JP2008095668A - 可変動弁機構付き内燃機関 - Google Patents

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Abstract

【課題】片弁可変制御時に実圧縮比の低下を抑制することが可能な可変動弁機構付き内燃機関を提供する。
【解決手段】切換対象バルブの開弁特性が固定され、他の吸気バルブの開弁特性が連続可変とされる片弁可変制御時において、通常は、破線L1で示すように、切換対象バルブの閉弁時期が下死点BDCよりも遅角側にされる。本発明では、実圧縮比向上のため、実線L2,L3で示すように、片弁可変制御時の切換対象バルブの閉弁時期が下死点付近にされる。また、ポンピングロス抑制のため、実線L5で示すように、片弁可変制御時の切換対象バルブのリフト量が、一点鎖線L4で示す両弁可変制御時の最大リフト量と同等にされる。
【選択図】図7

Description

本発明は、バルブ開弁特性を機械的に変更可能な可変動弁機構を吸気系に有する可変動弁機構付き内燃機関に係り、特に、片弁可変制御と両弁可変制御とを切り換え可能な可変動弁機構付き内燃機関に関する。
内燃機関の運転状態に応じて、バルブの開弁特性を機械的に変更可能な可変動弁機構を有する装置が知られている(例えば、特許文献1参照。)。
また、内燃機関の運転状態に応じて、複数のバルブの開弁特性を可変とする両弁可変制御と、特定バルブの開弁特性を固定する片弁可変制御とを選択的に実行可能な装置が知られている(例えば、特許文献2参照)。この装置によれば、片弁可変制御を実行することで、燃焼室内において旋回流(以下「スワール」という。)を発生させることができる。
特開2003−239712号公報 特開2004−100555号公報 国際公開第2006/025565号パンフレット
ところで、片弁可変制御時に開弁特性が固定される特定バルブ(切換対象バルブ)の作用角及びリフト量は、スワールの要求から決定される。しかしながら、片弁可変制御時の特定バルブの閉弁時期については、従来十分に考慮されていなかった。このため、片弁可変制御時に特定バルブの閉弁時期が下死点よりも遅角側となることで、実圧縮比が低下する場合があった。
本発明は、上述のような課題を解決するためになされたもので、片弁可変制御時に実圧縮比の低下を抑制することが可能な可変動弁機構付き内燃機関を提供することを目的とする。
第1の発明は、上記の目的を達成するため、機械式の可変動弁機構を吸気系に有する内燃機関であって、
前記内燃機関の運転状態に応じて、複数の吸気バルブの作用角及びリフト量を共に変更可能な両弁可変制御と、切換対象バルブである少なくとも1つの吸気バルブの作用角及びリフト量を固定すると共に他の吸気バルブの作用角及びリフト量を変更可能な片弁可変制御とを切り換える切換手段と、
制御軸の位置に応じて揺動可能に設けられ、両弁可変制御時に主カムの押圧力を前記複数の吸気バルブに伝達する揺動部材と、
片弁可変制御時に第2カムの押圧力を前記切換対象バルブに伝達する固定アームとを備え、
前記第2カムは、片弁可変制御時の前記切換対象バルブの閉弁時期が下死点付近となるようなカムプロフィールを有することを特徴とする。
また、第2の発明は、第1の発明において、
前記第2カムのカムプロフィールは、片弁可変制御時の前記切換対象バルブの開弁時期が上死点付近となり、かつ、片弁可変制御時の前記切換対象バルブのリフト量が両弁可変制御時の最大リフト量と同等になるようなカムプロフィールであることを特徴とする。
また、第3の発明は、機械式の可変動弁機構を吸気系に有する内燃機関であって、
前記内燃機関の運転状態に応じて、複数の吸気バルブの作用角及びリフト量を共に変更可能な両弁可変制御と、切換対象バルブである少なくとも1つの吸気バルブの作用角及びリフト量を固定すると共に他の吸気バルブの作用角及びリフト量を変更可能な片弁可変制御とを切り換える切換手段と、
制御軸の位置に応じて揺動可能に設けられ、両弁可変制御時に主カムの押圧力を前記複数の吸気バルブに伝達する揺動部材と、
片弁可変制御時に第2カムの押圧力を前記切換対象バルブに伝達する固定アームとを備え、
片弁可変制御時の前記切換対象バルブの閉弁時期が下死点付近となるように、カム軸における前記主カムと前記第2カムとの相対位置が調整されたことを特徴とする。
また、第4の発明は、第3の発明において、
前記主カムと前記第2カムとは同一のカムプロフィールを有しており、
前記第2カムの位置が、前記主カムの位置よりも進角側であることを特徴とする。
また、第5の発明は、第4の発明において、
排気バルブの開弁特性を変更可能な第2可変動弁機構と、
前記第2可変動弁機構により、片弁可変制御時の前記排気バルブの閉弁時期を、両弁可変制御時に比して進角側とする制御手段とを更に備えたことを特徴とする。
第1の発明によれば、片弁可変制御時に、第2カムの押圧力が固定アームを介して切換対象バルブに伝達される。この第2カムは、切換対象バルブの閉弁時期が下死点付近となるようなカムプロフィールを有している。よって、片弁可変制御時に、切換対象バルブは下死点付近で閉弁されるため、実圧縮比を向上させることができる。
第2の発明によれば、第2カムは、片弁可変制御時の切換対象バルブのリフト量が両弁可変制御時の最大リフト量と同等になるようなカムプロフィールを有している。片弁可変制御時の切換対象バルブのリフト量は、両弁可変制御時の最大リフト量と同等となるため、ポンピングロスを低減することができる。さらに、第2カムは、片弁可変制御時の切換対象バルブの開弁時期が上死点となるようなカムプロフィールを有している。よって、片弁可変制御時に、切換対象バルブは上死点付近で開弁されるため、排気バルブの開弁特性を変更することなく、吸気通路への吹き返し量(内部EGR量)の増加を抑制することができる。
第3の発明によれば、カム軸における主カムと第2カムとの相対位置を調整することで、片弁可変制御時の切換対象バルブの閉弁時期が下死点付近で閉弁されるため、片弁可変制御時に実圧縮比を向上させることができる。
第4の発明によれば、第2カムの位置を主カムの位置よりも進角側に調整することで、主カムと第2カムを同一のカムプロフィールとすることができる。よって、生産性を向上させることができる。
第5の発明によれば、片弁可変制御時の排気バルブ閉弁時期を両弁可変制御時に比して進角側にすることで、バルブオーバーラップ期間を制御することができ、内部EGR量を制御することができる。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。尚、各図において共通する要素には、同一の符号を付して重複する説明を省略する。
実施の形態1.
