JP2008051934A - 感光性組成物及びそれを用いた感光性転写材料、表示装置用遮光膜及びその製造方法、遮光膜付基板並びに表示装置 - Google Patents

感光性組成物及びそれを用いた感光性転写材料、表示装置用遮光膜及びその製造方法、遮光膜付基板並びに表示装置 Download PDF

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Abstract

【課題】欠け欠陥の発生を抑えて細線画像が形成できる感光性組成物を提供する。
【解決手段】黒色着色剤と、光重合開始剤と、pKa3.0以下の酸に由来の基を有する樹脂と、エチレン性二重結合を有する付加重合性モノマーと、を少なくとも含有させる。
【選択図】なし

Description

本発明は、表示装置を構成するカラーフィルタなどの作製に好適な感光性組成物及びそれを用いた感光性転写材料、表示装置用遮光膜及びその製造方法、遮光膜付基板並びに表示装置に関する。
カラー液晶ディスプレイに用いる基板の基本的な構造は、透明ガラス基板、ブラックマトリックス及びカラーフィルタ層、オーバーコート層、透明導電膜を設けたものである。このうちカラーフィルタの製造法として、従来は、染色可能な樹脂、例えば天然のゼラチンやカゼインをパターニングし、そこに、主に染料を用いて染色し、画素を得るという方法がとられていたが、耐熱性、耐光性が低いという問題があり、顔料を感光性の樹脂に分散し、製造する方法が広く検討されている。この方法によれば、製造も簡略化され、得られたカラーフィルタも安定で、寿命の長いものになることが知られている。
上記感光性の樹脂を用いたカラーフィルタの作製方法は、特にフォトリソプロセスによってパターニングされるのが一般的であるが、無機材料である透明ガラス基板と樹脂材料との相互作用が小さいために密着性が不十分となり、その結果、パターニングプロセスにおいて、カラーフィルタ樹脂と透明ガラス基板間に剥離が生じやすいとの問題点があった。すなわち、カラーフィルタ原料をコーティングした後に露光,現像するプロセスにおいて、細線を形成しようとすると、細線が剥がれてしまい、より細い細線が描けない。これによって、特に工業的に生産する際には工程のあらゆる条件を厳しく管理する必要が生じ、また場合によっては歩留りの低下を招いていた。これを回避するため、カラーフィルタ樹脂材料に特定の有機化合物添加剤(リン酸(メタ)アクリレート化合物)を添加したり、透明ガラス基板との相互作用が大きい官能基を付与したりし、透明ガラス基板との密着性を向上させ、細線画像の剥離を抑制し、より微細な細線画像が描ける方法が開示されている(例えば、特許文献1及び2参照)。
特開平9−227635号公報 特開2000−221485号公報
しかし、特許文献1又は2に記載の方法においても、細線画像の欠け欠陥の問題が発生していた。この欠け欠陥は、画像の一部が欠損するもので、パターン細線の幅に関係なく発生し、樹脂材料の局部的な剥離を起因とする。この問題は感光樹脂表面上の現像バラツキがその発生原因と考えられ、ある程度の頻度で発生する。更に、カラーフィルタ樹脂層の高濃度化または薄層化に応じて、顔料比率が高くなることにより、基板との密着性がさらに下がり、現像プロセスでの処理ムラの影響を受けやすく、欠け欠陥が悪化する問題を抱えていた。
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、欠け欠陥の発生を抑えて細線画像を形成できる感光性組成物及びそれを用いた感光性転写材料、表示装置用遮光膜及びその製造方法、遮光膜付基板並びに表示装置を提供することを目的とする。
前記課題を解決するための具体的手段は以下の通りである。
<1> 黒色着色剤と、光重合開始剤と、pKa3.0以下の酸に由来の基を有する樹脂と、エチレン性二重結合を有する付加重合性モノマーと、を少なくとも含有する感光性組成物である。
<2> 前記酸に由来の基が、リン酸基、ホスホン酸基及びリン酸アミド基から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする<1>に記載の感光性組成物である。
<3> 前記樹脂が、下記一般式(I)〜(III)のいずれかで表される単量体から得られる繰り返し単位の少なくとも1種を有することを特徴とする<1>又は<2>に記載の感光性組成物である。
Figure 2008051934
[式中、R〜Rは、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子又は炭素数が1乃至6のアルキル基を表し、R〜Rは、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、炭素数が1乃至6のアルキル基、Z又は−L−Zを表す。Lは単結合又は2価の連結基を表し、Zはリン酸基、ホスホン酸基又はリン酸アミド基を表し、Xは酸素原子又はイミノ基を表し、Yはメチン基又は窒素原子を表す。]
<4> 前記黒色着色剤の少なくとも1種が、カーボンブラックであることを特徴とする<1>乃至<3>のいずれか1項に記載の感光性組成物である。
<5> 前記黒色着色剤の少なくとも1種が、金属粒子又は金属を有する粒子であることを特徴とする<1>乃至<4>のいずれか1項に記載の感光性組成物である。
<6> 前記黒色着色剤の少なくとも1種が、銀錫合金部を有する粒子であることを特徴とする<1>乃至<5>のいずれか1項に記載の感光性組成物である。
<7> 仮支持体上に、<1>乃至<6>のいずれか1項に記載の感光性組成物を用いてなる感光性組成物層を有する感光性転写材料である。
<8> <1>乃至<6>のいずれか1項に記載の感光性組成物を基板上に塗布する工程を少なくとも有する表示装置用遮光膜の形成方法である。
<9> <7>に記載の感光性転写材料の感光性組成物層を基板上に転写する工程を少なくとも有する表示装置用遮光膜の形成方法である。
<10> <1>乃至<6>のいずれか1項に記載の感光性組成物を用いて形成された表示装置用遮光膜である。
<11> ブラックマトリクスの形成に用いられることを特徴とする<10>に表示装置用遮光膜である。
<12> 基板と、前記基板上に設けられた<10>又は<11>に記載の表示装置用遮光膜と、を備えた遮光膜付基板である。
<13> カラーフィルタの作製に用いられることを特徴とする<12>に記載の遮光膜付基板である。
<14> <12>又は<13>に記載の遮光膜付基板を備えた表示装置である。
本発明によれば、欠け欠陥の発生を抑えて細線画像が形成できる感光性組成物及びそれを用いた感光性転写材料、表示装置用遮光膜及びその製造方法、遮光膜付基板並びに表示装置を提供することができる。
以下、本発明の感光性組成物及びそれを用いた感光性転写材料、表示装置用遮光膜及びその製造方法、遮光膜付基板並びに表示装置について詳細に説明する。
<感光性組成物>
本発明の感光性組成物は、(A)黒色着色剤の少なくとも1種と、(B)光重合開始剤の少なくとも1種と、(C)pKa3.0以下の酸に由来の基を有する樹脂の少なくとも1種と、(D)エチレン性二重結合を有する付加重合性モノマーの少なくとも1種と、を少なくとも含有することを特徴とする。
特定のpKa値の酸に由来の基を有する樹脂を含有する感光性組成物を用いることで、欠け欠陥の発生を抑えて細線画像が形成することができる。
また、本発明の感光性組成物は上記成分(A)〜(D)に加えて更に(E)その他の成分を含んでいてもよい。
以下に、本発明の感光性組成物に含まれる成分(A)〜(D)と(E)その他含んでも良い成分について述べる。
(A)黒色着色剤
(a)顔料
本発明では、黒色着色剤として、顔料の少なくとも1種を用いることが好ましい。顔料は一般に有機顔料と無機顔料とに大別されるが、本発明において好適に使用される顔料の例としては、特開2005−17716号公報[0038]〜[0040]に記載の色材や、特開2005−361447号公報[0068]〜[0072]に記載の顔料や、特開2005−17521号公報[0080]〜[0088]に記載の着色剤を挙げることができる。
前記顔料の中でも、カーボンブラック、チタンブラック、又は黒鉛が好適なものとして挙げられる。
中でも、本発明においては、遮光性及びコストの観点から、着色剤の少なくとも1種がカーボンブラックであることが好ましい。
カーボンブラックの例としては、Pigment Black(ピグメント・ブラック)7(カーボンブラック C.I.No.77266)が好ましい。市販品として、三菱カーボンブラック MA100(三菱化学(株)製)、三菱カーボンブラック #5(三菱化学(株)製)が挙げられる。
チタンブラックの例としては、TiO、TiO、TiNやこれらの混合物が好ましい。市販品として、三菱マテリアルズ(株)製の(商品名)12Sや13Mが挙げられる。チタンブラックの平均粒径は40〜100nmが好ましい。
黒鉛の例としては、粒子径がストークス径で3μm以下のものが好ましい。3μm以下の黒鉛を用いることで、遮光パターンの輪郭形状が均一になり、シャープネスが良好になる。また、0.1μ以下の粒子径を有する粒子の存在比率が70%以上であることが好ましい。
前記顔料は、下記の金属系微粒子と併用して用いる場合、色相と補色関係にあるものを用いることが望ましい。また、顔料は1種でも2種以上を組み合せて用いてもよい。好ましい顔料の組合せとしては、赤色系及び青色系の互いに補色関係にある顔料混合物と黄色系及び紫色系の互いに補色関係にある顔料混合物との組合せや、前記の混合物に更に黒色の顔料を加えた組合せや、青色系と紫色系と黒色系との顔料の組合せを挙げることができる。
顔料の球相当直径は、5nm以上5μm以下が好ましく、特に10nm以上1μm以下が好ましく、更にカラーフィルタ用としては、20nm以上0.5μm以下が好ましい。
(b)金属粒子又は金属を有する粒子
本発明の感光性組成物は、着色剤の少なくとも1種として、金属粒子又は金属を有する粒子(以下、「本発明における金属系微粒子」ということがある。)であることもまた好ましい。これにより、薄膜で高い光学濃度が得られる表示装置用遮光膜を形成することができる。
