JP2009287791A - 真空断熱箱体 - Google Patents
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Abstract
【課題】高性能かつ長期信頼性を有し、寸法安定性に優れた真空断熱箱体を提供する。
【解決手段】真空断熱箱体1は、それぞれ気体難透過性素材からなる外箱2と内箱3とにより構成される空間6内に、気体難透過性素材の外被材で繊維状芯材と気体吸着材8と水分吸着材7とを減圧密封してなる真空断熱材4と、粉末芯材5と、気体吸着材8と、水分吸着材7とを配置して、空間6を減圧密封した真空二重壁構造を有するものであり、真空断熱材4の繊維状芯材が配向性を有し、真空断熱箱体1の伝熱方向に対し、繊維状芯材の配向方向が略垂直になるように真空断熱材4を配置した。
【選択図】図1
【解決手段】真空断熱箱体1は、それぞれ気体難透過性素材からなる外箱2と内箱3とにより構成される空間6内に、気体難透過性素材の外被材で繊維状芯材と気体吸着材8と水分吸着材7とを減圧密封してなる真空断熱材4と、粉末芯材5と、気体吸着材8と、水分吸着材7とを配置して、空間6を減圧密封した真空二重壁構造を有するものであり、真空断熱材4の繊維状芯材が配向性を有し、真空断熱箱体1の伝熱方向に対し、繊維状芯材の配向方向が略垂直になるように真空断熱材4を配置した。
【選択図】図1
Description
本発明は、断熱・保温を必要とするもの、例えば冷蔵庫・保温保冷外被材、自動販売機、電気湯沸かし器、車両等の断熱材として使用可能な真空断熱箱体に関するものである。
近年、地球環境問題である温暖化を防止することの重要性から、省エネルギー化が望まれており、民生用機器に対しても省エネルギーの推進が行われている。
例えば、自動車のエンジンの循環系に組み込まれる保温貯液容器では、昇温冷却水を保温し、有効活用することで、エンジン動作初期からの燃焼効率を確保できる。また、ジャーポット等の保温容器においては、保温性能をあげることで、省エネルギーに貢献する。冷蔵庫や自動販売機などの保冷用途では熱の進入を遮断し、冷凍システムの稼働率を下げることで、省エネルギーに寄与する。以上のような観点から、高性能な断熱材が求められている。
一般的な断熱材として、グラスウールなどの繊維材やウレタンフォームなどの発泡体が用いられている。しかし、これらの断熱材の断熱性能を向上するためには断熱材の厚さを増す必要があり、断熱材を充填できる空間に制限があって省スペースや空間の有効利用が必要な場合には適用することができない。
そこで、高性能な断熱材として、真空断熱材が提案されている。
真空断熱材は、発泡樹脂や繊維材、無機粉末等を芯材として外被材内に入れた断熱材で、断熱材内部を真空に保つことにより気体の熱伝導率を著しく低下させたものであり、その断熱性能を長期に渡って維持するためには、断熱材内部を真空に保ち続ける必要がある。
空気が介在して熱伝導が行われる場合、断熱性能に影響を及ぼす物性として、気体の平均自由行程がある。気体の平均自由行程とは、空気を構成する分子の一つが別の分子と衝突するまでに進む距離のことであり、平均自由行程よりも形成されている空隙が大きい場合は、空隙内において分子同士が衝突し、気体による熱伝導が生じるため、熱伝導率は大きくなる。
真空断熱材の断熱原理は、熱を伝える空気をできる限り排除し、気体による熱伝導を低減することである。
従って、真空断熱体の性能を長期間維持するためには、初期の内部圧力をより低圧とする必要がある。しかしながら、工業的レベルで高真空にすることは困難であり、実用的に達成可能な真空度は13Pa程度までである。
一方で、芯材の種類が異なると、空隙間距離が変わり、内部圧力が同じでも気体同士の衝突回数が変わり、熱伝導が異なってくる。空隙距離が小さいほど、同じ内部圧力でも気体同士の衝突回数は減少し、それに伴い気体による熱伝導が小さくなる。つまり、空隙間距離が小さい芯材を用いるほど、内部圧力が何らかの影響で上昇しても、気体の熱伝導による熱伝導率の上昇は少なく、断熱性能の低下も少ない。
真空断熱材全体の断熱性能は芯材等の固体による熱伝導も加わるため、一概に空隙距離が小さいものほど断熱性能が優れるとは限らないが、目的によって、使い分けをすることが可能である。
真空断熱箱体も原理、構成は真空断熱材と同じであるが、一般的に真空断熱材が芯材を気体難透過性の外被材中に挿入し内部を減圧して封止するため、外被材は大気圧縮により、スペーサーの役割を持つ芯材の形状に沿った形で密着する。芯材の形状が凹凸や曲げ部などで複雑な場合、外被材中に芯材を挿入することが困難になり、挿入できても、外被材は成形追従性がなく、凹凸や曲げに追従して、減圧封止することは困難である。
成形追従しなければ、芯材に形状を付与する意味がなく、外被材にシワが寄り、芯材と密着せず浮いてしまい、局所的に外被材に応力がかかりやすく、また、芯材と密着していない部分は、わずかな外力により破損しやすくなる。そのため、一般的な真空断熱材は平板状になっている。
ただし、緩やかな凹凸や曲げに対して追従性はあり、また、平板状に作成後、曲げたり、変形を加えたりも可能であるが、やはり、大きな変形を加えると、外被材に破損が生じる。
そのため、外被材をあらかじめ必要とする凹凸や曲げ、形状に成形し、大気圧縮により大きな変形をしない強度を有した気体難透過性を有する箱体に芯材を挿入し、減圧封止したものを真空断熱材と区別し、真空断熱箱体とする。この手法であれば、真空断熱材よりも複雑な凹凸や曲げ、箱体形状を有した真空断熱材(真空断熱箱体)を作製することができる。
また、真空断熱箱体と称しているが、必ずしも箱体形状である必要はなく、外被材が大気圧縮により大きな変形をしない強度を有し、中空二重壁構造を有していることを特徴とすればよく、大きさや形状を問わない。例えば、パイプ形状、平面板に凹凸を有する形状、ボトル形状、球状のようなものも含む。
真空断熱箱体内部の真空度を上げることにより、高性能な断熱性能を得ることができるが、真空断熱箱体内部に存在する気体には大きく分けて次の3つがある。一つは、真空断熱箱体作製時、排気できずに残存する気体、他の一つは、減圧封止後、芯材や外被材から発生する気体(芯材や外被材に吸着している気体や、芯材の未反応成分が反応することによって発生する反応ガス等)、残りの一つは、外被材を通過して外部から侵入してくる気体である。
真空断熱箱体の内部圧力が上昇する要因として、一つには長期的に見ると、樹脂材料で箱体が構成される場合、箱体部分及び熱溶着した樹脂層を透過して真空断熱箱体の内部に、外部から空気や水蒸気などの気体が徐々に侵入することで、真空度が低下し、断熱性能が悪化してしまう課題がある。金属性筐体の場合は、溶接不良やピンホールから空気成分が侵入し、断熱性能が悪化する恐れがある。
