JP2008088300A - 活性エネルギー線硬化性組成物及び積層体 - Google Patents

活性エネルギー線硬化性組成物及び積層体 Download PDF

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英昭 桑野
Hiroshi Takeuchi
浩史 竹内
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Abstract

【課題】外観、硬度、耐擦傷性及び基材との密着性に優れた無機系の被膜を短時間に形成できる活性エネルギー線硬化性組成物、及びこの組成物を用いて硬化被膜を基材の表面に形成した積層体を提供する。
【解決手段】個数平均粒子径5〜200nmのコロイド状シリカと特定のエポキシ基含有シランとの加水分解・縮合物(A)、特定のアルキルシリケートと特定のシランとの加水分解・縮合物(B)及び酸発生剤(C)を含有する活性エネルギー線硬化性組成物並びにその硬化被膜を有する積層体。
【選択図】なし

Description

本発明は、耐擦傷性に優れた透明な硬化被膜を短時間で形成できる活性エネルギー線硬化性組成物及び硬化被膜を基材の表面に形成した積層体に関する。
近年、透明ガラスの代替として、耐破砕性、軽量性に優れるアクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂等の透明プラスチック材料が広く使用されるようになってきた。しかしながら、透明プラスチック材料はガラスに比較して表面硬度が低い為、表面に傷を受け易いという問題を有している。
そこで、従来からプラスチック材料の耐擦傷性を改良すべく、多くの試みがなされてきた。例えば、ゾルゲル反応を利用してプラスチック材料表面に良好な耐擦傷性と耐候性を有するシリカ系の硬化被膜を形成する方法が広く行われている。例えば、特許文献1には、コロイド状シリカとアルコキシシラン縮合体とからなる組成物を用いて、プラスチック表面に良好な耐擦傷性を発現するシリカ系の保護被膜を形成する方法が提案されている。しかしながら、この方法では、保護被膜を形成する為に数十分から数時間の加熱時間が必要という生産性の問題があった。この問題を解決するために、シリカ系の保護被膜を光硬化により短時間に形成させることが試みられている。
特許文献2には、コロイド状シリカ、オキセタニル基を含有するシラン変成オリゴマー及び光カチオン重合開始剤からなる活性エネルギー線硬化性組成物が提案されている。また、特許文献3には、コロイド状シリカ、エポキシ基含有ケイ素化合物、光カチオン重合開始剤及びフッ素原子含有高分子化合物からなる組成物が提案されている。
これらの発明は、光カチオン重合性のあるエポキシ基又はオキセタニル基をケイ素系化合物であるシラン変成オリゴマーに相当量導入することで光硬化性を付与し、短時間で保護被膜を形成することを可能としている。しかしながら、結果として保護被膜中に有機性の結合構造が増加するために、保護被膜の耐擦傷性や硬度が低下し易い等の問題があった。
特開昭55−94971号公報 特開2005−89697号公報 特開2005−139301号公報
本発明の目的は、外観、硬度、耐擦傷性及び基材との密着性に優れた無機系の硬化被膜を短時間で形成できる活性エネルギー線硬化性組成物を提供することにある。また、この組成物を用いて硬化被膜を基材の表面に形成した積層体を提供することにある。
本発明者らは上記目的を達成すべく鋭意研究を重ねた結果、コロイド状シリカにエポキシ基含有シランを加水分解・縮合させ、アルキルシリケートとシランとの加水分解・縮合物と、活性エネルギー線感応性酸発生剤とを併用することにより、活性エネルギー線の照射で速やかに硬化し、且つ良好な外観、硬度、耐擦傷性及び基材との密着性を有する硬化被膜が形成されることを見出し、本発明に到った。
即ち、前記課題を解決するための第1の発明は、個数平均粒子径5〜200nmのコロイド状シリカと下式(1)で示されるエポキシ基含有シランとの加水分解・縮合物(A)、下式(2)で示されるアルキルシリケートと下式(3)で示されるシランとの加水分解・縮合物(B)及び活性エネルギー線感応性酸発生剤(C)を含有する活性エネルギー線硬化性組成物である。
Figure 2008088300
(式中、Rはエポキシ基を含有する有機基を示し、Rは炭素数1〜10の有機基を示す。また、Rは炭素数1〜5のアルキル基又は炭素数1〜4のアシル基を示し、aは0〜2の整数を示す。)
Figure 2008088300
(式中R、R、R及びRはそれぞれ炭素数1〜5のアルキル基を示し、nは1〜20の整数を示す。)
Figure 2008088300
(式中Rは炭素数1〜10の有機基を示し、Rは炭素数1〜5のアルキル基又は炭素数1〜4のアシル基を示し、bは1〜3の整数を示す。)
