JP2014015559A - 活性エネルギー線硬化性組成物、硬化膜の形成方法及び積層体 - Google Patents

活性エネルギー線硬化性組成物、硬化膜の形成方法及び積層体 Download PDF

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浩史 竹内
Mina Nomura
美菜 野村
Hideaki Kuwano
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Abstract

【課題】外観、硬度、耐擦傷性及び基材との密着性に優れた無機系の被膜を再現性よく短時間に形成できる活性エネルギー線硬化性組成物、及びこの組成物を用いて硬化被膜を基材の表面に形成した積層体を提供する。
【解決手段】オルガノシラン化合物及びアルキルシリケート化合物から選ばれる少なくとも1種の化合物を加水分解・縮合させて得られるポリシロキサン化合物と、活性エネルギー線感応性塩基発生剤の少なくとも1種類以上を含有する活性エネルギー線硬化性組成物。
【選択図】なし

Description

本発明は、表面硬度に優れた透明な硬化被膜を短時間で形成可能な活性エネルギー線硬化性組成物及び硬化被膜を基材の表面に形成した積層体に関する。
近年、透明ガラスの代替として、耐衝撃性、軽量性に優れるアクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂等の透明プラスチック材料が広く使用されるようになってきた。しかしながら、透明プラスチック材料はガラスに比較して表面硬度が低い為、表面に傷を受け易いという問題を有している。
そこで、プラスチック材料の耐擦傷性を改良すべく、これまで様々な試みがなされてきた。例えば、ゾルーゲル反応を利用してプラスチック材料表面に良好な耐擦傷性と耐候性を有する無機系の硬化被膜を形成する方法が広く行われている。例えば、特許文献1では、光酸発生剤存在下、シロキサンオリゴマーを光硬化させることにより、無機系の被膜を形成させる方法が開示されている。この方法では、低温プロセスで、しかも短時間で硬化物性の優れた被膜を形成することができる。しかしながら、光酸発生剤から発生する強酸は非常に活性が高く不安定であり、系中に含まれる微量の金属イオン、酸性物質や塩基性物質などにより容易に失活する為、硬化挙動に影響を及ぼす可能性があった。一方、特許文献2では、光塩基発生剤から発生するアミン類を触媒としてゾルーゲル反応を行い、微細パターンを形成する技術が開示されている。この方法では、硬化触媒であるアミン類が安定なため、再現性よくパターン形成を行なうことができる。しかしながら、バルクでの硬化物性については言及されていない。
一方、特許文献3、非特許文献1及び非特許文献2では、合成が容易であり、尚且つ量子収率の高い光塩基発生剤が相次いで提案されており、材料選択の幅が広がりつつある。
特開2005−89697号公報 特開2010−117439号公報 特開2009−280785
J.Photopolym.Sci.Technol.,Vol.22, No.5 (2009) Polymer Preprints, Japan Vol. 60, No. 1 (2011)
本発明の目的は、光塩基発生剤を用いることにより、外観、硬度、耐擦傷性及び基材との密着性に優れた無機系の硬化被膜を、低温プロセスで短時間に再現性よく形成できる活性エネルギー線硬化性組成物を提供することにある。また、この組成物を用いて硬化被膜を基材の表面に形成した積層体を提供することにある。
本発明者らは上記目的を達成すべく鋭意研究を重ねた結果、オルガノシラン化合物、あるいはアルキルシリケート化合物の加水分解・縮合物(以下、ポリシロキサン化合物)に、特定の光塩基発生剤存在下、活性エネルギー線を照射することによって速やかに硬化し、良好な外観、表面硬度、耐擦傷性及び基材との密着性を有する無機系硬化被膜が、再現性よく形成されることを見出し、本発明に到った。
即ち、前記課題を解決するための第1の発明は、下記一般式(1)で表されるオルガノシラン化合物(a−1)及び下記一般式(2)表されるアルキルシリケート化合物(a−2)から選ばれる化合物を加水分解・縮合させて得られるポリシロキサン化合物(A)、並びに活性エネルギー線感応性塩基発生剤(B)を含有する活性エネルギー線硬化性組成物である。
1 mSi(OR24-m (1)
(式中、R1は炭素数1〜10のアルキル基、アリール基、炭素―炭素不飽和結合含有基、環状エーテル含有基を示す。また、R2は炭素数1〜4のアルキル基を示し、mは1〜2の整数を示す。)
Figure 2014015559
(式中、R3は炭素数1〜4のアルキル基を示し、nは平均4〜20の整数を示す)
また、第2の発明は、上記ポリシロキサン化合物(A)が、前記(a−1)から選ばれる少なくとも1種の化合物、及び前記(a−2)から選ばれる少なくとも1種の化合物を加水分解・縮合させて得られるものである活性エネルギー線硬化性組成物である。
