JP2010085477A - プリズムシート、透過型スクリーン、背面投射型表示装置 - Google Patents
プリズムシート、透過型スクリーン、背面投射型表示装置 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2010085477A JP2010085477A JP2008251730A JP2008251730A JP2010085477A JP 2010085477 A JP2010085477 A JP 2010085477A JP 2008251730 A JP2008251730 A JP 2008251730A JP 2008251730 A JP2008251730 A JP 2008251730A JP 2010085477 A JP2010085477 A JP 2010085477A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- light
- prism sheet
- layer
- prism
- optical shape
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Granted
Links
Images
Landscapes
- Overhead Projectors And Projection Screens (AREA)
- Optical Elements Other Than Lenses (AREA)
Abstract
【解決手段】プリズム層111より出射側(観察面側)に、入射側(光源側)に凸となる単位光学形状112aが複数配列されて形成された光学形状部112と、光学形状部112より出射側に光を拡散する拡散材を含む光拡散層113とを設け、光学形状部112を有する光拡散層113を形成する樹脂の屈折率n2とプリズム層111の屈折率n1とは、屈折率差Δnを有するプリズムシート11とすることにより実現した。
【選択図】図3
Description
このようなシンチレーションを改善するために、透過型スクリーンに用いられる各種光学シートに含まれる拡散材の量を増加させる等して拡散特性を大きくする手法が挙げられるが、透過型スクリーンに入射する光の利用効率が低下して映像が暗くなることや、映像がぼやける等の問題があった。
しかし、特許文献1には、シンチレーションの低減に関しては、なんら記載されていない。また、第3の層とレンズ層との境界面による拡散作用は、360°あらゆる角度へ光を拡散させるので、輝度が落ち、映像が暗くなるという問題がある。
請求項1の発明は、光が入射する入射面(111a−1)と、前記入射面から入射した光の少なくとも一部を全反射する全反射面(111a−2)とを備え、凸形状の単位プリズム形状(111a)が、入射側にシート面に沿って複数配列されたプリズム層(111)を有するプリズムシートにおいて、前記プリズム層より出射側に、入射側に凸となる単位光学形状(112a)が複数配列されて形成された光学形状部(112)と、前記光学形状部より出射側に形成され、光を拡散する拡散材を含む光拡散層(113)と、を備え、前記光学形状部を有する層と前記プリズム層とは、屈折率差を有すること、を特徴とするプリズムシート(11,21,31)である。
請求項2の発明は、請求項1に記載のプリズムシートにおいて、前記光拡散層(113)は、入射側に前記光学形状部(112)を有すること、を特徴とするプリズムシート(11,21,31)である。
請求項3の発明は、請求項1又は請求項2に記載のプリズムシートにおいて、シート面の法線方向から入射する光が、該プリズムシートに含まれる拡散材のみによって拡散されて出射する場合の出射角度に対する輝度の分布曲線において、拡散された光の輝度が最大輝度の1/10となる角度をθとし、シート面の法線方向から入射する光が、前記光学形状部(112)のみによって拡散されて出射する場合の出射角度に対する輝度の分布曲線において、極大値をとる出射角度をγとしたとき、γ≦θという関係をみたすこと、を特徴とするプリズムシート(11,21,31)である。
請求項4の発明は、請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載のプリズムシートにおいて、光透過性を有し、拡散材を含まない光透過層(114)を備えること、を特徴とするプリズムシート(11)である。
請求項5の発明は、請求項4に記載のプリズムシートにおいて、前記光拡散層(113)は、前記光透過層(114)より入射側に設けられていること、を特徴とするプリズムシート(11)である。
請求項6の発明は、請求項1から請求項5までのいずれか1項に記載のプリズムシートにおいて、前記光拡散層(113)より出射側に、光透過性を有し、拡散材を含む第2の光拡散層(215)を備え、前記第2の光拡散層に含まれる拡散材の量は、前記光拡散層に含まれる拡散材の量の7wt%以下であること、を特徴とするプリズムシート(21)である。
