JP2007516180A - c−Met阻害薬としてのアリールメチルトリアゾロおよびイミダゾピラジン類 - Google Patents

c−Met阻害薬としてのアリールメチルトリアゾロおよびイミダゾピラジン類 Download PDF

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Abstract

本発明は、式中のR1〜R6、R11〜R13、X、およびYが本明細書中で定義される式(I)〜(IV)の化合物およびそれらの薬学的に許容できる塩に関する。これらの化合物はc−Metの活性を調節し、それゆえ癌などのc−Metが関係する疾病の予防および治療に役立つと予想される。

Description

関連出願の相互参照
本願は、2003年7月2日出願の米国仮出願番号第60/484,220号に関する特典を請求し、この開示内容はその全体が参照により本明細書に組み込まれる。
下記は背景情報として提供するに過ぎず、本発明にとっての従来技術であることを認めるものではない。
タンパク質キナーゼ(「PK」)は、タンパク質のチロシン、セリン、およびトレオニン残基上の水酸基のリン酸化を触媒する酵素である。このうわべの単純な作用の結果は食い違っており、細胞の成長、分化、および増殖、すなわちいろいろな点において細胞寿命の実質上すべての局面がPK活性に左右される。さらに異常なPK活性は、乾癬などの比較的寿命を脅かさない疾患から膠芽細胞腫(脳の癌)などのきわめて悪性の疾患にわたる障害のある宿主と関係している。
これらPKは便利には2つの種類、すなわちタンパク質チロシンキナーゼ類(PTK)とセリン−トレオニンキナーゼ類(STK)に分類されることができる。
PTK活性の主要な局面の一つは、それらの成長因子受容体との係わり合いである。成長因子受容体は細胞表面タンパク質である。成長因子リガンドと結合すると成長因子受容体は、細胞膜の内側表面でタンパク質と相互作用する活性な形態に転換する。これは、受容体および他のタンパク質のチロシン残基上でのリン酸化を引き起し、またその結果として細胞***(増殖)、細胞分化、細胞成長、細胞外微小環境への代謝効果の発現などの非常に多くの細胞応答を行う様々な細胞質シグナル分子との複合体の細胞内での形成を引き起こす。より完全な考察については、本明細書中に完全に示したのと同様に図面も含めて参照により組み込まれるSchlessinger and Ullrich, Neuron 9: 303-391 (1992)を参照されたい。
PTK活性を有する成長因子受容体は、レセプターチロシンキナーゼ類(「RTK」)として知られている。これらは多様な生物活性を有する膜貫通受容体の大きな系統群を含んでいる。現在、少なくとも19種の別個のRTKの亜群が識別されている。それらの例は「HER」RTKと呼ばれる亜群であり、これらにはEGFR(上皮成長因子受容体)、HER2、HER3、およびHER4が含まれる。これらのRTKは、細胞外グリコシル化リガンド結合ドメイン、膜貫通ドメイン、およびタンパク質上でチロシン残基をリン酸化することができる細胞内細胞質触媒ドメインからなる。
別のRTKの亜群は、インスリンレセプター(IR)、インスリン様成長因子I受容体(IGF−1R)、およびインスリンレセプター関連受容体(IRR)からなる。IRおよびIGF−1Rは、インスリン、IGF−I、およびIGF−IIと相互作用して、完全に細胞外でグリコシル化した2種類のサブユニットと、細胞膜を横切りかつチロシンキナーゼドメインを含有する2種類のサブユニットのヘテロ四量体を形成する。
第三のRTK亜群は、血小板由来成長因子受容体(「PDGFR」)グループと呼ばれ、PDGFR、CSFIR、c−kit、およびc−fmsが含まれる。これらの受容体は、可変の数の免疫グロブリン様ループから構成されるグリコシル化した細胞外ドメインと、チロシンキナーゼドメインが無関係のアミノ酸配列によって分断されている細胞内ドメインからなる。
時にPDGFRの亜群との類似性のために該グループに包含される別のグループは、胎児肝臓キナーゼ(「flk」)受容体の亜群である。このグループは、キナーゼ挿入ドメイン−受容体胎児肝臓キナーゼ−1(KDR/FLK−1)、flk−1R、flk−4、およびfms様チロシンキナーゼ(flt−1)から作られると考えられている。成長因子受容体系統群のさらに別の構成員は、血管内皮成長因子(「VEGF」)受容体の亜群である。VEGFは、PDGFに似た二量体の糖タンパク質であるが、in vivoで様々な生物学的機能と標的細胞特異性を有する。特にVEGFは、脈管形成および血管形成において欠くことのできない役割を演ずると現在では考えられている。
チロシンキナーゼ成長因子受容体系統群のさらなる構成員は、線維芽細胞成長因子(「FGF」)受容体の亜群である。このグループは、4種類の受容体FGFR1〜4および7種類のリガンドFGF1〜7からなる。まだ完全には明確にされていないが、これら受容体は可変の数の免疫グロブリン様ループを含有するグリコシル化した細胞外ドメインと、そのチロシンキナーゼ配列が無関係のアミノ酸配列の領域によって分断されている細胞内ドメインとからなるように見える。
チロシンキナーゼ成長因子受容体系統群のさらに別の構成員は、しばしばc−Metと呼ばれるMETである。c−Metはまた、肝細胞成長因子受容体または細胞分散因子受容体として知られている。c−Metは、原発性腫瘍の成長および転移において役割を演ずると考えられる。
これら周知のRTKの亜群のより完全な一覧表は、本明細書中に完全に示したのと同様に図面も含めて参照により組み込まれるPlowman et al., DN&P, 7 (6): 334-339 (1994)中に記載されている。
RTKに加えて「非レセプターチロシンキナーゼ」または「細胞チロシンキナーゼ」と呼ばれる完全細胞内RTK系統群もまた存在する。この後者の呼称は「CTK」と略され、本明細書中で使用することにする。CTKは、細胞外および膜貫通ドメインを含有しない。現在では11種の亜群(Src、Frk、Btk、Csk、Abl、Zap70、Fes、Fps、Fak、Jak、およびAck)中に24種を超えるCTKが確認されている。このSrc亜群はこれまでのところCTKの最も大きなグループであるように思われ、Src、Yes、Fyn、Lyn、Lck、Blk、Hck、Fgr、およびYrkが含まれる。CTKのより詳細な考察については、本明細書中に完全に示したのと同様に図面も含めて参照により組み込まれるBolen, Oncogene, 8: 2025-2031 (1993)を参照されたい。
セリン/トレオニンキナーゼSTKは、CTK同様、数種のSTK型のレセプターキナーゼはあるものの主に細胞内である。STKは、細胞質ゾルキナーゼ、すなわち細胞質の細胞小器官および細胞骨格とは別の細胞質の一部でその機能を果たすキナーゼの最も一般的なものである。細胞質ゾルは、そこで細胞の中間段階の代謝および生合成活動の大部分が行われる細胞内の領域であり、例えばそれはタンパク質をリボソーム上で合成する細胞質ゾル中にある。
RTK、CTK、およびSTKはすべて、特に癌を含めた宿主の発病状態にかかわっている。PTKと関連した他の発病状態には、これらに限定されないが乾癬、肝硬変、糖尿病、血管形成、再狭窄、眼病、慢性関節リウマチおよび他の炎症性の障害、自己免疫疾患などの免疫障害、アテローム性動脈硬化などの心臓血管疾患、ならびに様々な腎疾患が含まれる。
癌に関しては、腫瘍の発生を推し進める過度の細胞増殖を説明するために提案された主要な仮説のうちの2つは、PKが制御することが分かっている機能と関係している。すなわち悪性細胞の成長は細胞***および/または分化を制御する機構の崩壊から生じることが示唆された。多数の癌原遺伝子のタンパク質産物が、細胞の成長および分化を統制するシグナル伝達経路に関係していることが示された。癌原遺伝子のこれらタンパク質産物には、上記で考察した細胞外成長因子、膜貫通成長因子PTK受容体(RTK)、細胞質PTK(CTK)、および細胞質ゾルSTKが含まれる。
PKが関係する細胞の活動と種々様々なヒトの疾病との間の明らかなつながりを考慮すれば、PK活性を調節する方法を突きとめる試みに大きな努力が費やされていることは何も驚くべきことではない。これらの幾つかは、現実の細胞過程に関わるものの型にならって作られた大型の分子を用いた生体模倣的アプローチを含んだ。例えば、突然変異リガンド(米国特許出願第4,966,849号)や、可溶性受容体および抗体(PCT国際出願第WO94/10202号、Kendall and Thomas, Proc. Nat’l Acad. Sci., 90: 10705-10709 (1994)、Kim et al., Nature, 362: 841-844 (1993))や、RNAリガンド(Jelinek et al., Biochemistry, 33: 10450-56)、Takano et al., Mol. Bio. Cell, 4: 358A (1993)、Kinsella et al., Exp. Cell Res., 199: 56-62 (1992)、Wright et al., J. Cellular Phys., 152: 448-57)や、チロシンキナーゼ阻害薬(PCT国際出願第WO94/03427号、同第WO92/21660号、第WO91/15495号、第WO94/14808号、米国特許第5,330,992号、Mariani et al., Proc. Am. Assoc. Cancer Res., 35: 2268 (1994))。
上記に加えてPK阻害薬として作用する小型の分子を明らかにする試みがなされてきた。例えばビス単環式、二環式、およびヘテロ環式アリール化合物(PCT国際出願第 WO92/20642号)、ビニレン−アザインドール誘導体(PCT国際出願第WO94/14808号)、および1−シクロプロピル−4−ピリジルキノロン(米国特許第5,330,992号)が、チロシンキナーゼ阻害薬として記載されている。スチリル化合物(米国特許第5,217,999号)、スチリル置換ピリジル化合物(米国特許第5,302,606号)、キナゾリン誘導体(欧州特許出願第0 566 266A1号)、セレナインドールおよびセレニド(PCT国際出願第WO94/03427号)、三環式ポリヒドロキシル化合物(PCT国際出願第WO92/21660号)、およびベンジルホスホン酸化合物(PCT国際出願第WO91/15495号)はすべて癌治療に有用なPTK阻害薬として記載されている。
発明の概要
一態様において本発明は、以下の式I、II、またはIII:
Figure 2007516180
{式中、
XはCHまたはNであり;
各Yは独立してCHまたはNであり;
R1およびR2は独立して水素、ハロゲン、−CN、−COR7、−COOR7、−CONR7R8、−CF3、低級アルキル、シクロアルキル、ヘテロ脂環、アルケニル、およびアルキニルからなる群から選択され;
R3は、以下の:F、Cl、−OH、−OR7、−COR9、−NR7R8、−CN、−SO2R7、−S(O)R7、SO2NR7R8、−CF3、および低級アルキルからなる群から選択される置換基であり、ここで、pが2以上の場合は、各R3は独立してF、Cl、−OH、−OR7、−COR9、−NR7R8、−CN、−SO2R7、−S(O)R7、SO2NR7R8、−CF3、または低級アルキルであり;
R4およびR5は、独立して以下の:水素、ハロゲン、−OH、−COR7、−COOR7、−CONR7R8、−NR7R8、−CN、−NO2、−S(O)2R7、−S(O)R7、−SO2NR6R7、−CF3、−NR6C(O)NR7R8、−NR6C(O)R7、−NR6SO2R7により置換された又は非置換シクロアルキル、置換された又は非置換ヘテロ脂環、置換された又は非置換ヘテロアリール、置換された又は非置換アルケニル、置換された又は非置換アルキニル、および置換された又は非置換アリールからなる群から選択され、
R6、R7、およびR8は、独立して以下の:水素、低級アルキル、シクロアルキル、ヘテロ脂環、アルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、アミノアルキル、アルキルアミノアルキル、ジアルキルアミノアルキル、およびヘテロアリールからなる群から選択されるか;あるいは
R7とR8又はR6とR7は、それらが結合する原子と一緒に、以下の:アルキル、−OH、アミノ、アミノアルキル、アルキルアミノアルキル、ジアルキルアミノアルキル、アルキルアミノ、ジアルキルアミノからなる群から選択される基で任意に置換されるヘテロ脂環式の環を形成し;
R9は、以下の:H、低級アルキル、シクロアルキル、ヘテロ脂環、アルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、ジアルキルアミノアルキル、ヘテロアリール、およびアルキルアミノアルキルからなる群から選択される置換基であり;
nは1、2、または3であり、ここで、nが2以上の場合には各炭素原子上のR1およびR2基は、隣接する炭素原子上のR1およびR2基と同一でも異なってもよいと解釈され;
pは1、2、または3である。}
により表される化合物またはその薬学的に許容できる塩に関する。
好ましい実施態様において本発明は、式中、(a)nが1であり、(b)XがCHであり、(c)YがNであり、(d)R3がF、Cl、または−OR7である式(I)、(II)、または(III)の化合物に関する。
第二の側面において本発明は、以下の式IV:
Figure 2007516180
{式中、
pは1、2、または3であり;
YはCHまたはNであり;
R1およびR2は、独立して以下の:水素、ハロゲン、−CN、−COR7、−COOR7、−CONR7R8、−CF3、低級アルキル、シクロアルキル、ヘテロ脂環、アルケニル、およびアルキニルからなる群から選択され;
各R11は、独立して以下の:ハロゲン、−OH、−OR7、−COR7、−COOR7、−CONR7R8、−NR7R8、−CN、−NO2、−S(O)2R7、−S(O)R7、SO2NR7R8、−CF3、低級アルキル、シクロアルキル、ヘテロ脂環、アルケニル、アルキニル、およびアリールからなる群から選択され;
R12は、以下の:
Figure 2007516180
からなる群から選択され;
{式中、
R10は、以下の:水素、−OH、ハロゲン、−O(CH2)mNR7R8、−NHC(O)NH(CH2)mNR7R8、−C(O)NR7R8、−(CH2)mアリール、−NR6C(O)R7、−NR6SO2R7、−S(CH2)mNR7R8、−SO2R7、−S(O)R7、および−SO2NR7R8からなる群から選択され;
mは、0、1、2、または3であり;
R13は、以下の:水素、ハロゲン、−OR7、−COR7、−COOR7、−CONR7R8、−NR7R8、−CN、−NO2、−S(O)2R7、−S(O)R7、−SO2NR6R7、−CF3、低級アルキル、シクロアルキル、ヘテロ脂環、ヘテロアリール、アルケニル、アルキニル、およびアリールからなる群から選択され;
R6、R7、およびR8は、独立して以下の:水素、低級アルキル、シクロアルキル、ヘテロ脂環、アルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、アミノアルキル、アルキルアミノアルキル、ジアルキルアミノアルキルからなる群から選択されるか;あるいは、
R7とR8は、それらが結合する原子と一緒に、以下の:アルキル、−OH、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アミノアルキル、アルキルアミノアルキル、およびジアルキルアミノアルキルからなる群から選択される基で任意に置換されるヘテロ脂環式の環を形成し;
nは、0、1、2、または3であり、ここで、nが2以上の場合は各炭素原子上のR1およびR2基は、隣接する炭素原子上のR1およびR2基と同一でも異なってもよいと解釈される。}
により表される化合物またはその薬学的に許容できる塩に関する。
第三の側面において本発明は、以下の:
Figure 2007516180
の群から選択される第一または第二の側面の化合物またはその薬学的に許容できる塩に関する。
第四の側面において本発明は、本発明の第一、第二、または第三の側面の化合物によってc−Metが関係する障害を治療する方法に関する。
好ましい実施態様において、このc−Metが関係する疾病は癌である。別の好ましい実施態様において上記癌は、以下の:乳癌、肺癌、直腸結腸癌、前立腺癌、膵臓癌、神経膠腫、肝臓癌、胃癌、頭部の癌、首部の癌、黒色腫、腎臓癌、白血病、骨髄腫、および肉腫からなる群から選択される。
第五の態様において本発明は、本発明の第一、第二、または第三の側面のいずれか一つの化合物またはその薬学的に許容できる塩と、薬学的に許容できる担体または賦形剤とを含む医薬組成物に関する。
好ましい実施態様の詳細な説明
c−Met調節能力を示し、異常なc−Met活性と関係する障害に対して改善効果を有する新規な四環式化合物の系統群を発見した。c−Metは臨床的な見地から魅力的な目標である、というのは、1)c−Met は大部分の種類の癌の成長および転移とかかわっており、2)二次部位における成長が転移の律速段階であるように見え、そして3)診断時までにその疾患はすでに広がっている可能性があるからである。
c−Metは、Met癌原遺伝子によってコードされ、散乱因子(SF)とも呼ばれる肝細胞成長因子(HGF)の生物学的効果を形質導入するレセプターチロシンキナーゼである。Jianget al., Crit. Rev. Oncol. Hemtol. 29: 209-248 (1999)参照。c−MetおよびHGFは非常に多くの組織中で発現するが、それらの発現は通常は主としてそれぞれ上皮および間葉起源の細胞に限られる。c−MetおよびHGFは正常な哺乳動物の発育にとって必要であり、細胞遊走、細胞の増殖と生存、形態形成分化、および3次元管構造の構築(例えば尿細管細胞、腺形成など)において重要であることが示されている。c−Met依存型の腫瘍の成長、浸潤、および播種はこれら細胞作用によって仲介されることが提唱されている。上皮細胞に及ぼすその影響に加えてHGF/SFが血管形成因子であることが報告されており、内皮細胞におけるc−Metシグナル伝達が血管形成(増殖、運動性、浸潤)に必要な細胞応答の多くを誘導する可能性がある。
このc−Met受容体は、多くのヒトの癌中で発現することが示されている。c−MetとそのリガンドHGFはまた、様々なヒトの癌(特に肉腫)中で高レベルで同時発現することも示されている。しかしながら一般に様々な細胞の種類がこの受容体およびリガンドを発現するので、c−Metシグナル伝達は最も普通には腫瘍−ストローマ(腫瘍−宿主)の相互作用によって調節される。さらにc−Met遺伝子の増幅、突然変異、および再配列が、ヒトの癌の或る部分集合で観察されている。c−Metキナーゼを活性化させる生殖系列突然変異を有する系統群は、多発性腎腫瘍および他の組織の腫瘍になりやすい。非常に多くの研究が、c−Metおよび/またはHGF/SFの発現と、様々な種類の癌(肺、結腸、***、前立腺、肝臓、膵臓、脳、腎臓、卵巣、胃、皮膚、および骨の癌を含めた)の病の進行状況との相関関係を示している。さらにc−MetまたはHGFの過剰発現が、肺、肝臓、胃、および***を含めた多数の主要なヒトの癌の不十分な予後および病の結果と相関関係があることが示されている。c−Metと、転移および浸潤の生態学ならびに病の発生機序とのこの強い相関関係は、転移性の癌の治療の新規な仕組みを含む。
c−Metは、膵臓癌、神経膠腫、および肝細胞癌腫などの成功を収める治療計画のない癌に直接かかわりがある。c−Metキナーゼ阻害薬は、これらの癌の治療におけるまだ応じられていない医療のニーズを満たすことができる。
これらの所見は、c−Metキナーゼ阻害薬がc−Metによって押し進められる原発性腫瘍に対する効果的な治療であるはずであり、だがより重要なことはこれが播種性の微小転移が生命を脅かす転移に成長しないようにするはずであることを示唆している。したがってc−Met阻害薬の有用性は、予防的および補助的な治療の場にまで広がる。これに加えて、c−Met突然変異/遺伝的変化によって押し進められると考えられる、また成長および生存がc−Metに左右されると考えられる或る種の癌(例えば、乳頭腎細胞癌腫、幾つかの胃および肺癌)を治療することができる。これらの癌は治療に対して感受性を有する。
様々なヒトの癌は、c−Met拮抗薬にとっての主たる標的適応症である。これらの癌には、***、肺、直腸結腸、前立腺などの主な癌、ならびに膵臓癌、神経膠腫、肝臓癌、胃癌、頭および首部の癌、黒色腫、腎臓癌、白血病、骨髄腫、および肉腫が含まれる。
本明細書中で提供される化合物は例示的なものに過ぎず、いかなるやり方でも本発明の範囲を限定するものと解釈すべきではない。
一つの側面において本発明は、式(I)〜(IV)の1種以上の化合物またはそれらの薬学的に許容できる塩と、薬学的に許容できる賦形剤とを含む医薬組成物を対象とする。
本明細書中で記述される化合物またはその塩を上記で考察した疾患および障害の治療用の他の化学療法薬と組み合わせることができることもまた本発明の側面である。例えば本発明の化合物または塩は、単独またはロイコボリンと更に組み合わせたフルオロウラシル(5−FU)などのアルキル化剤;あるいはこれらに限定されないがUFT、カペシタビン、ゲムシタビン、およびシタラビンなどの他のピリミジン類似体;スルホン酸アルキル類、例えばブスルファン(慢性顆粒球性白血病の治療に用いられる)、インプロスルファン、およびピポスルファン;アジリジン類、例えばベンゾデーパ、カルボコン、メツレデーパ、およびウレデーパ;エチレンイミン類およびメチルメラミン類、例えばアルトレタミン、トリエチレンメラミン、トリエチレンホスホルアミド、トリエチレンチオホスホルアミド、およびトリメチロールメラミン;ナイトロジェンマスタード類、例えばクロラムバシル(慢性リンパ球性白血病、原発性マクログロブリン血症、および非ホジキンリンパ腫の治療に用いられる)、シクロホスファミド(ホジキン病、多発性骨髄腫、神経芽細胞腫、乳癌、卵巣癌、肺癌、ウィルムス腫、および横紋筋肉腫の治療に用いられる)、エストラムスチン、イホスファミド、ノベムブリチン、プレドニムスチン、およびウラシルマスタード(原発性血小板増加症、非ホジキンリンパ腫、ホジキン病、および卵巣癌の治療に用いられる);トリアジン類、例えばダカルバジン(軟組織肉腫の治療に用いられる)などの他のアルキル化剤と組み合わせることができる。
さらに本発明の化合物または塩は、これらに限定されないが葉酸類似体、例えばメトトレキセート(急性リンパ球性白血病、絨毛癌、菌状息肉性乳癌、頭および首部の癌、骨原性肉腫の治療に用いられる)およびプテロプテリン;急性顆粒球性、急性リンパ球性、および慢性顆粒球性白血病の治療に用いられるメルカプトプリンおよびチオグアニンなどのプリン類似体など、他の代謝拮抗物質化学療法薬と組み合わせると有益な効果が期待される場合がある。
本発明の化合物または塩はまた、これらに限定されないがビンカアルカロイド類、例えばビンブラスチン(乳癌および精巣癌の治療に用いられる)、ビンシスチン、およびビンデシン;エピポドフィロトキシン類、例えば両方とも精巣癌およびカポジ肉腫の治療に有用なエトポシドおよびテニポシド;抗生物質化学療法薬、例えばダウノルビシン、ドキソルビシン、エピルビシン、ミトマイシン(胃、子宮頸部、結腸、***、膀胱、および膵臓の癌の治療に用いられる)、ダクチノマイシン、テモゾロマイド、プリカマイシン、ブレオマイシン(皮膚、食道、および尿生殖器管の癌の治療に用いられる);L−アスパラギナーゼなどの酵素化学療法薬など、天然物ベースの化学療法薬と組み合わせて効能のあることが判明すると思われる場合もある。
上記に加えて本発明の化合物または塩は、白金配位錯体(シスプラチンなど);水酸化尿素などの置換尿素;メチルヒドラジン誘導体、例えばプロカルバジン;副腎皮質抑制薬、例えばミトタン、アミノグルテチミドや、副腎皮質ステロイド類(例えばプレドニゾン)、プロゲスチン類(例えばカプロン酸ヒドロキシプロゲステロン)などのホルモンおよびホルモン拮抗薬;エストロゲン類(例えばジエチルスチルベステロール);タモキシフェンなどの抗エストロゲン類;アンドロゲン類、例えばプロピオン酸テストステロン;アロマターゼ阻害薬(アナストロゾールなど)と組み合わせて用いると有益な効果が期待される場合がある。
最後に本発明の化合物の組合せは、これらに限定されないが急性骨髄性(非リンパ球性)白血病などの固形腫瘍の癌または白血病の治療用のミトキサントロンまたはパクリタキセルと組み合わせると特に効果が期待される場合がある。
上記方法は、有糸***阻害薬と、アルキル化剤と、代謝拮抗薬と、細胞周期阻害薬と、酵素類と、トポイソメラーゼ阻害薬と、生体応答調節物質と、抗ホルモン類と、MMP−2、MMP−9、およびCOX−2阻害薬などの抗血管新生薬と、抗アンドロゲン類とからなる群から選択される化学療法薬と組み合わせて実施することができる。
有用なCOX−II阻害薬の例には、Vioxx(商標)、CELEBREX (商標)(アレコキシブ)、バルデコキシブ、パラコキシブ、ロフェコキシブ、およびCOX 189が挙げられる。有用なマトリックスメタロプロテイナーゼ阻害薬の例は、PCT国際出願公開第WO96/33172号(1996年10月24日公開)、同第WO96/27583号(1996年3月7日公開)、欧州特許出願第97304971.1号(1997年7月8日出願)、同第99308617.2号(1999年10月29日出願)、PCT国際出願公開第WO98/07697号(1998年2月26日公開)、同第WO98/03516号(1998年1月29日公開)、同第WO98/34918号(1998年8月13日公開)、同第WO98/34915号(1998年8月13日公開)、同第WO98/33768号(1998年8月6日公開)、同第WO98/30566号(1998年7月16日公開)、欧州特許公告第606,046号(1994年7月13日公告)、同第931,788号(1999年7月28日公告)、PCT国際出願公開第WO90/05719号(1990年5月31日公開)、同第WO99/52910号(1999年10月21日公開)、同第WO99/52889号(1999年10月21日公開)、同第WO99/29667号(1999年6月17日公開)、国際出願第PCT/IB98/01113号(1998年7月21日出願)、欧州特許出願第99302232.1号(1999年3月25日出願)、英国特許出願第9912961.1号(1999年6月3日出願)、米国仮出願第60/148,464号(1999年8月12日出願)、米国特許第5,863,949号(1999年1月26日発行)、同第5,861,510(1999年1月19日発行)、および欧州特許公告第780,386号(1997年6月25日公告)に記載されており、これらはすべてそれらの全体が参照により本明細書中に組み込まれる。
好ましいMMP−2およびMMP−9阻害薬は、MMP−1を阻害する活性を殆どまたは全く有しないものである。その他のマトリックスメタロプロテイナーゼ(すなわち、MMP-1、MMP−3、MMP−4、MMP−5、MMP−6、MMP−7、MMP−8、MMP−10、MMP−11、MMP−12、およびMMP−13)と比較してMMP−2および/またはMMP−9を選択的に阻害するものがより好ましい。本発明において有用なMMP阻害薬の幾つかの特定の例は、AG−3340、RO32−3555、RS13−0830、および下記に列挙する化合物である。
3−[[4−(4−フルオロ−フェノキシ)−ベンゼンスルホニル]−(1−ヒドロキシカルバモイル−シクロペンチル)−アミノ]−プロピオン酸;3−エクソ−3−[4−(4−フルオロ−フェノキシ)−ベンゼンスルホニルアミノ]−8−オキサ−ビシクロ[3. 2. 1]オクタン−3−カルボン酸ヒドロキシアミド;(2R, 3R)1−[4−(2−クロロ−4−フルオロ−ベンジロキシ)−ベンゼンスルホニル]−3−ヒドロキシ−3−メチル−ピペリジン−2−カルボン酸ヒドロキシアミド、4−[4−(4−フルオロ−フェノキシ)−ベンゼンスルホニルアミノ]−テトラヒドロ−ピラン−4−カルボン酸ヒドロキシアミド;3−[[4−(4−フルオロ−フェノキシ)−ベンゼンスルホニル]−(1−ヒドロキシカルバモイル−シクロブチル)−アミノ]−プロピオン酸、4−[4−(4−クロロ−フェノキシ)−ベンゼンスルホニルアミノ]−テトラヒドロ−ピラン−4−カルボン酸ヒドロキシアミド;(R)3−[4−(4−クロロ−フェノキシ)−ベンゼンスルホニルアミノ]−テトラヒドロ−ピラン−3−カルボン酸ヒドロキシアミド;(2R, 3R)1−[4−(4−フルオロ−2−メチル−ベンジロキシ)−ベンゼンスルホニル]−3−ヒドロキシ−3−メチル−ピペリジン−2−カルボン酸ヒドロキシアミド;3−[[(4−(4−フルオロ−フェノキシ)−ベンゼンスルホニル]−(1−ヒドロキシカルバモイル−1−メチル−エチル)−アミノ]−プロピオン酸;3−[[4−(4−フルオロ−フェノキシ)−ベンゼンスルホニル]−(4−ヒドロキシカルバモイル−テトラヒドロ−ピラン−4−イル)−アミノ]−プロピオン酸;3−オキソ−3−[4−(4−クロロ−フェノキシ)−ベンゼンスルホニルアミノ]−8−オキサ−ビシクロ[3. 2. 1]オクタン−3−カルボン酸ヒドロキシアミド;3−エンド−3−[4−(4−フルオロ−フェノキシ)−ベンゼンスルホニルアミノ]−8−オキサ−ビシクロ[3. 2. 1]オクタン−3−カルボン酸ヒドロキシアミド;および(R)3−[4−(4−フルオロ−フェノキシ)−ベンゼンスルホニルアミノ]−テトラヒドロ−フラン−3−カルボン酸ヒドロキシアミド、ならびに上記化合物の薬学的に許容できる塩および溶媒和化合物。
他のCOX−II阻害薬および他のMMP阻害薬を含めた他の抗血管新生薬もまた、本発明において用いることができる。
式(I)〜(IV)の化合物はまた、EGFR抗体、EGF抗体、およびEGFR阻害薬である分子など、EGFR(表皮成長因子受容体)応答を阻害することができる薬品;VEGF(血管内皮成長因子)阻害薬;erbB2受容体と結合する有機分子または抗体、例えばHERCEPTIN(商標)(Genentech, Inc. of South San Francisco, Calif., USA)などのerbB2受容体阻害薬など、シグナル伝達阻害薬と共に用いることもできる。EGFR阻害薬については、例えばPCT国際出願公開第WO95/19970号(1995年7月27日公開)、同第WO98/14451号(1998年4月9日公開)、同第WO98/02434号(1998年1月22日公開)、および米国特許第5,747,498号(1998年5月5日発行)に記載されており、このような物質は本明細書中で述べたように本発明において用いることができる。
EGFRを阻害する薬品には、これらには限定されないがモノクローナル抗体C225および抗EGFR 22Mab(ImClone Systems Incorporated of New York, N. Y., USA)や、化合物ZD−1839(AstraZeneca)、BIBX−1382(Boehringer Ingelheim)、MDX−447(Medarex Inc. of Annandale, N. J., USA)、およびOLX−103(Merck & Co. of Whitehouse Station, N. J., USA)や、VRCTC−310(Ventech Research)およびEGF融合毒素(Seragen Inc. of Hopkinton, Mass.)が挙げられる。
これらのまた他のEGFR阻害薬品を本発明において用いることができる。
VEGF阻害薬、例えばSU−5416、SU 11248、SU−6668(Sugen Inc. of South San Francisco, Calif., USA)もまた式(I)〜(IV)の化合物と組み合わせることができる。VEGF阻害薬については、例えばPCT国際出願公開第WO99/24440号(1999年5月20日公開)、PCT国際出願第PCT/IB99/00797号(1999年5月3日出願)、PCT国際出願公開第WO95/21613号(1995年8月17日公開)、同第WO99/61422号(1999年12月2日公開)、米国特許第5,834,504号(1998年11月10日発行)、PCT国際出願公開第WO01/60814号、同第WO98/50356号(1998年11月12日公開)、米国特許第5,883,113号(1999年3月16日発行)、同第5,886,020号(1999年3月23日発行)、同第5,792,783号(1998年8月11日発行)、PCT国際出願公開第WO99/10349号(1999年3月4日公開)、同第WO97/32856号(1997年9月12日公開)、同第WO97/22596号(1997年6月26日公開)、同第WO98/54093号(1998年12月3日公開)、同第WO98/02438号(1998年1月22日公開)、同第WO99/16755号(1999年4月8日公開)、および同第WO98/02437号(1998年1月22日公開)に記載されており、これらはすべてそれらの全体が参照により本明細書中に組み込まれる。本発明に有用な幾つかの特定のVEGF阻害薬の他の例は、IM862(Cytran Inc.of Kirkland, Wash., USA);Sourth San Francisco, Calif.のGenentech, Inc.の抗VEGモノクローナル抗体;Ribozyme(Boulder, Colo.)およびChiron(Emeryville, Calif.)から入手できる合成リボザイムのアンギオザイムである。これらのまた他のEGFR阻害薬を本明細書中で述べたように本発明において用いることができる。
さらにGW−282974(Glaxo Wellcome plc)や、モノクローナル抗体AR−209(Aronex Pharmaceuticals Inc. of TheWoodlands, Tex., USA)および2B−1(Chiron)などのErbB2受容体阻害薬、例えばPCT国際出願公開第WO98/02434号(1998年1月22日公開)、同第WO99/35146号(1999年7月15日公開)、同第WO99/35132号(1999年7月15日公開)、同第WO98/02437号(1998年1月22日公開)、同第WO97/13760号(1997年4月17日公開)、同第WO95/19970号(1995年7月27日公開)、米国特許第5,587,458号(1996年12月24日発行)、および同第5,877,305号(1999年3月2日発行)中に示されているものを、式(I)〜(IV)の化合物と組み合わせることができる。これら特許はすべてこれによりそれらの全体が参照により本明細書中に組み込まれる。本発明に有用なErbB2受容体阻害薬はまた、1999年1月27日出願の米国仮特許出願第60/117,341号および1999年1月27日出願の同第60/117,346号に記載されており、これらは両方ともそれらの全体が参照により本明細書中に組み込まれる。前述のPCT国際特許出願、米国特許、および米国仮特許出願中に記載のErbB2受容体阻害薬の化合物および物質、ならびにErbB2受容体を阻害する他の化合物および物質を本発明により式(I)〜(IV)の化合物と共に用いることができる。
式(I)〜(IV)の化合物はまた、これらには限定されないがCTLA4(細胞傷害性リンパ球抗原4)抗体などの抗腫瘍免疫応答を高めることができる薬品およびCTLA4を遮断する能力のある他の薬品;ならびに他のファルネシルタンパク質転移酵素阻害薬、例えば米国特許第6,258,824B1号の「背景」の部分に引用されている参考文献中に記載されているファルネシルタンパク質転移酵素阻害薬などの抗増殖薬を含めた癌の治療に有用な他の薬品と共に用いることができる。本発明に用いることができる特定のCTLA4抗体には、その全体が参照により本明細書中に組み込まれる米国仮特許出願第60/113,647号(1998年12月23日出願)に記載のものが挙げられるが、他のCTLA4抗体も本発明において用いることができる。
上記方法はまた放射線治療と組み合わせて実施することもでき、その放射線治療と組み合わせる式(I)〜(IV)の化合物の量は上記疾患の治療に有効な量である。本発明の好ましい実施態様の化合物と組み合わせて投与する場合、投与される放射線治療のレベルは薬効未満の線量まで減らすことができる。
放射線治療を施すための技術は当業界で既知であり、それら技術を本明細書中で述べる組合せ治療に用いることができる。この組合せ治療における本発明の化合物の投与量は、本明細書中で述べるように決めることができる。
本発明の別の側面は、異常Metキナーゼ活性が仲介する疾患の治療に有用な医薬品の調合に式(I)〜(IV)の化合物を使用することを対象とする。
「薬学的に許容できる塩」または「その薬学的に許容できる塩」とは、その遊離塩基の生物学的有効性と特性を保持し、かつ塩酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、サリチル酸、酢酸、ベンゼンスルホン酸(ベシル酸)、安息香酸、カンファースルホン酸、クエン酸、フマル酸、グルコン酸、グルタミン酸、イセチオン酸、乳酸、マレイン酸、リンゴ酸、マンデル酸、ムチン酸、パモ酸、パントテン酸、コハク酸、酒石酸などの無機または有機酸との反応により得られるそれらの塩を指す。
「医薬組成物」とは、本明細書中で述べた1種以上の化合物またはそれらの生理学的に許容できる塩と、生理学的に許容できる担体および賦形剤などの他の化学成分との混合物を指す。医薬組成物の目的は、器官への化合物の投与を容易にすることである。
本明細書中で用いられる「生理学的に許容できる担体」とは、器官に対する著しい刺激を引き起こさない、また投与された化合物の生物活性および特性を無効にしない担体または希釈剤を指す。
「賦形剤」とは、化合物の投与をさらに容易にするために医薬組成物に加えられる不活性物質を指す。賦形剤の例には、これらには限定されないが炭酸カルシウム、リン酸カルシウム、様々な糖類および様々な種類のデンプン、セルロース誘導体(微晶質セルロースを含めた)、ゼラチン、植物油、ポリエチレングリコール、希釈剤、造粒剤、滑沢剤、結合剤、崩壊剤などが挙げられる。
「アルキル」とは、直鎖、分枝鎖、または環状基を含む飽和脂肪族炭化水素を指す。好ましくはこのアルキル基は1個から20個の炭素原子を有する(本明細書中で数値範囲、例えば「1〜20」を指定する場合はいつもそれは基、この場合はアルキル基が、炭素原子20個を含めて20個までの炭素原子1個、炭素原子2個、炭素原子3個などを含有することを意味する)。より好ましくはそれは、炭素原子1個から10個の中間サイズのアルキルである。最も好ましくはそれは、炭素原子1個から4個の低級アルキルである。このアルキル基は置換されても置換されなくてもよい。置換される場合、各置換基は、好ましくはハロゲン、水酸基、−COR′、−COOR′、−OCOR′、−CONRR′、−RNCOR′、−NRR′、−CN、−NO2、−CZ3、−SR′−SOR′、−SO2R′−SO2OR′、−SO2NRR′、チオカルボニル、−RNSO2R′、ペルフルオロアルキル、O−カルバミル、N−カルバミル、O−チオカルバミル、N−チオカルバミル、シリル、アンモニウム、低級アルキル、低級アルケニル、低級アルキニル、シクロアルキル、ヘテロ脂環、ヘテロアリール、およびアリールから個々に選択される1個または複数個の置換基である。RおよびR′は独立してH、アルキル、またはアリールであり、アルキルまたはアリールはさらにハロゲン、(CH2nN(R″)2、(CH2nCO2R″、(CH2nOR″、(CH2nOC(O)R″、アルコキシカルボニル、アリールオキシカルボニル、アミノカルボニル、ヘテロ脂環式環、アリール、アルコキシ、−OCZ3、アリールオキシ、−C(O)NH2、またはヘテロアリールであることができる。R″は、H、アルキル、またはアリールである。nは0〜3である。
「アルケニル」とは、少なくとも1個の炭素−炭素の二重結合を有する直鎖、分枝鎖、または環状基を含めて少なくとも1個の炭素−炭素の二重結合を有する脂肪族炭化水素を指す。好ましくはこのアルケニル基は2個から20個の炭素原子を有する(本明細書中で数値範囲、例えば「2〜20」を指定する場合はいつもそれは基、この場合はアルケニル基が、炭素原子20個を含めて20個までの炭素原子2個、炭素原子3個などを含有することを意味する)。より好ましくはそれは炭素原子2個から10個の中間サイズのアルケニルである。最も好ましくはそれは炭素原子2個から6個の低級アルケニルである。このアルケニル基は置換されても置換されなくてもよい。置換される場合、各置換基は好ましくはハロゲン、水酸基、−COR′、−COOR′、−OCOR′、−CONRR′、−RNCOR′、−NRR′、−CN、−NO2、−CZ3、−SR′−SOR′、−SO2R′−SO2OR′、−SO2NRR′、チオカルボニル、−RNSO2R′、ペルフルオロアルキル、O−カルバミル、N−カルバミル、O−チオカルバミル、N−チオカルバミル、シリル、アンモニウム、低級アルキル、低級アルケニル、低級アルキニル、シクロアルキル、ヘテロ脂環、ヘテロアリール、およびアリールから個々に選択される1個以上の基である。ただしRおよびR′は本明細書中で定義される。
「アルキニル」とは、少なくとも1個の炭素−炭素の三重結合を有する直鎖、分枝鎖、または環状基を含めて少なくとも1個の炭素−炭素の三重結合を有する脂肪族炭化水素を指す。好ましくはこのアルキニル基は2個から20個の炭素原子を有する(本明細書中で数値範囲、例えば「2〜20」を指定する場合はいつもそれは基、この場合はアルキニル基が、炭素原子20個を含めて20個までの炭素原子2個、炭素原子3個などを含有することを意味する)。より好ましくはそれは炭素原子2個から10個の中間サイズのアルキニルである。最も好ましくはそれは炭素原子2個から6個の低級アルキニルである。このアルキニル基は置換されても置換されなくてもよい。置換される場合、各置換基は好ましくはハロゲン、水酸基、−COR′、−COOR′、−OCOR′−CONRR′、−RNCOR′、−NRR′、−CN、−NO2、−CZ3、−SR′−SOR′、−SO2R′−SO2OR′、−SO2NRR′、チオカルボニル、−RNSO2R′、ペルフルオロアルキル、O−カルバミル、N−カルバミル、O−チオカルバミル、N−チオカルバミル、シリル、アンモニウム、低級アルキル、低級アルケニル、低級アルキニル、シクロアルキル、ヘテロ脂環、ヘテロアリール、およびアリールから個々に選択される1個以上の基である。ただしRおよびR′は本明細書中で定義される。
「シクロアルキル」または「脂環式」基とは、その1個以上の環が完全共役パイ電子系を持たない全炭素単環または縮合環(すなわち隣接する2個の炭素原子を共有する環)の基を指す。シクロアルキル基の例は、これらには限定されないがシクロプロパン、シクロブタン、シクロペンタン、シクロペンテン、シクロへキサン、アダマンタン、シクロヘキサジエン、シクロヘプタン、およびシクロヘプタトリエンである。このシクロアルキル基は置換されても置換されなくてもよい。置換される場合、各置換基は好ましくはハロゲン、水酸基、−COR′、−COOR′、−OCOR′、−CONRR′、−RNCOR′、−NRR′、−CN、−NO2、−CZ3、−SR′−SOR′、−SO2R′−SO2OR′、−SO2NRR′、チオカルボニル、−RNSO2R′、ペルフルオロアルキル、O−カルバミル、N−カルバミル、O−チオカルバミル、N−チオカルバミル、シリル、アンモニウム、低級アルキル、低級アルケニル、低級アルキニル、シクロアルキル、ヘテロ脂環、ヘテロアリール、およびアリールから個々に選択される1個以上の基である。ただしRおよびR′は本明細書中で定義される。
「アリール」基とは、完全共役パイ電子系を有する全炭素単環式または縮合環多環式(すなわち隣接する2個の炭素原子を共有する環)の基を指す。アリール基の例は、これらには限定されないがフェニル、ナフタレニル、およびアントラセニルである。このアリール基は置換されても置換されなくてもよい。置換される場合、各置換基は好ましくはハロゲン、水酸基、アルコキシ、アリールオキシ、−COR′、−COOR′、−OCOR′、−CONRR′、−RNCOR′、−NRR′、−CN、−NO2、−CZ3、−OCZ3、−SR′−SOR′、−SO2R′−SO2OR′、−SO2NRR′、チオカルボニル、−RNSO2R′、ペルフルオロアルキル、O−カルバミル、N−カルバミル、O−チオカルバミル、N−チオカルバミル、シリル、アンモニウム、低級アルキル、低級アルケニル、低級アルキニル、シクロアルキル、ヘテロ脂環、ヘテロアリール、およびアリールから選択される1個以上の基である。ただしRおよびR′は本明細書中で定義される。
本明細書中で用いる「ヘテロアリール」基とは、その環中に窒素、酸素、およびイオウからなる群から選択される1個以上の原子を有し、かつこれに加えて完全共役パイ電子系を有する単環式または縮合環多環式(すなわち隣接する2個の原子を共有する環)の基を指す。ヘテロアリール基の例は、これらには限定されないがピロール、フラン、チオフェン、イミダゾール、オキサゾール、チアゾール、ピラゾール、ピリジン、ピリミジン、キノリン、イソキノリン、プリン、およびカルバゾールである。このヘテロアリール基は置換されても置換されなくてもよい。置換される場合、各置換基は好ましくはハロゲン、水酸基、−COR′、−COOR′、−OCOR′、−CONRR′、−RNCOR′、−NRR′、−CN、−NO2、−CZ3、−SR′−SOR′、−SO2R′−SO2OR′、−SO2NRR′、チオカルボニル、−RNSO2R′、ペルフルオロアルキル、O−カルバミル、N−カルバミル、O−チオカルバミル、N−チオカルバミル、シリル、アンモニウム、低級アルキル、低級アルケニル、低級アルキニル、シクロアルキル、ヘテロ脂環、ヘテロアリール、およびアリールから選択される1個以上の基(式中、Zはハロゲン)である。ただしRおよびR′は本明細書中で定義される。
「ヘテロ脂環式環」または「ヘテロ脂環」基とは、その環中に窒素、酸素、およびイオウからなる群から選択される1個以上の原子を有する単環または縮合環の基である。これらの環はまた1個以上の二重結合を有してもよい。しかしながらこれらの環は完全共役パイ電子系を持つことができない。このヘテロ脂環式環は置換されても置換されなくてもよい。このヘテロ脂環式環は1個以上のオキソ基を含有することができる。置換される場合、その置換基は好ましくはハロゲン、水酸基、−COR′、−COOR′、−OCOR′、−CONRR′、−RNCOR′、−NRR′、−CN、−NO2、−CZ3、−SR′−SOR′、−SO2R′−SO2OR′、−SO2NRR′、チオカルボニル、−RNSO2R′、ペルフルオロアルキル、O−カルバミル、N−カルバミル、O−チオカルバミル、N−チオカルバミル、シリル、アンモニウム、低級アルキル、低級アルケニル、低級アルキニル、シクロアルキル、ヘテロ脂環、ヘテロアリール、およびアリールから選択される1個以上の基である。ただしRおよびR′は本明細書中で定義される。
Zは、フッ素、塩素、臭素、およびヨウ素からなる群から選択されるハロゲン基を指す。
「水酸」基は、−OH基を指す。
本明細書中で定義される「アルコキシ」基は、−O−アルキルおよび−O−シクロアルキル基の両方を指す。
「アルコキシカルボニル」は、−C(O)−ORを指す。
「アミノカルボニル」は、−C(O)−NRR′を指す。
「アリールオキシカルボニル」は、−C(O)−Oアリールを指す。
本明細書中で定義される「アリールオキシ」基は、−O−アリールおよび−O−ヘテロアリール基の両方を指す。
「アリールアルキル」基は、アルキルおよびアリールが本明細書中で定義される−アルキル−アリールを指す。
「アリールスルホニル」基は、−SO2−アリールを指す。
「アルキルスルホニル」基は、−SO2−アルキルを指す。
「ヘテロアリールオキシ」基は、本明細書中で定義されるヘテロアリールを有する−ヘテロアリール−O−基を指す。
「ヘテロ脂環オキシ」基は、本明細書中で定義されるヘテロ脂環を有する−ヘテロ脂環−O−基を指す。
「カルボニル」基は、−C(=O)−Rを指す。
「アルデヒド」基は、Rが水素のカルボニル基を指す。
「チオカルボニル」基は、−C(=S)−R基を指す。
「トリハロメタンカルボニル」基は、Z3C−C( O )−基を指す。
「C−カルボキシル」基は、−C(O)O−R基を指す。
「O−カルボキシル」基は、R−C(O)O−基を指す。
「カルボン酸」基は、Rが水素のC−カルボキシル基を指す。
「ハロ」または「ハロゲン」基は、フッ素、塩素、臭素、およびヨウ素を指す。
「トリハロメチル」基は、−CZ3基を指す。
「トリハロメタンスルホニル」基は、Z3CS(O)2基を指す。
「トリハロメタンスルホンアミド」基は、Z3CS(O)2NR−基を指す。
「スルフィニル」基は、−S(O)−R基を指す。
「スルホニル」基は、−S(O)2−R基を指す。
「S−スルホンアミド」基は、−S(O)2−NR基を指す。
「N−スルホンアミド」基は、−NR−S(O)2−R基を指す。
「O−カルバミル」基は、−OC(O)NRR′基を指す。
「N−カルバミル」基は、ROC(O)NR−基を指す。
「O−チオカルバミル」基は、−OC(S)NRR′基を指す。
「N−チオカルバミル」基は、ROC(S)NR′−基を指す。
「アミノ」基は、−NH2または−NRR′基を指す。
「C−アミド」基は、−C(O)NRR′基を指す。
「N−アミド」基は、R′C(O)NR−基を指す。
「ニトロ」基は、−NO2基を指す。
「シアノ」基は、−CN基を指す。
「シリル」基は、−Si(R)3基を指す。
「ホスホニル」基は、P(=O)(OR)2基を指す。
「アミノアルキル」基は、−アルキルNRR′基を指す。
「アルキルアミノアルキル」基は、−アルキル−NR−アルキル基を指す。
「ジアルキルアミノアルキル」基は、−アルキル−N−(アルキル)2基を指す。
「ペルフルオロアルキル」基は、その水素原子のすべてがフッ素原子で置き換えられたアルキル基を指す。
R1〜R13、X、Y、R、R′、およびR″の定義は、本明細書中で明確にされる。
同じ分子式を有するが、それら原子の結合の性質または配列、あるいは空間におけるそれら原子の配置構成の異なる化合物は、「異性体」と呼ばれる。空間におけるそれら原子の配置構成の異なる異性体は「立体異性体」と呼ばれる。互いに鏡像でない立体異性体は「ジアステレオマー」と呼ばれ、また互いに重ね合わすことができない鏡像のものは「鏡像異性体」と呼ばれる。化合物が不斉中心を有する場合、例えば4個の異なる基と結合している場合、一対の鏡像異性体が可能である。鏡像異性体は、その不斉中心の絶対配置を特徴とすることができ、CahnおよびPrelogのR−およびS−順位則によって、またはその分子が偏光面を回転する仕方によって記述され、右旋性または左旋性(すなわちそれぞれ(+)または(−)異性体)として表される。キラル化合物は、個々の鏡像異性体としてまたはそれらの混合物として存在することができる。等比率のそれら鏡像異性体を含有する混合物は「ラセミ混合物」と呼ばれる。本明細書中で言及する化学式は、互換異性および構造異性の現象を表すことができる。本発明は、c−Met活性を調節する能力を持ついずれの互換異性および構造異性の形態ならびにそれらの混合物をも包含し、いずれか1種類の互換異性または構造異性形態には限定されない。
本発明の化合物は1個以上の不斉中心を持つことができ、したがってこのような化合物は個々の(R)−および(S)−立体異性体としてまたはそれらの混合物として製造することができる。例えば、式(I)の化合物中のR1およびR2置換基が異なる場合、その炭素は不斉中心である。したがって式(I)の化合物は、(R)−および(S)−立体異性体として存在することができる。別段の指示がない場合、本明細書および特許請求の範囲中の特定の化合物の説明または命名は、個々の鏡像異性体と、ラセミであろうとなかろうとそれらの混合物との両方を含むものである。立体化学の分析および立体異性体の分離の方法は当業界でよく知られている(J. March編、「Advanced Organic Chemistry」4th edition, John Wiley and Sons, New York, 1992参照)。したがって本発明はまた、c−Met活性を調節する能力を有するいずれの立体異性形態、それらの対応する鏡像異性体(d−およびl−あるいは(+)および(−)異性体)、並びにそれらのジアステレオマー、そしてそれらの混合物をも包含し、いずれか1種類の立体異性形態には限定されない。
式(I)〜(IV)の化合物は、互換異性および構造異性の現象を表すことができる。例えば本明細書中で述べる化合物は、二重結合に関してEまたはZ配置を採ることもできるし、またはEおよびZの混合物であることもできる。本発明は、c−Met活性を調節する能力を持ついずれの互換異性および構造異性の形態ならびにそれらの混合物をも包含し、いずれか1種類の互換異性または構造異性形態には限定されない。
式(I)〜(IV)の化合物はヒトなどの生物の体内の酵素によって代謝されてc−Metの活性を調節することができる代謝産物を生成することになると考えられる。このような代謝産物は本発明の範囲内にある。
用語「方法」とは、これらには限定されないが化学的、薬学的、生物学的、生化学的、および医学分野の専門家に知られているか、または周知のやり方、手段、技法、および手順からこれらの専門家によって容易に開発されるこれらやり方、手段、技法、および手順を含め、与えられた任務を達成するためのやり方、手段、技法、および手順を指す。
本明細書中で用いられる用語「調節」または「調節する」とは、c−Metの触媒活性の変更を指す。特別には、「調節する」とは、c−Metの触媒活性を活性化すること、好ましくはそのc−Metが露出される化合物または塩の濃度によって決まるc−Metの触媒活性の活性化または阻害、あるいはより好ましくはc−Metの触媒活性の阻害を指す。
本明細書中で用いられる用語「接触」とは、本発明の化合物が直接的に、すなわちc−Met自体と相互に作用することによって、または間接的に、すなわちc−Metの触媒活性が依存する別の分子と相互に作用することによってc−Metの触媒活性に影響することができるようなやり方でその化合物とc−Metを接触させることを指す。このような「接触」は、in vitro、すなわち試験管、ペトリ皿などの中で達成することができる。試験管では接触は、化合物とc−Metのみが関与することもでき、または全細胞が関与することもできる。細胞はまた、細胞培養皿中で維持または成長させ、その環境において化合物と接触させることもできる。この文脈中ではc−Metが関係する疾病に影響を及ぼす特定の化合物の能力、すなわち下記で定義するその化合物のIC50は、より複雑な生体に関してin vivoでそれら化合物の使用を試みる前に求めることができる。生物体外の細胞については、これらには限定されないが細胞のマイクロインジェクションや非常に多くの膜貫通担体技術を含めたc−Metをそれら化合物と接触させる多くの方法が存在し、当業者によく知られている。
「in vitro」とは、例えばこれには限定されないが試験管または培地中などの人為的環境中で行う手順を指す。当業者ならば、例えば単離したc−Metをin vitro環境において調節因子と接触させることができることは分かっているはずである。別法では単離した細胞をin vitro環境において調節因子と接触させることができる。
本明細書中で用いられる用語「in vivo」とは、これには限定されないがマウス、ラット、ウサギ、有蹄動物、ウシ、ウマ、ブタ、イヌ、ネコ、霊長類動物、またはヒトなどの生体内で行う手順を指す。
本明細書中で用いられる「c−Metが関係する疾病」とは、c−Metが触媒する活性の不適切な、すなわち過少活性、またはより一般には過剰活性を特徴とする状態を指す。「c−Metが関係する疾病」とはまた、c−Metを産生する遺伝子中に突然変異遺伝子が存在し、そして、c−Met触媒活性の増加または減少したc−Metを産生する状態を指す。
不適切な触媒活性は、以下の:(1)普通はc−Metを発現しない細胞中でのc−Met発現、(2)望ましくない細胞の増殖、分化、および/または成長を招く高いc−Met発現、あるいは(3)細胞の増殖、分化、および/または成長の望ましくない減少を招く低いc−Met発現のいずれかの結果として起こる可能性がある。c−Metの過剰活性とは、c−Metをコードする遺伝子の増幅か、あるいは細胞の増殖、分化、および/または成長の異常と相関する恐れのあるレベルのc−Met活性の産生(すなわち、c−Metレベルが増加するにつれて細胞異常の1つ以上の症候の重篤度が増加する)のいずれかを指す。過少活性は当然その反対であり、c−Metの量が減少するにつれて細胞異常の1つ以上の症候の重篤度が増加する。
本明細書中で用いられる用語「予防する」、「予防すること」、および「予防」とは、第一に生物がc−Metが関係する疾病を得るのを妨げる方法を指す。
本明細書中で用いられる用語「治療する」、「治療すること」、および「治療」とは、c−Metが仲介する細胞の異常および/またはそれに付随する症候を軽減または排除する方法を指す。特に癌に関してはこれらの用語は、癌に冒された個体の寿命を増すことになる、またはその病の症状の1つ以上を減らすことになることを単純に指す。
用語「生物」とは、少なくとも1個の細胞からなる任意の生きている統一体を指す。生きている生物は、例えば1つの真核細胞のように単純であっても、または哺乳動物のように複雑であってもよい。好ましい態様ではこの生物は哺乳動物である。特に好ましい態様ではこの哺乳動物はヒトである。
本明細書中で用いられる用語「治療に有効な量」とは、治療される疾病の1つ以上の症状をある程度和らげる、投与される化合物の量を指す。癌の治療に関して治療に有効な量とは、以下の:(1)腫瘍のサイズを縮小し、(2)腫瘍の転移を阻害する(すなわち或る程度遅らせ、好ましくは止める)、(3)腫瘍の成長をある程度抑える(すなわち或る程度遅らせ、好ましくは止める)、および/または(4)癌と関連する1つ以上の症状をある程度和らげる(または好ましくは無くす)効果を有する量を指す。
「監視する」とは、c−Metを発現する細胞を化合物と接触させることの効果を観察または検出することを意味する。観察または検出される効果は、細胞表現型の変化、c−Metの触媒活性の変化、またはc−Metと自然の結合相手との相互作用の変化であることができる。このような効果を観察または検出するための技術は当業界でよく知られている。例えばc−Metの触媒活性は、標的分子のリン酸化の速度または量を求めることにより観察することができる。
「細胞表現型」とは、細胞または組織の外面的様相、あるいは細胞または組織の生物学的機能を指す。これらには限定されないが細胞表現型の例は、細胞の大きさ、細胞の成長、細胞の増殖、細胞の分化、細胞の生存、アポトーシス、および栄養の摂取と使用である。このような表現型の特徴は当業界でよく知られている技術によって測定可能である。
「自然の結合相手」とは、細胞中でc−Metと結合するポリペプチドを指す。自然の結合相手は、c−Metが仲介するシグナル伝達過程でシグナルを伝播する役割を演ずることができる。c−Metと自然の結合相手との相互作用の変化は、c−Met/自然の結合相手の複合体の濃度の増加または減少として、及びc−Metがシグナル伝達を仲介する能力の観察可能な変化の結果として顕在化する可能性がある。
本明細書中で用いられる「投与する」または「投与」とは、本発明の化合物または塩あるいは本発明の化合物または塩を含有する医薬組成物を、c−Metが関係する疾病の予防または治療の目的で生物に送達することを指す。
「医薬組成物」とは、本明細書中で述べる1種以上の化合物、あるいはそれらの薬学的に許容できる塩またはプロドラッグと、薬学的に許容できる賦形剤などの他の化学的化合物との混合物を指す。医薬組成物の目的は生物への化合物の投与を容易にすることである。
「薬学的に許容できる賦形剤」とは、化合物の投与をさらに容易にするために医薬組成物に加えられる不活性物質を指す。これらには限定されないが賦形剤の例には、炭酸カルシウム、リン酸カルシウム、様々な糖類および様々な種類のデンプン、セルロース誘導体、ゼラチン、植物油、およびポリエチレングリコールが挙げられる。
「薬学的に許容できる塩」とは、その親化合物の生物学的有効性および特性を保持するそれらの塩を指す。このような塩には、以下の:
(1)親化合物の遊離塩基を、塩酸、臭化水素酸、硝酸、リン酸、硫酸、および過塩素酸(perhcloric acid)などの無機酸、あるいは酢酸、シュウ酸、(D)または(L)リンゴ酸、マレイン酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、サリチル酸、酒石酸、クエン酸、コハク酸、またはマロン酸などの有機酸、好ましくは塩酸または(L)リンゴ酸と反応させることにより得られる酸付加塩;もしくは
(2)親化合物中に存在する酸性プロトンが、金属イオン、例えばアルカリ金属イオン、アルカリ土類イオン、またはアルミニウムイオンで置き換えられる場合、あるいはエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、トロメタミン、N−メチルグルカミンなどの有機塩基と配位結合する場合に形成される塩、
が含まれる。
式(I)〜(IV)の化合物はまたプロドラッグとして作用することもできる。「プロドラッグ」とは、in vivoで親薬物に転換する薬品を指す。プロドラッグは、幾つかの状況においてはその親薬物よりも投与しやすいことがあるためにしばしば役に立つ。例えばこれらは経口投与によるバイオアベイラビリティがあるが、親薬物はそうでない。プロドラッグはまた、その親薬物よりも医薬組成物中の溶解度が向上する場合もある。これには限定されないがプロドラッグの例は、エステル(「プロドラッグ」)すなわちカルバミン酸エステルまたは尿素として投与される本発明の化合物である。
効能
本発明の化合物、具体的には本発明の化合物からin vivoで生成される化合物がc−Metを阻害するメカニズムの正確な理解は、本発明を実施するためには必要でない。しかしながら、これによりどのような特定のメカニズムまたは理論とも結び付かないが、これら化合物はc−Metの触媒位置でアミノ酸と相互に作用すると考えられる。したがって本明細書中で開示される化合物は、c−Metとの相互作用を通じてin vivo治療効果を示すだけでなく、c−Metに対するin vitro定量法として役立つ可能性がある。
別の側面において本発明は、本発明の化合物またはそれらの塩の治療に有効な量を生物に投与することによってc−Metが関係する疾病を治療または予防する方法に関する。
c−Metが関係する疾病を予防または治療する目的で本発明の化合物またはそれらの塩を含有する医薬組成物を生物に投与することもまた、本発明の側面である。
したがって本発明は、c−Metの酵素活性に影響し、それによってc−Metにより伝達されるシグナルを妨害することによりPKシグナル伝達を調節する化合物を対象とする。より詳細には本発明は、本明細書中で述べた多くの癌を治療するための治療上の取り組みとしてc−Metが仲介するシグナル伝達経路を調節する化合物を対象とする。
c−Metの触媒活性を調節する化合物を同定する方法は本発明の別の側面である。この方法は、c−Metを発現する細胞を本発明の化合物(またはその塩)と接触させるステップ、およびその化合物がそれら細胞に及ぼすいかなる影響に関しても細胞を監視するステップを伴う。別法ではこの方法は、c−Metのタンパク質自体(すなわち細胞中ではない)を本発明の好ましい実施態様の化合物と接触させるステップ、およびその化合物がそのタンパク質に及ぼすいかなる影響に関してもそのタンパク質を監視するステップを伴う。この影響は裸眼でまたは器具の使用を介して観察可能である可能性がある。この影響は、例えば細胞表現型の変化または不在であってもよい。監視される細胞表現型の変化または無変化は、例えばこれらに限定されないが細胞中のc−Metの触媒活性の変化または無変化であるか、あるいは自然の結合相手とのc−Metの相互作用の変化または無変化であってもよい。
医薬組成物および使用法
本発明の化合物またはその生理学的に許容できる塩は、それ自体としてヒトの患者に投与することもでき、あるいはその中で前述の材料が適切な担体または賦形剤(群)と共に混合される医薬組成物の状態で投与することもできる。薬物の製剤および投与の技術については、「Remington’s Pharmacological Sciences」Mack Publishing Co., Easton. PA(最新版)中に見出すことができる。
投与経路
適切な投与の経路には、これらには限定されないが経口、口内、直腸、経粘膜、または腸内への投与、あるいは筋肉内、上皮、非経口、皮下、経皮的、髄内、くも膜下腔内、直接心室内、静脈内、硝子体内、腹腔内、鼻腔内、筋肉内、硬膜内、呼吸器内、鼻の吸入、または眼内への注入を挙げることができる。投与の好ましい経路は経口および非経口である。
別法ではしばしばデポー製剤または徐放性製剤中で化合物を全身的ではなく局所的なやり方、例えば固形腫瘍中に直接その化合物を注射することにより投与することもできる。
さらに、標的に導く薬物送達系、例えば腫瘍特異的抗体でコーティングしたリポソームでその薬物を投与することもできる。これらリポソームは、選択的に標的に向かい、その腫瘍によって吸収されることになる。
組成物/製剤
本発明の医薬組成物は当業界でよく知られている方法、例えば慣用の混合、溶解、造粒、ドラジュ作製、研和、乳化、封入、捕捉、凍結乾燥工程、または噴霧乾燥の手段により製造することができる。
本発明の方法に使用される医薬組成物は製薬業のどの方法によっても調製することができるが、すべての方法はその活性成分を1種以上の必要な成分の一部をなす担体と混ぜ合わせるステップを含む。具体的には本発明により使用される医薬組成物は、賦形剤とそれら活性化合物の加工を容易にする助剤とを含む1種以上の生理学的に許容できる担体を用いる従来のやり方で製剤して薬学的に使用することのできる製剤にすることができる。適切な製剤は選択される投与の経路によって決まる。
剤形には、錠剤、トローチ剤、分散剤、懸濁剤、溶液、カプセル剤、貼付剤、シロップ剤、エリキシル剤、ゲル剤、散剤、マグマ剤、薬用ドロップ、軟膏剤、クリーム剤、ペースト剤、絆創膏、ローション剤、ディスク剤、坐剤、点鼻または経口噴霧剤、エーロゾル剤などが挙げられる。
注射の場合は、本発明の化合物は水溶液の状態、好ましくは、場合によっては低濃度の界面活性剤を含むか又は含まない緩衝液のような生理学的適合性のある緩衝液中で、あるいは生理食塩水緩衝液中で処方することができる。経粘膜投与の場合はバリアに浸透するのに適した浸透剤を製剤に用いる。このような浸透剤は当業界で一般に知られている。
経口投与の場合は活性化合物を当業界で周知の薬学的に許容できる担体と組み合わせることによってそれら化合物を製剤することができる。そのような担体は、患者が本発明の化合物を経口摂取するための錠剤、丸剤、薬用ドロップ、ドラジェ、カプセル剤、液剤、ゲル剤、シロップ剤、スラリー、懸濁剤などとして製剤することを可能にする。経口使用のための医薬製剤は、固形賦形剤を使用し、任意選択でその得られた混合物を粉砕し、望むなら他の適切な助剤を加えた後にその顆粒の混合物を加工して錠剤またはドラジェのコアを得ることにより製造することができる。有用な賦形剤は具体的には、ラクトース、スクロース、マンニトール、またはソルビトールを含めた糖類などの充填剤や、例えばトウモロコシデンプン、コムギデンプン、コメデンプン、およびバレイショデンプンなどのセルロース製品や、ゼラチン、ガムトラガント、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、および/またはポリビニル−ピロリドン(PVP)などの他の材料である。望むなら架橋ポリビニルピロリドン、カンテン、またはアルギン酸などの崩壊剤を加えることができる。アルギン酸ナトリウムなどの塩もまた使用することができる。
ドラジェのコアは適切なコーティング剤を備える。この目的ではアラビアガム、タルク、ポリビニルピロリドン、カルボポールジェル、ポリエチレングリコール、および/または二酸化チタンや、ラッカー溶液や、適切な有機溶媒または溶媒混合物を任意に含有することができる濃縮糖溶液を使用することができる。活性化合物の用量の異なる組合せの識別用または特徴づけのために、錠剤またはドラジェのコーティング剤に染料または顔料を加えることができる。
経口的に用いることができる医薬組成物には、ゼラチンから作られるプッシュフィットカプセル、ならびにゼラチンとグリセロールまたはソルビトールなどの可塑剤とから作られる柔軟な密封カプセルが含まれる。これらプッシュフィットカプセルは、活性成分をラクトースなどの充填剤、デンプンなどの結合剤、および/またはタルクもしくはステアリン酸マグネシウムなどの滑沢剤、および任意に安定剤類との混合物中に含有することができる。柔軟カプセルでは活性成分を脂肪油、液状パラフィン、液状ポリエチレングリコール、クレモフォール、キャプマル(capmul)、中鎖または長鎖モノ、ジ、またはトリグリセリドなどの適切な液体中に溶解または懸濁することができる。安定剤もまた、これら製剤に加えることができる。
吸入による投与の場合、本発明により使用される化合物は、便利には加圧パックまたはネブライザーと、適切な噴霧剤、例えばこれらには限定されないがジクロロジフルオロメタン、トリクロロフルオロメタン、ジクロロテトラ‐フルオロエタン、または二酸化炭素とを用いてエーロゾル噴霧剤の形態で納品される。加圧エーロゾルの場合、投薬単位は、計量した量を送り出すための弁を設けることによって制御することができる。吸入器またはインサフレーターに使用するための、例えばゼラチンのカプセルおよびカートリッジは、この化合物とラクトースまたはデンプンなどの適切な散剤基剤の粉末混合物を含有させて製剤することができる。
これら化合物はまた、例えばボーラス注射または連続的な点滴による非経口投与用に調合することもできる。注射用の製剤は、追加の防腐剤と共に単位剤型、例えばアンプルか、または多数回投与容器中で与えることができる。これら組成物は、油性または水性ビヒクルに溶かした懸濁剤、溶液、または乳剤のような形態を採ることもでき、また懸濁剤、安定剤、および/または分散剤などの製剤材料を含有することもできる。
これら非経口投与用の医薬組成物には、これらには限定されないがその活性化合物の塩などの水溶性の形態の水溶液が含まれる。さらにこれら活性化合物の懸濁剤は、親油性ビヒクルに懸濁させて調製することができる。好適な親油性ビヒクルには、ゴマ油などの脂肪油、オレイン酸エチルおよびトリグリセリド類などの合成脂肪酸エステル、またはリポソームなどの材料が挙げられる。水性の注射用懸濁剤は、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ソルビトール、またはデキストランなど、懸濁剤の粘度を増す物質を含有することができる。懸濁剤はまた、任意に適切な安定剤および/または高度に濃縮された溶液を可能とするそれら化合物の溶解度を増す薬品を含有することができる。
別法ではこの活性成分は、使用の前に適切なビヒクル、例えば無菌で発熱物質を含まない水とともに構成されるための粉末形態であることもできる。
これらの化合物はまた、例えばカカオバターまたは他のグリセリド類などの慣用の坐剤基剤を用いて坐剤または停留浣腸剤などの直腸用組成物に製剤することもできる。
前述の製剤に加えてこれら化合物はまた、デポ製剤として調合することもできる。このような長時間作用する調合剤は、植込み(例えば皮下または筋内に)によってまたは筋内注射によって投与することができる。本発明の化合物は、適切な高分子材料または疎水性材料(例えば薬理学的に許容できる油による乳剤中)を用いて、イオン交換樹脂を用いて、またはこれらには限定されないがやや溶けにくい塩などのやや溶けにくい誘導体としてこの経路の投与用に製剤することができる。
本発明の疎水性化合物用の薬学的担体の非限定的な例は、ベンジルアルコールと、非極性界面活性剤と、水混和性有機ポリマーと、VPD補助溶剤系などの水性相とを含む補助溶媒系である。VPDは、無水エタノールで体積をあわせた3 w/v%のベンジルアルコール、8 w/v%の非極性界面活性剤Polysorbate 80、および65 w/v%のポリエチレングリコール300の溶液である。VPD補助溶剤系(VPD : D5W)は、水に溶かした5%デキストロース溶液により1 : 1に希釈したVPDからなる。この補助溶剤系は、疎水性化合物をよく溶解し、全身的投与の場合にそれ自体が生成する毒性が低い。もちろんこのような補助溶剤系の割合は、その溶解および毒性の特性を破壊することなくかなり変えることができる。さらにこの補助溶剤成分の本体を変えることができる。例えば他の低毒性の非極性界面活性剤をPolysorbate 80の代わりに使用することができ、またポリエチレングリコールの分率を変えることができ、また他の生物学的適合性ポリマーをポリエチレングリコール、例えばポリビニルピロリドンで置き換えることができ、また他の糖類または多糖類をデキストロースの代わりに用いることができる。
別法では疎水性医薬用化合物の他の送達システムを使用することもできる。リポソームおよび乳濁液は、疎水性薬物用送達ビヒクルまたは担体のよく知られている例である。さらにジメチルスルホキシドなどの幾つかの有機溶剤もまた使用することができるが、毒性がより大きいという代償を払うことが多い。
さらにこれら化合物は、治療薬を含有する固形疎水性ポリマーの半透過性マトリックスのような徐放性システムを用いて送達することもできる。様々な徐放性材料が確立されており、当業者によってよく知られている。徐放性カプセルは、それらの化学的性質に応じて数週間から100日を超えるまで化合物を放出することができる。その治療薬の化学的性質および生体安定性によってはタンパク質安定化のための別の方策を採用することもできる。
本明細書中の医薬組成物はまた、適切な固相またはゲル相の担体または賦形剤を含むこともできる。このような担体または賦形剤の例には、これらには限定されないが炭酸カルシウム、リン酸カルシウム、様々な糖、デンプン、セルロース誘導体、ゼラチン、およびポリエチレングリコールなどのポリマーが挙げられる。
本発明のPK調節化合物の多くは生理学的に許容できる塩として提供することができ、その特許請求されている化合物は負または正に帯電した化学種を形成することができる。化合物が正に帯電した化学種を形成する塩の例には、これらには限定されないが4級アンモニウム(本明細書中で別に定義する)や、塩酸塩、硫酸塩、炭酸塩、乳酸塩、酒石酸塩、マレイン酸塩、コハク酸塩、リンゴ酸塩、酢酸塩、およびメチルスルホン酸塩(CH3SO3)などの塩類が挙げられる。上記4級アンモニウム基の窒素原子は、適切な酸と反応した本発明の選択された化合物の窒素である。本発明の化合物が負に帯電した化学種を形成する塩の例には、これらには限定されないが適切な塩基(例えば水酸化ナトリウム(NaOH)、水酸化カリウム(KOH)、水酸化カルシウム(Ca(OH)2)など)とその化合物中のカルボン酸基との反応によって形成されるナトリウム、カリウム、カルシウム、およびマグネシウム塩が挙げられる。
用量
本発明で使用するのに適した医薬組成物には、活性成分を意図する目的、すなわちPK活性の調節あるいはPKが関係する疾病の治療または予防を達成するのに十分な量で含有する組成物が含まれる。
より具体的には治療に有効な量とは、病気の症候を予、改善または軽減する、あるいは治療される被検者の生存を引き延ばすのに効果のある化合物の量を意味する。
治療に有効な量の判断は、特に本明細書中で提供される詳細な開示に照らして完全に当業者の能力内にある。
本発明の方法で使用される任意の化合物についてはその治療に有効な量または用量は、まず細胞培養アッセイから見積もることができる。次に用量は、細胞培養で求められるIC50(すなわち、c−Met活性の最大の二分の一の抑制を達成する試験化合物の濃度)を含む循環濃度範囲を達成するように動物モデルを用いて製剤することができる。次いでこのような情報を用いてヒトにおける有効用量をより正確に求めることができる。
本明細書中で述べた化合物の毒性および治療の有効性は、細胞培養または実験動物で標準の薬学的手順によって、例えば主題の化合物に対するIC50およびLD50(これらの両方とも本明細書中の別のところで考察される)を求めることによって判定することができる。これらの細胞培養アッセイおよび動物調査から得られるデータは、ヒトに使用する用量の範囲を製剤するときに用いることができる。この用量は、採用される剤形および使用する投与の経路に応じて変わる可能性がある。その正確な製剤、投与の経路、および用量は、患者の状態を考慮して個々の医師が選択することができる(例えばFingl等著の「The Pharmacological Basis of Therapeutics」(1975年)、第1章1頁を参照されたい)。
用量および間隔は、そのキナーゼ調節効果を維持するのに十分な活性化学種の血漿レベルを実現するように個々に調整することができる。これらの血漿レベルは最小有効濃度(MEC)と呼ばれる。このMECは各化合物で変わるはずだが、それは in vitroデータから見積もることができ、例えばキナーゼの50〜90%抑制を達成するのに必要な濃度は本明細書中で述べたアッセイを用いて確かめることができる。MECを達成するのに必要な用量は、個人個人の特徴および投与の経路によって決まるはずである。HPLCアッセイまたは生物学的アッセイを用いて血漿濃度を求めることができる。
投与間隔もまたMECの値を用いて決めることができる。化合物は、その時間の10〜90%、好ましくは30〜90%の間、最も好ましくは50〜90%の間、MECを超える血漿レベルを維持する投薬計画を用いて投与すべきである。現在では式(I)〜(IV)の化合物の治療に有効な量は、1日当たり約10 mg/m2〜1000 mg/m2の範囲であることができる。さらに好ましくは25 mg/m2〜500 mg/m2である。
局所投与または選択的吸収の場合、その薬物の有効局所濃度は血漿濃度と関係がないことがあり、正しい用量および間隔を決めるには当業界で知られている他の手順を採用することができる。
投与される組成物の量は、もちろん治療される被検者、その苦痛の重症度、投与方法、診察する医師の判断などによって決まるはずである。
包装
もし望むならこれら組成物は、FDAが認可したキットなどのパックまたは計量分配器で与えることもでき、それは活性成分を含有する1個以上の単位剤形を包含することができる。パックは、例えばブリスターパックなどのように、金属またはプラスチックのホイルを備えることができる。このパックまたは計量分配器は、投与用の使用説明書を伴うことができる。またこのパックまたは計量分配器は、医薬品の製造、使用、または販売を規制する政府機関により定められた形式で容器に関連した注意事項を伴うこともでき、この注意事項はそれら組成物の形状あるいはヒトまたは家畜投与の形態に関しての上記機関による承認を反映している。このような注意事項は、例えば処方薬物についてU. S. Food and Drug Administrationによって認可された表示に関するものでも、または認可された製品の挿入物に関するものでもよい。適合する薬用担体中に製剤された本発明の化合物を含む組成物はまた、製剤し、適切な容器に入れ、既往症の治療のためのラベルを貼ることもできる。そのラベル上に表示される適切な状態には、腫瘍の治療、脈管形成の阻害、線維症の治療、糖尿病などを含めることができる。
実施例1. 4−(6−チオフェン−2−イル−イミダゾ[4, 5−b]ピラジン−1−イルメチル)−フェノール
Figure 2007516180
Figure 2007516180
ステップ1: 4−[(3−アミノ−6−ブロモ−ピラジン−2−イルアミノ)−メチル]−フェノールの調製
Figure 2007516180
DMSO(2.5 mL)に溶かした3, 5−ジブロモ−ピラジン−2−イルアミン(220 mg、0.87 mmol)および4−アミノメチル−フェノール(225.0 mg、1.83 mmol)の溶液を窒素中において98℃で24時間加熱した。HPLCによると35%の生成物が形成され、40%の出発材料が現れることが示された。この反応溶液をEtOAcと水の間に分配した。有機層の濃縮の後、残分をジクロロメタン中3%メタノールで溶離するシリカゲルカラム上で精製して4−[(3−アミノ−6−ブロモ−ピラジン−2−イルアミノ)−メチル]−フェノール(30 mg)を黄色固体として得た。
1H NMR(400 MHz, DMSO−d6)δ9.27(s, 1H)、7.15(s, 1H)、7.12(d, 2H)6.81(t, 1H)、6.70(d, 2H)、6.08(s, 2H)、4.37(d, 2H);MS(ES+)m/z 297(m+H+
ステップ2: 4−[(3−アミノ−6−チオフェン−2−イル−ピラジン−2−イルアミノ)−メチル]−フェノールの調製
Figure 2007516180
4−[(3−アミノ−6−ブロモ−ピラジン−2−イルアミノ)−メチル]−フェノール(25 mg、0.085 mmol)、2−チオフェンボロン酸(13 mg、0.10 mmol)、Pd(PPh32Cl2(2 mg、0.0028 mmol)、およびDME(0.5 mL)と水(0.15 mL)に溶かしたNaHCO3(21 mg、0.25 mmol)の混合物をマイクロ波反応管に入れ、マイクロ波反応器中で110℃において7分間反応させた。この反応混合物を酢酸エチルと水に分配し、有機層を蒸発させた。0.1%トリフルオロ酢酸を含有するメタノール/アセトニトリルで溶離するC−18逆相分取HPLC上で残分を精製し、白色固体として4−[(3−アミノ−6−チオフェン−2−イル−ピラジン−2−イルアミノ)−メチル]−フェノールトリフルオロ酢酸塩(12 mg)を得た。
1H NMR(400 MHz, DMSO−d6)δ9.28(brs, 1H)、7.64(s, 1H)、7.48(d, 1H)、7.47(d, 1H)、7.32(s, 2H)、7.22(d, 2H)、7.06(t, 1H)、6.68(d, 2H)、4.48(s, 2H);MS(ES+)m/z 299(M+H+
ステップ3: 4−(6−チオフェン−2−イル−イミダゾ[4, 5−b]ピラジン−1−イルメチル)−フェノールの調製
オルトギ酸トリエチル(1.5 mL)に溶かした4−[(3−アミノ−6−チオフェン−2−イル−ピラジン−2−イルアミノ)−メチル]−フェノールトリフルオロ酢酸塩(10 mg、0.024 mmol)の溶液を4時間還流させた。出発材料は完全に消えた。オルトギ酸トリエチルを蒸発させた後、粗生成物をヘキサン−ジクロロメタン系で結晶化させて褐色固体として4−(6−チオフェン−2−イル−イミダゾ[4, 5−b]ピラジン−1−イルメチル)−フェノール(5 mg)を得た。
1H NMR(400 MHz, DMSO−d6)δ9.46(s, 1H)、9.08(s, 1H)、8.81(s, 1H)、7.96(d, 1H)、7.70(d, 1H)、7.31(d, 2H)、7.20(m, 1H)、6.70(d, 2H)、5.36(s, 2H);MS(ES+)m/z 309(M+H+)。
実施例2. 6−(4−フルオロ−フェニル)−1−(4−メトキシ−ベンジル)−1H−イミダゾ[4, 5−b]ピラジン
Figure 2007516180
Figure 2007516180
ステップ1: 5−ブロモ−N−3−(4−メトキシ−ベンジル)−ピラジン−2, 3−ジアミンの調製
Figure 2007516180
n−ブタノール(50 mL)に溶かした3, 5−ジブロモ−ピラジン−2−イルアミン(2 g、7.91 mmol)および4−メトキシ−ベンジルアミン(2 mL)の溶液を24時間還流させた。真空下で濃縮した後、残分をジクロロメタン中5%メタノールで溶離するシリカゲルカラム上で精製し、白色固体として5−ブロモ−N−3−(4−メトキシ−ベンジル)−ピラジン−2, 3−ジアミン(940 mg、収率40%)を得た。
1H NMR(400 MHz, DMSO−d6)δ7.25(d, 2H)、7.16(s, 1H)、6.89(m, 3H)、6.18(s, 2H)、4.39(d, 2H)、3.72(s, 3H)。
ステップ2: N−[5−ブロモ−3−(4−メトキシ−ベンジルアミノ)−ピラジン−2−イル]−ホルムアミドの調製
Figure 2007516180
オルトギ酸トリエチル(15 mL)に溶かした5−ブロモ−N−3−(4−メトキシ−ベンジル)−ピラジン−2, 3−ジアミン(660 mg、2.13 mmol)の溶液を4時間還流させた。出発材料は完全に消え、中間生成物が形成された。オルトギ酸トリエチルを蒸発させた後、トルエン(30 mL)を加え、この溶液を18時間還流させた。トルエン溶媒の蒸発の間にN−[5−ブロモ−3−(4−メトキシ−ベンジルアミノ)−ピラジン−2−イル]−ホルムアミドが結晶化し、白色固体(280 mg、収率39%)として得られた。
1H NMR(400 MHz, DMSO−d6)δ10.21(d, 2H)、7.54(s, 1H)、7.34(t, 1H)、7.26(d, 2H)、6.81(d, 2H)、4.41(d, 2H)、3.74(s, 3H);MS(ES-)m/z 335(M−H-)。
ステップ3: 6−(4−フルオロ−フェニル)−1−(4−メトキシ−ベンジル)−1H−イミダゾ[4, 5−b]ピラジンの調製
N−[5−ブロモ−3−(4−メトキシ−ベンジルアミノ)−ピラジン−2−イル]−ホルムアミド(160 mg、0.47 mmol)、4−フルオロ−フェニルボロン酸(200 mg、1.44 mmol)、Pd(PPh32Cl2(2 mg、0.0028 mmol)、およびDME(1 mL )と水(0.2 mL)に溶かしたNaHCO3(118 mg、1.41 mmol)の混合物をマイクロ波反応管に入れ、マイクロ波反応器中で110℃において7分間反応させた。この反応混合物を酢酸エチルと水で分配し、有機層を蒸発させた。残分を0.1%トリフルオロ酢酸を含有するメタノール/アセトニトリルで溶離するC−18逆相分取HPLC上で精製し、白色固体として6−(4−フルオロ−フェニル)−1−(4−メトキシ−ベンジル)−1H−イミダゾ[4, 5−b]ピラジン(48 mg)を得た。
1H NMR(400 MHz, DMSO−d6)δ9.10(s, 1H)、8.89(s, 1H)、8.22(m, 2H)、7.39(m, 4H)、6.90(d, 2H)、5.47(s, 2H)、3.69(s, 3H);MS(ES+)m/z 335(M+H+)。
実施例3. 4−[6−(4−フルオロ−フェニル)−イミダゾ[4, 5−b]ピラジン−1−イルメチル]−フェノール
Figure 2007516180
Figure 2007516180
0℃で無水ジクロロメタン(3 mL)に溶かした6−(4−フルオロ−フェニル)−1−(4−メトキシ−ベンジル)−1H−イミダゾ[4, 5−b]ピラジン(40 mg、0.12 mmol)の溶液にBBr3(0.01 mL)を加えた。この反応物を窒素中において0℃で40分間攪拌した。HPLCの結果は出発材料33%の存在を示した。BBr3の別の部分(0.01 mL)を加え、反応を完成させるために窒素中において0℃で2時間反応を続けた。反応溶液を氷で失活させ、ジクロロメタンと水の間に分配した。有機層をブラインで洗浄し、MgSO4上で乾燥し、濃縮した。EtOAc−ヘキサン(1:1)で溶離するシリカゲルカラム上で残分を精製し、黄色固体として4−[6−(4−フルオロ−フェニル)−イミダゾ[4, 5−b]ピラジン−1−イルメチル]−フェノール(34 mg)を得た。
1H NMR(400 MHz, DMSO−d6)δ9.16(s, 1H)、8.96(s, 1H)、8.32(m, 2H)、7.60(m, 1H)、7.43(t, 2H)、7.35(d, 2H)、6.77(d, 2H)、5.48(s, 2H);MS(ES+)m/z 321(M+H+)。
実施例4. 1−(4−フルオロ−ベンジル)−6−チオフェン−2−イル−1H−イミダゾ[4, 5−b]ピラジン
Figure 2007516180
Figure 2007516180
ステップ1: 5−ブロモ−N−3−(4−フルオロ−ベンジル)−ピラジン−2, 3−ジアミンの調製
Figure 2007516180
n−ブタノール(100 mL)に溶かした3, 5−ジブロモ−ピラジン−2−イルアミン(5 g、19.8 mmol)および4−フルオロ−ベンジルアミン(4.5 mL、39.6 mmol)の溶液を48時間還流させた。真空下で濃縮した後、残分をジクロロメタン中5%メタノールで溶離するシリカゲルカラム上で精製し、白色固体として5−ブロモ−N−3−(4−フルオロ−ベンジル)−ピラジン−2, 3−ジアミン(4.9 g、収率83%)を得た。
1H NMR(400 MHz, DMSO−d6)δ7.36(m, 2H)、7.15(m, 3H)、6.98(m, 1H)、6.18(s, 2H)、4.47(d, 2H)。
ステップ2: 1−(4−フルオロ−ベンジル)−6−チオフェン−2−イル−1H−イミダゾ[4, 5−b]ピラジンの調製
オルトギ酸トリエチル(50 mL)に溶かした5−ブロモ−N−3−(4−フルオロ−ベンジル)−ピラジン−2, 3−ジアミン(2 g、6.7 mmol)の溶液を14時間還流させた。出発材料は完全に消え、中間生成物が形成された。オルトギ酸トリエチルを蒸発させた後、残分をC−18逆相分取HPLC上で精製して中間体(430 mg)を得た。
ブロモ中間体(130 mg、0.37 mmol)、2−チオフェンボロン酸(56.8 mg、0.44 mmol)、Pd(PPh32Cl2(16.5 mg、0.023 mmol)、およびDME(2 mL )と水(0.4 mL)に溶かしたNaHCO3(93 mg、1.11 mmol)の混合物をマイクロ波反応管に入れ、マイクロ波反応器中で120℃において8分間反応させた。この反応混合物を酢酸エチルと水で分配し、有機層を蒸発させた。0.1%トリフルオロ酢酸を含有するメタノール/アセトニトリルで溶離するC−18逆相分取HPLC上で残分を精製し、白色固体として1−(4−フルオロ−ベンジル)−6−チオフェン−2−イル−1H−イミダゾ[4, 5−b]ピラジン(70 mg)を得た。
1H NMR(400 MHz, DMSO−d6)δ9.09(s, 1H)、8.85(s, 1H)、7.93(d, 1H)、7.68(d, 1H)、7.49(m, 2H)、7.18(m, 3H)、5.49(s, 2H);MS(ES+)m/z 311(M+H+)。
実施例5. 1−(4−フルオロ−ベンジル)−6−(4−フルオロ−フェニル)−1H−イミダゾ[4, 5−b]ピラジン
Figure 2007516180
1−(4−フルオロ−ベンジル)−6−(4−フルオロ−フェニル)−1H−イミダゾ[4, 5−b]ピラジンを、1−(4−フルオロ−ベンジル)−6−チオフェン−2−イル−1H−イミダゾ[4, 5−b]ピラジン(実施例4)と同じ手順に従って調製した。
1H NMR(400 MHz, DMSO−d6)δ9.11(s, 1H)、8.92(s, 1H)、8.22(t, 2H)、7.52(t, 2H)、7.38(t, 2H)、7.18(t, 2H)、5.55(s, 2H);MS(ES+)m/z 323(M+H+)。
実施例6. 1−(4−フルオロ−ベンジル)−6−[3−(2−モルホリン−4−イル−エトキシ)−フェニル]−1H−イミダゾ[4, 5−b]ピラジン
Figure 2007516180
1−(4−フルオロ−ベンジル)−6−[3−(2−モルホリン−4−イル−エトキシ)−フェニル]−1H−イミダゾ[4, 5−b]ピラジンを、1−(4−フルオロ−ベンジル)−6−チオフェン−2−イル−1H−イミダゾ[4, 5−b]ピラジン(実施例4)と同じ手順に従って調製した。
1H NMR(400 MHz, DMSO−d6)δ9.10(s, 1H)、8.94(s, 1H)、7.81(m, 1H)、7.72(s, 1H)、7.48(m, 2H)、7.16(m, 4H)、5.58(s, 2H)、4.46(m, 2H)、3.97(m, 4H)、3.58(m, 6H);MS(ES+)m/z 434(M+H+)。
実施例7.1−(4−フルオロ−ベンジル)−6−[4−(2−モルホリン−4−イル−エトキシ)−フェニル]−1H−イミダゾ[4, 5−b]ピラジン
Figure 2007516180
1−(4−フルオロ−ベンジル)−6−[4−(2−モルホリン−4−イル−エトキシ)−フェニル]−1H−イミダゾ[4, 5−b]ピラジンを、1−(4−フルオロ−ベンジル)−6−チオフェン−2−イル−1H−イミダゾ[4, 5−b]ピラジン(実施例4)と同じ手順に従って調製した。
1H NMR(400 MHz, DMSO−d6)δ9.05(s, H)、8.86(s, 1H)、8.12(d, 2H)、7.50(t, 2H)、7.17(t, 2H)、7.11(d, 2H)、5.54(s, 2H)、4.29(m, 2H)、3.69(m, 4H)、3.34(m, 2H)、2.90(m, 4H);MS(ES+)m/z 434(M+H+)。
実施例8.6−ブロモ−1−(4−フルオロ−ベンジル)−1H−[1, 2, 3]トリアゾロ[4, 5−b]ピラジン
Figure 2007516180
Figure 2007516180
0℃で酢酸(10 mL)と水(10 mL)に溶かした5−ブロモ−N−3−(4−フルオロ−ベンジル)−ピラジン−2, 3−ジアミン(実施例4で調製、1.35 g、4.5 mmol)の溶液に、水(1 mL)に溶かしたNaNO2(311 mg、4.5 mmol)を1滴ずつ加えた。この反応物を0℃で4時間攪拌した。HPLCの結果は出発材料の完全な消滅を示したが、4種類の新しい生成物が観察された。この反応物を室温で攪拌し、次いで濃HCl(2 mL)を加えた。合併して、HPLC 上の4つのピークが2つのピークになった。すべての溶剤を除去し、その残分に酢酸(30 mL)および濃HCl(70 mL)を加えた。この反応物を50℃で2時間加熱し、次いで室温で夜通し放置した。HPLCの結果は1つの主ピークと2つのより小さなピークを示した。反応を60℃で5時間続けると、HPLCはきれいな主ピークを示した。この生成物を酢酸エチルで抽出し、MgSO4上で乾燥し、濃縮した。この残分をシリカゲルカラム上で精製して6−ブロモ−1−(4−フルオロ−ベンジル)−1H−[1, 2, 3]トリアゾロ[4, 5−b]ピラジン(380 mg)を得た。
1H NMR(400 MHz, DMSO−d6)δ8.92(s, 1H)、7.44(m, 2H)、7.18(t, 2H)、5.94(s, 2H)。
実施例9.1−(4−フルオロ−ベンジル)−6−チオフェン−2−イル−1H−[1, 2, 3]トリアゾロ[4, 5−b]ピラジン
Figure 2007516180
Figure 2007516180
6−ブロモ−1−(4−フルオロ−ベンジル)−1H−[1, 2, 3]トリアゾロ[4, 5−b]ピラジン(100 mg、0.32 mmol)、2−チオフェンボロン酸(44.8 mg、0.35 mmol)、Pd(PPh32Cl2(11.3 mg、0.016 mmol)、およびDME(2 mL )と水(0.4 mL)に溶かしたNaHCO3(80.6 mg、0.96 mmol)の混合物をマイクロ波反応管に入れ、マイクロ波反応器中で120℃において15分間反応させた。この反応混合物を酢酸エチルと水で分配し、有機層を蒸発させた。この残分をEtOAc−ヘキサンで溶離するシリカゲルカラム上で精製して1−(4−フルオロ−ベンジル)−6−チオフェン−2−イル−1H−[1, 2, 3]トリアゾロ[4, 5−b]ピラジン(18 mg)を得た。
1H NMR(400 MHz, DMSO−d6)δ9.43(s, 1H)、8.22(d, 1H)、7.89(d, 1H)、7.48(m, 2H)、7.27(t, 1H)、7.18(t, 2H)、5.93(s, 2H);MS(ES+)m/z 312(M+H+)。
実施例10.1−(4−フルオロ−ベンジル)−6−[3−(2−モルホリン−4−イル−エトキシ)−フェニル]−1H−[1, 2, 3]トリアゾロ[4, 5−b]ピラジン
Figure 2007516180
1−(4−フルオロ−ベンジル)−6−[3−(2−モルホリン−4−イル−エトキシ)−フェニル]−1H−[1, 2, 3]トリアゾロ[4, 5−b]ピラジンを、1−(4−フルオロ−ベンジル)−6−チオフェン−2−イル−1H−[1, 2, 3]トリアゾロ[4, 5−b]ピラジン(実施例9)と同じ手順に従って調製した。
1H NMR(400 MHz, DMSO−d6)δ9.48(s, 1H)、7.83(d, 1H)、7.81(s, 1H)、7.51(m, 3H)、7.18(m, 3H)、6.02(s, 2H)、4.21(t, 2H)、3.58(t, 4H)、2.78(t, 2H)、2.53(m, 4H);MS(ES+)m/z 435(M+H+)。
実施例11.1−(4−フルオロ−ベンジル)−6−[4−(2−モルホリン−4−イル−エトキシ)−フェニル]−1H−[1, 2, 3]トリアゾロ[4, 5−b]ピラジン
Figure 2007516180
1−(4−フルオロ−ベンジル)−6−[4−(2−モルホリン−4−イル−エトキシ)−フェニル]−1H−[1, 2, 3]トリアゾロ[4, 5−b]ピラジンを、1−(4−フルオロ−ベンジル)−6−チオフェン−2−イル−1H−[1, 2, 3]トリアゾロ[4, 5−b]ピラジン(実施例9)と同じ手順に従って調製した。
1H NMR(400 MHz, DMSO−d6)δ9.41(s, 1H)、8.26(d, 2H)、7.49(m, 2H)、7.18(m, 4H)、5.98(s, 2H)、4.20(t, 2H)、3.58(t, 4H)、2.72(t, 2H)、2.45(m, 4H);MS(ES+)m/z 435(M+H+)。
実施例12.1−(4−フルオロ−ベンジル)−6−(1H−インドール−2−イル)−1H−[1, 2, 3]トリアゾロ[4, 5−b]ピラジン
Figure 2007516180
1−(4−フルオロ−ベンジル)−6−(1H−インドール−2−イル)−1H−[1, 2, 3]トリアゾロ[4, 5−b]ピラジンを、1−(4−フルオロ−ベンジル)−6−チオフェン−2−イル−1H−[1, 2, 3]トリアゾロ[4, 5−b]ピラジン(実施例9)と同じ手順に従って調製した。
1H NMR(400 MHz, DMSO−d6)δ11.93(s, 1H)、9.48(s, 1H)、7.68(m, 2H)、7.55(m, 3H)、7.23(m, 3H)、7.05(t, 1H)、5.97(s, 2H);MS(ES+)m/z 345(M+H+)。
実施例13.6−ブロモ−1−(4−メトキシ−ベンジル)−1H−イミダゾ[4, 5−b]ピリジン
Figure 2007516180
Figure 2007516180
オルトギ酸トリエチル(40 mL)に溶かした5−ブロモ−ピリジン−2, 3−ジアミン(1 g、5.3 mmol)の溶液を1時間還流させると、TLCの結果はきれいな生成物が形成されたことを示した。オルトギ酸トリエチルを蒸発させた後、きれいな生成物6−ブロモ−1H−イミダゾ[4, 5−b]ピリジンが得られた(1.1 g)。
DMF(10 mL)に溶かした6−ブロモ−1H−イミダゾ[4, 5−b]ピリジン(500 mg、2.52 mmol)および1−クロロメチル−4−メトキシ−ベンゼン(394.6 mg、2.52 mmol)の溶液にCs2CO3(902 mg、2.77 mmol)を加えた。この反応混合物を室温で2時間攪拌し、次いでEtOAcと水の間に分配した。有機層をMgSO4上で乾燥し、濃縮した。この残分をEtOAc−ヘキサンで溶離するシリカゲルカラム上で精製して6−ブロモ−1−(4−メトキシ−ベンジル)−1H−イミダゾ[4, 5−b]ピリジン(450 mg)を得た。
1H NMR(400 MHz, DMSO−d6)δ8.60(s, 1H)、8.43(s, 1H)、8.33(s, 1H)、7.28(d, 2H)、6.85(d, 2H)、5.38(s, 2H)、3.68(s, 3H);MS(ES+)m/z 318(M+H+)。
実施例14.4−(6−ブロモ−イミダゾ[4, 5−b]ピリジン−1−イルメチル)−フェノール
Figure 2007516180
Figure 2007516180
4−(6−ブロモ−イミダゾ[4, 5−b]ピリジン−1−イルメチル)−フェノールを、4−[6−(4−フルオロ−フェニル)−イミダゾ[4, 5−b]ピラジン−1−イルメチル]−フェノール(実施例3)と同じ手順に従って調製した。
MS(ES+)m/z 304(M+H+)。
生物学的実施例
下記の定量法は、希望する活性の最適な度合を示す化合物を見出すために使用される。
A. 定量手順
下記の定量法は、1種または複数種のPKに及ぼす本発明の様々な化合物の活性レベルおよび効果を判定するために用いることができる。任意のPKに対して似たような定量法をこの同じ方針に沿って当業界でよく知られている技術を用いて設計することができる。
本明細書中で述べた定量法の幾つかは、ELISA(サンドイッチ型酵素免疫検定)方式(Voller等著「Enzyme-Linked Immunosorbent Assay」Manual of Clinical Immunology (1980), 2d ed., Rose and Friedman, Am. Soc. of Microbiology, Washington, D. C., pp.359-371)で行われる。その一般手順は次のとおりである。すなわち、試験キナーゼを自然または組換えのどちらかにより発現する細胞に化合物を導入した後、選択された期間にわたり、その試験キナーゼが受容体の場合はその受容体を活性化することが分かっているリガンドを加える。この細胞を溶解分離し、その溶解産物を、酵素によるリン酸化反応の基質を認識する特異的抗体で前もってコーティングしたELISAプレートのウェルに移す。この細胞溶解産物の非基質成分を洗浄して除き、試験化合物と接触しなかった対照細胞と比較してホスホチロシンを特異的に認識する抗体により基質上のリン酸化の量を検出する。
特定のPKに関してELISA実験を行うための現在の好ましい実験計画案を下記に提供する。しかしながら他のRTKに対する、またCTKおよびSTKについてのこれら化合物の活性を決定するためのこれら実験計画案の適用については、完全に当業技術者の知識の範囲内にある。本明細書中で述べた他の定量法は、増殖性反応の一般的尺度である、試験キナーゼの活性に応じて作られるDNAの量を測定する。この定量法の一般的手順は次のとおりである。すなわち、その試験キナーゼを自然または組換えのどちらかにより発現する細胞に化合物を導入した後、選択された期間にわたり、その試験キナーゼが受容体の場合はその受容体を活性化することが分かっているリガンドを加える。少なくとも夜通しインキュベートした後、5−ブロモデオキシウリジン(BrdU)またはH3−チミジンなどのDNA標識試薬を加える。標識されたDNAの量を抗BrdU抗体で検出するかまたは放射能を測定することにより検出し、試験化合物と接触しなかった対照細胞と比較する。
メチオニンリン酸基転移定量法
この定量法は、基質のメチオニンリン酸基転移の作動体/拮抗体を識別する手段としてポリ(グルタミン酸:チロシン(4 : 1))基質上のホスホチロシンレベルを測定するために用いられる。
材料および試薬
1、Corning 96ウェルElisaプレート(Corningカタログ番号25805-96)
2、ポリ(glu、tyr)4 : 1(Sigmaカタログ番号P0275)
3、PBS(Gibcoカタログ番号450-1300EB)
4、50mM HEPES
5、遮断緩衝液(ウシ血清アルブミン (Sigmaカタログ番号A-7888) 25 gをPBS 500 mL に溶解し、4 μmフィルターを通して濾過する)
6、Metキナーゼドメインを含有する精製GST融合タンパク質(Sugen, Inc.)
7、TBST緩衝液
8、10%水性(MilliQue H2O)DMSO
9、10 mM水性(dH2O)アデノシン5′−三リン酸(Sigmaカタログ番号A-5394)
10、2Xキナーゼ希釈緩衝液(100 mLの場合、pH 7.5の1M HEPES 10 mLを、5%BSA/PBS 0.4 mL、0.1Mオルトバナジン酸ナトリウム0.2 mL、および5 M塩化ナトリウム1 mLとdH2O 88.4 mL中で混ぜ合わせる)
11、4X ATP反応混合物(10 mLの場合、1 M塩化マンガン0.4 mLおよび0.1M ATP 0.02 mLをdH2O 9.56 mL中で混ぜ合わせる)
12、4X陰性対照混合物(10 mLの場合、1 M塩化マンガン0.4 mLをdH2O 9.6 mL中で混ぜ合わせる)
13、NUNC 96ウェルV底ポリプロピレンプレート(Applied Scientificカタログ番号S-72092)
14、500mM EDTA
15、抗体希釈緩衝液(100 mLの場合、5%BSA/PBS 10 mL、PBSに溶かした5%Carnation Instant Milk(登録商標)0.5 mL 、および0.1 Mオルトバナジン酸ナトリウム0.1 mLをTBST 88.4 mL中で混ぜ合わせる)
16、ウサギポリクローナル抗ホスホチロシン抗体(Sugen, Inc.)
17、ヤギ抗ウサギ西洋ワサビペルオキシダーゼ複合抗体(Biosource, Inc.)
18、ABTS溶液(1 Lの場合、1 Lを作るのに十分なdH2Oと一緒にクエン酸19.21 g、Na2HPO4 35.49 g、およびABTS 500 mgを混ぜ合わせる)
19、ABTS/H2O2(使用5分前にABST 15 mLをH2O2 2 μLと混ぜ合わせる)
20、0.2M HCl
手順
1、ELISAプレートをPBS 100 μLに溶かしたポリ(glu、tyr)2 μgでコーティングし、4℃で一晩保管する。
2、5%BSA/PBS 150 μLで60分間プレートをブロッキングする。
3、プレートをPBSで2回、50mM HEPES緩衝液(pH 7.4)で1回洗浄する。
4、全ウェルに希釈キナーゼ50 μLを加える(精製キナーゼはキナーゼ希釈緩衝液で希釈する。最終濃度は10 ng/ウェルであるべきである)。
5、試験化合物(DMSOに溶かした4%)25 μLまたは対照の場合はDMSO単独(dH2Oに溶かした4%)をプレートに加える。
6、キナーゼ/化合物の混合物を15分間インキュベートする。
7、陰性対照ウェルに40mM MnCl2 25 μLを加える。
8、すべての他のウェル(負の対照ウェルを除く)にATP/MnCl2混合物25 μLを加え、5分間インキュベートする。
9、反応を停止させるために500mM EDTA 25 μLを加える。
10、プレートをTBSTで3回洗浄する。
11、各ウェルに、抗体希釈緩衝液で1 : 10,000に希釈したウサギポリクローナル抗Ptyr 100 μLを加え、振とうしながら室温で1時間インキュベートする。
12、プレートをTBSTで3回洗浄する。
13、Biosource HRP複合抗ウサギ抗体を抗体希釈緩衝液で1 : 6,000に希釈する。1ウェル当たり100 μLを加え、振とうしながら室温で1時間インキュベートする。
14、プレートをTBSTで1回洗浄する。
15、各ウェルにABTS/H2O2溶液100 μL を加える。
16、必要に応じて発生反応を1ウェル当たり0.2M HCl 100μLを加えて停止させる。
17、Dynatech MR7000elisa読取装置を用いて試験フィルターの場合は410 nMで、また基準フィルターの場合は630 nMでプレートを読み取る。
メチオニンリン酸基転移定量分析結果
表1は、本発明の好ましい実施形態の複数の化合物について得られたIC50値を示す。
Figure 2007516180
Figure 2007516180
Figure 2007516180
本発明がこれら目的を果たし、また前述の結果および利点、ならびに本明細書中に内在するものが得られるようにうまく合わせられることを当業者ならば容易に理解するはずである。本明細書中に記述した分子錯体、およびそれらの方法、手順、治療法、分子、特定の化合物は、現在における好ましい実施形態の代表であり、例示であって、本発明の範囲を限定することを意図するものではない。本発明の精神の範囲内に包含され、この特許請求の範囲の及ぶところによって定められるその中の変更および他の使用法を当業者は思いつくはずである。
本発明の範囲および精神から逸脱することなく、本明細書中に開示される本発明に対して様々な置き換えおよび修正を行うことができることを当業者は容易に理解できるはずである。
本明細書中で言及されたすべての特許および刊行物は、本発明が属する当業界の技術者のレベルを示している。すべての特許および刊行物は、あたかもそれぞれ個々の刊行物が具体的かつ個々に参照により組み込まれて示されているのと同じ限度で本明細書中に参照により組み込まれる。
本明細書中で適切に例示的に記述されている本発明は、本明細書中に具体的に開示されていないいずれの要素または複数の要素、制約または複数の制約がなくても実施することができる。したがって例えば本明細書中のそれぞれの事例で用語「を含む」、「から基本的に成り立っている」、および「から成り立っている」のいずれも、その他の二つの用語のどれとも置き換えることができる。使用されているこれらの用語および表現は、説明の用語として用いられ、限定の用語ではない。本明細書中に示されまた記述される特徴またはそれらの部分の均等物を除外するこれら用語および表現の使用には何ら意図はなく、様々な変更形態が特許請求された本発明の範囲内で可能であることに気付く。
したがって、本発明が具体的に好ましい実施形態および任意選択の特徴によって開示されているとしても当業技術者は本明細書中で開示された概念の変更形態および変形例にしばしば頼ることができること、またこのような変更形態および変形例は本発明の範囲内にあると考えられることを理解するべきである。
さらに、本発明の特徴および態様がマーカシュ群の用語で記述される場合、当業技術者はそれによって本発明がまたマーカシュ群の任意の個々の一員または構成員の下位群の用語でも記述されることを理解するはずである。例えば、Xが臭素、塩素、およびヨウ素からなる群から選択されるとして記述される場合、Xが臭素であるという主張と、Xが臭素および塩素であるという主張は、完全に記述される。

Claims (10)

  1. 以下の式I:
    Figure 2007516180
    {式中、
    XはCHまたはNであり;
    各Yは独立してCHまたはNであり;
    R1およびR2は、独立して以下の:水素、ハロゲン、−CN、−COR7、−COOR7、−CONR7R8、−CF3、低級アルキル、シクロアルキル、ヘテロ脂環、アルケニル、およびアルキニルからなる群から選択され;
    R3は、以下の:F、Cl、−OH、−OR7、−COR9、−NR7R8、−CN、−SO2R7、−S(O)R7、SO2NR7R8、−CF3、および低級アルキルからなる群から選択される置換基であり、ここで、pが2以上の場合は各R3は独立してF、Cl、−OH、−OR7、−COR9、−NR7R8、−CN、−SO2R7、−S(O)R7、SO2NR7R8、−CF3、または低級アルキルであり;
    R4およびR5は、独立して以下の:水素、ハロゲン、−OH、−COR7、−COOR7、−CONR7R8、−NR7R8、−CN、−NO2、−S(O)2R7、−S(O)R7、−SO2NR6R7、−CF3、−NR6C(O)NR7R8、−NR6C(O)R7、−NR6SO2R7、置換または非置換シクロアルキル、置換または非置換ヘテロ脂環、置換または非置換ヘテロアリール、置換または非置換アルケニル、置換または非置換アルキニル、および置換または非置換アリールからなる群から選択され;
    R6、R7、およびR8は、独立して以下の:水素、低級アルキル、シクロアルキル、ヘテロ脂環、アルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、アミノアルキル、アルキルアミノアルキル、ジアルキルアミノアルキル、およびヘテロアリールからなる群から選択されるか、あるいは
    R7とR8またはR6とR7は、それらが結合する原子と一緒に、以下の:アルキル、−OH、アミノ、アミノアルキル、アルキルアミノアルキル、ジアルキルアミノアルキル、アルキルアミノ、ジアルキルアミノからなる群から選択される基で任意に置換されるヘテロ脂環式の環を形成し;
    R9は、以下の:H、低級アルキル、シクロアルキル、ヘテロ脂環、アルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、ジアルキルアミノアルキル、ヘテロアリール、およびアルキルアミノアルキルからなる群から選択される置換基であり;
    nは、1、2、または3であり、ここで、nが2以上の場合には各炭素原子上のR1およびR2基は、隣接する炭素原子上のR1およびR2基と同一でも異なってもよいと解釈され;
    pは、1、2、または3である}
    により表される化合物またはその薬学的に許容できる塩。
  2. 以下の式II:
    Figure 2007516180
    {式中、
    XはCHまたはNであり;
    各Yは独立してCHまたはNであり;
    R1およびR2は、独立して以下の:水素、ハロゲン、−CN、−COR7、−COOR7、−CONR7R8、−CF3、低級アルキル、シクロアルキル、ヘテロ脂環、アルケニル、およびアルキニルからなる群から選択され;
    R3は、以下の:F、Cl、−OH、−OR7、−COR9、−NR7R8、−CN、−SO2R7、−S(O)R7、SO2NR7R8、−CF3、および低級アルキルからなる群から選択される置換基であり、ここで、pが2以上の場合は各R3は独立してF、Cl、−OH、−OR7、−COR9、−NR7R8、−CN、−SO2R7、−S(O)R7、SO2NR7R8、−CF3、または低級アルキルであり;
    R4およびR5は、独立して以下の:水素、ハロゲン、−OH、−COR7、−COOR7、−CONR7R8、−NR7R8、−CN、−NO2、−S(O)2R7、−S(O)R7、−SO2NR6R7、−CF3、−NR6C(O)NR7R8、−NR6C(O)R7、−NR6SO2R7、置換または非置換シクロアルキル、置換または非置換ヘテロ脂環、置換または非置換ヘテロアリール、置換または非置換アルケニル、置換または非置換アルキニル、および置換または非置換アリールからなる群から選択され;
    R6、R7、およびR8は、独立して以下の:水素、低級アルキル、シクロアルキル、ヘテロ脂環、アルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、アミノアルキル、アルキルアミノアルキル、ジアルキルアミノアルキル、およびヘテロアリールからなる群から選択されるか、あるいは
    R7とR8またはR6とR7は、それらが結合する原子と一緒に、以下の:アルキル、−OH、アミノ、アミノアルキル、アルキルアミノアルキル、ジアルキルアミノアルキル、アルキルアミノ、ジアルキルアミノからなる群から選択される基で任意に置換されるヘテロ脂環式の環を形成し;
    R9は、以下の:H、低級アルキル、シクロアルキル、ヘテロ脂環、アルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、ジアルキルアミノアルキル、ヘテロアリール、およびアルキルアミノアルキルからなる群から選択される置換基であり;
    nは、1、2、または3であり、ここで、nが2以上の場合は各炭素原子上のR1およびR2基は、隣接する炭素原子上のR1およびR2基と同一でも異なってもよいと解釈され;
    pは、1、2、または3である。}
    により表される化合物またはその薬学的に許容できる塩。
  3. 以下の式III:
    Figure 2007516180
    {式中、
    XはCHまたはNであり、
    各Yは独立してCHまたはNであり、
    R1およびR2は、独立して以下の:水素、ハロゲン、−CN、−COR7、−COOR7、−CONR7R8、−CF3、低級アルキル、シクロアルキル、ヘテロ脂環、アルケニル、およびアルキニルからなる群から選択され;
    R3は、以下の:F、Cl、−OH、−OR7、−COR9、−NR7R8、−CN、−SO2R7、−S(O)R7、SO2NR7R8、−CF3、および低級アルキルからなる群から選択される置換基であり、ここで、pが2以上の場合は各R3は独立してF、Cl、−OH、−OR7、−COR9、−NR7R8、−CN、−SO2R7、−S(O)R7、SO2NR7R8、−CF3、または低級アルキルであり;
    R4およびR5は、独立して以下の:水素、ハロゲン、−OH、−COR7、−COOR7、−CONR7R8、−NR7R8、−CN、−NO2、−S(O)2R7、−S(O)R7、−SO2NR6R7、−CF3、−NR6C(O)NR7R8、−NR6C(O)R7、−NR6SO2R7、置換または非置換シクロアルキル、置換または非置換ヘテロ脂環、置換または非置換ヘテロアリール、置換または非置換アルケニル、置換または非置換アルキニル、および置換または非置換アリールからなる群から選択され;
    R6、R7、およびR8は、独立して以下の:水素、低級アルキル、シクロアルキル、ヘテロ脂環、アルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、アミノアルキル、アルキルアミノアルキル、ジアルキルアミノアルキル、およびヘテロアリールからなる群から選択されるか、あるいは
    R7とR8またはR6とR7は、それらが結合する原子と一緒に、以下の:アルキル、−OH、アミノ、アミノアルキル、アルキルアミノアルキル、ジアルキルアミノアルキル、アルキルアミノ、ジアルキルアミノからなる群から選択される基で置換されるヘテロ脂環式の環を形成し;
    R9は、以下の:H、低級アルキル、シクロアルキル、ヘテロ脂環、アルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、ジアルキルアミノアルキル、ヘテロアリール、およびアルキルアミノアルキルからなる群から選択される置換基であり;
    nは、1、2、または3であり、ここで、nが2以上の場合は各炭素原子上のR1およびR2基は、隣接する炭素原子上のR1およびR2基と同一でも異なってもよいと解釈され;
    pは、1、2、または3である。}
    により表される化合物またはその薬学的に許容できる塩。
  4. nが1であり、XがCHであり、YがNであり、かつR3がF、Cl、または−OR7である、請求項1、2、または3に記載の化合物。
  5. 以下の式IV:
    Figure 2007516180
    {式中、
    pは、1、2、または3であり;
    Yは、CHまたはNであり;
    R1およびR2は、独立して以下の:水素、ハロゲン、−CN、−COR7、−COOR7、−CONR7R8、−CF3、低級アルキル、シクロアルキル、ヘテロ脂環、アルケニル、およびアルキニルからなる群から選択され;
    各R11は、独立して以下の:ハロゲン、−OH、−OR7、−COR7、−COOR7、−CONR7R8、−NR7R8、−CN、−NO2、−S(O)2R7、−S(O)R7、SO2NR7R8、−CF3、低級アルキル、シクロアルキル、ヘテロ脂環、アルケニル、アルキニル、およびアリールからなる群から選択され;
    R12は、以下の:
    Figure 2007516180
    [式中、
    R10は、以下の:水素、−OH、ハロゲン、−O(CH2)mNR7R8、−NHC(O)NH(CH2)mNR7R8、−C(O)NR7R 8、−(CH2)mアリール、−NR6C(O)R7、−NR6SO2R7、−S(CH2)mNR7R8、−SO2R7、−S(O)R 7、および−SO2NR7R8からなる群から選択され、ここで、mは0、1、2、または3である。]
    からなる群から選択され;
    R13は、以下の:水素、ハロゲン、−OR7、−COR7、−COOR7、−CONR7R8、−NR7R8、−CN、−NO2、−S(O)2R7、−S(O)R7、−SO2NR6R7、−CF3、低級アルキル、シクロアルキル、ヘテロ脂環、ヘテロアリール、アルケニル、アルキニル、およびアリールからなる群から選択され;
    R6、R7、およびR8は、独立して水素、低級アルキル、シクロアルキル、ヘテロ脂環、アルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、アミノアルキル、アルキルアミノアルキル、ジアルキルアミノアルキルからなる群から選択されるか、あるいは
    R7とR8は、それらが結合する原子と一緒に、以下の:アルキル、−OH、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アミノアルキル、アルキルアミノアルキル、およびジアルキルアミノアルキルからなる群から選択される基で置換されるヘテロ脂環式の環を形成し;
    nは、0、1、2、または3であり、ここで、nが2以上の場合は各炭素原子上のR1およびR2基は、隣接する炭素原子上のR1およびR2基と同一でも異なってもよいと解釈される。}
    により表される化合物またはその薬学的に許容できる塩。
  6. 以下の:
    Figure 2007516180
    からなる群から選択される化合物またはその薬学的に許容できる塩。
  7. c−Metが関係する疾病を請求項1、2、または3に記載の化合物で治療する方法。
  8. 前記c−Metが関係する疾病が癌である、請求項7に記載の方法。
  9. 前記癌が、乳癌、肺癌、直腸結腸癌、前立腺癌、膵臓癌、神経膠腫、肝臓癌、胃癌、頭部の癌、首部の癌、黒色腫、腎臓癌、白血病、骨髄髄膜瘤、および肉腫からなる群から選択される、請求項8に記載の方法。
  10. 請求項1、2、または3に記載の化合物またはその薬学的に許容できる塩と、薬学的に許容できる担体または賦形剤とを含む医薬組成物。
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