JP2008069571A - 開閉部材制御装置及び開閉部材の制御方法 - Google Patents

開閉部材制御装置及び開閉部材の制御方法 Download PDF

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年弘 齋藤
Susumu Sakai
晋 酒井
Seiichi Watanabe
誠一 渡辺
Tatsuchika Shimoie
辰爾 下家
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Abstract

【課題】開閉部材の開閉時にその作動状態が見える範囲で減速制御を行い、見た目の高級感が得られるようにする。
【解決手段】パワーウインドウ装置1の制御手段3は、全開位置Aと全閉位置A1の間にある減速開始位置D(位置D)と、位置Dより全開位置A側にある減速終了位置C(位置C)と、位置Cより更に全開位置A近傍にあるモータ停止位置B(位置B)とを記憶する。ウインドウガラス11(ガラス11)が位置Cにある時、その上端は窓枠12の下枠部分に装着されたベルトモール13の上端と同じ高さとなる。制御手段3は、ガラス11を位置Dから位置Cの区間(ガラス11の下降動作が見える区間)で減速し、位置Cから位置Bの区間では低速一定で下降させ、全開位置Aから所定距離の位置でモータ20を停止し、全開位置Aより手前で停止させる。また、全閉動作でも同様に、上昇動作が見える間に速度制御する。
【選択図】図1

Description

本発明は開閉部材制御装置及びその制御方法に係り、特に開閉部材の開閉位置に応じてその速度制御を行う開閉部材制御装置及び開閉部材の制御方法に関する。
従来、車両の窓ガラスの昇降装置は、電動モータによる回転駆動力を昇降機構に伝達して、昇降機構を介して窓ガラスを昇降させる構成となっている。このような昇降装置では、窓ガラスの上昇又は下降に応じて所定の駆動電圧を電動モータに印加することにより、窓ガラスを所定の速度で上昇又は下降させている(例えば、特許文献1参照)。
特許文献1に記載の昇降装置では、窓ガラスをわずかに開ける操作をしやすくしたり、挟み込み防止や停止時の衝撃を防止するために、全開位置や全閉位置の近くでは窓ガラスの速度を段階的に緩やかにする制御が行われている。
また、特許文献1に記載の昇降装置では、窓ガラスを下端ロック位置まで下降させたときに窓ガラスがストッパによって機械的に拘束され、その際に過大な衝撃力が駆動系に加わることにより、駆動系の耐久性が損なわれたり不快な衝撃音が発生するのを防止するために、下端ロック位置直前で電動モータの駆動を停止し、惰性によって窓ガラスを下端ロック位置まで降下させることにより電動モータの回転を停止させる技術が提案されている。このようにすると、下端ロック位置直前で電動モータの駆動を停止するので、駆動系の耐久性を大きく損なうような衝撃の発生を避けることができる。
実用新案登録第2577092号公報(第3−6頁、図11、図12)
しかしながら、特許文献1に記載の昇降装置では、モータ駆動電圧が段階的に変化しているが、このような速度制御では窓ガラスの動きにガクガク感があり、動作面において高級感を感じさせることができないという問題点があった。また、減速制御を行う目的が挟みこみ防止や衝撃防止となっており、窓ガラスが徐々に減速している状態を乗員に視認させて高級感を感じさせるのを目的として、減速制御のための基準位置を窓ガラスがドアパネル内に隠れる位置との関係で設定するという技術は提案されていなかった。
また、特許文献1に記載の技術では、依然として窓ガラスが下端ロック位置で停止する構成のため、やはり窓ガラスの停止時に作動停止音が発生してしまうという問題があった。
また、特許文献1のように下端ロック位置手前でモータ作動を停止させると、経時変化等による負荷の変動の影響を受けて、窓ガラス停止位置がばらつき、下端ロック位置において確実に停止させるか十分に速度を低減させることができないという問題が生じるおそれがあった。
本発明の目的は、上記課題に鑑み、開閉部材を全開位置方向又は全閉位置方向へ駆動するときに、窓ガラスの作動時の見た目の高級感を感じさせることができる開閉部材制御装置及び開閉部材の制御方法を提供することにある。また、本発明の他の目的は、衝撃音を発生させてしまうことなく開閉部材を全開位置又は全閉位置手前で停止させると共に、その停止位置のばらつきを小さくすることができる開閉部材制御装置及び開閉部材の制御方法を提供することにある。
前記課題は、本発明の開閉部材制御装置によれば、全開位置と全閉位置の間の作動区間において移動可能な開閉部材と、該開閉部材をモータの作動により開閉駆動する駆動手段と、該駆動手段によって開閉駆動される前記開閉部材の位置を検出する位置検出手段と、該位置検出手段による前記開閉部材の検出位置に基づいて前記駆動手段を駆動制御する制御手段と、を備えた開閉部材制御装置であって、前記制御手段は、前記作動区間において前記全開位置近傍又は前記全閉位置近傍から前記作動区間の中央側へ順に並ぶように設定されたモータ停止位置、減速終了位置、減速開始位置、を記憶し、前記制御手段は、前記開閉部材を前記作動区間の中央側から前記モータ停止位置方向に駆動するときに、前記減速開始位置から前記減速終了位置に到達するまでの減速区間において前記モータの出力を低下させると共に、前記モータ停止位置に到達したときに、前記モータへの通電を停止又は前記モータが駆動停止する駆動電力まで低下させ、前記減速終了位置及び前記減速開始位置は、前記減速区間における前記開閉部材の移動が外部から視認可能な位置に設定されたことにより解決される。
また、上述の、全開位置と全閉位置の間の作動区間において移動可能な開閉部材と、該開閉部材をモータの作動により開閉駆動する駆動手段と、該駆動手段によって開閉駆動される前記開閉部材の位置を検出する位置検出手段と、該位置検出手段による前記開閉部材の検出位置に基づいて前記駆動手段を駆動制御する制御手段と、を備えた開閉部材制御装置における開閉部材の制御方法は、前記作動区間において前記全開位置近傍又は前記全閉位置近傍から前記作動区間の中央側へ順に並ぶように設定されたモータ停止位置、減速終了位置、減速開始位置、を設定する第1ステップと、前記開閉部材を前記作動区間の中央側から前記モータ停止位置方向へ駆動して、前記開閉部材が前記減速開始位置に到達してから前記減速終了位置に到達するまでの減速区間において前記モータの出力を低下させていく第2ステップと、前記開閉部材が前記モータ停止位置に到達したときに、前記モータへの通電を停止又は前記モータが駆動不能となる駆動電力まで低下させる第3ステップと、を行い、前記減速終了位置及び前記減速開始位置は、前記減速区間における前記開閉部材の移動が外部から視認可能な位置に設定されると好適である。
このように本発明では、開閉部材が減速開始位置から減速終了位置に到達するまでの減速区間においてモータの出力を低下させていき、減速終了位置よりも全開位置近傍又は全閉位置近傍のモータ停止位置では、モータへの通電を停止又は低下させることによりモータを駆動不能な状態にする。そして、この減速区間では、減速される開閉部材の移動が外部から視認可能とされている。従って、開閉部材が徐々に減速されて低速となる動きをしていることが外部から視認でき、開閉部材の作動時の見た目の高級感を感じさせることができる。
また、本発明の開閉部材制御装置では、前記制御手段は、前記開閉部材が前記減速終了位置から前記モータ停止位置に到達するまでの低速区間において前記モータの出力が前記減速区間における出力以下となり、前記モータ停止位置に到達する直前の前記モータの出力が略一定となるように前記駆動手段を駆動することができる。
また、本発明の開閉部材の制御方法では、前記第2ステップと前記第3ステップの間に、前記開閉部材が前記減速終了位置から前記モータ停止位置に到達するまでの低速区間において前記モータの出力が前記減速区間における出力以下となり、前記モータ停止位置に到達する直前の前記モータの出力が略一定となるように前記駆動手段を駆動する第4ステップを行う。
