JP2008135886A - Baw共振器の製造方法 - Google Patents

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Norihiro Yamauchi
規裕 山内
Xiong Si-Bei
四輩 熊
Takaaki Yoshihara
孝明 吉原
Takeo Shirai
健雄 白井
Chomei Matsushima
朝明 松嶋
Yoshiki Hayazaki
嘉城 早崎
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Abstract

【課題】圧電材料部と下部電極との接合強度を向上できるとともに、Q値を向上できるBAW共振器の製造方法を提供することにある。
【解決手段】BAW共振器の製造方法は、PZT素片30の厚み方向の一面に接合金属層31を形成する接合金属層形成工程と、この後に接合金属層31とベース基板1の一表面上に積層された下部電極2とを接合する接合工程と、この後にPZT素片30の厚み方向の他面側に上部電極4を形成する上部電極形成工程とを有し、下部電極2をベース基板1の一表面上に積層するにあたっては、ベース基板1の一表面上に下部電極2において下層となる下側金属層22を積層した後に下側金属層22上に下部電極2において上層となる上側金属層21を積層するようにし、下側金属層22の材料としては上側金属層21よりも低密度な金属を用い、上側金属層21の材料としては下側金属層22よりも接合金属層31との接合性が高い金属を用いる。
【選択図】図1

Description

本発明は、BAW(Bulk Acoustic Wave;バルク弾性波)共振器の製造方法に関し、特にPZTを利用したBAW共振器の製造方法に関する。
近年、携帯電話機やUWB(Ultra Wide Band)方式の機器などの高周波通信器を高性能化するための研究開発が各所で盛んに行われている。ここで、高周波通信器を高性能化するにあたっては、高周波通信器で使用される高周波帯域通過フィルタの低損失化(フィルタの挿入損失を小さくすること)が要求されている。そのため、従来から提供されているLCフィルタに比べて高周波帯域でQ値を高くできるBAW共振器を利用したフィルタが注目を集めている(例えば、特許文献1参照)。
特許文献1に開示されているようなBAW共振器は、いわゆるSMR(Solidly MountedResonator)型のBAW共振器であって、音響多層膜が設けられたベース基板と、ベース基板の一表面上(音響多層膜層上)に積層された下部電極と、下部電極に積層した圧電薄膜を用いて形成された圧電材料部と、圧電材料部に積層された上部電極とを備えている。なお、音響多層膜は、圧電材料部で発生したバルク弾性波を反射してバルク弾性波がベース基板側に伝播されるのを抑制することによって、共振エネルギの損失を低減するためのものであって、半導体基板の厚み方向の一面側に、SiOからなる低音響インピーダンス層と、SiOよりも音響インピーダンスが高い材料(例えば、タングステンなど)からなる高音響インピーダンス層とを、最表層が低音響インピーダンス層となるように交互に積層することで形成されている。
以上述べたようなBAW共振器を利用したフィルタは、高周波帯域で高いQ値を有するので、通過特性、遮断特性に優れ、低損失化が図れるという特長を有している。また、この種のフィルタは、使用する圧電材料(例えば、AlN、ZnO、PZTなど)の違いによって、帯域幅が異なる高周波帯域通過フィルタを得ることができるという特徴を有している。
例えば、UWB用のフィルタでは、300〜400MHz程度の高周波帯域で急峻な立ち上がり、立下り特性が要求されており、このような特性を満足するためには、圧電材料として電気機械結合係数(electromechanical coupling coefficient)が比較的大きなPZTを用いることが好ましい。
ここで、PZTからなる圧電薄膜を形成(作製)する方法としては、ゾルゲル法を用いる方法が提案されている(例えば、特許文献2参照)。なお、圧電薄膜を形成するにあたっては、ベース基板の半導体基板としてシリコン基板が用いられることが多く、下部電極としてPt/Ti(Ti層上にPt層を形成してなるもの)が用いられることが多い。