請求項7の発明は、請求項1から請求項6までのいずれか1項に記載のプリズムシートにおいて、前記単位光学形状(112a)は、シート面に直交する断面での断面形状が略三角形状であること、を特徴とするプリズムシート(11,21,31)である。
請求項8の発明は、請求項1から請求項7までのいずれか1項に記載のプリズムシートにおいて、前記単位光学形状(112a)は、使用状態においてシート面に沿って垂直方向に並べられていること、を特徴とするプリズムシート(11,21,31)である。
請求項9の発明は、請求項1から請求項8までのいずれか1項に記載のプリズムシートにおいて、前記単位光学形状(112a)の入射側先端部分には、入射側に凸となる曲面が形成されていること、を特徴とするプリズムシート(11,21,31)である。
請求項10の発明は、請求項1から請求項9までのいずれか1項に記載のプリズムシート(11,21,31)、光を拡散する作用を有する拡散光学シート(12)と、を備える透過型スクリーン(10)である。
請求項11の発明は、請求項10に記載の透過型スクリーン(10)と、前記透過型スクリーンに映像光を投射する光源(20)と、を備える背面投射型表示装置(1)である。
(1)本発明によるプリズムシートは、プリズム層より出射側に、入射側に凸となる単位光学形状が複数配列されて形成された光学形状部と、光学形状部より出射側に形成され、光を拡散する拡散材を含む光拡散層とを備え、光学形状部を有する層とプリズム層とは、屈折率差を有するので、映像の解像度を落とすことなく、シンチレーションを低減でき、明るい映像を表示できる。
また、従来のプリズムシートは、光学形状部を有するプリズムシートとは別体のレンズシートと組み合わせて使用した場合に、温度や湿度等の環境の変化によって従来のプリズムシートと、光学形状部を有するレンズシートとの間に浮き等が発生する場合があるが、本発明によれば、プリズムシートの内部に光学形状部が形成されて一体となっているので、浮き等が発生せず、耐環境性を向上させることができる。
図1は、第1実施形態のリアプロジェクションテレビを示す図である。
なお、図1を含め、以下に示す各図は、模式的に示した図であり、各部の大きさ、形状は、理解を容易にするために、適宜誇張して示している。また、本実施形態及び以下に示す各実施形態において、材料や形状、寸法の数値等の例を挙げて説明するが、それに限定されるものではなく、適宜最適なものを選択可能である。
本実施形態のリアプロジェクションテレビ1は、透過型スクリーン10,光源部20,ミラー部30等を備える背面投射型表示装置である。透過型スクリーン10の背面側に配置された光源部20から投射された映像光Lは、ミラー部30を介して透過型スクリーン10へ拡大投影される。本実施形態のリアプロジェクションテレビ1は、DMD方式の光源を光源部20に用いている。
図2を含め、以下に示す各図において矢印で示される垂直方向,水平方向、及び、本明細書中に記載する垂直方向,水平方向とは、特に断りがない場合、それぞれ、本実施形態の透過型スクリーン10及び後述するプリズムシート11の使用状態における垂直方向(すなわち、上下方向),水平方向(すなわち、左右方向)を意味している。
本実施形態の透過型スクリーン10は、プリズムシート11とレンチキュラーレンズシート12とを組み合わせて1枚のスクリーンとして用いられている。
本実施形態のプリズムシート11は、レンチキュラーレンズシート12より映像光Lの入射側(光源側)に設けられている。プリズムシート11の詳細な形状については後述する。
レンズ層121は、単位レンズ121aが複数配列されて形成されている。単位レンズ121aは、その断面に略楕円形状の一部を有し、光源側に突出した形状であり、その長手方向が透過型スクリーン10の垂直方向に一致するように、支持層123の光源側に水平方向に複数配列されている。光吸収部122は、単位レンズ121aの観察面側の映像光が透過しない領域に、透過型スクリーン10の垂直方向に延在して所定の間隔で縞状に形成されている。
支持層123は、レンズ層121を支持する基材となる層であり、本実施形態では、ポリエチレンテレフタレート(PET)樹脂を用いたシート状の部材を用いている。
プリズムシート11は、光源側から順に、プリズム層111,光学形状部112,光拡散層113,光透過層114等を備えている。
プリズム層111は、最も光源側に設けられ、単位プリズム111aが複数配列された層である。
単位プリズム111aは、映像光Lが入射する入射面111a−1と、入射面111a−1から入射した光の少なくとも一部を全反射する全反射面111a−2とを有し、光源側(入射側)に凸となっている。
単位プリズム111aは、図2に示すように、プリズムシートの外部に位置する点Pを中心として、同心円状に配列されている。この点Pは、プリズムシート11のシート面の延長上であって、プリズムシート11の使用状態における水平方向の幅の中央を通り、垂直方向に延びる直線上に在る。点Pは、本実施形態では、プリズムシート11の下方に位置しており、ミラー部30等を用いないで映像光を投射した場合の光源部20の仮想の位置は、この点Pを通りシート面の法線方向に延びる直線上に位置する。
