JP2011153388A - 塗工紙及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は、平滑性は低いが、印刷光沢度が高く、塗工面にむらがなく印刷適性に優れた塗工紙を提供することを目的とする。
【解決手段】原紙上に顔料及び接着剤を含有する下塗り塗工層と上塗り塗工層を設けた塗工紙において、原紙が炭酸カルシウムを5質量%以上含有し、下塗り塗工層が、顔料として、重質炭酸カルシウムを顔料100質量部当たり75質量部以上含有し、上塗り塗工層が顔料としてカオリンを顔料100質量部当たり75質量部以上含有し、密度が1.0〜1.3g/cm、坪量が65g/m以下であることを特徴とする塗工紙。下塗り塗工層の塗工量が片面当たり2〜8g/m、上塗り塗工層の塗工量が片面当たり3〜10g/mであり、白色度80%以上、不透明度85%以上、白紙光沢度30〜50%、ベック平滑度400〜800秒であることが望ましい。
【選択図】なし

Description

本発明は、塗工紙及びその製造方法に関する。さらに詳しくは、印刷光沢度が高く、印刷むらのない塗工紙及びその製造方法に関する。
原紙に顔料を塗工したいわゆる塗工紙は、白色度、光沢度、及び平滑度が高く、印刷上がりに優れているため、種々の分野で塗工紙を使用する頻度が増えている。用途の拡大とともに、従来主流であった光沢度の高いグロス調の紙のほかに、艶消し塗工紙と呼ばれるものが使用されるようになっている。
艶消し塗工紙には、白紙および印刷光沢度がいずれも低いマット調と呼ばれるものと、白紙光沢度は低いが印刷光沢度を一般塗工紙なみのレベルにしたダル調と呼ばれるものに大別される。艶消し塗工紙は、通常の印刷用紙のような光沢度の高いものに比べて印刷物に上品でしっとりとした高級感を持たせることができるため、グレードの低い印刷用紙にまで艶消し塗工紙の品揃えの要求が強まりつつある。
特にダル調艶消し塗工紙については、印刷後の光沢度が一般塗工紙なみのため、画線部を明確に際だたせることによるコントラストに富んだ印刷物に仕上げることができ、商業印刷などで多用されている。
一般に、特許文献1に見られるように、艶消し塗工紙の製造方法は粒の粗い顔料である炭酸カルシウムを多量に配合し、高温ソフトカレンダー処理により製品化されるが、白紙光沢度とともに平滑度の低さから印刷光沢度もあまり上がらない。
一方、デラミネーテッドカオリンを主成分とする塗工層を設けた塗工紙が特許文献2に提案されているが、併用するその他の顔料が特別に吟味されておらず、白紙光沢度は低いが、印刷光沢度もそれに応じて低くなってしまうという問題点がある。
さらに、特許文献3には軽質炭酸カルシウムと重質炭酸カルシウムとデラミネーテッドカオリンを含有する塗工層を設けるという出願がある。
特に、軽量化したダル調艶消し塗工紙を製造するには、塗工量を少なくする必要があり、炭酸カルシウム含有量を抑えて低ニップによるカレンダー処理を行うが、仕上がり後の塗工面にむらが生じ、印刷後の風合いを損ねてしまう。
このような問題を解決するため、塗工層を2層設けた艶消し塗工紙が出願されている。
特許文献4では、ダブル塗工方法において、特定の平滑度を有する原紙を用い、微細なカオリンを主体とする塗工組成物を上塗り塗工層として設けることにより、印刷適性、印刷作業性に優れたダル調の塗工紙の製造方法が提案されている。しかし、下塗り塗工層については特に限定されていない。
特許文献5では、ダブル塗工方法において、下塗り塗工層に大粒子径のデラミネーテッドクレーを含有し、上塗り塗工層に小粒子径のカオリンを含有させることが提案されている。
特開平5−117995号公報 特開平5−5297号公報 特開平11−302998号公報 特開平7−119085号公報 特開2005−133278号公報
上記技術によって、光沢度が通常の非塗工印刷用紙なみであり、印刷光沢度が高く、文字部と画線部を明確に際だたせることによるコントラストに富んだ印刷物に仕上げることができるダル調塗工紙は得られるようになっているが、印刷面のむらなどの改良が望まれている。
本発明は、印刷光沢度が高く、印刷面にむらがなく印刷適性に優れた塗工紙及びその製造方法を提供することを目的とする。
第1発明は、
原紙上に顔料及び接着剤を含有する下塗り塗工層と上塗り塗工層を設けた塗工紙において、原紙が炭酸カルシウムを5質量%以上含有し、下塗り塗工層が、顔料として、重質炭酸カルシウムを顔料100質量部当たり75質量部以上含有し、上塗り塗工層が顔料としてカオリンを顔料100質量部当たり75質量部以上含有し、密度が1.0〜1.3g/cm、坪量が65g/m以下であることを特徴とする塗工紙。である。
