JP2008033245A - フレネルレンズシート、透過型スクリーン、背面投射型表示装置 - Google Patents

フレネルレンズシート、透過型スクリーン、背面投射型表示装置 Download PDF

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哲弥 貞弘
Hiroshi Sekiguchi
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Abstract

【課題】映像の解像度を低下させることなくシンチレーションを低減でき、耐環境性もよいフレネルレンズシート、及び、これ用いた透過型スクリーン、背面投射型表示装置を提供する。
【解決手段】光透過性を有する樹脂に拡散材を混練して形成された光拡散層111と、光拡散層111の出射側に形成された拡散材が混練されていない光透過層112と、光透過層の出射側に形成されたフレネルレンズ形状113とを設け、光拡散層111の入射側に、入射側に凸の単位プリズム形状114aをシート面に沿って垂直方向に多数並べて形成した入射側レンズ形状114を設けたフレネルレンズシートとすることにより実現した。
【選択図】図3

Description

本発明は、入射する光を出射側へ偏向させて出射するフレネルレンズシート、透過型スクリーン、背面投射型表示装置に関するものである。
映像光をスクリーンの背面側から投射して映像を表示するリアプロジェクションテレビ等に用いられる透過型スクリーンとして、映像光の入射側にフレネルレンズシートを備え、出射側にレンチキュラーレンズシート等の光を拡散する作用を有する光拡散シートを備えたものが知られている。
近年、リアプロジェクションテレビ等に用いられる光源として、CRT方式に変わり、LCD(Liquid Crystal Display)方式やDMD(Digital Micromirror Device)方式等の輝度の高い単光源が主に使用されるようになった。このような単光源を用いた場合に、表示される映像がぎらついて見える現象(以下、このような現象をシンチレーションと呼ぶ)が発生しやすくなり、良好な映像が観察し難くなるという問題があった。
このようなシンチレーションを低減するために、光を拡散させる作用を有する拡散材の含有量を増加させる等して拡散特性を大きくする手法が挙げられるが、透過型スクリーンに入射する光の利用効率が低下して映像が暗くなることや、映像がぼやける等の問題があった。
特許文献1では、シンチレーションを低減するために、光拡散材以外の垂直方向拡散光学要素を有する透過型スクリーンの例が開示されている。
しかし、特許文献1に記載の透過型スクリーンでは、垂直拡散光学要素が、フレネルレンズシート、レンチキュラーレンズシートとは別体であるため、界面が増える。従って、映像光の透過率が落ち、映像のコントラストが低下するという問題があった。
また、温度や湿度等の環境の変化によって、垂直拡散光学要素が反る等して、透過型スクリーンに表示される映像が歪んで観察されるという問題や、垂直拡散光学要素の形状によっては、重ねて配置されるレンチキュラーレンズシート等の他の光学シートに傷が付く場合があるという問題があった。
特開2002−189254号公報
本発明の課題は、映像の解像度を低下させることなくシンチレーションを低減でき、耐環境性のよいフレネルレンズシート、及び、これ用いた透過型スクリーン、背面投射型表示装置を提供することである。
本発明は、以下のような解決手段により、前記課題を解決する。なお、理解を容易にするために、本発明の実施形態に対応する符号を付して説明するが、これに限定されるものではない。
請求項1の発明は、出射側に形成されたフレネルレンズ形状(113)と、光透過性を有し、光を拡散する拡散材を含む光拡散層(111)と、入射側に形成された入射側レンズ形状(114)と、を備えたフレネルレンズシート(11,21,31)である。
請求項2の発明は、請求項1に記載のフレネルレンズシートにおいて、光透過性を有し、拡散材を含まない光透過層(112)を備えること、を特徴とするフレネルレンズシート(11)である。
請求項3の発明は、請求項1又は請求項2に記載のフレネルレンズシートにおいて、前記光拡散層(111)より出射側に、光透過性を有し、拡散材を含む第2の光拡散層(215)を備えること、を特徴とするフレネルレンズシート(21)である。
請求項4の発明は、請求項3に記載のフレネルレンズシートにおいて、第2の光拡散層(215)に含まれる拡散材の量は、前記光拡散層(111)に含まれる拡散材の量の7wt%以下であること、を特徴とするフレネルレンズシート(21)である。
請求項5の発明は、請求項2から請求項4までのいずれか1項に記載のフレネルレンズシートにおいて、前記光拡散層(111)は、前記光透過層(112)より入射側に設けられていること、を特徴とするフレネルレンズシート(11)である。
請求項6の発明は、請求項1から請求項5までのいずれか1項に記載のフレネルレンズシートにおいて、前記光拡散層(111)は、入射側には前記入射側レンズ形状(114)を有すること、を特徴とするフレネルレンズシート(11,21,31)である。
請求項7の発明は、請求項1から請求項6までのいずれか1項に記載のフレネルレンズシートにおいて、シート面の法線方向から入射する光が該フレネルレンズシートに含まれる前記拡散材のみによって拡散した場合の前記光拡散層から空気中への出射角度による輝度分布曲線において、拡散された光の輝度が最大輝度の1/10となる角度をθとし、シート面の法線方向から入射する光が前記入射側レンズ形状(114)のみによって拡散した場合の前記光拡散層から空気中への出射角度による輝度分布曲線において、極大値をとる出射角度をγとするとき、θ≧γを満たすこと、を特徴とするフレネルレンズシート(11,21,31)である。