本実施形態では、光透過性を有する樹脂として、アクリル樹脂が用いられ、拡散材として、AS(アクリル−スチレン)樹脂を用いて形成された微小ビーズが用いられている。なお、光透過性を有する樹脂としては、AS樹脂、PC(ポリカーボネート)樹脂等を用いてもよい。また、拡散材としては、ガラスビーズや、ウレタン樹脂やエポキシ樹脂等を用いて形成されたビーズ等を用いてもよい。
なお、本実施形態では、プリズムシート11と組み合わせて用いるレンチキュラーレンズシート12は、光を水平方向へ拡散する作用を有しているので、水平方向におけるシンチレーションは、レンチキュラーレンズシート12によって低減される。従って、光を垂直方向に拡散することにより、シンチレーション低減の効果をさらに高めるため、単位光学形状112aは、シート面に沿って垂直方向に配列されている。
図5は、単位光学形状112aの断面の拡大図である。なお、図5では、単位光学形状112aの形状による光の拡散の様子を説明するために、光学形状部112が形成されている光拡散層113に含まれる拡散材は考慮しないものとする。
プリズムシート11に入射した光は、プリズム層111の単位プリズム111aによってシート面の法線方向に略平行な光(以下、平行入射光と呼ぶ)L1となって、光学形状部112へ入射する。光拡散層113に含まれる拡散材による光の拡散作用を考えない場合、図5に示すように、平行入射光L1は、単位光学形状112aに入射角度αで入射し、プリズム層111の屈折率n1と、光拡散層113の屈折率(光透過性を有する樹脂の屈折率)n2との比に応じて屈折し(屈折角度β)、光拡散層113及び光透過層114を透過して空気中へ出射角度γで出射する。
このとき、各角度α、β、γには、以下に示すような関係を満たしている。
β=sin−1((n1/n2)×sinα) ・・・(式1)
γ=sin−1(n2×(α−β)) ・・・(式2)
単位光学形状112aによる拡散(偏向)作用のみでは、上述したように、(式2)から得られる出射角度γ(図6中に示したγ参照)で光が出射する。そのため、光学形状部112は、出射角度+γ,−γに集中して光を出射するという拡散特性を示し、出射する光の輝度分布曲線は、出射角度+γ,−γで極大値をとる。
このような拡散特性を有する光学形状部112(単位光学形状112a)と拡散材とを組み合わせた場合の光の拡散特性は、図6中に実線で示されるような曲線となる。なお、図6に示した出射角度γは、γ=3θ/4であり、γ<θである。
図7は、γ=θであるときの拡散材及び光学形状部112による拡散の様子を示す図である。図7中の一点鎖線で示される曲線は、拡散材のみによる拡散特性を示し、実線で示される曲線は、出射角度γ=θであるときの光学形状部112と拡散材とによる拡散特性を示している。
そのため、γが大きくなると、プリズムシートの正面(シート面の法線方向)での輝度が、周辺部の輝度に比べて極端に低下して映像が暗くなり、透過型スクリーンの正面方向での明るさの不均一性が強調されてしまう。従って、本発明のプリズムシート11では、γ≦θを満たす光学形状部112(単位光学形状112a)とすることにより、拡散材による光の拡散効果によって正面での輝度の低下を補っている。
一方、γ>θであるプリズムシートでは、光学形状部112による光の拡散効果によって生じる正面方向での輝度の低下を、拡散材による光の拡散効果によって補いきれずに、正面方向での輝度の低下が大きく、明るさの不均一性が問題となる。また、シンチレーション低減効果も弱くなる。
これらの理由から、γ≦θであることが好ましいといえる。
まず、γに関しては、γを求めたい試料(光学形状部が形成されたプリズムシート)の垂直方向での拡散特性を測定する。試料の拡散特性の曲線が、0°以外に極大値をとる場合は、その角度を光学形状部(単位光学形状)の拡散(偏向)作用による出射角度γとすることができる。
また、測定した試料の拡散特性の曲線が、明確な極大値を取らない場合等では、試料の単位光学形状の断面を実際に測定する等して、屈折率が略等しい材料で同様の光学形状部を作製して、拡散特性を測定するか、測定した単位光学形状から計算によってγを求めることができる。
一方、θに関しては、θを求めたい試料の光学形状部(単位光学形状)を、切削する等により除去して平面を形成し、その拡散特性を測定する。このようにして得られた拡散特性の曲線から、輝度が最大値の1/10となる角度を求めればよい。
これは、光源部20から投射された映像光がプリズムシート11に入射する時点での画素の大きさと、単位光学形状112aのピッチpとの大きさが近いとモアレが発生し易いためである。一般的には、単位光学形状112aのピッチpが画素ピッチの1/5以下であればモアレは発生しない。
従って、本実施形態では、光源部20から投射される映像光の画素ピッチが約0.6mmであるので、単位光学形状112aのピッチpは、0.1mm以下であることが、モアレ防止の観点から好ましい。
プリズムシート11は、まず、拡散材が混練された光透過性を有する樹脂と拡散材が混練されていない光透過性を有する樹脂とを用意し、これらを用いた2層押し出し成形によって、光学形状部112を有する光拡散層113と光透過層114との2層を一体として形成し、作製したいプリズムシートの大きさに合わせて所定の大きさに裁断する。