第2発明は、第1発明において
下塗り塗工層の塗工量が片面当たり2〜8g/m、上塗り塗工層の塗工量が片面当たり3〜10g/mであることを特徴とする。
第3発明の塗工紙は、第1発明または第2発明において、
白色度80%以上、不透明度85%以上、白紙光沢度30〜50%、ベック平滑度400〜800秒であることを特徴とする塗工紙。である。
第4発明は、
原紙上に顔料及び接着剤を含有する下塗り塗工層と上塗り塗工層を設けた塗工紙の製造方法において、下塗りをフィルム転写方式による塗工を行い、上塗りをブレード方式による塗工を行い、下塗り塗工層の顔料100質量部に対する接着剤部数をラテックス系接着剤1〜3質量部、澱粉系接着剤12〜7質量部とし、合計接着剤部数を13〜10質量部とすることにより、下塗り塗工層の塗工、乾燥後の紙の透気抵抗度を1000〜3000秒に調整することを特徴とする塗工紙の製造方法。である。
本発明によれば、印刷光沢度が高く、印刷面にむらがなく印刷適性に優れた塗工紙を得ることができる。
本発明は原紙に顔料及び接着剤を含有する下塗り塗工層と上塗り塗工層を設けた塗工紙であり、原紙は針葉樹クラフトパルプ(NKP)、広葉樹クラフトパルプ(LKP)などの化学パルプを主原料としている。その他のパルプとしては、古紙脱墨パルプ(DIP)や、機械パルプを使用できる。古紙脱墨パルプは新聞古紙、雑誌古紙等を脱インキして得られるものであり、資源の再利用の観点から、高配合するのが好ましい。機械パルプとしては、サーモメカニカルパルプ(TMP)、グランドウッドパルプ(GP)、リファイナーグランドウッドパルプ(RGP)、プレッシャライズドグランドウッドパルプ(PGW)などが使用できる。これらの機械パルプは嵩の向上や不透明度向上に寄与する。
原紙に配合する填料としては、重質炭酸カルシウム、軽質炭酸カルシウム、カオリン、クレー、タルク、水和珪酸、ホワイトカーボン、酸化チタン、合成樹脂填料などの公知の填料を使用することができる。このうち、炭酸カルシウムをパルプ質量あたり5質量%以上含有させるのが、白色度と不透明度を高くする上で好ましい。
その他、必要に応じて、硫酸バンド、サイズ剤、紙力増強剤、歩留まり向上剤、染料、消泡剤、スライムコントロール剤などを含有してもよい。
原紙の抄紙方法については特に限定されるものではなく、トップワイヤー等を含む長網マシン、円網マシン等を用いて、酸性抄紙、中性抄紙で抄紙した原紙のいずれであってもよい。
さらに、顔料及び接着剤を含有する塗工層を設ける前の原紙に、サイズ性向上や剛度向上の目的で、水溶性高分子を主成分とする表面処理剤の塗布を行っても良い。水溶性高分子としては、酸化澱粉、ヒドロキシエチルエーテル化澱粉、酵素変性澱粉、ポリアクリルアミド、ポリビニルアルコール等の、表面処理剤として通常使用されるものを単独、あるいはこれらの混合物を使用することができる。また、表面処理剤のなかには、水溶性高分子の他に耐水化、表面強度向上を目的とした紙力増強剤やサイズ性付与を目的とした外添サイズ剤を添加することができる。表面処理剤は2ロールサイズプレスコーターやゲートロールコーター、ブレードメタリングサイズプレスコーター、ロッドメタリングサイズプレスコーターおよびシムサイザー、JFサイザー等のフィルム転写型ロールコーター等の塗工機によって塗布することができる。本発明に使用される塗工紙用原紙の坪量は30〜60g/mが好ましい。
本発明では、前述した原紙上に、顔料及び接着剤を含有する下塗り塗工層と上塗り塗工層を順次設ける。本発明では、あらかじめ原紙に下塗り塗工層を形成し、上塗り塗工層の原紙層への浸透を抑制、かつ均一化し、上塗り塗工層の平滑性を高め、塗工層を均一化することが重要である。
本発明の塗工紙の下塗りの塗工層には、重質炭酸カルシウムを配合することが必要であり、その配合量は顔料100質量部当たり75質量部以上であり、好ましくは90〜100質量部である。
重質炭酸カルシウムの粒子径は、粒度分布として2μmアンダーが80質量%以上であることが好ましい。粒子径がこれより大きいと、平滑性が悪くなり、良好な印刷適性を確保することが困難であるし、特に、フィルムトランスファー塗工においては、アプリケーターロール出口側ニップ部でのミスト発生等の塗工欠陥が発生することがある。
