JP2008127711A - 軽量塗被紙 - Google Patents
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Abstract
【課題】
原紙上に顔料と接着剤を主成分とする塗被層をブレード塗工方式により片面あたりに2層設けられた軽量塗被紙において、下塗り層および上塗り層共低塗工量での高速塗工性に優れ、嵩高で白紙光沢、白紙および印刷後の平滑性に優れた軽量塗被紙を提供する。
【解決手段】
原紙上に顔料と接着剤を主成分とする塗被層がブレード塗工方式により片面あたりに2層設けられた軽量塗被紙において、該原紙が填料として無定形シリカまたは無定形シリケートの少なくとも1種を原紙質量の1〜10質量%含有し、該塗被層の上塗り層が、顔料として特定の平均粒子径と特定のハーキュレス粘度を有するカオリンを全顔料の30〜70質量%、かつ特定の平均粒子径と粒度分布を有する重質炭酸カルシウムを全顔料の30〜70質量%含有し、該上塗り層の塗工量が4〜7g/m2となるよう塗被されることを特徴とする軽量塗被紙。
【選択図】なし
原紙上に顔料と接着剤を主成分とする塗被層をブレード塗工方式により片面あたりに2層設けられた軽量塗被紙において、下塗り層および上塗り層共低塗工量での高速塗工性に優れ、嵩高で白紙光沢、白紙および印刷後の平滑性に優れた軽量塗被紙を提供する。
【解決手段】
原紙上に顔料と接着剤を主成分とする塗被層がブレード塗工方式により片面あたりに2層設けられた軽量塗被紙において、該原紙が填料として無定形シリカまたは無定形シリケートの少なくとも1種を原紙質量の1〜10質量%含有し、該塗被層の上塗り層が、顔料として特定の平均粒子径と特定のハーキュレス粘度を有するカオリンを全顔料の30〜70質量%、かつ特定の平均粒子径と粒度分布を有する重質炭酸カルシウムを全顔料の30〜70質量%含有し、該上塗り層の塗工量が4〜7g/m2となるよう塗被されることを特徴とする軽量塗被紙。
【選択図】なし
Description
本発明は、軽量塗被紙に関し、更に詳しくは高速塗工性に優れ、かつ嵩高で白紙光沢、白紙および印刷後の平滑性に優れた軽量塗被紙に関するものである。
印刷用塗被紙は、一般に原紙上に顔料と接着剤を主成分とする塗被層を設けて製造され、キャストコート紙、アート紙、コート紙、軽量塗被紙や微塗工紙等に分類される。これらの印刷用塗被紙は多色印刷物としてポスター、カタログ、チラシ等の商業印刷物、書籍および雑誌等の印刷物などに主に使用されている。近年、これらの印刷用塗被紙は、高級化が進み、また低コスト化指向により、アート紙、コート紙から軽量塗被紙へのシフトが進んできており、特に軽量塗被紙での高速印刷に伴う印刷作業性や印刷物の扱いやすさのための嵩高さや白紙平滑性、印刷再現性等により高い品質が求められるようになった。
このため、嵩高さを高める方法として、原紙抄造時のプレス圧およびマシンカレンダー圧の軽減や、機械パルプの配合等により原紙密度を低下させる方法があるが、原紙の平滑度が著しく低下し、塗被紙の平滑度も大きく低下してしまう難点がある。
また、顔料と接着剤を主成分とする塗被液を高速で塗工して、塗工面が高平滑性を有する印刷用塗被紙を得るためには、ブレードコーター、エアーナイフコーター、バーコーター、カーテンコーター、ゲートロールコーター等の各種コーターによる塗布方法の中で、ブレードコーターが最も優れている。しかし、ブレードコーターによる高速塗工の問題点として、ブレード先端部での塗被液の不安定化による固形物の発生とそれに伴うストリーク、スクラッチ等の欠陥発生があり、特に低塗工量になれば成る程さらに厳しくなってくる。特に、坪量が80g/m2以下で、片面のシングル塗工での塗工量が7〜10g/m2程度である軽量塗被紙においては、ブレード塗工方式による5g/m2前後の低塗工量をダブル塗工で均一に塗布することが非常に困難であり、まして1000m/分以上での高速塗工においてはさらに厳しいものがある。このため、特許文献1には、ブレード塗工方式とは異なるフィルムトランスファー塗工方式で、低塗工量を高速塗工する軽量塗被紙の製造方法が提案されているが、ブレード塗工方式対比原紙表面の被覆性が劣り、平滑性、白紙光沢等の白紙物性の他、印刷平滑性や印刷光沢度等の印刷適性も劣っている。
また、特許文献2には、ブレード塗工において、特定カオリンと炭酸カルシウム含む高固形分濃度の塗被液を短時間で掻き落として塗被紙を製造する方法が開示されているが、嵩高さや低塗工量領域で求める高速塗工適性および光沢、平滑性等を得るための提案として不十分である。
また、特許文献3では、ブレード塗工において、光沢ムラのない高品質な塗被紙が得るために、特定の重質炭酸カルシウムと特定のラテックスを有する塗被液を塗布することが提案されている。また、特許文献4では、塗被組成物中の顔料の粒径を規定して、高い剪断速度下での流動性を向上させ、高い固形分濃度での塗工における作業性の改善を図ることが提案されている。さらに、特許文献5には、原紙上に顔料と接着剤を含有する塗工層を少なくとも二層有する印刷用塗工紙において、上塗り層に特定粒径のカオリンと炭酸カルシウムを含有して、塗工紙の白色度と光沢度の標準偏差を規定した提案がされている。しかしながら、これらの提案はいずれも7g/m2以下の低塗工量領域におけるブレード塗工による高速塗工性を向上させ、嵩高で光沢、平滑性を高めた軽量塗被紙を得るには不十分である。
