプレスローラ13とのニップ部(挟持部)近傍における版胴12外周面外側に配置すると、同図に示すように印刷時においてプレスローラ13が上昇・揺動して印圧をかける際に、分割製版済みマスタ65のマーキング154まで印圧をかけることになる。しかしながら、版胴12とプレスローラ13とが接するニップ部にマーキング位置センサ155を配置することは、レイアウト的にニップ位置の前後(ニップ部を挟んで用紙搬送方向の下流側または上流側)に配置することになり、用紙の搬送を考慮すると分割製版済みマスタ65の後端位置を正確に検知・測定するのが難しい。そこで、この問題点を解消すべく第3の実施形態の変形例8を創作した。
従って、変形例8によれば、変形例7の問題点を解消でき、版胴12上の分割製版済みマスタ65のマーキング後端の位置を、変形例7よりもさらに正確に検知・測定して計算できるようになるので、より正確な表・裏面天地移動補正を実行することができる。
図22に、第3の実施形態の変形例9を示す。変形例9は、図16および図21に示した第3の実施形態と比較して、排紙センサ150からの印刷枚数に係る信号を使用する点、および制御手段129Dに代えて、制御手段129Eを用いる点のみ相違する。
本実施形態の制御手段129Eは、図22に示すように、図21に示した制御手段129Dと比較して、CPU130Dに代えたCPU130Eを用いる点、ROM131Dに代えたROM131Eを用いる点が主に相違する。
CPU130Eは、図21に示したCPU130Dに代えた機能、すなわち上記したと同様の正規の印刷中において、排紙センサ150からの印刷枚数に係る信号が予め設定された所定の印刷枚数になるごとに、マーキング位置センサ155からの版胴12上の分割製版済みマスタ65のマーキング154の後端位置に係るマスタ後端位置データ信号から表・裏面天地移動補正値を計算によって算出し、算出された表面天地移動補正値に応じた表面天地移動補正を実行するように天地移動モータ259を制御するとともに、算出された裏面天地移動補正値に応じた裏面天地移動補正を実行するようにソレノイド33を制御する機能を有する。CPU130Eがマスタ後端位置データ等から表・裏面天地移動補正値を計算によって算出する内容は、図21に示したCPU130Dと同様である。
第3の実施形態の変形例9は、図16および図21に示した第3の実施形態と比較して、図21に示した制御手段129Dに、以下の機能を付加したことのみ相違する。すなわち、制御手段129DのCPU130Dは、版胴12上の同一の分割製版済みマスタ65による印刷が一時中断した後であって印刷を再開し始める前に、版胴12の回転ごとに、上述した表・裏面天地移動補正を実行させる機能も有することである。
本変形例では、特に継続印刷からの両面印刷位置補正(表・裏面天地移動補正)を行う場合には、版胴12上の同一の分割製版済みマスタ65を用いての印刷継続時の印刷開始前の空回転時に、マーキング位置センサ155を用いて、版胴12上の分割製版済みマスタ65のマーキング154の後端位置を検知・測定し、上述したと同様に計算して得られた表・裏面天地移動補正値に基づき印刷開始後の用紙1枚目に表・裏面天地移動補正を実行する。用紙の2枚目以降は版胴12の回転ごとに検知して、印刷位置が補正されるので印刷位置がずれることがない。従って、版胴の空回転時を利用して印刷位置補正を実行することができるとともに、継続印刷からの両面印刷位置補正も行うことができる。本変形例は、第3の実施形態の変形例7ないし9にも適用できることは無論である。
