JP2008095744A - ボールねじ装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】外周面に形成された螺旋状の軸軌道溝3と、軸軌道溝3の端部に形成された支持部5とを有するねじ軸2と、内周面に軸軌道溝3に対向するナット軌道溝13が形成されたナット12と、軸軌道溝3とナット軌道溝13とを螺合させる複数のボール11とを備えたボールねじ装置1において、ねじ軸2の支持部5に嵌合溝9を設けると共に、支持部5の直径より大きい外径と、嵌合溝9の底部9aに嵌合する内径とを有する軸フランジ17を、直径方向に2つ割にしたフランジ片17a、17bを設け、このフランジ片17a、17bをそれぞれ嵌合溝9に嵌合させてねじ軸2に固定する。
【選択図】 図1
Description
また、工作機械では切削加工や研削加工を行うときに、電動射出成形機では射出時や型締め時にナットに大きな軸方向荷重が加わるので、この反力を受けるためにねじ軸の端部に支持部を設け、その支持部には、一般にアンギュラ玉軸受やテーパころ軸受等の支持軸受が配置されている。
このため、従来のボールねじ装置は、ねじ軸の外周面に螺旋状に形成した軸軌道溝と、ナットの内周面に形成した軸軌道溝に対向するナット軌道溝とを複数のボールを介して螺合させて構成し、ねじ軸の軸端部に支持軸受の支持部やその軸フランジを形成する場合に、転造で軸軌道溝を形成した軸素材と、支持部や軸フランジを形成するための丸棒との接合面の間に、軸素材および丸棒より融点の低いインサート材を挟み、加熱温度、加圧力、保持時間および不活性雰囲気を管理しながら接合し、大径の軸フランジ等を有するねじ軸の生産性を向上させている。
本発明は、上記の問題点を解決するためになされたもので、円環状の軸フランジを設けたねじ軸の生産性を向上させると共に、その強度に対する信頼性を向上させる手段を提供することを目的とする。
図1において、1はボールねじ装置である。
2はボールねじ装置1のねじ軸であり、合金鋼等の鋼材で製作された段付軸状部材であって、その外周面には略半円弧状断面形状の軸軌道溝3が所定のリードで螺旋状に形成されている。
7は取付部であり、支持部5に取付けられた支持軸受6により回転支持されたねじ軸2を回転させるための図示しないモータ等の駆動装置を取付けるために、ねじ軸2の支持部7の取付ねじ部5aの軸方向の外側に同軸に設けられた円柱状の部位である。
11はボールねじ装置1の転動体としてのボールであり、合金鋼等の鋼材で製作された球体である。
14はナットフランジ部であり、ナット12の外周部の一方の端部に設けられ、ナットフランジ部14に設けられた図示しないボルト穴より図示しない機械装置の移動台に取付ボルト等で固定される。
本実施例のリターンチューブ15は、ナット12の軸方向に2箇所設けられており、これにより本実施例の循環路は2列に形成されている。
軸フランジ17の一方のフランジ片、例えばフランジ片17aにはそれぞれの分割面18の鉛直方向に形成されたボルト19が挿通するボルト穴20が設けられ、他方のフランジ片17bにはフランジ片17aのボルト穴20に挿通させたボルト19が螺合するねじ穴21が設けられており、フランジ片17a、17bをそれぞれねじ軸2の嵌合溝9に挿入し、その内周面を嵌合溝9の底部9aの外周面に嵌合させ、底部9aの両側に配置されたボルト19で締結してフランジ片17a、17bを嵌合溝9に嵌合させてねじ軸2に固定される。
この場合に、フランジ片17a、17bを締結するボルト19の本数は嵌合溝9の底部9aの両側にそれぞれ少なくとも一本配置されていれば、その合計本数は2本に限らず、3本以上であってもよい。
更に、軸フランジ17のねじ軸2に対する直角度が要求されるときは、フランジ片17a、17bをねじ軸2に固定した後に、その要求される側の軸フランジ17の端面を支持部9の外径を基準にして研削加工等により仕上げるようにするとよい。
更に、フランジ片17a、17bのそれぞれの分割面18の間の隙間により固定後の軸フランジ17に変形が生ずる虞があるときは、隙間と同じ厚さを有するスペーサを分割面18間に挿入するようにするとよい。
以上説明したように、本実施例では、ボールねじ装置のねじ軸の軸端部に形成された支持部に嵌合溝を設け、この嵌合溝に支持部の直径より大きい外径と嵌合溝の底部に嵌合する内径とを有する軸フランジを直径方向に2つ割に分割したフランジ片を嵌合させてねじ軸に固定するようにしたことによって、ねじ軸とは別に形成したフランジ片をねじ軸の嵌合溝に嵌合させて軸フランジを形成することが可能になり、ねじ軸の軸強度を安定させてその強度に対する信頼性を向上させることができると共に、ねじ軸の半径方向の削り量を低減してその生産性を向上させることができる。
更に、フランジ片の一方に挿通し、他方に螺合する嵌合溝の底部の両側に配置された少なくとも2つのボルトを設けたことによって、分割された2つのフランジ片を容易かつ確実にねじ軸に固定することができる。
なお、上記実施例1と同様の部分は、同一の符号を付してその説明を省略する。
図6において、31はリングであり、金属材料で形成された比較的肉厚の薄い円筒状部材であって、その内周面は、ねじ軸2の嵌合溝9に嵌合させたフランジ片17a、17bにより形成される外周面の直径から所定の締め代を減じた直径に形成され、フランジ片17a、17bの外周面に圧入等により嵌合して固定され、フランジ片17a、17bをねじ軸2に固定する機能を有している。
33はハウジングであり、支持軸受6の外輪6bが固定される固定部材であって、その軸フランジ17側にはオイルシール34が取付けられており、そのオイルシール34のリップ部は、フランジ片17a、17bの外周面に嵌合するリング31の外周面に摺接している。
また、本実施例のフランジ片17a、17bは、ボルト穴20やねじ穴21が形成されていないフランジ片であるとして説明したが、上記実施例1で示したボルト穴20やねじ穴21を設けてフランジ片17a、17bをボルト19によりねじ軸2固定した後に、リング31を嵌合させるようにしてもよい。このようにしても上記のリング31の効果が損なわれることはなく、リング31を接着により固定することが可能になる。
また、上記各実施例においては、ボールねじ装置のねじ軸を回転させてナットを軸方向に移動させるとして説明したが、ナットを回転させてねじ軸を軸方向に移動させる形式のボールねじ装置のねじ軸にストッパとして軸フランジを設ける場合に本発明を適用すれば上記と同様の効果を得ることができる。
2 ねじ軸
3 軸軌道溝
5 支持部
5a 取付ねじ部
6 支持軸受
7 取付部
9 嵌合溝
9a 底部
11 ボール
12 ナット
12a 平面
13 ナット軌道溝
14 ナットフランジ部
15 リターンチューブ
16 チューブ固定具
17 軸フランジ
17a、17b フランジ片
18 分割面
19 ボルト
20 ボルト穴
21 ねじ穴
23 ロックナット
31 リング
33 ハウジング
34 オイルシール
35 鍔部
Claims (6)
- 外周面に形成された螺旋状の軸軌道溝と、該軸軌道溝の端部に形成された支持部とを有するねじ軸と、
内周面に前記軸軌道溝に対向するナット軌道溝が形成されたナットと、
前記軸軌道溝とナット軌道溝とを螺合させる複数のボールとを備えたボールねじ装置において、
前記ねじ軸の支持部に嵌合溝を設けると共に、前記支持部の直径より大きい外径を有する円環部材を、直径方向に2つ割にした分割片を設け、
該分割片を、それぞれ前記嵌合溝に嵌合させて、前記ねじ軸に固定したことを特徴とするボールねじ装置。 - 請求項1において、
前記軸軌道溝が、前記円環部材の前記軸軌道溝側の端面まで、研削加工もしくは切削加工により仕上げられていることを特徴とするボールねじ装置。 - 請求項1または請求項2において、
前記分割片の一方に挿通し、他方に螺合する前記嵌合溝の底部の両側に配置された少なくとも2つのボルトを設けたことを特徴とするボールねじ装置。 - 請求項1ないし請求項3のいずれか一項において、
前記分割片の外周面に嵌合する内周面を有するリングを設けたことを特徴とするボールねじ装置。 - 請求項1ないし請求項4のいずれか一項において、
前記円環部材の少なくとも一方の端面が、前記ねじ軸に前記分割片を固定した後に、前記支持部の外径を基準にして仕上げられた仕上面であることを特徴とするボールねじ装置。 - 請求項4において、
前記リングの外周面が、前記ねじ軸に、前記リングを嵌合した前記分割片を固定した後に、前記ねじ軸の軸芯を基準にして仕上げられた仕上面であることを特徴とするボールねじ装置。
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