JP2008120691A - 環状ヒドロキシアセトンアセタール化合物の製造法 - Google Patents
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Abstract
Description
本発明は、環状アセタール化合物の製造法、より詳細には環状のヒドロキシアセトンアセタール化合物の製造法に関する。この環状アセタール化合物は、医薬、農薬等の精密化学品の中間原料、機能性高分子のモノマーを得るための中間原料等として有用である。
環状ヒドロキシアセトンアセタール化合物の製造法として、特開2003−73376号公報には、α−ヒドロキシアセトンと隣接ジオールとを、該隣接ジオールが過剰モルの条件で反応させる方法が開示されている。しかし、隣接ジオールがアルカン隣接ジオールの場合には、該アルカン隣接ジオールと生成物である環状ヒドロキシアセトンアセタール化合物の沸点が非常に近似しているため、未反応のアルカン隣接ジオールと目的の環状ヒドロキシアセトンアセタール化合物とを蒸留により分離することが困難である。前記文献には、α−ヒドロキシアセトンとプロピレングリコールとを反応させて得られる反応混合物を有機溶媒と水を用いた抽出操作に付した後、有機層を蒸留して目的の環状ヒドロキシアセトンアセタール化合物を取得しているが、水層から過剰量のプロピレングリコールを回収するのに多大のコストがかかる。また、原料として用いる隣接ジオールが特に炭素数7以上のアルカン隣接ジオール等の非水溶性の隣接ジオールの場合には、未反応隣接ジオールが水層側に移行しないため、未反応隣接ジオールと目的の環状ヒドロキシアセトンアセタール化合物とを分離することができず、また蒸留によっても両者の分離が困難であることから、高純度の環状ヒドロキシアセトンアセタール化合物を取得することができない。
一方、上記文献記載の方法とは逆に、α−ヒドロキシアセトンとアルカン隣接ジオールとを、α−ヒドロキシアセトンが過剰モルの条件で反応させた場合であっても、隣接ジオールの転化率を99%以上にすることは非常に困難であり、やはり上記と同様の理由により、高純度の(例えば純度99%以上の)環状ヒドロキシアセトンアセタール化合物を得ることは難しい。
従って、本発明の目的は、高純度の(例えば純度99%以上の)環状ヒドロキシアセトンアセタール化合物を簡易に取得できる製造法を提供することにある。
本発明者らは、上記目的を達成するため鋭意検討した結果、アルカン隣接ジオールとアセトンとの脱水反応生成物である環状アセトンアセタール化合物とα−ヒドロキシアセトンを反応させると、不純物としてのアルカン隣接ジオール含有量がきわめて少ない高純度の環状ヒドロキシアセトンアセタール化合物が簡易に得られることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、下記式(1)
(式中、R1はアルキル基を示す。R2、R3、R4は、同一又は異なって、水素原子又はアルキル基を示す)
で表されるアルカン隣接ジオールとアセトンとの脱水反応生成物である下記式(2)
(式中、R1、R2、R3、R4は前記に同じ)
で表される環状アセトンアセタール化合物とα−ヒドロキシアセトンとを反応させて、下記式(3)
(式中、R1、R2、R3、R4は前記に同じ)
で表される環状ヒドロキシアセトンアセタール化合物を得ることを特徴とする環状ヒドロキシアセトンアセタール化合物の製造法を提供する。
で表されるアルカン隣接ジオールとアセトンとの脱水反応生成物である下記式(2)
で表される環状アセトンアセタール化合物とα−ヒドロキシアセトンとを反応させて、下記式(3)
で表される環状ヒドロキシアセトンアセタール化合物を得ることを特徴とする環状ヒドロキシアセトンアセタール化合物の製造法を提供する。
式(1)で表されるアルカン隣接ジオールとしては、Fedorsによる溶解度パラメーターが27.2MPa1/2以下の化合物であるのが好ましい。
式(1)中のR1としては炭素数5〜20のアルキル基であるのが好ましい。
式(2)で表される環状アセトンアセタール化合物として、不純物としての式(1)で表されるアルカン隣接ジオール含有量が1重量%以下のものを用いるのが好ましい。
本発明によれば、高純度の環状ヒドロキシアセトンアセタール化合物を簡易に取得できる。
