JP2008000707A - 含リン焼却灰の改質方法ならびに無公害型含リン再資源化資材 - Google Patents
含リン焼却灰の改質方法ならびに無公害型含リン再資源化資材 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2008000707A JP2008000707A JP2006173967A JP2006173967A JP2008000707A JP 2008000707 A JP2008000707 A JP 2008000707A JP 2006173967 A JP2006173967 A JP 2006173967A JP 2006173967 A JP2006173967 A JP 2006173967A JP 2008000707 A JP2008000707 A JP 2008000707A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- water
- phosphorus
- calcium
- incinerated ash
- component
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Granted
Links
Landscapes
- Processing Of Solid Wastes (AREA)
Abstract
水溶出の有害元素群を共存する下水汚泥焼却灰等からなる含リン焼却灰を改質対象素材として、少なくとも常温で簡単な無害化処理ならびに形状化処理を施して無公害型結着形状体に改質処理されて、含リン焼却灰を再生活用可能な無公害型含リン再資源化資材として環境に低負荷型で安全にして低価格で提供することにある。
【解決手段】
ケイ酸塩を主成分とする低カルシヤ含リン焼却灰を改質対象素材として、予め水を介して不活性化剤を加えて含水高カルシヤ含リン混和物とした後、不溶化剤を加えて含水混和物とする混和工程、ならびに該含水混和物を加工形状化して含水形状化物とする形状化工程、次いで該含水混和物なしは該含水形状化物を常温から100℃範囲の雰囲気中に放置して改質処理する養生工程からなる一連の作業工程による改質方法に付して、無害化処理ならびに形状化処理を施す。
【選択図】 なし
Description
1.キレート剤・中和剤等によるキレート化処理物・水酸化物形成処理物での供給
2.高熱溶融スラグ化して、タイル、ブロック、煉瓦、粗骨材、撒き砂等での供給
3.セメントで成型処理したタイル、ブロック、煉瓦、建材、軽量骨材等での供給
4.セメントの製造時に必要とする副資材である添加粘土類の代替品としての供給
5.焼却灰共存有害物質に土質体を希釈混合して建築土木業界に改良土等での供給
1.処理物共存の有害元素群が不溶化されていて生活環境等に悪影響を与えないこと。
2.処理物のpH値が10未満に確保されて生活環境や生態系に弊害を与えないこと。
3.処理物を水中に投じたときに再泥化を起こさず処理物形状が確保されていること。
4.処理物が酸性雨等に曝されても共存する有害元素群の不溶化が安定していること。
5.無公害型に改質処理された処理物が土木や建設資材等の規格を満足していること。
6.含リン焼却灰の再資源化改質処理が安全で低コストで環境に負荷を与えないこと。
され、活用されるためには、処理物が単に投棄・埋立に供せられるに止まらず、生活関連資材ならびに土木・建築資材の分野で有効活用可能な形体で提供されることが重要である。したがって処理物は、それぞれの用途先で求められる品質規格に合格していることが必須である。そのためには処理物の基本的品質として、処理物が水に接したときに、改質対象素材の焼却灰のごとく粉体状に再泥化しない形体に形状化処理が完成される処理技術に課題がある。
すなわち、本発明によれば、熱履歴を受けているケイ酸塩を主成分とする低カルシヤ含リン焼却灰からなる改質対象素材に対して、水を介して不活性化剤を均質混和して含有リン成分を不活性化した含水高カルシヤ含リン混和物とする不活性含水化工程、次いで該含水高カルシヤ含リン混和物に対して不溶化剤を均質接触して共存有害元素群を不溶化した含水不溶化混和物とする不溶化工程、さらに必要に応じて該含水不溶化混和物を加工形状化した含水形状化物とする形状化工程、次いで該含水不溶化混和物または該含水形状化物を所定雰囲気中に開放して改質養生した無公害型複合母体からなる結着形状体とする養生工程で構成される一連の作業工程により、低カルシヤ含リン焼却灰に無害化処理ならびに形状化処理を施して無公害型含リン再資源化資材に改質処理する改質方法において;
上記の低カルシヤ含リン焼却灰が、水溶出有害元素群である土壌汚染の環境基準項目で示されるカドミウム、砒素、水銀、鉛、クロム、セレン、ホウ素またはフッ素の群より選ばれる少なくとも1種の組み合わせ元素群が環境基準値を超える範囲で共存し、乾燥物の酸化物基準で表して五酸化リン成分を224質量%、シリカ成分を2050質量%、アルミナ成分を830質量%、およびカルシヤ成分を515質量%を主成分とする低カルシヤ含リン焼却灰で構成される粉粒体、は該粉粒体100質量部に対して水が40質量部以下の量割合で加えられている湿潤し含水状態にある含水体であり;
上記の不活性化剤が、下記組成式(1)
CaO・aSiO2・wH2O ……………… (1)
[式中:aは零を含む3以下の数w は零を含む2 以下の数]で表され、カルシヤを酸化物基準で表して35質量%以上含有して、水サスペンのpH値が11以上である活性なカルシウム化合物で構成される粉粒体もしくは含水体であり;
上記の不溶化剤における有効成分が、以下乾燥物換算の酸化物基準で表してシラノール基を保持するシリカ含有成分のシリカ100質量部に対して、アルミナ含有成分のアルミナを30100質量部、ならびにナトリウム含有成分の酸化ナトリウムを370質量部を必須成分とし、必要に応じて硫黄含有成分の硫黄のオキシ酸を145質量部、ならびに2価または3価の鉄含有成分の酸化鉄を110質量部を任意成分として複合ワンパックされて構成される粉粒体もしくは含水体であり;
上記の不活性含水化工程が、乾燥物基準で表して低カルシヤ含リン焼却灰100質量部に対して、不活性化剤625質量部を加え、さらに必要に応じて混和物系内の水含有量を130質量部に相当する範囲内で加えて少なくとも常温で均質混和せしめて、次いで少なくとも1時間放置してpH値で10以上のバサバサ状、可塑状、マヨネーズ状、糊状またはスラリー状の含水高カルシヤ含リン混和物とする工程であり;
上記の不溶化工程が、乾燥物基準で表して含水高カルシヤ含リン混和物100質量部に対して、不溶化剤219質量部を加え、必要に応じて混和物系内の水含有量を130質量部に相当する範囲内で加えて少なくとも常温で均質接触せしめ、バサバサ状、可塑状、マヨネーズ状、糊状またはスラリー状の含水不溶化混和物とする工程であり;
