JP2008089195A - 炎電流検出装置および燃焼装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】電極に印加する交流電圧のばらつきによって電流検出値が変動しない炎電流検出装置を提供する。
【解決手段】バーナをアース電極1とし、バーナの火炎形成位置に配される電圧印加電極2と、これらに交流電圧を印加する交流電源3を備え、炎電流を電圧データに変換して検出する炎電流検出装置において、上記バーナと電圧印加電極2に対して並列に擬似炎電流を常時流す擬似炎回路Aを設ける。制御手段に、上記交流電圧として電圧にばらつきのない標準電圧を印加したときに擬似炎回路Aに流れる標準擬似炎電流値を記憶させておき、バーナの非燃焼時における検出電流値と標準擬似炎電流値とに基づいて補正係数を求め、バーナ燃焼時の検出電流値を補正する。
【選択図】 図1

Description

この発明は炎電流検出装置および燃焼装置に関し、より詳細には、バーナと電極との間に交流電圧を印加することによって発生する炎電流を検出する電流検出手段を備えた炎電流検出装置と、この炎電流検出装置を用いた燃焼装置に関する。
近時、給湯器や風呂装置などの小型の燃焼装置においても、燃焼時に発生する窒素酸化物(NOx)の排出量を抑制することが強く望まれており、そのための構成として、いわゆる二段燃焼方式を採用した燃焼装置が提案されている(特許文献1参照)
周知のように、この種の二段燃焼方式は、一次空気と燃料ガスとを酸素不足状態で混合した混合気に点火して一次火炎を発生(一次燃焼)させるとともに、一次燃焼により生じた未燃焼ガスに二次空気を供給して二次火炎を発生(二次燃焼)させることによって未燃ガスを完全燃焼させ、窒素酸化物の発生を抑制している。
このような二段燃焼方式を採用する燃焼装置においては、バーナに供給する空気(一次空気および二次空気)と燃料ガスの供給量を適正に保つ必要がある。換言すれば、これらの供給量を適正に保つことではじめてバーナの燃焼状態が正常状態に保たれ、その結果として、上述した未燃ガスの完全燃焼、ひいては窒素酸化物の発生の抑制が図られる。
そのため、このような二段燃焼方式を採用する燃焼装置にあっては、バーナの燃焼状態を正常に保つことが重要であり、バーナの燃焼異常を早期かつ正確に検出することが求められている。
一方、バーナが燃焼異常に陥ると、バーナに形成される火炎(炎)に変化が現れる。たとえば、バーナに供給される空気(特に一次空気)の量が減少すると、一次燃焼の際に未燃CO成分が増加するとともに、一次火炎が伸張する(一次火炎の高さが高くなる)。このような火炎の変化は、火炎中に含まれるイオン濃度の変化を伴う。そこで、本願出願人は、火炎中のイオン(炎の整流作用)を利用してバーナへの着火の有無を検出する炎電流検出装置を用いて燃焼異常を検出することを考えるに至った。
特開2004−205119号公報 実公平2−41474号公報 特公昭61−52367号公報
ところで、炎電流の電流値を検出可能な炎電流検出装置としては、特許文献2,3に示すような装置が提案されているが、本発明者らは、これらとは異なる構成の炎電流検出装置として、図7に示す炎電流検出装置を考案した。
図7は、炎電流の電流値を読み取り可能に構成した炎電流検出装置の一例を示している。この炎電流検出装置は、接地されたバーナの金属筐体をアース電極1とするとともに、バーナの火炎形成位置に当該火炎に臨ませて電圧印加電極となるフレームロッド2を配置してなり、これらに交流電圧を印加するための交流電源3がコンデンサ4,5を介して接続される(以下、この回路をフレーム回路と称する)。
そして、バーナ燃焼時にこのフレーム回路に流れる電流(炎電流)を検出するための検出回路として、上記フレームロッド2とアース電極1に対して並列に、コンデンサ6,7と、アノードをアースしたダイオード8とが接続され、このダイオード8のカソード側が演算増幅器9の非反転入力端子に接続される。この演算増幅器9は、直流電圧Vccを印加するための直流電源10および抵抗器11とともに、フレームロッド2とアース電極1との間に流れる炎電流を電圧データに変換して検出する電流検出手段を構成するもので、上記直流電源10は抵抗器11を介して演算増幅器9の非反転端子に接続されている。そして、この演算増幅器9の出力端子は、制御手段17を構成するマイコンのA/D入力ポートに接続される。
なお、図において符号12,13はそれぞれ抵抗器を示し、また、上記演算増幅器9の出力端子と反転入力端子との間には負帰還をかける抵抗器14が接続されている。さらに、図において鎖線で囲んだ部分は炎の等価回路Bを示しており、バーナが燃焼状態(燃焼時)にあり火炎が形成されているときの炎の電気的作用(整流作用)を抵抗15とダイオード16に置き換えて表したものである。したがって、バーナが消火状態(非燃焼時)にあるときはこれら抵抗15とダイオード16は存在せず、フレームロッド2とアース電極1との間は電気的に開放されている。
