JP2005162587A - チタン酸バリウムおよびそれを用いた電子部品 - Google Patents

チタン酸バリウムおよびそれを用いた電子部品 Download PDF

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Abstract

【課題】 電子機器の小型化を可能とする小型のコンデンサに必要な薄膜の誘電体磁器を形成可能な、粒径が小さく、不要な不純物が少なく、電気的特性の優れたチタン酸バリウムを提供すること。
【解決手段】 単結晶であって、粒内に1nm以上の空孔が存在しない粒子が、粒子全体の20%以上であるチタン酸バリウム。そのチタン酸バリウムを用いたスラリー、フィルム、誘電体材料、圧電体材料を提供することにより、電子機器類の小型化を可能とする。
【選択図】 図1


Description

本発明は、誘電材料、積層セラミックコンデンサ、圧電材料等に用いられるチタン酸バリウムおよびその製造方法に関し、詳しくは、内部に欠陥を持たないチタン酸バリウムおよびその製造方法に関する。
チタン酸バリウムは誘電材料、積層セラミックコンデンサ、圧電材料等の機能材料として広く用いられている。電子部品の小型化、軽量化が進んでいることから、より粒径が小さく、かつ、誘電率が高い等の電気的特性の優れるチタン酸バリウムを得る方法の開発が望まれている。
固相法で得られる欠陥のないチタン酸バリウムは、誘電率が高いことが知られているが、十分に粒径を小さくすることができず、また、粒径の小さい湿式合成チタン酸バリウムは、欠陥を有し、十分に誘電率を高くできなかった。
チタン酸バリウム等のチタン酸バリウム粒子を製造する方法としては、酸化物や炭酸塩を原料とし、それらの粉末をボールミル等で混合した後、約800℃以上の高温で反応させて製造する固相法や、まず蓚酸複合塩を調製し、これを熱分解してチタン酸バリウム粒子を得る蓚酸塩法、金属アルコキシドを原料とし、それらを加水分解して前駆体を得るアルコキシド法、原料を水溶媒中で高温高圧として反応させて前駆体を得る水熱合成法等がある。また、チタン化合物の加水分解生成物と水溶性バリウム塩とを強アルカリ水溶液中で反応させる方法(例えば、特許文献1)、酸化チタンゾルとバリウム化合物をアルカリ水溶液中で反応させる方法(例えば、特許文献2)、酸化チタンゾルとバリウム化合物を密閉容器中で反応させる方法(例えば、特許文献3)等がある。また、結晶格子中の水酸基量が1wt%以下の原料を用い、焼成条件を整えることで、格子中の水酸基を0.1wt%まで減少させる方法(例えば、特許文献4)等がある。
しかしながら、固相法は製造コストが低く欠陥がないチタン酸バリウム粒子が得られるものの、生成したチタン酸バリウム粒子は粒径が大きく、誘電材料、圧電材料等の機能材料には適さない。
蓚酸塩法は固相法よりも小さな粒子が得られるものの、蓚酸に由来する炭酸基が残る。また、内部に取り込まれた水に起因する水酸基の残留がある。加熱処理を行うことで水酸基を除去することが可能であるが、その際に粒子内部に空孔が生成することが知られている(例えば、非特許文献1)。そのため電気的特性に優れたチタン酸バリウムが得られない。
アルコキシド法と水熱合成法では、微細な粒径のチタン酸バリウムが得られるが内部に取り込まれた水に起因する水酸基の残留が多い。加熱処理を行うことで水酸基を除去することが可能であるが、その際に粒子内部に空孔が生成する。そのため電気的特性に優れたチタン酸バリウムが得られない。またアルコキシド法は炭酸基が残留する。
水熱合成法は高温高圧条件下で行うため、専用設備が必要となり、コストが高くなるという問題がある。
特許文献1、2および3の方法は、水洗工程が必要である。その工程でバリウムの溶解とそれにより生じる水酸基の取り込みが起こる。加熱処理を行うことで水酸基を除去することが可能であるが、その際に粒子内部に空孔が生成する。そのため電気的特性に優れたチタン酸バリウムが得られない。特許文献3の方法は、密閉容器中で粉砕メディアを攪拌させながら加熱して反応させるため、専用設備が必要となり、コストが高くなるという問題がある。
特許文献4の方法は格子中の水酸基に注目し減少させる方法を提案しているが、元々存在している格子中の水酸基を減少させるという方法であり0.1wt%程度にまでしか水酸基を減少させることが出来ず誘電率の向上という面からは不十分である。
特許1841875号公報 国際公開WO00/35811号公報 特開平7−291607号公報 特開平11−273986号公報 日本セラミックス協会 第15回秋季シンポジウム講演予稿集、149頁
本発明は、電子機器の小型化を可能とする小型のコンデンサに必要な薄膜の誘電体磁器或いは誘電体フィルムを形成可能な、粒径が小さく、不要な不純物が少なく、電気的特性の優れたチタン酸バリウム及びそれを用いた電子部品を提供することである。
本発明者らは、前述の課題を鋭意検討した結果、塩基性化合物の存在するアルカリ性溶液中で、酸化チタンゾルとバリウム化合物を反応させ、反応後、塩基性化合物を気体として除去し、焼成することにより、従来の製造方法では得ることができなかった欠陥が無く微細なチタン酸バリウムを得られることを見いだし、発明を完成した。
すなわち、本発明は、以下の各項の発明からなる。
(1)単結晶であって、粒内に1nm以上の空孔が存在しない粒子が、粒子全体の20%以上であるチタン酸バリウム。
(2)粒内に1nm以上の空孔が存在しない粒子が、粒子全体の50%以上である(1)に記載のチタン酸バリウム。
(3)粒内に1nm以上の空孔が存在しない粒子が、粒子全体の80%以上である(1)に記載のチタン酸バリウム。