ゾルゲル法によりPZTからなる圧電薄膜を形成するにあたっては、下部電極上に、鉛化合物およびチタン化合物を溶剤に溶解してなるPbTiO薄膜形成用組成物を塗布し、150〜400℃で乾燥する工程を所定の膜厚が得られるまで繰り返し、その後に鉛化合物およびジルコニウム化合物およびチタン化合物を溶剤に溶解してなるPZT薄膜形成用組成物を塗布し、150〜400℃で乾燥する工程を所定の膜厚が得られるまで繰り返し、最後に500〜800℃で0.1〜2時間焼成することにより、PZTからなる圧電薄膜の形成を行う。
なお、圧電薄膜を形成する方法としては、ゾルゲル法の他に、スパッタ法や、化学気相成長(ChemicalVapor Deposition;CVD)法を用いる方法が提案されている。ここで、スパッタ法やCVD法を用いる場合においても、ベース基板の半導体基板としてシリコン基板が用いられることが多く、下部電極としてPt/Ti(Ti層上にPt層を形成してなるもの)が用いられることが多い。
スパッタ法を用いる場合は、例えば、基板温度を600℃〜700℃とし、ArガスとOガスを流した状態で、スパッタ法によりPZT薄膜を下部電極上に成膜することによって、圧電薄膜の形成を行う。一方、CVD法を用いる場合は、例えば、基板温度を600℃〜700℃とし、ArガスとOガスを流した状態で、Pbと、Tiと、Zrとを含む有機金属系の原料を用いた有機金属化学気相成長(Metal Organic Chemical Vapor Deposition;MOCVD)法によって、PZT薄膜を下部電極上に成膜することによって、圧電薄膜の形成を行う。
特開2006−229282号公報 特開平10−126204号公報(特に、段落番号〔0021〕〜〔0026〕参照)
しかしながら、上述したようなゾルゲル法、スパッタ法、CVD法により形成された圧電材料部を有するBAW共振器では、設計上のQ値に比べて実際のQ値が低くなり、所望のQ値が得られないという問題があった。
ここで、所望のQ値が得られないのは、圧電材料部の膜質に原因があると考えられている。例えば、ゾルゲル法を用いた場合には、焼結時にPZT中のPbが下部電極に拡散したり、蒸発したりすることによって、圧電材料部における下部電極や上部電極との界面付近のPZTにおいてPbが不足することが原因であると考えられている。
一方、スパッタ法またはCVD法を用いた場合には、スパッタ法やCVD法により得られる圧電薄膜の表面粗さが粗いことによって、共振時に共振エネルギが逃げて定在波が発生しにくくなっているからであると考えられている。加えて、圧電薄膜を形成するにあたっては、上述したように半導体基板としてシリコン基板が用いられており、このようなシリコン基板をPZT薄膜の成長基板として用いた場合には、単結晶MgO基板などを成長基板として用いた場合に比べてPZTが多結晶になり易く、圧電薄膜の結晶性が悪化することもQ値が低下する原因の一つであると考えられている。
そこで、上述したようなゾルゲル法などを用いて下部電極上に圧電薄膜を形成する代わりに、圧電材料部の基礎として予め作成しておいたPZT素片(図示せず)を用い、このPZT素片をベース基板上に積層した下部電極に接合する方法が提案されている。ここで、PZT素片としては、PZTのバルクから切り出されたものや、単結晶基板上に単結晶成長させたPZT薄膜から上記単結晶基板を除去したものが用いられている。
この方法によれば、圧電材料部における下部電極や上部電極との界面付近のPZTにおいてPbが不足したり、圧電材料部の表面粗さが粗くなったりすることなどに起因するQ値の低下を防止できるため、ゾルゲル法などを用いる場合に比べて高いQ値を有するBAW共振器を得ることができるものの、PZT素片を接合する下部電極の上面の平滑(平坦)さが悪ければ、圧電材料部と下部電極との密着性が悪くなって接合強度の低下を招き、場合によっては圧電材料部にクラックが生じてしまうという別の問題が生じていた。
本発明は上述の点に鑑みて為されたもので、その目的は、圧電材料部と下部電極との接合強度を向上できるとともに、Q値を向上できるBAW共振器の製造方法を提供することにある。
