JP2004249729A - 圧電体素子 - Google Patents

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Abstract

【課題】 高い圧電性を示す圧電体素子を提供する。
【解決手段】 上部電極14、圧電材料及び/又は電歪材料12、下部電極13を含む圧電体素子15であって、圧電材料及び/又は電歪材料12が双晶を持つことで、圧電材料及び/又は電歪材料12の内部応力を緩和し、高い圧電性を有する圧電体素子15を得ることが出来る。
【選択図】 図3

Description

本願発明は、圧電体素子に関するものであり、圧電アクチュエーター、特にインクジェット記録装置に使用されるインクジェット記録ヘッドに関するものである。
近年、圧電アクチュエーターは、モータの微細化、高密度化が可能であるという点で、電磁型モータに代わる新しいモータとして、携帯情報機器分野、ならびに化学、医療分野で注目されている。圧電アクチュエーターはその駆動に際して電磁ノイズを発生させず、またノイズの影響も受けない。さらに、圧電アクチュエーターはマイクロマシンに代表されるような、サブミリメートルクラスの大きさの機器を作る技術として注目されており、その駆動源として微小な圧電アクチュエーターが求められている。
従来の圧電体素子は、一般に金属やシリコンなどの基板上の所定の位置にバルク材の焼結体を加工した圧電体が設けられている。圧電体はバルク材の焼結体を所望の大きさ、厚さに研磨加工を施したり、グリーンシートから型抜きして熱処理したものを用いたりしている。このようなバルク材の焼結体、グリーンシートからの成形体では、厚みが数μm以上のものが一般的である。このような圧電アクチュエーターの基本的構成は圧電体と弾性材料を接着剤で貼り合わせた構造となっている。
一方、接着剤による貼り合わせの他に、スパッタ法や印刷法などを用いて、基板上に圧電体を直接形成する手法がある。通常、印刷法やスパッタ法、MOCVD法、ゾルゲル法、ガスデポジション法等により形成される圧電体の厚みは、数十nm(数百Å)〜数百μm程度である。また、いずれの構成においても、圧電体には電極が設けられており、電極を通じて電圧が印加されるようになっている。
上記の説明に代表されるように、圧電体素子の基本的構成は圧電体と基板を接着剤等で貼り合わせた構成、もしくは基板上に圧電体を直接形成した構成となっている。
このような圧電体素子を用いたインクジェット記録装置の場合、インク供給室に連通した圧力室とその圧力室に連通したインク吐出口とを備え、その圧力室に圧電素子が接合もしくは直接形成された振動板が設けられて構成されている。このような構成において、圧電素子に所定の電圧を印加して圧電素子を伸縮させることにより、たわみ振動を起こさせて圧力室内のインクを圧縮することによりインク吐出口からインク液滴を吐出させる。このような作用を利用して現在カラーのインクジェット記録装置が普及しているが、その印字性能の向上、特に高解像度化および高速印字が求められている。そのためインクヘッドを微細化したマルチノズルヘッド構造を用いて高解像度および高速印字を実現する事が試みられている。インクヘッドを微細化するためには、インクを吐出させるための圧電素子を小型化することが必要になる。
従来、このような小型の圧電体素子は、焼結により得られた圧電体を上記のように切削、研磨等の技術によって微細成形して製造されていたが、これとは別に、圧電体を薄膜として形成し、半導体で用いられてきた微細加工技術を駆使してより高精度な超小型圧電素子を開発する研究がなされている。さらに、その高性能化を考えた場合、圧電体は単結晶薄膜あるいは単一配向膜であることが望ましく、ヘテロエピタキシャル成長技術の開発が盛んに行われている。
一方、近年注目されている圧電材料として一般式ABO3で構成されるペロブスカイト型構造を有する強誘電体材料がある。この材料は例えばPZTに代表されるように優れた強誘電性、焦電性、圧電性を示す。また、PZN-PTに代表されるようなリラクサ系電歪材料はその優れた圧電性のため、圧電材料として特に期待されている。PZT材料に関しては、例えば「セラミック誘電体工学」(学献社・第4版)の333頁(非特許文献1)に説明されているような材料である。また、リラクサ系材料としては、例えば特開2001−328867号公報(特許文献1)に記載されている。
特開2001−328867号公報 「セラミック誘電体工学」(学献社・第4版),333頁
しかしながら、上記のような圧電性の高い材料であっても、本来期待されるほど高い圧電性は実現されず、また、より高い圧電性が期待される、配向性を有するもしくは単結晶である圧電材料及び/又は電歪材料であっても、単純に結晶性を上げるだけでは、その圧電性が、配向性を有しないもしくは単結晶でない圧電材料及び/又は電歪材料と変わらない場合があることが分かってきた。さらに、圧電性を高めると問題になる、大きな圧電歪が主原因になる圧電体素子の電極剥がれや、基板上に圧電体素子を直接形成する際の膜剥がれ等を回避する好適な圧電体素子は未だ確立されていなかった。
本願発明は、圧電特性に優れた圧電材料及び/又は電歪材料を備えた圧電体素子を提供することを目的とする。また本願発明は、圧電材料及び/又は電歪材料と下部電極もしくは上部電極との密着性が良い圧電体素子を提供することを目的とする。また本願発明は、基板上に圧電体素子を直接形成する際の膜剥がれを防止することを目的とする。また本願発明は、信頼性の高い圧電アクチュエーター並びにインクジェット記録ヘッドを提供することを目的とする。
[1]上記目的を達成するため、本願発明の圧電体素子は、上部電極と、圧電材料及び/又は電歪材料と、下部電極とを有する圧電体素子であって、前記圧電材料及び/又は電歪材料が一般式ABO3で構成される複合酸化物であり、前記圧電材料及び/又は電歪材料が双晶を持つことを特徴とする。
発明者らは鋭意検討の結果、圧電材料及び/又は電歪材料が双晶を含むことより圧電性が向上し、かつ、圧電材料及び/又は電歪材料と下部電極もしくは上部電極との密着性が良い圧電体素子を得ることが出来ることを見出した。
この明確な理由は不明であるが、例えば、一つの考察として、圧電材料及び/又は電歪材料が双晶を有することにより、種々の製法で材料が作製される際に生じる内部応力を、双晶構造によって緩和し、材料本来の圧電性が示され、かつ、圧電材料及び/又は電歪材料と下部電極もしくは上部電極との密着性が良い圧電体素子が得られるのではないか等が考えられる。
