JP2008100614A - 鉄道車両の車体傾斜装置及び車体傾斜方法 - Google Patents

鉄道車両の車体傾斜装置及び車体傾斜方法 Download PDF

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君章 佐々木
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Abstract

【課題】 車体傾斜制御の応答速度を改善できる、あるいは、スムーズな傾斜動作や車体傾斜時の振動抑制を実現して乗り心地の向上を図ることができる鉄道車両の車体傾斜装置及び車体傾斜方法を提供する。
【解決手段】 本発明に係る車体傾斜装置で鉄道車両の車体15を傾斜させる際には、曲線区間の外側に位置する空気ばね(給気を受ける空気ばね)13Rの制御絞り27Rをまず絞る。すると、この空気ばね13Rとそれに連通する補助空気室21Rとの間の連通路25Rが狭くなり、空気ばね13Rから補助空気室21Rへと空気が流れにくくなるので、より少ない空気量で素早く空気ばね13Rの内圧が上昇する。このように、車体傾斜動作時において、給気を受ける空気ばね13Rの内圧を素早く上昇させることができるので、車体傾斜制御の応答性を向上することができ、車体15を曲線区間の内側に向けて素早く傾斜させることができる。
【選択図】 図2

Description

本発明は、鉄道の曲線区間において車体を曲線の内側に傾斜させる車体傾斜装置及び車体傾斜方法に関する。特には、車体傾斜制御の応答速度を改善できる、あるいは、スムーズな傾斜動作や車体傾斜時の振動抑制を実現して乗り心地の向上を図ることができる鉄道車両の車体傾斜装置及び車体傾斜方法に関する。
まず、特許文献1(特開平9−48345号公報)を例に採り、鉄道車両が曲線区間を通過する際に働く遠心力を緩和する方法又は装置について説明する。
特許文献1に開示された『鉄道車両の車体傾斜制御方法および装置』は、台車上で車体を支持する左右一対の空気ばね装置を備えている。各空気ばね装置の空気ばねは、圧縮空気配管系統に接続されている。この圧縮空気配管系統からの圧縮空気は空気ばねのそれぞれに供給され、左右の空気ばねの膨張量(供給される空気量)に応じて台車上で車体が傾斜する。車両の曲線区間走行時においては、外側の空気ばねの膨張量を大きくすることで、車体を意図的に内側に傾斜させ、乗客にかかる遠心力を緩和することができる。なお、この特許文献1では、車体傾斜の際にパンタグラフが架線から離れないようにするための傾斜角度の調節を行うこともできる。
空気ばね装置を用いて車体を傾斜させるには、空気ばねに大量の空気を供給する必要があるが、前述の特許文献1では、実際には、空気ばねへの大量の空気の供給をスムーズに行うことは困難である。そのため、車体の傾斜動作に遅れが生じたり、傾斜動作が滑らかに行えず乗客に不快感を与えたりする欠点がある。
次に、特許文献2(特開平6−239230号公報)を例に採り、鉄道車両の緩衝器として用いられる空気ばねについて説明する。
特許文献2に開示された『鉄道車両用空気ばね装置』は、台車に取り付けられた補助空気室と、この補助空気室に可変絞り機構を介して連通した空気ばね本体を備えている。空気ばね本体は、台車上に配置されて、車体を支持している。補助空気室と空気ばね本体との間の可変絞り機構は、絞りの大きさを連続的に変化させることができるものである。この可変絞り機構を用いて、例えば車体の振動をセンサで検知し、このセンサの検知結果に基づき車体の振動速度を演算し、その演算結果に比例した減衰力が発生するように絞りの大きさを制御すると、車体の上下振動を抑制することができる。
