JP2008020326A - 電子時計 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】地板にアンテナ37を配置した電子時計において、アンテナ37は、絶縁材料で形成され、磁性シートを積層したアンテナコアが配置されるコア枠210を備え、このコア枠210は、アンテナコアを含む外周にコイルが巻かれる平板部211と、この平板部211の両端に設けられ、アンテナコアの一部を収容する断面凹状の凹状部212A、212Bを有し、この凹状部212A、212Bがアンテナコア220の地板への接触を規制するようにした。
【選択図】図10
Description
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、小型で高信頼性を有するアンテナを備えた電子時計を提供することを目的としている。
この発明によれば、コア枠は、アンテナコアを含む外周にコイルが巻かれる平板部と、この平板部の両端に設けられ、アンテナコアの一部を収容する断面凹状の凹状部を有し、凹状部がアンテナコアの地板への接触を規制するので、アンテナコアを樹脂製の枠などで覆うことなく、アンテナコアへの衝撃を回避でき、信頼性を維持しつつ小型化を図ることができる。また、アンテナコアを含む外周にコイルが巻かれる部分を平板部としたので、コイルの巻き上がりを小さくし、その分、アンテナユニットを小型化できる。
また、上記構成において、前記受信アンテナを前記地板に配置した場合、前記凹状部は、前記地板との間に隙間を空けた位置に配置されることが好ましい。この構成によれば、衝撃時にコア枠が撓んで凹状部を地板に接触させ、アンテナコアが地板に接触するのを確実に規制することができる。
図1は、本発明に係る腕時計型のソーラー充電式電波時計(以下、腕時計という)の電気的構成を示すブロック図である。この腕時計1は、時刻表示指針1Aを駆動する輪列機構やモータを備えるアナログ時計機構部1Bと、アナログ時計機構部1Bのモータを駆動するモータ駆動回路1Cと、この腕時計1全体を制御する制御回路1Dと、腕時計1の各部に電力を供給する電源1Eとを備えている。
また、この腕時計1は、長波標準電波(日本JJY:40kHz/60kHz、アメリカWWVB:60kHz、ドイツDCF77:77.5kHz)を受信するアンテナ1Fと、受信回路1Gと、データ記憶回路1Hとを備え、制御回路1Dの制御の下、アンテナ1Fを介して長波標準電波を受信し、受信した長波標準電波から現在時刻情報を示すタイムコードを復号し、データ記憶回路1Hに記憶させる。
また、外部操作部材1Kは、制御回路1Dにユーザ指示を入力するためのものであり、例えば、外部操作部材1Kが操作された場合、制御回路1Dは長波標準電波を受信して時刻を修正する時刻修正処理を実行する。
この腕時計1は、時計ケース2と、この時計ケース2に連結された一対のバンド(帯状体)3とを備えている。時計ケース2は、ステンレス、チタンなどの金属材またはプラスチックなどの樹脂材で形成され、その内部に貫通孔2A(図2参照)を有している。時計ケース2の貫通孔2Aには、時計表側から順に、文字板10、発電装置1Jを構成するソーラーパネル20、アナログ時計機構部1Bおよび上記の各種回路を構成するムーブメント(電子時計用ムーブメント)30が積層配置されている。
また、文字板10上には、ムーブメント30の秒車、2番車、筒車から延びるパイプ21、22、23に各々連結された秒針5、分針6および時針7からなる時刻表示指針1Aが配置され、この貫通孔2Aの時計表側がカバーガラス40で封止され、裏側が裏蓋41で封止される。このカバーガラス40と時計ケース2との間、および、裏蓋41と時計ケース2との間には各々パッキン42、43が配置されて時計ケース2内の密封性が確保される。また、時計ケース2の外側には、竜頭8と、外部操作部材1Kとして機能する操作ボタン9とが設けられている。
なお、本実施形態の地板31には、電波の受信に支障がでないように樹脂製の地板が適用されているが、受信性能を満足する範囲で金属製などの他の材料の地板を適用してもよい。
より具体的には、環状の空き領域SCは、第一領域(略0時−3時領域)AR1と、第二領域(略3時−6時領域)AR2と、第三領域(略6時−10時領域)AR3と、第四領域(略10時−12時(0時)領域)AR4との4つに区分され、第一領域AR1には一方のモータ36Aが配置され、第二領域AR2には他方のモータ36Bが配置され、第三領域AR3には、アンテナユニット37が配置され、第四領域AR4には二次電池38が配置される。これにより、地板31の限られた平面スペースに比較的大型の4部品(二個のモータ36A、36B、アンテナユニット37、二次電池38)を上下に重ねることなくバランスよく配置している。