請求項8の発明は、請求項1から請求項7までのいずれか1項に記載のフレネルレンズシートにおいて、前記入射側レンズ形状(114)は、入射側に凸の単位プリズム形状(114a)がシート面に沿って多数並べて形成されていること、を特徴とするフレネルレンズシート(11,21,31)である。
請求項9の発明は、請求項8に記載のフレネルレンズシートにおいて、前記単位プリズム形状(114a)は、シート面に直交する断面形状が、略三角形状であること、を特徴とするフレネルレンズシート(11,21,31)である。
請求項10の発明は、請求項8又は請求項9に記載のフレネルレンズシートにおいて、前記単位プリズム形状(114a)の入射側先端部分には、入射側に凸の曲面が形成されていること、を特徴とするフレネルレンズシート(11,21,31)である。
請求項11の発明は、請求項8から請求項10までのいずれか1項に記載のフレネルレンズシートにおいて、前記単位プリズム形状(114a)は、使用状態においてシート面に沿って垂直方向に並べられていること、を特徴とするフレネルレンズシート(11,21,31)である。
請求項12の発明は、請求項1から請求項11までのいずれか1項に記載のフレネルレンズシート(11,21,31)と、光を拡散する作用を有する拡散光学シート(12)と、を備えた透過型スクリーン(10)である。
請求項13の発明は、請求項12に記載の透過型スクリーン(10)と、映像光を投射する光源(20)と、を備えた背面投射型表示装置(1)である。
本発明によれば、以下の効果を奏することができる。
(1)フレネルレンズシートは、光透過性を有し、光を拡散する拡散材を含む光拡散層と、入射側に形成された入射側レンズ形状とを有するので、映像の解像度を落とすことなく、シンチレーションの発生を効果的に抑えることができる。
また、入射側レンズ形状をフレネルレンズシートとは別体のレンズシートに形成して設けた場合には、温度や湿度等の環境の変化によって入射側レンズ形状を有するレンズシートとフレネルレンズシートとの間に浮き等が発生する場合があるが、本発明によれば、入射側レンズ形状は、フレネルレンズシートに形成されて一体となっているので、浮き等が発生することがなく、耐環境性が向上する。
(2)光透過性を有し、拡散材を含まない光透過層を備えるので、拡散材を有する光拡散層と光透過層とを組み合わせることにより、フレネルレンズシート全体として見たときに、拡散材を局在化させることができ、解像度が低下することを防止できる。
(3)光拡散層より出射側に、光透過性を有し、拡散材を含む第2の光拡散層を備えるので、フレネルレンズシートの製造工程で、例えば、光拡散層及び第2の光拡散層や、光拡散層及び光透過層等を2層押し出し等で作製し、所定のサイズに裁断する際に生じる加工残材等を、第2の光拡散層の材料として再利用することができ、生産コストを抑えることができる。
(4)第2の光拡散層に含まれる拡散材の量は、光拡散層に含まれる拡散材の量の7wt%以下であるので、第2の光拡散層が拡散材を含有していても、解像度の低下に影響が無い。
(5)光拡散層は、光透過層より入射側に設けられているので、光を拡散する効果を高めることができる。
(6)光拡散層は、入射側には入射側レンズ形状を有するので、映像の解像度を低下させることなく、シンチレーションをより効果的に低減できる。
(7)シート面の法線方向から入射する光がフレネルレンズシートに含まれる拡散材のみによって拡散した場合の光拡散層から空気中への出射角度による輝度分布曲線において、拡散された光の輝度が最大輝度の1/10となる角度をθとし、シート面の法線方向から入射する光が入射側レンズ形状のみによって拡散した場合の光拡散層から空気中への出射角度による輝度分布曲線において、極大値をとる出射角度をγとするとき、θ≧γを満たすので、入射側レンズ形状による光の拡散効果と、フレネルレンズシート全体に含まれる拡散材による光の拡散効果(すなわち、入射側レンズ形状等のレンズ要素を除いた拡散効果)によって、シンチレーションをより効果的に抑制することができる。
(8)入射側レンズ形状は、入射側に凸の単位プリズム形状がシート面に沿って多数並べて形成されているので、映像の解像度を低下させることなく、シンチレーションを低減できる。
(9)単位プリズム形状は、シート面に直交する断面形状が、略三角形状であるので、入射する光を所定の2方向へ拡散することができる。
(10)単位プリズム形状の入射側先端部分には、入射側に凸の曲面が形成されているので、他の光学シートを傷つけることがない。また、押し出しによる成形が容易に行える。
(11)単位プリズム形状は、使用状態においてシート面に沿って垂直方向に並べられているので、垂直方向への拡散作用が得られる。通常、フレネルレンズシートを透過型スクリーン等に用いる場合には、水平方向に光を拡散する拡散光学シートとを組み合わせて用いることが多い。そのため、単位プリズム形状によって、垂直方向へ光を拡散させることにより、より効果的にシンチレーションを低減できる。
(12)透過型スクリーン及び背面投射型表示装置は、上述のフレネルレンズシートを用いているので、映像の解像度を低下させることなく、シンチレーションの少ない映像を表示できる。
本発明は、映像の解像度を低下させることなくシンチレーションを低減でき、耐環境性のよいフレネルレンズシート、及びこれを用いた透過型スクリーン、背面投射型表示装置を提供するという目的を、フレネルレンズシートの入射側に光拡散層を設け、その入射側に入射側レンズ形状を形成することにより実現した。
(第1実施形態)
図1は、本発明によるリアプロジェクションテレビの実施形態を示す図である。
図2は、本発明による透過型スクリーンの実施形態を示す斜視図である。
なお、図1を含め、以下に示す各図は、模式的に示した図であり、各部の大きさ、形状は、理解を容易にするために、適宜誇張して示している。
また、図2を含め以下に示す各図において、矢印で示される垂直方向、水平方向とは、透過型スクリーン10及び後述のフレネルレンズシート11の使用状態における垂直方向、水平方向である。
さらに、本実施形態及び以下に示す各実施形態において、形状や数値等の例を挙げて説明するが、その形状や数値等に限定されるものではなく、適宜選択可能である。
リアプロジェクションテレビ1は、透過型スクリーン10,光源部20,ミラー部30を備えた背面投射型表示装置である。光源部20から投射された映像光Lは、ミラー部30を介して透過型スクリーン10へ拡大投影される。本実施形態のリアプロジェクションテレビ1では、DMD方式の光源を光源部20に用いている。
透過型スクリーン10は、フレネルレンズシート11と、レンチキュラーレンズシート12を組み合わせて1組のスクリーンとして用いられている。
本実施形態のフレネルレンズシート11は、映像光Lの入射側(光源側)に設けられ、その入射側には、入射側レンズ形状114が形成され、出射側(観察面側)には、フレネルレンズ形状113が形成されている。フレネルレンズシート11の詳細な形状については後述する。
レンチキュラーレンズシート12は、フレネルレンズシート11よりも映像光Lの出射側(観察面側)に設けられ、光を拡散する作用を有する拡散光学シートである。
本実施形態のレンチキュラーレンズシート12は、レンチキュラーレンズ基板122よりも入射側に、その断面が略楕円形状の一部である単位レンズ形状121が、水平方向に多数配列され、映像光Lの非透過部分には、光吸収層123が所定の間隔で形成されている。
図3は、第1実施形態のフレネルレンズシート11の断面図である。なお、図3では、フレネルレンズシート11の使用状態における垂直方向での断面を示している。
フレネルレンズシート11は、映像光Lの入射側から順に、入射側レンズ形状114,光拡散層111,光透過層112,フレネルレンズ形状113を有している。
光拡散層111は、光透過性を有する樹脂に拡散材を略均一に混練して形成された層であり、その入射側には、入射側レンズ形状114が形成されている。
入射側レンズ形状114は、入射側に凸の単位プリズム形状114aが、シート面に沿って、フレネルレンズシート11の使用状態における垂直方向に多数並べて形成されている。なお、シート面とは、フレネルレンズシート全体として見たときにおけるフレネルレンズシートの平面方向となる面を示すものであり、以下の説明中、及び、特許請求の範囲においても同一の定義として用いる。
本実施形態では、フレネルレンズシート11と組み合わせて用いるレンチキュラーレンズシート12が、光を水平方向に拡散する特性を有しているので、水平方向におけるシンチレーションは、レンチキュラーレンズシート12によって低減される。よって、光を垂直方向に拡散することによって、よりシンチレーションの低減を図るために、単位プリズ
ム形状114aは、垂直方向に配列されている。
単位プリズム形状114aは、シート面に直交する断面形状が略三角形状であり、シート面と単位プリズム形状114aの斜面とは角度αをなしている。この単位プリズム形状114aの入射側の先端部分には、入射側に凸の曲面が形成されている。また、単位プリズム形状114a間は、入射側に凹の曲面が形成されている(図4参照)。
光透過層112は、光拡散層111よりも出射側に、光拡散層111に用いた光透過性を有する樹脂と同様の樹脂を用いて形成された層であるが、拡散材が混練されていない。
本実施形態では、光透過性を有する樹脂としては、アクリル樹脂が用いられ、拡散材としては、アクリル−スチレン系の樹脂を用いて形成されたビーズが用いられている。なお、光透過性を有する樹脂としては、アクリル−スチレン系の樹脂や、ポリカーボネート樹脂(PC)等を用いてもよい。また、拡散材としては、ガラスビーズや、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂等を用いて形成されたビーズ等を用いてもよい。
フレネルレンズ形状113は、光透過層112の出射側に光硬化型樹脂を用いて形成され、光源部20からの映像光を略平行光として出射する働きを有している。
ここで、入射側レンズ形状114を形成する単位プリズム形状114aの形状について、詳しく説明する。
図4は、単位プリズム形状114aの断面の拡大図である。なお、図4では、単位プリズム形状114aのみによる光の拡散の様子を説明するために、入射側レンズ形状114が形成されている光拡散層111に混練された拡散材は考慮しないものとする。
ここで、光拡散層111に含まれる拡散材の作用を考えない場合、図4に示すように、シート面の法線方向から入射した光(以下、平行入射光と呼ぶ)は、単位プリズム形状114aに入射角度αで入射し、光透過性を有する樹脂の屈折率nに応じて屈折し(屈折角:β)、出射角度γで光拡散層111から空気中へ出射する。
このとき、α,β,γには、以下に示すような関係がある。
β=sin-1((1/n)×sinα) ・・・(式1)
γ=sin-1(n×sin(α−β)) ・・・(式2)
本実施形態の光拡散層111では、入射光は、単位プリズム形状114aによる拡散(偏向)作用と、拡散材による拡散作用(単位プリズム形状114aを除いた拡散要素、すなわち、本実施形態のフレネルレンズシート11全体に含まれる拡散材による拡散作用)とを受けて、フレネルレンズシート11から出射する。従って、これら2種類の作用をどのように組み合わせるかによって、光拡散層111によるシンチレーションを防止する効果が変化する。以下、この点について説明する。
図5は、拡散材及び入射側レンズ形状114による拡散の様子を示す図である。図5及び以下に示す図6,図7では、縦軸は相対輝度を示し、横軸は出射角度を示しており、横軸の正方向は、フレネルレンズシートの垂直方向上側、負の方向は、垂直方向下側を示している。なお、図5及び以下に示す図6,図7では、理解を容易にするために、拡散材のみによって拡散されて出射した光の輝度の最大値を1として示してある。
単位プリズム形状114aによる拡散(偏向)作用のみでは、上述したように、(式2)から得られる出射角度γ(図5中に示したγ参照)で光が出射する。そのため、入射側レンズ形状114は、出射角度±γに集中して光を出射するという拡散特性を示し、出射する光の輝度分布曲線は、出射角度±γで極大値をとる。
一方、入射側レンズ形状114が形成されておらず、拡散材のみによって平行入射光が拡散されて光拡散層111から空気中へ出射した場合、垂直方向における角度による輝度分布は、図5中に、一点鎖線で示されるような曲線となる。図5及び以下に示す図6,図7に示す角度±θは、拡散材のみによって拡散されて出射した光の輝度が、最大値の1/10となる角度(1/10角)である。
このような拡散特性を有する入射側レンズ形状114(単位プリズム形状114a)と拡散材とを組み合わせた場合の光の拡散特性は、図5中に実線で示されるような曲線となる。
図6は、γ=θであるときの拡散材及び入射側レンズ形状114による拡散の様子を示す図である。図6中の一点鎖線で示される曲線は、拡散材のみによる拡散特性を示し、実線で示される曲線は、出射角度γ=θのときの入射レンズ形状と拡散材とによる拡散特性を示している。なお、前述の図5に示した出射角度γは、γ=3θ/4であり、γ<θである。
図5、図6に示すように、γが大きくなると、入射側レンズ形状によって拡散された光の輝度の極大値となる出射角度は、シート面の法線方向から離れる傾向にある。
そのため、γが大きくなると、フレネルレンズシートの正面(シート面に対して法線方向)での輝度が極端に低下して映像が暗くなり、透過型スクリーンの正面での明るさの不均一性が強調されてしまう。従って、本発明のフレネルレンズシート11では、γ≦θを満たす入射側レンズ形状とすることにより、拡散材による光の拡散効果によって正面での輝度の低下を補っている。
一方、γ>θであるフレネルレンズシートでは、入射側レンズ形状による光の拡散効果によって生じる正面での輝度の低下を、拡散材による光の拡散効果によって補うことができず、正面での輝度の低下が大きく、明るさの不均一性が問題となる。また、シンチレーション低減効果が弱くなる。
これらの理由から、γ≦θであることが好ましいといえる。
なお、このγ及びθに関しては、次のような方法で求めることができる。
まず、γに関しては、γを求めたい試料(入射側レンズ形状が形成されたフレネルレンズシート)の垂直方向での拡散特性を測定する。試料の拡散特性の曲線が、0°以外に極大値をとる場合は、その角度を入射側レンズ形状(単位プリズム形状)の拡散(偏向)作用による出射角度γとすることができる。
また、測定した試料の拡散特性の曲線が、明確な極大値を取らない場合等では、試料の単位プリズム形状の型取りや断面を測定する等して、実際に単位プリズム形状を測定し、屈折率が略等しい材料で同様の入射側レンズ形状を作製して、拡散特性を測定するか、測定した単位プリズム形状から計算によってγを求めることができる。
一方、θに関しては、θを求めたい試料の入射側レンズ形状(単位プリズム形状)を、試料の屈折率と略等しい樹脂等で埋めて平面を形成し、その拡散特性を測定する。単位プリズム形状への入射角度αは、実質的には20°以下になると予測されるので、試料と、入射側レンズ形状(単位プリズム形状)を埋めた材料との間に屈折率があった場合にも、屈折率差による影響は小さく、拡散材のみによる拡散特性に略等しいものが得られる。このようにして得られた拡散特性の曲線から、輝度が最大値の1/10となる角度を求めればよい。
本実施形態では、入射側レンズ形状114は、単位プリズム形状114aが垂直方向に多数並べて配置されている。この単位プリズム形状114aは、断面形状が略三角形状であり、曲面部分を除いて出射角度γは一定であるので、入射側レンズ形状114の輝度分布曲線は、出射角度γで極大値をとる。また、本実施形態の入射側レンズ形状114では、出射角度γは、1/10角θよりも小さい。従って、入射側レンズ形状114は、シンチレーション低減に好ましい条件を満たしている。
また、単位プリズム形状114aが並べられるピッチpは、0.1mm以下であることが好ましい。
これは、光源部20から投射された映像光がフレネルレンズシート11に入射する時点での画素の大きさと単位プリズム形状114aのピッチpとの大きさが近いとモアレが発
生するためであり、一般的には、単位プリズム形状114aのピッチpが画素ピッチの1/5以下であればモアレは発生しないからである。
本実施形態では、画素ピッチが約0.6mmであるので、単位プリズム形状114aのピッチは、0.1mm以下であることが、モアレ防止の観点から好ましい。
本実施形態のフレネルレンズシート11の製造方法について説明する。
フレネルレンズシート11は、まず、拡散材が混練された光透過性を有する樹脂と拡散材が混練されていない光透過性を有する樹脂とを用意し、これらを用いた2層押し出し成形によって、入射側レンズ形状114を有する光拡散層111と光透過層112との2層を一体として形成し、作製したいフレネルレンズシートの大きさに合わせて所定の大きさに裁断する。その後に、紫外線硬化型樹脂や電離放射線硬化型樹脂等の光硬化型樹脂を用いて、光透過層112の出射側(入射側レンズ形状114が形成された面とは反対側)の面にフレネルレンズ形状113を形成し、フレネルレンズシート11として作製される。
ここで、本実施形態のフレネルレンズシートとして、具体例1から具体例3までのフレネルレンズシートと、比較例1から比較例4までのフレネルレンズシートとを用意し、実際に透過型スクリーンとしてリアプロジェクションテレビに用いて、表示される映像を観察して比較した。
まず、具体例1から具体例3までのフレネルレンズシートについて説明する。
具体例1から具体例3までのフレネルレンズシートは、略同様の形態であるが、単位プリズム形状114aの斜面がシート面となす角度αのみが異なる。
具体例1から具体例3までのフレネルレンズシートの光拡散層111及び光透過層112に用いられた光透過性を有する樹脂(アクリル樹脂)の屈折率n=1.49、拡散材による光の拡散の1/10角θ=8.3°である。
具体例1のフレネルレンズシートは、α=7.5°、具体例2のフレネルレンズシートは、α=10°、具体例3のフレネルレンズシートは、α=14°であり、それぞれ(式1)及び(式2)に代入すると、
(具体例1)
屈折角β=sin-1((1/1.49)×sin7.5)≒5.0256°
出射角度γ=sin-1(1.49×sin(7.5−5.0256))≒3.6883≒3.7°
(具体例2)
屈折角β=sin-1((1/1.49)×sin10)≒6.6926°
出射角度γ=sin-1(1.49×sin(10−6.6926))≒4.9314≒4.9°
(具体例3)
屈折角β=sin-1((1/1.49)×sin14)≒9.3441°
出射角度γ=sin-1(1.49×sin(14−9.3441))≒6.9467≒6.9°
となり、具体例1から具体例3までのフレネルレンズシートは、θ≧γを満たす。
図7は、具体例1のフレネルレンズシートでの光の拡散の様子を示す図である。図7中に一点鎖線で示される曲線は、拡散材のみによる拡散特性を示し、実線で示される曲線は、具体例1における単位プリズム形状114aが形成された光拡散層111の拡散特性を示している。また、図7中に示すγは、具体例1の出射角度γであり、γ=3.7°であり、θは、1/10角であり、θ=8.3°である。
図7に示すように、具体例1では、正面(シート面の法線方向)での輝度を保ちつつ、光を拡散させている。
次に比較例1から比較例4までのフレネルレンズシートについて説明する。
比較例1から比較例4までのフレネルレンズシートは、具体例1から具体例3までのフレネルレンズシートと略同様の形態であるが、光拡散層に混練された拡散材の量、入射側レンズ形状の有無、1/10角θと出射角度γとの関係等の点で異なる。
比較例1のフレネルレンズシートは、入射側レンズ形状114を有しておらず、具体例1及び具体例2のフレネルレンズシートに比べて光拡散層に混練された拡散材の量が多い(具体例1から具体例3までのフレネルレンズシートの1.25倍)。
比較例2のフレネルレンズシートは、入射側レンズ形状114を有しておらず、拡散材の量が具体例1から具体例3までのフレネルレンズシートの2.5倍(比較例1のフレネルレンズシートの2倍)である。
比較例3のフレネルレンズシートは、具体例1の単位プリズム形状と同様の単位プリズム形状114aによって形成された入射側レンズ形状114を有しているが、光拡散層に相当する層には、拡散材が混練されていない。
比較例4のフレネルレンズシートは、具体例1から具体例3までのフレネルレンズシートと同等量の拡散材を含有し、入射側レンズ形状114を有している。しかし、入射側レンズ形状114を形成する単位プリズム形状114aでは、単位プリズム形状114aの斜面がシート面となす角度α=18°、屈折角β≒12°、出射角度γ≒9.0であり、1/10角θ=8.3°であるので、θ<γとなり、θ≧γを満たしていない。
なお、各具体例及び各比較例のフレネルレンズシートにおいて、フレネルレンズ形状113のピッチは、0.112mmであり、単位プリズム形状114aのピッチpは、0.05mmである。
上述した各具体例及び各比較例のフレネルレンズシートを、レンチキュラーレンズシート12と組み合わせ、1枚の透過型スクリーンとしてリアプロジェクションテレビに用いて実際に映像光を投射し、透過型スクリーンに表示される映像のシンチレーションの発生、ゲイン、透過率等を調べた。
使用したレンチキュラーレンズシート12の単位レンズ形状121のピッチは、0.144mmであり、また、透過型スクリーンの画面サイズは50インチ、映像光の投射距離は約800mmである。
ここで、ゲインとは、透過型スクリーンの背面側から光を入射させたとき、透過型スクリーンに光が入射する入射面(透過型スクリーンの背面)での照度と、透過型スクリーンから出射する光の輝度を、シート面の法線方向となす角度ごとに測定し、以下に示す(式3)より求めた値である。
G=π×A/I ・・・(式3)
なお、(式3)において、ゲインをG、円周率をπ、輝度をA(cd/m2)、照度を
I(lx)で示している。測定したゲインは、透過型スクリーンの中心におけるシート面の法線方向から観察した場合のゲインである。
また、測定した透過率は、フレネルレンズ形状の中心における光の透過率である。
Figure 2008033245
表1は、各具体例及び各比較例のフレネルレンズシートを用いた場合のシンチレーションの発生の有無等を示した結果である。
具体例1から具体例3までと比較例1とを比較して、入射側レンズ形状114が形成されていない比較例1ではシンチレーションが発生したが、入射側レンズ形状114が形成されている具体例1から具体例3まででは、シンチレーションの発生が抑えられている。よって、入射側レンズ形状114は、シンチレーションの低減に効果的であった。
また、具体例1から具体例3までと比較例2とを比較して、比較例2のように入射側レンズ形状114を形成せずに拡散材だけをさらに増量した場合、シンチレーションの低減に多少の改善は見られるものの、透過率が悪く、映像の明るさが損なわれた。また、比較例2では、拡散材によって解像度が落ち、映像がぼやけて観察された。
さらに、同様の入射側レンズ形状が形成されている具体例1と比較例3とを比較して、拡散材が混練されていない比較例3では、シンチレーションが発生したが、拡散材が混練された具体例1では、シンチレーションの発生が抑えられていた。よって、入射側レンズ形状114が形成されている場合にも、拡散材を用いることがシンチレーションの低減に効果的であることがわかった。
さらにまた、具体例1から具体例3までと比較例4とを比較して、θ<γである比較例4では、シンチレーションの改善は見られるものの、スクリーンの正面方向でのゲイン(輝度)が低下し、スクリーンの正面方向に対して所定の角度を有した方向でゲイン(輝度)が最大となっており、画面全体の明るさの均一性が損なわれていた。しかし、θ≧γを満たす具体例1から具体例3では、スクリーンの正面方向でのゲイン(輝度)も高く、画面の明るさは均一であった。
表1によれば、具体例1から具体例3までのフレネルレンズシートは、入射側レンズ形状114が形成されていることにより、比較例1及び比較例2よりも少ない量の拡散材で、比較例1及び比較例2よりもシンチレーションを効果的に低減できた。また、拡散材の量を減らすことにより、映像の解像度が低下による映像のぼけ等を防ぐことができた。
次に、具体例1,具体例2,具体例3を比較した場合、具体例1から具体例3までいずれもシンチレーションの発生が抑えられたが、単位プリズム形状114aがシート面とな
す角度αが具体例1よりも大きい具体例2及び具体例3の方がより効果的であった。しかし、シート面の正面方向でのゲイン(輝度)に関しては、具体例1の方が高かった。
よって、リアプロジェクションテレビや透過型スクリーンを用いる環境に合わせて、具体例1,具体例2,具体例3のフレネルレンズシートを適宜選択して用いればよい。
本実施形態によれば、拡散材を有する光拡散層111と入射側レンズ形状114とを組み合わせることにより、モアレや解像度の劣化等を生じることなく、シンチレーションを低減できる。
また、本実施形態のフレネルレンズシート11を用いることにより、シンチレーションの発生を抑えた良好な映像を表示できる透過型スクリーン10、リアプロジェクションテレビ1とすることができる。
さらに、本実施形態のフレネルレンズシート11の入射側レンズ形状114(単位プリズム形状114a)は、押し出し成形が可能であり、容易に製造でき、生産コストを抑えることができる。
さらにまた、本実施形態のフレネルレンズシート11は、入射側に入射側レンズ形状114が一体となって形成されているので、透過型スクリーンを組み立てる作業等が行いやすく、かつ、温度や湿度の変化に対する耐環境性にも優れている。
(第2実施形態)
図8は、第2実施形態のフレネルレンズシート21の断面図である。
第2実施形態のフレネルレンズシート21は、光透過層112の代わりに光透過性を有し、拡散材を含んだ第2の光拡散層215を有する点が、第1実施形態のフレネルレンズシート11とは異なる以外は、第1実施形態のフレネルレンズシート11と略同様の形態である。よって、前述した第1実施形態と同様の機能を果たす部分には、同一の符号を付して、重複する説明を適宜省略する。
なお、図8では、図3と同様に、フレネルレンズシート21の使用状態における垂直方向での断面を示している。
第2実施形態のフレネルレンズシート21は、映像光Lの入射側(光源側)から順に、入射側レンズ形状114,光拡散層111,第2の光拡散層215,フレネルレンズ形状113を有している。この第2実施形態のフレネルレンズシートは、第1実施形態に示したレンチキュラーレンズシート12と組み合わせて、リアプロジェクションテレビ1に備えられる透過型スクリーン10に用いられる。
第2の光拡散層215は、光拡散層111よりも出射側(観察面側)に、光拡散層111に用いた光透過性を有する樹脂と同様の樹脂を用いて形成された光透過性を有する層であり、光拡散層111に用いた拡散材と同様の拡散材を含有している。この第2の光拡散層215に含まれる拡散材の量は、光拡散層111の拡散材の量の7wt%であり、光拡散層111に比べて少ない。
本実施形態では、第2の光拡散層215に用いられる光透過性を有する樹脂として、第1実施形態と同様に、アクリル樹脂が用いられ、拡散材としては、アクリル−スチレン系の樹脂を用いて形成されたビーズが用いられている。
本実施形態のフレネルレンズシート21は、第1実施形態のフレネルレンズシート11と略同様の製造方法で作製される。まず、光拡散層111と第2の光拡散層215とを2層押し出し成形によって一体に形成し、押し出し成形時に光拡散層111側に入射側レンズ形状114を形成した後に、所定の大きさとなるように裁断する。次に、入射側レンズ形状114が形成された側と反対側の面である第2の光拡散層215上に、紫外線硬化型樹脂等の光硬化型樹脂によって、フレネルレンズ形状113を形成する。
なお、本実施形態では、単位プリズム形状114aによる拡散(偏向)作用によって得
られる出射角度γは、フレネルレンズシート21全体に含まれる拡散材(すなわち、光拡散層111及び第2の光拡散層215に含まれる拡散材)によって拡散されて出射した光の輝度が最大値の1/10となる角度(1/10角)θに対して、γ≦θを満たしている。
本実施形態によれば、フレネルレンズシート11の作製工程時に、本実施形態のように光拡散層111と第2の光拡散層215とを2層押し出し成形によって形成したり、第1実施形態に示したように、光拡散層111と光透過層112とを2層押し出し成形によって形成したりした後に、所定の大きさに裁断する際等に生じる不要な加工残材等を、溶解して、第2の光拡散層215の材料として再利用することができ、生産コストの低減と資源の有効利用を図ることができる。
また、本実施形態のフレネルレンズシート21は、第2の光拡散層215が拡散材を含有しているが、その量は光拡散層111の拡散材量の7wt%と小さく、かつ、γ≦θを満たしている。このフレネルレンズシート21を、第1実施形態に示した測定方法と同様の方法で、シンチレーション発生の有無やゲイン等を調べたところ、シンチレーションは減少しており、ゲインは3.5、透過率は67%であった。これは、上述の具体例1のフレネルレンズシートと略同様の評価であった。従って、第2の光拡散層215が含有する拡散材の拡散効果が映像の解像度に与える影響は、非常に小さく、本実施形態によれば、シンチレーションの低減等、フレネルレンズシートとして十分な光学性能を保ちながら、資源の有効利用等を図ることができる。
(第3実施形態)
図9は、第3実施形態のフレネルレンズシート31の断面図である。
第3実施形態のフレネルレンズシート31は、光透過層112を備えていない点が、第1実施形態に示したフレネルレンズシート11とは異なる以外は、第1実施形態のフレネルレンズシート11と略同様の形態である。よって、第1実施形態のフレネルレンズシート11と同様の機能を果たす部分には、同一の符号を付して、重複する説明を適宜省略する。
第3実施形態のフレネルレンズシート31は、映像光Lの入射側(光源側)から順に、入射側レンズ形状114,光拡散層111,フレネルレンズ形状113を有している。
第3実施形態のフレネルレンズシート31は、アクリル樹脂に拡散材を混練し、押し出し成形によって、光拡散層111及び入射側レンズ形状114が形成される。その後、所定の大きさに裁断し、光拡散層111の入射側レンズ形状114が形成されている側とは反対側の面に、光硬化型樹脂を用いてフレネルレンズ形状113が形成される。
この第3実施形態のフレネルレンズシート31は、第1実施形態に示したフレネルレンズシート11と同様に、第1実施形態に示したレンチキュラーレンズシート12を出射側(観察面側)に配置して、透過型スクリーン10としてリアプロジェクションテレビ1に用いられる。
本実施形態によれば、シンチレーションを低減できるフレネルレンズシートを、容易に製造できる。
また、光拡散層111を所定の大きさに裁断した際に生じる加工残材等を、溶解して光拡散層111の材料として再利用することができ、生産コストの低減や資源の有効利用等を図ることができる。
(変形形態)
以上説明した実施形態に限定されることなく、種々の変形や変更が可能であって、それらも本発明の範囲内である。
(1)各実施形態では、入射側レンズ形状114は、シート面に直交する断面形状が略三角形状の単位プリズム形状114aが垂直方向に多数並べて形成される例を示したが、こ
れに限らず、例えば、断面形状が楕円形状である単位レンズ形状等を用いてもよい。
(2)各実施形態では、単位プリズム形状114aは、入射側の先端部分に入射側に凸の曲面が形成されている例を示したが、曲面が形成されていなくてもよい。
(3)各実施形態では、レンチキュラーレンズシート12を用いる例を示したが、これに限らず、レンズアレイシート等の光を拡散する作用を有する他の拡散光学シートを用いてもよい。
(4)各実施形態では、光源部20にDMD方式の光源を用いる例を示したが、これに限らず、LCD方式の光源を用いてもよい。
(5)各実施形態では、単位プリズム形状114aは、フレネルレンズシート11の使用状態での垂直方向にシート面に沿って並べられる例を示したが、これに限らず、例えば、レンチキュラーレンズシート12等の拡散光学シートが垂直方向に光を拡散する場合には、単位プリズム形状114aは、水平方向に並べられてもよい。
(6)第1実施形態及び第2実施形態では、入射側レンズ形状114は、2層押し出し成形時に光拡散層111に形成される例を示したが、これに限らず、2層押し出し成形後に入射側レンズ形状114を形成してもよく、例えば、2層押し出しによって、光拡散層と光透過層とを形成した後、又は、光拡散層と第2の光拡散層とを形成した後に、紫外線硬化型樹脂等の光硬化型樹脂を用いて、入射側レンズ形状を形成してもよい。
また、第3実施形態では、入射側レンズ形状114は、押し出し形成時に光拡散層111に形成される例を示したが、前述のように、光拡散層形成後に、光硬化型樹脂を用いて形成してもよい。
(7)各実施形態では、入射側レンズ形状114は、光拡散層111の入射側に一体に形成される例を示したが、これに限らず、入射側レンズ形状114は、光拡散層111とは別層に形成してもよい。
図10は、第1実施形態及び第3実施形態の変形形態の一例を示す図である。図10では、第1実施形態及び第3実施形態において、光拡散層111とは別層の入射側レンズ層116,316に、入射側レンズ形状114を形成した変形形態を示しており、図10(a)は、第1実施形態の変形形態のフレネルレンズシート11−2の断面、図10(b)は、第3実施形態の変形形態のフレネルレンズシート31−2の断面を示している。
この入射側レンズ層116,316は、光拡散層111より入射側に形成され、入射側(光源側)の面に単位プリズム形状114aが複数配列された入射側レンズ形状114を有している。入射側レンズ層116,316は、光拡散層111に用いられる樹脂と略同様の屈折率を有する樹脂を用いて形成され、拡散材は含有していない。
なお、図示はしないが、第2実施形態においても、同様の変形形態が可能である。
このような変形形態とすることにより、入射側レンズ層116,316を紫外線硬化型樹脂等を用いて形成することも可能となる。従って、より精度の高い単位プリズム形状114aを賦形することが可能となり、シンチレーション低減効果を高めることができる。
(8)各実施形態では、光透過性を有する樹脂を用いて、光拡散層111及び光透過層112を形成する例を示したが、これに限らず、光透過性を有するならば、ガラス等他の材料を用いてもよい。
本発明によるリアプロジェクションテレビの実施形態を示す図である。 本発明による透過型スクリーンの実施形態を示す斜視図である。 第1実施形態のフレネルレンズシート11の断面図である。 単位プリズム形状114aの断面の拡大図である。 拡散材及び入射側レンズ形状114による拡散の様子を示す図である。 γ=θであるときの拡散材及び入射側レンズ形状114による拡散の様子を示す図である。 具体例1のフレネルレンズシートでの光の拡散の様子を示す図である。 第2実施形態のフレネルレンズシート21の断面図である。 第3実施形態のフレネルレンズシート31の断面図である。 第1実施形態及び第3実施形態の変形形態の一例を示す図である。
符号の説明
1 リアプロジェクションテレビ
10 透過型スクリーン
11,21,31 フレネルレンズシート
12 レンチキュラーレンズシート
20 光源部
30 ミラー部
111 光拡散層
112 光透過層
113 フレネルレンズ形状
114 入射側レンズ形状
114a 単位プリズム形状
215 第2の光拡散層
L 映像光

Claims (13)

  1. 出射側に形成されたフレネルレンズ形状と、
    光透過性を有し、光を拡散する拡散材を含む光拡散層と、
    入射側に形成された入射側レンズ形状と、
    を備えたフレネルレンズシート。
  2. 請求項1に記載のフレネルレンズシートにおいて、
    光透過性を有し、拡散材を含まない光透過層を備えること、
    を特徴とするフレネルレンズシート。
  3. 請求項1又は請求項2に記載のフレネルレンズシートにおいて、
    前記光拡散層より出射側に、光透過性を有し、拡散材を含む第2の光拡散層を備えること、
    を特徴とするフレネルレンズシート。
  4. 請求項3に記載のフレネルレンズシートにおいて、
    第2の光拡散層に含まれる拡散材の量は、前記光拡散層に含まれる拡散材の量の7wt%以下であること、
    を特徴とするフレネルレンズシート。
  5. 請求項2から請求項4までのいずれか1項に記載のフレネルレンズシートにおいて、
    前記光拡散層は、前記光透過層より入射側に設けられていること、
    を特徴とするフレネルレンズシート。
  6. 請求項1から請求項5までのいずれか1項に記載のフレネルレンズシートにおいて、
    前記光拡散層は、入射側には前記入射側レンズ形状を有すること、
    を特徴とするフレネルレンズシート。
  7. 請求項1から請求項6までのいずれか1項に記載のフレネルレンズシートにおいて、
    シート面の法線方向から入射する光が該フレネルレンズシートに含まれる前記拡散材のみによって拡散した場合の前記光拡散層から空気中への出射角度による輝度分布曲線において、拡散された光の輝度が最大輝度の1/10となる角度をθとし、
    シート面の法線方向から入射する光が前記入射側レンズ形状のみによって拡散した場合の前記光拡散層から空気中への出射角度による輝度分布曲線において、極大値をとる出射角度をγとするとき、
    θ≧γ
    を満たすこと、
    を特徴とするフレネルレンズシート。
  8. 請求項1から請求項7までのいずれか1項に記載のフレネルレンズシートにおいて、
    前記入射側レンズ形状は、入射側に凸の単位プリズム形状がシート面に沿って多数並べて形成されていること、
    を特徴とするフレネルレンズシート。
  9. 請求項8に記載のフレネルレンズシートにおいて、
    前記単位プリズム形状は、シート面に直交する断面形状が、略三角形状であること、
    を特徴とするフレネルレンズシート。
  10. 請求項8又は請求項9に記載のフレネルレンズシートにおいて、
    前記単位プリズム形状の入射側先端部分には、入射側に凸の曲面が形成されていること、
    を特徴とするフレネルレンズシート。
  11. 請求項8から請求項10までのいずれか1項に記載のフレネルレンズシートにおいて、
    前記単位プリズム形状は、使用状態においてシート面に沿って垂直方向に並べられていること、
    を特徴とするフレネルレンズシート。
  12. 請求項1から請求項11までのいずれか1項に記載のフレネルレンズシートと、
    光を拡散する作用を有する拡散光学シートと、
    を備えた透過型スクリーン。
  13. 請求項12に記載の透過型スクリーンと、
    映像光を投射する光源と、
    を備えた背面投射型表示装置。
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