本発明の環状ヒドロキシアセトンアセタール化合物の製造法では、前記式(1)で表されるアルカン隣接ジオールとアセトンとの脱水反応生成物である前記式(2)で表される環状アセトンアセタール化合物とα−ヒドロキシアセトンとを反応させる。
式(1)で表されるアルカン隣接ジオールにおいて、R1はアルキル基を示し、R2、R3、R4は、同一又は異なって、水素原子又はアルキル基を示す。R1、R2、R3、R4におけるアルキル基としては、例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、s−ブチル、t−ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、デシル、ドデシル、テトラデシル、ヘキサデシル基等の炭素数1〜20程度の直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基などが挙げられる。
本発明は、α−ヒドロキシアセトンと隣接ジオールとを反応させる従来の方法では高純度の目的化合物を取得することが困難な式(1)の化合物が非水溶性の化合物、例えばR1が5〜20(特に6〜15)のアルキル基である化合物、あるいはFedorsによる溶解度パラメーター(以下、「SP値」と称する場合がある。ポリマーハンドブック第4版、VII/675等参照)が27.2MPa1/2以下(例えば10〜27.2MPa1/2)の化合物である場合に特に有利である。R1としては直鎖状のアルキル基が好ましい。また、R2、R3、R4としては、それぞれ、水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基が好ましく、水素原子又はメチル基がより好ましく、水素原子であるのが特に好ましい。
式(1)で表されるアルカン隣接ジオールの代表的な例として、1,2−プロパンジオール、1,2−ブタンジオール、1,2−ペンタンジオール、1,2−ヘキサンジオール(SP値:27.36MPa1/2)、1,2−ヘプタンジオール(SP値:26.36MPa1/2)、1,2−オクタンジオール(SP値:25.56MPa1/2)、1,2−ノナンジオール、1,2−デカンジオール、1,2−ドデカンジオール、1,2−テトラデカンジオール、1,2−ヘキサデカンジオール等の1,2−アルカンジオール;2,3−ブタンジール、2,3−ペンタンジオール、2,3−ヘキサンジオール、2,3−オクタンジオール等の2,3−アルカンジオールなどが挙げられる。これらの中でも、1,2−アルカンジオール、特に炭素数が7〜22(とりわけ8〜16)の1,2−アルカンジオールが好ましい。
式(2)で表される環状アセトンアセタール化合物は、例えば、式(1)で表されるアルカン隣接ジオールとアセトンとを酸触媒の存在下で反応させることにより得ることができる。酸触媒としてはプロトン酸及びルイス酸のいずれも使用できる。酸触媒は単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。プロトン酸としては、例えば、硫酸、塩酸、リン酸などの無機酸;ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、ナフタレンスルホン酸、メタンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸などのスルホン酸、トリフルオロ酢酸などのハロカルボン酸などの有機酸;陽イオン交換樹脂(強酸性イオン交換樹脂、超強酸性イオン交換樹脂等);H2SO4−SO3、HF−SbF5などの超強酸などが挙げられる。ルイス酸としては、例えば、BF3、BF3・O(CH2CH2)2、AlCl3、FeCl3、ZnCl2、TiCl4、SnCl2、SnCl4などが挙げられる。これらの中でもp−トルエンスルホン酸等のプロトン酸が好ましい。
酸触媒の使用量は、反応原料の種類、酸触媒の種類などに応じて適宜選択できるが、一般に、式(1)の化合物に対して、0.001〜20重量%、好ましくは0.05〜15重量%、さらに好ましくは0.5〜10重量%程度である。
式(1)の化合物とアセトンとの比率は、反応速度、原料コスト、操作性等を考慮して適宜選択できる。式(1)の化合物とアセトンとを当量で反応させてもよく、何れか一方を過剰量或いは大過剰量用いて反応させてもよい。なかでもアセトンを大過剰量用いるのが好ましい。反応は溶媒の存在下又は非存在下で行われる。溶媒としては反応を阻害しないものであれば特に限定されず、例えば、塩化メチレン、クロロホルム等のハロゲン化炭化水素;ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン等の鎖状又は環状エーテル;ヘキサン、シクロヘキサン、トルエン等の炭化水素;これらの混合溶媒などが挙げられる。副生する水と共沸する溶媒を反応溶媒として用いてもよい。反応速度等の観点からは溶媒の非存在下で反応を行うのが好ましい。
