JP2008037670A - カーボンナノチューブの製造方法 - Google Patents

カーボンナノチューブの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】カイラリティの制御が可能であり、金属的なカーボンナノチューブと半導体的なカーボンナノチューブとの作り分けが容易なカーボンナノチューブの製造方法を提供する。
【解決手段】一周する側壁に三角格子の原子配列を有する触媒金属微粒子10に炭素原料を供給し、触媒金属微粒子10から三角格子の原子配列を反映した六員環構造を有するグラフェンシート18を順次析出させることにより、炭素原子よりなる円筒型構造体を形成する。これにより、三角格子の方向に対するグラフェンシートの析出方向により円筒型構造体のカイラリティを制御することができ、触媒金属微粒子の径により円筒型構造体の径を制御することができる。
【選択図】図5

Description

本発明は、カーボンナノチューブの製造方法に係り、特にカイラリティを制御しうるカーボンナノチューブの製造方法に関する。
カーボンナノチューブは、炭素の六員環よりなるグラフェンシートを直径数ナノメートル以下の筒状に巻いた形状を有する物質である。カーボンナノチューブは、高い電気伝導性、熱伝導性、電子放出特性、摺動性、高強度、化学的安定性等、極めて優れた性質を有しており、様々な分野における可能性が模索されている。
また、カーボンナノチューブは、グラフェンシートの巻き方、すなわちカーボンナノチューブの直径やカイラリティ(螺旋度)によって電気的特性が変化し、金属的性質或いは半導体的性質を示すことが知られている。このため、使用目的に応じた電気特性を有するカーボンナノチューブを得るためには、カーボンナノチューブの直径及びカイラリティを制御することが重要である。
特開2003−095626号公報 特開2003−292313号公報 特開2004−210608号公報
しかしながら、カーボンナノチューブのカイラリティ制御については未だ成功例はない。これに対し、カーボンナノチューブが金属的であるか半導体的であるかを判別する方法については成功例がある。この例は、判別できていないカーボンナノチューブに直流電圧を加えて電流を流す方法である。カーボンナノチューブが金属的な場合には大電流が流れてチューブが切断され、半導体的な場合には抵抗が高い分、流れる電流は少なくなるために断線しないで残るというものである。しかしながら、この方法では金属的なカーボンナノチューブだけを残すことができず、またカイラリティの制御ができる訳ではない。
このように、応用の観点からすると極めて重要なこのカイラリティの制御法が未だ確立されておらず、現状では金属的なカーボンナノチューブと半導体的なカーボンナノチューブとの作り分けができなかった。
このため、例えば半導体的なカーボンナノチューブを用いてデバイスを作ろうとしてもその中には金属的なカーボンナノチューブが混在してしまい、例えばカーボンナノチューブをチャネルとするトランジスタではこの金属的な特性を持つカーボンナノチューブによってソースとドレインとが短絡して良好な増幅やスイッチング動作が得られなかった。また、光デバイスにおいては発光・受光の歩留りが劣化することがあった。
本発明の目的は、カイラリティの制御が可能であり、金属的なカーボンナノチューブと半導体的なカーボンナノチューブとの作り分けが容易なカーボンナノチューブの製造方法を提供することにある。
本発明の一観点によれば、一周する側壁に三角格子の原子配列を有する金属触媒に炭素原料を供給し、前記金属触媒から前記三角格子の原子配列を反映した六員環構造を有するグラフェンシートを順次析出させることにより、炭素原子よりなる円筒型構造体を形成することを特徴とするカーボンナノチューブの製造方法が提供される。
また、上記のカーボンナノチューブの製造方法において、前記三角格子の向きに対する前記グラフェンシートの析出方向を制御することにより、前記円筒構造体のカイラリティを制御することを特徴とするカーボンナノチューブの製造方法が提供される。