その後に、紫外線硬化型樹脂や電離放射線硬化型樹脂等の光硬化型樹脂を用いて、光学形状部112上に、単位プリズム111aが配列されたプリズム層111を形成し、プリズムシート11が完成する。
まず、具体例1から具体例3までのプリズムシートについて説明する。
具体例1から具体例3までのプリズムシートは、略同様の形態であり、単位光学形状112aの斜面がシート面となす角度(すなわち、単位光学形状112aへの入射角度)α=45°、1/10角θ=8.3°であるが、プリズム層111の屈折率n1、光拡散層113及び光透過層114に用いられた光透過性を有する樹脂(アクリル樹脂)の屈折率n2、出射角度γ等が異なる。
具体例1のプリズムシートは、屈折率n1=1.55、屈折率n2=1.50、入射角度α=45°であるので、(式1)及び(式2)より、出射角度γ=2.9°である。
同様に、具体例2のプリズムシートは、屈折率n1=1.57、屈折率n2=1.49、入射角度α=45°であるので、出射角度γ=4.7°である。
具体例3のプリズムシートは、屈折率n1=1.59、屈折率n2=1.47、入射角度α=45°であるので、出射角度γ=7.2°である。
上述のように、具体例1から具体例3のプリズムシートは、γ≦θを満たしている。
具体例1のプリズムシートは、上述のようにγ=2.9°であり、α=8.3°である。図8に示すように、具体例1のプリズムシートでは、正面方向(シート面の法線方向)での輝度を保ちつつ、光を拡散させている。従って、具体例1のプリズムシートを用いることにより、明るく、かつ、その明るさの均一な表示が可能となり、良好な映像を表示できる。
比較例1のプリズムシートは、光拡散層113が光学形状部112を有していない点以外は、本実施形態と略同様の形態である。
比較例2のプリズムシートは、本実施形態のプリズムシートと略同様の形態であり、単位光学形状112aの斜面がシート面となす角度(すなわち、単位光学形状112aへの入射角度)α=45°、1/10角θ=8.3°である。しかし、比較例2のプリズムシートは、プリズム層111の屈折率n1=1.6、光拡散層113及び光透過層114に用いられた光透過性を有する樹脂(アクリル樹脂)の屈折率n2=1.45であり、(式1)及び(式2)より、出射角度γ=9.1°である。すなわち、比較例2のプリズムシートは、γ>θであり、γ≦θを満たしていない。
使用したレンチキュラーレンズシート12の単位レンズ121aのピッチは、0.144mmであり、また、透過型スクリーンの画面サイズは50インチ、映像光の投射距離は約800mmである。
ここで、ゲインとは、透過型スクリーンの背面側から光を入射させたとき、透過型スクリーンに光が入射する入射面(透過型スクリーンの背面)での照度と、透過型スクリーンから出射する光の輝度を、シート面の法線方向となす角度ごとに測定し、以下に示す(式3)より求めた値である。
G=π×A/I ・・・(式3)
なお、(式3)において、ゲインをG、円周率をπ、輝度をA(cd/m2)、照度をI(lx)で示している。測定したゲインは、透過型スクリーンの中心におけるスクリーン面の法線方向(すなわち、透過型スクリーンの正面方向)から観察した場合のゲインである。
また、測定した透過率は、フレネルレンズ形状の中心における光の透過率である。
具体例1から具体例3までと比較例1とを比較して、光学形状部112が形成されていない比較例1のプリズムシートではシンチレーションが発生したが、光学形状部112が形成されている具体例1から具体例3のプリズムシートでは、シンチレーションの発生が抑えられていた。
よって、光学形状部112は、シンチレーションの低減に効果的であるといえる。
また、具体例1から具体例3までと比較例2とを比較して、θ<γである比較例2のプリズムシートでは、シンチレーションの改善は見られるものの、スクリーンの正面方向でのゲイン(輝度)が低下し、スクリーンの正面方向に対して所定の角度を有した方向でゲインが最大となり、画面全体の明るさの均一性が損なわれていた。しかし、θ≧γを満たす具体例1から具体例3では、シンチレーションは改善されており、スクリーンの正面方向でのゲイン(輝度)も高く、画面の明るさは均一であった。
よって、γ≦θを満たすことが、スクリーンの正面方向での輝度を維持し、画面の明るさを均一に保つことに効果的であるといえる。
また、スクリーンの正面方向におけるゲイン(輝度)に関しては、屈折率差Δnが小さく、γの値が3つの具体例の中で一番小さい具体例1のプリズムシートが、最もゲインが大きく、画面が明るく均一であった。
よって、リアプロジェクションテレビや透過型スクリーンを用いる環境、所望する特性に合わせて、具体例1,具体例2,具体例3の各プリズムシートを適宜選択して用いることができ、より良好な映像を表示することができる。
また、本実施形態のプリズムシート11の光学形状部112(単位光学形状112a)は、押し出し成形が可能であり、容易に製造でき、生産コストを抑えることができる。