上述した第3の実施形態およびその変形例7ないし10では、版胴12上の分割製版済みマスタ65の長さを検知するために使用するマスタロールに予め分割製版済みマスタ65の後端を検知するためのマーキング154を印刷してある分割製版済みマスタ65を用いて、製版時にマーキング位置が分割製版済みマスタ65の後端に配置するように製版する必要がある。そのために、製版開始時に分割製版済みマスタ65の先端を製版部3内の所定の位置にセットする必要から、手動または自動でセットしなければならない。また、分割製版済みマスタ65には、版胴12に巻装する製版1版ごとに分割製版済みマスタ65の後端を検知するためのマーキング154を印刷してあるが、製版ミスなどによって1版分送れなかった場合などには再度の位置合わせのために分割製版済みマスタ65をカットしなければならなかった。そこで、この問題点を解消すべく第4の実施形態を創作した。
マーキング印刷装置156は、製版終了時に切断手段60により分割製版済みマスタ65の後端が切断される直前の位置・タイミングにおいて、分割製版済みマスタ65の後端位置にマーキング印刷できるように、切断手段60とテンションローラ対62との間のマスタ搬送路上に配置されている。
図19に、第4の実施形態の変形例13を示す。変形例13は、図16および図24に示した第4の実施形態と比較して、排紙センサ150からの印刷枚数に係る信号を使用する点、および制御手段129Fに代えて、制御手段129Gを用いる点のみ相違する。
本実施形態の制御手段129Gは、図25に示すように、図24に示した制御手段129Fと比較して、CPU130Fに代えたCPU130Gを用いる点、ROM131Fに代えたROM131Gを用いる点が主に相違する。
CPU130Gは、図24に示したCPU130Fに代えた機能、すなわち上記したと同様の正規の印刷中において、排紙センサ150からの印刷枚数に係る信号が予め設定された所定の印刷枚数になるごとに、マーキング位置センサ155からの版胴12上の分割製版済みマスタ65のマーキング154の後端位置に係るマスタ後端位置データ信号等から表・裏面天地移動補正値を計算によって算出し、算出された表面天地移動補正値に応じた表面天地移動補正を実行するように天地移動モータ259を制御するとともに、算出された裏面天地移動補正値に応じた裏面天地移動補正を実行するようにソレノイド33を制御する機能を有する。CPU130Gがマスタ後端位置データ等から表・裏面天地移動補正値を計算によって算出する内容は、CPU130Eと同様である。
第4の実施形態でも、図21に示した第3の実施形態の制御手段129D等と同様の機能、すなわち、制御手段129GのCPU77Gは、版胴12上の同一の分割製版済みマスタ65による印刷が一時中断した後であって印刷を再開し始める前に、版胴12の回転ごとに、上述した表・裏面天地移動補正を実行させる機能も有することである(第4の実施形態の変形例14とする)。この変形例14では、特に継続印刷からの両面印刷位置補正(表・裏面天地移動補正)を行う場合には、版胴12上の同一の分割製版済みマスタ65を用いての印刷継続時の印刷開始前の空回転時に、マーキング位置センサ155を用いて、版胴12上の分割製版済みマスタ65のマーキング154の後端位置を検知・測定し、上述したと同様に計算して得られた表・裏面天地移動補正値に基づき印刷開始後の用紙1枚目に表・裏面天地移動補正を実行する。用紙の2枚目以降は版胴12の回転ごとに検知して、印刷位置が補正されるので印刷位置がずれることがない。従って、版胴の空回転時を利用して印刷位置補正を実行することができるとともに、継続印刷からの両面印刷位置補正も行うことができる。本変形例は、第4の実施形態の変形例11ないし13にも適用できることは無論である。
一部上述したが、レジストローラ対71の給送タイミングを変える表面天地移動手段は、表面天地移動手段250に限らず、例えばステッピングモータからなるレジストローラによって、再給紙手段9における再給紙レジストローラ接離機構160(裏面天地移動手段)のソレノイド33とともに版胴12の回転を停止することなく実行することも可能である。
また、本発明の両面印刷方法および両面印刷装置は、例えばオフセット印刷機等にも適用ないし準用可能である。
2 印刷部
3,3F 製版部(製版装置)
12 版胴
12a 版胴の開口部
12b 版胴の非開口部
13 プレスローラ(押圧手段)
15 インキ供給手段