反応温度は、反応原料の種類等によっても異なるが、一般には0〜100℃、好ましくは5〜50℃、さらに好ましくは10〜35℃程度である。反応は、常圧、減圧、加圧下の何れで行ってもよい。反応速度を速くするため、副生する水を除去しながら反応させてもよい。副生する水を除去する方法としては、例えば、反応系に脱水剤を存在させる方法、副生する水を留去しながら(必要に応じて、水と共沸する溶媒と共沸させながら)反応を行う方法、反応液を脱水剤を充填した脱水処理槽に供給し、脱水処理後の液を反応系に循環させる方法などが挙げられる。
脱水剤としては、例えば、無水硫酸マグネシウム、無水硫酸ナトリウム、無水塩化カルシウム等の水を結晶水として取り込む化合物;モレキュラーシーブ(モレキュラーシーブ3A、モレキュラーシーブ4A、モレキュラーシーブ5A、モレキュラーシーブ13X等)、シリカゲル、活性アルミナなどの水を物理的に吸着又は吸収する物質などを使用できる。脱水剤の使用量は、式(1)で表されるアルカン隣接ジオール100重量部に対して、例えば5〜200重量部、好ましくは20〜150重量部程度である。
反応終了後、反応生成物は、濾過、塩基による中和処理、洗浄、抽出、濃縮、蒸留、晶析、カラムクロマトグラフィーなどの分離精製手段により分離精製できる。なお、中和処理に用いる塩基としては、例えば、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム等のアルカリ金属炭酸水素塩;炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等のアルカリ金属炭酸塩;炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム等のアルカリ土類金属炭酸塩;水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属水酸化物;水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム等のアルカリ土類金属水酸化物などのアルカリ金属又はアルカリ土類金属を含む塩基性化合物が挙げられる。これらの中でも炭酸水素ナトリウム等のアルカリ金属炭酸水素塩が特に好ましい。
アルカン隣接ジオールとアセトンとを反応させて環状アセトンアセタール化合物を生成させる場合は、アルカン隣接ジオールとα−ヒドロキシアセトンとを反応させて環状ヒドロキシアセトンアセタール化合物を生成させる場合と比較して、平衡が生成物側へとシフトしやすい上、原料のアルカン隣接ジオールと生成物である環状アセトンアセタール化合物との沸点差が大きいので、蒸留により、未反応の原料アルカン隣接ジオール含有量の少ない高純度の環状アセトンアセタール化合物を得ることができる。そのため、この高純度の環状アセトンアセタール化合物を用い、α−ヒドロキシアセトンとアセタール交換を行うことにより容易にアルカン隣接ジオール等の不純物含量の少ない高純度の環状ヒドロキシアセトンアセタール化合物を取得することが可能となる。
式(2)で表される環状アセトンアセタール化合物とα−ヒドロキシアセトンとの反応は、通常酸触媒の存在下で行われる。
反応に供する式(2)で表される環状アセトンアセタール化合物としては、不純物としての式(1)で表されるアルカン隣接ジオール含有量が1重量%以下(より好ましくは0.5重量%以下、さらに好ましくは0.3重量%以下)のものが望ましい。式(1)で表されるアルカン隣接ジオール含有量が多い式(2)で表される化合物をα−ヒドロキシアセトンとの反応に用いると、反応混合物中に式(1)で表されるアルカン隣接ジオールが多く残存することになり、これは蒸留による目的化合物との分離が困難であるため、高純度の[例えば、式(1)で表されるアルカン隣接ジオール含有量が1重量%以下の、或いは純度99%以上の]環状ヒドロキシアセトンアセタール化合物を得ることが困難となる。なお、不純物としての式(1)で表されるアルカン隣接ジオール含有量の少ない式(2)で表される環状アセトンアセタール化合物は、前記式(1)で表されるアルカン隣接ジオールとアセトンとの反応における反応条件(原料供給比、反応時間、反応温度、酸触媒の種類及び量、脱水剤の種類及び量等)を適宜選択することにより、あるいは得られた反応生成物を適宜な分離精製手段(好ましくは、蒸留)に付すことにより得ることができる。
