JP2008111493A - 真空容器 - Google Patents

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章浩 野末
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Abstract

【課題】高い断熱性能を有し、特に容器形状を有し、高ガスバリア性を有し、異型性に優れ、信頼性が高い真空容器を提供する。
【解決手段】真空容器1は、少なくとも外箱3と内箱4とからなる箱体で、外箱3と内箱4の間の断熱空間5に芯材6を設け、断熱空間5を減圧することで真空二重壁構造を有する真空容器1であって、少なくとも前記箱体が樹脂材料に高ガスバリア性材料(金属フィルム2)をインモールド成形し、複層化された構成を有する。樹脂材料に高ガスバリア性材料をインモールド成形することで、高性能、高断熱性能、高異型性の真空容器1を実現可能とし、また、インモールド成型品のクラーク剛度や平滑度を最適化し、エア溜りやシワが少ない良好かつ高ガスバリア性を有する真空容器1を提供することができる。
【選択図】図1

Description

本発明は、断熱を必要とするもの、例えば冷蔵庫、保温保冷容器、自動販売機、電気湯沸かし器、車両住宅等の断熱体として使用可能な真空容器に関するものである。
近年、地球環境問題である温暖化を防止することの重要性から、省エネルギー化が望まれており、民生用機器に対しても省エネルギーの推進が行われている。
冷蔵庫などでは熱の進入を遮断し、冷凍システムの稼働率を下げることで、省エネルギーに寄与し、自動車のエンジンの循環系に組み込まれる保温貯液容器では、昇温冷却水を保温し、有効活用することで、エンジン動作初期からの燃焼効率を確保できる。以上のような観点から、断熱箱体の断熱性能向上が求められている。
空気が介在して熱伝導が行われる場合、断熱性能に影響を及ぼす物性として気体の平均自由行程がある。
気体の平均自由行程とは、空気を構成する分子の一つが別の分子と衝突するまでに進む距離のことであり、平均自由行程よりも形成されている空隙が大きい場合は空隙内において分子同士が衝突し、気体による熱伝導が生じるため、熱伝導率は大きくなる。
真空断熱体の断熱原理は、熱を伝える空気をできる限り排除し、気体による熱伝導を低減することである。一方、平均自由行程よりも空隙が小さい場合は、熱伝導率は小さくなる。これは空気の衝突による熱伝導がほとんどなくなるためである。
このような課題を解決する一手段として、空間を保持する芯材と、空間と外気を遮断する外被材によって構成される真空断熱体がある。その芯材として、一般に、粉体材料、繊維材料、連通化した発泡体などが用いられているが、近年では、真空断熱体への要求が多岐にわたってきており、一層高性能な真空断熱体が求められている。真空断熱体は、主として真空断熱パネルとしての用途が多いが、形態の多様化により、容器状の真空断熱材である真空容器も求められている。
例えば、軽量化のため食器やコップなどの保温に用いられる樹脂製の真空二重容器の断熱構造においては、ガスバリア性を高めるために、内部空間に接する面に電気メッキや無電解メッキ、蒸着により、金属被膜を形成している。また、形状自由度を出すためにブロー成形やインジェクション成形を行い、内箱と外箱を溶着後、メッキを行っている(特許文献1参照)。
また、真空断熱部材の作製方法で、耐熱性のポリフェニレンオキサイド樹脂のブロー成形において、押し出し成形機により円筒状パリソンを形成し、このパリソンの内側にアルミフィルムをダイス内にセットし、押し出し動作とともにパリソン内側にアルミフィルムを内接させ、金型で挟むことで中空パネルを形成し、その後、構造材としてパーライト等の粉末を注入し、減圧することで真空断熱部材を形成している(特許文献2参照)。
特開平6−113963号公報 特許第2966503号公報
しかしながら、上記特許文献1の構成では、成形性、重量、ガスバリア性に問題はないが、成形後、蒸着膜を形成するため、工数が増え、生産性が悪くなる。また複雑な形状の場合、蒸着膜を形成できない部位も生じるため形状上の制限がある。
電解メッキにおいても、樹脂は電気伝導性がないため、導電性を付与するする必要があり、工数が増え、やはり生産性が悪い。また、無電解メッキにおいては、工程が増えるとともに、還元剤にホルムアルデヒド等の環境負荷物質を用いる問題がある。さらに電解メッキ法、無電解メッキ法ともに液体中で行うため、メッキ膜作製後、洗浄および乾燥工程が必要になり、乾燥が不十分だと真空度が悪化し、断熱性能も悪化する。さらに、樹脂材は金属材に比べ強度が低く、減圧すると、大気による圧縮力が加わり、樹脂材にクラックや変形が生じる問題がある。
また、内部にXe等の不活性低熱伝導ガスを封入する手法もあるが、真空に比し、気体熱伝導率が上昇し、断熱性能は劣る。また、樹脂材の厚さを厚くすることで、強度を向上させることはできるが、厚さが増すため、ヒートリーク量が増えるとともに、材料コストも高く、さらに、壁材のスペースが増えるため、容積効率が悪くなる。
また、特許文献2の構成では、アルミフィルムを押し出しとともに設置しているが、シワ発生したり、アルミフィルムと樹脂の間に空気が入り、エア溜りが残りやすい。エア溜りがあると、その部分のアルミフィルムは破損しやすく、ガスバリア性が低下する恐れがある。
さらに、パリソンの状態で樹脂材料とアルミフィルムが複層化するため、その後のブロー成形において、アルミフィルムと樹脂材料の伸び率が異なるため、アルミフィルムが破袋する恐れがあり、樹脂材料も破袋する可能性がある。また、破袋により、エア溜りの空気が真空断熱部材の内部への侵入もある。また、破袋がなかったとしても、異型性の大きな成形をすることは困難である。
本発明の目的は、高い断熱性能を有する真空断熱体であり、特に容器形状を有する真空容器であって、高ガスバリア性を有し、異型性に優れ、信頼性が高い真空容器を提供することである。
上記目的を達成するために、本発明の真空容器は、少なくとも外箱と内箱とからなる箱体で、前記外箱と前記内箱の間の空間に芯材を設け、前記空間を減圧することで真空二重壁構造を有する真空容器であって、少なくとも前記箱体が樹脂材料に高ガスバリア性材料をインモールド成形し、複層化された構成を有することを特徴とするものである。
真空容器は、高断熱特性を必要とする。そのため、外箱と内箱の二重壁構造の中空空間雰囲気は、減圧あるいは真空状態になっている。従って、中空空間の減圧あるいは真空状態を維持するために、ほとんど外部の気体を通さない高ガスバリア性の材料で構成する必要がある。
また、真空容器を構成する材料自体の熱伝導率が高いと、中空空間を伝わる熱伝導が低くても、容器を伝わる熱伝導が大きくなる。そのため、熱伝導率が比較的低い樹脂材料で構成することで高断熱性能が得られる。
さらに、樹脂材料であれば、成形性に富み、複雑な形状の真空容器を形成することが可能となる。また、インモールド成形とするため、成形と同時に複層化されることから、樹脂材料と高ガスバリア性材料の伸び率が異なっても、異型性の高い成形を行うことができる。
また、本発明の真空容器は、さらに、高ガスバリア性材料のクラーク剛度が5以上500以下であることを特徴とするものである。ここでクラーク剛度とは、曲折に対する抵抗性であり、こわさとも呼ばれ、理論的には、この性質は厚さの3乗に比例し、弾性係数に比例し、JIS P−8143にしたがって測定するものである。
インモールド成形において、被覆材料を金型に設置する際、クラーク剛度が5より低いと、シワが入りやすく、折れ曲がったりする。また、クラーク剛度が500より高いと、凹凸や湾曲部において、浮き上がりが起こり、密着性の高い成形や位置ずれが起こりやすくなる。
また、本発明の真空容器は、さらに、高ガスバリア性材料の平滑度が、10秒以上3000秒以下であることを特徴とするものである。ここで、平滑度とは、表面の滑らかさを示す尺度で、JIS P−8119にしたがって測定するものである。平滑度が10秒以下であると、隙間が多くなり、密着性が劣る。また、平滑度が3000秒を超えると、空気が逃れにくくなり、インモールド成形時に樹脂材料と高ガスバリア性材料との接着面に空気溜りが発生しやすくなるためである。
また、本発明の真空容器は、さらに、高ガスバリア性材料の全層の厚さが、500μm以下であることを特徴とするものである。全層の厚さが500μmを超えると、インモールド成形された成形物の変形が大きくなる。
本発明の真空容器は、樹脂材料に高ガスバリア性材料をインモールド成形することで、高性能、高断熱性能、高異型性の真空容器を実現可能とし、また、インモールド成型品のクラーク剛度や平滑度を最適化し、エア溜りやシワが少ない良好かつ高ガスバリア性を有する真空容器を提供することができる。
本発明の請求項1に記載の真空容器の発明は、少なくとも外箱と内箱とからなる箱体で、前記外箱と前記内箱の間の空間に芯材を設け、前記空間を減圧することで真空二重壁構造を有する真空容器であって、少なくとも前記箱体が樹脂材料に高ガスバリア性材料をインモールド成形し、複層化された構成を有することを特徴とするものである。
これにより、前記空間の真空状態を維持するための高ガスバリア性材料で構成され、真空容器を構成する材料の熱伝導率が比較的低い樹脂材料で構成することで、容器を伝わるヒートリークを抑制し、高断熱性能が得られる。
さらに、樹脂材料であれば、成形性に富み、複雑な形状の真空容器を形成することが可能となる。また、インモールド成形とするため、成形と同時に複層化されることから、樹脂材料と高ガスバリア性材料の伸び率が異なっても、異型性の高い成形を行うことができる。
また、芯材は材料系を特に限定するものではなく、有機あるいは無機繊維、粉末、粉末を固形化したもの、発泡樹脂など、特に限定するものではない。
例えば繊維を用いた芯材では、グラスウール、グラスファイバー、アルミナ繊維、シリカアルミナ繊維、シリカ繊維、ロックウール、炭化ケイ素繊維等の無機繊維、あるいは木綿等の天然繊維、ポリエステル、ナイロン等の合成繊維等の有機繊維など、公知の材料を使用することができる。
繊維を使用するには、繊維を圧縮もしくは加熱圧縮、水やバインダーを用いての圧縮もしくは加熱圧縮、ニードリング、スパンレース、抄造等の方法がある。
一方、粉末を用いた芯材ではシリカ、パーライト、カーボンブラック等の無機粉末、あるいは合成樹脂粉末等の有機粉末、あるいはそれらの混合物などを、粉末そのままで充填、あるいは通気性のある袋に充填して用いる、あるいは繊維バインダーあるいは無機や有機の液状バインダーにて固形化する等の方法がある。
また、発泡樹脂ではウレタンフォーム、フェノールフォーム、スチレンフォーム等を使用することができる。
また、真空を維持するために、吸着材を用いても構わない。その吸着機構は、物理吸着、化学吸着、および吸蔵、収着等のいずれでもよいが、非蒸発型ゲッターとして作用する物質が良好である。
具体的には、合成ゼオライト、活性炭、活性アルミナ、シリカゲル、ドーソナイト、ハイドロタルサイト等の物理吸着剤である。
化学吸着剤としては、アルカリ金属やアルカリ土類金属の酸化物や、アルカリ金属やアルカリ土類金属の水酸化物等が利用でき、特に、酸化リチウム、水酸化リチウム、酸化カルシウム、水酸化カルシウム、酸化マグネシウム、水酸化マグネシウム、酸化バリウム、水酸化バリウムが効果的に作用する。
また、硫酸カルシウム、硫酸マグネシウム、硫酸ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、塩化カルシウム、炭酸リチウム、不飽和脂肪酸、鉄化合物等も効果的に作用する。
また、バリウム、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、チタン、ジルコニウム、バナジウム等の物質を単独、もしくは合金化したゲッター物質を適用するのがより効果的である。
さらには、このような前記ゲッター物質を少なくとも窒素、酸素、水分、二酸化炭素を吸着除去するため、種々混合して適用することも可能である。
さらに好ましくは常温にて吸着することが望ましい。また、気体吸着材を複数種類用いてもよい。
また、気体吸着材は、粉末あるいは成形体として使用することができるが、特に指定するものではない。また、成形した気体吸着材とは、圧縮成型、錠剤化、ペレット化等の形態で使用することも可能であり、あるいは別容器に粉体を入れその容器中の粉末を圧縮したもの等が考えられ、さらに気体吸着材を別の気体吸着材で覆っていてもよい。
また、気体吸着材の使用方法については、真空容器の中空部分に芯材と気体吸着材を収容した容器を通気可能にした状態で真空容器中を真空排気し、その後、真空容器を密閉化することにより真空断熱空間を作りだし気体吸着材にて断熱体中の真空度を維持すること、あるいは真空容器の中空部分を工業的に到達容易な程度の真空排気をし、その後、真空容器を密閉化し、その際に残存する真空容器の中空部分の気体を気体吸着材で吸着することにより、二段減圧のような働きをすること、あるいは気体吸着材は別容器に密閉しておき、真空容器の中空部分を所定圧に真空排気後、気体吸着材を何らかの方法で真空容器の中空部分と通じることを可能とすることにより、気体吸着材をより高活性に保ったまま二段減圧のような働きをさせることも可能であるが、使用方法については特に指定するものではない。
また、気体吸着材の配設箇所についても、一箇所、またさらに生産効率を向上させるために複数箇所に配設してもかまわない。また、リサイクル時等の解体時には、気体吸着材を取り外すことも可能である。
また、インモールド成型方法も限定するものではないが、ブロー成形、射出成型、真空成型、圧空成型が最も一般的で、簡便に成型しやすく、いずれの成型方法でも構わない。また、ブロー成形は容器上の形状を、射出成形は精密な形状の成形を、真空成型、圧空成型は大型品の成形コストが安いといったそれぞれの特長があるため、これらの成型方法を組み合わせても構わない。
本発明の請求項2に記載の真空容器の発明は、請求項1に記載の発明における前記高ガスバリア性材料が、少なくとも金属材料からなることを特徴とするものである。
金属材料は気体を非常に通しにくいため、高ガスバリア性材料として適している。金属材料を含む材料、例えばアルミ箔等の金属箔や、金属箔と樹脂材料をシート状に複層化したラミネートフィルムが適しているが形状や、金属の使用量を制限するものではない。また、金属種も限定するものではないが、汎用的な金属箔としてアルミニウム、鉄、銅、ステンレスが好ましい。また、金属は蒸着膜やメッキ膜でもよく、形状もシート状である必要はなく、スライス状、チップ状、短冊状等であっても構わない。また、複数個用いても構わない。
また、ラミネートフィルムの複層化する樹脂材料についても特に限定するものではないが、ポリエチレン、ポリエチレンテレフタラート、ポリプロピレン、ナイロン、エチレン−ビニルアルコール共重合体が良く用いられ、また、単層である必要はなく、複層の方が耐久性の面から好ましい。
本発明の請求項3に記載の真空容器の発明は、請求項1に記載の発明における前記高ガスバリア性材料が、少なくとも高ガスバリア性樹脂からなることを特徴とするものである。
高ガスバリア性樹脂は、同じ厚さの金属材料には劣るものの、非常に高いガスバリア性を有し、かつ、金属材料にはない異型性があり、成形性に優れる。
また、高ガスバリア性樹脂とは、例えばエチレン−ビニルアルコール共重合体、ポリアクリロニトリル、ポリアミド6、ポリアミド11、ポリアミド12、ポリブチレンテレフタレート、ポリブチレンナフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリフッ化ビニリデン、ポリ塩化ビニリデン、エチレン−テトラフルオロエチレン共重合体、ポリテトラフルオロエチレン、ポリフェニレンフルフィド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリイミド、ポリアクリル酸系樹脂があり、これらの群から少なくとも一つを用いること、あるいは、複数個組み合わせることで、高ガスバリア性で、成形性が高い真空容器を提供できる。
本発明の請求項4に記載の真空容器の発明は、請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の発明における前記高ガスバリア性材料のクラーク剛度が、5以上500以下であることを特徴とするものである。
ここでクラーク剛度とは、曲折に対する抵抗性であり、こわさとも呼ばれ、理論的には、この性質は厚さの3乗に比例し、弾性係数に比例し、JIS P−8143にしたがって測定するものである。
インモールド成形において、被覆材料を金型に設置する際、クラーク剛度が5より低いと、シワが入りやすく、折れ曲がったりする。また、クラーク剛度が500より高いと、凹凸や湾曲部において、浮き上がりが起こり、密着性の高い成形や位置ずれが起こりやすくなる。
本発明の請求項5に記載の真空容器の発明は、請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の発明における前記高ガスバリア性材料の平滑度が、10秒以上3000秒以下であることを特徴とするものである。
ここで、平滑度とは、表面の滑らかさを示す尺度で、JIS P−8119にしたがって測定するものである。平滑度が10秒以下であると、隙間が多くなり、密着性が劣る。また、平滑度が3000秒を超えると、空気が逃れにくくなり、インモールド成形時に樹脂材料と高ガスバリア性材料との接着面に空気溜りが発生しやすくなるためである。
本発明の請求項6に記載の真空容器の発明は、請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の発明における前記高ガスバリア性材料の全層の厚さが、500μm以下であることを特徴とするものである。
全層の厚さが500μmを超えると、凹凸による差異、収縮率の差等によりインモールド成形された成形物の変形が大きくなるため、全層の厚さが500μm以下にすることが好ましい。
本発明の請求項7に記載の真空容器の発明は、請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の発明における前記高ガスバリア性材料に穿孔を設けることを特徴とするものである。
前記高ガスバリア性材料に穿孔があることにより、樹脂材料と高ガスバリア性材料の間の空気が前記穿孔から排出されるため樹脂材料と高ガスバリア性材料の間のエア溜りは、さらに発生しにくくなり、エア溜り内の空気の侵入や、金属箔の膨れが破れたり、広がったりすることによるガスバリア性の低下を防ぎ、信頼性の高い真空容器を構成することができる。
さらに、穿孔の大きさ、数も成形条件や成形体の形状により異なるため、特に限定されるものではないが、穿孔の合計面積はできるだけ小さいほうが、ガスバリア性がより高く好ましい。また、穿孔の形状は特に指定するものではなく、円形や方形、線状でも問題はない。
本発明の請求項8に記載の真空容器の発明は、請求項1から請求項7のいずれか一項に記載の発明における前記樹脂材料に、FRP成形材料を含むことを特徴とするものである。
樹脂材料にFRP(Fiber Reineforced Plastic)樹脂を用いることで、減圧時に容器の変形が小さくなるとともに、耐衝撃性が向上し、耐久性に優れる真空容器を提供することができる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、この実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
(実施の形態1)
図1は本発明の実施の形態1における真空容器の縦断面図であり、図2(a)(b)は同実施の形態1における真空容器の筐体製造略図である。
図1を用いて本実施の形態1における真空容器の構成について説明する。
中空二重壁構造を有する真空容器1は、金属フィルム2を外箱3と内箱4の表面にインモールド成形されている。中空部は断熱空間5であり、内部は構造体である芯材6が充填されている。芯材6は注入口7から注入され、注入後、排気口8から断熱空間5を減圧し、減圧後注入口7、排気口8を封止することで真空断熱構造となる。断熱空間5にはあらかじめ、外部から侵入する空気や内部に吸着した空気等を吸着する気体吸着材9と、水分吸着材10を設置しておく。
次に、図2を用いて、本実施の形態1における真空容器の筐体製造について説明する。図1と同じ構成の部品については詳細な説明は省略する。
図2(a)では押し出し機11から樹脂材料を押し出し、ダイス12から円筒状樹脂のパリソン13を押し出す。金型14の表面に金属フィルム2を設置し、パリソン13を挟みこむように金型14を挟みこむ。
図2(b)のように、金型を挟みこんだ後、エア吹き込み口15からエアを吹き込み、成形し、それと同時に金属フィルム2が熱溶着し、インモールド成形される。
本実施の形態1では高ガスバリア性材料に金属フィルムを用いたが、金属フィルムはその種類を限定するものではなく、例えばアルミ箔等の金属箔や、金属箔と樹脂材料をシート状に複層化したラミネートフィルムが適しているが形状や、金属の使用量を制限するものではない。また、金属種も限定するものではないが、汎用的な金属箔としてアルミニウム、鉄、銅、ステンレスが好ましい。
また、金属は蒸着膜やメッキ膜でもよく、形状もシート状である必要はなく、スライス状、チップ状、短冊状等であっても構わない。また、複数個用いても構わない。
また、金属フィルムといっても、全面金属フィルムで覆われている必要はなく、金属によりガスバリア性が向上していればよい。好ましくは、金属箔の被覆面積は大きい方が良い。
また、ラミネートフィルムの複層化する樹脂材料についても特に限定するものではないが、ポリエチレン、ポリエチレンテレフタラート、ポリプロピレン、ナイロン、エチレン−ビニルアルコール共重合体が良く用いられ、また、単層である必要はなく、複層の方が耐久性の面から好ましい。
また、高ガスバリア性材料に、高ガスバリア性樹脂材料を用いてもよい。同じ厚さの金属材料には劣るものの、非常に高いガスバリア性を有し、かつ、金属材料にはない異型性があり、成形性に優れる。
また、高ガスバリア性樹脂とは、例えばエチレン−ビニルアルコール共重合体、ポリアクリロニトリル、ポリアミド6、ポリアミド11、ポリアミド12、ポリブチレンテレフタレート、ポリブチレンナフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリフッ化ビニリデン、ポリ塩化ビニリデン、エチレン−テトラフルオロエチレン共重合体、ポリテトラフルオロエチレン、ポリフェニレンフルフィド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリイミド、ポリアクリル酸系樹脂があり、これらの群から少なくとも一つを用いること、あるいは、複数個組み合わせることで、高ガスバリア性で、成形性が高い真空容器を提供できる。
ガスバリア性材料は、空気透過速度が10[cm・10μm/m・day・atm]以下であり、好ましくは1[cm・10μm/m・day・atm]以下、より好ましくは0.1[cm・10μm/m・day・atm]以下であることが望ましい。空気透過速度が10[cm・10μm/m・day・atm]より大きくなると、外部からの空気浸入量が増大し、長期信頼性が劣る。
また、中空二重壁構造にするために、本実施の形態1ではブロー成形により形成したが、これに限定されるものではない。例えば、射出成形、真空成形、圧空成形等でインモールド成形したものを熱溶着や接着材等で接合し、中空構造にしても問題はない。また、これらの成形方法を組み合わせても良い。
また、中空二重壁の真空容器を複数個、組合せたり、接合することで、別形状の真空容器とすることも可能である。
また、芯材は材料系を特に限定するものではなく、有機あるいは無機繊維、粉末、粉末を固形化したもの、発泡樹脂など、特に限定するものではない。
例えば繊維を用いた芯材では、グラスウール、グラスファイバー、アルミナ繊維、シリカアルミナ繊維、シリカ繊維、ロックウール、炭化ケイ素繊維等の無機繊維、あるいは木綿等の天然繊維、ポリエステル、ナイロン等の合成繊維等の有機繊維など、公知の材料を使用することができる。
繊維を使用するには、繊維を圧縮もしくは加熱圧縮、水やバインダーを用いての圧縮もしくは加熱圧縮、ニードリング、スパンレース、抄造等の方法がある。
一方、粉末を用いた芯材ではシリカ、パーライト、カーボンブラック等の無機粉末、あるいは合成樹脂粉末等の有機粉末、あるいはそれらの混合物などを、粉末そのままで充填、あるいは通気性のある袋に充填して用いる、あるいは繊維バインダーあるいは無機や有機の液状バインダーにて固形化する等の方法がある。
また、発泡樹脂ではウレタンフォーム、フェノールフォーム、スチレンフォーム等を使用することができる。
また、芯材を封入する手法においても、封入口から封入する工法に限定するものではない。例えば、エア吹き込み口から芯材を封入してもかまわないし、封入口と排気口を一つにしても構わないし、反対に複数個つけても問題はない。