19b クランパ(保持手段)
23 再給紙レジストローラ
24 再給紙位置決め部材
33 ソレノイド(裏面天地移動手段、裏面天地移動駆動手段)
59 サーマルヘッド(製版手段)
65 分割製版済みマスタ
65A 第1製版画像(第1の製版画像)
65B 第2製版画像(第2の製版画像)
65Y 版胴上のマスタの後端
71 レジストローラ対
103 操作パネル
121 版胴駆動手段
129,129A〜129G 制御手段
130,130A〜130G CPU(制御手段を構成)
131,131A〜131G ROM(記憶手段)
132 RAM
133 タイマ
135 ホームポジションセンサ
150 排紙センサ(印刷枚数計数手段)
152 版胴回転角度センサ
153 マスタ後端センサ(マスタ後端検知手段)
154 マーキング(表示)
155 マーキング位置センサ(マスタ表示検知手段)
156 マーキング印刷装置(表示手段)
250 表面天地移動手段
259 天地移動モータ(表面天地移動駆動手段)
P 用紙(印刷媒体)
PA 表面印刷済み用紙
PB 印刷済み用紙
Claims (21)
- 回転方向に沿って第1の製版画像と第2の製版画像とが2面並んで形成された分割製版済みマスタを巻装する版胴と、前記版胴上の分割製版済みマスタにおける第1の製版画像および第2の製版画像の何れか一方から印刷媒体の表面へ転写される表面印刷画像の位置を該印刷媒体の搬送方向に移動する表面天地移動手段と、前記版胴上の分割製版済みマスタにおける第1の製版画像および第2の製版画像の何れか他方から印刷媒体の裏面へ転写される裏面印刷画像の位置を該印刷媒体の搬送方向に移動する裏面天地移動手段とを有する両面印刷装置を使用する両面印刷方法において、
前記版胴の回転方向における分割製版済みマスタの位置ずれに影響を与える印刷枚数を含むパラメータに応じた表面天地移動補正値および裏面天地移動補正値を予め設定しておき、前記表面天地移動補正値に基づき、印刷中に、前記表面天地移動手段をして自動的に表面天地移動補正を実行させるとともに、前記裏面天地移動補正値に基づき、印刷中に、前記裏面天地移動手段をして自動的に裏面天地移動補正を実行させることを特徴とする両面印刷方法。 - 回転方向に沿って第1の製版画像と第2の製版画像とが2面並んで形成された分割製版済みマスタを巻装する版胴と、前記版胴上の分割製版済みマスタにおける第1の製版画像および第2の製版画像の何れか一方から印刷媒体の表面へ転写される表面印刷画像の位置を該印刷媒体の搬送方向に移動する表面天地移動手段と、前記版胴上の分割製版済みマスタにおける第1の製版画像および第2の製版画像の何れか他方から印刷媒体の裏面へ転写される裏面印刷画像の位置を該印刷媒体の搬送方向に移動する裏面天地移動手段とを有する両面印刷装置において、
印刷枚数を計数する印刷枚数計数手段と、
所定の印刷枚数ごとに予め設定された表面天地移動補正値および裏面天地移動補正値を記憶した記憶手段と、
前記印刷枚数計数手段により計数された印刷枚数が前記所定の印刷枚数になるごとに、前記記憶手段から前記所定の印刷枚数に対応した前記表面天地移動補正値および前記裏面天地移動補正値を読み出し、印刷中に、前記表面天地移動手段をして読み出された前記表面天地移動補正値に応じた表面天地移動補正を実行させるとともに、前記裏面天地移動手段をして読み出された前記裏面天地移動補正値に応じた裏面天地移動補正を実行させる制御手段と、
を有することを特徴とする両面印刷装置。 - 請求項2記載の両面印刷装置において、
前記制御手段は、印刷枚数が前記所定の印刷枚数範囲内の1枚ごとの印刷枚数として前記印刷枚数計数手段により計数されるたびに、前記記憶手段から前記所定の印刷枚数に対応した前記表面天地移動補正値および前記裏面天地移動補正値と次の所定の印刷枚数に対応した前記表面天地移動補正値および前記裏面天地移動補正値とから前記1枚ごとの印刷枚数に対応した前記表面天地移動補正値および前記裏面天地移動補正値を計算によって算出し、前記表面天地移動手段をして算出された前記表面天地移動補正値に応じた前記表面天地移動補正を実行させるとともに、前記裏面天地移動手段をして算出された前記裏面天地移動補正値に応じた前記裏面天地移動補正を実行させることを特徴とする両面印刷装置。 - 請求項2記載の両面印刷装置において、
