JP2007513967A - 変異レセプターチロシンキナーゼが駆動する細胞増殖性疾患の処置において使用するための組成物 - Google Patents

変異レセプターチロシンキナーゼが駆動する細胞増殖性疾患の処置において使用するための組成物 Download PDF

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Abstract

変異レセプターチロシンキナーゼの存在により特徴付けられる細胞増殖性疾患に罹患する被験体を処置するための医薬の製造におけるCDK4インヒビターの使用が提供される。CDK4インヒビターは、単独でか、または、変異レセプターチロシンキナーゼのインヒビターおよびMEKインヒビターのうちの少なくとも1種と組み合わせて投与するためのものである。上記のインヒビターを含有する、組成物(その薬学的処方物およびキットを含む)がまた提供される。

Description

(発明の分野)
本発明は、変異レセプターチロシンキナーゼの存在により特徴付けられる細胞増殖性障害を処置する方法に関する。本発明はまた、このような処置方法において有用な、組成物、キットおよびシステムに関する。
(当該分野の状況)
遺伝的変化の蓄積は、過剰増殖性障害(例えば、癌)の発症および進行の根底にあり、その挙動、生化学、遺伝子、および顕微鏡での外見が正常細胞と異なる細胞を生じる。重要なタンパク質の発現レベル、または、タンパク質の構造および生物学的活性における変化を引き起こすDNAの変異は、癌の核心にあると考えられる。例えば、癌は、細胞の増殖および生存の調節において重要な役割を果たす遺伝子が、変異を受けるか、または過剰発現された場合に、誘発され得る。このような「癌遺伝子」は、癌において生じる増殖の調節不全に関与している。
キナーゼは、リン酸化に関与する酵素であり、多くの細胞の活動(特に、細胞を細胞周期に入れるため、および他の機能を制御するための、細胞膜から核へのシグナル伝達)の調節を助ける。例えば、リン酸化は、細胞外の生物学的シグナル(例えば、増殖因子またはホルモン)を介してレセプターにより媒介されるシグナル伝達において重要である。多くの癌遺伝子は、キナーゼ、すなわち、タンパク質のリン酸化反応を触媒する酵素である。
近年、チロシンキナーゼ、特に、活性型の変異に起因して恒常的に活性であるキナーゼが、癌における有望な薬物標的として浮上している。突出した変異的に活性化されたチロシンキナーゼは、bcr−ablであり、これは、第9染色体と第22染色体との間の相互転座から生じる融合キナーゼである。結果として得られる、bcr−ablと呼ばれる融合遺伝子は、慢性骨髄性白血病(CML)を起こすのに十分である。c−KitならびにPDGFRαおよびβのような他のチロシンキナーゼは、多数の癌において変異的に活性化されており、そして、これらのキナーゼの変異は、発癌性の形質転換に関連している。c−Kitの小さな活性型欠失または点変異が、消化管間質腫瘍(GIST)および全身性肥満細胞疾患(systemic mast cell disease)(SMCD)において見られる。c−Kitと同様に、PDGFRαは、GISTにおいて、そしてまた、好酸球増多症候群(HES)においても変異的に活性化されているのが見られる。慢性骨髄性白血病(CMML)において、PDGFRβは、染色体転座の結果としての融合キナーゼ、Tel−PDGFRβとして発現される。
(関連する文献)
特許文献1;非特許文献1;非特許文献2;および非特許文献3。
CDK4インヒビターの説明は、以下に見出され得る:(1)特許文献2、特許文献3、特許文献4、特許文献5、特許文献6、特許文献7、特許文献8、特許文献9、特許文献10、特許文献11、特許文献12、および特許文献13;(2)特許文献14、特許文献15、特許文献16、特許文献17、特許文献18、および特許文献19;(3)特許文献20、特許文献21、特許文献22、特許文献23、特許文献24、および特許文献25;ならびに(4)特許文献26および特許文献27;ならびに非特許文献4および非特許文献5。
MEKインヒビターの説明は、以下に見出され得る:(1)特許文献28、特許文献29、特許文献30、特許文献31、特許文献32、特許文献33、特許文献34、特許文献35、特許文献36、特許文献37、および特許文献38;(2)特許文献39、特許文献40、特許文献41、特許文献42、特許文献43、特許文献44、および特許文献45;(3)特許文献46;特許文献47;特許文献48;特許文献49;特許文献50;特許文献51;特許文献52、特許文献53、特許文献54、および特許文献55;ならびに(4)特許文献56;ならびに非特許文献6;非特許文献7;非特許文献8;非特許文献9;非特許文献10;非特許文献11;非特許文献12;および非特許文献13。さらなる関心のある米国特許としては、特許文献57;特許文献58;および特許文献59が挙げられる。
米国特許第5,521,184号明細書 米国特許第4,900,727号明細書 米国特許第5,733,920号明細書 米国特許第5,849,733号明細書 米国特許第6,040,321号明細書 米国特許第6,150,359号明細書 米国特許第6,262,096号明細書 米国特許第6,498,163号明細書 米国特許第6,569,878号明細書 米国特許第6,593,326号明細書 米国特許第6,630,464号明細書 米国特許第6,720,332号明細書 米国特許第6,756,374号明細書 米国特許出願公開第2002/0151554号明細書 米国特許出願公開第2003/0149001号明細書 米国特許出願公開第2003/0087923号明細書 米国特許出願公開第2003/0203907号明細書 米国特許出願公開第2003/0229026号明細書 米国特許出願公開第2004/0048915号明細書 国際公開第98/49146号パンフレット 国際公開第00/12485号パンフレット 国際公開第01/14375号パンフレット 国際公開第01/44147号パンフレット 国際公開第02/20524号パンフレット 国際公開第02/28861号パンフレット 欧州特許出願公開第1199306号明細書 欧州特許出願公開第1295878号明細書 米国特許第5,525,625号明細書 米国特許第6,251,943号明細書 米国特許第6,310,060号明細書 米国特許第6,638,945号明細書 米国特許第6,440,966号明細書 米国特許第6,455,582号明細書 米国特許第6,496,004号明細書 米国特許第6,506,798号明細書 米国特許第6,638,945号明細書 米国特許第6,770,778号明細書 米国特許第6,809,106号明細書 米国特許出願公開第2003/0078428号明細書 米国特許出願公開第2003/0125359号明細書 米国特許出願公開第2003/0216460号明細書 米国特許出願公開第2003/0225076号明細書 米国特許出願公開第2004/0232869号明細書 米国特許出願公開第2004/0054172号明細書 米国特許出願公開第2004/0006245号明細書 国際公開第00/68201号パンフレット 国際公開第00/68200号パンフレット 国際公開第00/68199号パンフレット 国際公開第01/68619号パンフレット 国際公開第02/076496号パンフレット 国際公開第03/047585号パンフレット 国際公開第03/053960号パンフレット 国際公開第03/062189号パンフレット 国際公開第03/062191号パンフレット 国際公開第03/077914号パンフレット 英国特許出願公開第2323845号明細書 米国特許第5,821,072号明細書 米国特許第6,242,196号明細書 米国特許第6,316,462号明細書 Baxterら、Hum.Mol.Genet.2002,第11号,p.1391−1397 Schallerら、Med.Gen.Med.2001,第3号、p.9 Lancet,2002,359,p.1577−8 Webster,「The Therapeutic Potential of Targeting the Cell Cycle」,Exp.Opin.Invest.Drugs 1998,第7号,p.865−887 Toogood,「Progress Toward The Development Of Agents To Modulate The Cell Cycle」,Curr.Opin.Cell.Biol.2002,第6号,p.472−478 Kolch,「Ras/Raf Signalling and Emerging Pharmacotherapeutic Targets」,Expert Opin.Pharmacother.2002,第3号,p.709−718 Dancey,Current Pharmaceutical Design,2002,第8号,p.2259−2267 CoxおよびDer,Cancer Biology & Therapy 2002,第1号 p.599−606 Favataら、J.Biol.Chem.1998,第272号,p.18623−18632 Zhaoら、J.Antibiotics 1999,第52号,p.1086−1094 Williamsら、Biochemistry 1998,第37号:p.9579−9585 Zhangら、Bioorganic & Medicinal Chemistry Letters,2001,第11号,p.1407−1410 Hilgerら,Onkologie,2002,第25号,p.511−518
細胞増殖性疾患に罹患する被験体を処置するための新規のプロトコールの開発について、当該分野で継続的な必要性が存在する。
(発明の要旨)
本発明は、変異レセプターチロシンキナーゼの存在により特徴付けられる細胞増殖性疾患に罹患する被験体を処置するための方法を提供し、この方法は、この被験体に、治療有効量のCDK4インヒビターを投与する工程を包含する。本発明はまた、このような細胞増殖性疾患に罹患する被験体を処置するための方法を提供し、この方法は、この被験体に、変異レセプターチロシンキナーゼのインヒビターおよびMEKインヒビターのうちの少なくとも1種の治療有効量と組み合わせて、治療有効量のCDK4インヒビターを投与する工程を包含する。
本発明はまた、CDK4インヒビター;変異レセプターチロシンキナーゼインヒビターおよびMEKインヒビターのうちの少なくとも1種;ならびに薬学的に受容可能なキャリアを含有する組成物を提供する。別の局面において、本発明は、CDK4インヒビター、および変異レセプターチロシンキナーゼの存在により特徴付けられる細胞増殖性疾患に罹患する被験体を処置するためにCDK4インヒビターを使用するための指示書を備えるキットを提供する。このようなキットは、さらに、変異レセプターチロシンキナーゼのインヒビターおよびMEKインヒビターのうちの少なくとも1種を含み得る。
本発明はさらに、変異レセプターチロシンキナーゼの存在により特徴付けられる細胞増殖性疾患の処置のための医薬の製造における、CDK4インヒビターの使用;ならびに、変異レセプターチロシンキナーゼの存在により特徴付けられる細胞増殖性疾患の処置のための、変異レセプターチロシンキナーゼのインヒビターおよびMEKインヒビターのうちの少なくとも1種と組み合わせて投与するための医薬の製造における、CDK4インヒビターの使用を提供する。
(発明の詳細な説明)