また、重質炭酸カルシウムの配合量が顔料100質量部に当たり75質量部未満である場合、白色度が低くなる傾向がある。
また上塗り塗工層には、顔料100質量部当たりカオリンを75質量部以上配合する。
カオリンが75質量部より少ないと、印刷光沢度が低くなる。
そして、全カオリン100質量部のうち、デラミネーテッドカオリンを10質量部以上配合するのが好ましい。使用するデラミネーテッドカオリンは、アスペクト比が30〜70のものが好ましい。このようにすることで印刷光沢度が高く、印刷むらのない塗工紙とすることができる。その他のカオリンの粒子径は、粒度分布として2μmアンダーが90質量%以上の微粒カオリンを使用するのが好ましい。
粒子径がこれより大きいカオリンを用いた場合には、印刷光沢度が不十分となる。
このようにすることで、印刷光沢度が高く、印刷むらのない塗工紙を得ることができる。
本発明においては、下塗りの塗工層に重質炭酸カルシウムを配合することにより、白色度が向上し、上塗りの塗工層に粒子径の小さい微粒カオリンと、デラミネーテッドカオリンを配合することにより、白紙光沢度が30〜50%、ベック平滑度400〜800秒の塗工紙を平滑化処理を施さないか、弱い平滑化処理で得ることができるため、密度が低く、手肉感のある塗工紙を得ることができる。
また、上記顔料以外に塗工紙用に従来から用いられている、軽質炭酸カルシウム、タルク、二酸化チタン、硫酸バリウム、硫酸カルシウム、酸化亜鉛、ケイ酸、ケイ酸塩、コロイダルシリカ、サチンホワイトなどの無機顔料等を必要に応じて1種類以上混合して使用することができる。
本発明の下塗り塗工層または上塗り塗工層に使用する接着剤は、塗工紙用に従来から用いられている、スチレン・ブタジエン系、スチレン・アクリル系、エチレン・酢酸ビニル系、ブタジエン・メチルメタクリレート系、酢酸ビニル・ブチルアクリレート系等の各種共重合体およびポリビニルアルコール、無水マレイン酸共重合体、アクリル酸・メチルメタクリレート系共重合体等の合成系接着剤、カゼイン、大豆蛋白、合成蛋白の蛋白質類、酸化澱粉、陽性澱粉、尿素燐酸エステル化澱粉、ヒドロキシエチルエーテル化澱粉などのエーテル化澱粉、デキストリンなどの澱粉類、カルボキシエチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロースなどのセルロース誘導体などの通常の塗工紙用接着剤1種類以上を適宜選択して使用される。
塗工層に使用する接着剤は特に限定されないが、下塗り塗工層の接着剤部数を顔料100質量部に対しラテックス1〜3質量部、澱粉12〜7質量部とし、合計接着剤部数を13〜10質量部とするのが好ましい。
ラテックス部数が1質量部より少ないと、表面強度が不足する。3質量部より多いと、下塗り塗工後の透気抵抗度を3000秒以下にするのが難しくなる。澱粉が7質量部より少ないと表面強度が不足し、12質量部より多いと合計接着剤部数が多くなり、下塗り塗工後の透気抵抗度を3000秒以下にするのが難しくなる。合計接着剤部数が10質量部より少ないと、表面強度が不足し、13質量部より多いと、下塗り塗工後の透気抵抗度を3000秒以下にするのが難しくなる。
本発明では下塗り塗工層の塗工、乾燥後の紙の透気抵抗度を1000〜3000秒に調整することを特徴としている。透気抵抗度を調整することにより、上塗り塗工液の浸透が大きい場合に起こる印刷光沢の不足や印刷むらの問題と、上塗り塗工液の浸透が少ない場合に起こる塗工層表面の水分蒸発に伴うバインダーマイグレーションによる印刷むらの問題を解消している。
透気抵抗度が1000秒未満であると、上塗り塗工層が紙層内部に浸透し、印刷光沢度が不足するとともに、塗工液の浸透むらが生じやすく、印刷むらの原因となる。3000秒を超えると、上塗り塗工液の紙層への浸透が抑えられるので、塗工層表面からの水分蒸発が多くなり、上塗り塗工層のバインダーマイグレーションが発生し、印刷むらが顕著となる。
上塗り塗工層に使用する接着剤の種類は特に限定されないが、少量でも表面強度向上の効果が高いラテックスを主体に使用するのが好ましい。上塗り塗工層の接着剤の質量部数は、顔料100質量部に対して5〜25質量部、好ましくは10〜20質量部程度である。
また、塗工層には必要に応じて、分散剤、増粘剤、保水剤、消泡剤、耐水化剤、着色剤、印刷適性向上剤など、通常の塗工紙用塗料に配合される各種助剤が適宜使用される。