上述の課題を解決するために、請求項1の発明では、ベース基板と、前記ベース基板の一表面上に積層された下部電極と、PZT素片を用いて形成され前記下部電極に積層された圧電材料部と、前記圧電材料部に積層された上部電極とを備えるBAW共振器の製造方法であって、前記PZT素片の厚み方向の一面に前記下部電極との接合用の接合金属層を形成する接合金属層形成工程と、前記接合金属層形成工程により形成された前記接合金属層と前記ベース基板の前記一表面上に積層された前記下部電極とを接合する接合工程と、前記接合工程の後に前記PZT素片の厚み方向の他面側に前記上部電極を形成する上部電極形成工程とを有し、前記下部電極を前記ベース基板の前記一表面上に積層するにあたっては、前記ベース基板の前記一表面上に前記下部電極において下層となる下側金属層を積層した後に前記下側金属層上に前記下部電極において上層となる上側金属層を積層するようにし、前記下側金属層の材料としては前記上側金属層よりも低密度な金属を用い、前記上側金属層の材料としては前記下側金属層よりも前記接合金属層との接合性が高い金属を用いることを特徴とする。
請求項1の発明によれば、PZT素片の厚み方向の一面に形成した接合金属層と、下部電極の下側金属層より接合金属層との接合性が高い金属からなる上側金属層とを接合することによってPZT素片を下部電極に接合するので、圧電材料部と下部電極との密着性が向上するから、圧電材料部と下部電極との接合強度を向上できる。また、下側金属層が上側金属層よりも低密度な金属により形成されているので、下部電極の軽量化を図ることができるから、圧電材料部が共振し易くなり、結果としてQ値の向上が図れる。しかも圧電材料部を形成するにあたってゾルゲル法や、スパッタ法、CVD法を行わなくて済むから、これらの方法を行う場合に比べてQ値を向上できる。
請求項2の発明では、請求項1の発明において、前記下側金属層はポーラス化された金属層であることを特徴とする。
請求項2の発明によれば、下側金属層がポーラス化された金属層なので、PZT素片と下部電極とを接合する際に下側金属層がつぶれ、ベース基板の一表面の平滑度が悪くても下部電極とベース基板との密着性が向上するから、下部電極とベース基板との接合強度を向上できる。その上、PZT素片と下部電極とを接合する際に、PZT素片に過剰な応力がかかったとしても、このような応力を下側金属層によって軽減することができるから、PZT素片にクラックが生じることを抑制できる。
請求項3の発明では、請求項1の発明において、前記接合金属層および前記上側金属層の材料としてはAuを用い、前記下側金属層の材料としてはAlを用いることを特徴とする。
請求項3の発明によれば、接合金属層と上側金属層の材料がともにAuであるので、上側金属層と接合金属層との熱膨張率が等しくなって密着性が向上するから、圧電材料部と下部電極との接合強度を向上できる。しかも、下側金属層の材料としてAuより密度が低いAlを用いているので、下部電極の軽量化を図ることができるから、圧電材料部が共振し易くなり、結果としてQ値の向上が図れる。加えて、Alは金属のなかでも比較的柔らかい金属なので、PZT素片と下部電極とを接合する際に下側金属層がつぶれ易くなるから、下部電極とベース基板との密着性が向上して下部電極とベース基板との接合強度を向上でき、その上、PZT素片にクラックが生じることを抑制できる。さらに、Alは金属のなかでも比較的電気抵抗率が低い金属なので(従来のようにゾルゲル法や、スパッタ法、CVD法により圧電材料部を成膜する際に下部電極の材料として用いられるPtやTiより電気抵抗率が低いので)、下部電極の抵抗値を低下させることができるから、Q値を向上できる。
請求項4の発明では、請求項2の発明において、前記接合金属層および前記上側金属層の材料としてはAuを用い、前記下側金属層はポーラス化されたAl層であることを特徴とする。
請求項4の発明によれば、接合金属層と上側金属層の材料がともにAuであるので、上側金属層と接合金属層との熱膨張率が等しくなって密着性が向上するから、圧電材料部と下部電極との接合強度を向上できる。しかも、下側金属層の材料としてAuより密度が低いAlを用いているので、下部電極の軽量化を図ることができるから、圧電材料部が共振し易くなり、結果としてQ値の向上が図れる。加えて、Alは金属のなかでも比較的柔らかい金属なので、PZT素片と下部電極とを接合する際に下側金属層がつぶれ易くなるから、下部電極とベース基板との密着性が向上して下部電極とベース基板との接合強度を向上でき、その上、PZT素片にクラックが生じることを抑制できる。さらに、Alは金属のなかでも比較的電気抵抗率が低い金属なので(従来のようにゾルゲル法や、スパッタ法、CVD法により圧電材料部を成膜する際に下部電極の材料として用いられるPtやTiより電気抵抗率が低いので)、下部電極の抵抗値を低下させることができるから、Q値を向上できる。その上、ポーラス化されたAl層は、例えば希ガス雰囲気下でAlを真空蒸着するなどの簡単な手法で形成することができるから、製造が容易になる。