また、真空断熱箱体は立体形状をしているため、一般的に固体熱伝導率が低く断熱性能が高い繊維状の芯材を中空二重壁内に、完全に充填することは難しく、部分的な充填になる。また、繊維状の芯材よりも断熱性能が若干劣る粉末状の芯材を用いる場合、充填は可能であるが、粉末芯材を必要な密度に充填することが容易ではなく、さらに充填後、排気抵抗が高く、真空排気をするために長時間必要になり、十分な減圧ができない問題がある。
真空断熱箱体の真空度を維持する手法として、例えば特許文献1がある。特許文献1においては、冷蔵庫等の外箱と内箱の間に発泡断熱材を充填して成る真空断熱箱体において、前記発泡断熱材に連続気泡硬質ポリウレタンフォームを用い、前記外箱に断熱壁内部と連通した真空インジケータと開閉バルブを設け、前記開閉バルブを介して真空脱気して構成している。
上記構成では、断熱壁内部と連通した真空インジケータにより内部の真空度がモニターできるため、外部から侵入した気体や内部に残留したガスにより真空度が劣化した場合でも、開閉バルブを介して真空脱気することにより、初期の断熱性能を回復することができる。
また、中空二重壁箱体の二重壁間に粉末を封入する方法として、例えば特許文献2がある。特許文献2においては、微粒子を空気とともに強制的に導入し、充填する。同時に圧入する空気により容器が変形せず、かつ、圧入しやすいように、封入口とは異なる入り口から、内部を減圧している。また、減圧口には金網や不織布等で粉末が漏れでないようにしている。また、封入圧力は2〜8kg/cm2Gとしている。特許文献2では真空断熱箱体化は行っていないが、粉末封入手法としては、真空断熱箱体でも適用でき、封入後、減圧し、封止すれば、真空断熱箱体となる。
特開平7−148752号公報
特開平2−269681号公報
しかしながら、特許文献1に記載の上記従来の構成では、真空断熱箱体において、外部から侵入したガスや内部から発生したガスを、バルブを通じ再減圧しているが、開閉バルブから箱体内部を減圧するには、排気抵抗が大きく、減圧するために非常に時間がかかる。
また、特許文献1では連続気泡硬質ポリウレタンフォームを芯材に用いているが、連続気泡硬質ポリウレタンフォームでは、芯材としては芯材自体から発生する気体も多く、また、粉末としては空隙間距離が大きいため、繊維状芯材などと比べて、比較的、断熱性能は優れておらず、さらに、空隙間距離が小さい、より微細な粒径を持つ例えばシリカ粉末のような粉体であれば、排気抵抗はさらに高くなり、容易には減圧できず、減圧工程に相当の時間が必要になる。さらに、長期信頼性を得るために、内部圧力が増加し、断熱性能が低下するたびに、真空ポンプによる減圧を行うことは、一般家庭では困難であり、コスト的にも増加する。
また、特許文献2に記載の上記従来の構成では、空隙間距離が小さく、平均自由工程が小さい比較的断熱性能に優れる微粉末では、空気とともに圧入しても、排気抵抗が大きいため排気口から空気が容易には抜けず、減圧による大気圧縮に耐えるだけの密度を封入に時間が掛かるだけでなく、容器が変形する恐れがある。また、残存する空気を脱気するにしても、排気抵抗が大きく、時間がかかる問題がある。封入量が少量であったり、真空断熱箱体が小型であったりすれば、粉末芯材の封入にかかる時間も少なくなり、大きな影響にならないこともあるが、冷蔵庫のような大型の真空断熱箱体では、非常に生産工程に時間がかかる問題がある。
本発明は、上記従来の課題を解決するもので、高性能かつ長期信頼性を有し、さらに生産性も向上し、寸法安定性に優れた真空断熱箱体を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明の真空断熱箱体は、それぞれ気体難透過性素材からなる外箱と内箱とにより構成される空間内に、気体難透過性素材の外被材で繊維状芯材を減圧密封してなる真空断熱材と粉末芯材とを配置して、前記空間を減圧密封した真空二重壁構造を有するものであり、真空断熱箱体の芯材として繊維状芯材を用いた真空断熱材と、真空断熱材以外の空間に粉末芯材を用いた構成である。
本発明の真空断熱箱体の内箱と外箱の間の空間に空気や水蒸気などが侵入してくる理由は、外気と空間との間に大気圧による圧力差があるため、真空断熱箱体が樹脂材料で構成される場合、箱体部分及び熱溶着した樹脂層を透過し、金属性筐体の場合は、溶接不良やピンホールから、非常にゆっくりとではあるが空気成分が侵入する。
しかし、真空断熱箱体の空間部分には粉末芯材が存在し、粉末芯材は空隙間距離が小さく、内部圧力の上昇に対し断熱性能の劣化が小さいため、微小な圧力上昇に対して、ほとんど影響せず、長期信頼性を有する。
そして、空間内に設置された繊維状芯材を用いた真空断熱材は、ラミネートフィルムで密閉した構成ならば熱溶着層から、樹脂での溶着ならば樹脂層から、金属材料の溶接ならば溶接不良やピンホール等から通過して、空気や水蒸気等が真空断熱材内部に侵入する。
しかし、空間と真空断熱材との圧力差は微小であるため、空気や水蒸気はほとんど侵入しない。繊維状芯材を用いた真空断熱材は固体による熱伝導が小さく、高性能であるが、空隙間距離が大きいため、内部圧力上昇に対し、断熱性能が低下する割合が大きいため、長期信頼性は粉末芯材を用いた真空断熱材に劣るが、空気成分がほとんど侵入しない状況であれば、長期間、高性能を維持することができる。
従って、複合化した真空断熱箱体としては、高性能、高信頼性を有した真空断熱箱体として提供することができる。
また、繊維状芯材を用いた真空断熱材を、真空断熱箱体の空間内に芯材として挿入するため、粉末芯材の封入量が空間全体に封入するよりも、大幅に少なくすることが可能となり、粉末芯材封入や減圧にかかる時間も短くて済み、生産性を向上することができる。
また、事前に大気圧縮されている真空断熱材を芯材に用いることで、真空断熱箱体内部を減圧しても、真空断熱材はほとんど変形しないため、大気圧縮による箱体の変形が抑制され、寸法安定性に優れた真空断熱箱体を提供することができる。
高性能だが内部圧力上昇に対し断熱性能の低下が大きい繊維状芯材を用いた真空断熱材を、繊維状芯材よりも断熱性能は劣るが、空隙間距離が小さく、内部圧力上昇に対し、断熱性能の低下が小さい粉末芯材とともに真空断熱箱体の芯材として用いることで、繊維状芯材と粉末芯材の両方の長所を生かした構成となり、高性能、高信頼性、高寸法安定性を有し、生産性を向上した真空断熱箱体を提供することができる。
本発明の請求項1に記載の真空断熱箱体の発明は、それぞれ気体難透過性素材からなる外箱と内箱とにより構成される空間内に、気体難透過性素材の外被材で繊維状芯材を減圧密封してなる真空断熱材と粉末芯材とを配置して、前記空間を減圧密封した真空二重壁構造を有することを特徴とするものである。
本発明の真空断熱箱体の内箱と外箱の間の空間に空気や水蒸気などが侵入してくる理由は、外気と空間との間に大気圧による圧力差があるため、真空断熱箱体が樹脂材料で構成される場合、箱体部分及び熱溶着した樹脂層を透過し、金属性筐体の場合は、溶接不良やピンホールから、非常にゆっくりとではあるが空気成分が侵入する。
