JP2000237902A - 主軸装置 - Google Patents

主軸装置

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JP2000237902A
JP2000237902A JP11039201A JP3920199A JP2000237902A JP 2000237902 A JP2000237902 A JP 2000237902A JP 11039201 A JP11039201 A JP 11039201A JP 3920199 A JP3920199 A JP 3920199A JP 2000237902 A JP2000237902 A JP 2000237902A
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sleeve
bearing
bearing case
spindle
pressure chamber
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JP11039201A
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Inventor
Saiji Miyagawa
歳示 宮川
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Matsuura Machinery Corp
Matsuura Kikai Seisakusho KK
Original Assignee
Matsuura Machinery Corp
Matsuura Kikai Seisakusho KK
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 主軸回転によって軸受が発熱するにも拘ら
ず、軸受にかかる応力が過大になることを防止し、超高
速回転であっても主軸を円滑に回転させる。 【課題手段】 主軸装置において、主軸1を軸支する軸
受機構のうち、熱膨張による軸方向伸びを軸方向移動に
より許容する軸受部分6の外輪が軸受ケース44に固定
され、当該軸受ケースを取り囲み弾性変形によって当該
軸受ケースをクランプ/クランプ解除するスリーブ40
があり、当該スリーブ内に圧力流体が流入可能な圧力室
43が形成され、当該圧力室は圧力流体の流入によるス
リーブの弾性変形の際に、主にスリーブ内周側を半径方
向内側へ変形させる位置関係をスリーブ内に有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、マシニングセンタ
などの工作機械において、主軸回転に伴う発熱による温
度変化にも拘らず軸受にかかる応力乃至荷重過大を回避
し、主軸を円滑に回転させて安定した加工が可能な主軸
装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】主軸装置の軸受機構は通常、2点支持
で、長い主軸に対しては3点支持で構成されている。各
支持点では、それぞれ唯一の軸受でなるか、複数の軸受
を組み合わせて構成されている。そして更に、軸受の転
動体のすべり防止や主軸の組み付け剛性増加のため、予
圧が付与されるように、各軸受間の内輪の軸方向相対位
置と外輪の軸方向相対位置との関係が決められている。
【0003】そのような従来技術の一例を図5に示す。
これは前部軸受で半径方向と軸方向の荷重を受け持ち、
後部軸受では半径方向の荷重のみを受けるものである。
旋盤など、工作機械の種類によっては後部軸受で軸方向
の荷重を受けるものもあるが、一般的には図5の例のよ
うに前部軸受で軸方向の荷重を受けるので、以後の説明
では前部軸受で軸方向の荷重を受け持つ構成として説明
を行う。後部軸受では、軸受の内輪内径と主軸はシマリ
嵌め合いで組み合わされ、外輪外径とハウジング乃至軸
受ケース内径とはスキマ嵌め合いで組み合わされる。こ
れら嵌め合いの程度は、軸受の種類や大きさ、更には主
軸の最大回転数などで決められる。なお以下では、前部