また、グラスウールのように封入口から封入するのが困難な芯材は、真空容器を内箱と外箱に分離し、固形化した芯材を封入しても良いし、また、ツインコンポジット成形のように、シートブロー成形で芯材を封入しても問題はない。
また、芯材は構造材としての役割もあるため、体積変化率が50%以内であることが好ましい。芯材の体積変化率とは、例えばラミネートフィルムの袋等のガスバリア性が高い袋に芯材を封入し、減圧することにより大気圧縮され減少した芯材体積が、減圧する前の芯材体積に対して減少した芯材体積の変化率のことである。減圧による大気圧縮によって箱体が圧縮されても、芯材の体積変化が小さいため、箱体の変形も抑制でき、変形およびクラックの抑制といった信頼性を向上させることができる。
また、気体吸着材や水分吸着材もその材料種を限定するものではない。その吸着機構は、物理吸着、化学吸着、および吸蔵、収着等のいずれでもよいが、非蒸発型ゲッターとして作用する物質が良好である。
具体的には、合成ゼオライト、活性炭、活性アルミナ、シリカゲル、ドーソナイト、ハイドロタルサイト等の物理吸着剤である。
化学吸着剤としては、アルカリ金属やアルカリ土類金属の酸化物や、アルカリ金属やアルカリ土類金属の水酸化物等が利用でき、特に、酸化リチウム、水酸化リチウム、酸化カルシウム、水酸化カルシウム、酸化マグネシウム、水酸化マグネシウム、酸化バリウム、水酸化バリウムが効果的に作用する。
また、硫酸カルシウム、硫酸マグネシウム、硫酸ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、塩化カルシウム、炭酸リチウム、不飽和脂肪酸、鉄化合物等も効果的に作用する。
また、バリウム、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、チタン、ジルコニウム、バナジウム等の物質を単独、もしくは合金化したゲッター物質を適用するのがより効果的である。
さらには、このような前記ゲッター物質を少なくとも窒素、酸素、水分、二酸化炭素を吸着除去するため、種々混合して適用することも可能である。
さらに好ましくは常温にて吸着することが望ましい。また、気体吸着材を複数種類用いてもよい。
また、気体吸着材は粉末あるいは成形体として使用することができるが、特に指定するものではない。また、成形した気体吸着材とは、圧縮成型、錠剤化、ペレット化等の形態で使用することも可能であり、あるいは別容器に粉体を入れその容器中の粉末を圧縮したもの等が考えられ、さらに気体吸着材を別の気体吸着材で覆っていてもよい。
また、気体吸着材の使用方法については、真空容器の中空部分に芯材と気体吸着材を収容した容器を通気可能にした状態で真空容器中を真空排気し、その後、真空容器を密閉化することにより真空断熱空間を作りだし気体吸着材にて断熱体中の真空度を維持すること、あるいは真空容器の中空部分を工業的に到達容易な程度の真空排気をし、その後、真空容器を密閉化し、その際に残存する真空容器の中空部分の気体を気体吸着材で吸着することにより、二段減圧のような働きをすること、あるいは気体吸着材は別容器に密閉しておき、真空容器の中空部分を所定圧に真空排気後、気体吸着材を何らかの方法で真空容器の中空部分と通じることを可能とすることにより、気体吸着材をより高活性に保ったまま二段減圧のような働きをさせることも可能であるが、使用方法については特に指定するものではない。
また、気体吸着材の配設箇所についても、一箇所、またさらに生産効率を向上させるために複数箇所に配設してもかまわない。また、リサイクル時等の解体時には、気体吸着材を取り外すことも可能である。
また、インモールド成形する高ガスバリア性材料のクラーク剛度が5以上500以下であることが望ましい。ここでクラーク剛度とは、曲折に対する抵抗性であり、こわさとも呼ばれ、理論的には、この性質は厚さの3乗に比例し、弾性係数に比例し、JIS P−8143にしたがって測定するものである。
インモールド成形において、被覆材料を金型に設置する際、クラーク剛度が5より低いと、シワが入りやすく、折れ曲がったりする。また、クラーク剛度が500より高いと、凹凸や湾曲部において、浮き上がりが起こり、密着性の高い成形や位置ずれが起こりやすくなる。
また、インモールド成形する高ガスバリア性材料の平滑度が3000秒以下であることが好ましい。ここで、平滑度とは、表面の滑らかさを示す尺度で、JIS P−8119にしたがって測定するものである。表面の滑らかさが悪いと、隙間が多くなり、空気が残りやすく、平滑度が3000秒を超えるとインモールド成形の時に樹脂材料と高ガスバリア性材料との接着面に空気溜りが発生しやすくなるため、平滑度を3000秒以下にする。
また、インモールド成形する高ガスバリア性材料の全層の厚さが500μm以下であることが好ましい。全層の厚さが500μmを超えると、凹凸による差異、収縮率の差等によりインモールド成形された成形物の変形が大きくなるため、全層の厚さが500μm以下にすることが好ましい。
また、インモールド成形する高ガスバリア性材料に穿孔を設けることが好ましい。高ガスバリア性材料に穿孔があることにより、樹脂材料と高ガスバリア性材料の間の空気が前記穿孔から排出されるため樹脂材料と高ガスバリア性材料の間のエア溜りは、さらに発生しにくくなり、エア溜り内の空気の侵入や、金属箔の膨れが破れたり、広がったりすることによるガスバリア性の低下を防ぎ、信頼性の高い真空容器を構成することができる。
さらに、穿孔の大きさ、数も成形条件や成形体の形状により異なるため、特に限定されるものではないが、穿孔の合計面積はできるだけ小さいほうが、ガスバリア性がより高く好ましい。また、穿孔の形状は特に指定するものではなく、円形や方形、線状でも問題はない。
また、真空容器の内箱や外箱を形成する樹脂材料にFRP成形材料を含むことが好ましい。樹脂材料にFRP樹脂を用いることで、減圧時に容器の変形が小さくなるとともに、耐衝撃性が向上し、耐久性に優れる真空容器を提供することができる。
高ガスバリア性材料の条件を変えた真空容器における外観及び断熱性能の評価結果を実施例1から実施例4に示す。
(実施例1)
芯材には、平均一次粒子径7nmの乾式シリカ84.5wt%と、平均粒子径42nmのカーボンブラック5.5wt%を混合した粉末、および繊維材料として平均繊維径7μmのグラスウール10wt%とを混合して成形したものである。
粉末をカッターミルで混合した後、さらに繊維材料を加えて混合した。このようにして作製した芯材を110℃の乾燥炉で1時間乾燥する。
内箱および外箱は厚さ0.5mmのポリプロピレン2枚で厚さ100μmのエチレン−ビニルアルコール共重合体(EVOH)を挟んだ構造からなる多層材料で、成形はブロー成形で行う。また、ポリプロピレンとEVOHは接合材(10μm)で接合されている。
そして、クラーク剛度が150であるナイロンとアルミニウム箔とポリプロピレンの複層材からなるアルミフィルム(総厚100μm)を、ブロー成形時に金型内面に設置しておき、成型と同時に内箱に一体化するインサート成型を行う。クラーク剛度が適正であり、シワのないインモールド成形が行えた。また、総厚も適正であり、成形後の変形も見られなかった。
筐体に注入口を取り付け、排気口から減圧しながら、中空部に芯材を封入する。
さらに気体吸着材と水分吸着材を挿入する。気体吸着材はゼオライトを、水分吸着材は酸化カルシウムを用いた。
所定の圧力である20Paまで減圧後、注入口および排気口を封止し、真空容器を得た。
(実施例2)
芯材、外被材、気体吸着材、水分吸着材は実施例1と同様のものを用い、工法も同様の方法で作製した。インモールド成形するシートは平滑度が300秒であるポリプロピレンの間にEVOHを挟んだ複層材(総厚60μm)からなる高ガスバリア性樹脂シートを用いた。
その結果、平滑度が適正値の為、エア溜りがほとんどないインモールド成形が行える。また、総厚も適正であり、成形後の変形も見られなかった。
(実施例3)
芯材、外被材、気体吸着材、水分吸着材は実施例1と同様のものを用い、工法も同様の方法で作製した。
インモールド成形するシートは平滑度が800秒であるナイロンとアルミニウム箔とポリプロピレンの複層材からなるアルミフィルム(総厚100μm)を用い、かつ、アルミニウム箔を含む複層材には20mm間隔で0.5mmφのパンチング穴を設けた。
その結果、平滑度が適正値であるとともに、パンチング穴から空気が逃げるため、エア溜りがないインモールド成形が行える。
(実施例4)
芯材、シート、気体吸着材、水分吸着材は実施例1と同様のものを用い、工法も同様の方法で作製した。
内箱および外箱は厚さ0.5mmのガラス繊維を含んだポリエステル製FRP樹脂からなる。そして、クラーク剛度が150であるナイロンとアルミニウム箔とポリプロピレンの複層材からなるアルミフィルム(総厚100μm)を、ブロー成形時に金型内面に設置しておき、成型と同時に内箱に一体化するインサート成型を行う。
クラーク剛度が適正であり、シワのないインモールド成形が行えた。また、総厚も適正であり、成形後の変形も見られなかった。また、本体がFRP樹脂で構成されており、耐衝撃性に優れる。
(実施の形態2)
図3は、本発明の実施の形態2における真空容器を用いた自動車の蓄熱式暖気装置を示す概略構成図である。
図3において蓄熱式暖気装置16は、冷却水回路17を通じて、エンジン18で温められた冷却水がラジエーター19で冷却され、再びエンジン18に戻る循環経路である。また、エンジン始動時の冷却水が温まってない場合は、サーモスタット20が全閉されており、冷却水は放熱作用のあるラジエーター19を介さず、バイパス流路21を通り循環し冷却水の昇温を早める。
また、自動車連続走行中、冷却水回路19の温まっている冷却水を、流量制御弁22を切り替え入口パイプ23から真空容器25に流入させ保温しておく。その後エンジン始動時に流動制御弁22を切り替え出口パイプ24から、冷却水回路に流出させ、冷却水に混合し冷却水の昇温を早める。従ってエンジン始動時の車の燃費を向上させることができる。
真空容器25は、本実施の形態1の工法で形成された真空容器を用いており、良好なインモールド成形を有し、高ガスバリア性、高保温性能を有している。
(実施の形態3)
