JP2014151402A - 砥石軸の軸受構造 - Google Patents
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Abstract
【課題】スピンドルシャフトの高速回転時に軸受を構成する内輪が緩まないようにした砥石軸の軸受構造を提供する。
【解決手段】内輪7の内輪締付間座であるステップドスリーブ11の環状内面が、内輪7の端面から砥石車2に向かい0.01〜0.02の角度で減じているステップドスリーブ11であって、前記環状内面には環状の油通路溝11dを有し、また、このステップドスリーブ中央空所に装着されるスピンドルシャフト1には、回転軸心O位置からステップドスリーブ11の油通路溝11dに向かう半径方向に油通路1a,1bが設けられる。油通路1b、油通路溝11dに供給された圧油はスピンドルシャフト1と玉軸受9との嵌合面を満たし、スピンドルシャフト1の高速回転を可能とする。また、筒状ハウジング4内からのスピンドルシャフト1、内輪7の引き抜き作業を容易とする。
【選択図】図1
【解決手段】内輪7の内輪締付間座であるステップドスリーブ11の環状内面が、内輪7の端面から砥石車2に向かい0.01〜0.02の角度で減じているステップドスリーブ11であって、前記環状内面には環状の油通路溝11dを有し、また、このステップドスリーブ中央空所に装着されるスピンドルシャフト1には、回転軸心O位置からステップドスリーブ11の油通路溝11dに向かう半径方向に油通路1a,1bが設けられる。油通路1b、油通路溝11dに供給された圧油はスピンドルシャフト1と玉軸受9との嵌合面を満たし、スピンドルシャフト1の高速回転を可能とする。また、筒状ハウジング4内からのスピンドルシャフト1、内輪7の引き抜き作業を容易とする。
【選択図】図1
Description
本発明は、研削装置の砥石軸の軸受構造に関する。特に、軸受の内輪押さえ(内輪締付間座)として使用されるステップドスリーブの砥石軸ケーシング筒内への圧着作業が容易であり、前記ステップドスリーブが主軸(スピンドル)先端側(軸方向/スラスト方向)に緩むのを防止する砥石軸の軸受構造に関する。
実用新案登録第2607793号明細書(特許文献1)に開示されるように、軸方向へ所定間隔離した状態でハウジング内に配置された軸受外輪の相互間に介在される転がり軸受用の間座で押さえつけられる外輪とステップドスリーブで押さえつけられる内輪の転がり空間内に転動球多数を収納した転がり軸受けに主軸が回転自在に内装された工作主軸構造は知られている。
また、特開平7−51964号公報(特許文献2)は、大径部及び小径部を有する段付きスピンドル先端に形成された工具挿入穴に工具を挿入し、この工具をクランプ装置によって前記工具挿入穴にクランプするようにした工具装着装置において、前記スピンドルに適合するように大内径部及び小内径部を有しスピンドル上に軸受を固定する円筒体と、この円筒体と前記スピンドルによってスピンドル外周を囲む油圧室と、この油圧室に連通する孔と、前記円筒体に設けられ且つ前記スピンドル端面から突出して設けられ前記工具に形成された係合溝に係合する少なくとも1つの突出部とを有する工具装着装置であって、ステップドスリーブと一体型のいわゆるキーを設けて、回転バランスを改善し、スピンドル先端部の回転断面を小径として軸受やロータ等の回転部品の組付けを容易とした工具装着装置を提案する。
さらに、特開平8−294802号公報(特許文献3)は、主軸台10には、スピンドルを軸支する前後のころがり軸受の少なくとも一方の外輪を軸線方向に移動可能に支持する移動支持機構が設けられ、両ころがり軸受にスピンドルの回転速度に応じた軸線方向予圧を与えるよう移動支持機構を作動させる駆動装置を備えており、両ころがり軸受は内輪及び外輪の間に転動自在に介装される多数の転動体の形状寸法、数及び中心の軌跡の径を同一としており、前部ころがり軸受はその内輪の内径を後部ころがり軸受の内輪の内径よりも大とし、大径の円筒状部分にスピンドルの後側から嵌合して、スピンドルに嵌合固着したロータスリーブ先端の内輪押えにより固定した主軸装置を開示する。
