JP2018205605A - 着色感光性樹脂組成物、硬化物、有機電界発光素子、画像表示装置及び照明 - Google Patents

着色感光性樹脂組成物、硬化物、有機電界発光素子、画像表示装置及び照明 Download PDF

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Takanori Shimizu
尭紀 清水
宏明 石井
Hiroaki Ishii
宏明 石井
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Abstract

【課題】有機電界発光素子の隔壁を形成するための着色感光性樹脂組成物であって、発光部の隔壁近傍における非発光領域の発生を抑制可能な着色感光性樹脂組成物を提供することにある。【解決手段】(a)着色剤、(b)アルカリ可溶性樹脂、(c)光重合開始剤、(d)光重合性化合物、(e)溶剤、及び(f)分散剤を含有する有機電界発光素子の隔壁を形成するための着色感光性樹脂組成物であって、前記(f)分散剤が、酸性基及び塩基性基を含むことを特徴とする、着色感光性樹脂組成物。【選択図】なし

Description

本発明は、着色感光性組成物等に関する。より詳しくは、例えば有機電界発光素子において隔壁を形成するために好ましく用いられる着色感光性樹脂組成物、該着色感光性樹脂組成物で構成される硬化物、該硬化物を備える有機電界発光素子、画像表示装置及び照明に関する。
有機電界発光(有機EL(Electro−Luminescence))素子は液晶表示装置と異なり自発光であるため、黒色の表現性に優れており、コントラストが大幅に向上するとされている。現在は画素間を仕切る隔壁に透明材料が使用されているため、外光の反射や画素間の迷光によるコントラストの悪化が課題となっている。そこで隔壁材料に遮光性をもたせた着色隔壁の採用が検討されている。
例えば特許文献1には、特定のアルカリ可溶性樹脂と、黒色有機顔料とを用い、固形分酸価が特定範囲のネガ型感光性樹脂組成物を用いることで、微細なラインパターンと微小なコンタクトホールを共に有する隔壁が形成可能であると記載されている。
国際公開第2013/069789号パンフレット
有機電界発光素子は隔壁間の開口部に積層した発光部に電流を流すことで発光させる。この際発光部は均一に発光する必要があり、隔壁近傍に非発光領域が発生すると輝度が低下する。したがって有機電界発光素子の隔壁には発光部の発光を何ら阻害しないことが要求される。
本発明者らが特許文献1に記載されている着色感光性樹脂組成物について検討したところ、分散剤の種類によっては、有機電界発光素子を作製した際に発光部の隔壁近傍に非発光領域が発生することが判明した。
そこで本発明は、有機電界発光素子の隔壁を形成するための着色感光性樹脂組成物であって、発光部の隔壁近傍における非発光領域の発生を抑制可能な着色感光性樹脂組成物を提供することを目的とする。
本発明者らが鋭意検討した結果、特定の分散剤を使用することにより、上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。即ち、本発明の要旨は以下の通りである。
[1] (a)着色剤、(b)アルカリ可溶性樹脂、(c)光重合開始剤、(d)光重合性化合物、(e)溶剤、及び(f)分散剤を含有する有機電界発光素子の隔壁を形成するための着色感光性樹脂組成物であって、
前記(f)分散剤が、酸性基及び塩基性基を含むことを特徴とする、着色感光性樹脂組成物。
[2] 前記(a)着色剤が有機黒色顔料を含有する、[1]に記載の着色感光性樹脂組成物。
[3] 前記有機黒色顔料が、下記一般式(I)で表される化合物、該化合物の幾何異性体、該化合物の塩、又は該化合物の幾何異性体の塩を含有する、[2]に記載の着色感光性樹脂組成物。
(式(I)中、R1及びR6は各々独立に、水素原子、CH3、CF3、フッ素原子又は塩素原子である;
2、R3、R4、R5、R7、R8、R9及びR10は各々独立に、水素原子、ハロゲン原子、R11、COOH、COOR11、COO-、CONH2、CONHR11、CONR1112、CN、OH、OR11、COCR11、OOCNH2、OOCNHR11、OOCNR1112、NO2、NH2、NHR11、NR1112、NHCOR12、NR11COR12、N=CH2、N=CHR11、N=CR1112、SH、SR11、SOR11、SO211、SO311、SO3H、SO3 -、SO2NH2、SO2NHR11又はSO2NR1112である;
且つ、R2とR3、R3とR4、R4とR5、R7とR8、R8とR9、及びR9とR10からなる群から選ばれる少なくとも1つの組み合わせは、互いに直接結合し、又は酸素原子、硫黄原子、NH若しくはNR11ブリッジによって互いに結合することもできる;
11及びR12は各々独立に、炭素数1〜12のアルキル基、炭素数3〜12のシクロアルキル基、炭素数2〜12のアルケニル基、炭素数3〜12のシクロアルケニル基又は炭素数2〜12のアルキニル基である。)
[4] 前記(a)着色剤が、赤色顔料、橙色顔料、青色顔料及び紫色顔料からなる群から選ばれる少なくとも1種を含有する、[1]〜[3]のいずれかに記載の着色感光性樹脂組成物。
[5] 前記(a)着色剤が、赤色顔料及び橙色顔料からなる群から選ばれる少なくとも1種と、青色顔料及び紫色顔料からなる群から選ばれる少なくとも1種とを含有する、[4]に記載の着色感光性樹脂組成物。
[6] 前記(f)分散剤に含まれる前記塩基性基が、3級アミノ基又は4級アンモニウム塩基である、[1]〜[5]のいずれかに記載の着色感光性樹脂組成物。
[7] 前記(f)分散剤に含まれる前記酸性基が、リン酸基である、[1]〜[6]のいずれかに記載の着色感光性樹脂組成物。
[8] 硬化した塗膜の膜厚1μm当たりの光学濃度が1.0以上である、[1]〜[7]のいずれかに記載の着色感光性樹脂組成物。
[9] [1]〜[8]のいずれかに記載の着色感光性樹脂組成物で構成される硬化物。
[10] [9]に記載の硬化物を備える有機電界発光素子。
[11] [10]に記載の有機電界発光素子を含む画像表示装置。
[12] [10]に記載の有機電界発光素子を含む照明。
[13] (a)着色剤、(e)溶剤、及び(f)分散剤を含有する有機電界発光素子の隔壁を形成するための着色感光性樹脂組成物製造用顔料分散液であって、
前記(f)分散剤が、酸性基及び塩基性基を含むことを特徴とする、顔料分散液。
本発明により、有機電界発光素子の隔壁を形成するための着色感光性樹脂組成物であって、発光部の隔壁近傍における非発光領域の発生を抑制可能な着色感光性樹脂組成物を提供することができる。
図1は比較例1の有機電界発光素子の光学顕微鏡観察結果である。 図2は実施例1の有機電界発光素子の光学顕微鏡観察結果である。 図3は実施例2の有機電界発光素子の光学顕微鏡観察結果である。
以下、本発明の実施の形態を具体的に説明するが、本発明は、以下の実施の形態に限定されるものではなく、その要旨の範囲内で種々に変更して実施することができる。
なお、本発明において、「(メタ)アクリル」とは「アクリル及び/又はメタクリル」を意味し、「(メタ)アクリレート」、「(メタ)アクリロイル」についても同様である。
「(共)重合体」とは、単一重合体(ホモポリマー)と共重合体(コポリマー)の双方を含むことを意味し、「酸(無水物)」、「(無水)…酸」とは、酸とその無水物の双方を含むことを意味する。また、本発明において「アクリル系樹脂」とは、(メタ)アクリル酸を含む(共)重合体、カルボキシル基を有する(メタ)アクリル酸エステルを含む(共)重合体を意味する。
また、本発明において「モノマー」とは、いわゆる高分子物質(ポリマー)に相対する用語であり、狭義の単量体(モノマー)の外に、二量体、三量体、オリゴマー等も含む意味である。
本発明において「全固形分」とは、着色感光性樹脂組成物中又は後述するインク中に含まれる、溶剤以外の全成分を意味するものとする。
本発明において、重量平均分子量とは、GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)によるポリスチレン換算の重量平均分子量(Mw)をさす。
また、本発明において、「アミン価」とは、特に断りのない限り、有効固形分換算のアミン価を表し、分散剤の固形分1gあたりの塩基量と当量のKOHの質量で表される値である。なお、測定方法については後述する。
一方で、「酸価」とは、特に断りのない限り有効固形分換算の酸価を表し、分散剤やアルカリ可溶性樹脂の固形分1gあたりの酸基量と当量のKOHの質量で表される値であり、JIS K 0070−1992の記載に従って、中和滴定により算出される。
また、本明細書において、「質量」で表される百分率や部は「重量」で表される百分率や部と同義である。
[着色感光性樹脂組成物]
本発明の着色感光性樹脂組成物は、有機電界発光素子の隔壁を形成するためのものであって、(a)着色剤、(b)アルカリ可溶性樹脂、(c)光重合開始剤、(d)光重合性化合物、(e)溶剤及び(f)分散剤を必須成分として含有し、必要に応じて、更にシランカップリング剤等の密着向上剤、塗布性向上剤、現像改良剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、界面活性剤、顔料誘導体等、その他の配合成分を含むものであり、通常、各配合成分が、溶剤に溶解又は分散した状態で使用される。
<(a)着色剤>
本発明の着色感光性樹脂組成物は、(a)着色剤を含有する。(a)着色剤を含有することで、適度な光吸収性、特に着色隔壁などの遮光部材を形成する用途に用いる場合には適度な遮光性を得ることができる。
(a)着色剤としては、顔料を用いてもよいし、染料を用いてもよい。これらの中でも、耐久性の観点から、顔料を用いることが好ましい。
(a)着色剤に含まれる顔料は、1種単独でもよいし、2種以上であってもよい。特に、可視領域において均一に遮光するとの観点からは、2種以上であることが好ましい。
(a)着色剤として用いることができる顔料の種類は特に限定されないが、例えば、有機顔料や無機顔料が挙げられる。これらの中でも、絶縁性と低誘電率性の観点から、有機顔料を用いることが好ましい。
有機顔料としては、有機黒色顔料や有機着色顔料が挙げられる。ここで、有機着色顔料とは、黒色以外の色を呈する有機顔料のことを意味し、赤色顔料、橙色顔料、青色顔料、紫色顔料、緑色顔料、黄色顔料等が挙げられる。
有機黒色顔料の化学構造は特に限定されないが、ラクタム系、アニリン系、ペリレン系、シアニン系などが挙げられる。これらの中でも、遮光性の観点からラクタム系有機黒色顔料が好ましく、下記一般式(I)で表される化合物、該化合物の幾何異性体、該化合物の塩、又は該化合物の幾何異性体の塩である有機黒色顔料(以下、「一般式(I)で表される有機黒色顔料」と略記する場合がある。)がより好ましい。一般式(I)で表される有機黒色顔料は可視光領域における吸光度が高いため、遮光性の高い着色隔壁を形成できる傾向がある。
式(I)中、R1及びR6は各々独立に、水素原子、CH3、CF3、フッ素原子又は塩素原子である;
2、R3、R4、R5、R7、R8、R9及びR10は各々独立に、水素原子、ハロゲン原子、R11、COOH、COOR11、COO-、CONH2、CONHR11、CONR1112、CN、OH、OR11、COCR11、OOCNH2、OOCNHR11、OOCNR1112、NO2、NH2、NHR11、NR1112、NHCOR12、NR11COR12、N=CH2、N=CHR11、N=CR1112、SH、SR11、SOR11、SO211、SO311、SO3H、SO3 -、SO2NH2、SO2NHR11又はSO2NR1112である;
且つ、R2とR3、R3とR4、R4とR5、R7とR8、R8とR9、及びR9とR10からなる群から選ばれる少なくとも1つの組み合わせは、互いに直接結合し、又は酸素原子、硫黄原子、NH若しくはNR11ブリッジによって互いに結合することもできる;
11及びR12は各々独立に、炭素数1〜12のアルキル基、炭素数3〜12のシクロアルキル基、炭素数2〜12のアルケニル基、炭素数3〜12のシクロアルケニル基又は炭素数2〜12のアルキニル基である。
一般式(I)で表される化合物の幾何異性体は、以下のコア構造を有し(ただし、構造式中の置換基は省略している)、トランス−トランス異性体が恐らく最も安定である。
一般式(I)で表される化合物がアニオン性である場合、その電荷を任意の公知の適したカチオン、例えば金属、有機、無機または金属有機カチオン、具体的にはアルカリ金属、アルカリ土類金属、遷移金属、一級アンモニウム、二級アンモニウム、トリアルキルアンモニウムなどの三級アンモニウム、テトラアルキルアンモニウムなどの四級アンモニウム又は有機金属錯体によって補償した塩であることが好ましい。また、一般式(I)で表される化合物の幾何異性体がアニオン性である場合、同様の塩であることが好ましい。
一般式(I)の置換基およびそれらの定義においては、遮蔽率が高くなる傾向があることから、以下が好ましい。これは、以下の置換基は吸収がなく、顔料の色相に影響しないと考えられるからである。
2、R4、R5、R7、R9及びR10は各々独立に、好ましくは水素原子、フッ素原子、又は塩素原子であり、さらに好ましくは水素原子である。
3及びR8は各々独立に、好ましくは水素原子、NO2、OCH3、OC25、臭素原子、塩素原子、CH3、C25、N(CH32、N(CH3)(C25)、N(C252、α−ナフチル、β−ナフチル、SO3H又はSO3 -であり、さらに好ましくは水素原子又はSO3Hである。
1及びR6は各々独立に、好ましくは水素原子、CH3又はCF3であり、さらに好ましくは水素原子である。
好ましくは、R1とR6、R2とR7、R3とR8、R4とR9、及びR5とR10からなる群から選ばれる少なくとも1つの組み合わせが同一であり、より好ましくは、R1はR6と同一であり、R2はR7と同一であり、R3はR8と同一であり、R4はR9と同一であり、かつ、R5はR10と同一である。
炭素数1〜12のアルキル基は、例えばメチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、2−メチルブチル基、n−ペンチル基、2−ペンチル基、3−ペンチル基、2,2−ジメチルプロピル基、n−ヘキシル基、ヘプチル基、n−オクチル基、1,1,3,3−テトラメチルブチル基、2−エチルヘキシル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基又はドデシル基である。
炭素数3〜12のシクロアルキル基は、例えば、シクロプロピル基、シクロプロピルメチル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘキシルメチル基、トリメチルシクロヘキシル基、ツジル基、ノルボルニル基、ボルニル基、ノルカリル基、カリル基、メンチル基、ノルピニル基、ピニル基、1−アダマンチル基又は2−アダマンチル基である。
炭素数2〜12のアルケニル基は、例えば、ビニル基、アリル基、2−プロペン−2−イル基、2−ブテン−1−イル基、3−ブテン−1−イル基、1,3−ブタジエン−2−イル基、2−ペンテン−1−イル基、3−ペンテン−2−イル基、2−メンチル−1−ブテン−3−イル基、2−メチル−3−ブテン−2−イル基、3−メチル−2−ブテン−1−イル基、1,4−ペンタジエン−3−イル基、ヘキセニル基、オクテニル基、ノネニル基、デセニル基又はドデセニル基である。
炭素数3〜12のシクロアルケニル基は、例えば、2−シクロブテン−1−イル基、2−シクロペンテン−1−イル基、2−シクロヘキセン−1−イル基、3−シクロヘキセン−1−イル基、2,4−シクロヘキサジエン−1−イル基、1−p−メンテン−8−イル基、4(10)−ツジェン−10−イル基、2−ノルボルネン−1−イル基、2,5−ノルボルナジエン−1−イル基、7,7−ジメチル−2,4−ノルカラジエン−3−イル基又はカンフェニル基である。
炭素数2〜12のアルキニル基は、例えば、1−プロピン−3−イル基、1−ブチン−4−イル基、1−ペンチン−5−イル基、2−メチル−3−ブチン−2−イル基、1,4−ペンタジイン−3−イル基、1,3−ペンタジイン−5−イル基、1−ヘキシン−6−イル基、シス−3−メチル−2−ペンテン−4−イン−1−イル基、トランス−3−メチル−2−ペンテン−4−イン−1−イル基、1,3−ヘキサジイン−5−イル基、1−オクチン−8−イル基、1−ノニン−9−イル基、1−デシン−10−イル基又は1−ドデシン−12−イル基である。
ハロゲン原子は、例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子又はヨウ素原子である。
前記一般式(I)で表される有機黒色顔料は、好ましくは下記一般式(I−1)で表される化合物である。
このような有機黒色顔料の具体例としては、商品名で、Irgaphor(登録商標) Black S 0100 CF(BASF社製)が挙げられる。
この有機黒色顔料は、好ましくは後述される分散剤、溶剤、方法によって分散して使用される。また、分散の際に前記一般式(I−1)のスルホン酸誘導体が存在すると、分散性や保存性が向上する場合がある。
一方で、(a)着色剤は有機着色顔料を含むものでもよく、1種を単独で使用してもよいが、2種以上を併用してもよい。特に、遮光性の用途に用いる場合には、色の異なる有機着色顔料を組み合わせて用いることが好ましく、呈する色が黒色となる組み合わせで用いることがより好ましい。
有機着色顔料の化学構造は特に限定されないが、アゾ系、フタロシアニン系、キナクリドン系、ベンズイミダゾロン系、イソインドリノン系、ジオキサジン系、インダンスレン系、ペリレン系等の有機顔料の他に種々の無機顔料等も利用可能である。以下、使用できる顔料の具体例をピグメントナンバーで示す。以下に挙げる「C.I.ピグメントレッド2」等の用語は、カラーインデックス(C.I.)を意味する。
赤色顔料としては、C.I.ピグメントレッド1、2、3、4、5、6、7、8、9、12、14、15、16、17、21、22、23、31、32、37、38、41、47、48、48:1、48:2、48:3、48:4、49、49:1、49:2、50:1、52:1、52:2、53、53:1、53:2、53:3、57、57:1、57:2、58:4、60、63、63:1、63:2、64、64:1、68、69、81、81:1、81:2、81:3、81:4、83、88、90:1、101、101:1、104、108、108:1、109、112、113、114、122、123、144、146、147、149、151、166、168、169、170、172、173、174、175、176、177、178、179、181、184、185、187、188、190、193、194、200、202、206、207、208、209、210、214、216、220、221、224、230、231、232、233、235、236、237、238、239、242、243、245、247、249、250、251、253、254、255、256、257、258、259、260、262、263、264、265、266、267、268、269、270、271、272、273、274、275、276を挙げることができる。この中でも、好ましくはC.I.ピグメントレッド48:1、122、149、168、177、179、194、202、206、207、209、224、242、254、272、更に好ましくはC.I.ピグメントレッド149、177、179、209、224、254、272を挙げることができる。
なお、分散性や遮光性の点で、C.I.ピグメントレッド177、254、272を用いることが好ましく、本発明の着色感光性樹脂組成物を紫外線で硬化させる場合には、赤色顔料としては紫外線吸収率の低いものを使用することが好ましく、かかる観点からはC.I.ピグメントレッド254、272を用いることがより好ましい。
橙色(オレンジ)顔料としては、C.I.ピグメントオレンジ1、2、5、13、16、17、19、20、21、22、23、24、34、36、38、39、43、46、48、49、61、62、64、65、67、68、69、70、71、72、73、74、75、77、78、79を挙げることができる。この中でも、好ましくは、C.I.ピグメントオレンジ38、43、64、71、72を挙げることができる。
なお、分散性や遮光性の点で、C.I.ピグメントオレンジ43、64、72を用いることが好ましく、本発明の着色感光性樹脂組成物を紫外線で硬化させる場合には、オレンジ顔料としては紫外線吸収率の低いものを使用することが好ましく、係る観点からはC.I.ピグメントオレンジ64、72を用いることがより好ましい。
青色顔料としては、C.I.ピグメントブルー1、1:2、9、14、15、15:1、15:2、15:3、15:4、15:6、16、17、19、25、27、28、29、33、35、36、56、56:1、60、61、61:1、62、63、66、67、68、71、72、73、74、75、76、78、79を挙げることができる。この中でも、好ましくはC.I.ピグメントブルー15、15:1、15:2、15:3、15:4、15:6、16、60更に好ましくはC.I.ピグメントブルー15:6、16、60を挙げることができる。
なお、分散性や遮光性の点で、C.I.ピグメントブルー15:6、16、60を用いることが好ましく、本発明の着色感光性樹脂組成物を紫外線で硬化させる場合には、青色顔料としては紫外線吸収率の低いものを使用することが好ましく、係る観点からはC.I.ピグメントブルー60を用いることがより好ましい。一方で遮光性を高くするためには可視光領域での吸光度の高いものを使用することが好ましく、係る観点からは、C.I.ピグメントブルー15:6を用いることがより好ましい。
紫色顔料としては、C.I.ピグメントバイオレット1、1:1、2、2:2、3、3:1、3:3、5、5:1、14、15、16、19、23、25、27、29、31、32、37、39、42、44、47、49、50を挙げることができる。この中でも、好ましくはC.I.ピグメントバイオレット19、23、29、更に好ましくはC.I.ピグメントバイオレット23、29を挙げることができる。
なお、分散性や遮光性の点で、C.I.ピグメントバイオレット23、29を用いることが好ましく、本発明の着色感光性樹脂組成物を紫外線で硬化させる場合には、紫色顔料としては紫外線吸収率の低いものを使用することが好ましく、係る観点からはC.I.ピグメントバイオレット29を用いることがより好ましい。
赤色顔料、橙色顔料、青色顔料、紫色顔料の他に用いることができる有機着色顔料としては例えば、緑色顔料、黄色顔料などを挙げることができる。
緑色顔料としては、C.I.ピグメントグリーン1、2、4、7、8、10、13、14、15、17、18、19、26、36、45、48、50、51、54、55を挙げることができる。この中でも、好ましくはC.I.ピグメントグリーン7、36を挙げることができる。
黄色顔料としては、C.I.ピグメントイエロー1、1:1、2、3、4、5、6、9、10、12、13、14、16、17、24、31、32、34、35、35:1、36、36:1、37、37:1、40、41、42、43、48、53、55、61、62、62:1、63、65、73、74、75、81、83、87、93、94、95、97、100、101、104、105、108、109、110、111、116、117、119、120、126、127、127:1、128、129、133、134、136、138、139、142、147、148、150、151、153、154、155、157、158、159、160、161、162、163、164、165、166、167、168、169、170、172、173、174、175、176、180、181、182、183、184、185、188、189、190、191、191:1、192、193、194、195、196、197、198、199、200、202、203、204、205、206、207、208を挙げることができる。この中でも、好ましくはC.I.ピグメントイエロー83、117、129、138、139、150、154、155、180、185、更に好ましくはC.I.ピグメントイエロー83、138、139、150、180を挙げることができる。
これらの顔料の中でも、赤色顔料、橙色顔料、青色顔料及び紫色顔料からなる群から選ばれる少なくとも1種を用いることが好ましく、赤色顔料及び橙色顔料からなる群から選ばれる少なくとも1種と、青色顔料及び紫色顔料からなる群から選ばれる少なくとも1種の組み合わせを用いることがより好ましい。このように、特定の顔料の組み合わせを用いることで、高遮光性を達成することができる傾向がある。
これらの中でも、遮光性や色調の観点からは、以下の顔料のうち少なくとも1種以上を含有するものとすることが好ましい。
赤色顔料:カラーインデックスピグメントレッド177、254、272
橙色顔料:カラーインデックスピグメントオレンジ43、64、72
青色顔料:カラーインデックスピグメントブルー15:6、60
紫色顔料:カラーインデックスピグメントバイオレット23、29
なお、色の組み合わせについては特に限定されないが、遮光性の観点からは例えば、赤色顔料と青色顔料の組み合わせ、青色顔料と橙色顔料の組み合わせ、青色顔料と橙色顔料と紫色顔料の組み合わせなどが挙げられる。
これらの中でも紫外領域の光透過率を確保しながら、可視領域の光吸収を大きくして遮蔽率を向上することができる傾向があることから、青色顔料と橙色顔料の組み合わせが好ましい。
さらに、その他の着色剤としては、これらの有機黒色顔料や有機着色顔料以外に、その他の黒色着色剤を用いることができる。
その他の黒色着色剤としては例えば無機黒色顔料を用いることができる。無機黒色顔料としては、カーボンブラック、アセチレンブラック、ランプブラック、ボーンブラック、黒鉛、鉄黒、チタンブラック、等が挙げられる。これらの中でも、遮光性、画像特性の観点からカーボンブラックを好ましく用いることができる。カーボンブラックの例としては、以下のようなカーボンブラックが挙げられる。
三菱化学社製:MA7、MA8、MA11、MA77、MA100、MA100R、MA100S、MA220、MA230、MA600、MCF88、#5、#10、#20、#25、#30、#32、#33、#40、#44、#45、#47、#50、#52、#55、#650、#750、#850、#900、#950、#960、#970、#980、#990、#1000、#2200、#2300、#2350、#2400、#2600、#2650、#3030、#3050、#3150、#3250、#3400、#3600、#3750、#3950、#4000、#4010、OIL7B、OIL9B、OIL11B、OIL30B、OIL31B
デグサ社製:Printex(登録商標。以下同じ。)3、Printex3OP、Printex30、Printex30OP、Printex40、Printex45、Printex55、Printex60、Printex75、Printex80、Printex85、Printex90、Printex A、Printex L、Printex G、Printex P、Printex U、Printex V、PrintexG、SpecialBlack550、SpecialBlack350、SpecialBlack250、SpecialBlack100、SpecialBlack6、SpecialBlack5、SpecialBlack4、Color Black FW1、Color Black FW2、Color Black FW2V、Color Black FW18、Color Black FW18、Color Black FW200、Color Black S160、Color Black S170