請求項5の発明では、請求項1〜4のうちいずれか1項記載の発明において、前記PZT素片として、PZTのバルクから切り出されたものを用いることを特徴とする。
請求項5の発明によれば、圧電材料部を形成するためのPZT素片として、予め作製しておいたバルクからQ値の高いものを選択して使用することが可能となるから、設計上のQ値が得やすくなり、確実にQ値の向上が図れる。
請求項6の発明では、請求項1〜4のうちいずれか1項記載の発明において、前記PZT素片として、単結晶基板の一表面側に単結晶成長させたPZT薄膜であって、前記単結晶基板を除去したものを用いることを特徴とする。
請求項6の発明によれば、圧電材料部を形成するためのPZT素片として100nm〜1μm程度の膜厚のPZT薄膜を用いることが可能となるから、1G〜10GHz程度の高周波に対応することができる。しかも、PZT薄膜は単結晶基板上に単結晶成長させたものなので、PZT薄膜中に多結晶のPZTが含まれてしまうことを低減できて、高いQ値を有するPZT薄膜を得ることができるから、Q値を向上できる。
本発明は、圧電材料部と下部電極との接合強度を向上できるという効果を奏し、しかもQ値を向上できるという効果を奏する。
(実施形態1)
本実施形態におけるBAW共振器は、図1(j)に示すように、ベース基板1と、ベース基板1の一表面(図1(j)における上面)上に積層された下部電極2と、PZTを用いて形成され下部電極2に積層された圧電材料部3と、圧電材料部3の厚み方向の一面(図1(j)における上面)の一部を露出する開孔部5aを有し圧電材料部3および下部電極2を覆うようにしてベース基板1の上記一表面側に設けられたSiOなどの絶縁材料からなる絶縁層5と、絶縁層5の開孔部5aより露出された圧電材料部3の厚み方向の上記一面側に形成されたAlなどの金属材料からなる上部電極4とを備えるSMR型のBAW共振器である。
圧電材料部3は、PZT素片30(図1(c)参照)を用いて形成されている。ここで、PZT素片30としては、図2(a)に示すように焼結して形成したPZTのバルク300から所望の大きさとなるように切り出されたものを用いている。圧電材料部3は、PZT素片30を下部電極2に接合した後に当該PZT素片30を所望の平面形状にパターニングすることによって形成され、PZT素片30を下部電極2に接合するにあたっては、PZT素片30の厚み方向の一面(図1(c)における下面)に下部電極2との接合用の接合金属層31が形成される。ここで、接合金属層31の材料としてはAuを用いている。
下部電極2は、ベース基板1の上記一表面上に積層される下側金属層22と、下側金属層22上に積層されてPZT素片30と接合される上側金属層21とで構成されており、下側金属層22の材料としては上側金属層21よりも低密度な(質量密度が低い)金属を用い、上側金属層21の材料としては下側金属層22よりも後述する接合金属層31との接合性が高い金属を用いている。本実施形態では、接合金属層31をAuにより形成しているので、上側金属層21の材料としては、接合金属層31と同じAuを用いている。一方、下側金属層22の材料としては、Auよりも低密度な金属であるAlを用いている。ここで、下側金属層22の材料としては、上側金属層21よりも低密度なものであればよいが、Alのように電気抵抗率が10μΩ・cm以下の金属(Alの電気抵抗率は2.6548μΩ・cm)を用いることが好ましい。ここで、電気抵抗率を10μΩ・cm以下とするのは次の理由による。すなわち、上述したような高周波通信器には、圧電材料としてPZTを採用したBAW共振器として実際にはQ値が300〜400程度のものが提供されているため、本実施形態のBAW共振器においても、Q値を300〜400とすることが好ましいが、下部電極2の下側金属層22に用いる金属として電気抵抗率が10μΩ・cmを超える金属を用いた際には、Q値が300を下回ってしまうという結果が得られたからである。