次に、このように構成された炎電流検出装置の動作について説明する。この電流検出装置においては、上記交流電源3により正電圧が印加されると、図中に実線の矢印に示すように電流(If,I+)が流れ、これに伴ってコンデンサ6,7が電流(I+)によって充電される。一方、上記交流電源3により負電圧が印加されると、炎の等価回路には電流は流れず、コンデンサ6,7からの放電が開始され、炎電流の検出回路には、図中の一点鎖線の矢印に示す方向に電流(I−)が流れる。その際、コンデンサ6,7は、上記(I+)と(I−)の差、すなわち、上記(If)を平均した電流で放電する。
一方、上記固定抵抗器11からは、コンデンサ6,7へ充電するために、上記(If)の平均値とバランスした電圧が演算増幅器9の非反転入力端子に入力される。
その結果、上記演算増幅器9からは炎の等価回路に流れる電流(If)に比例した電圧信号が出力され、この電圧信号を制御手段17に取り込むことにより、制御手段17において炎電流の電流値の検出が可能となる。具体的には、制御手段17は、A/D入力ポートに入力された電圧信号を電流値に換算するための換算プログラムを備えており、このプログラムに従ってA/D入力ポートに入力された電圧信号を電流値に換算し、この電流値を炎電流の電流値として読み込むように構成されている。
しかしながら、このような炎電流検出装置を用いて炎電流の電流値を検出する構成では、交流電源3の電圧がばらつくと炎電流の検出値もばらつくため、炎の状態を正確に検出することができないという問題があった。
すなわち、本出願において提案する炎電流検出装置は、上述したように、炎電流の検出値からバーナに形成される炎の状態を検出することを目的とするものである。ところが、この種の電流検出装置における交流電源3には、通常、商用電源(AC100V)を一旦直流(たとえばDC15V)に変換した後、この直流電源をDC−DCコンバータで発振して所定の交流電源(たとえばAC80V)としていることから、たとえば、80Vの交流電源の生成を目的としたDC−DCコンバータに64Vのトランスが取り付けられたような場合には、交流電源3では所期の電圧(AC80V)が得られず、その結果、電流検出値にずれが生じる。
具体的には、通常、炎の抵抗値(炎の等価回路に示す固定抵抗器15の抵抗値)は、炎の状態により数MΩから数十MΩ程度であることから、上述したように、交流電源3の電圧を80Vとすると、炎に流れる電流(フレーム電流)は数μAから十数μA程度と微小である。炎電流検出装置は、このように微小な電流値の検出を目的としていることから、たとえば交流電源3の電圧が上下に20V程度ばらつくと、検出しようとする電流値の変化量に対して電圧のばらつきが大きすぎるため、検出した電流値に基づいて炎の状態を正確に把握することができない。
本発明は、このような問題点に鑑みてなされたものであって、電極に印加する交流電圧のばらつきによって電流検出値が変動しない炎電流検出装置を提供することにより、二段燃焼方式を採用する燃焼装置において、バーナの燃焼異常を正確に検出可能にすることを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明の請求項1に記載の炎電流検出装置は、バーナと、バーナの炎に臨ませる電極と、上記バーナと上記電極との間に交流電圧を印加することによって発生する炎電流を電圧データに変換して検出する電流検出手段とを備えた炎電流検出装置において、上記バーナと上記電極に対して並列に、擬似炎電流を常時流す擬似炎回路を設けるとともに、上記交流電圧として標準電圧を印加したときに上記擬似炎回路に流れる標準擬似炎電流値を予め記憶しておく標準擬似炎電流記憶手段を設けてなり、制御手段が、バーナの燃焼時と非燃焼時のそれぞれにおける上記電流検出手段の検出電流値と、上記標準擬似炎電流記憶手段に記憶された標準擬似炎電流値とに基づいて実際の炎電流を算出することを特徴とする。
そして、この請求項1に記載の炎電流検出装置は、その好適な実施態様として、上記制御手段による実際の炎電流の算出が以下の近似式によって行なわれることを特徴とする。

(実際の炎電流)≒(標準擬似炎電流値/非燃焼時検出電流値)×(燃焼時検出電流値−非燃焼時検出電流値)
すなわち、請求項1および2に係る炎電流検出装置は、バーナ(アース電極)と電極(電圧印加電極)に対して並列に擬似炎電流を常時流す擬似炎回路が設けられることから、バーナが消火状態(非燃焼時)にあり、バーナに炎がない状態でも上記擬似炎回路には電流が流れ、上記電流検出手段においてこの状態での電流値の検出が可能とされている。
このような構成を前提に、請求項1に係る炎電流検出装置では、バーナが消火状態にあるときに上記電流検出手段で実際に検出される非燃焼時検出電流値と、上記標準擬似炎電流記憶手段に記憶された標準擬似炎電流値(交流電圧としてばらつきのない標準電圧を印加したときに上記擬似炎回路に流れる電流値)とに基づいて、制御手段が上記交流電圧のばらつき状態(補正係数)を求める。そして、制御手段は、このばらつき状態と、バーナの燃焼時および非燃焼時のそれぞれにおける上記電流検出手段の検出電流値とに基づいてバーナ燃焼時における実際の炎電流値を算出する。
具体的には、請求項2に示すように、バーナ燃焼時に電流検出手段で検出される検出電流値(燃焼時検出電流値)からバーナ非燃焼時に電流検出手段で検出される検出電流値(非燃焼時検出電流値)を減算することにより擬似炎回路に流れる電流分を取り除いた電流値(計算上得られる炎電流の電流値)を求め、この計算値に、バーナ非燃焼時に求めた上記補正係数を乗じることにより、実際の炎電流を算出する。