変異レセプターチロシンキナーゼの存在により特徴付けられる細胞増殖性疾患に罹患する被験体を処置するための方法が提供される。本方法を実施する際に、治療有効量のCDK4インヒビターが、単独でか、または、変異レセプターチロシンキナーゼのインヒビターおよびMEKインヒビターのうちの少なくとも1種の治療有効量と組み合わせてのいずれかで、この被験体に投与される。CDK4インヒビターが、追加の薬剤と組み合わせて投与される場合、この薬剤は、同じ処方物または別個の処方物において、連続的または同時に投与され得る。本方法を実施するための、組成物(その薬学的処方物およびキットを含む)がまた提供される。
本発明がさらに説明される前に、本発明は、以下に記載される発明の特定の実施形態に限定されないことが理解されるべきである。なぜならば、特定の実施形態のバリエーションがなされ得、そして、これらは、添付の特許請求の範囲内であり得るからである。使用される用語法は、特定の実施形態を説明する目的のためのものであり、特定の実施形態に制限されることは意図されないことがまた理解されるべきである。その代わり、本発明の範囲は、添付の特許請求の範囲により確立される。
本明細書および添付の特許請求の範囲において、単数形「a」、「an」および「the」は、文脈がそうでないと明確に示さない限り、複数の参照を含む。そうでないと規定されない限り、本明細書中で使用される全ての技術用語および科学用語は、本発明が属する分野の当業者に通常理解される意味と同じ意味を有する。本明細書中に記載されるものと類似または等価な方法、デバイスおよび物質が、本発明の実施または試験において使用され得るが、特定の方法、デバイスおよび物質が、ここで記載される。
値の範囲が提供される場合、その範囲の上限と下限との間に介在する値(文脈がそうでないと明確に示さない限り、下限の10分の1の単位まで)の各々、および、その明確に規定された範囲内の、任意の他の明確に規定された値または介在する値は、本発明に包含される。これらのより小さい範囲の上限および下限が、そのより小さい範囲内に独立的に包含され得、そしてまた、明確に規定された範囲内の任意の具体的に排除された限界を条件として本発明内に包含される。明確に規定された範囲が、制限の一方または両方を包含する場合、その包含される制限のいずれかまたは両方を排除する範囲もまた、本発明に包含される。
用語「処置」は、少なくとも宿主を苦しめる状態に関連する症状の緩和が達成されることを意味し、ここで、緩和とは、少なくとも処置される状態に関連するパラメータ(例えば、症状)の程度の減少を指すような広い意味で使用される。従って、処置はまた、病理学的状態、もしくは少なくともそれに関連する症状が、完全に阻害(例えば、発生を回避)されるか、または、停止(例えば、終結)され、その結果、宿主が、もはやその状態、もしくは、少なくともその状態を特徴付ける症状を罹患していない状況を含む。
用語「治療有効量」は、処置を必要とする被験体または患者に投与される場合に、処置を達成するために十分な量を意味する。治療有効量は、処置される被験体および疾患状態、苦痛の重篤度、投与様式、ならびに、薬剤が、単独で投与されるか、または、1種以上の他の薬剤と組み合わせて投与されるか、に依存して変動し得る。所定の薬剤について、治療有効量は、当業者により決定され得る。
本発明と組み合わせて使用され得る、本明細書中で言及される全ての刊行物は、本願において記載される要素を説明および開示する目的で、本明細書中に参考として援用される。
本発明のさらなる説明において、まず、方法がさらに詳細に記載され、その後、この方法が用途を見出す代表的な適用、ならびにこの方法を実施する際の用途を見出す、代表的な組成物(例えば、薬学的組成物)、キットおよびシステムが検討される。
(方法)
上でまとめたように、本発明は、細胞増殖性疾患に罹患する被験体を処置する方法を提供する。本発明の方法の対象となる、標的の細胞増殖性疾患は、変異レセプターチロシンキナーゼの存在により特徴付けられるものである。遺伝子の変異(例えば、点変異または染色体転座)の結果として、このような変異レセプターチロシンキナーゼは、恒常的に活性である。従って、変異レセプターチロシンキナーゼは、本発明に従って処置される被験体において検出可能である。特定の実施形態において、本発明の方法に従って処置される、被験体を苦しめる疾患は、少なくとも部分的に、変異レセプターチロシンキナーゼによって引き起こされる疾患として見られ得る。
その処置が本発明の方法の対象となる細胞増殖性疾患を特徴付ける、変異レセプターチロシンキナーゼは、多くの実施形態において、それらが存在する細胞上で、不死化され、そしてしばしば、過剰増殖性の表現型を与える変異チロシンキナーゼである。換言すれば、対象の変異チロシンキナーゼを発現する細胞は、不死化され、そしてしばしば、過剰増殖性の表現型を有する細胞である。「不死化される」とは、細胞が、Lab.Invest.,2002,82,323−333に記載されるアッセイを用いて決定した場合に不死であることを意味する。「過剰増殖性」とは、細胞が、Cancer Cell,2002,1:421−432に記載されるアッセイを用いて決定した場合に、正常な速度を上回る速度で***することを意味する。多くの実施形態において、変異レセプターチロシンキナーゼは、恒常的にシグナル伝達する、すなわち、そのシグナル伝達が、野生型のレセプターチロシンキナーゼを制御する正常な調節に供されないように変異された遺伝子産物である。
レセプターチロシンキナーゼは、変異チロシンキナーゼであるので、野生型チロシンキナーゼ(レセプターチロシンキナーゼは、この何らかの様式でこの野生型チロシンキナーゼの変異体である)とは異なり、ここで、この差は、変異チロシンキナーゼを有する細胞に不死およびアポトーシス抵抗性の表現型をもたらす。「アポトーシス抵抗性」とは、細胞が、プログラムされた細胞死(アポトーシス)を促進する刺激に対してあまり感受性でないことを意味する。
変異チロシンキナーゼが融合タンパク質である特定の実施形態において、変異チロシンキナーゼは、置換変異体または欠失変異体であり得る。
変異チロシンキナーゼが融合タンパク質である場合、この融合タンパク質は、代表的に、異なるタンパク質に由来する(すなわち、C末端チロシンキナーゼが得られたタンパク質と同じタンパク質に由来しない)N末端ドメインに、直接、または、連結ドメインを介してのいずれかで融合された、C末端チロシンキナーゼドメインを有することによって特徴付けられる。特定の実施形態において、N末端ドメインのC末端チロシンキナーゼドメインへの融合は、恒常的に活性なキナーゼドメインともたらすか、または、このようなキナーゼドメインを提供し、この恒常的な活性が、細胞に不死の表現型を与える。このような融合タンパク質の例は、例えば、Griffinら、Proc.Natl.Acad.Sci,2003,100,7830−7835,Coolsら、N.Engl.J.Med.,2003,348,1201−1214、およびUS2004/0045044(公開第10/637,356号)(このうち、後者は、本明細書中に参考として援用される)に記載される。
特定の実施形態において、変異レセプターチロシンキナーゼは、チロシンキナーゼのPDGFRスーパーファミリーのメンバーであるレセプターキナーゼの群に入る。PDGFRスーパーファミリーの代表的な特定のチロシンキナーゼとしては、以下が挙げられるがこれらに限定されない:Flt3、PDGFRα、PDGFRβ、c−KitおよびVEGFR−2。特定の実施形態において、変異チロシンキナーゼは、第4染色体のチロシンキナーゼの変異体であり、「第4染色体のチロシンキナーゼ」により、ゲノムコード配列が、人に局在化された、チロシンキナーゼを意味する。関心のある代表的な特定の第4染色体のチロシンキナーゼとしては、以下が挙げられるがこれらに限定されない:PDGFRα、c−KitおよびVEGFR−2。なお別の実施形態において、変異レセプターチロシンキナーゼは、チロシンキナーゼのPDGFRスーパーファミリーのメンバーではなく、ここで、関心のある代表的な非PDGFRスーパーファミリーチロシンキナーゼとしては、以下が挙げられるがこれらに限定されない:FGFR1、FGFR3、Ret、ALKなど。関心のある非PDGFRスーパーファミリーチロシンキナーゼの別の例は、EGFRである。
(CDK4インヒビター)
関心のあるCDK4(サイクリン依存性キナーゼ4)インヒビターは、最も広い意味において、CDK4の活性を阻害し得るあらゆる化合物であり得る。従って、2種以上の異なるCDK(例えば、CDK1、CDK2およびCDK4)の活性を阻害し得る全般的なCDKインヒビターに関心がある。また、CDK4選択的なインヒビターにも関心がある。CDK4およびCDK6は、実質的に識別不能な生化学特性を有する、密接に関連するキナーゼであることが、現在理解されている。ヒトCDK4およびCDK6をコードするアミノ酸および核酸の配列は、それぞれ、Genbank登録番号NM_000075およびNM_001259で見られ得る。Genbank登録番号U37022がまた、CDK4を指す。本明細書中で使用される場合、CDK4インヒビターとは、CDK4またはCDK6の活性を阻害することが実証され得る化合物を指す。所定のインヒビターは、その決定されたCDK4に対する阻害活性が、その決定されたCDK4およびCDK6以外のCDK(例えば、CDK1、CDK2など)に対する阻害活性よりも、少なくとも5倍、少なくとも10倍、または少なくとも25倍以上強力である場合に、CDK4選択的であると考えられる。
化合物のCDK4阻害活性を決定するための多数のアッセイが公知であり、代表的なこのようなアッセイは、米国特許第6,040,321号;同第6,569,878号などに記載されており、ここで、用途を見出す代表的なインビトロアッセイは、所定の化合物が、CDK4のタンパク質基質へと放射標識したリン供与基を取り込む能力を阻害する能力を、時間依存性の様式で評価する。
代表的な特異的なCDK4インヒビターとしては、以下の化合物が挙げられるがこれらに限定されない。特定の実施形態において、関心があるのは、天然に存在するインドロカルバゾールアルシリアフラビン(arcyriaflavin)A(1)
Figure 2007513967
、ならびに、置換インドロカルバゾール(例えば、Zhuら、J.Med.Chem.2003,46,2027−2030を参照のこと)(例えば、上記1において、1および2と標識された位置に、フルオロ置換基およびメチル置換基を有する、置換インドロカルバゾール)である。他の関心のある誘導体としては、米国特許出願公開第2003/0229026号および同第2004/0048915号(すなわち、それぞれ、WO 01/44247およびWO 02/28861と同等)に記載されるものであり、これらは、インドロ[6,7−a]ピロロ[3,4−c]カルバゾール−6,8−ジオンを強力なCDK4インヒビターとして開示する。
特定の実施形態において、関心があるのは、米国特許第4,900,727号に開示される、半合成フラボピリドール(2)(アルボシジブ(alvocidib)としても公知)
Figure 2007513967
;ならびに、米国特許第5,733,920号および同第5,849,733号に報告されたような、フラボピリドールのアナログである。しかし、特定の実施形態において、フラボピリドールまたはその誘導体が使用され得ない。
また、特定の実施形態において、関心があるのは、ジアリール尿素誘導体であり、その一例は、化合物3
Figure 2007513967