ベース基板1は、半導体基板(例えばシリコン基板)10を用いて形成されており、半導体基板10の厚み方向の一面(図1(j)における上面)に、圧電材料部3からベース基板1側に進むBAWを反射することによって共振エネルギの損失を低減するための音響多層膜(音響ミラー層)11を備えている。音響多層膜11は、図1(j)に示すように、相対的に音響インピーダンスが低い材料(例えば、SiOなど)からなる低音響インピーダンス層12と、相対的に音響インピーダンスが高い材料(例えば、ZnO、Mo、Wなど)からなる高音響インピーダンス層13とを低音響インピーダンス層12が最表層となるように交互に積層することにより形成されている。なお、低音響インピーダンス層12と高音響インピーダンス層13の各膜厚は、圧電材料部3の共振周波数の弾性波(バルク弾性波)の波長の4分の1に設定すればよい。
以下に、本実施形態のBAW共振器の製造方法について図1および図2を参照して説明する。まず、ベース基板1の基礎となる半導体基板10の厚み方向の前記一面側に、低音響インピーダンス層12を形成した後に、当該低音響インピーダンス層12上に、高音響インピーダンス層13と低音響インピーダンス層12とを低音響インピーダンス層12が最表層となるように交互に積層し、最表層の低音響インピーダンス層12の表面をCMP(化学的機械研磨、Chemical Mechanical Polishing)により平坦化することによって音響多層膜11を形成することでベース基板1を得る。
なお、本実施形態のように半導体基板10がシリコン基板である場合、半導体基板10の上記一面側に最初に低音響インピーダンス層12を形成するにあたっては、半導体基板10の上記一面側を熱酸化法などにより酸化することでSiOからなる低音響インピーダンス層12を形成してもよい。
この後に、ベース基板1の上記一表面上に下部電極2を積層する。ここで、下部電極2をベース基板1の上記一表面上に積層するにあたっては、図1(a)に示すように、ベース基板1の上記一表面上に下部電極2において下層となる下側金属層22を積層した後に、図1(b)に示すように下側金属層22上に下部電極2において上層となる上側金属層21を積層する。なお、上側金属層21および下側金属層22を積層する方法としては、スパッタ法や、CVD法、EB蒸着法、真空蒸着法などを用いることができる。
次に、下部電極2に圧電材料部3の基礎となるPZT素片30を接合するのであるが、PZT素片30を接合する前に、図1(c)に示すように、PZT素片30の厚み方向の一面(図1(c)における下面)に接合金属層31を、スパッタ法や、CVD法、電子ビーム(Electron Beam;EB)蒸着法、真空蒸着法などにより形成する(接合用金属層形成工程)。なお、接合金属層形成工程は、遅くとも後述する接合工程の前までに行っておけばよいものであるから、ベース基板1を形成する工程と、下部電極2を形成する工程との順番は問わない。
この後に、PZT素片30の上記一面に形成した接合金属層31と、下部電極2において上層となる上側金属層21との接合を行う(接合工程)。ここで、接合金属層31と上側金属層21との接合は、例えば、接合金属層31と上側金属層21とが接するようにしてPZT素片30を下部電極2上に載置した後に、上側金属層21および接合金属層31を例えば200℃〜300℃程度に加熱した状態で、PZT素片30をベース基板1側へ押圧する(接合金属層31および上側金属層21を加圧する)ことにより行えばよい。また、上側金属層21と接合金属層31とは、互いに対向させた接合金属層31と上側金属層21それぞれに表面活性化処理を行った後に、PZT素片30をベース基板1側へ押圧する(接合金属層31および上側金属層21を加圧する)ことで接合するようにしてもよく、この場合、加熱する必要がないから常温での接合が可能となる。なお、接合金属層31と上側金属層21とを接合するにあたっては、上記の例の他に、接合金属層31および上側金属層21を適宜加熱することによって、接合金属層31と上側金属層21とを共晶接合するようにしてもよい。
上述した接合工程によって、図1(d)に示すように、上側金属層21と接合金属層31とが接合されて一体となるから、PZT素片30と下部電極2との密着性を向上することができ、その結果、PZT素片30と下部電極2との接合強度が向上する。
接合工程の後には、PZT素片30をフォトリソグラフィ技術およびエッチング技術などを利用して所望の平面形状にパターニングすることによって圧電材料部3を形成して、図1(e)に示す構造を得る。
この後に、フォトリソグラフィ技術およびエッチング技術などを利用して下部電極2を所望の平面形状にパターニングすることによって図1(f)に示す構造を得る。このとき、接合金属層31の不要部分(圧電材料部3と厚み方向において重ならない部分)は、下部電極2の上側金属層21の不要部分とともに除去される。
