JP2008098627A - 圧電素子、これを用いた液体吐出ヘッド及び超音波モーター - Google Patents

圧電素子、これを用いた液体吐出ヘッド及び超音波モーター Download PDF

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Abstract

【課題】圧電特性に優れた非鉛系の圧電体を用いた圧電体素子、該圧電体素子を有する液体吐出ヘッド及び超音波モーターを提供する。
【解決手段】基板上に、圧電体及び該圧電体に接する一対の電極を有する圧電体素子であって、前記圧電体が、式(1)
(Bi,Ba)(M,Ti)O3 (1)
(式中、Mは、Mn、Cr、Cu、Sc、In、Ga、Yb、Al、Mg、Zn、Co、Zr、Sn、Nb、Ta及びWから選ばれる1種の原子又は2種以上の原子の組合せを示す。)で表されるペロブスカイト型酸化物からなる。
【選択図】図1

Description

本発明は、圧電体素子、これを用いた液体吐出ヘッド及び超音波モーターに関する。
強誘電体材料や誘電体材料を薄膜化し、メムス(MEMS、Micro ElectroMechanical Systems)用等の圧電体素子として用いる研究が行われている。特に、ABO3型のペロブスカイト型酸化物を成膜し、圧電体素子としてデバイス化する研究が盛んであり、ペロブスカイト型酸化物の結晶配向を制御し素子としての特性向上を図る試みがなされている。
例えば、特許文献1には、バルクでは通常正方晶となる組成範囲の組成を有するチタン酸ジルコン酸鉛(PZTと表すことがある)からなる菱面体晶系又は正方晶系のPZT膜を有する圧電体素子が挙げられている。そして、これらの圧電体素子は、PZT膜が菱面体晶系である場合には<111>配向度が、正方晶系である場合は<001>配向度が、基板の主面垂直方向に対して70%以上であることを特徴としている。
しかしながら、これらの材料は、Aサイト原子としてPbを含有するために、環境に対する影響が問題視されている。このため、BiFeO3ペロブスカイト型酸化物を用いた圧電体素子の提案がなされている(特許文献2)。特許文献2に開示されたBiFeO3化合物は、残留分極が大きい材料として、非特許文献1、2等にも記載されている。しかし、Fe以外の原子をドーパントとして用いる記載はあるものの、Bサイト原子がFe以外の原子である圧電材料に関しては記述されていない。
また、残留分極値の大きいPbTiO3が圧電材料として好ましく使用されないことを鑑みると、BiFeO3だけでは高性能の特性を発現できなかったものと思われる。事実、前記特許文献2記載の発明においては、Bサイト原子として、Mn、Ru、Co、Ni、V、Nb、Ta、W、Ti、Zr、Hf等の原子を添加することが開示されている。しかし、利用されている結晶構造は、正方晶又は菱面体晶のみの構造であるため、圧電特性が向上した領域での変位特性又は光学特性の利用がなされていない。
特開平 6−350154号公報 特開2005−39166号公報 「ジャパニーズ ジャーナル オブ アプライド フィジックス(Japanese Journal of Applied Physics)」、2004年、第43巻、第5A号、L647 「サイエンス(Science)」、2003年3月14日、第299巻、第5613号、p.1719
本発明は、圧電特性に優れた非鉛系の圧電体を用いた圧電体素子、該圧電体素子を有する液体吐出ヘッド及び超音波モーターを提供することを目的とする。
本発明は、基板上に、圧電体及び該圧電体に接する一対の電極を有する圧電体素子であって、前記圧電体が、式(1)
(Bi,Ba)(M,Ti)O3 (1)
(式中、Mは、Mn、Cr、Cu、Sc、In、Ga、Yb、Al、Mg、Zn、Co、Zr、Sn、Nb、Ta及びWから選ばれる1種の原子又は2種以上の原子の組合せを示す。)で表されるペロブスカイト型酸化物からなることを特徴とする圧電体素子に関する。
また、本発明は、基板上に、圧電体及び該圧電体に接する一対の電極を有する圧電体素子であって、前記圧電体が、式(3)
(Bi,Ba)(M',M",Cu)O3 (3)
(式中、M'は、Nb、Ta及びWから選ばれる1種の原子を示し、M"は、Mn、Sc、In、Ga、Yb、Al、Mg、Zn、Zr、Fe及びSnから選ばれる1種の原子又は2種以上の原子の組合せを示す。)で表されるペロブスカイト型酸化物からなることを特徴とする圧電体素子に関する。
また、本発明は、上記圧電体素子を有することを特徴とする液体吐出ヘッドや、超音波モーターに関する。
本発明によれば、圧電特性に優れた非鉛系の圧電体を用いた圧電体素子、該圧電体素子を有する吐出力の大きい液体吐出ヘッドや、超音波モーターを得ることができる。
本発明の圧電体素子は、基板上に、圧電体膜及び該圧電体膜に接する一対の電極を有する。そして、前記圧電体が、式(1)で表されるペロブスカイト型酸化物からなることを特徴とする。
(Bi,Ba)(M,Ti)O3 (1)
式中、Mは、Mn、Cr、Cu、Sc、In、Ga、Yb、Al、Mg、Zn、Co、Zr、Sn、Nb、Ta及びWから選ばれる1種の原子又は2種以上の原子の組み合わせを示す。
又は、前記圧電体が、式(3)で表されるペロブスカイト型酸化物からなることを特徴とする。
(Bi,Ba)(M',M",Cu)O3 (3)
式中、M'は、Nb、Ta及びWから選ばれる1種の原子を示し、M"は、Mn、Sc、In、Ga、Yb、Al、Mg、Zn、Zr、Fe及びSnから選ばれる1種の原子又は2種以上の原子の組合せを示す。
本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