しかし、真空断熱箱体の空間部分には粉末芯材が存在し、粉末芯材は空隙間距離が小さく、内部圧力の上昇に対し断熱性能の劣化が小さいため、微小な圧力上昇に対して、ほとんど影響せず、長期信頼性を有する。
そして、空間内に設置された繊維状芯材を用いた真空断熱材は、ラミネートフィルムで密閉した構成ならば熱溶着層から、樹脂での溶着ならば樹脂層から、金属材料の溶接ならば溶接不良やピンホール等から通過して、空気や水蒸気等が真空断熱材内部に侵入する。
しかし、空間と真空断熱材との圧力差は微小であるため、空気や水蒸気はほとんど侵入しない。繊維状芯材を用いた真空断熱材は固体による熱伝導が小さく、高性能であるが、空隙間距離が大きいため、内部圧力上昇に対し、断熱性能が低下する割合が大きいため、長期信頼性は粉末芯材を用いた真空断熱材に劣るが、空気成分がほとんど侵入しない状況であれば、長期間、高性能を維持することができる。
従って、複合化した真空断熱箱体としては、高性能、高信頼性を有した真空断熱箱体として提供することができる。
また、繊維状芯材を用いた真空断熱材を、真空断熱箱体の空間内に芯材として挿入するため、粉末芯材の封入量が空間全体に封入するよりも、大幅に少なくすることが可能となり、粉末芯材封入や減圧にかかる時間も短くて済み、生産性を向上することができる。
また、事前に大気圧縮されている真空断熱材を芯材に用いることで、真空断熱箱体内部を減圧しても、真空断熱材はほとんど変形しないため、大気圧縮による箱体の変形が抑制され、寸法安定性に優れた真空断熱箱体を提供することができる。
また、気体難透過性素材とは、ガス透過度が104[cm3・20μm/m2・day・atm]以下であることが好ましく、より望ましくは1[cm3・20μm/m2・day・atm]以下となるものである。
さらに、真空断熱箱体の気体難透過性素材には、ステンレスや鉄などの金属材料、ガラス材料、また、エチレン−ビニルアルコール共重合体、ポリ塩化ビニリデン、ポリアクリロニトリル、MXナイロン、ポリビニルアルコール、結晶性ポリエチレンテレフタレート、結晶性シンジオタクチックポリスチレン等の気体難透過性樹脂などが好ましい。
また、樹脂材料に、金属、SiO2、Al2O3、ダイヤモンドライクカーボンからなる皮膜を形成することで、さらなる気体難透過性を付与し、信頼性を向上させることができる。
また、樹脂材料にAL箔ラミネートフィルム、AL蒸着ラミネートフィルム等の金属箔ラミネートフィルムをインサート成形したものでも、信頼性を向上させることができる。
さらに、真空断熱材の気体難透過性素材には樹脂フィルムにアルミニウム等の金属箔をラミネートしたラミネートフィルムを用いることが好ましい。金属箔は気体難透過性が非常に高く、信頼性が高い。また、箔ではなく蒸着層でも優れたバリア性を生じる。また、金属ではなくシリカやアルミナ、ダイヤモンドライクカーボン等の無機材料の蒸着でも高い気体難透過性を有する。
また、真空断熱箱体の気体難透過性素材同様、ステンレスや鉄などの金属材料や、また、エチレン−ビニルアルコール共重合体、ポリ塩化ビニリデン、ポリアクリロニトリル、MXナイロン、ポリビニルアルコール、結晶性ポリエチレンテレフタレート、結晶性シンジオタクチックポリスチレン等の気体難透過性樹脂を用いても良い。
また、樹脂材料に、金属、SiO2、Al2O3、ダイヤモンドライクカーボンからなる皮膜を形成することで、さらなる気体難透過性を付与し、信頼性を向上させることができる。
また、真空断熱材の気体難透過性素材にラミネートフィルムを用いた場合、熱溶着層にポリエチレンを用いると、ポリエチレンは比較的低い温度で溶着できるので、追加加熱による溶着が容易で、より低コストで真空断熱箱体を提供することができる。
また、ラミネートフィルムの最外層に保護層を有する場合は、最外層に表面保護を目的とした材料を配設することで、より確実な耐傷付き性や耐突き刺し性を発揮させてピンホール等の発生を抑制する作用を有し、長期信頼性を有する真空断熱材を提供することができる。その中でポリエチレンテレフタレートは安価な材料であり、より低コストで本発明の真空断熱箱体を提供することができる。
また、繊維状芯材は限定するものではないが、ガラス繊維、グラスファイバー、アルミナ繊維、シリカアルミナ繊維、シリカ繊維、ロックウール、炭化ケイ素繊維等が好ましく、特にガラス繊維は安価で高性能な真空断熱材を形成するため、最も望ましい。
ガラス繊維は1μm〜20μmの範囲のものが好ましく、2μm〜10μmのものが芯材としての剛性を備え、かつ生産性と熱伝導率の面でより好ましい。
また、粉末芯材も限定するものではないが、無機粉末材料の方が、もともと粉末保持し、減圧時に粉末から発生する気体(アウトガス)が少なく、好ましい。
請求項2に記載の真空断熱箱体の発明は、請求項1に記載の発明において、前記外被材が内側となる面に熱融着層を有し、対向する前記外被材の前記熱溶着層同士が前記繊維状芯材に沿って前記繊維状芯材の際まで熱溶着されていることを特徴とするものである。
対向する前記外被材の前記熱溶着層同士が前記繊維状芯材に沿って前記繊維状芯材の際まで熱溶着されているのでシール性が向上し、外被材の間に繊維状芯材のない部分(ヒレ部分)を前記繊維状芯材の際まで、切断することが可能となり、真空断熱材の占める面積が向上でき、真空断熱箱体の性能を向上することができる。また、ヒレ部分が小さくなることで粉体芯材の充填を行いやすくすることができる。
請求項3に記載の真空断熱箱体の発明は、請求項1または2に記載の発明において、前記真空断熱材の前記繊維状芯材が配向性を有し、前記真空断熱箱体の伝熱方向に対し、前記繊維状芯材の前記配向方向が略垂直になるように前記真空断熱材を配置することを特徴とするものである。
繊維状芯材は、ランダムな方向に向いていた繊維が一方向加圧すると加圧方向と垂直な方向に配向する。通常は、密度を調整するために、バインダーを加えたり、加熱したりしながら加圧することで成形体となる。
繊維状芯材は繊維方向に固体熱伝導が起こるため、加圧等による配向方向と平行な向きに、固体熱伝導が伝わりやすい。反対に配向方向とは垂直な方向では繊維と繊維は点接触となり、固体熱伝導は大きく減少する。従って、断熱性能は配向方向と垂直な方向の方が高い。従って、真空断熱箱体の伝熱方向に対し、繊維状芯材の配向方向と略垂直な方向に真空断熱材を設置することで、効果的な断熱性能を発現することができる。
実際には、繊維状芯材の配向方向を真空断熱箱体の伝熱方向に対し完全な垂直にすることは、伝熱方向が一様でないこと、繊維状芯材が完全に配向しているわけではないこと等から困難なため、略垂直方向とし、略垂直方向とは、主となる伝熱方向に対し、70〜110度の角度内にあればよい。