この腕時計1では、時針7および分針6と、秒針5とを独立駆動可能な2モータ式を採用することにより、アンテナユニット37により受信した長波標準電波に含まれるタイムコードに従って時刻を調整する場合に、秒針5、分針6および時針7を1モータで駆動する場合に比して時刻調整時のモータ駆動量を減らすことができ、時刻調整の短時間化および電力消費量の低減を図ることができる。
図6は、回路基板50の時計表側(つまり、地板31側)の平面図であり、図7は、その反対側(裏蓋41側)の平面図である。この回路基板50は、地板31(ムーブメント30)の略全面を覆う略円板形状に形成されている。この回路基板50には、輪列機構35の裏蓋41側に飛び出る部分(秒車、2番車、筒車の軸部分)とモータ36A、36Bのコイル部分とに対応する領域に窓部50A、50B、50Cが各々形成され、これらとの干渉を避けつつ、回路基板50を地板31側に近接配置させてムーブメント厚の増加を防いでいる。
本構成では、回路基板50が、アンテナユニット37も含めて地板31(ムーブメント30)の略全面を覆うため、回路基板50の面積を広く確保でき、電子部品や配線の配置領域を広く確保することができる。
また、この回路基板50のアンテナユニット37と重なる領域ARCは、配線パターンのみとされ、この領域ARCに実装部品を設けないことでムーブメント30厚の増加を防いでいる。また、この回路基板50の裏蓋41側の面には、電気特性検査用のチェック端子TC(プラス端子TA、マイナス端子TB)が設けられている(図7参照)。
操作検出用接点60は、操作ボタン9に対応する位置(4時位置に相当)に設けられ、このムーブメント30を組み立てた場合、この操作検出用接点60の外側(回路基板50の外周側)に、回路押さえ板51に設けられた接点ばね部65(図4参照)が離間して配置される。ムーブメント30を時計ケース2に組み込んだ場合、接点ばね部65には、操作ボタン9の先端が当接し、操作ボタン9が押下操作されると、接点ばね部65が屈曲して操作検出用接点60に接触し、この接触がユーザ操作としてマイクロコンピュータ56に検出される。
図8はアンテナユニット37を示す斜視図であり、図9はアンテナユニット37を裏側から見た斜視図である。アンテナユニット37は、コア枠210と、このコア枠210に配置されるアンテナコア220と、コア枠210を含むアンテナコア220の外周に巻かれたコイル230と、コア枠210に配置されるアンテナ用回路基板(プリント基板)240とを備えている。
同図に示すように、一対のわん曲部212、213は、地板31の外形形状に沿って略円弧状にわん曲しており(図5参照)、各わん曲部212、213は、コイル230の端部近傍に断面凹状の凹状部212A、213Aを一体に備え、この凹状部212A、213Aの凹み部分の間に位置する面Xが平板部211の地板31側の面と同じ高さに形成されている。
また、わん曲部212、213には、平板部211の地板31側の面(面Xを含む)と同じ高さで外側に延びる厚板部212B、213Bと、この厚板部212B、213Bから延びて、ねじ固定用の孔部214が形成された薄板部212C、213Cとを一体に有している。
また、コア枠210のコイル230の両側部分近傍の側面(凹状部212A、213Aの側面)には、図8および図9に示すように、アンテナコア200を地板31に固定した際に、地板31に係止する左右一対の係止爪216が一体に設けられている。
言い換えれば、このコア枠210においては、コイル230が巻かれる平板部211におけるアンテナコア200と反対側の面251が、アンテナコア200に近い面とされると共に、アンテナ用回路基板240を配置する面261が、アンテナコア200から離れた面に形成される。
このように、コイル230が巻かれる平板部211の面251をアンテナコア200に近づけることにより、コイル230をアンテナコア200に近づけることができ、かつ、アンテナ用回路基板240が配置される面261を、平板部211の面251よりも距離αだけアンテナコア200から離したことにより、アンテナ用回路基板240とアンテナコア200との距離が近すぎてアンテナコア200に発生する磁界とアンテナ用回路基板240に流れる受信信号とで干渉が生じ、受信性能が劣化してしまうなどの事態を回避することができる。具体的には、長波標準電波の受信を行う場合、アンテナ用回路基板240の導電パターンはアンテナコア200よりも0.1mm以上の距離を離すことが望ましい。
この場合、マイナスリード板80とプラスリード板90との間に、アンテナユニット37のコア枠210が介挿されるため、絶縁性材料で形成されたコア枠210がマイナスリード板80とプラスリード板90との間を絶縁する絶縁部材を兼用することになり、別途絶縁部材を配置する場合に比してムーブメント厚を薄くすることができる。
この場合、アンテナユニット37のわん曲部213には、アンテナ用回路基板240が配置されるため(図8参照)、このわん曲部213の上に回路基板50が重ねられることによって、このアンテナ用回路基板240上の導通パターン242と回路基板50とを電気的に接続することができ、このアンテナ用回路基板240を介してコイル230と受信IC55とを容易に電気的に接続することができる。
本構成では、図13(A)に示すように、地板31には、アンテナユニット37に設けられた一対の係止爪216が係止する係止部31Lが設けられており、係止爪216が係止部31Lに係止する。つまり、アンテナユニット37は、その両端部(ねじ固定部分)と、略中央に位置するコイル230近傍部分(係止爪216部分)とが地板31に固定され、アンテナユニット37を地板31確実に固定することができる。
従って、本実施形態では、コア枠210の凹状部212A、212Bに前後左右に間隔を空けて設けた4つの平面部212Hが地板31に最も近接した状態で、アンテナユニット37が地板31に固定されることとなる。
このため、落下などで比較的大きな衝撃が加わってコア枠210が撓んだ場合には、凹状部212A、212Bのいずれかの平面部212H、あるいは、複数の平面部212Hが地板31に当たり、アンテナコア220が地板31に接触するのを確実に規制することができる。
このため、本実施形態のようにアンテナコア220に、衝撃に弱く、かつ、衝撃で磁気特性が劣化するおそれのある熱処理したアモルファスコアを適用した場合でも、アンテナコア200を樹脂製の枠などで覆うことなく、アンテナコア200への衝撃を回避でき、磁気特性の劣化を回避することができる。また、衝撃吸収用に樹脂製の枠を設けた従来のアンテナユニットに比して小型化されるため、小型で高信頼性を有したアンテナユニット37を提供することが可能になる。
また、断面凹形状の凹部内にアンテナコアを収容した従来のアンテナは、コア枠の厚みの分だけ、アンテナコアとコイルとが離れ、受信効率が低くなってしまうが、本実施形態ではアンテナコア220とコイル230とが近接するので、受信効率の低下を回避でき、アンテナ性能も向上可能である。
また、従来はアモルファスコアのサイズが大きくなるため、アモルファス金属箔のプレス打ち抜き時に反りや返りが生じて鋭利な部分が生じ易く、この鋭利な部分でコイルの破断や短絡を防止するために凹形状のコア枠を必要としていたが、本実施形態では、アモルファスコア(アンテナコア220)のサイズが小さいため、プレス打ち抜きの際に反りや返りが小さく、絶縁性フィルム250による絶縁でもコイルの破断や短絡を回避できる。
また、上述の実施形態では、本発明を腕時計型電子時計に内蔵されるアンテナに適用する場合について説明したが、これに限らず、懐中時計などの他の携帯型時計や、置き時計などの固定型時計などに内蔵されるアンテナに広く適用することができる。
Claims (8)
- 地板にアンテナを配置した電子時計において、
前記アンテナは、絶縁材料で形成され、磁性シートを積層したアンテナコアが配置されるコア枠を備え、このコア枠は、前記アンテナコアを含む外周にコイルが巻かれる平板部と、この平板部の両端に設けられ、前記アンテナコアの一部を収容する断面凹状の凹状部を有し、前記凹状部が前記アンテナコアの地板への接触を規制することを特徴とする電子時計。 - 請求項1に記載の電子時計において、
前記凹状部は、当該凹状部に収容された前記アンテナコアより前記地板に近接することを特徴とする電子時計。 - 請求項2に記載の電子時計において、
前記受信アンテナを前記地板に配置した場合、前記凹状部は、前記地板との間に隙間を空けた位置に配置されることを特徴とする電子時計。 - 請求項1乃至3のいずれかに記載の電子時計において、
前記凹状部は、前記コイルの端部近傍に位置することを特徴とする電子時計。 - 請求項1乃至4のいずれかに記載の電子時計において、
前記コア枠の平板部は、前記アンテナコアを含む外周が絶縁性フィルムで被覆され、この絶縁性フィルムの上から前記コイルが巻かれることを特徴とする電子時計。 - 請求項1乃至5のいずれかに記載の電子時計において、
前記コア枠における前記凹状部を含む端部には、前記アンテナコアと反対側の面にプリント基板が配置され、このプリント基板を介して前記コイルと受信回路とが電気的に接続されることを特徴とする電子時計。 - 請求項6に記載の電子時計において、
前記コア枠は、前記プリント基板が配置される面よりも前記コイルが巻かれる面の方が前記アンテナコアに近くなるように構成されていることを特徴とする電子時計。 - 請求項1乃至7のいずれかに記載の電子時計において、
前記コア枠の端部には、当該アンテナを前記地板にねじ固定するための孔部が形成されていることを特徴とする電子時計。
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