JP2009030554A - 点火装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】高電圧耐性の部品を必要としない一次コイル側に電流検出手段を設け、低コストで耐久信頼性の高い点火装置を提供する。
【解決手段】点火コイル5の一次コイル51側に、サイリスタ23と電流検出部6とを直列に接続した閉ループ回路25を構成する。点火プラグ9に点火用高電圧Vdを印加して火花放電を生じさせた後に、サイリスタ23のゲート信号VbをHとし、閉ループ回路25を閉じると閉ループ回路25に電流Ibが流れる。電流検出部6では電流Ibを検出し、電流−電圧変換し、電圧値VcとしてECU8に入力する。この電圧値Vcは、点火プラグ9の中心電極91と接地電極92との間の絶縁破壊電圧値に応じて変化するものであり、異常検知に用いることが可能である。
【選択図】図1

Description

本発明は、内燃機関に組み付けられて混合気への点火を行うための点火プラグの点火に用いられる点火装置に関するものである。
従来、内燃機関の点火装置では、点火コイルの一次コイルの両端に電圧を印加して一定時間通電後、通電を遮断することで二次コイル側に発生する誘導起電力によって点火プラグの電極間に高電圧を印加し、火花放電を行わせて混合気への点火を行っている。内燃機関には様々な燃料を用いるものがあり、一例としてのガスエンジンでは、ガソリンエンジンと比べ、燃焼室内における混合気の流速が速いことが知られている。このようなガスエンジンでは、火花放電の持続時間が長いと火花が混合気の流れと共に下流側に流され、吹き消されては再度火花放電を生ずる多重放電を引き起こす場合がある。多重放電が生ずると火花放電が下流側で集中して発生し、その付近の電極が偏って消耗する偏消耗を生ずるため、点火プラグの寿命が短くなる虞がある。
そこで、火花放電の開始後に一次コイルに再通電することで二次コイル側に逆極性の誘導起電力を生じさせ、火花放電のためのエネルギーを消費させて強制的に火花放電を遮断することで、火花放電の持続時間を短くした点火装置(イオン電流検出装置)が知られている(例えば、特許文献1参照。)。また、一次コイルへの再通電を行うにあたってバッテリから電力供給を行わず、スイッチング素子等を用い一次コイルと共に閉ループ回路を形成することで、火花放電の遮断を行うものも知られている。
ところで、火花放電による混合気の燃焼に伴いイオンが発生することは知られている。特許文献1に記載のイオン電流検出装置では、そのイオンの発生量が混合気の燃焼状態によって変化することを利用して、点火プラグの電極間に電圧を印加してイオン電流を流し、そのイオン電流の検出を行っており、その検出結果を利用すれば、例えば失火検知やノッキング検出等が可能となる。
特開2002−4996号公報
しかしながら、イオン電流の検出は高電圧(例えば、3万V)が発生する二次コイル側の回路において行う必要があり、イオン電流の電流検出手段(検出回路)には高電圧に耐え得る高価な部品を使用しなければならない。特許文献1においても検出回路を二次コイル側に設ける以上、火花放電を生じない程度とはいえども高電圧はかかるため、高電圧耐性のある部品を使う必要があり、コスト高になっていた。
本発明は上記問題点を解決するためになされたものであり、高電圧耐性の部品を必要としない一次コイル側に電流検出手段を設け、低コストで耐久信頼性の高い点火装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、請求項1に係る発明の点火装置は、一次コイルおよび二次コイルを有し、前記一次コイルに流れる一次電流を遮断することにより、前記二次コイルに点火用高電圧を発生する点火コイルと、前記点火用高電圧が印加されることにより、自身の電極間に点火用の火花放電を発生する点火プラグと、当該点火プラグの電極間で前記火花放電が開始されてから、所定時間経過後に、前記一次コイルと共に閉ループ回路を形成して前記一次コイルに再通電することにより、前記火花放電を強制的に遮断する火花放電遮断手段とを備えた点火装置において、前記再通電時に前記閉ループ回路を流れる電流を検出する電流検出手段を備えている。
また、請求項2に係る発明の点火装置は、請求項1に記載の発明の構成に加え、前記電流検出手段によって検出された再通電時の電流値と、所定のしきい値とを比較して、前記点火プラグが異常状態にあるか否かを判断する異常判断手段を備えている。
また、請求項3に係る発明の点火装置は、請求項2に記載の発明の構成に加え、前記異常判断手段は、前記電流検出手段によって検出された再通電時の電流値が、予め定められた第1しきい値以下の値である場合、前記点火プラグの異常状態が電極の消耗状態であると判断することを特徴とする。
また、請求項4に係る発明の点火装置は、請求項3に記載の発明の構成に加え、前記異常判断手段は、前記電流検出手段によって検出された再通電時の電流値が、予め定められ、前記第1しきい値よりも小さな第2しきい値以下の値である場合、前記点火プラグの異常状態が故障状態であると判断することを特徴とする。