続いて、図1(g)に示すように、ベース基板1の上記一表面側の全面に絶縁層5をスパッタ法やCVD法などを用いて形成し、この後に、フォトリソグラフィ技術およびエッチング技術などを利用して絶縁層5の不要部分を除去するとともに開孔部5aを形成して、図1(h)に示す構造を得る。なお、パターニングされた絶縁層5を得る方法としては、リフトオフ法を用いてもよい。
次に、図1(i)に示すように、ベース基板1の上記一表面側の全面に上部電極4をスパッタ法やEB蒸着法などを用いて形成し、この後に、フォトリソグラフィ技術およびエッチング技術などを利用して上部電極4を所望の形状にパターニングすることによって、図1(j)に示すようなBAW共振器が得られる。なお、BAW共振器の製造にあたっては、ウェハレベルで多数のBAW共振器を形成した後、ダイシング工程で個々のBAW共振器に分割すればよい。
以上述べた本実施形態のBAW共振器の製造方法によれば、PZT素片30の厚み方向の一面に形成したAuからなる接合金属層31と、下部電極2のAlからなる下側金属層22より接合金属層31との接合性が高いAuからなる上側金属層21とを接合することによってPZT素片30を下部電極2に接合するので、圧電材料部3と下部電極2との密着性が向上して圧電材料部3と下部電極2との接合強度を向上できる。特に、接合金属層31と上側金属層21の材料がともにAuであるから、上側金属層21と接合金属層31との熱膨張率が等しくなって密着性がさらに向上し、その結果、圧電材料部3と下部電極2との接合強度をさらに向上できる。
また、下側金属層22が上側金属層21よりも低密度な金属であるAlにより形成されているので、下部電極2の軽量化を図ることができるから、圧電材料部3が共振し易くなってQ値の向上が図れる。加えて、Alは金属のなかでも比較的柔らかい金属なので、PZT素片30と下部電極2とを接合する際に下側金属層22がつぶれ易くなるから、下部電極2とベース基板1との密着性が向上して下部電極2とベース基板1との接合強度を向上でき、その上、PZT素片30にクラックが生じることを抑制できる。さらに、Alは金属のなかでも比較的電気抵抗率が低い金属であり、その電気抵抗率が10μΩ・cm以下であるため、従来のようにゾルゲル法や、スパッタ法、CVD法により圧電材料部を成膜する際に下部電極の材料として用いられるPt(電気抵抗率が10.6μΩ・cm)やTi(電気抵抗率が47.8μΩ・cm)より電気抵抗率が低く、下部電極2の抵抗値を低下させることができるから、下部電極2の材料としてPtおよびTiを用いる場合に比べてQ値を向上できる。
ところで、上述した従来のBAW共振器の製造方法では、ゾルゲル法や、スパッタ法、CVD法を用いて圧電薄膜を形成する際に、Oガスを流しながらベース基板を600℃〜700℃に加熱する工程を経なければならず、この場合、ベース基板のタングステンなどの金属材料からなる高音響インピーダンス層が激しく酸化して、ベース基板の表面形状が荒れてしまうという問題が生じていた。
これに対して、本実施形態のBAW共振器の製造方法によれば、上述したようにソルゲル法や、スパッタ法、CVD法を行う必要がないので、Oガスを流しながらベース基板1を600℃〜700℃の高温に加熱する工程を経なくて済むから、ベース基板1の高音響インピーダンス層13が激しく酸化されて、ベース基板1の表面形状が荒れてしまうことがない。
本実施形態のBAW共振器の製造方法では、圧電材料部3の基礎となるPZT素片30として、図2(a)に示すように、PZTのバルク300から切り出されたPZT素片30を用いているので、BAW共振器に採用するPZT素片30として、予め作製しておいたバルク300からQ値の高いものを選択して使用することが可能となるから、設計上のQ値が得やすくなり、確実にQ値の向上が図れる。
ところで、本実施形態では、バルク300より切り出したPZT素片30を圧電材料部3の基礎として用いているが、PZT素片30としては、図2(b)に示すように、例えば、単結晶MgO基板からなる単結晶基板400の主表面側に、PT薄膜500と、PTOやPLTからなるバッファ層600を介して単結晶成長(例えば、エピタキシャル成長)させたPZT薄膜410であって、単結晶基板400およびPT薄膜500およびバッファ層600を除去したものを用いてもよい。