キャボット社製:Monarch(登録商標。以下同じ。)120、Monarch280、Monarch460、Monarch800、Monarch880、Monarch900、Monarch1000、Monarch1100、Monarch1300、Monarch1400、Monarch4630、REGAL(登録商標。以下同じ。)99、REGAL99R、REGAL415、REGAL415R、REGAL250、REGAL250R、REGAL330、REGAL400R、REGAL55R0、REGAL660R、BLACK PEARLS480、PEARLS130、VULCAN(登録商標。以下同じ。) XC72R、ELFTEX(登録商標)−8
コロンビヤン カーボン社製:RAVEN(登録商標。以下同じ。)11、RAVEN14、RAVEN15、RAVEN16、RAVEN22RAVEN30、RAVEN35、RAVEN40、RAVEN410、RAVEN420、RAVEN450、RAVEN500、RAVEN780、RAVEN850、RAVEN890H、RAVEN1000、RAVEN1020、RAVEN1040、RAVEN1060U、RAVEN1080U、RAVEN1170、RAVEN1190U、RAVEN1250、RAVEN1500、RAVEN2000、RAVEN2500U、RAVEN3500、RAVEN5000、RAVEN5250、RAVEN5750、RAVEN7000
カーボンブラックは、樹脂で被覆されたものを使用しても構わない。樹脂で被覆されたカーボンブラックを使用すると、ガラス基板への密着性や体積抵抗値を向上させる効果がある。樹脂で被覆されたカーボンブラックとしては、例えば特開平09−71733号公報に記載されているカーボンブラック等が好適に使用できる。体積抵抗や誘電率の点で、樹脂被覆カーボンブラックが好適に用いられる。
樹脂による被覆処理に供するカーボンブラックとしては、NaとCaの合計含有量が100ppm以下であることが好ましい。カーボンブラックは、通常、製造時の原料油や燃焼油(又はガス)、反応停止水や造粒水、更には反応炉の炉材等から混入したNaや、Ca,K,Mg,Al,Fe等を組成とする灰分がパーセントのオーダーで含有されている。この内、NaやCaは、各々数百ppm以上含有されているのが一般的であるが、これらを少なくすることで、透明電極(ITO)やその他の電極への浸透を抑制して、電気的短絡を防止できる傾向がある。
これらのNaやCaを含む灰分の含有量を低減する方法としては、カーボンブラックを製造する際の原料油や燃料油(又はガス)並びに反応停止水として、これらの含有量が極力少ない物を厳選すること及びストラクチャーを調整するアルカリ物質の添加量を極力少なくすることにより可能である。他の方法としては、炉から製出したカーボンブラックを水や塩酸等で洗いNaやCaを溶解し除去する方法が挙げられる。
具体的にはカーボンブラックを水、塩酸、又は過酸化水素水に混合分散させた後、水に難溶の溶媒を添加していくとカーボンブラックは溶媒側に移行し、水と完全に分離すると共にカーボンブラック中に存在した殆どのNaやCaは、水や酸に溶解、除去される。NaとCaの合計量を100ppm以下に低減するためには、原材料を厳選したカーボンブラック製造過程単独或は水や酸溶解方式単独でも可能な場合もあるが、この両方式を併用することにより更に容易にNaとCaの合計量を100ppm以下とすることができる。
また樹脂被覆カーボンブラックは、pH6以下のいわゆる酸性カーボンブラックであることが好ましい。水中での分散径(アグロミレート径)が小さくなるので、微細ユニットまでの被覆が可能となり好適である。さらに平均粒子径40nm以下、ジブチルフタレート(DBP)吸収量140ml/100g以下であることが好ましい。前記範囲内とすることで、遮光性の良好な塗膜が得られる傾向がある。平均粒子径は数平均粒子径を意味し、電子顕微鏡観察により数万倍で撮影された写真を数視野撮影し、これらの写真の粒子を画像処理装置により2000〜3000個程度計測する粒子画像解析により求められる円相当径を意味する。
樹脂で被覆されたカーボンブラックを調製する方法には特に限定がないが、たとえばカーボンブラックおよび樹脂の配合量を適宜調整した後、1.樹脂とシクロヘキサノン、トルエン、キシレンなどの溶剤とを混合して加熱溶解させた樹脂溶液と、カーボンブラックおよび水を混合した懸濁液とを混合撹拌し、カーボンブラックと水とを分離させた後、水を除去して加熱混練して得られた組成物をシート状に成形し、粉砕した後、乾燥させる方法;2.前記と同様にして調製した樹脂溶液と懸濁液とを混合撹拌してカーボンブラックおよび樹脂を粒状化した後、得られた粒状物を分離、加熱して残存する溶剤および水を除去する方法;3.前記例示した溶剤にマレイン酸、フマル酸などのカルボン酸を溶解させ、カーボンブラックを添加、混合して乾燥させ、溶剤を除去してカルボン酸添着カーボンブラックを得た後、これに樹脂を添加してドライブレンドする方法;4.被覆させる樹脂を構成する反応性基含有モノマー成分と水とを高速撹拌して懸濁液を調製し、重合後冷却して重合体懸濁液から反応性基含有樹脂を得た後、これにカーボンブラックを添加して混練し、カーボンブラックと反応性基とを反応させ(カーボンブラックをグラフトさせ)、冷却および粉砕する方法などを採用することができる。
被覆処理する樹脂の種類も特に限定されるものではないが、合成樹脂が一般的であり、さらに構造の中にベンゼン環を有する樹脂の方が両性系界面活性剤的な働きがより強いため分散性及び分散安定性の点から好ましい。
具体的な合成樹脂としては、フェノール樹脂、メラミン樹脂、キシレン樹脂、ジアリルフタレート樹脂、グリプタル樹脂、エポキシ樹脂、アルキルベンゼン樹脂等の熱硬化性樹脂や、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、変性ポリフェニレンオキサイド、ポリスルフォン、ポリパラフェニレンテレフタルアミド、ポリアミドイミド、ポリイミド、ポリアミノビスマレイミド、ポリエーテルスルフォポリフェニレンスルフォン、ポリアリレート、ポリエーテルエーテルケトン、等の熱可塑性樹脂が使用できる。カーボンブラックに対する樹脂の被覆量は、カーボンブラックと樹脂の合計量に対し1〜30質量%が好ましく、前記下限値以上とすることで被覆を十分なものとすることができる傾向がある。一方、前記上限値以下とすることで、樹脂同士の粘着を防ぎ、分散性が良好なものとすることができる傾向がある。
このようにして樹脂で被覆処理してなるカーボンブラックは、常法に従い隔壁の遮光材として用いることができ、この隔壁を構成要素とする有機電界発光素子を常法により作成することができる。このようなカーボンブラックを用いると、高遮光率でかつ低コストで達成できる傾向がある。また、カーボンブラック表面を樹脂で被覆したことにより、より高抵抗、低誘電率の隔壁を作成することができる。
これらの顔料は、平均粒子径が通常1μm以下、好ましくは0.5μm以下、更に好ましくは0.25μm以下となるよう、分散して用いることが好ましい。ここで平均粒子径の基準は顔料粒子の数である。
なお、本発明において、顔料の平均粒子径は、動的光散乱(DLS)により測定された顔料粒子径から求めた値である。粒子径測定は、十分に希釈された着色感光性樹脂組成物(通常は希釈して、顔料濃度0.005〜0.2質量%程度に調製。但し測定機器により推奨された濃度があれば、その濃度に従う)に対して行い、25℃にて測定する。
また、上述の有機黒色顔料、有機着色顔料、その他の黒色着色剤の他に、染料を使用してもよい。着色剤として使用できる染料としては、アゾ系染料、アントラキノン系染料、フタロシアニン系染料、キノンイミン系染料、キノリン系染料、ニトロ系染料、カルボニル系染料、メチン系染料等が挙げられる。
アゾ系染料としては、例えば、C.I.アシッドイエロー11、C.I.アシッドオレンジ7、C.I.アシッドレッド37、C.I.アシッドレッド180、C.I.アシッドブルー29、C.I.ダイレクトレッド28、C.I.ダイレクトレッド83、C.I.ダイレクトイエロー12、C.I.ダイレクトオレンジ26、C.I.ダイレクトグリーン28、C.I.ダイレクトグリーン59、C.I.リアクティブイエロー2、C.I.リアクティブレッド17、C.I.リアクティブレッド120、C.I.リアクティブブラック5、C.I.ディスパースオレンジ5、C.I.ディスパースレッド58、C.I.ディスパースブルー165、C.I.ベーシックブルー41、C.I.ベーシックレッド18、C.I.モルダントレッド7、C.I.モルダントイエロー5、C.I.モルダントブラック7等が挙げられる。
アントラキノン系染料としては、例えば、C.I.バットブルー4、C.I.アシッドブルー40、C.I.アシッドグリーン25、C.I.リアクティブブルー19、C.I.リアクティブブルー49、C.I.ディスパースレッド60、C.I.ディスパースブルー56、C.I.ディスパースブルー60等が挙げられる。
この他、フタロシアニン系染料として、例えば、C.I.パッドブルー5等が、キノンイミン系染料として、例えば、C.I.ベーシックブルー3、C.I.ベーシックブルー9等が、キノリン系染料として、例えば、C.I.ソルベントイエロー33、C.I.アシッドイエロー3、C.I.ディスパースイエロー64等が、ニトロ系染料として、例えば、C.I.アシッドイエロー1、C.I.アシッドオレンジ3、C.I.ディスパースイエロー42等が挙げられる。
<(b)アルカリ可溶性樹脂>
本発明で用いる(b)アルカリ可溶性樹脂としては、カルボキシル基又は水酸基を含む樹脂であれば特に限定はなく、例えばエポキシ(メタ)アクリレート樹脂、アクリル系樹脂、カルボキシル基含有エポキシ樹脂、カルボキシル基含有ウレタン樹脂、ノボラック系樹脂、ポリビニルフェノール系樹脂等が挙げられるが、中でもエポキシ(メタ)アクリレート系樹脂、アクリル系樹脂が好ましい。これらは1種を単独で、或いは複数種を混合して使用することができる。
エポキシ(メタ)アクリレート樹脂は、エポキシ樹脂にエチレン性不飽和モノカルボン酸又はエステル化合物を付加し、更に多塩基酸又はその無水物を反応させた樹脂であることが好ましい。例えば、エポキシ樹脂のエポキシ基に、不飽和モノカルボン酸のカルボキシル基が開環付加されることにより、エポキシ化合物にエステル結合(−COO−)を介してエチレン性不飽和結合が付加されると共に、その際生じた水酸基に、多塩基酸無水物の一方のカルボキシ基が付加されたものが挙げられる。また多塩基酸無水物を付加するときに、多価アルコールを同時に添加して付加されたものも挙げられる。
ここで、エポキシ樹脂とは、熱硬化により樹脂を形成する以前の原料化合物をも含めて言うこととし、そのエポキシ樹脂としては、公知のエポキシ樹脂の中から適宜選択して用いることができる。また、エポキシ樹脂は、フェノール性化合物とエピハロヒドリンとを反応させて得られる化合物を用いることができる。フェノール性化合物としては、2価もしくは2価以上のフェノール性水酸基を有する化合物が好ましく、単量体でも重合体でもよい。
具体的には、例えば、ビスフェノールAエポキシ樹脂、ビスフェノールFエポキシ樹脂、ビスフェノールSエポキシ樹脂、フェノールノボラックエポキシ樹脂、クレゾールノボラックエポキシ樹脂、ビフェニルノボラックエポキシ樹脂、トリスフェノールエポキシ樹脂、フェノールとジシクロペンタンとの重合エポキシ樹脂、ジハイドロオキシルフルオレン型エポキシ樹脂、ジハイドロオキシルアルキレンオキシルフルオレン型エポキシ樹脂、9,9−ビス(4’−ヒドロキシフェニル)フルオレンのジグリシジルエーテル化物、1,1−ビス(4’−ヒドロキシフェニル)アダマンタンのジグリシジルエーテル化物、などが挙げられ、このように主鎖に芳香族環を有するものを好適に用いることができる。
中でも、高い硬化膜強度の観点から、ビスフェノールAエポキシ樹脂、フェノールノボラックエポキシ樹脂、クレゾールノボラックエポキシ樹脂、フェノールとジシクロペンタジエンとの重合エポキシ樹脂、9,9−ビス(4’−ヒドロキシフェニル)フルオレンのジグリシジルエーテル化物、などが好ましく、ビスフェノールAエポキシ樹脂が更に好ましい。
エチレン性不飽和モノカルボン酸としては、例えば、(メタ)アクリル酸、クロトン酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、シトラコン酸等、および、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート無水琥珀酸付加物、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレートテトラヒドロ無水フタル酸付加物、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート無水琥珀酸付加物、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート無水フタル酸付加物、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレートテトラヒドロ無水フタル酸付加物、(メタ)アクリル酸とε−カプロラクトンとの反応生成物などが挙げられる。中でも、感度の観点から、(メタ)アクリル酸が好ましい。
多塩基酸(無水物)としては、例えば、コハク酸、マレイン酸、イタコン酸、フタル酸、テトラヒドロフタル酸、3−メチルテトラヒドロフタル酸、4−メチルテトラヒドロフタル酸、3−エチルテトラヒドロフタル酸、4−エチルテトラヒドロフタル酸、ヘキサヒドロフタル酸、3−メチルヘキサヒドロフタル酸、4−メチルヘキサヒドロフタル酸、3−エチルヘキサヒドロフタル酸、4−エチルヘキサヒドロフタル酸、トリメリット酸、ピロメリット酸、ベンゾフェノンテトラカルボン酸、ビフェニルテトラカルボン酸、およびそれらの無水物などが挙げられる。中でも、アウトガスの観点から、コハク酸無水物、マレイン酸無水物、テトラヒドロフタル酸無水物、またはヘキサヒドロフタル酸無水物が好ましく、コハク酸無水物又はテトラヒドロフタル酸無水物がより好ましく、コハク酸無水物が更に好ましい。
多価アルコールを用いることで、エポキシ(メタ)アクリレート樹脂の分子量を増大させ、分子中に分岐を導入することが出来、分子量と粘度のバランスをとることができる傾向がある。また、分子中への酸基の導入率を増やすことができ、感度や密着性等のバランスがとれやすい傾向がある。
多価アルコールとしては、例えばトリメチロールプロパン、ジトリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、トリメチロールエタン、1,2,3−プロパントリオールの中から選ばれる1種又は2種以上の多価アルコールであることが好ましい。
エポキシ(メタ)アクリレート樹脂の酸価は特に限定されないが、10mgKOH/g以上が好ましく、20mgKOH/g以上がより好ましく、40mgKOH/g以上がさらに好ましく、60mgKOH/g以上がよりさらに好ましく、80mgKOH/g以上が特に好ましく、100mgKOH/g以上が最も好ましく、また、200mgKOH/g以下が好ましく、180mgKOH/g以下がより好ましく、150mgKOH/g以下がさらに好ましく、130mgKOH/g以下がよりさらに好ましく、120mgKOH/g以下が特に好ましい。前記下限値以上とすることで未露光部の現像性を良化する傾向があり、また、前記上限値以下とすること膜減り等を生じない膜を生成できる傾向がある。
エポキシ(メタ)アクリレート樹脂の重量平均分子量(Mw)は特に限定されないが、通常1000以上、好ましくは2000以上、より好ましくは3000以上、さらに好ましくは4000以上、特に好ましくは5000以上、また、通常30000以下、好ましくは20000以下、より好ましくは15000以下、さらに好ましくは10000以下、特に好ましくは8000以下である。前記下限値以上とすることで膜減り等を生じない膜を生成できる傾向があり、また、前記上限値以下とすることで未露光部の現像性を良化する傾向がある。
エポキシ(メタ)アクリレート樹脂は、従来公知の方法により合成することができる。具体的には、前記エポキシ樹脂を有機溶剤に溶解させ、触媒と熱重合禁止剤の共存下、前記エチレン性不飽和結合を有する酸又はエステル化合物を加えて付加反応させ、更に多塩基酸又はその無水物を加えて反応を続ける方法を用いることができる。
ここで、反応に用いる有機溶剤としては、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、ジエチレングリコールエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートなどの有機溶剤の1種または2種以上が挙げられる。また、上記触媒としては、トリエチルアミン、ベンジルジメチルアミン、トリベンジルアミン等の第3級アミン類、テトラメチルアンモニウムクロライド、メチルトリエチルアンモニウムクロライド、テトラエチルアンモニウムクロライド、テトラブチルアンモニウムクロライド、トリメチルベンジルアンモニウムクロライドなどの第4級アンミニウム塩類、トリフェニルホスフィンなどの燐化合物、トリフェニルスチビンなどのスチビン類などの1種または2種以上が挙げられる。更に、熱重合禁止剤としては、ハイドロキノン、ハイドロキノンモノメチルエーテル、メチルハイドロキノンなどの1種または2種以上が挙げられる。
また、エチレン性不飽和結合を有する酸又はエステル化合物としては、エポキシ樹脂のエポキシ基の1化学当量に対して通常0.7〜1.3化学当量、好ましくは0.9〜1.1化学当量となる量とすることができる。また、付加反応時の温度としては、通常60〜150℃、好ましくは80〜120℃の温度とすることができる。更に、多塩基酸(無水物)の使用量としては、前記付加反応で生じた水酸基の1化学当量に対して、通常0.1〜1.2化学当量、好ましくは0.2〜1.1化学当量となる量とすることができる。
エポキシ(メタ)アクリレート樹脂の化学構造は特に限定されないが、アウトガスの観点から、下記一般式(b1)で表される繰り返し単位構造を有するエポキシ(メタ)アクリレート樹脂及び/又は下記一般式(b2)で表される部分構造を有するエポキシ(メタ)アクリレート樹脂を含有することが好ましい。エポキシ(メタ)アクリレート樹脂は高感度であることからパターニング性能が良好であり、また疎水骨格を有し、溶解速度がマイルドであることから基板密着性が良好である。
特に、下記一般式(b1)で表される繰り返し単位構造を有するもの及び/又は下記一般式(b2)で表される部分構造を有するものは、中央部に嵩高く剛直な骨格を持つため、(メタ)アクリロイル基等の親水部位が外側に展開される形となり、現像性が良好となると考えられる。
式(b1)中、R21は水素原子又はメチル基を表し、R22は置換基を有していてもよい2価の炭化水素基を表す。式(b1)中のベンゼン環は、更に任意の置換基により置換されていてもよい。*は結合手を表す。
式(b2)中、R23は各々独立に、水素原子又はメチル基を表す。R24は、環状炭化水素基を側鎖として有する2価の炭化水素基を表す。R25及びR26は各々独立に、置換基を有していてもよい2価の脂肪族基を表す。m及びnは各々独立に0〜2の整数を表す。*は結合手を表す。
((b1)エポキシ(メタ)アクリレート樹脂)
次に、前記一般式(b1)で表される繰り返し単位構造を有するエポキシ(メタ)アクリレート樹脂(以下、「(b1)エポキシ(メタ)アクリレート樹脂」と略記する。)について詳述する。
式(b1)中、R21は水素原子又はメチル基を表し、R22は置換基を有していてもよい2価の炭化水素基を表す。式(b1)中のベンゼン環は、更に任意の置換基により置換されていてもよい。*は結合手を表す。
(R22
前記式(b1)において、R22は置換基を有していてもよい2価の炭化水素基を表す。
2価の炭化水素基としては、2価の脂肪族基、2価の芳香族環基、1以上の2価の脂肪族基と1以上の2価の芳香族環基とを連結した基が挙げられる。
2価の脂肪族基は、直鎖状、分岐鎖状、環状のものが挙げられる。これらの中でも現像溶解性の観点からは直鎖状のものが好ましく、一方で露光部への現像液の浸透低減の観点からは環状のものが好ましい。その炭素数は通常1以上であり、3以上が好ましく、6以上がより好ましく、また、20以下が好ましく、15以下がより好ましく、10以下がさらに好ましい。前記下限値以上とすることで強固な膜が得られやすく、表面荒れが生じにくく、基板への密着性が良好となる傾向があり、また、前記上限値以下とすることで膜の表面平滑性や感度の悪化を抑制しやすく、解像性が向上する傾向がある。
2価の直鎖状脂肪族基の具体例としては、メチレン基、エチレン基、n−プロピレン基、n−ブチレン基、n−ヘキシレン基、n−ヘプチレン基等が挙げられる。これらの中でも骨格の剛直性の観点から、メチレン基が好ましい。
2価の分岐鎖状脂肪族基の具体例としては、iso−プロピル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、iso−アミル基等が挙げられる。
2価の環状の脂肪族基が有する環の数は特に限定されないが、通常1以上、2以上が好ましく、また、通常12以下、10以下が好ましい。前記下限値以上とすることで強固な膜となり、基板密着性が良好となる傾向があり、また、前記上限値以下とすることで膜の表面平滑性や感度の悪化を抑制しやすく、解像性が向上する傾向がある。2価の環状の脂肪族基の具体例としては、シクロヘキサン環、シクロヘプタン環、シクロデカン環、シクロドデカン環、ノルボルナン環、イソボルナン環、アダマンタン環、シクロドデカン環、ジシクロペンタジエン等の環から水素原子を2つ除した基が挙げられる。これらの中でも骨格の剛直性の観点から、ジシクロペンタジエン環、アダマンタン環から水素原子を2つ除した基が好ましい。
2価の脂肪族基が有していてもよい置換基としては、ヒドロキシル基、メチル基、エチル基、n−プロピル基、iso−プロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、アミル基、iso−アミル基等の炭素数1〜5のアルキル基;メトキシ基、エトキシ基等の炭素数1〜5のアルコキシ基;水酸基;ニトロ基;シアノ基;カルボキシル基等が挙げられる。これらの中でも合成容易性の観点から、無置換であることが好ましい。
また、2価の芳香族環基としては、2価の芳香族炭化水素環基及び2価の芳香族複素環基が挙げられる。その炭素数は通常4以上であり、5以上が好ましく、6以上がより好ましく、また、20以下が好ましく、15以下がより好ましく、10以下がさらに好ましい。前記下限値以上とすることで強固な膜が得られやすく、表面荒れが生じにくく、基板への密着性が良好となる傾向があり、また、前記上限値以下とすることで膜の表面平滑性や感度の悪化を抑制しやすく、解像性が向上する傾向がある。
2価の芳香族炭化水素環基における芳香族炭化水素環としては、単環であっても縮合環であってもよく、例えば、1個の遊離原子価を有する、ベンゼン環、ナフタレン環、アントラセン環、フェナントレン環、ペリレン環、テトラセン環、ピレン環、ベンズピレン環、クリセン環、トリフェニレン環、アセナフテン環、フルオランテン環、フルオレン環などの基が挙げられる。また、芳香族複素環基における芳香族複素環としては、単環であっても縮合環であってもよく、例えば、1個の遊離原子価を有する、フラン環、ベンゾフラン環、チオフェン環、ベンゾチオフェン環、ピロール環、ピラゾール環、イミダゾール環、オキサジアゾール環、インドール環、カルバゾール環、ピロロイミダゾール環、ピロロピラゾール環、ピロロピロール環、チエノピロール環、チエノチオフェン環、フロピロール環、フロフラン環、チエノフラン環、ベンゾイソオキサゾール環、ベンゾイソチアゾール環、ベンゾイミダゾール環、ピリジン環、ピラジン環、ピリダジン環、ピリミジン環、トリアジン環、キノリン環、イソキノリン環、シノリン環、キノキサリン環、フェナントリジン環、ベンゾイミダゾール環、ペリミジン環、キナゾリン環、キナゾリノン環、アズレン環などの基が挙げられる。これらの中でもパターニング特性の観点から、ベンゼン環又はナフタレン環が好ましく、ベンゼン環がより好ましい。
2価の芳香族環基が有していてもよい置換基としては、ヒドロキシル基、メチル基、メトキシ基、エチル基、エトキシ基、プロピル基、プロポキシ基等が挙げられる。これらの中でも現像溶解性、耐吸湿性の観点から、無置換が好ましい。
また、1以上の2価の脂肪族基と1以上の2価の芳香族環基とを連結した基としては、前述の2価の脂肪族基を1以上と、前述の2価の芳香族環基を1以上とを連結した基が挙げられる。
2価の脂肪族基の数は特に限定されないが、通常1以上、2以上が好ましく、通常10以下、5以下が好ましく、3以下がより好ましい。前記下限値以上とすることで強固な膜が得られやすく、表面荒れが生じにくく、基板への密着性が良好となる傾向があり、また、前記上限値以下とすることで膜の表面平滑性や感度の悪化を抑制しやすく、解像性が向上する傾向がある。
2価の芳香族環基の数は特に限定されないが、通常1以上、2以上が好ましく、通常10以下、5以下が好ましく、3以下がより好ましい。前記下限値以上とすることで強固な膜が得られやすく、表面荒れが生じにくく、基板への密着性が良好となる傾向があり、また、前記上限値以下とすることで膜の表面平滑性や感度の悪化を抑制しやすく、解像性が向上する傾向がある。
1以上の2価の脂肪族基と1以上の2価の芳香族環基とを連結した基の具体例としては、下記式(b1−A)〜(b1−E)で表される基等が挙げられる。これらの中でも骨格の剛直性と膜の疎水化の観点から、下記式(b1−A)で表される基が好ましい。
前記のとおり、式(b1)中のベンゼン環は、更に任意の置換基により置換されていてもよい。該置換基としては、例えば、ヒドロキシル基、メチル基、メトキシ基、エチル基、エトキシ基、プロピル基、プロポキシ基等が挙げられる。置換基の数も特に限定されず、1つでもよいし、2つ以上でもよい。
これらの中でもパターニング特性の観点から、無置換であることが好ましい。
また、前記式(b1)で表される繰り返し単位構造は、合成の簡易性の観点から、下記式(b1−1)で表される繰り返し単位構造であることが好ましい。
式(b1−1)中、R21及びR22は、前記式(b1)のものと同義である。RXは水素原子又は多塩基酸残基を表す。*は結合手を表す。式(b1−1)中のベンゼン環は、更に任意の置換基により置換されていてもよい。
多塩基酸残基とは、多塩基酸又はその無水物からOH基を1つ除した1価の基を意味する。多塩基酸としては、マレイン酸、コハク酸、イタコン酸、フタル酸、テトラヒドロフタル酸、ヘキサヒドロフタル酸、ピロメリット酸、トリメリット酸、ベンゾフェノンテトラカルボン酸、メチルヘキサヒドロフタル酸、エンドメチレンテトラヒドロフタル酸、クロレンド酸、メチルテトラヒドロフタル酸、ビフェニルテトラカルボン酸から選ばれた1種又は2種以上が挙げられる。
これらの中でもパターニング特性の観点から、好ましくは、マレイン酸、コハク酸、イタコン酸、フタル酸、テトラヒドロフタル酸、ヘキサヒドロフタル酸、ピロメリット酸、トリメリット酸、ビフェニルテトラカルボン酸であり、より好ましくは、テトラヒドロフタル酸、ビフェニルテトラカルボン酸、テトラヒドロフタル酸、ビフェニルテトラカルボン酸である。
(b1)エポキシ(メタ)アクリレート樹脂1分子中に含まれる、前記式(b1−1)で表される繰り返し単位構造は、1種でも2種以上でもよく、例えば、RXが水素原子のものと、RXが多塩基酸残基のものが混在していてもよい。
また、(b1)エポキシ(メタ)アクリレート樹脂1分子中に含まれる、前記式(b1)で表される繰り返し単位構造の数は特に限定されないが、1以上が好ましく、3以上がより好ましく、また、20以下が好ましく、15以下がさらに好ましい。前記下限値以上とすることで強固な膜が得られやすく、表面荒れが生じにくくなる傾向があり、また、前記上限値以下とすることで膜の表面平滑性や感度の悪化を抑制しやすく、解像性が向上する傾向がある。