従来軽量塗被紙の塗工量は、通常片面7〜10g/m2前後であるが、さらに低い塗工量を実施する場合、顔料塗被液の固形分濃度を下げたり、ブレードの押し付け圧を高めたりすることによって塗工量の制御を行う必要がある。これらの対応はいずれも原紙表面の被覆性を悪くさせ、平滑性や巾方向の均一性の低下を来たす。また平滑性を高めるために多段カレンダー等の平滑化処理を強めると、通常1.20g/m2前後の密度よりさらに高密度化して嵩高さが減じ、剛度も低下してしまう。また塗被面における平滑性や印刷再現性を向上させるためには、扁平形状の顔料であるカオリンを多く配合することが有効であるが、塗被液の粘度が上昇し、高速塗工性が低下する。このため塗工濃度を低くする等の対応が必要になり、求める平滑性、印刷光沢が得られなくなる。そこで本発明の目的は、原紙上に顔料と接着剤を主成分とする塗被層を片面あたりに2層設けられた軽量塗被紙において、原紙を嵩高にして、塗被層の下塗り層および上塗り層共低塗工量でのブレード塗工方式による高速塗工に優れ、嵩高で白紙光沢、白紙および白紙印刷後の平滑性に優れた軽量塗被紙を提供することにある。
本発明者等は、上述の課題である原紙の嵩高さとブレードコーターにおける高速塗工適性、白紙光沢および平滑性を向上させるための検討を重ねた結果、本発明の完成に至った。即ち、原紙上に顔料と接着剤を主成分とする塗被層がブレード塗工方式により片面あたりに2層設けられた軽量塗被紙において、該原紙が填料として無定形シリカまたは無定形シリケートの少なくとも1種を原紙質量に対して1〜10質量%含有し、前記塗被層の上塗り層が顔料成分として平均粒子径が0.2〜0.5μmで、かつ固形分濃度72質量%の顔料スラリーの剪断速度9000sec−1でのハーキュレス粘度が8mPa・s以下であるカオリンを全顔料の30〜70質量%、さらに平均粒子径が0.5〜1.0μmで、かつ2μm以下の粒子径を95体積%以上有する重質炭酸カルシウムを全顔料の30〜70質量%含有し、該上塗り層の塗工量が、4〜7g/m2となるよう塗被することを特徴とする軽量塗被紙である。さらに、本発明においては、下塗り層が、顔料成分として平均粒子径が0.5〜1.5μmで、かつ2μm以下の粒子径を90体積%以上有する重質炭酸カルシウムを全顔料の80〜100質量%含有し、該下塗り層の塗工量が4〜7g/m2となるよう塗被することで、白紙光沢、白紙および印刷後の平滑性により優れた軽量塗被紙が得られるためより好ましい。
本発明によれば、原紙が填料として無定形シリカまたは無定形シリケートの少なくとも1種を含有することにより嵩高さを確保し、原紙上にブレード塗工方式により2層設けられた塗被層の上塗り層に特定のカオリンと重質炭酸カルシウムを含有させ、さらに好ましくは下塗り層に特定の重質炭酸カルシウムを設けることによって、低塗工量での高速塗工性に優れ、かつ白紙光沢、白紙および印刷後の平滑性に優れた品質を有する軽量塗被紙を得ることができる。
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明で使用する原紙は、パルプ成分と填料を主なる成分として構成される。パルプ成分としては、針葉樹晒クラフトパルプ(NBKP)、広葉樹晒クラフトパルプ(LBKP)などの化学パルプの他、各種の古紙を原料とする古紙パルプを適宜配合して使用することができる。しかし、充分な平滑性を有する塗被紙を得るためには、原紙のパルプ成分を化学パルプのみで構成するか、あるいはこれに機械パルプを含まない古紙(例えば、上白およびカードに分類される古紙、模造・色上に分類される古紙)を原料とする古紙パルプを併用するのが望ましい。化学パルプを製造する際の漂白方法についても特に限定するものではないが、漂白工程で塩素ガスのような分子状塩素を使用しないで漂白したECFパルプ、さらには二酸化塩素のような塩素系化合物をも使用しないで漂白したTCFパルプが、環境保全の観点から好ましく使用される。
本発明で使用する原紙は、パルプ成分と填料を主なる成分として構成される。パルプ成分としては、針葉樹晒クラフトパルプ(NBKP)、広葉樹晒クラフトパルプ(LBKP)などの化学パルプの他、各種の古紙を原料とする古紙パルプを適宜配合して使用することができる。しかし、充分な平滑性を有する塗被紙を得るためには、原紙のパルプ成分を化学パルプのみで構成するか、あるいはこれに機械パルプを含まない古紙(例えば、上白およびカードに分類される古紙、模造・色上に分類される古紙)を原料とする古紙パルプを併用するのが望ましい。化学パルプを製造する際の漂白方法についても特に限定するものではないが、漂白工程で塩素ガスのような分子状塩素を使用しないで漂白したECFパルプ、さらには二酸化塩素のような塩素系化合物をも使用しないで漂白したTCFパルプが、環境保全の観点から好ましく使用される。
本発明では、原紙の填料として、無定形シリカまたは無定形シリケートの少なくとも1種を内添することが重要であり、この添加により嵩高さを得ることができる。使用する無定形シリカとしては、例えばホワイトカーボンや含水ケイ酸が例示できる。また無定形シリケートは、一般式xM2O・ySiO2、xMO・ySiO2、xM2O3・ySiO2等(MはAl、Ca、Mg、Na等:x、yは任意の正の数)で表される珪酸塩および/または二酸化ケイ素と金属酸化物とからなるものが例示される。