[システムの構成]
図1は、本発明の実施の形態1のシステム構成を説明するための図である。本実施の形態1のシステムは、内燃機関1を備えている。内燃機関1は、複数の気筒2を有している。図1には、複数気筒のうちの1気筒のみを示している。
内燃機関1は、内部にピストン3を有するシリンダブロック4を備えている。ピストン3は、クランク機構を介してクランクシャフト5と接続されている。クランクシャフト5の近傍には、クランク角センサ5Aが設けられている。クランク角センサ5Aは、クランクシャフト5の回転角度(クランク角度CA)を検出するように構成されている。また、シリンダブロック4には、冷却水温Twを検出する水温センサ6が設けられている。
シリンダブロック4の上部にはシリンダヘッド8が組み付けられている。ピストン3上面からシリンダヘッド8までの空間は燃焼室10を形成している。シリンダヘッド8には、燃焼室10内に直接燃料を噴射するインジェクタ9が設けられている。また、シリンダヘッド8には、燃焼室10内の混合気に点火する点火プラグ11が設けられている。
シリンダヘッド8は、燃焼室10と連通する吸気ポート12を備えている。吸気ポート12と燃焼室10との接続部には吸気バルブ14が設けられている。本実施の形態1のシステムは、気筒毎に設けられた複数の吸気ポート12に対応して複数の吸気バルブ14を備えている。図1には、吸気ポート12と吸気バルブ14とをそれぞれ1つずつ示している。吸気バルブ14と吸気カム軸15に設けられた吸気カム(主カム)16との間には、可変動弁装置18が設けられている。可変動弁装置18は、吸気バルブ14の開弁特性を機械的に変更可能に構成されている。なお、可変動弁装置18の詳細については、後述する。また、吸気カム軸15は、クランクシャフト5の駆動力により回転駆動可能である。
吸気ポート12には、吸気通路19が接続されている。吸気通路19の途中にはサージタンク21が設けられている。サージタンク21の上流にはスロットルバルブ22が設けられている。スロットルバルブ22は、スロットルモータ23により駆動される電子制御式のバルブである。スロットルバルブ22は、アクセル開度センサ24により検出されるアクセル開度AAに基づいて駆動されるものである。スロットルバルブ22の近傍には、スロットル開度TAを検出するスロットル開度センサ25が設けられている。スロットルバルブ22の上流には、エアフロメータ26が設けられている。エアフロメータ26は吸入空気量Gaを検出するように構成されている。エアフロメータ26の上流にはエアクリーナ27が設けられている。
また、シリンダヘッド8は、燃焼室10と連通する排気ポート28を備えている。排気ポート28と燃焼室10との接続部には排気バルブ29が設けられている。排気バルブ29は、可変動弁機構30に接続されている。この可変動弁機構30は、排気バルブ29のバルブタイミングを変更可能に構成されている。排気ポート28には排気通路31が接続されている。排気通路31には、排気ガスを浄化する触媒34が設けられている。触媒34の上流には、排気空燃比を検出する空燃比センサ32が設けられている。
また、本実施の形態のシステムは、制御装置としてのECU(Electronic Control Unit)60を備えている。ECU60の出力側には、インジェクタ9、点火プラグ11、可変動弁装置18、スロットルモータ23、可変動弁機構30のほか、後述するポンプ82及びOCV84(図5参照)等が接続されている。ECU60の入力側には、クランク角センサ5A、水温センサ6、アクセル開度センサ24、スロットル開度センサ25、エアフロメータ26、空燃比センサ31のほか、後述する油圧センサ87(図5参照)等が接続されている。ECU60は、各センサの出力に基づいて、燃料噴射制御や点火時期制御のような内燃機関全体の制御を実行する。
また、ECU60は、クランク角センサ5Aの出力に基づいて、機関回転数NEを算出する。また、ECU60は、アクセル開度AAやスロットル開度TA等に基づいて、内燃機関1に要求される負荷KLを算出する。さらに、ECU60は、運転状態(NE,KL)に応じて、燃焼室10内で発生させるスワールの要求値を算出する。ECU60は、該スワールの要求値を実現させるべく、制御軸41の位置を制御することで吸気バルブ14の開弁特性を制御する。
[可変動弁装置の構成]
図2は、図1に示すシステムにおいて、可変動弁装置18の構成を説明するための斜視図である。
図2に示すように、吸気カム軸15には、1気筒当たり2つの吸気カム16,17が設けられている。そして、第1吸気カム(以下「主カム」という。)16を中心にして、2つの吸気バルブ14L,14Rが左右対称に配置されている。主カム16と吸気バルブ14L,14Rとの間には、主カム16の回転運動に各吸気バルブ14L,14Rのリフト運動を連動させる可変動弁機構40L,40Rがそれぞれ設けられている。一方、主カム16よりも高いカム高さを有する第2吸気カム(以下「大リフトカム」ともいう。)17は、主カム16との間で、第2吸気バルブ14Rを挟むようにして配置されている。大リフトカム17のカムプロフィールについては、後述する(図7参照)。大リフトカム17と第2吸気バルブ14Rとの間には、大リフトカム17の回転運動に第2吸気バルブ14Rのリフト運動を連動させる固定動弁機構70が設けられている。本可変動弁装置18は、第2吸気バルブ14Rのリフト連動の連動先を、後述するアーム結合機構72を用いて可変動弁機構40Rと固定動弁機構70との間で選択的に切り換えることができるように構成されている。