を工具又は工作物を装着する側として負荷側と称し、後
部をそれとは反対側の反負荷側と称する。
【0004】この図5において、主軸1は、主軸台ハウ
ジング2の前方及び後部に設けられた軸受ケース3,4
内に保持された各2個の負荷側ころがり軸受5及び反負
荷側ころがり軸受6により軸支されている。負荷側軸受
ケース3はカバー7と共に主軸台ハウジング2に固定さ
れ、ハウジングを兼ねる反負荷側軸受ケース4は主軸台
ハウジング2に固定されている。
【0005】主軸1は、前端部のフランジ部1aの後側
へ向かって次第に小径となる複数の円筒状部分1b,1
c,1dで形成されており、負荷側ころがり軸受5は、
上記フランジ部1aに当接して円筒状部分1bに焼きば
めされた前部ナット8により位置決め固定されている。
また反負荷側ころがり軸受6は、円筒状部分1c,1d
の間の段部に当接して円筒状部分1dに焼きばめされた
後部ナット11により位置決め固定されている。前後の
ころがり軸受5,6の間となる円筒状部分1cには不図
示のロータースリーブを備えたローター10が焼きばめ
固定されている。当該ローター10は、冷却油流通のた
めの冷却油通路12を形成する円筒状固定ケーシング1
3を介し主軸台ハウジング2に固定されたステータ14
と共に主軸を回転駆動するビルトインモータを構成す
る。円筒状固定ケーシング13のフィン15によって画
定された冷却油通路12は前方通路16を介して負荷側
軸受ケース3とカバー7の間に形成された環状室17と
つながり、冷却油流入路18及び冷却油流出路19と共
にモータと主軸先端の冷却のための冷却油循環路が構成
されている。
【0006】ところで、主軸が回転すると、軸受が発熱
し熱膨張すると共に、発生した熱が主軸にも伝わって、
主軸にも温度上昇が生じ、同じく熱膨張する。このよう
な熱膨張に対しては、軸受外輪外径と軸受ケース内径の
間のスキマによって軸方向膨張が吸収されつつ、軸受外
輪と軸受ケースが相対移動し、軸方向膨張が吸収され
る。けれども、主軸が回転数が上がると、軸受の熱膨張
の程度は一層増し、また熱伝導により温度上昇する主軸
においても一層の熱膨張が生じる。その結果、軸受の半
径方向熱膨張によって、外輪外径での嵌め合いが隙間減
少して軸方向移動を阻害し、軸受自体に負荷をかけるこ
ととなる。上記の例のように、主軸駆動用にモータを内
蔵した主軸装置の場合には、主軸側モータのローターも
発熱し、主軸の温度上昇は一段と大きく、最悪の場合に
は軸受破損に至ることもある。
【0007】そこで主軸を最大回転数で回転した際に円
滑に反負荷側の軸受が軸方向に移動できるように外輪外
径と軸受ケース内径のスキマを設定することが考えられ
る。しかしながら、このような構成では低速回転時及び
停止時にスキマが過大となって主軸剛性が低くなる欠点
がある。反負荷側軸受が軸方向に移動することは、大小
を問わずスキマがあることであり、主軸回転時に振動を
発生して加工面へ悪影響を及ぼすものでもある。更に上
記振動に伴って外輪外径面と軸受ケース内径面にフレッ
ティング乃至フレッチングを生じ、錆を発生する。この
錆が軸受内に侵入すると軸受の寿命を短くするなどの悪
影響が生じる。
【0008】そこで、主軸の熱変形を滑らかに吸収する
ため、固定ハウジングに軸方向移動可能に取り付けられ
た移動フランジ乃至軸受ケースに、一部の軸受外輪(反
負荷側の軸受外輪)が固定された主軸装置が提案されて
いる。そのような主軸装置の一例を図6に示す。
【0009】図6の構成は、図5のものと、反負荷側で
軸受ケースと当該ケース及び軸受を収容する移動フラン
ジとが軸方向に移動可能である点を除いて基本的に同じ
である。説明の簡略化のために、上記図5に関連して説
明した点については参照符号を付すにとどめ、反負荷側
の軸方向移動に関してのみ説明する。
【0010】主軸台ハウジング2に固定された支持筒2
2の内周にボールゲージ20が嵌められ、その内周に軸
受ケース24が嵌められている。ボールゲージ20は薄
肉円筒状のリテーナーに多数のボールが径方向両側に突
出するように保持されたものである。軸受ケース24