(4) BET比表面積が0.1m/g以上である(1)乃至(3)のいずれか1項に記載のチタン酸バリウム。
(5)700℃で熱処理後、赤外分光分析法において3500cm−1付近に急峻なピークが検出されない(1)乃至(4)のいずれか1項に記載のチタン酸バリウム。
(6)Sn,Zr,Ca,Sr,Pb,Ho,Nd,Y,La,Ce,Mg,Bi,Ni,Al,Si,Zn,B,Nb,W,Mn,Fe,Cu,及びDyからなる群より選ばれた少なくとも一種の元素をBaTiO3に対して5mol%未満(0mol%を含む)含む(1)乃至(5)のいずれか1項に記載のチタン酸バリウム。
(7)チタン酸バリウムが、粉体である(1)乃至(6)のいずれか1項に記載のチタン酸バリウム。
(8)チタン酸バリウムが湿式合成されたものである(1)乃至(7)のいずれか1項に記載のチタン酸バリウム。
(9)(1)乃至(8)のいずれか1項に記載のチタン酸バリウムを含むスラリー。
(10)(1)乃至(8)のいずれか1項に記載のチタン酸バリウムを含むペースト。
(11)(1)乃至(8)のいずれか1項に記載のチタン酸バリウムを含む誘電材料。
(12)(1)乃至(8)のいずれか1項に記載のチタン酸バリウムを含む誘電体磁器。
(13)(1)乃至(8)のいずれか1項に記載のチタン酸バリウムを含む圧電材料。
(14)(1)乃至(8)のいずれか1項に記載のチタン酸バリウムを含む圧電体磁器。
(15)(1)乃至(8)のいずれか1項に記載のチタン酸バリウムを含む誘電体フィルム。
(16)(11)に記載の誘電材料を含むコンデンサー。
(17)(13)に記載の圧電材料を含むコンデンサー。
(18)(15)に記載の誘電体フィルムを含むコンデンサー。
(19)(15)に記載の誘電体フィルムを含む基板内コンデンサー。
(20)(15)に記載の誘電体フィルムを含むプリント配線基板。
(21)(16)乃至(19)のいずれか1項に記載のコンデンサーを含む電子機器。
本発明によって得られたチタン酸バリウムは、粒内に水酸基或いは水酸基が脱離したことに起因する欠陥が存在せず、単結晶であった。該材料は粒径が小さく、かつ、誘電率が高く電気的特性の優れたものであった。
これから得られる誘電体磁器等の誘電材料を用いることにより積層セラミックコンデンサ、圧電材料等の小型の電子部品が得られ、さらにこれらを電子機器に用いることにより、電子機器の小型化、軽量化が可能となった。
また、本発明のチタン酸バリウムあるいは本発明のチタン酸バリウムを含むスラリーを使用すれば優れた誘電特性を有する誘電体フィルムが得られる。
当該誘電体フィルムは誘電特性が優れているために、薄膜化しても優れた特性を発揮できるので、基板内コンデンサなどに応用可能である。当該コンデンサを携帯電話やデジタルカメラなどの電子機器に採用すれば、機器の小型化、軽量化、高性能化に極めて有効である。
以下、本発明を詳しく説明する。
本発明のチタン酸バリウムとは、一般式ABO3で表されるペロブスカイト型化合物であり、AをBaが、BをTiが共に占めたBaTiO3をいう。
ただしSn,Zr,Ca,Sr,Pb,Ho,Nd,Y,La,Ce,Mg,Bi,Ni,Al,Si,Zn,B,Nb,W,Mn,Fe,Cu,及びDyからなる群より選ばれた少なくとも一種の元素をBaTiO3に対して5mol%未満含んでも良い。
また、本発明のチタン酸バリウムは、粒内に水酸基或いは水酸基が脱離したことに起因する欠陥が存在しないという特徴を有する。
さらに、本発明のチタン酸バリウムは単結晶であるという特徴をも有するものである。
チタン酸バリウムに存在する水酸基は赤外分光分析法により3500cm-1付近のピークとして検出されるが、粒内の水酸基以外に表面に存在する水酸基も同時に検出される。しかし、表面に存在する水酸基は700℃より低い温度で脱離する事がわかった。従って、予め700℃で熱処理後、赤外分光分析を行うことで誘電率を低下させる粒子内部の水酸基を検出することが出来る。
また、水酸基の脱離に伴う欠陥は、例えばTEM(透過電子顕微鏡)観察(好ましくは粒子を薄膜化して観察する)により検出される直径1nm以上の空孔(ボイド)をいう。特許文献4の図3中記号22で表されるボイドと同じである。図1に比較例で作成したチタン酸バリウム粉末のTEM写真(実際には150、000倍で撮影したが、添付図面では縮小している)を示すが、粒子内部に泡のように見える空孔(ボイド)が認識でき、これが水酸基の脱離に伴う欠陥である。
本発明のチタン酸バリウムは粒内に水酸基或いは水酸基が脱離したことに起因する欠陥が存在しないため、誘電率が大きくなる。
また、チタン酸バリウム粒子は単結晶であると誘電率が高くなるが、単結晶であることはTEMによる格子像解析から確認することが可能である。
本発明のチタン酸バリウムは単結晶であるため、誘電率が高くなる。
このように本発明のチタン酸バリウムは、粒径が小さく、かつ、誘電率が高く電気的特性の優れたものである。該粒子から得られる誘電体磁器等の誘電材料を用いることにより積層セラミックコンデンサ等の小型の電子部品が得られ、さらにこれらを電子機器に用いることにより、電子機器の小型化、軽量化が可能となる。
一般に電子機器の小型化のためには、BET比表面積が0.1m2/gより小さいと粒径が大きすぎて有効ではなく、BET比表面積が0.1m2/g以上だと有効であり好ましくは1m2/g以上、更に好ましくは5m2/g以上である。
本発明のチタン酸バリウムの製造方法は、特に限定されないが、湿式法を採用するのが好ましく、この場合には酸化チタンゾルを原料とするのが好ましい。
