JP2008100404A - 媒体上におけるラインの形成位置の算出方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】ラインが複数本並んでなるパターンが形成された媒体から前記パターンの画像をスキャナにより読み取る際に、前記パターンの読み取りが正常に行われたか否かを判定可能にする。
【解決手段】ラインに沿う方向と交差する所定方向に前記ラインが複数本並んでなるパターンが形成された媒体から、前記パターンの画像をスキャナにより読み取って前記パターンの画像データを取得し、前記画像データに基づいて検出されたラインの検出位置に基づいて、前記媒体上の前記所定方向に関する前記ラインの形成位置を算出する方法において、前記画像データに基づいて検出されたラインの検出位置の情報と、前記検出位置に隣接して検出されたラインの検出位置の情報とに基づいて、前記所定方向に関する前記検出位置同士の距離に関する情報を算出するライン間距離算出ステップと、前記距離に関する情報に基づいて、前記パターンの読み取りの成否判定を行う成否判定ステップと、を備えたことを特徴とする媒体上におけるラインの形成位置の算出方法。
【選択図】図26

Description

本発明は、媒体上におけるラインの形成位置の算出方法に関する。
紙等の媒体を搬送方向に搬送するとともにヘッドにより媒体に印刷を行う印刷装置として、インクジェットプリンタが知られている。このような印刷装置では、媒体を搬送する際に搬送誤差が生じると、媒体上の正しい位置にヘッドが印刷できなくなる。特に、インクジェットプリンタでは、媒体上の正しい位置にインク滴が着弾しなくなると、印刷された画像に白スジや黒スジが生じ、画質劣化のおそれがある。
そこで、媒体の搬送量を補正する方法が提案されている。例えば特許文献1では、複数のラインからなるパターンを印刷し、このパターンを読み取り部により読み取って、その読取結果に基づいて補正値を算出し、そして、画像を印刷する際に補正値に基づいて搬送量を補正することが提案されている。
特開平5−96796号公報
ここで、上記の読み取り部として、所謂スキャナの活用も考えられる。そして、この場合には、スキャナにより、前記複数のラインからなる前記パターンを読み取って当該パターンの画像データを生成し、この画像データに基づいて前記ラインの印刷位置を検出し、そして、この検出位置に基づいて補正値を算出することになる。
但し、このパターンの読み取り中にスキャナに振動が加わったりすると、1本のラインが二重になって、つまり2本のラインとして読み取られること等があり、その場合には、前記パターンのラインの印刷位置を正確に把握できずに、算出された前記補正値も不適切なものとなる。そして、最悪の場合、前記補正値が不適切なものであることに全く気づかずに、当該補正値を用いて搬送量を補正して印刷してしまい、当該補正が更に画質劣化を助長させてしまう虞がある。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、ラインが複数本並んでなるパターンが形成された媒体から前記パターンの画像をスキャナにより読み取る際に、前記パターンの読み取りが正常に行われたか否かを判定可能な、媒体上におけるラインの形成位置の算出方法を提供することにある。
上記目的を達成するための主たる発明は、
ラインに沿う方向と交差する所定方向に前記ラインが複数本並んでなるパターンが形成された媒体から、前記パターンの画像をスキャナにより読み取って前記パターンの画像データを取得し、前記画像データに基づいて検出されたラインの検出位置に基づいて、前記媒体上の前記所定方向に関する前記ラインの形成位置を算出する方法において、
前記画像データに基づいて検出されたラインの検出位置の情報と、前記検出位置に隣接して検出されたラインの検出位置の情報とに基づいて、前記所定方向に関する前記検出位置同士の距離に関する情報を算出するライン間距離算出ステップと、
前記距離に関する情報に基づいて、前記パターンの読み取りの成否判定を行う成否判定ステップと、を備えたことを特徴とする媒体上におけるラインの形成位置の算出方法である。
本発明の他の特徴については、本明細書及び添付図面の記載により明らかにする。
本明細書及び添付図面の記載により、少なくとも、以下の事項が明らかとなる。
ラインに沿う方向と交差する所定方向に前記ラインが複数本並んでなるパターンが形成された媒体から、前記パターンの画像をスキャナにより読み取って前記パターンの画像データを取得し、前記画像データに基づいて検出されたラインの検出位置に基づいて、前記媒体上の前記所定方向に関する前記ラインの形成位置を算出する方法において、
前記画像データに基づいて検出されたラインの検出位置の情報と、前記検出位置に隣接して検出されたラインの検出位置の情報とに基づいて、前記所定方向に関する前記検出位置同士の距離に関する情報を算出するライン間距離算出ステップと、
前記距離に関する情報に基づいて、前記パターンの読み取りの成否判定を行う成否判定ステップと、を備えたことを特徴とする媒体上におけるラインの形成位置の算出方法。
このような算出方法によれば、前記パターンの読み取りが正常に行われたか否かを正確に判定可能となる。その理由は、前記パターンの読み取り中に、スキャナに振動が加わる等の異常があれば、その影響は前記検出位置同士の距離に現れ易く、また、上記成否判定ステップでは、前記検出位置同士の距離の情報に基づいて、前記パターンの読み取りの成否判定を行うからである。
かかる算出方法であって、
前記ライン間距離算出ステップでは、前記距離に関する情報を全ての前記検出位置について算出し、
前記成否判定ステップでは、前記距離に関する情報毎に、前記距離に関する情報が示す値を、予め設定された数値範囲と比較し、
全ての前記距離に関する情報について、前記値が前記数値範囲に含まれる場合には、前記パターンの読み取り成功と判定する一方、前記値が前記数値範囲に含まれないような前記情報が存在する場合には、前記パターンの読み取り失敗と判定するのが望ましい。
このような算出方法によれば、前記画像データに基づいて検出されたラインの全ての検出位置を、前記読み取りの成否判定の対象にするので、読み取り異常を見落とし難くなる。
また、前記読み取りの成否判定の方法が、前記情報が示す値を前記数値範囲と比較するという比較的簡単な方法なので、そのための演算処理等が簡単になり、処理時間の短縮化を図れる。
かかる算出方法であって、
前記パターンにおける前記ラインは、前記所定方向に隣接するライン同士の距離が所定値を目標値として形成されており、
前記数値範囲は、前記ラインに対応させて、前記ライン毎に予め設定されているのが望ましい。
このような算出方法によれば、前記パターンにおけるライン同士の距離の前記目標値が、ライン毎に異なる場合であっても、前記パターンの読み取りが正常か否かを正しく判定可能となる。
かかる算出方法であって、
前記画像データに基づいて検出されたラインの本数をカウントするステップを備え、
前記成否判定ステップよりも前に、前記本数に基づいて、前記パターンの読み取りが失敗であるか否かを判定する予備判定ステップを備えているのが望ましい。
このような算出方法によれば、先ず、検出されたラインの本数という簡易な指標を用いて、前記パターンの読み取りが失敗であるか否かを判定する。そして、読み取り異常のケースによっては、この判定のみで見つけ出せて、また、読み取り異常と判定された場合には、前記成否判定ステップを行わずに済み、もって、処理時間の短縮化を図れる。
かかる算出方法であって、
前記予備判定ステップでは、前記本数を、予め設定された判定値と比較し、
前記本数が前記判定値と同値でない場合には、前記パターンの読み取り失敗と判定する一方、前記本数が前記判定値と同値の場合には、前記成否判定ステップを行うのが望ましい。
このような算出方法によれば、前記予備判定ステップに係る読み取り失敗の判定の方法が、前記本数を前記判定値と比較するという極簡単な方法なので、そのための演算処理等が簡単になり、処理時間の短縮化を図れる。
かかる算出方法であって、
前記パターンとして、第1パターンと、前記第1パターンよりも、前記所定方向に隣接するライン同士の距離が短い第2パターンとを有し、
前記第1パターンに対しては、前記予備判定ステップを行った後に、前記成否判定ステップを行い、
前記第2パターンに対しては、前記予備判定ステップを行わずに、前記成否判定ステップを行うのが望ましい。
このような算出方法によれば、第1パターンよりもライン同士の距離が短い第2パターンについては、前記予備判定ステップを行わないので、その分だけ、処理時間の短縮化を図れる。なお、前記第2パターンに対して前記予備判定ステップを行わない理由は、第2パターンにあってはライン同士の距離が短いので、第2パターンの媒体をスキャナにセットした際の位置ズレによって、スキャナの読み取り可能領域に収まるラインの本数が大きく変動する虞があって、その場合には、前記判定値を事前に設定し難くなるためである。
かかる算出方法であって、
前記第2パターンの各ラインは、そのラインと前記所定方向に隣り合う他のラインとの間隔が所定の理論値を目標値として形成された目盛りであり、
前記第1パターンの画像データに基づいて検出されたラインの検出位置の情報を、前記第2パターンの画像データに基づいて検出された前記目盛りの検出位置の情報に基づいて補正することにより、前記第1パターンの前記所定方向に関する形成位置を算出するのが望ましい。
このような算出方法によれば、前記第1パターンの画像データに基づいて検出されたラインの検出位置の情報を、前記第2パターンの画像データに基づいて検出された目盛りの検出位置の情報に基づいて補正するので、前記第1パターンの形成位置を検出する際に含まれ得る前記スキャナ自体の検出誤差を確実に相殺させることができる。
かかる算出方法であって、
前記第1パターンのラインの検出位置の情報及び前記第2パターンの目盛りの検出位置の情報に基づいて、前記第2パターンの目盛りに対する前記第1パターンのラインの相対位置を示す相対位置情報を求めるとともに、
前記相対位置情報と、前記理論値に基づく前記第2パターンの目盛りの絶対位置の情報とに基づいて、前記第1パターンのラインの前記所定方向に関する形成位置を算出するのが望ましい。
このような算出方法によれば、前記第2パターンの目盛りの絶対位置の情報として、前記目盛りの間隔の理論値を用いる。よって、前記目盛りの位置を実測しない分だけ、手順の簡素化が図れて、第1パターンのラインの形成位置の算出時間を短縮できる。
かかる算出方法であって、
前記スキャナは、前記媒体が載置される載置面と、前記載置面と平行な第1方向に移動する読取キャリッジと、前記読取キャリッジに設けられて前記媒体の前記パターンを読み取って画像データを生成するための画像読取センサと、を備え、
前記画像読取センサは、前記第1方向と交差する第2方向に長尺なラインセンサであり、
前記載置面には、前記所定方向を前記第1方向に揃えつつ前記ラインに沿う方向を前記第2方向に揃えて、前記媒体が載置されるようにしても良い。
===プリンタ1の構成===
<インクジェットプリンタ1の構成について>
図1は、プリンタ1の全体構成のブロック図である。また、図2Aは、プリンタ1の全体構成の概略図である。また、図2Bは、プリンタ1の全体構成の断面図である。以下、プリンタ1の基本的な構成について説明する。
プリンタ1は、搬送ユニット20、キャリッジユニット30、ヘッドユニット40、検出器群50、及びコントローラ60を有する。外部装置であるコンピュータ110から印刷データを受信したプリンタ1は、コントローラ60によって各ユニット(搬送ユニット20、キャリッジユニット30、ヘッドユニット40)を制御する。コントローラ60は、コンピュータ110から受信した印刷データに基づいて、各ユニットを制御し、紙Sに画像を印刷する。プリンタ1内の状況は検出器群50によって監視されており、検出器群50は、検出結果をコントローラ60に出力する。コントローラ60は、検出器群50から出力された検出結果に基づいて、各ユニットを制御する。