また、第3の発明は、上記活性エネルギー線感応性塩基発生剤(B)が、分子内にベンゾフェノン構造、2−アリル安息香酸構造、アントラセン構造、またはアントラキノン構造を有する化合物である活性エネルギー線硬化性組成物である。
また、第4の発明は、上記活性エネルギー線感応性塩基発生剤(B)が、分子内に下記(i)〜(iv)から選択される構造を有する化合物である活性エネルギー線硬化性組成物である。
(i)下記一般式(3)で表されるベンゾフェノン構造を有する化合物;

Figure 2014015559
(式中、R4,R5は各々独立に水素原子、炭素数1〜4のアルキル基、または水酸基を示す。)
(ii)下記一般式(4)で表される2-アリル安息香酸構造を有する化合物;

Figure 2014015559
(式中、R6、R7は各々独立に水素原子、または炭素数1〜4のアルコキシ基を示す。)
上記式(3)及び(4)におけるX+が、一般式(5a)〜(5d)で示され、

Figure 2014015559
(式中、R8、R9、R10は各々独立に水素原子、炭素数1〜8の環状または非環状アルキル基、または炭素数5〜12のアリール基を示し、R11、R12、R13、R14は、各々独立に水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、または炭素数6〜12のアリール基を示し、R15、R16、R17、R18、R19は、各々独立に水素原子、炭素数1〜8の環状または非環状のアルキル基、または炭素数6〜12のアリール基を示す。)
(iii) 下記一般式(6)で表されるアントラセン構造を有する化合物;
Figure 2014015559
(iv)下記一般式(7)で表されるアントラキノン構造を有する化合物;
Figure 2014015559
上記式(6)及び(7)におけるYが、一般式(8a)〜(8c)で示される
Figure 2014015559
(R20、R21は、各々独立に炭素数1〜4のアルキル基を表し、R22、R23、R24は各々独立に水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、または炭素数6〜12のアリール基、R25、R26、R27、R28は各々独立に水素原子、炭素数1〜8のアルキル環状または非環状基、または炭素数6〜12のアリール基を示す。)
また、第5の発明は、上記の活性エネルギー線硬化性組成物に活性エネルギー線を照射し、塩基を発生させて組成物を硬化させる工程を含む硬化膜の形成方法である。
更に、第6の発明は、上記の活性エネルギー線硬化性組成物の硬化被膜を基材の表面に有する積層体である。
本発明により、外観、硬度、耐擦傷性及び基材との密着性に優れた無機系の硬化被膜を、再現性よく、低温プロセスで短時間に形成できる活性エネルギー線硬化性組成物が得られる。また、この組成物を所望の基材に塗布し活性エネルギー線を照射することにより、その基材の上に、外観、硬度、耐擦傷性及び基材との密着性に優れた硬化被膜が短時間で形成される。
以下の説明において、本発明の活性エネルギー線硬化性組成物を「本発明の組成物」、一般式(1)で表されるオルガノシラン化合物を「シラン(a−1)」、一般式(2)で表されるアルキルシリケート化合物を「シリケート(a−2)」、シラン(a−1)及びシリケート(a−2)から選ばれる少なくとも1種類以上の化合物を加水分解・縮合させて得られるポリシロキサン化合物を「シロキサン(A)」、活性エネルギー線感応性塩基発生剤(B)を「塩基発生剤(B)」という。
シロキサン(A)
シロキサン(A)は、シラン(a−1)、シリケート(a−2)から選ばれる少なくとも1種類以上の化合物を加水分解・縮合することにより得られる。
シラン(a−1)は下記一般式で表される。
1 mSi(OR24-m (1)
(式中、R1は、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数6〜12のアリール基、炭素―炭素不飽和結合を少なくとも一つ有する炭化水素基、環状エーテル基を少なくとも一つ有する炭化水素基を示す。また、R2は炭素数1〜4のアルキル基を示し、mは1〜2の整数を示す。)
1の各基は置換基を有していても良い。置換基として、アミノ基、ハロゲン、イソシアネート、水酸基、及びメルカプト基からなる群より選択される少なくとも一つの基が挙げられる。置換基は一つであることがより好ましい。
1として挙げられる「炭素―炭素不飽和結合を少なくとも一つ有する炭化水素基」としては、アルケニル基、アクリロイル基、メタクリロイル基、ビニル基、及びスチリル基からなる群より選択される基が挙げられる。
1として挙げられる「環状エーテル基を少なくとも一つ有する炭化水素基」としては、エポキシ基含有炭化水素基が挙げられ、より好ましくは、エポキシシクロヘキシル基またはグリシドキシプロピル基が挙げられる。
好ましいR1としては、置換基を有していてもよい、炭素数1〜4のアルキル基またはフェニル基が挙げられる。