さらに、本実施形態のプリズムシート11は、光学形状部112がプリズムシート11内部に一体となって形成されているので、透過型スクリーン10を組み立てる作業等が行い易く、かつ、温度や湿度の変化に対する耐環境性にも優れている。
図9は、第2実施形態のプリズムシート21の断面図である。
第2実施形態のプリズムシート21は、光透過層114の代わりに、光透過性を有し、拡散材を含んだ第2の光拡散層215を有する点が第1実施形態のプリズムシート11とは異なること以外は、第1実施形態のプリズムシート11と略同様の形態である。よって、前述した第1実施形態と同様の機能を果たす部分には、同一の符号を付して、重複する説明を適宜省略する。
なお、図9では、図3と同様に、プリズムシート21のシート面の法線方向に平行であって、使用状態における垂直方向に平行な断面を示している。
この第2実施形態のプリズムシート21は、第1実施形態に示したレンチキュラーレンズシート12と組み合わせて透過型スクリーン10とし、リアプロジェクションテレビ1に用いられる。
第2の光拡散層215は、光拡散層113よりも出射側(観察面側)に、光拡散層113に用いた光透過性を有する樹脂と同様の樹脂を用いて形成された光透過性を有する層であり、光拡散層113に用いた拡散材と同様の拡散材を含有している。この第2の光拡散層215に含まれる拡散材の量は、光拡散層113の拡散材の量の7wt%(すなわち、光拡散層113に含まれる拡散材全体の重量に対する第2の光拡散層に含まれる拡散材全体の重量の割合が7%)であり、光拡散層113に比べて少ない。
本実施形態では、第2の光拡散層215に用いられる光透過性を有する樹脂として、第1実施形態と同様に、アクリル樹脂が用いられ、拡散材としては、AS樹脂を用いて形成されたビーズが使用されている。
次に、光学形状部112上に、紫外線硬化型樹脂等の光硬化型樹脂によって、プリズム層111を形成する。
なお、本実施形態では、単位光学形状112aによる拡散(偏向)作用によって得られる出射角度γは、プリズムシート21全体に含まれる拡散材(すなわち、光拡散層113及び第2の光拡散層215に含まれる拡散材)によって拡散されて出射した光の輝度が最大値の1/10となる角度(1/10角)θに対して、γ≦θを満たしている。
また、本実施形態のプリズムシート21は、第2の光拡散層215が拡散材を含有しているが、その量は光拡散層113の拡散材量の7wt%と小さく、かつ、γ≦θを満たしている。このプリズムシート21に関して、第1実施形態に示した測定方法と同様の方法で、シンチレーション発生の有無やゲイン等を調べたところ、シンチレーションは減少しており、ゲインも高く、映像のぼけもなく、明るさが均一で良好な映像が観察された。従って、第2の光拡散層215が含有する拡散材が、その拡散作用によって映像の解像度に与える影響は非常に小さく、本実施形態によれば、シンチレーションの低減等、プリズムシートとして十分な光学性能を保ちながら、資源の有効利用等を図ることができる。
図10は、第3実施形態のプリズムシート31の断面図である。
第3実施形態のプリズムシート31は、光透過層114を備えていない点が、第1実施形態に示したプリズムシート11とは異なる以外は、第1実施形態のプリズムシート11と略同様の形態である。よって、第1実施形態のプリズムシート11と同様の機能を果たす部分には、同一の符号を付して、重複する説明を適宜省略する。
第3実施形態のプリズムシート31は、映像光Lの入射側(光源側)から順に、プリズム層111,光学形状部112,光拡散層113を有している。
第3実施形態のプリズムシート31は、アクリル樹脂に拡散材を混練し、押し出し成形によって、光拡散層113及び光学形状部112が形成される。その後、所定の大きさに裁断し、光学形状部112上に、紫外線硬化型樹脂等の光硬化型樹脂を用いてプリズム層111が形成される。
この第3実施形態のプリズムシート31は、第1実施形態に示したプリズムシート11と同様に、第1実施形態に示したレンチキュラーレンズシート12を出射側(観察面側)に配置して、透過型スクリーン10としてリアプロジェクションテレビ1に用いられる。
また、光拡散層113を所定の大きさに裁断した際に生じる加工残材等を、溶解して光拡散層113の材料として再利用することができ、生産コストの低減や資源の有効利用等を図ることができる。
以上説明した各実施形態に限定されることなく、種々の変形や変更が可能であって、それらも本発明の範囲内である。
(1)各実施形態では、単位光学形状112aは、シート面に直交する断面形状が略三角形状である例を示したが、これに限らず、例えば、断面形状が楕円形状である単位レンズ形状等を用いてもよい。
図11は、第1実施形態及び第3実施形態の変形形態の一例を示す図である。図11では、第1実施形態及び第3実施形態において、光拡散層113とは別層の光学形状層116,316に、光学形状部112を形成した変形形態を示しており、図11(a)は、第1実施形態の変形形態のプリズムシート11−2の断面、図11(b)は、第3実施形態の変形形態のプリズムシート31−2の断面を示している。