搬送ユニット20は、紙Sを所定の方向(以下、搬送方向という)に搬送させるためのものである。この搬送ユニット20は、給紙ローラ21と、搬送モータ22と、搬送ローラ23と、プラテン24と、排紙ローラ25とを有する。給紙ローラ21は、紙挿入口に挿入された紙Sをプリンタ内に給紙するためのローラである。搬送ローラ23は、給紙ローラ21によって給紙された紙Sを印刷可能な領域まで搬送するローラであり、搬送モータ22によって駆動される。プラテン24は、印刷中の紙Sを支持する。排紙ローラ25は、紙Sをプリンタ1の外部に排出するローラであり、印刷可能な領域に対して搬送方向下流側に設けられている。この排紙ローラ25は、搬送ローラ23と同期して回転する。
なお、搬送ローラ23が紙Sを搬送するとき、紙Sは搬送ローラ23と従動ローラ26との間に挟まれている。これにより、紙Sの姿勢が安定する。一方、排紙ローラ25が紙Sを搬送するとき、紙Sは排紙ローラ25と従動ローラ27との間に挟まれている。排紙ローラ25は印刷領域よりも搬送方向下流側に設けられているので、従動ローラ27は、紙Sとの接触面が小さくなるように構成されている(図4も参照)。このため、紙Sの下端が搬送ローラ23を通過して、紙Sが排紙ローラ25のみによって搬送されるとき、紙Sの姿勢は不安定になり易く、搬送特性も変化しやすい。
キャリッジユニット30は、ヘッド41を所定の方向(以下、移動方向という)に移動させるためのものである。キャリッジユニット30は、キャリッジ31と、キャリッジモータ32とを有する。キャリッジ31は、移動方向に往復移動可能であり、キャリッジモータ32によって駆動される。また、キャリッジ31は、インクを収容するインクカートリッジを着脱可能に保持している。
ヘッドユニット40は、紙Sにインクを吐出するためのものである。ヘッドユニット40は、複数のノズルを有するヘッド41を備える。このヘッド41はキャリッジ31に設けられているため、キャリッジ31が移動方向に移動すると、ヘッド41も移動方向に移動する。そして、ヘッド41が移動方向に移動中にインクを断続的に吐出することによって、移動方向に沿ったドットのライン(ラスタライン)が紙Sに形成される。
検出器群50には、リニア式エンコーダ51、ロータリー式エンコーダ52、紙検出センサ53、および光学センサ54等が含まれる。リニア式エンコーダ51は、キャリッジ31の移動方向の位置を検出する。ロータリー式エンコーダ52は、搬送ローラ23の回転量を検出する。紙検出センサ53は、給紙中の紙Sの先端の位置を検出する。光学センサ54は、キャリッジ31に取付けられている発光部と受光部により、紙Sの有無を検出する。そして、光学センサ54は、キャリッジ31によって移動しながら紙Sの端部の位置を検出し、紙Sの幅を検出することができる。また、光学センサ54は、状況に応じて、紙Sの先端(搬送方向下流側の端部であり、上端ともいう)・後端(搬送方向上流側の端部であり、下端ともいう)も検出できる。
コントローラ60は、プリンタ1の制御を行うための制御ユニットである。コントローラ60は、インターフェース部61と、CPU62と、メモリ63と、ユニット制御回路64とを有する。インターフェース部61は、外部装置であるコンピュータ110とプリンタ1との間でデータの送受信を行う。CPU62は、プリンタ全体の制御を行うための演算処理装置である。メモリ63は、CPU62のプログラムを格納する領域や作業領域等を確保するためのものであり、RAM、EEPROM等の記憶素子を有する。CPU62は、メモリ63に格納されているプログラムに従って、ユニット制御回路64を介して各ユニットを制御する。
<ノズルについて>
図3は、ヘッド41の下面におけるノズルの配列を示す説明図である。ヘッド41の下面には、ブラックインクノズル群Kと、シアンインクノズル群Cと、マゼンタインクノズル群Mと、イエローインクノズル群Yが形成されている。各ノズル群は、各色のインクを吐出するための吐出口であるノズルを90個備えている。
各ノズル群の複数のノズルは、搬送方向に沿って、一定の間隔(ノズルピッチ:k・D)でそれぞれ整列している。ここで、Dは、搬送方向における最小のドットピッチ(つまり、紙Sに形成されるドットの最高解像度での間隔)である。また、kは、1以上の整数である。例えば、ノズルピッチが90dpi(1/90インチ)であって、搬送方向のドットピッチが720dpi(1/720インチ)である場合、k=8である。
各ノズル群のノズルは、下流側のノズルほど小さい数の番号が付されている(♯1〜♯90)。つまり、ノズル♯1は、ノズル♯90よりも搬送方向の下流側に位置している。なお、前述の光学センサ54は、搬送方向の位置に関して、一番上流側にあるノズル♯90とほぼ同じ位置にある。
各ノズルには、それぞれインクチャンバー(不図示)と、ピエゾ素子が設けられている。ピエゾ素子の駆動によってインクチャンバーが伸縮・膨張し、ノズルからインク滴が吐出される。
===搬送誤差===
<紙Sの搬送について>
図4は、搬送ユニット20の構成の説明図である。
搬送ユニット20は、コントローラ60からの搬送指令に基づいて、所定の駆動量にて搬送モータ22を駆動させる。搬送モータ22は、指令された駆動量に応じて回転方向の駆動力を発生する。搬送モータ22は、この駆動力を用いて搬送ローラ23を回転させる。つまり、搬送モータ22が所定の駆動力を発生すると、搬送ローラ23は所定の回転量にて回転する。搬送ローラ23が所定の回転量にて回転すると、紙Sは所定の搬送量にて搬送される。
紙Sの搬送量は、搬送ローラ23の回転量に応じて定まる。ここでは、搬送ローラ23が1回転すると、紙Sが1インチ搬送されるものとする(つまり、搬送ローラ23の周長は、1インチである)。このため、搬送ローラ23が1/4回転すると、紙Sが1/4インチ搬送される。
したがって、搬送ローラ23の回転量が検出できれば、紙Sの搬送量も検出可能である。そこで、搬送ローラ23の回転量を検出するため、ロータリー式エンコーダ52が設けられている。
ロータリー式エンコーダ52は、スケール521と検出部522とを有する。スケール521は、所定の間隔毎に設けられた多数のスリットを有する。このスケール521は、搬送ローラ23に設けられている。つまり、スケール521は、搬送ローラ23が回転すると、一緒に回転する。そして、搬送ローラ23が回転すると、スケール521の各スリットが検出部522を順次通過する。検出部522は、スケール521と対向して設けられており、プリンタ本体側に固定されている。ロータリー式エンコーダ52は、スケール521に設けられたスリットが検出部522を通過する毎に、パルス信号を出力する。搬送ローラ23の回転量に応じてスケール521に設けられたスリットが順次検出部522を通過するので、ロータリー式エンコーダ52の出力に基づいて、搬送ローラ23の回転量が検出される。
そして、例えば搬送量1インチで紙Sを搬送する場合、搬送ローラ23が1回転したことをロータリー式エンコーダ52が検出するまで、コントローラ60が搬送モータ22を駆動する。このように、コントローラ60は、目標とする搬送量(目標搬送量)に応じた回転量になることをロータリー式エンコーダ52が検出するまで、搬送モータ22を駆動して、紙Sを目標搬送量にて搬送する。
<搬送誤差について>
ところで、ロータリー式エンコーダ52は、直接的には搬送ローラ23の回転量を検出するのであって、厳密にいえば、紙Sの搬送量を検出していない。このため、搬送ローラ23の回転量と紙Sの搬送量が一致しない場合、ロータリー式エンコーダ52は紙Sの搬送量を正確に検出することができず、搬送誤差(検出誤差)が生じる。搬送誤差としては、DC成分の搬送誤差及びAC成分の搬送誤差の2種類がある。
DC成分の搬送誤差とは、搬送ローラ23が1回転したときに生じる所定量の搬送誤差のことである。このDC成分の搬送誤差は、製造誤差等によって搬送ローラ23の周長が個々のプリンタ毎に異なることが原因と考えられる。つまり、DC成分の搬送誤差は、設計上の搬送ローラ23の周長と実際の搬送ローラ23の周長が異なるために生じる搬送誤差である。このDC成分の搬送誤差は、搬送ローラ23が1回転するときの開始位置に関わらず、一定になる。但し、実際のDC成分の搬送誤差は、紙Sの摩擦等の影響によって、紙Sの総搬送量に応じて異なる値になる(後述)。言い換えると、実際のDC成分の搬送誤差は、紙Sと搬送ローラ23(又は紙Sとヘッド41)との相対位置関係に応じて異なる値になる。
AC成分の搬送誤差とは、搬送時に用いられる搬送ローラ23の周面の場所に応じた搬送誤差のことである。AC成分の搬送誤差は、搬送時に用いられる搬送ローラ23の周面の場所に応じて、異なる量になる。つまり、AC成分の搬送誤差は、搬送開始時の搬送ローラ23の回転位置と搬送量に応じて、異なる量になる。
図5は、AC成分の搬送誤差の説明用グラフである。横軸は、基準となる回転位置からの搬送ローラ23の回転量である。縦軸は、搬送誤差を示す。このグラフを微分すれば、その回転位置で搬送ローラ23が搬送しているときに生じる搬送誤差が導き出される。ここでは、基準位置における累積搬送誤差をゼロとし、DC成分の搬送誤差もゼロとしている。
搬送ローラ23が基準位置から1/4回転すると、δ_90の搬送誤差が生じ、紙Sは1/4インチ+δ_90にて搬送される。但し、搬送ローラ23が更に1/4回転すると、-δ_90の搬送誤差が生じ、紙Sは1/4インチ−δ_90にて搬送される。
AC成分の搬送誤差が生じる原因としては、例えば、以下の3つが考えられる。
まず第1に、搬送ローラ23の形状による影響が考えられる。例えば、搬送ローラ23が楕円形状や卵型である場合、搬送ローラ23の周面の場所に応じて、回転中心までの距離が異なっている。そして、回転中心までの距離が長い部分で紙Sを搬送する場合、搬送ローラ23の回転量に対する搬送量が多くなる。一方、回転中心までの距離が短い部分で紙Sを搬送する場合、搬送ローラ23の回転量に対する搬送量が少なくなる。
第2に、搬送ローラ23の回転軸の偏心が考えられる。この場合も、搬送ローラ23の周面の場所に応じて、回転中心までの長さが異なっている。このため、たとえ搬送ローラ23の回転量が同じであっても、搬送ローラ23の周面の場所に応じて、搬送量が異なることになる。
第3に、搬送ローラ23の回転軸と、ロータリー式エンコーダ52のスケール521の中心との不一致が考えられる。この場合、スケール521が偏心して回転することになる。この結果、検出部522が検出するスケール521の場所に応じて、検出されたパルス信号に対する搬送ローラ23の回転量が異なることになる。例えば、検出されるスケール521の場所が搬送ローラ23の回転軸から離れている場合、検出されたパルス信号に対する搬送ローラ23の回転量が少なくなるため、搬送量が少なくなる。一方、検出されるスケール521の場所が搬送ローラ23の回転軸から近い場合、検出されたパルス信号に対する搬送ローラ23の回転量が多くなるため、搬送量が多くなる。
上記の原因のため、AC成分の搬送誤差は、図5に示す通り、ほぼサインカーブになる。
<補正すべき搬送誤差>
図6は、101.6mm×152.4mm(4インチ×6インチ)の大きさの紙Sを搬送する際に生じる搬送誤差のグラフ(概念図)である。グラフの横軸は、紙Sの総搬送量を示している。グラフの縦軸は、搬送誤差を示している。図中の点線は、DC成分の搬送誤差のグラフである。図中の実線の値(トータルの搬送誤差)から図中の点線の値(DC成分の搬送誤差)を引けば、AC成分の搬送誤差が求められる。AC成分の搬送誤差は、紙Sの総搬送量に関わらず、ほぼサインカーブになる。一方、点線で示されるDC成分の搬送誤差は、紙Sの摩擦等の影響によって、紙Sの総搬送量に応じて異なる値になる。
既に説明したように、AC成分の搬送誤差は、搬送ローラ23の周面の場所に応じて異なる。このため、たとえ同じ紙Sを搬送する場合であっても、搬送開始時の搬送ローラ23の回転位置が異なれば、AC成分の搬送誤差が異なるため、トータルの搬送誤差(グラフの実線で示す搬送誤差)は異なることになる。これに対し、DC成分の搬送誤差はAC成分の搬送誤差とは異なり搬送ローラ23の周面の場所とは無関係なので、たとえ搬送開始時の搬送ローラ23の回転位置が異なっていても、搬送ローラ23が1回転したときに生じる搬送誤差(DC成分の搬送誤差)は同じになる。
また、AC成分の搬送誤差を補正しようとする場合、コントローラ60は、搬送ローラ23の回転位置を検出する必要がある。しかし、搬送ローラ23の回転位置を検出するためには、ロータリー式エンコーダ52に原点センサを更に用意する必要があり、コストアップとなる。
そこで、以下に示す搬送量の補正では、DC成分の搬送誤差を補正することにしている。
一方、DC成分の搬送誤差は、紙Sの総搬送量(言い換えると、紙Sと搬送ローラ23との相対位置関係)に応じて異なる値になる(図6の点線参照)。このため、より多くの補正値を搬送方向の位置に応じて用意できれば、きめ細かく搬送誤差を補正することができる。そこで、この例では、搬送ローラ23の1回転分に相当する1インチの範囲ごとではなく、1/4インチの範囲ごとに、DC成分の搬送誤差を補正するための補正値を用意している。
===概略説明===
図7は、補正値設定処理(搬送量を補正するための補正値をプリンタ1に設定する処理)のフロー図である。図8A〜図8Cは、補正値設定処理の様子の説明図である。これらの処理は、プリンタ製造工場の検査工程において行われる。この処理に先立って、検査者は、組み立て完了後のプリンタ1を工場内のコンピュータ110に接続する。工場内のコンピュータ110には、スキャナ150も接続されており、プリンタドライバ、スキャナドライバ及び補正値設定プログラムが予めインストールされている。そして、補正値設定プログラムが、プリンタドライバ及びスキャナドライバと協同して図7の補正値設定処理を実行する。
まず、補正値設定プログラムの指示に従って、プリンタドライバが印刷データをプリンタ1に送信し、プリンタ1がテストシートTS(媒体に相当)に測定用パターン(第1パターンに相当)を印刷する(S101、図8A)。次に、検査者はテストシートTSをスキャナ150にセットする。そうしたら、補正値設定プログラムの指示に従って、スキャナドライバがスキャナ150に測定用パターンを読み取らせ、テストシートTSの画像データを取得する(S102、図8B)。なお、スキャナ150にはテストシートTSとともに、所定間隔で目盛りが付けられた基準スケールSS(媒体に相当)もセットされており、この目盛りのパターン(第2パターンに相当し、以下では目盛りパターンと言う)も一緒に読み取られる。
そして、補正値設定プログラムは、取得した画像データを解析し、補正値を算出する(S103)。これら算出した補正値のデータ(補正データ)を、補正値設定プログラムはプリンタ1に送信し、プリンタ1のメモリ63に補正値を記憶させる(S104、図8C)。プリンタ1に記憶される補正値は、個々のプリンタ1の搬送特性を反映したものになる。
なお、補正値を記憶したプリンタ1は、梱包されてユーザの下に届けられる。ユーザがプリンタ1で画像を印刷する際に、プリンタ1は、補正値に基づいて紙Sを搬送し、紙Sに画像を印刷する。
===測定用パターンの印刷(S101)===
まず、測定用パターンの印刷について説明する。通常の印刷と同様に、プリンタ1は、移動中のノズルからインクを吐出してドットを形成するドット形成処理と、紙Sを搬送方向に搬送する搬送動作とを交互に繰り返し、測定用パターンを紙Sに印刷する。なお、以下の説明では、ドット形成処理のことを「パス」と呼び、n回目のドット形成処理のことを「パスn」と呼ぶ。
図9は、測定用パターンの印刷の様子の説明図である。測定用パターンの印刷されるテストシートTSの大きさは、101.6mm×152.4mm(4インチ×6インチ)である。
図中の右側には、テストシートTSに印刷される測定用パターンが示されている。図中の左側の長方形は、各パスにおけるヘッド41の位置(テストシートTSに対する相対位置)が示されている。説明の都合上、ヘッド41がテストシートTSに対して移動しているように描かれているが、同図はヘッド41とテストシートTSとの相対的な位置関係を示すものであって、実際にはテストシートTSが搬送方向に間欠的に搬送されている。
テストシートTSが搬送され続けると、テストシートTSの下端が搬送ローラ23を通過する。テストシートTSの下端が搬送ローラ23を通過する時に最上流ノズル♯90と対向するテストシートTSの位置が、「NIPライン」として図中に点線で示されている。つまり、図中においてヘッド41がNIPラインよりも上にあるパスでは、搬送ローラ23と従動ローラ26との間でテストシートTSが挟まれた状態(「NIP状態」とも言う)で、印刷が行われる。また、図中において、ヘッド41がNIPラインよりも下にあるパスでは、搬送ローラ23と従動ローラ26との間にテストシートTSがない状態(排紙ローラ25と従動ローラ27だけでテストシートTSを搬送する状態であり「非NIP状態」とも言う)で、印刷が行われる。
測定用パターンは、複数のラインから構成される。各ラインは、いずれも移動方向に沿って形成されている。NIPラインよりも上端側には、多数のラインが形成される。NIPラインよりも上端側のラインについて、上端側から順にi番目のラインのことを「Li」と呼ぶ。また、NIPラインよりも下端側には、2つのラインが形成される。NIPラインよりも下端側の2つのラインのうち、上端側のラインをLb1と呼び、下端側のライン(一番下のライン)をLb2と呼ぶ。特定のラインは、他のラインよりも長く形成されている。例えば、ラインL1及びラインLb2は、他のラインと比べて、長く形成されている。これらのラインは、以下のようにして形成される。
まず、テストシートTSが所定の印刷開始位置まで搬送された後、パス1において、ノズル♯90のみからインク滴が吐出され、ラインL1が形成される。パス1の後、コントローラ60は、搬送ローラ23を1/4回転させて、テストシートTSを1/4インチだけ搬送しようとする。搬送後、パス2において、ノズル♯90のみからインク滴が吐出され、ラインL2が形成される。以下、同様の動作が繰り返し行われ、もって、1/4インチを間隔の目標値としながらも、実際にはラインL1〜ラインL20が、約1/4インチ間隔で形成される。このように、NIPラインよりも上端側にあるラインL1〜ラインL20は、ノズル♯1〜ノズル♯90のうちの最上流ノズル♯90により形成される。これにより、NIP状態で、できる限り多くのラインをテストシートTSに形成することができる。
テストシートTSの下端が搬送ローラ23を通過した後、パスnにおいて、ノズル♯90のみからインク滴が吐出され、ラインLb1が形成される。パスnの後、コントローラ60は、搬送ローラ23を1回転させて、テストシートTSを約1インチだけ搬送する。搬送後、パスn+1において、ノズル♯3のみからインク滴が吐出され、ラインLb2が形成される。仮にノズル♯1が用いられると、ラインLb1とラインLb2との間隔が非常に狭くなり(約1/90インチ)、後でラインLb1とラインLb2との間隔を測定する際に、測定しにくくなる。このため、この例では、ノズル♯1よりも搬送方向上流側にあるノズル♯3を用いてラインLb2を形成することにより、ラインLb1とラインLb2との間隔を広げて、測定し易くしている。
ところで、テストシートTSの搬送が理想的に行われた場合、ラインL1〜ラインL20におけるライン同士の間隔は、ちょうど1/4インチになるはずである。しかし、搬送誤差があると、ライン間隔は1/4インチにならない。仮に理想的な搬送量よりも多くテストシートTSが搬送されると、ライン間隔は広がる。逆に、理想的な搬送量よりも少なくテストシートTSが搬送されると、ライン間隔が狭まる。つまり、ある2つのラインの間隔は、一方のラインが形成されるパスと他方のラインが形成されるパスとの間に行われる搬送処理での搬送誤差を反映している。このため、2つのラインの間隔を測定すれば、一方のラインが形成されるパスと他方のラインが形成されるパスとの間に行われる搬送処理での搬送誤差を測定することが可能になる。
同様に、ラインLb1とラインLb2との間隔は、テストシートTSの搬送が理想的に行われた場合(正確には、更にノズル♯90とノズル♯3のインクの吐出が同じである場合)、ちょうど3/90インチになるはずである。しかし、搬送誤差があると、ライン間隔は3/90インチにならない。このため、ラインLb1とラインLb2の間隔は、非NIP状態における搬送処理での搬送誤差を反映していると考えられる。このため、ラインLb1とラインLb2との間隔を測定すれば、非NIP状態における搬送処理での搬送誤差を測定することが可能になる。
===測定用パターンと目盛りパターンの読み取り(S102)===
<スキャナ150の構成>
まず、測定用パターンの読み取りに用いられるスキャナ150の構成について説明する。図10Aは、スキャナ150の縦断面図である。図10Bは、図10A中のB−B線矢視図である。
スキャナ150は、上蓋151と、原稿5が置かれる原稿台ガラス152と、この原稿台ガラス152を介して原稿5と対面しつつ副走査方向(第1方向に相当)に移動する読取キャリッジ153と、読取キャリッジ153を副走査方向に案内するガイド部材154と、読取キャリッジ153を副走査方向に移動させるための移動機構155と、スキャナ150内の各部を制御するスキャナコントローラ(不図示)とを備えている。
読取キャリッジ153には、原稿5に光を照射する露光ランプ157と、前記副走査方向に直交する主走査方向(第2方向に相当)に長尺で、前記主走査方向のラインの像を検出する画像読取センサとしてのラインセンサ158と、原稿5からの反射光をラインセンサ158へ導くためのロッドレンズ等の光学機器159とが設けられている。なお、図10A中の読取キャリッジ153の内部の破線は、光の軌跡を示している。
ガイド部材154は、図10Bに示すように、前記読取キャリッジ153を、その主走査方向の両端部153a,153bにて支持する一対のレール154,154を有する。そして、読取キャリッジ153は、これら両端部153a,153bを支持された状態で、移動機構155から副走査方向に駆動力を付与されて同方向に移動する。
移動機構155は、キャリッジモータ155dと、一対のプーリ155a,155bと、これら一対のプーリ155a,155bに掛け回されたタイミングベルト155cとを有する。キャリッジモータ155dは、DCモータなどにより構成され、読取キャリッジ153を副走査方向に沿って相対的に移動させるための駆動源として機能する。また、タイミングベルト155cは、プーリ155aを介してキャリッジモータ155dに接続されるとともに、その一部が、連結部材156にて読取キャリッジ153に接続され、もって、キャリッジモータ155dの回転駆動により読取キャリッジ153を副走査方向に沿って相対的に移動させる。
このような構成のスキャナ150により原稿5の画像を読み取るときには、先ず、操作者は、上蓋151を開いて原稿5を原稿台ガラス152の上面152a(載置面に相当)に置き、上蓋151を閉じる。そして、スキャナコントローラが、露光ランプ157を発光させた状態で読取キャリッジ153を副走査方向に沿って移動させ、ラインセンサ158により原稿5の表面の画像を読み取る。スキャナコントローラは、読み取った画像データをコンピュータ110のスキャナドライバへ送信し、これにより、コンピュータ110は、原稿5の画像データを取得する。
ちなみに、図10Bに読取キャリッジ153の画像の読み取り可能領域を示すが、この読み取り可能領域の大きさは、原稿台ガラス152の上面152aと同じサイズになっている。つまり、読取キャリッジ153は、前記上面152aの副走査方向の一端縁152bから他端縁152cまで移動し、もって、前記上面152aに収まるサイズの原稿5であれば、その原稿5の全範囲に亘って画像を読み取ることができる。
<読み取り位置精度>
後述するように、この例では、スキャナ150は、テストシートTSの測定用パターンと基準スケールSSの目盛りパターンとを、720dpi(主走査方向)×720dpi(副走査方向)の解像度で読み取る。このため、以下の説明では、720×720dpiの解像度で画像を読み取ることを前提にして説明を行う。
図11は、スキャナ150の読み取り位置の誤差のグラフである。グラフの横軸は、読み取り位置(理論値)を示している(すなわち、グラフの横軸は、読取キャリッジ153の位置(理論値)を示している)。グラフの縦軸は、読み取り位置の誤差(読み取り位置の理論値と実際の読み取り位置との差)を示している。例えば、読取キャリッジ153を1インチ(=25.4mm)移動させると、約60μmの誤差が生じることになる。
仮に、読み取り位置の理論値と実際の読み取り位置が一致していれば、零点位置(読み取り位置がゼロの位置)を示す画素から副走査方向に720画素離れた画素は、零点位置からちょうど1インチ離れた位置の画像を示すはずである。しかし、グラフに示すような読み取り位置の誤差が生じた場合、零点位置を示す画素から副走査方向に720画素離れた画素は、零点位置から1インチ離れた位置よりも60μmだけ更に離れた位置の画像を示すことになる。
また、仮に、グラフの傾きがゼロであれば、1/720インチ毎に等間隔に、画像が読み取られるはずである。しかし、グラフの傾きがプラスの位置では、1/720インチよりも長い間隔で画像が読み取られることになる。また、グラフの傾きがマイナスの位置では、1/720インチよりも短い間隔で画像が読み取られることになる。
この結果、仮に測定用パターンのラインが等間隔に形成されたとしても、読み取り位置の誤差がある状態では、画像データ上のラインの画像が等間隔にならない。このように、読み取り位置の誤差がある状態では、測定用パターンを単に読み取っただけでは、ラインの位置を正確に計測することができない。
そこで、この例では、テストシートTSをセットして測定用パターンをスキャナ150に読み取らせる際に、基準スケールSSをセットして基準スケールSSの目盛りパターンも読み取らせている。
<測定用パターンと目盛りパターンの読み取り>
図12Aは、基準スケールSSの説明図である。図12Bは、原稿台ガラス152にテストシートTSと基準スケールSSをセットした様子の説明図である。
基準スケールSSの大きさは10mm×400mmであり、長細い形をしている。そして、基準スケールSSの長手方向について、36dpi間隔にて多数の目盛りが付けられており、これら目盛りは目盛りパターン(第2パターンに相当)を構成している。各目盛りは、前記長手方向と直交する方向に沿って直線状に形成されている。基準スケールSSは繰り返し使用されるため、紙ではなく、PETフィルム等の樹脂素材から構成される。また、基準スケールSSの目盛りは、レーザー加工により高精度に形成されている。すなわち、各目盛りは、隣り合う目盛りとの間隔が所定の理論値(36dpi)を目標値として、この目標値に極力揃うように高精度に(例えば、1/36インチ±0.000027ミリの寸法公差で)形成されている。
不図示の治具を用いることによって、テストシートTS及び基準スケールSSは、原稿台ガラス152上の所定の位置にセットされる。例えば、図12Bに示すように、副走査方向の載置用ベンチマークBMを、原稿台ガラス152の上面152aにおける副走査方向上流側の端縁Ebとし、この端縁Ebに、テストシートTSの長手方向の端縁Et及び基準スケールSSの長手方向の端縁Esが一致するようにセットされる。
その結果、基準スケールSSは、目盛りをふられた方向たる長手方向がスキャナ150の副走査方向に平行になるように、すなわち基準スケールSSの各目盛りの線がスキャナ150の主走査方向に平行になるようにセットされる。また、この基準スケールSSの主走査方向の横に並んでセットされたテストシートTSも、その長手方向がスキャナ150の副走査方向に平行になるように、すなわち測定用パターンの各ラインが主走査方向に平行になるようにセットされる。
このようにテストシートTSと基準スケールSSをセットした状態で、スキャナ150は、測定用パターンと目盛りパターンを読み取る。このとき、読み取り位置の誤差の影響のため、読取結果における測定用パターンの画像は実際の測定用パターンと比べて歪んだ画像になる。同様に、目盛りパターンの画像も実際の目盛りパターンと比べて歪んだ画像になる。
なお、読取結果における測定用パターンの画像は、読み取り位置の誤差の影響だけではなく、プリンタ1の搬送誤差の影響も受けている。一方、目盛りパターンはプリンタ1の搬送誤差とは何も関わりなく概ね等間隔にて形成されているので、目盛りパターンの画像は、スキャナ150の読み取り位置の誤差の影響を受けているが、プリンタ1の搬送誤差の影響は受けていない。
そこで、補正値設定プログラムは、測定用パターンの画像に基づいて補正値を算出する際に、基準スケールSSの目盛りパターンの画像に基づいて、測定用パターンの画像における読み取り位置の誤差の影響を相殺(キャンセル)させる。
ちなみに、この例では、図12Bに示すように、測定用パターンの副走査方向の大きさは、原稿台ガラス152の上面152aたる読み取り可能領域に収まる大きさであるが、目盛りパターンの副走査方向の大きさは、読み取り可能領域よりも大きくなっている。よって、測定用パターンについては、スキャナ150により全てのライン(L1〜Lb2)を読み取り可能であるが、目盛りパターンについては、副走査方向の端部の目盛りを読み取ることができない。このことは、後述の「目盛りパターンの読み取り成否判定処理(S301)」に関係する。
===補正値の算出(S103)===
補正値の算出の説明の前に、スキャナ150から取得した画像データについて説明する。画像データは、複数の画素データから構成されている。各画素データは、対応する画素の階調値を示している。スキャナ150の読み取り誤差を無視すれば、各画素は1/720インチ×1/720インチの大きさに相当する。このような画素を最小構成単位として画像(ディジタル画像)が構成されており、画像データは、このような画像を示すデータになっている。
図13は、S103における補正値算出処理のフロー図である。コンピュータ110は、補正値設定プログラムに従って、各処理を実行する。つまり、補正値設定プログラムは、各処理をコンピュータ110に実行させるためのコードを有する。
<画像の分割(S131)>
まず、コンピュータ110は、スキャナ150から取得した画像データの示す画像を2つに分割する(S131)。
図14は、画像の分割(S131)の説明図である。図中の左側には、スキャナ150から取得した画像データの示す画像が描かれている。図中の右側には、分割された画像が描かれている。以下の説明において、図中の左右方向(水平方向)をx方向と呼び、図中の上下方向(垂直方向)をy方向と呼ぶ。基準スケールSSの目盛りパターンの画像における各目盛りはx方向にほぼ平行であり、測定用パターンの画像における各ラインもx方向にほぼ平行である。
コンピュータ110は、読取結果の画像から所定の範囲の画像を取り出すことによって、画像を2つに分割する。読取結果の画像が2つに分割されることにより、一方の画像が目盛りパターンの画像を示し、他方の画像が測定用パターンの画像を示すことになる。このように分割する理由は、基準スケールSSとテストシートTSがそれぞれ別々に傾いてスキャナ150にセットされるおそれがあるので、それぞれ別々に傾き補正(S133)をするためである。
<各画像の傾きの検出(S132)>
次に、コンピュータ110は、画像の傾きを検出する(S132)。
図15Aは、測定用パターンの画像の傾きを検出する様子の説明図である。コンピュータ110は、画像データの中から、左からKX2番目の画素であって、上からKY1番目からJY個の画素を取り出す。同様に、コンピュータ110は、画像データの中から、左からKX3番目の画素であって、上からKY1番目からJY個の画素を取り出す。なお、取り出される画素の中にラインL1を示す画素が含まれるように、パラメータKX2、KX3、KY1及びJYが設定されている。
図15Bは、取り出された画素の階調値のグラフである。横軸は、画素の位置(Y座標)を示している。縦軸は、画素の階調値を示している。コンピュータ110は、取り出されたJY個の画素の画素データに基づいて、重心位置KY2、KY3をそれぞれ求める。
そして、コンピュータ110は、次式1によりラインL1の傾きθを算出する。
θ=tan−1{(KY2−KY3)/(KX2−KX3)} ……式1
なお、コンピュータ110は、測定用パターンの画像の傾きだけでなく、基準スケールSSの目盛りパターンの画像の傾きも検出する。目盛りパターンの画像の傾きの検出方法は、上記の方法とほぼ同様であるので、説明を省略する。
<各画像の傾きの補正(S133)>
次に、コンピュータ110は、S132において検出した傾きθに基づいて、画像を回転処理し、画像の傾きを補正する(S133)。測定用パターンの画像は、測定用パターンの画像の傾き結果に基づいて回転補正され、基準スケールSSの目盛りパターンの画像は、目盛りパターンの画像の傾き結果に基づいて回転補正される。
画像の回転処理のアルゴリズムには、バイリニア法が用いられる。このアルゴリズムは良く知られているので、説明は省略する。
<印刷時の傾きの検出(S134)>
次に、コンピュータ110は、測定用パターンの印刷時の傾き(スキュー)を検出する(S134)。測定用パターンを印刷するときにテストシートTSの下端が搬送ローラ23を通過すると、テストシートTSの下端がヘッド41に接触し、テストシートTSが動くことがある。このようなことが起こると、その測定用パターンにより算出された補正値が不適切なものになる。そこで、測定用パターンの印刷時の傾きを検出することにより、テストシートTSの下端がヘッド41に接触したか否かを検出し、接触した場合にはエラーとする。
図16は、測定用パターンの印刷時の傾きの検出の様子の説明図である。まず、コンピュータ110は、ラインL1(一番上のライン)とラインLb2(一番下のライン、下端が搬送ローラ23を通過した後に形成されるライン)における左側の間隔YLと、右側の間隔YRとを検出する。そして、コンピュータ110は、間隔YLと間隔YRの差を算出し、この差が所定範囲内であれば次の処理(S135)へ進み、この差が所定範囲外であればエラーとする。
<余白量の算出(S135)>
次に、コンピュータ110は、余白量を算出する(S135)。
図17は、余白量Xの説明図である。図中の実線の四角形(外側の四角形)は、S133の回転補正後の画像を示している。図中の点線の四角形(内側の斜めの四角形)は、回転補正前の画像を示している。回転補正後の画像を長方形状にするため、S133の回転補正処理が行われる際に、回転後の画像の四隅に直角三角形状の余白が付加される。
仮に基準スケールSSの傾きとテストシートTSの傾きとが異なると、付加される余白量が異なることになり、回転補正(S133)の前後において、基準スケールSSの目盛りパターンに対する測定用パターンのラインの位置が相対的にずれることになる。そこで、コンピュータ110は、次式2により余白量Xを求め、S136において検出されるライン位置から余白量Xを差し引くことによって、目盛りパターンに対する測定用パターンのラインの位置のずれを防止する。
X=(w cosθ−W´/2)×tanθ ……式2
<スキャナ座標系での目盛りの位置及びラインの位置の検出(S136)>
次に、コンピュータ110は、スキャナ座標系での目盛りパターンの目盛りの位置及び測定用パターンのラインの位置をそれぞれ検出する(S136)。
スキャナ座標系とは、1画素の大きさを1/720×1/720インチとしたときの座標系である。スキャナ150には読み取り位置の誤差があり、読み取り位置の誤差を考慮すると、各画素データの対応する実際の領域は厳密には1/720インチ×1/720インチにはならないが、スキャナ座標系では、各画素データの対応する領域(画素)の大きさを1/720×1/720インチとする。また、各画像における左上の画素の位置を、スキャナ座標系の原点とする。
図18Aは、ラインの位置を検出する際に用いられる画像の範囲の説明図である。図中の点線で示す範囲の画像の画像データが、ラインの位置を検出する際に用いられる。図18Bは、ラインの位置の検出の説明図である。横軸は、画素のy方向の位置(スキャナ座標系)を示している。縦軸は、画素の階調値(x方向に並ぶ画素の階調値の平均値)を示している。
コンピュータ110は、階調値のピーク値の位置を求め、この位置を中心とする所定の範囲を演算範囲とする。そして、この演算範囲の画素の画素データに基づいて、階調値の重心位置を検出し、この重心位置をラインの検出位置とする。なお、テストシートTSや基準スケールSSにゴミが付着している場合には、このゴミをラインや目盛りの検出位置として誤検出してしまう虞がある。よって、このような誤検出を防ぐべく、前記ピーク値が、予め設定された所定の数値範囲に入っていない場合には、その重心位置を前記ライン及び前記目盛りの検出位置から除くように処理しても良い。
図19は、検出されたライン及び目盛りの検出位置の説明図である(なお、図中に示す検出位置は、所定の演算が施されて無次元化されている)。基準スケールSSの目盛りパターンは等間隔の目盛りから構成されているにもかかわらず、目盛りパターンの各目盛りの重心位置に注目すると、検出された各目盛りの検出位置は、等間隔にはなっていない。これは、スキャナ150の読み取り位置の誤差の影響と考えられる。
<測定用パターン及び目盛りパターンの読み取り成否判定(S136a)>
次に、コンピュータ110は、上述のステップS136で求められた測定用パターンのラインの検出位置及び目盛りパターンの目盛りの検出位置に基づいて、測定用パターン及び目盛りパターンの読み取りが正常に行われたか否かを判定する。そして、「読み取り成功」と判定した場合には、次のステップS137へ移行するが、「読み取り失敗」と判定した場合には、実行中の当該補正値算出処理(S103)を強制的にエラー終了し、図7のS102の「測定用パターンと目盛りパターンの読み取りステップ」へと戻る。また、その旨を、コンピュータ110は適宜なユーザーインターフェース等に表示し、これにより検査者に対して前記読み取りステップ(S102)からの再開を指示する。なお、このステップS136aについては後述する。
<測定用パターンの各ラインの絶対位置の算出(S137)>
次に、コンピュータ110は、測定用パターンのラインの絶対位置をそれぞれ算出する(S137)。
図20Aは、測定用パターンのi番目のラインの絶対位置の算出の説明図である。ここでは、測定用パターンのi番目のラインは、目盛りパターンのj−1番目の目盛りと、目盛りパターンのj番目の目盛りとの間に位置する。以下の説明では、測定用パターンのi番目のラインの検出位置(スキャナ座標系)を「S(i)」と呼び、目盛りパターンのj番目の目盛りの検出位置(スキャナ座標系)を「K(j)」と呼ぶ。また、目盛りパターンのj−1番目の目盛りとj番目の目盛りとの間隔(y方向の間隔)を「L」と呼び、目盛りパターンのj−1番目の目盛りと測定用パターンのi番目のラインとの間隔(y方向の間隔)を「L(i)」と呼ぶ。
まず、コンピュータ110は、次式3に基づいて、間隔Lに対する間隔L(i)の比率Hを算出する。
H=L(i)/L
={S(i)−K(j−1)}/{K(j)−K(j−1)} ……式3
なお、この比率Hは、前記目盛りに対する前記i番目のラインの相対位置を示していることになる。
ところで、基準スケールSSの目盛り同士の間隔が理論値どおりに形成されていれば、各目盛りは等間隔に形成されているはずである。よって、目盛りパターンの1番目の目盛りの位置を基準位置としてゼロとすれば、目盛りパターンの任意の目盛りの絶対位置を算出できる。例えば、目盛りパターンの2番目の目盛りの絶対位置は1/36インチである。そこで、目盛りパターンのj番目の目盛りの絶対位置を「J(j)」とし、測定用パターンのi番目のラインの絶対位置を「R(i)」とすると、次式4のようにしてR(i)を算出できる。
R(i)={J(j)−J(j−1)}×H+J(j−1) ……式4
ここで、図19における測定用パターンの1番目のラインの絶対位置の算出の具体的な手順について説明する。まず、コンピュータ110は、S(1)の値(373.7686667)と、J(2)の値(309.613250)及びJ(3)の値(469.430413)との大小関係に基づいて、測定用パターンの1番目のラインが、目盛りパターンの2番目の目盛りと3番目の目盛りの間に位置していることを検出する。次に、コンピュータ110は、比率Hが0.40143008(=(373.7686667-309.613250)/(469.430413-309.613250))であることを算出する。次に、コンピュータ110は、測定用パターンの1番目のラインの絶対位置R(1)が0.98878678ミリ(={1/36インチ}×0.40143008+1/36インチ)であることを算出する。
このようにして、コンピュータ110は、測定用パターンの各ラインの絶対位置を算出する。
ちなみに、上述では、目盛りパターンの1番目の目盛りを基準位置として、その絶対位置をゼロとしたが、例えば、図20Bに示すように、テストシートTSにおける搬送方向の下流側の端縁Eを基準位置として、すなわち、その絶対位置をゼロとして前記端縁Eからの絶対位置R(i)eを求めるようにしても良い。なお、このR(i)eは、上述の式4で求められた絶対位置R(i)を、下式5によって換算して求められる。
R(i)e=R(i)+(Rc−R(1)) ……式5
ここで、Rcは、図20Bに示すように、テストシートTSの測定用パターンの1番目のラインL1とテストシートTSの前記端縁Eとの間の間隔の理論値である。また、R(1)は、上式4により求められた前記ラインL1の絶対位置である。
<補正値の算出(S138)>
次に、コンピュータ110は、測定用パターンを形成する際に行われた複数回の搬送動作に対応する補正値をそれぞれ算出する(S138)。各補正値は、理論上のライン間隔と実際のライン間隔との差に基づいて、算出される。
パスiとパスi+1との間で行われた搬送動作の補正値C(i)は、「6.35mm」(1/4インチ、すなわちラインLiとラインLi+1との理論上の間隔)から「R(i+1)−R(i)」(ラインLi+1の絶対位置とラインLiの実際の間隔)を引いた値になる。例えば、パス1とパス2との間で行われた搬送動作の補正値C(1)は、6.35mm−{R(2)−R(1)}となる。コンピュータ110は、このようにして補正値C(1)〜補正値C(19)を算出する。
但し、NIPラインよりも下(搬送方向上流側)にあるラインLb1及びLb2を用いて補正値を算出する場合、ラインLb1とラインLb2の理論上の間隔は「0.847mm」(=3/90インチ)として計算する。コンピュータ110は、このようにして、非NIP状態での補正値Cbを算出する。
図21は、補正値C(i)の対応する範囲の説明図である。もし仮に、測定用パターンを印刷するときのパス1とパス2との間の搬送動作の際に、当初の目標搬送量から補正値C(1)を引いた値を目標にすれば、実際の搬送量がちょうど1/4インチ(=6.35mm)になったはずである。同様に、もし仮に、測定用パターンを印刷するときのパスnとパスn+1との間の搬送動作の際に、当初の目標搬送量から補正値Cbを引いた値を目標にすれば、実際の搬送量がちょうど1インチになったはずである。
<補正値の平均化(S139)>
ところで、前述のロータリー式エンコーダ52は原点センサを備えていないので、コントローラ60は、搬送ローラ23の回転量は検出できるが、搬送ローラ23の回転位置までは検出していない。このため、搬送開始時の搬送ローラ23の回転位置をプリンタ1は保証することがでない。つまり、印刷する度に、搬送開始時の搬送ローラ23の回転位置が異なるおそれがある。一方、測定用パターンにおいて隣り合う2つのラインの間隔は、1/4インチにて搬送するときのDC成分の搬送誤差の影響だけではなく、AC成分の搬送誤差の影響も受けている。
従って、目標搬送量を補正する際に、測定用パターンにおける隣接する2つのラインの間隔に基づいて算出された補正値Cをそのまま適用してしまうと、AC成分の搬送誤差の影響のため、搬送量が正しく補正されないおそれがある。例えば、測定用パターンの印刷時と同じようにパス1とパス2との間で1/4インチの搬送量の搬送動作を行う場合であっても、搬送開始時の搬送ローラ23の回転位置が測定用パターンの印刷時と異なるのであれば、目標搬送量を補正値C(1)で補正しても、搬送量は正しく補正されない。もし、搬送開始時の搬送ローラ23の回転位置が測定用パターンの印刷時と比べて180度異なっていると、AC成分の搬送誤差の影響のため、搬送量は正しく補正されないどころか、むしろ搬送誤差が悪化することもあり得る。
そこで、この例では、DC成分の搬送誤差だけを補正するようにするため、次式6のように4個の補正値Cを平均化することによって、DC成分の搬送誤差を補正するための補正量Caを算出している。
Ca(i)={C(i−1)+C(i)+C(i+1)+C(i+2)}/4
……式6
ここで、DC成分の搬送誤差を補正するための補正値Caを上式6によって算出できる理由を説明する。
前述した通り、パスiとパスi+1との間で行われた搬送動作の補正値C(i)は、「6.35mm」(1/4インチ、すなわちラインLiとラインLi+1との理論上の間隔)から「R(i+1)−R(i)」(ラインLi+1の絶対位置とラインLiの実際の間隔)を引いた値になる。そうすると、補正値Caを算出するための上式6は、次式7のような意味になる。
Ca(i)=[25.4mm−{R(i+3)−R(i−1)}]/4 ……式7
つまり、補正値Ca(i)は、理論上1インチ離れるべき2つのライン(ラインLi+3とラインLi−1)の間隔と1インチ(搬送ローラ23の1回転分の搬送量)との差を4で割った値である。このため、補正値Ca(i)は、紙Sを1インチ(搬送ローラ23の1回転分の搬送量)にて搬送したときに生じる搬送誤差の1/4を補正する値になる。そして、紙Sを1インチにて搬送したときに生じる搬送誤差は、DC成分の搬送誤差であり、この搬送誤差の中にはAC成分の搬送誤差は含まれない。
ゆえに、4個の補正値Cを平均化して算出される補正値Ca(i)は、AC成分の搬送誤差の影響を受けず、DC成分の搬送誤差を反映した値になる。
なお、パス2とパス3との間で行われる搬送動作の補正値Ca(2)は、補正値C(1)〜C(4)の総和を4で割った値(補正値C(1)〜C(4)の平均値)として算出される。言い換えると、補正値Ca(2)は、パス1で形成されるラインL1と、ラインL1を形成してから1インチ搬送した後のパス5で形成されるラインL5との間隔に応じた値になる。
また、補正値Ca(i)を算出する際にi−1がゼロ以下になる場合、補正値C(i−1)はC(1)を適用する。例えば、パス1とパス2との間で行われる搬送動作の補正値Ca(1)は、{C(1)+C(1)+C(2)+C(3)}/4として算出される。また、補正値Ca(i)を算出する際にi+1が20以上になる場合、補正値Caを算出するためのC(i+1)はC(19)を適用する。同様に、i+2が20以上になる場合、C(i+2)はC(19)を適用する。例えば、パス19とパス20との間で行われる搬送動作の補正量Ca(19)は、{C(18)+C(19)+C(19)+C(19)}/4として算出される。
コンピュータ110は、このようにして補正値Ca(1)〜補正値Ca(19)を算出する。これにより、DC成分の搬送誤差を補正するための補正値が、1/4インチの範囲ごとに求められる。
===補正値の記憶(S104)===
次に、コンピュータ110は、補正値をプリンタ1のメモリ63に記憶する(S104)。
図22は、メモリ63に記憶されるテーブルの説明図である。メモリ63に記憶される補正値は、NIP状態における補正値Ca(1)〜Ca(19)と、非NIP状態における補正値Cbである。また、各補正値を適用する範囲を示すための境界位置情報も、各補正値に関連付けられてメモリ63に記憶される。
補正値Ca(i)に関連付けられる境界位置情報は、測定用パターンのラインLi+1に相当する位置(理論上の位置)を示す情報であり、この境界位置情報は、補正値Ca(i)を適用する範囲の下端側の境界を示している。なお、上端側の境界は、補正値Ca(i−1)に関連付けられる境界位置情報から求めることができる。従って、例えば補正値C(2)の適用範囲は、紙Sに対してラインL1の位置とラインL2の位置の間(にノズル♯90が位置する)の範囲となる。なお、非NIP状態になる範囲は既知なので、補正値Cbには境界位置情報を関連付けなくても良い。
プリンタ製造工場では、製造されるプリンタ毎に、各プリンタ1の個体の特徴を反映したテーブルがメモリ63に記憶される。そして、このテーブルを記憶したプリンタ1は、梱包されて出荷される。
===ユーザの下での印刷時の搬送動作===
プリンタ1を購入したユーザの下で印刷が行われる際に、コントローラ60は、メモリ63からテーブルを読み出し、目標搬送量を補正値に基づいて補正し、補正された目標搬送量に基づいて搬送動作を行う。以下、ユーザの下での印刷時の搬送動作の様子について説明する。
図23Aは、第1のケースでの補正値の説明図である。第1のケースでは、搬送動作前のノズル♯90の位置(紙Sに対する相対位置)が補正値Ca(i)の適用範囲の上端側の境界位置と一致し、搬送動作後のノズル♯90の位置が補正値Ca(i)の適用範囲の下端側の境界位置と一致している。このような場合、コントローラ60は、補正値をCa(i)とし、当初の目標搬送量Fから補正値Ca(i)を加えた値を目標にして搬送モータ22を駆動して、紙Sを搬送する。
図23Bは、第2のケースでの補正値の説明図である。第2のケースでは、搬送動作前後のノズル♯90の位置が、ともに補正値Ca(i)の適用範囲内にある。このような場合、コントローラ60は、当初の目標搬送量Fと適用範囲の搬送方向長さLとの比F/LをCa(i)で掛けた値を補正値にする。そして、コントローラ60は、当初の目標搬送量Fから補正値Ca(i)×(F/L)を加えた値を目標にして搬送モータ22を駆動して、紙Sを搬送する。
図23Cは、第3のケースでの補正値の説明図である。第3のケースでは、搬送動作前のノズル♯90の位置が補正値Ca(i)の適用範囲内にあり、搬送動作後のノズル♯90の位置が補正値Ca(i+1)の適用範囲内にある。ここで、目標搬送量Fのうちの補正値Ca(i)の適用範囲内での搬送量をF1とし、補正値Ca(i+1)の適用範囲内での搬送量をF2とする。このような場合、コントローラ60は、Ca(i)をF1/Lで掛けた値と、Ca(i+1)をF2/Lで掛けた値との和を補正値とする。そして、コントローラ60は、当初の目標搬送量Fから補正値を加えた値を目標にして搬送モータ22を駆動して、紙Sを搬送する。
図23Dは、第4のケースでの補正値の説明図である。第4のケースでは、補正値Ca(i+1)の適用範囲を通過するように紙が搬送される。このような場合、コントローラ60は、Ca(i)をF1/Lで掛けた値と、Ca(i+1)と、Ca(i+2)をF2/Lで掛けた値との和を補正値にする。そして、コントローラ60は、当初の目標搬送量Fから補正値を加えた値を目標にして搬送モータ22を駆動して、紙Sを搬送する。
このように、コントローラ60が当初の目標搬送量Fを補正して、補正後の目標搬送量に基づいて搬送ユニット20を制御すると、実際の搬送量が当初の目標搬送量Fになるように補正され、DC成分の搬送誤差が補正される。
ところで、上記のように補正値を計算すれば、目標搬送量Fが小さいとき、補正値も小さい値になる。目標搬送量Fが小さければ、その搬送を行う際に生じる搬送誤差も小さいと考えられるので、上記のように補正値を計算すれば、搬送時に生じる搬送誤差に合う補正値を算出できる。また、各補正値Caに対して1/4インチ毎に適用範囲が設定されているので、これにより、紙Sとヘッド41との相対位置に応じて変化するDC成分の搬送誤差を的確に補正することができる。
===測定用パターン及び目盛りパターンの読み取り成否判定処理について===
ここで、本実施形態に係る「測定用パターン及び目盛りパターンの読み取り成否判定処理」(図13のS136a)について説明する。
上述したように、図7のS102の「測定用パターンと目盛りパターンの読み取りステップ」では、図12Bに示すように、スキャナ150の原稿台ガラス152の上面152aに、テストシートTS及び基準スケールSSが載置される。そして、この状態で、読取キャリッジ153を副走査方向に移動させながら、ラインセンサ158によってテストシートTS及び基準スケールSSから測定用パターン及び目盛りパターンが読み取られ、その結果として、これら測定用パターン及び目盛りパターンの画像データが生成される。
但し、これらパターンの読み取り中に、読取キャリッジ153に外部から振動が加わったりすると、1本のラインが例えば二重に、つまり2本のラインとして読み取られること等がある。例えば、図24の例では、測定用パターンのラインL3が二重に読み取られている。そして、そのような場合には、前記測定用パターンのラインの印刷位置を正確に把握できずに、算出された前記補正値も不適切なものとなってしまう。
そこで、このような測定用パターン及び目盛りパターンの読み取り異常を見つけ出すべく、本実施形態に係るS103の「補正値の算出ステップ」では、「測定用パターン及び目盛りパターンの読み取り成否判定処理(S136a)」を行うようにしている。
図25は、この読み取り成否判定処理(S136a)の全体フロー図である。図25に示すように、先ずS201の「測定用パターンの読み取り成否判定処理」が行われ、次にS301の「目盛りパターンの読み取り成否判定処理」が行われる。そして、これら2つの判定処理に係る何れの判定結果も「読み取り成功」の場合には(S401にて「Yes」)、正常終了して、次のステップS137の「測定用パターンの各ラインの絶対位置の算出ステップ」(図13を参照)へ移行する。しかし、少なくとも何れか一方の判定結果が「読み取り失敗」の場合には(S401にて「No」)、エラー終了し(S403)、しかる後に、前述したように、図7のステップS102の「測定用パターンと目盛りパターンの読み取りステップ」へと戻り、再度、スキャナ150により測定用パターン及び目盛りパターンの読み取りを行う。なお、上記「測定用パターンの読み取り成否判定処理(S201)」と「目盛りパターンの読み取り成否判定処理(S301)」の順序は逆でも良い。
以下、「測定用パターンの読み取り成否判定処理(S201)」及び「目盛りパターンの読み取り成否判定処理(S301)」について説明する。
<測定用パターンの読み取り成否判定処理(S201)>
図26は、「測定用パターンの読み取り成否判定処理(S201)」のフロー図である。この処理は、前半の予備判定処理(S203〜S207)と、後半の本判定処理(S209〜S221)とに大別される。
予備判定処理では、先ず、直前のステップS136で検出されたラインの本数をカウントする(S203)。すなわち、測定用パターンの画像データに基づいて検出されたラインの検出位置S(i)の数Cをカウントする。そうしたら、このカウントされた数たるカウント数Cを、予め設定された判定値C1と比較する(S205)。
ここで、この判定値C1は、図9の測定用パターンに印刷されたラインL1〜L20、Lb1、Lb2の本数であり、例えば、図示例では22本という具合に予めわかっている。そして、測定用パターンが正常に読み取られていない場合には、前記カウント数Cは前記判定値C1と一致しないはずである。例えば、図24に示すように、何れかのラインを二重に検出している場合には、検出位置S(i)の数は上記の判定値C1よりも1本多くなって23本となり、前記カウント数Cが判定値C1と同値ではなくなる。
よって、このステップS205では、前記カウント数Cが判定値C1と同値でない場合には(S205にて「No」)、即座に「読み取り失敗」と判定する(S207)。
一方、前記カウント数Cが判定値C1と同値の場合には(S205にて「Yes」)、「読み取り失敗ではない」と判定して「本判定処理」へ移行する。なお、ここで、このステップS205において「読み取り成功」と即断せずに、当該「読み取り成功」という判定の確定を「本判定処理」に委ねる理由は、上述の「読み取り失敗」については、このカウント数Cに基づいて判定を確定させることができるが、「読み取り成功」については判定を確定させることができないからである。具体例を挙げて説明すると、前述のステップS136において、例えば、図27に示すようにラインL3を二重に検出し、またラインL20については未検出であった場合には、測定用パターンの読み取り異常が二回生じていることになるが、この場合には、前者の異常と後者の異常とでカウント数Cの増減が相殺されてしまい、つまり、読み取り異常が生じているにも拘わらず、カウント数Cが判定値C1と同値になってしまうからである。従って、上述のステップS205において前記カウント数Cが判定値C1と同値であるといっても即座に「読み取り成功」との判定はできずに、あくまで「読み取り失敗ではない」という予備的な判定しかできず、もって、同値の場合には「本判定処理」へ移行するようになっているのである。
そして、図26に示す「本判定処理」へ移行した場合には、先ず、変数iが1に初期化され(S209)、次に、検出位置S(i)及び検出位置S(i+1)に基づいて、ライン間距離D(i)が算出される(S211)。このD(i)は、前述のラインの検出位置S(i)と検出位置S(i+1)の間の距離(スキャナ座標系での値)であり、下式8で表される。
D(i)=S(i+1)−S(i) ……式8
例えば、図28の例においてi=1の場合には、S(1)の値(373.7686667)とS(2)の値(3248.683034)とが上式8に代入されて、D(1)の値が、2874.914367(=3248.683034−373.7686667)と求められる。
そうしたら、次のステップS213では、このD(1)を、予め決められた数値範囲(DL〜DH)と比較する。そして、このD(1)が前記数値範囲(DL〜DH)に入っていない場合には即座に「読み取り失敗」と判定し(S215)、当該測定用パターンの読み取り成否判定処理(S201)は終了する。
一方、D(1)が、前記数値範囲(DL〜DH)に入っている場合には、その次のライン間距離D(2)について同様の判定をすべく、ステップS217へ移行して「i」を一つだけインクリメントする。そして、このインクリメントされた「2」に対応する検出位置S(2)が最後の検出位置S(C)であるか否かを判定するためのステップS219を経て、最後でない場合(つまりi=Cではない場合)には上述のステップS211へ戻る。そして、上述のステップS211〜S219を、変数iが、前記カウント数Cになるまで繰り返す(S219)。そして、その結果、全ての検出位置S(1)〜S(C)に基づいて求められる全てのライン間距離D(1)〜D(C−1)が、それぞれ、数値範囲(DL〜DH)に入っている場合には、「読み取り成功」と判定されて(S221)、当該「測定用パターンの読み取り成否判定処理(S201)」は終了する。
なお、上述した数値範囲(DL〜DH)に係る下限値DL及び上限値DHは、スキャナ150に振動が加わらないような実験的環境下において予め取得されている。すなわち、読み取り異常が生じるような振動がスキャナ150に加わらないようにしながら、当該スキャナ150により前記測定用パターンを所定回数だけ読み取り、それにより得られたライン間距離D(i)の平均値D(i)ave及び標準偏差σiに基づいて設定される。
例えば、上記環境下で所定回数だけ読み取って得られたD(1)の平均値をD(1)aveとし、その標準偏差をσ1とした場合には、下限値DLは、D(1)ave−3・σ1として求められ、また上限値DHは、D(1)ave+3・σ1として求められる。
そして、当該DL及びDHは、前記ラインの検出位置S(i)を示す「i」毎に取得され、図29に示すように、検出位置S(i)の変数iと対応付けられて前記コンピュータ110のメモリの記録テーブルに記憶されている。従って、前記ステップS213において比較する際には、補正値設定プログラムは、前記「i」をキーとして図29の記録テーブルを参照することにより、対応する下限値DL及び上限値DHを取得する。
<目盛りパターンの読み取り成否判定処理(S301)>
図30は、「目盛りパターンの読み取り成否判定処理(S301)」のフロー図である。上述の「測定用パターンの読み取り成否判定処理(S201)」との主な相違点は、図26の前半の「予備判定処理」(S203〜S207)が省略されて、ほぼ「本判定処理」のみから構成されている点にある。以下、「目盛りパターンの読み取り可否判定処理」(S301)について説明する。
先ず、図30に示すように、前記ステップS136で検出された目盛りの本数Cをカウントする(S303)。すなわち、目盛りパターンの画像データに基づいて検出された目盛りの検出位置K(j)の数Cをカウントする。
そうしたら、変数jが1に初期化され(S309)、次に、目盛り間距離G(j)が算出される(S311)。このG(j)は、前述の目盛りの検出位置K(j)と検出位置K(j+1)の間の距離(スキャナ座標系での値)であり、下式9で表される。
G(j)=K(j+1)−K(j) ……式9
例えば、図31の例においてj=1の場合には、K(1)の値(150.517188)とK(2)の値(309.61325)とが上式9に代入されて、G(1)の値が、159.096062(=309.61325−150.517188)と求められる。
そうしたら、次のステップS313では、このG(1)を、予め決められた数値範囲(GL〜GH)と比較する。そして、このG(1)が前記数値範囲(GL〜GH)に入っていない場合には即座に「読み取り失敗」と判定し(S315)、当該目盛りパターンの読み取り成否判定処理(S301)は終了する。
一方、G(1)が、前記数値範囲(GL〜GH)に入っている場合には、その次の目盛り間距離G(2)について同様の判定処理をすべく、ステップS317へ移行して「j」を一つだけインクリメントする。そして、このインクリメントされた「2」に対応する検出位置K(2)が最後の検出位置K(C)であるか否かを判定するためのステップS319を経て、最後でない場合(つまりj=Cではない場合)には上述のステップS311へ戻る。そして、上述のステップS311〜S319を、変数jが、前記カウント数Cになるまで繰り返す。そして、その結果、全ての検出位置K(1)〜K(C)に基づいて求められる全てのライン間距離G(1)〜G(C−1)が、それぞれ、数値範囲(GL〜GH)に入っている場合には、「読み取り成功」と判定されて(S321)、当該「目盛りパターンの読み取り成否判定処理(S301)」は終了する。
なお、この目盛りパターンの場合も、前述の測定用パターンと同様に、数値範囲(GL〜GH)に係る下限値GL及び上限値GHは、スキャナ150に振動が加わらないような実験的環境下において予め取得されている。すなわち、読み取り異常が生じるような振動がスキャナ150に加わらないようにしながら、当該スキャナ150により前記目盛りパターンを所定回数だけ読み取り、それにより得られた、目盛り間距離G(j)の平均値G(j)ave及び標準偏差σjに基づいて設定される。
例えば、所定回数だけ読み取って得られた、目盛り間距離G(1)の平均値をG(1)aveとし、その標準偏差をσ1とした場合には、下限値GLは、G(1)ave−3・σ1として求められ、また上限値GHは、G(1)ave+3・σ1として求められる。
そして、当該GL及びGHは、前記目盛りの検出位置K(j)を示す「j」毎に取得され、図32に示すように、検出位置K(j)の変数jと対応付けられて前記コンピュータ110のメモリの記録テーブルに記憶されている。従って、前記ステップS313において比較する際には、補正値設定プログラムは、前記「j」をキーとして、図32の記録テーブルを参照することにより、対応する下限値GL及び上限値GHを取得する。
ちなみに、この目盛りパターンの読み取り成否判定処理(S301)において、前述の予備判定処理(S203〜S207)を行わない理由は、この目盛りパターンの場合には、前記判定値C1を事前に定め難いためである。すなわち、図12Bを参照しながら前述したように、目盛りパターンの副走査方向の大きさは、スキャナ150の読み取り可能領域よりも大きいために、読み取り可能領域で読み取られない目盛りが存在し、更には、目盛りパターンの目盛りは細かいので、図12Bの載置用ベンチマークBMへの基準スケールSSのセット時の副走査方向の位置ズレによって、読み取り可能領域に収まる目盛りの本数が大きく変動し、その結果として、読み取られるべき目盛りの本数たる前記判定値C1を事前に把握し難いためである。
===まとめ===
(1)前述の実施形態に係る「媒体上におけるラインの形成位置の算出方法」は、ラインに沿う方向と直交する所定方向に前記ラインが複数本並んでなる測定用パターンが形成されたテストシートTSから、前記測定パターンの画像をスキャナ150により読み取って前記測定用パターンの画像データを取得し、前記画像データに基づいて検出されたラインの検出位置S(i)に基づいて、前記テストシートTS上の前記所定方向に関する前記ラインの絶対位置R(i)を算出する方法である。
そして、この方法においては、更に(A)前記画像データに基づいて検出されたラインの検出位置S(i)の情報と、前記検出位置S(i)に隣接して検出されたラインの検出位置S(i+1)の情報とに基づいて、前記所定方向に関する前記検出位置S(i),S(i+1)同士の距離に関する情報を算出するライン間距離算出ステップ(図26のS211が該当)と、(B)前記距離に関する情報に基づいて、前記測定用パターンの読み取りの成否判定を行う成否判定ステップ(図26のS213が該当)と、を備えている。
よって、前記測定用パターンの読み取りが正常に行われたか否かを正確に判定可能となる。その理由は、前記測定用パターンの読み取り中に、スキャナ150に振動が加わる等の異常があれば、その影響は前記検出位置S(i),S(i+1)同士の距離に現れ易く、また、上記成否判定ステップ(図26のS213が該当)では、前記検出位置S(i),S(i+1)同士の距離の情報に基づいて、前記測定用パターンの読み取りの成否判定を行うからである。
(2)前述の実施形態では、図26のステップS211が、前記ライン間距離算出ステップに相当しており、図26のステップS203及びS219を参照してわかるように、このステップS211は、前記距離に関する情報を全ての前記検出位置S(i)について算出する。また、前記成否判定ステップに相当するステップS213では、前記距離に関する情報毎に、前記距離に関する情報が示す値D(i)を、予め設定された数値範囲(DL〜DH)と比較する。そして、その比較の結果、全ての前記距離に関する情報について、前記値D(i)が前記数値範囲(DL〜DH)に含まれる場合には、「測定用パターンの読み取り成功」と判定する一方(S221)、前記値D(i)が前記数値範囲(DL〜DH)に含まれないような前記情報が存在する場合には、「測定用パターンの読み取り失敗」と判定する(S215)。
よって、前記画像データに基づいて検出されたラインの全ての検出位置S(i)を、前記読み取りの成否判定の対象にするので、読み取り異常を見落とし難くなる。また、前記読み取りの成否判定の方法が、前記情報が示す値D(i)を前記数値範囲(DL〜DH)と比較するという比較的簡単な方法なので、そのための演算処理等が簡単になり、処理時間の短縮化を図れる。
(3)前述の実施形態では、図9に示すように、前記測定用パターンにおける前記ラインは、隣接するライン同士の距離が、例えば1/4インチを目標値として形成されている。また、図29に示すように、前記数値範囲(DL〜DH)は、変数「i」に対応させて設定されており、つまり、前記ラインに対応させて、前記ライン毎に予め設定されている。
よって、前記測定用パターンにおけるライン同士の距離が、ライン毎に異なる場合であっても、前記測定用パターンの読み取りが正常か否かを正しく判定可能となる。
(4)前述の実施形態のステップS203では、測定用パターンの画像データに基づいて検出されたラインの本数Cをカウントする。そして、前記成否判定ステップ(図26のS213に該当)よりも前に、前記本数Cに基づいて前記測定パターンの読み取りが失敗であるか否かを判定する予備判定ステップ(図26のステップS205が該当)を備えている。
よって、先ず、検出されたラインの本数Cという簡易な指標を用いて、前記測定用パターンの読み取りが失敗であるか否かを判定する。そして、読み取り異常のケースによっては、この判定のみで見つけ出せて、また、読み取り異常と判定された場合には、前記成否判定ステップ(図26のステップS213が該当)を行わずに済み、もって、処理時間の短縮化を図れる。
(5)前述の実施形態のステップS205が予備判定ステップに相当するが、このステップS205では、前記本数Cを、予め設定された判定値C1と比較し、その結果、前記本数Cが前記判定値C1と同値でない場合には、「測定パターンの読み取り失敗」と判定する一方、前記本数Cが前記判定値C1と同値の場合には、前記成否判定ステップ(図26のステップS213が該当)を行う。
よって、前記予備判定ステップに係る読み取り失敗の判定の方法が、前記本数Cを前記判定値C1と比較するという極簡単な方法なので、そのための演算処理等が簡単になり、処理時間の短縮化を図れる。
(6)前述の実施形態では、測定用パターン(第1パターンに相当)と、前記測定用パターンよりも長手方向(所定方向に相当)に隣接するライン同士の距離が短い目盛りパターン(第2パターンに相当)と、を有している。そして、前記測定用パターンに対しては、前記予備判定ステップ(図26のステップS205が該当)を行った後に、前記成否判定ステップ(図26のステップS213が該当)を行う一方、前記目盛りパターンに対しては、図30に示すように、前記予備判定ステップを行わずに、前記成否判定ステップ(図30のステップS313が該当)を行う。
よって、測定用パターンよりもライン同士の距離が短い目盛りパターンについては、前記予備判定ステップ(S205)を行わないので、その分だけ、処理時間の短縮化を図れる。なお、前記目盛りパターンに対して前記予備判定ステップを行わない理由は、目盛りパターンにあってはライン同士の距離が短いので、目盛りパターンをスキャナ150にセットした際の位置ズレによって、スキャナ150の読み取り可能領域に収まる目盛りの本数が大きく変動する虞があって、その場合には、前記判定値C1を事前に定め難くなるためである。
(7)前述の実施形態では、前記目盛りパターンの各目盛りは、その目盛りと前記長手方向(所定方向に相当)に隣り合う他の目盛りとの間隔が所定の理論値を目標値として形成されている。また、ステップS137では、前記測定用パターンの画像データに基づいて検出されたラインの検出位置S(i)の情報を、前記目盛りパターンの画像データに基づいて検出された前記目盛りの検出位置K(j),K(j−1)の情報に基づいて補正することにより、前記測定用パターンの前記所定方向に関する形成位置R(i)を算出する。よって、各ラインの形成位置R(i)を求める際に含まれ得る前記スキャナ自体の検出誤差を確実に相殺させることができる。
(8)前述の実施形態のステップS137では、前述の式3に示すように、前記測定用パターンのラインの検出位置S(i)の情報及び前記目盛りパターンの目盛りの検出位置(j),K(j−1)の情報に基づいて、前記目盛りパターンの目盛りに対する前記測定用パターンのラインの相対位置を示す比率Hを求めるとともに、ステップS137では、前述の式4に示すように、当該比率Hの情報と、前記理論値(1/36インチ)に基づく前記目盛りの絶対位置J(j),J(j−1)の情報とに基づいて、測定用パターンの各ラインの前記所定方向に関する形成位置R(i)を算出する。
ここで、目盛りの絶対位置J(j),J(j−1)の情報として、目盛りの間隔の理論値に基づく情報を用いているので、目盛りの絶対位置J(j),J(j−1)を実測しない分だけ手順の簡素化が図れて、ラインの絶対位置R(i)の算出時間を短縮できる。
(9)前述の実施形態では、前記スキャナ150は、前記測定用パターンが載置される原稿台ガラス152の上面152aと、前記上面152aと平行な副走査方向(第1方向に相当)に移動する読取キャリッジ153と、前記読取キャリッジ153に設けられて前記テストシートTSの前記測定用パターンを読み取って画像データを生成するためのラインセンサ158と、を備えている。そして、前記ラインセンサ158は、前記副走査方向と直交する主走査方向(第2方向に相当)に長尺である。また、前記上面152aには、前記所定方向を副走査方向に揃えつつ前記ラインに沿う方向を主走査方向に揃えて、前記テストパターンTSが載置される。
プリンタ1の全体構成のブロック図である。 図2Aは、プリンタ1の全体構成の概略図である。また、図2Bは、プリンタ1の全体構成の断面図である。 ノズルの配列を示す説明図である。 搬送ユニット20の構成の説明図である。 AC成分の搬送誤差の説明用グラフである。 紙を搬送する際に生じる搬送誤差のグラフ(概念図)である。 補正値設定処理のフロー図である。 図8A〜図8Cは、補正値設定処理の様子の説明図である。 測定用パターンの印刷の様子の説明図である。 図10Aは、スキャナ150の縦断面図であり、図10Bは、図10A中のB−B線矢視図である。 スキャナの読み取り位置の誤差のグラフである。 図12Aは、基準シートSSの説明図である。図12Bは、原稿台ガラス152にテストシートTSと基準シートSSをセットした様子の説明図である。 S103における補正値算出処理のフロー図である。 画像の分割(S131)の説明図である。 図15Aは、測定用パターンの画像の傾きを検出する様子の説明図である。図15Bは、取り出された画素の階調値のグラフである。 測定用パターンの印刷時の傾きの検出の様子の説明図である。 余白量Xの説明図である。 図18Aは、ラインの位置を検出する際に用いられる画像の範囲の説明図である。図18Bは、ラインの位置の検出の説明図である。 検出されたラインの位置の説明図である。 測定用パターンのi番目のラインの絶対位置R(i)の算出の説明図である。 テストシートTSの搬送方向下流側の端縁Eを基準位置とした場合の、i番目のラインの絶対位置R(i)の算出の説明図である。 補正値C(i)の対応する範囲の説明図である。 メモリ63に記憶されるテーブルの説明図である。 第1のケースでの補正値の説明図である。 第2のケースでの補正値の説明図である。 第3のケースでの補正値の説明図である。 第4のケースでの補正値の説明図である。 測定用パターンのラインL3が二重に読み取られた様子を示す説明図である。 測定用パターン及び目盛りパターンの読み取り成否判定処理(S136a)の全体フロー図である。 「測定用パターンの読み取り成否判定処理(S201)」のフロー図である。 読み取り異常が生じているにも拘わらず、前記カウント数Cが前記判定値C1と同値になる場合の説明図である。 ライン間距離D(i)の算出の説明図である。 数値範囲(DH〜DL)に係るDL及びDHの記録テーブルである。 「目盛りパターンの読み取り成否判定処理(S301)」のフロー図である。 目盛り間距離G(j)の算出の説明図である。 数値範囲(GH〜GL)に係るGL及びGHの記録テーブルである。
符号の説明
1 プリンタ、110 コンピュータ、
20 搬送ユニット、21 給紙ローラ、22 搬送モータ、23 搬送ローラ、
24 プラテン、25 排紙ローラ、26 従動ローラ、27 従動ローラ、
30 キャリッジユニット、31 キャリッジ、32 キャリッジモータ、
40 ヘッドユニット、41 ヘッド、
50 検出器群、51 リニア式エンコーダ、
52 ロータリー式エンコーダ、521 スケール、522 検出部、
53 紙検出センサ、54 光学センサ、
60 コントローラ、61 インターフェース部、62 CPU、63 メモリ、
64 ユニット制御回路、
150 スキャナ、151 上蓋、152 原稿台ガラス、152a 上面、
153 読取キャリッジ、153a 一端部、153b 他端部、
154 レール、155 移動機構、
155a プーリ、155b プーリ、155c タイミングベルト、
155d キャリッジモータ、156 連結部材、
157 露光ランプ、158 ラインセンサ、159 光学機器、
TS テストシート、SS 基準スケール

Claims (9)

  1. ラインに沿う方向と交差する所定方向に前記ラインが複数本並んでなるパターンが形成された媒体から、前記パターンの画像をスキャナにより読み取って前記パターンの画像データを取得し、前記画像データに基づいて検出されたラインの検出位置に基づいて、前記媒体上の前記所定方向に関する前記ラインの形成位置を算出する方法において、
    前記画像データに基づいて検出されたラインの検出位置の情報と、前記検出位置に隣接して検出されたラインの検出位置の情報とに基づいて、前記所定方向に関する前記検出位置同士の距離に関する情報を算出するライン間距離算出ステップと、
    前記距離に関する情報に基づいて、前記パターンの読み取りの成否判定を行う成否判定ステップと、を備えたことを特徴とする媒体上におけるラインの形成位置の算出方法。
  2. 請求項1に記載の媒体上におけるラインの形成位置の算出方法であって、
    前記ライン間距離算出ステップでは、前記距離に関する情報を全ての前記検出位置について算出し、
    前記成否判定ステップでは、前記距離に関する情報毎に、前記距離に関する情報が示す値を、予め設定された数値範囲と比較し、
    全ての前記距離に関する情報について、前記値が前記数値範囲に含まれる場合には、前記パターンの読み取り成功と判定する一方、前記値が前記数値範囲に含まれないような前記情報が存在する場合には、前記パターンの読み取り失敗と判定することを特徴とする媒体上におけるラインの形成位置の算出方法。
  3. 請求項2に記載の媒体上におけるラインの形成位置の算出方法であって、
    前記パターンにおける前記ラインは、前記所定方向に隣接するライン同士の距離が所定値を目標値として形成されており、
    前記数値範囲は、前記ラインに対応させて、前記ライン毎に予め設定されていることを特徴とする媒体上におけるラインの形成位置の算出方法。
  4. 請求項1乃至3のいずれかに記載の媒体上におけるラインの形成位置の算出方法であって、
    前記画像データに基づいて検出されたラインの本数をカウントするステップを備え、
    前記成否判定ステップよりも前に、前記本数に基づいて、前記パターンの読み取りが失敗であるか否かを判定する予備判定ステップを備えていることを特徴とする媒体上におけるラインの形成位置の算出方法。
  5. 請求項4に記載の媒体上におけるラインの形成位置の算出方法であって、
    前記予備判定ステップでは、前記本数を、予め設定された判定値と比較し、
    前記本数が前記判定値と同値でない場合には、前記パターンの読み取り失敗と判定する一方、前記本数が前記判定値と同値の場合には、前記成否判定ステップを行うことを特徴とする媒体上におけるラインの形成位置の算出方法。
  6. 請求項5に記載の媒体上におけるラインの形成位置の算出方法であって、
    前記パターンとして、第1パターンと、前記第1パターンよりも、前記所定方向に隣接するライン同士の距離が短い第2パターンとを有し、
    前記第1パターンに対しては、前記予備判定ステップを行った後に、前記成否判定ステップを行い、
    前記第2パターンに対しては、前記予備判定ステップを行わずに、前記成否判定ステップを行うことを特徴とする媒体上におけるラインの形成位置の算出方法。
  7. 請求項6に記載の媒体上におけるラインの形成位置の算出方法であって、
    前記第2パターンの各ラインは、そのラインと前記所定方向に隣り合う他のラインとの間隔が所定の理論値を目標値として形成された目盛りであり、
    前記第1パターンの画像データに基づいて検出されたラインの検出位置の情報を、前記第2パターンの画像データに基づいて検出された前記目盛りの検出位置の情報に基づいて補正することにより、前記第1パターンの前記所定方向に関する形成位置を算出することを特徴とする媒体上におけるラインの形成位置の算出方法。
  8. 請求項7に記載の媒体上におけるラインの形成位置の算出方法であって、
    前記第1パターンのラインの検出位置の情報及び前記第2パターンの目盛りの検出位置の情報に基づいて、前記第2パターンの目盛りに対する前記第1パターンのラインの相対位置を示す相対位置情報を求めるとともに、
    前記相対位置情報と、前記理論値に基づく前記第2パターンの目盛りの絶対位置の情報とに基づいて、前記第1パターンのラインの前記所定方向に関する形成位置を算出することを特徴とする媒体上におけるラインの形成位置の算出方法。
  9. 請求項1乃至8のいずれかに記載の媒体上におけるラインの形成位置の算出方法であって、
    前記スキャナは、前記媒体が載置される載置面と、前記載置面と平行な第1方向に移動する読取キャリッジと、前記読取キャリッジに設けられて前記媒体の前記パターンを読み取って画像データを生成するための画像読取センサと、を備え、
    前記画像読取センサは、前記第1方向と交差する第2方向に長尺なラインセンサであり、
    前記載置面には、前記所定方向を前記第1方向に揃えつつ前記ラインに沿う方向を前記第2方向に揃えて、前記媒体が載置されることを特徴とする媒体上におけるラインの形成位置の算出方法。
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JP2010214881A (ja) * 2009-03-18 2010-09-30 Fujifilm Corp ドット位置測定方法及び装置並びにプログラム

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