本発明の液体吐出ヘッドの実施形態の一例における圧電体素子部の厚さ方向の断面を示す模式的断面図を図1に、模式的斜視図を図2に示す。
本発明の実施形態の一例の圧電体素子10は、図1に示されているように、基板15上に、第一の電極6、圧電体7及び第二の電極8を少なくとも有する。また、該圧電体素子10は、基板15上に形成されたバッファー層19を有していてもよい。圧電体7は、図2に示されているように、必要に応じて、パターニングされる。
本発明の圧電体素子における圧電体は、上述したように、式(1)
(Bi,Ba)(M,Ti)O3 (1)
で表されるペロブスカイト型酸化物からなる。このような圧電体を有すると、圧電体素子において圧電特性に優れたものとなる。
上記式(1)で表されるチタン酸ビスマスバリウム系酸化物は、ABO3型ペロブスカイト型酸化物であり、Aサイト原子が2価及び3価のカチオンからなり、Bサイト原子が3価及び4価のカチオンになる原子の組合せからなる。式中のMは、ABO3型ペロブスカイト型酸化物のBサイトを構成する、1種の原子又は2種以上の原子の組合せを示し、Mn、Cr、Cu、Sc、In、Ga、Yb、Al、Mg、Zn、Co、Zr、Sn、Nb、Ta及びWから選ばれる。Mは3価のカチオンを示し、2種以上の原子の組合せとする場合、選択する原子が3価であるときは、3価の原子を任意の原子比とすることができる。また、組み合わせる原子の原子価が異なるときは、組み合わせる原子全体の原子価が3価となるような原子比とすればよい。これらの原子の組合せとして、例えば、2価と5価のカチオンの組合せでは、2価の原子と5価の原子とが原子比において2:1で構成されるものを挙げることができる。即ち、式(1)中のMの原子価としては、2価原子が原子比2/3と5価原子が原子比1/3とで全体として3価になる。同様に、2価の原子と4価の原子とが原子数比において等量で構成されるもの、2価の原子と6価の原子とが原子数比において3:1で構成されるものを挙げることができる。ちなみに、上記原子のうち3価の原子としては、Mn、Cr、Co、Sc、In、Ga、Yb及びAlを挙げることができる。また、2価の原子としては、Mg、Zn、Cuを挙げることができる。さらに、4価の原子としては、Zr及びSnを、5価の原子としては、Nb及びTaを、6価の原子としては、Wを挙げることができる。
上記式(1)で表されるペロブスカイト型酸化物の具体例として、例えば、以下に示すチアン酸ビスマスバリウム系酸化物を挙げることができる。
(a)(Bi,Ba)(M(III)+3、Ti)O3
(Bi,Ba)(Mn,Ti)O3、(Bi,Ba)(Cr,Ti)O3、(Bi,Ba)(Co,Ti)O3。(Bi,Ba)(Sc,Ti)O3、(Bi,Ba)(In,Ti)O3。(Bi,Ba)(Ga,Ti)O3、(Bi,Ba)(Yb,Ti)O3、(Bi,Ba)(Mn,Sc,Ti)O3。(Bi,Ba)(In,Sc,Ti)O3、(Bi,Ba)(Mn,Yb,Ti)O3
(b)(Bi,Ba){(M(II)+2,M(IV))+4,Ti}O3
(Bi,Ba){(Mg1/2,Zr1/2),Ti}O3、(Bi,Ba){(Zn1/2,Zr1/2),Ti}O3、(Bi,Ba){(Mg1/2,Ti1/2),Ti}O3。(Bi,Ba){(Zn1/2,Ti1/2),Ti}O3、(Bi,Ba){(Mg1/2,Sn1/2),Ti}O3。(Bi,Ba){(Cu1/2,Sn1/2),Ti}O3、(Bi,Ba){(Mg1/4,Zn1/4,Ti1/2),Ti}O3。(Bi,Ba){(Mg1/4,Co1/2,Ti1/4),Ti}O3、。(Bi,Ba){(Mg1/4,Zn1/4,Zr1/2),Ti}O3
(c)(Bi,Ba){(M(II)+2 2/3,M(V)+5 1/3 +5),Ti}O3
(Bi,Ba){(Mg2/3,Nb1/3),Ti}O3、(Bi,Ba){(Zn2/3,Nb1/3),Ti}O3、(Bi,Ba){(Zn2/3,Ta1/3),Ti}O3、(Bi,Ba){(Cu2/3,Ta1/3),Ti}O3。(Bi,Ba){(Mb2/3,Ta1/3),Ti}O3、(Bi,Ba){(Co2/3,Nb1/3),Ti}O3、(Bi,Ba){(Mg1/3,Zn1/3,Nb1/3),Ti}O3。(Bi,Ba){(Mg1/3,Co1/3,Nb1/3),Ti}O3、(Bi,Ba){Mg2/3,Nb1/6,Ta1/6},Ti}O3
(d)(Bi,Ba){(M(II)+2 3/4,M(VI)+6 1/4),Ti}O3
(Bi,Ba){(Mg3/4,W1/4),Ti}O3、(Bi,Ba){(Co3/4,W1/4),Ti}O3、(Bi,Ba){(Mg3/8,Co3/8,W1/4),Ti}O3
このような式(1)で表されるチタン酸ビスマスバリウム系酸化物からなる圧電体は、特性のよい組成相境界(MorphotropicPhase Boundary)領域(MPB領域と表すことがある)の組成を有するものとできる。
かかるMPB領域の組成の式(1)で表されるチタン酸ビスマスバリウム系酸化物は、少なくとも2つの結晶相の混在する混相された構造を有するものとなる。上記圧電体の結晶相としては、正方晶、菱面体晶、擬立方晶、斜方晶及び単斜晶のうちの少なくとも2つの結晶相が混在する混相であることが好ましい。このような結晶相の混相した圧電体は、最大分極率と残留分極値の差が大きくなり、更に誘電率が上昇し、圧電特性が向上する。
上記ペロブスカイト型酸化物としては、不純物として1質量%以下のPbを含有するものも包含するが、Pbを実質的に含有しないものがより好ましい。このようなペロブスカイト型酸化物を用いた圧電体は、環境に対する問題を軽減することができる。