塗料を原紙に塗工する方法としては、2ロールサイズプレスや、ゲートロールコーター、およびブレードメタリングサイズプレスコーター、およびロッドメタリングサイズプレスコーター、シムサイザー、JFサイザー等のフィルムトランスファー型ロールコーターや、フラデッドニップ/ブレードコーター、ジェットファウンテン/ブレードコーター、ショートドウェルタイムアプリケート式コーターの他、ブレードの替わりにグルーブドロッド、プレーンロッド等を用いたロッドメタリングコーターや、カーテンコーター、ダイコーター等の公知のコーターにより塗工することができる。本発明においては、下塗り塗工で低塗工量にする場合、フィルムトランスファー方式のコーターを用いることにより、均一に塗工することができ、表面性や品質に優れる。塗工量は、下塗り塗工層が片面当たり2〜8g/mが好ましく、より好ましくは4〜8g/mであり、上塗り塗工層が片面当たり3〜10g/mが好ましく、より好ましくは4〜8g/mである。下塗りの塗工量が少ないと、下塗り塗工後の透気抵抗度を1000秒以上にするのが難しくなる。下塗り塗工量が多いと下塗り塗工後の透気抵抗度を3000秒以下にするのが難しくなる。上塗りの塗工量が少ないと白紙光沢度、印刷光沢度が劣り、上塗り塗工量が多いと軽量化が難しくなる。このようにして坪量65g/m以下の塗工紙を得る。
前述したバインダーマイグレーションは、塗工液中の接着剤成分が塗工層中に均等に分布せず、原紙と塗工層の界面または塗工層表面に多く存在する現象を指す。
発生原因は、塗工液が原紙表面に接触してから乾燥するまでの間の水分の移動(原紙への吸水と、蒸発)によると考えられている。特に、蒸発する水につられての塗工紙表面へのバインダーマイグレーションは印刷むらの原因となる。
バインダーマイグレーションは澱粉の存在で大きくなる。それは、澱粉には水酸基があり、塗工紙で使用される澱粉には燐酸基等を導入して親水性を増したものが多く、水の移動につられやすいためである。
SBRラテックスは、澱粉と共存すると、澱粉に引っ張られる形でバインダーマイグレーションを起こす。この現象はラテックスの粒子径が小さい程起こりやすい。
ブレード、エアナイフ、バーコーターなど、塗工液を掻き取る方式で塗工量を調節する塗工方式の場合は、塗工液を塗工してから掻き取られるまでの時間にも原紙への吸水によるバインダーマイグレーションが起こるので、この時間が少ないショードゥエルタイプのブレードコーターを使用するのが有利である。
乾燥条件もバインダーマイグレーションの要因の1つであり、乾燥強さや乾燥手段によって塗工紙品質は影響を受ける。その他に影響を与える要因としては、塗工液の保水性、原紙空隙の量や大きさ、原紙の濡れ性などがある。
塗工層内の接着剤の分布は塗工紙の品質に大きく影響を与える。白紙光沢度、白紙面感、平滑度、透気抵抗度、着肉性、印刷面質、インキセット性、印刷光沢度、ピック強度、耐ブリスター性などが影響を受ける。その中でも、特に問題となるのは印刷面質である。他の物性はラテックスの含有量などである程度調節可能だが、バインダーマイグレーションによる印刷面質の不均一さは解決が困難である。
これらの品質の低下がひどいときには塗工液の配合を変えたり、乾燥条件を最適化するなどの制約を受けてきた。
ところで、塗工量が少ない塗工紙を製造する場合は、塗料の保水性を確保して塗料を紙層表面にとどめて印刷適性向上を図るという要求があるため、下塗り塗工層は、ラテックスに比べて保水性の高い澱粉の部数が多くなり、接着力を確保するために下塗り塗工層の合計接着剤部数が多くなるため、下塗り塗工層の塗工、乾燥後の紙の透気抵抗度が大きくなって、上塗り塗工層のバインダーマイグレーションが顕著となり、印刷むらの原因となっていた。
このような問題を解決するために、本発明では、以下の構成を採用した。
すなわち、原紙上に顔料及び接着剤を含有する下塗り塗工層と上塗り塗工層を設けた塗工紙の製造方法において、下塗りをフィルム転写方式による塗工を行い、上塗りをブレード方式による塗工を行い、下塗り塗工層の顔料100質量部に対する接着剤部数をラテックス系接着剤1〜3質量部、澱粉系接着剤12〜7質量部とし、合計接着剤部数を13〜10質量部とすることにより、下塗り塗工層の塗工、乾燥後の紙の透気抵抗度を1000〜3000秒に調整する。
本発明では、下塗り塗工層の接着剤部数と塗工量を少なくし、下塗り塗工層の塗工、乾燥後の紙の透気抵抗度を低くすることにより、上塗り塗工層のバインダーマイグレーションを防止している。
このようにすることで、印刷むらのない塗工紙が得られる。
塗工層を乾燥させる手法としては、例えば蒸気加熱シリンダー、熱風エアドライヤー、ガスヒータードライヤー、電気ヒータードライヤー、赤外線ヒータードライヤー、高周波ヒータードライヤー等各種の方法が単独または併用して用いられる。
以上のように塗工乾燥された塗工紙は、チルドカレンダー、またはスーパーカレンダー、高温ソフトニップカレンダー等で平滑処理を行うことにより塗工紙の密度を1.0〜1.3g/cm、好ましくは1.0〜1.2g/cmに調整するが、目標の白紙光沢度が得られれば、カレンダー処理を行わなくてもよい。
以上のようにして、白色度80%以上、不透明度85%以上、白紙光沢度30〜50%、ベック平滑度400〜800秒が得られ、低密度で手肉感があり、また印刷光沢度が高く、印刷むらがない塗工紙を得ることができる。
以下に実施例を挙げて本発明を具体的に説明する。なお、質量%、質量部、塗工量は断りのない限り固形分または有効成分で表したものである。
(実施例1)
(原紙)
広葉樹晒クラフトパルプ(カナダ標準濾水度240ml)を70質量%、針葉樹晒クラフトパルプ(カナダ標準濾水度550ml)を30質量%の割合で混合したパルプ原料100質量部に対し、歩留まり向上剤(製品名 DR8500 ハイモ株式会社製)を0.060質量部、硫酸バンド0.9質量部、炭酸カルシウム(製品名 TP−121−6S 奥多摩工業株式会社製)を紙の灰分として5質量%含むように添加し、オントップフォーマー型抄紙機で原紙を抄紙した。
(下塗り塗工)
次に、ロッドメタリングサイズプレスを用いて、顔料と接着剤を含む下塗り塗工用塗料を下記のように両面に塗工した。
以下、顔料以外の薬品の質量部は、顔料100質量部に対する質量部で表す。
(下塗り塗工用塗料)
重質炭酸カルシウム(製品名 ハイドロカーブ90HS 備北粉化工業株式会社製、粒度分布:2μmアンダー90質量%)100質量部
SBRラテックス(製品名 スマーテックスPA8008 日本エイアンドエル株式会社製)2質量部
尿素燐酸エステル化澱粉(製品名 スターコート16 日本食品化工株式会社製)8質量部
分散剤(製品名 アロンT50 東亞合成株式会社製)0.2質量部
蛍光染料(製品名 カヤホールSTCL 日本化薬株式会社製)1.5質量部
塗工量 片面当たり5g/m
(上塗り塗工)
次に、ショートドゥエルタイプのブレードコーターを用いて、顔料と接着剤を含む上塗り塗工用塗料を下記のように両面に塗工した。
(上塗り塗工用塗料)
微粒カオリン(製品名 カオファイン 白石カルシウム株式会社製、粒度分布:2μmアンダー95質量%以上)70質量部
デラミネーテッドカオリン(製品名 コンツアー1500 株式会社イメリスミネラルズ・ジャパン製、アスペクト比59)30質量部
SBRラテックス(スマーテックスPA8008)14質量部
尿素燐酸エステル化澱粉(スターコート16)2質量部
分散剤(アロンT50)0.2質量部
蛍光染料(カヤホールSTCL)1.5質量部
塗工量 片面当たり8g/m
塗工後に乾燥し、ソフトカレンダー2ニップ処理(ニップ圧60kN/m 温度180℃、ニップ圧60kN/m 温度150℃)を行い、坪量59.5g/mの塗工紙を得た。
(実施例2)
下塗り塗工用塗料と上塗り塗工用塗料を以下のように変更した以外は実施例1と同様に塗工紙を得た。
(下塗り塗工用塗料)
重質炭酸カルシウム(ハイドロカーブ90HS)90質量部
カオリン(製品名 KCS 株式会社イメリスミネラルズ・ジャパン製)10質量部
SBRラテックス(スマーテックスPA8008)2質量部
尿素燐酸エステル化澱粉(スターコート16)8質量部
分散剤(アロンT50)0.2質量部
蛍光染料(カヤホールSTCL)1.5質量部
塗工量 片面当たり5g/m
(上塗り塗工用塗料)
重質炭酸カルシウム(ハイドロカーブ90HS)10質量部
微粒カオリン(カオファイン)70質量部
デラミネーテッドカオリン(コンツアー1500)20質量部
SBRラテックス(スマーテックスPA8008)14質量部
尿素燐酸エステル化澱粉(スターコート16)2質量部
分散剤(アロンT50)0.2質量部
蛍光染料(カヤホールSTCL)1.5質量部
塗工量 片面当たり8g/m
(実施例3)
下塗り塗工用塗料と上塗り塗工用塗料を以下のように変更した以外は実施例1と同様に塗工紙を得た。
(下塗り塗工用塗料)
重質炭酸カルシウム(ハイドロカーブ90HS)75質量部
カオリン(KCS)25質量部
SBRラテックス(スマーテックスPA8008)2質量部
尿素燐酸エステル化澱粉(スターコート16)8質量部
分散剤(アロンT50)0.2質量部
蛍光染料(カヤホールSTCL)1.5質量部
塗工量 片面当たり5g/m
(上塗り塗工用塗料)
重質炭酸カルシウム(ハイドロカーブ90HS)25質量部
微粒カオリン(カオファイン)65質量部
デラミネーテッドカオリン(コンツアー1500)10質量部
SBRラテックス(スマーテックスPA8008)14質量部
尿素燐酸エステル化澱粉(スターコート16)2質量部
分散剤(アロンT50)0.2質量部
蛍光染料(カヤホールSTCL)1.5質量部
塗工量 片面当たり8g/m
(実施例4)
下塗り塗工用塗料を以下のように変更した以外は実施例1と同様に塗工紙を得た。
(下塗り塗工用塗料)
重質炭酸カルシウム(ハイドロカーブ90HS)100質量部
SBRラテックス(スマーテックスPA8008)3質量部
尿素燐酸エステル化澱粉(スターコート16)10質量部
分散剤(アロンT50)0.2質量部
蛍光染料(カヤホールSTCL)1.5質量部
塗工量 片面当たり5g/m
(実施例5)
下塗り塗工用塗料と上塗り塗工用塗料を以下のように変更した以外は実施例1と同様に塗工紙を得た。
(下塗り塗工用塗料)
重質炭酸カルシウム(ハイドロカーブ90HS)100質量部
SBRラテックス(スマーテックスPA8008)2質量部
尿素燐酸エステル化澱粉(スターコート16)8質量部
分散剤(アロンT50)0.2質量部
蛍光染料(カヤホールSTCL)1.5質量部
塗工量 片面当たり8g/m
(上塗り塗工用塗料)
微粒カオリン(カオファイン)70質量部
デラミネーテッドカオリン(コンツアー1500)30質量部
SBRラテックス(スマーテックスPA8008)15質量部
尿素燐酸エステル化澱粉(スターコート16)1質量部
分散剤(アロンT50)0.2質量部
蛍光染料(カヤホールSTCL)1.5質量部
塗工量 片面当たり7g/m
(実施例6)
下塗り塗工用塗料と上塗り塗工用塗料を以下のように変更した以外は実施例1と同様に塗工紙を得た。
(下塗り塗工用塗料)
重質炭酸カルシウム(ハイドロカーブ90HS)100質量部
SBRラテックス(スマーテックスPA8008)1質量部
尿素燐酸エステル化澱粉(スターコート16)12質量部
分散剤(アロンT50)0.2質量部
蛍光染料(カヤホールSTCL)1.5質量部
塗工量 片面当たり3g/m
(上塗り塗工用塗料)
微粒カオリン(カオファイン)70質量部
デラミネーテッドカオリン(コンツアー1500)30質量部
SBRラテックス(スマーテックスPA8008)14質量部
尿素燐酸エステル化澱粉(スターコート16)2質量部
分散剤(アロンT50)0.2質量部
蛍光染料(カヤホールSTCL)1.5質量部
塗工量 片面当たり10g/m
(比較例1)
下塗り塗工用塗料と上塗り塗工用塗料を以下のように変更した以外は実施例1と同様に塗工紙を得た。
(下塗り塗工用塗料)
重質炭酸カルシウム(ハイドロカーブ90HS)60質量部
カオリン(KCS)40質量部
SBRラテックス(スマーテックスPA8008)2質量部
尿素燐酸エステル化澱粉(スターコート16)8質量部
分散剤(アロンT50)0.2質量部
蛍光染料(カヤホールSTCL)1.5質量部
塗工量 片面当たり5g/m
(上塗り塗工用塗料)
微粒カオリン(カオファイン)100質量部
SBRラテックス(スマーテックスPA8008)14質量部
尿素燐酸エステル化澱粉(スターコート16)2質量部
分散剤(アロンT50)0.2質量部
蛍光染料(カヤホールSTCL)1.5質量部
塗工量 片面当たり8g/m
(比較例2)
下塗り塗工用塗料を以下のように変更した以外は実施例1と同様に塗工紙を得た。
(下塗り塗工用塗料)
重質炭酸カルシウム(ハイドロカーブ90HS)60質量部
カオリン(KCS)40質量部
SBRラテックス(スマーテックスPA8008)4質量部
尿素燐酸エステル化澱粉(スターコート16)8質量部
分散剤(アロンT50)0.2質量部
蛍光染料(カヤホールSTCL)1.5質量部
塗工量 片面当たり5g/m
(比較例3)
下塗り塗工用塗料と上塗り塗工用塗料を以下のように変更した以外は実施例1と同様に塗工紙を得た。
(下塗り塗工用塗料)
重質炭酸カルシウム(ハイドロカーブ90HS)75質量部
カオリン(KCS)25質量部
SBRラテックス(スマーテックスPA8008)2質量部
尿素燐酸エステル化澱粉(スターコート16)8質量部
分散剤(アロンT50)0.2質量部
蛍光染料(カヤホールSTCL)1.5質量部
塗工量 片面当たり5g/m
(上塗り塗工用塗料)
重質炭酸カルシウム(ハイドロカーブ90HS)35質量部
微粒カオリン(カオファイン)50質量部
デラミネーテッドカオリン(コンツアー1500)15質量部
SBRラテックス(スマーテックスPA8008)14質量部
尿素燐酸エステル化澱粉(スターコート16)2質量部
分散剤(アロンT50)0.2質量部
蛍光染料(カヤホールSTCL)1.5質量部
塗工量 片面当たり8g/m
(比較例4)
下塗り塗工用塗料と上塗り塗工用塗料を以下のように変更した以外は実施例1と同様に塗工紙を得た。
(下塗り塗工用塗料)
重質炭酸カルシウム(ハイドロカーブ90HS)75質量部
カオリン(KCS)25質量部
SBRラテックス(スマーテックスPA8008)2質量部
尿素燐酸エステル化澱粉(スターコート16)8質量部
分散剤(アロンT50)0.2質量部
蛍光染料(カヤホールSTCL)1.5質量部
塗工量 片面当たり5g/m
(上塗り塗工用塗料)
重質炭酸カルシウム(ハイドロカーブ90HS)35質量部
微粒カオリン(カオファイン)65質量部
SBRラテックス(スマーテックスPA8008)14質量部
尿素燐酸エステル化澱粉(スターコート16)2質量部
分散剤(アロンT50)0.2質量部
蛍光染料(カヤホールSTCL)1.5質量部
塗工量 片面当たり8g/m
(比較例5)
下塗り塗工用塗料と上塗り塗工用塗料を以下のように変更した以外は実施例1と同様に塗工紙を得た。
(下塗り塗工用塗料)
重質炭酸カルシウム(ハイドロカーブ90HS)60質量部
カオリン(KCS)40質量部
SBRラテックス(スマーテックスPA8008)4質量部
尿素燐酸エステル化澱粉(スターコート16)6質量部
分散剤(アロンT50)0.2質量部
蛍光染料(カヤホールSTCL)1.5質量部
塗工量 片面当たり9g/m
(上塗り塗工用塗料)
微粒カオリン(カオファイン)70質量部
デラミネーテッドカオリン(コンツアー1500)30質量部
SBRラテックス(スマーテックスPA8008)14質量部
尿素燐酸エステル化澱粉(スターコート16)2質量部
分散剤(アロンT50製)0.2質量部
蛍光染料(カヤホールSTCL)1.5質量部
塗工量 片面当たり4g/m
(比較例6)
下塗り塗工用塗料と上塗り塗工用塗料を以下のように変更した以外は実施例1と同様に塗工紙を得た。
(下塗り塗工用塗料)
重質炭酸カルシウム(ハイドロカーブ90HS)75質量部
カオリン(KCS)25質量部
尿素燐酸エステル化澱粉(スターコート16)14質量部
分散剤(アロンT50)0.2質量部
蛍光染料(カヤホールSTCL)1.5質量部
塗工量 片面当たり5g/m
(上塗り塗工用塗料)
重質炭酸カルシウム(ハイドロカーブ90HS)35質量部
微粒カオリン(カオファイン)40質量部
デラミネーテッドカオリン(コンツアー1500)25質量部
SBRラテックス(スマーテックスPA8008)14質量部
尿素燐酸エステル化澱粉(スターコート16)2質量部
分散剤(アロンT50製)0.2質量部
蛍光染料(カヤホールSTCL)1.5質量部
塗工量 片面当たり8g/m
(比較例7)
下塗り塗工用塗料と上塗り塗工用塗料を以下のように変更した以外は実施例1と同様に塗工紙を得た。
(下塗り塗工用塗料)
重質炭酸カルシウム(ハイドロカーブ90HS)75質量部
カオリン(KCS)25質量部
尿素燐酸エステル化澱粉(スターコート16)20質量部
分散剤(アロンT50)0.2質量部
蛍光染料(カヤホールSTCL)1.5質量部
塗工量 片面当たり1.8g/m
(上塗り塗工用塗料)
重質炭酸カルシウム(ハイドロカーブ90HS)35質量部
微粒カオリン(カオファイン)40質量部
デラミネーテッドカオリン(コンツアー1500)25質量部
SBRラテックス(スマーテックスPA8008)14質量部
尿素燐酸エステル化澱粉(スターコート16)2質量部
分散剤(アロンT50製)0.2質量部
蛍光染料(カヤホールSTCL)1.5質量部
塗工量 片面当たり8g/m
実施例1〜6、比較例1〜7の各製造条件と得られた塗工紙の評価結果を表1〜3に示す。なお、顔料の部数は各塗工層の顔料トータルを100質量部としたときの部数で表し、接着剤の部数は各塗工層の顔料100質量部に対する部数で表す。
Figure 2011153388
Figure 2011153388
Figure 2011153388
塗工紙の評価方法は以下のとおりとした。
(坪量)JISP8124:1998紙及び板紙−坪量測定方法
(密度)JISP8118:1998紙及び板紙−厚さ及び密度の試験方法
(透気抵抗度)JISP8117:1998紙及び板紙−透気度試験方法−ガーレー試験機法
(白色度)JISP8148:2001紙、板紙及びパルプ−ISO白色度(拡散青色光反射率)の測定方法
(不透明度)JISP8149:2000紙及び板紙−不透明度試験方法(紙の裏当て)−拡散照射法
(白紙光沢度)JISP8142:2005紙及び板紙−75度鏡面光沢度の測定方法
(平滑度)JISP8119:1998紙及び板紙−ベック平滑度試験機による平滑度試験方法
(印刷光沢度評価)RI印刷試験機を用いて、オフセット印刷用インキ(商品名 Web World MP 藍 DIC株式会社製)を1.2g使用して32.5Hzの印刷速度で印刷し、130℃に設定した乾燥機で30秒間乾燥し、JISP8142:2005紙及び板紙−75度鏡面光沢度の測定方法により、光沢度を測定した。次の評価基準により、4段階で評価した。
◎72以上 ○70以上72未満 △68以上70未満 ×68未満
(印刷むら)上記RI印刷試験機で作製した塗工紙の印刷面を、目視評価により次の4段階で相対評価した。
◎優れる ○良い △やや悪い ×悪い
本発明の実施例1から実施例6に示す塗工紙は、印刷光沢度が高く、印刷むらの評価が良好であった。
一方、比較例1は、下塗り塗工層に含まれる重質炭酸カルシウムが60質量部と少なく、
白色度がやや低い結果となっている。また、上塗り塗工層にデラミネーテッドカオリンを含んでいないため、白紙光沢度が低く、印刷光沢度評価が悪くなっている。
比較例2は、下塗り塗工層に含まれる重質炭酸カルシウムが60質量部と少なく、
白色度がやや低い結果となっている。また、ラテックス部数が多いため、下塗り後の透気抵抗度が高くなり、印刷むらの評価が悪くなっている。
比較例3は、上塗り塗工層に含まれるカオリンが65質量部と少なく、白紙光沢度が低い結果となっている。
比較例4は、上塗り塗工層に含まれるカオリンが65質量部と少なく、しかもデラミネーテッドカオリンを含んでいないので白紙光沢度が低く、印刷光沢度の評価が悪くなっている。
比較例5は、比較例2と比較すると下塗りの塗工量が多いので、下塗り後の透気抵抗度が大きくなり、印刷むらの評価が悪くなっている。また、上塗りの塗工量が少ないので、白紙光沢度が低く、印刷光沢度の評価が悪くなっている。
比較例6は、比較例3と比較すると下塗り塗工層の澱粉質量部数が多いので、下塗り後の透気抵抗度が大きくなり、印刷むらの評価が悪くなっている。
比較例7は、比較例3と比較すると下塗り塗工層の塗工量が少ないので、下塗り後の透気抵抗度が小さくなり過ぎて、印刷むらの評価が悪くなっている。
本発明の塗工紙は、チラシ、パンフレットなどの商業印刷や、書籍、雑誌、コミック、など出版用の印刷用紙として利用できる。

Claims (4)

  1. 原紙上に顔料及び接着剤を含有する下塗り塗工層と上塗り塗工層を設けた塗工紙において、原紙が炭酸カルシウムを5質量%以上含有し、下塗り塗工層が、顔料として、重質炭酸カルシウムを顔料100質量部当たり75質量部以上含有し、上塗り塗工層が顔料としてカオリンを顔料100質量部当たり75質量部以上含有し、密度が1.0〜1.3g/cm、坪量が65g/m以下であることを特徴とする塗工紙。
  2. 下塗り塗工層の塗工量が片面当たり2〜8g/m、上塗り塗工層の塗工量が片面当たり3〜10g/mであることを特徴とする請求項1に記載の塗工紙。
  3. 白色度80%以上、不透明度85%以上、白紙光沢度30〜50%、ベック平滑度400〜800秒であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の塗工紙。
  4. 原紙上に顔料及び接着剤を含有する下塗り塗工層と上塗り塗工層を設けた塗工紙の製造方法において、下塗りをフィルム転写方式による塗工を行い、上塗りをブレード方式による塗工を行い、下塗り塗工層の顔料100質量部に対する接着剤部数をラテックス系接着剤1〜3質量部、澱粉系接着剤12〜7質量部とし、合計接着剤部数を13〜10質量部とすることにより、下塗り塗工層の塗工、乾燥後の紙の透気抵抗度を1000〜3000秒に調整することを特徴とする塗工紙の製造方法。
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