前記表面天地移動補正値および前記裏面天地移動補正値は、マスタの種類ごとに調整値を持つことを特徴とする両面印刷装置。 - 請求項2記載の両面印刷装置において、
前記表面天地移動補正値および前記裏面天地移動補正値は、前記版胴の種類ごとに調整値を持つことを特徴とする両面印刷装置。 - 請求項2記載の両面印刷装置において、
前記版胴上の分割製版済みマスタにインキを供給するインキ供給手段を有し、
前記表面天地移動補正値および前記裏面天地移動補正値は、前記版胴に使用するインキ色ごとに調整値を持つことを特徴とする両面印刷装置。 - 請求項2記載の両面印刷装置において、
前記表面天地移動補正値および前記裏面天地移動補正値は、印刷速度ごとに調整値を持つことを特徴とする両面印刷装置。 - 請求項2記載の両面印刷装置において、
前記表面天地移動補正値および前記裏面天地移動補正値は、印刷媒体の種類ごとに調整値を持つことを特徴とする両面印刷装置。 - 請求項2記載の両面印刷装置において、
前記版胴上の製版済みのマスタにインキを供給するインキ供給手段を有し、
前記表面天地移動補正値および前記裏面天地移動補正値は、インキ温度設定範囲ごとに調整値を持つことを特徴とする両面印刷装置。 - 請求項2ないし9の何れか一つに記載の両面印刷装置において、
前記制御手段による前記表面天地移動補正および前記裏面天地移動補正の必要有無を切り替える切替手段を有することを特徴とする両面印刷装置。 - 回転方向に沿って第1の製版画像と第2の製版画像とが2面並んで形成された分割製版済みマスタを巻装する版胴と、前記版胴上の分割製版済みマスタにおける第1の製版画像および第2の製版画像の何れか一方から印刷媒体の表面へ転写される表面印刷画像の位置を該印刷媒体の搬送方向に移動する表面天地移動手段と、前記版胴上の分割製版済みマスタにおける第1の製版画像および第2の製版画像の何れか他方から印刷媒体の裏面へ転写される裏面印刷画像の位置を該印刷媒体の搬送方向に移動する裏面天地移動手段とを有する両面印刷装置において、
前記版胴上の分割製版済みマスタの後端位置を検知するマスタ後端検知手段と、
前記マスタ後端検知手段により検知されたマスタ後端位置データから表面天地移動補正値および裏面天地移動補正値を計算によって算出し、印刷中に、前記表面天地移動手段をして算出された前記表面天地移動補正値に応じた表面天地移動補正を実行させるとともに、前記裏面天地移動手段をして算出された前記裏面天地移動補正値に応じた裏面天地移動補正を実行させる制御手段と、
を有することを特徴とする両面印刷装置。 - 請求項11記載の両面印刷装置において、
前記版胴上の分割製版済みマスタに印刷媒体を押し付ける押圧手段を有し、
前記マスタ後端検知手段を、前記版胴と前記押圧手段との挟持部近傍に配置したことを特徴とする両面印刷装置。 - 請求項12記載の両面印刷装置において、
前記版胴には、インキ通過性の開口部が設けられており、
前記マスタ後端検知手段を、前記開口部における前記版胴幅方向の外側に配置したことを特徴とする両面印刷装置。 - 請求項11ないし13の何れか一つに記載の両面印刷装置において、
印刷枚数を計数する印刷枚数計数手段を有し、
前記制御手段は、前記印刷枚数計数手段により計数された印刷枚数が予め設定された所定の印刷枚数になるごとに、前記表面天地移動補正および前記裏面天地移動補正を実行させることを特徴とする両面印刷装置。 - 請求項11ないし14の何れか一つに記載の両面印刷装置において、