また、請求項5に係る発明の点火装置は、請求項3または4に記載の発明の構成に加え、前記異常判断手段は、前記電流検出手段によって検出された再通電時の電流値が、予め定められ、前記第1しきい値よりも大きな第3しきい値以上の値である場合、前記点火プラグの異常状態がくすぶり状態であると判断することを特徴とする。
請求項1に係る発明の点火装置では、点火プラグの火花放電を強制遮断するために火花放電遮断手段によって閉ループ回路を形成し、この閉ループ回路を流れる電流を電流検出手段で検出することができる。この閉ループ回路を流れる電流は、火花放電遮断時に点火コイルに残留している磁気エネルギーにより流れるものである。そして、火花放電遮断時に点火コイルに残留している磁気エネルギーは、火花放電開始前に点火コイルに蓄えられる磁気エネルギーから火花放電によって消費されるエネルギーを差し引いた分に相当する。すなわち、火花放電によって消費されるエネルギーが多い場合は点火コイルに残留している磁気エネルギーが少なく、火花放電によって消費されるエネルギーが少ない場合は火花放電遮断時に点火コイルに残留している磁気エネルギーが多いこととなる。そして、火花放電によって消費されるエネルギーは火花放電時の点火プラグの電極間の絶縁破壊電圧値によって変化する。従って、閉ループ回路を流れる電流を検出することで、火花放電時の点火プラグの電極間の絶縁破壊電圧値を検出することができる。つまり予め試験等を行い、閉ループ回路を流れる電流の大きさと、火花放電時に点火プラグの電極間の絶縁破壊電圧値との関係を求めれば、閉ループ回路を流れる電流の大きさから火花放電時に点火プラグの電極間の絶縁破壊電圧値を求めることが可能である。
また、請求項1に係る発明では、上記の電流検出手段を点火コイルの一次コイル側に設けたことで、火花放電時に点火プラグに印加される火花放電するための高電圧が電流検出手段にかかることがない。つまり、電流検出手段に用いる部品や回路等に高電圧耐性の高いものを使用する必要がなく、回路の簡易化やコスト低減を図ることができると共に、耐久信頼性を高めることができる。
また、火花放電時には電極間にて絶縁破壊を生ずるが、この絶縁破壊は両電極間の絶縁耐力に応ずるものであり、すなわち両電極間の絶縁破壊電圧値に応じて変化する。そして、絶縁破壊電圧値が大きいほど火花放電によって消費されるエネルギーは多くなるため、閉ループ回路に流れる電流の大きさは、絶縁破壊電圧値に応ずる。従って、閉ループ回路を流れる電流値を求めれば、相対的に絶縁破壊電圧値の変化を知ることができる。そこで、点火プラグが正常な状態において火花放電時に電極間に流れる電流の大きさと、異常状態において流れる電流の大きさとのしきい値を、予め試験等により求めておけば、請求項2に係る発明のように、閉ループ回路に流れる電流値を、そのしきい値と比較することで、点火プラグが異常状態にあるか否かを判断することができる。
点火プラグの中心電極や接地電極が消耗状態となり、両電極間の絶縁破壊電圧値が高くなった場合、火花放電時に消費されるエネルギーが多くなる。すると、火花放電遮断時に点火コイルに残留している磁気エネルギーは少なくなり、閉ループ回路を流れる電流値も小さくなることとなる。そこで、請求項3に係る発明のように、電極が消耗状態にある場合および正常な場合において再通電時に閉ループ回路を流れる電流値の取り得る値に基づいて両者のしきい値を求め、これを第1しきい値として予め定める。そして再通電時に閉ループ回路を流れる電流値をその第1しきい値と比較し、第1しきい値以下であった場合、点火プラグの異常状態が電極の消耗状態であるとみなすことができる。
更に、点火プラグが例えば故障状態にある場合、火花放電に失敗して火花放電開始前に点火コイルに蓄えられた磁気エネルギーのほとんどが消費されて、火花放電遮断時に点火コイルに残留している磁気エネルギーがほとんどなく、閉ループ回路にも電流がほとんど流れないこととなる。そこで、請求項4に係る発明のように、点火プラグが故障状態にある場合および消耗状態にある場合において再通電時に閉ループ回路を流れる電流値の取り得る値に基づいて両者のしきい値を求め、これを第2しきい値として予め定める。この第2しきい値は第1しきい値より小さい値となる。そして再通電時に閉ループ回路を流れる電流値が第2しきい値以下であれば、点火プラグの異常状態が故障状態であるとみなすことができる。
また、点火プラグがくすぶり状態となった場合、中心電極と接地電極との間の絶縁破壊電圧値が低くなる。すると火花放電時に消費されるエネルギーが少なくなり、火花放電遮断時に点火コイルに残留している磁気エネルギーは多くなり、閉ループ回路を流れる電流値が大きくなる。そこで、請求項5に係る発明のように、電極がくすぶり状態にある場合および正常な場合において再通電時に閉ループ回路を流れる電流値の取り得る値に基づいて両者のしきい値を求め、これを第3しきい値として予め定める。そして再通電時に閉ループ回路を流れる電流値をその第3しきい値と比較し、第3しきい値以上であった場合、点火プラグの異常状態がくすぶり状態であるとみなすことができる。