上記の形状化工程が、必要に応じて含水高カルシヤ含リン混和物または含水不溶化混和物を目的・用途に応じて粉粒、造粒、成型、結着、被覆もしくは固結からなるか不特定形状体もしくは特定形状体に加工形状化して含水形状化物とする工程であり;
上記の養生工程が、含水不溶化混和物は含水形状化物を密封は開放状態で常温から1
00℃範囲の雰囲気中に少なくとも15分間放置して水を介した改質養生されて、無害化処理および形状化処理が施された無公害型複合母体からなる結着形状体とする工程であり;
上記の無公害型複合母体が、改質対象素材に共存する有害な水溶出元素群を環境基準値以下に固定・不溶化せしめ、同時にアルカリ成分をpH10未満に確保せしめる無害化処理が施されている含リン焼却灰の処理体であり;
上記の結着形状体が、粉粒体の改質対象素材を結着硬化せしめて水中で再泥化しない状態に形状化処理が施されている含リン焼却灰の処理体であり;
上記の改質方法が、有害な元素群を共存する粉粒体の含リン焼却灰に対して、不活性含水化工程、不溶化工程、必要に応じて形状化工程、さらに養生工程で構成される一連の作業工程を施して、無公害型複合母体からなる結着形状体である無公害型含リン再資源化資材に改質処理する改質方法が提供される。
上記の高カルシヤ含リン焼却灰が、乾燥物の酸化物基準で表して五酸化リン成分を224質量%、シリカ成分を2050質量%、アルミナ成分を830質量%、およびカルシヤ成分を1640質量%を主成分としており;
上記の含水高カルシヤ含リン混和物が、高カルシヤ含リン焼却灰の100質量部に対して、水含有量を100質量部に相当する範囲内で加えて混和した湿潤状態含水状態にある含水高カルシヤ含リン混和物である上記改質方法が提供される。
上記の無公害型複合母体が、低カルシヤ含リン焼却灰は高カルシヤ含リン焼却灰に対して水を介した一連の作業工程に付することにより共存する水溶出有害元素群を環境基準値以下に固定・不溶化せしめ、水溶出pH値が10未満に確保せしめる無害化処理が施されている無公害型複合母体であり;
上記の結着形状化体が、低カルシヤ含リン焼却灰は高カルシヤ含リン焼却灰に対して水を介した一連の作業工程に付することにより、改質対象素材の粉粒体を水中分散で再泥化を起こさない形状化処理が施されている耐水性結着体であり;
上記の無公害型含リン再資源化資材が、無公害型複合母体からなる結着形状体に無害化処理ならびに形状化処理が施されて、コーン指数(qc=kN/m2 )で200以上が確保され、粉粒体、砂状体は顆粒体からなる不特定形状体、もしくは成型体、構造体は結着体からなる特定形状体からなる工業用資材、建材・土木資材、生活関連資材または植物育成基材の用途に供給されることを特徴とする無公害型含リン再資源化資材が提供される。
関連事業における廃棄物類処理問題等の解消に貢献することができる。
[バックグランド]
現在、大量にして確実に発生し、有害な水溶出元素群であるホウ素またはフッ素、さらに同時に重金属類(カドミウム、砒素、水銀、鉛、クロム、セレン等)を共存し、しかもリン成分を含有している下水汚泥を焼却して回収される含リン焼却灰は、有効な処理技術もないまま処理・処分に窮していることから、この含リン焼却灰を無処理状態で生活環境において再生利用しようとするときは、生活環境に有害元素群が水溶出して拡散汚染を起こす危険を抱えている。
1.低コストを達成するために改質処理工程は常温で行う簡単な工程であること;
2.有害な共存元素群が環境基準値を満足し生活環境の条件下で使用可能なこと;
3.処理物がpH4の酸性雨を想定する自然界に曝されても安定に存在すること;
4.建設土木分野に提供する処理製品がpH10未満の低アルカリ性であること;
5.建設土木分野に提供する処理製品が水中再泥化しない結着形成体であること;
本発明は、ケイ酸塩を主成分とする低カルシヤ含リン焼却灰からなる有害物質を共存する含リン焼却灰を改質対象素材として、必要に応じて予め水を介して不活性化剤を加えて含水高カルシヤ含リン混和物とする不活性含水化工程に付した後、不溶化剤を加えて含水混和物とする混和工程、ならびに該含水混和物を加工形状化して含水形状化物とする形状化工程、次いで該含水混和物なしは該含水形状化物を常温から100℃範囲の雰囲気中に放置して改質処理する養生工程からなる一連の作業工程による改質方法、また含リン焼却灰を一連の作業工程に付することにより、含リン焼却灰粉粒体に無害化処理ならびに形状化処理を施して無公害型複合母体からなる結着形状体に改質されて再生活用される無公害型の含リン再資源化資材を提供する技術である。
1.有害元素群の水不溶性を阻害する活性リン成分が予め不活性リン化合物を形成;
2.シラノール基保有シリカがポリシロキサン結合からなるシリカポリマーを形成;
3.シリカポリマーマトリックス間にカルシウム塩類主体の緻密な水和鉱物を形成;
4.常温での有害な元素群を一括取り込んだアルミノケイ酸アルカリ塩鉱物を形成;
5.含有する遊離のアルカリ成分類がケイ酸等酸根で中和された水和中性塩を形成;
ならず酸性域における溶出試験法(後述する物性等の評価試験方法の項を参照)に付したとき、中性域溶出試験法では共存する有害元素群の水溶出量が環境基準値以下の範囲に固定・不溶化されており、酸性域溶出試験法では共存する有害元素群の水溶出量が1mg/kg以下で固定・不溶化されており、しかも処理体のpH値が10未満に確保されている複合母体からなる無公害型の結着形状体に改質調製されている状態をいう。
1.中性域における溶出試験:環境庁46号溶出試験法;
2.酸性域における溶出試験:オランダNEN7341溶出試験法;
また、酸性域における溶出試験であるオランダNEN7341溶出試験法では、自然界暴露における酸性雨を想定した状況下での評価方法であり、また、同時に本発明で酸域不溶化処理された活用品を自然界に暴露したときの促進試験として評価する。
本発明における改質対象素材としては、廃棄物類の中からリン成分を含んでいる下水汚泥もしくは農業集落排水汚泥等を焼却処理して熱履歴を受けているケイ酸塩化合物を主成分とする焼却灰を好適に挙げることができる。本発明の含リン焼却灰は、熱履歴を受けている焼却灰であることから、基本的には無水物の粉粒体である。
本発明の改質方法は、含リン焼却灰を改質対象素材として、特定される不活性化剤ならびに不溶化剤を駆使して、不活性含水化工程ならびに不溶化工程に付し、必要に応じて形状化工程を施して、次いで少なくとも常温に放置される養生工程に付する一連の作業工程の過程において、複合母体からなる結着形状体である無公害型の含リン再資源化資材に改質処理する改質方法である。以下に、本発明の改質方法における一連の作業工程を順次詳細説明する。
CaO・aSiO2・wH2O ……………… (1)
[式中:aは0を含む3以下の数、wは0を含む2以下の数]で表され、カルシヤを酸化物基準で表して35質量%以上含有して、水サスペンのpH値が11以上である活性なカルシウム化合物、好適には酸化カルシウムまたは水酸化カルシウムの単独ないしは複合のカルシウム化合物の粉粒体もしくは含水体を挙げることができる。
