JP4706245B2 - 拡散レンズアレイシート、透過型スクリーン、背面投射型ディスプレイ装置 - Google Patents
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Description
レンチキュラーレンズアレイシートとしては、例えば、入射側にレンチキュラーレンズアレイ(拡散レンズアレイ)が形成されるとともに拡散剤が混入された熱可塑性樹脂からなるレンズシート本体と、レンチキュラーレンズアレイによる非集光部を遮光するようにレンズシート本体の出射側に設けられた遮光部とを備えたものや、入射側にレンチキュラーレンズアレイ(拡散レンズアレイ)が形成されるとともに紫外線硬化型樹脂からなるレンズシート本体と、レンチキュラーレンズアレイによる非集光部を遮光するようにレンズシート本体の出射側に設けられた遮光部と、この遮光部を含むレンズシート本体の出射側の略全面に設けられた拡散板とを備えたものが知られている。
このような製造方法によれば、まず、拡散剤が混入された溶融状態の熱可塑性樹脂を押し出し、レンズ形状を有する金型ロール間に通過させることにより、拡散レンズアレイが入射側に形成されたレンズシート本体を押出法によって得ることができる。そして、拡散レンズアレイの非集光部を遮光する遮光部をレンズシート本体の出射側に設けることで、上記の拡散レンズアレイシートを製造することができる。
このような製造方法によれば、まず、レンズ形状を有する金型内に溶融状態の紫外線硬化型樹脂を流し込み、紫外線を照射して硬化させることにより、入射側に拡散レンズアレイが形成されたレンズシート本体を紫外線硬化法によって得ることができる。そして、例えば感光性材料を用いて拡散レンズアレイの非集光部を遮光する遮光部をレンズシート本体の出射側に設け、さらに、遮光部を含むレンズシート本体の出射側の略全面に拡散板を設けることで、上記の拡散レンズアレイシートを製造することができる。
一方、上記紫外線硬化法を用いた拡散レンズアレイシートの製造方法では、高解像度及び高コントラストを実現可能であるものの、その製造コストが非常に高くなってしまうという問題があった。
そして、本発明においては、レンズシート本体の出射側に形成された凹凸構造を利用して、その凹凸構造の凹部あるいは凸部に遮光部を設けていることから、従来のような感光性材料を用いて略平坦面に遮光部を設ける場合と比べ、耐光性に優れ、かつ製造コストのさらなる低減につながる。また、レンズシート本体の出射側には、遮光部を含む凹凸構造の略全面に亘ってこの凹凸構造の凹部及び凸部の形状に沿って拡散要素が設けられているため、この拡散要素がレンズシート本体の凹凸構造に対して隙間なく密着した状態とすることができる。したがって、コスト低減のために押出法によってレンズシート本体を形成する場合において、凹凸構造の形状精度が悪い場合であっても、その凹部及び凸部の位置さえ正確であれば、拡散レンズアレイシートとしての光学的な特性が劣化しにくい。さらに、この拡散要素は、凹凸構造における遮光部以外の領域だけに設けられるのではなく、凹凸構造における遮光部を含む略全面に亘って設けられていることから、視野角を広く確保することができるのに加え、拡散要素によって遮光部を保護することもできる。
このような構成とすると、レンズシート本体の厚みが十分に大きく設定されて、このレンズシート本体が十分な剛性を有することになるため、拡散要素の厚みを薄くすることが可能となり、製造コストをさらに低くして解像度の向上を図ることができる。とくに、この拡散要素の厚みが上記の式を満たしていると、レンズシート本体の剛性が拡散要素の環境変化要因に打ち勝つためにソリなどが生じにくくなり、耐候性を向上させることができる。
本第1実施形態による背面投射型ディスプレイ装置としてのリアプロジェクションテレビ10は、図1に示すように、筐体11と、前面側(図1中の右側)を筐体11の外部へ露出させるとともに背面側(図1中の左側)を筐体11の内部へ露出させた略長方形平板状をなす透過型スクリーン20と、筐体11内に配置され、透過型スクリーン20の背面に対して映像光を投射する光源としてのプロジェクタ12と、同じく筐体11内に配置され、プロジェクタ12から投射される映像光の光路を偏向させる例えば2枚の反射鏡13,14とを備えている。
これらフレネルレンズシート30、レンチキュラーレンズアレイシート40は、透過型スクリーン20の背面側(入射側、図2中の左側)から前面側(出射側、図2中の右側)にかけて順次配置されているとともに、互いに略平行となるように配置されている。
そして、プロジェクタ12から投射される映像光を透過型スクリーン20の背面に入射させる、つまり、プロジェクタ12から投射される映像光を透過型スクリーン20の背面側に位置するフレネルレンズシート30に入射させると、このフレネルレンズシート30は、入射した映像光の方向を整えて略平行光としてからレンチキュラーレンズアレイシート40に向けて出射する。
そして、このような配置とされるプロジェクタ12から投射される映像光の光路を、透過型スクリーン20の背面に対向配置されるとともに透過型スクリーン20に対して略平行となるように配置される反射鏡14とさらにもう一つの反射鏡13とによって偏向させることにより、プロジェクタ12が、筐体11内において透過型スクリーン20と反射鏡14との間の領域から例えば下方側に外れた領域に配置されている。
このレンズシート本体41は、フレネルレンズ30側を向く入射側の片面(透過型スクリーン20の背面側を向く片面)に、レンチキュラーレンズアレイ(拡散レンズアレイ)42が形成され、かつ、出射側の片面(透過型スクリーン20の前面側を向く片面)に、凹凸構造43が形成されている。
したがって、遮光部46は、レンチキュラーレンズアレイ42によるストライプ状の非集光部を遮光するように設けられたブラック・ストライプ(BS)となっている。
拡散要素47は、レンズシート本体41側を向く入射側の片面(透過型スクリーン20の背面側を向く片面)が、遮光部46を含む凹凸構造43に対して隙間なく密着することによって凹部44及び凸部45の形状が反映された凹凸面とされている一方、出射側の片面(透過型スクリーン20の前面側を向く片面)が、略平坦面とされている。
ここで、拡散要素47は、反射散乱が少なく透過散乱が強いものが望ましい。具体的には、拡散要素47の反射率が1%以下に設定されていることが望ましい。
まず、押出法を用いて、溶融状態の透明材料である熱可塑性樹脂を押し出し、一対の金型ロール間に通過させることにより、入射側となる片面に1.0mm以下(好ましくは0.2mm以下)のピッチを有するレンチキュラーレンズアレイ42が形成されるとともに出射側となる片面に凹凸構造43が形成されたレンズシート本体41を得る。
この遮光材料を凸部45に転写する工程は、凹凸構造43の形状を利用して行われる。具体的には、黒色顔料を含んだインキを転写ローラーによって凸部45のみに転写する方法や、黒色顔料を含んだ転写箔を凸部45のみに転写する方法を挙げることができる。
このような工程を経ることにより、本第1実施形態によるレンチキュラーレンズアレイシート40を製造することができる。
なお、レンチキュラーレンズアレイ42のピッチは、できるだけ小さい方が高い解像度を得る上で望ましいが、現時点での技術的な限界を考慮すると、例えば0.05mm以上とされている。
したがって、コスト低減のために押出法によってレンズシート本体41を形成して、凹凸構造43の形状精度が悪くなったとしても、その凹部44及び凸部45の位置さえ正確であれば、レンチキュラーレンズアレイシート40としての光学的な特性が劣化しにくくなる。
しかも、拡散要素47の厚みDは、レンズシート本体41の厚みPとの関係でP>D×3を満たすように設定されていることから、レンズシート本体41の剛性が拡散要素47の環境変化要因に打ち勝ってソリなどが生じにくくなり、耐候性を向上させることができる。
本第2実施形態によるレンチキュラーレンズアレイシート40では、図4に示すように、レンチキュラーレンズアレイ42による集光部に凸部45が位置し、レンチキュラーレンズアレイ42による非集光部に凹部44が位置しており、このレンチキュラーレンズアレイシート40が、凹凸構造43における凹部44の底面に対して設けられた遮光部46を備えている。
まず、押出法を用いて、溶融状態の透明材料である熱可塑性樹脂を押し出し、一対の金型ロール間に通過させることにより、入射側となる片面に1.0mm以下(好ましくは0.2mm以下)のピッチを有するレンチキュラーレンズアレイ42が形成されるとともに出射側となる片面に凹凸構造43が形成されたレンズシート本体41を得る。
この遮光材料を凹部44に埋める工程は、凹凸構造43の形状を利用して行われる。具体的には、黒色顔料を含んだインキを凹凸構造43の全面に亘って塗布し、スキージーなどで凸部45に付着したインキのみを除去してから、凹部44に残ったインキを硬化させる方法を挙げることができる。もちろん、凹凸構造43の凹部44のみにインキを塗布して硬化させるようにしてもよい。
このような工程を経ることにより、本第2実施形態によるレンチキュラーレンズアレイシート40を製造することができる。
例えば、本実施形態による拡散レンズアレイシートは、その拡散レンズアレイの入射側の片面に、複数の単位レンズがマトリックス状に配列されてなるレンズアレイが形成されたマイクロレンズアレイシートであってもよい。また例えば、本実施形態による拡散レンズアレイシートは、その拡散レンズアレイの入射側の片面に、複数のシリンドリカルレンズ(単位レンズ)が略平行に配列された第1のレンズアレイと複数のシリンドリカルレンズ(単位レンズ)が略平行に配列された第2のレンズアレイとがそれらのシリンドリカルレンズの長さ方向を互いに交差させるように同一平面上に配置されてなるレンズアレイが設けられたクロスレンチレンズシートであってもよい。さらに例えば、本実施形態による拡散レンズアレイシートは、その拡散レンズアレイの入射側に、映像光を反射して拡散させる複数の単位レンズが配列されてなるレンズアレイが形成されたプリズムレンズアレイシートであってもよい。
12 プロジェクタ(光源)
20 透過型スクリーン
30 フレネルレンズシート
40 レンチキュラーレンズシート(拡散レンズシート)
41 レンズシート本体
42 レンチキュラーレンズアレイ(拡散レンズアレイ)
43 凹凸構造
44 凹部
45 凸部
46 遮光部
47 拡散要素
Claims (6)
- 入射側に1.0mm以下のピッチを有する拡散レンズアレイが形成されるとともに出射側に凹凸構造が形成されたレンズシート本体と、
前記凹凸構造における凹部あるいは凸部に設けられた遮光部と、
前記凹部及び凸部の形状に沿って前記遮光部を含む前記凹凸構造の略全面に設けられた拡散要素と、を備えており、
前記レンズシート本体は、拡散剤を含まない熱可塑性樹脂の透明材料からなり、
前記凹凸構造の凹部及び凸部の高さの差が、0.01mm〜0.5mmに設定されており、
前記拡散要素は、拡散剤が混入されていてその出射側が略平坦面とされている
ことを特徴とする拡散レンズアレイシート。 - 請求項1に記載の拡散レンズアレイシートにおいて、
前記拡散要素は、拡散性を有するとともに後処理によって硬化した材料からなることを特徴とする拡散レンズアレイシート。 - 請求項1または2に記載の拡散レンズアレイシートにおいて、
前記レンズシート本体の厚みPが、0.5mm以上に設定され、かつ、前記レンズシート本体の厚みPと前記拡散要素の厚みDとの関係が、P>D×3を満たしていることを特徴とする拡散レンズアレイシート。 - 請求項1〜3のいずれかに記載の拡散レンズアレイシートにおいて、
前記拡散レンズアレイは、レンチキュラーレンズアレイとされていることを特徴とする拡散レンズアレイシート。 - 請求項1〜4のいずれかに記載の拡散レンズアレイシートを備えていることを特徴とする透過型スクリーン。
- 請求項5に記載の透過型スクリーンと、
前記透過型スクリーンの背面に映像光を投射する光源と、
を備えていることを特徴とする背面投射型ディスプレイ装置。
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