この特許文献2の空気ばね装置は、スカイフック制御理論等に基づいて絞りの大きさを振動に応じて変化させることにより、空気ばね本体にその時々の最適な減衰力を発生させて、通常の固定絞り以上の優れた制振効果を得ようとしたものである。この空気ばね装置は、高周波の振動絶縁性能を悪化させることなく低周波の振動絶縁性能を向上させることができる。しかし、前述した特許文献1のような、車両の曲線区間走行時における車体傾斜制御の観点からの記載は一切ない。
特開平9−48345号公報 特開平6−239230号公報
曲線区間において車体を曲線の内側に傾斜させる際に、車体傾斜制御の応答に遅れが生じないようにする、あるいは、傾斜動作をよりスムーズに移行できるようにすることが求められている。さらに、車体傾斜制御と併せて振動抑制効果をも実現できればより望ましい。
本発明は、このような課題を解決するためになされたものであって、車体傾斜制御の応答速度を改善できる、あるいは、スムーズな傾斜動作や車体傾斜時の振動抑制を実現して乗り心地の向上を図ることができる鉄道車両の車体傾斜装置及び車体傾斜方法を提供することを目的とする。
本発明の鉄道車両の車体傾斜装置は、台車上に左右一対の空気ばねを介して車体を支持した鉄道車両用の車体傾斜装置であって、 前記各空気ばねの空気を給・排気する各々の給・排気弁と、 前記各空気ばねと各々連通路を介して連通している各々の補助空気室と、 前記各連通路に配置された各々の制御絞りと、 鉄道の曲線区間において左右の前記空気ばねの高さを変えて前記車体を曲線の内側に所望角度傾斜させるよう、前記各空気ばねの各給・排気弁及び各制御絞りを制御する傾斜制御部と、を備え、 車体傾斜時に給気を受ける空気ばね側の制御絞りをまず絞り、その後該空気ばね内の空気圧上昇を待って該制御絞りを徐々に開くことを特徴とする。
この車体傾斜装置で車体を傾斜させる際には、傾斜制御部が、曲線区間の外側に位置する空気ばね(給気を受ける空気ばね)の制御絞りをまず絞る。すると、この空気ばねとそれに連通する補助空気室との間の連通路が狭くなり、空気ばねから補助空気室へと空気が流れにくくなる。一般に鉄道車両用の空気ばねは、空気ばね容積に対し補助空気室容積が2〜4倍程度ある。そのため、この作用によってより少ない空気供給量で素早く空気ばねの内圧が上昇する。このように、車体傾斜動作時において、給気を受ける空気ばねの内圧を素早く上昇させることができるので、車体傾斜制御の応答性を向上することができ、車体を曲線区間の内側に向けて素早く傾斜させることができる。空気ばねの内圧が充分上昇した後は、傾斜制御部が、絞っていた制御絞りを徐々に開くよう制御し、補助空気室の圧力が上昇して空気ばねの内部とほぼ等圧になったあたりで、通常の絞り量となるよう制御する。一般に左右の空気ばねの絞り弁の絞り量は等しいことが車両バランスのためには望ましいが、このように左右の絞り量が違う状態を最小限とし、安全性に注意しながら制御することにより車両の走行安定性が保たれ、乗り心地の悪化が抑制される。
本発明の鉄道車両の車体傾斜装置においては、車体傾斜時に排気される空気ばねの制御絞りを絞り、該空気ばね内の空気圧低下を待って該制御絞りを徐々に開くことができる。
この場合、車両の曲線区間通過時に、曲線区間の内側に位置する空気ばね(排気される空気ばね)の制御絞りをも絞ることで、車体の傾斜動作をより迅速に制御できる。
本発明の鉄道車両の車体傾斜装置においては、車体傾斜時に発生する前記車体の振動を抑制するために前記制御絞りを制御する振動制御部をさらに備えることができる。
この場合、前述したスムーズな傾斜動作の実現に加えて、車体傾斜時に発生する車体の振動を抑制することもできるので、乗り心地を向上することができる。
本発明の鉄道車両の車体傾斜装置においては、前記車体の振動を検出する振動検出部をさらに備え、 該振動検出部の検出結果に基づき、前記振動制御部が、車体傾斜時に前記車体のロール振動を抑制するよう前記制御絞りを制御することができる。
この場合、車体のロール振動を抑制することで車体の傾斜動作を一層スムーズにでき、車両の曲線区間通過時における乗り心地を向上することができる。
本発明の鉄道車両の車体傾斜方法は、台車上に左右一対の空気ばねを介して車体を支持した鉄道車両用の車体傾斜方法であって、 前記各空気ばねは、各々連通路を介して各々の補助空気室に連通しており、 鉄道の曲線区間において左右の前記空気ばねの高さを変えて前記車体を曲線の内側に所望角度傾斜させるよう、前記各空気ばねの空気を給・排気する各々の給・排気弁、及び、前記各連通路に配置された各々の制御絞りを制御し、 車体傾斜動作時に、給気を受ける空気ばね側の制御絞りをまず絞り、その後該空気ばね内の空気圧上昇を待って該制御絞りを徐々に開くよう制御することを特徴とする。
本発明によれば、車体傾斜制御の応答速度を改善できる、あるいは、スムーズな傾斜動作や車体傾斜時の振動抑制を実現して乗り心地の向上を図ることができる鉄道車両の車体傾斜装置及び車体傾斜方法を提供できる。
発明を実施するための形態
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
図1は、本実施の形態に係る車体傾斜装置を搭載した鉄道車両の直線区間走行時の状態を示す模式的正面図である。
図2は、本実施の形態に係る車体傾斜装置を搭載した鉄道車両の曲線区間走行時(車体傾斜時)の状態を示す模式的正面図である。
図3は、本実施の形態に係る車体傾斜装置の空気圧制御系統図である。
図4は、本実施の形態に係る車体傾斜装置の空気ばね、補助空気室及び制御絞りの構成例を示す断面図である。
図5は、本実施の形態に係る鉄道車両の模式的平面図と制御系統図である。
図1及び図2に示すように、軌道床上には左右のレール1L、1Rが敷設されており、その上に鉄道車両の車輪3L、3Rが載っている。左右の車輪3L、3Rは、車軸5で連結されている。車輪3L、3Rと車軸5をあわせて輪軸6と呼ぶ。この車軸5の左右端部には、軸受けを内蔵した軸箱7L、7Rがそれぞれ取り付けられている。各軸箱7L、7R上には、軸バネ8L、8Rを介して台車枠9が載せられている。台車10は、輪軸6(車輪3L、3R及び車軸5)や軸箱7L、7R、軸バネ8L、8R、台車枠9等で構成される。
台車10の台車枠9上には、空気ばね13L、13Rを介して車体15が載せられている。台車枠9と車体15との間には、これら両者間の変位(空気ばね13L、13Rのストローク)を検出する変位検出機構17L、17Rが設置されている。変位検出機構17L、17Rは、後述する制御装置70(図5参照)に接続されている。図5に示すように、台車10は、車体15の長手方向(前後方向)両端寄りにそれぞれ配置されている。空気ばね13L、13Rは、前後の台車10のそれぞれに配置されており、一両の車両につき計4個(前側左、前側右、後側左、後側右)存在する。前述の変位検出機構17L、17Rは、各空気ばねのそれぞれに対応して計4個設置されている。
図5には、台車10直上の車体15の右及び左に車体振動検出センサ18が模式的に描かれている。車体振動検出センサ18は、例えば車体15の上下方向加速度を検出する加速度センサである。同センサ18は、車体15の床面の高さ位置において、車体15の前後の台車10上の計4台取り付けられており、これらにより車体15の上下並進、ピッチング、ローリング振動加速度を求めることができる。これらセンサ18は、後述する制御装置70に接続されており、検出した振動に応じた加速度信号を出力する。
図1及び図2に示すように、台車枠9の内側には補助空気室21が設置されている。補助空気室21内は、仕切壁22で左右の室21L、21Rに仕切られている。空気ばね13Lと左室21L、右側の空気ばね13Rと右室21Rは、それぞれ連通路25L、25Rで繋がれている。図4に示すように、空気ばね13L、13Rのばね本体は、ゴムベローズ13′と積層ゴム13″で形成されている。空気ばね13L(13R)と室21L(21R)との間の連通路25L(25R)において、積層ゴム13″の内側には制御絞り27L(27R)が配置されている。制御絞り27L(27R)は、連通路25L(25R)の有効断面積を変化させることのできる絞り制御弁であって、後述する制御装置70(図5参照)に接続されている。補助空気室21の各室21L、21Rの容積は一例で70リットルであり、各空気ばね13L、13Rのゴムベローズ13′の容積は一例で20リットルである。
なお、図4に示すような空気ばねは、次に挙げる二つの文献:
菅原能生・風戸昭人共著、『鉄道車両用空気ばねの絞り制御に関する基礎試験』、第11回鉄道技術連合シンポジウム(J−Rail 2004)、513〜514ページ、2004年12月
菅原能生・瀧上唯夫・風戸昭人共著、『空気ばねの減衰制御による鉄道車両の車体上下振動低減』、第9回「運動と振動の制御シンポジウム」講演論文集、140〜145ページ、2005年8月
に提示されている考察結果に基づき構成することが好ましい。
図3に示すように、空気ばね13L、13Rは、圧縮空気配管系統30に繋がっている。図3に示すコンプレッサー31、元空気溜33は、前述した車体15の床下面に取り付けられている。元空気溜33からは、配管35が延び出ている。この配管35の先は途中で分岐して、各空気ばね13L、13Rのそれぞれに繋がっている。元空気溜33と各空気ばね13L、13Rの間の配管構造は同一であるので、以下の図3を用いた説明では、主に左側の空気ばね13Lに対応する配管部材について述べ、右側の空気ばね13Rに対応する配管部材については()内の符号を用いて述べる。
配管35から分岐して空気ばね13L(13R)へと延びる配管36A(37A)には、遮断弁41(51)とLV装置(車高調整装置)の流量制御弁43(53)が取り付けられている。流量制御弁43(53)は、図示せぬ回転軸を有しており、この回転軸の回転角度に応じて流量を調整できるようになっている。この流量制御弁43(53)の弁本体は、前述の車体15に取り付けられており、流量制御弁43(53)の回転軸は、図示せぬリンク機構を介して前述の台車枠9に接続されている。
さらに、配管36A(37A)には、強制排気弁45(55)を備える配管36B(37B)が接続されている。この配管36B(37B)は、流量制御弁43(53)の入出側にループ状に接続されている。強制排気弁45(55)は、流量制御弁43(53)と連動するようになっている。強制排気弁45(55)は、何らかの理由で車体傾斜制御が不能となり、空気ばね13L(13R)への空気供給量が過剰となった場合に、余剰の空気を強制的に排気する役割を果たす。LV装置は、主に流量制御弁43(53)、リンク機構(図示されず)、強制排気弁45(55)で構成され、乗客の増減などで車体重量が変化した場合などでも空気ばね13L(13R)が一定の高さになるように制御する役割を果たす。
LV装置による空気ばねのストローク制御(車高制御)は、次の通りに行われる。
車体が所定の高さにあるとき、流量制御弁43、53の回転軸は中立位置に設定されており、空気ばね13L、13Rに供給する空気は遮断される。仮に、車体内の重量バランスが不均一になったりして、空気ばね13L、13Rの一方が圧縮されて車体が沈むと、圧縮された方の空気ばねに対応する流量制御弁の回転軸が回って開状態となり、空気が供給されて車体を持ち上げる。車体が持ち上がるに連れて、流量制御弁の回転軸が徐々に戻り、車体が所定の高さに達すると再び空気が遮断される。一方、車体が所定以上の高さに上昇すると、流量制御弁43、53の回転軸は中立位置から変化し、空気ばね13L、13R内の空気を排気して車体を所定の高さに降ろす。
引き続き配管構造について説明する。
配管35からは、さらに配管36C(37C)が分岐している。この配管36C(37C)は、空気ばね13L(13R)の手前で配管36A(37A)に繋がっている。配管36C(37C)には、並列に配置された大給・排気弁46(56)、小給・排気弁47(57)と、これを挟んで入出側にそれぞれ配置された2つの遮断弁49(59)とが取り付けられている。
大給・排気弁46(56)は、比較的大流量の空気を通すことのできる弁であり、空気ばね13L(13R)へ迅速に大量の空気を給排気する際に用いられる。小給・排気弁47(57)は、比較的少流量の空気を通すことのできる弁であり、空気ばね13L(13R)に微量の空気を給排気する際に用いられる。これら給・排気弁46、56、及び、47、57は、空気ばね13L、13R内の空気量を調節して車体の傾斜制御を行う際に用いられる。これら給・排気弁46、56、及び、47、57を用いた車体傾斜制御と、前述のLV装置を用いた車高制御とは、遮断弁41、51、49、59、及び、図示せぬ締切コックの操作によって切り換えられる。
各空気ばね13L、13Rの先には、図4等を用いて前述したように、連通路25L、25Rを介して補助空気室21の各室21L、21Rが繋がっている。そして、連通路25L、25Rには、制御絞り27L、27Rが配置されている。補助空気室21の各室21L、21R間は、直列に配置された差圧弁61と遮断弁63とを備える配管39で連通している。車体傾斜を行う際、配管39の遮断弁63は閉とされ、補助空気室21の両室21L、21R間は遮断される。
以上に述べた各構成要素のうち、制御絞り27L、27R、変位検出機構17L、17R、車体振動検出センサ18は、図5に示すように、制御装置70に接続されている。さらに、図5には示されていないが、この制御装置70には、図3を用いて前述した配管構造中の各弁の制御用ケーブルも接続されている。制御装置70は、車体の傾斜制御と制振制御を行うコントローラである。
制御装置70は、車両が曲線区間に進入する際に、左右の空気ばね13L、13Rの高さを変えて車体15を曲線の内側に所望角度傾斜させるよう、給・排気弁46、56、47、57、及び、制御絞り27L、27Rを制御する。この際、制御装置70には、変位検出機構17L、17Rから空気ばね13L、13Rの高さ(ストローク)が入力され、この高さが最適となるように給・排気弁46、56、47、57、及び、制御絞り27L、27Rを制御する。さらに、制御装置70は、車体振動検出センサ18から出力された信号に基づき、通常走行時に生じる車体上下振動、及び、車体傾斜時に生じる車体ロール振動を抑制するよう、制御絞り27L、27Rを制御する。空気ばね13L又は13Rの減衰を大きくするとき、制御装置70は制御絞り27L又は27Rの絞り径が小さくなるように制御する。逆に、空気ばね13L又は13Rの減衰を小さくするとき、制御装置70は制御絞り27L又は27Rの絞り径が大きくなるように制御する。
次に、本実施の形態に係る車体傾斜装置を用いた車体傾斜方法について述べる。
車両がほぼ平坦な直線区間を走行しているときは、図1に示すように、左右の空気ばね13L、13Rにほぼ等量の空気が供給される。このとき、制御装置70(図5参照)は、図3の遮断弁41、51、63が開、遮断弁49、59が閉となるよう制御し、遮断弁41、51が開くことで配管36A、37A内を空気が通ることとなり、前述したようにLV装置で車高制御が行われる。さらに、制御装置70は、図5の車体振動検出センサ18が検出した信号に基づき、制御絞り27L、27Rの絞りを制御し、空気ばね13L、13Rの減衰力を調節して車体の制振制御も行う。すなわち、前述したように、空気ばね13L又は13Rの減衰を大きくするときは、制御絞り27L又は27Rの絞り径が小さくなるように制御し、空気ばね13L又は13Rの減衰を小さくするときは、制御絞り27L又は27Rの絞り径が大きくなるように制御する。
ここで、車両が曲線区間に進入するときは、図2に示すように、車体傾斜装置が曲線内側に向けて車体15を所望角度θ傾斜させる。このとき、制御装置70は、図3の遮断弁41、51、63が閉、遮断弁49、59が開となるよう制御し、遮断弁49、59が開くことで配管36C、37C内を空気が通ることとなる。さらに、制御装置70には、変位検出機構17L、17Rから空気ばね13L、13Rのストロークが入力される。制御装置70は、このストロークの値が最適となるように給・排気弁46、56、47、57、及び、制御絞り27L、27Rを制御する。
図2のように車体15を曲線内側(左側)に向けて所望角度θ傾斜させる際、制御装置70が、曲線区間の外側に位置する右側の空気ばね(給気を受ける空気ばね)13Rの制御絞り27Rをまず絞る。すると、この空気ばね13Rとそれに連通する補助空気室21Rとの間の連通路25Rが狭くなり、空気ばね13Rから補助空気室21Rへと空気が流れにくくなるので、より少ない空気量で素早く空気ばね13Rの内圧が上昇する。つまり、制御絞り27Rを絞ると、補助空気室21R(一例で70リットル)に大量の空気を供給しなくとも、元空気溜33からの少ない空気量で空気ばね13R(一例で20リットル)の内圧を上昇させることができる(図3参照)。このように、車体傾斜時において、給気を受ける空気ばね13Rの内圧を素早く上昇させることができるので、車体傾斜制御の応答性を向上することができ、車体15を曲線区間の内側に向けてスムーズに傾斜させることができる。
このような車体傾斜動作時においては、曲線区間の内側に位置する左側の空気ばね(排気される空気ばね)13Lの制御絞り27Lを絞り、この空気ばね13L内の空気圧下降を待って制御絞り27Lを徐々に開くよう制御することもできる。この場合は、車体15の曲線外側部位が空気ばね13Rで持ち上げられるとともに、曲線内側部位の空気ばね13L内の空気が素早く放出されるので、車体15の傾斜動作がよりスムーズになる。
なお、図2では、車体15を左側に傾斜させた状態(曲線区間が左カーブの場合)が描かれているが、車体15を右側に傾斜させる場合(曲線区間が右カーブの場合)は、左右の空気ばね13L及び13R、制御絞り27L及び27Rを前述とは逆に制御する。また、曲線の出口側では、曲線入口での制御と逆の制御を行って車体を水平に戻す。
このような車体傾斜動作時及び車体傾斜時においては、制御装置70は、車体振動検出センサ18及び変位検出機構17から出力された信号に基づいて、制御絞り27L、27Rの絞り径を車体の振動に合わせて開閉することにより、車体の振動制御を行うことができる。図5に示すように、車体15上に計4点の車体振動検出センサ18が設置されている場合は、車体の上下並進振動、ピッチング振動、ローリング振動を検出でき、これらの振動に対してそれぞれ振動制御を行うことで、車体のそれぞれの振動成分を抑制できる。特に車体ローリング振動の制御を行うことにより、車体15の傾斜動作を一層スムーズにでき、車両の曲線区間通過時における乗り心地を向上することができる。
ただし、車体傾斜動作時にこのような振動制御を頻繁に行うと、絞り弁制御による車体を速やかに傾斜させる効果を減少させることがある。したがって、車体傾斜動作時においては傾斜動作のための制御絞り弁制御と振動抑制のための制御弁絞り制御の優先度を適切に調整する必要がある。
空気ばね13Rの内圧が充分上昇した後は、制御装置70が、絞っていた制御絞り27Rを徐々に開くよう制御し、補助空気室21Rと空気ばね13Rの内部がほぼ等圧になったあたりで、通常の絞り量となるよう制御する。一般に左右の空気ばねの絞り弁の絞り量は等しいことが車両バランスのためには望ましいが、このように左右の絞り量が違う状態を最小限とし、安全性に注意しながら制御することにより、車両の走行安定性が保たれ、乗り心地の悪化が抑制される。
なお、本発明に係る車体傾斜装置は、本出願人と同一出願人による特願2005−104593号に記載された車体傾斜装置を組み合わせて構成することができる。また、台車10の軸箱7L、7Rと台車枠9の間(図1、図2参照)に可変減衰軸ダンパを設置し、車体中央及び/又は台車10に加速度センサを設置している場合は、本出願人と同一出願人による特願2005−104122号に記載された車体傾斜装置と組み合わせて構成し、車両の上下方向の振動をさらに抑制する効果を挙げることもできる。
本実施の形態に係る車体傾斜装置を搭載した鉄道車両の直線区間走行時の状態を示す模式的正面図である。 本実施の形態に係る車体傾斜装置を搭載した鉄道車両の曲線区間走行時(車体傾斜時)の状態を示す模式的正面図である。 本実施の形態に係る車体傾斜装置の空気圧制御系統図である。 本実施の形態に係る車体傾斜装置の空気ばね、補助空気室及び制御絞りの構成例を示す断面図である。 本実施の形態に係る鉄道車両の模式的平面図と制御系統図である。
符号の説明
1L、1R レール
3L、3R 車輪 5 車軸
6 輪軸 7L、7R 軸箱
8L、8R 軸バネ 9 台車枠
10 台車 13L、13R 空気ばね
13′ ゴムベローズ 13″ 積層ゴム
15 車体 17L、17R 変位検出機構
18 車体振動検出センサ
21(21L、21R) 補助空気室 22 仕切壁
25L、25R 連通路 27L、27R 制御絞り
30 圧縮空気配管系統
46、56 大給・排気弁 47、57 小給・排気弁
70 制御装置

Claims (8)

  1. 台車上に左右一対の空気ばねを介して車体を支持した鉄道車両用の車体傾斜装置であって、
    前記各空気ばねの空気を給・排気する各々の給・排気弁と、
    前記各空気ばねと各々連通路を介して連通している各々の補助空気室と、
    前記各連通路に配置された各々の制御絞りと、
    鉄道の曲線区間において左右の前記空気ばねの高さを変えて前記車体を曲線の内側に所望角度傾斜させるよう、前記各空気ばねの各給・排気弁及び各制御絞りを制御する傾斜制御部と、
    を備え、
    車体傾斜時に給気を受ける空気ばね側の制御絞りをまず絞り、その後該空気ばね内の空気圧上昇を待って該制御絞りを徐々に開くことを特徴とする鉄道車両の車体傾斜装置。
  2. 車体傾斜時に排気される空気ばねの制御絞りを絞り、該空気ばね内の空気圧低下を待って該制御絞りを徐々に開くことを特徴とする請求項1記載の鉄道車両の車体傾斜装置。
  3. 車体傾斜時に発生する前記車体の振動を抑制するために前記制御絞りを制御する振動制御部をさらに備えることを特徴とする請求項1又は2記載の鉄道車両の車体傾斜装置。
  4. 前記車体の振動を検出する振動検出部をさらに備え、
    該振動検出部の検出結果に基づき、前記振動制御部が、車体傾斜時に前記車体のロール振動を抑制するよう前記制御絞りを制御することを特徴とする請求項3記載の鉄道車両の車体傾斜装置。
  5. 台車上に左右一対の空気ばねを介して車体を支持した鉄道車両用の車体傾斜方法であって、
    前記各空気ばねは、各々連通路を介して各々の補助空気室に連通しており、
    鉄道の曲線区間において左右の前記空気ばねの高さを変えて前記車体を曲線の内側に所望角度傾斜させるよう、前記各空気ばねの空気を給・排気する各々の給・排気弁、及び、前記各連通路に配置された各々の制御絞りを制御し、
    車体傾斜動作時に、給気を受ける空気ばね側の制御絞りをまず絞り、その後該空気ばね内の空気圧上昇を待って該制御絞りを徐々に開くよう制御することを特徴とする鉄道車両の車体傾斜方法。
  6. 車体傾斜時に排気される空気ばねの制御絞りを絞り、該空気ばね内の空気圧低下を待って該制御絞りを徐々に開くよう制御することを特徴とする請求項5記載の鉄道車両の車体傾斜方法。
  7. 車体傾斜時に発生する前記車体の振動を抑制するために前記制御絞りを制御することを特徴とする請求項5又は6記載の鉄道車両の車体傾斜方法。
  8. 前記車体の振動に基づき、車体傾斜時に前記車体のロール振動を抑制するよう前記制御絞りを制御することを特徴とする請求項7記載の鉄道車両の車体傾斜方法。
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