ここで、本願発明の双晶とは2個以上の同種の圧電材料及び/又は電歪材料の結晶が、ある面または軸に対して対称の関係を持って相接し一体をなしている構造をもつ結晶のことをいい、前述のある面または軸に双晶ドメイン境界をもつ双晶結晶のことをいう。
[2]上述の目的は双晶の双晶面が{110}で表される群から選ばれた1つである前記[1]に記載の圧電体素子によって達成される。
ここで、{110}とは(110)や(101)や(011)で一般に表される計6面を総称した表現である。例えば(100)と(001)は結晶系が立方晶系の場合は違いはないが、分極する圧電材料及び/又は電歪材料の場合は区別しなければならない場合がある。例えば正方晶や斜方晶の場合は(100)と(001)を区別しなければならないので区別している。この際、「結晶主面」は分極方向の(001)、(100)のいずれを選択してもかまわない為、(001)や(100)を総称した表記として{100}という表現を用いている。
さらに、双晶面とは{110}の両側の格子点のイオンが鏡像関係にある場合にこの{110}のことをいう。
[3]上述の目的は双晶の双晶面が{100}で表される群から選ばれた1つである前記[1]に記載の圧電体素子によって達成される。
ここで、{100}とは(100)や(010)や(001)で一般に表される計6面を総称した表現である。さらに、双晶面とは{100}の両側の格子点のイオンが鏡像関係にある場合にこの{100}のことをいう。
[4]上述の目的は圧電材料及び/又は電歪材料が正方晶であることを特徴とする前記[2]に記載の圧電体素子によって達成される。
このような双晶の存在が圧電材料及び/又は電歪材料の圧電性の向上や、圧電材料及び/又は電歪材料と下部電極もしくは上部電極との密着性に寄与する明確な理由は不明だが、例えば正方晶の圧電材料及び/又は電歪材料の分極軸方向である[001]に対し、(101)を双晶面とした双晶ドメインの[100]は、前述の[001]とのなす角が一般に数度以内であるために、圧電材料及び/又は電歪材料本来の構造を大きくは損なわずに、双晶ドメインの寄与により内部応力が緩和し、材料本来の圧電性が示されるとともに、圧電材料及び/又は電歪材料と下部電極もしくは上部電極との密着性が向上するのではないか、また、電圧印加時に双晶ドメインがスイッチングする、もしくは、ドメイン壁が移動することにより、容易に格子が歪むことで大きな圧電性が得られるのではないかなどが考えられる。
[5]上述の目的は圧電材料及び/又は電歪材料が斜方晶であることを特徴とする前記[2]に記載の圧電体素子によって達成される。
このような双晶の存在が圧電材料及び/又は電歪材料の圧電性の向上や、圧電材料及び/又は電歪材料と下部電極もしくは上部電極との密着性に寄与する明確な理由は不明だが、例えば斜方晶の圧電材料及び/又は電歪材料の分極軸方向である[011]に対し、(110)を双晶面とした双晶ドメインの[101]は、前述の[011]とのなす角が一般に数度以内であるために、圧電材料及び/又は電歪材料本来の構造を大きくは損なわずに、双晶ドメインの寄与により内部応力が緩和し、材料本来の圧電性が示されるとともに、圧電材料及び/又は電歪材料と下部電極もしくは上部電極との密着性が向上するのではないか、また、電圧印加時に双晶ドメインがスイッチングする、もしくは、ドメイン壁が移動することにより、容易に格子が歪むことで大きな圧電性が得られるのではないかなどが考えられる。
[6]上述の目的は圧電材料及び/又は電歪材料が菱面体晶であることを特徴とする前記[3]に記載の圧電体素子によって達成される。
このような双晶の存在が圧電材料及び/又は電歪材料の圧電性の向上や、圧電材料及び/又は電歪材料と下部電極もしくは上部電極との密着性に寄与する明確な理由は不明だが、例えば菱面体晶の圧電材料及び/又は電歪材料の分極軸方向である[111]に対し、(100)を双晶面とした双晶ドメインの[-111]は、前述の[111]とのなす角が一般に数度以内であるために、圧電材料及び/又は電歪材料本来の構造を大きくは損なわずに、双晶ドメインの寄与により内部応力が緩和し、材料本来の圧電性が示されるとともに、圧電材料及び/又は電歪材料と下部電極もしくは上部電極との密着性が向上するのではないか、また、電圧印加時に双晶ドメインがスイッチングする、もしくは、ドメイン壁が移動することにより、容易に格子が歪むことで大きな圧電性が得られるのではないかなどが考えられる。
[7]上述の目的は圧電材料及び/又は電歪材料の双晶率が0.001以上至1.0以下である前記[1]〜[6]のいずれかに記載の圧電体素子によって達成される。このような双晶率の圧電材料及び/又は電歪材料が、内部応力の緩和により材料本来の圧電性が示されるとともに、圧電圧電材料及び/又は電歪材料と下部電極もしくは上部電極との密着性が向上する。
ここで本願発明の双晶率とは、圧電材料及び/又は電歪材料の、結晶中の双晶ドメインの割合のことをいい、例えば高分解能TEMやX線回折により双晶の存在や双晶率を確認することが出来る。
[8]上述の目的は圧電材料及び/又は電歪材料が配向性を有する前記[1]〜[7]のいずれかに記載の圧電体素子によって達成される。
[9]上述の目的は圧電材料及び/又は電歪材料の配向率が、少なくとも一軸方向で99%以上である前記[8]に記載の圧電体素子によって達成される。
圧電材料及び/又は電歪材料が配向性を有するもしくは単結晶であると一般に高い圧電性をもつと考えられているが、実際には単純に結晶性を上げるだけでは本来期待されるほど高い圧電性は実現されておらず、その圧電性は、配向性を有しないもしくは単結晶性でない圧電材料及び/又は電歪材料と変わらない場合がある。
しかし、双晶を有する圧電材料及び/又は電歪材料が配向性を持つ場合、実際に高い圧電性を有する圧電体素子を得ることが出来る。また、配向性を有するもしくは単結晶である圧電材料及び/又は電歪材料は、無配向膜よりも圧電体素子の下部電極もしくは上部電極との密着性が悪くなるが、双晶を有する圧電材料及び/又は電歪材料が配向性を持つ場合、実際に下部電極もしくは上部電極との密着性が良い圧電体素子を得ることが出来る。
この場合の配向性とは、例えば1軸配向でも良いし、複数の軸さらにはすべての軸が配向性を有していても良い。圧電材料及び/又は電歪材料の配向性は高い方が好ましく、最も好ましくはすべての軸が配向性を有し、かつ配向率が100%である。
ここで本願発明の配向率とは、圧電材料及び/又は電歪材料の、全結晶粒子中での少なくとも一軸方向に、方向を同じくしている結晶粒子の割合のことをいい、例えば高分解能TEMやX線回折により配向性の有無や配向率を確認することが出来る。
[10]上述の目的は圧電材料及び/又は電歪材料が上部電極と接する結晶主面が{100}である前記[8]または[9]に記載の圧電体素子によって達成される。
[11]また、上述の目的は圧電材料及び/又は電歪材料が上部電極と接する結晶主面が{111}である前記[8]または[9]に記載の圧電体素子によって達成される。
[12]さらに、上述の目的は圧電材料及び/又は電歪材料が上部電極と接する結晶主面が{110}である前記[8]または[9]に記載の圧電体素子によって達成される。
ここで結晶主面とは配向性を有する圧電材料及び/又は電歪材料の異相と接する面での主たる結晶面のことを指す。
膜が双晶のため、[001]方位の膜であっても結晶面は(001)とは、限らず、例えば(100)などが現れる場合があるが、主たる面は、(001)であると規定する。すなわち、[001]配向の場合の結晶主面は(001)である。
同様に、[111]方位の膜であっても、膜が双晶のため、結晶面は(111)とは限らず、例えば(1-11)などが現れる場合があるが、主たる面は(111)であると規定する。同様に[011]方位の膜であっても、膜が双晶のため、結晶面は(011)とは限らず、例えば(101)などが現れる場合があるが、主たる面は(011)であると規定する。
[13]上述の目的は下部電極、圧電材料及び/又は電歪材料が基板上に直接形成されている前記[1]〜[12]のいずれかに記載の圧電体素子によって達成される。
圧電材料及び/又は電歪材料が基板上に直接形成される場合、圧電材料及び/又は電歪材料と下部電極や基板との膜剥がれが問題になるが、圧電材料及び/又は電歪材料が双晶を持つ場合、実際に下部電極もしくは上部電極さらには基板との密着性が良い圧電体素子を得ることが出来る。さらに、基板上に直接形成した圧電体素子は圧電材料及び/又は電歪材料を薄くすることができるため、圧電体素子の微細化および高密度化が可能となる。
[14]上述の目的は圧電材料及び/又は電歪材料を含む層が形成されており、その厚さが1μm以上至10μm以下である前記[13]に記載の圧電体素子によって達成される。
圧電材料及び/又は電歪材料が双晶をもつ場合、圧電性が向上するには1μm以上の膜厚であることが好ましい。また、圧電材料及び/又は電歪材料を基板上に直接成膜する場合、1μm以上の膜厚では膜剥がれが問題になることがあるが、本願発明の圧電体素子を用いた場合、1μm以上の膜厚に於いても膜剥がれを防止することができる。
[15]上述の目的は前記[1]〜[13]のいずれかに記載の圧電体素子を用いた圧電アクチュエーターによって達成される。
本願発明の圧電アクチュエーターは優れた圧電性を有する圧電体素子を具備する。また、本願発明の圧電アクチュエーターは圧電材料及び/又は電歪材料と下部電極もしくは上部電極との密着性が良い圧電体素子を具備する。さらに、本願発明の圧電アクチュエーターは基板上に圧電体素子を直接形成する際、膜剥がれのない圧電体素子を具備する。このため、圧電体素子をより小型化、高機能化することが容易で信頼性の高い圧電アクチュエーターを得ることが出来、高性能のマイクロマシンやマイクロセンサを得ることが出来る。
[16]上述の目的は前記[1]〜[14]のいずれかに記載の圧電体素子を用いたインクジェット記録ヘッドによって達成される。
本願発明のインクジェット記録ヘッドは優れた圧電性を有する圧電体素子を具備する。また、本願発明のインクジェット記録ヘッドは圧電材料及び/又は電歪材料と下部電極もしくは上部電極との密着性が良い圧電体素子を具備する。さらに、本願発明のインクジェット記録ヘッドは基板上に圧電体素子を直接形成する際、膜剥がれのない圧電体素子を具備する。このため、圧電素子をより小型化、高機能化することが容易で信頼性の高いインクジェット記録ヘッドを得ることが出来、様々な分野において、微少かつ精密なインク滴制御が可能になる。
本願発明によれば、上部電極、圧電材料及び/又は電歪材料、下部電極を含む圧電体素子であって、圧電材料及び/又は電歪材料が双晶を持つことで、圧電材料及び/又は電歪材料の内部応力を緩和し、高い圧電性を有する圧電体素子を得ることが出来る。また、上部電極、圧電材料及び/又は電歪材料、下部電極を含む圧電体素子であって、圧電材料及び/又は電歪材料が双晶を持つことで、圧電圧電材料及び/又は電歪材料と下部電極もしくは上部電極との密着性が良い圧電体素子を得ることが出来る。また、上部電極、圧電材料及び/又は電歪材料、下部電極を含む圧電体素子であって、下部電極、圧電材料及び/又は電歪材料が基板上に直接形成される際、圧電材料及び/又は電歪材料が双晶を持つことで、基板上に圧電体素子を直接形成する際の膜剥がれを防止することが出来る。また、上部電極、圧電材料及び/又は電歪材料、下部電極を含む圧電体素子であって、圧電材料及び/又は電歪材料が双晶を持つことで、信頼性の高い圧電アクチュエーター並びにインクジェット記録ヘッドを提供することが出来る。
本願発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1ないし図3は一実施の形態によるインクジェット記録ヘッドを示すもので、このインクジェット記録ヘッドMは、基体である本体基板部1と、複数の液吐出口(ノズル)2と、各液吐出口2に対応して設けられた複数の圧力室(液室)3と、各圧力室3にそれぞれ対応するように配設されたアクチュエーター10とから構成されており、液吐出口2は、ノズルプレート4に所定の間隔をもって形成され、圧力室3は、本体基板部(液室基板)1に、液吐出口2にそれぞれ対応するように並列して形成されている。
なお、本実施の形態では、液吐出口2が下面側に設けられているが、側面側に設けることもできる。
本体基板部1の上面には各圧力室3にそれぞれ対応した図示しない開口部が形成され、その開口部をふさぐように各アクチュエーター10が位置付けられ、各アクチュエーター10は、振動板11と圧電体素子15で構成され、圧電体素子15は圧電材料及び/又は電歪材料12と一対の電極(下部電極13および上部電極14)とから構成されている。
本願発明の圧電材料及び/又は電歪材料は一般式ABO3,AB26で構成される複合酸化物であれば特に限定されず、本発明で目的とする圧電素子を構成できるものであれば、例えば以下の材料が好適である。具体例としては、例えばPZT[Pb(ZrxTi1-x)O3]、PMN[Pb(MgxNb1-x)O3]、PNN[Pb(NbxNi1-x)O3]、PSN[Pb(ScxNb1-x)O3]、PZN[Pb(ZnxNb1-x)O3]、PMN-PT[(1-y){Pb(MgxNb1-x)O3}-y{PbTiO3}],PSN-PT[(1-y){Pb(ScxNb1-x)O3}-y{PbTiO3}]、PZN-PT[(1-y){Pb(ZnxNb1-x)O3}-y{PbTiO3}]などが選択できる。例えばPZTは代表的なペロブスカイト型圧電材料であり、PZN-PTやPMN-PTは代表的なリラクサ系電歪材料である。ここで、xおよびyは1以下の0以上の数である。例えば、このような材料はMPBと呼ばれる結晶相境界を持つ場合があり、一般的にMPB領域の圧電性が良好であると知られている。MPB領域はPZTの場合xは0.4〜0.65で、PMNではxは0.2〜0.5で、PSNではxは0.4〜0.7が好ましく、PMN-PTのyは0.2〜0.4、PSN-PTのyは0.35〜0.5、PZN-PTのyは0.03〜0.35が好ましい。
さらに本願発明の圧電材料及び/又は電歪材料は一般式ABO3,AB26で構成される複合酸化物であれば鉛系以外の材料でも良く、例えばBTO(チタン酸バリウム),SBN(ニオブ酸ストロンチウムバリウム),KNO(ニオブ酸カリウム),LNO(ニオブ酸リチウム),ビスマス系ペロブスカイト化合物(例えばBNT(チタン酸ビスマスナトリウム)など)などがある。このように鉛系、非鉛系、圧電材料、電歪材料などに大きく分類できるが、その圧電性が最も大きいのは鉛系のリラクサ系電歪材料であるため、例えばPZN-PTやPMN-PTなどの材料を選択することが特に好ましい。また、PMN-PT、PZN-PT、PNN-PT、PSN-PTにZrがTiに代替されて含まれたPMN-PZT、PZN-PZT、PNN-PZT、PSN-PZT化合物であっても良い。
さらに本願発明の圧電材料及び/又は電歪材料は単一組成であっても2種類以上の組み合わせであっても良い。又、上記主成分に微量の元素をドーピングした組成物であっても良く、代表例としてLaドープPZT :PLZT[(Pb,La)(Z,Ti,)O3]のようなものが一般的である。このように本願発明の圧電材料及び/又は電歪材料は特には限定されないが、好ましくは一般式ABO3で構成される複合酸化物がよい。
圧電材料及び/又は電歪材料の形成方法は特に限定されないが、例えば、バルク材焼結体や、フラックス法、引き上げ法、ブリッジマン法などを用いた圧電材料及び/又は電歪材料を所望の大きさ、厚さに研磨加工を施したり、グリーンシートから型抜きしたりして熱処理したものを用いる場合が多い。このような成形体では厚みがおよそ100μm以上のものが一般的である。このような圧電体素子を用いた圧電アクチュエーターの基本的構成は、圧電体素子と基板などの弾性材料を接着剤もしくは各種接合方法で貼り合わせた構造となっている。
一方100μm以下の成形体では上記以外の方法として、印刷法などを用いて基板上に下部電極13、圧電材料及び/又は電歪材料が直接形成されることが好ましい。この場合、圧電体素子形成後に所望の形状にパターン形成を行うことが好ましい。さらに、10μm以下の薄膜では通常、ゾルゲル法や水熱合成法、ガスデポジション法等、電気泳動法等の薄膜形成法、さらにはスパッタリング法、CVD法、MOCVD法、イオンビームデポジション法、分子線エピタキシー法、レーザーアブレーション法等の薄膜形成法を用いることが好ましい。これらの薄膜形成法では、基板や下部電極からのエピタキシャル成長を用いた圧電材料及び/又は電歪材料の高配向化が可能となるため、さらに高い圧電性を有する圧電体素子を形成することが可能となる。
本願発明の圧電体素子に用いる上部電極もしくは下部電極は、前述の圧電材料及び/又は電歪材料と良好な密着性を有し、かつ導電性の高い材料、つまり上部電極もしくは下部電極の比抵抗は、10-7〜10-2Ω・cmであることが好ましい。例えばこのような材料は一般的に金属であることが多いが、例えばAu,Ag,CuやRu,Rh,Pd,Os,Ir,PtなどのPt族の金属が電極材料として用いられることが多い。また上記材料を含む銀ペーストやはんだなどの合金材料も高い導電性を有するとともに素子形成にも好ましい。また、例えば IrO(酸化イリジウム),SRO(ルテニウム酸ストロンチウム),ITO(導電性酸化スズ),BPO(鉛酸バリウム)などの導電性酸化物材料も電極材料として好ましい。
また、下部電極の膜厚は10nmから2000nmである。特に下部電極の膜厚は100nmから1000nmが好ましい。下部電極を形成する材料の形成方法は特に限定されないが、例えば、圧電材料及び/又は電歪材料の上下に印刷法などを用いて下部電極を直接形成したり、基板または振動板上に印刷法を用いて下部電極を、直接形成したりすることができる。さらに、圧電材料及び/又は電歪材料が10μm以下の薄膜では通常、ゾルゲル法や水熱合成法、ガスデポジション法等、電気泳動法等の薄膜形成法、さらにはスパッタリング法、CVD法、MOCVD法、イオンビームデポジション法、分子線エピタキシー法、レーザーアブレーション法等の真空薄膜形成法を用いて基板や振動板上に直接下部電極を成膜することが好ましい。これらの薄膜形成法では、基板や振動板からのエピタキシャル成長を用いた下部電極の単結晶化、高配向化が可能となるため、さらに高い圧電性を有する圧電体素子を形成することが可能となる。また、同様に上部電極も膜厚に応じて適宜形成すればよい。
さらに、下部電極と振動板との間に密着層として下部電極と異なる金属材料あるいは金属酸化物材料を形成しても良い。密着層は金属としては例えばTi、Cr、Irがあり、金属酸化物としては、例えばTiO2、IrO2がある。密着層の膜厚は、3nmから300nmであり、好ましくは3〜70nmである。また、同様に圧電材料及び/又は電歪材料と上部電極との間に同様の密着層を設けることもできる。
圧電材料及び/又は電歪材料は双晶を有することにより圧電性の向上が図れ、かつ、圧電圧電材料及び/又は電歪材料と下部電極もしくは上部電極との密着性が良い圧電体素子を得ることが出来る。
特に、圧電材料及び/又は電歪材料の結晶が正方晶であり、双晶の双晶面が(101)であることが好ましい。もしくは同様に、圧電材料及び/又は電歪材料の結晶が菱面体晶であり、双晶の双晶面が(100)であることが好ましい。もしくは同様に、圧電材料及び/又は電歪材料の結晶が斜方晶であり、双晶の双晶面が(110)であることが好ましい。
以上3つを例として挙げたが、その他、同様に分極軸と数度以内に結晶軸が存在する双晶であれば、圧電材料及び/又は電歪材料の圧電性の向上や、圧電材料及び/又は電歪材料と下部電極もしくは上部電極との密着性の向上に寄与するし、結晶系が例えば六方晶や擬似立方晶などでも、分極軸と数度以内に結晶軸が存在する双晶であれば、圧電材料及び/又は電歪材料の圧電性の向上や、圧電圧電材料及び/又は電歪材料と下部電極もしくは上部電極との密着性の向上に寄与する。
圧電材料及び/又は電歪材料の双晶率は0.001以上至1.0以下であることが好ましく、また、圧電材料及び/又は電歪材料が配向性を有することは特に好ましい。
圧電材料及び/又は電歪材料の双晶率はX線回折の極点測定や逆格子空間マッピングによって簡単に求めることができる。例えば、正方晶の(001)配向の圧電材料及び/又は電歪材料が(101)を双晶面とした双晶を有する場合、逆格子空間マッピングにより、例えば(204)などの非対称面を観察した場合、図4のように(204)に起因した回折の近傍に、双晶の(402)に起因した回折が現れる。このとき、(204)に起因した回折のピーク強度をI1、双晶の(402)に起因した回折のピーク強度をI2、I3とした場合に、(I2+I3)/(I1+I2+I3)を圧電材料及び/又は電歪材料の双晶率、と定義する。
同様に、例えば、菱面体晶の(100)配向の圧電材料及び/又は電歪材料が(010)を双晶面とした双晶を有する場合、極点測定により、例えば(400)などの対称面を観察した場合、図5のように(400)に起因した回折の近傍に、双晶の(400)に起因した回折が現れる。このとき、(400)に起因した回折のピーク強度をI1、双晶の(400)に起因した回折のピーク強度をI2、I3とした場合に、(I2+I3)/(I1+I2+I3)を圧電材料及び/又は電歪材料の双晶率と定義する。
このように圧電材料及び/又は電歪材料が双晶を有する場合、X線回折により、双晶率を確認することが出来るが、さらに同様に、圧電材料及び/又は電歪材料の双晶の存在は、上述のX線回折の他にも、例えばTEMによる断面観察や表面観察によって確認することが出来る。
圧電材料及び/又は電歪材料の配向率は90%以上あるものが好ましく、さらに99%以上のものがより好ましい。圧電材料及び/又は電歪材料の配向性は高い方が好ましく、最も好ましくはすべての軸が配向性を有し、かつ配向率が100%である。
圧電材料及び/又は電歪材料の配向率はX線回折の2θ/θ測定で求めることができる。例えば圧電材料及び/又は電歪材料が正方晶の[001]配向の場合、正方晶の(001)の回折が最も強く検出されるように圧電材料及び/又は電歪材料をセッティングした際、配向率は圧電材料及び/又は電歪材料に起因するすべての反射ピーク強度の和に対する、(00L)面(L=1,2,3・・・n:nは整数)に起因するすべての反射ピーク強度の和の割合で定義する。ただし、双晶は双晶ドメインをもつ結晶なので、双晶結晶として配向していればよく、双晶結晶の双晶ドメイン起因のピーク強度は反射ピーク強度の和には加えない。
双晶結晶の双晶ドメイン起因のピーク強度は、その他のピーク強度とX線回折によって簡単に区別することが出来る。例えば、圧電材料及び/又は電歪材料が正方晶であって双晶面が(101)の場合、(001)起因の反射ピークと双晶ドメインの(100)起因の反射ピークは、X線回折の2θ/θ測定での同じ測定軸上の同じ回折点上には現れないので簡単に確認することが出来る。
さらに、例えば圧電材料及び/又は電歪材料が99%以上の配向率を持つ場合、(001)起因の反射ピークと双晶ドメインの(100)起因の反射ピークは、X線回折の2θ/θ測定での同じ測定軸上には現れないのでさらに簡単に確認することが出来る。この場合の配向性とは、例えば1軸配向であってもよいし、すべての軸が配向性を有していてもよい。
同様に、例えば圧電材料及び/又は電歪材料がすべての軸で配向率100%で配向していることも、X線回折で確認できる。例えば、圧電材料及び/又は電歪材料が正方晶であって双晶面が(101)の場合、X線回折の2θ/θ測定で(001)の回折が最も強く検出されるように圧電材料及び/又は電歪材料をセッティングした際、すべての軸で配向率100%で配向していることは、X線回折の2θ/θ測定で圧電材料及び/又は電歪材料の(00L)面(L=1,2,3・・・n:nは整数)に起因する反射ピークのみが検出され、かつ、例えば(204)などの非対称面がX線回折の極点測定において4回対称の反射ピークが現れることによって簡単に確認できる。ただし、双晶は双晶ドメイン境界をもつ結晶なので、双晶結晶として配向していればよく、双晶結晶の双晶ドメイン起因の反射ピークが確認されてもかまわない。
双晶結晶の双晶ドメイン起因のピーク強度は、その他のピーク強度とX線回折によって簡単に区別することが出来る。例えば、圧電材料及び/又は電歪材料が正方晶であって双晶面が(101)の場合、(001)起因の反射ピークと双晶ドメインの(100)起因の反射ピークは、X線回折の2θ/θ測定での同じ測定軸上には現れないので簡単に確認することが出来る。
圧電材料及び/又は電歪材料が配向性を有する場合、圧電材料及び/又は電歪材料が上部電極と接する結晶主面が{100}であることは特に好ましく、もしくは、圧電材料及び/又は電歪材料が上部電極と接する結晶主面が{111}であることは特に好ましく、もしくは、圧電材料及び/又は電歪材料が上部電極と接する結晶主面が{110}であることは特に好ましい。
ここで結晶主面とは配向性をもつ圧電材料及び/又は電歪材料の配向面のことを指し、例えば[001]配向の場合の結晶主面は(001)である。
本願発明の圧電材料及び/又は電歪材料は双晶を有するため、例えば、正方晶の[001]配向の場合、(101)を双晶面とした双晶ドメインの影響で[001]から数度傾いた方向に[100]が存在するが、上部電極と接する面は[001]方向であってもよく、また、4つの[100]方向のどれであってもよく、またその間であってもよい。
同様に、例えば、正方晶の[111]配向の場合、双晶ドメインの影響で[111]が3方向に***する。この***方向は双晶面が(101)の場合、お互いに数度傾いた方向であり、上部電極と接する面は3つの[111]方向のどれであってもよく、またその間であってもよい。
同様に、例えば、菱面体晶の[100]配向の場合、双晶ドメインの影響で[100]が4方向に***する。この***方向は双晶面が(100)の場合、お互いに数度傾いた方向であり、上部電極と接する面は4つの[100]方向のどれであってもよく、またその間であってもよい。
同様に、例えば、菱面体晶の[111]配向の場合、(100)を双晶面とした双晶ドャCンの影響で[111]から数度傾いた方向に[-111]が存在するが、上部電極と接する面は[111]方向であってもよく、また、3つの[-111]方向のどれであってもよく、またその間であってもよい。
このように圧電材料及び/又は電歪材料が双晶を有する場合、上部電極と接する結晶主面とは結晶の配向方向でも、双晶起因で***した配向方向でもどちらであってもよく、またその間であってもよく、数度程度の傾きの範囲を持つ。
本願発明の圧電体素子は、圧電体素子の微細化が可能となるため、基板上に直接形成することが特に好ましい。直接形成するための薄膜プロセスとして、ゾルゲル法や水熱合成法、ガスデポジション法等、電気泳動法等の薄膜形成法、さらにはスパッタリング法、CVD法、MOCVD法、イオンビームデポジション法、分子線エピタキシー法、レーザーアブレーション法等の真空薄膜形成法を用いて圧電体素子を形成することが好ましい。これらの薄膜形成法では、基板や下部電極の結晶性を利用した圧電材料及び/又は電歪材料の結晶配向性の制御や、エピタキシャル成長を用いた圧電材料及び/又は電歪材料の高配向化がさらに容易となる。
さらに、本願発明の圧電体素子は基板上に直接形成されることが好ましいため、圧電材料及び/又は電歪材料の厚さが1μm以上至10μm以下であることが特に好ましく、さらに1μm以上至5μm以下であることが好ましい。圧電材料及び/又は電歪材料の厚さが10μm以上で薄膜プロセスにより基板上に直接形成した圧電体素子は、圧電材料及び/又は電歪材料が双晶構造を有していたとしても膜剥がれ等の問題のため、前述のすべての圧電材料及び/又は電歪材料に対して、配向性の高い圧電体素子を得ることが難しいと考えられる。
この際に用いる基板としては、例えばSi、SrTiO3、(La,Sr)TiO3、MgO、Al23、SrRuO3、RuO2、Ptなどの単結晶基板、特に一般的に優れた強誘電体特性を示す鉛系の圧電体薄膜PZTやPLZT、電歪材料であるPZN-PT等に格子定数の近いSrTiO3、(La,Sr)TiO3、MgO、SrRuO3等の単結晶基板が好ましい。しかし、例えばSi基板は大面積化が容易であるなどの理由で基板として好ましい。例えばSi基板を用いた場合でも、基板と圧電材料及び/又は電歪材料の中間層を制御したり、電極としてよく利用されるPt電極の自然配向性を利用したり、電極の成膜条件を制御したりすることで、圧電材料及び/又は電歪材料の単結晶化、高配向化が可能となるため、さらに高い圧電性を有する圧電体素子を形成することも可能である。同様に、例えば単結晶ではないガラス基板やステンレス等の基板でも良い。
本願発明の図1ないし図3の一実施の形態に示すインクジェット記録ヘッドMのアクチュエーター10は、ユニモルフ振動子型の圧電アクチュエーターである。この場合は、圧電体素子15と振動板11で圧電アクチュエーターが構成されるが、振動板はSiなどの半導体、金属、金属酸化物、ガラスなどが好ましい。前述の圧電体素子と振動板は接合や接着により形成されてもよいし、振動板を基板として下部電極および圧電材料及び/又は電歪材料を基板上に直接形成してもよい。さらに、基板上に振動板を直接形成しても良い。また、基板と本体基板部1とは同じであってもそうでなくてもよい。本願発明の図1ないし図3の一実施の形態に示すインクジェット記録ヘッドMの圧電アクチュエーター10の場合、振動板11のヤング率は10GPa〜300GPa、振動板の厚さは10μm以下であることが好ましい。
他にも圧電アクチュエーターは様々な形態があるが、例えば積層型振動子を用いたインクジェット記録ヘッドの場合は、振動板の厚さは200μm以下であることが好ましい。さらにその他圧電アクチュエーターの用途に合わせ、振動板の材料および物性を適宜選択すればよい。また、前述の圧電体素子は、上記したインクジェット記録ヘッドの圧電アクチュエーターのほか、マイクロポンプ、超音波モータ、超音波振動子、圧電トランス、周波数フィルタ、圧電センサ、圧電スピーカ、圧電リレー、マイクロマシン、マイクロミラーデバイスなどの圧電アクチュエーターに用いてもよい。
薄膜プロセスを用いて基板上に順次、振動板、下部電極、圧電体、上部電極のすべてまたはそのいくつかを直接形成する場合、インクジェット記録ヘッドの各ノズル毎の圧電アクチュエーターの性能のばらつきが少なく、下部電極もしくは上部電極との密着性が良く、さらに、圧電体素子の微細化および高密度化が可能となる。また、配向性の高いの圧電材料及び/又は電歪材料を用いることで、さらに圧電素子の圧電特性を向上させることができるため、圧電素子の更なる微細化および高密度化が可能となる。このため、本実施の形態はインクジェット記録ヘッドとして特に好ましい。
以下、本願発明の実施例における圧電体素子及びこれを用いたアクチュエーター並びにインクジェット記録ヘッドを図面を参照して詳細に説明する。
≪実施例1、比較例1≫
実施例1の圧電体素子の製作手順は以下の通りである。
電歪材料PZN-PT[0.91{Pb(Zn1/3Nb2/3)O3}-0.09{PbTiO3}]単結晶体をフラックス法で作製し、原料粉を溶融した後の、核発生、単結晶成長段階の温度条件を調整し、双晶構造を導入させ、上下電極面と接する結晶主面が(001)になるように結晶体を300μm厚の薄板状に切り出した。この電歪材料PZN-PTの薄板をRigaku製の多軸X線回折装置Rint-InplaneによりX線回折を行った。2θ/θ測定の結果、図6に示すように(00L)面(L=1,2,3・・・n:nは整数)に起因する反射ピークのみが検出された。また、図7に示す非対称面(204)の正極点測定を行ったところ、4回対称で反射ピークが現れた。この結果、電歪材料PZN-PTの薄板がすべての軸で配向率100%で配向していること確認した。さらに図8に示す(204)の逆格子空間マッピングを行ったところ、実施例1の電歪材料PZN-PTの薄板は正方晶であり、双晶面が(101)、双晶率0.6程度の双晶を有していることを確認した。
さらに、薄板の上下にPt/Ti電極をスパッタ法で成膜し、実施例1の圧電体素子を作製した。
同様に比較例1の圧電体素子の製作手順は以下の通りである。
電歪材料PZN-PT[0.91{Pb(Zn1/3Nb2/3)O3}-0.09{PbTiO3}]単結晶体を実施例1とは、温度条件を変えてフラックス法で作製し、上下電極面と接する結晶主面が(001)になるように単結晶体を300μm厚の薄板状に切り出した。この電歪材料PZN-PTの薄板をX線回折を行った。2θ/θ測定の結果、(00L)面(L=1,2,3・・・n:nは整数)に起因する反射ピークのみが検出された。また、非対称面(204)の正極点測定を行ったところ、4回対称で反射ピークが現れた。この結果、電歪材料PZN-PTの薄板がすべての軸に対し配向率100%で配向していること確認した。さらに図9および図10に示す(204)と(-204)の逆格子空間マッピングを行ったところ、比較例1の電歪材料PZN-PTの薄板は正方晶であり、双晶がないことを確認した。
さらに、薄板の上下にPt/Ti電極をスパッタ法などで成膜し、比較例1の圧電体素子を作製した。
表1には、実施例1および比較例1の圧電体素子の圧電定数測定を行った結果を示す。
Figure 2004249729
この結果、実施例1は比較例1と比較して圧電定数の点できわめて優れていることを確認した。
≪実施例2,3、比較例2≫
実施例2の圧電体素子の製作手順は以下の通りである。
下部電極を兼ねるLaドープSrTiO3(100)基板上に圧電材料PZT[Pb(Zr0.55Ti0.45)O3]をMO−CVD法で基板温度400℃以上を保持しながら膜厚3μm成膜し、この際、原料ガスを混合させるのにPb原料とTi原料を混合させた後、Zr原料が導入されるように反応器が2槽ある装置を用いて行い、この圧電材料PZT膜のX線回折を行った。2θ/θ測定の結果、(00L)面(L=1,2,3・・・n:nは整数)に起因する反射ピークのみが検出された。また、非対称面(204)の正極点測定を行ったところ、4回対称で反射ピークが現れた。この結果、圧電材料PZT膜がすべての軸に対し配向率100%で配向していること確認した。さらに対称面(004)の正極点測定を行ったところ、図5に示した模式図の様な回折パターンが得られ、同時に(204)の逆格子空間マッピングを行ったところ、基板とほぼ同じα軸上にPZTの回折点が現れた。この結果、実施例2の圧電材料PZT薄膜は菱面体晶であり、双晶面が(100)、双晶率0.8程度の双晶を有していることを確認した。
さらに、薄膜の上部にPt/Ti電極を作製し、実施例2の圧電体素子を作製した。
同様に、実施例3の圧電体素子の製作手順は以下の通りである。
下部電極を兼ねるLaドープSrTiO3(100)基板上に圧電材料PZT[Pb(Zr0.45Ti0.55)O3]をスパッタ法で基板温度400℃以上を保持しながら、成膜中にターゲットと基板間距離を変化させ、かつ、その際の温度変化を10%以下に保った状態で膜厚3μm成膜し、この圧電材料PZT 膜のX線回折を行った。2θ/θ測定の結果、(00L)面(L=1,2,3・・・n:nは整数)に起因する反射ピークのみが検出された。また、非対称面(204)の正極点測定を行ったところ、4回対称で反射ピークが現れた。この結果、圧電材料PZT膜がすべての軸に対し配向率100%で配向していること確認した。さらに(204)の逆格子空間マッピングを行ったところ、図4に示した模式図の様な回折パターンが得られた。この結果、実施例3の圧電材料PZT薄膜は正方晶であり、双晶面が(101)、双晶率0.01程度の双晶を有していることを確認した。
さらに、薄膜の上部にPt/Ti電極を作製し、実施例3の圧電体素子を作製した。
同様に、比較例2の圧電体素子の製作手順は以下の通りである。
下部電極を兼ねるLaドープSrTiO3(111)基板上に圧電材料PZT[Pb(Zr0.58Ti0.42)O3]をスパッタ法などで基板温度400℃以上を保持しながら、成膜中にターゲットと基板間距離を変化させずに膜厚3μm成膜し、この圧電材料PZT 膜のX線回折を行った。2θ/θ測定の結果、(00L)面(L=1,2,3・・・n)に起因する反射ピークのみが検出された。また、非対称面(204)の正極点測定を行ったところ、3回対称で反射ピークが現れた。この結果、圧電材料PZT膜は単結晶であることを確認した。さらに対称面(004)の正極点測定を行ったところ、α=90°上に同心円状の回折パターンが1つだけ得られ、同時に(204)の逆格子空間マッピングを行ったところ、基板とほぼ同じα軸上にPZTの回折点が現れた。この結果、比較例2の圧電材料PZT薄膜は菱面体晶であり、双晶がないことを確認した。
さらに、薄膜の上部にPt/Ti電極を作製し、比較例2の圧電体素子を作製した。
表2には、実施例2および実施例3および比較例2の圧電体素子の圧電定数測定を行った結果を示す。
Figure 2004249729
この結果、実施例2および実施例3は比較例2と比較して圧電定数の点できわめて優れていることを確認した。
≪実施例4、比較例3≫
実施例4、比較例3の圧電アクチュエーターの製作手順は以下の通りである。
まず、基体である本体基板部(Si基板)にスパッタ法で振動板を成膜した。このとき、基体を加熱し、500℃以上の温度を保持しながら成膜することによって、振動板は結晶成長し、単一配向した。同様の方法で下部電極を振動板に成膜することで、高配向の結晶膜を得た。さらに、実施例4は実施例3と同様の方法で、また比較例3は比較例2と同様の方法で圧電材料及び/又は電歪材料を下部電極に成膜することで、高配向結晶の圧電材料及び/又は電歪材料を得た。上部電極もスパッタ法により成膜した。
次に、基体であるSi基板をウェットの異方性エッチングによって、後方から中央部を取り除き図2の圧電アクチュエーターを作製した。各圧電アクチュエーターの振動部の長さは5000μm、幅は200μmである。
このとき、実施例4の圧電アクチュエーターは、圧電材料及び/又は電歪材料が双晶を有していることを確認した。また、比較例3の圧電アクチュエーターは、圧電材料及び/又は電歪材料が双晶を有してないことを確認した。
実施例4および比較例3の各層の構成、膜厚は次に示す通りである。なお、( )は優先配向方向、[ ]は膜厚である。
上部電極Pt[0.25μm]/Ti[0.05μm]//圧電材料PZT(001)[3μm]//下部電極Pt[0.5μm]/Ti[0.05μm]/振動板YSZ(100)[2μm]/基板Si(100)[600μm]ここで、PZTは、Zr/Ti比が65/35の材料組成であった。また、YSZとは、イットリアスタビライズドジルコニアの意である。
表3に実施例4、比較例3の圧電材料PZTの双晶の有無、及び、各圧電アクチュエーターに10kHzの周波数で随時印加を増加させ、振動の振幅を大きくしていく、このときの最大変位量及び、クロスカット剥離試験の結果を示す。
Figure 2004249729
この結果、実施例4の圧電アクチュエーターは比較例3と比較して、変位量が大きく、密着性が高いことが分かった。
≪実施例5、比較例4≫
実施例4および比較例3の圧電アクチュエーターをそれぞれ用いて図3のインクジェット記録ヘッドを製作し、実施例5および比較例4とした。
図3において、本体基板部上に積層された振動板、下部電極、圧電材料及び/又は電歪材料、上部電極の各膜の膜厚は、前述のように、上部電極0.3μm/圧電材料及び/又は電歪材料3μm/下部電極0.5μm/振動板2μm/基板600μmである。また、圧力室の幅は90μm、圧力室壁の厚さは50μmで液吐出口の密度は180dpiとした。
圧電アクチュエーターの作製は、前述のように、Si基板である本体基板部にスパッタ法で振動板を成膜した。
このとき、基体を加熱し、500℃以上の温度を保持しながら成膜することによって、振動板は結晶成長し、単一配向した。同様の方法で下部電極を振動板に成膜することで、高配向の結晶膜を得た。さらに、同様の方法で圧電材料及び/又は電歪材料を下部電極に成膜することで、高配向結晶の圧電材料及び/又は電歪材料を得た。上部電極もスパッタ法により成膜した。
次いで、ICPを用いてSi基板へ圧力室、液供給路を形成し、次に、液吐出口が空けられたノズルプレートを各圧力室部に対応して接合することでインクジェット式記録ヘッドを製造した。このとき、実施例5の圧電アクチュエーターは、圧電材料及び/又は電歪材料が双晶を有していることを確認した。また、比較例4の圧電アクチュエーターは、圧電材料及び/又は電歪材料が双晶を有してないことを確認した。
表4に、実施例5および比較例4に20V、10kHzで印加したときのインクジェット式記録ヘッドの液滴の吐出量と吐出速度を示す。
Figure 2004249729
この結果、実施例5に20V印加(10kHz)したときの吐出量は19pl、吐出速度は15m/secであった。これに対し、比較例4の吐出量、吐出速度は15pl、12m/secでであり、双晶の効果により吐出性能が明らかによくなった。
また、比較例4のインクジェット式記録ヘッドは、耐久試験により107〜108回で剥離が生じ、不吐出のノズル部分が発生した。それに対して、実施例5のインクジェット式記録ヘッドは108回をこえても不吐出ノズルはなかった。
一実施の形態による液体噴射ヘッドを示す斜視図である。 図1の装置の圧電アクチュエーターの構成を示す模式図である。 図1の液体噴射ヘッドの断面構造を示す一部破断部分斜視図である。 逆格子空間マッピングを利用した双晶率を規定する模式図である。 極点測定を利用した双晶率を規定する模式図である。 本願発明の実施例1のXRDプロファイル(2θ/θ測定図)。 本願発明の実施例1のXRDプロファイル((204)正極点図)。 本願発明の実施例1のXRDプロファイル((204)逆格子マッピング)。 本願発明の比較例1のXRDプロファイル((204)逆格子マッピング)。 本願発明の比較例1のXRDプロファイル((-204)逆格子マッピング)。
符号の説明
1 本体基板部
2 液吐出口
3 圧力室
4 ノズルプレート
10 圧電アクチュエーター
11 振動板
12 圧電材料及び/又は電歪材料
13 下部電極
14 上部電極
15 圧電体素子

Claims (16)

  1. 上部電極と、圧電材料及び/又は電歪材料と、下部電極とを有する圧電体素子であって、前記圧電材料及び/又は電歪材料が一般式ABO3で構成される複合酸化物であり、前記圧電材料及び/又は電歪材料が双晶を持つことを特徴とする圧電体素子。
  2. 双晶の双晶面が{110}で表される群から選ばれた1つである請求項1に記載の圧電体素子。
  3. 双晶の双晶面が{100}で表される群から選ばれた1つである請求項1に記載の圧電体素子。
  4. 圧電材料及び/又は電歪材料が正方晶であることを特徴とする請求項2に記載の圧電体素子。
  5. 圧電材料及び/又は電歪材料が斜方晶であることを特徴とする請求項2に記載の圧電体素子。
  6. 圧電材料及び/又は電歪材料が菱面体晶であることを特徴とする請求項3に記載の圧電体素子。
  7. 圧電材料及び/又は電歪材料の双晶率が0.001以上至1.0以下である請求項1に記載の圧電体素子。
  8. 圧電材料及び/又は電歪材料が配向性を有する請求項1に記載の圧電体素子。
  9. 圧電材料及び/又は電歪材料の配向率が、少なくとも一軸方向で99%以上である請求項8に記載の圧電体素子。
  10. 圧電材料及び/又は電歪材料が上部電極と接する結晶主面が{100}である請求項8に記載の圧電体素子。
  11. 圧電材料及び/又は電歪材料が上部電極と接する結晶主面が{111}である請求項8に記載の圧電体素子。
  12. 圧電材料及び/又は電歪材料が上部電極と接する結晶主面が{110}である請求項8に記載の圧電体素子。
  13. 下部電極、圧電材料及び/又は電歪材料が基板上に直接形成されている請求項1に記載の圧電体素子。
  14. 圧電材料及び/又は電歪材料を含む層が形成されており、その厚さが1μm以上至10μm以下である請求項13に記載の圧電体素子。
  15. 請求項1に記載の圧電体素子を用いた圧電アクチュエーター。
  16. 請求項1に記載の圧電体素子を用いたインクジェット記録ヘッド。
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