無定形シリカおよび無定形シリケートの平均粒子径としては、16〜40μmが好ましい。平均粒子径が16μm未満であると、紙に配合した際の嵩高効果に乏しく、平均粒子径が40μmを超える場合には、紙面に存在する粗大粒子の脱落に起因して表面強度が低下することがある。なお、ここで言う平均粒子径とは、SALD2100(島津製作所製)を用いて、レーザ回折法により測定した粒度分布の体積積算50%における粒子径である。
さらに、無定形シリカおよび無定形シリケートは、比表面積が10〜150m2/g、細孔径が0.10〜0.80μmであればより好ましい。因みに、比表面積が10m2/g未満および150m2/gを超える場合は、プレス圧、カレンダー処理圧力で潰れやすく、紙に内添した際の嵩高性が不十分となる他、粒度分布が悪くなり、微細粒子と粗大粒子が多くなり、原紙層間強度および表面強度が低下する。また、細孔径が0.10μm未満および0.80μmを超える場合も、プレス圧、カレンダー処理圧力で潰れやすく、紙に内添した際の嵩高性が不十分となる。ここで、比表面積は、ポアサイザ9230(島津製作所製)を用いて、細孔形状が幾何学的な円筒であると仮定した全細孔の表面積で、測定範囲における圧力と圧入された水銀量の関係から求めた値である。また細孔径は、ポアサイザ9230(島津製作所製)を用いて、積分比表面積曲線から得られるメジアン細孔直径のことである。
また、無定形シリカおよび無定形シリケートは、JIS K−5101(静置法)に準拠して測定した嵩比重が0.3g/ml以下のものが好ましい。嵩比重が0.3g/mlを超える無定形シリカや無定形シリケートを使用した場合には、十分な紙厚を有する原紙が得られない。ただし、嵩比重が低くなるに従って、原紙の層間強度が低下するため、原紙での強度対策が必要となるため、嵩比重が0.05〜0.2g/mlのものがより好ましい。本発明では、無定形シリカや無定形シリケートが、ここで規定した比表面積、細孔径、平均粒子径と嵩比重の全てを満たすと、原紙の低密度化と層間強度維持をバランスさせやすいため、より好ましく用いられる。填料としての使用量は、原紙質量に対して1〜10質量%となるよう添加されて紙料が調製される。因みに、1質量%未満であると、充分な低密度を得ることが出来ず、また逆に、10質量%を超えると、パルプ繊維間結合を弱め、強度を維持することが出来なくなる。
ここで、無定形シリカまたは無定形シリケート以外に本発明の所望する効果を阻害しない範囲で抄紙適性や原紙の強度特性を調節する目的で、他の填料例えばタルク、カオリン、重質炭酸カルシウム、軽質炭酸カルシウム、酸化チタン等を少なくとも1種以上を併用しても良い。
この他、紙料に通常の酸性や中性抄紙用で使用される抄紙用薬品、例えば、ロジンサイズ剤、強化ロジンサイズ剤、エマルジョンサイズ剤、アルキルケテンダイマー等のサイズ剤、サイズ定着剤、乾燥紙力増強剤、湿潤紙力増強剤、歩留向上剤、濾水性向上剤、耐水化剤、消泡剤、スライムコントロール剤、染料等が必要に応じて添加される。
上記材料を適宜配合した紙料を長網マシンや丸網マシン、長網と丸網のコンビネーションマシンあるいはツインワイヤーマシン、オントップワイヤーマシン、ギャップフォーマーマシン等の各種抄紙機で抄紙して得られる坪量30〜60g/m2程度の原紙が本発明の支持体として使用される。なお、原紙は、必要に応じてブレードメタリングサイズプレスやロッドメタリングサイズプレス、ゲートロールコーター、ビルブレードコーター、2本ロールサイズプレス等で澱粉やポリビニルアルコール、ポリアクリルアミド等の接着剤からなる表面処理剤を塗布することができる。また、上記の表面処理剤の他に、抄紙分野で通常使用される表面サイズ剤や、消泡剤、防腐剤、増粘剤、導電剤として炭酸ナトリウム、燐酸水素二ナトリウム、燐酸三ナトリウム、塩化ナトリウム等の塩類等を適宜併用することも可能である。
本発明の軽量塗被紙において、原紙上に顔料と接着剤を主成分とする塗被層が片面あたりに2層設け、該塗被層の上塗り層に、顔料の一つであるカオリンを含有することは、ブレードで塗布されたときに配向を受け、平滑な面を作り出し、その平滑化処理により、所望する平滑性および光沢度を有する塗被紙を作り出すことに極めて有効であることから必須である。そこで、本発明で求める高速塗工性を得るための塗被液の流動性がカオリンによって大きく左右されるとの知見と合わせて検討した結果、より適性のあるカオリンを見い出した。即ち平均粒子径が0.2〜0.5μmで、かつ固形分濃度72質量%の顔料スラリーにおける剪断速度9000sec−1でのハーキュレス粘度が8mPa・s以下の特性を有するカオリンを使用することにある。ここで、より高速な塗工での挙動を適性化するためには、平均粒子径のみでは不十分で、剪断速度9000sec−1でのハーキュレス粘度特性を加味することが重要である。因みにハーキュレス粘度が8mPa・sを超えると塗被液の流動性が著しく低下し、目標とする低塗工量に制御することが困難となる。また、平均粒子径においては0.5μmを超えると流動性が低下し、光沢度も低下してしまう。また、0.2μm未満では、塗工面の強度が弱くなり印刷適性が劣ってしまう。該塗被層の上塗り層における該カオリンの含有量としては、30〜70質量%で望ましい高速塗工性および光沢、平滑性が得られる。より好ましくは35〜65質量%である。因みに、30質量%未満であれば、満足できる十分な平滑性が得られない。また70質量%を超えると高速塗工性に悪影響が生じる。