前記制御手段は、印刷が一時中断した後であって印刷を再開し始める前に、前記版胴の回転ごとに、前記表面天地移動補正および前記裏面天地移動補正を実行させることを特徴とする両面印刷装置。 - マスタ長さを検知するための表示が施されたマスタを用い、回転方向に沿って第1の製版画像と第2の製版画像とが2面並んで形成された分割製版済みマスタを巻装する版胴と、前記版胴上の分割製版済みマスタにおける第1の製版画像および第2の製版画像の何れか一方から印刷媒体の表面へ転写される表面印刷画像の位置を該印刷媒体の搬送方向に移動する表面天地移動手段と、前記版胴上の分割製版済みマスタにおける第1の製版画像および第2の製版画像の何れか他方から印刷媒体の裏面へ転写される裏面印刷画像の位置を該印刷媒体の搬送方向に移動する裏面天地移動手段とを具備し、前記分割製版済みマスタが前記版胴に巻装される際に前記表示が該版胴の回転方向の上流側に配置されるように装着される両面印刷装置であって、
前記版胴上の分割製版済みマスタの前記表示を検知するマスタ表示検知手段と、
前記マスタ表示検知手段により検知されたマスタ長さデータから表面天地移動補正値および裏面天地移動補正値を計算によって算出し、印刷中に、前記表面天地移動手段をして算出された前記表面天地移動補正値に応じた表面天地移動補正を実行させるとともに、前記裏面天地移動手段をして算出された前記裏面天地移動補正値に応じた裏面天地移動補正を実行させる制御手段と、
を有することを特徴とする両面印刷装置。 - 請求項16記載の両面印刷装置において、
前記版胴上の分割製版済みマスタに印刷媒体を押し付ける押圧手段を有し、
前記マスタ表示検知手段を、前記版胴と前記押圧手段との挟持部近傍に配置したことを特徴とする両面印刷装置。 - 請求項17記載の両面印刷装置において、
前記版胴には、インキ通過性の開口部が設けられており、
前記マスタ表示検知手段を、前記開口部における前記版胴幅方向の外側に配置したことを特徴とする両面印刷装置。 - 請求項16ないし18の何れか一つに記載の両面印刷装置において、
印刷枚数を計数する印刷枚数計数手段を有し、
前記制御手段は、前記印刷枚数計数手段により計数された印刷枚数が予め設定された所定の印刷枚数になるごとに、前記表面天地移動補正および前記裏面天地移動補正を実行させることを特徴とする両面印刷装置。 - 請求項16ないし19の何れか一つに記載の両面印刷装置において、
前記制御手段は、印刷が一時中断した後であって印刷を再開し始める前に、前記版胴の回転ごとに、前記表面天地移動補正および前記裏面天地移動補正を実行させることを特徴とする両面印刷装置。 - マスタを製版する製版手段およびマスタ長さを検知するための表示をマスタに施す表示手段を具備する製版装置と、前記製版手段により製版された、回転方向に沿って第1の製版画像と第2の製版画像とが2面並んで形成された分割製版済みマスタを巻装する版胴と、前記版胴上の分割製版済みマスタにおける第1の製版画像および第2の製版画像の何れか一方から印刷媒体の表面へ転写される表面印刷画像の位置を該印刷媒体の搬送方向に移動する表面天地移動手段と、前記版胴上の分割製版済みマスタにおける第1の製版画像および第2の製版画像の何れか他方から印刷媒体の裏面へ転写される裏面印刷画像の位置を該印刷媒体の搬送方向に移動する裏面天地移動手段とを有し、前記分割製版済みマスタが前記版胴に巻装される際に前記表示手段により施された前記表示が該版胴の回転方向の上流側に配置されるように装着される両面印刷装置であって、
前記版胴上の分割製版済みマスタの前記表示を検知するマスタ表示検知手段と、
前記マスタ表示検知手段により検知されたマスタ長さデータから表面天地移動補正値および裏面天地移動補正値を計算によって算出し、印刷中に、前記表面天地移動手段をして算出された前記表面天地移動補正値に応じた表面天地移動補正を実行させるとともに、前記裏面天地移動手段をして算出された前記裏面天地移動補正値に応じた裏面天地移動補正を実行させる制御手段と、
を有することを特徴とする両面印刷装置。
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