また、第2の発明は、前述の活性エネルギー線硬化性組成物の硬化被膜を基材の表面に有する積層体である。
本発明により、外観、硬度、耐擦傷性及び基材との密着性に優れた無機系の硬化被膜を短時間で形成できる活性エネルギー線硬化性組成物が得られる。また、この組成物を基材に塗布し活性エネルギー線を照射することにより、その基材の上に外観、硬度、耐擦傷性及び基材との密着性に優れた硬化被膜が短時間で形成される。
以下の説明において、本発明の活性エネルギー線硬化性組成物を「本発明の組成物」、加水分解・縮合物(A)を「縮合物(A)」、加水分解・縮合物(B)を「縮合物(B)」及び活性エネルギー線感応性酸発生剤(C)を「酸発生剤(C)」という。
縮合物(A)
縮合物(A)は、個数平均粒子径5〜200nmのコロイド状シリカと式(1)で示されるエポキシ基を含有するシランとを加水分解・縮合して得られるものであり、硬化被膜に高硬度及び耐擦傷性を付与する成分である。コロイド状シリカは、本来活性エネルギー線硬化性に乏しいが、エポキシ基含有シランを縮合反応させて粒子表面にエポキシ基を保持させることで活性エネルギー線硬化性が付与される。
コロイド状シリカ
本発明で使用するコロイド状シリカとしては、例えば、シリカ微粒子が水に均一分散した水性シリカゾル及び分散溶媒に均一に分散したオルガノシリカゾルが挙げられる。分散溶媒としては、例えば、メチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブチルアルコール、エチレングリコール等のアルコール類;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン類;酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル類;ヘキサン、ヘプタン等の脂肪族炭化水素類;ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類;エチレングリコールモノアルキルエーテル、プロピレングリコールモノアルキルエーテル等のグリコールエーテルが挙げられる。分散溶媒は1種で又は2種以上を併用して使用できる。
コロイド状シリカ中のシリカ含有率(固形分濃度)は、10〜50質量%が好ましく、20〜40質量%がより好ましい。
コロイド状シリカの個数平均粒子径は5〜200nmである。個数平均粒子径5nm以上のコロイド状シリカを使用することで、硬化被膜に耐擦傷性と硬度を付与できる。また、個数平均粒子径200nm以下のコロイド状シリカを使用することで、硬化被膜の透明性の低下を抑制できる。コロイド状シリカの個数平均粒子径は好ましくは10〜100nmである。尚、個数平均粒子径の測定法としては、例えば、電子顕微鏡観察による方法が挙げられる。
エポキシ基含有シラン
本発明で使用するエポキシ基含有シランは式(1)で示される化合物である。
エポキシ基含有シランとしては、例えば、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリエトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシランが挙げられる。中でも、耐擦傷性が良好な硬化被膜を与える点で、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシランが好ましい。エポキシ基含有シランは1種で又は2種以上を併用して使用できる。また、1種以上のエポキシ基含有シランとエポキシ基を含有しないシランを併用してもよい。
縮合物(A)を製造する際のコロイド状シリカとエポキシ基含有シランの比率は、コロイド状シリカの固形分100質量部に対して、エポキシ基含有シラン1〜200質量部が好ましい。この比率が1質量部以上で、コロイダルシリカに光硬化性が付与されると共に縮合物(B)との結合性が付与され、硬化被膜に耐擦傷性が付与される。また、この比率が200質量部以下で、硬化被膜の硬度と耐擦傷性の低下が抑制される。
コロイド状シリカとエポキシ基含有シランの比率は、好ましくは、コロイド状シリカの固形分100質量部に対してエポキシ基含有シラン10〜100質量部である。
縮合物(A)は、エポキシ基含有シランの加水分解と、それに続く前記加水分解物のシラノール基や加水分解されなかったアルコキシシリル基と、コロイド状シリカの表面のシラノール基及び/又はアルコキシシリル基との縮合により得られる。
コロイド状シリカの表面に存在する官能基は分散状態により異なり、水分散体の場合はシラノール基、有機溶剤分散体の場合はシラノール基とアルコキシシリル基が混在していると推定されている。コロイド状シリカの表面のアルコキシシリル基は、そのまま又は予め加水分解した後にエポキシ基含有シランの加水分解物との縮合に供される。
エポキシ基含有シラン及びコロイド状シリカの加水分解・縮合の反応は、公知の方法を用いて実施できる。