また、本発明の請求項3に記載の炎電流検出装置は、請求項1または2に記載の炎電流検出装置において、上記交流電圧の印加状態をオン/オフ可能なスイッチ手段を備え、上記バーナの非燃焼時において、このスイッチ手段によって上記交流電圧の印加状態を切り替えた際における上記電流検出手段の出力信号の変化状態に基づいて炎電流検出装置における回路部品の故障有無を判定する故障判定手段を備えたことを特徴とする。
すなわち、請求項3に記載の炎電流検出装置は、請求項1または2に記載の炎電流検出装置においてはバーナが消火状態にあるときでも上記擬似炎回路に電流を流すことができるという特徴を利用して、バーナの非燃焼時に故障判定手段が回路部品の故障の有無を判定する。具体的には、たとえば、交流電圧をオフからオンに切り替えた際の電圧信号の立ち上がり時間や電圧レベルのピーク値などを監視し、それらの値が正常か否かを判断し、正常でない場合には、さらに異常な値を示した原因となる回路部品を特定する。
また、請求項4に記載の炎電流検出装置は、請求項1から3のいずれかに記載の炎電流検出装置において、上記バーナの非燃焼時における検出電流値と、予め記憶された非燃焼時における基準電流値との比較結果に基づいて上記バーナと上記電極との間の絶縁劣化状態を判定する絶縁劣化判定手段を備え、絶縁劣化判定手段によって絶縁劣化と判定した場合に、その旨を所定の報知手段において報知するか、あるいは、上記制御手段における炎検出電流の電圧データ閾値を変更するかの少なくともいずれか1つを実行することを特徴とする。
すなわち、この請求項4に記載の炎電流検出装置も、上述した請求項3に記載の炎電流検出装置と同様に、請求項1から3に記載の炎電流検出装置では、バーナが消火状態にあるときでも擬似炎回路に電流が流れることを利用している。具体的には、バーナ非燃焼時の検出電流値と、予め記憶された非燃焼時における基準電流値(バーナと電極間に絶縁劣化がないときの電流値)との比較結果に基づいて絶縁劣化判定手段がバーナと電極との間の絶縁劣化状態を判定する。
また、請求項5に記載の燃焼装置は、請求項1から4のいずれかに記載の炎電流検出装置が搭載される燃焼装置であって、一次空気と燃料ガスが混合してなる酸素不足状態の混合気が一次燃焼し、さらに二次空気の供給を受けて二次燃焼を行なう燃焼装置において、前記一次燃焼の火炎中に第1イオン電流検出部材を設け、前記一次燃焼の火炎の基部に二次空気を供給する二次空気供給口を設け、前記二次空気供給口の近傍に第2イオン電流検出部材を設け、前記第1イオン電流検出部材が第1の炎電流検出装置の前記電極として、前記第2イオン電流検出部材が第2の炎電流検出装置の前記電極としてそれぞれ構成され、前記第1および第2の炎電流検出装置のそれぞれにおいて算出された炎電流値を基に、供給される空気と燃料ガスのうち少なくとも1つを制御することを特徴とする。
すなわち、請求項5に記載の燃焼装置は、二段燃焼方式を採用する燃焼装置において、一次燃焼の火炎中に第1イオン電流検出部材(第1の炎電流検出装置の電圧印加電極)を設けるとともに、二次空気供給口の近傍に第2イオン電流検出部材(第2の炎電流検出装置の電圧印加電極)を設けて、それぞれの炎電流検出装置で炎電流を検出し、バーナに供給される空気と燃料ガスのうちの少なくとも一方を制御するので、バーナの燃焼状態を正常状態に保つことができる。
請求項1に記載の炎電流検出装置によれば、制御手段が、バーナの燃焼時と非燃焼時のそれぞれにおける電流検出手段の検出電流値と標準擬似炎電流値とに基づいて実際の炎電流を算出するので、バーナと電極との間に印加される交流電圧にばらつきがあっても炎電流の検出値が変化しない炎電流検出装置を提供できる。
しかも、このような炎電流検出装置は、炎電流を電圧データに変換して検出する電流検出手段を備えた炎電流検出装置に対して、ハードウェア上、擬似炎回路(具体的には、抵抗器とダイオード)を追加するだけで実現できるので、交流電圧のばらつきの影響を受けない炎電流検出装置を低コストで提供できる。
また、ソフトウェアの面でも、実際の炎電流を算出するための演算は、請求項2に記載したとおりの簡単な数式で済むので、制御手段の記憶領域に掛ける負担が少なく、この点でもコスト上昇を抑えることができる。
請求項3に記載の炎電流検出装置によれば、バーナの非燃焼時に、故障判定手段が電流検出手段の出力信号の変化状態に基づいて回路部品の故障有無を判定するので、回路部品の故障や不良を早期に発見することができる。
請求項4に記載の炎電流検出装置によれば、バーナの非燃焼時に、絶縁劣化判定手段がバーナと電極との間の絶縁劣化状態を判定し、絶縁劣化と判定した場合には、その旨を所定の報知手段において報知するか、制御手段における炎検出電流の電圧データ閾値を変更するかの少なくともいずれか一方の処理を実行するので、絶縁劣化の早期発見や、絶縁劣化に伴う着火検出ミスの発生を低減することができる。
請求項5に記載の燃焼装置によれば、二段燃焼方式の燃焼装置において、バーナの燃焼状態が正常状態に保たれることから、未燃ガスの完全燃焼を図ることができ、窒素酸化物の発生が少ない燃焼装置を提供できる。
実施形態1