であり、このような化合物は、EP1199306 A1に開示される。さらに、米国特許出願公開第2003/0203907号(すなわち、EP1295878 A1と同等)は、CDK4活性およびCDK6活性を有する構造的に関連する2(1H)−ピラジノン縮合した芳香族または複素環式の誘導体を記載し、これらの化合物もまた関心がある。
また、関心があるのは、例えば、米国特許出願公開第2002/0151554号(現在は、米国特許第6,756,374号)に報告されたようなジアミノチアゾールであり、このような化合物の具体的な例は、研究コードRo−0506220で示される化合物(4):
Figure 2007513967
である。
また、特定の実施形態において、関心があるのは、米国特許第6,150,359号に開示されるような、一般構造5のナフチリジノン
Figure 2007513967
米国特許第6,498,163号に開示されるような、一般構造6のピリド[2,3−d]ピリミジン
Figure 2007513967
および米国特許出願公開第2003/0149001号に開示されるような、一般構造7の2−(ピリジン−2−イルアミノ)ピリド[2,3−d]ピリミジン−7−オン
Figure 2007513967
であり、上記式において、点線は、任意の結合を表し、置換基R、R、R、R、R、R、R、X、X、X、XおよびWは、それぞれの公報において規定される。特に、米国特許出願公開第2003/0149001号は、研究コードPD−332991で示される、6−アセチル−8−シクロペンチル−5−メチル−2−[5−(1−ピペラジニル)ピリジン−2−イルアミノ]ピリド[2,3−d]ピリミジン−7(8H)−オン(7a)
Figure 2007513967
を開示する。
CDK4活性を阻害し、それゆえ関心のある化合物のさらなる例としては、以下が挙げられるがこれらに限定されない:WO00/12485および米国特許第6,593,326号に開示されるピリミジン誘導体、WO01/14375に開示されるイミダゾ[1,2−a]ピリジン誘導体およびピラゾロ[2,3−a]ピリジン誘導体、米国特許出願公開第2003/0087923号に開示される4−アミノ−5−シアノ−2−アニロ−ピリミジン誘導体、米国特許第6,040,321号、同第6,262,096号、および同第6,569,878号に開示されるアミノチアゾール化合物;米国特許第6,630,464号(すなわち、WO98/49146と同等)に開示されるアクリドン誘導体およびベンゾチアジアジン誘導体;ならびに、米国特許第6,720,332号(すなわち、WO02/20524と同等)に開示されるオキシインドール誘導体。CDK4インヒビターのなおさらなる例は、Toogood,Curr.Opin.Cell.Biol.2002,6,472−478,Toogood,Med.Res.Rev.,2001,21,487−498およびCariniら、Bioorgan.Med.Chem.Lett.,2001,11,2209−2211に記載される。
さらなるCDK4阻害性化合物は、公知のCDK4阻害アッセイ(例えば、上記のような代表的なアッセイ)を用いて、当業者により容易に同定され得、このようにして同定されえた化合物もまた、本発明の方法における用途について関心がある。
上に示したように、本発明を実施する際に、CDK4インヒビターの投与を必要とする被験体に投与されるCDK4インヒビターの量は、以下のより詳細に記載されるように、被験体を苦しめる状態を処置するための有効量であり、所定の方法において使用されるCDK4インヒビターの量は、少なくとも部分的に、そのインヒビターが、単独で投与されるか、または、1種以上のさらなる化合物と組み合わせて投与されるかに依存し得る。
(さらなるインヒビター)
特定の実施形態において、CDK4インヒビターは、1種以上のさらなるタンパク質活性の1種以上のさらなるインヒビター(例えば、変異レセプターチロシンキナーゼのインヒビター(すなわち、変異レセプターチロシンキナーゼインヒビター);MEKインヒビターなど)と組み合せて被験体に投与される。「〜と組み合わせて」とは、ある量のCDK4インヒビター薬剤が、ある量の1種以上のさらなるインヒビターと一緒に投与され、その結果、2種以上の異なるインヒビター(このうち、一方がCDK4インヒビターである)が、被験体に投与されることを意味する。特定の実施形態において、インヒビター薬剤は、別個に投与される(例えば、この場合、CDK4インヒビターは、他のインヒビターの前または後に投与される)。なお他の実施形態において、インヒビター薬剤は、同時に投与される(例えば、この場合、インヒビターは、2種以上の別個の処方物として同時に投与されるか、または、被験体に投与される単一の組成物内に組み合わされる)。インヒビター薬剤が、別個に投与されるか、同時に投与されるかに関わらず、上で説明したように、薬剤は、本発明の目的のために、一緒に、または組み合わせて投与されると考えられる。2つの薬剤の投与経路は変化し得、代表的な投与経路は、以下により詳細に記載される。
CDK4インヒビターと組み合わせて投与され得る2つの特定の代表的なインヒビターは、以下である:(1)変異レセプターチロシンキナーゼに対するインヒビター;および(2)MEKインヒビター。従って、特定の実施形態において、CDK4インヒビターは、変異チロシンキナーゼインヒビターと組み合わせて投与される。なお他の実施形態において、CDK4インヒビターは、MEKインヒビターと組み合わせて投与される。なお他の実施形態において、CDK4インヒビターは、変異チロシンキナーゼインヒビターおよびMEKインヒビターの両方と組み合わせて投与される。
(変異レセプターチロシンキナーゼインヒビター)
関心のあるレセプターチロシンキナーゼインヒビターは、最も広い意味において、処置される疾患状態を特徴付ける変異レセプターチロシンキナーゼの活性を阻害し得る任意の化合物であり得る。従って、2種以上の異なるチロシンキナーゼの活性を阻害し得る、全般的なチロシンキナーゼインヒビター、および、主に疾患状態を特徴付ける特定のレセプターチロシンキナーゼに対する特異的な阻害活性を示す選択的なインヒビターに、関心がある。種々の異なる型の薬剤が、チロシンキナーゼインヒビターとして使用され得、これらとしては、例えば、低分子薬剤、核酸薬剤(例えば、アンチセンス、RNAi)、ポリペプチド薬剤、モノクローナル抗体などが挙げられるがこれらに限定されない。
特定の実施形態において、薬剤は、米国特許第5,521,184号に記載されるピリミジン誘導体であり、その開示は、本明細書中に参考として援用される。これらの実施形態において、関心があるのは、式(I)のN−フェニル−2−ピリミジン−アミン:
Figure 2007513967
または、少なくとも1個の塩形成基を有するこのような化合物の塩であり、ここで、
は、4−ピラジニル、1−メチル−1H−ピロリル、アミノ−もしくはアミノ−低級アルキル置換フェニルであって、ここで、各場合におけるアミノ基は、5員環の炭素原子に結合した、遊離、アルキル化、もしくはアシル化された、1H−インドリルもしくは1H−イミダゾリルであるか、または、環の炭素原子に結合した非置換もしくは低級アルキル置換ピリジルであり、そして、水素原子が、酸素によって置換されていないか、もしくは置換されており、
2’およびR3’は、各々、独立して、他の水素もしくは低級アルキルであり、
1または2のラジカルR4’、R5’、R6’、R7’およびR8’は、各々、窒素、フッ素置換低級アルコキシもしくは式(II)のラジカル:
-N(R9’)-C(=X)-(Y)-R10 (II)
であり、ここで、
9’は、水素または低級アルキルであり、
Xは、オキソ、チオ、イミノ、N−低級アルキル−イミノ、ヒドロキシイミノ、またはO−低級アルキル−ヒドロキシイミノであり、
Yは、酸素または基NHであり、
kは、0または1であり、そして
10は、少なくとも5の炭素原子を有する脂肪族ラジカル、または、芳香族ラジカル、芳香族−脂肪族ラジカル、環式脂肪族ラジカル、環式脂肪族−脂肪族ラジカル、複素環式ラジカル、もしくは複素環式−脂肪族ラジカルであり、
そして、残りのラジカルR4’、R5’、R6’、R7’およびR8’は、各々、独立して、他の水素、低級アルキル、または低級アルカノイル、トリフルオロメチル、遊離、エーテル化もしくはエステル化されたヒドロキシ、遊離、アルキル化もしくはアシル化されたアミノ、または、遊離もしくはエステル化されたカルボキシであり、上記低級アルキルは、非置換であるか、もしくは遊離もしくはアルキル化されたアミノ、ピペラジニル、ピペリジニル、ピロリジニルによって、もしくは、モルホリニルによって置換されている。
これらの実施形態において:
1−メチル−1H−ピロリルは、好ましくは、1−メチル−1H−ピロール−2−イルまたは1−メチル−1H−ピロール−3−イルである。
アミノ−もしくはアミノ−低級アルキル置換フェニルR(各場合におけるアミノ基は、遊離であるか、アルキル化されているか、またはアシル化されている)は、任意の位置(オルト、メタまたはパラ)でフェニル置換されており、ここで、アルキル化されたアミノ基は、好ましくは、モノ−、もしくはジ−低級アルキルアミノ(例えば、ジメチルアミノ)であり、そして、アミノ低級アルキルの低級アルキル部分は、好ましくは、直鎖C-〜Cアルキル(例えば、特に、メチルまたはエチル)である。
5員環の炭素原子に結合した1H−インドリルは、1H−インドール−2−イルまたは1H−インドール−3−イルである。
環の炭素原子に結合した、非置換もしくは低級アルキル置換されたピリジルは、低級アルキル−置換、または好ましくは非置換の、2−、または好ましくは3−もしくは4−ピリジル(例えば、3−ピリジル、2−メチル−3−ピリジル、4−メチル−3−ピリジルまたは4−ピリジル)である。窒素原子が酸素で置換されたピリジルは、ピリジンN−オキシド(すなわち、N−オキシド−ピリジル、例えば、N−オキシド−4−ピリジル)に由来するラジカルである。
フルオロ置換低級アルコキシは、少なくとも1個であるが、好ましくは、数個のフルオロ置換基を有する低級アルコキシ(特に、トリフルオロメトキシ、または、好ましくは、1,1,2,2−テトラフルオロ−エトキシ)である。
Xがオキソ、チオ、イミノ、N−低級アルキル−イミノ、ヒドロキシイミノまたはO−低級アルキル−ヒドロキシイミノである場合、基C=Xは、それぞれ、上記の順序で、ラジカルC=O、C=S、C=N−H、C=N−低級アルキル、C=N−OHまたはCN−O−低級アルキルである。Xは、好ましくは、オキソである。
kは、好ましくは、0である。すなわち、基Yは存在しない。
Yは、存在する場合、好ましくは、基NHである。
本文の範囲における用語「低級」とは、7個まで(7を含む)、好ましくは、4個まで(4を含む)の炭素原子を有するラジカルを示す。
低級アルキルR1’、R2’、R3’およびR9’は、好ましくは、メチルまたはエチルである。