(1)可変動弁機構の構成
図3は、図2に示す可変動弁装置18における可変動弁機構40の構成を説明するための図である。具体的には、図3は、可変動弁機構40を吸気カム軸15の軸方向から見た図である。尚、左右の可変動弁機構40L,40Rは、基本的には、主カム16に対して対称形であるので、ここでは左右の可変動弁機構40L,40Rを区別することなくその構成を説明する。また、本明細書および図面では、左右の可変動弁機構40L,40Rを区別しないときには、単に可変動弁機構40と表記する。同様に、可変動弁機構40L,40Rの各構成部品や吸気バルブ14L,14R等の対称に配置されている部品については、特に区別をする必要がある時以外は、左右を区別するL、Rの記号は付けないものとする。
図3に示すように、ロッカーアーム35は吸気バルブ14によって支持されている。可変動弁機構40は、主カム16とロッカーアーム35との間に介在している。可変動弁機構40は、主カム16の回転運動とロッカーアーム35の揺動運動との連動状態を連続的に変化させるように構成されている。
可変動弁機構40は、吸気カム軸15と平行に配置された制御軸41を有している。この制御軸41は、図示しない駆動機構により回転駆動される。例えば、駆動機構は、制御軸41に固定されたウォームホイールと、該ウォームホイールと噛み合わされるウォームギヤと、該ウォームギヤが固定された出力軸を有する電動モータとを備えている。
図3に示すように、制御軸41には、制御アーム42がボルト43によって固定されている。制御アーム42の一部は、制御軸41の径方向に突出している。制御アーム42の突出部には、中間アーム44がピン45によって取り付けられている。ピン45は、制御軸41の中心から偏心した位置に配置されている。よって、中間アーム44は、ピン45を中心にして揺動するように構成されている。中間アーム44の先端部には、後述するローラ52,53が回転可能に設けられている。
制御軸41には、揺動アーム50が揺動可能に支持されている。揺動アーム50は、主カム16に対向する側に、スライド面50aを有している。スライド面50aは、第2ローラ53に接触するように形成されている。スライド面50aは、第2ローラ53が揺動アーム50の先端側から制御軸41の軸中心側に向かって移動するほど、主カム16との間隔が徐々に狭まるような曲面で形成されている。また、揺動アーム50は、スライド面50aの反対側に、揺動カム面51を有している。揺動カム面51は、揺動アーム50の揺動中心からの距離が一定となるように形成された非作用面51aと、非作用面51aから離れた位置ほど制御軸41の軸中心からの距離が遠くなるように形成された作用面51bとで構成されている。
スライド面50aと主カム16の周面との間には、第1ローラ52と第2ローラ53が配置されている。より具体的には、第1ローラ52は、主カム16の周面と接触するように配置されている。また、第2ローラ53は、揺動アーム50のスライド面50aに接触するように配置されている。第1ローラ52と第2ローラ53とは、上記中間アーム44の先端部に固定された連結軸54によって回転自在に支持されている。中間アーム44は、ピン45を支点として揺動するので、これらのローラ52,53もピン45から一定距離を保ちながらスライド面50aおよび主カム16の周面に沿って揺動する。
また、揺動アーム50には、バネ座50bが形成されている。このバネ座50bには、ロストモーションスプリング38の一端が掛けられている。ロストモーションスプリング38の他端は、内燃機関の静止部位に固定されている。ロストモーションスプリング38は圧縮バネである。ロストモーションスプリング38から受ける付勢力により、揺動アーム50のスライド面50aが第2ローラ53に押し当てられ、更に、第1ローラ52が主カム16に押し当てられる。これにより、第1ローラ52及び第2ローラ53は、スライド面50aと主カム16の周面とに両側から挟み込まれた状態で位置決めされる。
揺動アーム50の下方には、上記ロッカーアーム35が配置されている。ロッカーアーム35には、揺動カム面51に対向するようにロッカーローラ36が設けられている。ロッカーローラ36は、ロッカーアーム35の中間部に回転自在に取り付けられている。ロッカーアーム35の一端は、バルブ14のバルブシャフト14aによって支持されており、ロッカーアーム35の他端は、油圧式ラッシュアジャスタ37によって回転自在に支持されている。リフト作動の際、バルブシャフト14aは、バルブスプリング14bによって、閉方向、すなわち、ロッカーアーム35を押し上げる方向に付勢されている。ロッカーローラ36は、この付勢力と油圧式ラッシュアジャスタ37によって揺動アーム50の揺動カム面51に押し当てられている。
上述した可変動弁機構40の構成によれば、主カム16の回転に伴って、主カム16の押圧力が第1ローラ52及び第2ローラ53を介してスライド面50aに伝達される。その結果、揺動カム面51とロッカーローラ56との接点が非作用面51aから作用面51bにまで及ぶと、ロッカーアーム35が押し下げられ、バルブ14が開弁する。