このように本発明では、開閉部材を減速した後に、減速中よりもモータ出力をさらに低くしてさらに低速とし、モータ停止位置で停止する直前には低速一定とする。これにより、モータ停止位置における慣性力及び速度を小さくすることができ、モータ停止位置から全開位置側へ開閉部材が摺動抵抗等に抗して移動する距離を短くすることができる。
また、停止までの移動距離が短くなれば、経時変化等により開閉部材に掛かる摺動抵抗等が変化しても、開閉部材の停止位置が大きくバラついてしまうことがなく、好適である。
また、本発明の開閉部材制御装置及び開閉部材の制御方法では、前記モータ停止位置は、前記モータ停止位置で前記モータが駆動停止されたときの前記開閉部材の移動速度では、前記開閉部材が前記作動区間の端まで到達不能な位置に設定されている。
このようにすれば、確実に全開位置の手前又は全閉位置の手前で開閉部材を停止させることができ、確実に衝突音の発生を防止することができる。よって、停止時に駆動機構やウインドウガラスがストッパ等と当接して衝撃音が発生してしまうことを防止することができる。また、これにより、駆動機構等に軽微なダメージが停止毎に積み重なって与えられてしまうことを防止することができるので、駆動機構の耐久性を継続的に確保することが可能となる。
また、本発明の開閉部材制御装置では、前記開閉部材は車両のウインドウガラスであり、前記減速終了位置は、前記ウインドウガラスの前記全閉位置方向の先端と、車両の窓枠に配設されたシール部材の先端とが略同一位置となる位置に設定され、前記ウインドウガラスの前記全閉位置方向の先端は、前記減速区間において、前記シール部材の先端よりも前記作動区間の中央側に位置する状態で移動される。
このようにすれば、車両のウインドウガラスの開閉時に、ウインドウガラスが徐々に減速されて低速となる状況を乗員に視認させることができる。従って、乗員にウインドウガラスの作動時の見た目の高級感を感じさせることができる。
また、より具体的には、前記シール部材は車両の窓枠の下枠部分に配設されたベルトモールからなり、前記減速終了位置は、前記ウインドウガラスの前記全閉位置方向の先端が前記ベルトモールの上端を通過する位置に設定され、前記ウインドウガラスは、前記全開位置方向への駆動時に、前記減速区間において少なくともその一部が前記ベルトモールを越えて外部に出現した状態で下降されるように構成してもよい。
また、より具体的には、前記シール部材は車両の窓枠の上枠部分に配設されたウェザストリップからなり、前記減速終了位置は、前記ウインドウガラスの前記全閉位置方向の先端が前記ウェザストリップの下端を通過する位置に設定され、前記ウインドウガラスの前記全閉位置方向の先端は、前記ウインドウガラスの前記全閉位置方向への駆動時に、前記減速区間において前記ウェザストリップに隠蔽されずに外部に出現した状態で上昇されるように構成してもよい。
また、本発明の開閉部材の制御方法において、前記開閉部材は車両のウインドウガラスであり、前記第2ステップでは、前記減速区間において、前記ウインドウガラスの少なくとも一部が車両の窓枠の下枠部分に配設されたベルトモールを越えて外部に出現した状態で移動されるように構成してもよい。
また、本発明の開閉部材の制御方法において、前記開閉部材は車両のウインドウガラスであり、前記第2ステップでは、前記減速区間において、前記ウインドウガラスの前記全閉位置方向の先端が車両の窓枠の上枠部分に配設されたウェザストリップに隠蔽されずに外部に出現した状態で移動されるように構成してもよい。
このようにすれば、全閉動作又は全開動作において、ウインドウガラスの先端が窓枠に装着されたシール部材(ベルトモール、ウェザストリップ等)に隠蔽されない状態で減速することができ、乗員にウインドウガラスの作動時の見た目の高級感を感じさせることができる。
また、本発明の開閉部材の制御方法では、前記制御手段は、前記全開位置と前記全閉位置とを記憶しており、前記第1ステップでは、前記減速開始位置は、前記全開位置、前記全閉位置、前記減速終了位置、のいずれかを基準に設定される。
このように、減速開始位置が、全開位置、全閉位置、又は減速終了位置(ウインドウガラスの全閉位置方向の先端が、窓枠に配設されたシール部材の先端と略同一位置となる位置)を基準に設定されたものであれば、車種等によって全開位置から全閉位置までの寸法や、全開位置又は全閉位置から減速終了位置までの寸法が異なっても、開閉部材が徐々に減速されて低速となる区間を、確実に外部から視認できる区間とすることができる。
本発明によれば、以下の効果を奏する。
○ 開閉部材が減速開始位置から減速終了位置に到達するまでの減速区間においてモータの出力を低下させ、この減速区間では、減速される開閉部材の移動が外部から視認可能とされている。従って、開閉部材が徐々に減速されて低速となる動きをしていることが外部から視認でき、開閉部材の作動時の見た目の高級感を感じさせることができる。より具体的には、車両のウインドウガラスの開閉時に、ウインドウガラスが徐々に減速される状況を乗員に視認させることができるので、乗員に見た目の高級感を感じさせることができる。
○ 減速後に、減速中よりもモータ出力をさらに低くしてさらに低速とし、モータ停止位置で停止する直前には低速一定とする。これにより、モータ停止位置における慣性力及び速度を小さくすることができ、全開動作時に、モータ停止位置から全開位置側(全閉動作時には全閉位置側)へ開閉部材が摺動抵抗等に抗して移動する距離を短くすることができる。よって、モータ停止位置を適切に設定すれば、開閉部材が全開位置(全閉動作時には全閉位置)の手前で停止して衝突音が発生しないようにすることができ、衝突音の発生を防止することができる。また、停止までの移動距離が短くなれば、経時変化等により開閉部材に掛かる摺動抵抗等が変化しても、開閉部材の停止位置が大きくバラついてしまうことがなく、確実に衝突音の発生を防止することができ、好適である。
以下、本発明の一実施形態について、図を参照して説明する。なお、以下に説明する構成、手順等は、本発明を限定するものではなく、本発明の趣旨に沿って各種改変することができることは勿論である。
図1〜図6,図8〜図10及び図12は本発明の一実施形態に係るものであり、図1はパワーウインドウ装置の説明図、図2は図1のパワーウインドウ装置の電気構成図、図3はウインドウガラスの位置とモータ出力の関係を表わすグラフ、図4はウインドウガラスの位置とモータ印加電圧の関係を表わすグラフ、図5は全開動作時のコントローラの設定処理の処理フロー、図6は全開動作時のコントローラの速度制御処理の処理フロー、図8は本実施形態のウインドウガラスの全開動作時における位置とモータ出力及びモータ回転速度の関係を表わすグラフ、図9は全閉動作時のコントローラの設定処理の処理フロー、図10は全閉動作時のコントローラの速度制御処理の処理フロー、図12は本実施形態のウインドウガラスの全閉動作時における位置とモータ出力及びモータ回転速度の関係を表わすグラフである。
また、図7は比較例のウインドウガラスの全開動作時における位置とモータ出力及びモータ回転速度の関係を表わすグラフ、図11は比較例のウインドウガラスの全閉動作時における位置とモータ出力及びモータ回転速度の関係(全閉動作時)を表わすグラフである。また、図13〜図15は、改変例に係るウインドウガラスの位置とモータ出力の関係を表わすグラフである。
以下に、本発明の開閉部材制御装置をパワーウインドウ装置に適用した一実施形態について説明する。
(パワーウインドウ装置の構成)
図1に本例のパワーウインドウ装置1(以下、「装置1」という)の説明図、図2にその電気構成図を示す。本例のパワーウインドウ装置1は、車両のドア10に配設される開閉部材としてのウインドウガラス11をモータ20の回転駆動により昇降(開閉)作動させるものである。装置1は、ウインドウガラス11を開閉駆動する駆動手段2と、駆動手段2の作動を制御するための制御手段3と、乗員が作動を指令するための操作スイッチ4とを主要構成要素としている。
ドア10は、その下側部位の車両外部側(車幅方向外側)に配設されたアウタパネルと車室側(車幅方向内側)に配設されたインナパネルの間に、下降したウインドウガラス11を収納する収納空間を有している。また、ドア10の上部には窓枠(ガラス枠)12が設けられており、ウインドウガラス11は、上記収納空間内から窓枠12の下枠部分を越えて窓枠12内に出現し、昇降作動する。