このような式(1)で表されるペロブスカイト型酸化物からなる圧電体は、BiMO3とBaTiO3の二つの成分から構成されるものである。二成分系からなる圧電体の一例を図3(A)の模式的相図に示す。
図3(A)において、横軸は、BaTiO3/BiMO3の組成比を、縦軸は、温度Tを示す。また、図中の斜線部は、MPB領域であり、複数の結晶相の混相する領域である。このMPB領域の組成範囲は、構成成分の種類、圧電体膜の製法、用いる基板種により変化する。このため、構成成分だけでMPB領域の組成範囲が決定されることはなく、同一の組成であっても、MPB領域の範囲は広狭変化する。
上記MPB領域よりもBaTiO3の多い組成域では、結晶相は正方晶であるが、MPB領域よりもBiMO3の多い組成域では、選択するBiMO3により、菱面体晶、擬立方晶、斜方晶等の結晶相となる。
また、MPB領域中では、単斜晶が現れる場合があり、圧電体中の結晶構造には、単斜晶も含まれることがある。
MPB領域は、複数の結晶相の混相領域であるが、その組成の変動は、混相領域の中心組成から±4%以内とすることが好ましく、±3%以内とすることがより好ましい。
上記MPB領域を有する圧電体としては、式(2)で表されるペロブスカイト型酸化物からなることが好ましい。
X(BaTiO3)(1−X)(BiMO3) (2)
式中、Mは、Mn、Sc、In、Ga、Yb、Al、Mg、Zn、Zr及びSnから選ばれる1種の原子又は2種以上の原子の組合せを示し、Xは0<X<1を満たす実数を示す。Xを適宜選択することにより、MPB領域構造を定めることができ、BaTiO3、BiMO3と比較して最大分極率と残留分極値の差が大きくなり、誘電率が2倍以上に上昇し、圧電特性を向上させることができる。
上記MPB領域を有する圧電体はBaTiO3が正方晶結晶相を有し、BiMO3が非正方晶結晶相を有することから、正方晶と非正方晶とを有する圧電体となる。非正方晶としては、菱面体晶、擬似立方晶、斜方晶、単斜晶を挙げることができ、これらの少なくとも1つが正方晶と混在し、圧電体を構成する。正方晶と混在する非結晶相としては、擬似立方晶、菱面体晶が好ましい。
圧電体が膜状のものである場合は、結晶相の混在割合が厚さ方向に徐々に変化する構造部分を有することが好ましい。より具体的には、圧電体は、一方の面側で、正方晶の割合が多く、他方の面側で、正方晶の割合が少ない薄膜状であることが好ましい。かかる圧電体膜は、更に、基板側の面で、正方晶の割合が多く、他方の面で正方晶の割合が少ないものがより好ましい。基板側で正方晶が多いものが好ましい理由としては、以下の理由を挙げることができる。スパッタ法等の基板の格子により影響されるエピタキシャル成長をさせる過程において、加熱成膜後、降温する際、基板と圧電体膜との線膨張係数の違いから作製する圧電体膜に引張り又は圧縮応力が生じる場合がある。正方晶は(100)又は(001)、(010)の方位を取ることが可能であり、圧電体膜に負荷される応力により正方晶の方位を変更し、(100)又は(001)、(010)の存在比率を変えることができる。このため、正方晶の割合が多いと、圧電体膜の応力を低減することが可能となり、基板との密着性が良好な圧電体膜を形成することができる。
更に、上記圧電体は、その結晶配向が<100>の単一配向膜であること、また、<100>単結晶膜であることがより好ましい。圧電体膜が単一配向膜であると、混在した各々の結晶相ごとに分極軸を揃えることとなり、電界を有効にかける方向を特定することができる。このような圧電体膜は、例えば、基板を加熱しながら圧電体膜を成膜するスパッタ法等のエピタキシャル成長をさせて成膜することができる。
単一配向膜とは、膜厚方向に単一の結晶方位をもつ結晶からなる膜をいい、面方向の方位は問わない。結晶配向<100>の単一配向膜とは、厚さ方向が{100}、{110}又は{111}方位のみの結晶により構成された膜であり、好ましくは{100}である。単一配向膜とは、膜中の結晶相全体に対し、これらの方位の結晶相が70%以上、好ましくは80%以上、99.9%以下で含有する膜も含まれる。圧電体が単一配向膜であるかはX線回折を用いて確認することができる。例えば、PZTペロブスカイト型構造の<100>単一配向の場合、X線回折の2θ/θ測定での圧電体に起因するピークは{100}、{200}等の(L00)面(L=1,2,3・・・n:nは整数)のピークのみが検出される。また、{110}非対称面の極点測定をした際に、図5(A)のように中心から約45°の傾きを表す同じ半径位置にリング状のパターンが得られる。
また、単結晶膜とは、厚さ方向及び面方向に単一の結晶方位を持つ結晶の膜のことを指す。結晶配向<100>の単結晶膜とは、厚さ方向が{100}、{110}又は{111}方位のみとなり、且つ、面方向のある一方向が<110>方位のみの結晶により構成された膜である。圧電体が単結晶であるかはX線回折を用いて確認することができる。例えば、PZTペロブスカイト型構造の<100>単結晶膜の場合、X線回折の2θ/θ測定での圧電体膜に起因するピークは{100}、{200}等の(L00)面(L=1,2,3・・・n:nは整数)のピークのみが検出される。また、{110}非対称面の極点測定をした際に、図5(B)のように中心から約45°の傾きを表す同じ半径位置に90°毎に4回対称のスポット状のパターンが得られる。