シラン(a−1)の具体例としては、メチルトリエトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、3−(メタ)アクリロイルオキシプロピルトリエトキシシラン、3−(メタ)アクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、p−スチリルトリエトキシシラン、p−スチリルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−クロロプロピルトリメトキシシラン、3−クロロプロピルトリエトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、3−イソシアネートプロピルトリメトキシシラン、3−イソシアネートプロピルトリエトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、トリメチルメトキシシラン、トリエチルメトキシシラン、トリメチルエトキシシラン、トリエチルエトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリエトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシランが挙げられる。これらのオルガノシランは単独で又は2種以上を併用して使用できる。
これらの中で、硬化被膜に良好な耐擦傷性を付与できる点で、メチルトリメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリエトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシランが好ましい。
シリケート(a−2)は下記一般式で表される。
Figure 2014015559
(式中、R3は炭素数1〜4のアルキル基を示し、nは平均4〜20の整数を示す)
シリケート(a−2)の具体例としては、メチルシリケート、エチルシリケート、イソプロピルシリケート、n−プロピルシリケート、イソブチルシリケート及びn−ブチルシリケートが挙げられる。その中で、加水分解・縮合の反応が速い点で、R3がメチル基であるメチルシリケートあるいはエチル基であるエチルシリケートが好ましい。また、nは重合度を表す整数であり、例えばn=4ならば4量体を示す。本発明ではnは4以上20以下が好ましい。また、これらのシリケート(a−2)は、直鎖構造でも、分岐構造でもよい。
シロキサン(A)は、シラン(a−1)、シリケート(a−2)から選ばれる少なくとも1種類以上の化合物を加水分解・縮合することにより得ることができる。
なお、(a−1)、(a−2)はそれぞれ単独または二種以上を混合して用いることができる。特に限定されないが、得られる硬化被膜の硬度向上の観点から、(a−1)と(a−2)を併用することが好ましい。
加水分解・縮合の方法としては、例えば、シラン(a−1)及び/またはシリケート(a−2)を極性溶媒に混合し、更に、シラン(a−1)、シリケート(a−2)の合計1モルに対して1〜100モル程度の水を加えて攪拌する方法が挙げられる。その際、触媒として塩酸や酢酸等の鉱酸、あるいは有機酸を加えることができる。また、溶液の温度を0〜100℃に調節することができる。更に、加水分解に際して発生するアルコールは反応系外に留去できる。
加水分解・縮合に使用する極性溶媒としては、水と任意に混合可能な溶媒、例えば、アルコール類等が好適に用いられる。
シリケート(a2)から選ばれる少なくとも1種の化合物を加水分解・縮合することにより得られるシロキサン(A)の質量平均分子量(GPCによる)は500〜100,000であり、より好ましくは1,000〜50,000である。
塩基発生剤(B)
本発明で使用する塩基発生剤(B)は、可視光線、紫外線、熱線、電子線等の活性エネルギー線の照射により塩基を発生し、シロキサン(A)の重縮合反応の触媒となる化合物である。本発明の塩基発生剤(B)は、分子内にベンゾフェノン構造、2−アリル安息香酸構造、アントラセン構造、またはアントラキノン構造を有する。
これらの中で、可視光線、紫外線照射により塩基を発生する光感応性塩基発生剤、及び熱線により塩基を発生する熱感応性塩基発生剤が好ましい。更には、低温でも塩基を発生することが可能な光感応性塩基発生剤がより好ましい。
分子内にベンゾフェノン構造を有する活性エネルギー線感応性塩基発生剤は、一般式(3)で示される化合物であることが好ましい。
Figure 2014015559
(式中、R4,R5は各々独立に水素原子、炭素数1〜4のアルキル基、または水酸基を示す。X+は遊離して塩基となる対カチオンである。)
また、分子内に2-アリル安息香酸構造を有する活性エネルギー線感応性塩基発生剤は、一般式(4)で示される化合物であることが好ましい。
Figure 2014015559
(式中、R6、R7は各々独立に水素原子、または炭素数1〜4のアルコキシ基を示す。X+は遊離して塩基となる対カチオンである。)
上記式(3)及び(4)におけるX+は特に限定はないが、一般式(5a)〜(5d)が好適なものとして挙げられる。
Figure 2014015559