例えば、加水分解の方法としては、エポキシ基含有シランとコロイド状シリカとを水溶性の溶媒に溶解し、更にシラン1モルに対して1〜50モル程度の水を加え、これに塩酸や酢酸等の酸を加えて溶液をpH2〜5の酸性にして攪拌する方法が挙げられる。また、別法として、エポキシ基含有シランとコロイド状シリカとを溶媒に溶解し、更にシラン1モルに対して1〜50モル程度の水を加えて30〜100℃程度で加熱する方法が挙げられる。加水分解に際して発生するアルコールは系外に留去できる。
加水分解処理されたエポキシ基含有シランと加水分解処理されたコロイド状シリカの表面での縮合は、両者を混合して常温又は加温状態で放置又は攪拌することにより進行できる。その際、系をpH6〜7程度の中性付近に制御することにより、縮合の進行が速められる。縮合に際して発生する水は系外に留去できる。
尚、加水分解・縮合に使用する溶媒は、エポキシ基含有シランとコロイド状シリカを均一に混合できれば特に限定されないが、水と任意に混合可能な溶媒、例えば、アルコール類が好適に用いられる。
縮合物(B)
縮合物(B)は式(2)で示されるアルキルシリケートと式(3)で示されるシランとを加水分解・縮合したものであり、本発明の組成物に成膜性、強靭性及び柔軟性を付与する成分である。
アルキルシリケート
本発明で使用するアルキルシリケートを示す式(2)において、R、R、R及びRはそれぞれ炭素数1〜5のアルキル基を示す。それらの基は同一でも異なっていても良い。また、nはアルキルシリケートの繰り返し単位の数を表し、1〜20の整数であり、1〜10が好ましい。
アルキルシリケートとしては、例えば、メチルシリケート、エチルシリケート、イソプロピルシリケート、n−プロピルシリケート、イソブチルシリケート及びn−ブチルシリケートが挙げられる。その中で、加水分解・縮合の反応が速い点で、R〜Rの総てがメチル基であるメチルシリケート及びR〜Rの総てがエチル基であるエチルシリケートが好ましい。
式(3)で示されるシラン
式(3)で示されるシランとしては、例えば、メチルトリエトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、3−(メタ)アクリロイルオキシプロピルトリエトキシシラン、3−(メタ)アクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、p−スチリルトリエトキシシラン、p−スチリルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−クロロプロピルトリメトキシシラン、3−クロロプロピルトリエトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、3−イソシアネートプロピルトリメトキシシラン、3−イソシアネートプロピルトリエトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、トリメチルメトキシシラン、トリエチルメトキシシラン、トリメチルエトキシシラン、トリエチルエトキシシラン、及び前述したエポキシ基含有シランが挙げられる。これらのシランは単独で又は2種以上を併用して使用できる。
これらの中で、硬化被膜に良好な耐擦傷性を付与できる点で、メチルトリメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリエトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン及び3−グリシドキシプロピルトリメトキシシランが好ましい。
その中でも、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン及び3−グリシドキシプロピルトリエトキシシランは硬化被膜に良好な耐擦傷性を付与できることから特に好ましい。これは、これらのエポキシ基と縮合物(A)に導入されたエポキシ基との間に結合が形成されるためと考えられる。
縮合物(B)を製造する際のアルキルシリケートとシランとの比率は、好ましくは、アルキルシリケート1モルに対してシラン0.1〜100モルである。アルキルシリケート1モルに対してシランを0.1モル以上とすることで、得られる縮合物(B)の保管安定性が向上される。また、シランを100モル以下とすることで、硬化被膜の耐擦傷性の低下が抑制される。アルキルシリケートとシランとの比率はアルキルシリケート1モルに対してシラン1.0〜50モルがより好ましい。
式(3)で示されるシランとしてエポキシ基含有シランを使用する場合、シランの全て又は一部分をエポキシ基含有シランとすることができる。
シランとしてエポキシ基含有シランを使用する場合は、縮合物(B)の総Si原子数に対して、エポキシ基の個数を50%以下とすることが好ましい。エポキシ基の個数を50%以下、より好ましくは30%以下とすることで硬化被膜の硬度や耐擦傷性の低下が抑制される。また、縮合物(B)の総Si原子数に対して、エポキシ基の個数を0.5%以上とすることが好ましい。エポキシ基の個数を0.5%以上とすることで硬化被膜の耐擦傷性が向上する。