本発明によれば、側壁部分に三角格子構造を有する金属触媒を用い、金属触媒の三角格子の方向に対するグラフェンシートの析出方向を適宜制御するので、成長するカーボンナノチューブのカイラリティを容易に制御することができる。また、カーボンナノチューブの径は金属触媒の径により制御することができるので、金属的なカーボンナノチューブと半導体的なカーボンナノチューブとを容易に作り分けることができる。これにより、カーボンナノチューブを用いた素子の特性や歩留まりを向上することができる。
[第1実施形態]
本発明の第1実施形態によるカーボンナノチューブの製造方法について図1乃至図9を用いて説明する。
図1及び図2は本実施形態によるカーボンナノチューブの製造方法に用いる触媒金属微粒子の構造を示す概略図、図3は触媒金属微粒子により析出される炭素原子の六員環構造を示す図、図4は触媒金属微粒子の三角格子の向きと炭素原子の六員環の向きとの関係を示す図、図5及び図6は触媒金属微粒子を用いたカーボンナノチューブの成長過程を示す図、図7及び図8はカーボンナノチューブのカイラリティの制御方法を示す図、図9は本実施形態によるカーボンナノチューブの製造方法を示す工程断面図である。
はじめに、本実施形態によるカーボンナノチューブの製造方法に用いる触媒金属について図1乃至図6を用いて説明する。なお、触媒金属とは、グラファイトの生成においていわば触媒としての機能を果たす金属材料であり、Ni(ニッケル)、Co(コバルト)、Fe(鉄)等の遷移金属材料又はこれらを含む合金材料等である。
本実施形態によるカーボンナノチューブの製造方法には、側壁部分に三角格子構造を有する微粒子状の触媒金属(以下、触媒金属微粒子と呼ぶ)を用いる。三角格子構造を有する触媒金属微粒子10は、図1に示すように、表面原子12が三角格子(図中、点線で表す)を形成するように配列した原子構造を有するものである。この三角格子は、触媒金属微粒子10を一周取り囲むように形成されている。なお、三角格子構造を有する触媒金属としては、例えば細密構造をとる場合のNiが挙げられる。
図2に、具体的な面方位を含めて記述した触媒金属微粒子10の例を示す。図2(a)はピラミッド型の構造、図2(b)はその頂点がカットされた台形(四角錐台)の構造、図2(c)は図2(a)の構造を90度回転させた構造である。図2(a)及び図2(b)の傾斜した側壁は、(111)面になっている。
カーボンナノチューブの成長では、原料として供給された炭素原子は触媒金属微粒子中に入り込む。触媒金属微粒子中に入り込んだ炭素原子14は、図3に示すように、触媒金属微粒子10の構成原子が構成する三角格子の影響によって六員環構造を形成する。つまり、炭素原子は、SP3的ではなくSP2的に結合し、言い換えれば3次元的ではなく2次元的なグラフェンシート構造を形成する。
図4(a),(b)は、それぞれ図2(a),(b)と類似の触媒金属微粒子10の構造における三角格子の向きとそこから析出する炭素原子の六員環16の向きとを示している。図4(b)に示す四角錐台構造の触媒金属微粒子10は、例えばSi(100)基板上にNi触媒薄膜を形成後、500℃で数分間の熱処理を加えることにより形成することができる(例えば、"Self-assembly of faceted Ni nanodots on Si (111)", D. Aurongzeb et al.、Applied Physics Letters 86, 103107, 2005を参照)。この四角錐台では、側壁がNi(111)面、上面がNi(110)で構成される。
触媒金属微粒子10は、四角錐台のような下地構造を他の物質で形成後、その表面に触媒金属材料を堆積することによって形成してもよい。また、予め大きさと面方位を制御した触媒金属微粒子を作製し、それを基板上に並べるようにしてもよい。その場合、触媒金属微粒子が基板に対して種々の面方位を持っており、その方向が一様には揃っていない場合でも、カーボンナノチューブ成長時もしくは前処理としての加熱過程により、下地構造の面方位を反映して一様な方向に構造に統一させることもできる。