図4は本発明の実施の形態3における冷蔵庫に適用した真空容器の縦断面図である。
冷蔵庫26は真空断熱箱体構造を有しており冷蔵庫内を構成する内箱27と外壁構成する外箱28とからなり、内箱27と外箱28の間には断熱層29が存在する。
また外箱28はPCM鋼板で構成され、内箱27はアルミニウムシートを差圧成型によりインモールド成形したABSとEVOHの複層樹脂材料とからなり、断熱層側にアルミニウムシートがある。
断熱層29の内部は芯材30が充填され、気体吸着材31と水分吸着材32を有している。また、33は排気口で、34は機械室で、35は圧縮機である。冷媒はイソブタンを使用している。
アルミニウムシートはクラーク剛度150、平滑度500秒で、総厚は100μmであり、20mm間隔で0.5mmφのパンチング穴を設けており、インモールド成形において、シワやエア溜りもない、良好で高ガスバリア性を有する真空容器を形成することができる。
また、外箱と内箱はエポキシ系樹脂にて接合を施している。
次に本発明の真空容器に対する比較例を示す。
(比較例1)
外被材、芯材、気体吸着材、水分吸着材は実施例1と同様のものを用い、真空容器の構成、工法もほぼ同じ真空容器を作製した。インモールド成形するシートはクラーク剛度が650であるナイロンとアルミニウム箔とポリプロピレンの複層材からなるアルミフィルム(総厚300μm)である。その結果、クラーク剛度が大きすぎる為、シワの多いインモールド成形となった。
(比較例2)
外被材、芯材、気体吸着材、水分吸着材は実施例1と同様のものを用い、真空容器の構成、工法もほぼ同じ真空容器を作製した。インモールド成形するシートは平滑度が4000秒であるナイロンとアルミニウム箔とポリプロピレンの複層材からなるアルミフィルム(総厚200μm)である。その結果、平滑度が大きすぎる為、エア溜りの多いインモールド成形となった。
(比較例3)
外被材、芯材、気体吸着材、水分吸着材は実施例1と同様のものを用い、真空容器の構成、工法もほぼ同じ真空容器を作製した。インモールド成形するシートはナイロンとアルミニウム箔とポリプロピレンの複層材からなるアルミフィルム(総厚600μm)である。その結果、成形後、成型品の変形が大きいインモールド成形となった。
以上のように、本発明にかかる真空容器は、樹脂材料に高ガスバリア性材料をインモールド成形することで、高性能、高断熱性能、高異型性の真空容器を実現可能とし、また、インモールド成型品のクラーク剛度や平滑度を最適化し、エア溜りやシワが少ない良好かつ高ガスバリア性を有する真空容器を提供することができるものであり、自動車用の蓄熱式暖気装置やヒートポンプ用保温タンク、さらに冷凍冷蔵庫および冷凍機器をはじめとした温冷熱機器や、熱や寒さから保護したい物象などのあらゆる断熱用途に適用できる。
本発明の実施の形態1における真空容器の縦断面図 (a)同実施の形態の真空容器の筐体製造時の金型挟みこみ前の状態を示す説明図(b)同実施の形態の真空容器の筐体製造時の金型挟みこみ後の状態を示す説明図 本発明の実施の形態2における真空容器を用いた自動車の蓄熱式暖気装置の概略構成図 本発明の実施の形態3における冷蔵庫に適用した真空容器の縦断面図
符号の説明
1 真空容器
2 金属フィルム
3 外箱
4 内箱
5 断熱空間
6 芯材
25 真空容器
27 内箱
28 外箱
30 芯材

Claims (8)

  1. 少なくとも外箱と内箱とからなる箱体で、前記外箱と前記内箱の間の空間に芯材を設け、前記空間を減圧することで真空二重壁構造を有する真空容器であって、少なくとも前記箱体が樹脂材料に高ガスバリア性材料をインモールド成形し、複層化された構成を有することを特徴とする真空容器。
  2. 前記高ガスバリア性材料が、少なくとも金属材料からなることを特徴とする請求項1に記載の真空容器。
  3. 前記高ガスバリア性材料が、少なくとも高ガスバリア性樹脂からなることを特徴とする請求項1に記載の真空容器。
  4. 前記高ガスバリア性材料のクラーク剛度が、5以上500以下であることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の真空容器。
  5. 前記高ガスバリア性材料の平滑度が、10秒以上3000秒以下であることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の真空容器。
  6. 前記高ガスバリア性材料の全層の厚さが、500μm以下であることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の真空容器。
  7. 前記高ガスバリア性材料に穿孔を設けることを特徴とする請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の真空容器。
  8. 前記樹脂材料にFRP成形材料を含むことを特徴とする請求項1から請求項7のいずれか一項に記載の真空容器。
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