また、可変動弁機構40の構成によれば、制御軸41の回転角度(回転位置)を変化させると、スライド面50a上における第2ローラ53の位置が変化し、リフト動作時の揺動アーム50の揺動範囲が変化する。より具体的には、制御軸41を図3における反時計回り方向に回転させると、スライド面50a上における第2ローラ53の位置が揺動アーム50の先端側に移動する。そうすると、主カム16の押圧力が伝達されることで揺動アーム50が揺動動作を開始した後に、現実にロッカーアーム35が押圧され始めるまでに要する揺動アーム50の回転角度は、制御軸41が図3における反時計回り方向に回転するほど大きくなる。つまり、制御軸41を図3における反時計回り方向に回転させることにより、バルブ14の作用角及びリフト量を小さくすることができる。逆に、制御軸41を時計回り方向に回転させることにより、バルブ14の作用角及びリフト量を大きくすることができる。
(2)固定動弁機構の構成
次に、図2及び図4を参照して、固定動弁機構70の構成について説明する。図4は、図2に示す可変動弁機構40及び固定動弁機構70を示す分解斜視図である。
図2に示すように、固定動弁機構70は、大リフトカム17と第2揺動アーム50Rとの間に介在している。固定動弁機構70は、第2揺動アーム50Rの揺動運動を大リフトカム17の回転運動に連動させるものである。固定動弁機構70は、大リフトカム17によって駆動される大リフトアーム71と、大リフトアーム71を第2揺動アーム50Rに結合させるアーム結合機構72(図4参照)とを備えている。アーム結合機構72は、後述するピン74、油圧室75、ピン穴76、リターンスプリング77及びピストン78によって構成されている。
大リフトアーム71は、制御軸41上に第2揺動アーム50Rと並んで配置され、第2揺動アーム50Rとは独立して回転可能となっている。大リフトアーム71には、大リフトカム17の周面に接触する入力ローラ(以下「大リフトローラ」という。)73が回転可能に支持されている。
図4に示すように、大リフトアーム71には、バネ座71aが形成されている。このバネ座71aには、上記揺動アーム50と同様に、図示しないロストモーションスプリングが掛けられている。このロストモーションスプリングのバネ力によって、大リフトローラ73が大リフトカム17の周面に押し当てられる。
大リフトアーム71は、第2揺動アーム50Rに向けて出し入れ可能なピン74を備えている。大リフトアーム71には、第2揺動アーム50R側に開口部を有する油圧室75が形成されている。この油圧室75内にピン74が嵌め込まれている。油圧室75は、後述する油圧系に接続されている。後述する油圧系(図5参照)により油圧室75内の油圧が高められた場合に、ピン74は、その油圧によって油圧室75から第2揺動アーム50Rに向けて押し出される。
一方、第2揺動アーム50Rには、大リフトアーム71側に開口部を有するピン穴76が形成されている。ピン74とピン穴76は、制御軸41を中心とする同じ円弧上に配置されている。これにより、第2揺動アーム50Rが大リフトアーム71に対して所定の回転角度に位置したとき、ピン穴76の位置とピン74の位置とが一致するようになっている。ピン穴76内には、その奥側からリターンスプリング77と、リフタとしてのピストン78とが配置されている。
図5は、ピン74を作動させるための油圧系の構成を示す概略図である。より詳細には、図5(A)はOCV84非作動時の油圧系を、図5(B)はOCV84作動時の油圧系をそれぞれ示す図である。
図5に示すように、制御軸41内には、油路81が形成されている。この油路81は、油圧室75と、制御軸41と大リフトアーム71との摺動隙間と、制御軸41と第2揺動アーム50Rとの摺動隙間とにそれぞれ接続されている。また、この油路81は、ポンプ82に接続されている。油路81の途中には、排出路83が接続されている。油路81と排出路83との接続部には、オイルコントロールバルブ(以下「OCV」という。)84が設けられている。OCV84は、例えば、ECU60から電圧が印加されると作動する電磁駆動弁である。このOCV84をバイパスする油路85には、オリフィス86が設けられている。このオリフィス86は、OCV84非作動時に、各アーム50L,50R,71の軸受潤滑のための油量調整を行うものである。また、本油圧系は、油圧センサ87を備えている。油圧センサ87は、油路81内の油圧を検出するように構成されている。
ECU60からOCV84に電圧が印加されず、OCV84が非作動中である間は、ポンプ82により加圧された潤滑油は、排出路83を通って排出される。このとき、オリフィス86により流量調整された油量、すなわち、アーム50L,50R,71の軸受潤滑に必要な油量に調整されるめ、ピン74に掛かる油圧は低くなる。よって、ピン74に掛かる油圧負荷が解除される。
一方、ECU60からOCV84に電圧が印加され、OCV84が作動すると、ポンプ82により加圧された潤滑油は、油路81を通って上記摺動隙間及び油圧室75に供給される。このとき、ピン74に掛かる油圧が高くなる。すなわち、ピン74に掛かる油圧負荷が維持される。
このように、OCV84を用いて油圧室75内の油圧(すなわち、ピン74に掛かる油圧)を制御することにより、ピン74を作動させることができる。
[実施の形態1の特徴]
(片弁可変制御)
上記システムでは、第2揺動アーム50Rが大リフトアーム71に対して所定の回転角度に位置したとき、ピン74とピン穴76の位置が一致する。ピン穴76の位置とピン74の位置とが一致したとき、ピン74はピストン78に当接する。このとき、リターンスプリング77がピストン78を押す力よりも、油圧室75内の油圧がピン74を押す力の方が大きければ、ピン74は、ピストン78をピン穴76の奥に押し込むようにしてピン穴76内に進入する。つまり、OCV84を作動させて油圧室75内の油圧を上げることで、ピン74をピン穴76に挿入することができる(図5(B)参照)。ピン74がピン穴76内に挿入されると、第2揺動アーム50Rと大リフトアーム71とが連結される。これにより、第2吸気バルブ14Rのリフト運動の連動先を可変動弁機構20Rから固定動弁機構70へ切り換えることができる。