さらに上塗り層に使用される上記のカオリン以外の顔料として、顔料スラリーの固形分濃度が70質量%以上の濃度でも優れた流動性を示し、カオリンと混合使用することでより高剪断速度下の粘度を低下させ、安定した塗工性能が得られる重質炭酸カルシウムを使用することが必須である。しかし、重質炭酸カルシウムの配合は平滑性や光沢度を低下させることから、流動性と平滑性および光沢度に優れた特性を得るためには、平均粒子径が0.5〜1.0μmで、かつ2μm以下の粒子径が95体積%以上の粒度分布を持つ重質炭酸カルシウムを使用することにある。因みに、平均粒子径が0.5μm未満であれば、流動性が劣る傾向があり、1.0μmを超えると粗粒子が多くなるために平滑性、光沢発現が劣ってしまう。また、2μm以下の粒子径が95体積%未満の重質炭酸カルシウムも粗粒子が多くなるために平滑性が劣ってしまう。該上塗り層における含有量としては、30〜70質量%で望ましい高速塗工性および光沢、平滑性が得られる。より好ましくは35〜65質量%である。因みに、30質量%未満であれば長時間の塗工安定性を得ることが出来ず、また70質量%を超えると十分な白紙光沢、白紙平滑性および印刷平滑性が得られない。
本発明における下塗り層は、上塗り塗被液の保水性等の高速塗工適性をカバーし、かつ最終製品の品質である高い平滑性および印刷光沢の確保とコスト面で優位にするために有効である。通常下塗り層を設けることにより、表面の平滑性が上がり、上塗り層の塗被時にストリークやスクラッチ等の欠陥が発生しやすくなるが、本発明の上塗り層の塗被液を塗被することで解決することが出来る。ここで該下塗り層は、上塗り層の塗被液をそのまま塗被しても良く、特に限定されるものでないが、顔料成分として平均粒子径が0.5〜1.5μm以下で、2μm以下の粒子径が90体積%以上である重質炭酸カルシウムを80〜100質量%を含有することで、重質炭酸カルシウムのもつ良好な流動性による高速塗工適性とより優れた下塗り効果を、ブレード塗工で得ることが出来るために好ましい態様である。該下塗り層の塗工量としては、塗工面の被覆性の観点から片面あたりの乾燥重量で4g/m2以上が好ましく、また軽量塗被紙のグレードを逸脱しない範囲で7g/m2以下であることが好ましい。
なお、本発明の下塗り層および上塗り層を構成する成分としては、主として上記の特定カオリンと特定重質炭酸カルシウムが使用されるが、特性を維持できる範囲内で、その他の顔料成分、例えばデラミネーテッドカオリン、タルク、サチンホワイト、軽質炭酸カルシウム、重質炭酸カルシウム、亜硫酸カルシウム、石膏,硫酸バリウム、ホワイトカーボン、焼成カオリン、構造化カオリン、珪藻土、炭酸マグネシウム、二酸化チタン、水酸化アルミニウム、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、水酸化亜鉛、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、ベントナイト、セリサイト等の無機顔料、ポリスチレン樹脂微粒子、尿素ホルマリン樹脂微粒子、中空プラスチックピグメント、多孔質微粒子のプラスチックピグメント等の塗工紙製造分野で従来から使用されている各種顔料の一種以上を適宜組み合わせて使用することができる。
さらに、下塗り層および上塗り層を構成する顔料成分と一緒に使用される接着剤としては、例えばカゼインや大豆蛋白等の蛋白質類、スチレン−ブタジエン共重合体、メチルメタクリレート−ブタジエン共重合体等の共役ジエン系重合体ラテックス、アクリル酸エステルおよびメタクリル酸エステルの重合体または共重合体等のアクリル系重合体ラテックス、エチレン−酢酸ビニル共重合体等のビニル系重合体ラテックス、あるいはこれらの各種重合体や共重合体をカルボキシル基等の官能基含有単量体により官能基変性したアルカリ溶解性あるいはアルカリ非溶解性の重合体ラテックス類、ポリビニルアルコール類、オレフィン−無水マレイン酸樹脂、メラミン樹脂等の合成樹脂系の接着剤、陽性化澱粉、酸化澱粉,リン酸エステル化澱粉、酵素変性澱粉等の澱粉類、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース等のセルロース誘導体等、一般の塗工紙用として知られる各種の接着剤が単独あるいは併用して用いられる。前記接着剤の総使用量は、顔料100質量部当たり3〜15質量部程度である。
また、塗被液中には、上述の顔料や接着剤の他に、助剤としてポリオレフィン樹脂や脂肪酸エマルジョン、脂肪酸塩エマルジョン、ワックスエマルジョン等の滑剤、アルカリ増粘型のアクリルエマルジョン、ポリアクリル酸塩などの保水剤、各種耐水化剤や印刷適性向上剤、消泡剤、着色剤、離型剤、流動変性剤、防腐剤等を必要に応じて添加することも可能である。
本発明においては、下塗り層が塗被、乾燥された基紙への上塗り層の塗工量は、片面あたりの乾燥重量で4〜7g/m2塗布される。因みに4g/m2未満は、通常の原紙より平滑な下塗り層が存在することから、塗工量の制御が難しく、平滑性の悪化やストリーク等の欠陥を発生させる虞が懸念される。また、7g/m2を超えると原紙坪量を下げる必要があり、紙強度が低下して塗工時あるいは印刷時の紙切れを発生させる虞がある。
