JP5058847B2 - 光学フィルタ、及びそれを用いた液晶表示装置 - Google Patents
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Description
また、本発明は、カラーフィルタの回折光に起因する表示性能の低下が軽減された液晶表示装置を提供することを課題とする。
[1] 所定の波長の光を透過する透過領域と、透過領域と接して配置され、該光を遮光する遮光領域とを有し、前記遮光領域に前記透過領域との接点から面内の任意の方向に沿って、法線方向の光に対する光学的濃度の勾配が設けられており、該光学的濃度が、前記透過領域との接点において最も小さいことを特徴とする光学フィルタ。
[2] 前記法線方向の光に対する光学的濃度の勾配が、前記透過領域との接点から、前記面内の任意の方向に、連続的又は非連続的に増加していることを特徴とする[1]の光学フィルタ。
[3] 前記法線方向の光に対する光学的濃度の勾配が、前記遮光領域の厚みの勾配によって形成されていることを特徴とする[1]の光学フィルタ。
[4] 前記遮光領域の厚みが、前記透過領域との接点から、前記面内の任意の方向に、連続的又は非連続的に増加していることを特徴とする[3]の光学フィルタ。
[5] 前記遮光領域の前記透過領域との接面の少なくとも一部が、使用時に入射する光の波長より短い周期の波形状を有することを特徴とする[1]〜[4]のいずれかの光学フィルタ。
[6] 前記遮光領域が、ブラックマトリックス又は電極であることを特徴とする[1]〜[5]のいずれかの光学フィルタ。
[7] カラーフィルタであることを特徴とする[1]〜[6]のいずれかの光学フィルタ。
[8] 液晶セルと、偏光板と、[1]〜[7]のいずれかの光学フィルタとを少なくとも有する液晶表示装置。
図1は、本発明の光学フィルタの一例を法線方向から見た平面図(a)である。また、図1(b)は、図1(a)中の破線で囲んだ部分の拡大図であり、図1(c)は図1(a)中の2つの破線で切断した部分を図中の矢印の方向からみた側面図である。なお、図1(a)〜(c)は、法線方向(図1(c)中の矢印z方向)から入射する光に対する、遮光領域14及び透過領域12の光学的濃度を模式的に濃淡で示したものであり、実際の色及び形状は必ずしも正確に反映されていない。
これによれば遮光領域に光学的濃度の勾配がない光学フィルタ(i)に法線方向から偏光を入射すると、図2中、(i)の曲線で示す通り、透過領域の幅を超えた部分に上記回折現象によって、ある程度の光強度が観測される。一方、光学的濃度に勾配のある本発明の光学フィルタ(ii)について同様に観察すると、図2中(ii)の曲線で示す通り、透過領域の幅を超えると、光強度はほとんど0になり、回折現象による光漏れが抑制されている。
前者の方法としては、前記遮光領域の厚みに勾配をもたせて、それによって光学的濃度に勾配をもたせる方法がある。図3に、遮光領域の厚みの勾配によって光学的濃度に勾配を形成した光学フィルタの例を示す。図3(a)及び(b)は、図1(c)と同様の2つの破線で切断した部分の側面図である。図3(a)では、遮光領域14’の厚みは、透過領域12との接点において最も小さく、面内の矢印yの方向に沿って連続的に増加している。また、図3(b)では、遮光領域14”の厚みは、透過領域12との接点において最も小さく、面内の矢印yの方向に沿って間断のある不連続増加している。その結果、法線方向(矢印z)からの入射光に対する光学的濃度は、図1(c)に示す通り、透過領域12との接点が最小になり、矢印yの方向に沿って増加する。
本発明の光学フィルタ中の遮光領域は、黒色感光性樹脂組成物から形成することができる。前記黒色観光性樹脂組成物としては、例えば、(A)黒色着色剤の少なくとも1種、(B)現像液に可溶な樹脂、及び(C)光重合系材料を少なくとも含有する感光性樹脂組成物が挙げられる。
(A)黒色着色剤
・顔料