請求項4に記載の真空断熱箱体の発明は、請求項1から3のいずれか一項に記載の発明において、前記粉末芯材が平均一次粒子径100nm以下である乾式シリカであることを特徴とするものである。
芯材材料は空隙間距離が短くなる粉体材料の方が、圧力依存性に優れるため、長期信頼性を得るためには繊維系材料よりも優れている。また、固体熱伝導率が低く、粉体芯材としてはシリカ系材料が真空断熱材用芯材として優れている。また、粒径も平均一次粒子径が100nm以下であることで、内部圧力に対する断熱性能の低下が小さく、優れており、このようなシリカ粉末は乾式法で作られる乾式シリカが該当する。
請求項5に記載の真空断熱箱体の発明は、請求項4に記載の発明において、前記粉末芯材は、前記粉末芯材への含有量が0.5〜40wt%となるように前記乾式シリカに平均繊維径が10μm以下のガラス繊維材料を混合して加圧成形したものであることを特徴とするものである。
乾式シリカは真空断熱箱体の芯材としては優れた性能を有するが、密度が小さいため、取り扱いにくく、充填するために工数がかかる。そのため、乾式シリカを固形化して、封入することが工程上、優れる。
固形化手段として、一般的なシリカ粉末と繊維材料を混合撹拌し、加圧成形しても成形体にはならないが、請求項4に記載の発明の平均一次粒子径が100nm以下の乾式シリカと、繊維材料とを混合、加圧成形することで、成形体を形成することができる。
この要因として、粒子径の小さい粉末同士であるため分子間力が働き粉末同士が付着する、あるいは乾式であるため表面官能基が少なく相互反発が少ないため粉末同士が付着しやすいこと等が考えられ、したがって、加圧等の成形方法により成形体を作製するためには、平均一次粒子径100nm以下の乾式シリカと繊維材料を用いる必要がある。
また、ガラス繊維材料を、平均繊維径10μm以下とすることで、ガラス繊維の繊維径が小さいため比表面積が大きくなるすなわち表面エネルギーが大きくなり粉末と結びつきやすくなる、また、シリカ粉末はガラス繊維と親和性のよい組合せであるため相互に付着しやすい、あるいはそれらの相互作用によること等が考えられ、したがって、加圧等の成形方法により成形体を作製する際に、平均繊維径10μm以下のガラス繊維材料を用いることで、より強固な成形体を作製することができる。
さらに、粒子径の非常に細かい乾式シリカと繊維径の小さいガラス繊維材料を用いることにより、粉立ちのほとんどない成形体が得られる。この理由は、上記のように粒子径の小さい粉末同士の分子間力、表面官能基が少ないことによる粉末同士の付着、シリカとガラス繊維との良好な親和性、細い繊維材料の大きな表面エネルギー等が考えられる。
また、上記組合せにより強固な成形体を得るとともに、弾性も有しているため可撓性をも有する成形体を得ることができる。
この理由は、平均繊維径が10μm以下の繊維を用いているため曲げ弾性が向上し、可とう性を有することができる等が考えられる。
繊維添加量が0.5〜40wt%であるのは、添加量が少なすぎると成形体形状を保てず、多すぎると断熱性能が繊維に依存するようになり断熱性能が悪化するからである。
請求項6に記載の真空断熱箱体の発明は、請求項4または5に記載の発明において、前記乾式シリカにカーボンブラックが1〜30wt%混合されていることを特徴とするものである。
これにより、従来の乾式シリカ粉末もしくはその成形体を用いた真空断熱箱体よりも断熱性能は向上する。
断熱性能向上のために乾式シリカに添加する粉末として、例えばカーボンブラックや酸化チタンなどは高温域で輻射防止材として働くことが知られているが、低温域でもカーボンブラック添加により大きな断熱性能向上が見られる。この理由は定かではないが、シリカ粉末とカーボンブラックとの何らかの作用により固体熱伝導が低減されるためと考える。
粉末状カーボン材料の添加量は、1〜30wt%がよい。これは、添加量が少なすぎると断熱性能向上の効果がなく、多すぎると断熱性能が粉末状カーボン材料に依存するようになり断熱性能が悪化することや、減圧下でガス発生が多くなり経時的に断熱性能が悪化するからである。
請求項7に記載の真空断熱箱体の発明は、請求項1から6のいずれか一項に記載の発明において、前記真空断熱材内に前記真空断熱材内の気体を吸着するための気体吸着材を備えることを特徴とするものである。
前記真空断熱材内に前記真空断熱材内の気体を吸着するための気体吸着材を備えることで、何らかの要因で真空断熱箱体の箱体が破袋したとしても、前記真空断熱材は高性能を維持したままであるが、熱溶着層からの空気侵入量が増加するため、信頼性は低下する。しかし、気体吸着材を、前記真空断熱材内の繊維状芯材に接するように設置することで、内部圧力の上昇を抑え、断熱性能の信頼性を維持することができる。
気体吸着材は特に限定するものではないが、その吸着機構は、物理吸着、化学吸着、および吸蔵、収着等のいずれでもよいが、非蒸発型ゲッターとして作用する物質が良好である。
具体的には、合成ゼオライト、活性炭、活性アルミナ、シリカゲル、ドーソナイト、ハイドロタルサイト等の物理吸着材である。
化学吸着材としては、アルカリ金属やアルカリ土類金属の酸化物や、アルカリ金属やアルカリ土類金属の水酸化物等が利用でき、特に、酸化リチウム,水酸化リチウム、酸化カルシウム、水酸化カルシウム、酸化マグネシウム、水酸化マグネシウム、酸化バリウム、水酸化バリウムが効果的に作用する。
また、硫酸カルシウム、硫酸マグネシウム、硫酸ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、塩化カルシウム、炭酸リチウム、不飽和脂肪酸、鉄化合物等も効果的に作用する。
また、バリウム、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、チタン、ジルコニウム、バナジウム、リチウム等の物質を単独、もしくは合金化したゲッター物質を適用するのがより効果的である。
さらには、このような前記ゲッター物質を少なくとも窒素、酸素、水分、二酸化炭素を吸着除去するため、種々混合して適用することも可能である。
請求項8に記載の真空断熱箱体の発明は、請求項1から7のいずれか一項に記載の発明において、前記真空断熱材内に前記真空断熱材内の気体を吸着するための気体吸着材を備えることを特徴とするものである。
前記真空断熱材内に前記真空断熱材内の気体を吸着するための気体吸着材を備えることで、真空断熱箱体の長期信頼性が向上するとともに、真空断熱材も高性能を維持することが可能となり、真空断熱箱体全体の信頼性を維持することができる。
請求項9に記載の真空断熱箱体の発明は、請求項7または8に記載の発明において、前記気体吸着材が、銅イオン交換されたZSM−5型ゼオライトであることを特徴とするものである。