少なくとも5個の炭素原子を有する脂肪族ラジカルR10は、好ましくは、22個以下の炭素原子、一般には、10個以下の炭素原子を有し、そして、当該の置換もしくは好ましくは非置換の脂肪族炭化水素ラジカル、すなわち、当該の置換もしくは好ましくは非置換のアルキニル、アルケニル、または好ましくは、アルキルラジカル(例えば、C〜Cアルキル(例えば、n−ペンチル)である。芳香族ラジカルR10は、20個までの炭素原子を有し、そして、非置換であるか、または置換であり、例えば、各場合において、非置換もしくは置換ナフチル(例えば、特に、2−ナフチル、または好ましくは、フェニル)であり、この置換基は、好ましくは、シアノ、非置換もしくはヒドロキシ−、アミノ−もしくは4−メチル−ピペラジニル−置換の低級アルキル(例えば、特に、メチル)、トリフルオロメチル、遊離、エーテル化もしくはエステル化されたヒドロキシ、遊離、アルキル化もしくはアシル化されたアミノ、および遊離もしくはエステル化されたカルボキシからなる群より選択される。芳香族−脂肪族ラジカルR10において、芳香族部分は、上で定義されたとおりであり、そして、脂肪族部分は、好ましくは、低級アルキル(例えば、特に、置換もしくは好ましくは非置換のC〜Cアルキル(例えば、ベンジル))である。環式脂肪族ラジカルR10は、特に、30個まで、より特に、20個まで、そして、最も特に、10個までの炭素原子を有し、そして、単環式もしくは多環式であり、そして、置換もしくは好ましくは非置換である(例えば、シクロアルキルラジカル、特に、当該の5員もしくは6員のシクロアルキル ラジカル(例えば、好ましくは、シクロヘキシル))。環式脂肪族−脂肪族ラジカルR10において、環式脂肪族部分は、上で定義されたとおりであり、そして、脂肪族部分は、好ましくは、低級アルキル(例えば、特に、置換もしくは好ましくは非置換のC〜Cアルキル)である。複素環式ラジカルR10は、特に、20個までの炭素原子を含み、そして好ましくは、5個もしくは6個の環員、および1〜3個の好ましくは窒素、酸素および硫黄から選択されるヘテロ原子を有する、飽和もしくは不飽和単環式のラジカル(特に、例えば、チエニルまたは2−、3−もしくは4−ピリジル、または二環式もしくは三環式ラジカルであって、この環式ラジカルにおいて、例えば、1または2のベンゼンラジカルが記載される単環式ラジカルへと環状化(annellate)(縮合)している)である。複素環式−脂肪族ラジカルR10において、複素環式部分は、上で定義されたとおりであり、そして、脂肪族部分は、好ましくは、低級アルキル(例えば、特に、置換もしくは好ましくは非置換のC1〜C2アルキル)である。
エーテル化ヒドロキシは、好ましくは、低級アルコキシである。エステル化ヒドロキシは、好ましくは、有機カルボン酸によりエステル化されたヒドロキシ(例えば、低級アルカン酸)、またはハロゲン化水素酸のような無機酸(例えば、低級アルカノイルオキシ)、または、特にハロゲン(例えば、ヨウ素、臭素、または特に、フッ素または塩素)である。
アルキル化されたアミノは、例えば、メチルアミノのような低級アルキルアミノ、または、ジメチルアミノのようなジ低級アルキルアミノである。アシル化アミノは、例えば、低級アルカノイルアミノまたはベンゾイルアミノである。
エステル化カルボキシは、例えば、メトキシカルボニルのような低級アルコキシカルボニルである。
置換フェニルラジカルは、5個までの置換基(例えば、フッ素)を有し得るが、特に、比較的大きな置換基の場合には、一般に、1〜3個の置換基のみで置換される。特に述べられ得る置換フェニルの例は、4−クロロ−フェニル、ペンタフルオロ−フェニル、2−カルボキシ−フェニル、2−メトキシ−フェニル、4−フルオロフェニル、4−シアノ−フェニル、および4−メチル−フェニルである。
式(I)の化合物における塩形成基は、塩基性または酸性の特性を有する基またはラジカルである。少なくとも1個の塩基性基または少なくとも1個の塩基性ラジカル(例えば、遊離アミノ基、ピラジニルラジカル、またはピリジルラジカル)を有する化合物は、例えば、無機酸(例えば、塩酸、硫酸またはリン酸)と、または、適切な有機カルボン酸もしくはスルホン酸(例えば、脂肪族モノ−もしくはジ−カルボン酸(例えば、トリフルオロ酢酸、酢酸、プロピオン酸、グリコール酸、コハク酸、マレイン酸、フマル酸、ヒドロキシマレイン酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸またはシュウ酸)、またはアミノ酸(例えば、アルギニンまたはリジン)、芳香族カルボン酸(例えば、安息香酸、2−フェノキシ−安息香酸、2−アセトキシ安息香酸、サリチル酸、4−アミノサリチル酸)、芳香族−脂肪族カルボン酸(例えば、マンデル酸または桂皮酸)、複素芳香族カルボン酸(例えば、ニコチン酸またはイソニコチン酸)、脂肪族スルホン酸(例えば、メタン−、エタン−または2−ヒドロキシエタン−スルホン酸)、あるいは芳香族スルホン酸(例えば、ベンゼン−、p−トルエン−またはナフタレン−2−スルホン酸))と、酸付加塩を形成し得る。数個の塩基性基が存在する場合、モノ−もしくはポリ−酸付加塩が、形成され得る。
ラジカルR10内に酸性基(例えば、遊離カルボキシ基)を有する式(I)の化合物は、金属塩もしくはアンモニウム塩(例えば、アルカリ金属塩もしくはアルカリ土類金属塩(例えば、ナトリウム塩、カリウム塩、マグネシウム塩もしくはカルシウム塩、または、アンモニアもしくは第三級モノアミンのような適切な有機アミン(例えば、トリエチルアミンまたはトリ−(2−ヒドロキシエチル)−アミン)、または、複素環式塩基(例えば、N−エチルピペリジン、またはN,N’−ジメチル−ピペラジン)とのアンモニウム塩)を形成し得る。
酸性基および塩基性基の両方を有する式(I)の化合物は、内部塩を形成し得る。
これらの実施形態において、特に関心があるのは、本特許において記載したピリミジン誘導体であり、ここでは、R1’は、3−ピリジルであり、R2’、R3’、R5’、R6’およびR8’は、各々、水素であり、R4’は、メチルであり、そして、R7’は、式(II)の基であり、この基において、R9’は、水素であり、Xはオキソであり、kは0であり、そして、R10は、4−[(4−メチル−1−ピペラジニル)メチル]フェニルである。化学名4−[(4−メチル−1−ピペラジニル)メチル]−N−[4−メチル−3−[[4−(3−ピリジニル)−2−ピリミジニル]アミノ−フェニル]ベンズアミドメタンスルホネートを有するこの化合物のメシル酸塩は、現在、一般にメシル酸イマチニブとして公知であり、商標Gleevec(登録商標)の下で販売されている。
関心のあるなお他の実施形態において、薬剤は、メシル酸イマチニブではない。
また、関心があるのは、式(III)のフタラジン化合物
Figure 2007513967
またはその塩であって、ここで、rは0〜2であり、nは0〜2であり;mは0〜4であり;R11およびR12は、(i)各場合において低級アルキルであるか、または(ii)一緒になって、部分式(III):
Figure 2007513967
内のブリッジを形成するか、または(iii)一緒になって、部分式(III**):
Figure 2007513967
内のブリッジを形成し、
ここで、上記式において、1個または2個の環員T、T、TおよびTは、窒素であり、そして、その残りは、各場合において、CHであり;A、B、DおよびEは、NまたはCHであり、ここで、2個以下のこれらのラジカルは、Nであり;Gは、低級アルキレン、アシルオキシ−もしくはヒドロキシ−低級アルキレン、−CH−O−、−CH−S−、−CH−NH−、オキサ、チア、またはイミノであり;Qは、低級アルキル、特に、メチルであり;Rは、Hまたは低級アルキルであり;Xは、イミノ、オキサ、またはチアであり;Yは、アリール、ピリジル、または(非)置換のシクロアルキルであり;そして、Zは、独立して、一置換もしくは二置換のアミノ、ハロゲン、アルキル、置換アルキル、ヒドロキシ、エーテル化もしくはエステル化ヒドロキシ、ニトロ、シアノ、カルボキシ、エステル化カルボキシ、アルカノイル、カルバモイル、N−一置換−、もしくはN,N−二置換カルバモイル、アミジノ、グアニジノ、メルカプト、スルホ、フェニルチオ、フェニル−低級アルキルチオ、アルキルフェニルチオ、フェニルスルフィニル、フェニル−低級アルキルスルフィニル、アルキルフェニルスルフィニル、フェニルスルホニル、フェニル−低級アルキルスルホニル、またはアルキルフェニルスルホニルである;そしてここで、波線により特徴付けられる結合は、単結合または二重結合のいずれかである、化合物;あるいは、Yがピリジルもしくはシクロアルキルであり、Xがイミノであり、そして残りのラジカルが規定される場合に、Gが、低級アルキレン、−CH−O−、−CH−S−、オキサおよびチアを含む基から選択されるという条件で、上記化合物のN−オキシドである。このような化合物(例えば、PTK787(Vatalanibとしても公知)は、さらに、関連する文献、WO98/35958、米国特許出願番号09/859858(現在、米国特許第6,514,974号)、および米国特許第6,258,812号に記載され、後者の文献の開示は、本明細書中に参考として援用される。
また、特定の実施形態において関心があるのは、式(IV)のプロテインチロシンキナーゼインヒビター:
Figure 2007513967
またはその薬学的に受容可能な塩であり、ここで:
(i)R13は、水素原子またはC1−4アルキル基を表し;そして、R14は、式−A−NR1718の基を表し、この式において、R17およびR18の各々は、独立して、水素原子またはC1−4アルキル基を表し、そして、Aは、(CHm’、(CHn’−A−(CHp’または(CHCHO)q’CHCHを表し、ここで、m’は、2〜10の整数であり、n’およびp’の各々は、1〜6の整数であり、Aは、CH=CH、フェニレン、ビフェニレン、シクロヘキシレンまたはピペラジニレンであり、そして、q’は、1、2または3である;
(ii)R13およびR14は、一緒になって、−A−NR19−A−を表し、この式において、AおよびAの各々は、独立して、(CHr’または(CHCHO)s’CHCHを表し、ここで、r’は、2〜6の整数であり、s’は、1、2または3であり、そしてR19は、水素原子またはC1−4アルキル基を表す;
(iii)R13およびR14は、それらが結合している窒素原子と一緒になって、ピペリジニル基を表し、このピペリジニル基は、4位に式−A−R20の置換基を有し、この式において、Aは、C1−4アルキレンを表し、そしてR20は、ピペリジン−4−イルを表すか;あるいは
(iv)R13およびR14は、それらが結合している窒素原子と一緒になって、ピロリジニル、ピペリジニルまたはモルホリノ基を表し;そして
15およびR16は、各々独立して、水素原子、ハロゲン原子、C1−4アルキル基、C1−4アルコキシ基、非置換であるか、もしくは1個または2個の置換基で置換されたフェニル基を表し、ここで、この置換基は、独立して、ハロゲン原子、C1−4アルキル基、C1−4アルコキシ基、式R21S(O)NR22−の基、式R23N(R24)S(O)−の基、式R25C(O)N(R26)−の基、または式R27N(R28)C(O)−の基から選択され、ここで、R21、R23、R25およびR27の各々は、独立して、C1−4アルキル基、または非置換であるか、もしくは1個または2個の置換基で置換されたフェニル基を表し、ここで、この置換基は、独立して、ハロゲン原子、C1−4アルキル基およびC1−4アルコキシ基から選択され、そして、R22、R24、R26およびR28の各々は、独立して、水素原子またはC1−4アルキル基を表す。
THRX−165724として同定される、特に関心がある式(IV)のインヒビターは、R13およびR14およびそれらが結合している窒素が、ピペラジニル環を形成し、そして、R15およびR16が、両方とも水素であるものである。式(IV)の化合物は、米国特許出願第60/343,746号、同第60/343,813号および米国特許出願公開第2003/0171378号(現在、米国特許第6,686,362号)に記載され、これらの文献の開示は、本明細書中に参考として援用される。
特定の実施形態において、関心がある化合物の別の群は、式(V)の化合物:
Figure 2007513967
ならびに、その薬学的に受容可能な異性体、塩、水和物、溶媒和物およびプロドラッグであり、ここで:
29は、−CN、−X、−CX、−R33、−CO33、−SO33、直鎖もしくは分枝鎖の−O−C1−8アルキル、−O−フェニル、−O−ナフチル、−O−インドリルおよび−O−イソキノリニルからなる群より選択され、ここで、Xは、ハロゲンであり、そして、は水素、または直鎖もしくは分枝鎖のC1−8アルキルであり、
30およびR32は、各々、独立して、−O−CH、−O−CH−CH、−O−CH−CH=CH、−O−CH−C≡CH、−O(CH)−SO−R33、−O−CH−CH(R34)CH−R31および−O(−CHn”−R31からなる群より選択され、ここで、R34は、−OH、−X、または直鎖もしくは分枝鎖のC1−8アルキルであり、n”は、2または3であり、そして
31は、−OH、−O−CH、−O−CH−CH、−NH、−N(−CH、−NH−CH−フェニル、−NH−フェニル、−CN、−C(=NH)−NH、−NH−C(=NH)−NH、チアゾリル、オキサゾリル、ピロリジニル、4,4−ジフルオロピペリジニル、3,3,−ジフルオロピペリジニル、3,3−ジフルオロピロリジニル、モルホリニル、ピペリジニル、イミダゾリル、1,2,3,−トリアゾリル、メチルピペリジニル、チオモルホリニル 1,1−ジオキシド−チオモルホリニル、−O−4−ピリジニル、1H−テトラゾリル、ピペラジニルおよび4−メチルピペラジニルからなる群より選択される。
式(V)の化合物の中でも、特に関心があるのは、MLN518として同定される化合物であり、ここで、R29は、−O−イソプロピルであり、R30は、−O−(CH−4−モルホリニルであり、そして、R32は、−OCHである。式(V)の化合物は、さらに、WO02/16351(本明細書中に参考として援用される)に記載される。
特定の実施形態において、関心のある化合物のなお別の群は、式(VI)の化合物:
Figure 2007513967
またはその薬学的に受容可能な塩であり、ここで:
35は、水素、ハロ、アルキル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、複素脂環式、ヒドロキシ、アルコキシ、−C(O)R48、−NR4647、−(CHr*49および−C(O)NR4243からなる群より選択され;
36は、水素、ハロ、アルキル、トリハロメチル、ヒドロキシ、アルコキシ、シアノ、−NR4647、−NR46C(O)R47、−C(O)R48、アリール、ヘテロアリールおよび−S(O)NR4647からなる群より選択され;
37は、水素、ハロ、アルキル、トリハロメチル、ヒドロキシ、アルコキシ、−C(O)R48、−NR4647、アリール、ヘテロアリール、−NR46S(O)47、−S(O)NR4647、−NR46C(O)R47、−NR46C(O)OR47および−S(O)53からなる群より選択され、ここで、R53は、アルキル、アリール、アラルキル、ヘテロアリールまたはヘテロアラルキルであり;
38は、水素、ハロ、アルキル、ヒドロキシ、アルコキシおよび−NR4647からなる群より選択され;
39は、水素、アルキルおよび−C(O)R40からなる群より選択され;
41は水素、アルキル、アリール、ヘテロアリール、−C(O)R50および−C(O)R40からなる群より選択され;
42およびR43は、水素、アルキルおよびアリールからなる群より独立して選択され;
40は、ヒドロキシ、アルコキシ、アリールオキシ、−N(R44)(CHn*45および−NR4647からなる群より選択され;
44は、水素およびアルキルからなる群より選択され;
45は、−NR4647、ヒドロキシ、−C(O)R48、アリール、ヘテロアリール、−N(O)R4647、−N(OH)R46および−NHC(O)Rからなる群より選択され、ここで、Rは、非置換のアルキル、ハロアルキルもしくはアラルキルであり;
46およびR47は、水素、アルキル、ヒドロキシアルキルアミノで置換された低級アルキル、シアノアルキル、シクロアルキル、アリールおよびヘテロアリールからなる群より独立して選択されるか;または
46およびR47は、組み合わさって複素環式基を形成し得;
48は、水素、ヒドロキシ、アルコキシおよびアリールオキシからなる群より選択され;
49は、ヒドロキシ、−C(O)R48、−NR4647および−C(O)NR4647からなる群より選択され;
50は、アルキル、シクロアルキル、アリールおよびヘテロアリールからなる群より選択され;そして
およびrは、独立して、1、2、3または4である。
SU11248として同定される、特に関心のある式(VI)の化合物は、R36がフルオロであり、R35、R37およびR38が各々水素であり、R39およびR41が各々メチルであり、そしてR40が−N(H)(CHN(Cである、化合物である。式(VI)の化合物は、米国特許第6,573,293号(すなわち、WO01/60814と同等)に記載され、この開示は、本明細書中に参考として援用される。
また関心があるのは、他のプロテインチロシンキナーゼインヒビターである。このようなインヒビターとしては、以下が挙げられるがこれらに限定されない:スタウロスポリン(staurosporine)誘導体(研究コードPKC−412または一般名ミドスタウリン(midostaurine)で示され、WO03/037347において、脱レギュレートされたFlt3レセプターチロシンキナーゼ活性が関与する疾患の処置に有用であると記載される化合物を含む)、および2002年8月9日に出願された、米国仮特許出願番号60/402,330および2003年1月16日に出願された、米国仮特許出願番号60/440,491(これらの開示は、本明細書中に参考として援用される)の付録Aに見られるチロシンキナーゼインヒビター。
(MEKインヒビター)
関心のあるMEKインヒビターは、最も広い意味において、MEKの活性を阻害し得る任意の化合物であり得る。2つの異なる遺伝子によりコードされる、2つのMEKプロテインキナーゼ異性体が同定されている:MEK1(MAPK/ERKキナーゼ1;プロテインキナーゼ、マイトジェン活性型、キナーゼ1;PRKMK1 MKK1;またはMAPKK1としても命名されている)およびMEK2(MAPK/ERKキナーゼ2;プロテインキナーゼ、マイトジェン活性型、キナーゼ2;PRKMK2 MKK2;またはMAPKK2としても命名されている)。ヒトMEK1およびMEK2をコードするアミノ酸配列および核酸配列は、それぞれ、Genbank登録番号L05624およびL11285において見出され得る。本明細書中で使用される場合、MEKインヒビターとは、MEK1またはEMK2の活性を阻害することが実証され得る化合物を指す。
1つの代表的なMEKインヒビターは、2−(2−アミノ−3−メトキシフェニル)−4−オキソ−4H−[1]ベンゾピラン(8)
Figure 2007513967
であり、これは、研究コードPD−098059で示され、そして、米国特許第5,525,625号に記載されている。
別の関心のあるMEKインヒビターは、Favataら、J.Biol.Chem.1998,273,18623−18632に記載されるような、U−0126、(1,4−ジアミノ−2,3−ジシアノ−1,4−ビス[2−アミノフェニルチオ]ブタジエン(9)
Figure 2007513967
である。
L−783277(10)(Zhaoら、J.of Antibiotics,1999,52,1086−1094およびGB2323845)およびRo−09−2210(11)(Williamsら、Biochemistry,1998,37,9579−9585)により例示される、天然に存在するレソリシル酸(resorcylic acid)ラクトンもまたMEKインヒビターとして関心がある:
Figure 2007513967
また、MEKインヒビターとして関心があるのは、4−アニリノ−3−シアノ−6,7−ジアルコキシキノリノンであり、Zhangら、Bioorg.Med.Chem.Lett.,2001,11,1407−1410により報告された、化合物(12)
Figure 2007513967
は、その強力な例である。
また、MEKインヒビターとして関心があるのは、米国特許出願公開第2003/0078428号に開示されるような、ブロモ−またはヨードフェニルアミノベンズヒドロキサム酸誘導体(例えば、化合物13(PD−184352またはCI−1040として示される):
Figure 2007513967
である。
13におけるようなジアリールアミンコアを有する関心のあるMEKインヒビターのさらなる構造的に関連する例としては、以下が挙げられる:米国特許第6,251,943号および同第6,310,060号に開示されるフェニルアミノ安息香酸、ベンズアミドおよびベンジルアルコール誘導体;米国特許第6,440,966号に開示されるベンゼンスルホンアミド誘導体;米国特許第6,455,582号に開示されるスルホヒドロキサム酸ジアリールアミン誘導体;米国特許第6,506,798号に開示される、4−アリールアミノ、4−アリールオキシ、および4−アリールチオジアリールアミン誘導体;米国特許出願公開第2003/0225076号(すなわち、WO01/68619と同等)に開示される5−アミド置換誘導体;ならびに米国特許第6,770,778号および米国特許出願公開第2004/0006245号(すなわち、それぞれ、WO03/062189およびWO03/062191と同等)に開示される、N−4置換フェニル−アントラニル酸ヒドロキサム酸エステル誘導体。他の例としては、米国特許出願公開第2003/0216460号および米国特許出願公開第2003/0232869号(すなわち、WO03/077914と同等)に開示される、N3アルキル化ベンゾイミダゾール誘導体が挙げられる。なお別の関連する例は、米国特許出願公開第2004/0054172号に開示される、PD−325901と示される化合物である。
他のMEKインヒビターの例としては、米国特許第6,469,004号に開示されるベンゾ複素環誘導体が挙げられる。MEKインヒビターであることが分かっている化合物のさらなる例としては、以下が挙げられるがこれらに限定されない:それぞれ、WO00/68201、米国特許第6,809,106号(すなわち、WO00/68200と同等)および米国特許第6,638,945号(すなわち、WO00/68199と同等)に開示される、一般構造式14、15および16のキノリノン誘導体
Figure 2007513967
そして、WO03/047585に開示される、一般式17のベンゾフラニル置換3−シアノキノリン誘導体、ならびに、WO03/053960に開示される、一般式18の関連する3−シアノキノリン誘導体
Figure 2007513967
。ここで、変数の全ては、それぞれの刊行物において定義される。関心のあるなお他のMEKインヒビターとしては、Kolch,Expert Opin.Pharmacother.,2002,3,709−718に記載されるものが挙げられる。
さらなるMEK阻害性化合物は、公知のMEK阻害アッセイを用いて当業者により容易に同定され得る。化合物のMEK阻害活性を決定するための多くのアッセイが当該分野で公知であり、代表的なこのようなアッセイは、米国特許第6,251,943号;同第6,310,060号;同第6,440,966号;同第6,455,582号;同第6,469,004号;および同第6,506,798号など(これらの開示は、本明細書中に参考として援用される)に記載される。