Na2O・aSiO2・wH2O ………… (2)
[式中:aは0.1ないし4の数、wは16ないし50の数]で表されるケイ酸ナトリム
の群より選ばれる少なくとも1種の粉状体または液状体のケイ酸ナトリム(水ガラス)を好適に挙げることができる。しかもケイ酸ナトリムは、不溶化剤を構成するナトリウム成分も同時に含有しており、さらにケイ酸ナトリムは水ガラスとしてJIS化されて粉状体または液状体で工業的にも大量生産されており、一般に入手容易であり、安価であり好ましい。
aM2 O・bZO・Al2o3・wH2O ………… (3)
[式中:Mはアルカリ金属、Zはアルカリ土類金属、aは0を含む5以下の数、bは0を
含む5以下の数、wは0を含む9以下の数]で表されるアルカリ金属またはアルカリ土類
金属のアルミン酸塩もしくはアルミナ水和物の群より選ばれる少なくとも1種のアルミニウム化合物を好適に挙げることができる。
aM2O・bZO・cR2O3・SOn・wH2O ………… (4)
[式中:Mはアルカリ金属、Zはアルカリ土類金属、Rはアルミニウムまたは3価の鉄、a、b、cは0を含む20以下の数、nは2または3の数、wは0を含む25以下の数]で表される金蔵元素の硫黄のオキシ酸塩化合物の塩基性塩または正塩の群より選ばれる少なくとも1種の硫酸根保有化合物もしくは硫酸根保有組成物で構成されている粉粒体を好適に挙げることができる。
aM2O・cR2O3・SOn・wH2O ………… (5)
[式中:Mはアルカリ金属、Rは3価のアルミニウムまたは鉄、aは0.2ないし20の数、cは1ないし20の数、wは0を含む25以下の数、nは2または3の数]で表されるアルカリ金属を含むアルミニウムまたは鉄の硫黄のオキシ酸塩の各塩類群より選ばれる少なくとも1種の明礬型組成物、また明礬型組成物であるアルカリ金属のアルミニウムまたは鉄の硫黄のオキシ酸塩としては、硫酸アルミニウムと硫酸カリウムとの混合溶液から生成する正八面体の複塩結晶が代表的である。
aM2O・SOn・H2O ………… (6)
[式中:Mはアルカリ金属元素、aは1ないし20の数、wは0を含む20以下の数、nは2または3の数]で表される塩基性塩もしくは正塩のリチウム、ナトリウムもしくはカリウムであるアルカリ金属の硫黄のオキシ酸塩化合物の群より選ばれる少なくとも1種の芒硝型組成物を好適に挙げることができる。
FeOn/2・aSO3・bCl・wH2O ………… (7)
[式中:aは0を含む5以下の数、bは0を含む5以下の数、nは2ないし3の数、wは0を含む9以下の数]で表される硫酸塩または塩化物の群より選ばれる少なくとも1種の第一鉄または第二鉄の塩類化合物からなる粉粒体または含水体を好適に挙げることができる。特に本発明に好適に採択される具体的な鉄含有成分としては、2価または3価の水酸化鉄化合物が特に有効である。しかし、入手容易な面から、2価または3価の塩化鉄や硫酸鉄等を好適に挙げることができる。
本発明においては、処理・処分に窮している含リン焼却灰を改質対象素材として、不活性化剤ならびに不溶化剤を暫時加えて混和して含水混和物として、必要に応じて形状化処理により加工形状化して含水形状化物とし、次いで該含水混和物または該含水形状化物を少なくとも常温に開放してpH10未満が確保されて無公害型複合母体に形成される不特定形状体もしくは特定形状体からなる結着形状体に改質する養生工程からなる一連の作業工程に付することにより改質調製された再生利用可能な無公害型含リン再資源化資材を工業用資材、建材・土木資材または植物育成基材等の用途に提供することができる。
本発明においては、本発明に係る不活性化剤、不溶化剤、含水混和物、無公害型含リン再資源化資材等の諸物性・性能等を評価するため、JIS規格に準拠した分析方法を基本とするが、本発明で特定される試験・分析方法を採択して評価する場合もある。
なお、本明細書においては「部」および「%」の記載は、特記しない限り「質量」を以って示し、容量リッターの本文中表示記載を「L」を以って表示することがある。
水溶出pH値の測定は、土質試験法における「土懸濁液のpH試験」に準拠して行った。供試料の試験体から有姿ではあるが粒径10mm以下の粒径部分20g を採取して、20℃でpH7の純水を100g の入った容器に投入して撹拌し3時間以上静置した溶出検液をpHメーターによりpH測定し、試験体の5質量倍水に対するサスペンジョン溶出検液におけるpH値として測定した。
耐水性の確認試験は、粉部分を除いた各成型体(含む粉粒体)状からなる試験体を供試試料として、試験体10gを水100gの入った容器に投入し、ゆっくりと10分間攪拌し、試験体の形状が形状を維持して形状が崩れのない場合を耐水性「あり」と評価し、試験体の形状が崩壊もしくは泥状化する場合を耐水性「なし」と評価した。
再泥化試験は、上記耐水性確認試験と同様にして、粉部分を除いた各成型体状の試験体10gを水100gの入った容器に投入し、ゆっくりと10分間攪拌し、静置したとき攪拌液が濁り状態を呈して、明らかに試験体の成型体状態が崩壊している場合を再泥化「有り」とし、成型体状態が確保されている場合を再泥化「無し」と評価した。
4- 1.強度試験用試験体の調製
強度試験用試験体は、JGS0813「安定処理土の突固めをしない供試体作製方法」に準拠して、本実施例に記載配合により全体を均質に混和し、各性状に調製され混和物をφ50×100mmの円柱状プラスチック製の容器(参照:JISR5201)に注入充填し、特記ない限り表面をビニールフイルムで覆って密封状態で28日間室温(約25℃)で反応・養生した後脱型する手順で調製した円柱状試験体を供試料試験体とした。
4- 2.一軸圧縮強度試験:
一軸圧縮強度試験は、JIS A 1216(土の一軸圧縮試験方法)に準拠して、上記手順で調製した円柱状試験体(φ5×10cm:n=3)を一軸方向で圧縮破壊強度(q)を測定し、この時の圧縮破壊強度(q)をkN/m2 単位で表示した。
コーン指数は、JIS A 1228(締固めたに土のコーン指数試験方法)記載の方法に準拠して、4.75mmふるいを通過した土をモールド内に突き固めにより締固めた供試体について、ポータブルコーンぺネトロメーターを用いてコーン指数を求めた貫入試験法により平均貫入抵抗力=qcを求め、kN/m2 で表した。
本発明においては、対象素材や活用品(試験体)における含有する溶出有害元素群の主たる組成分析は、土壌分析法における底質調査方法IIしくは蛍光X線分析法により分析した。含有微量元素群も同様試験方法に準拠して行った。
有害元素群の水溶出量は、下記2種類のpH域溶出試験方法による検液を分析し測定して評価した。
(1)中性域における溶出試験(環境省46号溶出試験法):中性溶出試験
(2)酸性域における溶出試験( オランダNEN7341溶出試験法) :酸性溶出試験
6−1−1 試料の作成