(b1)エポキシ(メタ)アクリレート樹脂の重量平均分子量(Mw)は特に限定されないが、1000以上が好ましく、1500以上がより好ましく、2000以上がさらに好ましく、3000以上が特に好ましく、また、30000以下が好ましく、20000以下がより好ましく、10000以下がさらに好ましく、8000以下が特に好ましい。前記下限値以上とすることで着色感光性樹脂組成物の残膜率が良好となる傾向があり、また、前記上限値以下とすることで解像性が良好となる傾向がある。
(b1)エポキシ(メタ)アクリレート樹脂の、酸価は特に限定されないが、10mgKOH/g以上が好ましく、20mgKOH/g以上がより好ましく、40mgKOH/g以上がさらに好ましく、50mgKOH/g以上がよりさらに好ましく、80mgKOH/g以上が特に好ましく、また、200mgKOH/g以下が好ましく、150mgKOH/g以下がより好ましく、130mgKOH/g以下がよりさらに好ましく、110mgKOH/g以下が特に好ましい。前記下限値以上とすることで現像溶解性が向上し、解像性が良好となる傾向があり、また、前記上限値以下とすることで着色感光性樹脂組成物の残膜率が良好となる傾向がある。
以下に(b1)エポキシ(メタ)アクリレート樹脂の具体例を挙げる。
((b2)エポキシ(メタ)アクリレート樹脂)
次に、前記一般式(b2)で表される部分構造を有するエポキシ(メタ)アクリレート樹脂(以下、「(b2)エポキシ(メタ)アクリレート樹脂」と略記する。)について詳述する。
式(b2)中、R23は各々独立に、水素原子又はメチル基を表す。R24は、環状炭化水素基を側鎖として有する2価の炭化水素基を表す。R25及びR26は各々独立に、置換基を有していてもよい2価の脂肪族基を表す。m及びnは各々独立に0〜2の整数を表す。*は結合手を表す。
(R24
前記一般式(b2)において、R24は、環状炭化水素基を側鎖として有する2価の炭化水素基を表す。
環状炭化水素基としては、脂肪族環基又は芳香族環基が挙げられる。
脂肪族環基が有する環の数は特に限定されないが、通常1以上、2以上が好ましく、また、通常10以下、5以下が好ましく、3以下がより好ましい。前記下限値以上とすることで強固な膜が得られやすく、表面荒れが生じにくくなる傾向があり、また、前記上限値以下とすることで膜の表面平滑性や感度の悪化を抑制しやすく、解像性が向上する傾向がある。
また、脂肪族環基の炭素数は通常4以上であり、6以上が好ましく、8以上がより好ましく、また、40以下が好ましく、30以下がより好ましく、20以下がさらに好ましく、15以下が特に好ましい。前記下限値以上とすることで強固な膜が得られやすく、表面荒れが生じにくくなる傾向があり、また、前記上限値以下とすることで膜の表面平滑性や感度の悪化を抑制しやすく、解像性が向上するとなる傾向がある。
脂肪族環基における脂肪族環の具体例としてはシクロヘキサン環、シクロヘプタン環、シクロデカン環、シクロドデカン環、ノルボルナン環、イソボルナン環、アダマンタン環、シクロドデカン環等が挙げられる。これらの中でも着色感光性樹脂組成物の残膜率と解像性の観点から、アダマンタン環が好ましい。
一方で、芳香族環基が有する環の数は特に限定されないが、通常1以上、2以上が好ましく、3以上がより好ましく、また、通常10以下、5以下が好ましく、4以下がより好ましい。前記下限値以上とすることで強固な膜が得られやすく、表面荒れが生じにくくなる傾向があり、また、前記上限値以下とすることで膜の表面平滑性や感度の悪化を抑制しやすく、解像性が向上するとなる傾向がある。
芳香族環基としては、芳香族炭化水素環基、芳香族複素環基が挙げられる。また、芳香族環基の炭素数は通常4以上であり、6以上が好ましく、8以上がより好ましく、10以上がよりさらに好ましく、12以上が特に好ましく、また、40以下が好ましく、30以下がより好ましく、20以下がさらに好ましく、15以下が特に好ましい。前記下限値以上とすることで強固な膜が得られやすく、表面荒れが生じにくくなる傾向があり、また、前記上限値以下とすることでパターニング特性が良好となる傾向がある。
芳香族環基における芳香族環の具体例としては、ベンゼン環、ナフタレン環、アントラセン環、フェナントレン環、ペリレン環、テトラセン環、ピレン環、ベンズピレン環、クリセン環、トリフェニレン環、アセナフテン環、フルオランテン環、フルオレン環等が挙げられる。これらの中でもパターニング特性の観点から、フルオレン環が好ましい。
また、環状炭化水素基を側鎖として有する2価の炭化水素基における、2価の炭化水素基は特に限定されないが、例えば、2価の脂肪族基、2価の芳香族環基、1以上の2価の脂肪族基と1以上の2価の芳香族環基とを連結した基が挙げられる。
2価の脂肪族基は、直鎖状、分岐鎖状、環状のものが挙げられる。これらの中でも現像溶解性の観点からは直鎖状のものが好ましく、一方で露光部への現像液の浸透低減の観点からは環状のものが好ましい。その炭素数は通常1以上であり、3以上が好ましく、6以上がより好ましく、また、25以下が好ましく、20以下がより好ましく、15以下がさらに好ましい。前記下限値以上とすることで強固な膜が得られやすく、表面荒れが生じにくく、基板への密着性が良好となる傾向があり、また、前記上限値以下とすることで膜の表面平滑性や感度の悪化を抑制しやすく、解像性が向上する傾向がある。
2価の直鎖状脂肪族基の具体例としては、メチレン基、エチレン基、n−プロピレン基、n−ブチレン基、n−ヘキシレン基、n−ヘプチレン基等が挙げられる。これらの中でも骨格の剛直性の観点から、メチレン基が好ましい。
2価の分岐鎖状脂肪族基の具体例としては、iso−プロピル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、iso−アミル基等が挙げられる。これらの中でも骨格の剛直性の観点から、tert−ブチル基が好ましい。
2価の環状の脂肪族基が有する環の数は特に限定されないが、通常1以上、2以上が好ましく、また、通常10以下、5以下、さらに好ましくは3以下が好ましい。前記下限値以上とすることで強固な膜となり、基板密着性と良好となる傾向があり、また、前記上限値以下とすることで膜の表面平滑性や感度の悪化を抑制しやすく、解像性が向上する傾向がある。2価の環状の脂肪族基の具体例としては、シクロヘキサン環、シクロヘプタン環、シクロデカン環、シクロドデカン環、ノルボルナン環、イソボルナン環、アダマンタン環、シクロドデカン環等の環から水素原子を2つ除した基が挙げられる。これらの中でも骨格の剛直性の観点から、アダマンタン環から水素原子を2つ除した基が好ましい。
2価の脂肪族基が有していてもよい置換基としては、ヒドロキシル基、メチル基、エチル基、n−プロピル基、iso−プロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、アミル基、iso−アミル基等の炭素数1〜5のアルキル基;メトキシ基、エトキシ基等の炭素数1〜5のアルコキシ基;水酸基;ニトロ基;シアノ基;カルボキシル基等が挙げられる。これらの中でも合成容易性の観点から、無置換であることが好ましい。
また、2価の芳香族環基としては、2価の芳香族炭化水素環基及び2価の芳香族複素環基が挙げられる。その炭素数は通常4以上であり、5以上が好ましく、6以上がより好ましく、また、30以下が好ましく、20以下がより好ましく、15以下がさらに好ましい。前記下限値以上とすることで強固な膜が得られやすく、表面荒れが生じにくく、基板への密着性が良好となる傾向があり、また、前記上限値以下とすることで膜の表面平滑性や感度の悪化を抑制しやすく、解像性が向上する傾向がある。
2価の芳香族炭化水素環基における芳香族炭化水素環としては、単環であっても縮合環であってもよく、例えば、ベンゼン環、ナフタレン環、アントラセン環、フェナントレン環、ペリレン環、テトラセン環、ピレン環、ベンズピレン環、クリセン環、トリフェニレン環、アセナフテン環、フルオランテン環、フルオレン環などの基が挙げられる。また、芳香族複素環基における芳香族複素環としては、単環であっても縮合環であってもよく、例えば、1個の遊離原子価を有する、フラン環、ベンゾフラン環、チオフェン環、ベンゾチオフェン環、ピロール環、ピラゾール環、イミダゾール環、オキサジアゾール環、インドール環、カルバゾール環、ピロロイミダゾール環、ピロロピラゾール環、ピロロピロール環、チエノピロール環、チエノチオフェン環、フロピロール環、フロフラン環、チエノフラン環、ベンゾイソオキサゾール環、ベンゾイソチアゾール環、ベンゾイミダゾール環、ピリジン環、ピラジン環、ピリダジン環、ピリミジン環、トリアジン環、キノリン環、イソキノリン環、シノリン環、キノキサリン環、フェナントリジン環、ベンゾイミダゾール環、ペリミジン環、キナゾリン環、キナゾリノン環、アズレン環などの基が挙げられる。これらの中でもパターニング特性の観点から、ベンゼン環又はナフタレン環が好ましく、フルオレン環がより好ましい。
2価の芳香族環基が有していてもよい置換基としては、ヒドロキシル基、メチル基、メトキシ基、エチル基、エトキシ基、プロピル基、プロポキシ基等が挙げられる。これらの中でも現像溶解性の観点から、無置換が好ましい。
また、1以上の2価の脂肪族基と1以上の2価の芳香族環基とを連結した基としては、前述の2価の脂肪族基を1以上と、前述の2価の芳香族環基を1以上とを連結した基が挙げられる。
2価の脂肪族基の数は特に限定されないが、通常1以上、2以上が好ましく、通常10以下、5以下が好ましく、3以下がより好ましい。前記下限値以上とすることで強固な膜が得られやすく、表面荒れが生じにくく、基板への密着性が良好となる傾向があり、また、前記上限値以下とすることで膜の表面平滑性や感度の悪化を抑制しやすく、解像性が向上する傾向がある。
2価の芳香族環基の数は特に限定されないが、通常1以上、2以上が好ましく、通常10以下、5以下が好ましく、3以下がより好ましい。前記下限値以上とすることで強固な膜が得られやすく、表面荒れが生じにくく、基板への密着性が良好となる傾向があり、また、前記上限値以下とすることで膜の表面平滑性や感度の悪化を抑制しやすく、解像性が向上する傾向がある。
1以上の2価の脂肪族基と1以上の2価の芳香族環基とを連結した基の具体例としては、前記式(b1−A)〜(b1−E)で表される基等が挙げられる。これらの中でも骨格の剛直性と膜の疎水化の観点から、前記式(b1−A)で表される基が好ましい。
これらの2価の炭化水素基に対して、側鎖である環状炭化水素基の結合態様は特に限定されないが、例えば、脂肪族基や芳香族環基の水素原子1つを該側鎖で置換した態様や、脂肪族基の炭素原子の1つを含めて側鎖である環状炭化水素基を構成した態様が挙げられる。
(R25、26
前記一般式(b2)において、R25及びR26は各々独立に、置換基を有していてもよい2価の脂肪族基を表す。
2価の脂肪族基は、直鎖状、分岐鎖状、環状のものが挙げられる。これらの中でも現像溶解性の観点からは直鎖状のものが好ましく、一方で露光部への現像液の浸透低減の観点からは環状のものが好ましい。その炭素数は通常1以上であり、3以上が好ましく、6以上がより好ましく、また、20以下が好ましく、15以下がより好ましく、10以下がさらに好ましい。前記下限値以上とすることで強固な膜が得られやすく、表面荒れが生じにくく、基板への密着性が良好となる傾向があり、また、前記上限値以下とすることで膜の表面平滑性や感度の悪化を抑制しやすく、解像性が向上する傾向がある。
2価の直鎖状脂肪族基の具体例としては、メチレン基、エチレン基、n−プロピレン基、n−ブチレン基、n−ヘキシレン基、n−ヘプチレン基等が挙げられる。これらの中でも骨格の剛直性の観点から、メチレン基が好ましい。
2価の分岐鎖状脂肪族基の具体例としては、iso−プロピル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、iso−アミル基等が挙げられる。
2価の環状の脂肪族基が有する環の数は特に限定されないが、通常1以上、2以上が好ましく、また、通常12以下、10以下が好ましい。前記下限値以上とすることで強固な膜となり、基板密着性が良好となる傾向があり、また、前記上限値以下とすることで膜の表面平滑性や感度の悪化を抑制しやすく、解像性が向上する傾向がある。2価の環状の脂肪族基の具体例としては、シクロヘキサン環、シクロヘプタン環、シクロデカン環、シクロドデカン環、ノルボルナン環、イソボルナン環、アダマンタン環、シクロドデカン環、ジシクロペンタジエン等の環から水素原子を2つ除した基が挙げられる。これらの中でも骨格の剛直性の観点から、ジシクロペンタジエン環、アダマンタン環から水素原子を2つ除した基が好ましい。
2価の脂肪族基が有していてもよい置換基としては、ヒドロキシル基、メチル基、エチル基、n−プロピル基、iso−プロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、アミル基、iso−アミル基等の炭素数1〜5のアルキル基;メトキシ基、エトキシ基等の炭素数1〜5のアルコキシ基;水酸基;ニトロ基;シアノ基;カルボキシル基等が挙げられる。これらの中でも合成容易性の観点から、無置換であることが好ましい。
(m、n)
前記一般式(b2)において、m及びnは0〜2の整数を表す。前記下限値以上とすることでパターニング適正が良好となり、表面荒れが生じにくくなる傾向があり、また、前記上限値以下とすることで現像性が良好となる傾向がある。現像性の観点からm及びnが0であることが好ましく、一方で、パターニング適正、表面荒れの観点からm及びnが1以上であることが好ましい。
また、前記一般式(b2)で表される部分構造は、基板への密着性の観点から、下記一般式(b2−1)で表される部分構造であることが好ましい。
式(b2−1)中、R23、R25、R26、m及びnは前記式(b2)と同義である。Rαは、置換基を有していてもよい1価の環状炭化水素基を表す。pは1以上の整数である。式(b2−1)中のベンゼン環は、更に任意の置換基により置換されていてもよい。*は結合手を表す。
(Rα
前記一般式(b2−1)において、Rαは、1価の環状炭化水素基を表す。
環状炭化水素基としては、脂肪族環基又は芳香族環基が挙げられる。
脂肪族環基が有する環の数は特に限定されないが、通常1以上、2以上が好ましく、また、通常6以下、4以下が好ましく、3以下がより好ましい。前記下限値以上とすることで強固な膜が得られやすく、表面荒れが生じにくくなる傾向があり、また、前記上限値以下とすることでパターニング特性が良好となる傾向がある。
また、脂肪族環基の炭素数は通常4以上であり、6以上が好ましく、8以上がより好ましく、また、40以下が好ましく、30以下がより好ましく、20以下がさらに好ましく、15以下が特に好ましい。前記下限値以上とすることで強固な膜が得られやすく、表面荒れが生じにくくなる傾向があり、また、前記上限値以下とすることでパターニング特性が良好となる傾向がある。
脂肪族環基における脂肪族環の具体例としてはシクロヘキサン環、シクロヘプタン環、シクロデカン環、シクロドデカン環、ノルボルナン環、イソボルナン環、アダマンタン環、シクロドデカン環等が挙げられる。これらの中でも強固な膜特性の観点から、アダマンタン環が好ましい。
一方で、芳香族環基が有する環の数は特に限定されないが、通常1以上、2以上が好ましく、3以上がより好ましく、また、通常10以下、5以下が好ましい。前記下限値以上とすることで強固な膜が得られやすく、表面荒れが生じにくくなる傾向があり、また、前記上限値以下とすることでパターニング特性が良好となる傾向がある。
芳香族環基としては、芳香族炭化水素環基、芳香族複素環基が挙げられるまた、芳香族環基の炭素数は通常4以上であり、5以上が好ましく、6以上がより好ましく、また、30以下が好ましく、20以下がより好ましく、15以下がさらに好ましい。前記下限値以上とすることで強固な膜が得られやすく、表面荒れが生じにくくなる傾向があり、また、前記上限値以下とすることでパターニング特性が良好となる傾向がある。
芳香族環基における芳香族環の具体例としては、ベンゼン環、ナフタレン環、アントラセン環、フェナントレン環、フルオレン環等が挙げられる。これらの中でも現像溶解性の観点から、フルオレン環が好ましい。
環状炭化水素基が有していてもよい置換基としては、ヒドロキシル基、メチル基、エチル基、n−プロピル基、iso−プロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、アミル基、iso−アミル基等の炭素数1〜5のアルキル基;メトキシ基、エトキシ基等の炭素数1〜5のアルコキシ基;水酸基;ニトロ基;シアノ基;カルボキシル基等が挙げられる。これらの中でも合成の容易性の観点から、無置換が好ましい。
pは1以上の整数を表すが、2以上が好ましく、また、3以下が好ましい。前記下限値以上とすることで膜硬化度と残膜率が良好となる傾向があり、また、前記上限値以下とすることで現像性が良好となる傾向がある。
これらの中でも、強固な膜硬化度の観点から、Rαが1価の脂肪族環基であることが好ましく、アダマンチル基であることがより好ましい。
前記のとおり、式(b2−1)中のベンゼン環は、更に任意の置換基により置換されていてもよい。該置換基としては、例えば、ヒドロキシル基、メチル基、メトキシ基、エチル基、エトキシ基、プロピル基、プロポキシ基等が挙げられる。置換基の数も特に限定されず、1つでもよいし、2つ以上でもよい。
これらの中でもパターニング特性の観点から、無置換であることが好ましい。
以下に前記式(b2−1)で表される部分構造の具体例を挙げる。
また、前記一般式(b2)で表される部分構造は、骨格の剛直性、及び膜疎水化の観点から、下記一般式(b2−2)で表される部分構造であることが好ましい。
式(b2−2)中、R23、R25、R26、m及びnは前記式(b2)と同義である。Rβは、置換基を有していてもよい2価の環状炭化水素基を表す。式(b2−2)中のベンゼン環は、更に任意の置換基により置換されていてもよい。*は結合手を表す。
(Rβ
前記式(b2−2)において、Rβは、2価の環状炭化水素基を表す。
環状炭化水素基としては、脂肪族環基又は芳香族環基が挙げられる。
脂肪族環基が有する環の数は特に限定されないが、通常1以上、2以上が好ましく、また、通常10以下、5以下が好ましい。前記下限値以上とすることで強固な膜が得られやすく、表面荒れが生じにくくなる傾向があり、また、前記上限値以下とすることで膜の表面平滑性や感度の悪化を抑制しやすく、解像性が向上する傾向がある。
また、脂肪族環基の炭素数は通常4以上であり、6以上が好ましく、8以上がより好ましく、また、40以下が好ましく、35以下がより好ましく、30以下がさらに好ましい。前記下限値以上とすることで現像時の膜あれの抑制する傾向があり、また、前記上限値以下とすることで膜の表面平滑性や感度の悪化を抑制しやすく、解像性が向上するとなる傾向がある。
脂肪族環基における脂肪族環の具体例としては、シクロヘキサン環、シクロヘプタン環、シクロデカン環、シクロドデカン環、ノルボルナン環、イソボルナン環、アダマンタン環、シクロドデカン環等が挙げられる。これらの中でも保存安定性の観点から、アダマンタン環が好ましい。
一方で、芳香族環基が有する環の数は特に限定されないが、通常1以上、2以上が好ましく、3以上がより好ましく、また、通常10以下、5以下が好ましい。前記下限値以上とすることで強固な膜が得られやすく、表面荒れが生じにくくなる傾向があり、また、前記上限値以下とすることで膜の表面平滑性や感度の悪化を抑制しやすく、解像性が向上する傾向がある。
芳香族環基としては、芳香族炭化水素環基、芳香族複素環基が挙げられるまた、芳香族環基の炭素数は通常4以上であり、6以上が好ましく、8以上がより好ましく、10以上がさらに好ましく、また、40以下が好ましく、30以下がより好ましく、20以下がさらに好ましく、15以下が特に好ましい。前記下限値以上とすることで強固な膜が得られやすく、表面荒れが生じにくくなる傾向があり、また、前記上限値以下とすることで膜の表面平滑性や感度の悪化を抑制しやすく、解像性が向上する傾向がある。
芳香族環基における芳香族環の具体例としては、ベンゼン環、ナフタレン環、アントラセン環、フェナントレン環、フルオレン環等が挙げられる。これらの中でも現像性の観点から、フルオレン環が好ましい。
環状炭化水素基が有していてもよい置換基としては、ヒドロキシル基、メチル基、エチル基、n−プロピル基、iso−プロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、アミル基、iso−アミル基等の炭素数1〜5のアルキル基;メトキシ基、エトキシ基等の炭素数1〜5のアルコキシ基;水酸基;ニトロ基;シアノ基;カルボキシル基等が挙げられる。これらの中でも合成の簡易性の観点から、無置換が好ましい。
これらの中でも、保存安定性及び電気特性の観点から、Rβが2価の脂肪族環基であることが好ましく、2価のアダマンタン環基であることがより好ましい。
一方で、塗膜の低吸湿性及びパターニング特性の観点から、Rβが2価の芳香族環基であることが好ましく、2価のフルオレン環基であることがより好ましい。
前記のとおり、式(b2−2)中のベンゼン環は、更に任意の置換基により置換されていてもよい。該置換基としては、例えば、ヒドロキシル基、メチル基、メトキシ基、エチル基、エトキシ基、プロピル基、プロポキシ基等が挙げられる。置換基の数も特に限定されず、1つでもよいし、2つ以上でもよい。
これらの中でもパターニング特性の観点から、無置換であることが好ましい。また、膜減り等を生じにくくする観点から、メチル基置換であることが好ましい。
以下に前記式(b2−2)で表される部分構造の具体例を挙げる。
一方で、前記式(b2)で表される部分構造は、塗膜残膜率とパターニング特性の観点から、下記式(b2−3)で表される部分構造であることが好ましい。
式(b2−3)中、R23、R24、R25、R26、m及びnは前記式(b2)と同義である。RZは水素原子又は多塩基酸残基を表す。
多塩基酸残基とは、多塩基酸又はその無水物からOH基を1つ除した1価の基を意味する。なお、さらにもう1つのOH基が除され、式(b2−3)で表される他の分子におけるRZと共用されていてもよく、つまり、RZを介して複数の式(b2−3)が連結していてもよい。
多塩基酸としては、マレイン酸、コハク酸、イタコン酸、フタル酸、テトラヒドロフタル酸、ヘキサヒドロフタル酸、ピロメリット酸、トリメリット酸、ベンゾフェノンテトラカルボン酸、メチルヘキサヒドロフタル酸、エンドメチレンテトラヒドロフタル酸、クロレンド酸、メチルテトラヒドロフタル酸、ビフェニルテトラカルボン酸から選ばれた1種又は2種以上が挙げられる。
これらの中でもパターニング特性の観点から、好ましくは、マレイン酸、コハク酸、イタコン酸、フタル酸、テトラヒドロフタル酸、ヘキサヒドロフタル酸、ピロメリット酸、トリメリット酸、ビフェニルテトラカルボン酸であり、より好ましくは、テトラヒドロフタル酸、ビフェニルテトラカルボン酸、テトラヒドロフタル酸、ビフェニルテトラカルボン酸である。
(b2)エポキシ(メタ)アクリレート樹脂1分子中に含まれる、前記式(b2−3)で表される部分構造は、1種でも2種以上でもよく、例えば、RZが水素原子のものと、RZが多塩基酸残基のものが混在していてもよい。
また、(b2)エポキシ(メタ)アクリレート樹脂1分子中に含まれる、前記式(b2)で表される部分構造の数は特に限定されないが、1以上が好ましく、3以上がより好ましく、また、20以下が好ましく、15以下がより好ましく、10以下がさらに好ましい。前記下限値以上とすることで強固な膜が得られやすく、表面荒れが生じにくく、電気特性が良好となる傾向があり、また、前記上限値以下とすることで膜の表面平滑性や感度の悪化を抑制しやすく、解像性が向上する傾向がある。
(b2)エポキシ(メタ)アクリレート樹脂の重量平均分子量(Mw)は特に限定されないが、1000以上が好ましく、2000以上がより好ましく、3000以上がさらに好ましく、3500以上が特に好ましく、また、30000以下が好ましく、20000以下がより好ましく、15000以下がさらに好ましく、12000以下がよりさらに好ましく、10000以下が特に好ましい。前記下限値以上とすることでパターニング特性が良好となる傾向があり、また、前記上限値以下とすることで強固な膜が得られやすく、表面荒れが生じにくい傾向がある。
(b2)エポキシ(メタ)アクリレート樹脂の酸価は特に限定されないが、10mgKOH/g以上が好ましく、20mgKOH/g以上がより好ましく、40mgKOH/g以上がさらに好ましく、60mgKOH/g以上がよりさらに好ましく、80mgKOH/g以上が特に好ましく、また、200mgKOH/g以下が好ましく、170mgKOH/g以下がより好ましく、150mgKOH/g以下がさらに好ましい。前記下限値以上とすることで強固な膜が得られやすくなる傾向があり、また、前記上限値以下とすることで現像溶解性が向上し、解像性が良好となる傾向がある。
エポキシ(メタ)アクリレート樹脂は他のアルカリ可溶性樹脂と併用してもよく、着色感光性樹脂組成物に通常使用される樹脂から選択することができる。例えば、特開2007−271727号公報、特開2007−316620号公報、特開2007−334290号公報などに記載のバインダー樹脂などが挙げられる。なお、これらはいずれも、1種類を単独で用いても、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
また、(b)アルカリ可溶性樹脂として、製版性の観点から、アクリル系樹脂を用いることが好ましく、特開2014−137466号公報に記載のものを好ましく用いることができる。
アクリル系樹脂としては、例えば、1個以上のカルボキシル基を有するエチレン性不飽和単量体(以下、「不飽和単量体(b1)」という。)と他の共重合可能なエチレン性不飽和単量体(以下、「不飽和単量体(b2)」という。)との共重合体を挙げることができる。
不飽和単量体(b1)としては、例えば、(メタ)アクリル酸、クロトン酸、α−クロルアクリル酸、けい皮酸の如き不飽和モノカルボン酸;マレイン酸、無水マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、無水イタコン酸、シトラコン酸、無水シトラコン酸、メサコン酸の如き不飽和ジカルボン酸又はその無水物;こはく酸モノ〔2−(メタ)アクリロイロキシエチル〕、フタル酸モノ〔2−(メタ)アクリロイロキシエチル〕の如き2価以上の多価カルボン酸のモノ〔(メタ)アクリロイロキシアルキル〕エステル;ω−カルボキシポリカプロラクトンモノ(メタ)アクリレートの如き両末端にカルボキシ基と水酸基とを有するポリマーのモノ(メタ)アクリレート;p−ビニル安息香酸等を挙げることができる。
これらの不飽和単量体(b1)は、単独で又は2種以上を混合して使用することができる。
また、不飽和単量体(b2)としては、例えば、N−フェニルマレイミド、N−シクロヘキシルマレイミドの如きN−位置換マレイミド;スチレン、α−メチルスチレン、p−ヒドロキシスチレン、p−ヒドロキシ−α−メチルスチレン、p−ビニルベンジルグリシジルエーテル、アセナフチレンの如き芳香族ビニル化合物;
メチル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、アリル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、ポリエチレングルコール(重合度2〜10)メチルエーテル(メタ)アクリレート、ポリプロピレングルコール(重合度2〜10)メチルエーテル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール(重合度2〜10)モノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコール(重合度2〜10)モノ(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン−8−イル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、グリセロールモノ(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシフェニル(メタ)アクリレート、パラクミルフェノールのエチレンオキサイド変性(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル(メタ)アクリレート、3−〔(メタ)アクリロイルオキシメチル〕オキセタン、3−〔(メタ)アクリロイルオキシメチル〕−3−エチルオキセタンの如き(メタ)アクリル酸エステル;