(投薬量(dosage))
任意の所定の投薬において、被験体に投与される各薬剤の量は、薬剤の性質、処置される状態の性質、処置される宿主の性質などに依存して変化し得る。当業者は、用量レベルが、特定の化合物の機能、送達ビヒクルの性質などに依存して変化し得ることを容易に理解する。所定の化合物および処置プロトコールについての特異的な投薬量は、種々の手段によって、当業者により容易に決定される。
被験体に投与されるCDK4インヒビターの量は、被験体を苦しめる状態(例えば、被験体を苦しめる細胞増殖性疾患)について、実施されるプロトコールを鑑みて、被験体を処置するために有効な量である。特定の代表的な実施形態において、宿主に投与されるCDK4インヒビターの量は、1日あたり、約0.01mg〜約5000mgの範囲にわたる。
使用される、すなわち、被験体に投与される場合の変異レセプターチロシンキナーゼインヒビターの量は、被験体を苦しめる状態(例えば、被験体を苦しめる細胞増殖性疾患)について、実施されるプロトコールを鑑みて、被験体を処置するために有効な量である。特定の代表的な実施形態において、宿主に投与されるチロシンキナーゼインヒビターの量は、1日あたり、約0.01mg〜約5000mgの範囲にわたる。
被験体に投与されるMEKインヒビターの量は、被験体を苦しめる状態(例えば、被験体を苦しめる細胞増殖性疾患)について、実施されるプロトコールを鑑みて、被験体を処置するために有効な量である。特定の代表的な実施形態において、宿主に投与されるMEKインヒビターの量は、1日あたり、約0.01mg〜約5000mgの範囲にわたる。
(投与経路)
本発明の方法を実施する際に、活性な薬剤は、単一の日用量で、または、1日あたり複数の用量で投与され得る。処置レジメンは、長期間にわたって、例えば、数日、または1〜6週間にわたって、または、より長い期間(無期限を含む)にわたっての投与を必要とし得る。投与される用量あたりの量、または投与される総量は、感染の性質および重篤度、患者の年齢および全身の健康状態のような要因に依存し、代表的な量が、上に提供される。
本発明の方法において、活性な薬剤は、融合タンパク質の活性の所望される変調を達成し得る任意の従来の手段を用いて、標的化した細胞に投与され得る。従って、この薬剤は、治療的な投与のための種々の処方物中に組み込まれ得る。より具体的には、本発明の薬剤は、適切な、薬学的に受容可能なキャリアまたは希釈剤と組み合わせることによって、薬学的組成物中に処方され得、そして、固形、半固形、液体または気体の形態の調製物(例えば、錠剤、カプセル、散剤、顆粒、軟膏、溶液、坐剤、注射剤、吸入剤およびエアロゾル)に処方され得る。従って、薬剤の投与は、種々の経路(経口、舌下、直腸、非経口、腹腔内、皮内、腔内(intracheal)を含む)の投与で達成され得る。
種々の宿主が、本発明の方法に従って処置可能である。一般に、このような宿主は、「哺乳動物(mammals)」または「哺乳動物(mammalian)」であり、これらの用語は、哺乳動物の分類に入る生物を説明するために広く用いられ、肉食動物目(例えば、イヌおよびネコ)、げっ歯類目(例えば、マウス、モルモットおよびラット)、霊長類目(例えば、ヒト、チンパンジーおよびサル)を含む。多くの実施形態において、宿主はヒトである。
(有用性)
本発明の方法は、種々の異なる状態の処置において用途を見出す。上に示したように、処置によって、宿主を苦しめる状態に関連する症状の少なくとも緩和が達成されることを意味し、緩和とは、広い意味において、少なくとも、処置される状態に関連するパラメータ(例えば、症状)の程度の減少を指すために使用される。従って、処置はまた、病理学的状態、もしくは少なくともそれに関連する症状が、完全に阻害(例えば、発生を回避)されるか、または、停止(例えば、終結)され、その結果、宿主が、もはやその状態、もしくは、少なくともその状態を特徴付ける症状を罹患していない状況を含む。
多くの実施形態において、状態は、上にまとめたように、変異レセプターチロシンキナーゼの存在により特徴付けられる細胞増殖性疾患の状態である。細胞増殖の調節不全に関連する多くの障害(すなわち、細胞過剰増殖性障害)が存在する。関心のある状態としては、以下が挙げられるがこれらに限定されない:白血病(例えば、PDGFRレセプターファミリーに属する変異レセプターチロシンキナーゼの存在により特徴付けられる白血病(例えば、AML(変異Flt3)、HES(変異PDGFRα)、好酸球増加を伴う全身性肥満細胞病(変異c−Kitおよび変異PDGFRα)、慢性骨髄球性白血病(CMML)(変異PDGFRβ)など);変異非PDGFRレセプターキナーゼの存在により特徴付けられる白血病および骨髄増殖性障害(例えば、多発性骨髄腫(変異FGFR3)および8p11骨髄増殖性症候群(変異FGFR1)など);固形腫瘍癌(例えば、変異PDGFRレセプターキナーゼの存在により特徴付けられるもの)(例えば、消化管間質腫瘍(変異c−Kit、PDGFRα)など);変異非PDGFRレセプターキナーゼの存在により特徴付けられるもの(例えば、膀胱癌(FGFR3)、甲状腺癌腫(Ret)および未分化大細胞リンパ腫(ALK)など)、ならびに変異レセプターチロシンキナーゼの存在により特徴付けられる他の型の癌。
(薬学的組成物)
本発明の1つの実施形態において、CDK4インヒビター;変異レセプターチロシンキナーゼインヒビターおよびMEKインヒビターのうちの少なくとも1種;および薬学的に受容可能なキャリアを含有する薬学的組成物が提供される。例えば、薬学的に受容可能な塩の形態の活性な薬剤が、上に記載されたように、本発明の方法において使用するための、経口投与用または非経口投与用に処方され得る。これらの実施形態において、活性な薬剤の全てを含む単一の処方物(すなわち、2種以上の活性な薬剤を含む1つの組成物)が提供される。例えば、化合物が、別個の処方物と組み合わせて投与される他の実施形態において、各々が、異なる活性な薬剤を含有する別個または異なる薬学的組成物が提供される。
例示の目的で、活性な化合物は、従来の薬学的キャリアおよび賦形剤(すなわち、ビヒクル)と混合され得、そして、水溶液、錠剤、カプセル、エリキシル、懸濁剤、シロップ、ウェハーなどの形態で使用され得る。特定の実施形態において、このような薬学的組成物は、約0.1重量%〜約90重量%の活性な化合物、より一般的には、約1重量%〜約30重量%の活性な化合物を含有する。薬学的組成物は、一般的なキャリアおよび賦形剤(例えば、トウモロコシデンプンまたはゼラチン、ラクトース、デキストロース、スクロース、微結晶性セルロース、カオリン、マンニトール、リン酸二カルシウム、塩化ナトリウムおよびアルギン酸)を含み得る。本発明の処方物において一般的に使用される崩壊剤としては、クロスカルメロース、微結晶性セルロース、グリコール酸トウモロコシデンプンおよびアルギン酸が挙げられる。
液体組成物は、一般に、懸濁剤、保存剤、界面活性剤、湿潤剤、矯味矯臭剤もしくは着色剤と共に、適切な液体キャリア(例えば、エタノール)中の、化合物または薬学的に受容可能な塩の懸濁液または溶液、グリセリン、ソルビトール、非水性溶媒(例えば、ポリエチレングリコール)、油または水から構成される。あるいは、液体処方物は、再構成可能な粉末から調製され得る。
例えば、活性な化合物、懸濁剤、スクロースおよび甘味料を含有する粉末は、水を用いて再構成されて、懸濁液を形成し得る;そして、シロップは、活性成分、スクロースおよび甘味料を含有する粉末から調製され得る。
錠剤の形態の組成物は、固形組成物を調製するために慣用的に使用される任意の適切な薬学的キャリアを使用して調製され得る。このようなキャリアの例としては、ステアリン酸マグネシウム、デンプン、ラクトース、スクロース、微結晶性セルロースおよび結合剤(例えば、ポリビニルピロリドン)が挙げられる。錠剤はまた、カラーフィルムコーティング、またはキャリアの一部として含められる色(color)が提供され得る。さらに、活性な化合物は、親水性基材または疎水性基材を含有する錠剤としての、制御放出投薬形態で処方され得る。
カプセルの形態の組成物は、例えば、活性な化合物および賦形剤を、硬性ゼラチンカプセル内に組み込むことによって、慣用的なカプセル化手順を用いて調製され得る。あるいは、活性な化合物および高分子量ポリエチレングリコールの半固形基材が調製され、硬性ゼラチンカプセルに充填され得るか;または、ポリエチレングリコール中の活性な化合物の溶液、もしくは食用油(例えば、液体パラフィンまたはヤシ油)中の懸濁液が、調製され、軟性ゼラチンカプセルに充填され得る。
含まれ得る錠剤の結合剤は、アカシア、メチルセルロース、ナトリウムカルボキシメチルセルロース、ポリ−ビニルピロリドン(Povidone)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、スクロース、デンプンおよびエチルセルロースである。使用され得る潤滑剤としては、ステアリン酸マグネシウムまたは他の金属ステアリン酸塩、ステアリン酸、シリコーン流体、滑石、蝋、油およびコロイド状ケイ素が挙げられる。
ペパーミント、ウィンターグリーン油、チェリーフレーバー(cherry flavoring)などのような矯味矯臭剤がまた使用され得る。さらに、投薬形態の外見をより魅力的にし、製品の識別を補助するために、着色剤を添加することが望ましくあり得る。
非経口投与された場合に活性な、本発明の化合物、およびその薬学的に受容可能な塩は、筋肉内、くも膜下腔内、または静脈内の投与のために処方され得る。
筋肉内もしくはくも膜下腔内の投与のための代表的な組成物は、油(例えば、ラッカセイ油またはゴマ油)中の活性成分の懸濁液または溶液である。静脈内またはくも膜下腔内の投与のための代表的な組成物は、例えば、活性成分およびデキストロースもしくは塩化ナトリウム、または、デキストロースおよび塩化ナトリウムの混合物を含有する、滅菌の等張性溶液である。他の例は、乳酸リンガー注射液、乳酸リンガー+デキストロース注射液、Normosol−Mおよびデキストロース、Isolyte E、アシル化リンガー注射液などである。必要に応じて、共溶媒(例えば、ポリエチレングリコール)、キレート化剤(例えば、エチレンジアミン四酢酸)および抗酸化剤(例えば、メタ重亜硫酸ナトリウム)が、処方物中に含まれ得る。あるいは、溶液は、凍結乾燥されて、投与の直前に、適切な溶媒を用いて再構成され得る。
直腸投与において活性な本発明の化合物およびその薬学的に受容可能な塩は、坐剤として処方され得る。代表的な坐剤処方物は、一般に、結合剤および/もしくは潤滑剤(例えば、ゼラチンまたはカカオバター、または低融点食物性もしくは合成ワックスまたは油脂)と共に、活性成分から構成される。
局所投与において活性な本発明の化合物およびその薬学的に受容可能な塩は、経皮組成物または経皮送達デバイス(「パッチ」)として処方され得る。このような組成物としては、例えば、裏装(backing)、活性な化合物のレザバ、制御膜(control membrane)、ライナー(liner)およびコンタクト接着剤(contact adhesive)が挙げられる。このような経皮パッチは、本発明の化合物の、制御された量での連続的または断続的な注入を提供するために使用され得る。医薬品の送達のための経皮パッチの構築および使用は、当該分野で周知である。例えば、1991年6月11日に発行された、米国特許第5,023,252号(その全体が本明細書中に参考として援用される)を参照のこと。このようなパッチは、医薬品の連続的、拍動性、または応需型の送達のために構築され得る。