銅イオン交換されたZSM−5型ゼオライトは常温における単位重量あたりの空気吸着量が他のゼオライトや、金属系吸着材と比べても高く、少量で大量の空気を吸着でき、効果的で、省スペース化を行える。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明するが、先に説明した実施の形態と同一構成については同一符号を付して、その詳細な説明は省略する。なお、この実施の形態によってこの発明が限定されるものではない。
(実施の形態1)
図1は本発明の実施の形態1における真空断熱箱体の断面図であり、図2は本発明の実施の形態1における真空断熱箱体の空間内に設置する真空断熱材の断面図である。
図1は本発明の実施の形態1における真空断熱箱体の断面図であり、図2は本発明の実施の形態1における真空断熱箱体の空間内に設置する真空断熱材の断面図である。
図1において、真空断熱箱体1は、気体難透過性材料からなる外箱2と内箱3と真空断熱材4と粉末芯材5とからなり、それぞれ気体難透過性素材からなる外箱2と内箱3とにより構成される空間6内に、真空断熱材4と粉末芯材5と水分吸着材7と気体吸着材8とを配置して、外箱2と内箱3を接合することで空間6を密閉し、外箱2に設置し空間6と外気を連通する排気口9から、空間6の空気を排気し、減圧後、排気口9を封止することで、真空断熱箱体1を構成する。また、内箱3には内部にお湯や冷水等を出し入れするための開口部10がある。
図2において、真空断熱材4は2枚の気体難透過性材料からなる外被材11で、ガラス短繊維を加圧成型してなる繊維状芯材12を覆い、繊維状芯材12に接するように水分吸着材7と気体吸着材8を設置し、そして内部を減圧し、外被材11の対向する熱溶着層13同士を熱溶着して真空を維持している。
次に、真空断熱箱体1の製造方法について説明する。内箱2及び外箱3は結晶性シンジオタクチックポリスチレンを用い、射出成型により成形した。内箱2と外箱3は開口部10がある方向を上部として、それぞれ、上面だけ異なる金型を用いて、射出成形する。
開口部10は内箱2の上面部に射出成型により形成される。成形後、各部品に無電解メッキを施し、気体難透過性を向上させる。無電解メッキはCu3μm/Ni5μmとし、溶着部分にはマスキングテープでメッキがつかないようにする。
次に、内箱2の上面部と本体とを熱溶着し、内箱2を形成する。次に、真空断熱材4を内箱2の表面にエポキシ樹脂で貼り付ける。このとき、内箱2の開口部10にてつながっている空間にお湯等の保温もしくは、氷水等の保冷物質が入ることから、内箱2を熱源とみなし、繊維状芯材12の配向性が熱源からの伝熱方向に対し、ほぼ垂直になるように貼り付ける。
次に、真空断熱材4を貼り付けた内箱2を外箱3の本体内に設置し、同時に水分吸着材7と気体吸着材8も隙間部分に設置する。水分吸着材7には酸化カルシウムを用い、気体吸着材8にはCu置換したZSM−5型ゼオライトを用いた。水分吸着材7は不織布に入れ、気体吸着材8は密封し、加熱により軟化して開封する仕組みのデバイス化をしている。
そして、外箱3の上面部を合わせ、熱溶着する。溶着部は外周及び排気口9と開口部10の周囲部分である。このとき、排気口9の一つに不織布を貼っておくことで、粉末芯材5を封入する際、粉末芯材5がもれないようにする。
そして、不織布を貼っていない排気口9から粉末芯材5を空気とともに圧入する。このとき、不織布を貼った排気口9からは真空ポンプで減圧を行い、粉末芯材5が封入しやすいようにする。粉末芯材5には平均一次粒径が100nm以下の乾式シリカ95wt%とカーボンブラック5wt%を混合したものを用いる。
粉末芯材はピストンで0.5kg/cm2の圧力で圧入する。真空断熱材4は空間6内を全て占めているわけではなく、いわゆるコーナー部分は空洞になっているため、その空洞を通り、圧入される。粉末芯材は130kg/m3の密度になるように封入する。
芯材封入後、排気口9から空間6を減圧し、13Pa以下になるまで減圧し、減圧したまま、排気口9をピンチして封止することで、真空断熱箱体1が完成する。完成後、真空断熱箱体1を100℃で加熱することで気体吸着材8が開封し、気体吸着能を発現し、信頼性を維持する。
次に真空断熱材4の作製方法について説明する。繊維状芯材12にはガラス繊維を用い、平均繊維径3.5μmのガラス繊維集合体を加圧した状態で加熱し、密度が200kg/m3程度の形状を維持しているボード状のものを用いる。平均繊維径はN=50を顕微鏡で測定した平均値で評価しているが、1μm〜20μmの範囲のものが好ましく、2μm〜10μmのものが芯材としての剛性を備え、かつ生産性と熱伝導率の面でより好ましい。
そして、繊維状芯材12を140℃の乾燥炉で30分間乾燥した後、ラミネートフィルムの三方を熱溶着層13を熱溶着にてシールして袋状に成形した外被材11に、水分吸着材7である不織布に封止した酸化カルシウムと、気体吸着材8であるラミネートフィルムに真空封止したCu置換したZSM−5型ゼオライトを挿入し、減圧チャンバー内で、外被材11内部が10Pa以下になるように減圧し、開口部を熱溶着層13を熱溶着することにより密閉封止している。
このとき、密閉封止されたとき、真空断熱材4は大気圧縮されるが、この大気圧縮の力を用い、気体吸着材8の入ったラミネートフィルムを針状のもので突き刺し、開封される構成にし、密閉封止後に気体吸着能が発現するようにする。
このとき、外被材11は、表面保護層としてポリエチレンテレフタレートフィルム(12μm)、中間層には気体難透過性を持つアルミ箔(6μm)、熱溶着層13として直鎖状低密度ポリエチレンフィルム(50μm)からなるラミネートフィルムにより構成している。密封後、大気圧縮により、繊維状芯材12の密度は若干増加する。
断熱性能及び取扱い性の面で密封後のガラス繊維からなる繊維状芯材12の密度は210〜280kg/m3の範囲がより好ましく、240kg/m3となるように作製した。ここではバインダーを用いることなく芯材成形を行っているが、バインダーを用いてより低温で芯材を成形しても良い。
また、表面性が問題とならない場合には、ガラス繊維の集合体をそのまま密閉封止しても構わない。その場合には、製造工数が削減するために、生産性が向上する。
このようにして形成した真空断熱材4の熱伝導率を英弘精機製のオートラムダにて測定した。結果、熱伝導率は、平均温度24℃にて0.0011〜0.0017W/mKであり、汎用的な硬質ウレタンフォームの10倍以上の断熱性能を有していた。
以上のようにして作製した真空断熱箱体1の開口部10から95℃のお湯をいれ、開口部10を塞ぎ、24h放置したところ、湯温は75℃であり、良好な保温特性を有する。また、同様の評価を30回繰り返しても保温特性に差は見られなかった。
次に、真空断熱箱体1の内部圧力が上昇する機構について説明する。
外気からの空気や水蒸気は、外箱2もしくは内箱3の材料もしくは溶接・溶着箇所を通じ、真空断熱箱体1内に侵入する。そして、空間6内に侵入した空気や水蒸気が、熱溶着層13を通じ、真空断熱材4内に侵入する。