触媒金属微粒子10への炭素原子の供給を続けると、触媒金属微粒子10の各側壁の三角格子からグラフェンシート18が析出し、これらグラフェンシート18が環状構造を成し、これがカーボンナノチューブへと成長する(図5(a)〜図5(c)を参照)。カーボンナノチューブの径は、触媒金属微粒子10の径によって制御することができる。図4(a),(b)に示す触媒金属微粒子10を用いた場合、いわゆるジグザグ型と呼ばれるカイラリティを持つカーボンナノチューブが形成される。
なお、触媒金属微粒子10は、図4(a)及び図4(b)に示す構造に限らず、例えば図6(a)に示すように、最低でも連続する2段の三角格子が触媒金属微粒子10を一周取り囲んでいる構造を有していればよい。図6(a)〜(c)は、この場合におけるカーボンナノチューブの成長過程を図示したものである。
次に、このような触媒金属微粒子を用いてカーボンナノチューブのカイラリティを制御する方法について説明する。
上述の通り、触媒金属微粒子から析出されるグラフェンシートの六員環の方向は、触媒金属微粒子の三角格子の方向を反映したものとなる。したがって、触媒金属微粒子の三角格子の方向に対するカーボンナノチューブの成長方向を制御することにより、カーボンナノチューブのカイラリティを制御することができる。
カーボンナノチューブの成長方向は、成長の際に外部電界を印加することにより制御することができる。
例えば図7(a)に示すように、基板20上に図4(b)に示す触媒金属微粒子22を形成し、基板20の法線方向に電界を印加すると、カーボンナノチューブ24は外部電界の印加方向に沿って成長する。また、成長するグラフェンシートは、六員環の頂点が上を向いており、いわゆるジグザグ型のカーボンナノチューブ24が形成される。
また、例えば図7(b)に示すように、基板20の法線方向に対して30度の角度で外部電界を印加した場合にも、カーボンナノチューブ24は外部電界の印加方向に沿って成長する。この場合に成長するグラフェンシートは、六員環の辺が上を向いており、いわゆるアームチェア型のカーボンナノチューブが形成される。
或いは、基板20の法線方向に対する外部電界の印加方向を変える代わりに、基板20に対する触媒金属微粒子22の三角格子の方向を変えることによっても、カーボンナノチューブ24のカイラリティを制御することができる。例えば図8に示すように、基板20にエッチングなどによって特定の角度(例えば、角度θ=30度)の傾斜面26を形成し、その傾斜面26上に触媒金属微粒子22を形成する。これにより、外部電界の印加方向を基板20の法線方向と同じにしたままで、カーボンナノチューブのカイラリティを制御することができる。
なお、ジグザグ型のカーボンナノチューブは、直径によりその特性が金属的なものと半導体的なものとが交互に発生する。よって、ジグザグ型のカーボンナノチューブの特性を完全に制御するためには、上記に加え更に触媒金属微粒子22の大きさを制御して生成するカーボンナノチューブ24の直径をも制御する必要がある。
以上のようなメカニズムを通し、カーボンナノチューブの成長方向に対する触媒金属微粒子の三角格子の方向及び触媒金属微粒子の大きさを制御することにより、カーボンナノチューブのカイラリティ及び特性を自在に制御することができる。
なお、カーボンナノチューブの成長には、触媒金属微粒子が基板表面に残ってカーボンナノチューブが上方へ伸びる態様(これを根元成長と呼ぶ)と、触媒金属微粒子が常に先頭にあってカーボンナノチューブを後ろへ析出しながら伸びていく態様(これを先端成長と呼ぶ)とがある。どちらの成長態様の場合にも、三角格子をその側面に持つ触媒金属微粒子を用いることにより、グラフェンシートが環状に閉じたカーボンナノチューブを成長することができる。
次に、本実施形態によるカーボンナノチューブの製造方法について図9を用いて説明する。