この場合、第2揺動アーム50Rには、吸気カム軸15の回転運動が第2吸気カム14から大リフトアーム71を介して伝達される。第2吸気バルブ14Rの開弁特性は、大リフトカム17、大リフトアーム71および第2揺動アーム50Rの形状及び位置関係によって機械的に決まり、制御軸41の回転角度に関係なく常に一定の開弁特性(大作用角/大リフト量)に固定される。すなわち、第2吸気バルブ14Rの開弁特性を一定とする一定制御が行われる。
これに対し、第1揺動アーム50Lには、主カム16から第1ローラ52及び第2ローラ53Lを介して吸気カム軸15の回転運動が伝達される。よって、第1吸気バルブ14Lの開弁特性は、制御軸41の回転角度に連動して変化することになる。
従って、第2吸気バルブ14Rの開弁特性を固定した状態で、第1吸気バルブ14Lの開弁特性のみを制御軸41の回転角度に連動させて変化させることができる片弁可変制御を行うことができる。
(両弁可変制御)
一方、ピン穴76の位置とピン74の位置とが一致したときに、OCV84を非作動にして油圧室75内の油圧を下げることで、ピン74をピン穴76から抜くことができる(図5(A)参照)。これにより、大リフトアーム71と第2揺動アーム50Rとの連結が解除される。よって、第2吸気バルブ14Rのリフト運動の連動先を固定動弁機構70から可変動弁機構20Rへ切り換えることができる。
この場合、カム軸15の回転運動は、主カム16から第1及び第2ローラ52,53を介して、第1及び第2揺動アーム50L,50Rのそれぞれのスライド面50aに伝達される。よって、第1吸気バルブ14L及び第2吸気バルブ14Rの開弁特性は、同一であり、制御軸41の回転に連動して変化することとなる。すなわち、第2吸気バルブ14Rの開弁特性を可変とする可変制御が行われる。
従って、第1吸気バルブ14Lの開弁特性と第2吸気バルブ14Rの開弁特性とを制御軸41の回転角度に連動させて共に変化させることができる両弁可変制御を行うことができる。
図6は、片弁可変領域及び両弁可変領域の一例を示す図である。
図6に示すように、吸気バルブ14の開弁特性制御は、機関回転数NEと負荷KLとによって定められる運転領域によって決められる。
低回転から中回転の運転領域、すなわち、図6に示す片弁可変領域では、スワールを発生させることが要求される。よって、上記片弁可変制御が行われる。この片弁可変領域では、ピン74により第2揺動アーム50Rと大リフトアーム71とが連結されている。このため、第2吸気バルブ14Rの開弁特性が大作用角/大リフト量に固定される。第1吸気バルブ14Lの作用角/リフト量は、制御軸41の回転角度に応じて連続的に変更される。すなわち、内燃機関の運転状態(機関回転数NE、負荷KL)に応じて制御軸41の回転角度をECU60により制御することで、該運転状態に最適なスワールを連続的に変化させながら発生させることができる。これにより、内燃機関の燃焼状態を良好にすることができる。燃焼状態を良好にすることで、燃費を向上させることができ、排気エミッション特性(特に、排出NOx量の低減効果)を向上させることができる。
一方、高回転の運転領域、すなわち、図6に示す両弁可変領域では、スワールを発生させることが要求されない。よって、上記両弁可変制御が行われる。この両弁可変領域では、ピン74は大リフトアーム71内に収まっている。このため、第1吸気バルブ14Lと共に第2吸気バルブ14Rの作用角/リフト量も連続的に変更される。よって、制御軸41の回転角度に応じて、両方の吸気バルブ14L,14Rの開弁特性は共に等しいリフト量/作用角とされる。例えば、高回転高負荷領域では、多くの吸入空気量を得ることが要求されるため、両方の吸気バルブ14L,14Rの開弁特性が共に再大作用角/再大リフト量に制御される(図7(B)におけるL4)。
なお、図6に示すように、両弁可変領域と片弁可変領域との境界は、ピン穴76に対してピン74の抜き差しが実行されるピン作動線となる。このピン作動線は、冷却水温Twに応じて変更することができる。すなわち、冷却水温Twに応じて、両弁可変領域と片弁可変領域とをそれぞれ定めることができる。
図7は、第2吸気バルブ14Rのリフト特性を示す図である。具体的には、図7(A)は、両弁可変制御時の第2吸気バルブ14Rのリフト特性を示す図であり、図7(B)は、片弁可変制御時の第2吸気バルブ14Rのリフト特性を示す図である。
両弁可変制御時には、図7(A)に示すように、第2吸気バルブ14Rの作用角/リフト量は、連続的に変更される。すなわち、上述したように、制御軸41の回転角度を制御することで、第2吸気バルブ14Rの作用角/リフト量を連続的に変更することができる。また、片弁可変制御時には、可変側の第1吸気バルブ14Lの作用角/リフト量は、上記両弁可変制御時の第2吸気バルブ14Rと同様に、連続的に変更される。
一方、第2吸気バルブ14Rの作用角/リフト量は、大作用角/大リフト量に固定される。
ここで、片弁可変制御時に固定される吸気バルブの一般的なリフト特性を、図7(B)において破線L1により示す。この破線L1で示されるリフト特性によれば、バルブ閉弁時期が下死点BDCよりも遅角側となっている。この破線L1で示される従来の一般的なリフト特性は、スワールの要求から決定されたものであり、バルブ閉弁時期については十分に考慮されていない。破線L1で示すリフト特性のように、バルブ閉弁時期が下死点よりも遅角側にされると、実圧縮比が低下してしまう可能性がある。
そこで、本実施の形態1では、図7(B)において実線L2,L3で示すように、バルブ閉弁時期が下死点付近となるように、片弁可変制御時に固定される第2吸気バルブ14Rのリフト特性が決定される。すなわち、大リフトカム17が、第2吸気バルブ14Rの閉弁時期が下死点付近となるようなカムプロフィールを有するように形成される。これにより、片弁可変制御時に、第2吸気バルブ14Rの閉弁時期が下死点付近とされるため、実圧縮比の低下を抑制することができる。なお、実線L2は、破線L1で示すリフト特性の作用角を小さくしたリフト特性である。また、実線L3は、両弁可変制御時で閉弁時期が下死点となる場合のリフト特性と同じリフト特性である。
これらの実線L2,L3で示されるリフト特性によれば、バルブ開弁時期が上死点付近とされている。すなわち、大リフトカム17が、第2吸気バルブ14Rの開弁時期が上死点付近となるようなカムプロフィールを有するように形成されている。このため、排気バルブ29のバルブタイミングを操作しなくとも、第2吸気バルブ14Rと排気バルブ29とが共に開弁しているバルブオーバーラップの期間が無いか或いは短くされる。よって、バルブオーバーラップによる既燃ガスの吹き返し量、すなわち、内部EGR量の増加を抑制することができ、燃焼安定性の悪化を抑制することができる。
また、図7(B)において、両弁可変制御時で最大作用角/最大リフト量に制御した場合の吸気バルブのリフト特性を、一点鎖線L4により示す。この一点鎖線L4で示されるリフト特性は、上記実線L2,L3で示されるリフト特性に比してリフト量が大きい。さらに、この一点鎖線L4で示されるリフト特性は、上記破線L1で示されるリフト特性に比してもリフト量が大きい。上述したように、上記破線L1示されるリフト特性は、スワールの要求から決定されており、一般的にはリフト量が両弁可変制御時の最大リフト量よりも小さくされている。
ここで、片弁可変制御時には、連続可変とされる第1吸気バルブ14Lのリフト量は、固定される第2吸気バルブ14Rのリフト量よりも小さくされる。よって、片弁可変制御時のポンピングロスは、第2吸気バルブ14Rのリフト量によって定まることとなる。すなわち、片弁可変制御時のポンピングロスをできるだけ抑制するためには、第2吸気バルブ14Rのリフト量をできるだけ大きくすることが望ましい。
そこで、図7(B)において実線L5で示すように、第2吸気バルブ14Rの開弁時期が上死点付近となり、閉弁時期が下死点付近となり、かつ、リフト量が両弁可変制御時の最大リフト量と同等となるように、片弁可変制御時に固定される第2吸気バルブ14Rのリフト特性が決定される。すなわち、大リフトカム17が、第2吸気バルブ14Rの開弁時期が上死点付近となり、閉弁時期が下死点付近となり、かつ、リフト量が両弁可変制御時の最大リフト量と同等となるようなカムプロフィールを有するように形成されている。これにより、片弁可変制御時の第2吸気バルブ14Rのリフト量が、両弁可変制御時の吸気バルブ14L,14Rの最大リフト量と同等にされる。このため、片弁可変制御時に、可変側の第1吸気バルブ14Lのリフト量が小さい場合であっても、第2吸気バルブ14Rのバルブ開口面積が大きくされるため、ポンピングロスを抑制することができる。
さらに、この実線L5で示されるリフト特性によれば、実圧縮比の低下を抑制することができると共に、排気バルブ29のバルブタイミングを操作しなくとも内部EGRを少なくすることができ、燃焼安定性の悪化を抑制することができる。
かかる実線L5で示すリフト特性によれば、片弁可変制御時の第2吸気バルブ14Rのリフト量/作用角が、両弁可変制御時の最大リフト量と同等のリフト量、かつ、該最大リフト時の作用角よりも小さい作用角にされる。そこで、この実線L5で示されるリフト特性が、バルブ動作時(開閉時)の慣性力を考慮して実現可能か否かを検討する。
図8は、片弁可変制御時の第2吸気バルブ14Rのリフト量、加速度及び速度を説明するための図である。具体的には、図8(A)は、片弁可変制御時の第2吸気バルブ14Rのリフト量を示す図であり、図8(B)は片弁可変制御時の第2吸気バルブ14Rの加速度を示す図であり、図8(C)は片弁可変制御時の第2吸気バルブ14Rの速度を示す図である。
上記実線L5で示されるリフト特性を実現するためには、図8(C)において破線で示すバルブ速度の立ち上がり及び立ち上がりを大きくすることが必要である。すなわち、図8(B)において破線で示すようなバルブ加速度を実現することが必要である。図8(B)において、、図7(B)の実線L3で示されるリフト特性が得られる時の加速度を、実線で示している。これより、実線L5で示されるリフト特性を実現するためには、実線L3で示されるリフト特性を実現する場合の加速度よりも、正(+)側でより大きくすると共に負(−)側でより小さくすることが必要である。このような加速度を第2吸気バルブ14Rに与える場合、バルブスプリング14bが慣性力に追従できないときには、図8(A)において一点鎖線で示すジャンプや、同図において破線で示すバウンスのようなバルブ動作不良を生じてしまう。
しかしながら、図6に示すように、片弁可変制御は低回転域〜中回転域で実施される。より具体的には、機関回転数NEが2000〜3000rpmで、片弁可変制御が実施される。上記慣性力は、機関回転数NEの2乗に比例するため、かかる低回転域〜中回転域では慣性力はさほど大きくならない。従って、実線L5で示されるリフト特性(つまり、小作用角/最大リフト量)を実現することができる。
以上説明したように、本実施の形態1によれば、大リフトカム17のカムプロフィールにより実線L2,L3,L5のようなリフト特性を実現することで、片弁可変制御時の第2吸気バルブ14Rの閉弁時期が下死点付近にされる。これにより、片弁可変制御時に実圧縮比の低下を抑制することができる。
さらに、本実施の形態1によれば、この大リフトカム17のカムプロフィールにより実線L2,L3,L5のようなリフト特性を実現することで、片弁可変制御時の第2吸気バルブ14Rの開弁時期が上死点付近にされる。これにより、片弁可変制御時に排気バルブ29のバルブタイミングを操作しなくとも内部EGRを少なくすることができ、燃焼安定性の悪化を抑制することができる。
また、本実施の形態1によれば、この大リフトカム17のカムプロフィールにより実線L5のようなリフト特性を実現することで、片弁可変制御時の第2吸気バルブ14Rのリフト量が、両弁可変制御時の最大リフト量と同等にされる。これにより、片弁可変制御時にポンピングロスを抑制することができる。
なお、本実施の形態1においては、吸気バルブ14L,14Rが第1及び第3の発明における「吸気バルブ」に、第2吸気バルブ14Rが第1及び第3の発明における「切換対象バルブ」に、第1吸気バルブ14Lが第1及び第3の発明における「他の吸気バルブ」に、アーム結合機構72が第1及び第3の発明における「切換手段」に、制御軸41が第1及び第3の発明における「制御軸」に、主カム16が第1の発明における「主カム」に、揺動アーム50L,50Rが第1及び第3の発明における「揺動部材」に、大リフトカム17が第1及び第2の発明における「第2カム」に、大リフトアーム71が第1及び第3の発明における「固定アーム」に、それぞれ相当している。
実施の形態2.
次に、図9から図11を参照して、本発明の実施の形態2について説明する。以下、本実施の形態2では、上記実施の形態1との相違点を中心に説明することとする。
上記実施の形態1では、主カム16と大リフトカム17のカムプロフィールを異なるようにした。具体的には、大リフトカム17のカムプロフィールを、片弁可変制御時に第2吸気バルブ14Rのリフト特性が図7(B)において実線L2,L3,L5で示すようなリフト特性となるように形成した。
図9は、本実施の形態2において、吸気カム軸15における主カム16Aと第2カム17Aとの相対位置を説明するための図である。図9に示すように、片弁可変制御時に第2吸気バルブ14Rのために用いられる第2カム17Aは、両弁可変制御時に用いられる主カム16Aと同じカムプロフィールを有している。さらに、片弁可変制御時に第2吸気バルブ14Rの閉弁時期が下死点付近となるように、吸気カム軸15における第2カム17Aの位置が調整されている。また、吸気カム軸15における主カム16Aの位置は、上記実施の形態1における主カム16の位置と同じである。よって、図9に示すように、第2カム17Aのカムノーズが、主カム16Aのカムノーズよりも進角側となる。
主カム16Aと第2カム17Aの相対位置を図9に示すような位置とすることで、図10に示すように、片弁可変制御時に第2吸気バルブ14Rの閉弁時期が下死点付近とされる。これにより、上記実施の形態1と同様に、片弁可変制御時に実圧縮比の低下を抑制することができ、燃焼安定性の低下を抑制することができる。
また、上記実施の形態1においても説明したように、片弁可変制御時にポンピングロスの低下を抑制することが望ましい。そこで、本実施の形態2では、第2カム17A(及び主カム16A)が、片弁可変制御時の第2吸気バルブ14Rの作用角/リフト量が両弁可変制御時の最大作用角/リフト量と同等となるようなカムプロフィールを有するように形成される。これにより、片弁可変制御時の第2吸気バルブ14Rの作用角/リフト量が、両弁可変制御時の吸気バルブ14L,14Rの最大作用角/最大リフト量と同等にされる。このため、片弁可変制御時に、可変側の第1吸気バルブ14Lの作用角/リフト量が小さい場合であっても、固定側の第2吸気バルブ14Rのバルブ開口面積が大きくされるため、ポンピングロスを抑制することができる。
図10は、本実施の形態2において、片弁可変制御時の第2吸気バルブ14Rと排気バルブ29のリフト特性を示す図である。上述したように、実圧縮比の低下抑制のため、片弁可変制御時の第2吸気バルブ14Rの閉弁時期が下死点付近とされる。さらに、ポンピングロス抑制のため、該第2吸気バルブ14Rの作用角/リフト量が大きくされる。そうすると、図10に示すように、第2吸気バルブ14Rの開弁時期が上死点TDCよりも進角側となる場合がある。この場合、第2吸気バルブ14Rと排気バルブ29が共に開弁されるバルブオーバーラップの期間が所望の期間よりも長くなってしまう可能性がある。バルブオーバーラップ期間が長いほど、内部EGR量が多くなり、低回転域では燃焼安定性が低下する可能性がある。
そこで、本実施の形態2では、内部EGR量を所望の量に制御すべく、つまり、内部EGR量の増加を抑制すべく、図10に示すように、排気バルブ29のバルブタイミング(以下「排気バルブタイミング」という。)を進角させることとする。図11は、機関回転数NEと排気バルブタイミングの進角量との関係を示す図である。図11に示すように、機関回転数NEが低いほど、排気バルブタイミングの進角量は多くされる。つまり、ECU60は、図11に示すようなマップを参照して、機関回転数NEに応じた可変動弁機構30の駆動量を算出し、可変動弁機構30を駆動させる。これにより、片弁可変制御時の排気バルブ29の閉弁時期が、両弁可変制御時に比して進角せしめられるため、バルブオーバーラップ期間が短くされる。よって、機関回転数NEが低い場合であっても、燃焼安定性の低下を抑制することができる。
ところで、上記実施の形態2では、機関回転数NEに応じて排気バルブタイミングを進角させることで排気バルブ閉弁時期を進角させているが、排気バルブ29の作用角を小さくすることで排気バルブ閉弁時期を進角させてもよい。この場合も、上記実施の形態2と同様に、バルブオーバーラップ期間と内部EGR量を制御することができ、燃焼安定性の低下を抑制することができる。
なお、本実施の形態2においては、主カム16Aが第3及び第4の発明における「主カム」に、第2カム17Aが第3及び第4の発明における「第2カム」に、排気バルブ29が第5の発明における「排気バルブ」に、可変動弁機構30が第5の発明における「第2可変動弁機構」に、ECU60が第5の発明における「制御手段」に、それぞれ相当している。
本発明の実施の形態1のシステム構成を説明するための図である。 図1に示すシステムにおいて、可変動弁装置18の構成を説明するための斜視図である。 図2に示す可変動弁装置18における可変動弁機構40の構成を説明するための図である。 図2に示す可変動弁機構40及び固定動弁機構70を示す分解斜視図である。 ピン74を作動させるための油圧系の構成を示す概略図である。 片弁可変領域及び両弁可変領域の一例を示す図である。 第2吸気バルブ14Rのリフト特性を示す図である。 片弁可変制御時の第2吸気バルブ14Rのリフト量、加速度及び速度を説明するための図である。 本発明の実施の形態2において、吸気カム軸15における主カム16Aと第2カム17Aとの相対位置を説明するための図である。 本発明の実施の形態2において、片弁可変制御時の第2吸気バルブ14Rと排気バルブ29のリフト特性を示す図である。 機関回転数NEと排気バルブタイミングの進角量との関係を示す図である。
符号の説明
1 内燃機関
14L 第1吸気バルブ
14R 第2吸気バルブ
15 吸気カム軸
16,16A 主カム
17,17A 第2カム
29 排気バルブ
30 可変動弁機構
41 制御軸
50 揺動アーム
60 ECU
71 大リフトアーム
72 アーム結合機構

Claims (5)

  1. 機械式の可変動弁機構を吸気系に有する内燃機関であって、
    前記内燃機関の運転状態に応じて、複数の吸気バルブの作用角及びリフト量を共に変更可能な両弁可変制御と、切換対象バルブである少なくとも1つの吸気バルブの作用角及びリフト量を固定すると共に他の吸気バルブの作用角及びリフト量を変更可能な片弁可変制御とを切り換える切換手段と、
    制御軸の位置に応じて揺動可能に設けられ、両弁可変制御時に主カムの押圧力を前記複数の吸気バルブに伝達する揺動部材と、
    片弁可変制御時に第2カムの押圧力を前記切換対象バルブに伝達する固定アームとを備え、
    前記第2カムは、片弁可変制御時の前記切換対象バルブの閉弁時期が下死点付近となるようなカムプロフィールを有することを特徴とする可変動弁機構付き内燃機関。
  2. 請求項1に記載の可変動弁機構付き内燃機関において、
    前記第2カムのカムプロフィールは、片弁可変制御時の前記切換対象バルブの開弁時期が上死点付近となり、かつ、片弁可変制御時の前記切換対象バルブのリフト量が両弁可変制御時の最大リフト量と同等になるようなカムプロフィールであることを特徴とする可変動弁機構付き内燃機関。
  3. 機械式の可変動弁機構を吸気系に有する内燃機関であって、
    前記内燃機関の運転状態に応じて、複数の吸気バルブの作用角及びリフト量を共に変更可能な両弁可変制御と、切換対象バルブである少なくとも1つの吸気バルブの作用角及びリフト量を固定すると共に他の吸気バルブの作用角及びリフト量を変更可能な片弁可変制御とを切り換える切換手段と、
    制御軸の位置に応じて揺動可能に設けられ、両弁可変制御時に主カムの押圧力を前記複数の吸気バルブに伝達する揺動部材と、
    片弁可変制御時に第2カムの押圧力を前記切換対象バルブに伝達する固定アームとを備え、
    片弁可変制御時の前記切換対象バルブの閉弁時期が下死点付近となるように、カム軸における前記主カムと前記第2カムとの相対位置が調整されたことを特徴とする可変動弁機構付き内燃機関。
  4. 請求項3に記載の可変動弁機構付き内燃機関において、
    前記主カムと前記第2カムとは同一のカムプロフィールを有しており、
    前記第2カムの位置が、前記主カムの位置よりも進角側であることを特徴とする可変動弁機構付き内燃機関。
  5. 請求項4に記載の可変動弁機構付き内燃機関において、
    排気バルブの開弁特性を変更可能な第2可変動弁機構と、
    前記第2可変動弁機構により、片弁可変制御時の前記排気バルブの閉弁時期を、両弁可変制御時に比して進角側とする制御手段とを更に備えたことを特徴とする可変動弁機構付き内燃機関。
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