供試料を風乾し、中小礫、木片等を取り除き、土塊、団粒を粗砕した後、非金属製2mm目篩を通過させた供試料を十分に均質化して溶出試験用試験体とした。
6−1−2 試料液の調製
溶出試験用試験体(g)を溶媒(純水に必要に応じて塩酸を加え、水素イオン濃度指数が5.8以上6.3以下となるように調製した)に重量比10%の割合で混合し、且つ、その混合液が500ml以上となるようにして調製試料液とする。
6- 1- 3 元素群の溶出
調製試料液を常温(おおむね20℃)常圧(おおむね1 気圧)で振とう機(あらかじめ振とう回数を毎分約200回に、振とう幅を4cm以上5cm以下に調整したもの)を用いて、6時間連続して振とうする。
6−1−4 検液の作成
以上の操作による試料液を10分〜30分静置後、毎分約3,000回転で20分間遠心分離し、上澄液を孔径0.45μmのメンブランスフィルターでろ過してろ液を採り、定量に必要な正確な量を検液とする。
6−2−1 試料の作成
40℃で乾燥させたもので、95%以上の粒子が125μmのふるいを通過させた供試試料を十分に均質化して溶出試験用試験体とした。
6−2−2 試料液の調製
溶出試験用試験体16gに蒸留水800gを加え、1モル/Lの硝酸でpH7に調製しながら維持して3時間撹拌する。次いで、孔径0.45μmのメンブランスフィルターでろ過してろ液を取り、定量に必要な量を正確に計り取り、これをpH7溶出液とする。さらにpH7溶出のろ過残渣に蒸留水800gを加え、今度は1モル/Lの硝酸でpH4に調製しながら維持して3時間撹拌する。次いで、孔径0.45μmのメンブランスフィルターでろ過してろ液を取りpH4の酸性域溶出液とする。
6- 2- 3 元素群の溶出
調製試料液を常温(おおむね20℃)常圧(おおむね1 気圧)で攪拌機(スターラー)により溶液を3時間連続して攪拌する。
6−2−4 検液の作成
以上操作を行って得られたpH7溶出液とpH4溶出液とを加え混合して、定量に必要な量を正確に計り取って、これを検液とする。
各検液における元素群の分析測定方法は、下記に記載される方法に準拠して行った。
Cd;JIS K0102・ 55.4
Pb:JIS K0102・ 54.4
Cr:JIS K0102・ 65.1.5
As:JIS K0102・ 61.2
Se:JIS K0102・ 67.2
Hg:昭和46年12月環境庁告示第59号付表1
F :JIS K0102・ 34.1
B :昭和46年12月環境庁告示第59号付表7
Na:JIS K0102・ 48.1
本参考例における改質対象素材である含リン焼却灰としては、表2に示した主成分の組成(質量%)ならびに有害な元素群の中性域溶出試験結果(mg/L)、さらに酸性域溶出試験結果(mg/kg)を有する下水汚泥の焼却灰4種類を選んだ。
また本参考例においては、本実施例で採択する不溶化剤を構成する必須成分ならびに任意成分として、市販工業薬品類から選んだ材料により表3に示す組成内容にワンパック化された不溶化剤から選んだ。
さらに、本実施例で採択した水は、水道水を選んだ。
本参考例においては、本実施例で採択する不活性化剤を構成する活性なカルシウム化合物としては、生石灰(MC−1)、消石灰(MC−2)ならびに市販セメント(MC−3)から選んだ。また、本実施例で採択する不溶化剤における必須成分ならびに任意成分を構成する材料としては、表3に示す組成内容を有する材料を選んだ。さらに、本実施例で採択する水は水道水を採択した。
本実施例において、熱履歴を受けているケイ酸塩を主成分とする低カルシヤ含リン焼却灰を改質対象素材として、不活性化剤および不溶化剤を活用する一連の作業工程に付する改質方法により無害化処理ならびに形状化処理が施された無公害型含リン再資源化資材の代表的な実施例について説明する。
なお、本実施例においては、本発明技術の効果を明確にするため、本発明改質方法の比較例について、従来技術を含めて併せ説明し、本実施例と対比させた。
改質対象素材は、表2に示した試料番号T3を選んだ。
本実施例で選択した不活性化剤は、試料番号MC−2消石灰を選んだ。
本実施例で選択した不溶化剤は、表4に示した不溶化剤の中から表5に示した不溶化剤を選んだ。
本実施例における一連の作業工程は、セメントモルタル試験用ミキサー(ソイルミキサーSE20:(株)丸東製作所、以下「ミキサーS」と略記)を用いて行った。
不活性含水化工程としては、ミキサーSに表5に示す量割合で改質対象素材の含リン焼却灰に不活性化剤と水を投入し、約60秒間均質混和混練して含水高カルシヤ含リン混和物を調製し、同ミキサーS中で混和混練した含水高カルシヤ含リン混和物を約3時間常温で放置して不活性化を完成させた。
さらに次いで行った養生工程としては、ここに造粒した顆粒状含水形状化物を常温の開放条件下に取り出し、7日間放置する養生工程に付して、それぞれ無害化処理ならびに形状化処理の施された無公害型複合母体からなる顆粒状結着形状体を供試料とした。
なお、本実施例においては、下記表5に示す5 種類の比較例を選び対比させた。各配合
量割合は表5に併せ表示する。
−1]を選び、本発明不活性化剤による不活性含水化工程を採択しない場合を挙げた。
試料番号H−02は、本発明不活性化剤と不溶化剤を多段に加えるのでなく、両者をワ
ンパック化した不溶化剤(試料番号H−1)を含リン焼却灰に水を介して1段で混和した場合を挙げた。不溶化剤(試料番号H−1)は、生石灰100質量部に対して、表3に示した不溶化剤から試料番号A−1を20質量部加えてワンパック品を選んだ。
試料番号H−03は、本発明者等の先願発明[特願2005−380986]明細書の
参考例ならびに実施例の記載の焼却灰処理方法における処理剤[配合内容(質量部):
苛性ソーダ2、カルシヤ100、硫酸バンド3]を不溶化剤として処理した場合を挙げた。
試料番号H−04は、不溶化剤に市販セメント粉末を選んだ場合を挙げた。
試料番号H−05は、不溶化剤に工業薬品生石灰を選んだ場合を挙げた。
試料番号H−06は、不溶化剤に市販2 号ケイ酸ソーダ粉末を選んだ場合を挙げた。
処理物の調製方法は、基本的に本実施例に準拠した。
また、本発明の改質法に対比させて、2段の処理でなく1段の処理では、重金属類の安定した固定・不溶化は未完成な状態にあり、含リン焼却灰に含有する活性なリン成分を予め不活性化せしめて本発明における不活性化処理の必要性が明確される。また、本発明者等の先願技術で低カルシウム含リン焼却灰を処理した場合、有リン成分の阻害機能によりアルミノケイ酸塩からなる水不溶性鉱物の形成が阻害される様子が理解される。
さらに従来技術である市販セメントないし生石灰により低カルシウム含リン焼却灰を処理した場合、中性域溶出試験で環境基準値内を確保することはできず、また酸性域溶出試験で有害重金属類の固定・不溶化が不安な状態にあり、しかも処理物のpH値が10を越えていることが確認される。また、従来技術である水ガラスにより低カルシウム含リン焼却灰を処理した場合、全く重金属類の固定・不溶化効果のないことが明確に理解される。