は、支持筒22に対して回転はしないが、ボールゲージ
のボールを介して移動フランジ21と共に軸方向移動可
能になっている。
【0011】つまり、図6に示された上記構成でも、主
軸の熱膨張のうち、軸方向の膨張は負荷側軸受を基準と
して膨張し、反負荷側軸受を移動させるようになってお
り、これによって主軸の軸方向変形が吸収されるのであ
る。このような構成では、転動体の転がりを利用するの
で、嵌め合いのみのもの(図5)よりも移動が滑らかで
あるが、なお問題があり、例えばボールゲージの嵌め合
いにスキマを設けると、主軸回転時に振動を発生し、ボ
ールの接触点にフレッティングを生じる。そのため予圧
を加えて若干のシマリ嵌め合いとして使用することが行
われる。しかしながら、予圧を加えることで転がり抵抗
が大きくなる不利がある。予圧を主軸回転停止時に合わ
せて設定すると、高速回転時には軸受の発熱によって支
持筒よりも軸受ケースの方が高温となり、スキマが小さ
くなって予圧過大となり、軸移動時の転がり抵抗が大き
くなり、逆に高速回転時に合わせて予圧を設定すると、
低速時にスキマが大となって、主軸剛性が不足するとい
う、図5の例と同じような欠点もある。
【0012】主軸の温度上昇の度合いは回転速度によっ
て変化し、特に高速回転時に主軸の温度上昇は大きい
が、高速タイプのマシニングセンタなどにおいては、低
速から高速までの広範囲の回転域にわたって安定した運
転を可能とすることが求められている。しかしながら、
上記のような古典的な構成では、高速回転の際に軸方向
の移動の阻害が予圧過大をもたらす点が解消されない。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】そこで、近年では例え
ば特開平10-286701号公報に開示されるよう
に、支持筒乃至ハウジング部材の内側部分が径方向の中
間で流体圧室を有する二重構造とし、当該流体圧室より
内周側部分が流体圧室の流体圧によって弾性変形するよ
うになった構成が提案されている。
【0014】その基本構造を図7に示す。図7の構成
も、図5のものと、反負荷側で軸受ケースと当該ケース
及び軸受を収容する移動フランジとが軸方向に移動可能
である点を除いて基本的に同じである。説明の簡略化の
ために、上記図5に関連して説明した点については参照
符号を付すにとどめ、反負荷側の軸方向移動に関しての
み説明する。
【0015】この例の場合、移動フランジ21と共に軸
方向移動可能な軸受ケース34の外側にある支持筒22
の内周面の前後端部を除く部分に、浅い環状溝が33が
形成されている。また支持筒22の内周面全体に薄肉ブ
ッシュ32が固定され、支持筒22の内周面とブッシュ
32の外周面の間が、環状溝33の前後においてOリン
グ30,31で密閉されている。環状溝33がブッシュ
32で塞がれることにより、環状の油圧室38が形成さ
れる。油圧室38は、支持筒22から主軸台ハウジング
2に形成された通路36を介して調整油接続口37に連
通され、この接続口37は、調整油供給装置(図示せ
ず)に接続されている。そして油圧室38に供給される
調整油の油圧により、油圧室38より内周側の薄肉ブッ
シュ32が径方向に弾性変形するようになっている。上
記ボールゲージの構成を組み合わせて、軸受ケースの軸
方向移動を滑らかにすることも行われている。
【0016】しかしながら、特開平10-286701
号公報に開示された薄肉ブッシュを用いて径方向に弾性
変形する構成では、油圧をかけた際、支持筒22内周の
環状溝33(場合によっては薄肉ブッシュ外周側に形成
される環状溝)による油圧室38が広がり、ブッシュ外
周面と支持筒内周面の間に環状溝の長さより長いブッシ
ュ全長にわたってスキマが生じ、単にOリングでのみ半
径方向の支持がなされ、剛性の弱い主軸となってしま
う。このような構成では、例えば毎分60000回転に
も達する超高速タイプの主軸を備えたマシニングセンタ
などでは、極めて不安定で実用に供することができな
い。
【0017】そこで本発明は、主軸回転によって軸受が