本発明で用いられる酸化チタンゾルは、特に制限はないが、ブルーカイト型結晶を含有する酸化チタンを含有するものが望ましい。ブルーカイト型結晶を含有するものであればブルーカイト型の酸化チタン単独、またはルチル型やアナターゼ型の酸化チタンを含んでもよい。ルチル型やアナターゼ型の酸化チタンを含む場合、酸化チタン中のブルーカイト型酸化チタンの割合は特に制限はないが、通常、1〜100質量%であり、好ましくは10〜100質量%、より好ましくは50〜100質量%であり、さらに好ましくは70〜100質量%である。これは、溶媒中において酸化チタン粒子が分散性に優れたものとするためには、不定形よりも結晶性であることが単粒化しやすいことから好ましく、特にブルーカイト型酸化チタンが分散性に優れているためである。この理由は明らかではないが、ブルーカイト型がルチル型、アナターゼ型よりもゼータ電位が高いことと関係していると考えられる。
ブルーカイト型結晶を含有する酸化チタン粒子の製造方法には、アナターゼ型酸化チタン粒子を熱処理してブルーカイト型結晶を含む酸化チタン粒子を得る製造方法がある。また、四塩化チタン、三塩化チタン、チタンアルコキシド、硫酸チタン等のチタン化合物の溶液を中和したり、加水分解したりすることによって、酸化チタン粒子が分散した酸化チタンゾルとして得る液相での製造方法等がある。
ブルーカイト型結晶を含有する酸化チタン粒子を原料として、チタン酸バリウム粒子を製造する方法としては、その粒子の粒径が小さく分散性に優れていることから、チタン塩を酸性溶液中で加水分解して酸化チタンゾルとして得る方法が好ましい。すなわち、75〜100℃の熱水に四塩化チタンを加え、75℃以上であって溶液の沸点以下の温度で、塩素イオン濃度をコントロールしながら四塩化チタンを加水分解して、酸化チタンゾルとしてブルーカイト型結晶を含有する酸化チタン粒子を得る方法(特開平11−043327号公報)や、75〜100℃の熱水に四塩化チタンを加え、硝酸イオン、燐酸イオンのいずれか一方または双方の存在下に、75℃以上であって溶液の沸点以下の温度で、塩素イオン、硝酸イオンおよび燐酸イオンの合計の濃度をコントロールしながら四塩化チタンを加水分解して、酸化チタンゾルとしてブルーカイト型結晶を含有する酸化チタン粒子を得る方法(国際公開WO99/58451号公報)が好ましい。
こうして得られたブルーカイト型結晶を含有する酸化チタン粒子の大きさは、1次粒子径が通常5〜50nmである。該粒子径が50nmを越えると、これを原料として製造したチタン酸バリウム粒子の粒径が大きくなり、誘電材斜、圧電材料等の機能材料には適さないものとなる。該粒子径が5nm未満では、酸化チタン粒子を製造する工程での取り扱いが困難である。
本発明の製造方法において、チタン塩を酸性溶液中で加水分解して得られた酸化チタンゾルを用いる場合は、得られたゾル中の酸化チタン粒子の結晶型には制限はなく、ブルーカイト型に限定されるものではない。
四塩化チタンや硫酸チタン等のチタン塩を酸性溶液中で加水分解すると、中性やアルカリ性の溶液中で行うよりも反応速度が抑制されるので粒径が単粒化し、分散性に優れた酸化チタンゾルが得られる。また、塩素イオン、硫酸イオン等の陰イオンが、生成した酸化チタン粒子の内部に取り込まれにくいので、チタン酸バリウム粒子を製造した際にその粒子への陰イオンの混入を低減することができる。
一方、中性やアルカリ性の溶液中で加水分解すると、反応速度が大きくなり、初期に多くの核発生が起こる。そのため、粒径は小さいが分散性が悪い酸化チタンゾルとなり、粒子が鬘状に凝集してしまう。このような酸化チタンゾルを原料として、チタン酸バリウム粒子を製造した場合、得られた粒子は粒径が小さくても、分散性が悪いものとなる。また、陰イオンが酸化チタン粒子の内部に混入しやすくなり、その後の工程でこれらの陰イオンを除去することが難しくなる。
チタン塩を酸性溶液中で加水分解し酸化チタンゾルを得る方法は、溶液が酸性に保持される方法であれは特に制限はないが、四塩化チタンを原料とし、還流冷却器を取り付けた反応器内で加水分解し、その際発生する塩素の逸出を抑制し、溶液を酸性に保持する方法(特開平11−43327号公報)が好ましい。
また、原料のチタン塩の酸性溶液中の濃度は0.01〜5mol/Lであることが好ましい。これは、濃度が5mol/Lを越えると、加水分解の反応速度が大きくなり、粒径が大きく分散性の悪い酸化チタンゾルが得られるためであり、0.01mol/L未満では、得られる酸化チタン濃度が少なくなり生産性が悪くなるためである。
本発明の製造方法で用いられるバリウム化合物は、水溶性であることが好ましく、通常、水酸化物、硝酸塩、酢酸塩、塩化物等である。また、これらは1種類単独で用いてもよく、2種以上の化合物を任意の比率で混合して用いてもよい。具体的には、例えば、水酸化バリウム、塩化バリウム、硝酸バリウム、酢酸バリウム等が用いられる。
本発明のチタン酸バリウムは、ブルーカイト型結晶を含有する酸化チタン粒子とバリウム化合物を反応させる方法、またはチタン塩を酸性溶液中で加水分解して得られた酸化チタンゾルとバリウム化合物を反応させる方法で製造することができる。
反応の条件として塩基性化合物の存在するアルカリ性溶液中で反応させることが望ましい。溶液のpHは、好ましくは11以上であり、より好ましくは13以上であり、特に好ましくは14以上である。pHを14以上とすることで、より粒径の小さなチタン酸バリウム粒子を製造することができる。反応溶液は、例えば、有機塩基化合物を添加してpH11以上のアルカリ性を保つのが望ましい。pHが11より低いと酸化チタンゾルとバリウム化合物の反応率が低下するため誘電率の高いチタン酸バリウムが得られにくい。
添加する塩基性化合物としては特に制限はないが、チタン酸バリウムの焼成温度以下で、かつ、大気圧下または減圧下で、蒸発、昇華、及び/または熱分解により気体となる物質が好ましく、例えば、TMAH(水酸化テトラメチルアンモニウム)、コリン等を好ましく用いることができる。水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属水酸化物を添加すると、得られたチタン酸バリウム粒子中にアルカリ金属が残存してしまい、成形し、焼結し、誘電材料、圧電材料等の機能材料とした際にその特性が劣る可能性があるので、水酸化テトラメチルアンモニウム等の上記塩基性化合物を添加することが好ましい。
さらに、反応溶液中の炭酸基(炭酸種としてCO2、H2CO3、HCO3 -、及びCO3 2-を含む)の濃度を制御することにより、誘電率の大きいチタン酸バリウムを安定に製造することが出来る。
反応溶液中の炭酸基の濃度(CO2換算値。以下、特に断りの無い限り同様である。)は、好ましくは500質量ppm以下でありより好ましくは1〜200質量ppmであり、特に好ましくは1〜100質量ppmである。炭酸基の濃度がこの範囲外では誘電率の大きいチタン酸バリウムが得られないことがある。
また、反応溶液においては、酸化チタン粒子または酸化チタンゾルの濃度が、0.1〜5mol/Lであり、バリウムを含む金属塩の濃度が金属酸化物に換算して、0.1〜5mol/Lになるように調製されることが好ましい。
さらに、Sn,Zr,Ca,Sr,Pb,Ho,Nd,Y,La,Ce,Mg,Bi,Ni,Al,Si,Zn,B,Nb,W,Mn,Fe,Cu,及びDyからなる群より選ばれた少なくとも一種の元素との化合物を、反応後のチタン酸バリウム中にこれらの元素が、BaTiO3に対して5mol%未満含まれるように添加しても良い。また、これらの元素が粒子表面に偏在していても良い。これらの元素は、例えばコンデンサを製造する場合、その温度特性などの特性が希望するの特性となるように、種類や添加量を調整すればよい。
このように調製されたアルカリ溶液を、撹拌しながら常圧において、通常、40℃〜溶液の沸点温度、好ましくは80℃〜溶液の沸点温度に加熱保持し、反応させる。反応時間は通常、1時間以上であり、好ましくは4時間以上である。
一般的にはここで、反応終了後のスラリーを電気透析、イオン交換、水洗、酸洗浄、浸透膜、などを用いる方法で不純物イオンを除去することが行なわれるが、不純物イオンと同時にチタン酸バリウムに含まれるバリウムもイオン化し一部溶解するため、所望の組成比への制御性が悪く、また結晶に欠陥が生じるため誘電率が小さくなる。塩基性化合物等の不純物の除去工程としては、このような方法を用いず、後述する方法を用いることが望ましい。
反応終了後のスラリーを、焼成する事により本発明の粒子を得ることができる。焼成では、チタン酸バリウム粒子の結晶性を向上させるとともに、不純物として残存している塩素イオン、硫酸イオン、燐酸イオン等の陰イオンや、水酸化テトラメチルアンモニウム等の塩基性化合物等を、蒸発、昇華、及び/または熱分解により気体として除去することができ、通常、300〜1200℃で行われる。焼成雰囲気は特に制限はなく、通常、大気中で行われる。焼成後、粉砕或いは混合を行った後、再び焼成するという工程を繰り返すことにより結晶性が更に向上し望ましい。
焼成前に、取り扱い等の必要に応じて、固液分離を行っても良い。固液分離としては、例えば、沈降、濃縮、濾過、及び/または乾燥等の工程が含まれる。沈降、濃縮、濾過工程では、沈降速度を変える、あるいは濾過速度を変えるために、凝集剤や分散剤を用いても良い。乾燥工程は、液成分を蒸発または昇華する工程であり、例えば、減圧乾燥、熱風乾燥、凍結乾燥等の方法が用いられる。
さらに、室温〜焼成温度の温度範囲で、大気圧下または減圧下であらかじめ塩基性化合物等を気体として除去してから焼成を行なっても良い。
このようにして製造されるチタン酸バリウムは、粒内に水酸基或いは水酸基が脱離したことに起因する欠陥が存在しない電気的特性に優れたものである。上述のように、水酸基は赤外分光分析法により3500cm-1付近のピークとして検出されるが、予め700℃で熱処理後赤外分光分析を行うことで誘電率を低下させる粒子内部の水酸基を検出することが出来る。また、水酸基の脱離に伴う欠陥はTEM観察により直径1nm以上の空孔(ボイド)として検出される。
従来公知のチタン酸バリウムでは薄膜化して丁寧に観察すると、殆ど全部の粒子に空孔が存在するが、100個のうちに約5個以下程度は空孔が存在しない粒子が存在する場合がある。しかし、本発明の実施例のチタン酸バリウムでは数100個を調べたが水酸基の脱離に伴う欠陥(空孔)は全く観察されなかった。即ち、本発明のチタン酸バリウム粉末では、水酸基の脱離に伴う欠陥(空孔)を含まない粒子を、個数で20%以上、好ましくは50%以上、より好ましくは80%以上、さらに好ましくは90%以上、特に好ましくは98%以上とすることができ、実質的には全部にすることができる。
また、チタン酸バリウム粒子は単結晶であると誘電率が高くなるが、本発明のチタン酸バリウムが単結晶であることはTEMによる格子像の解析から確認することが出来た。
本発明のチタン酸バリウムを含む充填材を、熱硬化性樹脂および熱可塑性樹脂からなる群から選ばれる少なくとも一種以上に分散させることにより高誘電率のフィルムを得ることが出来る。
チタン酸バリウム以外の充填材を含ませる場合には、アルミナ、チタニア、ジルコニア、酸化タンタルなどからなる群より1種以上を選択して使用することが可能である。
熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂は特に制限されず、通常使用されている樹脂を使用することが可能であるが、熱硬化性樹脂としては例えばエポキシ樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミド樹脂、ビストリアジン樹脂等が好適である。熱可塑性樹脂としては例えばポリオレフィン樹脂、スチレン系樹脂、ポリアミド等が好適である。
本発明のチタン酸バリウムを含む充填材を熱硬化性樹脂または/および熱可塑性樹脂の少なくとも一種以上に均一に分散させるために、予め充填材を溶剤または上記樹脂組成物と溶剤の混合物に分散させスラリーを得るのが望ましい。
充填材を溶剤または上記樹脂組成物と溶剤の混合物に分散させスラリーを得る方法は特に限定されないが、湿式解砕の工程を含むのが望ましい。
溶剤としては特に制限されず、通常使用される溶剤であれば何でも使用可能であるが、例えば、メチルエチルケトン、トルエン、酢酸エチル、メタノール、エタノール、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン、メチルセルソルブ、を単独で或いは二種以上を混合して用いることが出来る。
充填材を溶剤または上記樹脂組成物と溶剤の混合物に分散させたスラリーを得るためにカップリング剤を配合することが望ましい。カップリング剤としては特に制限される物ではなく、例えば、シランカップリング剤、チタネート系カップリング剤、アルミネート系カップリング剤があげられる。カップリング剤の親水基が、チタン酸バリウムを含む充填材表面の活性水素と反応し表面に被覆されるため、溶剤への分散性が良好になる。カップリング剤の疎水基は、その選択により樹脂への相溶性を高めることができる。たとえば、樹脂としてエポキシ樹脂を用いる場合には、モノアミノ、ジアミノ、カチオニックスチリル、エポキシ、メルカプト、アニリノ、ウレイドなどのいずれかを官能基の一つに有するシランカップリング剤や、ホスファイト、アミノ、ジアミノ、エポキシ、メルカプトなどのいずれかを官能基の一つに有するチタネート系カップリング剤が好適である。樹脂としてポリイミド樹脂を用いる場合には、モノアミノ、ジアミノ、アニリノなどのいずれかを官能基の一つに有するシランカップリング剤や、モノアミノ、ジアミノなどのいずれかを官能基の一つに有するチタネート系カップリング剤が好適である。これらのうち一種を単独で用いたり、二種以上を混合して用いたりすることができる。
カップリング材の配合量は、特に限定されず、チタン酸バリウム粒子の一部または全部が被覆されていれば良いが、多いと未反応のまま残り悪影響を与える場合があり、少なすぎるとカップリング効果が低くなる場合もある。したがって、チタン酸バリウムを含む充填材の粒径および比表面積、カップリング剤の種類によって、充填材が均一に分散できる配合量を選択することが好ましいが、チタン酸バリウムを含む充填材の0.05〜20質量%程度の配合量が望ましい。
カップリング剤の親水基とチタン酸バリウムを含む充填材表面の活性水素との反応を完結させるため、スラリーにしてから加熱処理する工程を含むのが望ましい。加熱温度と時間に特に制限はないが、100〜150℃で1時間から3時間加熱処理することが好ましい。また、溶剤の沸点が100℃以下のときは、加熱温度は溶剤の沸点以下とし、加熱時間をそれに応じて長くするとよい。
本発明のチタン酸バリウムあるいは本発明のチタン酸バリウムを含むスラリーを使用すれば優れた誘電特性を有する誘電体フィルムが得られる。
当該誘電体フィルムは誘電特性が優れているために、薄膜化しても優れた特性を発揮できるので、基板内コンデンサなどに応用可能である。本発明の誘電体フィルムを使用した基板内コンデンサを携帯電話やデジタルカメラなどの電子機器に採用すれば、機器の小型化、軽量化、高性能化に有効である。
以下、本発明を実施例および比較例をあげて具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。
(誘電率測定方法)
得られたチタン酸バリウムの誘電率は以下のようにして測定した。
チタン酸バリウムとMgO(協和化学工業(株)製高純度酸化マグネシウム500−04R)、Ho23(日本イットリウム(株)製微粉末酸化ホルミウム)、BaSiO3(添川理化学(株)製)をモル比で100:0.5:0.75:1.0になるように混合した。混合粉0.3gを13mmφの金型で一軸成型した後、窒素雰囲気下において1300℃で2時間保持し焼成した。このようにして得られた焼結体のサイズを精密に測定した後に焼き付け用銀電極を塗布し、大気雰囲気下において800℃で10分間焼成することにより電極を形成し単板コンデンサとした。
該コンデンサの静電容量をHEWLETT PACKARD社製LFインピーダンスアナライザー4192Aで測定し、測定周波数1kHz、測定温度を―55℃から125℃まで変えたときの静電容量と焼結体のサイズから誘電率を算出した。
実施例1:
四塩化チタン(住友チタニウム(株)製:純度99.9%)濃度が0.25mol/Lの水溶液を還流冷却器つきの反応器に投入し、塩素イオンの逸出を抑制し、酸性に保ちながら沸点付近まで加熱した。その温度で60分間保持して四塩化チタンを加水分解し、酸化チタンゾルを得た。得られた酸化チタンゾルの一部を110℃で乾燥し理学電機(株)製X線回折装置(RAD−B ローターフレックス)で結晶型を調べた結果ブルーカイト型80%、アナターゼ型20%の酸化チタンであることがわかった。
水酸化バリウム八水和物(バライト工業(株)製)126gと、水酸化テトラメチルアンモニウム20質量%水溶液(セイケム昭和(株)製)に炭酸ガスを吹き込み炭酸基濃度60質量ppm(CO2換算値。以下、特に断りの無い限り同様である。)とした水溶液456gとを加えpHを14とし、還流冷却器付きの反応器で95℃に加熱した。前記ゾルを沈降濃縮して得た酸化チタン濃度15質量%のゾル213gを反応器に7g/分の速度で滴下した。
液温を110℃まで上昇し攪拌を続けながら4時間保持して反応を行い得られたスラリーを50℃まで放冷した後、濾過を行った。濾過残渣を300℃で5時間乾燥し微粒子粉体を得た。反応に用いた酸化チタン量と水酸化バリウム量から算出される理論収量に対する実収量の割合は99.8%であった。
得られた微粒子粉体をTEMによって観察したところ単結晶であった。当該粉体5gを磁製皿に入れ、電気炉中で20℃/分で昇温し、表1に示した温度で2時間保持(焼成)後、自然冷却させた。
この粉体のX線回折を理学電機(株)製X線回折装置(RAD−B ローターフレックス)で調べた結果、得られた粉体はぺロブスカイト型のBaTiO3であることがわかった。X線回折強度からリートベルト解析によりc/a比を求めた。また、この粉体の比表面積をBET法によって求めた。このようにして得られた結果を表1及び図2、図3、図4、図5に示す。
さらに、950℃で焼成した試料に含まれる炭酸基の量についてはBIORAD製赤外分光分析装置(FTS6000)を使用して定量した。炭酸基が全て炭酸バリウムであるとすると約1質量%に相当する量であった。同時に格子内水酸基に対応する3500cm-1付近の急峻な吸収ピークは現れなかった。25℃での誘電率は3200であった。その時の温度特性はEIA規格(米国電子機械工業会規格)のCLASSII(高誘電率系)の分類コードのX7R特性を満たした。当該チタン酸バリウムより得られた誘電体磁器、誘電体フィルム、ならびにコンデンサ、圧電材料は優れた特性を有するものであった。
実施例2:
実施例1と同様にしてぺロブスカイト型のBaTiO3を得た。ただし、600℃で2時間保持することで結晶化した。実施例1と同様にして調べたところ比表面積は25m2/g、c/a比は1.0032であった。この試料を700℃で熱処理した以外は実施例1と同様に赤外分光分析を行った。その結果、格子内水酸基に対応する3500cm-1付近の急峻な吸収ピークは現れなかった。25℃での誘電率は1100であった。その時の温度特性はEIA規格のX7R特性を満たした。当該チタン酸バリウムより得られた誘電体磁器、誘電体フィルム、ならびにコンデンサ、圧電材料は優れた特性を有するものであった。
実施例3:
実施例1と同様にしてぺロブスカイト型のBaTiO3を得た。ただし、950℃で2時間保持することで結晶化した。実施例1と同様にして調べたところ比表面積は4.1m2/g、c/aの比は1.0092であった。この試料を実施例1と同様に赤外分光分析を行った。その結果、格子内水酸基に対応する3500cm-1付近の急峻な吸収ピークは現れなかった。25℃での誘電率は3600であった。その時の温度特性はEIA規格のX7R特性を満たした。当該チタン酸バリウムより得られた誘電体磁器、誘電体フィルム、ならびにコンデンサ、圧電材料は優れた特性を有するものであった。TEM観察を25万倍で行ったが水酸基が脱離したことに起因する欠陥は観察されなかった。
実施例4:
実施例1と同様にしてぺロブスカイト型のBaTiO3を得た。ただし、1200℃で2時間保持することで結晶化した。実施例1と同様にして調べたところ比表面積は0.5m2/g、c/a比は1.0110であった。この試料を実施例1と同様に赤外分光分析を行った。その結果、格子内水酸基に対応する3500cm-1付近の急峻な吸収ピークは現れなかった。25℃での誘電率は4000であった。その時の温度特性はEIA規格のX7R特性を満たした。当該チタン酸バリウムより得られた誘電体磁器、誘電体フィルム、ならびにコンデンサ、圧電材料は優れた特性を有するものであった。TEM観察を25万倍で行ったが水酸基が脱離したことに起因する欠陥は観察されなかった。
実施例5:
TMAH添加量を減らしpHを11とした以外は実施例1と同様の操作でチタン酸バリウムを合成した。理論収量に対する実収量の割合は98%であった。TEMで観察したところ単結晶であった。880℃で2時間保持することにより結晶化させた試料に関して実施例1と同様に調べたところ比表面積は7.3m2/g、c/a比は1.0090であった。この試料を実施例1と同様に赤外分光分析を行った。その結果、格子内水酸基に対応する3500cm-1付近の急峻な吸収ピークは現れなかった。25℃での誘電率は2600であった。その時の温度特性はEIA規格のX7R特性を満たした。当該チタン酸バリウムより得られた誘電体磁器、誘電体フィルム、ならびにコンデンサ、圧電材料は優れた特性を有するものであった。
実施例6:
TMAH水溶液の代わりに炭酸基濃度75質量ppmのコリン水溶液を用いた以外は実施例1と同様の操作でチタン酸バリウムを合成した。理論収量に対する実収量の割合は99.9%であった。TEMで観察したところ単結晶であった。880℃で2時間保持することにより結晶化させた試料に関して実施例1と同様に調べたところ比表面積は7m2/g、c/a比は1.0091であった。この試料を実施例1と同様に赤外分光分析を行った。その結果、格子内水酸基に対応する3500cm-1付近の急峻な吸収ピークは現れなかった。25℃での誘電率は2700であった。その時の温度特性はEIA規格のX7R特性を満たした。当該チタン酸バリウムより得られた誘電体磁器、誘電体フィルム、ならびにコンデンサ、圧電材料は優れた特性を有するものであった。
実施例7:
実施例1で合成したブルーカイト型酸化チタンゾルの代わりに市販のアナターゼ型酸化チタンゾル(石原産業製STS−02)を用いた以外は実施例1と同様の操作でチタン酸バリウムを合成した。理論収量に対する実収量の割合は99.8%であった。TEMで観察したところ単結晶であった。880℃で2時間保持することにより結晶化させた試料に関して実施例1と同様に調べたところ比表面積は7.7m2/g、c/a比は1.0071であった。この試料を実施例1と同様に赤外分光分析を行った。その結果、格子内水酸基に対応する3500cm-1付近の急峻な吸収ピークは現れなかった。25℃での誘電率は2400であった。その時の温度特性はEIA規格のX7R特性を満たした。当該チタン酸バリウムより得られた誘電体磁器、誘電体フィルム、ならびにコンデンサ、圧電材料は優れた特性を有するものであった。
実施例8:
炭酸基含有量60質量ppmのTMAHの代わりに炭酸基含有量110質量ppmのTMAHを用いた以外は実施例1と同様の操作でチタン酸バリウムを合成した。理論収量に対する実収量の割合は99.8%であった。TEMで観察したところ単結晶であった。880℃で2時間保持することにより結晶化させた試料に関して実施例1と同様に調べたところ比表面積は7.3m2/g、c/a比は1.0090であった。この試料を実施例1と同様に赤外分光分析を行った。その結果、格子内水酸基に対応する3500cm-1付近の急峻な吸収ピークは現れなかった。25℃での誘電率は2700であった。その時の温度特性はEIA規格のX7R特性を満たした。当該チタン酸バリウムより得られた誘電体磁器、誘電体フィルム、ならびにコンデンサ、圧電材料は優れた特性を有するものであった。
実施例9:
炭酸基含有量60質量ppmのTMAHの代わりに炭酸基含有量215質量ppmのTMAHを用いた以外は実施例1と同様の操作でチタン酸バリウムを合成した。理論収量に対する実収量の割合は99.7%であった。TEMで観察したところ単結晶であった。880℃で2時間保持することにより結晶化させた試料に関して実施例1と同様に調べたところ比表面積は7.5m2/g、c/a比は1.0087であった。この試料を実施例1と同様に赤外分光分析を行った。その結果、格子内水酸基に対応する3500cm-1付近の急峻な吸収ピークは現れなかった。25℃での誘電率は2500であった。その時の温度特性はEIA規格のX7R特性を満たした。当該チタン酸バリウムより得られた誘電体磁器、誘電体フィルム、ならびにコンデンサ、圧電材料は優れた特性を有するものであった。
実施例10:
炭酸基含有量60質量ppmのTMAHの代わりに炭酸基含有量490質量ppmのTMAHを用いた以外は実施例1と同様の操作でチタン酸バリウムを合成した。理論収量に対する実収量の割合は99.4%であった。TEMで観察したところ単結晶であった。880℃で2時間保持することにより結晶化させた試料に関して実施例1と同様に調べたところ比表面積は8.1m2/g、c/a比は1.0061であった。この試料を実施例1と同様に赤外分光分析を行った。その結果、格子内水酸基に対応する3500cm-1付近の急峻な吸収ピークは現れなかった。25℃での誘電率は2000であった。その時の温度特性はEIA規格のX7R特性を満たした。当該チタン酸バリウムより得られた誘電体磁器、誘電体フィルム、ならびにコンデンサ、圧電材料は優れた特性を有するものであった。
実施例11:
実施例1で合成したブルーカイト型酸化チタンゾルの代わりに市販のアナターゼ型酸化チタンゾル(石原産業製ST−02)を用いた以外は実施例1と同様の操作でチタン酸バリウムを合成した。理論収量に対する実収量の割合は99.8%であった。TEMで観察したところ単結晶であった。880℃で2時間保持することにより結晶化させた試料に関して実施例1と同様に調べたところ比表面積は7.7m2/g、c/a比は1.0066であった。この試料を実施例1と同様に赤外分光分析を行った。その結果、格子内水酸基に対応する3500cm-1付近の急峻な吸収ピークは現れなかった。25℃での誘電率は2200であった。その時の温度特性はEIA規格のX7R特性を満たした。当該チタン酸バリウムより得られた誘電体磁器、誘電体フィルム、ならびにコンデンサ、圧電材料は優れた特性を有するものであった。
実施例12:
実施例1と同様にしてぺロブスカイト型のBaTiO3微粒子粉体を得た。この粉体を300℃で2時間保持することで結晶化した。実施例1と同様にして調べたところ比表面積は45m2/g、c/a比は1.0000であった。この試料を実施例1と同様に赤外分光分析を行った。その結果、格子内水酸基に対応する3500cm-1付近の急峻な吸収ピークは現れなかった。
比較例1:
蓚酸水溶液を攪拌しながら80℃に加熱しそこにBaCl2とTiCl4の混合水溶液を滴下し蓚酸チタニルバリウムを得た。得られた試料から塩素を除去するため水洗を行なった後、これを950℃で熱分解することによりBaTiO3を得た。実施例1と同様に調べたところ比表面積は4m2/g、c/a比は1.0080であった。この試料に含まれる炭酸基の量を赤外分光分析装置で定量したところ炭酸バリウムに換算すると8質量%存在することがわかった。不純物として働く炭酸基が大量に生成するため正方晶化率が高くならなかった。同時に格子内水酸基に対応する3500cm-1付近に急峻な吸収ピークが存在した。25℃での誘電率は2000であった。その時の温度特性はEIA規格のX7R特性を満たした。
比較例2:
実施例1で合成したブルーカイト型酸化チタンゾル667gと水酸化バリウム八水和物592g(Ba/Tiモル比1.5)とイオン交換水を1Lとを3Lのオートクレーブに入れた後、150℃で1時間保持することで飽和蒸気圧下で水熱処理を行った。得られた試料中に含まれる過剰なバリウムを水洗後、800℃で2時間保持することにより結晶化させた。実施例1と同様に調べたところ比表面積は6.9m2/g、c/a比は1.0033であった。この試料を赤外分光分析装置で評価したところ3500cm-1付近に格子内水酸基の急峻な吸収がみられた。水熱合成法では格子内に水酸基を持ち込むために正方晶化率が低くなると推測される。25℃での誘電率は1200であった。その時の温度特性はEIA規格のX7R特性を満たさなかった。結晶性が低い事が原因でMgO、Ho、BaSiOがチタン酸バリウム内部まで拡散したためである。
比較例3:
TMAHを添加しないこと以外は実施例1と同様の操作でチタン酸バリウムを合成した。このときのpHは10.2であった。理論収量に対する実収量の割合は86%であった。pHが低くなると収率が下がり、実用的でないことがわかった。
比較例4:
TMAHの代わりにKOHを用いた以外は実施例1と同様の操作でチタン酸バリウムを合成した。理論収量に対する実収量の割合は99.9%であった。濾過した試料を水洗しK濃度を100ppmとした。この試料を800℃で2時間保持することにより結晶化させた試料に関して実施例1と同様に調べたところ比表面積は9m2/g、c/a比は1.0030であった。この試料を赤外分光分析装置で評価したところ3500cm-1付近に格子内水酸基の急峻な吸収がみられた。25℃での誘電率は900であった。その時の温度特性はEIA規格のX7R特性を満たさなかった。結晶性が低い事が原因でMgO、Ho、BaSiOがチタン酸バリウム内部まで拡散したためである。またBa/Tiモル比が洗浄前より0.007小さくなったことからKと同時にBaが溶出することが示唆された。
比較例5:
炭酸基濃度60質量ppmのTMAHの代わりに炭酸基濃度1000質量ppmのTMAHを用いた以外は実施例1と同様の操作でチタン酸バリウムを合成した。理論収量に対する実収量の割合は99.4%であった。880℃で2時間保持することにより結晶化させた試料に関して実施例1と同様に調べたところ比表面積は8.3m2/g、c/a比は1.0058であった。25℃での誘電率は1400であった。その時の温度特性はEIA規格のX7R特性を満たさなかった。結晶性が低い事が原因でMgO、Ho、BaSiOがチタン酸バリウム内部まで拡散したためである。
Figure 2005162587


























チタン酸バリウム紛体のTEM写真であるが、水酸基の脱離に起因した欠陥である空孔が観察される。 BET比表面積の処理温度依存性を示したグラフである。 c/aの処理温度依存性を示したグラフである。 c/aの一次粒径依存性を示したグラフである。 格子軸長の処理温度依存性を示したグラフである。

Claims (21)

  1. 単結晶であって、粒内に1nm以上の空孔が存在しない粒子が、粒子全体の20%以上であるチタン酸バリウム。
  2. 粒内に1nm以上の空孔が存在しない粒子が、粒子全体の50%以上である請求項1に記載のチタン酸バリウム。
  3. 粒内に1nm以上の空孔が存在しない粒子が、粒子全体の80%以上である請求項1に記載のチタン酸バリウム。
  4. BET比表面積が0.1m/g以上である請求項1乃至3のいずれか1項に記載のチタン酸バリウム。
  5. 700℃で熱処理後、赤外分光分析法において3500cm−1付近に急峻なピークが検出されない請求項1乃至4のいずれか1項に記載のチタン酸バリウム。
  6. Sn,Zr,Ca,Sr,Pb,Ho,Nd,Y,La,Ce,Mg,Bi,Ni,Al,Si,Zn,B,Nb,W,Mn,Fe,Cu,及びDyからなる群より選ばれた少なくとも一種の元素をBaTiO3に対して5mol%未満(0mol%を含む)含む請求項1乃至5のいずれか1項に記載のチタン酸バリウム。
  7. チタン酸バリウムが、粉体である請求項1乃至6のいずれか1項に記載のチタン酸バリウム。
  8. チタン酸バリウムが湿式合成されたものである請求項1乃至7のいずれか1項に記載のチタン酸バリウム。
  9. 請求項1乃至8のいずれか1項に記載のチタン酸バリウムを含むスラリー。
  10. 請求項1乃至8のいずれか1項に記載のチタン酸バリウムを含むペースト。
  11. 請求項1乃至8のいずれか1項に記載のチタン酸バリウムを含む誘電材料。
  12. 請求項1乃至8のいずれか1項に記載のチタン酸バリウムを含む誘電体磁器。
  13. 請求項1乃至8のいずれか1項に記載のチタン酸バリウムを含む圧電材料。
  14. 請求項1乃至8のいずれか1項に記載のチタン酸バリウムを含む圧電体磁器。
  15. 請求項1乃至8のいずれか1項に記載のチタン酸バリウムを含む誘電体フィルム。
  16. 請求項11に記載の誘電材料を含むコンデンサー。
  17. 請求項13に記載の圧電材料を含むコンデンサー。
  18. 請求項15に記載の誘電体フィルムを含むコンデンサー。
  19. 請求項15に記載の誘電体フィルムを含む基板内コンデンサー。
  20. 請求項15に記載の誘電体フィルムを含むプリント配線基板。
  21. 請求項16乃至19のいずれか1項に記載のコンデンサーを含む電子機器。
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