(式中、R8、R9、R10は各々独立に水素原子、炭素数1〜8の環状または非環状アルキル基、または炭素数5〜12のアリール基を示し、R11、R12、R13、R14は、各々独立に水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、または炭素数6〜12のアリール基を示し、R15、R16、R17、R18、R19は、各々独立に水素原子、または炭素数1〜8の環状または非環状アルキル基、または炭素数6〜12のアリール基を示す。)
一般式(3)、(4)で示された塩基発生剤の中で、特にR4、R5が水素原子、メチル基であるケトプロフェン、R6、R7が水素原子である2−アリル安息香酸が好適である。
尚、一般式(3)では脱炭酸反応によりアミン化合物Xが遊離し、一般式(4)では閉環反応によりアミン化合物(X)が遊離する。
アミン化合物(X)としては、広く公知なものから選択することができ、特に限定はないが、本発明に好適なものとして、一般式(5a)〜(5d)を挙げることができる。更に具体的に例示すると、(5a)としては、ジメチルアミン、ジエチルアミン、ジプロピルアミン、ジブチルアミン、n−ヘキシルアミン,シクロヘキシルアミン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、トリブチルアミンなどが挙げられる。
(5b)としては、イミダゾール、1−メチルイミダゾール、1−フェニルイミダゾール、2−メチルイミダゾール、4−メチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、4−フェニルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、4−メチル−2−フェニルイミダゾールなどが挙げられる。
(5c)としては、グアニジン、1−メチルグアニジン、2―メチルグアニジン、1-エチルグアニジン、1−フェニルグアニジン、1,1−ジメチルグアニジン、1,3−ジメチルグアニジン、1,3−ジメチルグアニジン、1,1,3,3−テトラメチルグアニジンなどが挙げられる。
(5d)としては、{1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]−ウンデセン−7}(DBU)、{1,5−ジアザビシクロ[4,3,0]−ノネン−5}(DBN)が挙げられる。
また、一般式(6)、(7)で示された塩基発生剤も好適に用いられる。
すなわち、分子内にアントラセン構造を有する活性エネルギー線感応性塩基発生剤は、一般式(6)で示される化合物であることが好ましい。
Figure 2014015559
式中、Yは遊離して塩基となる有機基である。
分子内にアントラキノン構造を有する活性エネルギー線感応性塩基発生剤は、一般式(7)で示される化合物であることが好ましい。
Figure 2014015559
式中、Yは遊離して塩基となる有機基である。
上記式(6)及び(7)におけるYは特に限定はないが、好適なものとして(8a)〜(8c)が挙げられる。
Figure 2014015559
(R20、R21は、各々独立に炭素数1〜4のアルキル基を表し、R22、R23、R24は各々独立に水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、または炭素数6〜12のアリール基を表し、R25、R26、R27、R28は各々独立に水素原子、炭素数1〜8の環状または非環状アルキル基、または炭素数6〜12のアリール基を示す。)
更に具体的に例示すると、(8a)としては、ジメチルアミン、ジエチルアミン、ジプロピルアミン、ジブチルアミンなどが挙げられる。(8b)は前記(5b)に関して述べたXと同じであり、(8c)は前記(5c)に関して述べたXと同じである。
これらの塩基発生剤は、単独もしくは2種類以上を混合して用いることができる。
塩基発生剤(B)の添加量は、シロキサン(A)の100質量部(固形分換算)に対し、0.01〜30質量部が好ましく、更には0.1〜10質量部が好ましい。
塩基発生剤と対比する技術として酸発生剤を挙げることができるが、塩基発生剤を用いた場合、特に金属の保護コーティングなどで懸念される腐食性の問題を回避できる可能性があり、有用と考えられる。
本発明の組成物
本発明の組成物は、固形分濃度調整、分散安定性向上、塗布性向上、基材への密着性向上等を目的として、有機溶媒を含有できる。有機溶媒としては、例えば、アルコール類、ケトン類、エーテル類、エステル類、セロソルブ類及び芳香族化合物類が挙げられる。