本発明では、黒色着色剤として、顔料の少なくとも1種を用いることが好ましい。顔料は一般に有機顔料と無機顔料とに大別されるが、本発明において好適に使用される顔料の例としては、特開2005−17716号公報[0038]〜[0040]に記載の色材や、特開2005−361447号公報[0068]〜[0072]に記載の顔料や、特開2005−17521号公報[0080]〜[0088]に記載の着色剤を挙げることができる。
カーボンブラックの例としては、Pigment Black(ピグメント・ブラック)7(カーボンブラック C.I.No.77266)が好ましい。市販品として、三菱カーボンブラック MA100(三菱化学(株)製)、三菱カーボンブラック #5(三菱化学(株)製)が挙げられる。
黒鉛の例としては、粒子径がストークス径で3μm以下のものが好ましい。3μm以下の黒鉛を用いることで、遮光パターンの輪郭形状が均一になり、シャープネスが良好になる。また、0.1μ以下の粒子径を有する粒子の存在比率が70%以上であることが好ましい。
顔料の球相当直径は、5nm以上5μm以下が好ましく、特に10nm以上1μm以下が好ましく、更にカラーフィルタ用としては、20nm以上0.5μm以下が好ましい。
前記黒色着色剤の少なくとも1種として、金属粒子又は金属を有する粒子(以下、「金属系微粒子」ということがある)を用いるのもまた好ましい。これにより、薄膜で高い光学濃度が得られる表示装置用遮光膜を形成することができる。
金属粒子、金属を有する粒子における金属としては、特に限定されず、いかなるものを用いてもよい。金属粒子は、2種以上の金属を組合せてなるものであってもよく、合金からなるものであってもよい。また、金属を有する粒子は、少なくとも1種の金属を有する金属化合物粒子であればよく、金属と金属化合物との複合粒子でもよい。
「金属化合物」とは、前記金属と金属以外の他の元素との化合物である。金属と他の元素との化合物としては、金属の酸化物、硫化物、硫酸塩、炭酸塩などが挙げられ、金属化合物粒子としてはこれらの粒子が好適である。中でも、色調や微粒子形成のしやすさから、硫化物の粒子が好ましい。
金属化合物の例としては、酸化銅(II)、硫化鉄、硫化銀、硫化銅(II)、チタンブラックなどがあるが、色調、微粒子形成のしやすさや安定性の観点から、硫化銀が特に好ましい。
複合粒子は、金属と金属化合物とが結合して1つの粒子になったものをいう。例えば、粒子の内部と表面で組成の異なるもの、2種の粒子が合一したもの等を挙げることができる。また、金属化合物と金属とはそれぞれ1種でも2種以上であってもよい。
本発明における金属微粒子は、コア・シェル型の複合粒子(コアシェル粒子)であってもよい。コア・シェル型の複合粒子(コアシェル粒子)とは、コア材料の表面をシェル材料でコートしたものであり、その具体例として、特開2006−18210号公報の段落番号[0024]〜[0027]に記載のコア・シェル微粒子が挙げられる。
前記金属系微粒子の少なくとも1種は、銀錫合金部を有する粒子であることが好ましい。銀錫合金部を有する粒子としては、銀錫合金からなるもの、銀錫合金部分とその他の金属部分からなるもの、及び銀錫合金部分と他の合金部分からなるものを含む。
例えば、棒状の銀微粒子は、球形銀微粒子を種粒子としてその後、銀塩を更に添加し、CTAB(セチルトリメチルアンモニウムブロマイド)等の界面活性剤の存在下でアスコルビン酸など比較的還元力の弱い還元剤を用いることにより、銀棒やワイヤーが得られる。これは、Advanced Materials 2002,14,80−82に記載がある。また、同様の記載が、Materials Chemistry and Physics 2004,84,197−204、Advanced Functional Materials 2004,14,183−189になされている。
金に関しても同様に、Journal of Physical Chemistry
B 1999,103、3073−3077及びLangmuir1999,15,701−709、Journal of American Chemical Society 2002,124,14316−14317に記載されている。