このような単結晶基板400を用いる場合は、100nm〜1μm程度の膜厚のPZT薄膜410を形成できるから、このようなPZT薄膜410を用いて圧電材料部3を形成することによって、BAW共振器を1G〜10GHz程度の高周波にも対応させることが可能になる。しかも、PZT薄膜410は単結晶基板400上に単結晶成長させたものなので、PZT薄膜410中に多結晶のPZTが含まれてしまうことを低減できて、高いQ値を有するPZT薄膜410を得ることができるから、Q値を向上できる。
なお、本実施形態のBAW共振器は、SMR型のBAW共振器であるが、下部電極2の下部に空洞(キャビティ)を設けることで圧電材料部3を自由に振動させるように構成されたベース基板(図示せず)を用いたFBAR型(Film Bulk Acoustic Resonator)のBAW共振器であってもよい。この点は後述する実施形態2においても同様である。
(実施形態2)
本実施形態のBAW共振器の製造方法は、下部電極2の下側金属層22がAl層ではなく、ポーラス化されたAl層である点で実施形態1と異なっており、その他の工程は実施形態1と同様であるから説明を省略する。
したがって、本実施形態のBAW共振器の製造方法によれば、上記実施形態1と同様の効果が得られる上に、下側金属層22がポーラス化されたAl層であるので、PZT素片30と下部電極2とを接合する際に、下側金属層22がさらにつぶれ易くなるから、ベース基板1の上記一表面の平滑度が悪くても下部電極2とベース基板1との密着性を向上でき、その結果、下部電極2とベース基板1との接合強度を向上でき、しかもPZT素片30と下部電極2とを接合する際にPZT素片30にクラックが生じてしまうことをさらに抑制できる。その上、ポーラス化されたAl層は、例えば希ガス雰囲気下でAlをベース基板1の上記一表面上に真空蒸着するなどの簡単な手法で形成することができるから、製造が容易になる。
本発明の実施形態1のBAW共振器の製造方法の説明図である。 同上における圧電材料部の形成方法の説明図である。
符号の説明
1 ベース基板
2 下部電極
3 圧電材料部
4 上部電極
21 上側金属層
22 下側金属層
30 PZT素片
31 接合金属層
300 バルク
400 単結晶基板
410 PZT薄膜

Claims (6)

  1. ベース基板と、前記ベース基板の一表面上に積層された下部電極と、PZT素片を用いて形成され前記下部電極に積層された圧電材料部と、前記圧電材料部に積層された上部電極とを備えるBAW共振器の製造方法であって、前記PZT素片の厚み方向の一面に前記下部電極との接合用の接合金属層を形成する接合金属層形成工程と、前記接合金属層形成工程により形成された前記接合金属層と前記ベース基板の前記一表面上に積層された前記下部電極とを接合する接合工程と、前記接合工程の後に前記PZT素片の厚み方向の他面側に前記上部電極を形成する上部電極形成工程とを有し、前記下部電極を前記ベース基板の前記一表面上に積層するにあたっては、前記ベース基板の前記一表面上に前記下部電極において下層となる下側金属層を積層した後に前記下側金属層上に前記下部電極において上層となる上側金属層を積層するようにし、前記下側金属層の材料としては前記上側金属層よりも低密度な金属を用い、前記上側金属層の材料としては前記下側金属層よりも前記接合金属層との接合性が高い金属を用いることを特徴とするBAW共振器の製造方法。
  2. 前記下側金属層はポーラス化された金属層であることを特徴とする請求項1記載のBAW共振器の製造方法。
  3. 前記接合金属層および前記上側金属層の材料としてはAuを用い、前記下側金属層の材料としてはAlを用いることを特徴とする請求項1記載のBAW共振器の製造方法。
  4. 前記接合金属層および前記上側金属層の材料としてはAuを用い、前記下側金属層はポーラス化されたAl層であることを特徴とする請求項2記載のBAW共振器の製造方法。
  5. 前記PZT素片として、PZTのバルクから切り出されたものを用いることを特徴とする請求項1〜4のうちいずれか1項記載のBAW共振器の製造方法。
  6. 前記PZT素片として、単結晶基板の一表面側に単結晶成長させたPZT薄膜であって、前記単結晶基板を除去したものを用いることを特徴とする請求項1〜4のうちいずれか1項記載のBAW共振器の製造方法。
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