窓枠12の下枠部分には、シール部材としてのベルトモール(ベルトモールディング)13が装着されている。ベルトモール13は、アウタパネルの上部に固定されるアウタモールと、インナパネルの上部に固定されるインナモールを備えており、ウインドウガラス11は、アウタモールとインナモールとの隙間を通過して窓枠12内を昇降作動する。アウタモールとインナモールには、それぞれウインドウガラス11側に突出するシール突起が形成されており、このシール突起がウインドウガラス11のガラス表面に弾性的に圧接するようになっている。
また、窓枠12の上枠部分には、同様にシール部材としてのウェザストリップ(アッパーモールディング)14が装着されている。ウェザストリップ14は、その下端部分に下方に開口した溝が形成されている。この溝はウインドウガラス11の上端を所定の長さ分だけ挿入可能に形成されており、その溝内壁には、挿入されたウインドウガラス11の上端部分のガラス表面が弾性的に圧接するようになっている。
図1に、ウインドウガラス11が昇降作動する作動領域(作動区間)上の各基準位置を符号A〜D及び符号A1〜D1により示す。符号A〜Dは作動領域の下端側に設定された基準位置であり、最も下方の基準位置Aが全開位置である。また、符号A1〜D1は作動領域の上端側に設定された基準位置であり、最も上方の基準位置A1が全閉位置である。これらの基準位置は、後述するように、ウインドウガラス11の開閉速度制御のために設定されるものである。
この図に示すように、作動領域の下端側(A〜D側)では、ウインドウガラス11は、作動領域の下端(全開位置A)においてその上端がベルトモール13の上端よりも下方に下降しており、ウインドウガラス11全体がドア10内に隠れた状態となっている。
このように、ウインドウガラス11は、その上端がベルトモール13の上端と同一の高さにある位置(後述する減速終了位置C)を通過して作動するようになっている。従って、この減速終了位置Cから全開位置Aまで移動する間は、ウインドウガラス11全体が乗員から見えず、ウインドウガラス11の動きが乗員に全く視認できないようになっている。
また、作動領域の上端側(A1〜D1側)では、ウインドウガラス11は、作動領域の上端(全閉位置A1)においてその上端がウェザストリップ14の下端よりも上方に上昇している。すなわち、全閉位置A1では、ドア10の上側部に設けられた窓開口(窓枠12によって囲まれる開口)がウインドウガラス11によって完全に閉鎖されると共に、ウインドウガラス11の上端部分がウェザストリップ14内に隠れた状態となっている。
このように、ウインドウガラス11は、その上端がウェザストリップ14の下端と同一の高さにある位置(後述する減速終了位置C1)を通過して作動するようになっている。従って、この減速終了位置C1から全閉位置A1まで移動する間は、ウインドウガラス11の上端部分の移動はウェザストリップ14内の作動領域で行われているため乗員から見えなくなっている。
本例では、ウインドウガラス11は不図示のレールに沿って上方の全閉位置(上端)A1と下方の全開位置(下端)Aとの間で昇降動作する。
本例の駆動手段2は、ドア10に固定された減速機構を有するモータ20と、モータ20に駆動される扇形状のギヤ21aを備えた昇降アーム21と、昇降アーム21とクロスして枢支される従動アーム22と、ドア10に固定された固定チャンネル23及びウインドウガラス11と一体のガラス側チャンネル24とを主要構成要素としている。昇降アーム21,従動アーム22,固定チャンネル23及びガラス側チャンネル24により、駆動手段2の駆動機構が構成されている。
本例のモータ20は、制御手段3から電力供給を受けることにより、回転子の巻線に通電され、これにより回転子とマグネットを有する固定子との間で磁気吸引作用が生じて回転子が正逆回転するように構成されている。本例の駆動手段2では、モータ20の回動に応じて昇降アーム21及び従動アーム22が揺動すると、これらの各端部がチャンネル23,24により摺動規制を受け、Xリンクとして駆動し、ウインドウガラス11を昇降作動させる。
本例のモータ20には、回転検出装置27が一体に備えられている。回転検出装置27は、モータ20の回転と同期したパルス信号(回転速度信号)を制御手段3へ出力するものである。本例の回転検出装置27は、モータ20の出力軸と共に回動するマグネットの磁気変化を複数のホール素子で検出するように構成されている。すなわち、パルス信号は、ウインドウガラス11の所定移動量毎もしくはモータ20の所定回転角毎に出力される。これにより、回転検出装置27は、モータ20の回転速度に略比例するウインドウガラス11の移動に応じた信号を出力可能である。そして、回転検出装置27からのパルス信号によって、制御手段3はウインドウガラス11の位置を検出している。本例では、回転検出装置27と制御手段3によって位置検出手段が構成されている。
なお、本例では、回転検出装置27にホール素子を用いたものを採用しているが、これに限らず、モータ20の回転を検出することができれば、エンコーダを採用してもよい。また、本例では、ウインドウガラス11の移動に応じたモータ20の出力軸の回転を検出するために、モータ20に回転検出装置27を一体に設けているが、これに限らず、公知の手段によってウインドウガラス11の位置を直接的に検出するようにしてもよい。
本例の制御手段3は、コントローラ31と、駆動回路32から構成されている。コントローラ31,駆動回路32には、車両に搭載されるバッテリ5から作動に必要な電力が供給される。
本例のコントローラ31は、CPU,ROM,RAM等のメモリ、入力回路、出力回路等を備えるマイクロコンピュータで構成されている。CPUは、メモリ、入力回路及び出力回路とバスを介して互いに接続されている。なお、これに限らず、コントローラ31をDSPやゲートアレイで構成してもよい。
コントローラ31は、通常時、操作スイッチ4からの操作信号に基づいて駆動回路32を介してモータ20を正逆回転させて、ウインドウガラス11を開閉動作させる。また、コントローラ31は、回転検出装置27から受け取ったパルス信号に基づいてウインドウガラス11の位置を検出し、ウインドウガラス11の検出位置に応じて駆動回路32を介してモータ20へ供給する駆動電力の大きさを調整する。具体的には、駆動電圧の大きさ又はPWM制御する場合はデューティー比の大きさを調整する。これによりモータ出力を調整している。
本例の駆動回路32は、FETを有するICによって構成されており、コントローラ31からの入力信号に基づいて、モータ20への電力供給の極性を切換えている。すなわち、駆動回路32は、コントローラ31から正回転指令信号を受けたときは、モータ20を正回転方向に回転させるようにモータ20へ電力を供給し、コントローラ31から逆回転指令信号を受けたときは、モータ20を逆回転方向に回転させるようにモータ20へ電力を供給する。なお、駆動回路32は、リレー回路を用いて極性を切換えるように構成してもよい。また、駆動回路32がコントローラ31内に組み込まれた構成であってもよい。
コントローラ31は、入力されるパルス信号からパルス信号の立上がり部,立下がり部(パルスエッジ)を検出し、このパルスエッジの間隔(周期)に基づいてモータ20の回転速度(回転周期)を算出すると共に、各パルス信号の位相差に基づいてモータ20の回転方向を検出する。つまり、コントローラ31は、モータ20の回転速度(回転周期)に基づいてウインドウガラス11の移動速度を間接的に算出し、モータ20の回転方向に基づいてウインドウガラス11の移動方向を特定している。また、コントローラ31は、パルスエッジをカウントしている。このパルスカウント値は、ウインドウガラス11の開閉動作に伴って加減算される。コントローラ31は、このパルスカウント値の大きさによってウインドウガラス11の開閉位置を特定する。