酸触媒としてはプロトン酸及びルイス酸のいずれも使用できる。酸触媒は単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。プロトン酸、ルイス酸としては、前記例示のものが挙げられる。これらの中でもp−トルエンスルホン酸等のプロトン酸が好ましい。
酸触媒の使用量は、反応原料の種類、酸触媒の種類などに応じて適宜選択できるが、一般に、式(2)の化合物に対して、0.001〜20重量%、好ましくは0.05〜15重量%、さらに好ましくは0.1〜5重量%程度である。
式(2)の化合物とα−ヒドロキシアセトンとの比率は、反応速度、原料コスト、操作性等を考慮して適宜選択できる。式(2)の化合物とα−ヒドロキシアセトンを当量で反応させてもよく、何れか一方を過剰量或いは大過剰量用いて反応させてもよい。α−ヒドロキシアセトンは過剰量(例えば、式(2)の化合物に対して1.5〜10モル倍量、好ましくは2〜5モル倍量)用いるのが好ましい。反応は溶媒の存在下又は非存在下で行われる。溶媒としては反応を阻害しないものであれば特に限定されず、例えば、塩化メチレン、クロロホルム等のハロゲン化炭化水素;ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン等の鎖状又は環状エーテル;ヘキサン、シクロヘキサン、トルエン等の炭化水素;これらの混合溶媒などが挙げられる。生成するアセトンと共沸する溶媒を反応溶媒として用いてもよい。
反応温度は、反応原料の種類等によっても異なるが、一般には0〜100℃、好ましくは5〜50℃、さらに好ましくは10〜35℃程度である。反応は、常圧、減圧、加圧下の何れで行ってもよい。反応速度を速くするため、副生するアセトンを好ましくは減圧下で留去しながら反応させてもよい。
反応終了後、反応生成物は、濾過、塩基による中和処理、洗浄、抽出、濃縮、蒸留、晶析、カラムクロマトグラフィーなどの分離精製手段により分離精製できる。なお、中和処理に用いる塩基としては前記例示のものが挙げられる。
本発明では、前記のように高純度品を容易に得ることのできる環状アセトンアセタール化合物を原料として用いるため、α−ヒドロキシアセトンとのアセタール交換反応により、アルカン隣接ジオール等の不純物含量の少ない高純度の環状ヒドロキシアセトンアセタール化合物を取得することができる。
こうして得られる環状ヒドロキシアセトンアセタール化合物は、医薬、農薬等の精密化学品の中間原料、機能性高分子のモノマーを得るための中間原料等として使用できる。
以下に、実施例に基づいて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例により限定されるものではない。
1,2−オクタンジオール[式(1a)]330g(2.25mol)をアセトン[式(4)]5830g(100mol)に溶解させ、窒素雰囲気下、30℃以下にて、p−トルエンスルホン酸1水和物10.9g(0.057mol)、及び無水硫酸マグネシウム(MgSO4)242g(2.01mol)を少しずつ添加した。そのまま30℃以下にて1時間撹拌した。反応液をガスクロマトグラフィーに付したところ、式(2a)で表される環状アセトンアセタール化合物が生成していた。この環状アセトンアセタール化合物の1,2−オクタンジオール基準での選択率は99%以上であり、該環状アセトンアセタール化合物と原料1,2−オクタンジオールが前者:後者=99.0:1.0の割合(重量比)で存在していた。この反応液を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液により中和し、15Torr(=2kPa)にて、単蒸留操作を行った。81℃−82℃の留分を主留成分として分取した。この主留成分は、ガスクロマトグラフィーにより、純度99.9重量%(不純物1,2−オクタンジオール0.1重量%含有)の式(2a)で表される環状アセトンアセタール化合物(358g、1.92mol、収率85.2%)であった。