縮合物(B)を得る為のアルキルシリケートとシランとの加水分解・縮合の反応には公知の方法が用いられ。
加水分解の方法としては、例えば、アルキルシリケートとシランをアルコール類に混合し、更に、アルキルシリケートとシランの合計1モルに対して1〜100モル程度の水を加えて攪拌する方法が挙げられる。その際、塩酸や酢酸等の酸を加えて溶液のpHを2〜5となるように調整することができる。また、溶液の温度を0〜100℃に制御することができる。更に、加水分解に際して発生するアルコールは反応系外に留去できる。
上記加水分解に続く縮合は、加水分解されたアルキルシリケートとシランを常温又は加温状態で放置又は攪拌することにより進行できる。その際、例えばpHを6〜7に制御することにより、縮合の進行を速められる。縮合に際して発生する水は反応系外に留去できる。
加水分解・縮合に使用する溶媒としては、水と任意に混合可能な溶媒、例えば、アルコール類等が好適に用いられる。
縮合物(A)と縮合物(B)の配合量は、縮合物(A)100質量部に対して縮合物(B)10〜1000質量部が好ましい。縮合物(B)10質量部以上で、硬化被膜の強靭性と柔軟性が向上される。縮合物(B)1000質量部以下とすることで、硬化被膜の硬度と耐擦傷性が向上される。より好ましくは、縮合物(A)100質量部に対して縮合物(B)20〜500質量部である。
酸発生剤(C)
本発明で使用する酸発生剤(C)は、可視光線、紫外線、熱線、電子線等の活性エネルギー線の照射により酸を発生し、縮合物(A)及び縮合物(B)に重縮合反応を起こさせる化合物である。これらの中で、可視光線、紫外線照射により酸を発生する光感応性酸発生剤、及び熱線により酸を発生する熱感応性酸発生剤が好ましい。更に、活性が高いとプラスチック材料に熱劣化を与えにくいことから、光感応性酸発生剤がより好ましい。
光感応性酸発生剤としては、ジアゾニウム塩、ヨードニウム塩、スルホニウム塩、ホスホニウム塩、セレニウム塩、オキソニウム塩、アンモニウム塩化合物等が挙げられる。
光感応性酸発生剤の具体例としては、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製のイルガキュア250、旭電化工業(株)製のアデカオプトマーSP−15及びSP−170、米国ユニオンカーバイド社製のサイラキュアUVI−6970、サイラキュアUVI−6974、サイラキュアUVI−6990、サイラキュアUVI−6992及びサイラキュアUVI−6950、ダイセル・サイテック(株)製のUvacure1590並びに日本曹達(株)製のCI−2734、CI−2855、CI−2823及びCI−2758が挙げられる。
酸発生剤(C)の配合量は、縮合物(A)及び縮合物(B)の固形分の合計100質量部に対して0.01〜10質量部が好ましい。酸発生剤(C)の配合量が0.01質量部以上で、活性エネルギー線の照射により良好な硬化性が得られる。また、酸発生剤(C)の配合量が10質量部以下で、低着色で被膜物性の低下の少ない被膜が得られる。酸発生剤(C)の配合量は、より好ましくは、縮合物(A)及び縮合物(B)の固形分の合計100質量部に対して0.05〜5質量部である。
本発明の組成物
本発明の組成物は、固形分濃度調整、分散安定性向上、塗布性向上、基材への密着性向上等を目的として、有機溶媒を含有できる。有機溶媒としては、例えば、アルコール類、ケトン類、エーテル類、エステル類、セロソルブ類及び芳香族化合物類が挙げられる。
具体例としては、メチルアルコール、エチルアルコール、1−プロピルアルコール、2−プロピルアルコール、1−ブチルアルコール、2−ブチルアルコール、イソブチルアルコール、t−ブチルアルコール、ベンジルアルコール、2−メトキシエチルアルコール、2−エトキシエチルアルコール、2−(メトキシメトキシ)エタノール、2−ブトキシエタノール、フルフリルアルコール、テトラヒドロフルフリルアルコール、ジエチレングリコール、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、1−メトキシ−2−プロピルアルコール、1−エトキシ−2−プロピルアルコール、ジプロピレングリコール、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジアセトンアルコール、アセトン、メチルエチルケトン、2−ペンタノン、3−ペンタノン、2−ヘキサノン、メチルイソブチルケトン、2−ヘプタノン、4−ヘプタノン、ジイソブチルケトン、シクロヘキサノン、メチルシクロヘキサノン、アセトフェノン、ジエチルエーテル、ジプロピルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジブチルエーテル、ジヘキシルエーテル、アニソール、フェネトール、テトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン、1,2−ジメトキシエタン、1,2−ジエトキシエタン、1,2−ジブトキシエタン、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル、グリセリンエーテル、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸イソプロピル、酢酸ブチル、酢酸イソブチル、酢酸sec−ブチル、酢酸ペンチル、酢酸イソペンチル、3−メトキシブチルアセテート、2−エチルブチルアセテート、2−エチルヘキシルアセテート、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチル、プロピオン酸ブチル、γ−ブチロラクトン、2−メトキシエチルアセテート、2−エトキシエチルアセテート、2−ブトキシエチルアセテート、2−フェノキシエチルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ベンゼン、トルエン及びキシレンが挙げられる。これらの有機溶媒は単独で又は2種以上を併用して使用できる。
有機溶剤の含有量は、縮合物(A)と縮合物(B)の固形分の合計100質量部に対して50〜1000質量部が好ましい。
本発明の組成物は、目的を逸脱しない範囲で、酸によりカチオン重合可能なエポキシ化合物、ビニルエーテル化合物、分子内にラジカル重合性二重結合を有するビニル化合物及び活性エネルギー線感応性ラジカル重合開始剤等を含有できる。
酸によりカチオン重合可能なエポキシ化合物は分子内にエポキシ基を含有するものである。その具体例としては、エチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、プロピレングリコールジグリシジルエーテル、トリプロピレングリコールジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル、1,4−ブタンジオールジグリシジルエーテル、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、グリセリンジグリシジルエーテル、ジグリセリンテトラグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、2,6−ジグリシジルフェニルエーテル、ソルビトールトリグリシジルエーテル、トリグリシジルイソシアヌレート、ジグリシジルアミン、ジグリシジルベンジルアミン、フタル酸ジグリシジルエステル、ビスフェノールAジグリシジルエーテル、ブタジエンジオキサイド、ジシクロペンタジエンジオキサイド、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、3,4−エポキシ−6−メチルシクロヘキシルメチル−3,4−エポキシ−6−メチルシクロヘキサンカルボキシレート、ビス(3,4−エポキシシクロヘキシルメチル)アジペート、ペンタエリスリトールポリグリシジルエーテル、ビスフェノールA型エポキシ樹脂とエチレンオキサイドとの付加物、フェノールノボラック型エポキシ樹脂及びクレゾールノボラック型エポキシ樹脂が挙げられる。
ビニルエーテル化合物としては、例えば、n−プロピルビニルエーテル、イソプロピルビニルエーテル、n−ブチルビニルエーテル、イソブチルビニルエーテル、2−エチルヘキシルビニルエーテル、オクタデシルビニルエーテル、シクロヘキシルビニルエーテル、ヒドロキシエチルビニルエーテル、ヒドロキシブチルビニルエーテル、1,4−ブタンジオールジビニルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジビニルエーテル、1,9−ノナンジオールジビニルエーテル、シクロヘキサンジオールジビニルエーテル、シクロヘキサンジメタノールジビニルエーテル、エチレングリコールジビニルエーテル、ジエチレングリコールビニルエーテル、トリエチレングリコールジビニルエーテル、ポリエチレングリコールジビニルエーテル、トリメチロールプロパントリビニルエーテル及びペンタエリスリト−ルテトラビニルエーテルが挙げられる。
分子内にラジカル重合性二重結合を有するビニル化合物は分子内に重合性二重結合を1以上有する。このビニル化合物としては、重合速度が速い点から、分子内に(メタ)アクリロイル基を含有する単官能又は多官能(メタ)アクリレート化合物が好ましい。
単官能(メタ)アクリレート化合物としては、例えば、フェニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、フェニルエチル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、パラクミルフェノールエチレンオキサイド変性(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、i−ブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、ペンチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、n−ヘキシル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート及びフォスフォエチル(メタ)アクリレートが挙げられる。
多官能(メタ)アクリレート化合物としては、例えば、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,3−ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、2,2−ビス[4−(メタ)アクリロイルオキシフェニル]−プロパン、2,2−ビス[4−(メタ)アクリロイルオキシエトキシフェニル]−プロパン、2,2−ビス[4−(メタ)アクリロイルオキシジエトキシフェニル]−プロパン、2,2−ビス[4−(メタ)アクリロイルオキシペンタエトキシフェニル]−プロパン、2,2−ビス[4−(メタ)アクリロイルオキシエトキシ−3−フェニルフェニル]−プロパン、ビス[4−(メタ)アクリロイルチオフェニル]スルフィド、ビス[4−(メタ)アクリロイルオキシフェニル]スルフォン、ビス[4−(メタ)アクリロイルオキシエトキシフェニル]スルフォン、ビス[4−(メタ)アクリロイルオキシジエトキシフェニル]スルフォン、ビス[4−(メタ)アクリロイルオキシペンタエトキシフェニル]スルフォン、ビス[4−(メタ)アクリロイルオキシエトキシ−3−フェニルフェニル]スルフォン、ビス[4−(メタ)アクリロイルオキシエトキシ−3,5−ジメチルフェニル]スルフォン、ビス[4−(メタ)アクリロイルオキシフェニル]スルフィド、ビス[4−(メタ)アクリロイルオキシエトキシフェニル]スルフィド、ビス[4−(メタ)アクリロイルオキシペンタエトキシフェニル]スルフィド、ビス[4−(メタ)アクリロイルオキシエトキシ−3−フェニルフェニル]スルフィド、ビス[4−(メタ)アクリロイルオキシエトキシ−3,5−ジメチルフェニル]スルフィド、2,2−ビス[4−(メタ)アクリロイルオキシエトキシ−3,5−ジブロモフェニルプロパン]、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、テトラメチロールメタントリ(メタ)アクリレート、テトラメチロールメタンテトラ(メタ)アクリレート及びジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレートが挙げられる。
分子内にラジカル重合性二重結合を有するビニル化合物は1種で又は2種以上を併用して使用できる。
活性エネルギー線感応性ラジカル重合開始剤としては、例えば、3,3−ジメチル−4−メトキシ−ベンゾフェノン、ベンジルジメチルケタール、p−ジメチルアミノ安息香酸イソアミル、p−ジメチルアミノ安息香酸エチル、ベンゾフェノン、p−メトキシベンゾフェノン、2,2−ジエトキシアセトフェノン、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、メチルフェニルグリオキシレート、エチルフェニルグリオキシレート、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン及び2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパノン−1,2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキサイドが挙げられる。
また、本発明の組成物は、その他、必要に応じて、ポリマー、ポリマー微粒子、無機微粒子、染料、顔料、顔料分散剤、流動調整剤、レベリング剤、消泡剤、紫外線吸収剤、光安定剤、酸化防止剤等を含有できる。
本発明の組成物は、基材の表面に塗布され、次いで活性エネルギー線の照射により硬化して、基材の表面に硬化被膜が形成された積層体が得られる。
基材
本発明の積層体に使用される基材としては、例えば、プラスチック、金属、缶、紙、木質材、無機質材、及びこれらの基材にプライマー層を形成したものが挙げられる。これらの中で、ポリメチルメタクリレート、ポリカーボネート、ポリスチレン、メチルメタクリレートとスチレンとの共重合樹脂等のプラスチック基材が好適である。
基材への本発明の組成物の塗布は公知の方法で実施できる。塗布法としては、例えば、ディップ法、スプレー法、バーコート法、ロールコート法、グラビア印刷法、フレキソ印刷法、スクリーン印刷法、スピンコート法、フローコート法及び静電塗装法が挙げられる。
活性エネルギー線としては、例えば、低圧水銀灯、中圧水銀灯、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、白熱電球、キセノンランプ、ハロゲンランプ、カーボンアーク灯、メタルハライドランプ、蛍光灯、タングステンランプ、ガリウムランプ及びエキシマーレーザーを光源とする光線や、電子線、β線及びγ線が挙げられる。活性エネルギー線は1種で又は2種以上を併用して使用できる。複数種の活性エネルギー線を使用する場合は、同時に又は順次照射することができる。
また、本発明においては、活性エネルギー線の照射だけでなく、必要に応じて、加熱炉等を用いた加熱処理を併用することができる。加熱処理は活性エネルギー線照射と同時又は活性エネルギー線照射の前後に実施できる。
硬化被膜
基材の表面に形成される硬化被膜の膜厚は0.1〜50μm程度が一般的である。
積層体
硬化被膜が透明性、耐擦傷性及び基材への密着性に優れていることから、硬化皮膜を有する積層体は、フラットパネルディスプレイ用フィルム、フラットパネルディスプレイ用前面板、タッチパネル用前面板、各種表示物用前面板、高速道路等の透明遮音板、ヘッドランプレンズ等の自動車部品、車両用プラスチック窓材等の各種用途に好適である。
以下、本発明を実施例により説明する。また、以下において、「%」は「質量%」を意味する。尚、実施例中の縮合物の固形分は、コロイド状シリカとエポキシ基含有シランとの加水分解・縮合反応及びアルキルシリケートとシランとの加水分解・縮合反応が完結した場合の理論値に基づくものである。
[合成例1]コロイド状シリカとエポキシ基含有シランとの縮合物(A1)の合成
撹拌子及びコンデンサーを備えた500mlナス型フラスコに、表1に示すように、コロイド状シリカとしてイソプロパノール分散コロイダルシリカ(スノーテックスIPA−ST−L)100g、エポキシ基含有シランとして、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(KBM−403)11.8g(0.05mol)、純水5.4g及びイソプロパノール74.6gを仕込み、ウォーターバスを用いて80℃で4時間、加熱・攪拌して加水分解・縮合を行い、縮合物(A1)の20%溶液を得た。
[合成例2及び3]コロイド状シリカとシランとの縮合物(A2)及び(X1)の合成
縮合物の原料として表1に示すものに変更した。それ以外は合成例1と同様にして縮合物(A2)及び(X1)の20%溶液を得た。
Figure 2008088300
スノーテックスIPA−ST−L:イソプロパノール分散コロイダルシリカ(日産化学工業(株)製、個数平均粒子径53nm、固形分30%、商品名:スノーテックスIPA−ST−L)
スノーテックスIPA−ST:イソプロパノール分散コロイダルシリカ(日産化学工業(株)製、個数平均粒子径13nm、固形分30%、商品名:スノーテックスIPA−ST)
KBM−403:3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(信越化学工業(株)製、分子量236、商品名:KBM−403)
KBE−04:テトラエトキシシラン(信越化学工業(株)製、商品名:KBE−04)
[合成例4]シランの縮合物(B1)の合成
撹拌子及びコンデンサーを備えた500mlナス型フラスコに、表2に示すように、平均4量体のメチルシリケート(メチルシリケート51)35.3g(0.075mol)、メチルトリメトキシシラン81.6g(0.6mol)、フェニルトリメトキシシラン(KBM−103)14.9g(0.075mol)、純水99.9g(5.55mol)及びイソプロパノール107.8gを仕込み、ウォーターバスを用いて80℃で6時間、加熱・攪拌して加水分解・縮合を行い、縮合物(B1)の20%溶液を得た。
[合成例5及び6]シランの縮合物(B2)及び(Y1)の合成
縮合物の原料として表2に示すものに変更した。それ以外は合成例4と同様にして縮合物(B2)及び(Y1)の20%溶液を得た。
Figure 2008088300
メチルシリケート51:平均4量体のメチルシリケート(コルコート(株)製、商品名:メチルシリケート51)
メチルトリメトキシシラン(多摩化学工業(株)製)
KBM−103:フェニルトリメトキシシラン(信越化学工業(株)、商品名:KBM−103)
KBM−403:3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(信越化学工業(株)製、分子量236、商品名:KBM−403)
[実施例1]
<活性エネルギー線硬化性の組成物の調製>
縮合物(A)として、合成例1で得られた縮合物(A1)の20%溶液20.0g(固形分換算で4.0g)、縮合物(B)として、縮合物(B1)の20%溶液30.0g(固形分換算で6.0g)、酸発生剤(C)としてチオビス(4,1−フェニレン)−S,S,S’,S’−テトラフェニルジスルフォニウムビスヘキサフルオロフォスフェートとジフェニル(4−フェニルチオフェニル)スルフォニウムヘキサフルオロフォスフェートのプロピレンカーボネート溶液(ダウケミカル日本(株)製、商品名:サイラキュアUVI−6992)0.4g(固形分換算で0.2g)(以下、「酸発生剤1」という)を配合した。更に、レベリング剤(東レ・ダウコーニング(株)製、商品名:L−7001)0.01g、1−メトキシ−2−プロパノール4.0g及びγ−ブチロラクトン4.0gを配合し、撹拌混合して活性エネルギー線硬化性の組成物(イ)を調製した。
<硬化被膜の形成>
組成物(イ)を、基材である、長さ15cm、幅10cm、厚み3mmのアクリル樹脂板(三菱レイヨン(株)製、商品名:アクリライトEX)上に適量滴下し、バーコート法にて3〜4μm厚の硬化被膜が得られるように塗布し、乾燥機中で60℃で10分間乾燥し、被膜を形成した。
更に、コンベアを備えた120W/cmの高圧水銀ランプ((株)オーク製作所製、紫外線照射装置、商品名:ハンディーUV−1200、QRU-2161型)を用いて、積算光量1000mJ/cm2の紫外線を照射し、硬化被膜を有する積層体(イ)を得た。紫外線硬化に要した時間は1分であった。
尚、紫外線照射量は紫外線光量計((株)オーク製作所製、商品名:UV−351型、ピーク感度波長360nm)で測定した。
積層体(イ)の表面の硬化被膜について、以下の評価を実施した。結果を表3に示す。
<硬化被膜の評価>
(1)膜厚
硬化被膜を形成したアクリル板の断面を走査型電子顕微鏡で観察し、硬化被膜の膜厚を測定した。
(2)外観
目視にて硬化被膜の透明性並びにクラック及び白化の有無を観察し、以下の基準で外観を評価した。
「○」:透明で、クラック及び白化の欠陥の無いもの。
「×」:不透明な部分があるもの又はクラック若しくは白化の欠陥があるもの。
(3)鉛筆硬度
鉛筆引っかき試験(JIS−K−5600)に準じて鉛筆硬度を評価した。
(4)耐擦傷性
積層体(イ)の硬化被膜の面を、#0000スチールウールで、9.8×10Paの圧力を加えて10往復擦り、1cm×3cmの面積中に発生した傷の程度を観察し、以下の基準で耐擦傷性を評価し、「C」以上を耐擦傷性良好とした。
「A」:ほとんど傷が付かない。
「B」:1〜9本のキズが付く。光沢面あり。
「C+」:10〜49本のキズが付く。光沢面あり。
「C−」:50〜99本のキズが付く。光沢面あり。
「D」:100本以上のキズが付く。光沢面あり。
「E」:光沢面なし。
(5)密着性
積層体(イ)の硬化被膜の面に、カミソリの刃で1mm間隔に縦横6本ずつの切れ目を入れて計25個のマス目を作った。次いで、25個のマス目の上にセロハンテープを良く密着させた後、45度手前方向に急激に剥がし、硬化被膜が剥離せずに積層体上に残存したマス目数を計測して、以下の基準で硬化被膜と基材との密着性を評価した。
「○」:密着性良好(剥離したマス目がない)
「△」:密着性中程度(剥離したマス目が1〜5個)
「×」:密着性不良(剥離したマス目が6個以上)
[実施例2及び3、比較例1及び2]
縮合物(A1)又は(B1)の20%溶液の代わりに、それぞれ表3に示す縮合物に変更した。それ以外の条件は実施例1と同様にして、組成物(ロ)〜(ホ)を調製し、硬化被膜を形成した後、硬化被膜の評価を実施した。結果を表3に示す。
Figure 2008088300

Claims (3)

  1. 個数平均粒子径5〜200nmのコロイド状シリカと下式(1)で示されるエポキシ基含有シランとの加水分解・縮合物(A)、下式(2)で示されるアルキルシリケートと下式(3)で示されるシランとの加水分解・縮合物(B)及び活性エネルギー線感応性酸発生剤(C)を含有する活性エネルギー線硬化性組成物。
    Figure 2008088300
    (式中、Rはエポキシ基を含有する有機基を示し、Rは炭素数1〜10の有機基を示す。また、Rは炭素数1〜5のアルキル基又は炭素数1〜4のアシル基を示し、aは0〜2の整数を示す。)
    Figure 2008088300
    (式中R、R、R及びRはそれぞれ炭素数1〜5のアルキル基を示し、nは1〜20の整数を示す)
    Figure 2008088300
    (式中Rは炭素数1〜10の有機基を示し、Rは炭素数1〜5のアルキル基又は炭素数1〜4のアシル基を示し、bは1〜3の整数を示す。)
  2. 式(3)のRの少なくとも1つがエポキシ基を含有する有機基である請求項1に記載の活性エネルギー線硬化性組成物。
  3. 請求項1又は2に記載の活性エネルギー線硬化性組成物の硬化被膜を基材の表面に有する積層体。
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