この光学形状層116,316は、光拡散層113より入射側(光源側)に形成され、入射側の面に単位光学形状112aが複数配列された光学形状部112を有している。光学形状層116,316は、光拡散層113に用いられる樹脂の屈折率n2と略同様の屈折率を有し、プリズム層111の屈折率n1とは屈折率差を有する樹脂を用いて形成され、拡散材は含有していない。
なお、図示はしないが、第2実施形態においても、同様の変形形態が可能である。
このような変形形態とすることにより、光学形状層116,316を紫外線硬化型樹脂等により形成することも可能となる。従って、より精度の高い単位光学形状112aを賦形することが可能となり、シンチレーション低減効果を高めることができる。
また、第3実施形態では、光学形状部112は、押し出し形成時に光拡散層113に形成される例を示したが、前述のように、光拡散層形成後に、光硬化型樹脂を用いて形成してもよい。
さらに、例えば、光学形状部112を、熱硬化性樹脂を用いて形成してもよい。
10 透過型スクリーン
11,21,31 プリズムシート
12 レンチキュラーレンズシート
20 光源部
30 ミラー部
111 プリズム層
111a 単位プリズム
112 光学形状部
112a 単位光学形状
113 光拡散層
114 光透過層
215 第2の光拡散層
Claims (11)
- 光が入射する入射面と、前記入射面から入射した光の少なくとも一部を全反射する全反射面とを備え、凸形状の単位プリズム形状が、入射側にシート面に沿って複数配列されたプリズム層を有するプリズムシートにおいて、
前記プリズム層より出射側に、入射側に凸となる単位光学形状が複数配列されて形成された光学形状部と、
前記光学形状部より出射側に形成され、光を拡散する拡散材を含む光拡散層と、
を備え、
前記光学形状部を有する層と前記プリズム層とは、屈折率差を有すること、
を特徴とするプリズムシート。 - 請求項1に記載のプリズムシートにおいて、
前記光拡散層は、入射側に前記光学形状部を有すること、
を特徴とするプリズムシート。 - 請求項1又は請求項2に記載のプリズムシートにおいて、
シート面の法線方向から入射する光が、該プリズムシートに含まれる拡散材のみによって拡散されて出射する場合の出射角度に対する輝度の分布曲線において、拡散された光の輝度が最大輝度の1/10となる角度をθとし、
シート面の法線方向から入射する光が、前記光学形状部のみによって拡散されて出射する場合の出射角度に対する輝度の分布曲線において、極大値をとる出射角度をγとしたとき、
γ≦θ
という関係をみたすこと、
を特徴とするプリズムシート。 - 請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載のプリズムシートにおいて、
光透過性を有し、拡散材を含まない光透過層を備えること、
を特徴とするプリズムシート。 - 請求項4に記載のプリズムシートにおいて、
前記光拡散層は、前記光透過層より入射側に設けられていること、
を特徴とするプリズムシート。 - 請求項1から請求項5までのいずれか1項に記載のプリズムシートにおいて、
前記光拡散層より出射側に、光透過性を有し、拡散材を含む第2の光拡散層を備え、
前記第2の光拡散層に含まれる拡散材の量は、前記光拡散層に含まれる拡散材の量の7wt%以下であること、
を特徴とするプリズムシート。 - 請求項1から請求項6までのいずれか1項に記載のプリズムシートにおいて、
前記単位光学形状は、シート面に直交する断面での断面形状が略三角形状であること、
を特徴とするプリズムシート。 - 請求項1から請求項7までのいずれか1項に記載のプリズムシートにおいて、
前記単位光学形状は、使用状態においてシート面に沿って垂直方向に並べられていること、
を特徴とするプリズムシート。 - 請求項1から請求項8までのいずれか1項に記載のプリズムシートにおいて、
前記単位光学形状の入射側先端部分には、入射側に凸となる曲面が形成されていること、
を特徴とするプリズムシート。 - 請求項1から請求項9までのいずれか1項に記載のプリズムシートと、
光を拡散する作用を有する拡散光学シートと、
を備える透過型スクリーン。 - 請求項10に記載の透過型スクリーンと、
前記透過型スクリーンに映像光を投射する光源と、
を備える背面投射型表示装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2008251730A JP5343490B2 (ja) | 2008-09-29 | 2008-09-29 | プリズムシート、透過型スクリーン、背面投射型表示装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2008251730A JP5343490B2 (ja) | 2008-09-29 | 2008-09-29 | プリズムシート、透過型スクリーン、背面投射型表示装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2010085477A true JP2010085477A (ja) | 2010-04-15 |
JP5343490B2 JP5343490B2 (ja) | 2013-11-13 |
Family
ID=42249526
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2008251730A Active JP5343490B2 (ja) | 2008-09-29 | 2008-09-29 | プリズムシート、透過型スクリーン、背面投射型表示装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP5343490B2 (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2012046754A1 (ja) * | 2010-10-05 | 2012-04-12 | 日本カーバイド工業株式会社 | 光学シート |
US9753361B2 (en) | 2014-10-31 | 2017-09-05 | Sharp Kabushiki Kaisha | Transparent display including a screen with patterned light deflective elements |
JP2018013634A (ja) * | 2016-07-21 | 2018-01-25 | 大日本印刷株式会社 | 透過型スクリーン、背面投射型表示装置 |
Citations (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS63163454U (ja) * | 1987-08-12 | 1988-10-25 | ||
JPH10160914A (ja) * | 1996-11-29 | 1998-06-19 | Dainippon Printing Co Ltd | レンズフィルム及びそれを用いた面光源装置 |
JPH1138511A (ja) * | 1997-07-14 | 1999-02-12 | Dainippon Printing Co Ltd | 透過型スクリーン |
JP2007323013A (ja) * | 2006-06-05 | 2007-12-13 | Mitsubishi Electric Corp | 透過型スクリーン及び投写型表示装置 |
JP2008033245A (ja) * | 2006-06-26 | 2008-02-14 | Dainippon Printing Co Ltd | フレネルレンズシート、透過型スクリーン、背面投射型表示装置 |
JP2008139878A (ja) * | 2006-12-01 | 2008-06-19 | Hon Hai Precision Industry Co Ltd | 光学板 |
JP2008146053A (ja) * | 2006-12-06 | 2008-06-26 | Hon Hai Precision Industry Co Ltd | 光学板 |
-
2008
- 2008-09-29 JP JP2008251730A patent/JP5343490B2/ja active Active
Patent Citations (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS63163454U (ja) * | 1987-08-12 | 1988-10-25 | ||
JPH10160914A (ja) * | 1996-11-29 | 1998-06-19 | Dainippon Printing Co Ltd | レンズフィルム及びそれを用いた面光源装置 |
JPH1138511A (ja) * | 1997-07-14 | 1999-02-12 | Dainippon Printing Co Ltd | 透過型スクリーン |
JP2007323013A (ja) * | 2006-06-05 | 2007-12-13 | Mitsubishi Electric Corp | 透過型スクリーン及び投写型表示装置 |
JP2008033245A (ja) * | 2006-06-26 | 2008-02-14 | Dainippon Printing Co Ltd | フレネルレンズシート、透過型スクリーン、背面投射型表示装置 |
JP2008139878A (ja) * | 2006-12-01 | 2008-06-19 | Hon Hai Precision Industry Co Ltd | 光学板 |
JP2008146053A (ja) * | 2006-12-06 | 2008-06-26 | Hon Hai Precision Industry Co Ltd | 光学板 |
Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2012046754A1 (ja) * | 2010-10-05 | 2012-04-12 | 日本カーバイド工業株式会社 | 光学シート |
CN103154780A (zh) * | 2010-10-05 | 2013-06-12 | 日本电石工业株式会社 | 光学片 |