以下、本発明の一実施の形態について説明する。本実施の形態では、内燃機関の一例としてLPガスや天然ガス等を燃料とするガスエンジンを用い、このガスエンジンに取り付けられる点火プラグに火花放電のための電力を供給する点火装置1を例に説明する。図1は、点火プラグ9への点火を行う点火装置1の構成を示す電気回路図である。なお、点火装置1の点火回路部2および点火プラグ9は、複数の気筒を備えたエンジンにおいては各気筒ごとに設けられるものであるが、図1では1気筒分の構成について示すものとする。
図1に示す、点火装置1は、自動車の電子制御装置(ECU)8と、ECU8に電気的に接続される点火回路部2とから構成され、公知の構成を有する点火プラグ9の中心電極91と接地電極92との間に高電圧を印加して火花放電を生じさせると共に、点火プラグ9が異常状態にあるか否かの判断を行うための装置である。点火回路部2は、一次コイル51および二次コイル52からなる点火コイル5と、二次コイル52側に設けられる逆流防止用のダイオード21と、一次コイル51側に設けられるトランジスタ22、サイリスタ23および電流検出部6とから構成される。
ECU8は、エンジンを駆動するために用いられる各種装置を制御するためのものであり、公知の構成のCPU81、ROM82およびRAM83を有する。本実施の形態では、ECU8は、点火回路部2に指示を送出して点火プラグ9への点火を行うと共に、後述する異常判断プログラムの実行に従って、電流検出部6から得た検出結果に基づき、点火プラグ9が異常状態にあるか否かの判断を行う。ROM82の所定の記憶エリアには、異常判断プログラムで使用されるくすぶり状態の判定値D1、故障状態の判定値D2、および劣化状態の判定値D3の各値が、異常判断プログラムと共に記憶されている。
次に、点火回路部2は、点火プラグ9の中心電極91と接地電極92(グランドに接地されている。)との間に形成される火花放電間隙に高電圧を印加して火花放電を生じさせるための回路を構成している。点火回路部2は、火花放電用の電気エネルギーを供給するための電源電圧Vbat(例えば12V)を出力するバッテリ7の陽極側に、一次コイル51の一端側および二次コイル52の一端側がそれぞれ接続された点火コイル5を有する。また、バッテリ7の陽極側には後述するサイリスタ23のカソードも接続されている。点火コイル5の二次コイル52の他端側は、ダイオード21を介し、点火プラグ9の中心電極91に接続されている。ダイオード21はアノードが中心電極91に接続され、中心電極91側から二次コイル52側へ電流が流れる向きに配置されている。
また、点火コイル5の一次コイル51の他端側には、電流検出部6と、点火回路部2においてスイッチング素子として機能するトランジスタ22のコレクタとが接続されている。トランジスタ22はNPN型のパワートランジスタから構成されており、エミッタがグランドに接地され、ベースはECU8に接続されている。トランジスタ22は、ECU8から出力される点火指示信号Vaに基づきコレクタ−エミッタ間が導通されると、点火コイル5の一次コイル51が通電され、電流Iaが流れるように構成されている。
次に、電流検出部6は、例えば内部に設けた抵抗の両端の電圧を測定することにより抵抗を流れる電流の大きさを検出する公知の構成の電流計であり、電流値の測定対象となる回路に直列に配置される。本実施の形態では、サイリスタ23と共に一次コイル51の一端と他端との間にて直列に接続されており、一次コイル51、電流検出部6およびサイリスタ23で閉ループ回路25を構成している。そして、この閉ループ回路25を流れる電流が電流検出部6で検出され、その電流値を電流−電圧変換した電圧値VcがECU8に入力される構成となっている。なお、電流検出部6が、本発明における「電流検出手段」に相当する。また、後述するゲート信号Vbによって導通状態となり閉ループ回路25を閉じるサイリスタ23が、本発明における「火花放電遮断手段」に相当する。
サイリスタ23は、アノードが電流検出部6に接続され、カソードが一次コイル51の一端側に接続されている。そしてゲートがECU8に接続されており、ECU8から出力されるゲート信号Vbがハイレベルとなると、サイリスタ23が導通状態となり、閉ループ回路25に電流Ibが流れるように構成されている。
次に、図1および図2を参照し、点火装置1による点火プラグ9への点火の過程について説明する。図2は、点火回路部2にて点火時期に流れる電流や信号電圧の波形の関係を示すタイミングチャートである。
上記のように構成された図1に示す点火装置1の点火回路部2では、図2に示すように、T1タイミングにおいて、ECU8から出力される点火指示信号Vaがローレベル(以下、「L」という。)からハイレベル(以下、「H」という。)に切り換えられると、トランジスタ22のコレクタ−エミッタ間が導通状態となる。すると、一次コイル51にバッテリ7から電流Iaが流れ始めて時間の経過と共に増加し、点火コイル5に磁気エネルギーが蓄えられていく。
そしてT2タイミングに、点火指示信号VaがHからLに切り換えられると、トランジスタ22のコレクタ−エミッタ間の導通が遮断される。すると電流Iaが0となり、点火コイル5に蓄積されている磁束密度が急激に変化することから、点火コイル5の二次コイル52に誘導起電力が生ずる。この誘導起電力の発生によって、点火プラグ9の中心電極91と接地電極92との間に瞬時的に、グランド電位よりも低い負の点火用高電圧Vdがかかり、火花放電間隙にて絶縁破壊が生じて火花放電が行われる。この火花放電に伴い火花放電間隙にて放電電流が流れ、点火コイル5では絶縁破壊電圧値に応じたエネルギーが