ここで、空気や水蒸気の侵入量に影響する因子として、外部と内部との圧力差、外気と内部をつなぐ熱溶着層の長さ・面積、気体の種類、温度、湿度等が影響するが、製造工程が同一であれば、外部と内部との圧力差による影響が大きい。
従って、真空断熱箱体1の空間6内と、外気との圧力差は1気圧あり、外箱2、内箱3の気体透過性に応じ、空気成分は空間6内に侵入してくるが、その量は非常に微量であり、空間容積、気体透過性、温度等の条件により増減するが、1年間経過しても数十Pa程度の内圧上昇であり、真空断熱材4の周辺圧力は低く、それにより、熱溶着層13を通じ、真空断熱材4内に侵入する空気成分はさらに微小であり、真空断熱材4の断熱性能はほとんど低下せず、長期信頼性を有する。
また、空間6の内部圧力上昇による真空断熱箱体1の断熱性能への影響で上記のように真空断熱材4の断熱性能はほとんど低下しない。真空断熱材4以外の箇所は、粉末芯材5を用いている。粉末芯材5は繊維状芯材12に比べ、同じ真空度であれば、断熱性能は劣るが、空隙間距離が小さく、圧力上昇に対する断熱性能の低下が小さい。そのため、芯材材料にもよるが、数百〜千Pa程度、圧力が上昇しても断熱性能の低下が見られず、高い信頼性を有する。従って、繊維状芯材12がもつ高い断熱性能と、粉末芯材5がもつ高い信頼性の双方の特徴を有する真空断熱箱体1を形成することができる。
真空断熱箱体1の真空断熱材4と粉末芯材5の占める割合は特に限定するものではないが、真空断熱材4の割合が多く、粉末芯材5の割合が少ないと、断熱性能は向上するが、長期信頼性が低下する。また、反対に、真空断熱材4の割合が少なく、粉末芯材5の割合が多いと、断熱性能は低下するが、長期信頼性は向上する。
用途や使用条件、真空断熱材の大きさ等により必要な性能、長期信頼性が異なってくるため、一概に最適な仕様は限定できないが、真空断熱材4と粉末芯材5のそれぞれの特徴を生かすため、1:9〜9:1の範囲で用いることが望ましい。
また、通常、真空断熱箱体1は空間6を排気口9から減圧することで、大気圧により外箱2と内箱3が圧縮される。外箱2と内箱3に大気圧に耐えうる強度がなかったり、空間6に大気圧に耐えられる圧縮強度を持つ芯材がなかったりすれば、外箱2あるいは内箱3は変形する。変形の程度にもよるが、断熱層の厚さが減少することで断熱性能が低下したり、クラック等が生じ、空間6へ外気が侵入したりする恐れがある。
しかし、真空断熱材4は、最初から大気圧縮されており、空間6を減圧しても、初期の厚さから変形することはなく、真空断熱材4を空間6に設置することでスペーサーとしての効果も発揮する。金属や樹脂をスペーサーとして用いると、それがヒートリークを起こすが、真空断熱材4は断熱性能も優れており、ヒートリークの問題もない。
また、真空断熱材4は空間6の厚さと同程度の方が、変形も少なく、断熱性能にも優れ、好ましい。
また、実際には、繊維状芯材12の配向方向を真空断熱箱体1の伝熱方向に対し完全な垂直にすることは、伝熱方向が一様でないこと、繊維状芯材12が完全に配向しているわけではないこと等から困難なため、略垂直方向とし、略垂直方向とは、主となる伝熱方向に対し、70〜110度の角度内にあればよい。
また、粉末芯材5は、空隙間距離が短くなるため、圧力依存性に優れ、長期信頼性を得るためには繊維系材料よりも優れている。また、固体熱伝導率が低く、粉体芯材としてはシリカ系材料が真空断熱材用芯材として優れている。
また、真空断熱材4を、真空断熱箱体1の空間6内に芯材として挿入するため、粉末芯材5の封入量が空間全体に封入するよりも、大幅に少なくなり、粉末芯材5封入や減圧にかかる時間も少なくて済み、生産性を向上することができる。
粉末芯材5の種類は特に限定するものではないが、シリカ、パーライト、カーボンブラック等の無機粉末、あるいは合成樹脂粉末等の有機粉末、あるいはそれらの混合物などを、粉末そのままで充填、あるいは通気性のある袋に充填して用いる、あるいは繊維バインダーあるいは無機や有機の液状バインダーにて固形化する等の方法がある。
特に、粒径も平均一次粒子径が100nm以下であることで、内部圧力に対する断熱性能の低下が小さく、優れており、このようなシリカ粉末は乾式法で作られる乾式シリカが該当し、最も好ましい。
また、水分吸着材7は、各構成材料に吸着した水分を除去するため、さらには外気から侵入する水蒸気の吸着を行うことで、内部圧力の上昇を抑制することができ、備えることが望ましい。
また、設置場所は、真空断熱材4および粉末芯材5のそれぞれに接するように設置することで、最も効果を発揮するため好ましく、また、繊維状芯材12および粉末芯材5のどちらか一方でも効果を発揮する。
繊維状芯材12にのみ水分吸着材7を設置すると、外箱2あるいは内箱3が破損する等、何らかの要因で空間6内に、水蒸気が侵入しても、熱溶着層13を通じ、真空断熱材4内に侵入する水蒸気を吸着するため、真空断熱材4の断熱性能は維持することができ、信頼性を維持できる。また、粉末芯材5にのみ接するように水分吸着材7を設置すると、空間6内に侵入する水蒸気を吸着することで空間6内の内部圧力上昇を抑え、信頼性を維持することができる。
また、水分吸着材7の種類を特に限定するものではないが、物理吸着材としては、具体的には、合成ゼオライト、活性炭、活性アルミナ、シリカゲル、ドーソナイト、ハイドロタルサイト、金属錯体等が望ましく、化学吸着剤としては、アルカリ金属やアルカリ土類金属の酸化物や、アルカリ金属やアルカリ土類金属の水酸化物等が利用でき、特に、酸化リチウム,水酸化リチウム、酸化カルシウム、水酸化カルシウム、酸化マグネシウム、水酸化マグネシウム、酸化バリウム、水酸化バリウムが効果的に作用する。また、塩化カルシウム、五酸化リンも効果的である。
また、気体吸着材8は、減圧しきれずに残存した空気成分や、さらには外気から侵入する空気成分の吸着を行うことで、内部圧力の上昇を抑制することができ、長期信頼性が向上する。
また、気体吸着材8の設置場所は、真空断熱材4および粉末芯材5のそれぞれに接するように設置することで、最も効果を発揮するため好ましく、また、繊維状芯材12および粉末芯材5のどちらか一方でも効果を発揮する。繊維状芯材12にのみ気体吸着材8を設置すると、外箱2あるいは内箱3が破損する等、何らかの要因で空間6内に、空気成分が侵入しても、熱溶着層13を通じ、真空断熱材4内に侵入する空気成分を吸着するため、真空断熱材4の断熱性能は維持することができ、信頼性を維持できる。また、粉末芯材5にのみ接するように気体吸着材8を設置すると、空間6内に侵入する空気成分を吸着することで空間6内の内部圧力上昇を抑え、信頼性を維持することができる。
また、気体吸着材8として、その吸着機構は、物理吸着、化学吸着、および吸蔵、収着等のいずれでもよいが、非蒸発型ゲッターとして作用する物質が良好である。
具体的には、合成ゼオライト、活性炭、活性アルミナ、シリカゲル、ドーソナイト、ハイドロタルサイト等の物理吸着材である。
化学吸着材としては、アルカリ金属やアルカリ土類金属の酸化物や、アルカリ金属やアルカリ土類金属の水酸化物等が利用でき、特に、酸化リチウム,水酸化リチウム、酸化カルシウム、水酸化カルシウム、酸化マグネシウム、水酸化マグネシウム、酸化バリウム、水酸化バリウムが効果的に作用する。
また、硫酸カルシウム、硫酸マグネシウム、硫酸ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、塩化カルシウム、炭酸リチウム、不飽和脂肪酸、鉄化合物等も効果的に作用する。
また、二酸化炭素を吸着するためであれば、水酸化ナトリウムや水酸化カリウム等のアルカリ性化合物が好ましい。
また、バリウム、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、チタン、ジルコニウム、バナジウム、リチウム等の物質を単独、もしくは合金化したゲッター物質を適用するのもより効果的である。
さらには、このような前記ゲッター物質を少なくとも窒素、酸素、水分、二酸化炭素を吸着除去するため、種々混合して適用することも可能である。
しかし、特に銅イオン交換したZSM−5型ゼオライトは、常温における単位重量あたりの気体吸着量が他のゼオライトや、金属系吸着材と比べても高く、少量の気体吸着材で大量の空気を吸着でき、真空断熱材として断熱性能を発揮する10Pa程度の低真空でも、その吸着能を発揮し、さらには、約940kJ/molという大きい結合エネルギーを有する非極性分子で、吸着困難な窒素をも吸着可能であり、高性能かつ効果的で、省スペース化も行え、最も好ましい気体吸着材8である。
また、気体吸着材8には空気成分だけでなく、水蒸気も吸着する材料も少なくなく、好ましくは、気体吸着材8を水分吸着材7で包み込む構造や、水分吸着材7を通過して気体吸着材8へ空気成分および水蒸気が到達する構造をとることが、気体吸着材8の吸着能力を長期間維持でき、より好ましい。
外被材11はAL箔ラミネートフィルム、AL蒸着ラミネートフィルムが気体難透過性に優れ好ましく、またAL以外の金属箔であっても効果は変らない。また、シリカ、ダイヤモンドライクカーボン、アルミナ等の無機材料を蒸着・コーティングしたフィルム材でも構わない。
また、金属箔や無機材料コーティングよりも気体難透過性は劣るが、エチレン−ビニルアルコール共重合体、ポリ塩化ビニリデン、ポリアクリロニトリル、MXナイロン、ポリビニルアルコール等の気体難透過性樹脂でも構わず、さらに、シリカ、ダイヤモンドライクカーボン、アルミナ等の無機材料を蒸着・コーティングし、気体難透過性を向上させるとさらに好ましい。
また、ステンレス等の金属材料を外被材に用い、溶接しても構わない。
また、熱溶着層13にポリエチレンを用いると、ポリエチレンは比較的低い温度で溶着できるので、追加加熱による溶着が容易で、より低コストで真空断熱材4を提供することができる。
また、外被材11の最外層にポリエチレンテレフタレートからなる保護層を設けてもよい。このように外被材11の最外層に表面保護を目的とした材料を配設することで、より確実な耐傷付き性や耐突き刺し性を発揮させてピンホール等の発生を抑制する作用を有し、長期信頼性を有する真空断熱材4を提供することができ、さらには長期信頼性を有する真空断熱箱体1を提供することができる。また。ポリエチレンテレフタレートは安価な材料であり、より低コストで真空断熱材4を提供することができる。
また、繊維状芯材12としては、汎用的な工業材料としては、ガラス短繊維が好適である。より望ましくは、ガラス短繊維のウェブの積層体からなり、前記ウェブ間は積層体の一体性が保持できる必要最低限の繊維の交絡により結合され、厚み方向に均質に積層配列された繊維集合体が好適である。
また、繊維径は、特に指定するものではないが、繊維径が微細なものは、より優れた断熱性能が得られる。しかし、経済性の観点からは、平均繊維径が3〜5μmのものを使用するのが望ましい。
また、外箱2、内箱3を構成する気体難透過性材料としては、ステンレスや鉄などの金属材料、ガラス材料が好ましい。ガラス材料は割れやすいため、金属材料がより好ましい。
また、固体熱伝導率が金属よりも小さく断熱性能の向上を図れ、比重も小さく軽量化が可能な樹脂材料を用いる場合は、エチレン−ビニルアルコール共重合体、ポリ塩化ビニリデン、ポリアクリロニトリル、MXナイロン、ポリビニルアルコール、結晶性ポリエチレンテレフタレート、結晶性シンジオタクチックポリスチレン等の気体難透過性樹脂を用いることが好ましい。
さらに、気体難透過性を向上させるために、AL箔ラミネートフィルム、AL蒸着ラミネートフィルムのインサート成形を行った樹脂や、表面にシリカ、ダイヤモンドライクカーボン、アルミナ等の無機材料を蒸着・コーティングを施すことが、信頼性を向上させるために、より好ましい。
(実施の形態2)
図3は本発明の実施の形態2における真空断熱箱体の空間内に設置する真空断熱材の断面図である。なお、実施の形態1と同じ名称・作用のものは同一符号を付して説明を省略する。
図3は本発明の実施の形態2における真空断熱箱体の空間内に設置する真空断熱材の断面図である。なお、実施の形態1と同じ名称・作用のものは同一符号を付して説明を省略する。
図3において、真空断熱材4は、外被材11が内側となる面に熱融着層14を有し、対向する外被材11の熱溶着層14同士が繊維状芯材12に沿って繊維状芯材12の際まで熱溶着されて上下の熱溶着層14が一体化している。なお、熱溶着層14の厚さは一定に保たれている。
次に、繊維状芯材12に沿って熱溶着をする製造方法について説明する。実施の形態1と同様に作製した真空断熱材4を熱溶着層14が溶着する温度より高温の130℃の恒温炉に約10分放置すると、大気圧縮により真空断熱材4全体が加圧されているため、真空断熱材4全体が熱溶着され、繊維状芯材12の際まで熱溶着される。
熱溶着層14が繊維状芯材12の際まで溶着されているため、熱溶着層12の範囲が広がりシール性をより向上させることができるとともに、際近くまで外周端部を切除することができ、かさばりが減り、粉末芯材5が充填しやすくなり、また、外周端部が減少することで空間6に高性能な真空断熱材4が占める面積比率を大きくすることが可能となり、高性能化を図ることができる。
また、真空断熱材4は空間6内に内包されているため、際近くまで外周端部を切除し、熱溶着層14の幅が狭くなり、空気成分が真空断熱材4の内部に侵入しやすい条件になっても、空間6が減圧空間のため十分な信頼性を有する。
(実施の形態3)
図4は本発明の実施の形態3における真空断熱箱体の縦断面図である。なお、実施の形態1、実施の形態2と同じ名称・作用のものは説明を省略する。
図4は本発明の実施の形態3における真空断熱箱体の縦断面図である。なお、実施の形態1、実施の形態2と同じ名称・作用のものは説明を省略する。
次に、固形化した粉末芯材15と真空断熱材4の製造方法について説明する。
固形化した粉末芯材15は、平均一次粒子径が100nm以下の乾式シリカ95wt%とカーボンブラック5wt%とを混合攪拌した粉体に、混合攪拌した粉体の10wt%に相当する平均繊維径10μm以下のガラス繊維を混合し、さらに、攪拌したものを、芯材密度が130kg/m3となるように1MPa加圧して、成形する。
成形は真空断熱材4と粉末芯材5を所定の型の中に入れ、同時に加圧成形し一体化する。固形化した粉末芯材15を、空間6に設置し、排気口9から空間6内部を減圧し、密封し、真空断熱箱体1を作製する。
粉末芯材5は、粉立ちが多く、飛散しやすく、密度が小さいため、取扱が難しく、充填するために工数がかかり、ロスも多い。従って、固形化した粉末芯材15を封入することは工程上、安全上、また、生産性の観点からも有利であり、望ましい。
平均一次粒子径100nm以下である乾式シリカは、ガラス短繊維と混合・加圧することで固形化する。同様の組成でも湿式法で作製した、湿式シリカでは固形化しない。
この要因として、粒子径の小さい粉末同士であるため分子間力が働き粉末同士が付着する、あるいは乾式であるため表面官能基が少なく相互反発が少ないため粉末同士が付着しやすいこと等が考えられ、したがって、加圧等の成形方法により固形化した粉末芯材15を作製するためには、平均一次粒子径100nm以下の乾式シリカを用いる必要がある。
繊維材料は凝集した乾式シリカの強度を保持するために必要であり、繊維材料がないと凝集はするが、非常にもろい状態となるため、繊維材料は必要である。
また、ガラス繊維を、平均繊維径10μm以下とすることで、ガラス繊維の繊維径が小さいため比表面積が大きくなるすなわち表面エネルギーが大きくなり、粉末芯材5と親和性が増すことが考えられ、したがって、加圧等の成形方法により固形化した粉末芯材15を作製する際に、平均繊維径10μm以下のガラス繊維を用いることで、より強固な成形体を作製することができる。
また、上記組合せにより強固な成形体を得るとともに、弾性も有しているため可撓性をも有する成形体を得ることができる。この理由は、ガラス繊維の平均繊維径が10μm以下の繊維を用いているため曲げ弾性が向上し、可撓性を有することができる等が考えられる。
また、ガラス繊維添加量が0.5〜40wt%であるのは、添加量が少なすぎると成形体形状を保てないし、多すぎると断熱性能が繊維に依存するようになり断熱性能が悪化するからである。
さらに、乾式シリカにカーボンブラック1〜30wt%を混合すると断熱性能がさらに向上する。これにより、従来のシリカ粉末成形体を用いた真空断熱材よりも断熱性能は向上する。
断熱性能向上のためにシリカに添加する粉末として、例えばカーボンブラックや酸化チタンなどは高温域で輻射防止材として働くことが知られているが、低温域でもカーボンブラック添加により大きな断熱性能向上が見られる。この理由は定かではないが、シリカ粉末とカーボンブラックとの何らかの作用により固体熱伝導が低減されるためと考える。
粉末状カーボン材料の添加量は、1〜30wt%がよい。これは、添加量が少なすぎると断熱性能向上の効果がなく、多すぎると断熱性能が粉末状カーボン材料に依存するようになり断熱性能が悪化することや、減圧下でガス発生が多くなり経時的に断熱性能が悪化するからである。
また、加圧成形により、固形化した粉末芯材15の密度を調整することが可能となる。固形化した粉末芯材15の密度は小さすぎると成形体としての形状を維持できず、解体時に崩れやすく、粉末の一部が飛散してしまうため100kg/m3以上、また密度が大きすぎると、空隙率が減少し、固体熱伝導率が上昇してしまい断熱性能が低下するという観点から300kg/m3以下がよい。
また、固形化した粉末芯材15を成形するために、加圧成形を行う必要があるため、芯材を封入後、加圧成形する。封入圧は解体後、手に持っても崩れない必要があるためには、0.5N/mm2以上の加圧力が望ましい。
本発明にかかる真空断熱箱体は、長期に渡って断熱性能を維持できる。このため、冷蔵庫のような保冷機器や、電気湯沸かし器、炊飯器、保温調理器、給湯器等の保温機器に使用すれば長期に渡って優れた省エネ効果を示す。また、コンテナボックスやクーラーボックス等の保冷が必要な用途への適用も可能である。
また、自動車用の蓄熱式暖気装置の効率向上や同様の技術を用いることでヒートポンプ用保温タンク等の温熱機器や、熱や寒さから保護したい物象などのあらゆる断熱用途に適用できる
1 真空断熱箱体
2 外箱
3 内箱
4 真空断熱材
5 粉末芯材
6 空間
8 気体吸着材
11 外被材
12 繊維状芯材
13 熱溶着層
14 熱溶着層
15 固形化した粉末芯材
2 外箱
3 内箱
4 真空断熱材
5 粉末芯材
6 空間
8 気体吸着材
11 外被材
12 繊維状芯材
13 熱溶着層
14 熱溶着層
15 固形化した粉末芯材
Claims (9)
- それぞれ気体難透過性素材からなる外箱と内箱とにより構成される空間内に、気体難透過性素材の外被材で繊維状芯材を減圧密封してなる真空断熱材と粉末芯材とを配置して、前記空間を減圧密封した真空二重壁構造を有する真空断熱箱体。
- 前記外被材が内側となる面に熱融着層を有し、対向する前記外被材の前記熱溶着層同士が前記繊維状芯材に沿って前記繊維状芯材の際まで熱溶着されていることを特徴とする請求項1に記載の真空断熱箱体。
- 前記真空断熱材の前記繊維状芯材が配向性を有し、前記真空断熱箱体の伝熱方向に対し、前記繊維状芯材の前記配向方向が略垂直になるように前記真空断熱材を配置することを特徴とする請求項1または2に記載の真空断熱箱体。
- 前記粉末芯材が平均一次粒子径100nm以下である乾式シリカであることを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の真空断熱箱体。
- 前記粉末芯材は、前記粉末芯材への含有量が0.5〜40wt%となるように前記乾式シリカに平均繊維径が10μm以下のガラス繊維材料を混合して加圧成形したものであることを特徴とする請求項4に記載の真空断熱箱体。
- 前記乾式シリカにカーボンブラックが1〜30wt%混合されていることを特徴とする請求項4または5に記載の真空断熱箱体。
- 前記真空断熱材内に前記真空断熱材内の気体を吸着するための気体吸着材を備えることを特徴とする請求項1から6のいずれか一項に記載の真空断熱箱体。
- 前記空間内に前記空間内の気体を吸着するための気体吸着材を備えることを特徴とする請求項1から7のいずれか一項に記載の真空断熱箱体。
- 前記気体吸着材が、銅イオン交換されたZSM−5型ゼオライトである請求項7または8に記載の真空断熱箱体。
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