棒状の粒子の形成方法は、前記記載の方法を改良(添加量調整、pH制御)しても調製できる。
感光性組成物は、アルカリ水溶液で現像可能なものと、有機溶剤で現像可能なものとがある。安全性と現像液のコストとの点からは、アルカリ水溶液で現像可能なものが好ましい。かかる点から、前記現像液に可溶な樹脂は、アルカリ可溶性樹脂から選択されるのが好ましい。
pKa3.0以下の酸に由来の基としてはスルホン酸基、硫酸基、リン酸基、ホスホン酸基及びリン酸アミド基などが挙げられる。中でも、欠け欠陥改良、樹脂の溶剤への溶解性の観点から、リン酸基、ホスホン酸基及びリン酸アミド基から選ばれる少なくとも1種が好ましい。
得られる繰り返し単位の少なくとも1種を有することが好ましい。アルカリ可溶性樹脂は、下記一般式(I)〜(III)のいずれかで表される単量体の少なくとも1種と、リン酸
、ホスホン酸及びリン酸アミド以外の酸性基を有する単量体の少なくとも1種と、を共重合することによって製造された重合体であることがより好ましい。
素、塩素、臭素等)又は炭素原子数が1乃至6のアルキル基(例えば、メチル基、エチル基、プロピル基等)を表す。R1、R2及びR3は、より好ましくは水素原子又は炭素原子
数が1乃至3のアルキル基であり、最も好ましくは、水素原子又はメチル基である。更に、R2及びR3は、水素原子であることが特に好ましい。
Xは、酸素原子(−O−)又はイミノ基(−NH−)を表し、酸素原子であることが好ましい。
以下に、式(I)〜(III)で表される代表的な化合物の例を示す。
酸性基としてはカルボン酸基(カルボキシル基)、スルホン酸基及びその他の活性水素を有する基などが挙げられるが、溶解性やアルカリ現像性の観点から、カルボキシル基が好ましい。
単量体は分子内に付加重合性二重結合を有する化合物である。分子内に付加重合性二重結合と酸性基とを有する化合物としては、アクリル酸、メタクリル酸、アクリル酸ダイマー、アクリル酸オリゴマー、分子内に付加重合性二重結合と水酸基を有する化合物(例えば、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル)とコハク酸無水物の反応物、マレイン酸、イタコン酸、フマル酸、4−ビニル安息香酸などが挙げられる。中でも、他の成分との共重合性の観点から、アクリル酸、メタクリル酸及び4−ビニル安息香酸から選ばれる少なくとも1種が好ましい。
その他の単量体は、一般式(I)〜(III)のいずれかで表される単量体及び酸性基を有する単量体と、共重合可能な単量体から任意に選ぶことができる。具体的には、シアン化ビニル(例えば、(メタ)アクリロニトリル及びα−クロロアクリロニトリルなど)、カルボン酸ビニルエステル(例えば、酢酸ビニル及びギ酸ビニルなど)、脂肪族共役ジエン(例えば、1,3‐ブタジエン及びイソプレンなど)、(メタ)アクリル酸のアルキル、アラルキル若しくはアリールエステル(例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、ノルマルブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート及びベンジル(メタ)アクリレートなど)、(メタ)アクリル酸置換アルキルエステル(例えば、グリシジル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート及びジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレートなど)、アルキル(メタ)アクリルアミド(例えば、(メタ)アクリルアミド、ジメチル(メタ)アクリルアミド、N−イソプロピル(メタ)アクリルアミド、n−ブチル(メタ)アクリルアミド、tert−ブチル(メタ)アクリルアミド及びtert−オクチル(メタ)アクリルアミドなど)、置換アルキル(メタ)アクリルアミド(例えば、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド及びジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミドなど)、重合性オリゴマー(例えば、片末端メタクリロイル化ポリメチルメタクリレートなど)等が挙げられる。
本発明に用いられるアルカリ可溶性樹脂におけるその他の単量体から得られる繰り返し単位の含有量は、0〜90質量%が好ましく、10〜90質量%がより好ましく、60〜90質量%が更に好ましい。
前記アルカリ可溶性樹脂の好ましい具体例(例示化合物JS−1〜JS−22)を示す。
さらに、前記JS−1〜JS−22において、本発明の好ましい共重合比の具体的化合物を表1に示す。
(C)光重合系材料は、光照射によって重合して硬化し、現像液に不溶となる材料である。通常は、光重合開始剤及び重合性モノマーを含む。
・光重合開始剤
前記光重合開始剤としては、特開2006−23696号公報の段落番号[0012]、[0013]に記載の公知の開始剤を用いることができるが、中でもアミノアセトフェノン系、アシルフォスフィンオキサイド系及びオキシムエステル系からなる群より選択される少なくとも1種の光重合開始剤が好ましい。また、必要に応じて、光重合開始助剤を含有してもよい。
アシルフォスフィンオキサイド系の開始剤の具体例として、DAROCUR TPOや、Irgacure(Irg)819等(何れもチバ・スペシャルティ・ケミカルズ株式会社製)が挙げられる。
オキシムエステル系の開始剤の具体例として、IRGACURE(Irg) OXE01や、CGI242等(何れもチバ・スペシャルティ・ケミカルズ株式会社製)が挙げられる。上述の開始剤の構造を以下に示す。
また、光重合開始助剤として市販のものを用いることもでき、市販の光重合開始助剤としては、例えば、商品名「EAB−F」(保土谷化学工業(株)製)などが挙げられる。
前記「エチレン性二重結合を有する付加重合性モノマー(以下、単に「モノマー」とも言う。)」は、付加重合することで現像液に不溶な樹脂となり得るモノマーを意味する。
前記モノマーとしては、沸点が常圧で100℃以上の化合物を挙げることができる。例えば、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート及びフェノキシエチル(メタ)アクリレート等の単官能(メタ)アクリレート;ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリス(アクリロイルオキシプロピル)エーテル、トリス(アクリロイルオキシエチル)イソシアヌレート、トリス(アクリロイルオキシエチル)シアヌレート、グリセリントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパン若しくはグリセリン等の多官能アルコールにエチレンオキシドやプロピレンオキシドを付加反応させた後で(メタ)アクリレート化したもの等の多官能(メタ)アクリレートを挙げることができる。
前記モノマーの感光性組成物の全固形分に対する含有量は、1〜50質量%が一般的であり、5〜40質量%が好ましい。該含有量が前記範囲内にあると、光感度や画像の強度も低下せず、感光性組成物層の粘着性が過剰になることもない。
本発明は、液晶セルと、偏光板と、本発明の光学フィルタとを少なくとも有する液晶表示装置にも関する。以下に、本発明の液晶表示装置について説明する。本発明は、従来の様々なモードの液晶表示装置のいずれにも利用することができる。様々なモードの液晶表示装置については、例えば、内田龍雄監修「反射型カラーLCD総合技術」((株)シーエムシー、1999年刊)、「フラットパネルディスプレイの新展開」((株)東レリサーチセンター調査部門、1996年刊)、「液晶関連市場の現状と将来展望(上巻)、(下巻)」(富士キメラ総研(株)、2003年刊)等に記載されているものが挙げられる。
(VAモード液晶表示装置)
図5に示す液晶表示装置は、偏光板PL1及びPL2と、その間に液晶セルLC(105〜107)を有する。上偏光板PL1は、偏光子102と、その表面に保護フィルム101及び103を有し;及び下偏光板PL2は、偏光子110と、その表面に保護フィルム109及び111を有する。さらに、上偏光板PL1と液晶セルLCとの間、及び下偏光板PL2と液晶セルLCとの間には、それぞれ光学異方性層104及び108が配置されている。光学異方性層104及び108は、複屈折性のポリマーフィルムであっても、液晶組成物の配向状態を固定して形成された膜であってもよい。複屈折性のポリマーフィルムである場合は、保護フィルム103及び109を省略することができる。
本発明の液晶表示装置の一態様は、TNモード液晶表示装置である。
TNモードの液晶セルは、カラーTFT液晶表示装置として最も多く利用されており、多数の文献の記載が挙げられる。TNモードの黒表示における液晶セル中の配向状態は、セル中央部で棒状液晶性分子が立ち上がり、セルの基板近傍では棒状液晶性分子が寝た配向状態にある。本態様の液晶表示装置は、TNモード液晶セル、及び該液晶セルの基板のいずれか一方の内面に本発明の光学フィルタであるカラーフィルタを有する。
本発明の液晶表示装置の一態様は、IPSモード液晶表示装置である。
IPSモードの液晶セルでは、液晶分子を基板に対して常に水平面内で回転させるモードで、電界無印加時には電極の長手方向に対して若干の角度を持つように配向されている。電界を印加すると電界方向に液晶分子は向きを変える。液晶セルを挟持する偏光板を所定角度に配置することで光透過率を変えることが可能となる。液晶分子としては、誘電率異方性Δεが正または負のネマチック液晶を用いる。IPSモード液晶セルのΔn・dは、0.25μm〜0.32μm程度とするのが好ましい。また液晶セルには、ネマチック液晶が利用される。本態様の液晶表示装置は、IPSモード液晶セル、及び該液晶セルの基板のいずれか一方の内面に本発明の光学フィルタであるカラーフィルタを有する。また、IPSモードの一態様として、2層の電極間に生じる横電界を利用して液晶分子を水平面内で回転させるFFS(Fringe Field Switching)モードもある。
本発明は、他のモードの液晶表示装置においても、同様に効果が得られる。他の液晶モードの例には、STNモード及びECBモードが含まれる。
<液晶表示装置の作製及び評価>
・ カラーフィルタ(CF)の作製
−ブラックマトリクス用ハーフトーンフォトマスクの作製−
図6に示すハーフトーンフォトマスクを作製した。このハーフトーンフォトマスクは、着色層のパターンに相当する部分が遮光部、ブラックマトリクスの中央に相当する部分が透明の開口部、及びブラックマトリクスの端に相当する部分がハーフトーンになっているフォトマスクであった。開口部の幅の長さは30μm、遮光部の幅の長さは50μm、及びハーフトーン部の幅の長さを3μmとした。このハーフトーンフォトマスクを使用して、図6に示す通り、ガラス基板上にブラックマトリックを作製した。具体的には以下の方法で形成した。
−ブラック(K)画像の形成−
無アルカリガラス基板を、UV洗浄装置で洗浄後、洗浄剤を用いてブラシ洗浄し、更に超純水で超音波洗浄した。該基板を120℃3分熱処理して表面状態を安定化させた。
該基板を冷却し23℃に温調後、スリット状ノズルを有するガラス基板用コーター(平田機工(株)製)にて、黒色感光性樹脂組成物K1を塗布した。引き続きVCD(真空乾燥装置:東京応化工業(株)製)で30秒間、溶媒の一部を乾燥して塗布層の流動性をなくした後、120℃3分間プリベークして膜厚2.4μmの感光性樹脂層K1を得た。
超高圧水銀灯を有するプロキシミティー型露光機(日立ハイテク電子エンジニアリング(株)製)で、基板と前記作製したハーフトーンフォトマスクを垂直に立てた状態で、露光マスク面と該感光性樹脂層の間の距離を200μmに設定し、露光量300mJ/cm2でパターン露光した。
次に純水をシャワーノズルにて噴霧して、該感光性樹脂層K1の表面を均一に湿らせた後、KOH系現像液(KOH、ノニオン界面活性剤含有、商品名:CDK−1、富士フイルムエレクトロマテリアルズ(株)製)にて23℃80秒、フラットノズル圧力0.04MPaでシャワー現像し、パターニング画像を得た。引き続き、超純水を、超高圧洗浄ノズルにて9.8MPaの圧力で噴射して残渣除去を行い、更に超純水をシャワーノズルで両面から吹き付けて、付着している現像液や前記感光性樹脂層溶解物を除去し、エアーナイフにて液切りを行い、ブラック(K)の画像(ブラックマトリックス)を得た。引き続き、220℃で30分間熱処理した。
遮光性能は光学濃度(OD)を指標にすることができる。ブラックマトリックスのOD値を、マクベス濃度計(Kollmorgen製、TD−904)で測定したところ、中央部ではOD値が3.8となり、端ではOD値が2.7となり、光学濃度の勾配が形成されていることを確認した。
また、図4(a)に示す端部が波形状のブラックマトリックスも、上記と同様にして作製した。但し、波形状のスリットを有するマスクを、上記ハーフトーンマスクの代わりに用いた。
前記Kの画像を形成した基板に、UV洗浄装置で洗浄後、洗浄剤を用いてブラシ洗浄し、更に超純水で超音波洗浄した。該基板を120℃3分熱処理して表面状態を安定化させた。
該基板を冷却し23℃に温調後、スリット状ノズルを有するガラス基板用コーター(平田機工(株)製)にて、赤色感光性樹脂組成物R1を塗布した。引き続きVCD(真空乾燥装置:東京応化工業(株)製)で30秒間、溶媒の一部を乾燥して塗布層の流動性をなくした後、120℃3分間プリベークして膜厚1.6μmの感光性樹脂層R1を得た。
超高圧水銀灯を有するプロキシミティー型露光機(日立ハイテク電子エンジニアリング(株)製)で、基板とマスク(画像パターンを有する石英露光マスク)を垂直に立てた状態で、露光マスク面と該感光性樹脂層の間の距離を200μmに設定し、露光量300mJ/cm2でパターン露光した。
次に純水をシャワーノズルにて噴霧して、該感光性樹脂層R1の表面を均一に湿らせた後、KOH系現像液(KOH、ノニオン界面活性剤含有、商品名:CDK−1、富士フイルムエレクトロマテリアルズ(株)製)にて23℃80秒、フラットノズル圧力0.04MPaでシャワー現像し、パターニング画像を得た。引き続き、超純水を、超高圧洗浄ノズルにて9.8MPaの圧力で噴射して残渣除去を行い、更に超純水をシャワーノズルで両面から吹き付けて、付着している現像液や前記感光性樹脂層溶解物を除去し、エアーナイフにて液切りを行い、レッド(R)の画像を得た。引き続き、220℃で30分間熱処理した。
該感光性樹脂層R1の膜厚は1.6μmであり、顔料C.I.ピグメント・レッド254及びC.I.ピグメント・レッド177の塗布量はそれぞれ、0.88、0.22g/m2であった。
前記Kの画像とR画素を形成した基板に、緑色感光性樹脂組成物G3を用い、前記R画素の形成と同様の工程で、基板状にG画素を形成した。該感光性樹脂層G3の膜厚は1.6μmであり、顔料C.I.ピグメント・グリーン36及びC.I.ピグメント・イエロー150の塗布量はそれぞれ、1.12及び0.48g/m2であった。
前記K画像、R画素及びG画素を形成した基板に、青色感光性樹脂組成物B3を用い、前記R画素の形成と同様の工程で、B画素を形成した。
該感光性樹脂層B3の膜厚は1.6μmであり、顔料C.I.ピグメント・ブルー15:6及びC.I.ピグメント・バイオレット23の塗布量はそれぞれ、0.63及び0.07g/m2であった。
上記より得たカラーフィルタ基板のR画素、G画素、及びB画素並びにブラックマトリクスの上に更に、ITO(Indium Tin Oxide)の透明電極をスパッタリングにより形成した。次いで、特開2006−64921号公報の実施例1に従い、前記で形成したITO膜上の隔壁(ブラックマトリックス)上部に相当する部分にスペーサを形成した。スペーサの高さは3.5umとした。
別途、対向基板としてガラス基板を用意しITO透明電極をスパッタリングにより形成した。その後、カラーフィルタ基板の透明電極上及び対向基板上の透明電極をそれぞれPVAモード用にジグザグのスリットパターニングをウエットエッチングにより形成した。ジグザグの角度は90度、ジグザグピッチは100μm、電極幅は20μm、スリット幅は3μmとした。さらに、ITO膜上に更にポリイミドよりなる垂直配向膜(JSR社製:AL−1H659)を塗工、熱焼成した。
その後、カラーフィルタの画素群を取り囲むように周囲に設けられたブラックマトリクス外枠に相当する位置に紫外線硬化樹脂のシール剤をディスペンサ方式により塗布し、メルク社のPVAモード用液晶MLC6886を滴下し、対向基板と貼り合わせた後、貼り合わされた基板をUV照射した後、紫外線処理してシール剤を硬化させた。このようにして得た液晶セルの両面に、(株)サンリッツ製の偏光板HLC2−2518を貼り付けた。次いで、赤色(R)LEDとしてFR1112H(スタンレー電気(株)製のチップ型LED)、緑色(G)LEDとしてDG1112H(スタンレー電気(株)製のチップ型LED)、青色(B)LEDとしてDB1112H(スタンレー電気(株)製のチップ型LED)を用いてサイドライト方式のバックライトを構成し、前記偏光板が設けられた液晶セルの背面となる側に配置し、液晶表示装置とした。
実施例1でカラーフィルタ基板の作製において、ブラックマトリクスの形成時に、ハーフ部のないマスクを使用した以外は、同様にしてカラーフィルタ基板を作製し、該カラーフィルタ基板を用いた以外は、実施例1と同様にして、液晶表示装置を作製した。遮光性能はマクベス濃度計(Kollmorgen製、TD-904)で測定したところ、ブラックマトリクスの中央部と端でOD値に差はなく3.7であった。
−黒表示の光強度の測定−
実施例1及び比較例1で作製した液晶表示装置のそれぞれを、黒表示(すなわち無電圧状態)および、白状態(カラーフィルタ基板と対向基板の透明電極間の印加電圧=5Vの状態)で、正面の輝度を色彩輝度計((株)トプコン製BM−5)を用いて測定した。その結果を以下の表に示す。
14、14’、14”、14’’’ 遮光領域
z 法線方向
x、y 光学フィルタ面内の任意の方向
101、103、109、111 保護フィルム
102、110 偏光子
104、108 光学異方性層
105、107 液晶セル基板
106 液晶層
LC 液晶セル
PL1、Pl2 偏光板
Claims (7)
- 所定の波長の光を透過する透過領域と、透過領域と接して配置され、該光を遮光する遮光領域とを有し、前記遮光領域は、黒色着色剤を用いて形成されており、前記遮光領域に前記透過領域との接点から面内の任意の方向に沿って、前記黒色着色剤の濃度の勾配が設けられており、該濃度が、前記透過領域との接点において最も低いことを特徴とする光学フィルタ。
- 所定の波長の光を透過する透過領域と、透過領域と接して配置され、該光を遮光する遮光領域とを有し、前記遮光領域に前記透過領域との接点から面内の任意の方向に沿って、法線方向の光に対する光学的濃度の勾配が設けられており、該光学的濃度が、前記透過領域との接点において最も小さく、前記遮光領域の前記透過領域との接面の少なくとも一部が、使用時に入射する光の波長より短い周期の波形状を有することを特徴とする光学フィルタ。
- 前記法線方向の光に対する光学的濃度の勾配が、前記遮光領域の厚みの勾配によって形成されていることを特徴とする請求項2に記載の光学フィルタ。
- 前記遮光領域の厚みが、前記透過領域との接点から、前記面内の任意の方向に、連続的又は非連続的に増加していることを特徴とする請求項2に記載の光学フィルタ。
- 前記遮光領域が、ブラックマトリックス又は電極であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の光学フィルタ。
- 前記光学フィルタが、カラーフィルタであることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の光学フィルタ。
- 液晶セルと、偏光板と、請求項1〜6のいずれか1項に記載の光学フィルタとを少なくとも有する液晶表示装置。
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