発熱するにも拘らず、軸受にかかる応力が過大になるこ
とを防止し、超高速回転であっても主軸を円滑に回転さ
せることを保証する主軸装置を提供することを課題にす
る。
【0018】
【課題を解決するための手段】上記課題は、主軸と、主
軸台と、各内輪が主軸に固定され各外輪が主軸台に支持
されて主軸を主軸台に少なくとも2点で軸支する軸受機
構とからなる主軸装置において、上記少なくとも2点で
軸支する軸受機構のうち、熱膨張による軸方向伸びを軸
方向移動により許容する軸受部分の外輪が軸受ケースに
固定され、当該軸受ケースを取り囲み弾性変形によって
当該軸受ケースをクランプ/クランプ解除するスリーブ
があり、当該スリーブ内に圧力流体が流入可能な圧力室
が形成され、当該圧力室は圧力流体の流入によるスリー
ブの弾性変形の際に、主にスリーブ内周側を半径方向内
側へ変形させる位置関係をスリーブ内に有することによ
って、解決する。
【0019】上記圧力室が、上記スリーブの長さ方向中
央領域においてのみ弾性変形するような位置関係をスリ
ーブ内に有しているのが、好適である。また上記圧力室
が、軸方向に沿った断面で、矩形部とスリーブ内周に近
い側の両端の円形部との組み合わせでなる形状を有し、
円形部に対応するスリーブ内周側の肉厚が矩形部に対応
するスリーブ内周側肉厚よりも薄くなっていれば、一層
効果的である。
【0020】圧力流体の流入による圧力室内への加圧を
周期的に行い、加圧時に軸受ケースをスリーブによって
クランプし、加圧解除時にクランプ解除するのが良い。
また、工具と工作物が接触する時に圧力室を加圧して軸
受ケースをクランプし、工具と工作物が離れる時にクラ
ンプ解除するようになっていても良い。あるいはクラン
プ解除時に軸受ケースの単位時間当たりの軸方向変位量
を検出し、所定の変位量よりも小さい場合に圧力室を加
圧して軸受ケースをクランプする時間を長くし、大きい
場合にはクランプ時間を短くするようにしても良い。更
には熱膨張による軸方向伸びを軸方向移動により許容す
る軸受部分のクランプ解除時の内外輪の単位時間当たり
の軸方向変位量の差を検出し、所定の値よりも小さい時
に圧力室を加圧して軸受ケースをクランプする時間を長
くし、大きい時にはクランプ時間を短くすることも好ま
しい。
【0021】スリーブと軸受ケースの間に転動体が配置
されているのが、好都合である。スリーブ内周面と軸受
ケース外周面に耐摩耗性材料による被覆層が形成されて
いるのも好ましい。
【0022】
【発明の実施の形態】本発明の詳細を、図に示す例に基
づいて説明する。図1において、主軸1は2点支持機構
によって軸支されている。即ち、それぞれ2個の負荷側
ころがり軸受5と反負荷側ころがり軸受6によって支持
されている。負荷側ころがり軸受5は、カバー7と共に
主軸台ハウジング2に固定された軸受ケース3内に保持
されている。反負荷側ころがり軸受6は、移動フランジ
21と共に軸方向移動可能な軸受ケース44内に保持さ
れている。負荷側ころがり軸受5、反負荷側ころがり軸
受6とも、背面組み合わせのアンギュラーコンタクト玉
軸受でなり、同一の値で互いに逆向きの軸方向予圧が与
えられているが、テーパローラ軸受など、他の転がり軸
受でも可能である。
【0023】主軸1は、前端部のフランジ部1aと複数
の円筒状部分1b,1c,1dで形成されている。複数
の円筒状部分1b,1c,1dは、前端フランジ部1a
の後側へ向かうにつれて次第に小径となる関係にある。
主軸1の前端フランジ部1aに当接する負荷側ころがり
軸受5は、第1の円筒状部分1bに焼きばめされた前部
ナット8により位置決め固定されている。また円筒状部
分1c,1dの間の段部に当接する反負荷側ころがり軸
受6は、第3の円筒状部分1dに焼きばめされた後部ナ
ット11により位置決め固定されている。前後のころが
り軸受5,6の間に位置する円筒状部分1cには、不図
示のロータースリーブを備えたローター10が焼きばめ
固定されている。当該ローター10は、その外周に位置
するステータ14と共に、主軸を回転駆動するビルトイ
ンモータを構成している。
【0024】ステータ14は円筒状固定ケーシング13
を介して主軸台ハウジング2に固定されており、固定ケ
ーシング13の外周面には、冷却油通路12を画定する
フィン15が備えられている。冷却油通路12は、主軸
台ハウジング2から負荷側軸受ケース3にかけて形成さ
れた前方通路16を介して、負荷側軸受ケース3とカバ
ー7の間に形成された環状室17とつながっていて、冷
却油流入路18及び冷却油流出路19と共にモータと主
軸先端の冷却のための冷却油循環路を構成している。
【0025】軸方向移動可能な軸受ケース44の外周
に、主軸台ハウジング2に固定されるべき環状スリーブ
40が配設されている。鋼材(S45C)などでなる環
状スリーブ40は、図2aに示されるように、外周面に
2本のOリング用溝41を備えるほか、横断面(図1で
見て軸方向に沿った断面)が矩形部とその下側両端の円
形部との組み合わせでなる環状の切削部42を有してい
る。そして、環状切削部42を閉塞し、環状の油圧室4
3を形成するように、図2bに示す2つ割れのスペーサ
ー45が環状スリーブ40の外周側から嵌まり込んでい
る。油圧室43は、軸受ケース側に寄った断面両端円形
部によって環状スリーブの内周側の厚みが極めて薄く
(下記テストでは0.5mm)なっていて、その両端円
形部の間の内周側厚みが、油圧オンの際に弾性変形して
軸受ケース44に面接触する程度の剛性を備えうる(下
記テストでは2.5mm)ような位置関係を環状スリー
ブ内に有している。その結果、環状スリーブ断面の内周
側には、ほぼ台形形状が形成される。
【0026】スペーサー45には、その外周面に溝46
が備えられると共に、油圧室43へ貫通する油供給孔4
7が形成されている。油圧室43から供給孔47を介し
て外周溝46を経て、主軸台ハウジング2に形成された
通路48に至って調整油供給路が構成され、油タンク、
ポンプなどを備えた油圧制御手段としての油圧発生装置
(図3)につながっている。
【0027】上記油圧室43に加圧流体である調整油が
供給され、その油圧により環状スリーブ40の内周面が
径方向に弾性変形するが、以下に図3を用いて、その制
御を説明する。なお、軸受ケース44の外周面での油圧
室43の前後位置には転動体(コロやボール)50が配
され、主軸1、反負荷側軸受6及び軸受ケース44の軸
方向移動が滑らかになるように考慮されており、また環
状スリーブ40の内周面と軸受ケース44の外周面に
は、硬質クロームメッキやチタンコーティングが施さ
れ、耐摩耗性が図られている。
【0028】反負荷側軸受6の外輪側の移動スリーブ2
1の軸移動を検知するための第1位置センサ51と、内
輪側の後部ナット11の軸移動を検知するための第2位
置センサ52とが、NC装置に連結したコントローラ5
3につながっている。当該コントローラ53とNC装置
とはそれぞれ油圧発生装置54とつながり、当該油圧発
生装置54は電磁弁を介して油供給路から油圧室43に
調整油を供給する。周期的な油圧制御のために、油圧発
生装置54とNC装置とに接続したタイマー55が備え
られる。
【0029】工作機械の電源がオンして加工作業を開始
すると、油圧発生装置54から調整油が油圧室43に供
給されて所定の油圧がかけられ、環状スリーブ40の内
周面が半径方向内側に押し込まれ、軸受ケース44を確
実にクランプする。その後、適当な時点、例えば熱膨張
によって増加する応力により軸受が破損する限界に対し
て十分に余裕のある程度に達する段階で油圧をオフす
る。以後、周期的に油圧をオンオフして環状スリーブ4
0を半径方向に弾性変形したり解放して、嵌め合いのシ
マリとスキマを繰り返し、主軸の軸方向移動と剛性のバ
ランスをとるようにする。
【0030】このオンオフ制御については、主軸に装着
された工具で加工を行っている間は油圧をかけ、工具が
加工点を離れているときには油圧を解放するようにして
もよい。連続加工時間が長い場合には、プログラムなど
によって一時的に工具を加工点から離す際に油圧をオフ
とし、加工点に接触している間は油圧をオンとする調整
がなされることもありうる。以上のようなオンオフ制御