金属粒子、金属を有する粒子における金属としては、特に限定されず、いかなるものを用いてもよい。金属粒子は、2種以上の金属を組合せてなるものであってもよく、合金からなるものであってもよい。また、金属を有する粒子は、少なくとも1種の金属を有する金属化合物粒子であればよく、金属と金属化合物との複合粒子でもよい。
〈金属粒子〉
金属粒子としては、特に長周期律表(IUPAC 1991)の第4周期、第5周期、及び第6周期からなる群から選ばれる金属を主成分(60質量%以上)として含むことが好ましい。また、第2〜14族からなる群から選ばれる金属を含有することが好ましく、第2族、第8族、第9族、第10族、第11族、第12族、第13族、及び第14族からなる群から選ばれる金属を主成分として含むことがより好ましい。これらの金属のうち、金属粒子としては、第4周期、第5周期、又は第6周期の金属であって、第2族、第10族、第11族、第12族、又は第14族の金属の粒子が更に好ましい。
前記金属粒子を構成する好ましい金属の例としては、銅、銀、金、白金、パラジウム、ニッケル、錫、コバルト、ロジウム、イリジウム、鉄、カルシウム、ルテニウム、オスミウム、マンガン、モリブデン、タングステン、ニオブ、タンテル、チタン、ビスマス、アンチモン、鉛、及びこれらの合金から選ばれる少なくとも1種を挙げることができる。更に好ましい金属は、銅、銀、金、白金、パラジウム、ニッケル、錫、コバルト、ロジウム、カルシウム、イリジウム、及びこれらの合金、より好ましい金属は、銅、銀、金、白金、パラジウム、錫、カルシウム、及びこれらの合金から選ばれる少なくとも1種であり、特に好ましい金属は、銅、銀、金、白金、錫、及びこれらの合金から選ばれる少なくとも1種である。とりわけ銀又はその合金が好ましく(銀としてはコロイド銀が好ましい)、銀錫合金部を有する粒子が最も好ましい。銀錫合金部を有する粒子については後述する。
〈金属化合物粒子〉
「金属化合物」とは、前記金属と金属以外の他の元素との化合物である。金属と他の元素との化合物としては、金属の酸化物、硫化物、硫酸塩、炭酸塩などが挙げられ、金属化合物粒子としてはこれらの粒子が好適である。中でも、色調や微粒子形成のしやすさから、硫化物の粒子が好ましい。
金属化合物の例としては、酸化銅(II)、硫化鉄、硫化銀、硫化銅(II)、チタンブラックなどがあるが、色調、微粒子形成のしやすさや安定性の観点から、硫化銀が特に好ましい。
〈複合粒子〉
複合粒子は、金属と金属化合物とが結合して1つの粒子になったものをいう。例えば、粒子の内部と表面で組成の異なるもの、2種の粒子が合一したもの等を挙げることができる。また、金属化合物と金属とはそれぞれ1種でも2種以上であってもよい。
金属化合物と金属との複合微粒子の具体例としては、銀と硫化銀の複合微粒子、銀と酸化銅(II)の複合微粒子などが好適に挙げられる。
本発明における金属微粒子は、コア・シェル型の複合粒子(コアシェル粒子)であってもよい。コア・シェル型の複合粒子(コアシェル粒子)とは、コア材料の表面をシェル材料でコートしたものであり、その具体例として、特開2006−18210号公報の段落番号[0024]〜[0027]に記載のコア・シェル微粒子が挙げられる。
〈銀錫合金部を有する粒子〉
本発明における金属系微粒子の少なくとも1種は、銀錫合金部を有する粒子であることが好ましい。銀錫合金部を有する粒子としては、銀錫合金からなるもの、銀錫合金部分とその他の金属部分からなるもの、及び銀錫合金部分と他の合金部分からなるものを含む。
銀錫合金部を有する粒子において、少なくとも一部が銀錫合金で構成されていることは、例えば、(株)日立製作所製のHD−2300とノーラン(Noran)社製のEDS(エネルギー分散型X線分析装置)とを用いて、加速電圧200kVによる各々の粒子の中心15nm□エリアのスペクトル測定により確認することができる。
銀錫合金部を有する粒子は、黒濃度が高く、少量であるいは薄膜で優れた遮光性能を発現し得ると共に、高い熱安定性を有するので、黒濃度を損なうことなく高温(例えば200度以上)での熱処理が可能であり、安定的に高度の遮光性を確保することができる。例えば、高度の遮光性が要求され、一般にベーク処理が施されるカラーフィルタ用の遮光膜(いわゆるブラックマトリクス)などに好適である。
銀錫合金部を有する粒子は、錫(Sn)に対する銀(Ag)の割合を30〜80モル%としてAgと錫(Sn)とを複合化(例えば合金化)して得られるものが好ましい。Agの割合を特に前記範囲とすることで、高温域での熱安定性が高く、光の反射率を抑えた高い黒濃度を得ることができる。特に、Agの割合が75モル%である粒子、すなわちAgSn合金粒子は作製が容易であり、得られた粒子も安定で好ましい。
銀錫合金部を有する粒子は、坩堝などの中で加熱、溶融混合して形成する等の一般的方法で合金化する等して形成することが可能であるが、Agの融点は900℃付近で、Snの融点は200℃付近であって両者の融点に大きな差があるうえ、複合化(例えば合金化)後の微粒子化工程が余分に必要になることから、粒子還元法によるのが好ましい。すなわち、Ag化合物とSn化合物とを混合し、これを還元するものであり、金属Agと金属Snを同時に接近した位置で析出させ、複合化(例えば合金化)と微粒子化とを同時に達成する方法である。Agは還元されやすく、Snよりも先に析出する傾向にあるため、Ag及び/又はSnを錯塩にすることにより析出タイミングをコントロールすることが好適である。
前記Ag化合物としては、硝酸銀(AgNO)、酢酸銀(Ag(CHCOO))、過塩素酸銀(AgClO・HO)、等が好適に挙げられる。中でも特に、酢酸銀が好ましい。前記Sn化合物としては、塩化第一錫(SnCl)、塩化第二錫(SnCl)、酢酸第一錫(Sn(CHCOO))、等が好適に挙げられる。中でも特に、酢酸第一錫が好ましい。
還元は、還元剤を用いる方法、電解により還元する方法等を好ましい還元方法として挙げることができる。中でも、還元剤を用いた前者による方法が、微細な粒子が得られる点で好ましい。前記還元剤としては、CTAB、アスコルビン酸、ハイドロキノン、カテコール、パラアミノフェノール、パラフェニレンジアミン、ヒドロキシアセトンなどが挙げられる。中でも、揮発しやすく、表示装置に悪影響を与えにくい点で、ヒドロキシアセトンが特に好ましい。
本発明における金属系微粒子は、市販のものを用いることができるほか、金属イオンの化学的還元法、無電解メッキ法、金属の蒸発法等により調製することが可能である。
例えば、棒状の銀微粒子は、球形銀微粒子を種粒子としてその後、銀塩を更に添加し、CTAB(セチルトリメチルアンモニウムブロマイド)等の界面活性剤の存在下でアスコルビン酸など比較的還元力の弱い還元剤を用いることにより、銀棒やワイヤーが得られる。これは、Advanced Materials 2002,14,80−82に記載がある。また、同様の記載が、Materials Chemistry and Physics 2004,84,197−204、Advanced Functional Materials 2004,14,183−189になされている。
また、電気分解を用いた方法として、Materials Letters 2001,49,91−95やマイクロ波を照射することにより銀棒を生成する方法がJournal of Materials Research 2004,19,469−473に記載されている。逆ミセルと超音波の併用した例として、Journal of Physical Chemistry B 2003,107,3679−3683が挙げられる。
金に関しても同様に、Journal of Physical Chemistry B 1999,103、3073−3077及びLangmuir1999,15,701−709、Journal of American Chemical Society 2002,124,14316−14317に記載されている。
棒状の粒子の形成方法は、前記記載の方法を改良(添加量調整、pH制御)しても調製できる。
本発明における金属系微粒子は、より無彩色に近づけるために、色々な種類の粒子を組み合わせることにより得ることができる。例えば、粒子形状を球形や立方体から平板状(六角形、三角形)、棒状へ変化させたものを組み合わせることにより、より高い透過濃度を得ることができろ。このような金属系微粒子を用いることで遮光層を形成した際に薄膜化を図ることができる。
前記金属系微粒子の粒度分布としては、粒子の分布を正規分布近似し、その数平均粒子径の粒度分布幅D90/D10が、1.2以上50未満であることが好ましい。ここで、粒子径は長軸長さLを粒子直径としたものであり、D90は平均粒径に近い粒子の90%が見出される粒子直径であり、D10は平均粒径に近い粒子の10%が見出される粒子直径である。粒度分布幅は色調の観点から、好ましくは2以上30以下であり、更に好ましくは4以上25以下である。分布幅が1.2未満であると色調が単色に近くなる場合があり、50以上であると粗大粒子による散乱によって濁りが生じる場合がある。
なお、前記粒度分布幅D90/D10の測定は、具体的には、膜中の金属粒子を後述する三軸径を測定する方法にてランダムに100個測定し、長軸長さLを粒子直径とし、粒径分布を正規分布近似し、平均粒子径に近い粒子の数で90%の範囲となる粒子直径をD90とし、平均粒子径から数で10%の範囲となる粒子直径をD10とすることで、D90/D10を算出することができる。
《三軸径》
本発明における金属系微粒子は、下記の方法によって直方体として捉えられ、各寸法が測定される。すなわち、1個の金属系微粒子がちょうど(きっちりと)収まるような三軸径の直方体の箱を考え、この箱の長さの一番長いものを長軸長さLとし、厚みt、幅bをもってこの金属系微粒子の寸法と定義する。前記寸法には、L>b≧tの関係を持たせ、同一の場合以外はbとtの大きい方を幅bと定義する。具体的には、まず、平面上に金属系微粒子を、最も重心が低くて安定に静止するように置く。次に、平面に対し直角に立てた2枚の平行な平板により金属系微粒子を挟み、その平板間隔が最も短くなる位置の平板間隔を保つ。次に、前記平板間隔を決する2枚の平板に対し直角で前記平面に対しても直角の2枚の平行な平板により金属系微粒子を挟み、この2枚の平板間隔を保つ。最後に金属系微粒子の最も高い位置に接触するように天板を前記平面に平行に載せる。この方法により平面、2対の平板及び天板によって画される直方体が形成される。
なお、コイル状やループ状のものはその形状を伸ばした状態で前記測定を行なった場合の値と定義する。
・長軸長さL
棒状の金属系微粒子の場合など、前記長軸長さLは、10nmないし1000nmであることが好ましく、10nmないし800nmであることがより好ましく、20nmないし400nmである(可視光の波長より短い。)ことが最も好ましい。Lが10nm以上であることにより、製造上調製が簡便で、かつ耐熱性や色味も良好になる利点があり、1000nm以下であることにより、面状欠陥が少ないという利点がある。
・幅bと厚みtとの比
棒状の金属系微粒子の場合など、幅bと厚みtとの比は、100個の棒状金属微粒子について測定した値の平均値と定義する。棒状の金属系微粒子の幅bと厚みtとの比(b/t)は2.0以下であることが好ましく、1.5以下であることがより好ましく、1.3以下であることが特に好ましい。b/t比が2.0を超えると平板状に近くなり、耐熱性が低下することがある。
・長軸長さLと幅b及び厚みtとの関係
長軸長さLは、幅bの1.2倍以上100倍以下であることが好ましく、1.3倍以上50倍以下であることがより好ましく、1.4倍以上20倍以下であることが特に好ましい。長軸長さLが幅bの1.2倍未満となると平板の特徴が現れて耐熱性が悪化することがある。また、長軸長さLが幅bの100倍を超えると黒色濃度が低くなって薄層高濃度化ができないことがある。
・長さLと幅b及び厚みtとの測定
長さL、幅b及び厚みtの測定は、電子顕微鏡による表面観察図(×500000)と、原子間力顕微鏡(AFM)によってすることができ、100個の棒状の金属系微粒子について測定した値の平均値とする。原子間力顕微鏡(AFM)には、いくつかの動作モードがあり、用途によって使い分けている。
大別すると以下の3つになる。
(1)接触方式:プローブを試料表面に接触させ、カンチレバーの変位から表面形状を測定する方式
(2)タッピング方式:プローブを試料表面に周期的に接触させ、カンチレバーの振動振幅の変化から表面形状を測定する方式
(3)非接触方式:プローブを試料表面に接触させずに、カンチレバーの振動周波数の変化から表面形状を測定する方式
一方、前記非接触方式は、極めて弱い引力を高感度に検出する必要がある。そのため、カンチレバーの変位を直接測定する静的な力の検出では難しく、カンチレバーの機械的共振を応用している。
前記の3つの方法を挙げることができるが、試料に合わせいずれかの方法を選択することが可能である。
なお、本発明において、前記電子顕微鏡としては、日本電子社製の電子顕微鏡JEM2010を用いて、加速電圧200kVで測定を行なうことができる。また、原子間力顕微鏡(AFM)は、セイコーインスツルメンツ株式会社製のSPA−400が挙げられる。原子間力顕微鏡(AFM)での測定では、比較にポリスチレンビーズを入れておくことにより測定が容易になる。
本発明においては、金属粒子又は金属を有する粒子として、金属粒子、合金を含む粒子又は金属化合物粒子が好ましく、銀粒子、銀合金を含む粒子又は銀化合物粒子がより好ましく、銀錫合金部を有する粒子が最も好ましい。
本発明において、金属粒子又は金属を有する粒子の数平均粒子径は0.1μm以下が好ましく0.08μm以下がさらに好ましく、0.05μm以下が特に好ましい。粒子の数平均粒子径が0.1μm以下であると、表面平滑性が良好で、且つ、粗大粒子によるブツ故障も少なくなる利点がある。
−本発明における金属系微粒子の分散−
本発明における金属系微粒子は、安定な分散状態で存在していることが好ましく、例えば、コロイド状態であることがより好ましい。コロイド状態の場合には、例えば、金属微粒子が実質的に微粒子状態で分散されていることが好ましい。ここで、実質的に分散しているとは、一次粒子が凝集又は軟凝集せず個々に独立に分散している状態をいう。
分散を行なう際の分散剤や、本発明の組成物に配合してもよい添加剤としては、特開2005−17322号公報の段落番号[0027]〜[0031]に記載の分散剤や添加剤が、本発明においても好適なものとして挙げられる。
本発明の感光性組成物における金属系微粒子(及び必要に応じて顔料)の含有量としては、例えばカラーフィルタの作製時など、ポストベークの際に金属系微粒子(及び必要に応じて顔料)が融着するのを防止することを考慮すると、形成された遮光層の質量に対して10〜90質量%程度、好ましくは10〜80質量%になるように調節することが好ましい。また、金属系微粒子(及び必要に応じて顔料)の含有量は、平均粒径による光学濃度の変動を考慮して行なうことが好ましい。
(B)光重合開始剤
本発明における感光性組成物は、光重合開始剤の少なくとも1種を含有する。光重合開始剤としては、特開2006−23696号公報の段落番号[0012]、[0013]に記載の公知の開始剤を用いることができるが、中でもアミノアセトフェノン系、アシルフォスフィンオキサイド系及びオキシムエステル系からなる群より選択される少なくとも1種の光重合開始剤が好ましい。また、必要に応じて、光重合開始助剤を含有してもよい。
アミノアセトフェノン系の開始剤の具体例として、IRGACURE(Irg)369や、IRGACURE(Irg)379、及び、IRGACURE(Irg)907等(何れもチバ・スペシャルティ・ケミカルズ株式会社製)が挙げられる。
アシルフォスフィンオキサイド系の開始剤の具体例として、DAROCUR TPOや、Irgacure(Irg)819等(何れもチバ・スペシャルティ・ケミカルズ株式会社製)が挙げられる。
オキシムエステル系の開始剤の具体例として、IRGACURE(Irg) OXE01や、CGI242等(何れもチバ・スペシャルティ・ケミカルズ株式会社製)が挙げられる。上述の開始剤の構造を以下に示す。
Figure 2008051934
Figure 2008051934
Figure 2008051934
上記の光重合開始剤は、1種単独で用いる以外に2種類以上を組合せて用いてもよい。また、感光性組成物の全固形分に対する光重合開始剤の含有量は、0.5〜20質量%が一般的であり、1〜15質量%が好ましい。該含有量が前記範囲内であると、光感度や画像強度の低下を防止でき、充分に性能を向上させることができる。
本発明の感光性組成物には、必要に応じて光重合開始助剤を含有することができる。光重合開始助剤は、前記光重合開始剤と組み合わせて用いられ、光重合開始剤によって重合が開始された光重合性化合物の重合を促進するために用いられる化合物である。光重合開始助剤としては、少なくとも1種のアミン系化合物を含むことが好ましい。
前記のアミン系化合物としては、例えば、トリエタノールアミン、メチルジエタノールアミン、トリイソプロパノールアミン、4−ジメチルアミノ安息香酸メチル、4−ジメチルアミノ安息香酸エチル、4−ジメチルアミノ安息香酸イソアミル、安息香酸2−ジメチルアミノエチル、4−ジメチルアミノ安息香酸2−エチルヘキシル、N,N−ジメチルパラトルイジン、4,4’−ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン(通称ミヒラーズケトン)、4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、4,4’−ビス(エチルメチルアミノ)ベンゾフェノンなどが挙げられ、中でも4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノンが好ましい。また、複数のアミン系やその他の光重合開始助剤を組み合わせて使用してもよい。その他の光重合開始助剤としては、例えば、アルコキシアントラセン系化合物、チオキサントン系化合物、クマリン系化合物などが挙げられる。
前記のアルコキシアントラセン系化合物としては、例えば、9,10−ジメトキシアントラセン、2−エチル−9,10−ジメトキシアントラセン、9,10−ジエトキシアントラセン、2−エチル−9,10−ジエトキシアントラセンなどが挙げられる。
前記のチオキサントン系化合物としては、例えば、2−イソプロピルチオキサントン、4−イソプロピルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、2,4−ジクロロチオキサントン、1−クロロ−4−プロポキシチオキサントンなどが挙げられる。
前記のクマリン系化合物としては、例えば、7−[2−[4−(3−ヒドロキシメチルビペリジノ)−6−ジエチルアミノ]トリアジニルアミノ]−3−フェニルクマリンなどが挙げられる。
また、光重合開始助剤として市販のものを用いることもでき、市販の光重合開始助剤としては、例えば、商品名「EAB−F」(保土谷化学工業(株)製)などが挙げられる。
本発明の感光性組成物における光重合開始助剤の使用量は、光重合開始剤1質量部あたり0.6質量部以上10質量部以下が好ましく、さらに1質量部以上8質量部以下であることが好ましく、とりわけ1.5質量部以上5質量部以下であることが好ましい。
(C)樹脂
感光性組成物は、アルカリ水溶液で現像可能なものと、有機溶剤で現像可能なものとがある。安全性と現像液のコストとの点からは、アルカリ水溶液で現像可能なものが好ましい。かかる点から、本発明においては、樹脂となるポリマーとしてアルカリ可溶性樹脂を用いて構成される。
本発明における樹脂(アルカリ可溶性樹脂)は、pKa3.0以下の酸に由来の基を少なくとも1種有することを特徴としている。ここで酸のpKaは25℃、無限希釈水溶液中での酸解離指数を意味する。酸のpKaは、例えば、日本化学会編、「化学便覧基礎編」改訂3版、丸善(株)、昭和59年6月、II−338に記載されている値を参照することができる。
pKa3.0以下の酸に由来の基としてはスルホン酸基、硫酸基、リン酸基、ホスホン酸基及びリン酸アミド基などが挙げられる。中でも、欠け欠陥改良、樹脂の溶剤への溶解性の観点から、リン酸基、ホスホン酸基及びリン酸アミド基から選ばれる少なくとも1種が好ましい。
アルカリ可溶性樹脂は、下記一般式(I)〜(III)のいずれかで表される単量体から得られる繰り返し単位の少なくとも1種を有することが好ましい。アルカリ可溶性樹脂は、下記一般式(I)〜(III)のいずれかで表される単量体の少なくとも1種と、リン酸、ホスホン酸及びリン酸アミド以外の酸性基を有する単量体の少なくとも1種と、を共重合することによって構成されることがより好ましい。
<一般式(I)〜(III)のいずれかで表される単量体>
Figure 2008051934
式中、R、R及びRは、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子(例えば、フッ素、塩素、臭素等)又は炭素原子数が1乃至6のアルキル基(例えば、メチル基、エチル基、プロピル基等)を表す。R、R及びRは、より好ましくは水素原子または炭素原子数が1乃至3のアルキル基であり、最も好ましくは、水素原子またはメチル基である。更に、R及びRは、水素原子であることが特に好ましい。
Xは、酸素原子(−O−)又はイミノ基(−NH−)を表し、酸素原子であることが好ましい。
Lは、単結合または2価の連結基である。2価の連結基としては、2価の脂肪族基(例えば、アルキレン基、置換アルキレン基、アルケニレン基、置換アルケニレン基、アルキニレン基、置換アルキニレン基)、2価の芳香族基(例えば、アリーレン基、置換アリーレン基)、2価の複素環基及びそれらと酸素原子(−O−)、硫黄原子(−S−)、イミノ基(−NH−)、置換イミノ基(−NR−、Rは脂肪族基、芳香族基又は複素環基)又はカルボニル基(−CO−)との組合せ等が挙げられる。
前記2価の脂肪族基は、環状構造又は分岐構造を有していてもよい。前記脂肪族基の炭素原子数は、1乃至20が好ましく、1乃至15がより好ましく、1乃至10が更に好ましい。脂肪族基は不飽和脂肪族基よりも飽和脂肪族基の方が好ましい。また、脂肪族基は、置換基を有していてもよい。置換基の例は、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、芳香族基および複素環基を挙げられる。
前記2価の芳香族基の炭素原子数は、6乃至20が好ましく、6乃至15がさらに好ましく、6乃至10が最も好ましい。また、前記芳香族基は置換基を有していてもよい。置換基の例は、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、脂肪族基、芳香族基及び複素環基を挙げられる。
前記2価の複素環基は、複素環として5員環又は6員環を有することが好ましい。複素環に他の複素環、脂肪族環または芳香族環が縮合していてもよい。また、複素環基は置換基を有していてもよい。置換基の例としては、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、オキソ基(=O)、チオキソ基(=S)、イミノ基(=NH)、置換イミノ基(=N−R、Rは脂肪族基、芳香族基または複素環基)、脂肪族基、芳香族基及び複素環基を挙げられる。
本発明において、Lは単結合、アルキレン基又はオキシアルキレン構造を含む2価の連結基であることが好ましい。オキシアルキレン構造は、オキシエチレン構造又はオキシプロピレン構造であることがより好ましい。また、Lはオキシアルキレン構造を2以上繰り返して含むポリオキシアルキレン構造を含んでいてもよい。ポリオキシアルキレン構造としてはポリオキシエチレン構造又はポリオキシプロピレン構造が好ましい。ポリオキシエチレン構造は、−(OCHCH−で表され、nは、2以上の整数が好ましく、2〜10の整数であることがより好ましい。
Zは、リン酸又はホスホン酸構造を有する官能基を表し、リン酸基、ホスホン酸基又はリン酸アミド基であることが好ましい。また、Yは、メチン基又は窒素原子を表す。
、R及びRは、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子(例えば、フッ素、塩素、臭素等)または炭素原子数が1乃至6のアルキル基(例えば、メチル基、エチル基、プロピル基等)、Z又は−L−Zを表す。ここでL及びZは、上記におけるものと同義である。R、R及びRとしては、水素原子又は炭素数が1乃至3のアルキル基が好ましく、水素原子がより好ましい。
本発明においては、上記一般式(I)で表される単量体として、R、R及びRが水素原子又はメチル基であって、Lがアルキレン基又はオキシアルキレン構造を含む2価の連結基であって、Xが酸素原子又はイミノ基であって、Zがリン酸、ホスホン酸又はリン酸アミドである化合物が好ましい。また、上記一般式(II)で表される単量体として、R、R及びRが水素原子又はメチル基であって、Lがアルキレン基であって、Zがリン酸、ホスホン酸又はリン酸アミドであって、Yがメチン基である化合物が好ましい。また、上記一般式(III)で表される単量体として、R、R及びRが水素原子又はメチル基であって、Lが単結合又はアルキレン基であって、Zがリン酸、ホスホン酸又はリン酸アミドである化合物が好ましい
以下に、式(I)〜(III)で表される代表的な化合物の例を示す。
Figure 2008051934
アルカリ可溶性樹脂における、一般式(I)〜(III)のいずれかで表される単量体から得られる繰り返し単位の含有量は、感光性組成物の基板への密着性と欠け欠陥の発生抑制の観点から、0.05から30質量%が好ましく、0.1から20質量%がより好ましく、0.2から15質量%が更に好ましい。
本発明において、前記アルカリ可溶性樹脂は、リン酸、ホスホン酸及びリン酸アミド以外の酸性基を有する単量体(以下、「酸性基を有する単量体」)から得られる繰り返し単位を含むことが好ましい。
酸性基としてはカルボン酸基(カルボキシル基)、スルホン酸基及びその他の活性水素を有する基などが挙げられるが、溶解性やアルカリ現像性の観点から、カルボキシル基が好ましい。
単量体は分子内に付加重合性二重結合を有する化合物である。分子内に付加重合性二重結合と酸性基とを有する化合物としては、アクリル酸、メタクリル酸、アクリル酸ダイマー、アクリル酸オリゴマー、分子内に付加重合性二重結合と水酸基を有する化合物(例えば、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル)とコハク酸無水物の反応物、マレイン酸、イタコン酸、フマル酸、4−ビニル安息香酸などが挙げられる。中でも、他の成分との共重合性の観点から、アクリル酸、メタクリル酸及び4−ビニル安息香酸から選ばれる少なくとも1種が好ましい。
本発明に用いられるアルカリ可溶性樹脂における酸性基を有する単量体から得られる繰り返し単位の含有量は、適度なアルカリ現像時間に調整可能である点で、2〜40質量%が好ましく、5〜30質量%がより好ましく、8〜20質量%が最も好ましい。
本発明に用いられるアルカリ可溶性樹脂は、一般式(I)〜(III)のいずれかで表される単量体及び酸性基を有する単量体以外の、付加重合可能なその他の単量体を少なくとも1種含んでいてもよい。
その他の単量体は、一般式(I)〜(III)のいずれかで表される単量体及び酸性基を有する単量体と、共重合可能な単量体から任意に選ぶことができる。具体的には、シアン化ビニル(例えば、(メタ)アクリロニトリル及びα−クロロアクリロニトリルなど)、カルボン酸ビニルエステル(例えば、酢酸ビニル及びギ酸ビニルなど)、脂肪族共役ジエン(例えば、1,3‐ブタジエン及びイソプレンなど)、(メタ)アクリル酸のアルキル、アラルキル若しくはアリールエステル(例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、ノルマルブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート及びベンジル(メタ)アクリレートなど)、(メタ)アクリル酸置換アルキルエステル(例えば、グリシジル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート及びジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレートなど)、アルキル(メタ)アクリルアミド(例えば、(メタ)アクリルアミド、ジメチル(メタ)アクリルアミド、N−イソプロピル(メタ)アクリルアミド、n−ブチル(メタ)アクリルアミド、tert−ブチル(メタ)アクリルアミド及びtert−オクチル(メタ)アクリルアミドなど)、置換アルキル(メタ)アクリルアミド(例えば、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド及びジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミドなど)、重合性オリゴマー(例えば、片末端メタクリロイル化ポリメチルメタクリレートなど)等が挙げられる。
前記その他の単量体は、1種単独で用いても2種以上を組合せて用いてもよい。
本発明に用いられるアルカリ可溶性樹脂におけるその他の単量体から得られる繰り返し単位の含有量は、0〜90質量%が好ましく、10〜90質量%がより好ましく、60〜90質量%が更に好ましい。
本発明に用いられるアルカリ可溶性樹脂の質量平均分子量は5000から200000の範囲内であることが好ましい。この範囲内であるとアルカリ現像性、得られたパターンの耐溶剤性が良好である。さらに7000から100000の範囲内がより好ましく、10000から70000内の範囲が更に好ましい。
本発明に用いられるアルカリ可溶性樹脂の好ましい具体例(例示化合物JS−1〜JS−22)を示す。
Figure 2008051934
Figure 2008051934
Figure 2008051934
上記例示化合物JS−1〜JS−22において、a〜eは、アルカリ可溶性樹脂におけるそれぞれのモノマー単位の含有量を質量%で表したものである。aは、アルカリ可溶性樹脂における一般式(I)〜(III)のいずれかで表される単量体から得られる繰り返し単位の含有量を表す。基板密着性改良と残渣低減のバランス及び欠け欠陥の抑制の観点から、aは、0.05〜30質量%の範囲内であることが好ましく、0.1〜20質量%の範囲内であることがより好ましく、0.2〜15質量%の範囲内であることがもっとも好ましい。
b〜eは、酸価およびI/O値の観点から、任意に調節することができる。前記樹脂は、30〜400mgKOH/gの範囲内の酸価を有するものを選択することが好ましい。
さらに、前記JS−1〜JS−22において、本発明の好ましい共重合比の具体的化合物を表1に示す。
Figure 2008051934
前記樹脂の、本発明の感光性組成物の全固形分に対する含有量は、5〜95質量%が好ましく、10〜90質量%がより好ましい。樹脂の含有量が前記範囲内であることにより、感光性組成物層の粘着性が高すぎることもなく、形成される層の強度及び光感度が劣ることもない。
(D)エチレン性二重結合を有する付加重合性モノマー
前記「エチレン性二重結合を有する付加重合性モノマー(以下、単に「モノマー」とも言う。)」は、付加重合することで樹脂となり得るモノマーを意味する。
前記モノマーとしては、沸点が常圧で100℃以上の化合物を挙げることができる。例えば、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート及びフェノキシエチル(メタ)アクリレート等の単官能(メタ)アクリレート;ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリス(アクリロイルオキシプロピル)エーテル、トリス(アクリロイルオキシエチル)イソシアヌレート、トリス(アクリロイルオキシエチル)シアヌレート、グリセリントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパン若しくはグリセリン等の多官能アルコールにエチレンオキシドやプロピレンオキシドを付加反応させた後で(メタ)アクリレート化したもの等の多官能(メタ)アクリレートを挙げることができる。
更に、特公昭48−41708号、同50−6034号、特開昭51−37193号の各公報に記載のウレタンアクリレート類、特開昭48−64183号、特公昭49−43191号、同52−30490号の各公報に記載のポリエステルアクリレート類、エポキシ樹脂と(メタ)アクリル酸の反応生成物であるエポキシアクリレート類等の多官能アクリレートやメタクリレートを挙げることができる。これらの中でも、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレートが好ましい。
前記モノマーは、1種単独で用いても2種以上を組合せて用いてもよい。
前記モノマーの感光性組成物の全固形分に対する含有量は、1〜50質量%が一般的であり、5〜40質量%が好ましい。該含有量が前記範囲内にあると、光感度や画像の強度も低下せず、感光性組成物層の粘着性が過剰になることもない。
(E)その他の成分
感光性組成物として、上記(A)〜(D)以外に、更に必要に応じて、公知の添加剤、例えば、可塑剤、界面活性剤、熱重合防止剤、密着促進剤、分散剤、垂れ防止剤、レベリング剤、消泡剤、難燃化剤、光沢剤、溶剤等を添加することができる。その他の成分としては、特開2006−23696号公報の段落番号[0016]〜[0021]に記載のその他の添加剤を、本発明においても好適に用いることができる。
<感光性転写材料>
本発明の感光性転写材料は、仮支持体上に、本発明の感光性組成物を用いてなる感光性組成物層を少なくとも有するものであり、必要に応じて熱可塑性樹脂層、中間層、及び保護層等を更に設けることができる。
前記感光性組成物層の膜厚は、0.2〜2.0μm程度が好ましく、更には0.2〜0.9μmが好ましい。
本発明の感光性転写材料を構成する上記感光性組成物層以外の層としては、特開2005−3861号公報の段落番号[0023]〜[0066]に記載の仮支持体、熱可塑性樹脂層、中間層、保護フィルムが好適なものとして挙げられる。
(感光性転写材料の作製)
感光性転写材料の作製は、本発明の感光性組成物の溶液を、仮支持体上に、例えば、スピナー、ホワイラー、ローラーコーター、カーテンコーター、ナイフコーター、ワイヤーバーコーター、エクストルーダー等の塗布機を用いて塗布・乾燥させることにより行うことができる。熱可塑性樹脂層、中間層を設ける場合も同様にして行なうことができる。
<表示装置用遮光膜>
本発明の表示装置用遮光膜は、本発明の感光性組成物を用いて形成されたものである。
本発明の感光性組成物を用いて表示装置用遮光膜を作製すると、薄膜で光学濃度が高く、欠け欠陥の発生が抑制された細線画像を有する表示装置用遮光膜(例えば光学濃度が1以上)を作製することができる。
本発明にいう「表示装置用遮光膜」は、ブラックマトリクスを包含する意味で用いる。「ブラックマトリクス」とは、液晶表示装置、プラズマディスプレイ表示装置、EL表示装置、CRT表示装置などの表示装置の周辺部に設けられた黒色の縁や、赤、青、緑の画素間の格子状やストライプ状の黒色の部分、更にTFT遮光のためのドット状や線状の黒色パターン等のことであり、このブラックマトリクスの定義は、例えば、「液晶ディスプレイ製造装置用語辞典」(第2版、菅野泰平著、p.64、日刊工業新聞社、1996年)に記載されている。ブラックマトリクスの例としては、有機ELディスプレイ(例えば特開2004−103507号公報)、PDPのフロントパネル(例えば特開2003−51261号公報)、PALCではバックライトの遮光等が挙げられる。
<表示装置用遮光膜の形成方法>
本発明の表示装置用遮光膜の第一の形成方法は、本発明の感光性組成物を基板上に塗布する工程を少なくとも有するものである。また、本発明の表示装置用遮光膜の第二の形成方法は、本発明の感光性転写材料の感光性組成物層を基板上に転写する工程を少なくとも有するものである。本発明の表示装置用遮光膜の形成方法により、基板上に感光性組成物からなる感光性組成物層(以下、「感光性遮光層」と言うことがある。)が形成される。
本発明の表示装置用遮光膜の形成方法においては、上述のようにして感光性遮光層形成後、該感光性遮光層を全面露光又はパターン状に露光し、パターン状に露光した場合は現像して表示装置用遮光膜を形成する工程を有してなり、必要に応じて他の工程を設けて構成することができる。該形成方法は、特開2006−23696号公報の段落番号[0023]、[0036]〜[0051]や、特開2006−47592号公報の段落番号[0096]〜[0108]に記載の作製方法を本発明においても好適に用いることができる。
前記本発明の表示装置用遮光膜の膜厚は、0.2〜5.0μm程度が好ましく、0.2〜2μmがより好ましく、0.5〜1μが特に好ましい。該表示装置用遮光膜は、金属粒子又は金属を有する粒子を分散させた場合、既述のように薄膜で高い光学濃度(3以上)が得られる。該膜厚は、平坦性という観点からは薄いほうが好ましい。
特に、金属粒子又は金属を有する粒子として、銀錫合金部を有する粒子を用いた場合が、高い光学濃度が得られ、高温(200℃以上)下でも光学濃度が損なわれない高い熱安定性を有し、安定的に高度の遮光性を確保できる点で効果的である。
表示装置用遮光膜の光学濃度としては、2.5以上10.0以下が好ましく、より好ましく3.0以上6.0以下である。光学濃度が前記範囲内であると、良好な遮光性を付与することができる。
(基板)
本発明に用いられる基板は特に限定されるものではないが、表示装置を構成する透明基板(例えばガラス基板やプラスチックス基板)、配線付基板、遮光膜などにより形成された額縁付基板、透明導電膜(例えばITO膜)付基板、カラーフィルタ付基板、駆動素子(例えば薄膜トランジスタ[TFT])付駆動基板、などが挙げられる。
本発明に用いられる基板のサイズは特に限定されるものではないが、長手方向、短手方向とも300〜6000mmが好ましく、800〜4000mmがさらに好ましく、特に1500〜3500mmが好ましい。
前記ブラックマトリクスは、本発明の表示装置用遮光膜により形成されたものである。ブラックマトリクスは、表示コントラストを向上させるため、また、薄膜トランジスター(TFT)を用いたアクティブマトリックス駆動方式の液晶表示装置の場合には、光の電流リークによる画質低下を防止するため、高い遮光性(光学濃度ODで3以上)が必要である。
<遮光膜付基板>
本発明の遮光膜付基板は、基板と、前記基板上に設けられた本発明の表示装置用遮光膜と、を備えることを特徴とする。本発明の遮光膜付基板に用いられる基板及び表示装置用遮光膜の詳細は上述のとおりである。本発明の遮光膜付基板は、カラーフィルタの作製に好適に用いることができる。
カラーフィルタは、2色以上の複数の着色画素からなる画素群と、画素群の各着色画素を離隔するブラックマトリクスとを設けて作製することができる。具体的には、本発明の感光性遮光層をパターン状に露光し、現像してブラックマトリクスを形成する工程と、形成されたブラックマトリクス間の凹部に、2色以上の複数の着色画素を形成する工程(以下、「画素形成工程」ということがある。)と、を有してなり、必要に応じて他の工程を設けて構成することができる。
前記画素形成工程としては、公知の方法による工程が挙げられ、例えば、特開平5−39450号公報や、特開2003−330184号公報に記載の画素形成方法や、特開平10−195358号公報に記載のインクジェット法による画素形成方法などがある。
カラーフィルタは、光透過性基板の上に、着色層からなり互いに異なる色を呈する2色以上の着色画素からなる画素群と、該画素群を構成する各画素を互いに離画するブラックマトリクスとを設けて構成され、上記カラーフィルタの製造方法により作製することができる。
前記画素群は、異なる色を呈する2色の着色画素からなる画素群または3色の着色画素からなる画素群であってもよいし、異なる色を呈する4色以上の着色画素からなる画素群であってもよい。例えば3色で構成される場合、赤(R)、緑(G)及び青(B)の3つの色相が好適に用いられる。赤、緑、青の3種の画素群を配置する場合は、モザイク型、トライアングル型等の配置が好ましく、4種以上の画素群を配置する場合ではどのような配置であってもよい。
前記光透過性基板としては、表面に酸化珪素皮膜を有するソーダガラス板、低膨張ガラス板、ノンアルカリガラス板、石英ガラス板等の公知のガラス板或いはプラスチックフィルム等が用いられる。
前記カラーフィルタは、既述のように本発明の感光性組成物を用いて作製された薄膜で高濃度のブラックマトリクスを備えるので、例えば液晶表示装置などを構成した場合に、コントラストの高い画像を表示することができる。
<表示装置>
本発明の表示装置は、本発明の遮光膜付基板を備えたことを特徴とする。
本発明の表示装置としては液晶表示装置、プラズマディスプレイ表示装置、EL表示装置、CRT表示装置などの表示装置などを言う。表示装置の定義や各表示装置の説明は例えば「電子ディスプレイデバイス(佐々木 昭夫著、(株)工業調査会 1990年発行)」、「ディスプレイデバイス(伊吹 順章著、産業図書(株)平成元年発行)」などに記載されている。
本発明の表示装置のうち、液晶表示装置は特に好ましい。液晶表示装置については例えば「次世代液晶ディスプレイ技術(内田 龍男編集、(株)工業調査会 1994年発行)」に記載されている。本発明が適用できる液晶表示装置に特に制限はなく、例えば上記の「次世代液晶ディスプレイ技術」に記載されている色々な方式の液晶表示装置に適用できる。本発明はこれらのなかで特にカラーTFT方式の液晶表示装置に対して有効である。カラーTFT方式の液晶表示装置については例えば「カラーTFT液晶ディスプレイ(共立出版(株)1996年発行)」に記載されている。さらに本発明はIPSなどの横電界駆動方式、MVAなどの画素分割方式などの視野角が拡大された液晶表示装置や、STN、TN、VA、IPS、OCS、FFS、及びR−OCB等にも適用できる。これらの方式については例えば「EL、PDP、LCDディスプレイ−技術と市場の最新動向−(東レリサーチセンター調査研究部門 2001年発行)」の43ページに記載されている。
液晶表示装置はカラーフィルタ以外に電極基板、偏光フィルム、位相差フィルム、バックライト、スペーサ、視野角保障フィルムなどさまざまな部材から構成される。本発明の遮光膜付基板はこれらの公知の部材で構成される液晶表示装置に適用することができる。これらの部材については例えば「’94液晶ディスプレイ周辺材料・ケミカルズの市場(島 健太郎 (株)シーエムシー 1994年発行)」、「2003液晶関連市場の現状と将来展望(下巻)(表 良吉 (株)富士キメラ総研 2003年発行)」に記載されている。
以下、本発明を実施例により更に具体的に説明するが、本発明はその主旨を越えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。なお、特に断りのない限り、「部」及び「%」は質量基準である。
(調製例)
<銀錫合金部を有する粒子の分散液(分散液A1)の調製>
純水1000mlに、酢酸銀(I)23.1g、酢酸スズ(II)65.1g、グルコン酸54g、ピロリン酸ナトリウム45g、ポリエチレングリコール(分子量3,000)2g、及びPVP−K30(アイエスピー・ジャパン(株)製;ポリビニルピロリドンポリマー)5gを溶解し、溶液1を得た。
別途、純水500mlにヒドロキシアセトン46.1gを溶解して、溶液2を得た。
上記より得た溶液1を25℃に保ちつつ激しく攪拌しながら、これに上記の溶液2を2分間かけて添加し、緩やかに6時間攪拌を継続した。混合液が黒色に変化し、銀錫合金部を有する金属粒子(以下、「銀錫合金部含有粒子」ということがある。)が得られた。次いで、この混合液を遠心分離して銀錫合金部含有粒子を沈殿させた。遠心分離は、150mlの液量に小分けして、卓上遠心分離機H−103n((株)コクサン製)を用いて回転数2,000r.p.m.で30分間行なった。上澄みを捨てて全液量を150mlとし、これに純水1350mlを加え、15分間攪拌して銀錫合金部含有粒子を再び分散させた。この再分散液を上記と同様にして遠心分離して銀錫合金部含有粒子を沈澱させた。この操作(純水の添加と遠心分離)を2回繰り返して銀錫合金部含有粒子を洗浄した。
上記で得られた銀錫合金部含有粒子を再び分散液とし、この分散液に対して更に遠心分離を行ない、銀錫合金部含有粒子を再び沈殿させた。遠心分離は前記同様の条件にて行なった。遠心分離した後、前記同様に上澄みを捨てて全液量を150mlにし、これに純水850ml及びノルマルプロピルアルコール500mlを加え、さらに15分間攪拌して銀錫合金部含有粒子を再び分散させた。
再び前記同様にして遠心分離を行ない、銀錫合金部含有粒子を沈殿させた後、前記同様に上澄みを捨てて液量を150mlにし、これに純水150ml及びノルマルプロピルアルコール1200mlを加えて更に15分間攪拌し、銀錫合金部含有粒子を再び分散させた。そして再び、遠心分離を行なった。このときの遠心分離の条件は、時間を90分に延ばした以外は前記同様である。その後、上澄みを捨てて全液量を70mlにし、これにノルマルプロピルアルコール30mlを加えた。これをアイガーミル(アイガーミルM−50型(メディア:直径0.65mmジルコニアビーズ130g、アイガー・ジャパン(株)製)を用いて6時間分散し、銀錫合金部含有粒子(銀錫粒子濃度25質量%、PVP−K30残量1.0質量%)の分散液(分散液A1)を調製した。
上記で得られた銀錫合金部含有粒子を、(株)日立製作所製のHD−2300とノーラン(Noran)社製のEDS(エネルギー分散型X線分析装置)を用いて分析したところ、AgSn合金(2θ=39.5°)とSn金属(2θ=30.5°)とからなる複合体であることがX線散乱により確認された。ここで、カッコ内の数字はそれぞれの(III)面の散乱角である。また、この分散液A1中の銀錫合金部含有粒子の数平均粒子径は約40nmであった。
前記数平均粒子径は、透過型電子顕微鏡JEM−2010(日本電子(株)製、倍率10万倍、加速電圧200kV)により得た写真を用いて以下のようにして行なった。
粒子100個を選び、それぞれの粒子像と同じ面積の円の直径を粒子径とし、100個の粒子の粒子径の平均値を数平均粒子径とした。
<銀微粒子分散液B1の調製>
1モル/Lの水酸化ナトリウム水溶液を用いて、pHを12.0に調整した水溶液2.5Lに、下記化合物T−4(例示化合物JS−22において、a=0、b=25、c=50、d=25、質量平均分子量3万)を3.0g加え、完全に溶解するまで45℃で30分攪拌した。
Figure 2008051934
この溶液を45℃に温度制御し、アスコルビン酸8.5gを含む水溶液700mLと、ハイドロキノン5g及び亜硫酸ナトリウム1.5gを含む水溶液700mLと、硝酸銀30gを含む水溶液500mLと、を同時に添加して、黒色の銀ナノ粒子含有液を調製した。
得られた銀ナノ粒子は、算術平均粒径:16.1nm、平均アスペクト比2.2を有する球状粒子がランダムに連結した連結状の粒子であった。調製した銀ナノ粒子含有液に遠心分離処理(12000rpm・30min)を行い、上澄み液を捨てて、蒸留水を加える水洗処理を3度繰り返した。得られた銀ナノ粒子含有液にアセトンを加え、スターラーで攪拌後、遠心分離処理(12000rpm・30min)を行った。その後、上澄み液を除去して、シクロヘキサノン、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートを加え、ブランソン社製「ソニファー(Sonifier)II型」超音波ホモジナイザーを用いて20kHzの超音波を5分間照射した。その後、ブランソン社製「モデル(Model)200bdc−h 40:0.8型超音波ホモジナイザー」で40kHzの超音波を10分間照射した。これにより得られた銀ナノ粒子分散液は、粒子形成後と同様の形状、色味を有していた(銀粒子濃度25質量%)。またTG−DTA(セイコー(株)製)を用いて、乾燥減量から得られた高分子化合物T−4の溶剤分散物中の濃度は1.1質量%であった。この銀ナノ粒子分散液を金属含有分散液B1とする。
<カーボンブラック分散液K1>
下記処方でカーボンブラック分散液K1を調製した。
・カーボンブラック(デグッサ社製 Nipex35) 13.1部
・分散剤(下記化合物1) 0.65部
・ポリマー(ベンジルメタクリレート/メタクリル酸=72/28モル比
のランダム共重合物、質量平均分子量3.7万) 6.72部
・プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 79.53部
Figure 2008051934
(実施例1):塗布法
<ブラックマトリクス(BM)用感光性塗布液A1の調製>
下記表2の組成を混合して、BM用感光性塗布液A1を調製した。
Figure 2008051934
尚、前記表2中の開始系A、開始系B、化合物T−1〜T−3、DPHA液の処方は下記のとおりである。また、表2のソルスパース20000はアビシア(株)製の分散剤であり、化合物S−17、S−20〜22は、前記表1中の化合物である。
<開始系A>
・Irgacure379(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)) 21.9部
・メチルエチルケトン 437.3部
・フェノチアジン 0.288部
・下記界面活性剤1 8.1部
<開始系B>
2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−[4’−(N,N−ビスジエトキシカルボニルメチル)アミノ−3’−ブロモフェニル]−s−トリアジン(和光純薬工業(株)製)
<界面活性剤1>
・下記構造物1 30部
・メチルエチルケトン 70部
Figure 2008051934
<DPHA液>
・ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(重合禁止剤MEHQを500ppm含有、商品名:KAYARAD DPHA、日本化薬(株)製) 76部
・プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテ−ト 24部
<化合物T−1>
化合物T−1は、前記例示化合物JS−17において、a〜eの共重合比が、a=0、b=13、c=30、d=12、e=45であり、質量平均分子量が3万の化合物である。ギ酸由来の基であるカルボキシル基を有し、ギ酸のpKaは3.55である。
<化合物T−2>
化合物T−2は、下記化学式で表される化合物であり、リン酸由来の基であるリン酸基を有し、リン酸のpKaは2.15である。化合物T−2は、共栄社化学(株)より、商品名:ライトエステルP−1Mとして入手できる。
Figure 2008051934
<化合物T−3>
化合物T−3は、下記化学式で表されるベンジルメタクリレート/メタクリル酸=78/22モル比のランダム共重合物で、質量平均分子量3.8万の化合物である。ギ酸由来の基であるカルボキシル基を有し、ギ酸のpKaは3.55である。
Figure 2008051934
<化合物T−4>
化合物T−4は、前記例示化合物JS−22において、a〜eの共重合比が、a=0、b=25、c=50、d=25である化合物で、質量平均分子量2.8万の化合物である。ギ酸由来の基であるカルボキシル基を有し、ギ酸のpKaは3.55である。
<保護層用塗布液の調製>
下記組成を混合して、保護層用塗布液を調製した。
・ポリビニルアルコール 3.0部
(PVA−105、(株)クラレ製)
・カルボキシメチルセルロース 0.15部
(TC−5E、信越化学(株)製)
・界面活性剤2
(サーフロンS−131、セイミケミカル(株)) 0.01部
・蒸留水 50.7部
・メチルアルコール 45.0部
<塗布によるブラックマトリクス(BM)の形成>
(1)無アルカリガラス基板を、UV洗浄装置で洗浄後、洗浄剤を用いてブラシ洗浄し、更に超純水で超音波洗浄した。その後、この基板を120℃で3分間熱処理して表面状態を安定化させた。
続いて、基板を冷却して23℃に温調後、基板上に、スリット状ノズルを備えたガラス基板用コーターMH−1600(エフ・エー・エス・アジア社製)を用いて感光性組成物層の光学濃度(OD)が4.0になるように、上記より得たBM用感光性塗布液A1を塗布し、100℃で5分間乾燥させて感光性組成物層を形成した(塗布工程)。次いで、この感光性組成物層上にスリット状ノズルを用いて、上記より得た保護層用塗布液を乾燥膜厚が1.5μmになるように塗布し、100℃で5分間乾燥させて保護層を形成し、BM用感光材料を作製した。
(2)引き続き、超高圧水銀灯を備えたプロキシミティー型露光機(日立ハイテク電子エンジニアリング社製)を用い、マスク(画像パターンを有する石英露光マスク)と上記のBM用感光材料とを垂直に立てた状態で、マスク面と感光性組成物層の保護層に接する側の表面との間の距離を200μmとし、露光量30mJ/cmで全面露光した(露光工程)。次いで、露光後のBM用感光材料を現像処理液T−CD1(富士写真フイルム(株)製;アルカリ現像液)を5倍希釈したもの(使用時のpHは10.2)を用いて現像処理(33℃、20秒;現像工程)し、ガラス基板上にブラックマトリクス(BM)を形成した。
次に、BMが形成されたガラス基板を、基板予備加熱装置により220℃で60分間加熱した後、240℃で50分間さらに加熱してベーク処理し(ベーク工程)、画素形成領域の開口が86μm×304μmとなるように、線幅24μmのブラックマトリクスを形成した。以下、ブラックマトリクスが形成された上記のガラス基板を「ブラックマトリクス基板」と称する。
<カラーフィルタ及び液晶表示装置の作製>
−着色感光性樹脂組成物の調製−
下記表3に示す組成よりなる着色感光性樹脂組成物R1、G1及びB1を調製した。
Figure 2008051934
−レッド(R)画素の形成−
前記ブラックマトリクス(BM)が形成されたガラス基板のBM形成面側に、上記により得た着色感光性樹脂組成物R1を用いて、既述のブラックマトリクスの形成と同様の工程を行なって、熱処理済みのR画素を形成した。
−グリーン(G)画素の形成−
ブラックマトリクス及びR画素が形成されたガラス基板のBM等形成面側に、上記により得た着色感光性樹脂組成物G1を用いて、既述のブラックマトリクスの形成と同様の工程を行なって、熱処理済みのG画素を形成した。
−ブルー(B)画素の形成−
ブラックマトリクス、R画素及びG画素が形成されたガラス基板のBM等形成面側に、上記により得た着色感光性樹脂組成物B1を用いて、既述のブラックマトリクスの形成と同様の工程を行なって、熱処理済みのB画素を形成した。
以上のようにして、カラーフィルタ(以下、カラーフィルタ基板という。)を作製した。
なお、前記表3に記載の組成物R1中の各組成の詳細は以下の通りである。
*R顔料分散物1の組成
・C.I.ピグメント・レッド254(商品名:Irgaphor Red B−CF、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製) 8.0部
・上記化合物1(分散剤) 0.8部
・ポリマー(ベンジルメタクリレート/メタクリル酸(=72/28[モル比])のランダム共重合物、質量平均分子量:3万) 8部
・プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 83部
*R顔料分散物2の組成
・C.I.ピグメント・レッド177(商品名:Cromophtal Red A2B、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製) 18部
・ポリマー〔ベンジルメタクリレート/メタクリル酸(=72/28[モル比])のランダム共重合物(質量平均分子量37,000)〕 12部
・プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 70部
*バインダー2の組成
・ポリマー(ベンジルメタクリレート/メタクリル酸/メチルメタクリレート(=38/25/37[モル比])のランダム共重合物、質量平均分子量:4万) 27部
・プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 73部
*DPHA液、界面活性剤1の組成は前記と同様である。
なお、前記表3に記載の組成物G1中の各組成の詳細は以下の通りである。
*G顔料分散物1
商品名:GT−2(富士フイルムエレクトロニクスマテリアルズ(株)製)
*Y顔料分散物1
商品名:CFエローEX3393(御国色素(株)製)
*バインダー1の組成
・ポリマー(ベンジルメタクリレート/メタクリル酸(=78/22[モル比])のランダム共重合物(質量平均分子量38,000) 27部
・プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 73部
なお、前記表3に記載の組成物B1中の各組成の詳細は以下の通りである。
*B顔料分散物1
商品名:CFブルーEX3357(御国色素(株)製)
*B顔料分散物2
商品名:CFブルーEX3383(御国色素(株)製)
*バインダー3の組成
・ポリマー(ベンジルメタクリレート/メタクリル酸/メチルメタクリレート(=36/22/42[モル比])のランダム共重合物(質量平均分子量38,000)
27部
・プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 73部
−液晶表示装置の作製−
上記により得たカラーフィルタ基板のR画素、G画素、及びB画素並びにブラックマトリクスの上に更に、ITO(Indium Tin Oxide)の透明電極をスパッタリングにより形成した。次いで、特開2006−64921号公報の実施例1に従い、前記で形成したITO膜上の隔壁(ブラックマトリックス)上部に相当する部分にスペーサを形成した。
別途、対向基板としてガラス基板を用意し、カラーフィルタ基板の透明電極上及び対向基板上にそれぞれPVAモード用にパターニングを施し、その上に更にポリイミドよりなる配向膜を設けた。
その後、カラーフィルタの画素群を取り囲むように周囲に設けられたブラックマトリクス外枠に相当する位置に紫外線硬化樹脂のシール剤をディスペンサ方式により塗布し、PVAモード用液晶を滴下し、対向基板と貼り合わせた後、貼り合わされた基板をUV照射した後、熱処理してシール剤を硬化させた。このようにして得た液晶セルの両面に、(株)サンリッツ製の偏光板HLC2−2518を貼り付けた。次いで、赤色(R)LEDとしてFR1112H(スタンレー電気(株)製のチップ型LED)、緑色(G)LEDとしてDG1112H(スタンレー電気(株)製のチップ型LED)、青色(B)LEDとしてDB1112H(スタンレー電気(株)製のチップ型LED)を用いてサイドライト方式のバックライトを構成し、前記偏光板が設けられた液晶セルの背面となる側に配置し、液晶表示装置とした。
(実施例2〜5、及び比較例1〜4):塗布法
前記実施例1において、BM用感光性塗布液A1を表2に記載のA2〜A6、K1、B1、B2に変更した以外は、実施例1と同様の方法でブラックマトリクス、カラーフィルタ、液晶表示装置を作製した。
(実施例6):転写法
前記実施例1において、ブラックマトリクスの作製方法を下記の転写法に変更した以外は、同様の方法でカラーフィルタ、液晶表示装置を作製した。
<ブラックマトリクス(BM)基板の作製>
−感光性転写材料の作製−
厚さ75μmのポリエチレンテレフタレートフィルム仮支持体(PET仮支持体)の上に、スリット状ノズルを用いて、下記処方H1からなる熱可塑性樹脂層用塗布液を塗布、乾燥させて熱可塑性樹脂層を形成した。次に、この熱可塑性樹脂層上に更に、下記処方P1からなる中間層用塗布液を塗布し、乾燥させて中間層を積層した。続いて、中間層上に実施例1で調製したBM用感光性塗布液A1を塗布し、乾燥させて黒色の感光性組成物層を更に積層した。
以上のようにして、PET仮支持体上に乾燥層厚14.6μmの熱可塑性樹脂層と、乾燥層厚1.6μmの中間層と、光学濃度(OD)が4.0になるように感光性組成物層とを設け、感光性組成物層の表面に保護フィルム(厚さ12μmのポリプロピレンフィルム)を圧着して、仮支持体/熱可塑性樹脂層/中間層/感光性組成物層の積層構造に構成された感光性転写材料を作製した。以下、これをBM用感光性転写材料K1とする。
<熱可塑性樹脂層用塗布液の処方H1>
・メタノール 11.1部
・プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 6.36部
・メチルエチルケトン 52.4部
・メチルメタクリレート/2−エチルヘキシルアクリレート/ベンジルメタクリレート/メタクリル酸共重合体 5.83部
(共重合比[モル比]=55/11.7/4.5/28.8、質量平均分子量=9万、Tg≒70℃)
・スチレン/アクリル酸共重合体 13.6部
(共重合比[モル比]=63/37、質量平均分子量=1万、Tg≒100℃)
・2,2−ビス[4−(メタクリロキシポリエトキシ)フェニル]プロパン(新中村化学工業(株)製;ビスフェノールAにペンタエチレングリコールモノメタクリレートを2当量脱水縮合した化合物) 9.1部
・前記界面活性剤1 0.54部
<中間層用塗布液の処方P1>
・ポリビニルアルコール 3.0部
(PVA−105、(株)クラレ製)
・カルボキシメチルセルロース 0.15部
(TC−5E、信越化学(株)製)
・界面活性剤2
(サーフロンS−131、セイミケミカル(株)) 0.01部
・蒸留水 524部
・メタノール 429部
−ブラックマトリクス(BM)の形成−
無アルカリガラス基板(以下、単に「ガラス基板」という。)を、25℃に調温したガラス洗浄剤液をシャワーにより20秒間吹き付けながらナイロン毛を有する回転ブラシで洗浄し、純水シャワー洗浄後、シランカップリング液(N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリメトキシシラン0.3質量%水溶液;商品名:KBM603、信越化学工業(株)製)をシャワーにより20秒間吹き付け、純水シャワー洗浄した。その後、この基板を基板予備加熱装置により100℃で2分間加熱し、ラミネータに送った。
シランカップリング処理後のガラス基板に、上記より得たBM用感光性転写材料K1から保護フィルムを剥離除去し、除去後に露出した感光性組成物層の表面と前記ガラス基板の表面とが接するように重ね合わせ、ラミネータLamicII型〔(株)日立インダストリイズ製〕を用いて、ゴムローラー温度130℃、線圧100N/cm、搬送速度2.2m/分の条件にてラミネートした。
続いて、PET仮支持体を熱可塑性樹脂層との界面で剥離し、仮支持体を除去した。仮支持体を剥離後、超高圧水銀灯を備えたプロキシミティー型露光機(日立ハイテク電子エンジニアリング(株)製)を用いて、基板とマスク(画像パターンを有す石英露光マスク)とを垂直に立てた状態で、マスク面と感光性組成物層との間の距離を200μmに設定し、露光量30mJ/cmでパターン露光した。
次に、トリエタノールアミン系現像液(トリエタノールアミン30質量%含有、商品名:T−PD2、富士写真フイルム(株)製)を純水で12倍(T−PD2を1質量部と純水を11質量部の割合で混合)に希釈した液(30℃)を用いて50秒間、フラットノズルで圧力0.04MPaとしてシャワー現像し、熱可塑性樹脂層と中間層とを除去した。引き続き、この基板上にエアを吹きかけて液切りした後、純水をシャワーにより10秒間吹き付け、純水シャワー洗浄を行ない、エアを吹きかけて基板上の液だまりを減らした。
引き続いて、炭酸Na系現像液(0.38モル/リットルの炭酸水素ナトリウム、0.47モル/リットルの炭酸ナトリウム、5質量%のジブチルナフタレンスルホン酸ナトリウム、アニオン界面活性剤、消泡剤、及び安定剤含有;商品名:T−CD1、富士写真フイルム(株)製)を純水で5倍に希釈した液(29℃)を用いて30秒間、コーン型ノズルで圧力0.15MPaにてシャワー現像を行なって感光性組成物層を現像除去し、パターン像を得た。
続いて、洗浄剤(燐酸塩、珪酸塩、ノニオン界面活性剤、消泡剤、及び安定剤含有;商品名:T−SD1、富士写真フイルム(株)製)を純水で10倍に希釈した液(33℃)を用いて20秒間、コーン型ノズルで圧力0.02MPaにてシャワーにして吹きかけ、更にナイロン毛を有す回転ブラシによってパターン像を擦って残渣除去を行ない、ブラックマトリクスを得た。さらにその後、ブラックマトリクスが形成された基板に対し、両面から超高圧水銀灯で500mJ/cmの露光量でポスト露光後、220℃で15分間熱処理(ベーク)を行ない、ブラックマトリクス基板を作製した。
(実施例7):転写法
実施例6において、熱可塑性樹脂層用塗布液の処方H1を熱可塑性樹脂層用塗布液の処方H2に変更し、乾燥層厚14.6μmの熱可塑性樹脂層を乾燥層厚10μmの熱可塑性樹脂層に変更したBM用感光性転写材料K2を用いた以外は、実施例6と同様の方法でブラックマトリクス基板を作製し、液晶表示装置を作製した。
<熱可塑性樹脂層用塗布液の処方H2>
・メタノール 5.9部
・プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 2.2部
・メチルエチルケトン 35部
・メチルメタクリレート/2−エチルヘキシルアクリレート/ベンジルメタクリレート
/メタクリル酸共重合体 16部
(共重合比[モル比]=55/11.7/4.5/28.8、質量平均分子量=9万、Tg≒70℃)
・バインダーB(スチレン/メタクリル酸メチル/アクリル酸エチル/メタクリル酸共重合体(共重合比[モル比]=5/55/15/25、質量平均分子量=1万、Tg≒92℃) 42部、メチルエチルケトン 50部 メトキシプロパノール 8部) 33部
・2,2−ビス[4−(メタクリロキシポリエトキシ)フェニル]プロパン(新中村化学工業(株)製;ビスフェノールAにペンタエチレングリコールモノメタクリレートを2当量脱水縮合した化合物) 7.1部
・前記界面活性剤1 0.46部
<評価>
(膜厚)
実施例及び比較例で作製したブラックマトリクスの膜厚を、接触式表面粗さ計P−10(ケーエルエー・テンコール(株)製)を用いて測定した。結果を表4に示す。
(光学濃度)
実施例及び比較例で作製したブラックマトリクスの光学濃度(OD)は以下のようにして算出した。各実施例及び比較例においてブラックマトリクスを形成したBM用感光性塗布液を用い、透明基板上に透過光学濃度が3.0以下になるような薄膜の層を形成し、パターン状に露光しない以外は各実施例及び比較例と同様の工程を経て、透明基板上に薄膜を形成した透過光学濃度測定用のサンプル基板を得た。このサンプル基板の透過光学濃度を、分光光度計(島津製作所製、UV−2100)を用いて555nmで測定した(OD)。別途透明基板の透過光学濃度を同様な方法で測定した(OD)。ODからODを差し引いた値をサンプル基板上に形成された薄膜の透過光学濃度とした。
接触式表面粗さ計P−10(ケーエルエー・テンコール(株)製)を用いて、測定用サンプル基板上に形成された薄膜の膜厚を測定した。測定結果の透過光学濃度と膜厚の関係から、実施例及び比較例で作製した膜厚のブラックマトリクスの光学濃度(OD)を算出した。結果を表4に示す。
(欠け欠陥の評価)
上記実施例1〜7、比較例1〜3で得られたブラックマトリクス付き基版を光学顕微鏡(微分干渉モード、200倍)で全面観察し、欠け(細線幅の20%以上が欠損した部分が存在した箇所)の発生数を観察した。欠けの発生数を下記の基準に従って評価した。
◎…20個/m未満
○…20個/m以上40個/m未満、
△…40個/m以上80個/m未満、
×…80個/m以上120個/m未満
××…120個/m以上
評価結果を表4に示す。
Figure 2008051934
表4の結果より、本発明の感光性組成物を用いて形成されたブラックマトリクスは膜厚が薄い、細線画像であっても、欠け欠陥がなく良好であった。

Claims (14)

  1. 黒色着色剤と、光重合開始剤と、pKa3.0以下の酸に由来の基を有する樹脂と、エチレン性二重結合を有する付加重合性モノマーと、を少なくとも含有する感光性組成物。
  2. 前記酸に由来の基が、リン酸基、ホスホン酸基及びリン酸アミド基から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする請求項1に記載の感光性組成物。
  3. 前記樹脂が、下記一般式(I)〜(III)のいずれかで表される単量体から得られる繰り返し単位の少なくとも1種を有することを特徴とする請求項1又は2に記載の感光性組成物。
    Figure 2008051934

    [式中、R〜Rは、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子又は炭素数が1乃至6のアルキル基を表し、R〜Rは、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、炭素数が1乃至6のアルキル基、Z又は−L−Zを表す。Lは単結合又は2価の連結基を表し、Zはリン酸基、ホスホン酸基又はリン酸アミド基を表し、Xは酸素原子又はイミノ基を表し、Yはメチン基又は窒素原子を表す。]
  4. 前記黒色着色剤の少なくとも1種が、カーボンブラックであることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の感光性組成物。
  5. 前記黒色着色剤の少なくとも1種が、金属粒子又は金属を有する粒子であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の感光性組成物。
  6. 前記黒色着色剤の少なくとも1種が、銀錫合金部を有する粒子であることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の感光性組成物。
  7. 仮支持体上に、請求項1乃至6のいずれか1項に記載の感光性組成物を用いてなる感光性組成物層を有する感光性転写材料。
  8. 請求項1乃至6のいずれか1項に記載の感光性組成物を基板上に塗布する工程を少なくとも有する表示装置用遮光膜の形成方法。
  9. 請求項7に記載の感光性転写材料の感光性組成物層を基板上に転写する工程を少なくとも有する表示装置用遮光膜の形成方法。
  10. 請求項1乃至6のいずれか1項に記載の感光性組成物を用いて形成された表示装置用遮光膜。
  11. ブラックマトリクスの形成に用いられることを特徴とする請求項10に表示装置用遮光膜。
  12. 基板と、前記基板上に設けられた請求項10又は11に記載の表示装置用遮光膜と、を備えた遮光膜付基板。
  13. カラーフィルタの作製に用いられることを特徴とする請求項12に記載の遮光膜付基板。
  14. 請求項12又は13に記載の遮光膜付基板を備えた表示装置。
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