消費される。
絶縁破壊後には、絶縁破壊時の電位よりも高い電位(小さい電位差)で放電電流が流れるようになる。火花放電開始前のT1〜T2タイミングに点火コイル5に蓄積され、絶縁破壊時に消費されたエネルギーを差し引いた残りの磁気エネルギーは、絶縁破壊後に継続して火花放電間隙にて放電電流が流れエネルギーが消費されることによって次第に減少していく。そして点火コイル5に蓄積された磁気エネルギーが無くなれば、火花放電は自然に遮断されることとなる。しかし本実施の形態では、放電電流が流れている(すなわち点火用高電圧Vdが生じている)最中であるT3タイミングに、ゲート信号VbのLからHへの切り換えを行っている。するとサイリスタ23が導通状態となり、一次コイル51を含む閉ループ回路25が閉じられ、点火コイル5に残留する磁気エネルギーによって一次コイル51側に電流Ibが流れ始める。そして電流Ibが一次コイル51を流れることにより、二次コイル52には、点火用高電圧Vdとは逆極性の電圧が誘導される。このため点火用高電圧Vdが0となり、火花放電が強制的に遮断されて、放電電流は流れなくなる。なお、前述したように、電流検出部6によって閉ループ回路25を流れる電流Ibの検出が行われており、その大きさが電圧値に変換されて、電圧値VcとしてECU8に入力されている。
T3タイミングに火花放電が遮断されてからは、閉ループ回路25に電流Ibが流れエネルギーが消費されることによって、点火コイル5に蓄積された磁気エネルギーが減少していく。また、T4タイミングにはゲート信号VbがHからLに切り換えられるが、電流Ibが流れているため、サイリスタ23は導通状態に維持される。そしてT5タイミングに閉ループ回路25を流れる電流Ibが0となると、サイリスタ23が非導通状態となり、火花放電に係る一連の過程が終了する。
このように、電流検出部6によって検出される閉ループ回路25を流れる電流Ibは、火花放電が遮断されるT3タイミングに閉ループ回路25が閉じられることによって生じ、その大きさは、点火コイル5に残されている磁気エネルギーに応ずる。つまり、火花放電前(T1〜T2タイミング)に点火コイル5に蓄積された磁気エネルギーから、火花放電時(T2〜T3タイミング)に火花放電間隙の絶縁破壊電圧値に応じて消費されたエネルギーを差し引いた残りの磁気エネルギーに応ずることとなる。ここで、T1〜T2タイミングに点火コイル5に蓄えられる磁気エネルギーは、T1〜T2タイミングの長さ(一次コイル51に電流Iaを流す時間)に応ずるため、火花放電の度に異なることなく略一定となる。このため、火花放電遮断時(T3タイミング)に一次コイル51に再通電したとき点火コイル5に残留する磁気エネルギーは、火花放電間隙の絶縁破壊電圧値にほぼ応ずることとなる。
ところで、火花放電に失敗したとき、中心電極91や接地電極92に電極消耗が生じたとき、あるいは汚損等に起因して横飛火が生じたときなど正常な火花放電が行われない場合があり、こうした現象は、火花放電の行われる間隙の大きさ、すなわち、両電極間の絶縁破壊電圧値が正常な場合と異なることによって生ずる。このような現象によって火花放電時(T2タイミング)における絶縁破壊抵抗値に違いが生ずると、火花放電によって消費されるエネルギーに差異が生ずるため、火花放電遮断時(T3タイミング)において点火コイル5に残留する磁気エネルギーに変化が生ずる。
具体的には、図3に示すグラフのように、火花放電時に中心電極91と接地電極92との間で絶縁破壊を生ずるのに必要となる電圧値と、閉ループ回路25を流れる電流Ibの大きさのピーク値(最大値)との間には、絶縁破壊に必要な電圧が高いほど電流Ibの大きさが小さくなる比例関係があることがわかる。例えば、電極消耗等により中心電極91と接地電極92との間の絶縁破壊電圧値が大きくなると火花放電によって消費されるエネルギーが多くなり、点火コイル5に残留する磁気エネルギーが減少するので閉ループ回路25を流れる電流Ibの大きさのピーク値が小さくなる。一方、例えば、くすぶり等に起因して横飛火が発生することにより、中心電極91と接地電極92との間の絶縁破壊電圧値が小さくなると火花放電によって消費されるエネルギーが少なくなり、点火コイル5に残留する磁気エネルギーは増加するので閉ループ回路25を流れる電流Ibの大きさのピーク値が大きくなる。
そこで予め試験等により、点火プラグ9がくすぶり状態になった場合に電流Ibの大きさのピーク値の取り得る値を調べ、正常状態とのしきい値を求めれば、点火プラグ9がくすぶり状態にあるか否かを判定することが可能である。同様に、電極消耗等により点火プラグ9が劣化状態となった場合には、正常状態よりも電流Ibの大きさのピーク値が小さくなるので、予め試験等によりしきい値を求めれば、点火プラグ9が劣化状態にあるか否かを判定することも可能である。また、点火プラグ9が故障し、中心電極91と接地電極92との間で火花放電が生じなかった場合、閉ループ回路25にはほとんど電流が流れないことから、劣化状態とのしきい値も求めることが可能である。
なお、上記したように、T3タイミングに一次コイル51に再通電したとき閉ループ回路25に流れる電流Ibの大きさは、そのときに点火コイル5に残留する磁気エネルギーの大きさに応ずる。そして、閉ループ回路25に電流Ibが流れることによってエネルギーが消費されるのに伴い、電流Ibも減少していく。従って、本実施の形態では、閉ループ回路25を流れる電流Ibの大きさのピーク値(最大値)に着目し、火花放電間隙の絶縁破壊電圧値との関係を求めている。このような絶縁破壊電圧値との比例関係は、例えば、T3タイミングからT5タイミング(すなわち電流Ibが0となるタイミング)までの間(あるいはT3タイミングから所定期間経過後までの間)における電流Ibの積分値と絶縁破壊電圧値との間において見いだすこともできる。また、T3タイミングからT5タイミングまでの期間の長さと絶縁破壊電圧値との間や、電流Ibが所定値以上の値を示す期間の長さと絶縁破壊電圧値との間においても見いだすことができる。
本実施の形態では、点火プラグ9の異常状態、すなわちくすぶり状態、故障状態および劣化状態のそれぞれのしきい値を判定値D1、D2、D3とし、予め試験等により求めている。そして、閉ループ回路25を流れる電流Ibのピーク値(本実施の形態では最大値)を検出し、以下に説明する異常判断プログラムの実行に基づいて、点火プラグ9が異常状態にあるか否かの判定を行っている。具体的には、電流Ibの最大値がD1以上であればくすぶり状態、D2以下であれば故障状態、D2より大きくD3以下であれば劣化状態、D3より大きくD1未満であれば正常状態としている。以下、異常判断プログラムについて説明する。図4は、異常判断プログラムのフローチャートである。
図4に示す異常判断プログラムは、ECU8のCPU81で実行される内燃機関の制御プログラムのモジュール群の1つであり、ECU8の稼働時に他のモジュールと共に実行される。実行時には、まず、初期化処理が行われ(S11)、変数として、取得されるゲート信号Vbと、それを前回の値として保持するためのVbPと、電流検出部6から出力される電圧値Vcと、そのピーク値(最大値)を保持するためのVcHと、点火プラグ9の状態の判断結果(状態を示すフラグ)とを記憶するための記憶エリアがRAM83上に確保される。そして、初期値として、VbおよびVbPにはL(具体的にはローレベルに相当するフラグの値)が記憶され、VcおよびVcHには0が記憶される。また、点火プラグ9の状態として正常状態を示すフラグが記憶される。
異常判断プログラムではゲート信号Vb(CPU81による他のプログラムの実行に従って出力される)の信号状態が監視されており、次のS12ではゲート信号Vbの取得が行われる(S12)。点火プラグ9への点火前や点火時期の初期にはゲート信号Vbはローレベル(L)となっており(S13:NO)、S15へ進む。更にS15ではVbPが確認されるが、初期状態ではLが記憶されているので(S15:NO)、S33へ進み、取得したVbの値でVbPを上書きすることでVbPの更新が行われる(S33)。その後S12に戻る。
2周目以降のS12〜S33の処理では、ゲート信号VbがLである間は上記S13、S15、S33の処理が繰り返されることとなる。そしてゲート信号VbがHに切り換えられると(S13:YES)、前回のゲート信号を記憶したVbPが確認され、Lであった場合には(S16:YES)、VbがLからHに切り換わった最初の周の処理として、Vcの最大値を記憶するための変数であるVcHのリセットが行われる(S17)。
次に、電流検出部6から出力される電圧値Vcの取得が行われる(S19)。電圧値Vcは、図示しないA/D変換器を介してECU8に入力されており、この電圧値VcがVcHと比較される(S20)。VcHはS17でリセットされ0となっており、電圧値Vcの方が大きければ(S20:YES)、S19で取得された電圧値VcによってVcHが上書きされ、VcHの更新が行われる(S21)。そしてS33へ進み、上記同様、現在のゲート信号Vbの値でVbPを上書きして更新が行われ(S33)、S12に戻る。
その後、ゲート信号VbがHである間は上記S16〜S21の処理が繰り返されることとなる。なお、VbがHとなって2周目以降はVbPもHとなっているので、S16の判断処理ではS17が飛ばされS19に進むことにより(S16:NO)、VcHの値がリセットされずに保持される。また、S16〜S21の処理が繰り返される中で、VcがVcHより大きい値とならなかった周には(S20:NO)、S21におけるVcHの更新は行われずS33に進み、S12へ戻る。
このように、ゲート信号VbがHである間は、電流検出部6において検出された閉ループ回路25を流れる電流Ibの最大値VcHが求められる。そして、ゲート信号VbがLとなると(S13:NO)、前回はVbがHであったためVbPにはHが記憶されているのでS23に進む(S15:YES)。
そしてS23では、VcHがD1以上の値であるか確認が行われる。前述したように、閉ループ回路25に生ずる電流Ibの大きさの最大値、すなわちVcHが正常状態より大きい値を示すのは、中心電極91と接地電極92との間の絶縁破壊電圧値が小さくなって火花放電により消費されるエネルギーが少なくなり、その結果、点火コイル5に残留する磁気エネルギーが正常状態よりも多い場合である。このような状態は、例えば、くすぶり等により横飛火が発生した場合に生ずる。従って、VcHが判定値(しきい値)D1以上であった場合には(S23:YES)、点火プラグ9にくすぶり状態が発生したとの判定がなされる(S24)。この判定結果に従って、RAM83に確保された記憶エリアに、点火プラグ9の状態としてくすぶり状態を示すフラグが記憶される。そしてS33に進んでS12へ戻り、次回の点火時期にゲート信号VbがHに切り換えられるまでS12、S13、S15、S33を繰り返して待機する。なお、判定値D1が、本発明における「第3しきい値」に相当する。
一方、S23でVcHがD1未満の値であった場合(S23:NO)、次いでVcHがD2以下の値であるか確認が行われる(S26)。前述したように、VcHが正常状態より小さい値を示すのは、中心電極91と接地電極92との間の絶縁破壊電圧値が大きくなって火花放電により消費されるエネルギーが多くなり、その結果、点火コイル5に残留する磁気エネルギーが正常状態よりも少ない場合である。特に、火花放電に失敗し、火花放電開始前に点火コイル5に蓄えられた磁気エネルギーのほとんどが消費されてしまった場合、火花放電遮断時に点火コイル5に残留する磁気エネルギーはほとんどなく、閉ループ回路25にも電流がほとんど流れない。従ってVcHが判定値D2以下であった場合には(S26:YES)、点火プラグ9が故障状態にあると判定される(S27)。この判定結果に従って、RAM83に確保された記憶エリアに、点火プラグ9の状態として故障状態を示すフラグが記憶され、更にS33に進んでS12へ戻り、次回の点火時期にゲート信号VbがHに切り換えられるまでS12、S13、S15、S33を繰り返して待機する。なお、判定値D2が、本発明における「第2しきい値」に相当する。
また、S26でVcHがD2より大きい値であった場合(S26:NO)、更にVcHがD3以下の値であるか確認が行われる(S29)。点火プラグ9が故障状態になく、VcHが正常状態よりも小さい値を示す場合は、前述したように、電極消耗等により中心電極91と接地電極92との間の絶縁破壊電圧値が大きくなったものの、火花放電に失敗する故障状態にまでは至らない状態であるとみなすことができる。従ってVcHが判定値D2より大きくD3以下であった場合には(S26:NO,S29:YES)、点火プラグ9が劣化状態であると判定される(S30)。この判定結果に従って、RAM83に確保された記憶エリアに、点火プラグ9の状態として劣化状態を示すフラグが記憶され、更にS33に進んでS12へ戻り、次回の点火時期にゲート信号VbがHに切り換えられるまでS12、S13、S15、S33を繰り返して待機する。なお、判定値D3が、本発明における「第1しきい値」に相当する。また、上記したS23、S26、S29の各処理において、VcHと各判定値D1、D2、D3とを比較することで、点火プラグ9が異常状態にあるか否かの判定を行うCPU81が、本発明における「異常判断手段」に相当する。
そして、S29でVcHがD3より大きい値であった場合(S29:NO)、点火プラグ9は上記くすぶり状態、故障状態、劣化状態のいずれにも該当せず、正常状態にあると判定される(S32)。この判定結果に従って、RAM83に確保された記憶エリアに、点火プラグ9の状態として正常状態を示すフラグが記憶され、更にS33に進んでS12へ戻り、次回の点火時期にゲート信号VbがHに切り換えられるまでS12、S13、S15、S33を繰り返して待機する。
このように、本実施の形態の点火装置1では、点火プラグ9への点火を行った際に点火コイル5の一次コイル51を含む閉ループ回路25を形成することで、点火プラグ9における火花放電を強制的に遮断することができる。そして閉ループ回路25に電流検出部6を設けることで、閉ループ回路25を流れる電流Ibの検出を行うことができる。更に、その電流Ibの大きさに基づいて、点火プラグ9が異常状態、すなわち、くすぶり状態、故障状態または劣化状態にあるか否かを判定することができる。なお、点火プラグ9の状態を示すフラグは、異常判断プログラムと共に実行されている他のプログラムによってその値が確認され、これに基づき、例えば利用者への報知や、点火プラグ9の清浄時の制御等が行われる。
また、点火コイル5の二次コイル52側では点火用高電圧Vdが発生することとなるが、火花放電の遮断に伴い閉ループ回路25側にかかる電圧は火花放電前に点火コイル5に蓄えられた磁気エネルギーから火花放電によって消費されたエネルギーを差し引いた残りの磁気エネルギーに応ずるものであり、点火用高電圧Vdと比べ低い電圧となる。本実施の形態の点火装置1では、電流検出部6を一次コイル51側に設けており、これにより、電流検出部6に大きな電圧がかかることがない。換言すると、火花放電時に印加される点火用高電圧Vdがそのまま電流検出部6やサイリスタ23など一次コイル51側に配設された電子部品にかかることはない。従って電流検出部6には高電圧耐性の部品を用いずともよく、コスト低減を図ることができると共に、耐久信頼性を高めることができるのである。
なお、本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、各種の変形が可能である。例えば、図5に示す点火装置101の点火回路部102のように、閉ループ回路125に電流検出部6(図1参照)の代わりに抵抗131を配置し、更にその抵抗131の両端に生ずる電位差を増幅するための差動増幅回路132を設け、本発明における電流検出手段を構成してもよい。抵抗131の両端に生ずる電位差は閉ループ回路125を流れる電流Ibの大きさに比例するため、差動増幅回路132により、非点火時に抵抗131の一端の電位VIbを0に補正した上で抵抗131の両端に生ずる電位差を増幅し、電圧値VcとしてECU8に入力する。図6のタイミングチャートでは、抵抗131の一端の電位VIbと、差動増幅回路132により抵抗131の両端に生ずる電位差を増幅した電圧値Vcとの対比を示したものであるが、図2に示した電流検出部6の出力としての電圧値Vcと同等の出力を得られることがわかる。そしてこの回路構成に合わせ、試験により各判断値D1〜D3を決定すれば、本実施の形態と同様に、点火プラグ9が異常状態にあるか否かを判断することができる。
また、図7に示す点火装置201の点火回路部202のように、一次コイル51の一端側に整流用のダイオード233のカソードを接続し、ダイオード233のアノードには、一端がグランドに接地された抵抗131の他端を接続する。更に、バッテリ7と点火コイル5との間にスイッチング回路203を設ける。このような回路接続を行うことで、抵抗131、ダイオード233、一次コイル51およびトランジスタ22で、グランドを介した閉ループ回路225を構成してもよい。
この点火装置201の場合、閉ループ回路225の開閉を行うには、図8のタイミングチャートに示すように、トランジスタ22およびスイッチング回路203それぞれの開閉を制御すればよい。具体的には、T1タイミングに、トランジスタ22の制御信号である点火指示信号Vaと、スイッチング回路203の制御信号である給電信号Vfとを共にHとし、一次コイル51に電流Iaが流れるようにする。そしてT2タイミングにVaおよびVfをLとしてトランジスタ22およびスイッチング回路203を開くことで点火プラグ9の点火を行う。次にT3タイミングにVaのみを再びHとしてトランジスタ22を閉じれば、閉ループ回路225のみを閉じることができ、電流Ibが流れるようになるので、差動増幅回路132により電流Ibを検出することができる。このようにすれば、サイリスタを用いずとも閉ループ回路225の開閉を行うことができる。
なお、T3タイミングに再びHとしたVaをLにするタイミングは、差動増幅回路132からの電圧値Vcの大きさが0となった以後のタイミング(例えばT6タイミング)とすればよい。また、異常判断プログラムでは、サイリスタのゲート信号Vbの代わりにVaおよびVfの信号状態を監視し、VfがHである場合にはVaの信号状態に関わらずVcHの更新や異常状態の判断を行わないようにすればよい。
また、図9に示す点火装置301の点火回路部302のように、一次コイル51の一端側に、上記ダイオード233のカソードを接続し、アノードはグランドに接地する。また、一次コイル51の他端側にNPN型のトランジスタ331のコレクタを接続し、エミッタは、前述した両端が差動増幅回路132に接続された抵抗131を介し、グランドに接地する。このような回路接続を行うことで、ダイオード233、一次コイル51、トランジスタ331および抵抗131で、グランドを介した閉ループ回路325を構成してもよい。
この点火装置301の場合、図10のタイミングチャートにおいて、T1タイミングに、VaおよびVfをHとしてトランジスタ22およびスイッチング回路203のそれぞれを閉じ、一次コイル51に電流Iaを流す。そしてT2タイミングにVaおよびVfをLとして点火プラグ9の点火を行う。次にT3タイミングに、トランジスタ331の制御信号VeをHとすれば、閉ループ回路325が閉じられて電流Ibが流れるようになるので、差動増幅回路132により電流Ibを検出すればよい。なお、VeをLにするタイミングは、上記同様、差動増幅回路132からの電圧値Vcの大きさが0となった以後のT6タイミングとすればよい。なお、異常判断プログラムでは、サイリスタのゲート信号Vbの代わりにトランジスタ331の制御信号Veの信号状態を監視すればよい。
また、図11に示す点火装置401の点火回路部402のように、一次コイル51の一端側に、上記ダイオード233のカソードを接続し、アノードをグランドに接地する。また、一次コイル51の他端側に接続されたトランジスタ22のエミッタに、前述した両端が差動増幅回路132に接続された抵抗131の一端を接続し、他端をグランドに接地する。このような回路接続を行っても、ダイオード233、一次コイル51、トランジスタ22および抵抗131でグランドを介した閉ループ回路425を構成することができる。
この点火装置401の場合、図12のタイミングチャートにおいて、閉ループ回路425の開閉のためのVaおよびVfの制御は、点火装置201の場合(図8参照)と同様である。また、差動増幅回路132を接続した抵抗131をトランジスタ22のエミッタ側に接続したので、T1〜T2タイミングにおいても抵抗131に電流Iaが流れ、差動増幅回路132からの出力される電圧値Vcに変動が生ずることとなる。異常判断プログラムにおいては、点火装置201の場合と同様に、VfがLの場合にのみVaの信号状態を監視してVcHの更新や異常状態の判断を行えばよい。
また、本実施の形態では、異常判断プログラムはECU8で実行されるとしたが、公知の構成のCPU、ROM、RAMを有したASIC等を別途設け、異常判断プログラムをそのASICにおいて実行し、異常判断の結果がASICからECU8に通知されるようにしてもよい。
また、本実施の形態では、電流検出部6に検出された電流Ibを電流−電圧変換によって得られた電圧値VcをA/D変換し、その最大値VcHを求め、VcHを判定値D1、D2、D3と比較することにより、点火プラグ9が異常状態にあるか否かの判断を行った。つまり、電流値に対応した電流対応値を判定値と比較することにより異常判断を行ったが、電流Ibの検出値(電流値)をそのまま用いてもよい。
また、電流Ibのピーク値を検出する公知のピークホールド回路等を設け、その回路から出力される電流Ibのピーク値に基づいて、点火プラグ9が異常状態にあるか否かを判断してもよい。また、前述したが、電流Ibのピーク値の代わりに電流Ibの積分値や、電流Ibが所定値以上で流れている時間などに基づいて、点火プラグ9が異常状態にあるか否かを判断してもよい。
なお、本実施の形態では、内燃機関の一例としてガスエンジンを用い、ガスエンジンに取り付けられる点火プラグの点火装置について説明を行ったが、ガスエンジン用の点火装置に限るものではなく、ガソリンエンジンやエタノールエンジンなど、火花放電によって燃料への点火を行う点火プラグを用いた内燃機関の点火装置に対し好適に適用することができる。
点火プラグ9への点火を行う点火装置1の構成を示す電気回路図である。 点火回路部2にて点火時期に流れる電流や信号電圧の波形の関係を示すタイミングチャートである。 火花放電時に中心電極91と接地電極92との間に絶縁破壊を生ずるのに必要となる電圧値と、閉ループ回路25に生じた電流Ibの大きさの最大値との間の関係について例示するためのグラフである。 異常判断プログラムのフローチャートである。 変形例としての点火装置101の構成を示す電気回路図である。 点火回路部102にて点火時期に流れる電流や信号電圧の波形の関係を示すタイミングチャートである。 変形例としての点火装置201の構成を示す電気回路図である。 点火回路部202にて点火時期に流れる電流や信号電圧の波形の関係を示すタイミングチャートである。 変形例としての点火装置301の構成を示す電気回路図である。 点火回路部302にて点火時期に流れる電流や信号電圧の波形の関係を示すタイミングチャートである。 変形例としての点火装置401の構成を示す電気回路図である。 点火回路部402にて点火時期に流れる電流や信号電圧の波形の関係を示すタイミングチャートである。
符号の説明
1 点火装置
5 点火コイル
6 電流検出部
9 点火プラグ
23 サイリスタ
25 閉ループ回路
51 一次コイル
52 二次コイル
91 中心電極
92 接地電極

Claims (5)

  1. 一次コイルおよび二次コイルを有し、前記一次コイルに流れる一次電流を遮断することにより、前記二次コイルに点火用高電圧を発生する点火コイルと、
    前記点火用高電圧が印加されることにより、自身の電極間に点火用の火花放電を発生する点火プラグと、
    当該点火プラグの電極間で前記火花放電が開始されてから、所定時間経過後に、前記一次コイルと共に閉ループ回路を形成して前記一次コイルに再通電することにより、前記火花放電を強制的に遮断する火花放電遮断手段と
    を備えた点火装置において、
    前記再通電時に前記閉ループ回路を流れる電流を検出する電流検出手段を備えたことを特徴とする点火装置。
  2. 前記電流検出手段によって検出された再通電時の電流値と、所定のしきい値とを比較して、前記点火プラグが異常状態にあるか否かを判断する異常判断手段を備えたことを特徴とする請求項1に記載の点火装置。
  3. 前記異常判断手段は、前記電流検出手段によって検出された再通電時の電流値が、予め定められた第1しきい値以下の値である場合、前記点火プラグの異常状態が電極の消耗状態であると判断することを特徴とする請求項2に記載の点火装置。
  4. 前記異常判断手段は、前記電流検出手段によって検出された再通電時の電流値が、予め定められ、前記第1しきい値よりも小さな第2しきい値以下の値である場合、前記点火プラグの異常状態が故障状態であると判断することを特徴とする請求項3に記載の点火装置。
  5. 前記異常判断手段は、前記電流検出手段によって検出された再通電時の電流値が、予め定められ、前記第1しきい値よりも大きな第3しきい値以上の値である場合、前記点火プラグの異常状態がくすぶり状態であると判断することを特徴とする請求項3または4に記載の点火装置。
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