において、油圧オフ時間は例えば数秒程度である。
【0031】上記油圧オン時には環状スリーブ40の半
径方向内側への押し込みによって軸受ケース44をほぼ
完全にクランプできるような油圧が選択され、オンオフ
制御が行われるが、油圧のレベルを幾分下げ、油圧オン
時にも熱膨張によって主軸1や軸受6と共に軸受ケース
44が環状スリーブ40に対して徐々に摺動するような
場合でも、同様のオンオフ制御によって主軸の軸方向移
動と剛性のバランスをとることができる。
【0032】また加工作業を開始する時点では油圧をオ
ンせず、所定の時間内の移動スリーブ21の、つまり軸
受外輪の変位量を第1位置センサ51で検出し、予め定
めた変位量と比較して、小さい場合には油圧オンとし、
大きい場合にはオフのままとするような制御も可能であ
る。更に後部ナット11の、つまり軸受内輪の変位量を
第2位置センサ52で検出し、上記第1位置センサ51
による軸受外輪の変位量との差を算出して、予め定めた
時間当たりの変位差と比較して、油圧をオンオフするよ
うにしてもよい。
【0033】上記オンオフ制御では、選択された油圧が
唯一のものであるが、熱膨張が長い時間にわたるような
場合には、油圧を段階的に変化させ、段階的に主軸の軸
方向移動と剛性のバランスをとるようにしてもよい。
【0034】なお、最後にテストに用いた試作品のスペ
ックについて記す。本発明の最も特徴的な構成をなす環
状スリーブはS45Cでなり、内径80mm、外径11
0mm、長さ46mmの寸法を有している。図4に示さ
れるように、環状スリーブに形成される切削部42は、
断面で見て、長さ26mm、深さ27.5mmの矩形部
とそのスリーブ内径側両端に位置する5mm径の円形部
との組み合わせでなっている。円形部の存在によって、
スリーブ内周側の最も薄い部分は0.5mm厚、軸方向
での最薄部分は7mmとなる。このような環状スリーブ
40の内径に対し、軸受ケース44の外径は油圧オフ時
に30μmのスキマを有するようにセットされた。油圧
室に油圧をかけた場合のa、b、c、d、eの各点(図
4)での変位量(半径分に相当する)を表1に示す。
【0035】
【表1】
【0036】50kg/cmの油圧をかけた状態でも
主軸は60000回転/分で回転して加工作業が可能で
あった。この際、オン時間を2分、オフ時間を5秒とし
た。したがって、最高回転数60000回転/分のマシ
ニングセンタでも本発明を適用することが可能であり、
更に大きな回転数でも利用可能とする場合には環状スリ
ーブ内径と軸受ケース外径の機械停止時のスキマを大き
くし、段階的に油圧を切り換えればよい。
【0037】
【発明の効果】本発明によれば、主軸を軸支する軸受機
構のうち、熱膨張による軸方向伸びを軸方向移動により
許容する軸受部分の外輪が軸受ケースに固定され、当該
軸受ケースを取り囲み弾性変形によって当該軸受ケース
をクランプ/クランプ解除するスリーブがあり、当該ス
リーブ内に圧力流体が流入可能な圧力室が形成され、当
該圧力室は圧力流体の流入によるスリーブの弾性変形の
際に、主にスリーブ内周側を半径方向内側へ変形させる
位置関係をスリーブ内に有するので、主軸が超回転して
軸受が発熱する際に、軸受にかかる応力が過大になるこ
とがなく、また圧力室の膨張によってスリーブの支持が
不安定になることもなく、十分な剛性を確保しながら主
軸を円滑に回転させることができる。
【0038】スリーブと軸受ケースの間に転動体を配置
することで、加圧を解除する際にも振動の発生を抑制す
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る主軸装置の概略的な断面構成図で
ある。
【図2】油圧室を構成する環状スリーブとスペーサーの
斜視図であり、(a)は環状スリーブを半分に切断した
概略図、(b)は二つ割のスペーサーの概略図である。
【図3】油圧制御の構成を示す概略図である。
【図4】環状スリーブにおける切削部のスペックを示す
概略図である。
【図5】従来公知のスキマ嵌め合いに係る主軸装置を示
す断面構成図である。