シクロヘキシルビニルエーテル、イソボルニルビニルエーテル、トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン−8−イルビニルエーテル、ペンタシクロペンタデカニルビニルエーテル、3−(ビニルオキシメチル)−3−エチルオキセタンの如きビニルエーテル;ポリスチレン、ポリメチル(メタ)アクリレート、ポリ−n−ブチル(メタ)アクリレート、ポリシロキサンの如き重合体分子鎖の末端にモノ(メタ)アクリロイル基を有するマクロモノマー等を挙げることができる。
これらの不飽和単量体(b2)は、単独で又は2種以上を混合して使用することができる。
不飽和単量体(b1)と不飽和単量体(b2)の共重合体において、該共重合体中の不飽和単量体(b1)の共重合割合は、好ましくは5〜50質量%、更に好ましくは10〜40質量%である。このような範囲で不飽和単量体(b1)を共重合させることにより、アルカリ現像性及び保存安定性に優れた着色感光性樹脂組成物を得ることができる傾向がある。
不飽和単量体(b1)と不飽和単量体(b2)の共重合体の具体例としては、例えば、特開平7−140654号公報、特開平8−259876号公報、特開平10−31308号公報、特開平10−300922号公報、特開平11−174224号公報、特開平11−258415号公報、特開2000−56118号公報、特開2004−101728号公報等に開示されている共重合体を挙げることができる。
不飽和単量体(b1)と不飽和単量体(b2)の共重合体は、公知の方法により製造することができるが、例えば、特開2003−222717号公報、特開2006−259680号公報、国際公開第2007/029871号パンフレット等に開示されている方法により、その構造やMw、Mw/Mnを制御することもできる。
<(c)光重合開始剤>
本発明の着色感光性樹脂組成物における(c)光重合開始剤は、露光工程において光開裂しラジカルを発生する。必要に応じて重合促進剤(連鎖移動剤)、増感色素等の付加剤を添加して使用してもよい。
光重合開始剤としては、例えば、特開昭59−152396号公報、特開昭61−151197号公報に記載のチタノセン化合物を含むメタロセン化合物;特開2000−56118号公報に記載のヘキサアリールビイミダゾール誘導体;特開平10−39503号公報記載のハロメチル化オキサジアゾール誘導体、ハロメチル−s−トリアジン誘導体、N−フェニルグリシン等のN−アリール−α−アミノ酸類、N−アリール−α−アミノ酸塩類、N−アリール−α−アミノ酸エステル類等のラジカル活性剤、α−アミノアルキルフェノン誘導体;特開2000−80068号公報、特開2006−36750号公報等に記載されているオキシムエステル誘導体等が挙げられる。
具体的には、例えば、チタノセン誘導体類としては、ジシクロペンタジエニルチタニウムジクロリド、ジシクロペンタジエニルチタニウムビスフェニル、ジシクロペンタジエニルチタニウムビス(2,3,4,5,6−ペンタフルオロフェニ−1−イル)、ジシクロペンタジエニルチタニウムビス(2,3,5,6−テトラフルオロフェニ−1−イル)、ジシクロペンタジエニルチタニウムビス(2,4,6−トリフルオロフェニ−1−イル)、ジシクロペンタジエニルチタニウムジ(2,6−ジフルオロフェニ−1−イル)、ジシクロペンタジエニルチタニウムジ(2,4−ジフルオロフェニ−1−イル)、ジ(メチルシクロペンタジエニル)チタニウムビス(2,3,4,5,6−ペンタフルオロフェニ−1−イル)、ジ(メチルシクロペンタジエニル)チタニウムビス(2,6−ジフルオロフェニ−1−イル)、ジシクロペンタジエニルチタニウム〔2,6−ジ−フルオロ−3−(ピロ−1−イル)−フェニ−1−イル〕等が挙げられる。
また、ビイミダゾール誘導体類としては、2−(2’−クロロフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール2量体、2−(2’−クロロフェニル)−4,5−ビス(3’−メトキシフェニル)イミダゾール2量体、2−(2’−フルオロフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール2量体、2−(2’−メトキシフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール2量体、(4’−メトキシフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール2量体等が挙げられる。
また、ハロメチル化オキサジアゾール誘導体類としては、2−トリクロロメチル−5−(2’−ベンゾフリル)−1,3,4−オキサジアゾール、2−トリクロロメチル−5−〔β−(2’−ベンゾフリル)ビニル〕−1,3,4−オキサジアゾール、2−トリクロロメチル−5−〔β−(2’−(6”−ベンゾフリル)ビニル)〕−1,3,4−オキサジアゾール、2−トリクロロメチル−5−フリル−1,3,4−オキサジアゾール等が挙げられる。
また、ハロメチル−s−トリアジン誘導体類としては、2−(4−メトキシフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(4−メトキシナフチル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(4−エトキシナフチル)
−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(4−エトキシカルボニルナフチル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン等が挙げられる。
また、α−アミノアルキルフェノン誘導体類としては、2−メチル−1〔4−(メチルチオ)フェニル〕−2−モルフォリノプロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン−1、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)ブタン−1−オン、4−ジメチルアミノエチルベンゾエ−ト、4−ジメチルアミノイソアミルベンゾエ−ト、4−ジエチルアミノアセトフェノン、4−ジメチルアミノプロピオフェノン、2−エチルヘキシル−1,4−ジメチルアミノベンゾエート、2,5−ビス(4−ジエチルアミノベンザル)シクロヘキサノン、7−ジエチルアミノ−3−(4−ジエチルアミノベンゾイル)クマリン、4−(ジエチルアミノ)カルコン等が挙げられる。
光重合開始剤としては、特に、感度や製版性の点でオキシムエステル系化合物が有効であり、フェノール性水酸基を含むアルカリ可溶性樹脂を用いる場合などは、感度の点で不利になるため、特にこのような感度に優れたオキシムエステル系化合物が有用である。
オキシムエステル系化合物としては、例えば、国際公開第2008/075564号パンフレットに記載のもの、国際公開第2009/131189号パンフレットに記載のもの、特開2011−132215号公報に記載のもの、国際公開第2008/078678号パンフレットに記載のもの、特表2014−500852号公報に記載のものなどが挙げられる。
オキシムエステル系化合物の化学構造は特に限定されないが、感度の観点から下記一般式(II)で表されるものが好ましい。
式(II)中、R33は置換基を有していてもよいアルキル基又は置換基を有していてもよい芳香族環基を表す。
34は置換基を有していてもよいアルキル基又は置換基を有していてもよい芳香族環基を表す。
pは0又は1を表す。
35は−CO−(R39)、−O−(R40)又はニトロ基を表す。R39及びR40は各々独立に、水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよい芳香族環基、シアノ基又はニトロ基を表す。qは0〜4の整数を表す。
Xは−N(R36)−又は−C(R37)(R38)−を表す。
36〜R38は各々独立に、水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基又は置換基を有していてもよい芳香族環基を表す。R37とR38は相互に結合して環を形成していてもよい。
(R33
前記式(II)中、R33は置換基を有していてもよいアルキル基又は置換基を有していてもよい芳香族環基を表す。
33におけるアルキル基としては直鎖状、分岐鎖状又は環状のアルキル基が挙げられる。その炭素数は特に限定されないが、感度の観点から1以上であることが好ましい。また、感度の観点から20以下であることが好ましく、10以下であることがより好ましく、5以下であることがさらに好ましく、3以下であることが特に好ましい。
アルキル基の具体例としては、メチル基、エチル基、プロピル基などが挙げられ、これらの中でも感度の観点から、メチル基又はエチル基が好ましく、メチル基がより好ましい。
アルキル基が有していてもよい置換基としては、ハロゲン原子、水酸基、カルボキシル基、アミノ基、アミド基などが挙げられ、アルカリ現像性の観点から水酸基、カルボキシル基が好ましく、カルボキシル基がより好ましく、他方合成容易性の観点からは無置換であることが好ましい。
33における芳香族環基としては、芳香族炭化水素環基及び芳香族複素環基が挙げられる。その炭素数は30以下であることが好ましく、12以下であることがより好ましく、8以下であることがさらに好ましく、通常4以上であり、6以上であることが好ましい。前記上限値以下とすることで、感度が向上する傾向があり、前記下限値以上とすることで合成が容易になる傾向がある。
芳香族炭化水素環基は、1個の遊離原子価を有する芳香族炭化水素環を意味する。芳香族炭化水素環基の芳香族炭化水素環としては、単環であっても縮合環であってもよく、例えば、ベンゼン環、ナフタレン環、アントラセン環、フェナントレン環、ペリレン環、テトラセン環、ピレン環、ベンズピレン環、クリセン環、トリフェニレン環、アセナフテン環、フルオランテン環、フルオレン環などが挙げられる。
また、芳香族複素環基は、1個の遊離原子化を有する芳香族複素環を意味する。芳香族複素環基の芳香族複素環としては、単環であっても縮合環であってもよく、例えば、フラン環、ベンゾフラン環、チオフェン環、ベンゾチオフェン環、ピロール環、ピラゾール環、イミダゾール環、オキサジアゾール環、インドール環、カルバゾール環、ピロロイミダゾール環、ピロロピラゾール環、ピロロピロール環、チエノピロール環、チエノチオフェン環、フロピロール環、フロフラン環、チエノフラン環、ベンゾイソオキサゾール環、ベンゾイソチアゾール環、ベンゾイミダゾール環、ピリジン環、ピラジン環、ピリダジン環、ピリミジン環、トリアジン環、キノリン環、イソキノリン環、シノリン環、キノキサリン環、フェナントリジン環、ベンゾイミダゾール環、ペリミジン環、キナゾリン環、キナゾリノン環、アズレン環などが挙げられる。
芳香族環基が有していてもよい置換基としては、アルキル基、水酸基、アルコキシ基、ハロゲン原子、ハロゲノアルキル基(水素原子の一部又は全部がハロゲン原子で置換されたアルキル基)、ハロゲノアルコキシ基(水素原子の一部又は全部がハロゲン原子で置換されたアルコキシ基)などが挙げられ、合成容易性の観点からアルキル基が好ましい。
これらの中でも、感度の観点から、R33が無置換のアルキル基であることがより好ましく、メチル基であることがさらに好ましい。
(R34
前記式(II)中、R34は置換基を有していてもよいアルキル基又は置換基を有していてもよい芳香族環基を表す。
34におけるアルキル基としては直鎖状、分岐鎖状又は環状のアルキル基が挙げられる。その炭素数は特に限定されないが、着色感光性樹脂組成物への溶解性の観点から1以上であることが好ましい。また、現像性の観点から20以下であることが好ましく、18以下であることがより好ましく、15以下であることがさらに好ましく、12以下であることがよりさらに好ましく、11以下であることが特に好ましい。
アルキル基の具体例としては、メチル基、ヘキシル基、シクロペンチルメチル基などが挙げられ、これらの中でも現像性の観点から、メチル基又はへキシル基が好ましく、メチル基がより好ましい。
アルキル基が有していてもよい置換基としては、芳香族環基、水酸基、カルボキシル基、ハロゲン原子、アミノ基、アミド基などが挙げられ、アルカリ現像性の観点から水酸基、カルボキシル基が好ましく、カルボキシル基がより好ましい。また、合成容易性の観点からは、無置換であることが好ましい。
34における芳香族環基としては、芳香族炭化水素環基及び芳香族複素環基が挙げられる。芳香族環基の炭素数は特に限定されないが、着色感光性樹脂組成物への溶解性の観点から5以上であることが好ましい。また、現像性の観点から30以下であることが好ましく、20以下であることがより好ましく、12以下であることがさらに好ましい。
芳香族環基の具体例としては、フェニル基、ナフチル基、ピリジル基、フリル基などが挙げられ、これらの中でも現像性の観点から、フェニル基又はナフチル基が好ましく、フェニル基がより好ましい。
芳香族環基が有していてもよい置換基としては、水酸基、カルボキシル基、ハロゲン原子、アミノ基、アミド基、アルキル基、アルコキシ基及びこれらの組み合わせなどが挙げられ、現像性の観点から水酸基、カルボキシル基が好ましく、カルボキシル基がより好ましい。
これらの中でも、現像性の観点から、R34が置換基を有していてもよい芳香族環基であることが好ましく、置換基を有していてもよいフェニル基であることがより好ましい。
(p)
前記式(II)中、pは0又は1を表す。吸収スペクトルの短波長化の観点からはpが0であることが好ましく、一方でフォトブリーチ性の観点からはpが1であることが好ましい。
(R35
前記式(II)中、R35は−CO−(R39)、−O−(R40)又はニトロ基を表す。R39及びR40は各々独立に、水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよい芳香族環基、シアノ基又はニトロ基を表す。このようにR35が電子吸引性を有することで、感度が向上すると考えられる。これらの中でも感度の観点からニトロ基が好ましい。
(R39及びR40
39及びR40は各々独立に、水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよい芳香族環基、シアノ基又はニトロ基を表す。
39及びR40におけるアルキル基としては、直鎖状、分岐鎖状又は環状のアルキル基が挙げられる。その炭素数は特に限定されないが、感度の観点から1以上であることが好ましく、2以上であることがより好ましい。また、合成容易性の観点から30以下であることが好ましく、25以下であることがより好ましく、20以下であることがさらに好ましく、15以下であることがよりさらに好ましく、15以下であることが特に好ましい。
アルキル基の具体例としては、メチル基、ヘキシル基、シクロペンチルメチル基などが挙げられ、これらの中でも感度の観点から、メチル基又はヘキシル基が好ましく、メチル基がより好ましい。
アルキル基が有していてもよい置換基としては、芳香族環基、水酸基、カルボキシル基、ハロゲン原子、アミノ基、アミド基などが挙げられ、感度の観点から芳香族環基、水酸基、が好ましく、芳香族環基がより好ましい。また、合成容易性の観点からは、無置換であることが好ましい。
39及びR40における芳香族環基としては、芳香族炭化水素環基及び芳香族複素環基が挙げられる。芳香族環基の炭素数は特に限定されないが、感度の観点から6以上であることが好ましい。また、合成容易性の観点から18以下であることが好ましく、14以下であることがより好ましく、12以下であることがさらに好ましい。
芳香族環基の具体例としては、フェニル基、ナフチル基、ピリジル基、チオフェン基、フリル基などが挙げられ、これらの中でも感度の観点から、フェニル基又はナフチル基が好ましく、フェニル基より好ましい。
芳香族環基が有していてもよい置換基としては、水酸基、カルボキシル基、ハロゲン原子、アミノ基、アミド基、アルキル基などが挙げられ、感度の観点から水酸基、アルキル基が好ましく、アルキル基がより好ましい。
これらの中でも、感度の観点から、アルキル基を有するフェニル基が好ましく、その中でも特に、メチル基を有するフェニル基が好ましい。
(q)
前記式(II)中、qは0〜4の整数を表す。この中でも感度の観点からqが1であることが好ましく、一方で合成容易性の観点からqが0であることが好ましい。
(X)
前記式(II)中、Xは−N(R36)−又は−C(R37)(R38)−を表す。感度の観点からXは−N(R36)−であることが好ましく、一方で合成容易性の観点からXは−C(R37)(R38)−であることが好ましい。
(R36〜R38
前記式(II)中、R36〜R38は各々独立に、水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基又は置換基を有していてもよい芳香族環基を表す。R37とR38は相互に結合して環を形成していてもよい。
36〜R38におけるアルキル基としては、直鎖状、分岐鎖状又は環状のアルキル基が挙げられる。その炭素数は特に限定されないが、感度の観点から1以上であることが好ましく、2以上であることがより好ましい。また、合成容易性の観点から10以下であることが好ましく、8以下であることがより好ましく、6以下であることがさらに好ましく、4以下であることが特に好ましい。
アルキル基の具体例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ヘキシル基、シクロペンチルメチル基などが挙げられ、これらの中でも感度の観点から、エチル基又はブチル基が好ましく、エチル基がより好ましい。
アルキル基が有していてもよい置換基としては、芳香族環基、水酸基、カルボキシル基、ハロゲン原子、アミノ基、アミド基などが挙げられ、感度の観点から芳香族環基、水酸基が好ましく、芳香族環基がより好ましい。また、合成容易性の観点からは、無置換であることが好ましい。
36〜R38における芳香族環基としては、芳香族炭化水素環基及び芳香族複素環基が挙げられる。芳香族環基の炭素数は特に限定されないが、感度の観点から6以上であることが好ましい。また、合成容易性の観点から18以下であることが好ましく、14以下であることがより好ましく、12以下であることがさらに好ましい。
芳香族環基の具体例としては、フェニル基、ナフチル基、ピリジル基、フリル基などが挙げられ、これらの中でも感度の観点から、フェニル基又はナフチル基が好ましく、フェニル基がより好ましい。
芳香族環基が有していてもよい置換基としては、水酸基、カルボキシル基、ハロゲン原子、アミノ基、アミド基、アルキル基などが挙げられ、感度の観点から水酸基、カルボキシル基が好ましく、水酸基がより好ましい。また、合成容易性の観点からは無置換であることが好ましい。
これらの中でも、現像性の観点から、R36〜R38が各々独立に置換基を有していてもよいアルキル基であることが好ましく、無置換のアルキル基であることがより好ましく、エチル基であることがさらに好ましい。
一方で、R37とR38が相互に結合して形成した環としては、例えば以下の構造が挙げられる。
オキシムエステル系化合物の具体例としては、以下のものを挙げることができる。
前記一般式(II)で表されるオキシムエステル系化合物の製造方法については特に限定されないが、例えば、特開2000−080068号公報に記載の方法で製造することができる。
光重合開始剤は、1種類を単独で用いても、2種類以上を組み合わせて使用してもよい。
光重合開始剤には、必要に応じて、感応感度を高める目的で、画像露光光源の波長に応じた増感色素、重合促進剤を配合させることができる。増感色素としては、特開平4−221958号、特開平4−219756号公報に記載のキサンテン色素、特開平3−239703号、特開平5−289335号公報に記載の複素環を有するクマリン色素、特開平3−239703号公報、特開平5−289335号公報に記載の3−ケトクマリン化合物、特開平6−19240号公報に記載のピロメテン色素、その他、特開昭47−2528号公報、特開昭54−155292号公報、特公昭45−37377号公報、特開昭48−84183号公報、特開昭52−112681号公報、特開昭58−15503号公報、特開昭60−88005号公報、特開昭59−56403号公報、特開平2−69号公報、特開昭57−168088号公報、特開平5−107761号公報、特開平5−210240号公報、特開平4−288818号公報に記載のジアルキルアミノベンゼン骨格を有する色素等を挙げることができる。
これらの増感色素のうち好ましいものは、アミノ基含有増感色素であり、更に好ましいものは、アミノ基及びフェニル基を同一分子内に有する化合物である。特に、好ましいのは、例えば、4,4’−ジメチルアミノベンゾフェノン、4,4’−ジエチルアミノベンゾフェノン、2−アミノベンゾフェノン、4−アミノベンゾフェノン、4,4’−ジアミノベンゾフェノン、3,3’−ジアミノベンゾフェノン、3,4−ジアミノベンゾフェノン等のベンゾフェノン系化合物;2−(p−ジメチルアミノフェニル)ベンゾオキサゾール、2−(p−ジエチルアミノフェニル)ベンゾオキサゾール、2−(p−ジメチルアミノフェニル)ベンゾ[4,5]ベンゾオキサゾール、2−(p−ジメチルアミノフェニル)ベンゾ[6,7]ベンゾオキサゾール、2,5−ビス(p−ジエチルアミノフェニル)−1,3,4−オキサゾール、2−(p−ジメチルアミノフェニル)ベンゾチアゾール、2−(p−ジエチルアミノフェニル)ベンゾチアゾール、2−(p−ジメチルアミノフェニル)ベンズイミダゾール、2−(p−ジエチルアミノフェニル)ベンズイミダゾール、2,5−ビス(p−ジエチルアミノフェニル)−1,3,4−チアジアゾール、(p−ジメチルアミノフェニル)ピリジン、(p−ジエチルアミノフェニル)ピリジン、(p−ジメチルアミノフェニル)キノリン、(p−ジエチルアミノフェニル)キノリン、(p−ジメチルアミノフェニル)ピリミジン、(p−ジエチルアミノフェニル)ピリミジン等のp−ジアルキルアミノフェニル基含有化合物等である。このうち最も好ましいものは、4,4’−ジアルキルアミノベンゾフェノンである。
増感色素もまた1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
重合促進剤としては、例えば、p−ジメチルアミノ安息香酸エチル、安息香酸2−ジメチルアミノエチル等の芳香族アミン、n−ブチルアミン、N−メチルジエタノールアミン等の脂肪族アミン、後述するメルカプト化合物等が用いられる。重合促進剤は、1種類を単独で用いても、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
<(d)光重合性化合物>
本発明の着色感光性樹脂組成物は、(d)光重合性化合物を含む。(d)光重合性化合物を含むことで、高感度となると考えられる。
本発明に用いられる光重合性化合物は、光照射によって重合する化合物であれば特に限定されないが、例えば、分子内にエチレン性不飽和基を少なくとも1個有する化合物が挙げられる。具体的には、例えば(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸アルキルエステル、アクリロニトリル、スチレン、及びエチレン性不飽和結合を1個有するカルボン酸と、多価又は1価アルコールのモノエステル、等が挙げられる。
本発明においては、特に、1分子中にエチレン性不飽和基を二個以上有する多官能エチレン性単量体を使用することが望ましい。多官能エチレン性単量体が有するエチレン性不飽和基の数は特に限定されないが、通常2以上であり、好ましくは3以上であり、より好ましくは5以上であり、また、好ましくは、15以下であり、より好ましくは、10以下である。前記下限値以上とすることで重合性が向上して高感度となる傾向があり、前記上限値以下とすることで現像性がより良好となる傾向がある。
多官能エチレン性単量体の例としては、例えば脂肪族ポリヒドロキシ化合物と不飽和カルボン酸とのエステル;芳香族ポリヒドロキシ化合物と不飽和カルボン酸とのエステル;脂肪族ポリヒドロキシ化合物、芳香族ポリヒドロキシ化合物等の多価ヒドロキシ化合物と、不飽和カルボン酸及び多塩基性カルボン酸とのエステル化反応により得られるエステルなどが挙げられる。
前記脂肪族ポリヒドロキシ化合物と不飽和カルボン酸とのエステルとしては、エチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、トリメチロールエタントリアクリレート、ペンタエリスリトールジアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、グリセロールアクリレート等の脂肪族ポリヒドロキシ化合物のアクリル酸エステル、これら例示化合物のアクリレートをメタクリレートに代えたメタクリル酸エステル、同様にイタコネートに代えたイタコン酸エステル、クロネートに代えたクロトン酸エステルもしくはマレエートに代えたマレイン酸エステル等が挙げられる。
芳香族ポリヒドロキシ化合物と不飽和カルボン酸とのエステルとしては、ハイドロキノンジアクリレート、ハイドロキノンジメタクリレート、レゾルシンジアクリレート、レゾルシンジメタクリレート、ピロガロールトリアクリレート等の芳香族ポリヒドロキシ化合物のアクリル酸エステル及びメタクリル酸エステル等が挙げられる。
多塩基性カルボン酸及び不飽和カルボン酸と、多価ヒドロキシ化合物のエステル化反応により得られるエステルとしては必ずしも単一物ではないが、代表的な具体例を挙げれば、アクリル酸、フタル酸、及びエチレングリコールの縮合物、アクリル酸、マレイン酸、及びジエチレングリコールの縮合物、メタクリル酸、テレフタル酸及びペンタエリスリトールの縮合物、アクリル酸、アジピン酸、ブタンジオール及びグリセリンの縮合物等が挙げられる。
その他、本発明に用いられる多官能エチレン性単量体の例としては、ポリイソシアネート化合物と水酸基含有(メタ)アクリル酸エステル又はポリイソシアネート化合物とポリオール及び水酸基含有(メタ)アクリル酸エステルを反応させて得られるようなウレタン(メタ)アクリレート類;多価エポキシ化合物とヒドロキシ(メタ)アクリレート又は(メタ)アクリル酸との付加反応物のようなエポキシアクリレート類;エチレンビスアクリルアミド等のアクリルアミド類;フタル酸ジアリル等のアリルエステル類;ジビニルフタレート等のビニル基含有化合物等が有用である。
上記ウレタン(メタ)アクリレート類としては、例えば、DPHA−40H、UX−5000、UX−5002D−P20、UX−5003D、UX−5005(日本化薬社製)、U−2PPA、U−6LPA、U−10PA、U−33H、UA−53H、UA−32P、UA−1100H(新中村化学工業社製)、UA−306H、UA−510H、UF−8001G(協栄社化学社製)、UV−1700B、UV−7600B、UV−7605B、UV−7630B、UV7640B(日本合成化学社製)等が挙げられる。
これらの中でも、感度の観点から(d)エチレン性不飽和化合物として、エステル(メタ)アクリレート類又はウレタン(メタ)アクリレート類を用いることが好ましく、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレートの二量体を用いることがより好ましい。