以上の比較例に対して、本発明の改質法により含リン焼却灰を不溶化剤による不活性含水化工程、次いで不溶化工程からなる本発明一連の作業工程により処理して回収された各接着形状体は、水溶出pH値が10未満を示し、再泥化しない耐水性に形状化処理が施され、しかも中性域のみならず酸性域においても水溶出有害元素群は固定・ 不溶化状態に無害化処理が施されて無公害型複合母体からなる顆粒状結着形状体が調製されており、無公害型含リン再資源化資材として有効に提供できることが良く理解される。
本実施例において、各種の含リン焼却灰である下水汚泥焼却灰を改質対象素材として、各種の不活性化剤および不溶化剤を活用して条件の異なる一連の作業工程に付する改質方法により無害化処理ならびに形状化処理が施された無公害型含リン再資源化資材の代表的な実施例について説明する。
本実施例における改質対象素材である含リン焼却灰としては、表2に示されている下水汚泥焼却灰から試料番号(T1)、(T2)および(T3)を選んだ。
本実施例における不活性化剤は、生石灰(MC−1)、消石灰(MC−2)から選び、不溶化剤は表4に示す組成内容と量の不溶化剤から選んだ。水は水道水を選んだ。
本実施例で選んだ不活性化剤ならびに不溶化剤の種類ならびに配合量は表9に示す。
さらに一連の作業工程である養生工程としては、ここに回収した顆粒状含水不溶化混和物を開放条件下で各所定時間常温に放置して無害化処理ならびに形状化処理を施し、各顆粒状の無公害型複合母体からなる顆粒状結着形状体を調製した。
ここに調製した顆粒状の試験供試料を[物性評価試験方法]項記載の方法に則り、中性域における溶出試験、ならびにpH値、再泥化の有無試験、コーン指数試験(kN/m2 )を行い、それらの結果を表10に併せ表示する。
本実施例において、不活性含水化工程と形状化工程を並列させて調製した不活性化ならびに形状化の施された顆粒状物に対して、不溶化工程を施すために液状の不溶化剤をまぶし・含浸せしめてから養生工程に付する一連の作業工程を連続して行った改質方法により無害化処理ならびに形状化処理が施された無公害型含リン再資源化資材の代表的な実施例について説明する。
本実施例における改質対象素材としては、表2に示されている下水汚泥焼却灰から試料番号(T3)に水27質量%を含む湿潤含リン焼却灰500gを選んだ。
本実施例における不活性含水化工程において、不活性化剤には、消石灰(MC−2)70gを選び、水には水道水200gを選んだ。以上の材料を実施例1記載のミキサーSに投入し、約30秒混練・撹拌して顆粒状含水高カルシヤ含リン混和物に調製した。
本実施例における不溶化剤としては、予め水100gに表3に示したケイ酸ソーダ粉末3gを溶かし込み、次いでこの中に表3に示した硫酸バンド14gを溶かし込んで予め調整された溶液状の不溶化剤(試料番号A−1)を選んだ。
本実施例における不溶化工程ならびに形状化工程としては、不活性含水化工程と同一の実施例1記載のミキサーSにて調製された顆粒状含水高カルシヤ含リン混和物に対して、予め調製した溶液状の不溶化剤(試料番号A−1)全量を加え、約30秒間軽く撹拌して溶液状不溶化剤を均質にまぶし含浸させて顆粒状含水不溶化混和物を調製した。
次いで顆粒状含水不溶化混和物を常温の開放条件下に28日間間放置する養生工程に付して不活性化の完成した含水高カルシヤ含リン混和物を調製して回収し、無害化処理ならびに形状化処理が施されている顆粒状の無公害型複合母体からなる結着形状体(試料番号3−1)を調製した。
ここに調製した顆粒状の試験供試料を[物性評価試験方法]の項に記載された方法に則り、中性域ならびに酸性域における溶出試験、ならびにpH値、再泥化の有無試験、コーン指数試験(kN/m2 )を行い、それらの結果を表11に併せ表示する。
本実施例において、カルシヤ含有量の高い含リン焼却灰に対して一旦水を加えて含水高カルシヤ含リン混和物に調製した後、該含水高カルシヤ含リン混和物に不溶化剤を加えて混和する不溶化工程を施し、次いで養生工程に付する一連の作業工程を連続して行った改質方法により無害化処理ならびに形状化処理が施された無公害型含リン再資源化資材の代表的な実施例について説明する。
本実施例における含リン焼却灰としては、表2に示した試料番号T−4の含リン焼却灰を選んだ。水は水道水を選んだ。
本実施例における不溶化剤は、表4に示す不溶化剤の中から試料番号A−1ならびに試料番号A−7の2種類を選んだ。
含リン焼却灰に対する水ならびに不溶化剤の配合量を表12に示す。
本実施例における一連の作業工程は、実施例1記載のミキサーSを用いて、含リン焼却灰に対して所定量の水を加えて30秒間混和混練して含水高カルシヤ含リン混和物に調製する。次いで、同一装置内で該含水高カルシヤ含リン混和物に所定量の不溶化剤を加えて30秒間混和混練するとともに顆粒状の含水不溶化混和物を回収する。
さらに一連の作業工程である養生工程としては、ここに回収した顆粒状含水不溶化混和物を開放条件下で各所定時間常温に放置して無害化処理ならびに形状化処理が施し、各顆粒状の無公害型複合母体からなる顆粒状結着形状体を調製した。
Claims (15)
- 熱履歴を受けているケイ酸塩を主成分とする低カルシヤ含リン焼却灰からなる改質対象素材に対して、水を介して不活性化剤を均質混和して含有リン成分を不活性化した含水高カルシヤ含リン混和物とする不活性含水化工程、次いで該含水高カルシヤ含リン混和物に対して不溶化剤を均質接触して共存有害元素群を不溶化した含水不溶化混和物とする不溶化工程、さらに必要に応じて該含水不溶化混和物を加工形状化した含水形状化物とする形状化工程、次いで該含水不溶化混和物または該含水形状化物を所定雰囲気中に開放して改質養生した無公害型複合母体からなる結着形状体とする養生工程で構成される一連の作業工程により、低カルシヤ含リン焼却灰に無害化処理ならびに形状化処理を施して無公害型含リン再資源化資材に改質処理する改質方法において;
上記の低カルシヤ含リン焼却灰が、水溶出有害元素群である土壌汚染の環境基準項目で示されるカドミウム、砒素、水銀、鉛、クロム、セレン、ホウ素またはフッ素の群より選ばれる単独ないし2種以上の組み合わせ元素群が環境基準値を超える範囲で共存し、乾燥物の酸化物基準で表して五酸化リン成分を2ないし24質量%、シリカ成分を20ないし50質量%、アルミナ成分を8ないし30質量%、およびカルシヤ成分を5ないし15質量%を主成分とする低カルシヤ含リン焼却灰で構成される粉粒体、または該粉粒体100質量部に対して水が40質量部以下の量割合で加えられている湿潤もしくは含水状態にある含水体であり;
上記の不活性化剤が、下記組成式(1)
CaO・aSiO2・wH2O ……………… (1)
[式中:aは零を含む3以下の数w は零を含む2 以下の数]で表され、カルシヤを酸化物基準で表して35質量%以上含有して、水サスペンのpH値が11以上である活性なカルシウム化合物で構成される粉粒体もしくは含水体であり;
上記の不溶化剤における有効成分が、以下乾燥物換算の酸化物基準で表してシラノール基を保持するシリカ含有成分のシリカ100質量部に対して、アルミナ含有成分のアルミナを30ないし100質量部、ならびにナトリウム含有成分の酸化ナトリウムを3ないし70質量部を必須成分とし、必要に応じて硫黄含有成分の硫黄のオキシ酸を1ないし45質量部、ならびに2価または3価の鉄含有成分の酸化鉄を1ないし10質量部を任意成分として複合ワンパックされて構成される粉粒体もしくは含水体であり;
上記の不活性含水化工程が、乾燥物基準で表して低カルシヤ含リン焼却灰100質量部に対して、不活性化剤6ないし25質量部を加え、さらに必要に応じて混和物系内の水含有量を130質量部に相当する範囲内で加えて少なくとも常温で均質混和せしめて、次いで少なくとも1時間放置してpH値で10以上のバサバサ状、可塑状、マヨネーズ状、糊状またはスラリー状の含水高カルシヤ含リン混和物とする工程であり;
上記の不溶化工程が、乾燥物基準で表して含水高カルシヤ含リン混和物100質量部に対して、不溶化剤2ないし19質量部を加え、必要に応じて混和物系内の水含有量を130質量部に相当する範囲内で加えて少なくとも常温で均質接触せしめてバサバサ状、可塑状、マヨネーズ状、糊状またはスラリー状の含水不溶化混和物とする工程であり;
上記の形状化工程が、必要に応じて含水高カルシヤ含リン混和物または含水不溶化混和物を目的・用途に応じて粉粒、造粒、成型、結着、被覆もしくは固結からなるか不特定形状体もしくは特定形状体に加工形状化して含水形状化物とする工程であり;
上記の養生工程が、含水不溶化混和物または含水形状化物を密封または開放状態で常温から100℃範囲の雰囲気中に少なくとも15分間放置して水を介した改質養生されて、無害化処理および形状化処理が施された無公害型複合母体からなる結着形状体とする工程であり;
上記の無公害型複合母体が、改質対象素材に共存する有害な水溶出元素群を環境基準値以下に固定・不溶化せしめ、同時にアルカリ成分をpH10未満に確保せしめる無害化処理が施されている含リン焼却灰の処理体であり;
上記の結着形状体が、粉粒体の改質対象素材を結着硬化せしめて水中で再泥化しない状態に形状化処理が施されている含リン焼却灰の処理体であり;
上記の改質方法が、有害な元素群を共存する粉粒体の含リン焼却灰に対して、不活性含水化工程、不溶化工程、必要に応じて形状化工程、さらに養生工程で構成される一連の作業工程を施して、無公害型複合母体からなる結着形状体である無公害型含リン再資源化資材に改質処理することを特徴とする改質方法。 - 前記の含水高カルシヤ含リン混和物が、水溶出有害元素群である土壌汚染の環境基準項目で示されるカドミウム、砒素、水銀、鉛、クロム、セレン、ホウ素またはフッ素の群より選ばれる単独ないし2種以上の組み合わせ元素群を環境基準値を超える範囲で共存している含リン含水汚泥にカルシヤ成分を共存せしめて少なくとも800℃で焼却して回収される高カルシヤ含リン焼却灰に対して水を保持せしめた混和物であり;
上記の高カルシヤ含リン焼却灰が、乾燥物の酸化物基準で表して五酸化リン成分を2ないし24質量%、シリカ成分を20ないし50質量%、アルミナ成分を8ないし30質量%、およびカルシヤ成分を16ないし40質量%を主成分としており;
上記の含水高カルシヤ含リン混和物が、高カルシヤ含リン焼却灰の100質量部に対して、水含有量を100質量部に相当する範囲内で加えて混和した湿潤状態もしくは含水状態にある含水高カルシヤ含リン混和物である請求項1記載の改質方法。 - 前記の不活性化剤が、生石灰または消石灰の単独または複合のカルシウム化合物からなる粉粒体もしくは含水体である請求項1記載の改質方法。
- 前記の不活性化剤が、水サスペンのpH値で11以上を示す製鉄業界から副生される高炉スラグ粉末、廃棄物類の焼却場より排出されてカルシヤ含有量の高い焼却灰類、工業的の生産されているポルトランドセメント・アルミナセメントのセメント類、ゾーノトライト・ウオラストナイト・アモロファスのケイ酸カルシウム類の群より選ばれる単独ないし2種以上の組み合わせのカルシウム化合物からなる粉粒体もしくは含水体である請求項1記載の改質方法。
- 前記の不溶化剤における有効成分の必須成分構成が、シラノール基を保持するケイ酸ナトリウムならびに硫酸アルミニウムで複合ワンパック化されて構成されている粉粒体もしくは含水体である請求項1記載の改質方法。
- 前記の不溶化剤における有効成分の必須成分構成が、含水非晶質シリカならびにアルミン酸ナトリムで複合ワンパック化されて構成されている粉粒体もしくは含水体である請求項1記載の改質方法。
- 前記の不溶化剤における有効成分または任意成分が、水に分散または溶解されている含水体である請求項1記載の改質方法。
- 前記の不溶化工程が、含水高カルシヤ含リン混和物に形状化処理が施されている含水形状化物に対して、不溶化剤を水に分散または溶解せしめた不溶化剤の含水体を少なくとも常温で含浸またはまぶし手段により均質接触せしめ、次いで少なくとも3時間放置して不特定形状体または特定形状体からなる形状化されている含水不溶化混和物とする工程である請求項1記載の改質方法。
- 前記の一連の作業工程における不活性含水化工程ならびに不溶化工程が、同一設備内で連続して行われて不活性含水化工程と不溶化工程を複合した工程である請求項1記載の改質方法。
- 前記の一連の作業工程における不活性含水化工程ならびに形状化工程が、同一設備内で連続して行われて不活性含水化工程と形状化工程を複合した工程である請求項1記載の改質方法。
- 前記の一連の作業工程における不溶化工程ならびに形状化工程が、同一設備内で連続して行われて不溶化工程と形状化工程を複合した工程である請求項1記載の改質方法。
- 前記の一連の作業工程における不活性含水化工程ならびに不溶化工程、さらに必要に応じて行う形状化工程が、同一設備内で連続して行われて不活性含水化工程と不溶化工程と形状化工程を複合した工程である請求項1記載の改質方法。
- 請求項1ないしは12のいずれが1項記載の改質方法からなる一連の作業工程による無害化処理ならびに形状化処理を低カルシヤ含リン焼却灰または高カルシヤ含リン焼却灰を改質対象素材として調製されている該含水高カルシヤ含リン混和物に施して、無公害型複合母体からなる不特定形状体もしくは特定形状体である結着形状体に改質処理されている無公害型含リン再資源化資材において;
上記の無公害型複合母体が、低カルシヤ含リン焼却灰または高カルシヤ含リン焼却灰に対して水を介した一連の作業工程に付することにより共存する水溶出有害元素群を環境基準値以下に固定・不溶化せしめ、水溶出pH値が10未満に確保せしめる無害化処理が施されている無公害型複合母体であり;
上記の結着形状化体が、低カルシヤ含リン焼却灰または高カルシヤ含リン焼却灰に対して水を介した一連の作業工程に付することにより、改質対象素材の粉粒体を水中分散で再泥化を起こさない形状化処理が施されている耐水性結着体であり;
上記の無公害型含リン再資源化資材が、無公害型複合母体からなる結着形状体に無害化処理ならびに形状化処理が施されて、コーン指数(qc=kN/m2 )で200以上が確保され、粉粒体、砂状体または顆粒体からなる不特定形状体、もしくは成型体、構造体または結着体からなる特定形状体である工業用資材、建材・土木資材、生活関連資材または植物育成基材の用途に供給されることを特徴とする無公害型含リン再資源化資材。 - 前記の無公害型複合母体からなる結着形状体が、低カルシヤ含リン焼却灰または高カルシヤ含リン焼却灰に共存の有害な水溶出元素群を環境基準値以下に固定・不溶化された後、自然界に少なくとも30日間放置したときに中性域における有害元素群の水溶出量が環境基準値以下でpH値が10未満である無公害型処理体に改質する無害化処理が施されている請求項13記載の無公害型含リン再資源化資材。
- 前記の無公害型複合母体からなる結着形状体が、含リン焼却灰に共存する有害な水溶出元素群を環境基準値以下に固定・不溶化された後、自然界に少なくとも30日間放置してカドミウム、鉛、クロム、砒素またはセレンの元素群からなる有害重金属の酸性域における溶出量が1mg/kg以下でpH値が10未満である無公害型に改質する無害化処理が施されている請求項13記載の無公害型含リン再資源化資材。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2006173967A JP4794372B2 (ja) | 2006-06-23 | 2006-06-23 | 含リン焼却灰の改質方法ならびに無公害型含リン再資源化資材 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2006173967A JP4794372B2 (ja) | 2006-06-23 | 2006-06-23 | 含リン焼却灰の改質方法ならびに無公害型含リン再資源化資材 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2008000707A true JP2008000707A (ja) | 2008-01-10 |
JP4794372B2 JP4794372B2 (ja) | 2011-10-19 |
Family
ID=39005506
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2006173967A Active JP4794372B2 (ja) | 2006-06-23 | 2006-06-23 | 含リン焼却灰の改質方法ならびに無公害型含リン再資源化資材 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP4794372B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2014005350A (ja) * | 2012-06-22 | 2014-01-16 | Taiheiyo Material Kk | 土工材料 |
Citations (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS6178483A (ja) * | 1984-09-25 | 1986-04-22 | Mitsui Eng & Shipbuild Co Ltd | 焼却灰の固化方法 |
JPH09235147A (ja) * | 1996-03-01 | 1997-09-09 | Kawasaki Heavy Ind Ltd | 燃焼灰から安定な固化体を製造する方法 |
JP2000506059A (ja) * | 1996-02-28 | 2000-05-23 | ソルベイ(ソシエテ アノニム) | 灰の不活性化法 |
JP2003275730A (ja) * | 2002-03-22 | 2003-09-30 | Japan Science & Technology Corp | 下水汚泥焼却灰からの有害物質の溶出抑制方法 |
JP2005138073A (ja) * | 2003-11-10 | 2005-06-02 | Kawasaki Heavy Ind Ltd | 廃棄物の安定化処理固化物 |
-
2006
- 2006-06-23 JP JP2006173967A patent/JP4794372B2/ja active Active
Patent Citations (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS6178483A (ja) * | 1984-09-25 | 1986-04-22 | Mitsui Eng & Shipbuild Co Ltd | 焼却灰の固化方法 |
JP2000506059A (ja) * | 1996-02-28 | 2000-05-23 | ソルベイ(ソシエテ アノニム) | 灰の不活性化法 |
JPH09235147A (ja) * | 1996-03-01 | 1997-09-09 | Kawasaki Heavy Ind Ltd | 燃焼灰から安定な固化体を製造する方法 |
JP2003275730A (ja) * | 2002-03-22 | 2003-09-30 | Japan Science & Technology Corp | 下水汚泥焼却灰からの有害物質の溶出抑制方法 |
JP2005138073A (ja) * | 2003-11-10 | 2005-06-02 | Kawasaki Heavy Ind Ltd | 廃棄物の安定化処理固化物 |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2014005350A (ja) * | 2012-06-22 | 2014-01-16 | Taiheiyo Material Kk | 土工材料 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP4794372B2 (ja) | 2011-10-19 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
Diaz-Loya et al. | Toxicity mitigation and solidification of municipal solid waste incinerator fly ash using alkaline activated coal ash | |
KR100860017B1 (ko) | 공정오니 및 슬러지를 이용한 토목 및 건축자재용 흙골재조성물 및 이의 제조방법 | |
Hendrych et al. | Stabilisation/solidification of landfill leachate concentrate and its residue obtained by partial evaporation | |
Piekkari et al. | Immobilization of heavy metals, selenate, and sulfate from a hazardous industrial side stream by using calcium sulfoaluminate-belite cement | |
JP2014057949A (ja) | 公害型廃石膏類の処理法ならびに無公害型石膏組成物 | |
JP5205844B2 (ja) | 有害化学物質を含む石炭灰を利用する粒状物の製造方法、並びに該方法で得られる粒状物及び資源材 | |
Singh et al. | Solidification and stabilization of hazardous wastes using geopolymers as sustainable binders | |
WO2016108245A1 (en) | Process for complete conversion of multiple industrial wastes to sustainable alternatives and usable products | |
JP2005097069A (ja) | 常温水硬性の処理材、処理材の活用利用方法、処理材で改質処理されている改質処理品ならびに処理材で加工調製されている無機質成型品 | |
JP2006247645A (ja) | 改質処理剤、熱履歴シリケートの改質処理方法ならびに熱履歴シリケートが改質処理された結着形状体 | |
JP6267922B2 (ja) | 有害物質処理薬剤 | |
Bouzalakos et al. | Controlled low-strength materials containing waste precipitates from mineral processing | |
Gunning | Accelerated carbonation of hazardous wastes | |
JP2004050158A (ja) | 重金属類固定化材ならびに汚染土壌の処理工法 | |
JP2017145294A (ja) | 有害物質の溶出防止剤および溶出防止方法 | |
Tyagi et al. | A review on recent trends in solidification and stabilization techniques for heavy metal immobilization | |
KR100509932B1 (ko) | 사업장 폐기물을 이용한 하수 슬러지용 고화제 제조방법 | |
JP4794372B2 (ja) | 含リン焼却灰の改質方法ならびに無公害型含リン再資源化資材 | |
JP7306658B2 (ja) | 無機系産業廃棄物再生品の製造方法 | |
JP4209224B2 (ja) | 硫化カルシウム系重金属固定化剤の製造方法 | |
WO2010087647A2 (ko) | 슬러지를 이용한 건자재 및 이의 제조 방법 | |
JP5077777B2 (ja) | 溶出低減材および溶出低減処理方法 | |
JP2004313826A (ja) | 有害物質捕集材 | |
Jihad et al. | A REVIEW OF SOLIDIFICATION/STABILIZATION OF HEAVY METAL CONTAMINATED SOIL | |
CN114790095B (zh) | 一种焚烧垃圾飞灰再利用工艺技术 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20090617 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20110221 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20110301 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20110426 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20110517 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20110708 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20110726 |
|
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20110726 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 Ref document number: 4794372 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140805 Year of fee payment: 3 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
S111 | Request for change of ownership or part of ownership |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313117 |
|
R360 | Written notification for declining of transfer of rights |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R360 |
|
R370 | Written measure of declining of transfer procedure |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R370 |
|
S111 | Request for change of ownership or part of ownership |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313117 |
|
R350 | Written notification of registration of transfer |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |