JP2008014403A - トラクタのトランスミッション - Google Patents

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Abstract

【課題】操作者の負担の軽減を図ると共に、作業車輌が急発進してしまうことを防ぐことが可能なトラクタのトランスミッションを提供する。
【解決手段】電気信号に基づく油圧制御装置により操作される、多段数の変速段からなる主変速装置20と、機械的操作により変速される変速段からなる副変速装置60とを備えるトラクタ1のトランスミッション10において、副変速装置60の低速段と主変速装置20の最高速段側との組合せによる変速段(第10,11,12段)の変速比と、副変速装置60の高速段と主変速装置20の最低速段側の組合せによる変速段(第13,14,15段)の変速比とを、オーバーラップさせて構成する。これにより、低速作業と高速作業の境界付近の速度域での作業時における副変速装置60の変速操作を少なくすることが可能となり、トラクタ1が急発進することを防ぐことが可能となる。
【選択図】図2

Description

本発明は、トラクタのトランスミッションに係り、詳しくは電気信号に基づく油圧装置により操作される、多段数の変速段からなる主変速装置と、機械的操作により変速される高、低2段の変速段からなる副変速装置とを備える、トラクタのトランスミッションに関する。
従来、トラクタ等の作業車輌のトランスミッションにあっては、複雑な作業に応じた走行速度(変速域)を得るため、普通自動車等の一般車輌に比べて、変速段の段数を多数段としたトランスミッションを備えた作業車輌が知られている(例えば特許文献1参照)。
このようなトランスミッションでは、主クラッチを介して伝達されたエンジン出力が走行系とPTO系に分岐されている。そして、該走行系の動力伝達機構には、多段数の変速を行う主変速装置と、多板式の油圧クラッチと、前後進切換装置と、高低2段の変速を行う副変速装置とが直列に配置されており、これら各変速装置で変速された動力が後部ディファレンシャル機構を介して後輪に伝達される。なお、本明細書中にあっては、一般的にいう主変速装置及び副変速装置を主変速装置と定義し、超低速切換え装置を副変速装置と定義している。
特許第3583021号公報
ところで、上述のようなトランスミッションでは、ロータリ耕耘等の比較的低速で走行する低速作業においては、副変速装置を低速段とした低速域が用いられており、牽引や移動走行等の比較的高速で走行する高速作業においては、副変速装置を高速段とした高速域が用いられている。
しかしながら、副変速装置の低速段と主変速装置の最高速段側との組合せによる変速段の変速比(低速域の高速段)よりも、副変速装置の高速段と主変速装置の最低速段側の組合せによる変速段の変速比(高速域の低速段)の方が、高い速度域に設定されているので、低速作業から高速作業に移行する際に、つまり副変速装置を低速段から高速段に変速する際に、作業車輌が急発進してしまう虞があった。
また、上記副変速装置を低速段から高速段に変速操作する際に、作業車輌を一旦停止させたりクラッチ操作を必要とする車輌の場合には、低速作業と高速作業の境界付近の速度域での作業時に、上記したような操作を繰り返さなくてはならず、操作者の負担を増加してしまうという問題もあった。
そこで本発明は、低速域と高速域とでオーバーラップする変速比を有するように構成し、もって上述した課題を解決したトラクタのトランスミッションを提供することを目的とするものである。
請求項1に係る本発明は(例えば図1乃至図6参照)、電気信号に基づく油圧装置(80)により操作される、多段数の変速段からなる主変速装置(20)と、
機械的操作により変速される高、低2段の変速段からなる副変速装置(60)と、を備える、
トラクタ(1)のトランスミッション(10)において、
前記副変速装置(60)の低速段と前記主変速装置(20)の最高速段側との組合せによる変速段(例えば第10,11,12段)の変速比と、前記副変速装置(60)の高速段と前記主変速装置(20)の最低速段側の組合せによる変速段(例えば第13,14,15段)の変速比とを、オーバーラップしてなる、
ことを特徴とするトラクタ(1)のトランスミッション(10)にある。
請求項2に係る本発明は(例えば図2乃至図5参照)、前記主変速装置(20)が、12段からなる、
請求項1記載のトラクタ(1)のトランスミッション(10)にある。
なお、上記カッコ内の符号は、図面と対照するためのものであるが、これにより特許請求の範囲の記載に何等影響を及ぼすものではない。
請求項1に係る本発明によると、副変速装置の低速段と主変速装置の最高速段側との組合せによる変速段の変速比と、副変速装置の高速段と主変速装置の最低速段側の組合せによる変速段の変速比とを、オーバーラップさせたので、副変速装置の低速段と主変速装置の最高速段側との組合せによる変速段の方が、副変速装置の高速段と主変速装置の最低速段側の組合せによる変速段よりも高速段となり、低速作業域及び高速作業域の速度範囲が大きくなる。これにより、低速作業と高速作業の境界付近の速度域での作業時における副変速装置の変速操作を少なくでき、操作者の負担の軽減を図ることができる。
また、副変速装置を低速段から高速段に変速する際にも、副変速装置の低速段と主変速装置の最高速段側との組合せによる変速段の設定速度よりも、低く設定した副変速装置の高速段と主変速装置の最低速段側の組合せによる変速段の設定速度によって、作業車輌を低い速度から発進させることができ、該作業車輌が急発進してしまうことを防ぐことができる。
請求項2に係る本発明によると、主変速装置が、12段の変速段からなるので、該主変速装置及び副変速装置の組合せによる変速段は24段となり、低速作業域及び高速作業域のどちらにも、より作業に適した速度を設定することができる。
以下、本発明に関する実施の形態を図1乃至図6に沿って説明する。
本発明の実施の形態の一例である、作業車輌としてのトラクタ1は、図1に示すように、左右に配置された一対の前輪6,6と後輪4,4とにより支持された機体5を有しており、該機体5は、前方部分で内部にエンジン7(図2参照)を収納したボンネット2が備えられている。また、機体5の下部には、該機体5に一体に固定されたミッションケース3が配置されている。
上記ミッションケース3の内部には、前部主変速装置20Aと、該前部主変速装置20Aから出力され下流側に伝達される動力を断続する油圧クラッチ30と、該油圧クラッチ30の下流側に接続された前後進切換装置40と、該前後進切換装置40の下流側に接続された後部主変速装置20Bと、該後部変速装置20Bの下流側に配置された副変速装置60等を有するトランスミッション10が配置され、走行駆動系を構成している。なお、前部主変速装置20Aと後部主変速装置20Bとで、詳しくは後述する、主変速装置20を構成している。
上記エンジン7からの動力は、図2に示すように、主クラッチ11、出力軸12、及び該出力軸12に固定された出力ギヤ13、該出力ギヤ13と噛合する入力ギヤ15を介して、該入力ギヤ15を固定した入力軸16に伝達される。該入力軸16には、歯数の異なる複数のギヤ16a,16b,16c,16dが一体に固定されている。
なお、ミッションケース3内には、入力軸16と隣接配置されたPTO主変速部75と、該PTO主変速部75の下流側にPTO軸の正逆回転を行わせるPTO回転切換装置76とが配置され、動力がPTO軸を介して作業機(図示せず)に出力できるように構成されている。
上記主変速装置20の前部主変速装置20Aは、ミッションケース3に対して回転自在に支持された伝動軸21を備えており、該伝動軸21には、上記ギヤ16a,16b,16c,16dと常時噛合う歯数の異なるギヤ22a,22b,22c,22dが回転自在に支持されている。また、ギヤ22aとギヤ22bとの間には、シンクロメッシュ方式により該ギヤ22a,22bとそれぞれ選択的に係合、離脱可能なシフト部材23が、ギヤ22cとギヤ22dとの間には、シンクロメッシュ方式により該ギヤ22c,22dとそれぞれ選択的に係合、離脱可能なシフト部材25が、それぞれ伝動軸21の軸方向に移動自在に配置されている。
上記油圧クラッチ30は、前部主変速装置20Aと前後進切換装置40との間に配置された油圧クラッチで構成され、油圧の供給により前部主変速装置20Aの出力を前後進切換装置40に伝達する入り状態となり、油圧の遮断により前部主変速装置20Aの出力を前後進切換装置40に伝達しない切り状態となり、走行駆動系の動力伝達が遮断される。
上記前後進切換装置40は、入力軸41と平行に、ミッションケース3に回転自在に支持された中間軸42と伝動軸45を備えている。該中間軸42には、ギヤ41aと噛合う中間ギヤ42aが一体に固定されている。
入力軸41は、油圧クラッチ30を介して伝動軸21に連結され該油圧クラッチ30の入り状態のときに該伝動軸21と共に回転する。入力軸41には、歯数の異なるギヤ41a,41bが一体に固定されている。
伝動軸45には、ギヤ41bと噛合うギヤ45bと、ギヤ42aと噛合うギヤ45aとが回転自在に支持されている。該ギヤ45bとギヤ45aとの間には、シンクロメッシュ方式により該ギヤ45a,45bとそれぞれ選択的に係合、離脱可能なシフト部材47が、伝動軸45の軸方向に移動自在に配置されている。
上記主変速装置20の後部主変速装置20Bは、上記説明した伝動軸45の後半部分と、ミッションケース3に対して回転自在に支持された伝動軸51とを備えている。
伝動軸45の後半部分には、ギヤ28aと噛合うギヤ26aが回転自在に支持されており、歯数の異なるギヤ26b,26cが一体に固定されている。また、該ギヤ26aの近傍には、シンクロメッシュ方式により該ギヤ26aと係合、離脱可能なシフト部材27が、伝動軸45の軸方向に移動自在に配置されている。
伝動軸51は、上記ギヤ28aが一体に固定されており、上記ギヤ26bと噛合うギヤ28bと、上記ギヤ26cと噛合うギヤ28cとがそれぞれ回転自在に支持されている。該ギヤ28bとギヤ28cとの間には、シンクロメッシュ方式により該ギヤ28b,28cとそれぞれ選択的に係合、離脱可能なシフト部材29が、伝動軸51の軸方向に移動自在に配置されている。
伝動軸51の後半部分には、ギヤ51aとギヤ51bとが一体に固定されており、該ギヤ51aはギヤ55aと、該ギヤ51bはギヤ57とそれぞれ噛合っている。伝動軸55は、上記伝動軸45と同一軸心上に位置するようにミッションケース3に対して回転自在に支持されている。該伝動軸55には、上記ギヤ55aと、該ギヤ55aよりも小径のギヤ55bとにより一体に形成されたギヤ、及び上記ギヤ51bと噛合うギヤ57が回転自在に支持されている。また、伝動軸55には、ギヤ56が一体に固定されており、小径のギヤと大径のギヤとが一体に形成されたギヤ58が配設されている。
上記副変速装置60は、上記伝動軸51及び伝動軸55と平行に、ミッションケースに対して回転自在に支持された出力軸61を備えている。該出力軸61には、上記ギヤ55bと噛合うギヤ61aと、上記ギヤ57と噛合うギヤ61bとが回転自在に支持されている。該ギヤ61aとギヤ61bとの間には、シンクロメッシュ方式により該ギヤ61a,61bとそれぞれ選択的に係合、離脱可能なシフト部材62が、出力軸61の軸方向に移動自在に配置されている。また、該出力軸61には、上記ギヤ58と噛合うギヤ63が一体に固定されている。
上記出力軸61は、ディファレンシャルギヤ71等を介して後輪4,4に接続され、トラクタ1を走行駆動可能にしている。また、上記ギヤ58は伝動軸55を介してギヤ56に回転が伝達され、これら該ギヤ58及びギヤ56の回転がクイックターン装置72に伝達される。該クイックターン装置72から出力された回転がディファレンシャルギヤ73等を介して前輪6,6に伝達され、トラクタ1を走行駆動可能にしている。
次に、上記トラクタ1の作用について説明する。
例えば、エンジン7で出力された回転は、主クラッチ11、出力軸12、及び該出力軸12に固定された出力ギヤ13、該出力ギヤ13と噛合する入力ギヤ15を介して、該入力ギヤ15を固定した入力軸16に伝達される。該入力軸16に伝達された回転は、歯数の異なる複数のギヤ16a,16b,16c,16dを介して前部主変速装置20Aに伝達される。
該前部主変速装置20Aにおいては、シフト部材23がギヤ22a及びギヤ22bから離脱したニュートラル位置にあるときには、各ギヤ22a,22bは、それぞれ伝動軸21に対して空転している。シフト部材23がギヤ22a(もしくはギヤ22b)と係合している場合には、該シフト部材23がその係合しているギヤ22a(もしくはギヤ22b)と共に回転して伝動軸21を回転させる。
また、シフト部材25がギヤ22c及びギヤ22dから離脱したニュートラル位置にあるときには、各ギヤ22c,22dは、それぞれ伝動軸21に対して空転している。シフト部材25がギヤ22c(もしくはギヤ22d)と係合している場合には、該シフト部材25がその係合しているギヤ22c(もしくはギヤ22d)と共に回転して伝動軸21を回転させる。
即ち、前部主変速装置20Aは、ギヤ16a,16b,16c,16dと、これらギヤ16a,16b,16c,16dと常時噛合うギヤ22a,22b,22c,22dと、シフト部材23,25によりシンクロメッシュ方式の同期噛合式歯車変速装置で構成され、ギヤ16aとギヤ22a、ギヤ16bとギヤ22b、ギヤ16cとギヤ22c、ギヤ16dとギヤ22dの各噛合わせにより、伝動比の異なる4段の変速段が設定されている。
ここで、例えば油圧クラッチ30が入り状態となっている場合には、伝動軸21の回転が入力軸41を介して前後進切換装置40に伝達される。
該前後進切換装置40においては、シフト部材47がギヤ45a及び45bから離脱したニュートラル位置にあるときには、各ギヤ45a,45bは、それぞれ伝動軸45に対して空転している。シフト部材47がギヤ45a(もしくは45b)と係合している場合には、シフト部材47がその係合しているギヤ45a(もしくは45b)と共に回転して、伝動軸45を回転させる。
このとき、ギヤ45aの回転を伝動軸45に伝達する場合と、ギヤ45bの回転を伝動軸45に伝達する場合では、中間ギヤ42aの作用により伝動軸45に伝達される回転方向が逆になる。即ち、ギヤ45bを介して伝動軸45に伝達される回転を、トラクタ1の前進方向の回転とすれば、ギヤ45aを介して伝動軸45に伝達される回転は、トラクタ1の後進方向の回転となり、該トラクタ1の前後進の切換えを行うことができる。
上記伝動軸45によって回転が伝達される後部主変速装置20Bにおいては、シフト部材27がギヤ26aから離脱したニュートラル位置にあるときには、ギヤ26aは伝動軸45に対して空転している。シフト部材27がギヤ26aと係合している場合には、該シフト部材27がその係合しているギヤ26aと共に回転して伝動軸51を回転させる。
また、シフト部材29がギヤ28b及び28cから離脱したニュートラル位置にあるときには、各ギヤ28b,28cは、それぞれ伝動軸51に対して空転している。シフト部材29がギヤ28b(もしくはギヤ28c)と係合している場合には、該シフト部材29がその係合しているギヤ28b(もしくはギヤ28c)と共に回転して伝動軸51を回転させる。
即ち、後部主変速装置20Bは、ギヤ26aと、該ギヤ26aと常時噛合うギヤ28aと、シフト部材27及びギヤ26b,26cと、これらギヤ26b,26cと常時噛合うギヤ28b,28cと、シフト部材29によりシンクロメッシュ方式の同期噛合式歯車変速装置で構成され、ギヤ26aとギヤ28a、ギヤ26bとギヤ28b、ギヤ26cとギヤ28cの各噛合わせにより、伝動比の異なる3段の変速段が設定されている。これにより、前部主変速装置20A及び後部主変速装置20Bによって構成される主変速装置20では、伝動比の異なる12段の変速段が設定されることになる。
上記伝動軸51に一体に固定されているギヤ51aは、一体に形成されたギヤ55a、55bを介して、また同様にギヤ51bは、ギヤ57を介して、それぞれ副変速装置60に伝達される。
該副変速装置60においては、シフト部材62がギヤ61a及びギヤ61bから離脱したニュートラル位置にあるときには、各ギヤ61a,61bは、それぞれ出力軸61に対して空転している。シフト部材62がギヤ61a(もしくはギヤ61b)と係合している場合には、該シフト部材62がその係合しているギヤ61a(もしくはギヤ61b)と共に回転して出力軸61を回転させる。
即ち、副変速装置60は、ギヤ55b,57と、これらギヤ55b,57と常時噛合うギヤ61a,61bと、シフト部材62によりシンクロメッシュ方式の同期噛合式歯車変速装置で構成され、ギヤ55bとギヤ61a、ギヤ57とギヤ61bの各噛合わせにより、伝動比の異なる2段の変速段が設定されている。
そして、上記出力軸61の回転は、ディファレンシャルギヤ71を介して後輪4,4に伝達される。また、四輪駆動状態の場合には、出力軸61の回転が、ギヤ63、ギヤ58、伝動軸55、ギヤ56、クイックターン装置72、及びディファレンシャルギヤ73等を介して前輪6,6に伝達される。これにより、トラクタ1は走行駆動される。
次に、上記トラクタ1の主変速装置20及び油圧クラッチ30に係る油圧制御装置(油圧装置)80について説明する。
オイルポンプ81から吐出された圧油は、図3に示すように、走行操作用として利用され、逆止弁82を介して、上記主変速装置20及び油圧クラッチ30を油圧により制御する油圧制御装置80に供給される。
油圧制御装置80に流入した圧油は、油温センサ83及び油圧センサ84によりその温度と圧力が検出され、詳しくは後述する、電気的な制御装置140へフィードバックされる。また、フィルタ85,87は逆止弁82と油圧センサ84との間に配置されている。
フィルタ85を通った圧油の一部は、比例圧力制御ソレノイドバルブ86へ供給されている。該比例圧力制御ソレノイドバルブ86は、電気信号による作動によって、調圧され、該調圧された圧油は、フィルタ91及びシャトル弁92を介して油圧クラッチ30に送られ、上記前部主変速装置20Aと前後進切換装置40とが接続される。
ソレノイドバルブ101は、上記後部主変速装置20Bのシフト部材27の位置を変位させるための油圧アクチュエータ102を制御する。該油圧アクチュエータ102のシフトピストン103は、ソレノイドバルブ101から供給される圧油により伸縮し、その停止位置は、ピン105により保持される。チェックバルブ107は、シフトピストン103が移動してピン105がシフトピストン103の切欠き部から軸部へ移動したとき解放され、油圧クラッチ30に供給される油圧を減圧して、該油圧クラッチ30の切り操作を行う。
ソレノイドバルブ111とソレノイドバルブ112とは、上記後部主変速装置20Bのシフト部材29の位置を変位させるための油圧アクチュエータ113を制御する。該油圧アクチュエータ113のシフトピストン115は、各ソレノイドバルブ111,112から供給される圧油により伸縮し、その停止位置は、ピン116により保持される。チェックバルブ117は、シフトピストン115が移動してピン116がシフトピストン115の切欠き部から軸部へ移動したとき解放され、油圧クラッチ30に供給される油圧を減圧して、該油圧クラッチ30の切り操作を行う。
ソレノイドバルブ121とソレノイドバルブ122とは、上記前部主変速装置20Aのシフト部材23の位置を変位させるための油圧アクチュエータ123を制御する。該油圧アクチュエータ123のシフトピストン125は、各ソレノイドバルブ121,122から供給される圧油により伸縮し、その停止位置は、ピン126により保持される。チェックバルブ127は、シフトピストン125が移動してピン126がシフトピストン125の切欠き部から軸部へ移動したとき解放され、油圧クラッチ30に供給される油圧を減圧して、該油圧クラッチ30の切り操作を行う。
ソレノイドバルブ131とソレノイドバルブ132とは、上記前部主変速装置20Aのシフト部材25の位置を変位させるための油圧アクチュエータ133を制御する。該油圧アクチュエータ133のシフトピストン135は、各ソレノイドバルブ131,132から供給される圧油により伸縮し、その停止位置は、ピン136により保持される。チェックバルブ137は、シフトピストン135が移動してピン136がシフトピストン135の切欠き部から軸部へ移動したとき解放され、油圧クラッチ30に供給される油圧を減圧して、該油圧クラッチ30の切り操作を行う。
次に、上記油圧制御装置80の作用について説明する。
主変速操作スイッチ151からの変速操作に基づいて、ソレノイドバルブ101から油圧アクチュエータ102に圧油が供給されると、シフトピストン103が伸長し、後部主変速装置20Bのシフト部材27を伝動軸45に沿って移動させる。これにより、例えば、油圧アクチュエータ102のシフトピストン103が伸長位置にあるとき、後部主変速装置20Bのシフト部材27をギヤ26aと噛合わせ、シフトピストン103が収縮位置にあるときには、シフト部材27をニュートラル位置とするように位置決めする。
また、主変速操作スイッチ151からの変速操作に基づいて、ソレノイドバルブ111から油圧アクチュエータ113に圧油が供給されると、シフトピストン115が伸長し、ソレノイドバルブ112から油圧アクチュエータ113に圧油が供給されると、シフトピストン115が収縮し、後部主変速装置20Bのシフト部材29を伝動軸45に沿って移動させる。これにより、例えば、油圧アクチュエータ113のシフトピストン115が伸長位置にあるとき、該後部主変速装置20Bのシフト部材29をギヤ28bと噛合わせ、シフトピストン115が収縮位置にあるときには、シフト部材29をギヤ28cと噛合わせる。また、図3に示すように、シフトピストン115が中間位置にあるときには、該シフト部材29は、該ギヤ28b,28cと噛合わないニュートラル位置に位置決めされる。
さらに、油圧アクチュエータ123のシフトピストン125は、上記油圧アクチュエータ113のシフトピストン115と同様の作用により、前部主変速装置20Aのシフト部材23を移動させる。また、油圧アクチュエータ133のシフトピストン135についても同様な作用により、前部主変速装置20Aのシフト部材25を移動させる。
上記制御装置140は、図4に示すように、出力側に、1速ソレノイドバルブ122、2速ソレノイドバルブ121、3速ソレノイドバルブ132、4速ソレノイドバルブ131、低変速ソレノイドバルブ111、中変速ソレノイドバルブ112、高変速ソレノイドバルブ101及び比例圧力制御ソレノイドバルブ86が接続されている。また、該制御装置140の入力側には、主変速操作スイッチ151、エンジン回転センサ152、車軸回転センサ153、油圧センサ84、油温センサ83、前後進センサ154、油圧クラッチセンサ155及び副変速センサ156が接続されている。
そして、制御装置140は、主変速操作スイッチ151、エンジン回転センサ152、車軸回転センサ153、油圧センサ84、油温センサ83、前後進センサ154、油圧クラッチセンサ155及び副変速センサ156からの出力データに基づいて、1速ソレノイドバルブ122、2速ソレノイドバルブ121、3速ソレノイドバルブ132、4速ソレノイドバルブ131、低変速ソレノイドバルブ111、中変速ソレノイドバルブ112、高変速ソレノイドバルブ101及び比例圧力制御ソレノイドバルブ86の作動を制御する。これにより、前部主変速装置20Aのシフト部材23及びシフト部材25、後部主変速装置20Bのシフト部材27及びシフト部材29、及び油圧クラッチ30の切換え操作が行われ、主変速装置20の変速作動及び油圧クラッチ30の入り切り作動が行われる。
上述のようにトラクタ1のトランスミッション10では、図5に示すように、前部主変速装置20Aの4段、後部主変速装置20Bの3段及び副変速装置60の2段の各ギヤの組合せにより、計24段の変速を実現することができる。
なお、これら図5の図表において、前部主変速装置20Aでは、ギヤ16aとギヤ22aとの噛合わせを第1段、ギヤ16bとギヤ22bとの噛合わせを第2段、ギヤ16cとギヤ22cとの噛合わせを第3段、ギヤ16dとギヤ22dとの噛合わせを第4段としており、後部主変速装置20Bでは、ギヤ26cとギヤ28cとの噛合わせを第1段、ギヤ26bと28cとの噛合わせを第2段、ギヤ26aとギヤ28aとの噛合わせを第3段としている。
また、トランスミッション10では、図6に示すように、図5で示したギヤの組合せによる各段数に対応した速度が設定されており、この各段数に対応した速度によってトラクタ1は、走行することが可能となっている。
ここで、本実施の形態においては、上記各段数に対応した速度のうち、第10,11,12段と第13,14,15段をオーバーラップさせて設定している。これにより、副変速装置60の低速段を用いる低速作業において、より細かく作業に適した速度での走行が可能となり、副変速装置60の高速段を用いる高速作業においても、より低い速度から発進させることが可能となる。即ち、低速作業域及び高速作業域の速度範囲を大きくし、副変速装置60の変速操作を軽減することが可能となっている。
以上のように本発明によると、トラクタ1のトランスミッション10は、副変速装置60の低速段と主変速装置20の最高速段側との組合せによる変速段(第10,11,12段)の変速比と、副変速装置60の高速段と主変速装置20の最低速段側の組合せによる変速段(第13,14,15段)の変速比とを、オーバーラップさせたので、副変速装置60の低速段と主変速装置20の最高速段側との組合せによる変速段の方が、副変速装置60の高速段と主変速装置20の最低速段側の組合せによる変速段よりも高速段となり、低速作業域及び高速作業域の速度範囲が大きくなる。これにより、低速作業と高速作業の境界付近の速度域での作業時における副変速装置60の変速操作を少なくでき、操作者の負担の軽減を図ることができる。
また、副変速装置60を低速段から高速段に変速する際にも、副変速装置60の低速段と主変速装置20の最高速段側との組合せによる変速段の設定速度よりも、低く設定した副変速装置60の高速段と主変速装置20の最低速段側の組合せによる変速段の設定速度によって、トラクタ1を低い速度から発進させることができ、該作業車輌が急発進してしまうことを防ぐことができる。
また、主変速装置20が、12段の変速段からなるので、該主変速装置20及び副変速装置60の組合せによる変速段は24段となり、低速作業域及び高速作業域のどちらにも、より作業に適した速度を設定することができる。
トラクタの側面図。 トラクタの伝動系統を示す模式図。 トラクタの主変速装置及び油圧クラッチの油圧系統を示す油圧回路図。 制御装置のブロック図。 トラクタの各ギヤの組合せを一覧とした図表。 トラクタの各ギヤの組合せによる速度を示す図表。
符号の説明
1 トラクタ
10 トランスミッション
20 主変速装置
60 副変速装置
80 油圧装置(油圧制御装置)

Claims (2)

  1. 電気信号に基づく油圧装置により操作される、多段数の変速段からなる主変速装置と、
    機械的操作により変速される高、低2段の変速段からなる副変速装置と、を備える、
    トラクタのトランスミッションにおいて、
    前記副変速装置の低速段と前記主変速装置の最高速段側との組合せによる変速段の変速比と、前記副変速装置の高速段と前記主変速装置の最低速段側の組合せによる変速段の変速比とを、オーバーラップしてなる、
    ことを特徴とするトラクタのトランスミッション。
  2. 前記主変速装置が、12段からなる、
    請求項1記載のトラクタのトランスミッション。
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