これらは1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
<(e)溶剤>
本発明の着色感光性樹脂組成物は、(e)溶剤を含む。(e)溶剤を含むことで、(a)着色剤、(b)アルカリ可溶性樹脂、(c)光重合開始剤、(d)光重合性化合物等を溶解又は分散させ、粘度を調節する機能を有することができる。
本発明の着色感光性樹脂組成物は、通常、(a)着色剤、(b)アルカリ可溶性樹脂、(d)光重合性化合物、(f)分散剤、及び必要に応じて使用されるその他の各種材料が、溶剤に溶解又は分散した状態で使用される。溶剤の中でも、溶解性及び分散性の観点から有機溶剤が好ましい。
有機溶剤の中でも、分散性及び塗布性の観点から沸点が100〜300℃の範囲のものを選択するのが好ましく、沸点が120〜280℃の範囲のものを選択するのがより好ましい。なお、ここでいう沸点は、圧力1013.25hPaにおける沸点を意味する。
このような有機溶剤としては、例えば、次のようなものが挙げられる。
エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、プロピレングリコール−t−ブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、メトキシメチルペンタノール、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、3−メチル−3−メトキシブタノール、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、トリプロピレングリコールメチルエーテルのようなグリコールモノアルキルエーテル類;
エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジプロピルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル、ジプロピレングリコールジメチルエーテルのようなグリコールジアルキルエーテル類;
エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノ−n−ブチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノプロピルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノブチルエーテルアセテート、メトキシブチルアセテート、3−メトキシブチルアセテート、メトキシペンチルアセテート、ジエチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノ−n−ブチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、トリエチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、トリエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、3−メチル−3−メトキシブチルアセテートのようなグリコールアルキルエーテルアセテート類;
エチレングリコールジアセテート、1,3−ブチレングリコールジアセテート、1,6−ヘキサノールジアセテートなどのグリコールジアセテート類;
シクロヘキサノールアセテートなどのアルキルアセテート類;
アミルエーテル、ジエチルエーテル、ジプロピルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジブチルエーテル、ジアミルエーテル、エチルイソブチルエーテル、ジヘキシルエーテルのようなエーテル類;
アセトン、メチルエチルケトン、メチルアミルケトン、メチルイソプロピルケトン、メチルイソアミルケトン、ジイソプロピルケトン、ジイソブチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、エチルアミルケトン、メチルブチルケトン、メチルヘキシルケトン、メチルノニルケトン、メトキシメチルペンタノンのようなケトン類;
エタノール、プロパノール、ブタノール、ヘキサノール、シクロヘキサノール、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリエチレングリコール、メトキシメチルペンタノール、グリセリン、ベンジルアルコールのような1価又は多価アルコール類;
n−ペンタン、n−オクタン、ジイソブチレン、n−ヘキサン、ヘキセン、イソプレン、ジペンテン、ドデカンのような脂肪族炭化水素類;
シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、メチルシクロヘキセン、ビシクロヘキシルのような脂環式炭化水素類;
ベンゼン、トルエン、キシレン、クメンのような芳香族炭化水素類;
アミルホルメート、エチルホルメート、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸プロピル、酢酸アミル、メチルイソブチレート、エチレングリコールアセテート、エチルプロピオネート、プロピルプロピオネート、酪酸ブチル、酪酸イソブチル、イソ酪酸メチル、エチルカプリレート、ブチルステアレート、エチルベンゾエート、3−エトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、3−メトキシプロピオン酸メチル、3−メトキシプロピオン酸エチル、3−メトキシプロピオン酸プロピル、3−メトキシプロピオン酸ブチル、γ−ブチロラクトンのような鎖状又は環状エステル類;
3−メトキシプロピオン酸、3−エトキシプロピオン酸のようなアルコキシカルボン酸類;
ブチルクロリド、アミルクロリドのようなハロゲン化炭化水素類;
メトキシメチルペンタノンのようなエーテルケトン類;
アセトニトリル、ベンゾニトリルのようなニトリル類等。
上記に該当する市販の有機溶剤としては、ミネラルスピリット、バルソル#2、アプコ#18ソルベント、アプコシンナー、ソーカルソルベントNo.1及びNo.2、ソルベッソ#150、シェルTS28 ソルベント、カルビトール、エチルカルビトール、ブチルカルビトール、メチルセロソルブ(「セロソルブ」は登録商標。以下同じ。)、エチルセロソルブ、エチルセロソルブアセテート、メチルセロソルブアセテート、ジグライム(いずれも商品名)などが挙げられる。
これらの有機溶剤は、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
フォトリソグラフィー法にてブラックマトリクスや着色スペーサーを形成する場合、有機溶剤としては沸点が100〜200℃(圧力1013.25hPa条件下。以下、沸点に関しては全て同様。)の範囲のものを選択するのが好ましい。より好ましくは120〜170℃の沸点を持つものである。
上記有機溶剤のうち、塗布性、表面張力などのバランスが良く、組成物中の構成成分の溶解度が比較的高い点からは、グリコールアルキルエーテルアセテート類が好ましい。
また、グリコールアルキルエーテルアセテート類は、単独で使用してもよいが、他の有機溶剤を併用してもよい。併用する有機溶剤として、特に好ましいのはグリコールモノアルキルエーテル類である。中でも、特に組成物中の構成成分の溶解性からプロピレングリコールモノメチルエーテルが好ましい。なお、グリコールモノアルキルエーテル類は極性が高く、添加量が多すぎると顔料が凝集しやすく、後に得られる着色感光性樹脂組成物の粘度が上がっていくなどの保存安定性が低下する傾向があるので、溶剤中のグリコールモノアルキルエーテル類の割合は5質量%〜30質量%が好ましく、5質量%〜20質量%がより好ましい。
また、150℃以上の沸点をもつ有機溶剤(以下「高沸点溶剤」と称す場合がある。)を併用することも好ましい。このような高沸点溶剤を併用することにより、着色感光性樹脂組成物は乾きにくくなるが、組成物中における顔料の均一な分散状態が、急激な乾燥により破壊されることを防止する効果がある。すなわち、例えばスリットノズル先端における、色材などの析出・固化による異物欠陥の発生を防止する効果がある。このような効果が高い点から、上述の各種溶剤の中でも、特にジエチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、ジエチレングリコールモノ−n−ブチルエーテルアセテート、及びジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテートが好ましい。
有機溶剤中の高沸点溶剤の含有割合は、3質量%〜50質量%が好ましく、5質量%〜40質量%がより好ましく、5質量%〜30質量%が特に好ましい。前記下限値以上とすることで、例えばスリットノズル先端で色材などが析出・固化して異物欠陥を惹き起こすのを抑制できる傾向があり、また前記上限値以下とすることで組成物の乾燥温度が遅くなるのを抑制し、減圧乾燥プロセスのタクト不良や、プリベークのピン跡といった問題を抑制できる傾向がある
なお、沸点150℃以上の高沸点溶剤が、グリコールアルキルエーテルアセテート類であってもよく、またグリコールアルキルエーテル類であってもよく、この場合は、沸点150℃以上の高沸点溶剤を別途含有させなくてもかまわない。
好ましい高沸点溶剤として、例えば前述の各種溶剤の中ではジエチレングリコールモノ−n−ブチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールメチルエーテルアセテート、1,3−ブチレングリコールジアセテート、1,6−ヘキサノールジアセテート、トリアセチンなどが挙げられる。
<(f)分散剤>
本発明の着色感光性樹脂組成物においては、(a)着色剤を微細に分散させ、且つその分散状態を安定化させることが品質の安定性確保には重要なため、(f)分散剤を含む。
また、本発明の着色感光性樹脂組成物に含まれる(f)分散剤は酸性基及び塩基性基を含む。このように、酸性基及び塩基性基を含む分散剤を用いることで、酸性基と塩基性基の間に働く静電相互作用と親溶媒基同士の間に働くファンデルワールス力によりポリマーコンプレックスを形成するものと考えられる。このポリマーコンプレックス表面の酸性基に現像液の塩基性イオンが配位することで、ポリマーコンプレックスが現像液中に溶解又は分散し、現像工程で基板表面の分散剤が完全に除去され、有機電界発光素子の非発光領域の発生が解消されるものと考えられる。
このような酸性基としては、カルボキシル基;リン酸基;スルホン酸基等が挙げられる。これらの中でも、価数の観点からリン酸基、スルホン酸基が好ましく、リン酸基がより好ましい。また分散性の観点から、カルボキシル基、リン酸基が好ましく、リン酸基がより好ましい。またアルカリ可溶性樹脂との相溶性の観点から、カルボキシル基、リン酸基が好ましく、カルボキシル基がより好ましい。
塩基性基としては、1級、2級又は3級アミノ基;4級アンモニウム塩基;ピリジン、ピリミジン、ピラジン、イミダゾール等の含窒素ヘテロ環由来の基が挙げられる。これらの中でも、分散性の観点から3級アミノ基又は4級アンモニウム塩基が好ましい。
また、分散剤としては、同一分子中に酸性基と塩基性基の両方を有するものを用いてもよいし、いずれかの官能基を有する分散剤を2種以上混合して使用してもよい。
分散剤の化学構造は特に限定されないが、例えば、顔料に吸着する顔料吸着基と、立体障害を形成するための樹脂等と相溶する相溶性鎖を有するものが挙げられる。
この顔料吸着基としては、前述の酸性基や塩基性基が挙げられる。一方で相溶性鎖としては、樹脂等に配向するものであれば特に限定されず、アルキル鎖、ポリエーテル鎖、ポリエステル鎖等が挙げられる。
(f)分散剤の重量平均分子量は特に限定されないが、1000以上が好ましく、2000以上がより好ましく、3000以上がさらに好ましく、4000以上が特に好ましく、また、1000000以下が好ましく、100000以下がより好ましく、50000以下がさらに好ましく、20000以下が特に好ましい。前記下限値以上とすることで分散性が向上する傾向があり、また、前記上限値以下とすることで分散性が向上する傾向がある。(f)分散剤の分子量は、分散剤が1種の場合には該分散剤の分子量を意味し、分散剤が2種以上の混合物の場合には含有割合(質量比)に応じて加重平均をとった数値を意味する。
(f)分散剤の酸価は特に限定されないが、1mgKOH/g以上が好ましく、2mgKOH/g以上がより好ましく、5mgKOH/g以上がさらに好ましく、10mgKOH/g以上が特に好ましく、また、200mgKOH/g以下が好ましく、180mgKOH/g以下がより好ましく、160mgKOH/g以下がさらに好ましく、140mgKOH/g以下が特に好ましい。前記下限値以上とすることで有機電界発光素子の発光部の非発光部領域の発生を抑制する傾向があり、また、前記上限値以下とすることで分散性が向上する傾向がある。(f)分散剤の酸価は、分散剤が1種の場合には該分散剤の酸価を意味し、分散剤が2種以上の混合物の場合には含有割合(質量比)に応じて加重平均をとった数値を意味する。
(f)分散剤のアミン価は特に限定されないが、1mgKOH/g以上が好ましく、2mgKOH/g以上がより好ましく、5mgKOH/g以上がさらに好ましく、10mgKOH/g以上が特に好ましく、また、200mgKOH/g以下が好ましく、180mgKOH/g以下がより好ましく、160mgKOH/g以下がさらに好ましく、140mgKOH/g以下が特に好ましい。前記下限値以上とすることで分散性が向上する傾向があり、また、前記上限値以下とすることで有機電界発光素子の発光部の非発光部領域の発生を抑制する傾向がある。(f)分散剤のアミン価は、分散剤が1種の場合には該分散剤のアミン価を意味し、分散剤が2種以上の混合物の場合には含有割合(質量比)に応じて加重平均をとった数値を意味する。
また、分散剤の種類としては、例えばウレタン系分散剤、アクリル系分散剤、ポリエチレンイミン系分散剤、ポリアリルアミン系分散剤、アミノ基を持つモノマーとマクロモノマーからなる分散剤、ポリオキシエチレンアルキルエーテル系分散剤、ポリオキシエチレンジエステル系分散剤、ポリエーテルリン酸系分散剤、ポリエステルリン酸系分散剤、ソルビタン脂肪族エステル系分散剤、脂肪族変性ポリエステル系分散剤等を挙げることができる。
このような分散剤の具体例としては、商品名で、EFKA(登録商標。BASF社製。)、DISPERBYK(登録商標。ビックケミー社製。)、ディスパロン(登録商標。楠本化成社製。)、SOLSPERSE(登録商標。ルーブリゾール社製。)、KP(信越化学工業社製)、ポリフロー(共栄社化学社製)、アジスパー(登録商標。味の素社製。)、TEGO DISPER(登録商標。エボニック社製。)等を挙げることができる。
これらの分散剤は1種を単独で使用してもよく、又は2種以上を併用してもよい。
これらのうち、酸性基を有する分散剤としては、発光部の隔壁近傍における非発光領域の発生を抑制の観点から、リン酸系化合物が好ましい。
リン酸系化合物の具体的な構造については特に限定されないが、分散性の観点からは、下記式(X1)で表される化合物が好ましい。
式(X1)中、R41は、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアルケニル基、又は下記式(X2)で表される1価の基を表す。kは1〜3の整数を表し、δは直接結合又は2価の連結基を表す。
式(X2)中、R42は置換基を有していてもよいアルキル基を表し、R43は置換基を有していてもよいアルキレン基を表す。lは0〜15の整数を表す。lが2以上の整数の場合、式中に含まれる複数のR43は同じでも異なっていてもよい。*は結合手を表す。
(R41
式(X1)中、R41は、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアルケニル基、又は下記式(X2)で表される1価の基を表す。
41におけるアルキル基の炭素数は特に限定されないが、通常1以上であり、通常8以下、好ましくは6以下、より好ましくは4以下であり、さらに好ましくは2以下であり、特に好ましくは1である。前記上限値以下とすることで分散性が良好となる傾向がある。
アルキル基は直鎖状でも、分岐鎖状でもよい。アルキル基の具体例としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、iso−プロピル基、n−ブチル基、iso−ブチル基が挙げられ、これらの中でも溶剤に対する親和性の観点から、メチル基、エチル基が好ましく、メチル基がより好ましい。
41におけるアルケニル基の炭素数は特に限定されないが、通常2以上であり、通常8以下、好ましくは6以下、より好ましくは4以下、さらに好ましくは3以下である。前記上限値以下とすることで分散性が良好となる傾向がある。
アルケニル基は直鎖状でも、分岐鎖状でもよい。アルケニル基の具体例としては、ビニル基、アリル基、プロペニル基、イソプロペニル基が挙げられる。
41におけるアルキル基やアルケニル基が有していてもよい置換基としては、例えば、アリール基、シクロアルキル基、ハロゲン原子などが挙げられる。これらの中でも溶剤に対する親和性の観点から無置換であることが好ましい。
前述のとおり、R41は、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアルケニル基、又は下記式(X2)で表される1価の基を表すが、これらの中でも溶剤に対する親和性の観点から、前記式(X2)で表される1価の基であることが好ましい。
(R42
式(X2)中、R42は置換基を有していてもよいアルキル基を表す。
42におけるアルキル基の炭素数は特に限定されないが、通常1以上であり、通常8以下、好ましくは6以下、より好ましくは4以下、さらに好ましくは2以下、特に好ましくは1である。前記上限値以下とすることで分散性が良好となる傾向がある。
アルキル基は直鎖状でも、分岐鎖状でもよい。アルキル基の具体例としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、iso−プロピル基、n−ブチル基、iso−ブチル基が挙げられ、溶剤に対する親和性の観点からメチル基、エチル基が好ましく、メチル基がより好ましい。
42におけるアルキル基が有していてもよい置換基としては、例えば、アリール基、シクロアルキル基、ハロゲン原子などが挙げられる。これらの中でも溶剤に対する親和性の観点から無置換であることが好ましい。
(R43
式(X2)中、R43は置換基を有していてもよいアルキレン基を表す。
43におけるアルキレン基の炭素数は特に限定されないが、通常2以上であり、通常4以下、好ましくは3以下である。前記上限値以下とすることで分散性が良好になる傾向がある。
またアルキレン基は直鎖状でも、分岐鎖状でもよい。アルキレン基の具体例としては、エチレン基、プロピレン基、iso−プロピレン基、n−ブチレン基、iso−ブチレン基などが挙げられ、溶剤に対する親和性の観点からエチレン基、iso−プロピレン基、n−ブチレン基が好ましく、エチレン基がより好ましい。
43におけるアルキレン基が有していてもよい置換基としては、例えば、アリール基、シクロアルキル基、ハロゲン原子などが挙げられる。これらの中でも溶剤に対する親和性の観点から無置換であることが好ましい。
(l)
式(X2)中、lは0〜15の整数を表すが、好ましくは1以上、より好ましくは5以上、さらに好ましくは8以上であり、また好ましくは12以下、より好ましくは10以下である。前記下限値以上とすることで溶剤に対する親和性が良好となる傾向があり、前記上限値以下とすることで顔料に対する親和性が良好となる傾向がある。
(k)
式(X1)中、kは1〜3の整数を表すが、顔料に対する親和性の観点から1が好ましい。
(δ)
式(X1)中、δは直接結合又は2価の連結基を表すが、中でも溶剤に対する親和性の観点から下記式(X3)で表される2価の連結基であることが好ましい。
式(X3)中、R44及びR45は各々独立に、置換基を有していてもよいアルキレン基を表す。m及びnは各々独立に0〜10の整数を表す。*は結合手を表す。
(R44及びR45
式(X3)中、R44及びR45は各々独立に、置換基を有していてもよいアルキレン基を表す。
44及びR55におけるアルキレン基の炭素数は特に限定されないが、通常1以上、好ましくは2以上、より好ましくは3以上、さらに好ましくは4以上であり、特に好ましくは5以上である。また通常10以下、好ましくは7以下、より好ましくは6以下であり、さらに好ましくは5以下である。前記下限値以上とすることで分散後の経時変化が少なくなる傾向があり、また、前記上限値以下とすることで分散性が良好となる傾向がある。
アルキレン基は直鎖状でも、分岐鎖状でもよい。アルキレン基の具体例としては、メチレン基、エチレン基、n−プロピレン基、iso−プロピレン基、n−ブチレン基、iso−ブチレン基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基などが挙げられ、溶剤との親和性の観点からn−ブチレン基、iso−ブチレン基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基が好ましく、n−ブチレン基、n−ペンチル基がより好ましい。
アルキレン基が有していてもよい置換基としては、例えば、アリール基、シクロアルキル基、ハロゲン原子などが挙げられる。これらの中でも溶剤との親和性の観点から無置換であることが好ましい。
(m及びn)
式(X3)中、m及びnは各々独立に0〜10の整数を表す。これらの中でも好ましくは1以上、より好ましくは2以上、さらに好ましくは3以上、また好ましくは8以下、より好ましくは5以下、さらに好ましくは4以下である。前記下限値以上とすることで溶剤に対する親和性が良好となる傾向があり、前記上限値以下とすることで顔料に対する親和性が良好となる傾向がある。
前記式(X1)で表される化合物中でも、溶剤との親和性の観点から下記式(X4)で表される化合物がさらに好ましい。
式(X4)中、R42〜R45、k、l、m及びnは式(X1)におけるものと同義である。
酸性基を有する分散剤の重量平均分子量は特に限定されないが、500以上が好ましく、800以上がより好ましく、1000以上がさらに好ましく、また、50000以下が好ましく、10000以下がより好ましく、5000以下がさらに好ましく、2000以下が特に好ましい。前記下限値以上とすることで溶剤との親和性が向上する傾向があり、また、前記上限値以下とすることで顔料との親和性が向上する傾向がある。
酸性基を有する分散剤の酸価は特に限定されないが、1mgKOH/g以上が好ましく、5mgKOH/g以上がより好ましく、10mgKOH/g以上がさらに好ましく、20mgKOH/g以上がさらに好ましく、40mgKOH/g以上が特に好ましく、80mgKOH/g以上が最も好ましく、また、200mgKOH/g以下が好ましく、180mgKOH/g以下がより好ましく、160mgKOH/g以下がさらに好ましく、140mgKOH/g以下が特に好ましい。前記下限値以上とすることで有機電界発光素子の発光部の非発光部領域の発生を抑制する傾向があり、また、前記上限値以下とすることで分散性が向上する傾向がある。
塩基性基を有する分散剤としては、アミノ基やアンモニウム塩基等の塩基性基を有する分散剤が好ましい。これらの塩基性基の中でも分散性の観点から、3級アミノ基、又は4級アンモニウム塩基が好ましい。
塩基性基を有する分散剤の中でも、少量で分散剤としての効果が発生するという観点からは、低分子量のアミン化合物であることが好ましく、下記式(X5)で表される化合物がさらに好ましい。
式(X5)中、R46は置換基を有していてもよいアルキル基を表し、R47は置換基を有していてもよいアルキレン基を表す。式(X5)中に含まれる2つのR46は、同じでも、異なっていてもよい。
(R46
式(X5)中、R46は置換基を有していてもよいアルキル基を表す。
46におけるアルキル基の炭素数は特に限定されないが、通常1以上、好ましくは2以上、より好ましくは4以上、また通常6以下、好ましくは5以下、より好ましくは4以下である。前記下限値以上とすることで分散後の経時変化が起こりにくい傾向があり、また前記上限値以下とすることで分散性が良好となる傾向がある。
アルキル基は直鎖状でも、分岐鎖状でもよい。アルキル基の具体例としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、iso−プロピル基、n−ブチル基、iso−ブチル基が挙げられ、これらの中でも分散後の経時変化の観点から、n−プロピル基、n−ブチル基が好ましく、n−ブチル基がより好ましい。
46におけるアルキル基が有していてもよい置換基としては、例えば、アリール基、シクロアルキル基、ハロゲン原子などが挙げられる。これらの中でも溶剤に対する親和性の観点から無置換であることが好ましい。
(R47
式(X5)中、R47は置換基を有していてもよいアルキレン基を表す。
47におけるアルキレン基の炭素数は特に限定されないが、通常1以上、好ましくは2以上、また通常6以下、好ましくは4以下、より好ましくは3以下である。前記下限値以上とすることで分散後の経時変化が起こりにくい傾向があり、また前記上限値以下とすることで分散性が良好となる傾向がある。
アルキレン基は直鎖状でも、分岐鎖状でもよい。アルキレン基の具体例としては、エチレン基、プロピレン基、iso−プロピレン基、n−ブチレン基、iso−ブチレン基などが挙げられ、分散性の観点からエチレン基、iso−プロピレン基、n−ブチレン基が好ましく、エチレン基がより好ましい。
47におけるアルキレン基が有していてもよい置換基としては、例えば、アリール基、シクロアルキル基、ハロゲン原子などが挙げられる。これらの中でも分散性の観点から無置換であることが好ましい。
一方で、分散安定性の観点から、塩基性基を有する高分子分散剤を含むことが好ましく、ウレタン系高分子分散剤及び/又はアクリル系高分子分散剤を含むことがより好ましく、アクリル系高分子分散剤を含むことが特に好ましい。
また分散性、保存性の面から、塩基性基を有し、さらにポリエステル結合及び/又はポリエーテル結合を有する高分子分散剤が好ましい。
ウレタン系及びアクリル系高分子分散剤としては、例えばDISPERBYK160〜167、182シリーズ(いずれもウレタン系)、DISPERBYK2000、LPN21116等(いずれもアクリル系)(以上すべてビックケミー社製)が挙げられる。
ウレタン系高分子分散剤として好ましい化学構造を具体的に例示するならば、例えば、ポリイソシアネート化合物と、分子内に水酸基を1個又は2個有する数平均分子量300〜10,000の化合物と、同一分子内に活性水素と3級アミノ基を有する化合物とを反応させることによって得られる、重量平均分子量1,000〜200,000の分散樹脂等が挙げられる。これらをベンジルクロリド等の四級化剤で処理することで、3級アミノ基の全部又は一部を4級アンモニウム塩基にすることができる。