さらに、特開2002−340004号公報(特許文献4)は、図3に示すように、スピンドル軸1にアンギュラベアリング軸受3を組み付けて締付ナット7で所定の予圧力を与える際、スピンドル軸にベアリング内輪4が設けられ嵌合させた場合にベアリング内輪4に発生すると予想される内圧を各種パラメータから計算で求め、この内圧に基づいて軸受摺動抵抗を計算により求め、この軸受摺動抵抗に組付設計荷重を加えてトータルの組付荷重を求め、締付ナットの締め付けの際に生じるネジ摩擦トルクと座面摩擦トルクを計算で求め、これらとトータルの組付荷重から、締付ナットにかけるべき締付トルクを求める軸受けの組み付け方法を提案する。ステップドスリーブ10が使用される軸受3を予圧する場合は、スピンドル軸1に焼き嵌めされたステップドスリーブ10に油圧源11を接続して、ステップドスリーブ10とスピンドル軸1との嵌合面に圧油を供給することで嵌合面の摺動抵抗を殆どゼロにするとともに、ステップドスリーブ10を押圧するための押圧手段12を接続するようにしており、油圧源11によってステップドスリーブ10とスピンドル軸1との嵌合面の摺動抵抗を無くした後、押圧手段12により押圧し、軸受3に所定の予圧力がかかった時点で油圧源11の油の供給を停止し、ステップドスリーブ10を
元の状態に復元させて軸受3の位置を規制する。
元の状態に復元させて軸受3の位置を規制する。
さらに、特開2005−118941号公報(特許文献5)は、図4に示すように、回転工具2をフランジ3により先端に固着した主軸1、該主軸のハウジング4の軸受収容部5に外輪6の内部軌道面6bと内輪7の内部軌道面7b間に転動自在に配置された複数の玉8を設けた玉軸受9、前記玉軸受9の外輪端面6aを締付ける環状の外輪押さえ間座10、前側に外周環状体11aと後側に内周環状体11bを有し中央に主軸1を通す円筒状空間11cを有し、前記外周環状体11aの外周に前後に到る少なくとも一対の溝11dを有し、かつ、外周環状体11aの裏面に内周環状体11bとで形成する前記外輪押さえ間座10を収納する環状凹部11eを有する内輪締付間座11(ステップドスリーブに相当する)、前記玉軸受9の外輪6の内部軌道面と内輪7の内部軌道面と前記外輪押さえ間座10で形成されるラビリンス12、裏面に前記内輪締間座11の外周環状体11aの外周に設けた溝11dに到達できる長さを有する溝13aが外周縁13bまで少なくとも一対設けられた環状カラー13を前記回転工具2と内輪締付間座11の前側間に位置する主軸1の段部の位置に固定し、前記内輪締付間座11の前面に位置する環状カラー13、とを備えることを特徴とする主軸装置のシール構造100を開示する。
また、SKF−Japanは、インターネットホームページ(非特許文献1)で、「精密軸受けをスピンドル軸に固定する方法としてステップドスリーブを使用する方法を写真付きで例示し、このステップドスリーブは、若干直径の異なる2つの継ぎ手面からなる圧力継ぎ手であって、段付き軸上で締まりばめで使用される。」と記載する。
SKF−Japan、"固定装置−ロックナット、ステップドスリーブ"、〔online〕、〔平成25年2月4日検索〕、インターネット<URL:http://www.skf.com/skf/content/printerfriendly.jsp?contentld=885050&title=SKF-jap…>
従来の主軸装置においては、内輪押さえの締め代または内輪押さえの締め代と精密軸受けナットで内輪の移動抑えを行っていた。それゆえ、主軸(スピンドルシャフト)を高速回転したときや、主軸が大径のときにスピンドルシャフトの撓みやモーメント荷重に対し内輪押さえ(ステップドスリーブ)が主軸(スピンドル)先端側(軸方向/スラスト方向)に緩むことがあり、この緩みによりスピンドルシャフトの回転精度不良を生じる欠点がある。
また、従来の主軸装置の定期検収の軸受け分解作業において、筒状ハウジング内から直径40mmのスピンドルシャフトを抜き去った後、筒状ハウジング内の内輪を取り出すのに約4分要していた。
本発明は、前記ステップドスリーブの緩みの発生が抑制され、かつ、筒状ハウジング内の内輪を取り出す作業時間が短縮された砥石軸の軸受構造の提供を目的とする。
請求項1の発明は、砥石車(2)を砥石フランジ(3)により先端に固着したスピンドルシャフト(1)、該スピンドルシャフトの筒状ハウジング(4)の軸受収容部(5)に外輪(6)の内部軌道面(6b)と内輪(7)の内部軌道面(7b)間に転動自在に配置された複数の玉(8)を設けた玉軸受(9)、前記玉軸受(9)の外輪端面(6a)と筒状ハウジング(4)端面を締付ける環状の外輪押さえ間座(10)、前側に前記外輪押さえ間座(10)を収納する外周環状体(11a)空所を有し、前記スピンドルシャフト(1)の回転軸心(O)方向に相対向するとともに前記内輪(7)の端面から砥石車(2)に向かう環状内面(11g)が0.01〜0.02の角度で減じているステップドスリーブ(11)であって、前記環状内面(11g)には環状の油通路溝(11d)を有し中央にスピンドルシャフト(1)を通す円筒状空間(11c)を有するステップドスリーブ(11)を備える砥石軸の軸受構造(100)であって、前記スピンドルシャフト(1)は、軸心(O)位置からステップドスリーブ(11)の油通路溝(11d)に向かう半径方向に油通路(1a,1b)が設けられる、
ことを特徴とする砥石軸の軸受構造(100)を提供するものである。
ことを特徴とする砥石軸の軸受構造(100)を提供するものである。
内輪締付間座の役目をなすステップドスリーブ11の環状内面11gは、0.01〜0.02の角度で減じているので、その環状内面11g位置は内輪の内面7c位置よりスピンドルシャフト1の軸心Oに向かって高さが僅かに(0.01〜0.05mm)出っ張った構造を採る。よって、前記傾斜により生じた出っ張りがスピンドルシャフトを高速回転したときや、大径のスピンドルシャフト1の撓みやモーメント荷重に対しステップドスリーブ11がスピンドルシャフト先端側(砥石フランジ側)に緩むことが防止される。
ステップドスリーブの環状内面に形成された環状の油通路11dには、スピンドルシャフトに形成された油通路1bを経由して圧油が供給され、ステップドスリーブ11は筒状ハウジング(ブッシュ)4内面壁の方向に押圧され強固に締め付けられる。よって、筒状ハウジング4内よりスピンドルシャフト1を抜き取り去った後、ステップドスリーブ11内の内輪7を抜く作業を1分前後で終了させることができる。
図1に示す砥石軸の軸受構造100は、砥石車2を砥石フランジ3により先端に固着したスピンドルシャフト1、該スピンドルシャフトの筒状ハウジング(ブッシュ)4の軸受収容部5に外輪6の内部軌道面6bと内輪7の内部軌道面7b間に転動自在に配置された複数の玉8を設けた玉軸受9、前記玉軸受9の外輪端面6aと筒状ハウジング4端面を締付ける環状の外輪押さえ間座10、前側に前記外輪押さえ間座10を収納する外周環状体11a空所を有し、前記スピンドルシャフト1の回転軸心(O)方向に相対向するとともに前記内輪7の端面から砥石車2に向かう環状内面11gが0.01〜0.02の角度で減じているステップドスリーブ(内輪締付間座)11である。前記ステップドスリーブ11の環状内面11gには環状の油通路溝11dを有し中央にスピンドルシャフト1を通す円筒状空間11cを有する。
前記スピンドルシャフト1は、スピンドルシャフト1中空部内にスピンドルシャフト先端部に設けたタップ穴1tからT字状の油通路管18が挿入され、この油通路管はスピン
ドルシャフト1の軸心(O)位置1aからステップドスリーブ11の油通路溝11dに向かう半径方向に油通路(1b,1b)を設ける。そのスピンドルシャフト1の外周面には前記油通路1b,1bを通過する環状の油通路溝1cが必要により設けられ、前記油通路溝11dへの圧油の供給速度を速める機能を有する。前記T字状の油通路管18は、スピンドルシャフト後端部に設けたタップ穴からスピンドルシャフト中空部内にT字状の油通路管18を挿入させた構造を採用してもよい。
ドルシャフト1の軸心(O)位置1aからステップドスリーブ11の油通路溝11dに向かう半径方向に油通路(1b,1b)を設ける。そのスピンドルシャフト1の外周面には前記油通路1b,1bを通過する環状の油通路溝1cが必要により設けられ、前記油通路溝11dへの圧油の供給速度を速める機能を有する。前記T字状の油通路管18は、スピンドルシャフト後端部に設けたタップ穴からスピンドルシャフト中空部内にT字状の油通路管18を挿入させた構造を採用してもよい。
前記T字状の油通路管1内への圧油供給源としては、特許文献4記載の油圧源を使用し、その油圧源のホース先端をスピンドルシャフト先端部に設けたタップ穴1tに位置する油通路管18結合部18bに接続して用いる。
油圧源より供給された圧油は、スピンドルシャフト1の油通路1a,1bを経由し、ステップドスリーブ11の油通路溝11dを満たしステップドスリーブ11を円筒ハウジング4内壁へと押圧する。スピンドルシャフトの外周面に設けた環状の油通路1cは、圧油がステップドスリーブ11の油通路溝11dを満たす時間を短縮させる。また、圧油は、玉軸受9,9,9,9内面とスピンドルシャフト1外周面で形成される嵌合空間を満たし、嵌合面の摺動抵抗を無くすので、スピンドルシャフトの回転運動を高速に為すことができる。また、この潤滑油膜は、筒状ハウジング内からスピンドルシャフトを抜き去る作業を容易とする。
スピンドルシャフト1に軸承される回転体である砥石車2としては、円板状の平砥石、アンギュラー砥石、溝加工用総形砥石、ネジ条砥石、基板回転切断刃等が利用できる。
本発明の砥石軸の軸受構造100は、砥石軸の高速回転時にステップドスリーブ11が緩むことがないので、ワークの研削加工、溝きり加工等を高精度に行うことができる。また、従来の軸受構造と比較して、筒状ハウジング内での軸受取り付け作業時間、あるいは、筒状ハウジング内からスピンドルシャフトや内輪を取り出す作業時間を短縮できる。
100 砥石軸の軸受構造
1 スピンドルシャフト(砥石軸)
1a,1b 油通路
1c 油通路溝
1d 油通路溝
1t タップ穴
O 砥石軸の回転軸心
2 砥石車
3 砥石フランジ
4 筒状ハウジング(ブッシュ)
5 軸受収容部
6 外輪
7 内輪
8 転動玉
9 玉軸受
10 外輪押さえ間座
11 ステップドスリーブ(内輪締付間座)
11d 環状の油通路溝
18 T字状の油通路管
1 スピンドルシャフト(砥石軸)
1a,1b 油通路
1c 油通路溝
1d 油通路溝
1t タップ穴
O 砥石軸の回転軸心
2 砥石車
3 砥石フランジ
4 筒状ハウジング(ブッシュ)
5 軸受収容部
6 外輪
7 内輪
8 転動玉
9 玉軸受
10 外輪押さえ間座
11 ステップドスリーブ(内輪締付間座)
11d 環状の油通路溝
18 T字状の油通路管
Claims (1)
- 砥石車(2)を砥石フランジ(3)により先端に固着したスピンドルシャフト(1)、該スピンドルシャフトの筒状ハウジング(4)の軸受収容部(5)に外輪(6)の内部軌道面(6b)と内輪(7)の内部軌道面(7b)間に転動自在に配置された複数の玉(8)を設けた玉軸受(9)、前記玉軸受(9)の外輪端面(6a)と筒状ハウジング(4)端面を締付ける環状の外輪押さえ間座(10)、前側に前記外輪押さえ間座(10)を収納する外周環状体(11a)空所を有し、前記スピンドルシャフト(1)の回転軸心(O)方向に相対向するとともに前記内輪(7)の端面から砥石車(2)に向かう環状内面(11g)が0.01〜0.02の角度で減じているステップドスリーブ(11)であって、前記環状内面(11g)には環状の油通路溝(11d)を有し中央にスピンドルシャフト(1)を通す円筒状空間(11c)を有するステップドスリーブ(11)を備える砥石軸の軸受構造(100)であって、前記スピンドルシャフト(1)は、軸心(O)位置からステップドスリーブ(11)の油通路溝(11d)に向かう半径方向に油通路(1a,1b)が設けられる、ことを特徴とする砥石軸の軸受構造(100)。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2013024117A JP2014151402A (ja) | 2013-02-12 | 2013-02-12 | 砥石軸の軸受構造 |
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN107139945A (zh) * | 2017-05-02 | 2017-09-08 | 中铁科工集团轨道交通装备有限公司 | 跨座式单轨道岔轮组 |
US11683980B2 (en) | 2014-07-28 | 2023-06-20 | Sfc Co., Ltd. | Condensed fluorene derivative comprising heterocyclic ring |
-
2013
- 2013-02-12 JP JP2013024117A patent/JP2014151402A/ja active Pending
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US11683980B2 (en) | 2014-07-28 | 2023-06-20 | Sfc Co., Ltd. | Condensed fluorene derivative comprising heterocyclic ring |
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