具体例としては、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール、イソブチルアルコール、t−ブチルアルコール、ベンジルアルコール、2−メトキシエタノール、2−エトキシエタノール、2−(メトキシメトキシ)エタノール、2−ブトキシエタノール、フルフリルアルコール、テトラヒドロフルフリルアルコール、ジエチレングリコール、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、1−メトキシ−2−プロパノール、1−エトキシ−2−プロパノール、ジプロピレングリコール、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジアセトンアルコール、アセトン、メチルエチルケトン、2−ペンタノン、3−ペンタノン、2−ヘキサノン、メチルイソブチルケトン、2−ヘプタノン、4−ヘプタノン、ジイソブチルケトン、シクロヘキサノン、メチルシクロヘキサノン、アセトフェノン、ジエチルエーテル、ジプロピルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジブチルエーテル、ジヘキシルエーテル、アニソール、フェネトール、テトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン、1,2−ジメトキシエタン、1,2−ジエトキシエタン、1,2−ジブトキシエタン、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル、グリセリンエーテル、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸イソプロピル、酢酸ブチル、酢酸イソブチル、酢酸sec−ブチル、酢酸ペンチル、酢酸イソペンチル、3−メトキシブチルアセテート、2−エチルブチルアセテート、2−エチルヘキシルアセテート、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチル、プロピオン酸ブチル、γ−ブチロラクトン、2−メトキシエチルアセテート、2−エトキシエチルアセテート、2−ブトキシエチルアセテート、2−フェノキシエチルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ベンゼン、トルエン、キシレンが挙げられる。これらの有機溶媒は単独で又は2種以上を併用して使用できる。
有機溶剤の含有量は、シロキサン(A)と塩基発生剤(B)の固形分の合計100質量部に対して50〜1000質量部が好ましい。
本発明の組成物は、目的を逸脱しない範囲で、アミンにより重合可能なエポキシ化合物、分子内にラジカル重合性二重結合を有するビニル化合物及び活性エネルギー線感応性ラジカル重合開始剤等を含有できる。アミンにより重合可能なエポキシ化合物は分子内にエポキシ基を含有するものである。その具体例としては、エチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、プロピレングリコールジグリシジルエーテル、トリプロピレングリコールジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル、1,4−ブタンジオールジグリシジルエーテル、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、グリセリンジグリシジルエーテル、ジグリセリンテトラグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、2,6−ジグリシジルフェニルエーテル、ソルビトールトリグリシジルエーテル、トリグリシジルイソシアヌレート、フタル酸ジグリシジルエステル、ビスフェノールAジグリシジルエーテル、ブタジエンジオキサイド、ジシクロペンタジエンジオキサイド、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、3,4−エポキシ−6−メチルシクロヘキシルメチル−3,4−エポキシ−6−メチルシクロヘキサンカルボキシレート、ビス(3,4−エポキシシクロヘキシルメチル)アジペート、ペンタエリスリトールポリグリシジルエーテル、ビスフェノールA型エポキシ樹脂とエチレンオキサイドとの付加物、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂が挙げられる。
分子内にラジカル重合性二重結合を有するビニル化合物は分子内に重合性二重結合を1以上有する。このビニル化合物としては、重合速度が速い点から、分子内に(メタ)アクリロイル基を含有する単官能又は多官能(メタ)アクリレート化合物が好ましい。
単官能(メタ)アクリレート化合物としては、例えば、フェニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、フェニルエチル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、パラクミルフェノールエチレンオキサイド変性(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、i−ブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、ペンチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、n−ヘキシル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート及びフォスフォエチル(メタ)アクリレートが挙げられる。
多官能(メタ)アクリレート化合物としては、例えば、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,3−ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、2,2−ビス[4−(メタ)アクリロイルオキシフェニル]−プロパン、2,2−ビス[4−(メタ)アクリロイルオキシエトキシフェニル]−プロパン、2,2−ビス[4−(メタ)アクリロイルオキシジエトキシフェニル]−プロパン、2,2−ビス[4−(メタ)アクリロイルオキシペンタエトキシフェニル]−プロパン、2,2−ビス[4−(メタ)アクリロイルオキシエトキシ−3−フェニルフェニル]−プロパン、ビス[4−(メタ)アクリロイルチオフェニル]スルフィド、ビス[4−(メタ)アクリロイルオキシフェニル]スルフォン、ビス[4−(メタ)アクリロイルオキシエトキシフェニル]スルフォン、ビス[4−(メタ)アクリロイルオキシジエトキシフェニル]スルフォン、ビス[4−(メタ)アクリロイルオキシペンタエトキシフェニル]スルフォン、ビス[4−(メタ)アクリロイルオキシエトキシ−3−フェニルフェニル]スルフォン、ビス[4−(メタ)アクリロイルオキシエトキシ−3,5−ジメチルフェニル]スルフォン、ビス[4−(メタ)アクリロイルオキシフェニル]スルフィド、ビス[4−(メタ)アクリロイルオキシエトキシフェニル]スルフィド、ビス[4−(メタ)アクリロイルオキシペンタエトキシフェニル]スルフィド、ビス[4−(メタ)アクリロイルオキシエトキシ−3−フェニルフェニル]スルフィド、ビス[4−(メタ)アクリロイルオキシエトキシ−3,5−ジメチルフェニル]スルフィド、2,2−ビス[4−(メタ)アクリロイルオキシエトキシ−3,5−ジブロモフェニルプロパン]、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、テトラメチロールメタントリ(メタ)アクリレート、テトラメチロールメタンテトラ(メタ)アクリレート及びジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレートが挙げられる。分子内にラジカル重合性二重結合を有するビニル化合物は1種で又は2種以上を併用して使用できる。
活性エネルギー線感応性ラジカル重合開始剤としては、例えば、3,3−ジメチル−4−メトキシ−ベンゾフェノン、ベンジルジメチルケタール、p−ジメチルアミノ安息香酸イソアミル、p−ジメチルアミノ安息香酸エチル、ベンゾフェノン、p−メトキシベンゾフェノン、2,2−ジエトキシアセトフェノン、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、メチルフェニルグリオキシレート、エチルフェニルグリオキシレート、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパノン−1,2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキサイドが挙げられる。
また、本発明の組成物は、その他、必要に応じて、ポリマー、ポリマー微粒子、無機微粒子、染料、顔料、顔料分散剤、流動調整剤、レベリング剤、消泡剤、紫外線吸収剤、光安定剤、酸化防止剤等を含有できる。
基材
本発明の積層体に使用される基材としては、例えば、プラスチック、金属、缶、紙、木質材、無機質材、及びこれらの基材にプライマー層を形成したものが挙げられる。これらの中で、ポリメチルメタクリレート、ポリカーボネート、ポリスチレン、メタクリル酸メチルとスチレンとの共重合樹脂等のプラスチック基材が好適である。
硬化被膜の形成
本発明の組成物を基材等に塗布し、活性エネルギー線を照射することにより、硬化被膜を形成することができる。基材等への塗布は、公知の方法で実施できる。例えば、ディップコート法、スプレーコート法、バーコート法、ロールコート法、グラビア印刷法、フレキソ印刷法、スクリーン印刷法、スピンコート法、フローコート法及び静電塗装法などが挙げられる、
活性エネルギー線としては、例えば、低圧水銀灯、中圧水銀灯、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、白熱電球、キセノンランプ、ハロゲンランプ、カーボンアーク灯、メタルハライドランプ、蛍光灯、タングステンランプ、ガリウムランプ及びエキシマーレーザーを光源とする光線や、電子線、β線及びγ線が挙げられる。活性エネルギー線は1種で又は2種以上を併用して使用できる。複数種の活性エネルギー線を使用する場合は、同時に又は順次照射することができる。
また、本発明においては、活性エネルギー線の照射だけでなく、必要に応じて、電気炉等の輻射熱を用いた加熱処理を併用することができる。加熱処理は活性エネルギー線照射と同時又は活性エネルギー線照射の前後に実施できる。
基材の表面に形成される硬化被膜の膜厚は0.1〜50μm程度が好適である。
積層体
本発明の組成物は、基材の表面に塗布され、次いで活性エネルギー線の照射により硬化して、基材の表面に硬化被膜が形成された積層体が得られる。
硬化被膜が透明性、耐擦傷性及び基材への密着性に優れていることから、硬化皮膜を有する積層体は、フラットパネルディスプレイ用フィルム・前面板、高速道路等の透明遮音板、ヘッドランプレンズ等の自動車部品、車両用プラスチック窓材等の各種用途に好適である。
以下、本発明を実施例により説明する。また、以下において、「%」は「質量%」を意味する。尚、実施例中の縮合物の固形分は、アルキルシリケート及び/またはオルガノシランとの加水分解・縮合反応が完結した場合の理論値に基づくものである。
[合成例1]シロキサンオリゴマー(A1)の合成
撹拌子、コンデンサー、温度制御装置を備えた200mlガラス製反応容器に、撹拌機付き反応容器中に、メチルトリメトキシシラン(信越化学工業(株)製、分子量136)25.3g、フェニルトリメトキシシラン(信越化学工業(株)製、分子量198)2.8g及びイソプロピルアルコール22.0gを加え、攪拌して均一な溶液とした。次いで、反応容器中に水21.6gを加え、攪拌しながら80℃で9時間加熱することにより加水分解・縮合を行い、固形分濃度20%のシロキサンオリゴマーA1の溶液を得た。シロキサンオリゴマー(A1)のGPCによる質量平均分子量を測定したところ、ポリスチレン換算による質量平均分子量は約1,500であった。
尚、本発明において、固形分濃度とは、完全に加水分解・縮合した場合に得られるシロキサンオリゴマー量の溶液全体に対する算出した質量分率を意味する。
[合成例2]シロキサンオリゴマー(A2)の合成
撹拌機付き反応容器中に、シリカ換算濃度53%のメチルシリケート(コルコート(株)製、平均7量体、分子量(平均値)788、商品名:メチルシリケート53A)10.0g、メチルトリメトキシシラン(信越化学工業(株)製、分子量136.2)17.2g及びイソプロピルアルコール10.0gを加え、攪拌して均一な溶液とした。次いで、反応容器中に水10.5gを加え、攪拌しながら80℃で3時間加熱することにより加水分解・縮合を行った。更に、反応容器中にイソプロピルアルコールを追加して全体を84.3gとし、固形分濃度20%のシロキサンオリゴマー(A2)の溶液を得た。シロキサンオリゴマー(A2)のGPCによる質量平均分子量を測定したところ、ポリスチレン換算による質量平均分子量は約15,000であった。
[実施例1]
<活性エネルギー線硬化性の組成物の調製>
合成例1で得られたシロキサンオリゴマーA1の20%溶液10.0g(固形分換算で2.0g)、塩基発生剤Bとしてグアニジウム−2−(3−ベンゾイルフェニル)プロピオネート(和光純薬工業(株)製、商品名:WPBG−082)0.1g、γ−ブチロラクトン2.0gを配合し、撹拌混合して組成物C1を調製した。
<硬化被膜の形成>
組成物C1を、基材である、長さ15cm、幅10cm、厚み3mmのアクリル樹脂板(三菱レイヨン(株)製、商品名:アクリライトL)上にスポイトで適量滴下し、バーコート法にて3〜4μm厚の硬化被膜が得られるように塗布し、乾燥機中で100℃で5分間プレベークした。更に、コンベアを備えた120W/cmの高圧水銀ランプ((株)オーク製作所製、紫外線照射装置、商品名:ハンディーUV−1200、QRU-2161型)を用いて、積算光量5000mJ/cm2の紫外線を照射し、硬化被膜を有する積層体(L1)を得た。紫外線硬化に要した時間は約5分であった。
尚、紫外線照射量は紫外線光量計((株)オーク製作所製、商品名:UV−351型、ピーク感度波長360nm)で測定した。
積層体L1の表面の硬化被膜について、以下の評価を実施した。結果を表1に示す。
<硬化被膜の評価>
(1)膜厚
硬化被膜を形成したアクリル板の断面を走査型電子顕微鏡で観察し、硬化被膜の膜厚を測定した。
(2)外観
目視にて硬化被膜の透明性並びにクラック及び白化の有無を観察し、以下の基準で外観を評価した。
「○」:透明で、クラック及び白化の欠陥の無いもの。
「×」:不透明な部分があるもの又はクラック若しくは白化の欠陥があるもの。
(3)鉛筆硬度
鉛筆引っかき試験(JIS−K−5600)に準じて鉛筆硬度を評価した。
(4)耐擦傷性
ラビングテスター((株)井元製作所製、商品名:A1566改)を使用し、硬化物層の表面を#0000スチールウールで、1cm2当たり9.8×104Paの荷重を加えて10往復擦った。次いで、ヘイズメーター(日本電色工業(株)製、商品名:NDH2000)で、傷が発生した部分をヘイズメーターでヘイズ値を測定し、試験前のヘイズ値を差し引いた値(ΔHz(%))で以下のように評価した。
A:ΔHzが5%未満
B:ΔHzが5%以上〜10%未満
C:ΔHzが10%以上
(5)密着性
各積層体の硬化被膜の面に、カミソリの刃で1mm間隔に縦横6本ずつの切れ目を入れて計25個のマス目を作った。次いで、25個のマス目の上にセロハンテープを良く密着させた後、45度手前方向に急激に剥がし、硬化被膜が剥離せずに積層体上に残存したマス目数を計測して、以下の基準で硬化被膜と基材との密着性を評価した。
「○」:密着性良好(剥離したマス目がない)
「△」:密着性中程度(剥離したマス目が1〜5個)
「×」:密着性不良(剥離したマス目が6個以上)
[実施例2及び3、比較例1及び2]
シロキサンオリゴマーA1の代わりにA2を用いた以外は実施例1と同様にして、組成物C2を調製し、硬化被膜L2を形成した後、硬化被膜の評価を実施した。結果を表1に示す。
[比較例1〜2]
実施例1〜2において、塩基発生剤を使用しなかった他は、実施例1と同様にして組成物C3〜C4を調製し、硬化被膜L3〜L4を形成した後、硬化被膜の評価を実施した。結果を表1に示す。
Figure 2014015559
表1から明らかなとおり、本発明の活性エネルギー線硬化性組成物を用いた場合には、得られた硬化被膜は、外観、高度、耐擦傷性及び密着性の全てにおいて非常に優れており、特に高い耐擦傷性を示した(実施例1及び2)。一方、塩基発生剤を含まない組成物を用いた場合には、外観及び密着性においては本発明のものと同程度の効果を示したが、高度及び耐擦傷性については明らかに劣る結果であった(比較例1及び2)。

Claims (6)

  1. 下記一般式(1)で表されるオルガノシラン化合物(a−1)及び下記一般式(2)表されるアルキルシリケート化合物(a−2)から選ばれる化合物を加水分解・縮合させて得られるポリシロキサン化合物(A)、並びに
    活性エネルギー線感応性塩基発生剤(B)、
    を含有する活性エネルギー線硬化性組成物。
    1 mSi(OR24-m (1)
    (式中、R1は炭素数1〜10のアルキル基、炭素数6〜12のアリール基、炭素―炭素不飽和結合を少なくとも一つ有する炭化水素基、環状エーテル基を少なくとも一つ有する炭化水素基を示す。また、R2は炭素数1〜4のアルキル基を示し、mは1〜2の整数を示す。)
    Figure 2014015559
    (式中、R3は炭素数1〜4のアルキル基を示し、nは平均4〜20の整数を示す)
  2. 前記ポリシロキサン化合物(A)が、前記(a−1)から選ばれる少なくとも1種の化合物、及び前記(a−2)から選ばれる少なくとも1種の化合物を加水分解・縮合させて得られるものである、請求項1に記載の活性エネルギー線硬化性組成物。
  3. 前記性エネルギー線感応性塩基発生剤(B)が、分子内にベンゾフェノン構造、2−アリル安息香酸構造、アントラセン構造、またはアントラキノン構造を有する化合物である、請求項1または2に記載の活性エネルギー線硬化性組成物。
  4. 前記性エネルギー線感応性塩基発生剤(B)が、分子内に下記(i)〜(iv)から選択される構造を有する化合物である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の活性エネルギー線硬化性組成物。
    (i)下記一般式(3)で表されるベンゾフェノン構造を有する化合物;
    Figure 2014015559
    (式中、R4,R5は各々独立に水素原子、炭素数1〜4のアルキル基、または水酸基を示す。)
    (ii)下記一般式(4)で表される2-アリル安息香酸構造を有する化合物;
    Figure 2014015559
    (式中、R6、R7は各々独立に水素原子、または炭素数1〜4のアルコキシ基を示す。)
    上記式(3)及び(4)におけるX+が、一般式(5a)〜(5d)で表され、
    Figure 2014015559
    (式中、R8、R9、R10は各々独立に水素原子、炭素数1〜8の環状または非環状アルキル基、または炭素数6〜12のアリール基を示し、R11、R12、R13、R14は、各々独立に水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、または炭素数6〜12のアリール基を示し、R15、R16、R17、R18、R19は、各々独立に水素原子、または炭素数1〜8の環状または非環状アルキル基、または炭素数6〜12のアリール基を示す。)
    (iii) 下記一般式(6)で表されるアントラセン構造を有する化合物;
    Figure 2014015559
    (iv)下記一般式(7)で表されるアントラキノン構造を有する化合物;
    Figure 2014015559
    上記式(6)及び(7)におけるYが、一般式(8a)〜(8c)で表される、
    Figure 2014015559
    (R20、R21は、各々独立に炭素数1〜4のアルキル基を表し、R22、R23、R24は各々独立に水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、または炭素数6〜12のアリール基を表し、R25、R26、R27、R28は各々独立に水素原子、炭素数1〜8の環状または非環状アルキル基、または炭素数6〜12のアリール基を示す。)
  5. 請求項1〜4のいずれか一項に記載の活性エネルギー線硬化性組成物に活性エネルギー線を照射することにより塩基を発生させて、該組成物を硬化させる工程を含む硬化膜の形成方法。
  6. 請求項1〜4のいずれか一項に記載の活性エネルギー線硬化性組成物の硬化膜を有する積層体。
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