上記のポリイソシアネート化合物の例としては、パラフェニレンジイソシアネート、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート、ナフタレン−1,5−ジイソシアネート、トリジンジイソシアネート等の芳香族ジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、リジンメチルエステルジイソシアネート、2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、ダイマー酸ジイソシアネート等の脂肪族ジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、4,4′−メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)、ω,ω′−ジイソシネートジメチルシクロヘキサン等の脂環族ジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、α,α,α′,α′−テトラメチルキシリレンジイソシアネート等の芳香環を有する脂肪族ジイソシアネート、リジンエステルトリイソシアネート、1,6,11−ウンデカントリイソシアネート、1,8−ジイソシアネート−4−イソシアネートメチルオクタン、1,3,6−ヘキサメチレントリイソシアネート、ビシクロヘプタントリイソシアネート、トリス(イソシアネートフェニルメタン)、トリス(イソシアネートフェニル)チオホスフェート等のトリイソシアネート、及びこれらの三量体、水付加物、及びこれらのポリオール付加物等が挙げられる。ポリイソシアネートとして好ましいのは有機ジイソシアネートの三量体で、最も好ましいのはトリレンジイソシアネートの三量体とイソホロンジイソシアネートの三量体である。これらは1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
イソシアネートの三量体の製造方法としては、前記ポリイソシアネート類を適当な三量化触媒、例えば第3級アミン類、ホスフィン類、アルコキシド類、金属酸化物、カルボン酸塩類等を用いてイソシアネート基の部分的な三量化を行い、触媒毒の添加により三量化を停止させた後、未反応のポリイソシアネートを溶剤抽出、薄膜蒸留により除去して目的のイソシアヌレート基含有ポリイソシアネートを得る方法が挙げられる。
同一分子内に水酸基を1個又は2個有する数平均分子量300〜10,000の化合物としては、ポリエーテルグリコール、ポリエステルグリコール、ポリカーボネートグリコール、ポリオレフィングリコール等、及びこれらの化合物の片末端水酸基が炭素数1〜25のアルキル基でアルコキシ化されたもの及びこれら2種類以上の混合物が挙げられる。
ポリエーテルグリコールとしては、ポリエーテルジオール、ポリエーテルエステルジオール、及びこれら2種類以上の混合物が挙げられる。ポリエーテルジオールとしては、アルキレンオキシドを単独又は共重合させて得られるもの、例えばポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリエチレン−プロピレングリコール、ポリオキシテトラメチレングリコール、ポリオキシヘキサメチレングリコール、ポリオキシオクタメチレングリコール及びそれらの2種以上の混合物が挙げられる。
ポリエーテルエステルジオールとしては、エーテル基含有ジオールもしくは他のグリコールとの混合物をジカルボン酸又はそれらの無水物と反応させるか、又はポリエステルグリコールにアルキレンオキシドを反応させることによって得られるもの、例えばポリ(ポリオキシテトラメチレン)アジペート等が挙げられる。ポリエーテルグリコールとして最も好ましいのはポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリオキシテトラメチレングリコール又はこれらの化合物の片末端水酸基が炭素数1〜25のアルキル基でアルコキシ化された化合物である。
ポリエステルグリコールとしては、ジカルボン酸(コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、セバシン酸、フマル酸、マレイン酸、フタル酸等)又はそれらの無水物とグリコール(エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、ネオペンチルグリコール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、2−メチル−2−プロピル−1,3−プロパンジオール、2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、2−メチル−2,4−ペンタンジオール、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、2,5−ジメチル−2,5−ヘキサンジオール、1,8−オクタメチレングリコール、2−メチル−1,8−オクタメチレングリコール、1,9−ノナンジオール等の脂肪族グリコール、ビスヒドロキシメチルシクロヘキサン等の脂環族グリコール、キシリレングリコール、ビスヒドロキシエトキシベンゼン等の芳香族グリコール、N−メチルジエタノールアミン等のN−アルキルジアルカノールアミン等)を重縮合させて得られたもの、例えばポリエチレンアジペート、ポリブチレンアジペート、ポリヘキサメチレンアジペート、ポリエチレン/プロピレンアジペート等、又は前記ジオール類又は炭素数1〜25の1価アルコールを開始剤として用いて得られるポリラクトンジオール又はポリラクトンモノオール、例えばポリカプロラクトングリコール、ポリメチルバレロラクトン及びこれらの2種以上の混合物が挙げられる。ポリエステルグリコールとして最も好ましいのはポリカプロラクトングリコール又は炭素数1〜25のアルコールを開始剤としたポリカプロラクトンである。
ポリカーボネートグリコールとしては、ポリ(1,6−ヘキシレン)カーボネート、ポリ(3−メチル−1,5−ペンチレン)カーボネート等、ポリオレフィングリコールとしてはポリブタジエングリコール、水素添加型ポリブタジエングリコール、水素添加型ポリイソプレングリコール等が挙げられる。
これらは1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
同一分子内に水酸基を1個又は2個有する化合物の数平均分子量は、通常300〜10,000、好ましくは500〜6,000、更に好ましくは1,000〜4,000である。
本発明に用いられる同一分子内に活性水素と3級アミノ基を有する化合物を説明する。
活性水素、即ち、酸素原子、窒素原子又は硫黄原子に直接結合している水素原子としては、水酸基、アミノ基、チオール基等の官能基中の水素原子が挙げられ、中でもアミノ基、特に1級のアミノ基の水素原子が好ましい。
3級アミノ基は、特に限定されないが、例えば炭素数1〜4のアルキル基を有するアミノ基、又はヘテロ環構造、より具体的にはイミダゾール環又はトリアゾール環、などが挙げられる。
このような同一分子内に活性水素と3級アミノ基を有する化合物を例示するならば、N,N−ジメチル−1,3−プロパンジアミン、N,N−ジエチル−1,3−プロパンジアミン、N,N−ジプロピル−1,3−プロパンジアミン、N,N−ジブチル−1,3−プロパンジアミン、N,N−ジメチルエチレンジアミン、N,N−ジエチルエチレンジアミン、N,N−ジプロピルエチレンジアミン、N,N−ジブチルエチレンジアミン、N,N−ジメチル−1,4−ブタンジアミン、N,N−ジエチル−1,4−ブタンジアミン、N,N−ジプロピル−1,4−ブタンジアミン、N,N−ジブチル−1,4−ブタンジアミン等が挙げられる。
また、3級アミノ基が含窒素ヘテロ環構造である場合の該含窒素ヘテロ環としては、ピラゾール環、イミダゾール環、トリアゾール環、テトラゾール環、インドール環、カルバゾール環、インダゾール環、ベンズイミダゾール環、ベンゾトリアゾール環、ベンゾオキサゾール環、ベンゾチアゾール環、ベンゾチアジアゾール環等の含窒素ヘテロ5員環、ピリジン環、ピリダジン環、ピリミジン環、トリアジン環、キノリン環、アクリジン環、イソキノリン環等の含窒素ヘテロ6員環が挙げられる。これらの含窒素ヘテロ環のうち好ましいものはイミダゾール環又はトリアゾール環である。
これらのイミダゾール環とアミノ基を有する化合物を具体的に例示するならば、1−(3−アミノプロピル)イミダゾール、ヒスチジン、2−アミノイミダゾール、1−(2−アミノエチル)イミダゾール等が挙げられる。また、トリアゾール環とアミノ基を有する化合物を具体的に例示するならば、3−アミノ−1,2,4−トリアゾール、5−(2−アミノ−5−クロロフェニル)−3−フェニル−1H−1,2,4−トリアゾール、4−アミノ−4H−1,2,4−トリアゾール−3,5−ジオール、3−アミノ−5−フェニル−1H−1,3,4−トリアゾール、5−アミノ−1,4−ジフェニル−1,2,3−トリアゾール、3−アミノ−1−ベンジル−1H−2,4−トリアゾール等が挙げられる。中でも、N,N−ジメチル−1,3−プロパンジアミン、N,N−ジエチル−1,3−プロパンジアミン、1−(3−アミノプロピル)イミダゾール、3−アミノ−1,2,4−トリアゾールが好ましい。
これらは1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
ウレタン系高分子分散剤を製造する際の原料の好ましい配合比率はポリイソシアネート化合物100質量部に対し、同一分子内に水酸基を1個又は2個有する数平均分子量300〜10,000の化合物が10〜200質量部、好ましくは20〜190質量部、更に好ましくは30〜180質量部、同一分子内に活性水素と3級アミノ基を有する化合物が0.2〜25質量部、好ましくは0.3〜24質量部である。
ウレタン系高分子分散剤の製造はポリウレタン樹脂製造の公知の方法に従って行われる。製造する際の溶媒としては、通常、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、イソホロン等のケトン類、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸セロソルブ等のエステル類、ベンゼン、トルエン、キシレン、ヘキサン等の炭化水素類、ダイアセトンアルコール、イソプロパノール、第二ブタノール、第三ブタノール等一部のアルコール類、塩化メチレン、クロロホルム等の塩化物、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル等のエーテル類、ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドン、ジメチルスルホキサイド等の非プロトン性極性溶媒等が用いられる。これらは1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
上記製造に際して、通常、ウレタン化反応触媒が用いられる。この触媒としては、例えば、ジブチルチンジラウレート、ジオクチルチンジラウレート、ジブチルチンジオクトエート、スタナスオクトエート等の錫系、鉄アセチルアセトナート、塩化第二鉄等の鉄系、トリエチルアミン、トリエチレンジアミン等の3級アミン系等が挙げられる。これらは1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用して用いてもよい。
同一分子内に活性水素と3級アミノ基を有する化合物の導入量は反応後のアミン価で1〜100mgKOH/gの範囲に制御するのが好ましい。より好ましくは5〜95mgKOH/gの範囲である。アミン価は、塩基性アミノ基を酸により中和滴定し、酸価に対応させてKOHのmg数で表した値である。アミン価が上記範囲より低いと分散能力が低下する傾向があり、また、上記範囲を超えると現像性が低下しやすくなる。
なお、以上の反応で高分子分散剤にイソシアネート基が残存する場合には更に、アルコールやアミノ化合物でイソシアネート基を潰すと生成物の経時安定性が高くなるので好ましい。
一方で、アクリル系高分子分散剤としては、塩基性基を有する不飽和基含有単量体と、塩基性基を有さない不飽和基含有単量体とのランダム共重合体、グラフト共重合体、ブロック共重合体を使用することが好ましい。これらの共重合体は公知の方法で製造することができる。
塩基性基を有する不飽和基含有単量体としては、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート及びこれらの4級化物などの3級アミノ基、4級アンモニウム塩基を有する不飽和単量体が具体例として挙げられる。これらは1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
塩基性基を有さない不飽和基含有単量体としては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、フェノキシメチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、トリシクロデカン(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、N−ビニルピロリドン、スチレン及びその誘導体、α−メチルスチレン、N−シクロヘキシルマレイミド、N−フェニルマレイミド、N−ベンジルマレイミドなどのN−置換マレイミド、アクリロニトリル、酢酸ビニル及びポリメチル(メタ)アクリレートマクロモノマー、ポリスチレンマクロモノマー、ポリ2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートマクロモノマー、ポリエチレングリコールマクロモノマー、ポリプロピレングリコールマクロモノマー、ポリカプロラクトンマクロモノマーなどのマクロモノマー等が挙げられる。これらは1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
アクリル系高分子分散剤は、特に好ましくは、塩基性基を有するAブロックと塩基性基を有さないBブロックからなるA−B又はB−A−Bブロック共重合体であるが、この場合、Aブロック中には上記塩基性基を含む不飽和基含有単量体由来の部分構造の他に、上記塩基性基を含まない不飽和基含有単量体由来の部分構造が含まれていてもよく、これらが該Aブロック中においてランダム共重合又はブロック共重合のいずれの態様で含有されていてもよい。また、官能基を含まない部分構造の、Aブロック中の含有量は、通常80質量%以下であり、好ましくは50質量%以下、更に好ましくは30質量%以下である。
Bブロックは、上記塩基性基を含まない不飽和基含有単量体由来の部分構造からなるものであるが、1つのBブロック中に2種以上の単量体由来の部分構造が含有されていてもよく、これらは、該Bブロック中においてランダム共重合又はブロック共重合のいずれの態様で含有されていてもよい。
該A−B又はB−A−Bブロック共重合体は、例えば、以下に示すリビング重合法にて調製される。
リビング重合法には、アニオンリビング重合法、カチオンリビング重合法、ラジカルリビング重合法があり、このうち、アニオンリビング重合法は、重合活性種がアニオンであり、例えば下記スキームで表される。
上記スキーム中、Ar1は1価の有機基であり、Ar2はAr1とは異なる1価の有機基であり、Mは金属原子であり、s及びtはそれぞれ1以上の整数である。
ラジカルリビング重合法は重合活性種がラジカルであり、例えば下記スキームで示される。
上記スキーム中、Ar1は1価の有機基であり、Ar2はAr1とは異なる1価の有機基であり、j及びkはそれぞれ1以上の整数であり、Raは水素原子又は1価の有機基であり、RbはRaとは異なる水素原子又は1価の有機基である。
このアクリル系高分子分散剤を合成するに際しては、特開平9−62002号公報や、P.Lutz, P.Masson et al, Polym. Bull. 12, 79 (1984), B.C.Anderson, G.D.Andrews et al, Macromolecules, 14, 1601(1981), K.Hatada, K.Ute,et al, Polym. J. 17, 977(1985), 18, 1037(1986), 右手浩一、畑田耕一、高分子加工、36, 366(1987),東村敏延、沢本光男、高分子論文集、46, 189(1989), M.Kuroki, T.Aida, J. Am. Chem. Sic, 109, 4737(1987)、相田卓三、井上祥平、有機合成化学、43, 300(1985), D.Y.Sogoh, W.R.Hertler et al, Macromolecules, 20, 1473(1987)などに記載の公知の方法を採用することができる。
本発明で用いることができるアクリル系高分子分散剤はA−Bブロック共重合体であっても、B−A−Bブロック共重合体であってもよく、その共重合体を構成するAブロック/Bブロック比は1/99〜80/20、特に5/95〜60/40(質量比)であることが好ましく、この範囲内にすることで良好な耐熱性と分散安定性を確保できる傾向がある。
また、本発明で用いることができるA−Bブロック共重合体、B−A−Bブロック共重合体1g中の4級アンモニウム塩基の量は、通常0.1〜10mmolであることが好ましく、この範囲内にすることで良好な耐熱性と分散安定性を確保できる傾向がある。
塩基性基を有する分散剤の分子量は特に限定されないが、1000以上が好ましく、2000以上がより好ましく、3000以上がさらに好ましく、4000以上が特に好ましく、また、1000000以下が好ましく、100000以下がより好ましく、50000以下がさらに好ましく、20000以下が特に好ましい。前記下限値以上とすることで分散性が向上する傾向があり、また、前記上限値以下とすることで分散性が向上する傾向がある。
塩基性基を有する分散剤のアミン価は特に限定されないが、10mgKOH/g以上が好ましく、30mgKOH/g以上がより好ましく、50mgKOH/g以上がさらに好ましく、また、90mgKOH/g以下が好ましく、80mgKOH/g以下がより好ましく、75mgKOH/g以下がさらに好ましい。前記下限値以上とすることで分散性が良好となる傾向があり、また、前記上限値以下とすることで分散後の経時変化が少ない傾向がある。
ここで、塩基性基を有する分散剤のアミン価は、分散剤試料中の溶剤を除いた固形分1gあたりの塩基量と当量のKOHの質量で表し、次の方法により測定する。
100mLのビーカーに分散剤試料の0.5〜1.5gを精秤し、50mLの酢酸で溶解する。pH電極を備えた自動滴定装置を使って、この溶液を0.1mol/LのHClO4酢酸溶液にて中和滴定する。滴定pH曲線の変曲点を滴定終点とし次式によりアミン価を求める。
アミン価[mgKOH/g]=(561×V)/(W×S)
〔但し、W:分散剤試料秤取量[g]、V:滴定終点での滴定量[mL]、S:分散剤試料の固形分濃度[質量%]を表す。〕
4級アンモニウム塩基を塩基性基として有する場合、アクリル系高分子分散剤の具体的な構造については特に限定されないが、分散性の観点からは、下記式(i)で表される繰り返し単位(以下、「繰り返し単位(i)」ということがある。)を有することが好ましい。
上記式(i)中、R31〜R33は各々独立に、水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアリール基、又は置換基を有していてもよいアラルキル基であり、R31〜R33のうち2つ以上が互いに結合して環状構造を形成してもよい。R34は水素原子又はメチル基である。Xは2価の連結基であり、Y-は対アニオンである。
上記式(i)のR31〜R33における、置換基を有していてもよいアルキル基の炭素数は特に限定されないが、通常1以上であり、また、10以下であることが好ましく、6以下であることがより好ましい。アルキル基の具体例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基などが挙げられ、これらの中でも、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、又はヘキシル基であることが好ましく、メチル基、エチル基、プロピル基、又はブチル基であることがより好ましい。また、直鎖状、分枝状のいずれであってもよい。また、シクロヘキシル基、シクロヘキシルメチル基などの環状構造を含んでもよい。
上記式(i)のR31〜R33における、置換基を有していてもよいアリール基の炭素数は特に限定されないが、通常6以上であり、また、16以下であることが好ましく、12以下であることがより好ましい。アリール基の具体例としては、フェニル基、メチルフェニル基、エチルフェニル基、ジメチルフェニル基、ジエチルフェニル基、ナフチル基、アントラセニル基などが挙げられ、これらの中でもフェニル基、メチルフェニル基、エチルフェニル基、ジメチルフェニル基、又はジエチルフェニル基であることが好ましく、フェニル基、メチルフェニル基、又はエチルフェニル基であることがより好ましい。
上記式(i)のR31〜R33における、置換基を有していてもよいアラルキル基の炭素数は特に限定されないが、通常7以上であり、また、16以下であることが好ましく、12以下であることがより好ましい。アラルキル基の具体例としては、フェニルメチレン基、フェニルエチレン基、フェニルプロピレン基、フェニルブチレン基、フェニルイソプロピレン基などが挙げられ、これらの中でも、フェニルメチレン基、フェニルエチレン基、フェニルプロピレン基、又はフェニルブチレン基であることが好ましく、フェニルメチレン基、又はフェニルエチレン基であることがより好ましい。
これらの中でも、分散性の観点から、R31〜R33が各々独立にアルキル基、又はアラルキル基であることが好ましく、具体的には、R31及びR33が各々独立にメチル基、又はエチル基であり、かつ、R32がフェニルメチレン基、又はフェニルエチレン基であることが好ましく、R31及びR33がメチル基であり、かつ、R32がフェニルメチレン基であることがさらに好ましい。
また、前記アクリル系高分子分散剤が塩基性基として3級アミンを有する場合、分散性の観点からは、下記式(ii)で表される繰り返し単位(以下、「繰り返し単位(ii)」ということがある。)を有することが好ましい。
上記式(ii)中、R35及びR36は各々独立に、水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアリール基、又は置換基を有していてもよいアラルキル基であり、R35及びR36が互いに結合して環状構造を形成してもよい。R37は水素原子又はメチル基である。Zは2価の連結基である。
また、上記式(ii)のR35及びR36における、置換基を有していてもよいアルキル基としては、上記式(i)のR31〜R33として例示したものを好ましく採用することができる。
同様に、上記式(ii)のR35及びR36における、置換基を有していてもよいアリール基としては、上記式(i)のR31〜R33として例示したものを好ましく採用することができる。また、上記式(ii)のR35及びR36における、置換基を有していてもよいアラルキル基としては、上記式(i)のR31〜R33として例示したものを好ましく採用することができる。
これらの中でも、R35及びR36が各々独立に、置換基を有していてもよいアルキル基であることが好ましく、メチル基、又はエチル基であることがより好ましい。
上記式(i)のR31〜R33及び上記式(ii)のR35及びR36におけるアルキル基、アラルキル基又はアリール基が有していてもよい置換基としては、ハロゲン原子、アルコキシ基、ベンゾイル基、水酸基などが挙げられる。
上記式(i)及び(ii)において、2価の連結基X及びZとしては、例えば、炭素数1〜10のアルキレン基、炭素数6〜12のアリーレン基、−CONH−R43−基、−COOR44−基〔但し、R43及びR44は直接結合、炭素数1〜10のアルキレン基、又は炭素数2〜10のエーテル基(アルキルオキシアルキル基)である〕等が挙げられ、好ましくは−COO−R44−基である。
また、上記式(i)において、対アニオンのY-としては、Cl-、Br-、I-、ClO4 -、BF4 -、CH3COO-、PF6 -等が挙げられる。
前記式(i)で表される繰り返し単位の含有割合は特に限定されないが、分散性の観点から、前記式(i)で表される繰り返し単位の含有割合と前記式(ii)で表される繰り返し単位の含有割合の合計に対して好ましくは60モル%以下であり、より好ましくは50モル%以下であり、さらに好ましくは40モル%以下であり、特に好ましくは35モル%以下であり、また、好ましくは5モル%以上であり、より好ましくは10モル%以上であり、さらに好ましくは20モル%以上であり、特に好ましくは30モル%以上である。
また、アクリル系高分子分散剤の全繰り返し単位に占める前記式(i)で表される繰り返し単位の含有割合は特に限定されないが、分散性の観点から、1モル%以上であることが好ましく、5モル%以上であることがより好ましく、10モル%以上であることがさらに好ましく、また、50モル%以下であることが好ましく、30モル%以下であることがより好ましく、20モル%以下であることがさらに好ましく、15モル%以下であることが特に好ましい。
また、アクリル系高分子分散剤の全繰り返し単位に占める前記式(ii)で表される繰り返し単位の含有割合は特に限定されないが、分散性の観点から、5モル%以上であることが好ましく、10モル%以上であることがより好ましく、15モル%以上であることがさらに好ましく、20モル%以上であることが特に好ましく、また、60モル%以下であることが好ましく、40モル%以下であることがより好ましく、30モル%以下であることがさらに好ましく、25モル%以下であることが特に好ましい。
また、アクリル系高分子分散剤は、溶媒等のバインダー成分に対する相溶性を高め、分散安定性を向上させるとの観点から、下記式(iii)で表される繰り返し単位(以下、「繰り返し単位(iii)」ということがある。)を有することが好ましい。
上記式(iii)中、R40はエチレン基又はプロピレン基であり、R41は置換基を有していてもよいアルキル基であり、R42は水素原子又はメチル基である。nは1〜20の整数である。
上記式(iii)のR41における、置換基を有していてもよいアルキル基の炭素数は特に限定されないが、通常1以上であり、2以上であることが好ましく、また、10以下であることが好ましく、6以下であることがより好ましい。アルキル基の具体例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基などが挙げられ、これらの中でも、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、又はヘキシル基であることが好ましく、メチル基、エチル基、プロピル基、又はブチル基であることがより好ましい。また、直鎖状、分枝状のいずれであってもよい。また、シクロヘキシル基、シクロヘキシルメチル基などの環状構造を含んでもよい。
また、上記式(iii)におけるnは溶媒等バインダー成分に対する相溶性と分散性の観点から、1以上であることが好ましく、2以上であることがより好ましく、また、10以下であることが好ましく、5以下であることがより好ましい。
また、アクリル系高分子分散剤の全繰り返し単位に占める前記式(iii)で表される繰り返し単位の含有割合は特に限定されないが、1モル%以上であることが好ましく、2モル%以上であることがより好ましく、4モル%以上であることがさらに好ましく、また、30モル%以下であることが好ましく、20モル%以下であることがより好ましく、10モル%以下であることがさらに好ましい。前記範囲内の場合には溶媒等バインダー成分に対する相溶性と分散安定性の両立が可能となる傾向がある。
また、アクリル系高分子分散剤は、分散剤の溶媒等バインダー成分に対する相溶性を高め、分散安定性を向上させるという観点から、下記式(iv)で表される繰り返し単位(以下、「繰り返し単位(iv)」ということがある。)を有することが好ましい。
上記式(iv)中、R38は置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアリール基、又は置換基を有していてもよいアラルキル基である。R39は水素原子又はメチル基である。
上記式(iv)のR38における、置換基を有していてもよいアルキル基の炭素数は特に限定されないが、通常1以上であり、2以上であることが好ましく、4以上であることがより好ましく、また、10以下であることが好ましく、8以下であることがより好ましい。アルキル基の具体例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基などが挙げられ、これらの中でも、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、又はヘキシル基であることが好ましく、メチル基、エチル基、プロピル基、又はブチル基であることがより好ましい。また、直鎖状、分枝状のいずれであってもよい。また、シクロヘキシル基、シクロヘキシルメチル基などの環状構造を含んでもよい。
上記式(iv)のR38における、置換基を有していてもよいアリール基の炭素数は特に限定されないが、通常6以上であり、また、16以下であることが好ましく、12以下であることがより好ましく、8以下であることがさらに好ましい。アリール基の具体例としては、フェニル基、メチルフェニル基、エチルフェニル基、ジメチルフェニル基、ジエチルフェニル基、ナフチル基、アントラセニル基などが挙げられ、これらの中でもフェニル基、メチルフェニル基、エチルフェニル基、ジメチルフェニル基、又はジエチルフェニル基であることが好ましく、フェニル基、メチルフェニル基、又はエチルフェニル基であることがより好ましい。
上記式(iv)のR38における、置換基を有していてもよいアラルキル基の炭素数は特に限定されないが、通常7以上であり、また、16以下であることが好ましく、12以下であることがより好ましく、10以下であることがさらに好ましい。アラルキル基の具体例としては、フェニルメチレン基、フェニルエチレン基、フェニルプロピレン基、フェニルブチレン基、フェニルイソプロピレン基などが挙げられ、これらの中でも、フェニルメチレン基、フェニルエチレン基、フェニルプロピレン基、又はフェニルブチレン基であることが好ましく、フェニルメチレン基、又はフェニルエチレン基であることがより好ましい。
これらの中でも、溶剤相溶性と分散安定性の観点から、R38がアルキル基、又はアラルキル基であることが好ましく、メチル基、エチル基、又はフェニルメチレン基であることがより好ましい。
38における、アルキル基が有していてもよい置換基としては、ハロゲン原子、アルコキシ基等が挙げられる。また、アリール基又はアラルキル基が有していてもよい置換基としては、鎖状のアルキル基、ハロゲン原子、アルコキシ基等が挙げられる。また、R38で示される鎖状のアルキル基には、直鎖状及び分岐鎖状のいずれも含まれる。
また、アクリル系高分子分散剤の全繰り返し単位に占める前記式(iv)で表される繰り返し単位の含有割合は、分散性の観点から、30モル%以上であることが好ましく、40モル%以上であることがより好ましく、50モル%以上であることがさらに好ましく、また、80モル%以下であることが好ましく、70モル%以下であることがより好ましい。
アクリル系高分子分散剤は、繰り返し単位(i)、繰り返し単位(ii)、繰り返し単位(iii)及び繰り返し単位(iv)以外の繰り返し単位を有していてもよい。そのような繰り返し単位の例としては、スチレン、α−メチルスチレンなどのスチレン系単量体;(メタ)アクリル酸クロリドなどの(メタ)アクリル酸塩系単量体;(メタ)アクリルアミド、N−メチロールアクリルアミドなどの(メタ)アクリルアミド系単量体;酢酸ビニル;アクリロニトリル;アリルグリシジルエーテル、クロトン酸グリシジルエーテル;N−メタクリロイルモルホリン等の単量体に由来する繰り返し単位が挙げられる。
アクリル系高分子分散剤は、分散性をより高めるとの観点から、繰り返し単位(i)及び繰り返し単位(ii)を有するAブロックと、繰り返し単位(i)及び繰り返し単位(ii)を有さないBブロックとを有する、ブロック共重合体であることが好ましい。該ブロック共重合体は、A−Bブロック共重合体又はB−A−Bブロック共重合体であることが好ましい。Aブロックに4級アンモニウム塩基だけでなく3級アミノ基も導入することにより、意外にも、分散剤の分散能力が著しく向上する傾向がある。また、Bブロックが繰り返し単位(iii)を有することが好ましく、更に繰り返し単位(iv)を有することがより好ましい。
Aブロック中において、繰り返し単位(i)及び繰り返し単位(ii)は、ランダム共重合、ブロック共重合のいずれの態様で含有されていてもよい。また、繰り返し単位(i)及び繰り返し単位(ii)は、1つのAブロック中に各々2種以上含有されていてもよく、その場合、各々の繰り返し単位は、該Aブロック中においてランダム共重合、ブロック共重合のいずれの態様で含有されていてもよい。
また、繰り返し単位(i)及び繰り返し単位(ii)以外の繰り返し単位が、Aブロック中に含有されていてもよく、そのような繰り返し単位の例としては、前述の(メタ)アクリル酸エステル系単量体由来の繰り返し単位等が挙げられる。繰り返し単位(i)及び繰り返し単位(ii)以外の繰り返し単位の、Aブロック中の含有量は、好ましくは0〜50モル%、より好ましくは0〜20モル%であるが、かかる繰り返し単位はAブロック中に含有されないことが最も好ましい。
繰り返し単位(iii)及び(iv)以外の繰り返し単位がBブロック中に含有されていてもよく、そのような繰り返し単位の例としては、スチレン、α−メチルスチレンなどのスチレン系単量体;(メタ)アクリル酸クロリドなどの(メタ)アクリル酸塩系単量体;(メタ)アクリルアミド、N−メチロールアクリルアミドなどの(メタ)アクリルアミド系単量体;酢酸ビニル;アクリロニトリル;アリルグリシジルエーテル、クロトン酸グリシジルエーテル;N−メタクリロイルモルホリン等の単量体に由来する繰り返し単位が挙げられる。繰り返し単位(iii)及び繰り返し単位(iv)以外の繰り返し単位の、Bブロック中の含有量は、好ましくは0〜50モル%、より好ましくは0〜20モル%であるが、かかる繰り返し単位はBブロック中に含有されないことが最も好ましい。
一方で、同一分子中に酸性基と塩基性基の両方を有する分散剤としては、例えば、塩基性基を有する不飽和基含有単量体、酸性基を有する不飽和基含有単量体、その他の不飽和基含有単量等を共重合させたアクリル系高分子分散剤等が挙げられる。
これらの中でも(f)分散剤は、製造容易性の観点から、酸性基を有する分散剤と塩基性基を有する分散剤の混合物であることが好ましく、具体的には、リン酸系化合物と低分子量のアミン化合物との混合物や、リン酸系化合物と塩基性基を有するアクリル系高分子分散剤との化合物が挙げられる。
また分散安定性向上の点から、(f)分散剤は、後述する顔料誘導体と併用することが好ましい。
<着色感光性樹脂組成物のその他の配合成分>
本発明の着色感光性樹脂組成物には、上述の成分の他、シランカップリング剤等の密着向上剤、塗布性向上剤、現像改良剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、界面活性剤、顔料誘導体等を適宜配合することができる。
(1)密着向上剤
本発明の着色感光性樹脂組成物には、基板との密着性を改善するため、密着向上剤を含有させてもよい。密着向上剤としては、シランカップリング剤、燐酸基含有密着向上剤等が好ましい。
シランカップリング剤の種類としては、エポキシ系、(メタ)アクリル系、アミノ系等種々のものを1種単独で、或いは2種以上を混合して使用できる。
好ましいシランカップリング剤として、例えば、3−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン等の(メタ)アクリロキシシラン類、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン等のエポキシシラン類、3−ウレイドプロピルトリエトキシシラン等のウレイドシラン類、3−イソシアネートプロピルトリエトキシシラン等のイソシアネートシラン類が挙げられるが、特に好ましくは、エポキシシラン類のシランカップリング剤である。
燐酸基含有密着向上剤としては、(メタ)アクリロイル基含有ホスフェート類が好ましく、下記一般式(g1)、(g2)又は(g3)で表されるものが好ましい。
上記一般式(g1)、(g2)及び(g3)において、R51は水素原子又はメチル基を示し、l及びl’は1〜10の整数、mは1、2又は3である。
これらの燐酸基含有密着向上剤も1種類を単独で用いても、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
(2)界面活性剤
本発明の着色感光性樹脂組成物には、塗布性向上ため、界面活性剤を含有させてもよい。
界面活性剤としては、例えば、アニオン系、カチオン系、非イオン系、両性界面活性剤等各種のものを用いることができる。中でも、諸特性に悪影響を及ぼす可能性が低い点で、非イオン系界面活性剤を用いるのが好ましく、中でもフッ素系やシリコン系の界面活性剤が塗布性の面で効果的である。
このような界面活性剤としては、例えば、TSF4460(ジーイー東芝シリコーン社製)、DFX−18(ネオス社製)、BYK−300、BYK−325、BYK−330(ビックケミー社製)、KP340(信越シリコーン社製)、F−470、F−475、F−478、F−559(DIC社製)、SH7PA(トーレシリコーン社製)、DS−401(ダイキン社製)、L−77(日本ユニカー社製)、FC4430(住友3M社製)等が挙げられる。
なお、界面活性剤は、1種を用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用してもよい。
(3)顔料誘導体
本発明の着色感光性樹脂組成物には、分散性、保存性向上のため、分散助剤として顔料誘導体を含有させてもよい。
顔料誘導体としてはアゾ系、フタロシアニン系、キナクリドン系、ベンズイミダゾロン系、キノフタロン系、イソインドリノン系、ジオキサジン系、アントラキノン系、インダンスレン系、ペリレン系、ペリノン系、ジケトピロロピロール系、ジオキサジン系等の誘導体が挙げられるが、中でもフタロシアニン系、キノフタロン系が好ましい。
顔料誘導体の置換基としてはスルホン酸基、スルホンアミド基及びその4級塩、フタルイミドメチル基、ジアルキルアミノアルキル基、水酸基、カルボキシル基、アミド基等が顔料骨格に直接又はアルキル基、アリール基、複素環基等を介して結合したものが挙げられ、好ましくはスルホン酸基である。またこれら置換基は一つの顔料骨格に複数置換していてもよい。
顔料誘導体の具体例としてはフタロシアニンのスルホン酸誘導体、キノフタロンのスルホン酸誘導体、アントラキノンのスルホン酸誘導体、キナクリドンのスルホン酸誘導体、ジケトピロロピロールのスルホン酸誘導体、ジオキサジンのスルホン酸誘導体等が挙げられる。これらは1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
(4)光酸発生剤
光酸発生剤とは、紫外線により酸を発生することができる化合物であり、露光を行った際に発生する酸の作用により、例えばメラミン化合物等架橋剤があることで架橋反応を進行させることとなる。係る光酸発生剤の中でも、溶剤に対する溶解性、特に着色感光性樹脂組成物に使われる溶剤に対する溶解性が大きいものが好ましいものであり、例えば、ジフェニルヨードニウム、ジトリルヨードニウム、フェニル(p−アニシル)ヨードニウム、ビス(m−ニトロフェニル)ヨードニウム、ビス(p−tert−ブチルフェニル)ヨードニウム、ビス(p−クロロフェニル)ヨードニウム、ビス(n−ドデシル)ヨードニウム、p−イソブチルフェニル(p−トリル)ヨードニウム、p−イソプロピルフェニル(p−トリル)ヨードニウムなどのジアリールヨードニウム、あるいはトリフェニルスルホニウムなどのトリアリールスルホニウムのクロリド、ブロミド、あるいはホウフッ化塩、ヘキサフルオロフォスフェート塩、ヘキサフルオロアルセネート塩、芳香族スルホン酸塩、テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート塩等や、ジフェニルフェナシルスルホニウム(n−ブチル)トリフェニルボレート等のスルホニウム有機ホウ素錯体類、あるいは、2−メチル−4,6−ビストリクロロメチルトリアジン、2−(4−メトキシフェニル)−4,6−ビストリクロロメチルトリアジンなどのトリアジン化合物等を挙げることができるがこの限りではない。
(5)架橋剤
本発明の着色感光性樹脂組成物には、さらに架橋剤を加えることができ、例えばメラミン又はグアナミン系の化合物を用いることができる。これら架橋剤としては、例えば、下記一般式(6)で示されるメラミン又はグアナミン系の化合物を挙げることができる。
式(6)中、R61は−NR6667基又は炭素数6〜12のアリール基を表し、R61が−NR6667基の場合はR62、R63、R64、R65、R66及びR67の一つ、そしてR61が炭素数6〜12のアリール基の場合はR62、R63、R64及びR65の一つが−CH2OR68基を表し、R62、R63、R64、R65、R66及びR67の残りは互いに独立に、水素又は−CH2OR68基を表し、ここにR68は水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基を表す。
ここで、炭素数6〜12のアリール基は典型的にはフェニル基、1−ナフチル基又は2−ナフチル基であり、これらのフェニル基やナフチル基には、アルキル基、アルコキシ基、ハロゲン原子などの置換基が結合していてもよい。アルキル基及びアルコキシ基は、それぞれ炭素数1〜6程度であることができる。R68で表されるアルキル基は、上記のなかでも、メチル基又はエチル基、とりわけメチル基であるのが好ましい。
一般式(6)に相当するメラミン系化合物、すなわち下記一般式(6−1)の化合物には、ヘキサメチロールメラミン、ペンタメチロールメラミン、テトラメチロールメラミン、ヘキサメトキシメチルメラミン、ペンタメトキシメチルメラミン、テトラメトキシメチルメラミン、ヘキサエトキシメチルメラミンなどが包含される。
式(6−1)中、R62、R63、R64、R65、R66及びR67の一つがアリール基の場合はR62、R63、R64及びR65の一つが−CH2OR68基を表し、R62、R63、R64、R65、R66及びR67の残りは互いに独立に、水素原子又は−CH2OR68基を表し、ここにR68は水素原子又はアルキル基を表す。
また、一般式(6)に相当するグアナミン系化合物、すなわち一般式(6)中のR61がアリールである化合物には、テトラメチロールベンゾグアナミン、テトラメトキシメチルベンゾグアナミン、トリメトキシメチルベンゾグアナミン、テトラエトキシメチルベンゾグアナミンなどが包含される。
さらに、メチロール基又はメチロールアルキルエーテル基を有する架橋剤を用いることもできる。以下にその例を挙げる。
2,6−ビス(ヒドロキシメチル)−4−メチルフェノール、4−tert−ブチル−2,6−ビス(ヒドロキシメチル)フェノール、5−エチル−1,3−ビス(ヒドロキシメチル)ペルヒドロ−1,3,5−トリアジン−2−オン(通称N−エチルジメチロールトリアゾン)又はそのジメチルエーテル体、ジメチロールトリメチレン尿素又はそのジメチルエーテル体、3,5−ビス(ヒドロキシメチル)ペルヒドロ−1,3,5−オキサジアジン−4−オン(通称ジメチロールウロン)又はそのジメチルエーテル体、テトラメチロールグリオキザールジウレイン又はそのテトラメチルエーテル体。
なお、これら架橋剤は1種を単独で用いても、2種以上を組み合わせて使用してもよい。架橋剤を用いる際の量は、着色感光性樹脂組成物の全固形分に対して0.1〜15質量%が好ましく、特に好ましくは0.5〜10質量%である。
(6)メルカプト化合物
重合促進剤として、また、基板への密着性の向上のため、メルカプト化合物を添加することも可能である。
メルカプト化合物の種類としては、2−メルカプトベンゾチアゾール、2−メルカプトベンゾオキサゾール、2−メルカプトベンゾイミダゾール、ヘキサンジチオール、デカンジチオール、1,4−ジメチルメルカプトベンゼン、ブタンジオールビスチオプロピオネート、ブタンジオールビスチオグリコレート、エチレングリコールビスチオグリコレート、トリメチロールプロパントリスチオグリコレート、ブタンジオールビスチオプロピオネート、トリメチロールプロパントリスチオプロピオネート、トリメチロールプロパントリスチオグリコレート、ペンタエリスリトールテトラキスチオプロピオネート、ペンタエリスリトールテトラキスチオグリコレート、トリスヒドロキシエチルトリスチオプロピオネート、エチレングリコールビス(3−メルカプトブチレート)、ブタンジオールビス(3−メルカプトブチレート)、1,4−ビス(3−メルカプトブチリルオキシ)ブタン、トリメチロールプロパントリス(3−メルカプトブチレート)、ペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトブチレート)、ペンタエリスリトールトリス(3−メルカプトブチレート)、エチレングリコールビス(3−メルカプトイソブチレート)、ブタンジオールビス(3−メルカプトイソブチレート)、トリメチロールプロパントリス(3−メルカプトイソブチレート)、1,3,5−トリス(3−メルカプトブチルオキシエチル)−1,3,5−トリアジン−2,4,6(1H,3H,5H)−トリオン等の複素環を有するメルカプト化合物又は脂肪族多官能メルカプト化合物等が挙げられる。これらは種々のものを1種単独で、或いは2種以上を混合して使用できる。
<着色感光性樹脂組成物中の成分配合量>
本発明の着色感光性樹脂組成物において、(a)着色剤の含有割合は、着色感光性樹脂組成物中の全固形分量に対して通常10質量%以上、20質量%以上であることが好ましく、25質量%以上であることがより好ましく、また、通常60質量%以下であり、50質量%以下であることが好ましく、40質量%以下であることがより好ましく、35質量%以下であることがさらに好ましい。(a)着色剤の含有割合を前記下限値以上とすることで、十分な光学濃度(OD)が得られる傾向があり、また、前記上限値以下とすることで十分な画像形成性が得られやすい傾向がある。
また、(a)着色剤が有機黒色顔料を含有する場合、(a)着色剤に対する有機黒色顔料の含有割合は特に限定されないが、5質量%以上であることが好ましく、10質量%以上であることがより好ましく、30質量%以上であることがさらに好ましく、50質量%以上がよりさらに好ましく、70質量%以上であることが特に好ましく、90質量%以上が最も好ましく、また、通常100質量%以下である。前記下限値以上とすることで遮光性を向上できる傾向がある。
また、(a)着色剤が有機着色顔料を含有する場合、(a)着色剤に対する有機着色顔料の含有割合は特に限定されないが、5質量%以上であることが好ましく、10質量%以上であることがより好ましく、30質量%以上であることがさらに好ましく、50質量%以上であることがよりさらに好ましく、70質量%以上であることが特に好ましく、90質量%以上であることが最も好ましく、また、通常100質量%以下である。前記下限値以上とすることで遮光性を向上できる傾向がある。
(b)アルカリ可溶性樹脂の含有割合は、本発明の着色感光性樹脂組成物の全固形分に対して、通常5質量%以上、好ましくは10質量%以上、より好ましくは20質量%以上、さらに好ましくは30質量%以上、よりさらに好ましくは35質量%以上、特に好ましくは40質量%以上であり、通常85質量%以下、好ましくは80質量%以下、より好ましくは70質量%以下、さらに好ましくは50質量%以下である。(b)アルカリ可溶性樹脂の含有割合を前記下限値以上とすることで未露光部分の現像液に対する溶解性の低下を抑制し、現像不良を抑制できる傾向がある。また前記上限値以下とすることで、露光部への現像液の浸透性が高くなるのを抑制でき、画素のシャープ性や密着性の低下を抑制できる傾向がある。
(c)光重合開始剤の含有割合は、本発明の着色感光性樹脂組成物の全固形分に対して、通常0.1質量%以上、好ましくは0.5質量%以上、より好ましくは1質量%以上、さらに好ましくは2質量%以上、特に好ましくは3質量%以上であり、通常15質量%以下、好ましくは10質量%以下、より好ましくは6質量%以下である。(c)光重合開始剤の含有割合を前記下限値以上とすることで感度低下を抑制できる傾向があり、前記上限値以下とすることで未露光部分の現像液に対する溶解性の低下を抑制し、現像不良を抑制できる傾向がある。
(c)光重合開始剤と共に重合促進剤を用いる場合、重合促進剤の含有割合は、本発明の着色感光性樹脂組成物の全固形分に対して、好ましくは0.05質量%以上で、通常10質量%以下、好ましくは5質量%以下であり、重合促進剤は、(c)光重合開始剤100質量部に対して通常0.1〜50質量部、特に0.1〜20質量部の割合で用いることが好ましい。重合促進剤の含有割合を前記下限値以上とすることで、露光光線に対する感度の低下を抑制できる傾向があり、前記上限値以下とすることで未露光部分の現像液に対する溶解性の低下を抑制し、現像不良を抑制できる傾向がある。
また、本発明の着色感光性樹脂組成物中に占める増感色素の配合割合は感度の観点から着色感光性樹脂組成物中の全固形分中、通常20質量%以下、好ましくは15質量%以下、更に好ましくは10質量%以下である。
(d)光重合性和化合物の含有割合は、本発明の着色感光性樹脂組成物の全固形分に対して、通常30質量%以下、好ましくは20質量%以下、より好ましくは15質量%以下である。(d)光重合性化合物の含有割合を前記上限値以下とすることで、露光部への現像液の浸透性が高くなるのを抑制し、良好な画像を得ることが容易となる傾向がある。なお、(d)光重合性化合物の含有割合の下限値は、通常1質量%以上、好ましくは5質量%以上、より好ましくは8質量%以上である。
なお、本発明の着色感光性樹脂組成物は、(e)溶剤を使用することで、その固形分濃度が通常5質量%以上、好ましくは10質量%以上、また通常50質量%以下、好ましくは30質量%となるように調液される。
(f)分散剤の含有割合は、着色感光性樹脂組成物の固形分中、通常1質量%以上であり、3質量%以上が好ましく、5質量%以上がより好ましく、また通常30質量%以下、20質量%以下が好ましく、15質量%以下がより好ましく、10質量%以下がさらに好ましい。また、(a)着色剤100質量部に対する(f)分散剤の含有割合は、通常5質量部以上、10質量部以上がより好ましく、15質量部以上がさらに好ましく、通常50質量部以下、30質量部以下であることが好ましく、20質量部以下であることがより好ましい。(f)分散剤の含有割合を前記下限値以上とすることで、十分な分散性が得られやすい傾向があり、前記上限値以下とすることで相対的に他の成分の割合が減ることで感度、製版性等が低下するのを抑制できる傾向がある。
密着向上剤を用いる場合、その含有割合は、着色感光性樹脂組成物中の全固形分に対して通常0.1〜5質量%、好ましくは0.2〜3質量%、さらに好ましくは0.4〜2質量%である。密着向上剤の含有割合を前記下限値以上とすることで密着性の向上効果を十分に得ることができる傾向があり、前記上限値以下とすることで感度が低下したり、現像後に残渣が残り欠陥となったりするのを抑制できる傾向がある。
また、界面活性剤を用いる場合、その含有割合は、着色感光性樹脂組成物中の全固形分に対して通常0.001〜10質量%、好ましくは0.005〜1質量%、さらに好ましくは0.01〜0.5質量%、最も好ましくは0.03〜0.3質量%である。界面活性剤の含有割合を前記下限値以上とすることで塗布膜の平滑性、均一性が発現しやすい傾向があり、前記上限値以下とすることで塗布膜の平滑性、均一性が発現しやすく、他の特性の悪化も抑制できる傾向がある。
<着色感光性樹脂組成物の物性>
本発明の着色感光性樹脂組成物は、有機電界発光素子の隔壁形成用に好適に使用することができ、黒色の再現性に優れるという有機電界発光素子の特性の観点から黒色を呈していることが好ましく、その塗膜の膜厚1μm当たりの光学濃度(OD)が1.0以上であることが好ましく、1.2以上であることがより好ましく、1.5以上であることがさらに好ましく、通常4.0以下である。
<着色感光性樹脂組成物の製造方法>
本発明の着色感光性樹脂組成物(以下、「レジスト」と称することがある。)は、常法に従って製造される。
通常、(a)着色剤は、予めペイントコンディショナー、サンドグラインダー、ボールミル、ロールミル、ストーンミル、ジェットミル、ホモジナイザー等を用いて分散処理するのが好ましい。分散処理により(a)着色剤が微粒子化されるため、レジストの塗布特性が向上する。
分散処理は、通常、(a)着色剤、(e)溶剤、及び(f)分散剤、並びに(b)アルカリ可溶性樹脂の一部又は全部を併用した系にて行うことが好ましい(以下、分散処理に供する混合物、及び該処理にて得られた組成物を「インク」、「顔料分散液」又は「着色感光性樹脂組成物製造用顔料分散液」と称することがある)。特に(f)分散剤として高分子分散剤を用いると、得られたインク及びレジストの経時の増粘が抑制される(分散安定性に優れる)ので好ましい。
このように、レジストを製造する工程において、(a)着色剤、(e)溶剤、及び(f)分散剤を少なくとも含有する着色感光性樹脂組成物製造用顔料分散液を製造することが好ましい。顔料分散液に用いることができる(a)着色剤、(e)有機溶剤、及び(f)分散剤としては、それぞれ着色感光性樹脂組成物に用いることができるものとして記載したものを好ましく採用することができる。
なお、着色感光性樹脂組成物に配合する全成分を含有する液に対して分散処理を行った場合、分散処理時に生じる発熱のため、高反応性の成分が変性する可能性がある。従って、高分子分散剤を含む系にて分散処理を行うことが好ましい。
サンドグラインダーで(a)着色剤を分散させる場合には、0.1〜8mm程度の径のガラスビーズ又はジルコニアビーズが好ましく用いられる。分散処理条件は、温度は通常0℃から100℃であり、好ましくは室温から80℃の範囲である。分散時間は液の組成及び分散処理装置のサイズ等により適正時間が異なるため適宜調節する。レジストの20度鏡面光沢度(JIS Z8741)が50〜300の範囲となるように、インキの光沢を制御するのが分散の目安である。レジストの光沢度が低い場合には、分散処理が十分でなく荒い顔料(色材)粒子が残っていることが多く、現像性、密着性、解像性等が不十分となる可能性がある。また、光沢値が上記範囲を超えるまで分散処理を行うと、顔料が破砕して超微粒子が多数生じるため、却って分散安定性が損なわれる傾向がある。
また、インク中に分散した顔料の分散粒径は通常0.03〜0.3μmであり、動的光散乱法等により測定される。
次に、上記分散処理により得られたインキと、レジスト中に含まれる、上記の他の成分を混合し、均一な溶液とする。レジストの製造工程においては、微細なゴミが液中に混じることが多いため、得られたレジストはフィルター等により濾過処理するのが望ましい。
[硬化物]
本発明の着色感光性樹脂組成物を硬化させることで、硬化物を得ることができる。着色感光性樹脂組成物を硬化してなる硬化物は、遮光性に優れた、有機電界発光素子の隔壁、特に着色隔壁として好適に用いることができる。
[隔壁]
次に、本発明の着色感光性樹脂組成物を用いた隔壁について、その製造方法に従って説明する。
(1)支持体
隔壁を形成するための支持体としては、適度の強度があれば、その材質は特に限定されるものではない。おもに透明基板が使用されるが、材質としては、例えば、ポリエチレンテレフタレートなどのポリエステル系樹脂、ポリプロピレン、ポリエチレンなどのポリオレフィン系樹脂、ポリカーボネート、ポリメチルメタクリレート、ポリスルフォンなどの熱可塑性樹脂製シート、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ポリ(メタ)アクリル系樹脂などの熱硬化性樹脂シート、又は各種ガラスなどが挙げられる。この中でも、耐熱性の観点からガラス、耐熱性樹脂が好ましい。また、基板の表面にITO、IZO等の透明電極が成膜されている場合もある。透明基板以外では、TFTアレイ上に形成することも可能である。
支持体には、接着性などの表面物性の改良のため、必要に応じ、コロナ放電処理、オゾン処理、シランカップリング剤や、ウレタン系樹脂などの各種樹脂の薄膜形成処理などを行ってもよい。
透明基板の厚さは、通常0.05〜10mm、好ましくは0.1〜7mmの範囲とされる。また各種樹脂の薄膜形成処理を行う場合、その膜厚は、通常0.01〜10μm、好ましくは0.05〜5μmの範囲である。
(2)隔壁
本実施形態の着色感光性樹脂組成物は、公知のカラーフィルター用着色感光性樹脂組成物と同様の方法により使用されるが、以下隔壁用途の場合について説明する。通常、隔壁が設けられるべき基板上に、着色感光性樹脂組成物を塗布等の方法により膜或いはパターン状に供給し、溶剤を乾燥させる。続いて、露光及び現像を行う。フォトリソグラフィー法などによりパターンを形成させる。その後、必要に応じて追露光や熱硬化処理を行うことにより、該基板上に着色隔壁を形成させる。
(3)隔壁の形成
(3−1)着色感光性樹脂組成物の塗布
本実施形態の着色感光性樹脂組成物は、通常溶剤に溶解或いは分散させた状態で、基板上へ供給される。着色隔壁用の着色感光性樹脂組成物の透明基板上への塗布は、スピナー法、ワイヤーバー法、フローコート法、ダイコート法、ロールコート法、又はスプレーコート法などによって行うことができる。中でも、ダイコート法によれば、塗布液使用量が大幅に削減され、かつ、スピンコート法によった際に付着するミストなどの影響が全くなく、異物発生が抑制されるなど、総合的な観点から好ましい。
塗膜の厚さは、厚すぎると、パターン現像が困難となり、薄すぎると顔料濃度を高めることが困難となり1〜10μmの範囲とするのが好ましく、より好ましいのは1〜9μmの範囲、更に好ましいのは1〜7μmの範囲である。また、乾燥膜厚あるいは最終的に形成された隔壁の高さが、基板全域に渡って均一であることが重要である。ばらつきが大きい場合には、有機電界発光素子のムラ欠陥を生ずることになる。また、インクジェット法や印刷法などによりパターン状に供給されても良い。
(3−2)塗膜の乾燥
基板に着色感光性樹脂組成物を塗布した後の塗膜の乾燥は、ホットプレート、IRオーブン、又はコンベクションオーブンを使用した乾燥法により行うのが好ましい。乾燥の条件は、前記溶剤成分の種類、使用する乾燥機の性能などに応じて適宜選択することができる。乾燥時間は、溶剤成分の種類、使用する乾燥機の性能などに応じて、通常は、40〜200℃の温度で15秒〜5分間の範囲で選ばれ、好ましくは50〜130℃の温度で30秒〜3分間の範囲で選ばれる。
乾燥温度は、高いほど透明基板に対する塗膜の接着性が向上するが、高すぎると(b)アルカリ可溶性樹脂が分解し、熱重合を誘発して現像不良を生ずる場合がある。なお、この塗膜の乾燥工程は、温度を高めず、減圧チャンバー内で乾燥を行う、減圧乾燥法であってもよい。
(3−3)露光
画像露光は、着色感光性樹脂組成物の塗膜上に、ネガのマスクパターンを重ね、このマスクパターンを介し、紫外線又は可視光線の光源を照射して行う。露光マスクを用いて露光を行う場合には、露光マスクを着色感光性樹脂組成物の塗布膜に近接させる方法や、露光マスクを着色感光性樹脂組成物の塗布膜から離れた位置に配置し、該露光マスクを介した露光光を投影する方法によっても良い。また、マスクパターンを用いないレーザー光による走査露光方式によっても良い。この際、必要に応じ、酸素による光重合性層の感度の低下を防ぐため、光重合性の塗膜上にポリビニルアルコール層などの酸素遮断層を形成した後に露光を行ってもよい。上記の画像露光に使用される光源は、特に限定されるものではない。光源としては、例えば、キセノンランプ、ハロゲンランプ、タングステンランプ、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、メタルハライドランプ、中圧水銀灯、低圧水銀灯、カーボンアーク、蛍光ランプなどのランプ光源や、アルゴンイオンレーザー、YAGレーザー、エキシマレーザー、窒素レーザー、ヘリウムカドミニウムレーザー、半導体レーザーなどのレーザー光源などが挙げられる。特定の波長の光を照射して使用する場合には、光学フィルターを利用することもできる。光学フィルターには、例えば薄膜で露光波長における光透過率を制御可能なタイプでも良く、その場合の材質としては、例えばCr化合物(Crの酸化物、窒化物、酸窒化物、フッ化物など)、MoSi、Si、W、Al等が挙げられる。
露光量は、通常通常、1mJ/cm2以上、好ましくは5mJ/cm2以上、より好ましくは10mJ/cm2以上であり、通常300mJ/cm2以下、好ましくは200mJ/cm2以下、より好ましくは150mJ/cm2以下である。また、近接露光方式の場合において、露光対象とマスクパターンとの距離は、通常10μm以上、好ましくは50μm以上、より好ましくは75μm以上であり、通常500μm以下、好ましくは400μm以下、より好ましくは300μm以下である。
(3−4)現像
本発明に係る隔壁は、着色感光性樹脂組成物による塗膜を、上記の光源によって画像露光を行った後、有機溶剤、又は、界面活性剤とアルカリ性化合物とを含む水溶液を用いる現像によって、基板上に画像を形成して作製することができる。この水溶液には、更に有機溶剤、緩衝剤、錯化剤、染料又は顔料を含ませることができる。
アルカリ性化合物としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、ケイ酸ナトリウム、ケイ酸カリウム、メタケイ酸ナトリウム、リン酸ナトリウム、リン酸カリウム、リン酸水素ナトリウム、リン酸水素カリウム、リン酸二水素ナトリウム、リン酸二水素カリウム、水酸化アンモニウムなどの無機アルカリ性化合物や、モノ−・ジ−又はトリエタノールアミン、モノ−・ジ−又はトリメチルアミン、モノ−・ジ−又はトリエチルアミン、モノ−又はジイソプロピルアミン、n−ブチルアミン、モノ−・ジ−又はトリイソプロパノールアミン、エチレンイミン、エチレンジイミン、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド(TMAH)、コリンなどの有機アルカリ性化合物が挙げられる。これらのアルカリ性化合物は、2種以上の混合物であってもよい。
界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル類、ポリオキシエチレンアルキルアリールエーテル類、ポリオキシエチレンアルキルエステル類、ソルビタンアルキルエステル類、モノグリセリドアルキルエステル類などのノニオン系界面活性剤、アルキルベンゼンスルホン酸塩類、アルキルナフタレンスルホン酸塩類、アルキル硫酸塩類、アルキルスルホン酸塩類、スルホコハク酸エステル塩類などのアニオン性界面活性剤、アルキルベタイン類、アミノ酸類などの両性界面活性剤が挙げられる。
有機溶剤としては、例えば、イソプロピルアルコール、ベンジルアルコール、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、フェニルセロソルブ、プロピレングリコール、ジアセトンアルコールなどが挙げられる。有機溶剤は、単独で用いてもよく、また、水溶液と併用してもよい。
現像処理の条件は特に制限はなく、通常、現像温度は10〜50℃の範囲、中でも15〜45℃、特に好ましくは20〜40℃で、現像方法は、浸漬現像法、スプレー現像法、ブラシ現像法、超音波現像法などのいずれかの方法によることができる。
(3−5)熱硬化処理
現像の後の基板には、熱硬化処理又は光硬化処理、好ましくは熱硬化処理を施す。この際の熱硬化処理条件は、温度は100〜280℃の範囲、好ましくは150〜250℃の範囲で選ばれ、時間は5〜60分間の範囲で選ばれる。
以上のように形成させた本発明の隔壁の大きさや形状等は、有機電界発光素子の仕様等によって適宜調整される。ただし、本発明の着色感光性樹脂組成物は、上述のように有機電界発光素子の着色隔壁を形成するにおいて、発光素子のエッジ部の残渣を解消することができる。着色隔壁の高さは通常1〜7μm程度である。
[有機電界発光素子]
本発明の有機電界発光素子は、上述のような本発明の硬化物、例えば隔壁を備えるものである。
例えば、以上説明した方法により製造された隔壁を備える基板を用いて、種々の有機電界発光素子が製造される。有機電界発光素子を形成する方法は特に限定されないが、好ましくは、上記方法により基板上に隔壁のパターンを形成した後に、機能材料を真空状態で昇華させ、基板上の隔壁により囲まれた領域内に蒸着させて成膜する蒸着法や、キャスト法、スピンコート法、インクジェット印刷法といったウェットプロセスにて画素等の有機層を形成することによって、有機電界発光素子が製造される。
有機電界発光素子のタイプとしては、ボトムエミッション型やトップエミッション型が挙げられる。
ボトムエミッション型では、例えば、透明電極を積層したガラス基板上に隔壁を形成し、隔壁で囲まれた開口部に正孔輸送層、発光層、電子輸送層、金属電極層を積層して作成される。一方でトップエミッション型では、例えば、金属電極層を積層したガラス基板上に隔壁を形成し、隔壁で囲まれた開口部に電子輸送層、発光層、正孔輸送層、透明電極層を積層して作成される。
なお、発光層としては、特開2009−146691号公報や特許第5734681号公報に記載されているような有機電界発光層が挙げられる。また、特許第5653387号公報や特許第5653101号公報に記載されているような量子ドットを用いてもよい。
層構成はこれに限定されず、例えば正孔輸送層、電子輸送層の各層は発光効率の観点から二層以上からなる積層構成でもよい。各層の厚みは特に限定されないが、発光効率や輝度の観点から、通常1〜500nmである。
有機電界発光素子は、開口部ごとにRGB各色を分けて形成してもよく、また1つの開口部に二色以上を積層してもよい。また、有機電界発光素子は信頼性向上の観点から、封止層を備えていてもよい。封止層は空気中の水分が有機電界発光素子に吸着し、発光効率を低下することを防ぐ機能を有する。また、有機電界発光素子は、光取り出し効率向上の観点から、空気との界面に低反射膜を備えていてもよい。低反射膜を空気と素子との界面に配置することで屈折率のギャップを小さくし、界面での反射を抑制することが期待できる。このような低反射膜には、モスアイ構造、超多層膜等の技術が挙げられる。
有機電界発光素子を画像表示装置の画素として使用する場合には、ある画素の発光層の光が他の画素に漏れることを防止する必要があり、さらに、電極等が金属である場合には外光の反射に伴う画像品質の低下を防止する必要があるため、有機電界発光素子を構成する隔壁に遮光性を付与することが好ましい。
また、有機電界発光素子においては、隔壁の上面およびは下面に電極を付与することが
必要であるため、絶縁性の観点から、隔壁は高抵抗、低誘電率であることが好ましい。そのため、隔壁に遮光性を付与するために着色剤を使用する場合には、高抵抗かつ低誘電率である有機黒色顔料を用いることが好ましい。
[画像表示装置]
本発明の画像表示装置は、前述の有機電界発光素子を含むものである。有機電界発光素子を含むものであれば、画像表示装置の型式や構造については特に制限はなく、例えばアクティブ駆動型有機電界発光素子を用いて常法に従って組み立てることができる。例えば、「有機ELディスプレイ」(オーム社、平成16年8月20日発行、時任静士、安達千波矢、村田英幸著)に記載されているような方法で、本発明の画像表示装置を形成することができる。例えば、白色光を発光する有機電界発光素子とカラーフィルターとを組み合わせて画像表示させてもよいし、RGB等の発光色の異なる有機電界発光素子を組み合わせて画像表示させてもよい。
[照明]
本発明の照明は、前述の有機電界発光素子を含むものである。型式や構造については特に制限はなく、本発明の有機電界発光素子を用いて常法に従って組み立てることができる。有機電界発光素子としては、単純マトリックス駆動方式としてもよいし、アクティブマトリックス駆動方式としてもよい。
本発明の照明が白色光を発光するものとするために、白色光を発光する有機電界発光素子を用いてもよい。また、発光色の異なる有機電界発光素子を組み合わせて、各色が混色して白色となるよう構成してもよいし、混色比率を調整できるように構成して調色機能を付与してもよい。
次に、実施例及び比較例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明はその要旨を超えない限り以下の実施例に限定されるものではない。
以下の実施例及び比較例で用いた着色感光性樹脂組成物の構成成分は次の通りである。
<着色剤−I>
BASF社製、Irgaphor(登録商標) Black S 0100 CF(下記式(I−1)で表される化学構造を有する)
<着色剤−II>
C.I.ピグメントブルー15:6
<着色剤−III>
C.I.ピグメントバイオレット29
<着色剤−IV>
C.I.ピグメントオレンジ64
<アルカリ可溶性樹脂−I>
プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート145質量部を窒素置換しながら攪拌し、120℃に昇温した。ここにスチレン10質量部、グリシジルメタクリレート85.2質量部およびトリシクロデカン骨格を有するモノメタクリレート(日立化成社製FA−513M)66質量部を滴下し、および2,2’−アゾビス−2−メチルブチロニトリル8.47質量部を3時間かけて滴下し、更に90℃で2時間攪拌し続けた。次に反応容器内を空気置換に変え、アクリル酸43.2質量部にトリスジメチルアミノメチルフェノール0.7質量部およびハイドロキノン0.12質量部を投入し、100℃で12時間反応を続けた。その後、テトラヒドロ無水フタル酸(THPA)56.2質量部、トリエチルアミン0.7質量部を加え、100℃3.5時間反応させた。こうして得られたアルカリ可溶性樹脂−IのGPCにより測定したポリスチレン換算の重量平均分子量Mwは約8400、酸価は80mgKOH/gであった。
<アルカリ可溶性樹脂−II>
上記構造のエポキシ化合物(エポキシ当量264)50質量部、アクリル酸13.65質量部、メトキシブチルアセテート60.5質量部、トリフェニルホスフィン0.936質量部、及びパラメトキシフェノール0.032質量部を、温度計、攪拌機、冷却管を取り付けたフラスコに入れ、攪拌しながら90℃で酸価が5mgKOH/g以下になるまで反応させた。反応には12時間を要し、エポキシアクリレート溶液を得た。
上記エポキシアクリレート溶液25質量部及び、トリメチロールプロパン(TMP)0.38質量部、ビフェニルテトラカルボン酸二無水物(BPDA)4.90質量部、テトラヒドロフタル酸無水物(THPA)0.8質量部を、温度計、攪拌機、冷却管を取り付けたフラスコに入れ、攪拌しながら105℃までゆっくり昇温し反応させた。
樹脂溶液が透明になったところで、メトキシブチルアセテートで希釈し、固形分50質量%となるよう調製し、酸価110mgKOH/g、GPCで測定したポリスチレン換算の重量平均分子量(Mw)7000のアルカリ可溶性樹脂−IIを得た。
<アルカリ可溶性樹脂−III>
上記構造のエポキシ化合物(エポキシ当量264)50質量部、アクリル酸13.65質量部、メトキシブチルアセテート60.5質量部、トリフェニルホスフィン0.936質量部、及びパラメトキシフェノール0.032質量部を、温度計、攪拌機、冷却管を取り付けたフラスコに入れ、攪拌しながら90℃で酸価が5mgKOH/g以下になるまで反応させた。反応には12時間を要し、エポキシアクリレート溶液を得た。
上記エポキシアクリレート溶液25質量部及び、トリメチロールプロパン(TMP)0.38質量部、ビフェニルテトラカルボン酸二無水物(BPDA)3.3質量部、テトラヒドロフタル酸無水物(THPA)3.5質量部を、温度計、攪拌機、冷却管を取り付けたフラスコに入れ、攪拌しながら105℃までゆっくり昇温し反応させた。
樹脂溶液が透明になったところで、メトキシブチルアセテートで希釈し、固形分50質量%となるよう調製し、酸価110mgKOH/g、GPCで測定したポリスチレン換算の重量平均分子量(Mw)2660のアルカリ可溶性樹脂−IIIを得た。
<光重合開始剤−I>
下記化学構造を有する化合物。
<分散剤−I>
ビックケミー社製「DISPERBYK−LPN21116」(側鎖に4級アンモニウム塩基及び3級アミノ基を有するAブロックと、4級アンモニウム塩基及びアミノ基を有さないBブロックからなる、アクリル系ブロック共重合体。アミン価は70mgKOH/g。酸性基を有さない。)
分散剤−IのAブロック中には、下記式(1a)及び(2a)の繰り返し単位が含まれ、Bブロック中には下記式(3a)の繰り返し単位が含まれる。
<分散剤−II>
ビックケミー社「DISPERBYK−111」(末端に吸着基としてリン酸基を有するポリエーテル系共重合体。酸価は129mgKOH/g。)
<分散剤−III>
ビックケミー社「DISPERBYK−167」(ウレタン系高分子分散剤。アミン価は23mgKOH/g。酸性基を有さない。)
<分散剤−IV>
ビックケミー社「DISPERBYK−2000」(アクリル系共重合体。アミン価は10mgKOH/g。酸性基を有さない。)
<分散剤−V>
ビックケミー社「DISPERBYK−180」(末端に吸着基としてリン酸基を有するアクリル系共重合体を、アミン中和した塩構造を有する分散剤。アミン価は116mgKOH/g。酸価は116mgKOH/g。)
<分散剤−VI>
Evonik社「TEGO DISPERS 685」(くし型ブランチポリマーの変性ポリエステル。アミン価は40mgKOH/g。酸価は50mgKOH/g。)
<溶剤−I>
PGMEA:プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート
<溶剤−II>
MB:3−メトキシ−1−ブタノール
<光重合性化合物−I>
DPHA:日本化薬(株)製 ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート
<界面活性剤>
DIC(株)製 メガファック F−559
<添加剤>
日本化薬(株)製、KAYAMER PM−21(メタクリロイル基含有ホスフェート)
<顔料分散液1〜3の調製>
着色剤、アルカリ可溶性樹脂、溶剤、分散剤が表1に記載の配合割合となるように混合した。この溶液をペイントシェーカーにより25〜45℃の範囲で3時間分散処理を行った。ビーズとしては、0.5mmφのジルコニアビーズを用い、分散液の2.5倍の質量を加えた。分散終了後、フィルターによりビーズと分散液を分離して、顔料分散液1〜3を調製した。
[実施例1、2、比較例1]
上記調製した顔料分散液1〜3を用いて、固形分中の比率が表2の配合割合となるように各成分を加え、さらに全固形分量が22質量%、かつ、溶剤の含有比率(質量比率)が溶剤−I:溶剤−II=80:20となるよう溶剤を加え、攪拌、溶解させて、着色感光性樹脂組成物を調製した。
<隔壁基板の作成方法>
ITO基板(ITO蒸着厚700Åのガラス基板)上にスピナーを用いて各着色感光性樹脂組成物を塗布した。次いで、100℃にて80秒間、ホットプレート上で加熱乾燥して塗布膜を形成した。
得られた塗布膜に対し、幅260μmのライン状の被覆部が60μmおきに配列した露光マスクを用いて露光処理を施した。露光ギャップ(露光マスクと塗布面間の距離)は、5μmであった。照射光としては、波長365nmでの強度が32mW/cm2である紫外線を用い、露光量は60mJ/cm2とした。また、紫外線照射は空気下で行った。
続いて、2.38質量%のTMAH(水酸化テトラメチルアンモニウム)水溶液よりなる現像液を用い、25℃において水圧0.05MPaのシャワー現像を施した後、純水にて現像を停止し、水洗スプレーにて洗浄した。シャワー現像時間は10〜120秒間の間で調整し、未露光の塗膜が溶解除去される時間の1.2倍とした。
これらの操作により、不要部分を除去したパターンを得た。当該パターンの形成された基板をオーブン中、230℃で30分間加熱してパターンを硬化させ、膜厚が2.0μmのパターンを得ることで隔壁基板を作製した。
<有機電界発光素子の形成>
作製した隔壁基板上全面に、正孔注入層として酸化モリブデンを膜厚10nm、正孔輸送層として4,4’−ビス[N−(9−フェナントリル)−N−フェニル−アミノ]ビフェニル(PPD)を膜厚60nm、発光層としてトリス(8−ヒドロキシキノリナート)アルミニウム(Alq3)を膜厚60nm、電子注入層としてフッ化リチウムを膜厚0.5nm、陰極としてアルミニウムを膜厚80nmとなるように真空蒸着法によって順に積層して有機電界発光素子を作製した。
次に、中央に凹部を有する封止ガラスの該凹部に乾燥剤を貼り付けて、凹部の周囲の枠部分にUV硬化樹脂を塗布した。封止ガラスの凹部が隔壁基板上の有機電界発光素子及びライン状パターンをすべて覆うように配置し、封止ガラスを隔壁基板に貼り付け、UV硬化樹脂にUVを照射し硬化させ、中空構造の封止をすることで有機電界発光素子評価用デバイスを作製した。
<有機電界発光素子の観察>
作製した有機電界発光素子の電極間に300μAの直流電流を流し、有機電界発光素子を発光させた。有機電界発光素子の中央部を光学顕微鏡にて倍率10倍で観察した。撮像写真を図1〜3に示す。撮像写真から非発光領域の有無を判定した。結果を表2に示す。
<光学濃度の評価>
ガラス基板上にスピナーを用いて各着色感光性樹脂組成物を塗布した。次いで、100℃にて80秒間、ホットプレート上で加熱乾燥して塗布膜を形成した。
得られた塗布膜に対し露光処理を施した。照射光としては、波長365nmでの強度が32mW/cm2である紫外線を用い、露光量は60mJ/cm2とした。また、紫外線照射は空気下で行った。次いで、基板をオーブン中、230℃で30分間加熱して塗膜を硬化させ、膜厚が3μmの硬化膜を得た。硬化膜の光学濃度をグレタグマクベス社製透過濃度計D200−IIを用いて測定した。光学濃度を硬化膜の厚みで除することで単位厚み当たりの光学濃度(単位OD)を算出した。結果を表2に示す。
比較例1の着色感光性樹脂組成物を用いた有機電界発光素子では、発光部の隔壁近傍に非発光領域が観察された。一方、実施例1及び2の着色感光性樹脂組成物を用いた有機電界発光素子では非発光領域は観察されなかった。
実施例1および2で使用した分散剤は塩基性基と酸性基の両方を含む為、塩基性基と酸性基の間に働く静電相互作用と親溶媒基同士の間に働くファンデルワールス力によりポリマーコンプレックスを形成する。ポリマーコンプレックス表面の酸性基に現像液の塩基性イオンが配位することで、ポリマーコンプレックスは現像液中に溶解または分散すると考えられる。従って実施例1及び2の着色感光性樹脂組成物では、現像工程で基板表面の分散剤が完全に除去され、有機電界発光素子の発光部に非発光領域が発生しなかったと考えられる。
一方、比較例1の着色感光性樹脂組成物では、分散剤が酸性基を含まないため、現像工程で基板表面に分散剤が残留し、有機電界発光素子においてキャリアの移動抵抗やクエンチャーとして作用し、非発光領域が発生したと考えられる。
以上のとおり、実施例1及び2のように、酸性基及び塩基性基を含む分散剤を使用することで、高い遮光性能を保持しつつ有機電界発光素子の非発光領域の発生を解消することができる。
<参考例>
[参考例1〜7]
有機電界発光素子の非発光領域の発生有無を検証する目的で、固形分中の比率が表3の配合割合となるように各成分を加え、さらに全固形分量が22質量%、かつ、溶剤の含有比率(質量比率)が溶剤−I:溶剤−II=80:20となるよう溶剤を加え、攪拌、溶解させて、感光性樹脂組成物を調製した。
得られた感光性樹脂組成物を用いて、前述の方法で隔壁基板を作製した。ただし参考例6においては現像液に0.20質量%のTMAH水溶液を、参考例7においては0.04質量%のKOH(水酸化カリウム)水溶液を用いた。
得られた隔壁基板を用いて、前述の方法で有機電界発光素子を作製し、前述の方法で発光部の隔壁近傍の非発光領域の発生を判定した。結果を表3に示す。
比較例1、参考例1、2の結果を比較すると、分散剤Iを含む比較例1及び参考例1はいずれも非発光領域が存在し、これに対して分散剤を全く含まない参考例2は非発光領域が存在しない。このことから、有機電界発光素子の発光部の非発光領域の発生は分散剤が原因であると結論付けられる。
参考例1および3〜7の結果から、参考例1、3及び4のように酸性基を含まない分散剤を用いた場合には非発光領域が存在し、他方、参考例5〜7のように酸性基及び塩基性基を含む分散剤を使用することで、非発光部領域の発生を抑制できることがわかる。さらに参考例5及び6の結果から、現像液に0.20質量%のTMAH水溶液または0.04質量%のKOH水溶液を用いても本効果を期待できることがわかった。

Claims (13)

  1. (a)着色剤、(b)アルカリ可溶性樹脂、(c)光重合開始剤、(d)光重合性化合物、(e)溶剤、及び(f)分散剤を含有する有機電界発光素子の隔壁を形成するための着色感光性樹脂組成物であって、
    前記(f)分散剤が、酸性基及び塩基性基を含むことを特徴とする、着色感光性樹脂組成物。
  2. 前記(a)着色剤が有機黒色顔料を含有する、請求項1に記載の着色感光性樹脂組成物。
  3. 前記有機黒色顔料が、下記一般式(I)で表される化合物、該化合物の幾何異性体、該化合物の塩、又は該化合物の幾何異性体の塩を含有する、請求項2に記載の着色感光性樹脂組成物。
    (式(I)中、R1及びR6は各々独立に、水素原子、CH3、CF3、フッ素原子又は塩素原子である;
    2、R3、R4、R5、R7、R8、R9及びR10は各々独立に、水素原子、ハロゲン原子、R11、COOH、COOR11、COO-、CONH2、CONHR11、CONR1112、CN、OH、OR11、COCR11、OOCNH2、OOCNHR11、OOCNR1112、NO2、NH2、NHR11、NR1112、NHCOR12、NR11COR12、N=CH2、N=CHR11、N=CR1112、SH、SR11、SOR11、SO211、SO311、SO3H、SO3 -、SO2NH2、SO2NHR11又はSO2NR1112である;
    且つ、R2とR3、R3とR4、R4とR5、R7とR8、R8とR9、及びR9とR10からなる群から選ばれる少なくとも1つの組み合わせは、互いに直接結合し、又は酸素原子、硫黄原子、NH若しくはNR11ブリッジによって互いに結合することもできる;
    11及びR12は互いに独立して、炭素数1〜12のアルキル基、炭素数3〜12のシクロアルキル基、炭素数2〜12のアルケニル基、炭素数3〜12のシクロアルケニル基又は炭素数2〜12のアルキニル基である。)
  4. 前記(a)着色剤が、赤色顔料、橙色顔料、青色顔料及び紫色顔料からなる群から選ばれる少なくとも1種を含有する、請求項1〜3のいずれか1項に記載の着色感光性樹脂組成物。
  5. 前記(a)着色剤が、赤色顔料及び橙色顔料からなる群から選ばれる少なくとも1種と、青色顔料及び紫色顔料からなる群から選ばれる少なくとも1種とを含有する、請求項4に記載の着色感光性樹脂組成物。
  6. 前記(f)分散剤に含まれる前記塩基性基が、3級アミノ基又は4級アンモニウム塩基である、請求項1〜5のいずれか1項に記載の着色感光性樹脂組成物。
  7. 前記(f)分散剤に含まれる前記酸性基が、リン酸基である、請求項1〜6のいずれか1項に記載の着色感光性樹脂組成物。
  8. 硬化した塗膜の膜厚1μm当たりの光学濃度が1.0以上である、請求項1〜7のいずれか1項に記載の着色感光性樹脂組成物。
  9. 請求項1〜8のいずれか1項に記載の着色感光性樹脂組成物で構成される硬化物。
  10. 請求項9に記載の硬化物を備える有機電界発光素子。
  11. 請求項10に記載の有機電界発光素子を含む画像表示装置。
  12. 請求項10に記載の有機電界発光素子を含む照明。
  13. (a)着色剤、(e)溶剤、及び(f)分散剤を含有する有機電界発光素子の隔壁を形成するための着色感光性樹脂組成物製造用顔料分散液であって、
    前記(f)分散剤が、酸性基及び塩基性基を含むことを特徴とする、顔料分散液。
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