すなわち、本例では、全開位置Aを基準位置としてウインドウガラス11を駆動することができる。全開位置Aを基準位置とする場合には、全開位置Aでパルスカウント値が「0」となるように設定される。そして、このように基準位置でパルスカウント値が「0」となるように設定した後、作動領域(作動区間)の一端側、例えば全閉位置A1方向へウインドウガラス11が移動しているときはパルス信号を受け取る毎にパルスカウント値を+1インクリメントし、作動領域の他端側すなわち全開位置A方向へウインドウガラス11が移動しているときはパルス信号を受け取る毎にパルスカウント値を−1デクリメントする。
なお、全閉位置A1を基準位置としてウインドウガラス11を駆動してもよい。この場合には、全閉位置A1でパルスカウント値が「0」となるように設定されると共に、全開位置A方向へウインドウガラス11が移動しているときにパルスカウント値がインクリメントされ、全閉位置A1方向へウインドウガラス11が移動しているときにパルスカウント値がデクリメントされるようにすればよい。
本例の操作スイッチ4は、2段階操作可能な揺動型スイッチ等で構成され、開スイッチ,閉スイッチ及びオートスイッチを有している。この操作スイッチ4を乗員が操作することにより、コントローラ31へウインドウガラス11を開閉動作させるための指令信号が出力される。
具体的には、操作スイッチ4は、一端側へ1段階操作されると開スイッチがオンされ、ウインドウガラス11を通常開動作(すなわち操作している間だけ開動作)させるための通常開指令信号をコントローラ31へ出力する。また、操作スイッチ4は、他端側へ1段階操作されると閉スイッチがオンされ、ウインドウガラス11を通常閉動作(すなわち操作している間だけ閉動作)させるための通常閉指令信号をコントローラ31へ出力する。
また、操作スイッチ4は、一端側へ2段階操作されると開スイッチ及びオートスイッチが共にオンされ、ウインドウガラス11をオート開動作(すなわち操作を止めても全開位置Aの直前位置まで開動作)させるためのオート開指令信号をコントローラ31へ出力する。また、操作スイッチ4は、他端側へ2段階操作されると閉スイッチ及びオートスイッチが共にオンされ、ウインドウガラス11をオート閉動作(すなわち操作を止めても全閉位置A1の直前位置まで閉動作)させるためのオート閉指令信号をコントローラ31へ出力する。
コントローラ31は、操作スイッチ4から通常開指令信号を受けている間中(操作スイッチ4が操作されている間中)、駆動回路32を介してモータ20を駆動し、ウインドウガラス11を通常開動作させる。一方、コントローラ31は、操作スイッチ4から通常閉指令信号を受けている間中(操作スイッチ4が操作されている間中)、駆動回路32を介してモータ20を駆動し、ウインドウガラス11を通常閉動作させる。
また、コントローラ31は、操作スイッチ4からオート開指令信号を受けると、駆動回路32を介してモータ20を駆動し、ウインドウガラス11を全開位置Aの直前位置までオート開動作させる。一方、コントローラ31は、操作スイッチ4からオート閉指令信号を受けると、駆動回路32を介してモータ20を駆動し、ウインドウガラス11を全閉位置A1の直前位置までオート閉動作させる。
(パワーウインドウ装置の開閉速度制御)
本例の装置1におけるウインドウガラス11の全開動作及び全閉動作と、その際に行われる速度制御について概略説明する。
本例では、全開位置Aから全閉位置A1までの作動区間中においてウインドウガラス11の開閉速度制御が行われる。そのため、上述したように、開閉速度制御のための基準位置として、作動領域の下端側には図1に示すA〜Dが設定され、作動領域の上端側にはA1〜D1が設定されている。
まず、作動領域の下端側に設定された基準位置(A〜D)について説明すると、ウインドウガラス11の上端とベルトモール13の上端が同じ高さにある位置(ウインドウガラス11の上端がベルトモール13の上端を丁度通過するときの位置)が、減速終了位置Cとして設定されている。また、減速終了位置Cよりも作動区間の中央寄り(全閉位置A1側)には、減速開始位置Dが設定されている。一方、減速終了位置Cと全開位置Aとの間には、モータ停止位置Bが設定されている。
次に、作動領域の上端側に設定された基準位置(A1〜D1)について説明すると、ウインドウガラス11の上端とウェザストリップ14の下端が同じ高さにある位置(ウインドウガラス11の上端がウェザストリップ14の下端を丁度通過するときの位置)が、減速終了位置C1として設定されている。また、減速終了位置C1よりも作動区間の中央寄り(全開位置A側)には、減速開始位置D1が設定されている。一方、減速終了位置C1と全閉位置A1との間には、モータ停止位置B1が設定されている。
コントローラ31は、全開位置(下端ロック位置)A及び全閉位置(上端ロック位置)A1におけるパルスカウント値をメモリ内に記憶しており、上述のようにウインドウガラス11の昇降に応じて加減算されるパルスカウント値によってウインドウガラス11の位置を特定することができる。
本例では、操作スイッチ4から継続的な通常開指令信号又はオート開指令信号を受けると、コントローラ31は、モータ20を全開位置A方向へ駆動するように継続的に駆動電圧を供給する。一方、操作スイッチ4から継続的な通常閉指令信号又はオート閉指令信号を受けると、コントローラ31は、モータ20を全閉位置A1方向へ駆動するように継続的に駆動電圧を供給する。
全閉位置A1方向へ駆動するための駆動電圧は、全開位置A方向へ駆動するための駆動電圧とは正負逆の値となる。すなわち、モータ20には、以下に説明するように、全開位置A方向へ駆動するときには図4(A)に示すようなモータ印加電圧が供給される。また、全閉位置A1方向へ駆動するときには図4(B)に示すような図4(A)とは正負逆のモータ印加電圧が供給される。そして、これらに基づいて、それぞれ図3(A)、図3(B)に示すような正負逆のモータ出力が駆動機構へ供給され、ウインドウガラス11が開閉駆動される。
(全開動作時の速度制御)
まず、図3(A)及び図4(A)に基づいて、全開位置A方向へ向かって下降する際のモータ出力とウインドウガラス11の位置及び移動速度との関係について説明する。
コントローラ31は、図3(A)に示すように、上方位置(減速開始位置Dよりも作動区間の中央寄りの位置)から減速開始位置Dまでの区間において、略一定の高いモータ出力を供給するようにモータ20へ駆動電圧を供給する。これにより、この区間では、比較的高速でウインドウガラス11が下降する。
なお、この区間では、これに限らず、動作開始時に一旦短時間高いモータ出力を供給し、その後、低いモータ出力から徐々に高いモータ出力に引き上げることにより、スロースタートさせるように構成してもよい。
ウインドウガラス11が減速開始位置Dに到達すると、コントローラ31は、続いて、モータ出力を低下させる制御を開始する。そして、減速終了位置Cに到達するまでの間に徐々にモータ出力を低減してウインドウガラス11を減速し、ウインドウガラス11の下降速度が十分低速化されるようにする。
すなわち、コントローラ31は、本発明の減速区間に相当する減速開始位置Dから減速終了位置Cまでの区間では、ウインドウガラス11の移動距離に比例してモータ出力を徐々に低減させるように駆動電圧を供給する。このようなモータ出力の低減により、減速終了位置Cに到達するまでにウインドウガラス11の下降速度は目に見えて低速化され、減速終了位置Cにおいて所定の目標速度(低速)に到達する。
次に、コントローラ31は、本発明の低速区間に相当する減速終了位置Cからモータ停止位置Bまでの区間において、モータ出力を、減速終了位置Cにおいて到達した低速一定に維持する制御を行う。すなわち、ウインドウガラス11の上端がベルトモール13の上端を越えてドア10の内部に隠れてから、モータ停止位置Bに到達するまでの区間では、ウインドウガラス11は低速一定で下降する。
その後、コントローラ31は、モータ停止位置Bでモータ20への通電を遮断し、これによりモータ出力を0とする。ウインドウガラス11は、モータ20への駆動電力の遮断後も、自重及び移動に伴う慣性力によって全開位置A方向へわずかに下降していくが、駆動機構やモータ20からの下降を妨げる抗力や摺動抵抗によって徐々に低速化され、全開位置A手前の所定位置で下降を停止する。すなわち、本例では、モータ停止位置Bは、モータ20への通電を遮断したときのウインドウガラス11の移動速度では、ウインドウガラス11が全開位置Aまで到達不能である位置に設定されている。
本例では、以上のように、減速終了位置Cの手前に設定された減速開始位置Dから減速終了位置Cまでの区間、すなわちウインドウガラス11の上端が乗員にまだ見えている区間において、その移動速度が十分低速となるまで減速している。このようにすれば、ウインドウガラス11が徐々に速度を落としながら下降する様子が乗員から視認されるため、作動時の見た目の高級感を得ることができる。
また、本例では、モータ出力が減速終了位置Cからモータ停止位置Bまで低速一定に維持された後、通電停止される。このように、移動速度が十分低速となった状態でモータ20への通電が遮断されることにより、経時変化による摺動抵抗等が変化したとしても、ウインドウガラス11を、所定の停止位置からほとんどずれることなく停止させることが可能となる。
また、本例では、モータ停止位置Bが、モータ20への通電を遮断したときのウインドウガラス11の移動速度では、ウインドウガラス11が全開位置Aまで到達不能である位置に設定されている。言い換えれば、モータ停止位置Bから全開位置Aまでの距離が、ウインドウガラス11の自重及びモータ停止位置Bにおける慣性力によって下降可能な移動距離よりも大きくなるように設定されている。従って、確実に全開位置A手前でウインドウガラス11を停止させることができる。これにより、停止時に駆動機構やウインドウガラス11がストッパ等と当接して衝撃音が発生してしまうことを防止することができる。また、これにより、駆動機構等に軽微なダメージが停止毎に積み重なって与えられてしまうことを防止することができるので、駆動機構の耐久性を継続的に確保することが可能となる。
続いて、図4(A)に基づいて、全開動作時におけるモータ印加電圧とウインドウガラス11の位置及び移動速度との関係について説明する。
コントローラ31は、上方位置から減速開始位置Dまでは電圧V1(本例では、バッテリ電圧)でモータ20を駆動し、減速開始位置Dから減速終了位置Cまでは徐々に駆動電圧(印加電圧)を低減していく制御を行う。本例では減速終了位置Cで印加電圧がV2となるように移動距離に比例して印加電圧が低減される。そして、減速終了位置Cからモータ停止位置Bまでは電圧V2でモータ20を駆動する。その後、モータ停止位置Bにおいてモータ20への通電が遮断され、モータ印加電圧は0となる。
なお、本例では、コントローラ31は、モータ停止位置Bでモータ20への通電を遮断する制御を行うように構成されているが、これに限らず、ウインドウガラス11の下降をアシストするための電圧を、所定時間だけモータ20へ印加するように構成してもよい。この場合、アシスト時に印加される電圧は、モータ20に印加されてもモータ20が駆動機構を駆動不能な大きさの電圧とすることができる。
また、本例では、モータ20へ印加する電圧の大きさを低減させることによりモータ出力を低減させていたが、これに限らず、PWM制御する場合は、デューティー比を低減させていってもよい。例えば、上方位置から減速開始位置Dまではデューティー比を100%とし、減速開始位置Dから減速終了位置Cまでは徐々にデューティー比を低減し、減速終了位置Cからモータ停止位置Bまでは低減後の低いデューティー比を維持するように制御してもよい。
次に、図5,図6に基づいて、全開動作時におけるコントローラ31の処理フローについて説明する。
まず、図5に基づいてコントローラ31の設定処理について説明する。設定処理では、ステップS1でウインドウガラス11を全開位置Aに移動させた状態で、コントローラ31が記憶するパルスカウント数をゼロリセットする。そして、ステップS2では、全開位置Aを基準位置として、モータ停止位置Bまでウインドウガラス11を上昇させ、コントローラ31にモータ停止位置Bにおけるパルスカウント値を記憶させる。
続いて、ステップS3では、全開位置Aを基準位置として、減速終了位置Cまでウインドウガラス11を上昇させ、ステップS4では、同様に、全開位置Aを基準位置として、減速開始位置Dまでウインドウガラス11を上昇させる。そして、コントローラ31に減速終了位置C、減速開始位置Dにおけるパルスカウント値を記憶させる。
なお、本例では、全開動作時における減速終了位置Cがドア10の窓枠(下枠)に配設されたベルトモール13の上端位置であるので、全開位置A及び全閉位置A1と同様に予めコントローラ31に記憶させておくことができる。この場合には、ステップS4において、全開位置Aの代わりに減速終了位置Cを基準として減速開始位置Dを設定してもよい。
このようにして、モータ停止位置B、減速終了位置C、減速開始位置D、のそれぞれの位置におけるパルスカウント値を設定した後、ステップS5では、減速開始位置Dから減速終了位置Cにかけてのモータ20への印加電圧変化をコントローラ31へ読み込ませる。
本例の装置1では、モータ停止位置Bを全開位置Aを基準として設定することができるので、車両や車種等によって全開位置Aから全閉位置A1までのストロークが異なっても、全開位置A手前のウインドウガラス11の停止位置を適宜に設定することが容易となる。
また、本例の装置1において、減速開始位置Dを減速終了位置Cを基準として設定した場合には、全開位置Aから減速終了位置Cまでの寸法が異なっても、ウインドウガラス11がベルトモール13よりも上にある区間で確実に減速させることができる。
次に、図6に基づいて、ウインドウガラス11を上方位置から全開位置A方向へ下降させるときの、コントローラ31の速度制御処理について説明する。この処理は、所定時間毎に繰り返し行われるものであり、この処理では、ウインドウガラス11の位置に応じてモータ20への駆動電圧の大きさが調整される。
コントローラ31は、操作スイッチ4から通常開指令信号又はオート開指令信号を受けているか否かを監視している(ステップS11)。操作スイッチ4から通常開指令信号又はオート開指令信号を受けていない場合(ステップS11;NO)は、処理を一旦終了し、所定時間後に再びこの処理を繰り返す。
一方、操作スイッチ4から通常開指令信号又はオート開指令信号を受けた場合(ステップS11;YES)は、コントローラ31は、ウインドウガラス11の現在位置が減速開始位置Dに到達しているか否かを判定する(ステップS12)。すなわち、ウインドウガラス11の現在位置が減速開始位置Dから全閉位置A1の間にあるか否かを判定する。
ウインドウガラス11の現在位置が減速開始位置Dに到達していない場合(ステップS12;NO)は、モータ20へ印加する電圧をV1(バッテリ電圧)に維持し(ステップS13)、処理を一旦終了する。すなわち、この状態ではウインドウガラス11は全閉位置A1と減速開始位置Dの間に位置しており、この区間では、コントローラ31は、ウインドウガラス11を減速させるための速度制御を行わず、モータ20への印加電圧がV1(バッテリ電圧)に維持されるように設定されている。このため、ウインドウガラス11は通常の移動速度で下降する。
一方、ウインドウガラス11の現在位置が減速開始位置Dに到達している場合(ステップS12;YES)は、コントローラ31は、ウインドウガラス11の現在位置が減速終了位置Cに到達しているか否かを判定する(ステップS14)。すなわち、ウインドウガラス11の現在位置が減速開始位置Dから減速終了位置Cの間にあるか否かを判定する。
ウインドウガラス11の現在位置が減速終了位置Cに到達していない場合(ステップS14;NO)は、コントローラ31は、ステップS15でウインドウガラス11の現在位置に応じてモータ20へ印加する駆動電圧の大きさを調整し、処理を終了する。すなわち、この状態ではウインドウガラス11は減速開始位置Dと減速終了位置Cの間に位置しており、この区間では、コントローラ31は、ウインドウガラス11の位置に応じて設定されたモータ印加電圧を読み出して、図4に示すように読み出した大きさの電圧をモータ20へ印加する。
この速度制御処理(ステップS15)は、ウインドウガラス11が減速終了位置Cに到達するまで行われるため、これによりモータ20の回転速度は低下していき、これに伴ってウインドウガラス11の下降速度も低下していく。また、モータ20への印加電圧は、減速終了位置CでV2となるように低減されていく。
なお、本例では、減速終了位置Cに到達するまでの区間ではウインドウガラス11の上端がベルトモール13よりも上にあるので、速度制御処理によってウインドウガラス11が目に見えて低速化されながら下降していく状況が乗員に見えるようになっている。
一方、ウインドウガラス11の現在位置が減速終了位置Cに到達している場合(ステップS14;YES)は、コントローラ31は、ウインドウガラス11の現在位置がモータ停止位置Bに到達しているか否かを判定する(ステップS16)。すなわち、ウインドウガラス11の現在位置がモータ停止位置Bから全開位置Aの間にあるか否かを判定する。
ウインドウガラス11の現在位置がモータ停止位置Bに到達していない場合(ステップS16;NO)は、コントローラ31は、モータ20へ印加する駆動電圧の大きさを低電圧一定、すなわち、減速終了位置Cで到達した電圧値(V2)で一定に維持し(ステップS17)、処理を終了する。すなわち、この状態ではウインドウガラス11は減速終了位置Cとモータ停止位置Bの間に位置しており、この区間では、モータ20への印加電圧はV2(低電圧)に維持されるように設定されている。このため、ウインドウガラス11は低速一定で下降する。
なお、ウインドウガラス11は減速終了位置Cで上端がベルトモール13を越えて完全にドア10内に収納されるので、この区間では、ウインドウガラス11の下降動作はすでに乗員には見えなくなっている。
一方、ウインドウガラス11の現在位置がモータ停止位置Bに到達している場合(ステップS16;YES)は、モータ20への通電が遮断され(ステップS18)、処理を終了する。モータ20への通電が遮断された後は、上述のようにウインドウガラス11は、自重及び移動に伴う慣性力によって全開位置A方向への移動を継続し、全開位置A手前の所定位置で停止する。
このようにして、本例では、減速開始位置Dと減速終了位置Cとの間では、ウインドウガラス11の位置に応じて、ウインドウガラス11を減速させるためにモータ20への駆動電圧が調整される。そして、減速終了位置Cから低速一定で全開位置A近傍のモータ停止位置Bまで下降した後、モータ停止位置Bからは、ウインドウガラス11は自重及び移動速度の慣性力によってわずかに全開位置A方向へ移動した所定位置で停止する。
次に、従来の装置と本例の装置1におけるウインドウガラス11の全開動作を比較する。
従来の装置では、図7(A)に示すように、全開位置A付近の出力停止位置Fでモータへの通電が遮断され、モータ出力はゼロとなる。
図7(B)に示すように、摺動抵抗が小さい場合(負荷:小)には、モータ回転速度は出力停止位置Fを過ぎて全開位置Aに到達したときにゼロとなる。すなわち、ウインドウガラス11及び駆動手段は、ストッパ等と当接して強制的に全開位置Aで作動を停止する。これにより、停止音が発生し、駆動手段に比較的小さな衝撃が加わる。
また、摺動抵抗が経時変化等によって大きくなった場合(負荷:大)には、負荷が大きいためモータ回転速度は出力停止位置Fを過ぎて急激に小さくなり、全開位置Aに到達する前にゼロとなる。
このような従来の装置では、モータへの通電の遮断時のウインドウガラス11の移動速度が大きいため、摺動抵抗の大きさによって出力停止位置Fからの移動距離が大きく異なることになる。このため、ウインドウガラス11の停止位置のばらつきが大きくなってしまう。
一方、図8(A)に示すように、本例の装置1では、減速開始位置Dから減速終了位置Cまでモータ出力を低減して目標速度(低速)に到達させ、その後、減速終了位置Cからモータ停止位置Bまでウインドウガラス11の移動速度が低速一定で維持されている。従って、ウインドウガラス11は、低速で停止されたモータ停止位置Bからはわずかな移動距離しか下降しないようになっている。
したがって、ウインドウガラス11に掛かる摺動抵抗が小さい場合(負荷:小)と、大きい場合(負荷:大)とで、モータ停止位置Bからの移動距離に大きな違いは生じない。よって、摺動抵抗の大きさによって、ウインドウガラス11の停止位置に大きなばらつきは生じない。このように、本例の装置1では、経時変化等に起因する摺動抵抗の変化によるウインドウガラス11の停止位置のばらつきを、従来に比して小さくすることが可能である。
(全閉動作時の速度制御)
本例の装置1では、全閉動作時においても、上述した全開動作時と同様に、ウインドウガラス11の上端が乗員に見えている区間において減速することにより、作動時の見た目の高級感が得られるような速度制御を行っている。
全閉動作時には、ウインドウガラス11が下降方向ではなく上昇方向に移動しており、ウインドウガラス11の先端が減速終了位置C1にあるときに、ウェザストリップ14の下端を丁度通過する。なお、本例は全開動作時と全閉動作時の速度制御を両方行っているが、全開動作時の速度制御と、全閉動作時の速度制御のいずれか一方のみを行うようにすることも可能である。
以下、図3(B)及び図4(B)に基づいて、全閉位置A1方向へ向かって上昇する際のモータ出力とウインドウガラス11の位置及び移動速度との関係について説明する。
コントローラ31は、図3(B)に示すように、下方位置(減速開始位置D1よりも作動区間の中央寄りの位置)から減速開始位置D1までの区間において、略一定の高いモータ出力を供給するようにモータ20へ駆動電圧を供給し、比較的高速でウインドウガラス11が上昇する。全閉動作時には全開動作時とは作動方向が逆となるので、モータ出力方向及び駆動電圧は、図3(B)に示すように、それぞれ全開動作時と正負逆の値となる。
なお、本例では全閉位置A1方向への駆動時のモータ印加電圧を、全開位置A方向への駆動時と大きさは同じで正負逆としているが、ウインドウガラス11の上昇時と下降時でモータ印加電圧の大きさを変えて、上昇時と下降時の速度を異ならせてもよい。
また、減速開始位置D1までの区間において、全開動作時と同様にスロースタートさせるように構成してもよい。
ウインドウガラス11が減速開始位置D1に到達してから減速終了位置C1に到達するまでの間には、コントローラ31は、全開動作時と同様に、徐々にモータ出力を低減してウインドウガラス11を減速し、ウインドウガラス11の上昇速度を十分低速化する。
すなわち、減速開始位置D1から減速終了位置C1までの区間は本発明の減速区間に相当し、コントローラ31は、全開動作時と同様にウインドウガラス11の移動距離に比例してモータ出力を徐々に小さくするように駆動電圧を供給する。これにより、減速終了位置C1に到達するまでにウインドウガラス11の上昇速度は目に見えて低速化され、減速終了位置C1において所定の目標速度(低速)に到達する。
次に、コントローラ31は、本発明の低速区間に相当する減速終了位置C1からモータ停止位置B1までの区間において、全開動作時と同様に、モータ出力を、減速終了位置C1において到達した低速一定に維持する制御を行う。すなわち、ウインドウガラス11の上端がウェザストリップ14の下端を越えてその溝内部に隠れてから、ウェザストリップ14の内部のモータ停止位置B1に到達するまでの区間では、ウインドウガラス11は低速一定で上昇する。
その後、コントローラ31は、モータ停止位置B1でモータ20への通電を遮断し、これによりモータ出力を0とする。ウインドウガラス11は、モータ20への駆動電力の遮断後も、移動に伴う慣性力によって全開位置A1方向へわずかに上昇する。このとき、全開動作時と異なり、駆動機構やモータ20からの下降を妨げる抗力や摺動抵抗に加えて、ウインドウガラス11の自重もその上昇を妨げるように作用するので、ウインドウガラス11は全開動作時よりも速やかに低速化され、全開位置A1手前の所定位置で上昇を停止する。
本例では、このように、全閉動作時においても、減速終了位置C1の手前に設定された減速開始位置D1から減速終了位置C1までの区間、すなわちウインドウガラス11の上端が乗員にまだ見えている区間において、その移動速度が十分低速となるまで減速している。すなわち、全閉動作時においても、ウインドウガラス11が徐々に速度を落としながら上昇する様子が乗員から視認されるため、作動時の見た目の高級感を得ることができる。
また、モータ出力が減速終了位置C1からモータ停止位置B1まで低速一定に維持された後通電停止されることにより、全開動作時と同様に、経時変化による摺動抵抗等が変化したとしても、ウインドウガラス11を所定の停止位置からほとんどずれることなく停止させることが可能となる。
また、モータ停止位置B1は、全開動作時におけるモータ停止位置Bと同様に、モータ20への通電を遮断したときのウインドウガラス11の移動速度では、ウインドウガラス11が全開位置A1まで到達不能である位置に設定されている。従って、確実に全開位置A1手前でウインドウガラス11を停止させることができる。
続いて、図4(B)に基づいて、全閉動作時におけるモータ印加電圧とウインドウガラス11の位置及び移動速度との関係について説明する。
コントローラ31は、下方位置から減速開始位置D1までは電圧−V1(全開動作時とは正負逆の電圧)でモータ20を駆動し、減速開始位置D1から減速終了位置C1までは移動距離に比例して駆動電圧(印加電圧)の大きさを減少させ、減速終了位置C1で印加電圧が−V2となるようにする。そして、減速終了位置C1からモータ停止位置B1までは電圧−V2でモータ20を駆動する。その後、モータ停止位置B1においてモータ20への通電が遮断され、モータ印加電圧は0となる。
なお、全開動作時と同様に、モータ停止位置B1でモータ20への通電を遮断せず、ウインドウガラス11の下降をアシストするための電圧を、所定時間だけモータ20へ印加してもよい。また、電圧の大きさを低減させる代わりに、PWM制御を行ってデューティー比を低減させてもよい。
図9、図10は全閉動作時におけるコントローラ31の処理フローである。図9に示すように、全閉動作時のコントローラ31の設定処理では、図5に示す全開動作時のステップS1〜S5に代えて、ステップS1a〜S5aを行う。
ステップS1aでは、ウインドウガラス11を全閉位置A1に移動させた状態で、コントローラ31が記憶するパルスカウント数をゼロリセットし、全閉位置A1を基準位置に設定する。そして、ステップS2a〜S4aにおいてモータ停止位置B1、減速終了位置C1、減速開始位置D1まで順次ウインドウガラスを下降させ、各基準位置におけるパルスカウント値を記憶させる。そして、ステップS5aでは、減速開始位置D1から減速終了位置C1にかけてのモータ20への印加電圧変化をコントローラ31へ読み込ませる。
続いて、図10に示すように、ウインドウガラス11を下方位置から全閉位置A1方向へ上昇させるときのコントローラ31の速度制御処理では、図6に示す全開動作時のステップS11〜S18に代えて、ステップS11a〜S18aを行う。この処理は全開動作時の処理と同様に所定時間毎に繰り返し行われ、ウインドウガラス11の位置に応じてモータ20への駆動電圧の大きさが調整される。
ステップS11aでは、操作スイッチ4から通常閉指令信号又はオート閉指令信号を受けているか否かを監視する。そして、ステップS12a、S14a、S16aではそれぞれウインドウガラス11の現在位置が減速開始位置D1、減速終了位置C1、モータ停止位置B1に到達しているか否かの判定を行う。ステップS13a、S15a、S17aでは、判定されたウインドウガラス11の現在位置に応じてモータ20へ印加する駆動電圧の大きさを調整し、処理を終了する。
すなわち、減速開始位置D1から減速終了位置C1の間では、コントローラ31は、ウインドウガラス11の位置に応じて設定されたモータ印加電圧を読み出してモータ20へ印加することにより、ウインドウガラス11を減速する。なお、全閉動作時においても、減速終了位置C1に到達するまでの区間ではウインドウガラス11の上端がウェザストリップ14よりも下にあるので、速度制御処理によってウインドウガラス11が目に見えて低速化されながら上昇していく状況が乗員に見えるようになっている。
また、減速終了位置C1からモータ停止位置B1の間では、モータ20への印加電圧は−V2(低電圧)に維持されるように設定されている。このため、ウインドウガラス11は低速一定で上昇する。そして、モータ停止位置B1に到達していれば、ステップS18aでモータ20への通電が遮断され、処理を終了する。これにより、ウインドウガラス11は、通電停止時の移動速度に応じた慣性力によって全閉位置A1方向への移動を継続し、全閉位置A1手前の所定位置で停止する。
図11、図12は従来の装置と本例の装置におけるウインドウガラス11の全閉動作の比較であり、図7、図8と同様に、図11が従来の装置における全閉動作、図12が本例の装置における全閉操作である。この図に示すように、全閉動作時におけるモータ出力とモータ回転速度は、全開動作時と正負逆の値となっている。
全開動作時と全閉動作時のウインドウガラス11の動作の相違点は、ウインドウガラス11の移動方向が下降方向でなく上昇方向である点である。従って、ウインドウガラス11の自重がその上昇を妨げるように作用するため、図11において、出力停止位置F1でモータ出力がゼロとなった後におけるモータ出力及びモータ回転速度の低減率は図7よりも大きくなっている。しかしながら、この点は摺動抵抗の大きさの違いによるウインドウガラス11の停止位置のばらつきには影響しない。従って、全閉動作時においても、全開動作時と同様に、経時変化等に起因する摺動抵抗の変化によるウインドウガラス11の停止位置のばらつきを、従来に比して小さくすることができるという効果が得られる。
(改変例)
上記実施形態では、図3(A)(B)に示すように減速開始位置Dから減速終了位置C又は減速開始位置D1から減速終了位置C1にかけて減速する際に、モータ出力をウインドウガラス11の移動距離に比例するように直線的に低減させていったが、これに限らず、図13〜図15に示すようにモータ出力を低減させてもよい。
図13の例は、全開動作時において、減速開始位置Dから減速終了位置Cにかけてモータ出力を階段状に減少させた例である。このとき、モータ20への印加電圧も階段状に減少させている。
図14の例は、減速開始位置Dから減速終了位置Cにかけてモータ出力を曲線的に減少させた例である。図14では、減速終了位置Cよりも減速開始位置Dに近い位置でモータ出力の減少率が大きく設定されている。すなわち、減速初期(減速開始位置Dに到達した後)から減速中期の区間ではモータ出力の減少率が略一定で大きく、減速終期(減速終了位置Cに到達する少し前)においてモータ出力の減少率が次第に小さくなっている。
図15の例は、減速初期(減速開始位置Dに到達した後)にモータ出力の減少率が次第に大きくなっており、減速終期(減速終了位置Cに到達する少し前)には図14と同様にモータ出力の減少率が次第に小さくなっている。そして、減速中期にモータ出力の減少率が最も大きく、かつ、略一定となっている。図14、図15等のような例では、なめらかにモータ出力の増減率を変化させているので、ウインドウガラス11が徐々に速度を落とす際の加速度の変化が滑らかであり、作動時の見た目の高級感がより向上されている。
図13〜図15のような改変例では、全開動作時の減速開始位置Dから減速終了位置Cまでの区間におけるモータ出力の変化パターンを種々変更することにより、それに基づいて、乗員に視認されるウインドウガラス11の速度変化のパターンを変化させることができる。よって、乗員の嗜好に合った開閉制御を実現することができる。なお、全閉動作時の減速開始位置D1から減速終了位置C1までの減速区間においても同様に、図13〜図15に示すようなモータ出力の変化パターンを適用してもよい。これにより、全閉動作時においても、乗員の嗜好に合った開閉制御を実現することができる。
なお、上記各改変例において、減速終了位置C(減速終了位置C1)におけるウインドウガラス11の移動加速度が異なる場合があるが、いずれの改変例においても、減速終了位置Cからモータ停止位置Bまで(減速終了位置C1からモータ停止位置B1まで)は低速一定とされているので、通電遮断時における移動加速度はゼロとなっている。従って、上記いずれの改変例においても、ウインドウガラス11を所定の停止位置からほとんどずれることなく停止させることができる。これにより、停止時の衝撃音の発生を防止することができると共に、駆動機構等にダメージが積み重なるのを防止することができ、耐久性を確保することができる。
また、上記実施形態では、車両のパワーウインドウ装置1に本発明の開閉部材制御装置を適用した例を示したが、これに限らず、サンルーフ開閉装置やスライドドア開閉装置等の開閉部材を開閉駆動する装置に全般に適用してもよい。
本発明の一実施形態に係るパワーウインドウ装置の説明図である。 図1のパワーウインドウ装置の電気構成図である。 ウインドウガラスの位置とモータ出力の関係を表わすグラフである。 ウインドウガラスの位置とモータ印加電圧の関係を表わすグラフである。 全開動作時のコントローラの設定処理の処理フローである。 全開動作時のコントローラの速度制御処理の処理フローである。 比較例のウインドウガラスの全開動作時における位置とモータ出力及びモータ回転速度の関係を表わすグラフである。 本実施形態のウインドウガラスの全開動作時における位置とモータ出力及びモータ回転速度の関係を表わすグラフである。 全閉動作時のコントローラの設定処理の処理フローである。 全閉動作時のコントローラの速度制御処理の処理フローである。 比較例のウインドウガラスの全閉動作時における位置とモータ出力及びモータ回転速度の関係(全閉動作時)を表わすグラフである。 本実施形態のウインドウガラスの全閉動作時における位置とモータ出力及びモータ回転速度の関係を表わすグラフである。 改変例のウインドウガラスの位置とモータ出力の関係を表わすグラフである。 改変例のウインドウガラスの位置とモータ出力の関係を表わすグラフである。 改変例のウインドウガラスの位置とモータ出力の関係を表わすグラフである。
符号の説明
1‥パワーウインドウ装置(装置)、2‥駆動手段、3‥制御手段、4‥操作スイッチ
5‥バッテリ、10‥ドア、11‥ウインドウガラス、12‥窓枠
13‥ベルトモール、14‥ウェザストリップ、20‥モータ、21‥昇降アーム
21a‥ギヤ、22‥従動アーム、23‥固定チャンネル、24‥ガラス側チャンネル
27‥回転検出装置、31‥コントローラ、32‥駆動回路
A‥全開位置、B‥モータ停止位置、C‥減速終了位置、D‥減速開始位置
A1‥全閉位置、B1‥モータ停止位置、C1‥減速終了位置、D1‥減速開始位置
F,F1‥出力停止位置

Claims (12)

  1. 全開位置と全閉位置の間の作動区間において移動可能な開閉部材と、該開閉部材をモータの作動により開閉駆動する駆動手段と、該駆動手段によって開閉駆動される前記開閉部材の位置を検出する位置検出手段と、該位置検出手段による前記開閉部材の検出位置に基づいて前記駆動手段を駆動制御する制御手段と、を備えた開閉部材制御装置であって、
    前記制御手段は、前記作動区間において前記全開位置近傍又は前記全閉位置近傍から前記作動区間の中央側へ順に並ぶように設定されたモータ停止位置、減速終了位置、減速開始位置、を記憶し、
    前記制御手段は、前記開閉部材を前記作動区間の中央側から前記モータ停止位置方向に駆動するときに、前記減速開始位置から前記減速終了位置に到達するまでの減速区間において前記モータの出力を低下させると共に、前記モータ停止位置に到達したときに、前記モータへの通電を停止又は前記モータが駆動停止する駆動電力まで低下させ、
    前記減速終了位置及び前記減速開始位置は、前記減速区間における前記開閉部材の移動が外部から視認可能な位置に設定されたことを特徴とする開閉部材制御装置。
  2. 前記制御手段は、前記開閉部材が前記減速終了位置から前記モータ停止位置に到達するまでの低速区間において前記モータの出力が前記減速区間における出力以下となり、前記モータ停止位置に到達する直前の前記モータの出力が略一定となるように前記駆動手段を駆動することを特徴とする請求項1に記載の開閉部材制御装置。
  3. 前記モータ停止位置は、前記モータ停止位置で前記モータが駆動停止されたときの前記開閉部材の移動速度では、前記開閉部材が前記作動区間の端まで到達不能な位置に設定されたことを特徴とする請求項1に記載の開閉部材制御装置。
  4. 前記開閉部材は車両のウインドウガラスであり、
    前記減速終了位置は、前記ウインドウガラスの前記全閉位置方向の先端と、車両の窓枠に配設されたシール部材の先端とが略同一位置となる位置に設定され、
    前記ウインドウガラスの前記全閉位置方向の先端は、前記減速区間において、前記シール部材の先端よりも前記作動区間の中央側に位置する状態で移動されることを特徴とする請求項1に記載の開閉部材制御装置。
  5. 前記シール部材は車両の窓枠の下枠部分に配設されたベルトモールからなり、
    前記減速終了位置は、前記ウインドウガラスの前記全閉位置方向の先端が前記ベルトモールの上端を通過する位置に設定され、
    前記ウインドウガラスは、前記全開位置方向への駆動時に、前記減速区間において少なくともその一部が前記ベルトモールを越えて外部に出現した状態で下降されることを特徴とする請求項4に記載の開閉部材制御装置。
  6. 前記シール部材は車両の窓枠の上枠部分に配設されたウェザストリップからなり、
    前記減速終了位置は、前記ウインドウガラスの前記全閉位置方向の先端が前記ウェザストリップの下端を通過する位置に設定され、
    前記ウインドウガラスの前記全閉位置方向の先端は、前記ウインドウガラスの前記全閉位置方向への駆動時に、前記減速区間において前記ウェザストリップに隠蔽されずに外部に出現した状態で上昇されることを特徴とする請求項4に記載の開閉部材制御装置。
  7. 全開位置と全閉位置の間の作動区間において移動可能な開閉部材と、該開閉部材をモータの作動により開閉駆動する駆動手段と、該駆動手段によって開閉駆動される前記開閉部材の位置を検出する位置検出手段と、該位置検出手段による前記開閉部材の検出位置に基づいて前記駆動手段を駆動制御する制御手段と、を備えた開閉部材制御装置における開閉部材の制御方法であって、
    前記作動区間において前記全開位置近傍又は前記全閉位置近傍から前記作動区間の中央側へ順に並ぶように設定されたモータ停止位置、減速終了位置、減速開始位置、を設定する第1ステップと、
    前記開閉部材を前記作動区間の中央側から前記モータ停止位置方向へ駆動して、前記開閉部材が前記減速開始位置に到達してから前記減速終了位置に到達するまでの減速区間において前記モータの出力を低下させていく第2ステップと、
    前記開閉部材が前記モータ停止位置に到達したときに、前記モータへの通電を停止又は前記モータが駆動不能となる駆動電力まで低下させる第3ステップと、を行い、
    前記減速終了位置及び前記減速開始位置は、前記減速区間における前記開閉部材の移動が外部から視認可能な位置に設定されることを特徴とする開閉部材の制御方法。
  8. 前記第2ステップと前記第3ステップの間に、前記開閉部材が前記減速終了位置から前記モータ停止位置に到達するまでの低速区間において前記モータの出力が前記減速区間における出力以下となり、前記モータ停止位置に到達する直前の前記モータの出力が略一定となるように前記駆動手段を駆動する第4ステップを行うことを特徴とする請求項7に記載の開閉部材の制御方法。
  9. 前記モータ停止位置は、前記モータ停止位置で前記モータが駆動停止されたときの前記開閉部材の移動速度では、前記開閉部材が前記作動区間の端まで到達不能な位置に設定されることを特徴とする請求項7に記載の開閉部材の制御方法。
  10. 前記開閉部材は車両のウインドウガラスであり、
    前記第2ステップでは、前記減速区間において、前記ウインドウガラスの少なくとも一部が車両の窓枠の下枠部分に配設されたベルトモールを越えて外部に出現した状態で移動されることを特徴とする請求項7に記載の開閉部材の制御方法。
  11. 前記開閉部材は車両のウインドウガラスであり、
    前記第2ステップでは、前記減速区間において、前記ウインドウガラスの前記全閉位置方向の先端が車両の窓枠の上枠部分に配設されたウェザストリップに隠蔽されずに外部に出現した状態で移動されることを特徴とする請求項7に記載の開閉部材の制御方法。
  12. 前記制御手段は、前記全開位置と前記全閉位置とを記憶しており、
    前記第1ステップでは、前記減速開始位置は、前記全開位置、前記全閉位置、前記減速終了位置、のいずれかを基準に設定されることを特徴とする請求項7に記載の開閉部材の制御方法。
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