上記で得られた式(2a)で表される環状アセトンアセタール化合物140g(0.75mol)、α−ヒドロキシアセトン[式(5)]195g(2.63mol)を560gのクロロホルムに溶解させ、ここにp−トルエンスルホン酸3.6g(0.02mol)を30℃以下の温度で加えた。この混合液をエバポレーターにて、バス温30℃、圧力100〜150mmHg(=13.3〜20kPa)にて減圧濃縮し、アセトン、クロロホルムをを留去させた。留去後の残渣をガスクロマトグラフィーに付したところ、式(2a)で表される環状アセトンアセタール化合物の転化率は99%以上であり、式(3a)で表される環状ヒドロキシアセトンアセタール化合物と1,2−オクタンジオールが前者:後者=99.4:0.6の割合(重量比)で存在していた。これを飽和炭酸水素ナトリウム水溶液により中和後、n−ヘキサンにより抽出し、n−ヘキサンを減圧留去後、単蒸留を行うことで、10Torr(=1.33kPa)、131℃−132℃の留分を主留成分として得た[125g、式(3a)の化合物の純度99%以上、0.62mol、収率83.0%)。ガスクロマトグラフィーにより、式(3a)で表される環状ヒドロキシアセトンアセタール化合物と1,2−オクタンジオールが前者:後者=99.4:0.6の割合(重量比)で存在していることを確認した。
比較例1
1,2−オクタンジオール[式(1a)]148g(1.01mol)、α−ヒドロキシアセトン89g(1.21mol)をジクロロメタン385gに溶解させ、窒素雰囲気下、30℃以下にて、p−トルエンスルホン酸1水和物4.8g(0.025mol)、及び無水硫酸マグネシウム(MgSO4)12.2g(1.01mol)を少しずつ添加した。そのまま30℃以下にて4時間撹拌した。反応液をガスクロマトグラフィーに付したところ、前記式(3a)で表される環状ヒドロキシアセトンアセタール化合物の1,2−オクタンジオール基準での選択率は99%以上であり、式(3a)で表される環状アセトンアセタール化合物と原料1,2−オクタンジオールが前者:後者=97.5:2.5の割合(重量比)で存在していた。
1,2−オクタンジオール[式(1a)]148g(1.01mol)、α−ヒドロキシアセトン89g(1.21mol)をジクロロメタン385gに溶解させ、窒素雰囲気下、30℃以下にて、p−トルエンスルホン酸1水和物4.8g(0.025mol)、及び無水硫酸マグネシウム(MgSO4)12.2g(1.01mol)を少しずつ添加した。そのまま30℃以下にて4時間撹拌した。反応液をガスクロマトグラフィーに付したところ、前記式(3a)で表される環状ヒドロキシアセトンアセタール化合物の1,2−オクタンジオール基準での選択率は99%以上であり、式(3a)で表される環状アセトンアセタール化合物と原料1,2−オクタンジオールが前者:後者=97.5:2.5の割合(重量比)で存在していた。
比較例2
1,2−オクタンジオール[式(1a)]148g(1.01mol)、α−ヒドロキシアセトン374g(5.06mol)をジクロロメタン385gに溶解させ、窒素雰囲気下、30℃以下にて、p−トルエンスルホン酸1水和物4.8g(0.025mol)、及び無水硫酸マグネシウム(MgSO4)12.2g(1.01mol)を少しずつ添加した。そのまま30℃以下にて4時間撹拌した。反応液をガスクロマトグラフィーに付したところ、前記式(3a)で表される環状ヒドロキシアセトンアセタール化合物の1,2−オクタンジオール基準での選択率は99%以上であり、式(3a)で表される環状アセトンアセタール化合物と原料1,2−オクタンジオールが前者:後者=98.0:2.0の割合(重量比)で存在していた。
1,2−オクタンジオール[式(1a)]148g(1.01mol)、α−ヒドロキシアセトン374g(5.06mol)をジクロロメタン385gに溶解させ、窒素雰囲気下、30℃以下にて、p−トルエンスルホン酸1水和物4.8g(0.025mol)、及び無水硫酸マグネシウム(MgSO4)12.2g(1.01mol)を少しずつ添加した。そのまま30℃以下にて4時間撹拌した。反応液をガスクロマトグラフィーに付したところ、前記式(3a)で表される環状ヒドロキシアセトンアセタール化合物の1,2−オクタンジオール基準での選択率は99%以上であり、式(3a)で表される環状アセトンアセタール化合物と原料1,2−オクタンジオールが前者:後者=98.0:2.0の割合(重量比)で存在していた。
比較例3
1,2−オクタンジオール[式(1a)]148g(1.01mol)、α−ヒドロキシアセトン374g(5.06mol)をジクロロメタン385gに溶解させ、窒素雰囲気下、30℃以下にて、p−トルエンスルホン酸1水和物4.8g(0.025mol)、及び無水硫酸マグネシウム(MgSO4)36.5g(3.03mol)を少しずつ添加した。そのまま30℃以下にて4時間撹拌した。反応液をガスクロマトグラフィーに付したところ、前記式(3a)で表される環状ヒドロキシアセトンアセタール化合物の1,2−オクタンジオール基準での選択率は99%以上であり、式(3a)で表される環状ヒドロキシアセトンアセタール化合物と原料1,2−オクタンジオールが前者:後者=98.1:1.9の割合(重量比)で存在していた。
1,2−オクタンジオール[式(1a)]148g(1.01mol)、α−ヒドロキシアセトン374g(5.06mol)をジクロロメタン385gに溶解させ、窒素雰囲気下、30℃以下にて、p−トルエンスルホン酸1水和物4.8g(0.025mol)、及び無水硫酸マグネシウム(MgSO4)36.5g(3.03mol)を少しずつ添加した。そのまま30℃以下にて4時間撹拌した。反応液をガスクロマトグラフィーに付したところ、前記式(3a)で表される環状ヒドロキシアセトンアセタール化合物の1,2−オクタンジオール基準での選択率は99%以上であり、式(3a)で表される環状ヒドロキシアセトンアセタール化合物と原料1,2−オクタンジオールが前者:後者=98.1:1.9の割合(重量比)で存在していた。
上記比較例1〜3の結果より、1,2−オクタンジオールに対するα−ヒドロキシアセトン、無水硫酸マグネシウムの比率を増加させることで平衡を生成物(環状ヒドロキシアセトンアセタール化合物)側に移動させられるが、環状ヒドロキシアセトンアセタール化合物の割合を99%以上にすることは非常に難しいことを確認した。
比較例4
比較例2で得られた反応液[式(3a)で表される環状ヒドロキシアセトンアセタール化合物:原料1,2−オクタンジオール(重量比)=98.0:2.0]を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液により中和した後、単蒸留による環状ヒドロキシアセトンアセタール化合物と1,2−オクタンジオールとの分離を試みた。10Torr(=1.33kPa)の減圧下、131℃−135℃の留分を主留成分として分取した。この主留成分をガスクロマトグラフィーに付したところ、式(3a)で表される環状ヒドロキシアセトンアセタール化合物と1,2−オクタンジオールが前者:後者=98.0:2.0の割合(重量比)で存在しており、この比率は反応終了時と同じであった。これにより、式(3a)で表される環状ヒドロキシアセトンアセタール化合物と1,2−オクタンジオールの分離は蒸留操作では困難であることが確認された。
比較例2で得られた反応液[式(3a)で表される環状ヒドロキシアセトンアセタール化合物:原料1,2−オクタンジオール(重量比)=98.0:2.0]を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液により中和した後、単蒸留による環状ヒドロキシアセトンアセタール化合物と1,2−オクタンジオールとの分離を試みた。10Torr(=1.33kPa)の減圧下、131℃−135℃の留分を主留成分として分取した。この主留成分をガスクロマトグラフィーに付したところ、式(3a)で表される環状ヒドロキシアセトンアセタール化合物と1,2−オクタンジオールが前者:後者=98.0:2.0の割合(重量比)で存在しており、この比率は反応終了時と同じであった。これにより、式(3a)で表される環状ヒドロキシアセトンアセタール化合物と1,2−オクタンジオールの分離は蒸留操作では困難であることが確認された。
比較例5
1,2−ヘキサンジオールとα−ヒドロキシアセトンから比較例2と同様のアセタール化反応により得られた反応液[対応する環状ヒドロキシアセトンアセタール化合物:原料1,2−ヘキサンジオール(重量比)=98.0:2.0]について、単蒸留による環状ヒドロキシアセトンアセタール化合物と1,2−ヘキサンジオールとの分離を試みた。8Torr(=1.06kPa)の減圧下、104℃−107℃の留分を主留成分として分取した。この主留成分をガスクロマトグラフィーに付したところ、対応する環状ヒドロキシアセトンアセタール化合物と1,2−ヘキサンジオールが前者:後者=98.0:2.0の割合(重量比)で存在しており、この比率は反応終了時と同じであった。これにより、対応する環状ヒドロキシアセトンアセタール化合物と1,2−ヘキサンジオールの分離は蒸留操作では困難であることが確認された。
1,2−ヘキサンジオールとα−ヒドロキシアセトンから比較例2と同様のアセタール化反応により得られた反応液[対応する環状ヒドロキシアセトンアセタール化合物:原料1,2−ヘキサンジオール(重量比)=98.0:2.0]について、単蒸留による環状ヒドロキシアセトンアセタール化合物と1,2−ヘキサンジオールとの分離を試みた。8Torr(=1.06kPa)の減圧下、104℃−107℃の留分を主留成分として分取した。この主留成分をガスクロマトグラフィーに付したところ、対応する環状ヒドロキシアセトンアセタール化合物と1,2−ヘキサンジオールが前者:後者=98.0:2.0の割合(重量比)で存在しており、この比率は反応終了時と同じであった。これにより、対応する環状ヒドロキシアセトンアセタール化合物と1,2−ヘキサンジオールの分離は蒸留操作では困難であることが確認された。
比較例6
1,2−ブタンジオールとα−ヒドロキシアセトンから比較例2と同様のアセタール化反応により得られた反応液[対応する環状ヒドロキシアセトンアセタール化合物:原料1,2−ブタンジオール(重量比)=98.0:2.0]について、単蒸留による環状ヒドロキシアセトンアセタール化合物と1,2−ブタンジオールとの分離を試みた。10Torr(=1.33kPa)の減圧下、92℃−95℃の留分を主留成分として分取した。この主留成分をガスクロマトグラフィーに付したところ、対応する環状ヒドロキシアセトンアセタール化合物と1,2−ブタンジオールが前者:後者=98.0:2.0の割合(重量比)で存在しており、この比率は反応終了時と同じであった。これにより、対応する環状ヒドロキシアセトンアセタール化合物と1,2−ブタンジオールの分離は蒸留操作では困難であることが確認された。
1,2−ブタンジオールとα−ヒドロキシアセトンから比較例2と同様のアセタール化反応により得られた反応液[対応する環状ヒドロキシアセトンアセタール化合物:原料1,2−ブタンジオール(重量比)=98.0:2.0]について、単蒸留による環状ヒドロキシアセトンアセタール化合物と1,2−ブタンジオールとの分離を試みた。10Torr(=1.33kPa)の減圧下、92℃−95℃の留分を主留成分として分取した。この主留成分をガスクロマトグラフィーに付したところ、対応する環状ヒドロキシアセトンアセタール化合物と1,2−ブタンジオールが前者:後者=98.0:2.0の割合(重量比)で存在しており、この比率は反応終了時と同じであった。これにより、対応する環状ヒドロキシアセトンアセタール化合物と1,2−ブタンジオールの分離は蒸留操作では困難であることが確認された。
Claims (4)
- 式(1)で表されるアルカン隣接ジオールが、Fedorsによる溶解度パラメーターが27.2MPa1/2以下の化合物である請求項1記載の環状ヒドロキシアセトンアセタール化合物の製造法。
- 式(1)中のR1が炭素数5〜20のアルキル基である請求項1記載の環状ヒドロキシアセトンアセタール化合物の製造法。
- 式(2)で表される環状アセトンアセタール化合物として、不純物としての式(1)で表されるアルカン隣接ジオール含有量が1重量%以下のものを用いる請求項1〜3の何れかの項に記載の環状ヒドロキシアセトンアセタール化合物の製造法。
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JP2006302748A JP2008120691A (ja) | 2006-11-08 | 2006-11-08 | 環状ヒドロキシアセトンアセタール化合物の製造法 |
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JP2012126888A (ja) * | 2010-11-25 | 2012-07-05 | Daicel Corp | 環状アセタール化合物を含む接着剤 |
-
2006
- 2006-11-08 JP JP2006302748A patent/JP2008120691A/ja active Pending
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