【図6】従来公知のボールゲージを備えた主軸装置の断
面構成図である。
【図7】流体圧室と弾性変形可能な薄肉ブッシュを備え
た主軸装置の断面構成図である。
【符号の説明】
1 主軸 50 転動体 2 主軸台ハウジング 51 第1位置センサ 6 反負荷側軸受 52 第2位置センサ 11 後部ナット 53 コントローラ 21 移動スリーブ 54 油圧発生装置 40 環状スリーブ 55 タイマー 43 油圧室 44 軸受ケース 45 スペーサ

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 主軸と、主軸台と、各内輪が主軸に固定
    され各外輪が主軸台に支持されて主軸を主軸台に少なく
    とも2点で軸支する軸受機構とからなる主軸装置におい
    て、 上記少なくとも2点で軸支する軸受機構のうち、熱膨張
    による軸方向伸びを軸方向移動により許容する軸受部分
    の外輪が軸受ケースに固定され、当該軸受ケースを取り
    囲み弾性変形によって当該軸受ケースをクランプ/クラ
    ンプ解除するスリーブがあり、当該スリーブ内に圧力流
    体が流入可能な圧力室が形成され、当該圧力室は圧力流
    体の流入によるスリーブの弾性変形の際に、主にスリー
    ブ内周側を半径方向内側へ変形させる位置関係をスリー
    ブ内に有していることを特徴とする主軸装置。
  2. 【請求項2】 上記圧力室が、上記スリーブの長さ方向
    中央領域においてのみ弾性変形するような位置関係をス
    リーブ内に有していることを特徴とする請求項1に記載
    の主軸装置。
  3. 【請求項3】 上記圧力室が、軸方向に沿った断面で、
    矩形部とスリーブ内周に近い側の両端の円形部との組み
    合わせでなる形状を有し、円形部に対応するスリーブ内
    周側の肉厚が矩形部に対応するスリーブ内周側肉厚より
    も薄くなっていることを特徴とする請求項1又は2に記
    載の主軸装置。
  4. 【請求項4】 圧力流体の流入による圧力室内への加圧
    を周期的に行い、加圧時に軸受ケースをスリーブによっ
    てクランプし、加圧解除時にクランプ解除することを特
    徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の主軸装
    置。
  5. 【請求項5】 工具と工作物が接触する時に圧力室を加
    圧して軸受ケースをクランプし、工具と工作物が離れる
    時にクランプ解除することを特徴とする請求項1〜3の
    いずれか一項に記載の主軸装置。
  6. 【請求項6】 クランプ解除時に軸受ケースの単位時間
    当たりの軸方向変位量を検出し、所定の変位量よりも小
    さい場合に圧力室を加圧して軸受ケースをクランプする
    時間を長くし、大きい場合にはクランプ時間を短くする
    ことを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の
    主軸装置。
  7. 【請求項7】 熱膨張による軸方向伸びを軸方向移動に
    より許容する軸受部分のクランプ解除時の内外輪の単位
    時間当たりの軸方向変位量の差を検出し、所定の値より
    も小さい時に圧力室を加圧して軸受ケースをクランプす
    る時間を長くし、大きい時にはクランプ時間を短くする
    ことを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の
    主軸装置。
  8. 【請求項8】 スリーブと軸受ケースの間に転動体が配
    置されたことを特徴とする請求項1〜7のいずれか一項
    に記載の主軸装置。
  9. 【請求項9】 スリーブ内周面と軸受ケース外周面に耐
    摩耗性材料による被覆層が形成されることを特徴とする
    請求項1〜8のいずれか一項に記載の主軸装置。
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