上記の下塗り層及び上塗り層の塗被組成液は、固形分濃度を60〜70質量%程度、好ましくは61〜65質量%に調製した後、1000m/分以上の高速塗工ができるオンマシンあるいはオフマシンのブレードコーターで塗工される。ブレードコーターとしては、ベベル若しくはベント型のコーター、ロッドブレード、ショートドュエル等の各種ブレードコーターが使用される。塗被液を塗被するために使用されるブレードは、先端くさび部の角度が42度以上、好ましくは45度以上のものが使用され、さらに低塗工量とするためにくさび部を2段加工し、ブレード面長を短くしたものが好ましく使用される。またブレードの厚さは塗工量に応じて0.5mmから0.7mmのものが適宜選択して使用される。また、ブレードの材質としてはSK鋼が使用されるが、塗被層の面質やブレードの長寿命化のためブレード表面をセラミックコーティングしたもの、およびメッキ処理したものが好ましく使用される。
ブレードで塗工された直後の塗被層を乾燥させる方法としては、例えば加熱シリンダー、加熱熱風エアドライヤー、ガスヒータードライヤー、電気ヒータードライヤー、赤外線ヒータードライヤー等の各種乾燥方式を単独あるいは組み合わせて用いることができる。
かくして得られた軽量塗被紙は、必要に応じて多段スーパーカレンダーや金属ロールと樹脂製の弾性ロールよりなるソフトカレンダーによる平滑化処理が行われるが、通紙ニップ数、金属ロール温度、ニップ線圧、通紙速度等のカレンダー条件は特に限定されるものでなく、要求される品質に応じて適宜調整される。
以下に、本発明の実施例をあげて説明するが、本発明はこれらの例に限定されるものではない。又、実施例に於いて示す「部」及び「%」は、特に明示されない限り質量部及び質量%を示す。
実施例1
<原紙の抄造>
LBKP70部(フリーネス400ml)、NBKP30部(フリーネス500ml)からなるパルプスラリーに、填料として無定形シリケート(平均粒子径:18.0μm、嵩比重:0.12g/ml、比表面積60m2/g、細孔径0.21μm)を原紙質量に対して8質量%なるように添加し、さらにパルプに対してアルキルケテンダイマー型サイズ剤(商品名:サイズパインK−902、荒川化学工業社製)0.1%および硫酸アルミニウム0.2%を添加した紙料を、オントップワイヤーマシンにて、抄速1200m/分で抄紙し、ゲートロールサイズプレスコーターでポリビニルアルコール(商品名:PVA−117、クラレ社製)と澱粉(商品名:エースA、王子コーンスターチ社製)4:1混合液5%を両面での固形分が2g/m2となるように塗布された坪量45g/m2の原紙を得た。
<原紙の抄造>
LBKP70部(フリーネス400ml)、NBKP30部(フリーネス500ml)からなるパルプスラリーに、填料として無定形シリケート(平均粒子径:18.0μm、嵩比重:0.12g/ml、比表面積60m2/g、細孔径0.21μm)を原紙質量に対して8質量%なるように添加し、さらにパルプに対してアルキルケテンダイマー型サイズ剤(商品名:サイズパインK−902、荒川化学工業社製)0.1%および硫酸アルミニウム0.2%を添加した紙料を、オントップワイヤーマシンにて、抄速1200m/分で抄紙し、ゲートロールサイズプレスコーターでポリビニルアルコール(商品名:PVA−117、クラレ社製)と澱粉(商品名:エースA、王子コーンスターチ社製)4:1混合液5%を両面での固形分が2g/m2となるように塗布された坪量45g/m2の原紙を得た。
<上塗り塗被液の調製>
固形分濃度72質量%の顔料スラリーにおける剪断速度9000sec-1でのハーキュレス粘度が6.9mPa・sで、平均粒子径が0.4μmである微粒カオリン(商品名:アマゾンプラス、カダム社製・・カオリンA)40部、平均粒子径が0.7μm、2μm以下の粒子径を99体積%有する微粒重質炭酸カルシウム(商品名:セタカーブHG、備北粉化社製・・重質炭酸カルシウムA)60部を、分散剤として前記顔料に対しポリアクリル酸ソーダ0.2部(固形分換算)が添加された水に加えて、カウレス分散機を用いて分散し、固形分濃度が70%の顔料スラリーを調製した。このスラリーに接着剤として、酸化デンプン(商品名:王子エースA、王子コーンスターチ社製)2部(固形分換算)、カルボキシ変性スチレン−ブタジエン共重合体ラテックス(商品名:OJ−2000、JSR社製)8部(固形分換算)をそれぞれ添加し、さらに水を加えて固形分濃度が63%の上塗り塗被液を調製した。
固形分濃度72質量%の顔料スラリーにおける剪断速度9000sec-1でのハーキュレス粘度が6.9mPa・sで、平均粒子径が0.4μmである微粒カオリン(商品名:アマゾンプラス、カダム社製・・カオリンA)40部、平均粒子径が0.7μm、2μm以下の粒子径を99体積%有する微粒重質炭酸カルシウム(商品名:セタカーブHG、備北粉化社製・・重質炭酸カルシウムA)60部を、分散剤として前記顔料に対しポリアクリル酸ソーダ0.2部(固形分換算)が添加された水に加えて、カウレス分散機を用いて分散し、固形分濃度が70%の顔料スラリーを調製した。このスラリーに接着剤として、酸化デンプン(商品名:王子エースA、王子コーンスターチ社製)2部(固形分換算)、カルボキシ変性スチレン−ブタジエン共重合体ラテックス(商品名:OJ−2000、JSR社製)8部(固形分換算)をそれぞれ添加し、さらに水を加えて固形分濃度が63%の上塗り塗被液を調製した。
<下塗り塗被液の調製>
顔料として平均粒子径が1.3μm、2μm以下の粒子径を90体積%有する重質炭酸カルシウム(商品名:FMT−90、ファイマテック社製・・重質炭酸カルシウムB)100部を、分散剤として顔料に対してポリアクリル酸ソーダ0.4部(固形分換算)が添加された水に加えて、カウレス分散機を用いて分散し、固形分濃度が73%の顔料スラリーを調製した。このスラリーに接着剤として酸化デンプン(商品名:王子エースA:王子コーンスターチ社製)3部(固形分換算)、カルボキシ変性スチレン−ブタジエン共重合ラテックス(商品名:OJ−2000、JSR社製)6部(固形分換算)をそれぞれ添加し、さらに水を加えて固形分濃度が61%の下塗り塗被液を調製した。
顔料として平均粒子径が1.3μm、2μm以下の粒子径を90体積%有する重質炭酸カルシウム(商品名:FMT−90、ファイマテック社製・・重質炭酸カルシウムB)100部を、分散剤として顔料に対してポリアクリル酸ソーダ0.4部(固形分換算)が添加された水に加えて、カウレス分散機を用いて分散し、固形分濃度が73%の顔料スラリーを調製した。このスラリーに接着剤として酸化デンプン(商品名:王子エースA:王子コーンスターチ社製)3部(固形分換算)、カルボキシ変性スチレン−ブタジエン共重合ラテックス(商品名:OJ−2000、JSR社製)6部(固形分換算)をそれぞれ添加し、さらに水を加えて固形分濃度が61%の下塗り塗被液を調製した。
<軽量塗被紙の作製>
オフマシンのセラミックブレードを使用したブレードコーターを用いて、塗工速度1200m/分で、上記の抄造された坪量45g/m2の原紙に、上記下塗り塗被液を片面当たりの固形分で6g/m2となるよう両面に塗被乾燥した後、さらに上記上塗り塗被液を片面当たりの固形分で5.5g/m2となるよう両面に塗被乾燥した。その後に硬度がショア硬度94゜である樹脂ロールと、表面温度が180℃に調節した金属ロールからなるソフトカレンダーを用いて線圧80kN/m、2ニップにて平滑化処理を行い、軽量塗被紙を得た。
オフマシンのセラミックブレードを使用したブレードコーターを用いて、塗工速度1200m/分で、上記の抄造された坪量45g/m2の原紙に、上記下塗り塗被液を片面当たりの固形分で6g/m2となるよう両面に塗被乾燥した後、さらに上記上塗り塗被液を片面当たりの固形分で5.5g/m2となるよう両面に塗被乾燥した。その後に硬度がショア硬度94゜である樹脂ロールと、表面温度が180℃に調節した金属ロールからなるソフトカレンダーを用いて線圧80kN/m、2ニップにて平滑化処理を行い、軽量塗被紙を得た。
実施例2
実施例1の上塗り塗被液の調製において、カオリンAを30部とし、重質炭酸カルシウムAを70部に変更した以外は、実施例1と同様にして軽量塗被紙を得た。
実施例1の上塗り塗被液の調製において、カオリンAを30部とし、重質炭酸カルシウムAを70部に変更した以外は、実施例1と同様にして軽量塗被紙を得た。
実施例3
実施例1の上塗り塗被液の調製において、カオリンAを70部とし、重質炭酸カルシウムAを30部に変更した以外は、実施例1と同様にして軽量塗被紙を得た。
実施例1の上塗り塗被液の調製において、カオリンAを70部とし、重質炭酸カルシウムAを30部に変更した以外は、実施例1と同様にして軽量塗被紙を得た。
実施例4
実施例1の軽量塗被紙の作製において、塗工速度を1400m/分とした以外は、実施例1と同様にして軽量塗被紙を得た。
実施例1の軽量塗被紙の作製において、塗工速度を1400m/分とした以外は、実施例1と同様にして軽量塗被紙を得た。
比較例1
実施例1の原紙の抄造において、填料の無定形シリケートを原紙質量に対して0.5質量%になるよう添加した以外は、実施例1と同様にして軽量塗被紙を得た。
実施例1の原紙の抄造において、填料の無定形シリケートを原紙質量に対して0.5質量%になるよう添加した以外は、実施例1と同様にして軽量塗被紙を得た。
比較例2
実施例1の原紙の抄造において、填料の無定形シリケートを原紙質量に対して12質量%になるよう添加した以外は、実施例1と同様にして軽量塗被紙を得た。
実施例1の原紙の抄造において、填料の無定形シリケートを原紙質量に対して12質量%になるよう添加した以外は、実施例1と同様にして軽量塗被紙を得た。
比較例3
実施例1において、下塗り塗被液を塗被せず上塗り塗被液のみ塗被した以外は、実施例1と同様にして軽量塗被紙を得た。
実施例1において、下塗り塗被液を塗被せず上塗り塗被液のみ塗被した以外は、実施例1と同様にして軽量塗被紙を得た。
比較例4
実施例1の原紙の抄造において、填料の無定形シリケートを軽質炭酸カルシウム(商品名:TP−121、奥多摩工業社製)に変更して添加した以外は、実施例1と同様にして軽量塗被紙を得た。
実施例1の原紙の抄造において、填料の無定形シリケートを軽質炭酸カルシウム(商品名:TP−121、奥多摩工業社製)に変更して添加した以外は、実施例1と同様にして軽量塗被紙を得た。
比較例5
実施例1の上塗り塗被液の調製において、カオリンAを平均粒子径が0.4μm、固形分濃度72質量%の顔料スラリーの剪断速度9000sec-1でのハーキュレス粘度が10.4mPa・sである微粒カオリン(商品名:ハイドラグロス90、エンゲルハード社製・・カオリンB)に変更した以外は,実施例1と同様にして軽量塗被紙を得た。この時の上塗りの塗工量は、8g/m2であった。
実施例1の上塗り塗被液の調製において、カオリンAを平均粒子径が0.4μm、固形分濃度72質量%の顔料スラリーの剪断速度9000sec-1でのハーキュレス粘度が10.4mPa・sである微粒カオリン(商品名:ハイドラグロス90、エンゲルハード社製・・カオリンB)に変更した以外は,実施例1と同様にして軽量塗被紙を得た。この時の上塗りの塗工量は、8g/m2であった。
比較例6
実施例1の上塗り塗被液の調製において、カオリンAを平均粒子径が0.6μm、固形分濃度72質量%の顔料スラリーの剪断速度9000sec-1でのハーキュレス粘度が11.3mPa・sである微粒カオリン(商品名:カオファイン、シール社製・・カオリンC)に変更した以外は,実施例1と同様にして軽量塗被紙を得た。この時の上塗りの塗工量は、8g/m2であった。
実施例1の上塗り塗被液の調製において、カオリンAを平均粒子径が0.6μm、固形分濃度72質量%の顔料スラリーの剪断速度9000sec-1でのハーキュレス粘度が11.3mPa・sである微粒カオリン(商品名:カオファイン、シール社製・・カオリンC)に変更した以外は,実施例1と同様にして軽量塗被紙を得た。この時の上塗りの塗工量は、8g/m2であった。
比較例7
実施例1の上塗り塗被液の調製において、カオリンAを平均粒子径が1.17μm、固形分濃度72質量%の顔料スラリーの剪断速度9000sec-1でのハーキュレス粘度が18.6mPa・sである高白色度微粒カオリン(商品名:ミラグロスJ、エンゲルハード社製・・カオリンD)に変更した以外は,実施例1と同様にして軽量塗被紙を得た。この時の上塗りの塗工量は、8g/m2であった。
実施例1の上塗り塗被液の調製において、カオリンAを平均粒子径が1.17μm、固形分濃度72質量%の顔料スラリーの剪断速度9000sec-1でのハーキュレス粘度が18.6mPa・sである高白色度微粒カオリン(商品名:ミラグロスJ、エンゲルハード社製・・カオリンD)に変更した以外は,実施例1と同様にして軽量塗被紙を得た。この時の上塗りの塗工量は、8g/m2であった。
比較例8
実施例1の上塗り塗被液の調製において、カオリンAをカオリンD、重質炭酸カルシウムAを重質炭酸カルシウムB(実施例1の下塗り塗被液の調製で使用)に変更した以外は、実施例1と同様に軽量塗被紙を得た。この時の上塗りの塗工量は、8g/m2であった。
実施例1の上塗り塗被液の調製において、カオリンAをカオリンD、重質炭酸カルシウムAを重質炭酸カルシウムB(実施例1の下塗り塗被液の調製で使用)に変更した以外は、実施例1と同様に軽量塗被紙を得た。この時の上塗りの塗工量は、8g/m2であった。
比較例9
実施例1の上塗り塗被液の調製において、カオリンAを80部とし、重質炭酸カルシウムAを20部に変更した以外は、実施例1と同様にして軽量塗被紙を得た。この時の上塗りの塗工量は、8g/m2であり、また塗工速度が900m/分であった。
実施例1の上塗り塗被液の調製において、カオリンAを80部とし、重質炭酸カルシウムAを20部に変更した以外は、実施例1と同様にして軽量塗被紙を得た。この時の上塗りの塗工量は、8g/m2であり、また塗工速度が900m/分であった。
比較例10
実施例1の上塗り塗被液の調製において、カオリンAを10部とし、重質炭酸カルシウムAを重質炭酸カルシウムB90部に変更した以外は、実施例1と同様にして軽量塗被紙を得た。
実施例1の上塗り塗被液の調製において、カオリンAを10部とし、重質炭酸カルシウムAを重質炭酸カルシウムB90部に変更した以外は、実施例1と同様にして軽量塗被紙を得た。
かくして得られた14種類の軽量塗被紙について以下の評価試験を行い、その結果を表1に示した。なお、本発明における軽量塗被紙の測定および評価については、特に記載ない限り、23℃±1℃、(50±2)%RHのISO環境下でおこなった。
<顔料の平均粒子径>
レーザ沈降式粒度分布計(商品名:マイクロトラックX−100、日機装社製)で粒度分布を測定し、体積積算50%における粒子径とした。
レーザ沈降式粒度分布計(商品名:マイクロトラックX−100、日機装社製)で粒度分布を測定し、体積積算50%における粒子径とした。
<ハーキュレス粘度>
固形分濃度72質量%に調製されたカオリンスラリーのハーキュレス粘度は、ハーキュレス粘度計(商品名:ハーキュレス型ハイシェア粘度計HR−801CD、熊谷理機工業社製)で、Bボブを使用して、2200rpm(剪断速度9000sec−1)における値とした。
固形分濃度72質量%に調製されたカオリンスラリーのハーキュレス粘度は、ハーキュレス粘度計(商品名:ハーキュレス型ハイシェア粘度計HR−801CD、熊谷理機工業社製)で、Bボブを使用して、2200rpm(剪断速度9000sec−1)における値とした。
<密度>
JJS P−8124に規定された方法で坪量を測定し、JIS P−8118に準拠して厚さを測定して算出した。
JJS P−8124に規定された方法で坪量を測定し、JIS P−8118に準拠して厚さを測定して算出した。
<白紙平滑度>
デジタル式王研式平滑度計(旭精工社製)で、JAPAN TAPPI紙パルプ試験方法 No.5−2に準拠して測定した。
デジタル式王研式平滑度計(旭精工社製)で、JAPAN TAPPI紙パルプ試験方法 No.5−2に準拠して測定した。
<白紙光沢度>
光沢度計(商品名:GM−26D、村上色彩技術研究所製)を用いて、75度光沢度を測定した。
光沢度計(商品名:GM−26D、村上色彩技術研究所製)を用いて、75度光沢度を測定した。
<表面強度>
RI印刷試験機(石川島機械社製)で、オフセット用印刷インキ(SD50紅、東洋インキ社製)を0.6ml使用して印刷を行い、印刷表面の紙ムケ程度を目視評価した。
◎:紙ムケが発生していない。
○:紙ムケが僅かに発生しているが、塗被紙としては良好なレベルである。
△:紙ムケが発生して、表面強度が劣る。
×:紙ムケが多く発生して、表面強度がかなり劣る。
RI印刷試験機(石川島機械社製)で、オフセット用印刷インキ(SD50紅、東洋インキ社製)を0.6ml使用して印刷を行い、印刷表面の紙ムケ程度を目視評価した。
◎:紙ムケが発生していない。
○:紙ムケが僅かに発生しているが、塗被紙としては良好なレベルである。
△:紙ムケが発生して、表面強度が劣る。
×:紙ムケが多く発生して、表面強度がかなり劣る。
<印刷平滑性>
RI印刷試験機(石川島機械社製)で、オフセット印刷用インキ(Value−G墨:大日本インキ化学工業社製)0.5mlを印刷し、目視により評価した。
◎:非常に良好
○:良好
△:劣る
×:非常に劣る。
RI印刷試験機(石川島機械社製)で、オフセット印刷用インキ(Value−G墨:大日本インキ化学工業社製)0.5mlを印刷し、目視により評価した。
◎:非常に良好
○:良好
△:劣る
×:非常に劣る。
表1の通り、実施例1〜4は、高速塗工性に優れ、嵩高で、白紙光沢、白紙平滑性および印刷平滑性の高い軽量塗被紙である。比較例1は、無定形シリケートが少ないことより、高密度で嵩高さが劣り、逆に比較例2は、無定形シリケートが多いため強度面で劣っている。比較例3は、下塗り層を設けていないために平滑性、光沢がかなり劣っている。比較例4は、無定形シリケートの代わりに軽質炭酸カルシウムを使用していることから、高密度で嵩高さがなく、光沢が劣っている。比較例5〜10は、本発明の規定外の粒子径および/またはハーキュレス粘度を有する顔料を使用しているために、塗工量の制御性、白紙光沢、平滑性等のいずれかの点で劣っている。以上、本発明により、高速塗工性に優れ、かつ嵩高で白紙光沢、白紙および印刷後の平滑性に優れた軽量塗被紙を得ることができた。
Claims (2)
- 原紙上に顔料と接着剤を主成分とする塗被層がブレード塗工方式により片面あたりに2層設けられた軽量塗被紙において、該原紙が填料として無定形シリカまたは無定形シリケートの少なくとも1種を原紙質量に対して1〜10質量%含有し、前記塗被層の上塗り層が、顔料成分として平均粒子径が0.2〜0.5μmで、かつ固形分濃度72質量%の顔料スラリーの剪断速度9000sec−1でのハーキュレス粘度が8mPa・s以下であるカオリンを全顔料の30〜70質量%、さらに平均粒子径が0.5〜1.0μmで、かつ2μm以下の粒子径を95体積%以上有する重質炭酸カルシウムを全顔料の30〜70質量%含有し、該上塗り層の塗工量が4〜7g/m2となるよう塗被されることを特徴とする軽量塗被紙。
- 前記塗被層の下塗り層が、顔料成分として平均粒子径が0.5〜1.5μmで、かつ2μm以下の粒子径を90体積%以上有する重質炭酸カルシウムを全顔料の80〜100質量%含有し、該下塗り層の塗工量が4〜7g/m2となるよう塗被されることを特徴とする請求項1に記載の軽量塗被紙。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2006314442A JP2008127711A (ja) | 2006-11-21 | 2006-11-21 | 軽量塗被紙 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2006314442A JP2008127711A (ja) | 2006-11-21 | 2006-11-21 | 軽量塗被紙 |
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JP2006314442A Pending JP2008127711A (ja) | 2006-11-21 | 2006-11-21 | 軽量塗被紙 |
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2012077423A (ja) * | 2010-10-05 | 2012-04-19 | Marusumi Paper Co Ltd | 塗工紙及びその製造方法 |
JP2012251276A (ja) * | 2011-06-07 | 2012-12-20 | Oji Holdings Corp | 印刷用塗工紙 |
-
2006
- 2006-11-21 JP JP2006314442A patent/JP2008127711A/ja active Pending
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