以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
図1は、本発明に係る炎電流検出装置の概略構成を示す回路図である。この炎電流検出装置は、電極に印加される交流電圧のばらつきをキャンセルして、炎電流の検出値にばらつきを生じないようにするために、先に図7に示した電流検出装置にハードウェア、ソフトウェアの両面から改良を加えたものである。したがって、回路構成が共通する部分には同一の符号を付して説明を省略する。
具体的には、ハード面の改良点として、本発明の炎電流検出装置では、図1に示すように、アース電極(バーナの金属筐体)1とフレームロッド(電極)2に対して並列に擬似炎回路Aを設けている。
この擬似炎回路Aは、バーナが消火状態(非燃焼時)にあるときにもフレーム回路に電流(バイアス電流)が流れるようにするために設けた回路であって、具体的には、図示のように、炎の等価回路と同様の回路構成、すなわち抵抗器18とダイオード19の直列回路で構成され、この直列回路をアース電極1とフレームロッド2に並列に接続することにより構成されている。なお、この抵抗器18としては、炎の抵抗成分(上記抵抗15)と同程度の抵抗値(たとえば36MΩ程度)の抵抗器が用いられる。
一方、ソフト面の改良点としては、第1に、演算増幅器9から出力される電圧信号に基づいて炎電流を検出するにあたり、制御手段17において、交流電源3の電圧のバラツキをキャンセルする処理が実行される。以下、その手順を説明する。
まず、制御手段17を構成するマイコンの所定の記憶領域(標準擬似炎電流記憶手段)に、上記フレーム回路に交流電圧として標準電圧を印加したときに擬似炎回路Aに流れる電流値(標準擬似炎電流値)を予め記憶させておく。ここで、この標準電圧は、ばらつきのない交流電源3の出力電圧を意味する。本実施形態では、上記交流電源3として交流80Vを出力する電源が用いられるので、上記標準電圧は交流80Vとされる。
この標準擬似炎電流値には、予め実験等によって取得したデータが用いられる。具体的には、ばらつきのない交流電源3を用意し、バーナが消火状態(非燃焼時)にあるときにフレーム回路に交流電圧を印加して、その際に擬似炎回路Aに流れる電流値(より詳細には、この状態で演算増幅器9から出力される電圧信号に基づいて制御手段17が換算した電流値)を取得しておき、そのデータを予め標準擬似炎電流記憶手段に記憶させておく。
つまり、この標準擬似炎電流値は、同一規格の炎電流検出装置には共通のデータが用いられる。したがって、この標準擬似炎電流値は、ROMなどの不揮発性のメモリに予め記憶させておかれる。
一方、個々の炎電流検出装置では、バーナが消火状態(非燃焼時)にあるときに、制御手段17が、上記擬似炎回路Aに流れる電流の電流値(非燃焼時検出電流値)を上記演算増幅器9の出力信号に基づいて電流値に換算し、その値をマイコン内の所定の記憶領域に記憶する。すなわち、この非燃焼時検出電流値は、交流電源3にばらつきがあることを前提に(換言すれば、交流電源3にばらつきがあると否とに関係なく)、個々の炎電流検出装置ごとに演算・記憶される。そのため、この非燃焼時検出電流値を記憶する記憶領域としては、個々の炎電流検出装置ごとにデータの書き込みが可能な記憶領域が好適に用いられる。
なお、この非燃焼時検出電流値の演算・記憶は、予め工場出荷前に装置ごとに行わせることも可能であるが、本実施形態に示す炎電流検出装置では、装置の施工後に制御手段17に電源が投入された時点など、所定のタイミングで行われるようにプログラムされる。
そして、このように標準擬似炎電流値と非燃焼時検出電流値とが制御手段17に記憶されている状態で、バーナが燃焼状態にあるときに、制御手段17は、演算増幅器9からの電圧信号に基づいて炎電流(燃焼時検出電流値)を演算するが、その際、交流電源3のばらつきを以下の近似式によってキャンセルして実際の炎電流を算出する。

(実際の炎電流)≒(標準擬似炎電流値/非燃焼時検出電流値)×(燃焼時検出電流値−非燃焼時検出電流値)
すなわち、本発明の炎電流検出装置では、アース電極1とフレームロッド2に対して平行に、擬似炎電流を常時流す擬似炎回路Aが設けられているため、演算増幅器9から出力される電圧信号に基づいて演算された燃焼時検出電流値には炎の等価回路Bに流れる電流分と擬似炎回路Aに流れる擬似炎電流(バイアス電流)分が含まれるので、燃焼時検出電流値から非燃焼時検出電流値を減算する。
しかし、このままでは交流電源3にばらつきがあると制御手段17で演算される電流値(読込電流値)も電圧に応じて変動するため、正確な電流値を検出することができない。具体的には、図2に示すように、交流電圧が標準電圧(AC80V)よりも高い場合(図2ではAC96Vの場合を示す)には、制御手段17の読込電流値は標準電圧の場合よりも高くなり、反対に交流電圧が標準電圧よりも低い場合(図2ではAC64Vの場合を示す)には、制御手段17の読込電流値も低くなる。
そのため、本発明の炎電流検出装置では、このような交流電源3のばらつきを補正するため、制御手段17では、標準擬似炎電流値を非燃焼時検出電流値で除算して補正係数を求め、この補正係数を、燃焼時検出電流値から非燃焼時検出電流値を減算したものに乗じて交流電源3のばらつきをキャンセルした電流値、すなわち、実際の炎電流値を算出する。