また、例えば<100>配向のPZTペロブスカイト型構造で、{110}非対称面の極点測定をした際に、中心から約45°の傾きを表す同じ半径位置に8回対称や12回対称のパターンが得られる結晶もある。もしくは、パターンがスポットではなく楕円である結晶もある。このような結晶を有する場合も、単結晶と単一配向の中間の対称性を有する結晶膜であるため、広義に単結晶膜及び単一配向膜とみなすことができる。同様に、単斜晶と正方晶、単斜晶と菱面体晶、正方晶と菱面体晶、その総ての複数結晶相が混在するMPB領域の状態や、双晶に起因する結晶が混在する場合や、転位や欠陥等がある場合も、広義に単結晶膜及び単一配向膜とみなすことができる。ここでいう、複数結晶相の混在(混相)とは、複数の結晶相が結晶軸方向をそれぞれ異にして多結晶の状態で粒界が存在して含まれるものではない。一つのペブロスカイト型酸化物の粒子中に複数の結晶相が存在するものであって、一体となって単結晶又は単一配向を成しているものである。
上記結晶相の構造は、X線回折法やラマン分光法により、存在する結晶相が1種であるのか2種以上の結晶相が混在する混相であるのかを測定することができ、結晶相の配向は、X線回折法により測定することができる。また、原子組成は、蛍光X線分析(XRF)法や誘導結合プラズマ質量分析法(ICP質量分析法)により分析することができる。
上記式(2)で表されるペロブスカイト型酸化物としては、具体的には以下のものを例示することができる。以下の式中、X、(1−X)は省略する。
BaTiO3-BiAlO3、BaTiO3-BiScO3、BaTiO3-BiInO3、BaTiO3-BiMnO3
BaTiO3-BiYbO3、BaTiO3-BiGaO3、BaTiO3-Bi(Mg1/2,Ti1/2)O3
BaTiO3-Bi(Mg1/2,Sn1/2)O3、BaTiO3-Bi(Zn1/2,Ti1/2)O3
BaTiO3-Bi(Mg1/2,Zr1/2)O3、BaTiO3-Bi(Zn1/2,Zr1/2)O3
BaTiO3-Bi(Zn1/4,Mg1/4,Zr1/2)O3、BaTiO3-Bi(Zn1/4,Mg1/4,Ti1/2)O3
また、本発明の圧電体素子に用いる圧電体として、式(3)
(Bi,Ba)(M',M",Cu)O3 (3)
で表されるペロブスカイト型酸化物からなるものを挙げることができる。このような圧電体を有すると、圧電体素子において圧電特性に優れたものとなる。
上記式(3)で表されるビスマスバリウム系酸化物は、ABO3型ペロブスカイト型酸化物であり、Aサイト原子がBi、Baからなり、Bサイト原子がM'、M"、Cuの組合せからなる。式中のM’は、Nb、Ta及びWから選ばれる1種の原子を示し、M"は、Mn、Sc、In、Ga、Yb、Al、Mg、Zn、Zr、Fe及びSnから選ばれる1種の原子又は2種以上の原子の組合せを示す。
上記式(3)で表されるペロブスカイト型酸化物からなる圧電体においても、特性のよいMPB領域の組成を有するものとできる。
このような式(3)で表されるペロブスカイト型酸化物からなる圧電体は、BiM"O3とBa(M’,Cu)O3(BaBO3と標記する。)との二つの成分から構成されるものである。二成分系からなる圧電体の一例を図3(B)の模式的相図に示す。
図3(B)において、横軸は、BiM”O3/BaBO3の組成比を、縦軸は、温度Tを示す。また、図中の斜線部は、MPB領域であり、複数の結晶相の混相する領域である。このMPB領域の組成範囲は、構成成分の種類、圧電体膜の製法、用いる基板種により変化する。このため、構成成分だけでMPB領域の組成範囲が決定されることはなく、同一の組成であっても、MPB領域の範囲は広狭変化する
上記MPB領域よりもBaBO3の多い組成域では、結晶相は正方晶であるが、MPB領域よりもBiM”O3の多い組成域では、選択するBiM”O3により、菱面体晶、擬立方晶、斜方晶等の結晶相となる。また、MPB領域中では、単斜晶が現れる場合があり、圧電体中の結晶構造には、単斜晶も含まれることがある。
上記MPB領域は、複数の結晶相の混相領域であるが、その組成の変動は、混相領域の中心組成から±4%以内とすることが好ましく、±3%以内とすることがより好ましい。
上記MPB領域を有する圧電体としては、式(4)で表されるペロブスカイト型酸化物からなることが好ましい。
Y{Ba(Cu1/3M'1/33)(1−Y)(BiM"O3) (4)
式中、M'は、Nb、Ta及びWから選ばれる1種の原子を示し、M"は、Mn、Sc、In、Ga、Yb、Al、Mg、Zn、Zr、Fe及びSnから選ばれる1種の原子又は2種以上の原子の組合せを示し、Yは0<Y<1を満たす実数を示す。Yを適宜選択することにより、MPB領域を定めることができる。Yを適宜選択することにより、MPB領域構造を定めることができ、BaBO3、BiM”O3と比較して最大分極率と残留分極値の差が大きくなり、誘電率が2倍以上に上昇し、圧電特性を向上させることができる。特に式(4)で表される酸化物のBaBO3はキューリー温度が高く、キューリー温度のより高い非鉛系圧電体となる。
式(3)で表されるペロブスカイト型酸化物からなる圧電体においても、式(1)で表されるペロブスカイト型酸化物からなる圧電体と同様に、圧電体が膜状のものである場合、少なくとも2つの結晶相の混在割合が厚さ方向に徐々に変化するものが好ましい。具体的には、一方の面側で、特に、基板側で正方晶の割合が多く、他方の面側で、正方晶の割合が少ない薄膜状であることが好ましい。また、圧電体の結晶配向が<100>の単一配向膜や、<100>単結晶膜であることがより好ましい。
上記式(4)で表されるペロブスカイト型酸化物としては、具体的には以下のものを例示することができる。以下の式中、Y、(1−Y)は省略する。
Ba(Cu1/3,Nb2/3)O3-BiAlO3、Ba(Cu1/3,Nb2/3)O3-BiMnO3
Ba(Cu1/3,Nb2/3)O3-BiGaO3、Ba(Cu1/3,Nb2/3)O3-BiScO3、Ba(Cu1/3,Nb2/3)O3-BiYbO3