必要に応じて、薬学的組成物は、他の薬学的に受容可能な成分(例えば、緩衝液、界面活性剤、抗酸化剤、粘性調節剤、保存料など)を含有し得る。これらの成分の各々は、当該分野で周知である。例えば、米国特許第5,985,310号(この開示は、本明細書中に参考として援用される)を参照のこと。
本発明の処方物において使用するために適切な他の成分は、Remington’s Pharmaceutical Sciences,Mace Publishing Company,Philadelphia,Pa.,第17版(1985)に見出され得る。
(キットおよびシステム)
また、上述のように、本発明の方法を実施する際に用途を見出す、キットおよびシステムも提供される。例えば、本発明の方法を実施するためのキットおよびシステムは、少なくともCDK4インヒビターを含み、そして、特定の実施形態において、1種以上のさらなるインヒビター化合物、特に、MEKインヒビター、変異レセプターチロシンキナーゼインヒビター、またはMEKインヒビターおよび変異レセプターチロシンキナーゼインヒビターの両方を含む、1種以上の薬学的処方物を含み得る。従って、特定の実施形態において、キットは、1つ以上の単位投薬量として存在する、単一の薬学的組成物を含み得、この組成物は、1種以上のインヒビター化合物を含み得る。なお他の実施形態において、キットは、各々が異なるインヒビター化合物を含有する2つ以上の別個の薬学的組成物を含み得る。
上述の成分に加え、本発明のキットは、さらに、本発明の方法を実施するための指示書を備え得る。これらの指示書は、種々の形態で、本発明のキット内に存在し得る(1つ以上の指示書が、キット内に存在し得る)。これらの指示書の1つの形態は、安定な媒体または基材(例えば、情報が印刷された紙片)上の、キットの包装の、添付文書内などの印刷された情報として存在し得る。なお別の手段は、情報が記録されたコンピュータ読み取り可能な媒体(例えば、フロッピー(登録商標)ディスク、CDなど)である。存在し得るなお別の手段は、インターネットを介して、離れたサイトにある情報にアクセスするために使用され得るウェブサイトのアドレスである。任意の従来の手段が、キット内に存在し得る。
用語「システム」とは、本明細書中で使用される場合、本発明の方法を実施する目的で一緒にされた、単一または別個の組成物中に存在する、2種以上の異なる活性な薬剤の集合を指す。例えば、本発明に従って、一緒にされ、被験体に同時に投与される、別々に得られたCDK4インヒビターおよびMEKインヒビターの投薬形態が、本発明に従うシステムである。
以下の実施例は、制限する目的ではなく、例示の目的で提供される。
(実施例I:Flt3が、MV4−11細胞株におけるサイクリンD/CDK4シグナル伝達を活性化することの証明)
MV4−11細胞株は、変異的に活性化されたFlt3を発現する、急性骨髄性白血病細胞株である(Leukemia,2003,17,120−124)。上述の変異レセプターチロシンキナーゼインヒビターTHRX−165724は、米国特許出願公開第2003/0171378号に記載されるように、公知のFlt3インヒビターである。MV4−11細胞における遺伝子発現に対するTHRX−165724の効果を、以下のように評価した。
リボヌクレアーゼ保護アッセイ(RPA)を、BD Biosciences Pharmingen(San Diego,CA)により提供される指示書に従って行なった。このアッセイにおいて、関心の有る遺伝子の放射標識されたプローブを、溶液中で標的のRNAにハイブリダイズさせ、その後、遊離プローブおよび他の単鎖RNAをRNAseで消化した。反応を、ポリアクリルアミドゲル電気泳動(PAGE)により分離し、保護されたプローブフラグメントを、オートラジオグラフィーにより明確なバンドとして可視化した。関心のある遺伝子の発現レベルが高ければ高いほど、放射性プローブがより保護され、かつ、得られるバンドがより強かった。
THRX−165724に曝露したMV4−11細胞(300nMで3時間のインキュベーション)およびTHRX−165724に曝露していない細胞を、RPAにより評価した。結果を図1A〜1Cに示す。各ゲルの3つのレーンの各々のバンドは、1つの遺伝子を表す。「P」とラベルを付けた、各ゲルの左のレーンは、未消化のプローブを含み、各ゲルの中央のレーンは、インヒビターに曝露しなかった細胞についての結果であり、一方で、右のレーンは、THRX−165724に3時間曝露した細胞についての結果である。ハイブリダイゼーションおよびRNAse消化の後に、プローブはサイズが減ることに注意されたい。これは、未消化のプローブに対応するレーンにおける関心のあるバンドの位置と、他のレーンにおける関心のあるバンドの位置との間のシフトを説明する。CDK4特異的プローブを含むプローブを用いたアッセイの結果を、図1Aに示す。(標識していない他の遺伝子の中で)P16およびP15の発現についてのアッセイの結果を、図1Bに示し、一方で、サイクリンA、サイクリンB、サイクリンD1、サイクリンD2およびサイクリンD3(ならびに標識していない他の遺伝子)の発現を、図1Cに示す。
以下のことが、RPAの結果から得られ得る:
・大半の遺伝子は、THRX−165724を用いた細胞の処理によって、その発現レッベルに影響を受けない。これは、THRX−165724に曝露した細胞と曝露していない細胞(すなわち、0および3と印を付けたレーン)から生じたバンドのパターンの類似性により証明された。
・図1Cに示すように、3つの遺伝子が、影響を受け、ダウンレギュレートされる:サイクリンD1、D2、D3。これらの3つの遺伝子についてのバンドは、THRX−165724に曝露した細胞よりもかなり微かである。
図1AのCDK4プローブの保護が実証するように、サイクリンD1、D2、D3は、CDK4の正の調節因子であること、そして、CDK4は、MV4−11細胞において発現されることが公知である。CDK4のバンドの強度は、THRX−165724で処理しなかった細胞に由来するサンプルと、THRX−165724で処理した細胞に由来するサンプルとで同じであった。このことは、CDK4遺伝子の発現は、Flt3インヒビターでのMV4−11細胞の処理に応答して影響を受けないことを示す。さらに、P15およびP16は、サイクリンD/CDK4複合体の負の調節因子であることが公知である(Cell Mol Life Sci.,2001,58,1907−1922.Leuk Lymphoma,1996,23,505−520)。RPA分析はまた、図1Bに示すように、P16は、MV4−11細胞において発現されるが、P15は発現されないことを実証する。サイクリンD/CDK4複合体は、細胞周期のG1期からS期への移行を調節することもまた公知である(Curr Opin Cell Biol.,2000,12,:676−84)。
上記のRPA実験は、Flt3が変異したMV4−11細胞は、サイクリンD1、そして特に、サイクリンD2およびD3の発現をアップレギュレートすることを示す。このことは、THRX−165724(Flt3インヒビター)で処理したMV4−11細胞に由来するサンプルを表す、サイクリンD1、D2およびD3のバンドの強度の下降により実証される。細胞をFlt3インヒビターで処理した時間の間、変異したFlt3レセプターが不活性化され、その結果、その発現が、変異Flt3から駆動されるシグナルによって駆動されるあらゆる遺伝子がダウンレギュレートされ、このことは、その細胞において作製される、その特定の遺伝子のためのmRNAのより転写物/コピーがより少なくなることを意味する。Flt3シグナルの喪失は、サイクリンD1、D2およびD3の発現の減少をもたらすので、これらの遺伝子の転写物のレベルが下降する。結果として、より少ない量のプローブが、RPA実験において保護され、そして、これは、強度の減少によりバンドに反映される。変異Flt3は、サイクリンD1、D2およびD3の発現をアップレギュレートするので、変異レセプターはまた、CDK4を間接的に活性化する。なぜならば、CDK4の活性は、存在するサイクリンD1、D2およびD3の量と結びついているからである。従って、変異Flt3は、サイクリンD/CDK4シグナル伝達を活性化する。
(実施例II:変異レセプターチロシンキナーゼにより特徴付けられる細胞株の生存度に対するCDK4インヒビターの効果)
変異Flt3が、サイクリンD/CDK4のシグナル伝達を活性化すると仮定すると、CDK4インヒビターであるアルシリアフラビンの、MV4−11細胞の生存度に対する影響を試験した。この実施例におけるコントロールとして、サイクリンA/CDK2についてのインヒビターおよびサイクリンE/CDK2についてのインヒビター(プルバラノール(purvalanol))、ならびにサイクリンB/CDK1についてのインヒビター(アルステルパウロン(alsterpaullone))を含めた。この実施例におけるさらなるコントロール化合物は、Flt3インヒビターTHRX−165724およびPDGFRαインヒビター メシル酸イマチニブ(Gleevec(登録商標)、本明細書中、以後「イマチニブ」)であった。これらのインヒビターをまた、変異融合キナーゼFip1L1−PDGFRαを発現するEOL−1細胞、ならびにK562細胞およびBV173細胞(CML細胞株)ならびにTHP−1細胞およびU937細胞(AML細胞株)に対して試験した。インヒビターの希釈範囲は、20μM〜10nMであった。
細胞株の生存度を、MTTアッセイにより決定した。このアッセイは、テトラゾリウム塩:臭化3,[4,5−ジメチルチアゾール−2−イル]−2,5−ジフェニルテトラゾリウム(MTT)の減少に基づく。代謝活性に関連するミトコンドリア酵素は、MTTをホルマザン色素に還元する(これは分光光度的に測定され得る)。アポトーシスを受けている細胞は、代謝活性の減少を示し、これは、ホルマザン色素の形成の減少をもたらす。結果を、未処理のコントロールとの比較により定量する。
IC50と示される量(すなわち、細胞の生存度が550%減少するインヒビターの濃度)の観点から表現される生存度の結果を、表1に示す。
Figure 2007513967
上記の結果から見られ得るように、アルシリアフラビンは、EOL−1細胞およびMV4−11細胞の生存度を選択的に減少する。対照的に、変異的に活性化されたレセプターチロシンキナーゼを発現しない細胞は、アルシリアフラビンによるCDK4の阻害に感受性ではない。K562およびBV173は、bcr−abl融合キナーゼを発現するCML細胞株である。AML細胞株THP−1およびU937と同様に、K562およびBV173は、アルシリアフラビンに対して感受性ではない。しかし、K562およびBV173は、bcr−ablのインヒビターであるイマチニブに対して感受性である。ablは、BV173およびK562において変異しているチロシンキナーゼであるが、EOL−1における変異PDGFRα、およびMV4−11における変異Flt3と同様に、変異ablは、アルシリアフラビンに対してこれらの細胞を感作しない。変異レセプターチロシンキナーゼを有する細胞のみが、CDK4の阻害に対して感受性である。
上の実施例1に示されるように、変異Flt3は、MV4−11細胞においてサイクリンD/CDK4活性をアップレギュレートするので、CDK4インヒビターであるアルシリアフラビンの、これらの細胞の生存度に対する影響は、サイクリンD/CDK4のアップレギュレーションが、変異Flt3により活性化された生存および増殖経路の重要な段階であることを示す。
EOL−1細胞が、MV4−11細胞と同様に、アルシリアフラビンに対して感受性であるという観察は、癌キナーゼFip1L1−PDGFRαが、サイクリンD/CDK4もまた活性化するということを示す。Flt3およびPDGFRαは、ともに、レセプターチロシンキナーゼのPDGFRαスーパーファミリーに属するので、これらの結果は、CDK4インヒビターが、変異レセプターチロシンキナーゼの存在により特徴受けられる細胞の生存度を選択的に減少することを実証する。
(実施例III:サイトカインの存在下でのインヒビターの効果)
AML患者の処置のためのFlt3インヒビターの最近の臨床治験は、数人の患者において、末梢血ではなく、骨髄におけるAML芽細胞のあまりはっきりとしない減少を示した。骨髄の環境は、多数のサイトカインを含むことが公知である。THRX−165724のMV4−11細胞に対する活性、およびイマチニブのEOL−1細胞に対する活性についてのサイトカインの影響を調べた。これらの細胞株を、サイトカインGM−CSFおよびIL−3(各々10ng/mL)の存在下および不在下で、適切なインヒビターと共にインキュベートした。イマチニブに対して感受性であるCML細胞株BV173、ならびにイマチニブにもTHRX−165724にも感受性でないTHP−1細胞株を、コントロールとして含めた。イマチニブ(1μM)と共にインキュベートしたEOL−1細胞株およびBV173細胞株、ならびに、THRX−165724(1μM)と共に48時間インキュベートしたMV4−11細胞株およびTHP−1細胞株についてのMTT生存度アッセイの結果を、それぞれ、図2および3に示す。
THRX−165724およびイマチニブは、サイトカインの非存在下で、MV4−11細胞およびEOL細胞の生存度を強く減少するが、サイトカインの存在下では、細胞の生存度は、あまり影響を受けないことを見出した。
変異的に活性化されたチロシンキナーゼについての特異的なインヒビターと同様に、CDK4インヒビターであるアルシリアフラビンは、MV4−11細胞およびEOL−1細胞においてアポトーシスを誘導し得る(表1を参照のこと)。アルシリアフラビンの能力に対するサイトカインの影響を研究するために、MV4−11細胞およびEOL−1細胞を、アルシリアフラビン(1μM)と共に48時間、GM−CSFおよびIL−3の存在下および非存在下で、インキュベートし、そして、MTTアッセイにより決定した生存度を、図4に示す。これらのサイトカインの存在下ではMV4−11細胞およびEOL−1細胞の生存度に対するアルシリアフラビンの影響は、かなり減少し、これは、MV4−11細胞およびEOL−1細胞をサイトカインの存在下でTHRX−165724およびイマチニブに曝露したときに見られる減少と類似していた。
(実施例IV:変異レセプターチロシンキナーゼにより特徴付けられる細胞株の生存度に対する、CDK4インヒビターおよびMEKインヒビターの組み合わせ)
造血細胞において、サイトカインGM−CSFおよびIL−3は、MEKの活性化により、生存および増殖のシグナル伝達を提供することが示されている。MV4−11細胞およびEOL−1細胞の生存におけるMEKの役割を試験するために、MEK特異的インヒビターであるU0126(10μM)を用いて、生存度アッセイ(48時間インキュベーション)を行なった(図5を参照のこと)。それ自体で、U0126は、試験した細胞株の生存または増殖をわずかに変更する。
MV4−11細胞およびEOL−1細胞を、MEK特異的インヒビターであるU0126(10μM)、およびCDK4インヒビターであるアルシリアフラビン(1μM)の組み合わせと共に、48時間インキュベートした。結果を図6に示す。図面に見られ得るように、MEK特異的インヒビターおよびCDK4インヒビターの組み合わせは、MV4−11細胞およびEOL−1細胞の生存度の減少に、相乗的に作用し、そして、サイトカインの存在下でさえも、生存度をかなり減少する。変異的に活性化されたチロシンキナーゼを発現しないコントロール細胞株であるTHP−1は、アルシリアフラビン単独でも、U0126との組み合わせでも影響を受けない。
EOL−1細胞、MV4−11細胞、およびbTHP−1細胞を、サイトカインGM−CSFおよびIL−3の非存在下および存在下で、列挙した薬剤と共にインキュベートしたMTT生存度アッセイの独立したセットの結果を、表2にまとめる。
Figure 2007513967
また、表2から、MEK特異的インヒビター(U0126)およびCDK4インヒビター(アルシリアフラビン)の組み合わせが、サイトカインの存在下でさえも、MV4−11細胞およびEOL−1細胞(すなわち、変異レセプターチロシンキナーゼを発現する細胞株)の生存度を減少することは明らかである。
上記の結果および考察から、本発明は、細胞増殖性疾患状態のための重要な新規処置方法を提供し、この方法は、医薬および関連分野に有意な利益を提供することが明らかである。従って、本発明は、当該分野に対する有意な寄与を表す。
本明細書中に引用されるすべての刊行物および特許は、各個々の刊行物または特許が、具体的かつ個別に、参考として援用されるかのように、本明細書中に参考として援用される。任意の刊行物の引用は、出願日前のその開示のためであり、本発明に、先行技術の発明によってこのような刊行物に事前日付にする権利を与えるものではない。
上記の本発明は、理解を明確にする目的で、実例および例示によりいくらか詳細に記載したが、特定の変更および改変が、添付の特許請求の範囲の精神または範囲から逸脱することなく、本発明に対してなされ得ることは、本発明の教示の観点から、当業者に容易に理解される。
図1A、1Bおよび1Cは、300nMの濃度のTHRX−165724で処理したMV4−11細胞の遺伝子発現プロフィールを示す。 図2は、サイトカインGM−CSFおよびIL−3の非存在下(白棒)および存在下(斜線の棒)での、イマチニブ(1μM)と共にインキュベートした、EOL−1細胞およびBV173細胞の生存度(%)を示す。 図3は、サイトカインGM−CSFおよびIL−3の非存在下(白棒)および存在下(斜線の棒)での、THRX−165724(1μM)と共にインキュベートした、MV4−11細胞およびTHP−1細胞の生存度(%)を示す。 図4は、サイトカインGM−CSFおよびIL−3の非存在下(白棒)および存在下(斜線の棒)での、アルシリアフラビン(1μM)と共にインキュベートした、EOL−1細胞、MV4−11細胞およびTHP−1細胞の生存度(%)を示す。 図5は、サイトカインGM−CSFおよびIL−3の非存在下(白棒)および存在下(斜線の棒)での、U0126(10μM)と共にインキュベートした、EOL−1細胞、MV4−11細胞およびTHP−1細胞の生存度(%)を示す。 図6は、サイトカインGM−CSFおよびIL−3の非存在下(白棒)および存在下(斜線の棒)での、アルシリアフラビン(1μM)およびU0126(10μM)と共にインキュベートした、EOL−1細胞、MV4−11細胞およびTHP−1細胞の生存度(%)を示す。

Claims (26)

  1. 変異レセプターチロシンキナーゼの存在により特徴付けられる細胞増殖性疾患に罹患する被験体の処置のための医薬の製造における、CDK4インヒビターの使用。
  2. 変異レセプターチロシンキナーゼの存在により特徴付けられる細胞増殖性疾患に罹患する被験体の処置のための、変異レセプターチロシンキナーゼインヒビターおよびMEKインヒビターのうちの少なくとも1種と組み合わせて投与するための医薬の製造における、CDK4インヒビターの使用。
  3. 前記細胞増殖性疾患が白血病である、請求項1または2に記載の使用。
  4. 前記細胞増殖性疾患が、固形腫瘍の存在により特徴付けられる、請求項1または2に記載の使用。
  5. 前記変異レセプターチロシンキナーゼが、PDGFRチロシンキナーゼスーパーファミリーのメンバーである、請求項1または2に記載の使用。
  6. 前記変異レセプターチロシンキナーゼが、PDGFRα、PDGFRβ、Flt3、FGFR1、FGFR3、Ret、ALKおよびEGFRからなる群より選択される、請求項1または2に記載の使用。
  7. 前記医薬が、変異レセプターチロシンキナーゼインヒビターと組み合わせて投与するためのものである、請求項2に記載の使用。
  8. 前記医薬が、MEKインヒビターと組み合わせて投与するためのものである、請求項2に記載の使用。
  9. 前記医薬が、変異レセプターチロシンキナーゼインヒビターおよびMEKインヒビターと組み合わせて投与するためのものである、請求項2に記載の使用。
  10. 前記被験体が、変異レセプターチロシンキナーゼの存在を同定するためにスクリーニングされる、請求項1または2に記載の使用。
  11. 前記被験体が、ヒトである、請求項1または2に記載の使用。
  12. 組成物であって、以下:
    a)CDK4インヒビター;
    b)i)変異レセプターチロシンキナーゼインヒビター;および
    ii)MEKインヒビター
    のうちの少なくとも1種;ならびに
    c)薬学的に受容可能なキャリア
    を含有する、組成物。
  13. 前記組成物が、変異レセプターチロシンキナーゼインヒビターを含有する、請求項12に記載の組成物。
  14. 前記組成物が、MEKインヒビターを含有する、請求項12に記載の組成物。
  15. 前記組成物が、変異レセプターチロシンキナーゼインヒビターおよびMEKインヒビターを含有する、請求項12に記載の組成物。
  16. キットであって、以下:
    a)CDK4インヒビター;および
    b)変異レセプターチロシンキナーゼの存在により特徴付けられる細胞増殖性疾患に罹患する被験体を処置するために該CDK4インヒビターを使用するための指示書
    を備える、キット。
  17. 前記キットが、さらに、以下:
    i)変異レセプターチロシンキナーゼのインヒビター;および
    ii)MEKインヒビター
    から選択される少なくとも1種のさらなるインヒビターを含む、請求項16に記載のキット。
  18. 前記キットが、変異レセプターチロシンキナーゼのインヒビターを含む、請求項17に記載のキット。
  19. 前記キットが、MEKインヒビターを含む、請求項17に記載のキット。
  20. 前記キットが、変異レセプターチロシンキナーゼインヒビターおよびMEKインヒビターを含む、請求項17に記載のキット。
  21. 前記CDK4インヒビターおよび少なくとも1種のさらなるインヒビターが、単一の処方物中に存在する、請求項17〜20のいずれか1項に記載のキット。
  22. 前記CDK4インヒビターおよび少なくとも1種のさらなるインヒビターが、別個の処方物として存在する、請求項17〜20のいずれか1項に記載のキット。
  23. システムであって、以下:
    a)CDK4インヒビター;ならびに
    b)i)変異レセプターチロシンキナーゼインヒビター;および
    ii)MEKインヒビター
    のうちの少なくとも1種
    を含む、システム。
  24. 前記システムが、変異レセプターチロシンキナーゼインヒビターを含む、請求項23に記載のシステム。
  25. 前記システムが、MEKインヒビターを含む、請求項23に記載のシステム。
  26. 前記システムが、変異レセプターチロシンキナーゼインヒビターおよびMEKインヒビターを含む、請求項23に記載のシステム。
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