まず、基板20上に、触媒金属微粒子22を形成する(図9(a))。触媒金属微粒子22は、例えばスパッタ法又は蒸着法により例えば膜厚1nm相当の触媒金属を堆積後、熱処理によって触媒金属を凝集させることにより、形成することができる。基板20上に形成する触媒金属微粒子22の密度は、アニール条件(温度、処理時間)により制御することができる。
例えばSi(100)基板上にNi触媒薄膜を形成後、500℃で数分間の熱処理を加えることにより、Ni触媒薄膜は自己組織化し、側壁がNi(111)面で構成され、上面がNi(110)で構成された触媒金属微粒子を形成することができる。
次いで、触媒金属微粒子22を形成した基板20上に、カーボンナノチューブ24を成長する。カーボンナノチューブは、熱CVD法により、例えば反応ガスとしてアセチレンと水素との混合ガスを用い、アセチレンの流量を80sccm、水素の流量を20sccm、成膜室圧力を200Pa、基板温度を900℃とした条件で成長する。
或いは、熱フィラメントによりガス解離を行う熱フィラメントCVD法により、例えば反応ガスとしてアセチレンと水素との混合ガスを用い、アセチレンの流量を80sccm、水素の流量を20sccm、成膜室圧力を1000Pa、基板温度を600℃、熱フィラメント温度を1800℃とした条件で成長する。
或いは、直流(DC)プラズマと熱フィラメントとを組み合わせたDCプラズマ熱フィラメントCVD法を用い、例えば反応ガスとしてアセチレンと水素との混合ガスを用い、アセチレンの流量を80sccm、水素の流量を20sccm、成膜室圧力を1000Pa、基板温度を600℃、熱フィラメント温度を1800℃とした条件で成長する。
この際、カーボンナノチューブを所定の方向に配向(例えば垂直配向)させるために、接地電位である成膜チャンバに対して基板20に例えば−400Vの直流電圧を印加する。これにより、基板20にはその法線方向に沿った電界が印加され(図7(a)参照)、電界方向に配向したカーボンナノチューブを得ることができる。
これにより、基板20上に、ジグザグ型のカーボンナノチューブ24を成長することができる(図9(b))。また、触媒金属微粒子22の径を制御することにより、金属的なカーボンナノチューブ24と半導体的なカーボンナノチューブ24とを作り分けることができる。
このように、本実施形態によれば、側壁部分に三角格子構造を有する触媒金属微粒子を用い、触媒金属微粒子の三角格子の方向に対するカーボンナノチューブの成長方向を適宜制御するので、成長するカーボンナノチューブのカイラリティを容易に制御することができる。また、カーボンナノチューブの径は触媒金属微粒子の径により制御することができるので、金属的なカーボンナノチューブと半導体的なカーボンナノチューブとを容易に作り分けることができる。これにより、カーボンナノチューブを用いた素子の特性や歩留まりを向上することができる。
[第2実施形態]
本発明の第2実施形態によるカーボンナノチューブの製造方法について図10乃至図12を用いて説明する。なお、図1乃至図8に示す第1実施形態によるカーボンナノチューブの製造方法と同様の構成要素には同一の符号を付し、説明を省略し或いは簡潔にする。
図10は本実施形態によるカーボンナノチューブの製造方法に用いる触媒金属膜の構造を示す概略図、図11は本実施形態の触媒金属膜を用いたカーボンナノチューブの成長過程を示す図、図12は本実施形態によるカーボンナノチューブの製造方法を示す工程断面図である。
はじめに、本実施形態によるカーボンナノチューブの製造方法に用いる触媒金属について図10を用いて説明する。
本実施形態によるカーボンナノチューブの製造方法には、触媒金属として、側壁部分に三角格子構造を有するナノサイズの微小な孔(ポア)が表面に形成された触媒金属膜を用いる。
表面にナノサイズのポアが形成された触媒金属膜は、例えば図10に示すようなものである。すなわち、触媒金属膜30は、ポア32の側壁部分に三角格子構造が形成される触媒金属材料により構成される。触媒金属膜32は、例えばNi膜であり、その表面がNi(100)面、ポアの側壁がNi(111)面である。
ポア32を有する触媒金属膜30を用いたカーボンナノチューブの成長では、原料として供給された炭素原子は、触媒金属微粒子を用いる場合と同様、ポア32の側壁部分から触媒金属膜30中に入り込み、ポア側壁部分の三角格子の影響によって六員環34を形成する。触媒金属膜30への炭素原子の供給を続けると、ポア32の各側壁の三角格子からグラフェンシート36が析出し、これらグラフェンシート36が環状構造を成し、これがカーボンナノチューブ38へと成長する(図11(a)〜図11(c)を参照)。カーボンナノチューブの径は、ポア32の径によって制御することができる。図10(a),(b)に示す触媒金属膜30を用いた場合、いわゆるジグザグ型と呼ばれるカイラリティを持つカーボンナノチューブが形成される。
なお、カーボンナノチューブ38のカイラリティの制御は、第1実施形態によるカーボンナノチューブの製造方法の場合と同様に行うことができる。すなわち、カーボンナノチューブの成長方向に対するポアの三角格子の方向を制御することにより、カーボンナノチューブのカイラリティを自在に制御することができる。
次に、本実施形態によるカーボンナノチューブの製造方法について図12を用いて説明する。
まず、基板40上に、例えばスパッタ法又は蒸着法により触媒金属膜42を形成する。基板40は例えばSi(100)基板であり、触媒金属膜42は上面が例えば(100)面で構成されたNi膜である。
次いで、触媒金属膜42上に、例えばCVD法によりシリコン酸化膜を堆積し、シリコン酸化膜よりなるマスク膜44を形成する(図12(a))。
次いで、フォトリソグラフィーにより、マスク膜44上に、カーボンナノチューブの形成予定領域を露出するフォトレジスト膜46を形成する。
次いで、フォトレジスト膜をマスクとしてマスク膜44を異方性エッチングし、フォトレジスト膜46のパターンをマスク膜44に転写する(図12(b))。
次いで、マスク膜44をマスクとして触媒金属膜42を異方性エッチングし、触媒金属膜42の表面にナノサイズのポア48を形成する。この際、面方位依存性のある異方性エッチングを用いることにより、ポア48の側壁部分に露出する面方位を例えばNi(111)面とすることができる。
次いで、例えばアッシングにより、フォトレジスト膜46を除去する(図12(c))。
次いで、触媒金属膜42のポア48上に、例えば第1実施形態と同様にして、カーボンナノチューブ50を成長する(図12(d))。この際、カーボンナノチューブ50を所定の方向に配向(例えば垂直配向)させるために、接地電位である成膜チャンバに対して基板に例えば−400Vの直流電圧を印加する。
これにより、基板40上に、ジグザグ型のカーボンナノチューブ50を成長することができる。また、ポア48の径を制御することにより、金属的なカーボンナノチューブ50と半導体的なカーボンナノチューブ50とを作り分けることができる。
このように、本実施形態によれば、ナノサイズのポアの側壁部分に三角格子構造を有する触媒金属膜を用い、三角格子の方向に対するカーボンナノチューブの成長方向を適宜制御するので、成長するカーボンナノチューブのカイラリティを容易に制御することができる。また、カーボンナノチューブの径はポアの径により制御することができるので、金属的なカーボンナノチューブと半導体的なカーボンナノチューブとを容易に作り分けることができる。これにより、カーボンナノチューブを用いた素子の特性や歩留まりを向上することができる。
[変形実施形態]
本発明は上記実施形態に限らず種々の変形が可能である。
例えば上記実施形態では、触媒金属材料としてNiを用いた場合を示したが、他の触媒金属材料を用いることもできる。他の触媒金属材料としては、例えばCo、Fe等の遷移金属材料又はこれらを含む合金材料等を適用することができる。
また、上記実施形態では、金属触媒の側壁部分の面方位が(111)面となる場合を例に説明したが、表面原子の配列が三角格子を構成するものであれば、これに限定されるものではない。
本発明の第1実施形態によるカーボンナノチューブの製造方法に用いる触媒金属微粒子の構造を示す概略図(その1)である。 本発明の第1実施形態によるカーボンナノチューブの製造方法に用いる触媒金属微粒子の構造を示す概略図(その2)である。 触媒金属微粒子から析出される炭素原子の六員環構造を示す図である。 触媒金属微粒子の三角格子の向きと炭素原子の六員環の向きとの関係を示す図である。 触媒金属微粒子を用いたカーボンナノチューブの成長過程を示す図(その1)である。 触媒金属微粒子を用いたカーボンナノチューブの成長過程を示す図(その2)である。 本発明の第1実施形態によるカーボンナノチューブのカイラリティの制御方法を示す図(その1)である。 本発明の第1実施形態によるカーボンナノチューブのカイラリティの制御方法を示す図(その2)である。 本発明の第1実施形態によるカーボンナノチューブの製造方法を示す工程断面図である。 本発明の第2実施形態によるカーボンナノチューブの製造方法に用いる触媒金属膜の構造を示す概略図である。 ポアを有する触媒金属膜を用いたカーボンナノチューブの成長過程を示す図である。 本発明の第2実施形態によるカーボンナノチューブの製造方法を示す工程断面図である。
符号の説明
10…触媒金属微粒子
12…表面原子
14…炭素原子
16…六員環
18…グラフェンシート
20…基板
22…触媒金属微粒子
24…カーボンナノチューブ
26…傾斜面
30…触媒金属膜
32…ポア
34…六員環
36…グラフェンシート
38…カーボンナノチューブ
40…基板
42…触媒金属膜
44…マスク膜
46…フォトレジスト膜
48…ポア
50…カーボンナノチューブ

Claims (9)

  1. 一周する側壁に三角格子の原子配列を有する金属触媒に炭素原料を供給し、前記金属触媒から前記三角格子の原子配列を反映した六員環構造を有するグラフェンシートを順次析出させることにより、炭素原子よりなる円筒型構造体を形成する
    ことを特徴とするカーボンナノチューブの製造方法。
  2. 請求項1記載のカーボンナノチューブの製造方法において、
    前記三角格子の向きに対する前記グラフェンシートの析出方向を制御することにより、前記円筒構造体のカイラリティを制御する
    ことを特徴とするカーボンナノチューブの製造方法。
  3. 請求項2記載のカーボンナノチューブの製造方法において、
    前記グラフェンシートの析出方向を、外部から印加する電界の向きにより制御する
    ことを特徴とするカーボンナノチューブの製造方法。
  4. 請求項1乃至3のいずれか1項に記載のカーボンナノチューブの製造方法において、
    前記金属触媒は、触媒金属材料よりなる微粒子である
    ことを特徴とするカーボンナノチューブの製造方法。
  5. 請求項4記載のカーボンナノチューブの製造方法において、
    前記微粒子の径により、前記円筒構造体の径を制御する
    ことを特徴とするカーボンナノチューブの製造方法。
  6. 請求項4又は5記載のカーボンナノチューブの製造方法において、
    基板上に前記触媒金属材料を堆積して自己組織化させることにより、前記三角格子の向きが制御された前記微粒子を形成する
    ことを特徴とするカーボンナノチューブの製造方法。
  7. 請求項1乃至3のいずれか1項に記載のカーボンナノチューブの製造方法において、
    前記金属触媒は、側壁に三角格子の原子構造を有する孔が形成された触媒金属膜である
    ことを特徴とするカーボンナノチューブの製造方法。
  8. 請求項7記載のカーボンナノチューブの製造方法において、
    前記孔の径により、前記円筒構造体の径を制御する
    ことを特徴とするカーボンナノチューブの製造方法。
  9. 請求項7又は8記載のカーボンナノチューブの製造方法において、
    前記触媒金属膜に面方位依存性を有する異方性エッチングを行うことにより、前記三角格子の向きが制御された前記孔を形成する
    ことを特徴とするカーボンナノチューブの製造方法。
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