Ba(Cu1/3,Nb2/3)O3-BiInO3、Ba(Cu1/3,Nb2/3)O3- Bi(Mg1/2,Ti1/2)O3
Ba(Cu1/3,Nb2/3)O3- Bi(Mg1/2,Sn1/2)O3、Ba(Cu1/3,Nb2/3)O3- Bi(Mg1/2,Zr1/2)O3
Ba(Cu1/3,Nb2/3)O3- Bi(Zn1/2,Ti1/2)O3、Ba(Cu1/3,Nb2/3)O3- Bi(Zn1/2,Zr1/2)O3
Ba(Cu1/3,Nb2/3)O3- Bi(Zn1/4,Mg1/4,Zr1/2)O3
Ba(Cu1/3,Nb2/3)O3- Bi(Zn1/4,Mg1/4,Ti1/2)O3
Ba(Cu1/3,Ta2/3)O3-BiAlO3、Ba(Cu1/3,Ta2/3)O3-BiMnO3
Ba(Cu1/3,Ta2/3)O3-BiGaO3、Ba(Cu1/3,Ta2/3)O3-BiScO3、Ba(Cu1/3,Ta2/3)O3-BiYbO3
Ba(Cu1/3,Ta2/3)O3-BiInO3、Ba(Cu1/3,Ta2/3)O3- Bi(Mg1/2,Ti1/2)O3
Ba(Cu1/3,Ta2/3)O3- Bi(Mg1/2,Sn1/2)O3、Ba(Cu1/3,Ta2/3)O3- Bi(Mg1/2,Zr1/2)O3
Ba(Cu1/3,Ta2/3)O3- Bi(Zn1/2,Ti1/2)O3、Ba(Cu1/3,Ta2/3)O3- Bi(Zn1/2,Zr1/2)O3
Ba(Cu1/3,Ta2/3)O3- Bi(Zn1/4,Mg1/4,Zr1/2)O3
Ba(Cu1/3,Ta2/3)O3- Bi(Zn1/4,Mg1/4,Ti1/2)O3
Ba(Cu1/2,W1/2)O3-BiAlO3、Ba(Cu1/2,W1/2)O3-BiMnO3
Ba(Cu1/2,W1/2)O3-BiGaO3、Ba(Cu1/2,W1/2)O3-BiScO3、Ba(Cu1/2,W1/2)O3-BiYbO3
Ba(Cu1/2,W1/2)O3-BiInO3、Ba(Cu1/2,W1/2)O3- Bi(Mg1/2,Ti1/2)O3
Ba(Cu1/2,W1/2)O3- Bi(Mg1/2,Sn1/2)O3、Ba(Cu1/2,W1/2)O3- Bi(Mg1/2,Zr1/2)O3
Ba(Cu1/2,W1/2)O3- Bi(Zn1/2,Ti1/2)O3、Ba(Cu1/2,W1/2)O3- Bi(Zn1/2,Zr1/2)O3
Ba(Cu1/2,W1/2)O3- Bi(Zn1/4,Mg1/4,Zr1/2)O3
Ba(Cu1/2,W1/2)O3- Bi(Zn1/4,Mg1/4,Ti1/2)O3
上記圧電体の形状としては、基板上に形成されるものであれば、その形状を問わず、膜状、バルク体等いずれの形状のものであってもよい。
膜状の圧電体は、ゾルゲル法、スパッタ法、有機金属気相成長法(MO−CVD法)等の薄膜形成方法により成膜して形成することができる。
圧電体膜の成膜において、基板上に形成した圧電体膜を結晶化させるために、圧電体膜を基板に成膜した後に、又は、圧電体膜を成膜しているときに圧電体膜及び基板を加熱する。
圧電体膜を成膜した後に又は圧電体膜を成膜しているときに加熱しその後に圧電体膜及び基板の温度を常温に戻す工程において、基板及び圧電体膜の熱膨張係数に差があると基板と圧電体膜との間に応力が生じる。
基板上に形成された圧電体膜は、降温過程において基板からの圧縮又は引張応力を受けると、その結晶構造を安定な状態へと変化させて応力を緩和する。
基板上に形成された圧電体膜は、この応力緩和過程において、上述した少なくとも2つの結晶相が混在する、混相状態となると考えられる。上記ペロブスカイト型酸化物からなる圧電体はこのような混相状態の形成を可能とし、安定した膜を形成することができる。
最終的に、常温又は圧電体素子の使用温度において、上記圧電体膜の基板から受ける圧縮又は引張応力(残留応力と表すことがある)は、該圧電体膜の圧電性能の観点から、その絶対値は小さいことが好ましい。前記残留応力の絶対値は、具体的には、300MPa以下であることが好ましく、150MPa以下であることがより好ましい。前記残留応力は、圧電体膜の形成された基板の反りから算出することができる。
バルク体の圧電体は、焼結による製法や、配向を制御する場合はTGG(Template Grain Growth)法やRTGG(Reactive Template Grain Growth)法を用いることができる。TGG法やRTGG法は、異方形状のテンプレート粒子と微細なマトリックス粒子とを混合しテープキャスト法等の方法で異方形状のテンプレート粒子の配置を制御した後、焼成することで配向制御を行う方法である。
これらの製法を用いる場合には、テンプレート粒子としてアスペクト比の高い異方形状粒子を用いることが好ましい。特にアスペクト比が3以上20未満の板状粒子で、層状のBi化合物あるいはBa化合物の板状配向粒子を用いることが好ましい。これらのテンプレート粒子となるBi化合物、Ba化合物の添加量としては、テンプレート粒子とマトリックス粒子との総量に対して、20質量%以上95質量%以下が好ましい。また、バルク状圧電体を単結晶として製造する場合には、フラックス法やTSSG(Top Seeded Solution Growth)法を用いることができる。
また、上記圧電体が膜状の場合、1.0μm以上、15μm以下の膜厚を有することが好ましく、1.5μm以上、10μm以下の膜厚を有することがより好ましい。膜厚が1.0μm以上であれば、該圧電体を有する本発明の圧電体素子を本発明の液体吐出ヘッドに用いた場合、吐出力の大きい液体吐出ヘッドを得ることができる。また、膜厚が15μm以下であれば、MEMS応用での微細化に好適である。
上記圧電体がバルク体の場合、サイズ限定は特になく、例えば、厚さ15μmを超えるものを挙げることができる。圧電体素子に搭載する場合に、効率がよく、コストメリットのあるサイズを挙げることができる。バルク体を研磨処理し50μm未満にして使用することもできる。
本発明の圧電体素子に用いる基板15としては、圧電体7を単結晶の圧電体膜とする場合は、単結晶基板を用いることが好ましい。単結晶基板としては、Si基板、SOI基板、SrTiO3基板、MgO基板等が好ましい。これらの基板のなかでは、Si基板やSOI基板がより好ましい。圧電体7を、単一配向膜とする場合は、Si基板、SOI基板、SUS基板、金属基板やセラミックス基板を用いることが好ましく、Si基板やSOI基板を用いることがより好ましい。
本発明の記圧電体素子において、エピタキシャル圧電体膜を得るためには、Si基板又はSOI基板上に形成したイットリア安定化ジルコニア(YSZ)、SrTiO3、MgO等のエピタキシャル<100>酸化物電極を介して、圧電体を設けることが好ましい。また、圧電体を単一配向膜とするためには、Si基板又はSOI基板上に形成した面心立方晶金属の<100>酸化物電極を介して、圧電体膜を成膜することが好ましい。上述した単一配向した圧電体膜を得るための好ましい成膜方法によれば、Si基板上の層構成は、酸化物電極/面心立方晶金属/TiO2/SiO2/Si、酸化物電極/面心立方晶金属/Ta/SiO2/Si等となる。ここで、TiO2、Taは、密着層である。上記酸化物電極は、2層以上が積層されたものであってもよい。
本発明の圧電体素子における第一の電極6と第二の電極8は、図1に示したような、圧電体7を挟む上下電極であってもよいし、圧電体7の同一膜面上に設けられた櫛歯電極であってもよい。振動板を変形させ変位量を得る、ベンディングモードを利用する圧電体素子の場合においては、圧電体を挟む上下電極の構成とすると、変位量をより低電圧で得ることができる。
上記圧電体の上下に電極を設ける場合、第一の電極を基板上に設ける。第一の電極と基板間には、配向性制御のためのバッファ層を介在させてもよい。バッファ層として、YSZ膜、SrTiO3膜、MgO膜等を用いることが好ましい。
本発明における第一の電極6、第二の電極8としては、面心立方晶金属、六方最密充填構造晶金属、体心立方晶金属等の金属材料、ABO3型ペロブスカイト型酸化物等の導電性材料からなるものを用いることが好ましい。
好ましい面心立方晶金属としては、Pt、Ir、Au、Ni、Cu等を挙げることができる。また、好ましい六方最密充填構造晶金属としては、Ru、Ti、Os等を挙げることができる。また、好ましい体心立方晶金属としては、Cr、Fe、W、Ta等を挙げることができる。これらの金属材料の一部が、結晶性、導電性を損なわない程度に酸化物になっていてもよい。特に、最表面が酸化物になることは、圧電体中の鉛の拡散を抑制する点で好ましい。
ABO3型ペロブスカイト型酸化物としては、SrRuO3、(La、Sr)CoO3、BaPbO3、(La,Sr)TiO3、LaNiO3等が好ましい。
これらの電極材料は、複数種を併用してもよい。その場合、第一の電極、第二の電極は、2層以上の複数層で構成されたものであってもよい。
第一の電極、第二の電極の膜厚は、通常、50nm以上、500nm以下とすることが好ましく、100nm以上、400nm以下とすることがより好ましい。第一の電極、第二の電極の膜厚を50nm以上とすると、導電性がよく好ましい。また、500nm以下とすると圧電体素子の変位量が向上し、電極の結晶性制御が容易となり好ましい。
本発明の圧電体素子の実施態様の一例として光学用圧電体素子であるスクラブ型光導波路を図4の概略構成図に示す。図4(a)の平面図、(b)の側面図に示すように、スクラブ型光導波路には、クラッド層44、46とコア層45よりなる光導波路40が備えられる。更に、Si基板等の基板41、基板上に配向膜あるいはエピタキシャル膜を成膜させるためのバッファ層19、電極層16、偏光電極の上電極18が設けられる。コア層45には上記圧電体が用いられる。
本発明の液体吐出ヘッドは、上記本発明の圧電体素子を有する液体吐出ヘッドである。本発明の液体吐出ヘッドの一例を図2及び図1を用いて説明する。図2に示した実施形態の液体吐出ヘッドは、吐出口11、吐出口11と個別液室13とを連結する連通孔12、個別液室13に液を供給する共通液室14を備えている。この連通した経路に沿って液体が、吐出口11に供給される。個別液室13の一部は振動板15で構成されている。振動板15に振動を付与するための圧電体素子10は、個別液室の外部に設けられている。圧電体素子10が不図示の電源より電圧を印加されて駆動されると振動板15は圧電体素子10によって振動を付与され個別液室13内の液体が吐出口11から吐出される。
圧電体素子10は、図2に示されているように矩形の形にパターニングされた圧電体7を有しているが、この形状は矩形以外に楕円形、円形、平行四辺形等であってもよい。その際、一般的に、圧電体7は、液体吐出ヘッドにおける個別液室13の形状に沿った形状を採る。
本発明の液体吐出ヘッドを構成する圧電体素子10を更に詳細に図1を用いて説明する。
図1に示した実施形態の圧電体素子10の圧電体7の断面形状は矩形で表示されているが、台形や逆台形でもよい。本発明の圧電体素子10を構成する第一の電極6及び第二の電極8は、それぞれ液体吐出ヘッドの下部電極16、上部電極18のどちらになってもよい。
同様に、振動板15は本発明の圧電体素子10を構成する基板15の一部からなるものであってもよい。これらの違いはデバイス化の際の製造方法によるものであり、どちらでも本発明の効果を得ることができる。
また、振動板15と下部電極膜16の間にバッファ−層19が存在してもよい。バッファ層の膜厚は、通常、5nm以上、300nm以下であり、好ましくは10nm以上、200nm以下である。
上記液体吐出ヘッドにおいては、圧電体の伸縮により振動板が上下に変動し、これにより個別液室の液体に圧力が加えられ、吐出口より液体が吐出される。
また、振動板の膜厚は、通常、1.0μm以上、15μm以下であり、好ましくは1.5μm以上、8μm以下である。振動板は、基板の一部からなるものであってもよい。この場合、上記に説明したように、振動板の材料は、好ましくはSiである。また、基板上に形成されたバッファ層や電極も振動板の一部となってもよい。振動板のSiにBがドープされていてもよい。
吐出口の大きさは、通常、口径が5μm以上、40μm以下とすることが好ましい。吐出口の形状は、通常、円形であるが、星型や角型状、三角形状であってもよい。
本発明の液体吐出ヘッドは、プリンター以外に電子デバイスの製造用にも用いることができる。
本発明の超音波モーターは、上記圧電体素子を用いたものである。
本発明の超音波モーターの一例を図6に示す。図6に示す超音波モーターは単板からなる圧電体を備えた上記圧電体素子22を有する。更に、圧電体素子22がエポキシ系等の接着剤23により金属の弾性体リング21に接合された振動体24と、振動体24の摺動面に不図示の加圧バネにより加圧力を受けて接触するローター25と、ローター25に一体的に設けられる出力軸26により構成される。
圧電体素子22の圧電体に2相(位相がπ/2異なる)の電源から交流電圧を印加すると振動体24に屈曲進行波が発生し、振動体24の摺動面上の各点は楕円運動をする。この振動体24の摺動面にローター25を圧接すると、ローター25は、振動体24から摩擦力を受け、振動体摺動面上の楕円運動の方向へ回転する。ローター25の回転が出力軸26を介して、この出力軸にカップリング等で接合される被駆動体に伝達され、被駆動体が駆動される。この種のモーターは、圧電体に電圧を印加すると圧電横効果によって圧電体が伸縮するため、金属等の弾性体に圧電素子を接合しておくと、弾性体が曲げられるという原理を利用したものである。
更に、本発明の超音波モーターの一例として積層構造の圧電体を有する圧電体素子を用いた超音波モーターを図7に示す。図7に示す超音波モーターは、金属製の振動子61と、複数の筒形状の金属ブロック間に介装される複数の上記圧電体素子63とを、ボルト67により締結して該複数の圧電体素子63を挟持固定し一体化し、振動子を構成している。複数の圧電体素子の圧電体に位相の異なる交流電圧を印加することにより、直交する2つの振動を励起し、その合成により、振動子の先端部を円振動させるようになっている。振動子61の上部にはくびれた周溝を形成し、振動の変位を大きくすることができる。振動子61に加圧用のバネSにより加圧接触するようにローター62が配置され、振動子の振動を伝達する摩擦力を得ると同時に、ローター62を回転可能に支持するベアリング66が設けられている。
本発明の圧電体素子を、具体例を挙げて更に詳細に説明する。
[実施例1]
X{BaTiO3}(1−X){Bi(Mg1/3,Ti2/3)O3}薄膜
チタン酸バリウム、酸化ビスマス、酸化マグネシウム、酸化ニオブを混合し、加熱加圧成形し圧粉体のターゲットを作成した。これを用いて、SrRuO3(100)エピタキシャル膜が設けられたSOI(100)基板にスパッタ成膜した。成膜時、基板を750℃に加熱し、Ar/O2=10:1で2Pa雰囲気下、スパッタ成膜した。Ba、BiがAサイトに入り、Mg、TiがBサイトに入った3μmのペロブスカイト{100}エピタキシャルの圧電膜を得た。
ターゲット組成を変えることにより組成Xを、0.9、0.7、0.5、0.3付近の膜を成膜した。この膜に上電極として、Auを成膜し特性評価を行った。結晶相が変化することより、正方晶と菱面体晶が混在するMPB領域Xは0.7から0.5の範囲にあった。
この範囲で誘電率が650と3倍以上上昇し、100μmφの上電極サイズでd33圧電定数が150を超えるものであった。また、MPB領域では、結晶相は、基板側に正方晶が多く含有され、上側に菱面体晶が多い傾斜構造であった。基板側には正方晶が60体積%存在し、圧電膜表面側には菱面体晶が60体積%存在する、結晶相が傾斜した膜構造であった。
このSOI基板のハンドル層をエッチング加工し個別液室13を設け、圧電体をパターニングすることにより、図2に相当する液体吐出ヘッドを作成した。
30V印加により、5pl〜6plの液滴を吐出することができ、ヘッドとして十分満足できる特性であることを確認した。
[実施例2]
Y[Ba(Cu1/3,Nb2/3)O3](1−Y)(BiAlO3)セラミックス
Ba原料として硝酸バリウム、銅原料として硝酸銅、ニオブ原料として酸化ニオブ(Nb25)をモル比で3:1.2:1で調整し、酸性水溶液に加熱下、懸濁、溶解させた。その後、アルカリ処理により、析出物をろ過、採取、乾燥し、Ba(Cu1/3,Nb2/3)O3の原料とした。
また、酸化ビスマス、Al原料として酸化アルミニウムを粉砕、仮焼を繰り返し、BiAiO3の原料とした。この原料を各種モル比(Y=0.95〜0.3の範囲)で混合し、ボールミルで粉砕し、空気中、1100℃で加熱処理した。その後、加圧成形機で成形し、焼結処理を10時間、1250℃で焼結させた。焼結体を、研磨処理、電極付け後、5kV/cmの電界強度で分極処理を行い、圧電体を得た。12×3×1mm3サイズのカンチレバータイプに加工し、変位量、駆動電圧に対して、レーザードップラーで良好な変位を測定した。d33圧電定数は、100を超えるものであった。本発明の圧電材料は、アルカリ金属を含有しないため、組成制御の再現性が容易であり、また、高温、高湿下での耐久劣化も少ない材料であることを確認できた。
[実施例3]
Y[Ba(Cu1/3,Ta2/3)O3](1−Y){Bi(Zn)1/3,Ti2/3}O3}配向セラミックス
Ba原料として硝酸バリウム、銅原料として硝酸銅、ニオブ原料として酸化タンタル(Ta25)をモル比で3:1.1:1で調整し、酸性水溶液に加熱下、懸濁、溶解させた。その後、アルカリ処理により、析出物をろ過、採取、乾燥し、Ba 、Cu、Taの原料とした。
また、酸化ビスマス、酸化亜鉛を粉砕、仮焼を繰り返し、BiとZnの原料とした。これとBa(Cu1/3,Ta2/3)O3原料を水中に分散処理し、配向制御用にアスペクト比5のBaTiO3(110)配向板状粒子を亜鉛量に対し2.1倍モルになるよう加え、分散した。これをドクターブレードにより乾燥後の膜厚が80μmになるよう塗布し、乾燥した層を積層し、切断加工後、1160℃で7時間、焼成処理を行い{110}配向が82%となった単一配向体を得た。また、この圧電体の結晶相は、正方晶が多く存在するが、擬立方晶も存在する混相系であることをラマン分光により確認した。
結晶化後の酸化物を研磨、電極付け後、分極処理を行い、特性を評価した。圧電定数として、d33が300を超えるものであった。
この圧電体をリング形状にし圧電体素子形成し、これを用いて図6の超音波モーターを作成した。得られた圧電体素子は、十分な駆動力を有し、超音波モーターとして利用できることを確認した。
本発明の液体吐出ヘッドの実施態様の一例の圧電体素子部の厚さ方向の断面を示す模式的断面図である。 本発明の液体吐出ヘッドの実施態様の一例を示す摸式的斜視図である。 (A)本発明の圧電体素子に用いる圧電体の一例のBiMO3/BaTiO3系圧電体を示す模式的相図である。(B)本発明の圧電体素子に用いる圧電体の一例のBiM”O3/BaBO3系圧電体を示す模式的相図である。 本発明の圧電体素子の実施態様の一例の光学用圧電体素子であるスクラブ型光導波路を示す概略構成図である。 本発明の圧電体素子の実施態様の一例の圧電体の(A)単一配向膜、(B)単結晶膜を示す概略構成図である。 本発明の超音波モーターの一例を示す概略構成図である。 本発明の超音波モーターの他の例を示す概略構成図である。
符号の説明
6 第一の電極
7 圧電体
8 第二の電極
10、22、63 圧電体素子
11 吐出口
12 連通孔
13 個別液室
14 共通液室
15 基板、振動板
16 下部電極
18 上部電極
19 バッファ層
24 振動体
25 ローター
40 光導波路
41 基板
44 クラッド層
45 コア層
61 振動子
62 ローター

Claims (10)

  1. 基板上に、圧電体及び該圧電体に接する一対の電極を有する圧電体素子であって、
    前記圧電体が、式(1)
    (Bi,Ba)(M,Ti)O3 (1)
    (式中、Mは、Mn、Cr、Cu、Sc、In、Ga、Yb、Al、Mg、Zn、Co、Zr、Sn、Nb、Ta及びWから選ばれる1種の原子又は2種以上の原子の組合せを示す。)で表されるペロブスカイト型酸化物からなることを特徴とする圧電体素子。
  2. 前記圧電体が、式(2)
    X(BaTiO3)(1−X)(BiMO3) (2)
    (式中、Mは、Mn、Sc、In、Ga、Yb、Al、Mg、Zn、Zr及びSnから選ばれる1種の原子又は2種以上の原子の組合せを示し、Xは0<X<1を満たす実数を示す。)で表されるペロブスカイト型酸化物からなることを特徴とする請求項1記載の圧電体素子。
  3. 前記圧電体が、正方晶、菱面体晶、擬立方晶、斜方晶及び単斜晶のうち少なくとも2つの結晶相が混在するものであることを特徴とする請求項1又は2記載の圧電体素子。
  4. 前記圧電体が、結晶相の混在割合が厚さ方向に徐々に変化する構造を有することを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の圧電体素子。
  5. 基板上に、圧電体及び該圧電体に接する一対の電極を有する圧電体素子であって、
    前記圧電体が、式(3)
    (Bi,Ba)(M',M",Cu)O3 (3)
    (式中、M'は、Nb、Ta及びWから選ばれる1種の原子を示し、M"は、Mn、Sc、In、Ga、Yb、Al、Mg、Zn、Zr、Fe及びSnから選ばれる1種の原子又は2種以上の原子の組合せを示す。)で表されるペロブスカイト型酸化物からなることを特徴とする圧電体素子。
  6. 前記圧電体が、式(4)
    Y{Ba(Cu1/3M'1/33)(1−Y)(BiM"O3) (4)
    (式中、M'は、Nb、Ta及びWから選ばれる1種の原子を示し、M"は、Mn、Sc、In、Ga、Yb、Al、Mg、Zn、Zr、Fe及びSnから選ばれる1種の原子又は2種以上の原子の組合せを示し、Yは0<Y<1を満たす実数を示す。)で表されるペロブスカイト型酸化物からなることを特徴とする請求項5記載の圧電体素子。
  7. 前記圧電体が、正方晶、菱面体晶、擬立方晶、斜方晶及び単斜晶のうち少なくとも2つの結晶相が混在するものであることを特徴とする請求項5又は6記載の圧電体素子。
  8. 前記圧電体が、結晶相の混在割合が厚さ方向に徐々に変化する構造を有することを特徴とする請求項5から7のいずれかに記載の圧電体素子。
  9. 請求項1から8のいずれかに記載の圧電体素子を有することを特徴とする液体吐出ヘッド。
  10. 請求項1から8のいずれかに記載の圧電体素子を有することを特徴とする超音波モーター。
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