このように、本発明の炎電流検出装置では、アース電極1とフレームロッド2に対して並列に擬似炎回路Aを設けて、バーナ非燃焼時にこの擬似炎回路Aに擬似炎電流が流れるようにしているから、制御手段17の標準擬似炎電流記憶手段に標準擬似炎電流値を記憶させておき、この標準擬似炎電流値と、バーナの燃焼時および非燃焼時のそれぞれにおける制御手段17の検出電流値(燃焼時検出電流値と非燃焼時検出電流値)とに基づいて実際の炎電流を算出することができる。
実施形態2
次に、本発明の炎電流検出装置の他の実施形態について図3に基づいて説明する。この第2の実施形態に示す炎電流検出装置は、制御手段17において、炎電流検出装置における回路部品の故障有無の判定や、上記アース電極1とフレームロッド2との間の絶縁劣化状態の判定を行えるようにしたものであって、上述した実施形態1に示す炎電流検出装置のフレーム回路に対する交流電圧の印加状態をオン/オフ可能なスイッチ手段20を追加するとともに、制御手段17のソフトウェアにこれらの判定を行うためのプログラムが追加されている。なお、その他の構成については、上述した実施形態と同様であるので、共通する部分には同一の符号を付して説明を省略する。
スイッチ手段20は、上述したように、フレーム回路に対する交流電圧の印加状態をオン/オフするための手段であって、図3に示すように、フレーム回路の交流電源3とコンデンサ4の間に配設される。また、このスイッチ手段20としては、制御手段17によってそのオン/オフの切り替えが制御できる素子(たとえば、トランジスタ等のスイッチング機能を有する素子)が用いられる。
一方、制御手段17には、炎電流検出装置の回路部品の故障有無を判定するためのプログラムと(故障判定手段)と、絶縁劣化状態の判定を行うためのプログラム(絶縁劣化判定手段)が記憶される。
そこで、まず故障判定手段について説明する。この故障判定手段は、バーナの非燃焼時において、上記スイッチ手段20によってフレーム回路への交流電圧の印加状態を切り替え、その際における演算増幅器9の出力信号(電圧信号)の変化状態に基づいて炎電流検出装置における回路部品の故障有無を判定する。
すなわち、本発明の炎電流検出装置においてはフレーム回路に流れる電流を検出するための回路には抵抗器12,13やコンデンサ6,7などが含まれており、これらの抵抗値や容量などは予め分かっているのでこれら検出回路の時定数は予め特定される。また、同様に直流電源10の電圧値や抵抗器11,18などの抵抗値も予め分かっているので、バーナ非燃焼時における擬似炎電流値(演算増幅器9からの出力電圧)も予め特定される。
そこで、この故障判定手段には、これら予め把握できる要素に基づいて、バーナが非燃焼状態にあるときにフレーム回路に交流電圧を印加したときに演算増幅器9から出力される電圧信号の出力電圧の立ち上がり時間やそのピーク値などを実験や計算によって予め特定しておき、それらの値と、これらの値に異常があったときに予測される故障部位を特定するためのデータを制御手段17の所定の記憶領域(たとえば、ROMなどの不揮発性の記憶領域)に記憶させておく。
そして、これらのデータの存在を前提に、制御手段17は、バーナが非燃焼時にあるときに、上記スイッチ手段20をオフにしてフレーム回路への交流電圧の印加を一旦停止させた後、所定時間経過後に再びスイッチ手段20をオンにしてフレーム回路に交流電圧の印加を開始させ、その際に、演算増幅器9から出力される電圧信号の変化状態(具体的には、出力電圧の立ち上がり時間やピーク値)を検出する。
そして、このように検出した値と、予め記憶しておいたこれらに対応するデータとを比較して検出値に異常がないか否かを判定するとともに、異常があれば、当該異常のあった検出値に対応して予測される故障部位を特定して、図示しない所定の報知手段(たとえば、本装置が取り付けられる燃焼装置の表示手段など)を通じて当該故障部位や故障状況などを表示する。
たとえば、スイッチ手段20をオンにして交流電圧を印加した際に、演算増幅器9からの電圧信号の立ち上がりが記憶しておいたデータよりも早い場合には、抵抗器12,13などの短絡が予想されるので故障部位としてこれらを表示し、また、演算増幅器9からの電圧信号が0Vのままであれば抵抗器11が外れていることなどが予測されるので、その旨を表示させることができる。
このように、本実施形態に示す炎電流検出装置では、フレーム回路にスイッチ手段20を設けるとともに、制御手段17に故障判定手段を構成するプログラムやデータを記憶させておくだけで、故障判定手段が回路部品の故障有無を自動的に判定するので、回路部品の故障や不良を早期に発見することができる。しかも、上述した実施形態1の炎電流検出装置に対してハード面でスイッチ手段20を追加するのみで安価に実現できる。
なお、上述した故障判定を行うタイミングについては、制御手段17のプログラム上で任意に設定可能であるが、たとえば、予め定めた一定時間ごとにバーナの非燃焼時を狙って実行するように設定したり、バーナの炎が消火されるたびに実行したりするように設定することができる。
次に、絶縁劣化判定手段について説明する。この絶縁劣化判定手段は、制御手段17が、バーナの非燃焼時における検出電流値と、予め記憶された非燃焼時における基準電流値とを比較し、その比較結果に基づいてアース電極1とフレームロッド2との間の絶縁劣化状態を判定する。
具体的には、まず、制御手段17の所定の記憶領域(たとえばROMなどの不揮発性の記憶領域)に、アース電極1とフレームロッド2との間の絶縁劣化がない状態で検出される擬似炎電流値を基準電流値として記憶させておく。すなわち、この基準電流値は、工場出荷時または装置設置後の積算稼動時間が短い適当な時期、換言すれば、アース電極1とフレームロッド2との間に絶縁劣化が生じる前に、バーナの非燃焼時に、スイッチ手段20をオンにして、そのときの演算増幅器9の出力電圧から擬似炎回路Aに流れる電流値を演算して記憶させておく。
そして、この基準電流値のデータが存在することを前提として、制御手段17は、バーナが非燃焼時にあるときに、上記スイッチ手段20をオンにしてフレーム回路に交流電圧を印加して、その際に、演算増幅器9から出力される電圧信号に基づいて擬似炎電流値を演算し、この値と基準電流値を比較して絶縁劣化の有無を判定する。
すなわち、アース電極1とフレームロッド2との間の埃や水分などが付着して両者の間の絶縁状態が劣化すると、電気的にみればこれらの間に電気抵抗が並列に接続されたのと同じ状況になることから、このような場合には制御手段17で読み取られる擬似炎電流値が低下することとなる。絶縁劣化判定手段は、このような特性を利用して絶縁劣化の有無を判定するものであり、具体的には、擬似炎電流値と基準電流値とを比較して、擬似炎電流値が予め設定した所定量以上に基準電流値を下回ると、アース電極1とフレームロッド2との間に絶縁劣化が発生していると判定する。
なお、制御手段17では、このようにアース電極1とフレームロッド2との間に絶縁劣化が発生していると判定すると、その旨を所定の報知手段(たとえば、本装置が取り付けられる燃焼装置の表示手段など)において報知するか、あるいは、制御手段17における炎検出電流の電圧データ閾値を変更するかの少なくともいずれか一方の処理を実行する。
なお、ここで、「制御手段17における炎検出電流の電圧データ閾値」とは、本発明の炎電流検出装置を用いて炎の有無を検出する際における「炎あり」との判断を行うために設定される演算増幅器9の出力電圧に対する閾値を意味する。すなわち、本発明の炎電流検出装置は、上述したように、炎の燃焼状態を確認できるように演算増幅器9の出力電圧に基づいて炎電流の具体的な電流値まで制御手段17に読み込み可能に構成しているが、従来品のように炎の有無の検出も当然行うので、絶縁劣化がある場合には、演算増幅器9からの出力電圧に対する閾値を一定のレベル変更(より詳細には、絶縁劣化した場合、抵抗器11(図3参照)を流れる電流量が減少し、抵抗器11における電圧降下分が減少するため、演算増幅器9や制御手段17に入力される電圧は上昇する。そのため、絶縁劣化前と比較した場合、実際の炎電流が流れても制御手段17への入力電圧値が高めになる。これに対応するため炎有無判定の電圧閾値を一定レベル上げる。)して、バーナが燃焼状態にあるのに未着火と誤判断するのを防止する。
このように、本実施形態に示す炎電流検出装置では、制御手段17に絶縁劣化判定手段を構成するプログラムやデータを記憶させておくだけで、アース電極1とフレームロッド2との間の絶縁劣化を自動的に発見でき、しかも、絶縁劣化があると判断された場合に「炎あり」の判定を行う電圧データ閾値を変更するので、絶縁劣化に伴う着火検出ミスの発生を低減することができる。
なお、この絶縁劣化の判定を行うタイミングについても、上述した故障判定のタイミングと同様、制御手段17のプログラム上で任意に設定可能である。したがって、たとえば、予め定めた一定時間ごとにバーナの非燃焼時を狙って実行するように設定したり、バーナの炎が消火されるたびに実行したりするように設定することができる。また、この絶縁劣化の判定については、スイッチ手段20との連動を要しないので、上述した実施形態1に示す炎電流検出装置の制御手段17において実施するようにすることもできる。
実施形態3
次に、本発明の第3の実施形態について図4および図5に基づいて説明する。この第3の実施形態は、本発明の炎電流検出装置を、二段燃焼方式を採用した燃焼装置の燃焼制御に利用する場合を示している。
図4は、同燃焼装置の概略構成を示すブロック図である。図において、100は燃焼装置のコントローラであり、このコントローラ100には、燃焼装置各部を制御するためのプログラムを搭載したマイコンと所定のデータを記憶したメモリ(記憶領域)が備えられている。また、コントローラ100には、後述するように第1および第2の炎電流検出装置101a,101bが接続される。なお、本実施形態では、これら炎電流検出装置101a,101bの制御手段17としてコントローラ100のマイコンが利用される。
また、この他、コントローラ100にはバーナへの点火手段を構成するイグナイタ102、バーナに燃焼用の空気を送る送風機103、バーナへの燃料ガスの供給/遮断を切り替える燃料ガス供給弁104およびバーナに供給する燃料ガスの供給量を調節する燃料ガス比例弁105が設けられているが、これらの構成は周知であるので説明を省略する。
図5は、二段燃焼方式の燃焼装置におけるバーナの概略構成を示す説明断面図である。
この種の二段燃焼方式のバーナ(以下、単にバーナと称する)21においては、上述したように、一次空気と燃料ガスが混合してなる酸素不足状態の混合気を一次燃焼させ、さらに二次空気の供給を受けて二次燃焼を行なわせている。
図5において、22は一次燃焼によって生じる一次火炎を、23は二次燃焼によって生じる二次火炎を示しており、また、24は一次空気と燃料ガスが混合してなる混合気が送り込まれるガス供給室を、25はガス供給室24にある混合気を一次火炎22の形成位置に供給する混合気供給口を、26は二次空気供給口をそれぞれ示している。
そして、本実施形態では、このようなバーナ21における燃焼状態を検出するために2台の炎電流検出装置101a,101bを用いている。すなわち、第1の炎電流検出装置101aのフレームロッド(第1イオン電流検出部材)2aが一次燃焼の火炎中、より詳細には、図5に示すように一次火炎22の中央部に配設され、第2の炎電流検出装置101bのフレームロッド(第2イオン電流検出部材)2bが二次空気供給口26の近傍に配設される。

ここで、第1の炎電流検出装置101aのフレームロッド2aは、一次火炎22内に配置されるが、一次火炎24の内部には未燃の混合気が含まれるため、フレームロッド2aが配置される部分の温度は低く、このフレームロッド2aは、全体としてあまり高温にはならないことから、熱によって劣化するのが防止される。一方、第2の炎電流検出装置101bのフレームロッド2bも、二次空気供給口26から供給(噴射)される二次空気が当たる位置に配置されていることから二次火炎23に晒されることなく二次空気で包まれるため、フレームロッド2bの温度上昇も抑制され、熱による劣化が防止される。

図6は、第1の炎電流検出装置101aにおける制御手段17の読込電流値と第2の炎電流検出装置101bにおける制御手段17の読込電流値と一酸化炭素COの量の関係を示す説明図である。

この図6では、一酸化炭素COの排出量の規制値を、環境基準に適合するように予め設定している。すなわち、この排出CO量の規制値(閾値)は、第2の炎電流検出装置101bの読込電流値と第1の炎電流検出装置101aの読込電流値の差(μA)に対応させている。
図6に示すように、バーナ21が正常燃焼している時(排出CO量が少ない時)は、一次火炎22中には燃焼によって発生した一酸化炭素COイオンが多く存在しているため、第1の炎電流検出装置101aの読込電流値(イオン電流検出値)は高くなる。一方、第2の炎電流検出装置101bのフレームロッド2bはその大部分が二次空気に包まれていることから、周囲におけるイオン発生量が極めて少なく、一酸化炭素COや水素Hの燃焼を主とする二次火炎23が存在しても、第2の炎電流検出装置101bの読込電流値は第1の炎電流検出装置101aの読込電流値よりかなり低くなる。
ここで、何らかの原因で送風機103によって供給される空気量のみが減少すると、未燃CO成分の排出量が増加すると共に、一次火炎22の伸長によって一次火炎22内に設置される第1の炎電流検出装置101aのフレームロッド2aの未燃焼の混合気に包まれる部分が増えるばかりか、燃焼温度が低下して一次火炎22のイオン濃度が減少するため、第1の炎電流検出装置101aの読込電流値は下がる。
その一方、第2の炎電流検出装置101bの読込電流値は、一次火炎22で空気不足により発生した一炭化水素CO成分が第2の炎電流検出装置101bのフレームロッド2bまで到達するため、第2の炎電流検出装置101bの読込電流値は上昇する。つまり、第1の炎電流検出装置101aの読込電流値と第2の炎電流検出装置101bの読込電流値の差は送風機103によって供給される空気量(風量)の減少と共に増大する。
そこで、一酸化炭素COの排出濃度の規制値X(図6参照)に対応する両読込電流値の差Dの演算値を予め実験によって求めておき、これを閾値として燃焼装置の制御手段コントローラ100に備えたメモリに記憶させておく。
そして、コントローラ100は、第2の炎電流検出装置101bの読込電流値と第1の炎電流検出装置101aの読込電流値の差を演算し、さらに演算値と上記メモリに記憶された閾値とを比較する。
ここで、上記比較の結果、演算値が閾値よりも小さければ、コントローラ100はバーナ21の燃焼状態は正常であると判定する。これに対し、演算値が閾値に達するか、又は、演算値が閾値を超えていればバーナ21は異常燃焼であると判定する。
そして、燃焼が異常であると判定した場合には、送風機103の送風量を増加させるか、燃料ガス比例弁104の弁開度を絞ってバーナ21に供給される燃料ガス量を減少させて燃焼状態を正常化させる。なお、その際、閾値に幅dを持たせ、演算値が閾値領域(図6)に入ると燃焼が異常であると判定するようにしてもよい。すなわち、規制値Xよりも一酸化炭素CO濃度が小さい側に所定の幅dを設定し、演算値が規制値Xに達する以前に燃焼が異常であると判定するようにしてもよい。
さらに、燃焼が異常であると判定し、上記の処理を実行した後、燃焼が正常化されると、コントローラ100は、演算値が閾値に達しないように送風機103や燃料ガス比例弁105の弁開度を調整する。そして、適正なメンテナンスを行うことができるように、コントローラ100が燃焼異常であると判定した際に、所定の報知手段(たとえば、燃焼装置の表示手段)に警報を表示するなどして、使用者に注意を喚起する。
このように、本実施形態に示す燃焼装置では、二段燃焼方式を採用する燃焼装置において、一次燃焼の火炎中に第1イオン電流検出部材を設けるとともに、二次空気供給口の近傍に第2イオン電流検出部材を設けて、それぞれの炎電流検出装置で炎電流を検出し、バーナに供給される空気と燃料ガスのうちの少なくとも一方を制御するので、バーナの燃焼状態を正常状態に保つことができ、未燃ガスの完全燃焼を図ることができ、窒素酸化物の発生が少ない燃焼装置を提供できる。
なお、上述した実施形態はあくまでも本発明の好適な実施態様を示すものであって、本発明はこれらに限定されることなくその範囲内で種々の設計変更が可能である。
たとえば、上述した実施形態では、本発明の炎電流検出装置を二段燃焼方式の燃焼装置に適用した場合を示したが、本発明は通常の燃焼方式の燃焼装置に適用することもできる。
本発明に係る炎電流検出装置の概略構成を示す回路図である。 同炎電流検出装置における交流電圧のばらつきと制御手段の読込電流との関係を示す説明図である。 同炎電流検出装置の第2の実施形態を示す回路図である。 本発明に係る炎電流検出装置を適用した燃焼装置の概略構成を示すブロック図である。 同燃焼装置におけるバーナの概略構成を示す説明断面図である。 第1の炎電流検出装置における制御手段の読込電流値と第2の炎電流検出装置における制御手段の読込電流値と一酸化炭素COの量の関係を示す説明図である。 炎電流の電流値を読み取り可能に改変した炎電流検出装置の概略構成を示す回路図である。
符号の説明
1 アース電極(バーナ)
2 フレームロッド(電極)
3 交流電源
4〜7 コンデンサ
8 ダイオード
9 演算増幅器
10 直流電源
11〜14 抵抗器
15 抵抗(炎の等価回路)
16 ダイオード(炎の等価回路)
17 制御手段
18 抵抗器(擬似炎回路)
19 ダイオード(擬似炎回路)
20 スイッチ手段
21 二段燃焼方式のバーナ
22 一次火炎
23 二次火炎
24 ガス供給室
25 混合気供給口
26 二次空気供給口
100 コントローラ
101a 第1の炎電流検出装置
101b 第2の炎電流検出装置
A 擬似炎回路
B 炎の等価回路

Claims (5)

  1. バーナと、バーナの炎に臨ませる電極と、前記バーナと前記電極との間に交流電圧を印加することによって発生する炎電流を電圧データに変換して検出する電流検出手段とを備えた炎電流検出装置において、
    前記バーナと前記電極に対して並列に、擬似炎電流を常時流す擬似炎回路を設けるとともに、前記交流電圧として標準電圧を印加したときに前記擬似炎回路に流れる標準擬似炎電流値を予め記憶しておく標準擬似炎電流記憶手段を設けてなり、
    制御手段が、バーナの燃焼時と非燃焼時のそれぞれにおける前記電流検出手段の検出電流値と、前記標準擬似炎電流記憶手段に記憶された標準擬似炎電流値とに基づいて実際の炎電流を算出することを特徴とする炎電流検出装置。
  2. 前記制御手段による実際の炎電流の算出が以下の近似式によって行なわれることを特徴とする請求項1に記載の炎電流検出装置。

    (実際の炎電流)≒(標準擬似炎電流値/非燃焼時検出電流値)×(燃焼時検出電流値−非燃焼時検出電流値)
  3. 前記交流電圧の印加状態をオン/オフ可能なスイッチ手段を備え、
    前記バーナの非燃焼時において、このスイッチ手段によって前記交流電圧の印加状態を切り替えた際における前記電流検出手段の出力信号の変化状態に基づいて炎電流検出装置における回路部品の故障有無を判定する故障判定手段を備えたことを特徴とする請求項1または2に記載の炎電流検出装置。
  4. 前記バーナの非燃焼時における検出電流値と、予め記憶された非燃焼時における基準電流値との比較結果に基づいて前記バーナと前記電極との間の絶縁劣化状態を判定する絶縁劣化判定手段を備え、
    絶縁劣化判定手段によって絶縁劣化と判定した場合に、その旨を所定の報知手段において報知するか、あるいは、前記制御手段における炎検出電流の電圧データ閾値を変更するかの少なくともいずれか1つを実行することを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の炎電流検出装置。
  5. 請求項1から4のいずれかに記載の炎電流検出装置が搭載される燃焼装置であって、
    一次空気と燃料ガスが混合してなる酸素不足状態の混合気が一次燃焼し、さらに二次空気の供給を受けて二次燃焼を行なう燃焼装置において、
    前記一次燃焼の火炎中に第1イオン電流検出部材を設け、前記一次燃焼の火炎の基部に二次空気を供給する二次空気供給口を設け、前記二次空気供給口の近傍に第2イオン電流検出部材を設け、
    前記第1イオン電流検出部材が第1の炎電流検出装置の前記電極として、前記第2イオン電流検出部材が第2の炎電流検出装置の前記電極としてそれぞれ構成され、
    前記第1および第2の炎電流検出装置のそれぞれにおいて算出された炎電流値を基に、供給される空気と燃料ガスのうち少なくとも1つを制御することを特徴とする燃焼装置。
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