JPWO2012046754A1 (ja) * | 2010-10-05 | 2014-02-24 | 日本カーバイド工業株式会社 | 光学シート |
KR101530790B1 (ko) * | 2010-10-05 | 2015-06-22 | 닛뽕 카바이도 고교 가부시키가이샤 | 광학 시트 |
US9753361B2 (en) | 2014-10-31 | 2017-09-05 | Sharp Kabushiki Kaisha | Transparent display including a screen with patterned light deflective elements |
JP2018013634A (ja) * | 2016-07-21 | 2018-01-25 | 大日本印刷株式会社 | 透過型スクリーン、背面投射型表示装置 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP5343490B2 (ja) | 2013-11-13 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP4813598B2 (ja) | 反射型スクリーン及び前面投射型表示システム | |
JP2013218073A (ja) | 反射スクリーン、映像表示システム | |
JP2008032956A (ja) | 光拡散シート、透過型スクリーン及び背面投射型表示装置 | |
JP2006337459A (ja) | レンズアレイシート及び背面投影型映写スクリーン | |
JP2010008895A (ja) | 光学部材および表示装置 | |
JP2011215399A (ja) | プリズムシート、透過型スクリーン、背面投射型表示装置 | |
JP4205998B2 (ja) | プロジェクションスクリーン及びプロジェクションディスプレイ装置 | |
JP5939116B2 (ja) | 反射スクリーン、映像表示システム | |
US20090002818A1 (en) | Rear Surface Projection Type Screen and Rear Surface Projection Type Display Device | |
JP2008033245A (ja) | フレネルレンズシート、透過型スクリーン、背面投射型表示装置 | |
JP2012226103A (ja) | 反射スクリーン、映像表示システム | |
JP4561204B2 (ja) | スクリーン及びそれに用いられるフレネルレンズシート、並びにそれを用いた画像表示装置 | |
JP2016062031A (ja) | 反射型スクリーン、映像表示システム | |
JP5343490B2 (ja) | プリズムシート、透過型スクリーン、背面投射型表示装置 | |
JP2013073077A (ja) | 反射型スクリーン及びそれを用いた投射画像表示システム | |
JP2013050646A (ja) | 反射型スクリーン、及び反射型投射システム | |
JP2015121692A (ja) | 反射型スクリーン、映像表示システム | |
JP2008262209A (ja) | 光拡散シート、及びプロジェクションスクリーン | |
JP4299272B2 (ja) | 透過型スクリーン用拡散板,透過型スクリーン及び背面投射型表示装置 | |
JP2013213882A (ja) | 反射スクリーン、映像表示システム | |
JP2011175293A (ja) | 画像表示装置、及び、それに用いるフレネルレンズシート並びにスクリーン | |
JP6747132B2 (ja) | 透過型スクリーン、背面投射型表示装置 | |
JP2008033217A (ja) | 反射型スクリーン及び前面投射型表示システム | |
JP3965407B2 (ja) | フレネルレンズシート及び透過型スクリーン | |
JP2007322735A (ja) | 透過型スクリーン |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20110818 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20120919 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20121002 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20121203 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20130716 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20130729 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 5343490 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |